(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-14
(45)【発行日】2023-02-22
(54)【発明の名称】デュアル入力充電器のためのコンデンサ平衡ドライバ回路
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20230215BHJP
H02H 7/00 20060101ALI20230215BHJP
H02H 7/20 20060101ALI20230215BHJP
H03K 17/08 20060101ALI20230215BHJP
H02M 3/155 20060101ALI20230215BHJP
【FI】
H02J7/00 S
H02H7/00 B
H02H7/20 D
H03K17/08 C
H02M3/155 C
H02M3/155 H
(21)【出願番号】P 2020536635
(86)(22)【出願日】2018-12-31
(86)【国際出願番号】 US2018068111
(87)【国際公開番号】W WO2019133956
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2021-12-27
(32)【優先日】2017-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230129078
【氏名又は名称】佐藤 仁
(72)【発明者】
【氏名】シエウ ホーン
(72)【発明者】
【氏名】ケビン スコーンズ
(72)【発明者】
【氏名】ジャイロ ディー オリバーレス
(72)【発明者】
【氏名】カイ ジュー
【審査官】山本 香奈絵
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0306683(US,A1)
【文献】特表2016-531542(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0069983(US,A1)
【文献】特開平09-285005(JP,A)
【文献】特開平08-308217(JP,A)
【文献】特表2007-523585(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0180068(US,A1)
【文献】特開平08-166429(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H02H 7/00
H02H 7/20
H03K 17/08
H02M 3/155
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
第1の入力コンデンサ
と第1のハイサイドスイッチ
とを有する第1のチャネル
と、
第2の入力コンデンサ
と第2のハイサイドスイッチ
とを有する第2のチャネル
と、
前記第1の入力コンデンサと前記第1のハイサイドスイッチとの間
と、前記第2の入力コンデンサと前記第2のハイサイドスイッチとの間
とに結合される制御回路
と、
を含み、
前記制御回路が、前記第1の入力コンデンサの第1の電圧が
前記第2の入力コンデンサの第2の電圧と異なることに応答して、前記第1のハイサイドスイッチ
と前記第2のハイサイドスイッチ
とを通過する電流を分流するように構成される、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、
共通ノードにおいて前記第1のチャネル
と前記第2のチャネル
とに結合されるローサイドスイッチを
更に含む、装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置であって、
前記制御回路が、
直列に結合される第1のイネーブルスイッチ及び第2のイネーブルスイッチであって、前記第1のイネーブルスイッチの端子が前記第1の入力コンデンサと前記第1のハイサイドスイッチとの間に結合され、第2のイネーブルスイッチの端子が前記第2の入力コンデンサと前記第2のスイッチとの間に結合される、前記第1のイネーブルスイッチ及び第2のイネーブルスイッチ
と、
前記第1のイネーブルスイッチを駆動するように構成される第1のドライバ回路
と、
第2のイネーブルスイッチを駆動するように構成される第2のドライバ回路
と、
を含む、装置。
【請求項4】
請求項3に記載の装置であって、
前記第1のドライバ回路が
、
前記第1のイネーブルスイッチのソース電圧にゲートを出力するように構成される出力回路と、
前記出力回路に結合され、前記出力回路によって前記第1のイネーブルスイッチに出力される前記電圧を減少させるように構成されるシンク回路と、
前記出力回路に結合され、前記出力回路によって前記第1のイネーブルスイッチに出力される前記電圧を増大させるように構成されるソース回路と、
前記ソース回路から前記出力回路への電流の流れを制御するように構成される制御スイッチと、
前記制御スイッチを開閉するためにイネーブル信号の電圧レベルをシフトするように構成される高電圧レベルシフタ回路と、
を含む、装置。
【請求項5】
請求項3に記載の装置であって、
前記第2のドライバ回路が、
前記第2のイネーブルスイッチのゲート・ソース電圧を出力するように構成される出力回路
と、
前記出力回路に結合され、前記出力回路によって前記第2のイネーブルスイッチに出力される前記電圧を減少させるように構成されるシンク回路
と、
前記出力回路に結合され、前記出力回路によって前記第2のイネーブルスイッチに出力される前記電圧を増大させるように構成されるソース回路
と、
前記ソース回路から前記出力回路への電流の流れを制御するように構成される制御スイッチ
と、
前記制御スイッチを開閉するように構成されるイネーブル信号の電圧レベルをシフトするように構成される高電圧レベルシフタ回路
と、
を含む、装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置であって、
前記制御回路が、前記第1の入力コンデンサの前記第1の電圧が前記第2の入力コンデンサの前記第2の電圧よりも大きいこと応答して、前記第1のチャネルから前記第2のチャネルに電流を流すように
更に構成される、装置。
【請求項7】
請求項1に記載の装置であって、
前記制御回路が、前記第2の入力コンデンサの前記第2の電圧が前記第1の入力コンデンサの前記第1の電圧よりも大きいことに応答して、前記第2のチャネルから前記第1のチャネルに電流を流すように
更に構成される、装置。
【請求項8】
装置であって、
第1の入力コンデンサ
と第1のハイサイドスイッチ
とを有する第1のチャネル
と、
第2の入力コンデンサ
と第2のハイサイドスイッチ
とを有する第2のチャネル
と、
前記第1の入力コンデンサと前記第1のハイサイドスイッチとの間
と、前記第2の入力コンデンサと前記第2のハイサイドスイッチとの間
とに結合される制御回路
であって、
直列に結合される第1のイネーブルスイッチ及び第2のイネーブルスイッチであって、前記第1のイネーブルスイッチの端子が前記第1の入力コンデンサと前記第1のハイサイドスイッチとの間に結合され、前記第2のイネーブルスイッチの端子が前記第2の入力コンデンサと前記第2のスイッチとの間に結合される、前記第1のイネーブルスイッチ及び第2のイネーブルスイッチ
と、
前記第1のイネーブルスイッチを駆動するように構成される第1のドライバ回路
と、
前記第2のイネーブルスイッチを駆動するように構成される第2のドライバ回路
と、
を含む、前記制御回路と、
を含み、
前記制御回路が、前記第1の入力コンデンサの前記第1の電圧が前記第2の入力コンデンサの前記第2の電圧と異なることに応答して、前記第1のハイサイドスイッチ
と前記第2のハイサイドスイッチ
とを通過する電流を分流するように構成される、装置。
【請求項9】
請求項8に記載の装置であって、
前記第1のドライバ回路が、
前記第1のイネーブルスイッチのゲート・ソース電圧を出力するように構成される出力回路
と、
前記出力回路に結合され、前記出力回路によって前記第1のイネーブルスイッチに出力される前記電圧を減少させるように構成されるシンク回路
と、
前記出力回路に結合され、前記出力回路によって前記第1のイネーブルスイッチに出力される前記電圧を増大させるように構成されるソース回路
と、
前記ソース回路から前記出力回路への電流の流れを制御するように構成される制御スイッチ
と、
前記制御スイッチを開閉するためにイネーブル信号の電圧レベルをシフトするように構成される高電圧レベルシフタ回路
と、
を含む、装置。
【請求項10】
請求項8に記載の装置であって、
前記第2のドライバ回路が、
前記第2のイネーブルスイッチのゲート・ソース電圧を出力するように構成される出力回路
と、
前記出力回路に結合され、前記出力回路によって前記第2のイネーブルスイッチに出力される前記電圧を減少させるように構成されるシンク回路
と、
前記出力回路に結合され、前記出力回路によって前記第2のイネーブルスイッチに出力される前記電圧を増大させるように構成されるソース回路
と、
前記ソース回路から前記出力回路への電流の流れを制御するように構成される制御スイッチ
と、
前記制御スイッチを開閉するように構成されるイネーブル信号の電圧レベルをシフトするように構成される高電圧レベルシフタ回路
と、
を含む、装置。
【請求項11】
請求項8に記載の装置であって、
共通端子において前記第1のチャネル
と前記第2のチャネル
とに結合されるローサイドスイッチを
更に含む、装置。
【請求項12】
請求項8に記載の装置であって、
前記制御回路が、前記第1の入力コンデンサの前記第1の電圧が前記第2の入力コンデンサの前記第2の電圧よりも大きいことに応答して、前記第1のチャネルから前記第2のチャネルに前記第1のイネーブルスイッチ
と前記第2のイネーブルスイッチ
とを介して電流を流すように
更に構成される、装置。
【請求項13】
請求項8に記載の装置であって、
前記制御回路が、前記第2の入力コンデンサの前記第2の電圧が前記第1の入力コンデンサの前記第1の電圧よりも大きいことに応答して、前記第2のチャネルから前記第1のチャネルに前記第1のイネーブルスイッチと前記第2のイネーブルスイッチとを介して電流を流すように更に構成される、装置。
【請求項14】
デュアル入力充電装置であって、
第1の入力コンデンサ
と第1のハイサイドスイッチ
とを有する第1のチャネル
と、
第2の入力コンデンサ
と第2のハイサイドスイッチ
とを有する第2のチャネル
と、
前記第1又は第2のチャネルの一方に結合され、前記第1又は第2のチャネルの一方に結合される電流を供給するように構成される第1の電源
と、
前記第1の入力コンデンサと前記第1のハイサイドスイッチとの間
と、前記第2の入力コンデンサと前記第2のハイサイドスイッチとの間
とに結合される制御回路
であって、
直列に結合される第1のイネーブルスイッチ及び第2のイネーブルスイッチであって、前記第1のイネーブルスイッチの端子が前記第1の入力コンデンサと前記第1のハイサイドスイッチとの間に結合され、前記第2のイネーブルスイッチの端子が前記第2の入力コンデンサと前記第2のスイッチとの間に結合される、前記第1のイネーブルスイッチ及び第2のイネーブルスイッチ
と、
前記第1のイネーブルスイッチを駆動するように構成される第1のドライバ回路
と、
前記第2のイネーブルスイッチを駆動するように構成される第2のドライバ回路
と、
を含む、前記制御回路と、
を含み、
前記制御回路が、前記第1の入力コンデンサの前記第1の電圧が前記第2の入力コンデンサの前記第2の電圧と異なることに応答して、前記電源からの前記第1のハイサイドスイッチ
と前記第2のハイサイドスイッチ
とを通過する前記電流を分流するように構成される、デュアル入力充電装置。
【請求項15】
請求項14に記載の装置であって、
前記第1のドライバ回路が、
前記第1のイネーブルスイッチのゲート・ソース電圧を出力するように構成される出力回路
と、
前記出力回路に結合され、前記出力回路によって前記第1のイネーブルスイッチに出力される前記電圧を減少させるように構成されるシンク回路
と、
前記出力回路に結合され、前記出力回路によって、前記第1のイネーブルスイッチに出力される前記電圧を増大させるように構成されるソース回路
と、
前記ソース回路から前記出力回路への電流の流れを制御するように構成される制御スイッチ
と、
前記制御スイッチを開閉するためにイネーブル信号の電圧レベルをシフトするように構成される高電圧レベルシフタ回路
と、
を含む、装置。
【請求項16】
請求項14に記載の装置であって、
前記第2のドライバ回路が、
前記第2のイネーブルスイッチのゲート・ソース電圧を出力するように構成される出力回路
と、
前記出力回路に結合され、前記出力回路によって前記第2のイネーブルスイッチに出力される前記電圧を減少させるように構成されるシンク回路
と、
前記出力回路に結合され、前記出力回路によって前記第2のイネーブルスイッチに出力される前記電圧を増大させるように構成されるソース回路
と、
前記ソース回路から前記出力回路への電流の流れを制御するように構成される制御スイッチ
と、
前記制御スイッチを開閉するように構成されるイネーブル信号の電圧レベルをシフトするように構成される高電圧レベルシフタ回路
と、
を含む、装置。
【請求項17】
請求項14に記載の装置であって、
共通の端子において前記第1のチャネル
と前記第2のチャネル
とに結合されるローサイドスイッチを
更に含む、装置。
【請求項18】
請求項14に記載の装置であって、
前記制御回路が、前記第1の入力コンデンサの前記第1の電圧が前記第2の入力コンデンサの前記第2の電圧よりも大きいことに応答して、前記第1のチャネルから前記第2のチャネルに前記第1のイネーブルスイッチ
と前記第2のイネーブルスイッチ
とを介して電流を流すように
更に構成される、装置。
【請求項19】
請求項14に記載の装置であって、
前記制御回路が、前記第2の入力コンデンサの前記第2の電圧が前記第1の入力コンデンサの前記第1の電圧よりも大きいことに応答して、前記第2のチャネルから前記第1のチャネルに前記第1のイネーブルスイッチ
と前記第2のイネーブルスイッチ
とを介して電流を流すように
更に構成される、装置。
【請求項20】
請求項14に記載の装置であって、
第1又は第2のチャネルの一方に結合される第2の電源を
更に含み、
前記デュアル入力充電装置が、前記第1の電源と前記第2の電源との使用との間で選択するように構成される、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は概して、電力管理デバイスに関し、より詳細には、多重入力を有する電力管理ドライバ回路のための制御配置に関する。
【背景技術】
【0002】
電力管理デバイスは、現在の社会の至る所に存在し、携帯電話やラップトップなど、私たちが日常的に使っている大多数の電子デバイスに電力供給するのに役立っている。それらの電子デバイスの多くはバッテリーを含み、バッテリーは充電する必要がある。しかし、理想的な電力条件に満たない状況でバッテリーを充電すると、バッテリーの寿命や性能に悪影響を及ぼす可能性がある。電力管理デバイスに搬送される電力をより良好に制御するため、バッテリーが充電される電力条件を理想化することを助けるために、バックコンバータなどの電力管理デバイスが充電回路に導入されてきている。
【0003】
バッテリーを有する殆どの消費者電子デバイスは携帯用に設計されており、高速で便利なバッテリー充電解決策に対する消費者需要が増大してきている。同時に、デバイスフットプリントが少なくなってきており、電力管理技術のためのフットプリントのエリアが小さくなってきている。
【発明の概要】
【0004】
便利な充電解決策を提供し、縮小されたデバイスフットプリントを補償するため、2つのハイサイドスイッチ及び単一のローサイドスイッチ、出力インダクタ、及び出力コンデンサを有するドライバ回路が提供される。複数のハイサイドスイッチを有することにより、ドライバは、複数の充電デバイスからの電力をレギュレートすることができる。ただし、これらのハイサイドスイッチの各々は、そのチャネルの入力コンデンサとチャネルを共有しており、チャネルは共通ノードでローサイドスイッチに接続されている。これらのチャネルのうちの一つのチャネルのコンデンサが急速に充電されると、他のチャネルのコンデンサが、充電されたコンデンサと自身を均衡する。この均衡により、大量の電流が共通ノードを介して充電されていないコンデンサに流れ得る。このパスに沿ったハイサイドスイッチは、このような大電流には耐えられず、破損する恐れがある。ハイサイドスイッチの損傷を避けるため、チャネル間には低インピーダンスのブリッジとドライバ回路が接続されている。
【0005】
低インピーダンスブリッジとドライバ回路は、均衡の間流れる大量の電流に対して安全なパスを提供する。低インピーダンスブリッジ及びドライバ回路は、例えば、第1の入力コンデンサと第1のハイサイドスイッチとの間、及び、第2の入力コンデンサと第2のハイサイドスイッチとの間に接続される制御回路であり得る。低インピーダンスブリッジ及びドライバ回路は、例えば、直列に接続される第1のイネーブルスイッチ及び第2のイネーブルスイッチを有し得る。第1のイネーブルスイッチの端子が、第1の入力コンデンサと第1のハイサイドスイッチとの間に接続され得、第2のイネーブルスイッチの端子が、第2の入力コンデンサと第2のハイサイドスイッチとの間に接続され得る。第1及び第2のイネーブルスイッチは、第1のイネーブルスイッチ及び第2のイネーブルスイッチを制御するように構成される論理回路によって制御され得る。制御回路は、イネーブルスイッチを、それらが、第1の入力コンデンサの電圧が第2の入力コンデンサの電圧とは異なっていることに応答して、第1及び第2のハイサイドスイッチを介して電流が通らないように制御する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】種々の実施例に従った、コンデンサ平衡ドライバ回路を有するデュアル入力充電器の回路図を図示する。
【0007】
【
図2】種々の実施例に従った、コンデンサ平衡ドライバ回路を有するデュアル入力充電器の回路図を図示する。
【0008】
【
図3】種々の実施例に従った、コンデンサ平衡ドライバ回路を有するデュアル入力充電器の回路図を図示する。
【0009】
【
図4】種々の実施例に従ったドライバ回路の回路図を図示する。
【0010】
【
図5】種々の実施例に従ったドライバ回路の回路図を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面は必ずしも一定の縮尺で描いてはいない。例えば、図面におけるいくつかの要素の寸法及び/又は相対な位置は、種々の実施例の理解を改善するのを助けるために、他の要素に対して誇張され得る。また、これらの種々の実施例の図が目立たなくならないようにするために、商業的に実現可能な実施例において有効であるか又は必須である従来の要素は描かれていないことが多い。或る動作及び/又はステップが、特定の出現順で説明又は描写され得るが、順序に関するそのような特異性は必要とされてもされなくてもよい。
【0012】
図1は、入力端子VBUS1 121及びVBUS2 120を有するデュアル入力充電器装置の回路図を図示する。入力端子VBUS1 121及びVBUS2l20は、USBポート、インダクティブ又はワイヤレス充電技術、又は壁面アウトレットにプラグを差し込むものなどの充電プラグなど、異なる電源に接続し得る。入力端子のVBUS1 121及びVBUS2 120からの電力フローは、入力スイッチSW_IN1 101及びSW_IN2 102によって接続又は切断され得る。入力スイッチSW_IN1 101及びSW_IN2 102を用いて、電力フローを特定の電源から接続又は切り離すことができることにより、デュアル入力充電器装置が電源間で切り替わることが可能になる。入力スイッチSW_IN1 101又はSW_IN2 102が閉じられているとき、それぞれの入力端子は、デュアル入力充電器回路の残りに電力供給している。入力コンデンサPMID_CAP1 105及びPMID_CAP2 106は、入力端子VBUS1 121及びVBUS2 120からの電圧を平滑化する。ハイサイドスイッチSW_HS1 111及びSW_HS2 112が、共通ノード117においてローサイドスイッチSW_LS 113及び出力インダクタ114の両方に接続する。入力端子VBUS1 121からハイサイドスイッチSW_HS1 111を介した共通ノード117までのパスは、第1のチャネルを形成する。入力端子VBUS2 120からハイサイドスイッチSW_HS2 112を介した共通ノード117へのパスは、第2のチャネルを形成する。第1及び第2のチャネルを共通ノード117において接続することにより、デュアル入力充電デバイスは、SW_LS 113、出力インダクタ114、及び出力コンデンサ115を複製する必要なく、複数のデュアルソースからの電力をレギュレートすることができる。出力端子VOUT_116へいずれかのチャネルを介して流れる電力は、出力端子VOUT_116において供給された電圧をレギュレートするためにそれぞれのハイサイドスイッチを制御することによってパルス幅変調される。出力コンデンサ115は、出力端子VOUT 116において提供された電圧を平滑化するように作用する。
【0013】
第1のチャネルと第2のチャネルとの間を制御回路118が接続する。制御回路118は、2つのスイッチ118(a)及び118(b)を有する。
図2に図示するように、スイッチ118(a)及び118(b)は、n型電界効果トランジスタ(「NFET」)218(a)及び218(b)を用いて実装され得る。NFETトランジスタ218(a)及び218(b)は、例えば、横方向拡散金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(「LDMOS」)又は他の金属酸化物半導体(「MOS」)タイプのトランジスタとすることができる。
図2はさらに、ハイサイドドライバ回路HS_Driver1 231及びHS_Driver2 232並びにローサイドドライバ回路LS_Driver2 233を示す。ハイサイドドライバ回路、HS_Driver1 231及びHS_Driver2 232は、各ハイサイドスイッチのゲートへの電圧を制御することによって、ハイサイドスイッチSW_HS1 211及びSW_HS2 212を駆動する。ローサイドドライバ回路LS_Driver2 233は、ローサイドスイッチ213のゲートへの電圧を制御することによって、ローサイドスイッチ213を駆動する。
【0014】
図3は、入力コンデンサPMID_CAP1 105の電圧が入力コンデンサPMID_CAP2 106の電圧よりも大きい場合に、デュアル入力ドライバ回路を介する電流パスI1 300、12 305、及びI3_310に沿った電流フローを図示する。同様に、入力コンデンサPMID_CAP2 106の電圧が入力コンデンサPMID_CAP1 105の電圧よりも大きい場合に、電流パスI1 300、12 304、及びI3_310に沿って図示する、反対方向に電流が流れ得る。電流パスI1は、PMID_CAP1 105とPMID_CAP2 106の間の電圧不均衡によって生じる過剰電流が流れるための安全なパスを提供する。制御回路118がなければ、電流パスI1 300及びI2 305を介して流れる電流の和が電流パスI2 305に沿って流れることになる。電流パスI2 305を介して流れるこのような大きな電流は、ハイサイドスイッチSW_HS1及びハイサイドスイッチSW_HS2 212のバーンアウトを引き起こし得、それらの有効寿命を減少させ得る。
【0015】
電流パスI2を介して流れたであろう電流を分流し、その代わりにそれを電流パスIIに沿って流す能力は、NFETトランジスタ218(a)及び218(b)をそれぞれのイネーブル信号EN_VBUS1 425及びEN_VBUS2 426を用いてオンオフすることによって制御される。NFETトランジスタ218(a)及び218(b)は、それらのソースをそれらのボディに短絡させ、ボディとドレインとの間に固有ボディダイオードを有する。NFETトランジスタ218(a)及び218(b)のバック・ツー・バックの固有ボディダイオードは、EN_VBUS1 425及びEN_VBUS2 426のいずれかの電圧レベルが、NFETトランジスタ218(a)及び218(b)の閾値電圧を克服し、それらに電流を導通させるには低すぎる場合、制御回路118を介して電流が流れないことを保証する。入力コンデンサPMID_CAP1 105の電圧が入力コンデンサPMID_CAP2 106の電圧より大きい場合、及び、ハイサイドスイッチSW_HS1 211がオンである場合、制御回路118は、NFETトランジスタ218(a)のソース電圧に対するゲートを増大させ、電流パスI1 300に沿った電流を引き起こし、ハイサイドトランジスタSW_HS1 211及びSW_HS2 212を介して流れる電流I2 305を制限する。同様に、入力コンデンサPMID_CAP2 106の電圧が入力コンデンサPMID_CAP1 105の電圧よりも大きい場合、及び、ハイサイドスイッチSW_HS1 212がオンである場合、制御回路118は、NFETトランジスタ218(b)のソース電圧に対するゲートを増大させ、電流パスI1 300に沿った電流を引き起こし、ハイサイドトランジスタSW_HS1 211及びSW_HS2 212を介して流れる電流I2 305を制限する。
【0016】
【0017】
図4は、制御回路118の詳細を図示する。NFETトランジスタ218(a)はドライバ回路418(a)によって駆動され、NFETトランジスタ218(b)はドライバ回路418(b)によって駆動される。ドライバ回路418(a)及び418(b)は、NFETトランジスタ218(a)及び218(b)のゲート・ソース電圧を決定する。NFETトランジスタ218(a)のゲート・ソース電圧は、ドライバ418(a)のEN_VBUS 425とVCEN_428との間の電圧によって決定され、NFETトランジスタ218(b)のゲート・ソース電圧は、NFETトランジスタ218(b)のゲート・ソース電圧を制御するドライバ回路418(b)のEN_VBUS2 426とVCEN_428との間の電圧によって決定される。ドライバ418(a)への入力VCP1電圧421は、入力電圧VBUS1 121と、例えば6ボルトなどの一定電圧値との和であるブーストされた電圧信号である。ドライバ418(b)への入力電圧VCP2 422は、入力端子VBUS2 120における入力電圧と、例えば6ボルトなどの一定の電圧値との和であるブーストされた電圧信号である。後に詳細に説明するように、信号EN1_5V及びEN2_5Vは、ドライバ418(a)及び418(b)の論理状態を制御する。
【0018】
図5は、ドライバ418(a)及び418(b)の回路図を図示する。ドライバ418(a)及び418(b)は実質的に同一である。下記の説明は、簡潔にするためにドライバ418(a)のみを説明する。出力回路550が、NFETトランジスタ218(a)のゲート・ソース電圧をレギュレートする。出力回路550は、抵抗器542と直列に接続されるツェナーダイオード541を有する。NFETトランジスタ543及び出力コンデンサ544は、直列接続されたツェナーダイオード541及び抵抗器542と並列に配される。出力コンデンサ544の電圧は、NFETトランジスタ218(a)のゲート・ソース電圧(VDS)を表す。コンデンサの電圧は、7ボルトから-7/10ボルトまで変化し得る。負の電圧は、NFETのトランジスタ218(a)及び218(b)が完全にオフになることを保証する。例えば、負の電圧は、イネーブル信号EN_5V 423が論理低であるときにNFETトランジスタ218(a)が完全にオフになることを保証する。
【0019】
イネーブル信号EN_5V 423論理が低であるとき、シンクスイッチ533は閉じられ、シンク回路540内のシンクする10マイクロアンペアソース532は、電流パスI1 300に沿ってNFETトランジスタ218(a)を介して流れる電流を止めるために、NFET 218(a)のゲート・ソース電圧を下げる。このケースでは、電流は、抵抗器542、次いでツェナーダイオード541を通り、最後にノード590を介して接地に流れる。イネーブル信号EN_5V 423が論理高であるとき、ツェナーダイオード541は、EN_VBUS 425をクランプするための保護としても働き、その結果、VCEN428+6ボルトを超えない。イネーブルメイン信号は、スイッチ531を制御し、ドライバ418(a)の通常動作を中断してNFETトランジスタ218(a)を低く引き下げることができる。NFETトランジスタ543は、VCEN_428からノード590へ電流を導通させる役割を果たす。ダイオード569は、電流がノード590からPFET(P型電界効果トランジスタ)制御トランジスタ570の方向に流れるのを防止する。
【0020】
イネーブル信号EN_5V 423が論理高であるとき、シンクスイッチ533は開いており、出力回路550のコンデンサ544は、ソース回路530からノード590を介して流れる2マイクロアンペアのソース電流によって充電される。2マイクロアンペア電流は、コンデンサ544の電圧を増大させ、次いで、NFETトランジスタ218(a)のゲート・ソース電圧を増大させる。NFETトランジスタ218(a)のゲート・ソース電圧がその閾値電圧を超えると、電流パスIIに沿ってNFETトランジスタ218(a)のチャネルを介して電流が流れ、大電流がハイサイドスイッチ211及び212を介して流れるのを防止することができる。
【0021】
ソース回路530は、PFETトランジスタ525及び526を含む。イネーブル信号EN_5V 423が論理高であるとき、スイッチ568は閉じられる。イネーブル信号EN_5V 423が論理高である間、電流シンク567は、PFETトランジスタ525及び526をオンにし、ノード595を介して流れるよう電流を誘導する。誘導された電流は、高電圧レベルシフタ回路620からノード595においてソース回路530へ流れる。電流の一部がPFETトランジスタ525を介して流れ、電流の一部が、PFETトランジスタ526を介するして流れる。PFET制御トランジスタ570は、コンデンサ544を充電するノード590を介して流れる電流を制御し、NFETトランジスタ218(a)をオンにし、NFETトランジスタ218(a)のチャネルを介して流れる電流パスIIに沿って電流を流し、入力コンデンサPMID_CAP2 106の電圧を入力コンデンサPMID_CAP1 105の電圧と均衡させる。NFETトランジスタ218(a)が完全にオンになると、ノード590を介して流れるIsource電流はゼロになる。これにより、ドライバ回路418(a)の静止電流消費が低減され、NFETトランジスタ218(a)をオンにするためのソフトスタート挙動が提供される。PFET制御トランジスタ570は、出力回路550への及び出力回路550からのIsource電流を接続及び切断する制御スイッチとして働く。
【0022】
高電圧レベルシフタ回路620は、イネーブル信号EN_5V 423をレベルシフトすることによって、PFET制御トランジスタ570のゲートへの電圧を制御する。高電圧レベルシフタ回路は、イネーブル信号EN_5V 423をVCP1電圧421とバイアス電圧509との間の値にシフトする。高電圧レベルシフタ回路620のPFET制御トランジスタ570への出力は、VCP1電圧421に対応する論理高値及びバイアス電圧509に対応する論理低値を有するデジタル信号と考えることができる。PFETトランジスタ501及びPFETトランジスタ502のソースは、VCP1電圧421に接続されている。PFETトランジスタ502のゲートは、PFETトランジスタ501のドレイン及びPFETトランジスタ503のソースに接続される。PFETトランジスタ501のゲートは、PFETトランジスタ502のドレイン及びPFETトランジスタ504のソースに接続される。PFETトランジスタ503及び504のドレインは、接地に制御可能に接続される。スイッチ514は、PFETトランジスタ503のドレインと接地との間の接続を制御する。スイッチ517は、PFETトランジスタ504のドレインと接地との間の接続を制御する。EN_5V信号は、イネーブル信号EN_5V 423が論理高であるときにスイッチ514を閉じてスイッチ517を開くので、PFETトランジスタ503及び504のドレインは同じ時間に接地に接続されない。スイッチ517は、論理がインバータ515によって反転されるので、イネーブル信号EN_5V 423が論理高であるときに開く。PFETトランジスタ503及び504は、それぞれ、PFETトランジスタ501及び502のドレインにおける電圧をクランプするために用いられる。スイッチ514が閉じると、PFETトランジスタ501のドレイン電圧は、PFETトランジスタ503のゲート・ソース電圧が0になるまで低下する。PFETトランジスタ503のゲート・ソース電圧が0になると、PFETトランジスタ501のドレイン電圧がバイアス電圧509にクランプされる。一方、スイッチ517が開かれるので、PFETトランジスタ502のドレイン電圧は、VCP1電圧421までプルアップされる。同時に、PFETトランジスタ502のゲート電圧が低減され、PFETトランジスタ502のドレインをVCP1電圧421にクランプする。
【0023】
イネーブル信号EN_5V 423が論理高であるとき、スイッチ517は開かれ、高電圧レベルシフタ回路620は、VCP-6Vに対応する論理低値を出力する。PFET制御トランジスタ570への高電圧レベル回路620の出力が論理低であるとき、PFET制御トランジスタ570がオンにされ、電流Isourceが流れて、ノード590をVCP1電圧421に向かって充電する。
【0024】
イネーブル信号EN-5V 423信号が論理低であるとき、スイッチ517は閉じられ、高電圧レベル回路620は、VCP1電圧421に対応する論理高値を出力する。PFET制御トランジスタ570への高電圧レベル回路620の出力が論理高であるとき、PFET制御トランジスタ570はオフであり、ノード590には電流が流れない。
【0025】
NFETトランジスタ505及び506はさらに、PFETトランジスタ501及び502のドレインを保護及びクランプする。バイアス電圧509が、PFETトランジスタ503、504、505、及び506のゲートに供給される。また、バイアス電圧509は、NFETトランジスタ505及び506のボディに供給される。この構成により、NFETトランジスタは、PFETトランジスタ50ランド502のドレインへの電圧が低くなりすぎるのを防止することができる。PFET制御トランジスタ570のドレインの電圧がバイアス電圧509より1電圧閾値以上下がると、NFETトランジスタ505がオンになり、ドレインがバイアス電圧509より1電圧閾値以上下がるのを防止する。電圧閾値は、NFETトランジスタ505の固有ボディダイオードの電圧閾値に対応し、典型的には約10分の7ボルトである。
【0026】
同様に、NFETトランジスタ506は、PFETトランジスタ501及び502のゲートにおける電圧が低下しすぎないようにする。PFET制御トランジスタ570のゲートにおける電圧がバイアス電圧509よりも電圧閾値下回って降下した場合、NFETトランジスタ506はオンになり、ゲートがバイアス電圧509よりも2電圧閾値以上降下するのを防止する。この場合、電圧閾値は、NFETトランジスタ506の固有ボディダイオードの電圧閾値に対応する。
【0027】
このように構成されると、過剰な電流フローによるデバイス内の回路構成要素を損傷させる尤度を低減するために、異なるポートに存在する電圧に基づいて充電デバイスが電流を自動的に再配路することができる。
【0028】
本記載において、「結合する」という用語及びその派生語は、間接的、直接的、光学的、及び/又はワイヤレスの電気的接続を意味する。したがって、第1のデバイスが第2のデバイスに結合する場合、その接続は直接的な電気的接続を介するもの、他のデバイス及び接続を介した間接的な電気的接続を介するもの、光学的電気的接続を介するもの、及び/又はワイヤレス電気的接続を介するものとし得る。