(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-13
(45)【発行日】2023-02-21
(54)【発明の名称】誤差増幅器
(51)【国際特許分類】
H03F 3/217 20060101AFI20230214BHJP
H03K 7/08 20060101ALI20230214BHJP
【FI】
H03F3/217
H03K7/08 C
(21)【出願番号】P 2020529826
(86)(22)【出願日】2018-08-07
(86)【国際出願番号】 GB2018052254
(87)【国際公開番号】W WO2019030518
(87)【国際公開日】2019-02-14
【審査請求日】2021-08-03
(32)【優先日】2017-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】520046616
【氏名又は名称】リード・アコースティック・デザインズ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】リード,ローレンス
【審査官】▲高▼橋 徳浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-110375(JP,A)
【文献】特開2016-046544(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0247219(US,A1)
【文献】特開2012-015650(JP,A)
【文献】特表2015-515841(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03F1/00-H03F3/72
H03K7/00-H03K11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被変調信号を出力するように構成されているゲートドライバ(18)と、
前記ゲートドライバ(18)から前記被変調信号を受信するように配置されているスイッチングデバイス(20,22)と、
誤差増幅器(40,70)と
を含むパルス幅変調増幅器において、
前記誤差増幅器(40,70)は、
非反転入力が接地されている演算増幅器(50)と、
前記演算増幅器(50)の信号出力と前記演算増幅器(50)の反転入力との間に接続されたフィードバックループであって、前記演算増幅器(50)の信号出力に接続されたフィードバックコンデンサ(54)、前記フィードバックコンデンサ(54)に接続されたフィードバック抵抗(56)、および前記フィードバック抵抗(56)と前記演算増幅器(50)の反転入力とに接続された積分抵抗(58)を含み、前記フィードバックコンデンサ(54)、前記フィードバック抵抗(56)及び前記積分抵抗(58)は直列に接続されているフィードバックループと、
前記演算増幅器(50)の信号出力と前記演算増幅器(50)の反転入力との間に接続されたフィードフォワードコンデンサ(52)と、
前記フィードバックコンデンサ(54)と前記フィードバック抵抗(56)の間の接合部に接続されて前記スイッチングデバイス(20,22)の出力からフィードバック信号を受信するように配置されている第1のローパスフィルタ(62,64)と、
を含み、
前記フィードバック抵抗(56)と前記積分抵抗(58)の間の接合部は入力信号を受信するように構成されている、
パルス幅変調増幅器。
【請求項2】
前記誤差増幅器(40,70)は、前記フィードバック抵抗
(56)と前記積分抵抗
(58)の間の前記接合部に接続されて前記入力信号を受信するように配置されている第2のローパスフィルタ
(72,74,76)を含
む、請求項
1に記載の
パルス幅変調増幅器。
【請求項3】
前記
第2のローパスフィルタ(72,74,76)は、第2の直列抵抗(76)で切り離される第1のシャントコンデンサ(72)および第2のシャントコンデンサ(74)で形成されるπ型入力フィルタ
である、請求項
2に記載のパルス幅変調増幅器。
【請求項4】
前記スイッチングデバイス(20,22)はプッシュプルの配置で構成される2つのスイッチングデバイスを含む、請求項
1~3のいずれか一項に記載の
パルス幅変調増幅器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誤差増幅器に関する。特に、本発明は、パルス幅変調回路のための誤差増幅器および誤差増幅器を含むパルス幅変調回路に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、オーディオパルス幅変調(PWM)増幅器2の例を示す。オーディオPWM増幅器は、オーディオ信号で最も高いオーディオ周波数の2倍よりも高く、約20~40倍高い範囲にあるスイッチング周波数を有するスイッチング増幅器である。増幅器2は、増幅器のスイッチングされた出力をオーディオ入力信号と比較して出力が入力信号の線形に拡大・縮小されたバージョンであることを確実にして、有限で変化する負荷構成に起因する入力電圧に対するバス出力電圧の変化、およびバス電圧の変化を補償するように配置される、誤差増幅器を含む。図において、フィードフォワードコンデンサ6を有する積分器として構成される演算増幅器すなわちオペアンプ4を含む誤差増幅器が配置されている。演算増幅器4は、フィードバック抵抗10を介して増幅器のスイッチング段から、入力抵抗8および出力信号を経てその反転入力でオーディオ信号を受信する。演算増幅器4のオーディオ信号出力は、オーディオ信号出力を、信号発生器14によって発生される三角形または鋸歯状の変調波形と結合するコンパレータ12に接続される。
【0003】
増幅器は、電力段16を含む。電力段16は、幅および分離が変化する固定振幅の方形パルスを含んでいる信号を出力するゲートドライバまたはスイッチングコントローラ18を含む。ゲートドライバ18が、信号、および保護遅延または不動時間によって分離された、レベルシフトされて反転されたバージョンの信号を生成することは、言うまでもない。ゲートドライバ18は、コンパレータ12から被変調信号を受信する。受信被変調信号の低周波部分は増幅されるオーディオ信号であり、高周波部分は低周波オーディオ信号と結合されるときに、デジタル信号(すなわち、2つの異なった、所定のバス電圧の間で切り替わる信号)を発生させるのに役立つ三角形または鋸歯形の波形である。
【0004】
電力段16は、2つのスイッチングデバイス20,22を含む。ゲートドライバ18の出力は、プッシュプルまたはトーテムポール配置の2つのスイッチングデバイスに接続される。
図1に示される回路において、スイッチは、電界効果トランジスタ(FET)20,22である。図において、上のFET22はドライバ18による信号出力によって駆動されて、下のFET20はそのレベルシフトされて反転されたバージョンによって駆動される。2つのスイッチ20,22は、完全にオンであるかまたは完全にオフであるように配置され、それによってスイッチングデバイスの出力が+Vccまたは-Vcc(すなわちバス電圧)となる。この種の配置は、プッシュプル出力デバイスが完全オンであるか完全にオフである場合、それらは電力の消散が最小で高い増幅器効率につながる、という特性を利用する。電力段16の出力(すなわち増幅器のスイッチング段からの出力)は、上で記載されていているように、誤差増幅器にフィードバックされる。
【0005】
電力段16の出力は、受動フィルタ24を用いてローパスフィルタリングされて、スイッチング周波数をフィルタ除去して、増幅器2のスピーカ負荷30がオーディオ信号を見るだけにすることを可能にする。受動フィルタ24用の標準および一般的に用いられるフィルタは、2ポールインダクタ-コンデンサ(LC)フィルタである。受動フィルタ24用の一般的に用いられるコンポーネント値は、20μHの直列インダクタ26およびアースに分岐された470nFのコンデンサ28である。
【0006】
図1に関連して記載されている例はオーディオの例であるが、誤差増幅器が回転性またはトルク発生モータおよび発光ダイオードなど他の用途に関連して使用できることは言うまでもない。
【0007】
PWM電力、出力段の信号経路は、論理ゲートのタイミングおよび温度依存性の回路容量による過剰位相シフトを生じさせる場合がある。これは容量値が温度依存性であり、位相シフトも温度依存性であり得るという理由であって、そのことで誤差増幅器不安定性、信号劣化、および回路損傷の可能性が生じる場合がある。使われるグローバルな負のフィードバックについて、誤差増幅器は、実際には、スイッチング周波数およびその高調波において過剰位相シフトに対して強くなければならない。
【0008】
これらの考慮点は、複数のフィードバック、サレンキーまたは状態変数、トポロジフィルタ周辺に基づく個々のブロックに、通常は分割される。しかしながら、ブロックの数の増加は回路複雑さを増加させ、それ自体が結果として過剰位相シフトおよび性能の低下になる場合がある。回路ブロックを減らすと、抑制できない振る舞い(例えば、電源レールの出力ラッチアップ現象、発振、意図されたフィルタリング機能を提供しないことによるスイッチング周波数の除去の不足、演算増幅器部によって指定されるより高い符号歪)を回避するために著しい利得帯域幅積(CBP)が誤差増幅器回路の中で必要であるので、演算増幅器の選択および使われる高周波が考慮されなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、上記の考慮点に注意を払った簡略誤差増幅器を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示は、添付の図面と連動して以下で述べられる実施形態の説明を参照して理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】上記で説明されており、オーディオパルス幅変調(PWM)増幅器の例を示す図である。
【
図2】本発明の第1の態様による誤差増幅器を示す図である。
【
図3】本発明の第2の態様による誤差増幅器を示す図である。
【
図4】本発明の第3の態様によるオーディオパルス幅変調(PWM)増幅器を示す図である。
【
図5】本発明の第4の態様によるDCまたはACモータ制御回路を示す図である。
【
図6】本発明の第5の態様によるDCまたはACモータ制御回路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の第1の実施形態によれば、パルス幅変調回路のための誤差増幅器であって、積分器として構成されている演算増幅器、ならびに、演算増幅器の信号出力と演算増幅器の反転入力との間に接続されたフィードバックループであって、信号出力に接続されたフィードバックコンデンサ、フィードバックコンデンサに接続されたフィードバック抵抗、およびフィードバック抵抗と演算増幅器の反転入力とに接続された積分抵抗を含むフィードバックループを含み、フィードバック抵抗と積分抵抗の間の接合部は入力信号を受信するように構成されており、フィードバックコンデンサとフィードバック抵抗の間の接合部はパルス幅変調回路からフィードバック信号を受信するように構成されている、誤差増幅器が提供される。したがって、誤差増幅器は、複数回路ブロックを用いずに上記の設計要件を考慮した単一段の回路を備えている。
【0013】
フィードバックコンデンサは、スイッチング周波数で過剰位相シフトを補償するように配置され得る。
積分抵抗は、積分機能を誤差増幅器のフィードバック加算機能から切り離すように配置され得る。
【0014】
誤差増幅器は、フィードバックコンデンサとフィードバック抵抗の間の接合部に接続されてパルス幅変調回路からフィードバック信号を受信するように配置されている第1のローパスフィルタを含むことができ、第1のローパスフィルタはフィードバック信号の変調成分を減衰させるように構成されている。
【0015】
誤差増幅器はフィードバック抵抗と積分抵抗の間の接合部に接続されて、入力信号を受信するように配置された第2のローパスフィルタを含むことができ、第2のローパスフィルタは入力信号からエイリアシング周波数成分を減衰させるように構成される。
【0016】
誤差増幅器は、誤差増幅器の信号入力に配置されるシャントコンデンサを含むことができ、それによって第2のローパスフィルタによるπ型入力フィルタを形成し、π型入力フィルタはフィードバック信号からのスイッチングエネルギーが信号駆動コンポーネントに導通されるのを妨げるように構成される。積分器は、信号出力と演算増幅器の反転入力との間に接続されたフィードフォワードコンデンサを含むことができる。
【0017】
本発明の第2の実施形態によれば、パルス幅変調回路が提供され、これは、被変調信号を出力するように構成されるドライバ回路、ドライバ回路から被変調信号を受信するように配置されたスイッチングデバイスおよび前述の任意選択機能の1つまたは複数を有する第1の実施形態による誤差増幅器を含む。スイッチングデバイスの出力信号はフィードバック信号であり、そして、演算増幅器の信号出力はドライバ回路に接続される。
【0018】
パルス幅変調回路は、プッシュプルの配置で構成される2つのスイッチングデバイスを含むことができる。
パルス幅変調回路は、スピーカまたはモータに接続することができる。
【0019】
通常PWM増幅器のために用いられるように設計されている誤差増幅器は、和および、積分器またはフィードフォワードパスフィルタを含み、フィードバックパスフィルタを任意選択的に含むことができる。誤差増幅回路段を設計するときに考察されなければならないいくつかの要件があり、それは後述する。
【0020】
PWM増幅器用としての誤差増幅器は、演算増幅器の、集積されるかまたは別々の回路に典型的には基づいており、これは、適切に高い「利得×帯域幅」積を含んで、関連する最大周波数(例えば400kHzまたは、オーディオ信号の最も高いオーディオ周波数、スイッチング周波数およびその高調波よりも20~40倍の高さ)まで線形に作動しなければならない。誤差増幅器がPWM回路の信号性能の範囲を定めるので、誤差増幅器はオーディオ信号周波数範囲の中で高性能を有しなければならない。さらに、誤差増幅器の電源レールは、PWM回路電圧スイッチングレベルと一致しなければならないか、または、低電圧レール演算増幅器がその入力においてその電源レールを上回る電圧(これが演算増幅器の滅失に至って、回路の信頼性を低下させることになるので)にならないことを確実にするために信号調整を含まなければならない。
【0021】
前処理回路ブロックは、バス電圧レベルPWM回路サンプリング周波数を、被変調信号のフィードバックされた拡大・縮小したバージョンからフィルタ除去するかまたは減衰させるように構成される。レールスイッチングレベルに対する出力電圧レールは、信号レベル電圧の電力供給および誤差増幅器電力供給段の電源を上回る可能性がある。PWM回路に供給される入力オーディオ信号を確実にする入力オーディオ信号のためのプレフィルタリング回路ブロックは、例えば、PWM回路のサンプリング(すなわちスイッチング)周波数の半分を超えるエイリアシング周波数成分を含まない。これは、PWM回路のサンプリング(すなわちスイッチング)周波数の半分を超える周波数は入力信号に事実上再導入されて、符号歪を引き起こし、帯域内のフィードバックのため、取り除くのが可能でないためである。
【0022】
回路のPWM高電圧スイッチングゲートドライバ18および出力パワースイッチングデバイス20,22は誤差増幅器の出力とフィードバックの間に挿入されて、高電力が出力負荷(例えばスピーカ30)に供給されることが可能となる。
【0023】
加算動作は、使われる負のフィードバックを有効にするために誤差増幅器の中で必要であり、それは負のフィードバックが非線形性を低減して、また出力インピーダンスを、典型的フィードバック制御回路でのケースのように低下させるからである。低いPWM増幅器出力歪みのために、グローバルな負のフィードバックが印加され得、誤差増幅器がPWM電力出力段からの出力のいかなる非線形性に対しても修正することを可能にすることができる。
【0024】
以下で示される誤差増幅器は、前述の要件の全てを考慮するように構成される。後述する誤差増幅回路はPWMスイッチング増幅器に適したフィルタの新規な専門クラスとして考案されたものであり、それは上記の設計の考慮点を単一段の回路に組み込む。この構成は、単一の演算増幅器段を用いて改良された回路性能を提供する。さらに、抵抗値が最適化されると、本構成は誤差増幅器端末に印加される過電圧条件に対して固有信頼度を提供する。
【0025】
図2は、本発明の第1の態様による誤差増幅器40を示す。増幅器40は、端子または接合部42で入力オーディオ信号を供給されて、端子または接合部48で出力オーディオ信号を生成する。端子または接合部44は、アースに接続されている。端子または接合部46は、PWM増幅器の電力段の出力に接続される。
【0026】
誤差増幅器40は、所望の帯域幅および信号歪特性、例えばAD8651のために選択される演算増幅器50を含み、それはPWM増幅器のスイッチング段(図示せず)と同じバス電圧供給線(すなわち+Vccおよび-Vcc)に接続される。オペアンプ50は、オペアンプ50の信号出力とオペアンプ50の反転入力との間に接続されたフィードフォワードコンデンサ52、および積分抵抗58とともに積分器として構成される。増幅器はまた、演算増幅器50の信号出力と演算増幅器50の反転入力との間に接続されたフィードバックループを含む。フィードバックループは、オペアンプ50の信号出力に接続されたフィードバックコンデンサ54、フィードバックコンデンサ54に接続された第1のフィードバック抵抗56および積分抵抗58を含む。積分抵抗58は、典型的には100オーム以上であり、オペアンプの配置の積分機能をオペアンプの配置のフィードバック加算機能から切り離して、積分器周波数のポール乗算を提供する。
【0027】
オーディオ信号は、入力抵抗60を介して誤差増幅器40に供給される。入力抵抗60は、積分抵抗58および第1のフィードバック抵抗56に接続される。すなわち、入力抵抗60が、積分抵抗58および第1のフィードバック抵抗56の接合部またはその間の端子に接続されるということである。信号は、第2のフィードバック抵抗66を介してPMW増幅器のスイッチング段からフィードバックされる。
【0028】
ローパスフィルタは、誤差増幅器のフィードバック入力46に配置される。ローパスフィルタは、第3のフィードバック抵抗62およびアースに分岐されたローパスコンデンサ64を含む。ローパスコンデンサ64は、通常エイリアシングを最小にするループ低減を可能にするFSwitching/10の領域で、回路の-3dBの周波数に同調する。
【0029】
ローパスコンデンサ64は、以下の式に従って選択することができる。
CLow-pass capacitor 64=1/(2π*RThird feedback resistor 62*F)
ここで、Fは、回路の-3dB周波数である。
【0030】
ローパスコンデンサ64は二重の機能を有しており、ループ利得低減を提供することに加えて、このコンデンサはまた、PWM電源によってスイッチング信号出力の位相シフト修正を可能にしている開ループゼロ、増幅器の出力段を提供する。フィードバック信号に存在するスイッチング周波数を前処理して20dBの除去を行うスイッチング周波数フィルタとして作用しているローパスコンデンサ64と、誤差増幅器入力端子に提示されるフィードバック信号への位相補正貢献との間で、機能を優先付けするために、設計アセスメントが実行されなければならない。
【0031】
コンデンサ64の値を-3dBの周波数=fs/10のために算出される値から増やすことは、フィードバックされた信号の位相進みを増加させる。
誤差増幅器40の利得は、以下の式を用いて決定される。
【0032】
AV=-((RFirst feedback resistor 56+RSecond feedback resistor 66+RThird feedback resistor 62)/RInput resister 60)
フィードフォワードまたは積分器キャパシタ52は、以下の式に従って選択される。
【0033】
CFeed forward capacitor 52=1/(((AV*RIntegrator resistor 58)+RFirst feedback resistor 56+RSecond feedback resistor 66+RThird feedback resistor 62)*2π*FIntegrator)
ここで、FIntegrator=FSwitching/axである。20kHzの最大周波数および400kHzのスイッチング周波数(FSwitching)を有するオーディオ用途のために、ax=3πは、最適フィルタ形状およびロールオフを提供する。
【0034】
フィードバックコンデンサ54は、スイッチング周波数およびその倍数でローカル補償をいかなる過剰位相シフトにも提供するために追加される。これは、安定性を改善することができ、PWM電力、増幅器の出力段から生じ得る位相シフトの効果を低減することができる。フィードバックコンデンサ54は、誤差増幅器の閉ループ周波数応答のポールおよびゼロを効果的に追加する。
【0035】
以下の式は、所望のポールポジションの周波数を一致させているフィードバックコンデンサ54の容量値を決定するために用いることができる。
CFeedback capacitor 54=1/(2π*(RSecond feedback resistor 66+RThird feedback resistor 62)*FPole)
ここで、FPole=FSwitching/bxである。
【0036】
以下の式は、フィードバックコンデンサ54の容量値により提供されるゼロ周波数を決定するために用いることができる。
FZero=1/(2π*RFirst feedback resistor 56*CFeedback capacitor 54)
スイッチング周波数における誤差増幅器の利得は、好ましくは約6dBに限られていなければならない。20kHzの最大周波数および400kHzのスイッチング周波数(FSwitching)を有するオーディオアプリケーションのために、bx=2πは、最適フィルタ形状およびロールオフを提供する。フィードバックコンデンサ54は、信号周波数の範囲の直線性に影響を及ぼすことなくスイッチング周波数での誤差増幅器回路の「利得×帯域幅」積の要件を低減する。
【0037】
上記で論じた式は、i)スイッチング周波数での20dBを超える利得低減および、ii)20kHzでの最小の位相シフトを有する20kHzまでの平面通過帯域応答(すなわち信号周波数範囲の上限のオーディオ)を提供する。誤差増幅器の成分値の最適化は、用途に応じて所望の誤差増幅器利得および位相特性を提供することができる。
【0038】
一例において、10.4の利得(AV)が選択されて、以下の成分値が選択された。
RInput resistor 60=1,000R
RIntegrator resistor 58=100R
RFirst feedback resistor 56=1,000R
RSecond feedback resistor 66=4,700R
RThird feedback resistor 62=4,700R
FSwitching=400,000Hz
上で提供されている式および42,441Hz(すなわちFIntegrator=400,000/3π)の積分周波数に基づいて、以下のコンデンサ値は、決定され得る。
【0039】
CLow-pass capacitor 64=1/(2π/4,700R*400,000Hz)=847pF
CFeed forward capacitor 52=1/(((10.4*100R)+1,000R+4,700R+4,700R)*2π*42,441Hz)=327pF
CFeedback capacitor 54=1/((4,700R+4,700R*400,000Hz)=266pF
理論値に近いコンデンサが用いられることは言うまでもない。
【0040】
図3は、本発明の第2の態様による誤差増幅器70を示す。
図2に関連して説明されているコンポーネントおよび機能は、
図3のものと同一の参照番号を使用してラベル付けされている。
図3に示される誤差増幅器70は、その入力でπ入力フィルタを含む。図において、π入力フィルタは、端子42にオーディオ入力信号が供給されて、入力抵抗60に接続されている。π入力フィルタは、第2の直列抵抗76で切り離される第1のシャントコンデンサ72および第2のシャントコンデンサ74を含む。π入力フィルタの追加によって、誤差増幅器の入力に現れるエイリアシング周波数成分から、PWM増幅器を保護することができる。
図3の第2の、直列抵抗76および入力抵抗60の組合せが
図2の単一入力抵抗60と等価であることに注意されたい。インダクタは、除去を改善するために、端子42と直列に、または、直列抵抗76と直列に含まれることもできる。さらに、ローパスフィルタがその不在のときに形成されるように、第1のシャントコンデンサ72は任意選択的に含まれる。
【0041】
図4は、本発明の第3の態様によるオーディオパルス幅変調(PWM)増幅器80を示す。増幅器80は、
図2に関連して説明されている誤差増幅器40または
図3に関連して説明されている誤差増幅器70でもよい誤差増幅器82を含む。
図4の他の番号を付けられたコンポーネントは、
図1に示される同様の番号を付された機能と、同じである。増幅器80において、入力オーディオ信号は端子または接合部42で受信されて、端子または接合部48はコンパレータ12を介してゲートドライバ18に接続される。スイッチ20,22の出力は、誤差増幅器82の端子または接合部46に接続される。
【0042】
図5は、本発明の第4の態様によるDCまたはACモータ制御回路100を示す。回路100は、
図2に関連して説明されている誤差増幅器40または
図3に関連して説明されている誤差増幅器70の形でもよい誤差増幅器102を含む。誤差増幅器40および誤差増幅器70のそれぞれは、オーディオアンプに関連して説明されていたが、これらの増幅器の形はDCまたはACモータ制御回路の一部として用いられることができ、どのようにそれらの誤差増幅器の概要に基づいて適切な成分値を選択するべきかは、当業者にとって明らかである。誤差増幅器102の出力は電力段104にコンパレータ12を介して供給され、それは様々な幅および分離を有する固定振幅の方形パルスを含んでいる信号を出力するゲートドライバまたはスイッチングコントローラ106を含む。ゲートドライバ106が、信号、および保護遅延または不動時間によって分離された、レベルシフトされて反転されたバージョンの信号を生成することは、言うまでもない。電力段104は、2つのスイッチングデバイス108,110(例えば電界効果トランジスタ(FET))を含む。2つのスイッチ108,110は、スイッチングデバイスの出力が+Vccまたは-Vcc(すなわちバス電圧)のいずれかであるように、完全にオンであるかまたは完全にオフであるように配置される。この種の配置は、プッシュプル出力デバイスが完全オンであるか完全にオフである場合、それらは電力の消散が最小で高い増幅器効率につながる、という特性を利用する。電力段104の出力は、オーディオアンプに関して上で説明されているように、誤差増幅器102にフィードバックされる。
【0043】
電力段104の出力は、受動フィルタ112を用いてローパスフィルタリングされスイッチング周波数をフィルタ除去し、それからモータ118に供給される。受動フィルタ112は、直列インダクタ114を含んでいる2ポールインダクタ-コンデンサ(LC)フィルタおよびアースに分岐されたコンデンサ116である。直列インダクタ114およびシャントコンデンサ116用の成分値は式、F-3dB=1/2π*√(LSeries*CShunt)を用いて決定することができ、ここでLSeriesが直列インダクタ114のインダクタンスであり、CShuntはシャントコンデンサ116の容量であり、F-3dBは通常スイッチング周波数の2から10の間の除算である。
【0044】
図6は、本発明の第5の態様による代わりのDCまたはACモータ制御回路120を示す。回路120は、
図5に関連して説明されている誤差増幅器102の形である誤差増幅器122を含む。誤差増幅器122の出力は、様々な幅および分離を有する固定振幅の方形パルスを含んでいる信号を出力するゲートドライバまたはスイッチングコントローラ124に供給される。この例では、単一のスイッチ126(例えば電界効果トランジスタ(FET))が、電圧供給源(すなわち+Vccまたは-Vcc)の間に配置されるモータ128と直列に用いられて、コントローラ124の出力信号はスイッチ126の制御入力(すなわちゲート)に供給される。
【0045】
前述の考察が具体的な実施形態に関することは言うまでもない。しかしながら、他の実施形態では、種々の態様および実施例は、組み合わせることができる。