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特許7227313ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-13
(45)【発行日】2023-02-21
(54)【発明の名称】ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/36 20060101AFI20230214BHJP
【FI】
G01C21/36
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021100920
(22)【出願日】2021-06-17
(65)【公開番号】P2023000225
(43)【公開日】2023-01-04
【審査請求日】2021-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】510298300
【氏名又は名称】株式会社ONE COMPATH
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】樋口 貴広
(72)【発明者】
【氏名】原 拓矢
(72)【発明者】
【氏名】虻川 洋史
【審査官】高島 壮基
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-006077(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00-21/36
G08G 1/00-99/00
G09B 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体端末の現在位置を取得する位置取得部と、
取得された前記現在位置を基点とする目標地点への方向と前記取得された現在位置から前記目標地点までの距離とを算出する方向距離算出部と、
前記現在位置を中心とする円において前記方向を含む扇形であって、前記方向距離算出部により算出された方向を示すとともに前記方向距離算出部により算出された距離に応じて態様が異なるようにされた第1方向標示を含み、地図を含まないナビゲーション画面を前記移動体端末にて表示させる表示制御部と
を備えるナビゲーション装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記第1方向標示としての扇形の中心角を前記距離に応じて変化させる
請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記距離に応じて前記第1方向標示の色を異ならせる
請求項1または2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
最終の目標地点と中途の目標地点とのうちで対象とされた1の目標地点への方向を示す前記第1方向標示とともに、前記最終の目標地点への方向を示す第2方向標示を同一画面にて表示させる
請求項1から3のいずれか一項に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記ナビゲーション画面と、地図上で前記現在位置と前記目標地点への方向とを示す他のナビゲーション画面とを切り替えて表示可能とされる
請求項1から4のいずれか一項に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、過去に経由した中途の目標地点への方向と前記過去に経由した中途の目標地点までの距離に関する距離情報とを含む前記ナビゲーション画面を表示させる
請求項1から5のいずれか一項に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
ナビゲーションシステムにおけるナビゲーション方法であって、
移動体端末の現在位置を取得する位置取得ステップと、
取得された前記現在位置を基点とする目標地点への方向と前記取得された現在位置から前記目標地点までの距離とを算出する方向距離算出ステップと、
前記現在位置を中心とする円において前記方向を含む扇形であって、前記方向距離算出ステップにより算出された方向を示すとともに前記方向距離算出ステップにより算出された距離に応じて態様が異なるようにされた第1方向標示を含み、地図を含まないナビゲーション画面を前記移動体端末にて表示させる表示制御ステップと
を含むナビゲーション方法。
【請求項8】
ナビゲーション装置としてのコンピュータを、
移動体端末の現在位置を取得する位置取得部、
取得された前記現在位置を基点とする目標地点への方向と前記取得された現在位置から前記目標地点までの距離とを算出する方向距離算出部、
前記現在位置を中心とする円において前記方向を含む扇形であって、前記方向距離算出部により算出された方向を示すとともに前記方向距離算出部により算出された距離に応じて態様が異なるようにされた第1方向標示を含み、地図を含まないナビゲーション画面を前記移動体端末にて表示させる表示制御部
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
歩行あるいは自転車で通行するユーザの現在位置を検出し、検出された現在位置付近の天気データに基づいて最適な通行ルートを探索し、探索した通行ルートを地図上に表示するようにされた技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-147708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特に自転車や徒歩などの場合、例えばナビゲーション装置により目的地までの案内をしてもらいつつも、気ままに経路を決めながら目的地に向かいたいといった要望がある。しかしながら、特許文献1に記載の技術のように経路が地図上で表示された態様で案内が行われた場合には、上記のようなユーザの要望に適った案内(ナビゲーション)が行われているとはいえない。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ユーザが気ままに経路を決めながら目的地に向かうような場合に対応して、目的地までのナビゲーションを適切に行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するための本発明の一態様は、移動体端末の現在位置を取得する位置取得部と、取得された前記現在位置を基点とする目標地点への方向と前記取得された現在位置から前記目標地点までの距離とを算出する方向距離算出部と、前記方向距離算出部により算出された方向を示すとともに前記方向距離算出部により算出された距離に応じて態様が異なるようにされた第1方向標示を含むナビゲーション画面を前記移動体端末にて表示させる表示制御部とを備えるナビゲーション装置である。
【0007】
また、本発明の一態様は、ナビゲーションシステムにおけるナビゲーション方法であって、移動体端末の現在位置を取得する位置取得ステップと、取得された前記現在位置を基点とする目標地点への方向と前記取得された現在位置から前記目標地点までの距離とを算出する方向距離算出ステップと、前記方向距離算出ステップにより算出された方向を示すとともに前記方向距離算出ステップにより算出された距離に応じて態様が異なるようにされた第1方向標示を含むナビゲーション画面を前記移動体端末にて表示させる表示制御ステップとを含むナビゲーション方法である。
【0008】
また、本発明の一態様は、ナビゲーション装置としてのコンピュータを、移動体端末の現在位置を取得する位置取得部、取得された前記現在位置を基点とする目標地点への方向と前記取得された現在位置から前記目標地点までの距離とを算出する方向距離算出部、前記方向距離算出部により算出された方向を示すとともに前記方向距離算出部により算出された距離に応じて態様が異なるようにされた第1方向標示を含むナビゲーション画面を前記移動体端末にて表示させる表示制御部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように、本発明によれば、ユーザが気ままに経路を決めながら目的地に向かうような場合に対応して、目的地までのナビゲーションを適切に行えるようになるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係るナビゲーションシステムの全体的な構成例を示す図である。
図2】本実施形態に係る出発地・目的地設定画面、経由地設定画面の態様例を示す図である。
図3】本実施形態に係るナビゲーション画面の態様例を示す図である。
図4】本実施形態に係るナビゲーション画面の態様例を示す図である。
図5】本実施形態に係るナビゲーション画面、地図援用ナビゲーション画面の態様例を示す図である。
図6】本実施形態に係るナビゲーション画面の態様例を示す図である。
図7】本実施形態に係るナビゲーション画面の態様例を示す図である。
図8】本実施形態に係る移動体端末の機能構成例を示す図である。
図9】本実施形態に係る移動体端末がルート設定に関連して実行する処理手順例を示すフローチャートである。
図10】本実施形態に係る移動体端末がナビゲーション画面の表示に関連して実行する処理手順例を示すフローチャートである。
図11】本実施形態の第3変形例に係るナビゲーション画面の態様例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施形態>
[ナビゲーションシステムの構成例]
図1は、本実施形態のナビゲーション装置を含むナビゲーションシステムの全体的な構成例を示している。
本実施形態のナビゲーション装置は、自転車Bで移動するユーザUが所持する移動体端末100である。つまり、本実施形態のナビゲーション装置としての移動体端末100は、ユーザUが自転車Bで目的地まで移動する際の目的地までのナビゲーション(案内)を行う。
移動体端末100には、本実施形態のナビゲーションの機能を実現するためのアプリケーションソフトウェア(ナビゲーションアプリケーション)がインストールされる。本実施形態の移動体端末100は、例えばユーザが所有するスマートフォン、タブレット端末等であってよい。なお、移動体端末100は、本実施形態のナビゲーションの機能に特化された専用の装置として構成されてもよい。以下の説明では、移動体端末100はユーザUが所持するスマートフォンである場合を例に挙げる。
【0012】
移動体端末100は、例えば自転車Bにおけるハンドルに対してホルダなどによって保持される。これにより、ユーザUは、例えば自転車Bに搭乗した際に、移動体端末100の表示面に表示されたナビゲーション画面を見ることができる。
【0013】
移動体端末100は、地図サーバ200と通信可能に接続される。移動体端末100は、ナビゲーションを行うにあたり、地図サーバ200から地図情報を取得する。移動体端末100は、ナビゲーションを実行するにあたり取得した地図情報を利用する。なお、地図サーバ200から地図情報を取得する代わりに、移動体端末100に予め地図情報を記憶させておいてもよい。
【0014】
[移動体端末におけるナビゲーション画面表示]
以下、図2図7を参照して、本実施形態のナビゲーション装置として移動体端末100の操作手順例と、移動体端末100にて表示されるナビゲーション画面の態様例とについて説明する。以下の説明にあたり、移動体端末100の表示部はタッチパネルとされており、表示部にて表示された画面に対して指等の操作体によりタップ、スワイプなどの操作が可能とされている場合を例に挙げる。
【0015】
移動体端末100のナビゲーション機能を利用するにあたり、ユーザUは、移動体端末100を操作してナビゲーションアプリケーションを起動させる。移動体端末100の表示部には、起動されたナビゲーションアプリケーションのアプリケーション画面が表示される。
ユーザUは、ナビゲーションアプリケーションを起動させると、まず経路設定の操作を行う。このために、ユーザは、出発地・目的地設定画面を表示させる操作を行う。
【0016】
図2(A)は、ユーザUの操作に応じて表示されたルート設定画面の1つである出発地・目的地設定画面の一例を示している。同図の出発地・目的地設定画面は、地図エリアAR11と操作パネルエリアAR12とが配置される。
地図エリアAR11においては、出発地・目的地設定の操作に応じて設定された経路が表示される。操作パネルエリアAR12は、経路設定の操作が行われるエリアである。操作パネルエリアAR12においては、出発地設定エリアAR121、目的地設定エリアAR122、経由地設定ボタンBT11、及びナビゲーション実行ボタンBT12が配置されている。
【0017】
出発地設定エリアAR121は、出発地を設定する操作が行われるエリアである。ユーザUが出発地設定エリアAR121に出発地を入力する操作(出発地入力操作)を行うことにより、出発地が設定される。
目的地設定エリアAR122は、目的地(最終の目標地点)を設定する操作が行われるエリアである。ユーザUが目的地設定エリアAR122に目的地を入力する操作(目的地入力操作)を行うことにより、目的地が設定される。
ユーザUは、出発地または目的地として、例えば現在地、自宅、職場などといった登録済みの地点の情報を入力してもよいし、店舗、建造物、観光地点等の名称を入力してもよいし、所在地の住所を入力してもよい。出発地または目的地の入力は、文字入力であってもよいし、地図エリアAR11に対して出発地または目的地とする地点を指定する操作であってもよい。
【0018】
設定された出発地と目的地は、地図エリアAR11にて反映される。つまり、同図において示されるように、地図エリアAR11における地図上にて、設定された出発地を示す出発地マークMstと、設定された目的地を示す目的地マークMglとが配置される。また、出発地マークMstと目的地マークMglとを結ぶ直線による経路標示線Lrtが配置される。
【0019】
本実施形態においては、出発地及び目的地に加えて、経由地(中途の目標地点の一例)も設定することができる。経由地は、出発地から目的地までにおいてユーザが経由する地点である。経由地には、例えば、橋や踏切などのように、目的地に到達するにあたり必ず通過しなければいけない地点が含まれる。また、経由地には、ユーザUが休憩や観光目的で立ち寄りたい店舗、建造物、観光地点等が含まれてよい。
【0020】
図2(A)の状態から経由地を設定しようとする場合、ユーザUは、経由地設定ボタンBT11に対する操作(タップ操作)を行う。経由地設定ボタンBT11が操作されたことに応じて、もう1つのルート設定画面として、図2(B)の経由地設定画面が表示される。経由地設定画面は、ユーザUが経由地を入力する操作(経由地入力操作)を行う画面である。
【0021】
図2(A)の状態の出発地・目的地設定画面から図2(B)の経由地設定画面に遷移した初期状態のもとでは、地図上にて出発地マークMstから目的地マークMglまでが経路標示線Lrtにより結ばれた状態で表示されている。
【0022】
そのうえで、経路標示線Lrt上には、経由地設定のためのハンドルHDが配置されている。
地図エリアAR11に対する操作として、ユーザUは、まず、表示されたハンドルHDに対するタップ操作を行う。タップ操作が行われたことに応じて、ハンドルHDは、経由地マークMwpとしてのピンの表示に変化する。ユーザUは、表示された経由地マークMwpを、自分が経由地として設定したい地図上の位置にドラッグさせる操作を行う。そして、ドラッグの操作が解除されたときの地図上の位置が経由地として確定される。
あるいは、地図エリアAR11に対する操作として、ユーザUは、自分が経由地として設定したい地図上の位置にハンドルHDを移動させてもよい。経路標示線LrtはハンドルHDの移動に追随するようにして変化する。ユーザUは、自分が経由地として設定したい地図上の位置にハンドルHDを移動させると、経由地を確定させる操作(経由地確定操作)を行う。経由地確定操作は、ハンドルHDに対するタップ操作であってよい。経由地として確定されたハンドルHDは、経由地を示す経由地マークMwpに変化する。
【0023】
上記のような操作によって確定された経由地を示す経由地マークMwpが表示されると、当該経由地マークMwpの1つ前の地点(出発地または経由地)との間の経路標示線Lrtの中間と、当該経由地マークMwpの次の地点(目的地または経由地)との間の経路標示線Lrtの中間とにおいて新たにハンドルHDが配置される。ユーザUは、このように新たに配置されたハンドルHDを操作して、さらに経由地を設定していくことができる。
図2(B)の経由地設定画面においては、ユーザUによる経由地設定の操作の結果として、出発地を基点として、順次、3つの経由地マークMwpが配置された例が示されている。
【0024】
なお、図2(B)の状態から図2(A)の出発地・目的地設定画面に戻って出発地と目的地とを設定しなおす操作が可能とされてよい。
【0025】
また、経由地設定画面の地図エリアAR11においては、ナビゲーション実行ボタンBT12が配置されている。ユーザUは、経由地を設定し終えると、ナビゲーション実行ボタンBT12を操作する。
ナビゲーション実行ボタンBT12が操作されると、移動体端末100は、これまでに設定された出発地、目的地、及び経由地によるルートを確定させる。そして、移動体端末100は、表示部にて確定したルートをナビゲートするためのナビゲーション画面の表示に遷移させる。
【0026】
また、図2(A)の出発地・目的地設定画面の出発地設定エリアAR121においても、ナビゲーション実行ボタンBT12が配置されている。つまり、ユーザUは、出発地と目的地が設定されていれば、経由地を設定しなくとも、出発地・目的地設定画面の出発地設定エリアAR121に配置されたナビゲーション実行ボタンBT12を操作することができる。この場合には、出発地と目的地のみによる経路が確定されたうえで、ナビゲーション画面の表示に遷移する。
【0027】
次に、ナビゲーション画面について説明する。図3(A)は、ナビゲーション画面の一例を示している。ナビゲーション画面は、確定された経路に対応して目標地点(目的地、経由地)を案内する機能を有する画面である。
同図のナビゲーション画面においては、進捗エリアAR21、方向・距離表示エリアAR22、及びメニューボタンBT20が配置される。
【0028】
進捗エリアAR21は、確定されたルート上をユーザUがどこまで進行しているのかを示すエリアである。具体的に、進捗エリアAR21においてはプログレスバーが配置されており、プログレスバー上には設定された目標地点(出発地(START)、経由地(SPOT)、目的地(GOAL)としてのドットが配置されている。そのうえで、ユーザUの現在位置が対応するプログレスバーの位置に対して自転車のアイコンが配置される。プログレスバーにおいて自転車のアイコンが配置されている位置よりも左側は、所定の色に変更されていることで、ユーザが通過したことが示されるようになっている。また、ルートラインにおいて左右方向における中央には、ルートにおいてユーザUが向かう対象目標地点のドット(同図において「SPOT4」が対応するドット)が他の目標地点のドットよりも強調された状態で表示される。
対象目標地点とは、設定されたルートにおいて設定された目標地点(経由地または目的地)のうち、ユーザUの現在位置との関係から、ユーザUが次に到達目標とする目標地点である。
また、進捗エリアAR21における「42%」との表示は、ルート進捗率である。ルート進捗率は、ルートにおいてどこまでをユーザUが走行したのかを、ルートに対してユーザUが走行した距離の比率によって示したものである。
このような進捗エリアAR21の表示によっては、ユーザUがルートにおいてどこまで走行しており、対象目標地点が目標地点のうちのいずれであるのかが視覚的に把握可能となる。
【0029】
方向・距離表示エリアAR22は、目標地点に対応する方向と距離(即ち、ユーザUの現在位置から目標地点への方向、ユーザUの現在位置から目標位置までの距離)が示されるエリアである。ユーザUの現在位置から目標位置までの距離は、ユーザUの現在位置と目標地点との直線距離であってよい。なお、ユーザUの現在位置から目標位置までの距離は、移動体端末100がルート計算によって順当とされる1のルートを算出し、算出されたルートを辿った場合の距離であってもよい。具体的に、同図の方向・距離表示エリアAR22においては、以下のようにして、対象目標地点に対応する方向・距離と、目的地(最終の目標地点)に対応する距離とが示される。
【0030】
同図の方向・距離表示エリアAR22においては、方向指示エリアAR221が配置される。方向指示エリアAR221は円形とされ、円形の中心がユーザUの現在位置に対応する。方向指示エリアAR221の中心から直上の方向に延伸された直線は進行方向指示ラインGDである。進行方向指示ラインGDは、ユーザUの進行方向を示す。
【0031】
方向指示エリアAR221においては、方向指示ゾーンZdi(第1方向標示の一例)が表示される。方向指示ゾーンZdiは、ユーザUの現在位置及び進行方向に対する対象目標地点の方向を示す。方向指示ゾーンZdiは、同図のように方向指示エリアAR221としての円形において形成される扇形とされている。つまり、方向指示ゾーンZdiは、対象目標地点への方向として、正確な一方向を示すのではなくおおよその方向を示す。方向指示ゾーンZdiは、例えば正確な一方向に対して線対称な扇形として形成されてよい。
【0032】
ユーザUは、自転車Bに搭乗して移動していることから、対象目標地点に到達するまでにおいて、例えばそのときの気分や思いつきで経由する道路を選ぶなどして楽しく気ままに走行したいという要望がある。このような場合に、ナビゲーション画面において対象目標地点までの正確な一方向のみが指示されている場合には、ユーザUが指示された方向から外れた方向に心理的に行きづらくなるなどして、ユーザUが気ままに行動しにくくなる。
そこで、本実施形態の方向指示ゾーンZdiのようにしておおよその方向が示されるようにすれば、道路を自由に選んで目的地に向かいたいというユーザUの要望を阻害せず、むしろ積極的に応えることができる。
このように、本実施形態のナビゲーション画面の表示は、ユーザが気ままに経路を決めながら目的地に向かうような場合に対応して、目的地までのナビゲーションを適切に行うことができる。
【0033】
また、方向指示エリアAR221としての最外周の円周においては、目的地ポインタPtrとしての点状のマーク(第2方向標示の一例)が配置されている。目的地ポインタPtrは、ユーザUの現在位置及び進行方向に対する目的地の方向を示す。このような目的地ポインタPtrにより示される目的地の方向は、対象目標地点のおおよその方向を示す方向指示ゾーンZdiと異なり、正確な方向を示すものとなる。
例えば対象目標地点が橋や踏切などのように必ず経由しなければならないような地点であるときには、多少迂回するようなルートを取らざるを得ない場合がある。このような場合には、例えば方向指示ゾーンZdiにより目的地への方向とほぼ逆となるような方向が指示される場合がある。このような場合、例えば目的地への方向が示されずに対象目標地点までの方向のみが示されていると、ユーザUとしては、対象目標地点への方向と目的地の方向との関係が把握できず不安感を覚える可能性がある。
そこで、本実施形態においては、方向指示ゾーンZdiとともに目的地ポインタPtrを表示することで、対象目標地点への方向と目的地への方向とを同時にユーザUに提示している。これにより、本実施形態では、ユーザUが対象目標地点への方向と目的地への方向との関係をいつでも把握することが可能となり、上記のような不安感を解消できる。
【0034】
また、方向・距離表示エリアAR22においては、距離数値エリアAR222が配置される。同図の距離数値エリアAR222は、現在位置から対象目標地点までの距離を数値により示すエリアである。
なお、同図では、距離数値エリアAR222が方向指示エリアAR221の中央付近に配置された例を示しているが、距離数値エリアAR222が配置されるナビゲーション画面内の位置については特に限定されない。
【0035】
なお、ナビゲーション画面の態様は、同図の例に限定されない。一例として、方向指示エリアAR221は、円形に代えて、楕円形や方形であってもよい。
【0036】
図3(A)、図3(B)、図3(C)を参照して、対象目標地点までの距離に応じたナビゲーション画面の表示の変化について説明する。
図3(A)のナビゲーション画面は、対象目標地点までの距離が「長距離」として定められた所定範囲内にある場合に対応している。これに対して、図3(B)のナビゲーション画面は、図3(A)のときよりもユーザUがルートを進んだことで、対象目標地点までの距離が「中距離」として定められた所定範囲内となっているときに対応している。図3(C)のナビゲーション画面は、図3(B)のときよりもさらにユーザUがルートを進んだことで、対象目標地点までの距離が「近距離」として定められた所定範囲内となっているときに対応している。
上記のように対象目標地点までの距離が変化することに伴って目的地までの距離も変化することで、進捗エリアAR21における自転車の位置は、図3(A)、図3(B)、図3(C)の順で「SPOT4」で示される経由地としての対象目標地点に対して近づいている。また、進捗エリアAR21におけるルート進捗率の数値も図3(A)、図3(B)、図3(C)の順で増加するように変化している。
【0037】
対象目標地点までの距離が「長距離」であるときに対応する図3(A)の方向指示ゾーンZdiは、所定の中心角(長距離対応中心角)による扇形となっている。次に、対象目標地点までの距離が「中距離」となったときに対応する図3(B)の方向指示ゾーンZdiは、長距離対応中心角よりも小さい所定の中心角(中距離対応中心角)となっている。次に、対象目標地点までの距離が「近距離」となったときに対応する図3(C)の方向指示ゾーンZdiは、中距離対応中心角よりも小さい所定の中心角(近距離対応中心角)となっている。
このように、方向指示ゾーンZdiの中心角は、対象目標地点までの距離に応じて変化する。
【0038】
また、方向指示ゾーンZdiの色も、対象目標地点までの距離に応じて異なるようにして変化する。
例えば、対象目標地点までの距離が「長距離」であるときに対応する図3(A)の方向指示ゾーンZdiは、緑色で表示される。次に、対象目標地点までの距離が「中距離」となったときに対応する図3(B)の方向指示ゾーンZdiは、黄色で表示される。次に、対象目標地点までの距離が「近距離」となったときに対応する図3(C)の方向指示ゾーンZdiは、赤色で表示される。
【0039】
このようにして、方向指示ゾーンZdiは、対象目標地点までの距離に応じて扇形の中心角と色とが変化するようにされる。これにより、ユーザUは、ナビゲーション画面において方向指示ゾーンZdiを注目しさえすれば、対象目標地点のおおよその方向、対象目標地点までのおおよその距離感を把握できる。
【0040】
また、図3における進捗エリアAR21のプログレスバーにおいて通過済みのルート部分に対応する自転車のアイコンより左側の部分は、対象目標地点までの距離に応じて方向指示ゾーンZdiと同じ色で表示される。これにより、進捗エリアAR21に注目した場合の対象目標地点までのおおよその距離感を把握しやすくなる。
【0041】
次に、図4を参照して、現在位置が対象目標地点に近づいてきたときのナビゲーション画面の表示の態様例について説明する。
図4(A)は、対象目標地点までの距離が、当該対象目標地点にまもなく到着するとされる扱われる所定以内の状態(地点接近状態)となっているときのナビゲーション画面の一例を示している。
地点接近状態となったことに応じて、ナビゲーション画面においては、接近報知エリアAR41が表示される。接近報知エリアAR41においては、例えば「SPOT4周辺に到着しました」のように、対象目標地点に近づいたことをユーザUに報知する内容のメッセージが表示される。
【0042】
図4(A)の地点接近状態からさらにユーザUが対象目標地点に向けて走行したことで、ユーザUの現在位置と対象目標地点との距離が、当該対象目標地点に到着したとみてよい所定以内の状態(到着状態)となると、接近報知エリアAR41に代えて、図4(B)のように到着報知エリアAR42が表示される。到着報知エリアAR42においては、例えば「お疲れ様です! 目的地周辺に到着しました」のように、対象目標地点に到着したことをユーザUに報知する内容のメッセージが表示される。
【0043】
また、対象目標地点が目的地である場合に到着状態となったときには、図4(B)に示されるように、ナビゲーション画面においては、終了ボタンBT31、復路ナビゲーションボタンBT32が配置される。
終了ボタンBT31は、ナビゲーションを終了させてよい場合に操作されるボタンである。
復路ナビゲーションボタンBT32は、ユーザUが出発時に設定したのと同じルートを経由して往路での出発地に戻る場合に操作されるボタンである。復路ナビゲーションボタンBT32が操作された場合、移動体端末100は、現在位置を新たな出発地とし、往路での出発地を新たな目的地とするルートを設定し、設定したルートに従ったナビゲーション画面を表示する。
なお、図示は省略するが、例えば復路ナビゲーションボタンBT32に代えて、あるいは終了ボタンBT31及び復路ナビゲーションボタンBT32に加えて、目的地確認ボタンが配置されてもよい。目的地確認ボタンは、ユーザUが、今回到達した目的地を地図上で確認したい場合に操作するボタンである。目的地確認ボタンが操作された場合には、例えば目的地としての地点が所定の態様によって明示された態様の地図の画面の表示に遷移する。
【0044】
次に、ナビゲーション画面に対するメニュー操作について説明する。図4及び図5等に示されるように、目的地に対応する到着状態以外の状態では、ナビゲーション画面においてメニューボタンBT20が配置されている。
メニューボタンに対する操作が行われると、ナビゲーション画面においては、図5(A)に示されるように、メニューエリアAR23が配置される。
メニューエリアAR23においては、所定のメニュー項目ごとに対応するボタンが配置される。具体的に、同図のメニューエリアAR23においては、地図表示ボタンBT21、戻るボタンBT22、及び終了ボタンBT23が配置されている。
【0045】
地図表示ボタンBT21は、地図援用ナビゲーション画面の表示を指示するボタンである。図4図5等に示される本実施形態のナビゲーション画面は、地図(マップ)上でユーザUの現在位置、目標地点、距離等の情報を提示する態様ではない。しかしながら、ユーザUが目標地点に向かう途中において、状況によっては、地図上で自分の現在位置と目標地点との方位関係や距離等を確認したい場合がある。このようなときに、ユーザUは地図表示ボタンBT21を操作して地図援用ナビゲーション画面を表示させることができる。
【0046】
図5(B)は、地図表示ボタンBT21の操作に応じて表示された地図援用ナビゲーション画面の態様例を示している。
同図の地図援用ナビゲーション画面においては、地図上に現在位置マークMpt、目標地点マークMwy1、Mwy2が配置された地図が表示される。現在位置マークMptは、経路に従った順で、目標地点マークMwy(Mwy1、Mwy2)と直線による経路標示線Lrtで結ばれた状態が表示されている。
地図援用ナビゲーション画面における地図は、拡大ボタンBT41-1、縮小ボタンBT41-2が操作されることに応じて拡大、縮小可能されている。
【0047】
地図援用ナビゲーション画面においても、ナビゲーション画面と同様に、現在位置マークMptを基準として、現在位置から目的地への方向を示す方向指示ゾーンZdiが表示されている。また、地図援用ナビゲーション画面において配置される距離数値エリアAR40は、ユーザUの現在位置から対象目標地点までの距離を数値により示す。
また、地図援用ナビゲーション画面における方向指示ゾーンZdiも、ナビゲーション画面における場合と同様に、ユーザUの現在位置から対象目標地点までの距離に応じて色が変化するようにされる。
また、現在位置マークMpt、目標地点マークMwy、経路標示線Lrtも、ユーザUの現在位置から対象目標地点までの距離に応じて、方向指示ゾーンZdiと同様の色で表示されてよい。
戻るボタンBT42は、ナビゲーション画面に戻すための操作が行われるボタンである。戻るボタンBT42が操作された場合には、図3に示した態様のナビゲーション画面に戻るようにされてよい。あるいは、戻るボタンBT42が操作された場合には、図5(A)に示した態様のナビゲーション画面に戻るようにされてもよい。
【0048】
図3及び図4のナビゲーション画面は、ユーザUが次に到達すべき目標地点である対象目標地点に対応する方向・距離を示すものであった。本実施形態の移動体端末100は、ルートにおいて対象目標地点よりも先の目標地点(未達目標地点)に対応する方向、距離を提示したナビゲーション画面も表示させることができる。また、本実施形態の移動体端末100は、ルートにおいてユーザUが既に経由した目標地点(既経由目標地点)の現在位置に対応する方向、距離を提示したナビゲーション画面も表示させることができる。
この点について、図6(A)、図6(B)を参照して、未達目標地点を提示する場合のナビゲーション画面を例に挙げて説明する。
【0049】
また、本実施形態のナビゲーション画面における方向・距離表示エリアAR22は、左右方向へのスワイプ操作を行うことができる。方向・距離表示エリアAR22に対する左方向へのスワイプ操作は、未達目標地点に対応するナビゲーション画面を表示させるための操作となる。方向・距離表示エリアAR22に対する右方向へのスワイプ操作は、ルートにおいて既経由目標地点に対応するナビゲーション画面を表示させるための操作となる。
【0050】
図6(A)は、対象目標地点の方向、距離を提示していた状態において、矢印Y1により示すように方向・距離表示エリアAR22に対して左方向へのスワイプ操作を行っているときのナビゲーション画面を示している。同図では、対象目標地点が「SPOT1」である場合(進捗エリアAR21にて示されている)を例に挙げている。
【0051】
上記のように左方向へのスワイプ操作が行われることで、方向・距離表示エリアAR22においては、対象目標地点の方向、距離を提示していた方向指示エリアAR221(距離数値エリアAR222を含む)は左に移動してナビゲーション画面の表示範囲から外れていく。代わりに、方向・距離表示エリアAR22においては、右方向から対象目標地点の1つ先である「SPOT2」としての未達目標地点の方向、距離を提示する方向指示エリアAR221が左方向に移動してくるように出現する。
【0052】
図6(B)は、左方向へのスワイプ操作に応じて、方向・距離表示エリアAR22において、「SPOT2」としての未達目標地点の方向、距離を提示した方向指示エリアAR221が表示された状態を示している。つまり、同図の方向指示エリアAR221は、ユーザUの現在位置から「SPOT2」としての未達目標地点への方向、距離を示すようにして、方向指示ゾーンZdi、距離数値エリアAR222等による表示が行われる。
同図のように対象目標地点以外の目標地点の方向、距離を提示するようにされた距離数値エリアAR222においては、方向指示ゾーンZdiは、中心角については未達目標地点までの距離に応じた中心角を有するが、色については例えばグレーとされて、緑色、黄色、赤色以外の色とされることで、対象目標地点以外の目標地点についての方向を提示していることを表すようにされてよい。
【0053】
また、図6(B)のように未達目標地点の方向、距離を提示した方向・距離表示エリアAR22が表示されているナビゲーション画面のメニューボタンBT20を操作した場合には、図7(A)のようにメニューエリアAR23が表示される。
図7(A)のメニューエリアAR23においては、地図表示ボタンBT21、戻るボタンBT22、及び終了ボタンBT23に加えて、未達目標地点指定ボタンBT24が配置される。
【0054】
未達目標地点指定ボタンBT24は、これまでの対象目標地点をキャンセルして未達目標地点を新規の対象目標地点として指定するための操作が行われるボタンである。
図7(A)の状態のもとでユーザUが未達目標地点指定ボタンBT24を操作した場合には、図7(B)のナビゲーション画面の表示に遷移する。
図7(B)のナビゲーション画面は、新規の対象目標地点として「SPOT2」が指定された結果が反映されている。つまり、進捗エリアAR21においては、対象目標地点が「SPOT2」とされた状態のプログレスバーが表示されている。方向・距離表示エリアAR22においては、ユーザUの現在位置に対応する「SPOT2」としての対象目標地点に対応する方向、距離が表示される。また、この場合の方向指示ゾーンZdiは、ユーザUの現在位置から「SPOT2」までの距離に応じた中心角、色による表示が行われる。
【0055】
また、図7(B)のナビゲーション画面においては、確認ダイアログエリアAR30が配置される。確認ダイアログエリアAR30は、「SPOT2」を対象目標地点として設定してよいか否かをユーザUに確認するダイアログである。
ユーザUは、「SPOT2」を対象目標地点として設定してよい場合、例えば特に確認操作を行わなくともよい。この場合、確認ダイアログエリアAR30は、表示開始から一定時間を経過すると消去され、消去指されたことに応じて、「SPOT2」が対象目標地点として設定される。
一方、例えば誤って未達目標地点指定ボタンBT24を操作してしまっていたり、「SPOT2」が対象目標地点とすることを止めることとしたような場合、ユーザUは、キャンセル操作として、確認ダイアログエリアAR30の「取り消す」と表示されたエリア部分に対するタップ操作を行う。
このようなキャンセル操作が行われた場合には、例えば元の「SPOT1」を対象目標地点とするナビゲーション画面の表示に戻るようにされてよい。あるいは、キャンセル操作が行われた場合には、例えば図6(B)あるいは図7(A)のように対象目標地点として未確定の「SPOT2」に対応する方向、距離を示すナビゲーション画面の表示に戻るようにされてよい。
【0056】
[移動体端末の機能構成例]
図8を参照して、移動体端末100の機能構成例について説明する。同図の移動体端末100は、通信部101、測位部102、進行方向センサ103、表示部104、操作部105、制御部106、及び記憶部107を備える。
同図の移動体端末100としての機能は、移動体端末100が備えるCPU(Central Processing Unit)がプログラムを実行することにより実現される。
【0057】
通信部101は、地図サーバ200と通信を行う。
測位部102は、移動体端末100の現在位置を測位する。測位部102は、例えばGPS等の測位システムに対応する測位デバイスを備えて構成されてよい。
【0058】
進行方向センサ103は、移動体端末100の進行方向(進行方位)を検出する。進行方向センサ103は、例えばジャイロセンサ、角速度センサ、地磁気センサ等を備えて構成されてよい。移動体端末100が自転車Bに取り付けられている場合、進行方向センサ103が検出する進行方向は、自転車Bが走行しているときの進行方向を示すことになる。
【0059】
表示部104は、制御部106の制御に応じて画像を表示する。本実施形態の表示部104は、タッチパネルとして構成される。
【0060】
操作部105は、移動体端末100に設けられる物理的な操作子や移動体端末100に接続される入力デバイス等を含むものである。
【0061】
制御部106は、移動体端末100における各種制御を実行する。制御部106は、機能部として、ルート設定部161、位置・進行方向取得部162(位置取得部の一例)、方向距離算出部163、及び表示制御部164を備える。
【0062】
ルート設定部161は、図2により例を挙げて説明したユーザの操作に応じて、ナビゲーション画面によりナビゲート(案内)するルートを設定する。設定されたルートの情報は、ルート設定情報としてルート設定情報記憶部171に記憶させる。
【0063】
位置・進行方向取得部162は、測位部102により取得される位置情報を取得する。つまり、位置・進行方向取得部162は、移動体端末100の現在位置を示す位置情報を取得する。位置・進行方向取得部162により取得された移動体端末100の現在位置は、本実施形態のナビゲーション画面との対応ではユーザUの現在位置として扱われる。
また、位置・進行方向取得部162は、進行方向センサ103により検出される進行方向を取得する。
【0064】
方向距離算出部163は、位置・進行方向取得部162により取得されたユーザUの現在位置を基点とする目標地点への方向と、ユーザUの現在位置から目標地点への距離とを算出する。
【0065】
表示制御部164は、表示部104における表示を制御する。表示制御部164は、ナビゲーション画面を表示することができる。
【0066】
記憶部107は、移動体端末100に対応する各種の情報を記憶する。記憶部107は、ルート設定情報記憶部171、ルート経由履歴情報記憶部172、及び地図情報記憶部173とを備える。
ルート設定情報記憶部171は、ルート設定情報を記憶する。ルート設定情報は、ナビゲーションアプリケーションに対するユーザUのルート設定の操作に応じて設定されたルートを示す情報である。ルート設定情報は、出発地及び目標地点(経由地、目的地)ごとの位置を示す地点位置情報と、目標地点の到達順とを含む。出発地及び目標地点の地点位置情報は、例えば緯度・経度により示されるものであってよい。
ルート経由履歴情報記憶部172は、ルート経由履歴情報を記憶する。ルート経由履歴情報は、ユーザUがこれまでに経由したルートについての履歴を示す情報である。
地図情報記憶部173は、地図サーバ200から取得した地図情報を記憶する。
【0067】
[処理手順例]
図9のフローチャートを参照して、ナビゲーションアプリケーション上でのルート設定に関する処理手順例について説明する。
ステップS101:ユーザUは、ルートを設定するにあたり、ナビゲーションアプリケーションを起動させたうえでルート設定モードを設定する所定操作を行う。ルート設定モードが設定されると、移動体端末100のルート設定部161は、地図サーバ200にアクセスして地図情報を取得する。
ステップS102:また、ルート設定部161は、測位部102が測位した現在位置を位置・進行方向取得部162により取得させる。
【0068】
ステップS103:ルート設定部161は、ナビゲーションアプリケーションのアプリケーション画面として、表示部104に出発地・目的地設定画面(図2(A))を表示させる。
【0069】
ステップS104:ルート設定部161は、表示された出発地・目的地設定画面に対して行われる出発地入力操作と目的地入力操作とを受け付ける。ルート設定部161は、出発地または目的地として指定された地点の位置(緯度・経度)を地図情報から取得する。また、ユーザUが、出発地を入力する操作として、現在位置を指定して入力する操作を行った場合には、ルート設定部161は、ステップS102により取得された現在位置を出発地として設定する。
ユーザUによる出発地入力操作と目的地入力操作とを受け付けたことに応じて、ルート設定部161は、図2(A)の出発地・目的地設定画面として例示したように、出発地マークMstと目的地マークMglとを経路標示線Lrtにより結んだ画像を地図上に表示させる。
なお、出発地・目的地設定画面が表示された状態のもとで出発地入力操作と目的地入力操作とのいずれも行われない場合には、当該ステップS104の処理はスキップされ、次のステップS105に進む。
【0070】
ステップS105:ルート設定部161は、出発地・目的地設定画面における経由地設定ボタンBT11が操作されたか否かを判定する。
ステップS106:経由地設定ボタンBT11が操作された場合、ルート設定部161は、経由地設定画面(図2(B))を表示させる。
ステップS107:ルート設定部161は、表示された経由地設定画面に対して行われる経由地入力操作を受け付ける。経由地入力操作は、先に図2(B)により説明したように、経路標示線Lrt上のハンドルHDを移動させたうえで経由地確定操作を行うというものである。経由地入力操作が受け付けられたことに応じて、経由地設定画面における経路標示線Lrt上に経由地マークMwpが配置される。
なお、経由地設定画面が表示された状態のもとで経由地入力操作が行われない場合には、当該ステップS107の処理はスキップされてよい。
【0071】
ステップS108:ステップS105にて経由地設定ボタンBT11に対する操作が行われないと判定された場合、あるいはステップS107の処理の後、ルート設定部161は、ルート確定操作が行われたか否かを判定する。ルート確定操作は、出発地・目的地設定画面または経由地設定画面において配置されたナビゲーション実行ボタンBT12に対する操作である。
【0072】
ステップS109:ステップS108にてルート確定操作が行われないと判定された場合、ルート設定部161は、現在において表示されているルート設定画面が出発地・目的地設定画面であるか否かを判定する。
現在において表示されているルート設定画面が出発地・目的地設定画面ではなく、経由地設定画面であることが判定された場合には、ステップS107に処理が戻される。一方現在において表示されているルート設定画面が出発地・目的地設定画面あると判定された場合には、ステップS104に処理が戻される。
【0073】
ステップS110:ステップS108にてルート確定操作が行われたと判定された場合には、これまでの操作により入力された出発地と目標地点(目的地、経由地)の地点位置情報と目標地点の到達順とを含むルート設定情報を、ルート設定情報記憶部171に記憶させる。
【0074】
ステップS111:制御部106は、ナビゲーション処理を開始する。ナビゲーション処理は、ルート設定情報に基づいてナビゲーション画面を表示してナビゲーションを実行する処理である。
【0075】
図10のフローチャートを参照して、本実施形態のナビゲーション処理におけるナビゲーション画面の表示制御のための処理手順例について説明する。同図の処理は、終了ボタンBT23の操作によりナビゲーション処理が終了されるまで繰り返し実行される。
【0076】
ステップS201:移動体端末100において、位置・進行方向取得部162は、測位部102が測位して得られる現在位置を取得する。
ステップS202:また、位置・進行方向取得部162は、進行方向センサ103により検出される進行方向を取得する。
【0077】
ステップS203:方向距離算出部163は、ステップS201により取得された現在地の地点位置情報と、ルート設定情報が示す目的地の地点位置情報とを地図上にプロットすることで、目的地に対応する方向(方位)と距離(即ち、現在位置から目的地への距離と現在位置から目的地までの距離)を算出する。
【0078】
ステップS204:また、方向距離算出部163は、ステップS201により取得された現在地の地点位置情報と、対象目標地点についてルート設定情報が示す地点位置情報とを地図上にプロットすることで、対象目標地点に対応する方向(方位)と距離を算出する。
【0079】
ステップS205:方向距離算出部163は、ステップS204により算出した対象目標地点に対応する距離についての距離区分判定を行う。距離区分判定は、ステップS204により算出した対象目標地点に対応する距離が、「遠距離」、「中距離」、「近距離」のいずれの区分に該当するのかを判定することである。
【0080】
ステップS206:表示制御部164は、表示部104に表示させるためのナビゲーション画面を生成する。
当該ステップS206において、表示制御部164は、ステップS202により取得された進行方向としての方位と、ステップS203により算出された目的地の方向(方位)との差分(目的地の差分方向)を求める。表示制御部164は、方向指示エリアAR221において、求められた目的地の差分方向に対応する位置に目的地ポインタPtrを配置する。
また、ステップS206において、表示制御部164は、ステップS202により取得された進行方向としての方位と、ステップS204により算出された対象目標地点の方向(方位)との差分(対象目標地点の差分方向)を求める。
表示制御部164は、求められた対象目標地点の差分方向を含み、ステップS205により判定された距離区分を示す中心角と色とによる方向指示ゾーンZdiを方向指示エリアAR221に配置する。
また、ステップS206において、表示制御部164は、方向・距離表示エリアAR22においてステップS204により算出された対象目標地点までの距離が数値により示される距離数値エリアAR222を配置する。
また、ステップS206において、表示制御部164は、ルート設定情報とルート経由履歴情報とに基づいて、進捗エリアAR21の画像を生成する。
【0081】
ステップS207:表示制御部164は、ステップS206により生成したナビゲーション画面を表示部104に表示させる。この場合において、既に前回のステップS207によりナビゲーション画面が表示されている場合には、今回のステップS207によりナビゲーション画面の更新が行われることになる。
【0082】
<変形例>
以下、本実施形態の変形例について説明する。以下に説明する変形例は適宜組み合わされてよい。
【0083】
[第1変形例]
上記実施形態において、ナビゲーション画面における方向指示ゾーンZdiの中心角と色は、3段階の距離区分に応じて同じ3段階により変化する態様とされている。しかしながら、方向指示ゾーンZdiの中心角と色の変化が対応する距離区分は3段階以外の段階数によるものとされてよい。
【0084】
[第2変形例]
上記実施形態においては、出発地及び目的地の設定に加えて、ユーザUが経由地を設定することにより、設定された経由地に応じて出発地から目的地までのルートが設定されるようになっている。
しかしながら、例えば、出発地と目的地とが設定されたことに応じて、移動体端末100のルート設定部161がルートを設定するようにされてよい。この場合において、ルート設定部161は、例えば設定された出発地と目的地との間に存在する所定の地点を経由地として選択し、選択した経由地を含むようにされたルートを設定してよい。また、この場合の経由地は、例えば所定の店舗、建造物、観光地点などであって、地図情報にてリコメンド対象の地点として登録されたものであってよい。
【0085】
また、ルート設定部161は、例えばトレーニング向け、観光向けといった基準に従って経由地を選択することにより、トレーニング向けのルートや観光向けのルートといったように目的別にルートを設定可能とされてよい。
この場合において、ユーザUが、ルート設定部161に設定させるルートに対応する目的を指定可能なようにされてよい。この場合、ルート設定部161は、出発地と目的地とが設定されたことに応じて、指定された目的に適合したルートを設定するようにされる。
【0086】
また、ルート設定部161は、1の出発地と目的地との組み合わせが設定されたことに応じて複数のルートを設定し、設定した複数のルートを選択候補として提示するようにされてよい。この場合、ユーザUは、提示された選択候補としての複数のルートのうちから、任意のルートを選択したうえでナビゲーションを実行させることができる。
【0087】
[第3変形例]
上記実施形態は、移動体端末100がスマートフォンである場合を例に挙げた。本実施形態の移動体端末100としては、スマートフォンに限定されない。移動体端末100は、例えばスマートウォッチのようなウェアラブル端末であってもよい。
スマートウォッチの表示部の表示面のサイズは、スマートフォンの表示部の表示面と比較して小さい。このため、スマートウォッチにて表示されるナビゲーション画面は、図3等に示される態様のナビゲーション画面と異なる。
【0088】
図11は、本変形例として、スマートウォッチにおいて表示されるナビゲーション画面の態様例を示している。
同図のナビゲーション画面においては、方向指示エリアAR50が配置されている。方向指示エリアAR50の中心がユーザUの現在位置に対応し、方向指示エリアAR50の中心から進行方向指示ラインGDを通過する方向がユーザUの進行方向として示される。
【0089】
方向指示エリアAR50においては、外円周Cr1上にて、現在位置から目的地への方向を示す目的地ポインタPtrが配置される。
また、方向指示エリアAR50においては、内円周Cr2上に対象目標地点ポインタPwyが配置される。対象目標地点ポインタPwyは、現在位置から対象目標地点への方向を示す。
なお、同図の例とは逆に、外円周Cr1上に対象目標地点ポインタPwyが配置され、内円周Cr2上に目的地ポインタPtrが配置されてもよい。
【0090】
また、方向指示エリアAR50の中心部分には、方向指示ポインタPdiが配置される。方向指示ポインタPdiは、現時点においてユーザUが向かうべき方向(案内方向)を示す。案内方向は、例えば、設定されたルートのもとでユーザUが走行するものとして特定される道路等に基づいて移動体端末100が決定した方向であってよい。このため、方向指示ポインタPdiが示す案内方向は、対象目標地点ポインタPwyが示す対象目標地点への方向と異なっていてよい。
【0091】
また、同図のナビゲーション画面においては、進捗エリアAR60が配置される。進捗エリアAR60においては、対象目標地点距離エリアAR61、目的地距離エリアAR62、及び進捗状況エリアAR63が配置される。
対象目標地点距離エリアAR61は、ユーザUの現在位置から対象目標地点までの距離を数値により示すエリアである。
目的地距離エリアAR62は、ユーザUの現在位置から目的地までの距離を数値により示すエリアである。
進捗状況エリアAR63は、設定されたルートにおいてユーザUがどこまで経由したのかを示すエリアである。具体的に、進捗状況エリアAR63においては、左から右にかけて、出発地、経由地、目的地の各地点に対応するドットが並べられるようにして配置される。そのうえで、ユーザUが経由していない地点のドットについては所定の色で表示され、ユーザUが経由した地点のドットについては、ユーザUが経由していない地点のドットよりも暗い色合いによる所定の色で表示される。
【0092】
[第4変形例]
上記実施形態におけるナビゲーションアプリケーションは、自転車Bで移動するユーザUが利用するものである場合を例に挙げた。
しかしながら、本実施形態のナビゲーションアプリケーションは、例えばユーザが徒歩で散歩するような用途にも適用されてよい。
【0093】
[第5変形例]
ナビゲーションシステムにおいて、地図サーバ200と連携するナビゲーションサーバ、あるいは地図サーバ200を含むナビゲーションサーバを備え、移動体端末100はシンクライアントして機能するようにされてよい。この場合、ナビゲーションアプリケーションが動作する移動体端末100は、現在位置と進行方向の情報をナビゲーションサーバに送信する。
ルート設定にあたり、移動体端末100は、ナビゲーションサーバから送信されたルート設定用のアプリケーション画面を表示し、ルート設定用のアプリケーション画面に対してユーザUが行ったルート設定の操作に応じた操作情報をナビゲーションサーバに送信する。ナビゲーションサーバは、移動体端末100から送信された操作情報に基づいてルートを設定し、ルート設定情報を記憶する。
また、ナビゲーションサーバは、記憶したルート設定情報と移動体端末100から送信される現在位置と進行方向の情報を利用してナビゲーション画面を生成し、生成したナビゲーション画面を移動体端末100に送信する。移動体端末100は、受信されたナビゲーション画面を表示する。このようにして、シンクライアントとしての移動体端末100をユーザUが使用することによっても、先の実施形態と同等のナビゲーション機能を実現できる。
【0094】
なお、上述の移動体端末100、地図サーバ200等としての機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述の移動体端末100、地図サーバ200等としての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0095】
100 移動体端末、101 通信部、102 測位部、103 進行方向センサ、104 表示部、105 操作部、106 制御部、107 記憶部、161 ルート設定部、162 位置・進行方向取得部、163 方向距離算出部、164 表示制御部、171 ルート設定情報記憶部、172 ルート経由履歴情報記憶部、173 地図情報記憶部、200 地図サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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