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特許7227170危険なサイトに設置された、炭化水素の輸送のためのパイプラインのセクションまたはコンポーネントのための監視システム
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  • 特許-危険なサイトに設置された、炭化水素の輸送のためのパイプラインのセクションまたはコンポーネントのための監視システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-13
(45)【発行日】2023-02-21
(54)【発明の名称】危険なサイトに設置された、炭化水素の輸送のためのパイプラインのセクションまたはコンポーネントのための監視システム
(51)【国際特許分類】
   F17D 5/06 20060101AFI20230214BHJP
   F17D 3/01 20060101ALI20230214BHJP
   F17D 1/02 20060101ALI20230214BHJP
【FI】
F17D5/06
F17D3/01
F17D1/02
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019571816
(86)(22)【出願日】2018-03-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-05-21
(86)【国際出願番号】 IB2018051669
(87)【国際公開番号】W WO2018167668
(87)【国際公開日】2018-09-20
【審査請求日】2021-03-02
(31)【優先権主張番号】102017000027345
(32)【優先日】2017-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】320002751
【氏名又は名称】オドリ,マウロ
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】バルバーリ,セレーナ
【審査官】渡邉 聡
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2007/0041333(US,A1)
【文献】実開昭56-149907(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第104019849(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106051470(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第105403157(CN,A)
【文献】特開2012-241801(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0153743(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0232924(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F17D 5/06
F17D 3/01
F17D 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
危険な及び/または制限されたアクセスのサイトに位置する、炭化水素のための輸送ラインのセクションまたはコンポーネントを監視するためのシステムであって、
- 前記輸送管の前記セクション(1)または前記コンポーネントの変形を、前記輸送管の前記セクション(1)または前記コンポーネントの設置エリアにおいて検出するための手段(102,2)と、
- コンピュータ化中央ユニット(3)であって、変形を検出するための前記手段(102,2)のためのインタフェースを備え、輸送管の前記セクション(1)または前記コンポーネントの前記変形に関するデータを受信するために後者に接続された、コンピュータ化中央ユニット(3)と、
- 炭化水素の前記輸送のための前記輸送管を監視する権限を与えられた1つまたは複数の運転ステーションまたは遠隔ユーザーに前記画像またはフィルミングを送信するために、前記コンピュータ化中央ユニット(3)及び遠隔通信ライン(5)に接続されたデータの遠隔送信のための手段(4)と、
- 変形を検出するための前記手段(102,2)、前記中央ユニット(3)、及び遠隔送信のための前記手段(4)に、運転に必要とされる電力を提供することを目標とした、変形を検出するための前記手段(102,2)、前記中央ユニット(3)、及び遠隔送信のための前記手段(4)に接続された独立型太陽光発電機(10)と
を含み、
輸送管の前記セクション(1)は、2つの弾性要素(22a,22b)を介して前記セクション(1)の中断領域内に取り付けられた、1つの相互接続ジャンクション(21)によって互いに接続されたピース(1a,1b)を含むこと、及び、複数のひずみゲージであって、前記ピース(1a,1b)の間に取り付けられた第1のひずみゲージ(102a);前記相互接続ジャンクション(21)と地面との間ならびに前記ジャンクションに接続された輸送管の前記セクション(1)の前記ピース(1a,1b)と地面との間にそれぞれ取り付けられた第2のひずみゲージ(102b)、第3のひずみゲージ(102c)、及び第4のひずみゲージ(102d);及び、前記弾性要素(22a,22b)をバイパスして、前記ピース(1a,1b)と前記相互接続ジャンクション(21)との間にそれぞれ取り付けられた第5のひずみゲージ(102e)及び第6のひずみゲージ(102f)である複数のひずみゲージが設けられることを特徴とする、システム。
【請求項2】
前記遠隔通信ライン(5)は、音声及びデータ送信のためのセルラーネットワークからなること、及び、データの遠隔送信のための前記手段(4)は、前記セルラーネットワークを通じて動作するデータ送信デバイス、及び、前記データ送信デバイス(4)と前記コンピュータ化中央ユニット(3)との間に介在するインタフェース(6)を含むことを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記遠隔通信ライン(5)は衛星電話接続からなること、及び、データの遠隔送信のための前記手段(4)は、衛星送信/受信デバイス、及び、前記衛星送信/受信デバイスと前記コンピュータ化中央ユニットとの間に設置された接続及び符号化インタフェース(6)を含むことを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視システムの技術分野に関し、より正確には、流体炭化水素のための輸送ライン(メタンパイプラインまたはオイルパイプライン)またはより一般的には、上水道などの他の流体のための輸送ラインのための監視システムに関する。
【0002】
特に、本発明は、上記輸送管の制限されたセクションまたは特定のコンポーネントであって、上記セクションまたはコンポーネントの完全性にとって極めて重要であり得るサイトに設置された、制限されたセクションまたは特定のコンポーネントを連続して監視するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
炭化水素(主に、メタン及び石油またはその誘導体)が、主に、メタンまたはオイルパイプライン、地下または地表パイプラインで構成される輸送ラインによって、生産サイトから貯蔵サイトに、その後、配送及び使用サイトに輸送されることが知られている。全ての輸送管は、概して、圧縮または圧送ステーションよって分離された複数のセクションに分割され、圧縮または圧送ステーションは炭化水素の十分な圧力及び流れを回復させるために長い距離にわたって必要である。流れ遮断弁、リダクションユニットなどのような他のコンポーネントが輸送管に沿って設けられる。これらのコンポーネントの多くは、特に配送ラインに関して、制限されたサイズのキャビンなどの閉鎖構造の内部に設置される。閉鎖構造はしばしば上記コンポーネントを収容するのに過不足のないサイズであり、したがって、維持管理のためにアクセスするのが難しい。
【0004】
炭化水素の輸送のための輸送管の監視において特定の用途であるが排他的でない用途を見出す本発明によって提案される監視システムは、メタンの輸送のための輸送管または液体炭化水素の輸送のための輸送管に区別なく適用される。しかしながら、説明の便宜上、以下では、全ての記述がオイルパイプライン及び炭化水素の輸送のための他のタイプの輸送管に関して同様に有効であることを考慮して、メタンパイプラインに対して参照が行われることになる。
【0005】
その性質上、メタンパイプラインは非常に異なる地形学的及び形態学的特徴を有する地域を横断する。それらの地域は、平坦または山がちである、乾燥しているまたは非常に湿度が高い、堅くしまった土を有するまたは沈下のリスクがある、高度に開発されているまたは放棄され少なくとも短時間でアクセスするのが難しい、などの特徴を有する。
【0006】
いずれにしても、メタンの供給及び配送の連続性が重要であるため、メタンパイプラインの各単一セクションが、常に運営されかつ完全に正常に働く状態にあることを保証することは、完全に例外的な及び予測不能な場合を除いて、生成物の輸送及び配送の中断を回避するために必要不可欠である。しかしながら、これらの散発的な場合においてさえも、問題のサイト及びタイプを即座に識別することは、非常に迅速に介入して問題を解決し、メタンの流れを回復させるために重要である。
【0007】
緊急事態を最小にするために、メタンパイプラインは、概して、特別に訓練された維持管理技術者のチームによって監視される。しかしながら、この技法は、幾つかの場合に不適切であることがわかっており、特に、その最も重要な局面の幾つかにおいて、メタンパイプラインの状態の十分な制御が保証されない。
【0008】
特に重大な例は、ランドスライドを起こしやすく、到達不能で不安定な領域を横断するメタンパイプラインのセクションに関しており、その領域は、道路または他の通信チャネルから遠いため、開発が進んでおらずアクセスするのが困難なエリアにしばしば位置する。
【0009】
これらの場合、十分に注意深くかつ絶え間ない監視サービスを保証することは、難しく、したがってまた非常に費用がかかる。
【0010】
さらに、現在使用されている監視技法によって、早期警告アクションを実施することは本質的に不可能である。早期警告は、多くの場合、パイプの破損またはパイプラインの他のコンポーネントの深刻な故障の発生を防止することになる。
【0011】
例えば、地盤が不安定でランドスライドを起こしやすいエリアにおいて、メタンパイプラインの輸送管のセクションまたはコンポーネントがその上に設置されている土地が沈下すると、輸送管に対して深刻な問題が起こり、パイプラインまたは影響を受けるコンポーネントのずれまたは破損をもたらし得る。
【0012】
ランドスライドまたは何であれ重大な土地沈下は、通常、完全に予測できない現象では無く、地面の小さい局所的変位、表面の陥没、地表割れの形成などのような十分に識別される兆候によってほとんど常に予期されるものである。これらの信号は、適切なランドスライドの何時間、さらには何日も前に発生し得る。
【0013】
いずれの場合も、適時に識別される場合には、危険なガスパイプラインのセクションの近くの状況の小さい変化は、保護処置をとることを可能にし、輸送ラインのパイプまたはコンポーネントに対する破損または深刻な損傷をしばしば回避し得る。
【0014】
さらに、ランドスリップ及びランドスライドを起こしやすいエリアにおいては特に、特別なチュービングセクションがしばしば輸送管内に設置され、特別なチュービングセクションは、周辺土壌の小さい変位及びその変位が輸送管に対して生成する応力の効果を軽減することを可能にする。そのようなパイプセクションは、端部におけるばねセクション、及びおそらくは、誘電体ジョイントと呼ばれる特定のデバイスの存在によって弾性を持つ。これらの解決策は、上記応力に応答して輸送管のセクションが数センチメートルだけ収縮・拡張することを可能にする。しかしながら、そのような特別のセクションの効果は限定的であり、輸送管の大きい移動を埋め合わせることができないことは明らかである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、炭化水素の輸送のための輸送管の危険なセクションまたは輸送管の重要なコンポーネントを監視するためのシステムを提案することであり、監視するためのシステムは、輸送管セクションの状況に関する連続情報を情報収集センターに提供することを可能にする。
【0016】
本発明のもうひとつの目的は、監視される輸送ラインのセクションまたはコンポーネントについての潜在的に危険な状況について早期警報情報を提供することが可能な監視システムを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
これらの及び他の目的は、危険な及び/または制限されたアクセスのサイトに設置された、炭化水素の輸送のための輸送管、例えば、メタンパイプラインのセクションまたはコンポーネントを監視するためのシステムによって包括的に達成され、監視するためのシステムは、
輸送管のセクションまたはコンポーネントの変形をその設置場所において検出するための手段と、
コンピュータ化中央ユニットであって、変形を検出するための上記手段のためのインタフェースを備え、輸送管のセクションまたはコンポーネントの状態に関する、特に、その考えられる変形に関するデータを受信するために、変形を検出するための上記手段に接続された、コンピュータ化中央ユニットと、
メタンパイプラインを制御する権限を与えられた1つまたは複数の運転中央ステーションまたは遠隔ユーザーに、おそらくは処理された上記データを送信するために、上記コンピュータ化中央ユニット及び遠隔通信ラインに接続されたデータの遠隔送信のための手段と、
変形を検出するための手段、中央ユニット、及び遠隔送信のための手段に、運転に必要とされる電力を提供することを目標とした、変形を検出するための手段、中央ユニット、及び遠隔送信のための手段に接続された独立型太陽光発電機とを備える。
【0018】
本発明の目立った特徴は、特許請求の内容による、炭化水素の輸送のための輸送管のセクションまたはコンポーネントを監視するためのシステムの好ましい実施形態の以下の説明から、また、添付図面の助けを借りて明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】炭化水素の輸送のための輸送管のセクションを監視するためのシステムの好ましい実施形態の構成の、部分的に複数のブロックでの略図である。
図2図1の独立型発電機の概略的であるがより詳細な図である。
図3】監視システムの代替の実施形態に設けられる、位置基準を示す要素の配置構成の略図である。
図4】本発明の基本的な実施形態の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
上記図において、参照数字100は、本発明によって得られる、炭化水素の輸送のための輸送管、特にメタンパイプラインのセクション1またはコンポーネントを監視するためのシステムを示す。
【0021】
監視されるメタンパイプラインのセクション1またはコンポーネントは、概して、深刻な問題を有するサイトに設置され、深刻な問題を有するサイトは、セクション1またはコンポーネントの完全性に対して、したがって、搬送ライン全体の運転に対して潜在的に危険である。さらに、セクション1またはコンポーネントは、建物または部屋、例えば閉鎖キャビンの内部に、しばしば地下にまたは地階に設置される。例えば、図1、3、及び4は、輸送管セクション1を含む部分を示す閉鎖構造30を示す。しかしながら、設置サイトは異なる場合があること、及び、その構造は本発明に関連しないことが理解される。
【0022】
例えば、設置サイトは、ランドスライド及びランドスリップを起こしやすく、したがって、不安定である丘陵性または山地性領域の一部であり得る。メタンパイプラインのセクション1またはそのコンポーネントが、地表、またさらには地下に固定されるため、いかなる地面の移動も、たとえ中程度であってもサイトに影響を及ぼし、システムの変形または破損をもたらす可能性がある応力を生成し得ることが明らかである。
【0023】
特に、輸送管のセクション1は、弾性接続部を有する特別のセグメントである場合があり、弾性接続部は、周辺土壌の中程度の変位によって、弾性接続部が設置される輸送管の部分から受ける応力に応答して、弾性接続部が拡張及び収縮を受けるように設けられる。以下の説明における網羅的でない例によって、これらの特別なセグメントのうちの1つに適用される本発明に対して参照が行われ、そのセグメントは、要素22a、22bのような2つの弾性ベローズを介して輸送管セクション1の2つのセクション1a、1bを接続するための、輸送管セクション1の中断部に挿入される相互接続ジョイント21を備える。これらの弾性要素22a、22bは、その連続性を中断することなく、したがって、その機能を中断することなく輸送管のセクション1のわずかな変形に追従するように設計される。しかしながら、中程度の変形の発生が、弾性接続セグメント21によって吸収されても、その後の深刻な問題の兆候となり、したがって、変形を阻止しメタンパイプラインを安全にするための調整作業のプラニング中に考慮される場合があることは明らかである。
【0024】
やはり網羅的でない例によって、時として、パイプラインのコンポーネントは、上述した状況の影響を受けるのに加えて、周期的な浸水を受ける場合があるか、またはさらに永久的に浸漬される場合があるような構造の内部に設置され得る。
【0025】
さらに、問題のサイトは、しばしば、アクセス不能でかつ到達するのが難しい開発が進んでいないエリアに位置するため、維持管理チームによる直接監視でさえも、複雑かつ高価になる。
【0026】
これらの理由で、危険なサイトにおける異常の発生を喫緊に識別して、メタンパイプラインのセクションまたはコンポーネント1を損傷する突然の事象の場合に損傷及び不都合を最小にすることは必要不可欠であり、設置サイトでしばしば起こるそのような事象の警告信号を即座に検出し識別することは同様に非常に重要である。警告信号には例えば、小さい局所的ランドスリップ、割れ、その他プラントに損傷をまだ起こしてはいないがより重大なランドスライドを予示するもの、または浸水を受けるサイトでの中程度の量の水の存在がある。
【0027】
本発明による監視システム100は、そのような危険なサイトに設置されることを意図され、完全に自己充足的な方法で動作することができ、最大監視効率を、サイトで入手可能な電気及び通信チャネルと結合するようにプログラムされ得る。
【0028】
以下では、説明の便宜上、システム100の構造は、メタンパイプラインのセクション1の監視を参照して述べられる。しかしながら、システムの同じ構造が、例えば、圧送ステーション、遮断弁、リダクションユニットなどのような、メタンまたは他の炭化水素の輸送のための輸送管の他のコンポーネントに同様に区別なく適用され得ることが理解される。
【0029】
本発明の好ましい実施形態において、(図1参照)監視システム100は、複数のひずみゲージで構成される、変形を検出するための手段102を備え、複数のひずみゲージは、輸送管のセクション1の異なる部分の間か、輸送管のセクション1の重要なポイントと地面との間か、またはいずれの場合も、これらのポイントと、輸送管のセクションから切り離された基準ポイント、例えば構造の壁30との間に取り付けられる。しかしながら、ひずみゲージの数及び配置は、本発明の範囲から逸脱することなく同様に変動する場合がある。
【0030】
ひずみゲージは、公知でありかつ商業的に入手可能なデバイスである。ひずみゲージは、概して、互いに対して軸方向に摺動する2つの要素で構成され、摺動を電気信号に変換する変換器、及び、得られた電気信号を外部ユーザーに利用可能にするように適合される出力インタフェースを備える。
【0031】
図1に示す本発明の例示的な実施形態によれば、6つのひずみゲージが存在する。6つのひずみゲージとは、輸送管の上記ピース1a、1bの間に取り付けられ、2つの述べたピースの相対的変位を検出することを意図される第1のひずみゲージ102a、相互接続ジョイント21と地面との間ならびにピース1a、1bと地面との間にそれぞれ取り付けられた第2のひずみゲージ102b、第3のひずみゲージ102c、及び第4のひずみゲージ102d、相対弾性要素22a、22bをバイパスして、相互接続ジョイント21と2つのピース1a、1bとの間にそれぞれ取り付けられた第5のひずみゲージ102e及び第6のひずみゲージ102fである。
【0032】
ひずみゲージの上記で述べ示した構成は、本発明100によって提供される監視可能性の網羅的でない例と考えられる。上述したひずみゲージの一部のみまたは他の異なるように配置されたひずみゲージを備える異なる構成は、本発明の範囲から逸脱することなく達成され得る。
【0033】
ひずみゲージ102a、102b、102c、102d、102e、102fは、ひずみゲージの出力インタフェースを介して、コンピュータ化中央ユニット3の適合する入力チャネルに接続され、特別な商業的な有線または無線インタフェース(例えば、「Bluetooth(登録商標)」、「Direct Wireless」、または他の等価な技術)を備える。中央ユニット3は、サイトの特性(中央ユニット3が、開放され悪天候にさらされるか、あるいは、閉鎖されるかまたはその他の方法で保護されるか)に応じて適したコンテナ内に設置され、以下でよりよく指定されることになることに従って、監視システムの動作を管理するためのコンピュータプログラムを提供する。
【0034】
図4に概略的に示す異なる実施形態において、監視システム100は、変形を検出するための手段を備え、変形を検出するための手段は、デジタル画像記録用またはビデオ記録用ビデオカメラ2からなり、上記画像またはフィルミングを、適した符号化に従って送出するための適した有線または無線インタフェースを備える。ビデオカメラ2は、メタンパイプラインのセクション1の近くに位置決めされて、セクション1の少なくとも有意の部分をフレーミングする。
【0035】
ビデオカメラ2は、中央コンピュータ化ユニット3に接続され、適した商業的な有線または無線インタフェース(同様に、この場合、例えば「Bluetooth(登録商標)」、「Direct Wireless」、または他の等価な技術)を明らかに備える。
【0036】
中央管理ユニット3は、データの遠隔送信のための手段4に同様に接続され、データの遠隔送信のための手段4は、監視システム100を、遠隔運転中央ユニットとまたはパイプラインを監視する権限を与えられた他のサブジェクトと通信状態にして、ひずみゲージ102a、102b、102c、102d、102e、102fから受信されるデータあるいはビデオカメラ2から受信される画像またはフィルミングのような、監視されるセクション1の状態に関する情報を送信し、またおそらくは、コマンドまたは更新情報を受信することを意図される。遠隔送信のための手段4は、サイトについて利用可能かつより適切であるものの中から適切に選択される;例えば、「3G」または「4G」セルラーデータネットワークによってカバーされるサイトの場合、最も有利な接続は、一般的なインターネット接続であることになり、一方、そのようなカバレージが存在しない場合、最も適した接続は、ネットワーク衛星電話上でのデータ接続であり得る。いずれにしても、これらの技術は、公知でありかつ通常利用可能であり、したがって、さらに詳細には述べられない。
【0037】
しかしながら、中央ユニット3は、もうひとつのインタフェース6及び上記遠隔送信手段4と接続するための関連するソフトウェアプロシージャを提供する。
【0038】
変形を検出するための手段102の好ましい実施形態において、中央ユニット3で実行されるコンピュータプログラムは、ひずみゲージによってもたらされるデータを取得し格納するためのプロシージャを備える。受信されたそのようなデータを、遠隔運転中央ユニットまたは権限を与えられた他の実体に送出するためのプロシージャ、あるいは、直前の読みからの有意の差または所定の注意閾値の値を超えることを検出するために、送出する前にデータを処理するプロシージャが同様に存在する。
【0039】
中央ユニット3で実行されるコンピュータプログラムは、ビデオカメラ2によってもたらされる画像またはフィルミングを取得し格納し、符号化して、それらを遠隔運転中央ユニットまたは権限を与えられた別のサブジェクトに連続的にまたは周期的に送出するためのプロシージャを備える。
【0040】
監視システム100を完全に自己充足的にすることは本発明の重要な態様であるが、そのために、監視システム100は、独立型太陽光発電機10を同様に備え、独立型太陽光発電機10は、中央ユニット3に、直接にまたは上記中央ユニット3によってビデオカメラ2に、また遠隔送信のための手段4に電気接続されて、それらの動作に必要な電力供給を行う。
【0041】
図2に示す有利な実施形態において、発電機10は、1つまたは複数の光起電力パネル11、電力変換デバイス12であって、上記ビデオカメラ2、中央ユニット3、及び遠隔送信のための手段4のために設けられる仕様による電力変換デバイス12、及び、光起電力パネルの過剰生産の期間における電荷であって、不充分な生産の期間に送出されるための、電荷を貯蔵するための充電式蓄電池のセット13を備える。発電機10のコンポーネントは、監視システムの通常運転のために十分なエネルギー可用性を保証するように寸法決定される。
【0042】
いずれにしても、エネルギー変換デバイス12は、有利には、中央ユニット3との(例えば、ローカルネットワークまたはUSBインタフェースによる、商業的タイプの)データ接続部7を備えて、蓄電池の充電状態、また必要である場合、光起電力パネル11の現在のエネルギー生産に関するデータ及び情報を送信する。このため、中央ユニット3で実行される管理プログラムは、そのような情報、及び、エネルギーの可用性が低い場合のシステムの運転についての任意の修正を受信するためのプロシージャを適切に備える。例えば、このプロシージャは、上記セクション1の状態における考えられる変化を通信するためにビデオカメラ2及び/または遠隔送信のための手段4の活動を定期的に中断し、それらを定期的に再起動しようと決める場合がある。
【0043】
設置サイトが、浸漬されるサイトである、またはそうでなければ、望ましくないフラッディングを受ける場合、ビデオカメラ2は、防水または水中ビデオカメラである場合がある。
【0044】
すぐに理解可能であるため図示しない1つのバージョンにおいて、ビデオカメラ2は、適したインタフェースによって中央ユニット3によって制御可能な電動支持体上に同様に設置され得る。この場合、管理プログラムは、ビデオカメラ2のフィルミング位置を修正し、したがって、監視エリアを拡張するために、ビデオカメラ2のモーター手段を制御するためのさらなるプロシージャを含む。
【0045】
監視されるメタンパイプラインのパイプラインのセクション1(または他のコンポーネント)は、例えばランドスライドを起こしやすいサイトに位置する場合、破損または好ましくない変位を生じる大きいランドスリップのような重要かつ損傷を与える事象が起こる前でさえも、例えばその後の主要なランドスリップの前兆となる地面の小さい変位によって引き起される、小さくてより漸進的な応力を受ける場合がある。この場合、パイプラインのセクション1は、小さい変位または変形であって、実際には有害ではないが、識別される場合、そのエリアの予防的圧密化の緊急調整作業を提案する場合のある、小さい変位または変形を受け、したがって、その後の問題を回避する場合がある。そのような小さい変位または変形ならびに周囲地形の小さい変位は、上述した監視システム100によって受信される画像またはフィルミングの単純な目視評価に従う監視要員では認識されない場合がある。
【0046】
そのため、さらなる実施形態によれば、上記基本実施形態を発展させたものとして得られる監視システム100(図3参照)は、ビデオカメラ2によって識別可能な複数のインジケータ要素8をさらに備え、複数のインジケータ要素8は、セクション1、またはメタンパイプラインのコンポーネント、あるいは周辺地形または構造の厳密な位置を画定することを意図される。これらのインジケータ要素8は、セクション1またはコンポーネントに対して、あるいは周囲の地面または物品に対して公知かつ所定の位置に固定される。
【0047】
例として、インジケータ要素8は、おそらくは認識マークの彫刻によって目盛り付けられた直線ロッドまたはプレートからなる場合がある。この直線ロッドまたはプレートは、有利には、整列していない基準軸に沿って、好ましくは3つの基準軸に沿って取り付けられる。
【0048】
中央ユニット3は、識別プロシージャ及び分析プロシージャを同様に含み、識別及び分析プロシージャは、ビデオカメラ2によって受信されるフィルミングの連続する画像またはフレーム内の全てのインジケータ要素8の正確な位置を識別し、これらの位置の基準と比較して、それらの考えられる移動、さらには最微小の移動をもチェックするためのソフトウェアを備える。
【0049】
こうして、監視システム100は、運転中央ユニット、及び/または、画像及びフィルミングを監視する権限を与えられたサブジェクトに画像またはフィルミングを送出できるだけでなく、監視システム100は、インジケータ要素の中程度の変位から生じる、したがってパイプラインの監視されるセクション1の、監視されるコンポーネントの、あるいは周辺土壌または構造の中程度の変形から生じる、考えられる異常をも報告し得る。
【0050】
この実施形態の変形において、監視システム100は、これらの異常が起こると、遠隔通信ライン上でデータ及び情報を送信できるだけである。データ及び情報は、異常を示す画像またはフィルミング内の、上記異常に関連する数値データのみから、または、両方のタイプの情報からなる場合がある。
【0051】
上記監視システムによって提供される利点は、炭化水素の輸送のための輸送管のリスクセクションまたは輸送管の重要コンポーネントの常時更新された状態を、単純かつ確実な方法で利用可能にすることに由来し、そのことは、普通なら不可能かまたは非常に難しくかつ達成するのに費用がかかることになる。
【0052】
本発明の別の利点は、監視される輸送ラインのセクションまたはコンポーネントについてのおそらくは重要な状況に関する早期警告情報を、輸送ラインの維持管理及び保全に責任のある1つまたは複数のサブジェクトに供給することが可能な監視システムを提案することに由来する。
【0053】
上述したことが、例証的かつ制限的でないことが理解され、したがって、技術的及び/または機能的理由で必要になる可能性のある詳細についての考えられる変形は、今後、後述の特許請求項によって規定される同じ保護範囲内にあると考えられる。

図1
図2
図3
図4