(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-13
(45)【発行日】2023-02-21
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0234 20230101AFI20230214BHJP
【FI】
G06Q30/0234
(21)【出願番号】P 2022055538
(22)【出願日】2022-03-30
【審査請求日】2022-05-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】藤埜 敏典
(72)【発明者】
【氏名】辻 恭平
【審査官】阿部 潤
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-013896(JP,A)
【文献】特開2021-197051(JP,A)
【文献】特開2020-052805(JP,A)
【文献】特開2002-099806(JP,A)
【文献】特開2022-006897(JP,A)
【文献】特開2015-041288(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザを識別するためのユーザ識別情報を用いて決済処理を実行する決済処理部と、
前記決済処理を実行した後に、前記ユーザ識別情報に対応するユーザの情報端末又は前記ユーザが商品を購入した店舗の店舗端末から、前記ユーザ識別情報と前記ユーザのスタンプカードを発行する要求とを取得することにより、前記ユーザ識別情報に関連付けられたスタンプカードを発行する発行部と、
前記発行部が前記スタンプカードの発行要求を取得した時点よりも前の時点に前記ユーザ識別情報を用いて前記ユーザが決済した履歴を示す決済履歴情報を取得する取得部と、
前記決済履歴情報が示す決済履歴が、前記スタンプカードに関連付けられて記憶部に記憶された第1条件を満たした場合に、前記
発行部が前記スタンプカード
を発行した後に1単位量以上のスタンプを付与するスタンプ付与部と、
前記スタンプカードが示すスタンプの量が、前記スタンプカードに関連付けられて前記記憶部に記憶された所定量を満たした場合に、当該スタンプカードに関連付けられた前記ユーザ識別情報に対応する前記ユーザに特典を付与する特典付与部と、
を有
し、
前記スタンプ付与部は、前記発行部が前記スタンプカードの発行要求を取得した以降には、前記発行要求が取得された以降に前記ユーザ識別情報を用いて決済した履歴を示す決済履歴が前記第1条件と異なる第2条件を満たす場合に前記スタンプカードにスタンプを付与する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記第1条件は、店舗に関する条件を含み、
前記スタンプ付与部は、前記決済履歴に含まれる前記ユーザが商品を購入した店舗が前記第1条件を満たす場合に、前記スタンプカードにスタンプを付与する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1条件は、商品に関する条件を含み、
前記スタンプ付与部は、前記決済履歴に含まれる前記ユーザが購入した商品が前記第1条件を満たす場合に、前記スタンプカードにスタンプを付与する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記特典付与部は、前記ユーザが購入した商品に関する特典を前記ユーザに付与する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第1条件は、前記決済処理における決済金額に関する条件を含み、
前記スタンプ付与部は、前記決済履歴に含まれる前記決済金額が前記第1条件を満たす場合に、前記スタンプカードにスタンプを付与する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記スタンプ付与部は、前記発行部が前記スタンプカードを発行した後に、当該スタンプカードに関連付けられた前記ユーザ識別情報に対応する決済に基づいて、前記スタンプカードにスタンプを付与する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記第1条件は、決済日時に関する条件を含み、
前記スタンプ付与部は、前記決済履歴に含まれる決済日時が、前記スタンプカードが発行される前の所定の期間内である場合に前記第1条件を満たすと判定して、前記決済履歴に基づき前記スタンプカードにスタンプを付与する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記スタンプ付与部は、前記決済履歴が前記第1条件を満たす場合に、前記記憶部に記憶された上限値を上限として前記スタンプカードにスタンプを付与し、前記スタンプカードの発行要求を取得した時点または当該発行要求を取得した後に実行された前記ユーザ識別情報を用いた決済処理に基づき前記スタンプカードにスタンプを付与する場合、前記上限値を適用せずに前記スタンプを付与可能にする、
請求項1から7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記スタンプ付与部は、前記上限値を、前記決済履歴に基づく前記スタンプ付与後のスタンプ量が前記所定量未満となるように設定する、
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記第1条件は、決済手段に関する条件を含み、
前記スタンプ付与部は、前記決済履歴情報が示す決済手段が前記第1条件を満たす場合に、前記スタンプカードにスタンプを付与する、
請求項1から
9のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
コンピュータが実行する、
ユーザを識別するためのユーザ識別情報を用いて決済処理を実行するステップと、
前記決済処理を実行した後に、前記ユーザ識別情報に対応するユーザの情報端末又は前記ユーザが商品を購入した店舗の店舗端末から、前記ユーザ識別情報と前記ユーザのスタンプカードを発行する要求とを取得することにより、前記ユーザ識別情報に関連付けられたスタンプカードを発行するステップと、
前記スタンプカードの発行要求を取得した時点よりも前の時点に前記ユーザ識別情報を用いて前記ユーザが決済した履歴を示す決済履歴情報を取得するステップと、
前記決済履歴情報が示す決済履歴が、前記スタンプカードに関連付けられた第1条件を満たした場合に、前記スタンプカード
を発行した後に1単位量以上のスタンプを付与するステップと、
前記スタンプカードが示すスタンプの量が、前記スタンプカードに関連付けられた所定量を満たした場合に、当該スタンプカードに関連付けられた前記ユーザ識別情報に対応する前記ユーザに特典を付与するステップと、
を有
し、
前記スタンプを付与するステップにおいて、前記スタンプカードの発行要求を取得した以降には、前記発行要求が取得された以降に前記ユーザ識別情報を用いて決済した履歴を示す決済履歴が前記第1条件と異なる第2条件を満たす場合に前記スタンプカードにスタンプを付与する、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、店舗で商品を購入したユーザに、商品の購入に使用可能な特典を取得するためのスタンプを付与する提供装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の提供装置は、スタンプを付与することが可能な店舗であっても、店舗がスタンプの付与をサービスとして開始する前にユーザが商品を購入した場合は、スタンプの付与の対象にはならないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、スタンプの付与をサービスとして開始する前の行為をスタンプの付与の条件に含めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る情報処理装置は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報を用いて決済処理を実行する決済処理部と、前記決済処理を実行した後に、前記ユーザ識別情報に対応するユーザの情報端末又は前記ユーザが商品を購入した店舗の店舗端末から、前記ユーザ識別情報と前記ユーザのスタンプカードを発行する要求とを取得することにより、前記ユーザ識別情報に関連付けられたスタンプカードを発行する発行部と、前記発行部が前記スタンプカードの発行要求を取得した時点よりも前の時点に前記ユーザ識別情報を用いて前記ユーザが決済した履歴を示す決済履歴情報を取得する取得部と、前記決済履歴情報が示す決済履歴が、前記スタンプカードに関連付けられて記憶部に記憶された第1条件を満たした場合に、前記スタンプカードに1単位量以上のスタンプを付与するスタンプ付与部と、前記スタンプカードが示すスタンプの量が、前記スタンプカードに関連付けられて前記記憶部に記憶された所定量を満たした場合に、当該スタンプカードに関連付けられた前記ユーザ識別情報に対応する前記ユーザに特典を付与する特典付与部と、を有する。
【0007】
前記第1条件は、店舗に関する条件を含み、前記スタンプ付与部は、前記決済履歴に含まれる前記ユーザが商品を購入した店舗が前記第1条件を満たす場合に、前記スタンプカードにスタンプを付与してもよい。
【0008】
前記第1条件は、商品に関する条件を含み、前記スタンプ付与部は、前記決済履歴に含まれる前記ユーザが購入した商品が前記第1条件を満たす場合に、前記スタンプカードにスタンプを付与してもよい。
【0009】
前記特典付与部は、前記ユーザが購入した商品に関する特典を前記ユーザに付与してもよい。
【0010】
前記第1条件は、前記決済処理における決済金額に関する条件を含み、前記スタンプ付与部は、前記決済履歴に含まれる前記決済金額が前記第1条件を満たす場合に、前記スタンプカードにスタンプを付与してもよい。
【0011】
前記スタンプ付与部は、前記発行部が前記スタンプカードを発行した後に、当該スタンプカードに関連付けられた前記ユーザ識別情報に対応する決済に基づいて、前記スタンプカードにスタンプを付与してもよい。
【0012】
前記第1条件は、決済日時に関する条件を含み、前記スタンプ付与部は、前記決済履歴に含まれる決済日時が、前記スタンプカードが発行される前の所定の期間内である場合に前記第1条件を満たすと判定して、前記決済履歴に基づき前記スタンプカードにスタンプを付与してもよい。
【0013】
前記スタンプ付与部は、前記決済履歴が前記第1条件を満たす場合に、前記記憶部に記憶された上限値を上限として前記スタンプカードにスタンプを付与し、前記スタンプカードの発行要求を取得した時点または当該発行要求を取得した後に実行された前記ユーザ識別情報を用いた決済処理に基づき前記スタンプカードにスタンプを付与する場合、前記上限値を適用せずに前記スタンプを付与可能にしてもよい。
【0014】
前記スタンプ付与部は、前記上限値を、前記決済履歴に基づく前記スタンプ付与後のスタンプ量が前記所定量未満となるように設定してもよい。
【0015】
前記スタンプ付与部は、前記発行部が前記スタンプカードを発行する前の前記ユーザに対応する前記決済履歴が前記第1条件を満たす場合に、前記スタンプカードにスタンプを付与し、前記発行部が前記スタンプカードの発行要求を取得した時点または当該発行要求を取得した後に前記ユーザ識別情報を用いて決済した履歴を示す決済履歴が前記第1条件と異なる第2条件を満たす場合に、前記スタンプカードにスタンプを付与してもよい。
【0016】
前記第1条件は、決済手段に関する条件を含み、前記スタンプ付与部は、前記決済履歴情報が示す決済手段が前記第1条件を満たす場合に、前記スタンプカードにスタンプを付与してもよい。
【0017】
本発明の第2の態様に係る情報処理方法は、コンピュータが実行する、ユーザを識別するためのユーザ識別情報を用いて決済処理を実行するステップと、前記決済処理を実行した後に、前記ユーザ識別情報に対応するユーザの情報端末又は前記ユーザが商品を購入した店舗の店舗端末から、前記ユーザ識別情報と前記ユーザのスタンプカードを発行する要求とを取得することにより、前記ユーザ識別情報に関連付けられたスタンプカードを発行するステップと、前記スタンプカードの発行要求を取得した時点よりも前の時点に前記ユーザ識別情報を用いて前記ユーザが決済した履歴を示す決済履歴情報を取得するステップと、前記決済履歴情報が示す決済履歴が、前記スタンプカードに関連付けられた第1条件を満たした場合に、前記スタンプカードに1単位量以上のスタンプを付与するステップと、前記スタンプカードが示すスタンプの量が、前記スタンプカードに関連付けられた所定量を満たした場合に、当該スタンプカードに関連付けられた前記ユーザ識別情報に対応する前記ユーザに特典を付与するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、スタンプの付与をサービスとして開始する前の行為をスタンプの付与の条件に含めるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図3】記憶部32が記憶する決済履歴情報の一例を示す。
【
図4】記憶部32が記憶するスタンプカード情報の一例を示す。
【
図5】記憶部32が記憶しているスタンプ付与条件テーブルの一例を示す。
【
図6】情報端末10がスタンプ付与情報を表示した画面の一例を示す。
【
図7】情報処理装置30における動作の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<決済システム1の概要>
図1は、決済システム1の概要を示す図である。決済システム1は、情報端末10と、店舗端末20と、情報処理装置30とを備える。情報処理装置30は、情報端末10及び店舗端末20と、インターネット、イントラネット、無線LAN(Local Area Network)、又は移動体通信網のネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。
【0021】
決済システム1は、ユーザが店舗において商品を購入する場合に商品の決済を実行したり、決済を実行したことに応じてユーザにスタンプ又は特典を付与したりするためのシステムである。スタンプは、ユーザに付与される無形価値である。ユーザは、所定数のスタンプを貯めることにより特典が付与される。特典は、例えば商品の購入に使用可能な割引券、又は商品に引き換え可能な引換券である。
【0022】
情報端末10は、ユーザが使用する端末であり、例えば携帯電話(スマートフォンを含む)又はタブレット端末等の情報処理端末である。情報端末10には、例えばユーザがサービスを利用するための専用のアプリケーションプログラム(以下、「専用アプリ」という)がインストールされている。ユーザは、専用アプリを介して、商品の決済を行ったり、付与されたスタンプの量又は特典の内容を閲覧したりすることができる。
【0023】
店舗端末20は、ユーザに商品を販売する店舗が管理する端末であり、例えばPOS(Point of Sale)端末である。情報端末10及び店舗端末20は、所定の決済方式に対応している。所定の決済方式は、例えばコードを用いた決済方式(以下、「コード決済」という)であり、CPM(Consumer Presented Mode)方式又はMPM(Merchant Presented Mode)方式を含む。
【0024】
CPM方式は、情報端末10が表示した二次元バーコード等の決済用コードを店舗端末20が読み込んだことに応じて決済を行う方式である。MPM方式は、店舗が表示した決済用コードを情報端末10が読み込んだことに応じて決済を行う方式である。
図1においては、一例としてCPM方式を示す。
【0025】
情報処理装置30は、例えばコンピュータにより構成されている。情報処理装置30は、仮想化されたコンピュータにより構成されていてもよく、クラウドサーバを用いて構成されていてもよい。情報処理装置30は、商品の決済を実行したり、決済を実行したことに応じてユーザにポイント又は特典を付与したりするための装置である。
【0026】
以下、
図1を参照しながら、決済システム1の動作の概要を説明する。
店舗端末20は、店舗端末20が備えるカメラにより、情報端末10が表示した決済用コードを撮像する(
図1における(1))。店舗端末20は、撮像した決済用コードから抽出した決済用トークンと、店舗を識別するための店舗識別情報(以下、「店舗ID」という)と、商品を識別するための商品識別情報(以下、「商品ID」という)と、決済金額とを含む決済要求情報を情報処理装置30に送信する(
図1における(2))。
【0027】
決済用トークンは、情報端末10のユーザを識別するためのユーザ識別情報(以下、「ユーザID」という)に対応するデータ列である。商品ID及び決済金額は、例えば店舗の従業員が店舗端末20を操作することにより入力される。店舗IDは、店舗端末20が有する記憶部に記憶されている。
【0028】
情報処理装置30は、店舗端末20から受信した決済要求情報に基づいて決済処理を実行する(
図1における(3))。情報処理装置30は、実行した決済処理の内容を決済履歴として情報処理装置30が有する記憶部に記憶させる。決済履歴は、ユーザID、商品ID、店舗ID、決済金額及び決済日時を含む。決済日時は、店舗端末20が決済要求情報を送信した時刻、情報処理装置30が決済要求情報を受信した時刻、決済処理に基づいてユーザの口座からの支払が完了した時刻のいずれでもよい。情報処理装置30は、決済処理が完了したことを店舗端末20に通知する。
【0029】
情報端末10は、スタンプカードの発行要求を情報処理装置30に通知する(
図1における(4))。スタンプカードは、電子的なスタンプカードであり、例えばユーザに付与されたスタンプの量を示すテキストデータ又は画像データの少なくともいずれかにより構成されている。情報処理装置30は、スタンプカードの発行要求を取得したことに応じて、発行要求に含まれるユーザIDに対応するユーザのスタンプカードを発行する(
図1における(5))。情報処理装置30は、ユーザIDと発行したスタンプカードを識別するためのカード識別情報(以下、「カードID」)とを関連付けて、情報処理装置30が有する記憶部に記憶させる。
【0030】
情報処理装置30は、情報処理装置30が有する記憶部を参照することにより、発行したスタンプカードを有するユーザの決済履歴を取得する(
図1における(6))。情報処理装置30は、取得したユーザの決済履歴がスタンプを付与するための条件を満たした場合に、ユーザのスタンプカードにスタンプを付与する(
図1における(7))。スタンプを付与するための条件は、例えば「所定の商品を購入した履歴があること」、「所定の店舗で購入した履歴があること」等の条件である。情報処理装置30は、スタンプカードにスタンプを付与したことを示すスタンプ付与情報を、スタンプカードのユーザが使用する情報端末10に送信する(
図1における(8))。
【0031】
情報処理装置30は、スタンプカードが示すスタンプの量が所定量を満たした場合、スタンプカードを有するユーザに特典を付与する(
図1における(9))。情報処理装置30は、ユーザに付与した特典を示す特典付与情報を情報端末10に送信する(
図1における(10))。
【0032】
従来のスタンプは、スタンプカードが発行された後に発生した決済に応じて付与されるため、スタンプを付与するサービスを開始する前にユーザが商品を購入したとしてもスタンプを付与されない。これに対して、情報処理装置30は、スタンプカードを発行したユーザがスタンプカードを発行する前に決済した履歴に基づいてスタンプを付与する。その結果、ユーザは、スタンプを付与するサービスを開始する前に商品を購入したとしてもスタンプを取得することができる。
【0033】
<情報処理装置30の構成>
図2は、情報処理装置30の構成を示す図である。情報処理装置30は、通信部31と、記憶部32と、制御部33と、を有する。制御部33は、決済処理部331と、発行部332と、取得部333と、スタンプ付与部334と、特典付与部335と、を有する。
【0034】
通信部31は、インターネット等の通信ネットワークを介して情報を送受信するための通信デバイスを含む。通信デバイスは、例えばLANコントローラ又は無線LANコントローラである。
【0035】
記憶部32は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリと、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶媒体と、を有する。記憶部32は、制御部33が実行するプログラムを記憶している。記憶部32は、情報端末10又は店舗端末20から取得した決済要求情報に応じて実行した決済の内容を示す決済履歴情報と、発行したスタンプカードに関する情報を示すスタンプカード情報とを記憶する。記憶部32は、スタンプカードにスタンプを付与するための条件を示すスタンプ付与条件テーブルを記憶している。
【0036】
図3は、記憶部32が記憶する決済履歴情報の一例を示す。
図3に示すように、記憶部32は、決済を識別するための決済識別情報(以下、「決済ID」という)、ユーザID、決済を実行した日時を示す決済日時、商品ID、店舗ID、決済金額及び決済手段を関連付けて記憶する。決済手段は、例えば「コード決済」、「クレジットカード決済」、「ネットバンク決済」等の決済手段を示す。
【0037】
図4は、記憶部32が記憶するスタンプカード情報の一例を示す。
図4に示すように、記憶部32は、カードID、ユーザID、ユーザに付与されたすスタンプの量を示すスタンプ量、スタンプカードの発行要求を受け付けた日時を示す発行要求日及びユーザ属性を関連付けて記憶する。スタンプの量は、
図4においてはスタンプの数を示すが、例えばユーザに付与可能なスタンプの数に対してユーザに付与されたスタンプの数(すなわち達成度)を「〇〇パーセント」のように割合で示してもよい。また、スタンプの量は、例えば「〇〇点」のようにスタンプの数を変換したスコアを示してもよい。
【0038】
ユーザ属性は、情報端末10から取得したスタンプカードの発行要求に含まれる情報であり、ユーザの年齢、性別、住所、決済総額、決済回数を少なくとも含む。決済総額は、ユーザが決済システム1を利用することにより商品を購入した金額の合計である。決済回数は、ユーザが決済システム1を利用して決済を行った回数である。情報処理装置30は、ユーザ属性が示す情報を用いて、スタンプカードにスタンプを付与するための条件を満たすか否かを判定する。
【0039】
図5は、記憶部32が記憶しているスタンプ付与条件テーブルの一例を示す。
図5に示すように、記憶部32は、スタンプを付与するための条件を識別するための条件識別情報(以下、「条件ID」という)、条件を満たすための期間、付与スタンプ量及び条件の内容を関連付けて記憶している。条件を満たすための期間は、スタンプカードが発行される前の所定期間である期間R1と、スタンプカードが発行された後の期間である期間R2とを示す。
【0040】
例えばユーザが期間R1において店舗S1で2回決済を行った場合、情報処理装置30は、条件ID「C11」に関連付けられた条件「店舗S1で決済」を2回満たしたと判定する。情報処理装置30は、条件ID「C11」に関連付けられた付与スタンプ量「1回決済につき1個」に基づいて、ユーザのスタンプカードにスタンプを2個付与する。
【0041】
図2に戻って、制御部33は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部33は、記憶部32に記憶されたプログラムを実行することにより、決済処理部331、発行部332、取得部333、スタンプ付与部334及び特典付与部335として動作する。
【0042】
決済処理部331は、情報端末10又は店舗端末20から取得した決済要求情報に基づいて決済処理を実行する。決済処理部331は、例えば決済方式がMPM方式の場合は情報端末10から決済要求情報を取得し、決済方式がCPM方式の場合は店舗端末20から決済要求情報を取得する。決済要求情報は、決済方式がMPM方式の場合、決済用トークン、商品ID、決済金額、決済手段及びユーザIDを含み、決済方式がCPM方式の場合、決済用トークン、商品ID、決済金額、決済手段及び店舗IDを含む。
【0043】
決済処理部331は、決済方式がMPM方式の場合、決済用トークンに基づいて店舗IDを特定し、決済方式がCPM方式の場合、決済用トークンに基づいてユーザIDを特定する。決済処理部331は、例えば記憶部32を参照することにより、決済用トークンが示すデータ列に関連付けられたユーザID又は店舗IDを特定する。決済処理部331は、決済要求情報に含まれる決済用トークンを、特定したユーザID又は店舗IDに入れ替えることにより、決済要求情報を更新する。
【0044】
決済処理部331は、更新した決済要求情報に含まれるユーザIDを用いて決済処理を実行する。決済処理部331は、例えば、更新した決済要求情報を参照することにより、ユーザID、店舗ID及び決済金額を特定し、決済処理を実行する。決済処理部331は、決済処理を実行した後に、
図4に示す「決済総額」に決済金額を加算し、
図4に示す「決済回数」に1を加算することにより、スタンプカード情報を更新する。決済処理部331は、更新した決済要求情報を
図3に示す決済履歴情報として記憶部32に記憶させる。
【0045】
発行部332は、スタンプカードの発行要求を取得したことに応じて情報端末10のユーザにスタンプカードを発行する。スタンプカードは、電子的なスタンプカードであり、ユーザに付与されたスタンプ量を示すテキストデータ又は画像データの少なくともいずれかにより構成されている。情報端末10は、発行部332がスタンプカードを発行した後に、ユーザに付与されたスタンプ量の閲覧を情報処理装置30に要求することで、スタンプ量を示すテキストデータ又は画像データを表示することができる。
【0046】
発行部332は、決済処理部331が決済処理を実行した後に、ユーザIDに対応するユーザの情報端末10又はユーザが商品を購入した店舗の店舗端末20から、ユーザIDとユーザのスタンプカードを発行する要求とを取得する。発行部332は、スタンプカードを発行する要求に応じて生成したカードIDと取得したユーザIDとを関連付けて記憶部32に記憶させることにより、ユーザIDに関連付けられたスタンプカードを発行する。
【0047】
発行部332は、スタンプカードを発行する要求に関連付けて、ユーザの年齢、性別、及び住所を示す情報を取得する。発行部332は、
図3に示す決済履歴情報に基づいて、取得したユーザIDに関連付けられた決済金額の合計(すなわち決済総額)と決済回数とを特定する。発行部332は、取得したユーザの年齢、性別及び住所と、特定した決済総額及び決済回数とを
図4に示す「ユーザ属性」として記憶部32に記憶させる。発行部332は、スタンプカードを発行したことを、ユーザIDに対応するユーザの情報端末10又はユーザが商品を購入した店舗の店舗端末20に通知する。
【0048】
取得部333は、発行部332がスタンプカードの発行要求を取得した時点よりも前の時点にユーザIDを用いてユーザが決済した履歴を示す決済履歴情報を取得する。取得部333は、例えば
図4に示す「発行要求日」を参照することにより、ユーザID「U1」に対応するユーザU1のスタンプカードを発行する要求を取得した時刻T18を特定する。
【0049】
続いて、取得部333は、
図3に示す「ユーザID」及び「決済日時」を参照することにより、時刻T18より前に実行されたユーザU1の決済に対応する決済ID「K11」、決済ID「K16」及び決済ID「K17」を特定する。取得部333は、特定した決済IDに関連付けられた商品ID、店舗ID、決済金額及び決済手段をユーザU1の決済履歴情報として取得する。
【0050】
取得部333は、発行部332がスタンプカードの発行要求を取得した時点よりも後の時点にユーザが決済した履歴を示す決済履歴情報を取得してもよい。この場合、取得部333は、例えば
図3に示す「ユーザID」及び「決済日時」を参照することにより、時刻T18よりも後(すなわち時刻T21から時刻T27)に実行されたユーザU1の決済に対応する決済ID「K23」及び決済ID「K25」を特定する。
【0051】
スタンプ付与部334は、取得部333が取得した決済履歴情報が示す決済履歴が、スタンプカードに関連付けられて記憶部32に記憶された第1条件を満たした場合に、スタンプカードに1単位量以上のスタンプを付与する。「スタンプを付与する」とは、例えば
図4に示す「スタンプ量」が示すスタンプの数に、所定の数を加算して記憶部32に記憶させることである。
【0052】
第1条件は、例えば
図5に示す「期間」及び「条件」であり、決済日時に関する条件、店舗に関する条件、商品に関する条件、決済処理における決済金額に関する条件、及び決済手段に関する条件を含む。1単位量は、スタンプ量がスタンプの数を示す場合は1個のスタンプであり、スタンプ量がスコアを示す場合は1点に対応するスタンプである。
【0053】
スタンプ付与部334は、例えば取得部333が取得した決済履歴情報が、
図5に示す「期間」における決済履歴を示し、かつ
図5に示す「条件」を満たした場合に、
図5に示す「付与スタンプ量」に対応する量のスタンプをスタンプカードに付与する。例えば、スタンプ付与部334は、決済履歴情報に含まれる決済日時が
図5に示す期間R1の範囲内であることを示し、決済履歴情報に含まれる決済手段がコード決済を示す場合、条件ID「C18」が示す第1条件を満たしたと判定する。スタンプ付与部334は、条件ID「C18」に関連付けられた付与スタンプ量「1個」をスタンプカードに付与する。
【0054】
スタンプ付与部334がこのように動作することで、スタンプ付与部334は、ユーザがスタンプカードの発行を要求する前に商品を購入した場合であっても、スタンプカードを発行した後に、決済履歴に基づいてスタンプを付与することができる。
【0055】
スタンプ付与部334は、例えば決済履歴に含まれる決済日時が、スタンプカードが発行される前の所定の期間内である場合に第1条件を満たすと判定して、決済履歴に基づきスタンプカードにスタンプを付与する。所定の期間は、予め記憶部32が記憶していてもよいし、スタンプを付与するサービスの運営者が外部の情報処理装置から情報処理装置30に送信することにより設定してもよい。所定の期間が60日である場合、
図5に示す期間R1は「カード発行前より60日前~カード発行時」に設定される。
【0056】
例えば取得部333が取得したユーザU2の決済履歴を示す決済履歴情報に、
図3に示す決済ID「K12」、決済ID「K17」及び決済ID「K21」に対応する決済履歴が含まれているとする。スタンプ付与部334は、
図4に示す「発行要求日」を参照することにより、ユーザU2がスタンプカードの発行を要求した時刻T22を特定する。スタンプ付与部334は、特定した時刻T22に基づいて、所定の期間が時刻T15から時刻T21であることを特定する。
【0057】
スタンプ付与部334は、決済履歴に含まれる決済日時を参照することにより、決済ID「K17」及び決済ID「K21」に対応する決済履歴は第1条件を満たすと判定し、決済ID「K12」に対応する決済履歴は第1条件を満たさないと判定する。スタンプ付与部334は、第1条件を満たすと判定した決済ID「K17」及び決済ID「K21」に対応する決済履歴に基づいてスタンプカードにスタンプを付与する。
【0058】
スタンプ付与部334がこのように動作することで、スタンプ付与部334は、スタンプを付与するサービスの運営者が定めた期間における決済履歴に基づいてスタンプカードにスタンプを付与することができる。
【0059】
スタンプ付与部334は、例えば決済履歴に含まれるユーザが商品を購入した店舗が第1条件を満たす場合に、スタンプカードにスタンプを付与する。第1条件は、例えば
図5に示す条件ID「C11」に関連付けられた条件「店舗S1で決済」である。スタンプ付与部334は、例えば決済履歴に含まれる店舗IDを特定し、
図5に示す「条件」に「特定した店舗IDに対応する店舗で決済したこと」が含まれる場合はスタンプカードにスタンプを付与する。
【0060】
具体的には、スタンプ付与部334は、ユーザU1の決済履歴に含まれる決済ID「K11」に関連付けられた店舗ID「S1」を特定する。スタンプ付与部334は、
図5に示す条件ID「C11」に関連付けられた条件「店舗S1で決済」を参照することにより、決済ID「K11」に対応する決済K11が条件C11を満たしたと判定し、スタンプカードにスタンプを付与する。
【0061】
スタンプ付与部334は、例えば決済履歴に含まれるユーザが購入した商品が第1条件を満たす場合に、スタンプカードにスタンプを付与する。第1条件は、例えば
図5に示す条件ID「C12」に関連付けられた条件「商品P1を決済」である。スタンプ付与部334は、例えば決済履歴に含まれる商品IDを特定し、
図5に示す「条件」に「特定した商品IDに対応する商品を決済したこと」が含まれる場合はスタンプカードにスタンプを付与する。
【0062】
具体的には、スタンプ付与部334は、ユーザU1の決済履歴に含まれる決済ID「K11」に関連付けられた商品ID「P1」を特定する。スタンプ付与部334は、
図5に示す条件ID「C12」に関連付けられた条件「商品P1を決済」を参照することにより、決済K11が条件C12を満たしたと判定し、スタンプカードにスタンプを付与する。
【0063】
スタンプ付与部334は、例えば決済履歴に含まれる決済金額が第1条件を満たす場合に、スタンプカードにスタンプを付与する。決済金額は、決済履歴に含まれる1回の決済における金額でもよいし、決済履歴に含まれる複数の決済金額の合計でもよい。第1条件は、例えば
図5に示す条件ID「C17」に関連付けられた条件「決済金額が3000円以上」である。スタンプ付与部334は、例えば決済履歴に含まれる決済金額が、
図5に示す「条件」に含まれる所定の決済金額以上であればスタンプカードにスタンプを付与する。
【0064】
具体的には、スタンプ付与部334は、ユーザU1の決済履歴に含まれる決済ID「K16」に関連付けられた決済金額「3000円」を特定する。スタンプ付与部334は、
図5に示す条件ID「C17」に関連付けられた条件「決済金額が3000円以上」を参照することにより、決済K16が条件C17を満たしたと判定し、スタンプカードにスタンプを付与する。
【0065】
スタンプ付与部334は、例えば決済履歴情報が示す決済手段が第1条件を満たす場合に、スタンプカードにスタンプを付与する。第1条件は、例えば
図5に示す条件ID「C18」に関連付けられた条件「コード決済したことがあるユーザ」である。スタンプ付与部334は、例えば決済履歴に含まれる決済手段を特定し、
図5に示す「条件」に「特定した決済手段で決済したこと」が含まれる場合はスタンプカードにスタンプを付与する。
【0066】
具体的には、スタンプ付与部334は、ユーザU1の決済履歴に含まれる決済ID「K11」に関連付けられた決済手段「コード決済」を特定する。スタンプ付与部334は、
図5に示す条件ID「C18」に関連付けられた条件「コード決済したことがあるユーザ」を参照することにより、決済K11が条件C18を満たしたと判定し、スタンプカードにスタンプを付与する。
【0067】
スタンプ付与部334は、例えばスタンプカード情報に含まれるユーザ属性が第1条件を満たし、かつ決済履歴に含まれる商品ID、店舗ID、決済金額又は決済手段の少なくともいずれかが当該第1条件を満たす場合に、スタンプカードにスタンプを付与する。第1条件は、例えば
図5に示す条件ID「C13」に関連付けられた条件「ユーザ属性(性別)が女のユーザが店舗S2で決済」又は条件ID「C14」に関連付けられた条件「ユーザ属性(性別)が男のユーザが商品P2を決済」である。
【0068】
スタンプ付与部334は、例えば
図4に示す「ユーザ属性」及び
図5に示す「条件」を参照することにより、ユーザの「ユーザ属性」に対応する「条件」を特定する。スタンプ付与部334は、決済履歴に含まれる商品ID、店舗ID、決済金額又は決済手段を参照することにより、特定した「条件」を満たしたと判定した場合は、スタンプカードにスタンプを付与する。
【0069】
具体的には、スタンプ付与部334は、
図4に示す「ユーザ属性」に含まれる「性別」を参照することにより、ユーザU1の「性別」が「男」であることを特定する。スタンプ付与部334は、
図5に示す「条件」を参照することにより、ユーザU1の性別(すなわち「男」)に対応する「条件」は、条件ID「C14」に関連付けられた条件「ユーザ属性(性別)が男のユーザが商品P2を決済」であることを特定する。スタンプ付与部334は、決済ID「K16」に関連付けられた商品ID「P2」を特定することにより、ユーザU1の決済K16が条件C14を満たしたと判定し、スタンプカードにスタンプを付与する。
【0070】
スタンプ付与部334は、例えば発行部332がスタンプカードを発行する前のユーザに対応する決済履歴が第1条件を満たす場合に、スタンプカードにスタンプを付与する。さらに、スタンプ付与部334は、発行部332がスタンプカードの発行要求を取得した時点または当該発行要求を取得した後にユーザIDを用いて決済した履歴を示す決済履歴が第1条件と異なる第2条件を満たす場合に、スタンプカードにスタンプを付与してもよい。
【0071】
第1条件は、例えば
図5に示す期間R1に関連付けられた条件であり、条件ID「C11」から条件ID「C18」に関連付けられた条件である。第2条件は、例えば
図5に示す期間R2に関連付けられた条件であり、条件ID「C21」から条件「C28」に関連付けられた条件である。
【0072】
例えば、取得部333は、時刻T18においてスタンプカードの発行を要求したユーザU1が、時刻T18よりも後の時刻である時刻T25において決済をした履歴を示す決済履歴情報を取得する。スタンプ付与部334は、取得部333が取得した決済履歴情報に含まれる決済ID「K25」に関連付けられた時刻「T25」及び店舗ID「S6」を特定する。
【0073】
続いて、スタンプ付与部334は、
図5に示す「期間」を参照することにより、時刻「T25」が期間R2に含まれることを特定する。スタンプ付与部334は、
図5に示す期間R2に関連付けられた条件のうち、条件ID「C26」に関連付けられた条件「店舗S6で決済したユーザ」を参照することにより、決済K25が条件C26を満たしたと判定し、スタンプカードにスタンプを付与する。
【0074】
スタンプ付与部334がこのように動作することで、スタンプ付与部334は、ユーザがスタンプカードを発行する前の期間にスタンプを取得するための条件と異なる条件を、スタンプカードを発行した後の期間に設定することができる。その結果、例えばスタンプカードを発行する前の期間の条件よりも緩和した条件を、スタンプカードを発行した後の条件として設定できるため、ユーザがスタンプカードを発行した後に商品を購入しやすくすることができる。
【0075】
スタンプ付与部334は、決済履歴が第1条件を満たす場合に、記憶部32に記憶された上限値を上限としてスタンプカードにスタンプを付与してもよい。スタンプ付与部334は、例えば上限値を、決済履歴に基づくスタンプ付与後のスタンプ量が所定量未満となるように設定する。所定量は、例えば特典を付与可能なスタンプ量の最小値であり、例えばスタンプが4個以上貯まると特典を付与する場合、所定量は4個であり、上限値は4個未満(例えば3個)に設定される。
【0076】
スタンプ付与部334は、例えば決済履歴が複数の第1条件を満たすことにより、スタンプカードに4個以上のスタンプを付与できる場合であったとしても、上限値が3個であれば、スタンプカードに付与したスタンプ量が3個を超えないように付与する。スタンプ付与部334がこのように動作することで、スタンプ付与部334は、スタンプカードを発行する要求をした時点より前の決済履歴に基づいて特典を付与することを抑制することができる。その結果、スタンプを付与するサービスの運営者は、スタンプカードを発行した後に、ユーザが特典を取得するために商品を購入するように仕向けることができる。
【0077】
さらに、スタンプ付与部334は、スタンプカードの発行要求を取得した時点または当該発行要求を取得した後に実行されたユーザIDを用いた決済処理に基づきスタンプカードにスタンプを付与する場合、上限値を適用せずにスタンプを付与可能にしてもよい。スタンプカードの発行要求を取得した時点に実行された決済処理は、スタンプカードの発行要求と同時に行われた決済処理を含む。
【0078】
スタンプ付与部334は、例えばスタンプカードを発行した後にユーザが商品を購入したことを示す決済履歴が
図5に示す期間R2に関連付けられた条件を満たす場合は、記憶部32に記憶された上限値を超えたスタンプを付与する。スタンプ付与部334がこのように動作することで、ユーザは、スタンプカード発行後においては、商品を購入すればするほど特典を取得できるので、商品を購入するように動機づけられる。
【0079】
スタンプ付与部334は、発行部332がスタンプカードを発行した後に、当該スタンプカードに関連付けられたユーザIDに対応する決済に基づいて、スタンプカードにスタンプを付与してもよい。スタンプ付与部334は、例えば
図3に示す「決済日時」及び
図4に示す「カード発行日」を参照することにより、スタンプカードを発行した後の時刻に決済を行ったユーザに対応するユーザIDを特定する。スタンプ付与部334は、
図3に示す決済履歴情報を参照することにより、特定したユーザIDに関連付けられた決済履歴が
図5に示す条件を満たした場合に、当該ユーザIDに関連付けられたスタンプカードにスタンプを付与する。
【0080】
スタンプ付与部334がこのように動作することで、スタンプ付与部334は、ユーザがスタンプカードを発行した後に決済システム1を利用することで、決済履歴に基づくスタンプを付与する。その結果、スタンプ付与部334は、ユーザがスタンプカードを発行した後に決済システム1を利用するように仕向けることができるため、スタンプカードを発行した後にユーザが決済システム1を利用しなくなることを抑制できる。
【0081】
スタンプ付与部334は、スタンプカードにスタンプを付与したことを示すスタンプ付与情報を、スタンプカードに関連付けられたユーザIDに対応するユーザの情報端末10又は当該ユーザが商品を購入した店舗の店舗端末20に通知する。スタンプ付与部334は、情報端末10又は店舗端末20からスタンプ付与情報を閲覧するための要求を受信したことに応じてスタンプ付与情報を通知してもよいし、情報端末10又は店舗端末20にスタンプ付与情報をプッシュ通知してもよい。
【0082】
図6は、情報端末10がスタンプ付与情報を表示した画面の一例を示す。
図6においては、表示領域111、表示領域112及び操作用画像113が含まれている。表示領域111は、ユーザに付与されたスタンプを表示するための領域である。
図6においては、表示領域111は16個のスタンプ表示領域を含み、16個のスタンプ表示領域は、それぞれ1個のスタンプを表示する。
図6においては、情報端末10は、3つのスタンプ表示領域に3個のスタンプを表示している。
【0083】
表示領域112は、ユーザに付与されたスタンプの量を表示するための領域である。
図6においては、ユーザがスタンプカードを発行する前に決済した決済履歴に基づいて3個のスタンプを付与した内容を示す「スタンプカード発行前のご利用によりスタンプを3個付与しました!」が表示されている。操作用画像113は、スタンプ付与情報の閲覧を中止するための操作用画像である。ユーザは操作用画像113を押すことにより、スタンプ付与情報を閲覧するための画面と異なる画面を表示させる。
【0084】
特典付与部335は、スタンプカードが示すスタンプの量が、スタンプカードに関連付けられて記憶部32に記憶された所定量を満たした場合に、当該スタンプカードに関連付けられたユーザIDに対応するユーザに特典を付与する。「特典を付与する」とは、ユーザに対応するユーザIDに関連付けて、特典の内容を示す情報を記憶部32に記憶させることである。特典は、ユーザが購入した商品に関する特典であり、例えばユーザが購入した商品をさらに購入する際に割引可能な割引券、又は当該商品と引換可能な引換券である。
【0085】
特典付与部335は、例えばスタンプ付与部334がスタンプカードにスタンプを付与したことに応じて、
図4に示す「スタンプ量」を参照することにより、スタンプカードに関連付けられたユーザIDに対応するユーザのスタンプ量を特定する。特典付与部335は、特定したスタンプ量が所定量を満たした場合、スタンプカードに関連付けられたユーザIDに関連付けて、特典の内容を示す情報を記憶部32に記憶させる。
【0086】
特典付与部335は、ユーザに付与した特典を示す特典付与情報をユーザの情報端末10に通知する。特典付与部335は、情報端末10から特典付与情報を閲覧するための要求を受信したことに応じて特典付与情報を通知してもよいし、情報端末10に特典付与情報をプッシュ通知してもよい。
【0087】
<情報処理装置30における動作の流れ>
図7は、情報処理装置30における動作の流れを示すフローチャートである。
図7に示すフローチャートは、ユーザがスタンプカードの発行を要求した時点よりも前の決済履歴に基づいてスタンプカードにスタンプを付与する動作を示している。
【0088】
決済処理部331は、情報端末10又は店舗端末20から決済要求情報を受信する(S11)。決済処理部331は、受信した決済要求情報に含まれるユーザID、店舗ID及び決済金額に基づいて決済処理を実行する(S12)。決済処理部331は、決済処理を実行したことを情報端末10又は店舗端末20に通知する。
【0089】
発行部332は、情報端末10又は店舗端末20からスタンプカードの発行要求を受信する(S13)。発行部332は、スタンプカードの発行要求に関連付けて、ユーザID及びユーザIDに対応するユーザのユーザ属性を受信する。発行部332は、受信したユーザIDに関連付けてスタンプカードのカードID及びユーザ属性を記憶部32に記憶させることにより、スタンプカードを発行する(S14)。発行部332は、スタンプカードの発行を情報端末10又は店舗端末20に通知する。
【0090】
取得部333は、記憶部32を参照することにより、発行したスタンプカードに関連付けられたユーザIDに対応するユーザの決済履歴を取得する(S15)。取得部333は、発行部332がスタンプカードを発行した後に、決済処理部331が当該スタンプカードに関連付けられたユーザIDに対応するユーザの決済を実行したことに応じて決済履歴を取得してもよい。
【0091】
スタンプ付与部334は、
図5に示すスタンプ付与条件テーブルを参照することにより、複数のスタンプ付与条件のうち1つのスタンプ付与条件を選択する(S16)。スタンプ付与部334は、決済履歴に含まれる決済日時がスタンプ付与条件に関連付けられた期間内であるように、スタンプ付与条件を選択する。
【0092】
スタンプ付与部334は、決済履歴がスタンプ付与条件を満たした場合(S17のYES)、スタンプ付与条件を満たすことで付与可能なスタンプの量を特定する(S18)。スタンプ付与部334は、特定したスタンプの量を付与しても記憶部32に記憶された上限値を超えない場合(S19のYES)、特定したスタンプの量を付与する(S20)。一方、特定したスタンプの量を付与することで上限値を超える場合(S19のNO)、上限値を超えない範囲でスタンプを付与する(S21)。スタンプ付与部334は、決済履歴がスタンプ付与条件を満たさない場合(S17のNO)、スタンプカードにスタンプを付与しない。
【0093】
スタンプ付与部334は、選択していないスタンプ付与条件がある場合(S22のNO)、S16の処理に戻る。スタンプ付与部334は、複数のスタンプ付与条件の全てを選択した場合(S22のYES)、スタンプカードにスタンプを付与したことを示すスタンプ付与情報を、スタンプカードに関連付けられたユーザIDに対応するユーザの情報端末10に通知する(S23)。特典付与部335は、決済処理部331がスタンプカード発行後に当該スタンプカードのユーザの決済を実行した場合、スタンプ付与部334が付与したスタンプ量を特定する。特典付与部335は、特定したスタンプ量が所定量以上である場合、ユーザに特典を付与する。
【0094】
情報処理装置30は、処理を終了する操作が行われていない場合(S24のNO)、S11からS23までの処理を繰り返す。処理を終了する操作が行われた場合(S24のYES)、情報処理装置30は、処理を終了する。
【0095】
<情報処理装置30による効果>
以上説明したように、情報処理装置30は、決済処理を実行する決済処理部331と、決済処理を実行した後にスタンプカードの発行要求を取得したことに応じてスタンプカードを発行する発行部332と、ユーザの決済履歴情報を取得する取得部333とを有する。そして、スタンプ付与部334は、決済履歴情報が示す決済履歴が、記憶部32に記憶された第1条件を満たした場合に、スタンプカードにスタンプを付与する。
【0096】
情報処理装置30がこのように構成されることで、ユーザは、スタンプカードの発行を要求する前に商品を購入した場合であっても、決済履歴に基づいてスタンプを取得することができるため、商品を購入しやすくなる。
【0097】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0098】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0099】
1 決済システム
10 情報端末
20 店舗端末
30 情報処理装置
31 通信部
32 記憶部
33 制御部
331 決済処理部
332 発行部
333 取得部
334 スタンプ付与部
335 特典付与部
【要約】
【課題】スタンプの付与をサービスとして開始する前の行為をスタンプの付与の条件に含める。
【解決手段】情報処理装置30は、ユーザ識別情報を用いて決済処理を実行する決済処理部331と、決済処理を実行した後に、ユーザ識別情報とユーザのスタンプカードを発行する要求とを取得することにより、ユーザ識別情報に関連付けられたスタンプカードを発行する発行部332と、発行部332がスタンプカードの発行要求を取得した時点よりも前の時点にユーザが決済した履歴を示す決済履歴情報を取得する取得部333と、決済履歴が、記憶部に記憶された第1条件を満たした場合に、スタンプカードに1単位量以上のスタンプを付与するスタンプ付与部334と、スタンプカードが示すスタンプの量が所定量を満たした場合に、当該スタンプカードに関連付けられたユーザ識別情報に対応するユーザに特典を付与する特典付与部335と、を有する。
【選択図】
図2