(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-13
(45)【発行日】2023-02-21
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20230214BHJP
【FI】
H01L21/304 648G
H01L21/304 643A
(21)【出願番号】P 2021136013
(22)【出願日】2021-08-24
【審査請求日】2021-08-24
(31)【優先権主張番号】10-2020-0137239
(32)【優先日】2020-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】598123150
【氏名又は名称】セメス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SEMES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】77,4sandan 5-gil,Jiksan-eup,Seobuk-gu,Cheonan-si,Chungcheongnam-do,331-814 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ドン ヒ
(72)【発明者】
【氏名】カク,キ ヨン
【審査官】河合 俊英
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-080315(JP,A)
【文献】特開2014-199917(JP,A)
【文献】特開2004-200246(JP,A)
【文献】特開2015-023048(JP,A)
【文献】特開2017-069346(JP,A)
【文献】特開2007-220956(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を支持して回転可能なユニットと、
前記基板の
中心領域に第1リンス液を吐出する第1ノズルと、
前記基板の
ミドル領域に、第2リンス液を吐出する第2ノズルを含み、
支持ユニット上に前記基板を位置させた後前記基板を目標速度まで回転させる加速区間で、前記基板の回転開始タイミングと同時に前記第1ノズルが前記第1リンス液を前記基板の中心領域に吐出して前記基板の中心領域およびミドル領域が前記第1リンス液によってウェッティングされ、前記基板の
エッジ領域は前記第1リンス液によってウェッティングされず、
前記加速区間にすぐに続く
定速区間で、前記第1ノズルが前記第1リンス液を
前記基板の中心領域に吐出し、前記第2ノズルが前記第2リンス液を
前記基板のミドル領域に吐出する、基板処理装置。
【請求項2】
前記加速区間の前区間で、前記第1ノズルが前記第1リンス液を前記基板の中心領域に吐出し、前記第2ノズルは前記第2リンス液を吐出せず、前記加速区間の後区間で、前記第1ノズルが前記第1リンス液を前記基板の中心領域に吐出し、前記第2ノズルが前記第2リンス液を前記基板のミドル領域に吐出する、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記第1ノズルおよび前記第2ノズルは、前記支持ユニットの中心領域と水平方向および垂直方向に重ならないように固定設置される、請求項
1に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記定速区間の間、前記第1ノズルの噴射量は前記第2ノズルの噴射量より大きい、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項5】
基板を支持して回転可能なユニットと、
第1待期位置で待期し、第1供給位置に移動して前記基板に第1薬液を吐出する第1移動ノズルと、
第2待期位置で待期し、第2供給位置に移動して前記基板に第2薬液を吐出する第2移動ノズルと、
前記基板の第1領域にリンス液を吐出する第1固定ノズルと、
前記基板の前記第1領域と異なる領域に、第2リンス液を吐出する第2固定ノズルを含み、
前記第1移動ノズルが前記第1供給位置で前記第1薬液を吐出した後前記第1待期位置に復帰する間に、前記第1固定ノズルおよび前記第2固定ノズルは前記基板にリンス液を吐出し、前記基板の回転開始タイミングと同時に前記第1固定ノズルがリンス液を先に吐出し始めて前記第2固定ノズルが時間差を置いてリンス液を吐出し始める、基板処理装置。
【請求項6】
前記第2移動ノズルが前記第2待期位置で前記第2供給位置に移動する間に、前記第1固定ノズルおよび前記第2固定ノズルは前記基板にリンス液を吐出し、前記第1固定ノズルがリンス液を先に吐出し始めて前記第2固定ノズルが時間差を置いてリンス液を吐出し始める、請求項
5に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記第1移動ノズルが前記第1待期位置に復帰することと、前記第2移動ノズルが前記第2供給位置に移動することは同時に行われる、請求項
6に記載の基板処理装置。
【請求項8】
第2領域は前記第1領域より前記基板のエッジ領域に近く位置する、請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記第1固定ノズルおよび前記第2固定ノズルは、支持ユニットの中心領域と水平方向および垂直方向に重ならないように固定設置される、請求項
5に記載の基板処理装置。
【請求項10】
支持ユニット上に前記基板を位置させた後、前記基板を目標速度まで回転させる加速区間で、前記第1固定ノズルは前記基板にリンス液を吐出し、前記第2固定ノズルはリンス液を吐出しない、請求項
5に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記加速区間にすぐに続く定速区間で、前記第1固定ノズルおよび前記第2固定ノズルはリンス液を吐出する、請求項
10に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記定速区間の間、前記第1固定ノズルの噴射量は前記第2固定ノズルの噴射量より大きい、請求項
11に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置またはディスプレイ装置を製造する際には、写真、エッチング、アッシング、イオン注入、薄膜蒸着など多様な工程が実施される。それぞれの工程には多様な処理液が使用され、工程進行中には汚染物およびパーティクルが生成される。これを解決するためにそれぞれの工程前後には汚染物およびパーティクルを洗浄処理するための洗浄工程が行われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
洗浄工程の際、基板を回転させながら基板上にリンス液を吐出する。基板の中心と距離が遠い領域(例えば、エッジ領域)では回転力が強く、リンス液の厚さが薄くなる。リンス液の厚さが薄くなった領域の表面では、汚染物およびパーティクルが吸着しやすい。
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、洗浄工程の際、基板の表面に生じるパーティクルの吸着を抑制する基板処理装置を提供することにある。
【0005】
本発明の課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されていないまた他の課題は以下の記載から当業者に明確に理解されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を達成するための本発明の基板処理装置の一面(aspect)は、基板を支持して回転可能なユニットと、前記基板の第1領域に第1リンス液を吐出する第1ノズルと、前記基板の前記第1領域と異なる第2領域に、第2リンス液を吐出する第2ノズルを含み、第1期間の間、前記第1ノズルが前記第1リンス液を前記第1領域に吐出して前記基板の前記第1領域および前記第2領域が前記第1リンス液によってウェッティングされ、前記基板の一部領域は前記第1リンス液によってウェッティングされず、前記第1期間にすぐに続く第2期間には、前記第1ノズルが前記第1リンス液を前記第1領域に吐出し、前記第2ノズルが前記第2リンス液を前記第2領域に吐出し、前記基板の上面全体が前記第1リンス液および前記第2リンス液によってウェッティングされることを含む。
【0007】
前記課題を達成するための本発明の基板処理装置の他の面は、基板を支持して回転可能なユニットと、前記基板の中心領域に第1リンス液を吐出する第1ノズルと、前記基板のミドル領域に、第2リンス液を吐出する第2ノズルを含み、前記支持ユニット上に前記基板を位置させた後前記基板を目標速度まで回転させる加速区間で、前記第1ノズルが前記第1リンス液を前記基板の中心領域に吐出して前記基板の中心領域およびミドル領域が前記第1リンス液によってウェッティングされ、前記基板のエッジ領域は前記第1リンス液によってウェッティングされず、前記加速区間にすぐに続く定速区間で、前記第1ノズルが前記第1リンス液を基板の中心領域に吐出し、前記第2ノズルが前記第2リンス液を基板のミドル領域に吐出する。
【0008】
前記課題を達成するための本発明の基板処理装置のまた他の面は、基板を支持して回転可能なユニットと、第1待期位置で待期し、第1供給位置に移動して前記基板に第1薬液を吐出する第1移動ノズルと、第2待期位置で待期し、第2供給位置に移動して前記基板に第2薬液を吐出する第2移動ノズルと、前記基板の第1領域にリンス液を吐出する第1固定ノズルと、前記基板の前記第1領域と異なる領域に、第2リンス液を吐出する第2固定ノズルを含み、前記第1移動ノズルが前記第1供給位置で前記第1薬液を吐出した後前記第1待期位置に復帰する間に、前記第1固定ノズルおよび前記第2固定ノズルは前記基板にリンス液を吐出し、前記第1固定ノズルがリンス液を先に吐出し始めて前記第2固定ノズルが時間差を置いてリンス液を吐出し始める。
【0009】
その他実施形態の具体的な内容は詳細な説明および図面に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明のいくつかの実施形態による基板処理装置を説明するための平面図である。
【
図2】
図1の工程チャンバの一例を説明するための概念図である。
【
図3】本発明の第1実施形態による基板処理方法を説明するためのフローチャートである。
【
図4】
図3の基板処理方法を説明するための中間段階図である。
【
図5】
図3の基板処理方法を説明するための中間段階図である。
【
図6】
図3の基板処理方法を説明するための中間段階図である。
【
図7】
図3の基板処理方法を説明するための中間段階図である。
【
図8】本発明の第2実施形態による基板処理方法を説明するための図である。
【
図9】本発明の第3実施形態による基板処理方法を説明するための図である。
【
図10】
図1の工程チャンバの他の例を説明するための概念図である。
【
図11】本発明の第4実施形態による基板処理方法を説明するためのフローチャートである。
【
図12】
図11の基板処理方法を説明するための中間段階図である。
【
図13】
図11の基板処理方法を説明するための中間段階図である。
【
図14】
図11の基板処理方法を説明するための中間段階図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付する図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。本発明の利点および特徴、並びにこれらを達成する方法は添付する図面と共に詳細に後述する実施形態を参照すると明確になる。しかし、本発明は以下に開示する実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で実現することができ、単に本実施形態は本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供するものであり、本発明は請求項の範疇によってのみ定義される。明細書全体にわたって同一参照符号は同一構成要素を称する。
【0012】
素子(elements)または層が他の素子または層の「上(on)」または「上(on)」と称する場合、他の素子または層の真上だけでなく中間に他の層または他の素子が介在する場合をすべて含む。反面、素子が「直接上(directly on)」または「真上」と称する場合は中間に他の素子または層を介在しない場合を示す。
【0013】
空間的に相対的な用語である「下(below)」、「下(beneath)」、「下部(lower)」、「上(above)」、「上部(upper)」などは図面に示されているように一つの素子または構成要素と他の素子または構成要素との相関関係を容易に記述するために使用される。空間的に相対的な用語は図面に示されている方向に加えて使用時または動作時の素子の互いに異なる方向を含む用語として理解されなければならない。例えば、図面に示されている素子をひっくり返す場合、他の素子の「下(below)」または「下(beneath)」と記載された素子は他の素子の「上(above)」に置かれ得る。したがって、例示的な用語である「下」は下と上の方向をすべて含み得る。素子は他の方向にも配向されることができ、そのため空間的に相対的な用語は配向によって解釈されることができる。
【0014】
第1、第2などが多様な素子、構成要素および/またはセクションを叙述するために使用されるが、これらの素子、構成要素および/またはセクションはこれらの用語によって制限されないことはもちろんである。これらの用語は単に一つの素子、構成要素またはセクションを他の素子、構成要素またはセクションと区別するために使用する。したがって、以下で言及される第1素子、第1構成要素または第1セクションは本発明の技術的思想内で第2素子、第2構成要素または第2セクションであり得ることはもちろんである。
【0015】
本明細書で使用された用語は実施形態を説明するためのものであり、本発明を制限するためではない。本明細書で、単数形は文面で特記しない限り、複数形も含む。明細書で使用される「含む(comprises)」および/または「含む(comprising)」は言及された構成要素、段階、動作および/または素子は一つ以上の他の構成要素、段階、動作および/または素子の存在または追加を排除しない。
【0016】
他に定義のない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術的および科学的用語を含む)は本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に共通して理解される意味で使用される。また、一般に使用される辞典に定義されている用語は明白に特に定義されていない限り理想的にまたは過度に解釈されない。
【0017】
以下、添付する図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明し、添付図面を参照して説明するにあたり図面符号に関係なく同一または対応する構成要素は同じ参照番号を付与し、これに対する重複する説明は省略する。
【0018】
図1は本発明のいくつかの実施形態による基板処理装置を説明するための平面図である。
【0019】
図1を参照すると、本発明のいくつかの実施形態による基板処理装置はインデックスモジュール1000と工程モジュール2000を含む。
【0020】
インデックスモジュール1000は外部から基板Wの提供を受け、工程モジュール2000に基板Wを伝達する。インデックスモジュール1000は設備フロントエンドモジュール(EFEM:equipment front end module)であり得、ロードポート(load port,1100)と移送フレーム1200を含む。
【0021】
ロードポート1100には基板Wが収容される容器Cが置かれる。容器Cとしては前面開放一体型ポッド(FOUP:front opening unified pod)が用いられる。容器Cはオーバーヘッドトランスファー(OHT:overhead transfer)により外部からロードポート1100に搬入され、ロードポート1100から外部に搬出され得る。
【0022】
移送フレーム1200はロードポート1100に置かれた容器Cと工程モジュール2000の間に基板Wを伝達する。移送フレーム1200はインデックスレール上で移動するインデックスロボットを含み得る。
【0023】
工程モジュール2000はバッファチャンバ2100、移送チャンバ2200、多数の工程チャンバ2300を含む。
【0024】
バッファチャンバ2100はインデックスモジュール1000と工程モジュール2000の間に搬送される基板Wが臨時に留まる空間を提供する。バッファチャンバ2100には多数のバッファースロットが位置し得る。例えば、移送フレーム1200のインデックスロボットは基板Wを容器Cから引き出してバッファースロットに置くことができる。
【0025】
移送チャンバ2200の移送ロボットはバッファースロットに置かれた基板Wを引き出してこれを多数の工程チャンバ2300のうち既に設定された工程チャンバ(例えば、PC1)に移送する。また、移送チャンバ2200の移送ロボットは多数の工程チャンバ2300のいずれか一つの工程チャンバ(例えば、PC1)で他の工程チャンバ(例えば、PC2)に搬送することができる。
【0026】
多数の工程チャンバ2300は一列に配置されたり、上下に積層して配置されたり、これらの組み合わせの形態に配置することができる。図面に示すように、一部の工程チャンバPC1,PC2と他の一部の工程チャンバPC3,PC4は移送チャンバ2200の両側に配置される。多数の工程チャンバ2300の配置は前述した例に限定されず、基板処理装置のフットプリントや工程効率を考慮して変更することができる。
【0027】
図2は
図1の工程チャンバの一例を説明するための概念図である。
【0028】
図2を参照すると、工程チャンバ(例えば、PC1)内には基板Wを支持する支持ユニット110が配置される。支持ユニット110は既に設定された速度(すなわち、既に設定された回転数)で基板Wを回転させることができる。支持ユニット110には上部面から突出して基板Wを支持するための支持ピン112などが設けられる。また、チャックピン114は支持ユニット110の上部面の縁に設けられる。チャックピン114は支持ユニット110が回転するとき基板Wが側方面に離脱しないように基板Wのエッジを支持する。
【0029】
支持ユニット110の周辺には、第1ノズル120と第2ノズル130を含む。
【0030】
第1ノズル120は基板Wの第1領域P1に第1リンス液を吐出する。第2ノズル130は基板Wの第1領域P1と異なる第2領域P2に、第2リンス液を吐出する。図面に示すように、第1領域P1は基板Wの中心を含み得る。または、第1領域P1は第2領域P2より基板Wの中心に近く位置し得る。すなわち、第2領域P2は前記第1領域P1より前記基板Wのエッジ領域に近く位置し得る。
【0031】
第1リンス液と第2リンス液は純水DIWであり得るが、これに限定されない。
【0032】
第1ノズル120は第1貯蔵部122と流体的に連結される。第1弁124は第1ノズル120と第1貯蔵部122の間に配置され、制御部(図示せず)によってオン/オフ制御される。第2ノズル130は第2貯蔵部132と流体的に連結される。第2弁134は第2ノズル130と第2貯蔵部132の間に配置され、制御部(図示せず)によってオン/オフ制御される。
【0033】
第1ノズル120および第2ノズル130は固定設置される。
【0034】
特に、第1ノズル120および第2ノズル130は支持ユニット110の中心領域で側方向に偏って配置される。言い換えると、支持ユニット110に安着した基板Wの中心領域(例えば、符号P1を参照)と水平方向および垂直方向に重ならないように設けられる。
【0035】
また、洗浄工程の際、基板Wを回転させながら基板W上にリンス液を吐出すると、基板Wの中心と距離が遠い領域では回転力が強いためリンス液の厚さが薄くなる。したがって、本発明のいくつかの実施形態による基板処理装置では、第1ノズル120が基板Wの第1領域P1(すなわち、中心領域)に第1リンス液を吐出して第2ノズル130が基板Wの第2領域P2(すなわち、ミドル領域)に第2リンス液を吐出することによって、基板Wの中心と距離が遠い領域でリンス液の厚さが薄くなることを防止することができる。具体的な第1リンス液および第2リンス液の吐出方法は、
図3ないし
図9を用いて後述する。
【0036】
支持ユニット110にはバックノズル140が設けられ、基板Wの後面に純水および/または窒素ガスなどの流体を噴射する。バックノズル140は支持ユニット110の中心領域(例えば、P1領域に対応する位置)に配置される。バックノズル140は例えば、純水を貯蔵する第3貯蔵部142と流体的に連結される。第3弁144は第3ノズル140と第3貯蔵部142の間に配置され、制御部(図示せず)によってオン/オフ制御されることができる。
【0037】
以下では
図3ないし
図7を参照して、本発明の第1実施形態による基板処理方法について説明する。
図3は本発明の第1実施形態による基板処理方法を説明するためのフローチャートである。
図4ないし
図7は
図3の基板処理方法を説明するための中間段階図である。
【0038】
図3および
図4を参照すると、基板Wを回転させながら、第1期間の間第1リンス液を吐出する(S10)。
【0039】
具体的には、第1ノズル120は第1リンス液を基板Wの第1領域P1に吐出する。第1領域P1は基板Wの中心領域を含んでもよく、後述する第2領域P2に比べて基板Wの中心領域に近くてもよい。基板Wが回転しているので、第1領域P1に吐出された第1リンス液は基板Wのエッジ方向にますます広がる。第1リンス液は基板Wの中心領域だけでなく、ミドル(middle)領域まで広がる。特に、第1期間の間には、基板Wの一部領域(例えば、基板Wのエッジ領域)まで広がらない。
【0040】
第1期間の間、第2ノズル130は第2リンス液を基板Wに吐出しない。
【0041】
第1期間の間第1ノズル120の噴射量は、例えば、1.2l/minであり得るが、これに限定されない。
【0042】
次に、
図3、
図5および
図6を参照すると、基板Wを回転させながら、第2期間の間第1ノズル120は第1リンス液を第1領域P1に吐出し、第2ノズル130が第2リンス液を第2領域P2に吐出する。
【0043】
具体的には、第1ノズル120は第1期間および第2期間の間連続的に第1リンス液を吐出する。反面第2ノズル130は時間差を置いて(すなわち、第1期間では第2リンス液を吐出せず)、第2リンス液を吐出し始め、第2期間の間第2リンス液を吐出する。
【0044】
図5は第2期間の開始点(すなわち、第2ノズル130が第2リンス液を吐出し始める時点)での状態を示し、
図6は第2期間の終了点での状態を示す図である。
【0045】
特に、
図5に示すように、第2ノズル130が第2リンス液を吐出し始める時点(すなわち、第2期間の開始点)は、第2リンス液が吐出される位置(すなわち、P2)まで第1リンス液が広まっており、第1リンス液が基板W全体に広まっていないときである。すなわち、第1リンス液による液膜が基板W全体に形成される前である。または、第1リンス液による液膜が基板Wの中心領域およびミドル領域までは形成され、エッジ領域には形成されないときである。
【0046】
本発明のいくつかの実施形態とは異なり、第1リンス液による液膜が形成されていない状態で、第1ノズル120と第2ノズル130が同時に第1リンス液と第2リンス液を吐出すると、第1リンス液と第2リンス液が互いに混ざる領域で異常フロー(flow)が発生し得、そのため特異マップが発生する。
【0047】
または、第1リンス液による液膜が形成されていない状態で第1ノズル120と第2ノズル130が同時に第1リンス液と第2リンス液を吐出すると、第2リンス液が当たる領域およびその周辺で不良(defect)が発生し得る。なぜなら、第1リンス液は基板Wの中心領域に吐出されるが、第2リンス液は基板Wのミドル領域に吐出される。基板Wの中心から離隔した領域(すなわち、ミドル領域)では回転力が強いので、第2リンス液が当たる領域およびその周辺でパーティクルが生成されるからである。
【0048】
したがって、本発明のいくつかの実施形態による基板処理方法によれば、
図5に示すように、第2ノズル130が第2リンス液を吐出し始めるとき第2リンス液が当たる領域(すなわち、符号P2を参照)に、第1リンス液による液膜が形成されている。第1リンス液による液膜が形成されていれば、第2リンス液が第2領域P2に吐出されても前述したような問題を防止することができる。
【0049】
一方、第1リンス液による液膜が基板W全体に形成される前に第2リンス液を吐出することによって、洗浄工程時間を短縮することができる。また、第1リンス液による液膜が基板W全体に形成された後に第2リンス液を吐出すると、第2リンス液によるウォーターボム(water bomb)が発生し得る。
【0050】
したがって、本発明のいくつかの実施形態による基板処理方法によれば、第2ノズル130が第2リンス液を吐出し始める時点(すなわち、第2期間の開始点)は、第2リンス液が吐出される位置(すなわち、P2)まで第1リンス液が広まっており、第1リンス液が基板W全体に広まっていないときである。
【0051】
一方、第2期間の間第1ノズル120の噴射量は、第2ノズル130の噴射量より大きくてもよい。例えば、第1ノズル120の噴射量は1.2l/minであり、第2ノズル130の噴射量は1l/minであり得るが、これに限定されない。
【0052】
図3および
図7を参照すると、第1リンス液および第2リンス液の吐出を中止し、基板の回転速度を高めて乾燥動作を行う(すなわち、高速スピン乾燥。S30)。
【0053】
整理すると、基板の中心領域P1に第1リンス液を吐出する第1ノズル120と、基板のミドル領域P2に第2リンス液を吐出する第2ノズル130を使用することによって、基板W全体に形成されたリンス液の液膜の厚さを一定にすることができる。また、第1リンス液と第2リンス液を時間差を有して吐出することによって、基板の中心から離れている領域(すなわち、符号P2を参照)に第2リンス液を吐出することにより発生し得る問題を解決することができる。また、第1リンス液による液膜が基板W全体に形成される前に第2リンス液を吐出することによって、洗浄工程時間を減らすことができる。
【0054】
図8は本発明の第2実施形態による基板処理方法を説明するための図である。
【0055】
図8を参照すると、まず支持ユニット(
図2の符号110を参照)上に基板Wを位置させる。
【0056】
期間(0~t1)は、支持ユニット110を回転させ始めて目標速度RPM1まで回転させる加速区間である。目標速度RPM1は例えば、約500rpmである。
【0057】
加速区間で第1ノズル(
図2の符号120を参照)は第1領域(すなわち、中心領域)に第1リンス液DIW1を吐出し、第1リンス液DIW1による液膜を形成し始める。加速区間で液膜は基板Wの一部領域(すなわち、エッジ領域)までは形成されない。
【0058】
一方、加速区間での回転速度は、目標速度RPM1より低い速度である。第1リンス液DIW1が相対的に低い回転速度で回転する基板W上に吐出されるので、第1リンス液DIW1を吐出することにより発生し得る問題(例えば、パーティクル形成など)を最小化することができる。
【0059】
期間(t1~t2)は、支持ユニット110を定速度で回転させる定速区間である。
【0060】
定速区間で、第1ノズル120は第1リンス液DIW1を吐出し、第2ノズル(
図2の符号130を参照)は第2リンス液DIW2を吐出する。第1ノズル120は第1領域(すなわち、中心領域)に第1リンス液DIW1を吐出し、第2ノズル130は第2領域(すなわち、ミドル領域)に第2リンス液DIW2を吐出する。前述したように、第2ノズル130が第2リンス液DIW2を吐出する時点で、基板Wのエッジ領域には第1リンス液DIW1による液膜は形成されない。
【0061】
期間(t2~t3)は、高速スピン乾燥する区間である。高速スピン乾燥に進入する前に、第1リンス液および第2リンス液の吐出は中止する。支持ユニット110の回転速度を高め、支持ユニット110を乾燥速度RPM2まで回転させる。乾燥速度RPM2は例えば、約1500rpmである。
【0062】
期間(t2~t3)以後に、洗浄動作が終了する。
【0063】
一方、別に図示していないが、期間(0~t1)で加速がはやく行われる場合には、第1リンス液DIW1が基板Wのエッジ方向にはやく広がる。このような場合は、時間t1以前に第2リンス液DIW2が吐出され始める。
【0064】
すなわち、加速区間(0~t1)は前区間と後区間を含む。加速区間(0~t1)の前区間で、第1ノズル120が第1リンス液を基板Wの中心領域に吐出し、第2ノズル130は第2リンス液を吐出しない。加速区間(0~t1)の後区間で、第1ノズル120が第1リンス液を基板Wの中心領域に吐出し、第2ノズル130が第2リンス液を基板Wのミドル領域に吐出することができる。
【0065】
図9は本発明の第3実施形態による基板処理方法を説明するための図である。説明の便宜上、
図8を用いて説明した内容と異なる点を中心に説明する。
【0066】
図9を参照すると、まず支持ユニット110上に基板Wを位置させる。
【0067】
期間(0~t11)の間支持ユニット110の回転速度を高めて目標速度RPM1まで回転させる。期間(0~t11)には第1リンス液DIW1が基板W上に吐出される。
【0068】
期間(t11~t2)の間支持ユニット110を目標速度RPM1で回転させる。
【0069】
ここで、期間(0~t11)での加速がゆっくり行われる場合には支持ユニット110の回転速度が目標速度RPM1に到達しても、第1リンス液DIW1による液膜が第2領域(すなわち、ミドル領域)まで形成されない。
【0070】
このような場合、第1リンス液DIW1による液膜が第2領域(すなわち、ミドル領域)まで形成されるまで待った後に、第2リンス液DIW2を吐出し始める。
図9に示すように、時間t11で第2リンス液DIW2の吐出を始めず、さらに遅れたタイミングに第2リンス液DIW2が吐出され始める。
【0071】
期間(t2~t3)間支持ユニット110を乾燥速度RPM1で回転させ、基板Wを乾燥させる。
【0072】
図10は
図1工程チャンバの他の例を説明するための概念図である。説明の便宜上、
図2を用いて説明した内容と異なる点を中心に説明する。
【0073】
図10を参照すると、工程チャンバ(例えば、PC1)内には基板Wを支持する支持ユニット110が配置される。支持ユニット110は既に設定された速度(すなわち、既に設定された回転数)で基板Wを回転させる。
【0074】
支持ユニット110の周辺には、第1ノズル120と第2ノズル130を含む。第1ノズル120および第2ノズル130は固定設置されることができる。第1ノズル120および第2ノズル130は支持ユニット110の中心領域(符号P1を参照)で側方向に偏って配置される。言い換えると、支持ユニット110に安着した基板Wの中心領域P1と水平方向および垂直方向に重ならないように設置される。
【0075】
また、支持ユニット110の上側には、第1移動ノズル150と第2移動ノズル160が位置する。
【0076】
第1移動ノズル150は第1待期位置で待期し、第1供給位置に移動して基板Wの上面に第1薬液を吐出する。第1移動ノズル150は第1薬液(例えば、HF)を貯蔵する貯蔵部152と流体的に連結される。弁154は第1移動ノズル150と貯蔵部152の間に配置され、制御部(図示せず)によってオン/オフ制御されることができる。
【0077】
第2移動ノズル160は第2待期位置で待期し、第2供給位置に移動して基板Wの上面に第1薬液と異なる第2薬液を吐出する。第2移動ノズル160は第2薬液(例えば、SC1)を貯蔵する貯蔵部162と流体的に連結される。弁164は第2移動ノズル160と貯蔵部162の間に配置され、制御部(図示せず)によってオン/オフ制御されることができる。
【0078】
第1リンス液および第2リンス液は、第1薬液および第2薬液が基板Wに吐出される前に、基板W上に吐出される(すなわち、プリウェット(pre-wetting))。また、第1リンス液および第2リンス液は、第1薬液が吐出された後第2薬液が吐出される前に、基板W上に吐出される。具体的な洗浄方法は、
図11ないし
図14を用いて後述する。
【0079】
図11は本発明の第4実施形態による基板処理方法を説明するためのフローチャートである。
図12ないし
図14は
図11の基板処理方法を説明するための中間段階図である。
【0080】
まず、
図11を参照すると、リンス液が吐出される(すなわち、プリウェット。S40)。第1ノズル120および第2ノズル130が第1リンス液および第2リンス液を時間差を置いて吐出する。
【0081】
次に、
図11および
図12を参照すると、第1移動ノズル150は第1薬液(例えば、HF)を基板W上に吐出する(S50)。第1移動ノズル150は第1供給位置(例えば、基板Wの中心領域の上側)で第1薬液を吐出する。
【0082】
次に、
図11および
図13を参照すると、リンス液が吐出される(S60)。
【0083】
具体的には、第1移動ノズル150が第1供給位置で第1待期位置に移動する(図面符号V1を参照)。同時に、第2移動ノズル160が第2待期位置から第2供給位置に移動する(図面符号V2を参照)。第1供給位置と第2供給位置は実質的に同じ位置であり得るが、これに限定されない。
【0084】
第1移動ノズル150および第2移動ノズル160の移動時間の間、基板が乾く。基板が乾くとパーティクルなどによって欠陥(defect)が発生しやすい。したがって、第1移動ノズル150および第2移動ノズル160の移動時間の間、第1ノズル120および第2ノズル130が第1リンス液および第2リンス液を時間差を置いて吐出し、第1リンス液DIW1および第2リンス液DIW2で基板Wをウェット(wet)状態に維持する。
【0085】
前述したように、第1ノズル120および第2ノズル130は支持ユニット110の中心領域で側方向に偏って固定設置される。第1移動ノズル150および/または第2移動ノズル160が移動する間、第1ノズル120および第2ノズル130が第1リンス液DIW1および第2リンス液DIW2を吐出しなければならないので、第1ノズル120および第2ノズル130は第1移動ノズル150および第2移動ノズル160の移動経路を妨げない所に位置するからである。
【0086】
次に、
図11および
図14を参照すると、第2移動ノズル160は第2薬液(例えば、SC1)を基板W上に吐出する(S70)。第2移動ノズル160は第2供給位置(例えば、基板Wの中心領域の上側)で第2薬液を吐出する。
【0087】
次に、
図11を参照すると、リンス液が吐出される(S80)。第1ノズル120および第2ノズル130が第1リンス液DIW1および第2リンス液DIW2が時間差を置いて吐出する。
【0088】
次に、
図12を参照すると、第1リンス液DIW1および第2リンス液DIW2の吐出を中止し、基板の回転速度を高めて乾燥動作を行う(すなわち、高速スピン乾燥)(S90)。
【0089】
以上、添付する図面を参照して本発明の実施形態について説明したが、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せず他の具体的な形態で実施できることを理解することができる。したがって、上記一実施形態はすべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。
【符号の説明】
【0090】
110 支持ユニット
120 第1ノズル(第1固定ノズル)
130 第2ノズル(第1固定ノズル)
150 第1移動ノズル
160 第2移動ノズル