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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-13
(45)【発行日】2023-02-21
(54)【発明の名称】端子コネクタを備えたステータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 3/52 20060101AFI20230214BHJP
   H02K 3/50 20060101ALI20230214BHJP
【FI】
H02K3/52 E
H02K3/50 A
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2020502635
(86)(22)【出願日】2018-07-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-09-24
(86)【国際出願番号】 NL2018050506
(87)【国際公開番号】W WO2019017790
(87)【国際公開日】2019-01-24
【審査請求日】2021-07-20
(31)【優先権主張番号】2019307
(32)【優先日】2017-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】505335968
【氏名又は名称】エー-トラクション ユーロペ ベスローテン フェンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】E-TRACTION EUROPE B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヨンカー,アドリアヌス ペトルス マリア
【審査官】尾家 英樹
(56)【参考文献】
【文献】特表平08-511490(JP,A)
【文献】特開2012-110203(JP,A)
【文献】特開2004-320986(JP,A)
【文献】特開2001-103700(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 3/00- 3/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータ(230)と、前記ステータ(230)の周りに配置されたロータ(60)を備えたインホイールモータであって、
前記ステータ(230)が円筒面(210)を備えていて、該円筒面(210)上には、該ステータ(230)の軸方向に配向した複数のコア部材(211)が配置され、
前記軸方向に配向したコア部材(211)が、前記ステータ(230)の前記円筒面(210)上に、該ステータ(230)の該円筒面(210)の中心軸の方向に延在され、
前記軸方向に配向したコア部材(211)が、スロット(213)によって互いから離隔され、前記ステータ(230)の前記軸方向(A)における前記円筒面(210)の第1の端部(214)から円筒面(210)の第2の端部(215)へと実質的に軸方向(A)に延在され
前記ロータ(60)がロータ(60)の内周に配置され前記軸方向に配向したコア部材(211)の半径方向外面に対面する複数の永久磁石を備え、前記ステータ(230)さらに、巻線(241,242,243)と端子(244,245,246)を備えたコイル(240)と、前記コイル(240)の端子(244,245,246)に接続するためのコネクタ(250)を備え、
前記コネクタ(250)が、前記巻線(241,242,243)の湾曲端(241a,242a,243a)付近の前記円筒面(210)の第1の端部に配置された少なくとも2つの相互絶縁された導体(254,255,256)を備え、
前記導体(254,255,256)がそれぞれ、インホイールモータの回転軸周りに周方向に延在された1つ以上の導体ボディ(257,258,259)と、そこから延在された複数の接点部材(264,265,266)を備え、各導体(254,255,256)の前記1つ以上の導体ボディ(257,258,259)、他の導体または他の複数の導体の1つ以上の導体ボディから軸方向に沿って離隔しており、
前記コネクタ(250)が、それぞれが前記導体(254,255,256)の対応する1つを保持する少なくとも2つの軸方向に離隔した溝(261,262,263)を備えたリング状絶縁体ボディ(260)を備え、
前記接点部材(264,265,266)が、前記端子(244,245,246)のうち1つに接続するように配置され、前記接点部材(264,265,266)がそれぞれ、対応する前記導体ボディから半径方向に延在された第1部分(266a)と、前記コネクタ(250)に設けられた前記リング状絶縁体ボディ(260)の軸方向に対して平行な方向に延在された第2部分(266b)を備え、前記接点部材それぞれ、前記軸方向に配向したコア部材(211)に対面するそれらの側に湾曲部を備え、前記接点部材の第2部分、前記リング状絶縁体ボディ(260)の周方向に横並びに配置され、かつ、
前記端子(244,245,246)が、前記接点部材(264,265,266)の前記湾曲部および前記第2部分(266b)とスライド接触するように構成されていることを特徴とするインホイールモータ。
【請求項2】
前記軸方向に配向したコア部材(211)それぞれ、半径方向外側を向いた外面(212)を有し、前記円筒面(210)の前記中心軸に対して垂直な平面に投影して見た場合に、前記端子(244,245,246)と前記コネクタ(250)とが複数の前記軸方向に配向したコア部材(211)の外面(212)に対応する円の内側にある、請求項1に記載のインホイールモータ。
【請求項3】
前記軸方向に配向したコア部材(211)の、前記軸方向(A)に沿った長さ(L)、前記軸方向に配向したコア部材(211)が配置されている円筒面(210)の内径(d)より大きい、請求項1または2に記載のインホイールモータ。
【請求項4】
前記軸方向に配向したコア部材(211)が、円筒ボディ(218)から延在されかつ、前記導体ボディ(257,258,259)それぞれ、前記円筒ボディ(218)の内径以上の内径を有する、請求項1ないし3のいずれか一項に記載のインホイールモータ。
【請求項5】
前記導体の第2部分の自由端(266c)共通の円上にある、請求項1ないし4のいずれか一項に記載のインホイールモータ。
【請求項6】
前記導体ボディ(257,258,259)のうち少なくとも2つ同じ内径および/または同じ外径を有する、請求項1ないし5のいずれか一項に記載のインホイールモータ。
【請求項7】
前記コネクタ(250)が、前記少なくとも2つの導体ボディの内径および/または外径よりも大きい内径および/または外径を有する第3の導体ボディを備えている、請求項に記載のインホイールモータ。
【請求項8】
前記コネクタ(250)の全ての導体ボディ(257,258,259)の半径方向高さ同じである、請求項に記載のインホイールモータ。
【請求項9】
前記湾曲部前記第1部分を前記第2部分に接続し、前記接点部材の第2部分、前記軸方向に配向したコア部材(211)から遠ざかる方向に延在されている、請求項1ないし8のいずれか一項に記載のインホイールモータ。
【請求項10】
前記第2部分前記軸方向に配向したコア部材(211)の方向に延在され、また、前記軸方向に配向したコア部材(211)に最も近い第2部分の端部に湾曲部を備えている、請求項1ないし8のいずれか一項に記載のインホイールモータ。
【請求項11】
前記ステータ(230)が、開放端(207)を有する円筒形中空ステータボディ(231)を備え、前記円筒面(210)が、その第1の端部(214)を前記開放端(207)に向けて前記中空ステータボディ(231)に取り付けられ、前記コネクタ(250)が前記ステータ(230)の前記軸方向(A)において前記円筒面の第1の端部(214)前記中空ステータボディ(231)前記開放端(207の間に配置されている、請求項1ないし10のいずれか一項に記載のインホイールモータ。
【請求項12】
前記ステータ(230)内に配置されたパワー制御エレクトロニクスをさらに備え、前記導体前記ステータ(230)の道路側に配置されて前記パワー制御エレクトロニクスに接続されている、請求項1ないし11のいずれか一項に記載のインホイールモータ。
【請求項13】
半径方向に見た場合に、前記軸方向に配向したコア部材(211)それぞれ中間部(219)を備え、
その周りに前記コイル(240)の巻線が巻回され、前記各コア部分の半径方向外面、対応する中間部の幅よりも大きい幅を有している、請求項1ないし12のいずれか一項に記載のインホイールモータ。
【請求項14】
前記軸方向に配向したコア部材(211)が、軸方向に配向した磁性積層材料棒で構成されていて、前記磁性積層材料棒が、前記円筒面(210)の前記中心軸の方向において前記円筒面(210)上に延在されている、請求項1ないし13のいずれか一項に記載のインホイールモータ。
【請求項15】
軸方向スロット(213)によって隔てられた複数の軸方向に配向したコア部材(211)を備えた、請求項1に記載のインホイールモータのための円筒ボディ(218)であって、前記軸方向に配向したコア部材(211)がそれぞれ、端子を有するそれぞれのコイルの巻線によって取り巻かれ、前記軸方向に配向したコア部材(211)がそれぞれ、半径方向外側に向いた外面(212)を有し、前記円筒ボディ(218)の中心軸に対して垂直な平面に投影して見た場合に、前記端子軸方向に配向したコア部材(211)の外面に対応する円の内側にあることを特徴とする円筒ボディ。
【請求項16】
前記円筒ボディ(218)の中心軸に対して垂直な平面に投影して見た場合に,前記端子、前記円筒ボディ(218)の半径方向内面の外部にある、請求項15に記載の円筒ボディ。
【請求項17】
前記各コイル(240)の端子が該コイル(240)の下部巻線から、前記軸方向に配向したコア部材(211)から離れる方向に、また前記円筒ボディ(218)の長軸から離れる方向に延在され、かつ、前記下部巻線が、前記コイル(240)の巻線のうち前記円筒面(210)に半径方向に近接した該コイル(240)の巻線である、請求項15または16に記載の円筒ボディ。
【請求項18】
前記軸方向に配向したコア部材(211)が、軸方向に配向した磁性積層材料棒で構成されていて、前記磁性積層材料棒が、前記円筒面(210)の前記中心軸の方向において前記円筒面(210)上に延在されている、請求項15ないし17のいずれか一項に記載の円筒ボディ。
【請求項19】
コイル端子に接続するためのリング状コネクタであって、
前記コネクタ、少なくとも2つの軸方向に離隔したスロットを備えたリング状絶縁体ボディを備え、前記スロットが、前記リング状コネクタの中心軸の方向において互いに軸方向に間隔を置いて配置され、
各スロットに導体が配設され、前記導体、1つ以上の周方向に配置された導体ボディと、複数の周方向に間隔を置いて配置された接点部材を備え、
前記接点部材それぞれ、前記1つ以上の導体ボディのうち対応する1つから半径方向に延在された第1部分と、軸方向に延在された第2部分を備え、
前記接点部材の第2部分、前記コイル端子を受容するために絶縁体ボディの周方向に横並びに配置され、前記リング状コネクタ、周りにコイルが巻回される軸方向に延在するコア部材が配設されたステータ上に取り付けられるように適合され、前記軸方向に延在するコア部材が、前記リング状コネクタの前記中心軸の方向において軸方向に延在され、
前記接点部材それぞれ、前記軸方向に延在するコア部材に対面するそれらの側に湾曲部を備え、かつ、
前記接点部材が、請求項15ないし18のいずれか一項に記載の円筒ボディに接続されるように構成されている
ことを特徴とするリング状コネクタ。
【請求項20】
前記導体の第2部分の自由端共通の円上にある、請求項19に記載のリング状コネクタ。
【請求項21】
その接点部材が請求項15ないし18のいずれか一項に記載の円筒ボディの端子に接続されている、請求項19または20に記載のリング状コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステータと、ステータの周りに配置されたロータを備えたインホイールモータに関し、ステータは、例えば磁性積層材料棒等の複数の軸方向に配向したコア部材を上に配置する円筒面を備え、軸方向に配向したコア部材は、スロットによって互いから離隔しており、ロータは、ロータの内周に配置されるとともに、前記軸方向に配向したコア部材の半径方向外面に対面する複数の永久磁石を備え、ステータはさらに、巻線および端子を備えたコイルと、コイルの端子への接続のためのコネクタを備えている。本発明はさらに、積層磁性材料の棒などの、いくつかの軸方向に配向したコア部材を備えた円筒ボディに関し各コア部材が端子を有する対応するコイルの巻線によって取り巻かれ、また、そのような円筒ボディのコイル端子への接続のためのリング状コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
インホイール駆動アセンブリは、1輪以上のタイヤを担持するホイールのリムにロータが結合されているインホイール電動モータを備えた電気自動車について記載している特許文献1から知られている。ステータは、ホイールサスペンションシステムを介して車両のフレームに取り付けられている。既知のインホイールモータは、モータの電磁石が、中間歯車なしでリムとタイヤを直接駆動するダイレクトドライブホイールの一部である。こうして、重量と空間が省かれ、駆動装置内の構成要素の数が極減される。
【0003】
インホイールモータによって生成されるトルクは、ロータとステータの間の磁束搬送面に依存し、ロータ半径の二次関数である。ロータ磁石はステータの周りに可能な限り外側に離して配置されて、モータの決まった寸法内で可能な限り大きいロータ半径をもたらし、モータ設計は、タイヤに最大パワーとトルクを供給するために、ロータとステータの間の隙間を極減するべく最適化される。ロータとステータの間の隙間の幅は他方では、走行状態中にホイールへの機械的衝撃を吸収するために十分なほど大きくなるように設計される。
【0004】
ステータの巻線は、ステータ内に配置された制御エレクトロニクスによって給電され、その制御エレクトロニクスは、車両の電源システム、例えば電池パックおよび/または発電機からの電気エネルギーを、電動モータによる使用に適したAC電流に変換する。そのような制御エレクトロニクスは典型的にパワー制御エレクトロニクス、例えば特許文献2に記載のようなIGBT電流モジュールと電流調整器を備えている。制御エレクトロニクスを用いて、ステータの巻線に供給される電流および/または電圧を制御することで、ステータによって生成される磁束の磁場ベクトルが制御され、電動モータは所望のトルクおよび/または回転速度で動作する。制御エレクトロニクスをステータ内に一体化することで、制御エレクトロニクスから電磁石にわたるバスバーの長さを短く保つことができ、それは、例えば700Vまたはそれ以上で300Aになり得るような電動モータを動作させるために一般的に必要な高電流および高電圧の損失を極減するという見地から非常に望ましい。
【0005】
電動モータおよび/または制御エレクトロニクスを冷却するために、既知の駆動アセンブリには、ステータおよび/または制御エレクトロニクスの外面付近に配置された1つ以上の冷却チャネルを有する冷却システムが配設され、それによって、液体クーラントは駆動アセンブリに流入または駆動アセンブリから流出できる。
【0006】
インホイール駆動アセンブリは、ロータに車両の可動部品が全く付いていない、および/またはロータ内に車両の可動部品が延出していない実質的に自蔵個別のモジュールとして実現され得る。ロータによって画定される内部空間は好ましくは実質的に閉鎖されて、車両の制動システムによって、および/または道路によって放出される塵芥および/または磨耗粒子等の異物粒子の、前記内部への侵入を防止する。
【0007】
インホイール駆動アセンブリは、駆動アセンブリの車両側を車両フレームに接続することによって様々な位置で車両に取り付けられてよい。タイヤを取り付けるためのリムが、好ましくはロータの実質的に円筒形の外面においてロータに装着されてよい。
【0008】
電磁石は、磁性材料を含むコアの周りにそれぞれ巻回されたコイルによって形成される。しかしながら、特許文献1は、電源から通る給電線にステータのコイルが接続される様式を詳しく記載していない。
【0009】
特許文献3から、エンジンとトランスミッションの間に配置されたハイブリット車内で用いる3相DC薄型ブラシレスモータが知られている。このモータは、エンジンのクランクシャフトに例えば直接接続で接続されたロータと、ロータを包囲するリング状のステータを含む。ステータは、コア上の巻線を有する複数の磁極と、磁極を収容するステータホルダと、巻線に同心に電流を分配する環状の一元化分配ユニットを含む。分配ユニットはロータより大きい直径を有し、例示的実施形態では、異なる直径を有し半径方向に積層された複数のバスバーを備え、バスバーはそれぞれ、巻線に接続するための複数の半径方向内側に突出するタブを有する。
【0010】
特許文献4は、少なくとも2つのサブアセンブリを備えた電気的接続デバイスを記載しており、各サブアセンブリは、2つの導電性要素と、電流を通すことが可能であり導電性要素それぞれに機械的にリンクされた複数のコネクタを備え、コネクタは、デバイスのいずれかの側に配置され、絶縁シュラウドが導電性要素を部分的に覆い、サブアセンブリは積層されている。本発明は、コネクタがコイルの端子に容易に接続されるインホイールモータを提供することを目指す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】国際公開第2013/025096号パンフレット
【文献】欧州特許第1252034号明細書
【文献】米国特許出願公開第2003/0173842号明細書
【文献】独国特許出願公開第112016001848号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明のさらなる目的は、コイルを有し、コイルがそれに沿って磁束を生成できる領域が最大化されるインホイールモータを提供することである。
【0013】
本発明のさらなる目的は、ステータのコイルの端子と給電線の間にコンパクトなコネクタを備えたそのようなインホイールモータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的で、第1の態様により、本発明は、ステータと、ステータの周りに配置されたロータを備えたインホイールモータを提供し、ステータは、複数の軸方向に配向したコア部材を上に配置する円筒面を備え、軸方向に配向したコア部材はスロットによって互いから離隔しており、円筒面の第1の端部から円筒面の第2の端部へと実質的に軸方向に延出し、ロータは、ロータの内周に配置され前記軸方向に配向したコア部材の半径方向外面に対面する複数の永久磁石を備え、ステータはさらに、巻線と端子を備えたコイルと、コイルの端子への接続のためのコネクタを備え、前記コネクタは、巻線の湾曲端付近で円筒面の第1の端部に配置された少なくとも2つの相互絶縁された導体を備え、導体はそれぞれ、インホイールモータの回転軸の周りに周方向に延在する1つ以上の導体ボディと、そこから延出する複数の接点部材を備え、接点部材は前記端子のうち1つに接続するために配置され、各導体の1つ以上の導体ボディは、他方の導体または複数の導体の1つ以上の導体ボディから軸方向に沿って離隔している。
【0015】
このように電力は、電源から導体を介してコイルに供給でき、給電エレクトロニクスから各導体に、単一のみの絶縁給電線が通っている。導体を電源に接続するための個々の装着点の個数はこうして最小にされ、そのような装着点で発生する絶縁破壊の危険が低減される。
【0016】
それぞれが好ましくはバスバーとして形成された導体の配置構成は、コネクタがコンパクトな構成となることを可能にする。これは、導体ボディが、円筒面の半径方向に沿った導体ボディの高さより実質的に小さい軸方向に沿った幅を有する場合に特に当てはまる。そのようなコンパクトなコネクタは、棒と巻線の使用向けに残っているステータ上の空間量も増加させ、そうしてコイルがそれに沿って磁束を生成可能なより大きな表面積を提供する。
【0017】
各導体は好ましくは単一単位として形成されているが、別法として、各導体は、例えば、それぞれがリングセグメントの形状であり、互いに導電接続された複数の導体ボディを備えていてもよい。導体の導体ボディは、同相、同電流および同電圧である。
【0018】
コイル端子をコネクタに接続する様式は、コイルの巻線が、コア部材の長手方向に沿ってコア部材に密に追従することを可能にし、他方で、コア部材の遠位端の巻線の湾曲部の外半径を比較的小さく保つことができ、例えば、外半径は、長手軸に沿った巻線の外縁間の最大距離の半分以下であってよい。軸方向に沿った湾曲端の長さを、巻線の長手方向延在部分の長さに対して小さく保つことによって、ロータを駆動するための磁束生成のための総有効面が最大化される。
【0019】
周囲導体が、コイル巻線の湾曲端から軸方向に離隔して配置された円筒面の一端部に配置されているため、コネクタが円筒面に対して位置決めされるとき、コネクタは、端子がそれぞれ、導体の対応する接点部材に固定され得るまで端子のほうに軸方向に移動され得る。この軸方向移動中に、端子とそれらの対応するコイル間の軸方向距離、また好ましくはそれらの間の半径方向距離も、一般に実質的に一定を保つ。これにより、取り付け中に端子を個々に移動させる必要が最小になるため、インホイールモータの組み立てと維持を促進する。
【0020】
前記導体の接点部材は典型的に、対応する導体ボディから半径方向に延出する第1部分と、絶縁体ボディの軸方向に対して平行な方向に延出する第2部分をそれぞれ備え、接点部材の第2部分は、絶縁体ボディの周方向に横並びに配置されている。このように接点部材の第2部分は軸方向に延出するため、コイルの端子は、互いに収束せずに接点部材に接続され得る。これが、端子間に火花が発生する危険を低減する。この意味で、各コイルの端子が下部巻線、即ち、円筒面に半径方向に近接した、または最も近接したコイルの巻線から、前記下部巻線の湾曲端から軸方向に離隔した導体の対応する接点部材へと延在すれば有利である。
【0021】
好ましくは、接点部材は、軸方向コア部材に面したそれらの側部に湾曲部を備えている。インホイールモータの組み立て中に、接点部材はこうして、コネクタをコア部材のほうに軸方向にスライドさせることによって、端子と接点部材の最初の接触が湾曲部で生じるような方式で端子と接触するように配置され得る。例えば、湾曲部は第1の部分を第2の部分に接触させて、接点部材の第2部分が、軸方向に配向したコア部材から離れる方向に延出するようにしてもよい。別法として、第2部分は軸方向に配向したコア部材の方向に延在して、コア部材に最も近接した第2部分の端部に湾曲部を備えてもよい。
【0022】
一実施形態では、軸方向に配向したコア部材は、軸方向に配向した磁性積層材料棒である。この棒は例えば、鋼などの磁性材料の数枚の板を互いにラミネートすることによって形成されてよい。これらの層は好ましくは、回転軸に対して平行な方向に互いに積層される。
【0023】
一実施形態では、導体の個数は少なくとも、インホイールモータが稼働するように適合された電気相の個数に等しい。例えば、3相インホイールモータでは、周方向ボディを備えた導体の個数は少なくとも3つであり得る。
【0024】
一実施形態では、巻線は集中巻線である。そのような巻線の湾曲端は一般に、巻線とコア部材によって大きな磁束が生成されることを可能にしながら、分布巻線の湾曲端よりも相当に少ない空間を占める。
【0025】
一実施形態では、軸方向に配向したコア部材はそれぞれ半径方向外側に面した外面を有し、円筒面の中心軸に対して垂直な平面に投影して見た場合、端子とコネクタは、軸方向に配向したコア部材の外面の内接円内にある。コイル、端子またはコネクタには、コア部材の半径方向外面よりさらに半径方向外側に延出する部分がないため、ステータを包囲するロータは、例えば、ロータの永久磁石と外面との間の空隙が0.5~2mmの範囲内、好ましくは1.0~1.5mmの範囲内となるように、永久磁石が外面に接近した状態で配置され得る。
【0026】
一実施形態では、コネクタは、それぞれが前記導体の対応する1つを保持する少なくとも2つの軸方向に離隔した溝を有するリング状絶縁体ボディを備えている。導体ボディ間の絶縁破壊を防止するために、溝は好ましくは導体ボディを完全に収容し、導体の接点部材のみが溝の外に突出している。
【0027】
一実施形態では、軸方向に配向したコア部材の軸方向に沿った長さは、軸方向に配向したコア部材の外面の内接円の直径よりも大きい。こうして磁束を生成するための大きな面積が提供される。
【0028】
一実施形態では、インホイールモータはさらに、環状面を有する絶縁カバーを備え、環状面上に半径方向リブが配設され、半径方向リブは環状面の長手軸に対して平行に延在し、前記リブは、少なくとも2つの導体の2つの隣接する接点部材の間に配置されている。リブはさらに、2つの隣接する接点部材間のクリープ長の長さを増加させることによって接点部材を互いから絶縁する。
【0029】
一実施形態では、コア部材は円筒ボディから延出し、周囲導体ボディそれぞれは、円筒ボディの内径に等しいかまたはそれより大きい内径を有している。こうして導体ボディの半径方向内縁は、前記円筒ボディの内側に面した面よりも、円筒ボディの長手軸から大きい半径方向距離のところに配置されて、絶縁体ボディ上に支持され得る。
【0030】
好ましくは、円筒ボディとコア部材は単一単位として形成され、円筒ボディとコア部材が、ステータボディなどの円筒上に一息に取り付けられることを可能にしている。円筒ボディは好ましくは磁性材料、例えば、コア部材と同じ磁性積層材料製である。例えば、円筒ボディとコア部材は、何枚かの環状鋼板を互いにラミネートすることによって形成されてよく、各板では、外周に沿っていくつかの部分が打ち抜かれて、板が互いにラミネートされたときにコア部材および軸方向に延在するスロットを形成する。
【0031】
一実施形態では、前記導体ボディのうち少なくとも2つは同じ内径および/または同じ外径を有してよい。これらの導体ボディはこうして互換的に使用および製造され得る。コネクタが第3の導体ボディを備える場合、これは、少なくとも2つの導体ボディの内径および/または外径よりも大きい内径および/または外径を有してよいが、コネクタの全導体ボディの半径方向高さは好ましくは実質的に同じである。
【0032】
一実施形態では、ステータは、開放端を有する円筒形中空ステータボディを備え、円筒面は、その第1の端部を開放端のほうに向けて前記中空ステータボディ上に取り付けられ、コネクタは、円筒面端部の第1の端部と、中空ステータボディの開放端の間に軸方向に配置されている。開放端は好ましくはインホイールモータの道路側に配置されている。こうして、インホイールモータの構成要素の付加的な部分が、車両の道路側から、また、車両からステータを取り外さずに、ステータボディの内側に配置され得る。
【0033】
一実施形態では、インホイールモータはさらに、ステータ内に配置されたパワー制御エレクトロニクスを備え、導体は、ステータの道路側に配置されてパワー制御エレクトロニクスに接続されている。電力を、インホイールモータを駆動するのに適した形態に変換するための、例えばIGBTを備えたパワー制御エレクトロニクスはこうして、車両の道路側から、ステータの内部に容易に取り付けられ得る、または検査され得る。パワー制御エレクトロニクスの取り付けおよび/または検査中に、インホイールモータは車両に装着されたままでよい。
【0034】
一実施形態では、半径方向で見た場合に、コア部材はそれぞれ中間部を備え、その周りに前記コイルの巻線が巻回され、各コア部材の半径方向外面は、対応する中間部の幅よりも大きい幅を有する。半径方向外面の幅および中間部の幅は、複数のコア部材の周方向に沿って測定される。コイルの巻線の大部分がこうしてコア部材によって包囲される。好ましくは、半径方向外面間の隙間は、コア部材の半径方向外面の合計の10%未満の表面積を有する。
【0035】
第2の態様により、本発明は、軸方向スロットによって隔てられた複数の軸方向に配向したコア部材を備えた円筒ボディを提供し、各コア部材は、端子を有するそれぞれのコイルの巻線によって取り巻かれ、軸方向に配向したコア部材はそれぞれ半径方向外側に向いた外面を有し、円筒ボディの中心軸に対して垂直な平面に投影して見た場合に、端子は、軸方向に配向したコア部材の外面の内接円内にある。端子の半径方向外面は好ましくは、円に内接している。円筒ボディは好ましくは本明細書に記載のようなインホイールモータ用の円筒ボディであり、その円筒面を備えている。軸方向に配向したコア部材は好ましくは軸方向に配向した磁性積層材料棒である。
【0036】
一実施形態では、円筒ボディの中心軸に対して垂直な平面に投影して見た場合に、端子は円筒ボディの半径方向内面の外側にある。好ましくは、前記投影図において、コネクタ全体も実質的に前記半径方向内面上および/または前記半径方向内面の外側にある。
【0037】
一実施形態では、各コイルの端子は、コイルの下部巻線から、コア部材から離れる方向に、また、円筒ボディの長手軸から離れる方向に延出する。したがって、端子はボディの長手軸のほうに収束せず、決まった距離で互いから離隔した状態を保つ。端子の自由端は好ましくは互いに対して平行に延在して、コネクタへの接続を助長する。
【0038】
第3の態様によれば、本発明はコイル端子に接続するためのリング状コネクタを提供し、コネクタは、少なくとも2つの軸方向に離隔したスロットを備えたリング状絶縁体ボディを備え、各スロットに導体が配設され、導体は、1つ以上の周方向に配置された導体ボディと、複数の周方向に間隔をあけた接点部材を備え、前記接点部材それぞれは、前記1つ以上の導体ボディのうち対応する1つから半径方向に延出する第1部分と、軸方向に延在する第2部分を備え、接点部材の第2部分は、コイル端子を受容するために絶縁体ボディの周方向に横並びに配置されている。
【0039】
一実施形態では、リング状コネクタは、軸方向に延在するコア部材が配設されたステータ上に取り付けられるように適合され、コア部材の周りに、例えば本明細書で以前に説明したようにコイルが巻回され、接点部材はそれぞれ、軸方向コア部材に面したそれらの側に湾曲部を備えている。リング状コネクタはこうして、リング状コネクタをステータのほうに軸方向に移動させて、端子と接点部材の間の最初の接触が湾曲部で生じるようにすることによって、ステータのコイル端子と接触するように配置され得る。軸方向に配向したコア部材は、軸方向に配向した磁性積層材料棒である。
【0040】
一実施形態では、導体の第2部分の自由端は、共通の円上にある。こうして、リング状コネクタが円筒面に取り付けられたとき、例えば、リング状コネクタが円筒面の第1の縁に装着されたときに、接点部材と端子との間の十分な接触が確実となり得る。
【0041】
一実施形態では、リング状コネクタの接点部材は、本明細書に記載のように円筒ボディの端子に接続される。こうしてリング状コネクタと円筒ボディは、プラグソケット接続と同様な種類の接続を形成する。
【0042】
本発明を、添付図面を参照して以下により詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1A】本発明で使用する駆動アセンブリの断面図である。
図1B】本発明で使用する駆動アセンブリの破断等角図である。
図2図1Aおよび1Bのインホイールモータで使用され得るステータの図である。
図3図2のコネクタの詳細図である。
図4図2のステータの一部であり得る、本発明に係る円筒ボディの一部分の図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1Aは、本発明で使用する駆動アセンブリ1の断面図を示す。駆動アセンブリは、その周りにロータ60が配置される外面32を有する中空ステータボディ31を備えたステータ30を備えている。駆動アセンブリはさらに、駆動アセンブリを車両に装着するためのコネクタスタブ33を、アセンブリ1の車両側2に配置して備えている。コネクタスタブ33は、シャフト34と、ステータボディ31に固定接続されたフランジ35を備えている。フランジ35はロータ60内部に配置され、ロータ60の周面63の外部にあるシャフト34の部位36よりも大きい直径を有する。回転軸R周りでのロータ60の回転運動を支持するために、車両側ベアリング52が配設され、それを介してロータは車両側のスタブ33上に支持される。ロータは、その道路側3で、道路側ベアリング53を介してステータボディ31上に回転可能に支持される。
【0045】
複数の永久磁石61がロータ60の内周面62上に装着され、ステータ30の電磁石41の周りで回転可能である。電磁石41はステータボディ31上に固定されて、永久磁石61と、電磁石41によって生成される磁束との間の相互作用によってロータの回転を駆動する。ステータ30とロータ60は、ホイールの、回転軸R周りでの回転を直接駆動するように適合された電動モータを形成する。電磁石41を制御し電磁石41に給電するために、パワー制御エレクトロニクス42が中空ステータボディ31内部に配置されている。パワー制御エレクトロニクス42は、車両の電源システム、例えば電池パックおよび/又は発電機からの電気エネルギーを、電動モータによる使用に適した形態に変換するための、IGBTなどの構成要素を備えている。レゾルバ81は、ロータの角度位置を示す角度位置信号をパワー制御エレクトロニクスに提供して、交流電流がロータの磁界と一致した位相で供給されるようにする。
【0046】
電動モータが動作しているときにパワー制御エレクトロニクスが過熱することを防止するために、冷却ダクト(図示せず)が、ステータボディ31の内部且つボディ31から離隔して、パワー制御エレクトロニクス42付近に配設されている。クーラントは、コネクタスタブ33を通ってロータの外部からその内部に至るクーラント供給チャネル45を介して冷却ダクトに供給される。パワー制御エレクトロニクス42を冷却した後で、クーラントは、コネクタスタブ33内の通路46を介して、ステータボディ31の外面32に配設された冷却ジャケット37に流入する。冷却ジャケット37には、中空円筒ボディ31に沿って通る回路を形成して、冷却ジャケット37の外側40に配置された電磁石41を冷却するために流れる液体クーラントを通す通路を提供するチャネル38が配設されている。こうして、比較的低温のクーラントがクーラント供給チャネル45を通って供給されることができ、クーラントは冷却ダクトを通過する間に暖機してパワー制御エレクトロニクス42から熱エネルギーを吸収し、次にチャネル38を通過して電磁石41から熱エネルギーを吸収し、その後で駆動アセンブリ1から除去されて、コネクタスタブ33を通って延在するクーラント排出チャネル(図示せず)を通して車両に戻される。暖機されたクーラントは好ましくは車両上の熱交換器で冷却され、その後クーラント供給チャネル45を通って再循環される。
【0047】
パワー制御エレクトロニクス42に給電するための給電線43a,43bは、ロータ60の外部から、コネクタスタブ33内の通路44を通って、パワー制御エレクトロニクスに通る。
【0048】
ロータ60は、それぞれその車両側2とその道路側3に横端部72,73を有する実質的に円筒形のロータボディ71を備えている。両横端部72,73は、道路からの、または、車両の制動システムによって放出される塵芥および磨耗粒子などの異物粒子が、中空ロータ60の内部に侵入することを防止するために実質的に閉鎖されている。ロータの車両側は、回転軸Rに対して横断方向に延在するサイドプレート74によって、またカバープレート75によって実質的に閉鎖されている。サイドプレート74とカバープレート75にはそれぞれ、コネクタスタブ33の部分34がそれを介して延出する開口部が配設されている。サイドプレート74は車両側ベアリング52を支持するのに対し、カバープレート75はサイドプレート74に装着されてベアリング51を、それらの側方車両側2で覆い、また、それを介して部分34が延出する開口部77を備えている。カバープレート75は、開口部77の内周縁79とコネクタスタブ33のシャフト34の外周との間に配置されたシャフトシール78とともに、異物粒子が車両側ベアリング52を損傷することを防止する。さらに、カバープレート75とシャフトシール78は、粒子が電磁石41に干渉する可能性がある車両側2からそのような粒子がロータの内部5に侵入することを実質的に防止する。
【0049】
ステータボディ31の内側に配置された道路側ベアリング53は、それらの道路側3において、第2のカバープレート80によって覆われている。レゾルバ81がステータ30を第2のサイドプレート80に回転可能に連結し、ステータ30に対するロータ60の角度位置を検出するように適合されている。
【0050】
図1Bは、図1Aの駆動アセンブリの部分破断等角図を示しているが、この図では、中空ステータボディ31とレゾルバ81を見やすくするために、第2のカバープレート80も道路側ベアリング53も図示していない。
【0051】
図2は、図1Aおよび1Bのステータ30に対応し得る、本発明に係るインホイールモータのステータ230を示す。ステータ230は、ステータの道路側に開放端207を備えた中空ステータボディ231を有する。反対側、すなわち車両側に、ステータは、車両へのモータの固定装着のためのコネクタスタブ233を備えている。
【0052】
図3は、図2のコネクタ250の詳細を示すが、ステータについては円筒面210以外の部分は示していない。円筒面は、図1Aおよび1Bに示した冷却ジャケット37の外面38に直接隣接して配置されてよい、および/または、図2のステータボディ231上に配置されてよい。円筒面には、磁性積層材料棒211の形態の複数のコア部材が配設されている。棒は、円筒面210の第1の端部214から第2の端部215へと、軸方向Aに対して平行に延在し、長さLを有する。図示の例において、長さLは、棒211が配置されている円筒面の内径dよりも大きい。棒211それぞれは中間部を有し、その周りにコイルの巻線が巻回され、その中間部は、棒の半径方向外面212の幅よりも小さい幅を有する。
【0053】
巻線241,242,243を備えたコイル240が棒の周りに配設され、棒は、図2に示すように、長さLと実質的に等しい長さであり棒に対して実質的に平行に通る部分を有する。棒の横端に、巻線は湾曲端241a,242a,243aと、反対側の湾曲端241b,242b,243bを備えている。コイルの端子244,245,246は全て、第1の端部214付近の円筒ボディ210の一側部に配置されている。各端子はコイルの下部巻線から、棒211から離れる方向且つ円筒ボディ210の長手軸Mから離れる方向に、ボディの長手軸のほうに収束せずに延出する。端子の終点はしたがって、円形の輪郭上にある。
【0054】
端子は、それぞれ異相で電流を伝播するための3つの絶縁導体254,255,256に接続される。導体254,255,256は、互いに軸方向に離隔したそれぞれの周方向の導体ボディ257,258,259を備えている。軸方向Aに沿って実質的に等しい幅w1,w2,w3と半径方向に沿って実質的に等しい高さh1,h2,h3を有する導体ボディは、絶縁ボディ260によってその溝261,262,263内に保持される。溝は、導体ボディの高さより高いかまたはそれに等しい高さを有して、ボディを互いから絶縁している。複数の接点部材264,265,266が、対応する溝から出て、各導体ボディから延出して、端子と接触する。各接点部材の第1部分266aは実質的に半径方向に延出し、第2部分266bは絶縁体ボディ260の軸方向に対して実質的に平行に延出する。棒211に対面する接点部材の部分は、端子が第2部分上に容易にスライド可能なように湾曲している。導体ボディの第2部分の長さの差はしたがって、導体ボディが互いに軸方向に離隔している距離に等しくあり得る。
【0055】
各端子は、その対応するコイルの下部巻線から、前記下部巻線の湾曲端から軸方向且つ半径方向に離隔した導体の接点部材へと延出する。接点部材の第2部分は実質的に互いに平行に延出し、それらの自由端264c,265c,266cが共通の円上にあるように選択された長さを有する。
【0056】
コネクタ250の別の図が図4に示されている。棒211は、棒と同じ積層磁性材料で作製されステータの円筒面210を提供する、またはステータの円筒面210に載る円筒ボディ218から延出する。円筒ボディ218は、例えば、円筒ボディを、コネクタ250とは別個にステータボディ231に縛りばめすることによってステータボディ231に取り付けられ得る。円筒ボディ218がステータに取り付けられた後で、コネクタ250は、図4に示した位置に達するまでステータボディ230(図2参照)の傾斜した端部分234に沿ってスライドさせることで装着され得る。このような方式でコネクタをステータ上にスライドさせることで、コネクタはステータと半径方向に位置合わせされるが、一方で、端子は、コネクタの縁251が円筒面の第1の端部214に当接するまで湾曲部および接点部材の第2の端部とスライド接触してよい。こうしてコネクタは、インホイールモータの道路側から、例えば、プラグがソケットに取り付けられるのと同じ様式でステータ上に容易に取り付けられ得る。
【0057】
円筒ボディ218、コイル240、端子244,245,246および導体254,255,256が円筒面118の中心軸に対して垂直な平面上に突出した場合、端子244,245,245を含むコイル、および導体254,255,256を含むコネクタ250は全て、棒211の半径方向外面212の内接円内に完全に配置され、円筒ボディ218の内面221の完全に外側にある。
【0058】
要約すると、本発明は、ステータとステータの周りに配置されたロータを備えたインホイールモータに関し、ステータは、円筒面と、軸方向に配向した棒の周りの巻線とコイル端子を備えたコイルを備え、モータはさらに、湾曲端付近の円筒面の第1の端部に配置された少なくとも2つの相互絶縁された導体を備えたコネクタを備え、導体はそれぞれ、周方向の導体ボディと、前記導体ボディから延出し、前記端子のうち1つに接続するように配置された複数の接点部材を備え、周方向の導体ボディは、互いから軸方向に離隔している。
【0059】
本発明を、図面に示すようないくつかの例示的実施形態を参照して説明してきた。いくつかの部分または要素の修正または別の実装が可能であり、それらは添付の特許請求の範囲に定義される保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0060】
1 駆動アセンブリ
2 車両側
3 道路側
30、230 ステータ
31、231 ステータボディ
33、233 コネクタスタブ
34 シャフト
35 フランジ
37 冷却ジャケット
38 チャネル
42 パワー制御エレクトロニクス
45 クーラント供給チャネル
51、52、53 ベアリング
60 ロータ
61 永久磁石
62 内周面
72、73 横端部
74 サイドプレート
75、80 カバープレート
81 レゾルバ
207 開放端
210 円筒面
211 コア部材
212 外面
213 軸方向スロット
214 第1の端部
215 第2の端部
218 円筒ボディ
240 コイル
241、242、243 巻線
241a、242a、243a 湾曲端
244、245、246 端子
250 コネクタ
254、255、256 導体
257、258、259 導体ボディ
260 リング状絶縁体ボディ
261、262、263 溝
264、265、266 接点部材
266a 第1部分
266b 第2部分
図1A
図1B
図2
図3
図4