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  • 特許-タッチペン用除菌装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-14
(45)【発行日】2023-02-22
(54)【発明の名称】タッチペン用除菌装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/10 20060101AFI20230215BHJP
   A61L 2/18 20060101ALI20230215BHJP
   A61L 101/34 20060101ALN20230215BHJP
【FI】
A61L2/10
A61L2/18
A61L101:34
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020135724
(22)【出願日】2020-08-11
(65)【公開番号】P2022032187
(43)【公開日】2022-02-25
【審査請求日】2021-07-14
(73)【特許権者】
【識別番号】510253815
【氏名又は名称】山正機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114661
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 美洋
(72)【発明者】
【氏名】山本 秀広
【審査官】小久保 敦規
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-516531(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1379496(KR,B1)
【文献】特開2013-133153(JP,A)
【文献】特開2008-030784(JP,A)
【文献】特開平10-268100(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 2/00 - 2/28
A61L 11/00 - 12/14
B65B 53/00 - 55/24
B67C 3/00 - 11/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状のタッチペンの外周を除菌するためのタッチペン用除菌装置において、
複数本のタッチペンを収容するための収容部を前低後高の傾斜状に配置し、収容部の後部にタッチペンを挿入するための挿入口を形成するとともに、収容部の前部にタッチペンを取出すための取出口を形成し、挿入口と取出口との間にタッチペンの外周を除菌するための除菌部を形成し
除菌部は、収容部の底板に薬液を浸透させたシートを設けて、挿入口から挿入したタッチペンが取出口へ向けて傾斜状の収容部のシートの上面を転動する間にタッチペンの外周に薬液が付着してタッチペンの外周を除菌することを特徴とするタッチペン用除菌装置。
【請求項2】
前記収容部を転動するタッチペンの上方から紫外線を照射する除菌部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のタッチペン用除菌装置。
【請求項3】
前記収容部に複数種類の除菌部を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のタッチペン用除菌装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円筒状のタッチペンの外周を除菌するためのタッチペン用除菌装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
人の操作を要する現金自動受払機や券売機や自動販売機などの各種機器においては、画面上に表示されたボタンを指で触れることで操作することができる接触操作パネルが多用されている(特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-257973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現金自動受払機や券売機や自動販売機などの接触操作パネルを用いた各種機器では、不特定多数の人々に利用されるために、病気を引き起こすおそれのあるウイルスや菌などの病原体の感染を防止するよう衛生面での対策が施されることが望まれる。
【0005】
そこで、本発明では、接触操作パネルに指で直接触れることなく操作できるタッチペンを複数本収容するとともに、タッチペンの外周を除菌するようにした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る本発明では、円筒状のタッチペンの外周を除菌するためのタッチペン用除菌装置において、複数本のタッチペンを収容するための収容部を前低後高の傾斜状に配置し、収容部の後部にタッチペンを挿入するための挿入口を形成するとともに、収容部の前部にタッチペンを取出すための取出口を形成し、挿入口と取出口との間にタッチペンの外周を除菌するための除菌部を形成し、除菌部は、収容部の底板に薬液を浸透させたシートを設けて、挿入口から挿入したタッチペンが取出口へ向けて傾斜状の収容部のシートの上面を転動する間にタッチペンの外周に薬液が付着してタッチペンの外周を除菌することにした。
【0007】
また、請求項2に係る本発明では、前記請求項1に係る本発明において、前記収容部を転動するタッチペンの上方から紫外線を照射する除菌部を設けることにした。
【0008】
また、請求項3に係る本発明では、前記請求項1又は請求項2に係る本発明において、前記収容部に複数種類の除菌部を設けることにした。
【発明の効果】
【0009】
そして、本発明では、以下に記載する効果を奏する。
【0010】
すなわち、本発明では、円筒状のタッチペンの外周を除菌するためのタッチペン用除菌装置において、複数本のタッチペンを収容するための収容部を前低後高の傾斜状に配置し、収容部の後部にタッチペンを挿入するための挿入口を形成するとともに、収容部の前部にタッチペンを取出すための取出口を形成し、挿入口と取出口との間にタッチペンの外周を除菌するための除菌部を形成して、挿入口から挿入したタッチペンが取出口へ向けて傾斜状の収容部を転動する間に除菌部でタッチペンの外周を除菌することにしているために、現金自動受払機や券売機や自動販売機などの各種機器の接触操作パネルを操作するタッチペンを除菌した後に操作者に提供することができ、不特定多数の人々に利用される各種機器における衛生面での対策を施すことができる。
【0011】
特に、前記収容部を転動するタッチペンの上方及び下方に除菌部を設けることにした場合や前記収容部に複数種類の除菌部を設けることにした場合には、タッチペンの外周の除菌をより確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係るタッチペン用除菌装置を示す平面図。
図2】同正面図。
図3】同側面部分断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明に係るタッチペン用除菌装置の具体的な構成について図面を参照しながら説明する。
【0014】
本発明に係るタッチペン用除菌装置は、不特定多数の人々に利用される現金自動受払機や券売機や自動販売機などの接触操作パネルを用いた各種機器の近くに設置して利用され、接触操作パネルを操作するための円筒状のタッチペンを複数本収容するとともに、タッチペンの外周を除菌して1本ずつ使用者に提供する装置である。
【0015】
図1図3に示すように、タッチペン用除菌装置1は、基台2の上部に支持体3を取付け、支持体3の上部に、複数本の円筒状のタッチペン4を収容するための収容部5を前低後高の傾斜状に取付けている。
【0016】
収容部5は、前低後高状に傾斜する矩形板状の底板6の前端部に左右に間隔をあけて前板7,7を取付け、底板6の後端部に後板8を取付け、左右端部に左右側板9,10を取付け、左右側板9,10の上端部間に蓋板11を取付け、中空箱型形状に形成されている。なお、蓋板11は、左右側板9,10の上端部間に固定した固定板12と、固定体12に左右の蝶番13,13で開閉自在に取付けた開閉板14とで構成されている。
【0017】
この収容部5には、後部側に位置する蓋板11の後端と後板8との間に、タッチペン4を横向きに挿入するための横長矩形開口状の挿入口15が形成されるとともに、前部側に位置する蓋板11の前端と前板7,7との間に、タッチペン4を横向きに1本ずつ取出せるようにするための横長矩形開口状の取出口16が形成されている。
【0018】
これにより、収容部5は、挿入口15から横向きに挿入されたタッチペン4が前低後高状に傾斜する底板6の上面に沿って転動して収容され、1本ずつ取出口16から取出せるようになっている。
【0019】
この収容部5の挿入口15と取出口16との間には、転動するタッチペン4の外周を除菌するための除菌部17が形成されている。
【0020】
除菌部17は、紫外線やオゾンなどの気体をタッチペン4の外周に照射して除菌する照射型除菌機構18と、アルコールや消毒液などの液体をタッチペン4の外周に接触させて除菌する接触型除菌機構19とで構成している。
【0021】
照射型除菌機構18は、収容部5(転動するタッチペン4)の上方側に設けられており、蓋板11(固定板12)に支持体20を取付け、支持体20に紫外線照射装置21を取付け、蓋板11(開閉板14)に横長矩形開口状の照射口22を形成している。
【0022】
これにより、照射型除菌機構18は、紫外線照射装置21から照射口22に向けて紫外線を照射することによって、収容部5を転動して収容されるタッチペン4の上方側から紫外線照射によってタッチペン4の外周を除菌するようにしている。
【0023】
接触型除菌機構19は、収容部5(転動するタッチペン4)の下方側に設けられており、底板6に矩形状の開口23を形成し、開口23に布製のシート24の前側部分を挿入するとともに開口23の後端からシート24の後側部分を垂下させた状態で開口23をカバー25で被覆し、シート24の後端を基台2の内部に挿入させている。基台2は、中空矩形箱型形状となっており、中空部分がアルコール等の薬液26を収容するタンク27となっている。なお、基台2の後部には、タンク27に連通する供給口28が形成されている。供給口28には、キャップ29が着脱自在に取付けられている。
【0024】
これにより、接触型除菌機構19は、シート24の毛管現象によって薬液26が浸透したシート24の上面をタッチペン4が転動することによって、、収容部5を転動して収容されるタッチペン4の下方側から薬液付着によってタッチペン4の外周を除菌するようにしている。
【0025】
以上に説明したように、上記タッチペン用除菌装置1は、複数本のタッチペン4を収容するための収容部5を前低後高の傾斜状に配置し、収容部5の後部にタッチペン4を挿入するための挿入口15を形成するとともに、収容部5の前部にタッチペン4を取出すための取出口16を形成し、挿入口15と取出口16との間にタッチペン4の外周を除菌するための除菌部17を形成して、挿入口15から挿入したタッチペン4が取出口16へ向けて傾斜状の収容部5を転動する間に除菌部17でタッチペン4の外周を除菌するように構成している。
【0026】
そのため、上記構成のタッチペン用除菌装置1では、現金自動受払機や券売機や自動販売機などの各種機器の接触操作パネルを操作するタッチペン4を除菌した後に操作者に提供することができ、不特定多数の人々に利用される各種機器における衛生面での対策を施すことができる。
【0027】
また、上記タッチペン用除菌装置1は、収容部5を転動するタッチペン4の上方及び下方に除菌部17を設けた構成となっている。
【0028】
そのため、上記構成のタッチペン用除菌装置1では、タッチペン4の外周を上方及び下方の両方側から除菌することができ、タッチペン4の除菌をより確実に行うことができる。
【0029】
また、上記タッチペン用除菌装置1は、収容部5に複数種類の除菌部17を設けた構成となっている。
【0030】
そのため、上記構成のタッチペン用除菌装置1では、タッチペン4の外周を複数種類の方法で除菌することができ、これによっても、タッチペン4の外周の除菌をより確実に行うことができる。
【符号の説明】
【0031】
1 タッチペン用除菌装置 2 基台
3 支持体 4 タッチペン
5 収容部 6 底板
7 前板 8 後板
9,10 側板 11 蓋板
12 固定板 13 蝶番
14 開閉板 15 挿入口
16 取出口 17 除菌部
18 照射型除菌機構 19 接触型除菌機構
20 支持体 21 紫外線照射装置
22 照射口 23 開口
24 シート 25 カバー
26 薬液 27 タンク
28 供給口 29 キャップ
図1
図2
図3