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特許7227635直立可能な障壁の基礎ユニットおよびそれを備える直立可能な障壁
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-14
(45)【発行日】2023-02-22
(54)【発明の名称】直立可能な障壁の基礎ユニットおよびそれを備える直立可能な障壁
(51)【国際特許分類】
   E01F 13/00 20060101AFI20230215BHJP
   E01F 13/02 20060101ALI20230215BHJP
【FI】
E01F13/00 301
E01F13/02 Z
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020545020
(86)(22)【出願日】2018-11-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-12
(86)【国際出願番号】 IL2018051256
(87)【国際公開番号】W WO2019097526
(87)【国際公開日】2019-05-23
【審査請求日】2021-10-22
(31)【優先権主張番号】62/588,438
(32)【優先日】2017-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517243264
【氏名又は名称】クライン,アモス
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】クライン,アモス
【審査官】石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3137897(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第106468049(CN,A)
【文献】特開2006-132172(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0204575(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01F 1/00
E01F 13/00-15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直立可能な障壁の基礎ユニットであって、
地面に支持されるように構成された基部と、
前記基部に枢動可能に接続され、支持位置および動作状態起立位置にあるように構成された可動ハードルであって、前記可動ハードルが、互いに平行な第1の可動ハードル部および第2の可動ハードル部を備え、少なくとも1つの接続ロッドによって接続されており、前記支持位置において、前記可動ハードルが前記基部に支持されているときに、前記第1の可動ハードル部および前記第2の可動ハードル部が、前記基部の向かい合う側面上に外向きに置かれる、可動ハードルと、
を備える、直立可能な障壁の基礎ユニット。
【請求項2】
前記支持位置において、前記可動ハードルが、前記基部に支持されるように構成されている、請求項1に記載の直立可能な障壁の基礎ユニット。
【請求項3】
前記可動ハードルとの車両の衝撃からのエネルギを前記地面に伝達するように構成されたポインタ設けられた付属物を備える、請求項1に記載の直立可能な障壁の基礎ユニット。
【請求項4】
前記基部と前記可動ハードルとの間に接続され、前記基部と前記可動ハードルとの間に柔軟性を与えるように構成されたバンドを備える、請求項1に記載の直立可能な障壁の基礎ユニット。
【請求項5】
前記第1の可動ハードル部を前記第2の可動ハードル部に接続し、前記可動ハードルの上端に位置付けられた上部接続要素を備える、請求項1に記載の直立可能な障壁の基礎ユニット。
【請求項6】
前記上部接続要素が、車両の衝撃エネルギを吸収するように構成されている、請求項5に記載の直立可能な障壁の基礎ユニット。
【請求項7】
前記基部の前側に位置付けられ、前記直立可能な障壁の基礎ユニットを越えることを試みる車両の底部にはまり込むように構成された前部停止要素を備える、請求項1に記載の直立可能な障壁の基礎ユニット。
【請求項8】
前記基部に取り付けられ、前記直立可能な障壁の基礎ユニットの移動を容易にするように構成された前部車輪を備える、請求項1に記載の直立可能な障壁の基礎ユニット。
【請求項9】
前記直立可能な障壁の基礎ユニットが昇降式車輪を備え、前記昇降式車輪が、前記基部に取り付けられ、前記直立可能な障壁の基礎ユニットの移動を容易にするとともに、前記基部が前記地面に直接置かれているときには上昇状態にり、前記昇降式車輪が前記地面に置かれているときには下降状態にるように構成されている、請求項1に記載の直立可能な障壁の基礎ユニット。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の複数の直立可能な障壁の基礎ユニットを備える直立可能な障壁であって、前記直立可能な障壁の基礎ユニットが、少なくとも1つのコネクタによって互いに接続されている、直立可能な障壁。
【請求項11】
前記少なくとも1つのコネクタが、少なくとも1つの上部接続ロッド、もしくは少なくとも1つの前部接続ロッド、またはそれらの任意の組み合わせである、請求項10に記載の直立可能な障壁。
【請求項12】
前記少なくとも1つのコネクタが、前記複数の直立可能な障壁の基礎ユニットを互いに接続しているときには展開状態にり、前記複数の直立可能な障壁の基礎ユニットを互いに接続していないときには折り畳み状態にるように構成されている、請求項10に記載の直立可能な障壁。
【請求項13】
前記少なくとも1つの前部接続ロッドに接続され、前記直立可能な障壁の移動を容易にするように構成された少なくとも1つの前部車輪を備える、請求項11に記載の直立可能な障壁。
【請求項14】
前記直立可能な障壁が、前記直立可能な障壁の基礎ユニットの基部に接続されたピボットに取り付けられた少なくとも1つの昇降式車輪を備え、前記ピボットが、前記基部が前記地面に直接置かれているときには上昇状態にり、前記少なくとも1つの昇降式車輪が前記地面に置かれているときには下降状態にるように構成されている、請求項10に記載の直立可能な障壁。
【請求項15】
前記上昇状態と前記下降状態との間前記ピボットのシフトを容易にするように構成されたシャフトを備える、請求項14に記載の直立可能な障壁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
【0002】
本出願は、2017年11月20日に提出された米国仮特許出願第62/588,438号の優先権を主張し、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
本主題は、道路障壁に関する。より具体的には、本主題は、必要な際に直立する直立可能な障壁に関する。
【背景技術】
【0004】
道路障壁は、悪意のある車両の緩和や車両輸送の規制を目的として道路を封鎖するために使用される。道路規制は、特に過去数十年で不可欠なセキュリティ対策である。必要に応じて展開できる直立可能な障壁を使用して、道路をより適切に規制する必要がある。
【発明の概要】
【0005】
特に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本主題が属する技術分野において当業者により一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に説明されるものと類似しているかまたは同等の方法および材料を、本主題の実施または試験に使用することができるが、好適な方法および材料が以下に説明される。矛盾する場合、定義を含む特許明細書が優先される。加えて、材料、方法、および例は説明のみを目的としており、限定することを意図したものではない。
【0006】
本主題の一態様によれば、直立可能な障壁の基礎ユニット(100)が提供され、該直立可能な障壁の基礎ユニット(100)は、
地面に支持されるように構成された基部102と、
基部102に枢動可能に接続され、支持位置および動作状態起立位置にあるように構成された可動ハードル104を備え、可動ハードル104は、互いに平行な第1の可動ハードル部1042と第2の可動ハードル部1044とを備え、少なくとも1つの接続ロッド108によって接続される。
【0007】
一実施形態によれば、可動ハードル104は、支持位置では、基部102に支持されるように構成される。
【0008】
別の実施形態によれば、直立可能な障壁の基礎ユニット100は、可動ハードル104との車両の衝撃からのエネルギを地面に伝達するように構成されたポインタ114が設けられた付属物112を備える。
【0009】
さらに別の実施形態によれば、直立可能な障壁の基礎ユニット100は、基部102と可動ハードル104との間に接続され、基部102と可動ハードル104との間に柔軟性を与えるように構成されたバンド116を備える。
【0010】
さらに別の実施形態によれば、直立可能な障壁の基礎ユニット100は、第1の可動ハードル部1042を第2の可動ハードル部1044と接続させ、可動ハードル104の上端に位置付けられた上部接続要素130を備える。
【0011】
さらなる実施形態によれば、上部接続要素130は、車両の衝撃エネルギを吸収するように構成される。
【0012】
さらに別の実施形態によれば、直立可能な障壁の基礎ユニット100は、基部102の前側に位置付けられ、直立可能な障壁の基礎ユニット100を越えることを試みる車両の底部にはまり込むように構成された前部停止要素150を備える。
【0013】
またさらに別の実施形態によれば、直立可能な障壁の基礎ユニット100は、基部102に取り付けられ、直立可能な障壁の基礎ユニット100の移動を容易にするように構成された前部車輪700を備える。
【0014】
追加の実施形態によれば、直立可能な障壁の基礎ユニット100は、基部102に取り付けられ、直立可能な障壁の基礎ユニット100の移動を容易にするとともに、基部102が直接地面に置かれているときには上昇状態になり、昇降式車輪800が地面に置かれているときには下降状態になるように構成された昇降式車輪800を備える。
【0015】
本主題の別の態様によれば、上述のような複数の直立可能な障壁の基礎ユニット100を備える直立可能な障壁300が提供され、直立可能な障壁の基礎ユニット100は、少なくとも1つのコネクタによって互いに接続される。
【0016】
一実施形態によれば、少なくとも1つのコネクタは、少なくとも1つの上部接続ロッド304、または少なくとも1つの前部接続ロッド306、またはそれらの任意の組み合わせである。
【0017】
別の実施形態によれば、少なくとも1つのコネクタは、直立可能な障壁の基礎ユニット100を互いに接続するときは展開状態になり、直立可能な障壁の基礎ユニット100を互いに接続しないときは折り畳み状態になるように構成される。
【0018】
さらに別の実施形態によれば、直立可能な障壁300は、少なくとも1つの前部接続ロッド306に接続され、直立可能な障壁300の移動を容易にするように構成された少なくとも1つの前部車輪700を備える。
【0019】
またさらに別の実施形態によれば、直立可能な障壁300は、直立可能な障壁の基礎ユニット100の基部102に接続されたピボット810に取り付けられた少なくとも1つの昇降式車輪800を備え、ピボット810は、基部102が直接地面に置かれているときには上昇状態になり、少なくとも1つの昇降式車輪800が地面に置かれているときには下降状態になるように構成される。
【0020】
さらなる実施形態によれば、直立可能な障壁300は、上昇状態と下降状態との間のピボット810のシフトを容易にするように構成されたシャフト820を備える。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本明細書では、添付の図面を参照して、例示のみを目的として実施形態が説明される。ここで詳細な図面を具体的に参照すると、図示される詳細は、例として、また好ましい実施形態の図による考察の目的のためであり、また、実施形態の原理および概念的態様の最も有用で、容易に理解される記述と考えられるものを提供するために表現されていることが強調されている。これに関して、基本的な理解に必要である以上に詳細に構造的詳細を示す試みは行われず、図面を伴う説明が、いくつかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにする。
【0022】
図1a-1b】例示的な実施形態による、支持位置にある直立可能な障壁の基礎ユニットの上面図および側面図をそれぞれ概略的に示す。
図2a-2b】動作状態起立位置にある直立可能な障壁の基礎ユニットのいくつかの例示的な実施形態の側面図を概略的に示す。
図3a-3c】例示的な実施形態による、動作状態起立位置にある直立可能な障壁の上方斜視図、上方図および背面図をそれぞれ概略的に示す。
図4a-4b】いくつかの追加の実施形態による、動作状態起立位置および支持位置にある基礎ユニットの正面斜視図をそれぞれ概略的に示す。
図5】いくつかの追加の例示的な実施形態による、直立可能な障壁の正面斜視図を概略的に示す。
図6】いくつかのさらなる例示的な実施形態による、直立可能な障壁の正面斜視図を概略的に示す。
図7a-7b】動作状態起立位置および支持位置にある、直立可能な障壁の基礎ユニットの追加の例示的な実施形態の正面斜視図をそれぞれ概略的に示す。
図8】直立可能な障壁のさらなる例示的な実施形態の正面斜視図を概略的に示す。
図9】いくつかの追加の例示的な実施形態による、直立可能な障壁の正面斜視図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
特に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示された主題が属する技術分野において当業者により一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に説明されるものと類似または同等の方法および材料が本発明の実施または試験に使用され得るが、好適な方法および材料が以下に説明される。矛盾する場合、定義を含む特許明細書が優先される。加えて、材料、方法、および例は説明のみを目的としており、限定することを意図したものではない。
【0024】
少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本主題は、その出願において、以下の説明に記載されるか、または図面に図示される構造の詳細および、構成要素の配置に限定されないことが理解されるべきである。本主題は、他の実施形態が可能であり、または様々な方法で実施または実行され得る。加えて、本明細書で用いられる語法および用語は、説明を目的とするものであり、限定とみなされるべきではないことが理解されるべきである。本明細書で以下に説明される様々な図の考察において、同様の番号は同様の部分を参照する。図面は一般的に縮尺どおりではない。
【0025】
明確にするために、一部の図面では必須ではない要素は省略されている。
【0026】
図1a~図1bは、例示的な実施形態に従って、支持位置にある直立可能な障壁の基礎ユニットの上面図および側面図をそれぞれ概略的に示す。直立可能な障壁の基礎ユニット100は、2つのセグメント、すなわち、地面に支持されるように構成される基部102を形成する下部セグメントと、基部102に枢動可能に接続される可動ハードル104である上部セグメントと、を備える。一実施形態によれば、可動ハードル104は、ヒンジ106を介して基部102に接続される(図1bによりよく見られる)。一実施形態によれば、可動ハードル104は、図1a~図1bに示される支持位置、および以下の図2a~図2bに示される動作状態起立位置にあるように構成される。支持位置では、可動ハードル104は、基部102に支持されるように構成される。さらなる実施形態によれば、可動ハードル102は、ヒンジ106を中心として回転し、動作状態起立位置に位置付けられるように構成される。さらに別の実施形態によれば、動作状態起立位置では、可動ハードル104は実質的に縦位置(以下に示される)にある。可動ハードル104は、2つの平行で実質的に同様の部分、すなわち互いに平行な第1の可動ハードル部1042および第2の可動ハードル部1044を備え、基礎ユニット100が支持位置にあるとき、ハードル104は、基部102上に装着され、それによって、図1aから明らかなように、第1の可動ハードル部1042および第2の可動ハードル部1044が基部102の両側に位置するようにされる。第1の可動ハードル部1042は、当技術分野で既知の任意の接続要素、たとえば、図1aに示すような少なくとも1つのねじ110、溶接、少なくとも1つのピン、または金属等の剛性材料で構成された要素を接続するための他の好適な手段を使用することによって、第1の可動ハードル部1042と第2の可動ハードル部1044との間に接続されることができる少なくとも1つの接続ロッド108によって、第2の可動ハードル部1044に接続される。
【0027】
図1bに見られるように、可動ハードル104と基部102との接続領域、例えば、ヒンジ106の領域に、補助装置112が設けられる。付属物112は、可動ハードル104の両側に設けられ、可動ハードル104が基部102を中心として回転できるようにヒンジ106に取り付けられる。付属物112は、地面と接触しているヒンジ106領域の部分である。付属物112、すなわちヒンジ領域には、可動ハードル104を備えた車両の衝撃からエネルギを地面に伝達するように構成されたポインタ114が設けられている。
【0028】
図2a~図2bは、動作状態起立位置にある、直立可能な障壁の基礎ユニットのいくつかの例示的な実施形態の側面図を概略的に示す。図2aは、図1aおよび図1bに示されている実施形態を示しており、一方、図2bでは、車両からの衝撃が発生した場合に障壁をさらに強化するためにバンド116が設けられている。バンド116の実施形態を以下に説明する。
【0029】
可動ハードル104は、動作状態起立位置にあるとき、可動ハードル104と基部102との間で、実質的に90°をわずかに上回る角度に制限されるように配置される。好ましくは、可動ハードル104と基部102との間の角度は、実質的に110±10°の範囲内である。しかしながら、障壁はまた、可動ハードル104と基部102との間で、実質的に60~90°の範囲内の角度で動作させることもできる。
【0030】
任意には、しかし好ましくは、図2bに示されるバンド116は、障壁の2つの部分、すなわち基部102と可動ハードル104との間に設けられる。バンド116は、基部102と可動ハードル104との間に接続されている。一実施形態によれば、バンド116は、基礎ユニット100、または基礎ユニット100を備える障壁が動作状態起立状態に開放されたときに、可動ハードル104が基部102から突然解放されることによる衝撃を回避し、基部102と可動ハードル104との間にある程度の柔軟性を与えるように構成される。
【0031】
一実施形態によれば、直立可能な障壁は、少なくとも1つの基礎ユニット100を備える。好ましい実施形態によれば、直立可能な障壁は、複数の基礎ユニットを備える。さらに別の実施形態によれば、直立可能な障壁は、道路上に置かれ、必要に応じて所定の期間現場に残されるように構成される。その後、障壁は、別のサイトに転送されることができる。少なくとも1つの基礎ユニット100、または複数の基礎ユニット100から障壁を構築することの利点の1つは、基礎ユニット100が互いに独立しており、したがって、いくつかの基礎ユニット100は、必要に応じて、他の基礎ユニット100が支持位置にある間、動作状態起立位置に置かれ得る。基礎ユニット100には、後述するように障壁を構築するために、1つの基礎ユニット100を別の基礎ユニット100に接続するように構成されたコネクタが設けられている。
【0032】
図3a~図3cは、例示的な実施形態による、動作状態起立位置にある直立可能な障壁の上方斜視図、上方図および背面図をそれぞれ概略的に示す。直立可能な障壁300は、1つの障壁ユニット302、好ましくは図1a~図1bに示される基礎ユニット100と同様の複数の障壁ユニット302の少なくとも上に構成される。障壁ユニット100は、少なくとも1つのコネクタによって互いに接続される。図3a~図3cに示される実施形態における障壁ユニット302は、上部接続ロッド304の少なくとも1つ、および前部接続ロッド306の少なくとも1つによって互いに接続される。言い換えれば、少なくとも1つのコネクタは、少なくとも1つの上部接続ロッド304、または少なくとも1つの前部接続ロッド306、またはそれらの組み合わせであってよい。一実施形態によれば、少なくとも1つのコネクタ、すなわち、上部接続ロッド304および前部接続ロッド306は、基礎ユニット100を互いに接続するときに展開状態になるように、または基礎ユニット100を互いに接続しないときに折り畳み状態になるように構成される。図3aでは、上部接続ロッド304および前部接続ロッド306は、展開され、障壁ユニット302を接続するように示されている。しかしながら、図3aに示されている障壁300の右端にある障壁ユニット3022に接続されている上部接続ロッド3042および前部接続ロッド3062は、この障壁ユニッ3022が障壁300の右側の隣接する障壁ユニット302に接続されていないため、折り畳まれている。図3aに示されている障壁ユニット302を接続する配置は単なる例示であり、本主題の範囲を限定するものと見なされるべきではないことに留意されたい。障壁ユニット302の任意の他の配置は、本主題の範囲内である。
【0033】
例えば図1aに示されている実施形態と同様に、各障壁ユニット302は、2つのセグメント、すなわち基部310および可動ハードル312を備える。上部接続ロッド304および前部接続ロッド306は、取り付け要素、たとえば、図3aに示される、上部接続ロッド304を可動ハードル312に接続するねじ314、図3aに示される、前部接続ロッド306を基部310等に接続するフランジ316を使用することによって、可動ハードル312または基部310に取り付けられる。
【0034】
任意には、図3aに示すように、2つのフランジ318および320が設けられ、一方はハードル312に、他方は基部310にそれぞれ接続され、バンド322が組み込まれ、基部310とハードル312との間に保持される。一実施形態によれば、バンド322は剛性である。別の実施形態によれば、バンド322は可撓性である。
【0035】
図4a~図4bは、いくつかの追加の実施形態による、動作状態起立位置および支持位置にある基礎ユニットの正面斜視図をそれぞれ概略的に示す。例えば図1aに示される実施形態によれば、第1の可動ハードル部1042は、少なくとも1つの接続ロッド108を使用することによって第2の可動ハードル部1044に接続される。図4a~図4bに示される実施形態では、第1の可動ハードル部1042は、可動ハードル104の上端に位置付けられた上部接続要素130によって、第2の可動ハードル部1044に接続され得る。さらに、上部接続要素130は、少なくとも1つの基礎ユニット100を備える障壁を超えることを試みる車両の衝撃エネルギを吸収するように構成され、よって、障壁の機能に寄与し、すなわち、車両のさらなる移動を阻止する。
【0036】
さらに、基礎ユニット100は、可動ハードル104に接続された基部102の側に対して遠位に、基部102の前側に位置付けられた前部停止要素150を備え得る。一実施形態によれば、前部停止要素150は、基礎ユニット100、または少なくとも1つの基礎ユニット100を備える障壁を超えることを試みる車両の底部にはまり込むように構成される。車両が基礎ユニット100を超えることを試みると、車両の前部が起立して位置付けられた可動ハードル104に衝突する。これにより、可動ハードル104が下向きに移動し、並行して基部102が上向きに移動し、前部停止要素150が車両の底部にはまり込み、車両のさらなる移動の阻止に寄与する。
【0037】
図5は、いくつかの追加の例示的な実施形態による、直立可能な障壁の正面斜視図を概略的に示す。直立可能な障壁302は、直立可能な障壁302を備える基礎ユニット100が図4a~図4bに示された基礎ユニット100に類似していることを除き、例えば図3aに示された直立可能な障壁302に本質的に類似している。言い換えると、図5に示される基礎ユニット100は、上部接続要素130および前部停止要素150をそれぞれ備える。
【0038】
さらに、直立可能な障壁300は、直立可能な障壁302の移動を容易にするように構成された少なくとも1つの前部車輪700を備え得る。別の実施形態によれば、基礎ユニット100は、基礎ユニット100の移動を容易にするように構成された前部車輪700を備える。一実施形態によれば、少なくとも1つの車輪700は、基礎ユニット100の基部102に取り付けられる。別の実施形態によれば、少なくとも1つの車輪700は、例えば前部停止要素150に隣接して、基部102の前側に取り付けられる。好ましい実施形態によれば、直立可能な障壁302の各基礎ユニット100は、図5に示されるように、前部停止要素150に隣接して、基部102の前側に取り付けられた車輪700を備える。さらなる実施形態によれば、少なくとも1つの前部車輪700は、直立可能な障壁300の前部接続ロッド306に取り付けられ得る。
【0039】
一実施形態によれば、直立可能な障壁302は、直立可能な障壁302の移動を容易にするように構成され、ならびに2つの状態、すなわち上昇状態および下降状態にある、少なくとも1つの昇降式車輪800を備え得る。一実施形態によれば、少なくとも1つの昇降式車輪800は、基礎ユニット100の基部102に取り付けられ、移動または基礎ユニット100を容易にするように構成される。別の実施形態によれば、少なくとも1つの昇降式車輪800は、直立可能な障壁302の基礎ユニット100に接続され得るピボット810に取り付けられる。さらに別の実施形態によれば、ピボット810は、基部102に沿った任意の位置で基礎ユニット100の基部102に取り付けられる。好ましい実施形態によれば、ピボット810は、図5に示されるように、可動ハードル104によって、基部102の接続点に隣接する位置で基部102に取り付けられる。
【0040】
上昇状態では、少なくとも1つの昇降式車輪800が持ち上げられ、基部102は直接地面に置かれる。例えば、障壁302が車両の移動を阻止するように指定されている場合、少なくとも1つの昇降式車輪800は上昇状態にあり、基部102は直接地面に置かれる。しかしながら、直立可能な障壁302を置かれた位置から移動させる必要がある場合、少なくとも1つの昇降式車輪が、下降状態に移行する。下降状態では、少なくとも1つの昇降式車輪800が地面に置かれ、それにより、基部102を地面より上に持ち上げ、少なくとも1つの昇降式車輪800の支援により、地面上の直立可能な障壁302の移動を可能にする。したがって、少なくとも1つの昇降式車輪800を備える直立可能な障壁302は、少なくとも1つの昇降式車輪800が、例えば道路の脇で上昇状態にあるときに移動させることができ、道路上の車の移動を可能にするゲートとして機能するように構成し得ると同時に、道路を封鎖することが望まれる場合、直立可能な障壁302は道路に戻され、少なくとも1つの昇降式車輪800が下降状態にシフトされる。
【0041】
一実施形態によれば、昇降式車輪800は、ピボット810に取り付けられ、ピボット810は、上昇状態または下降状態にあるように構成され、そのため、少なくとも1つの昇降式車輪800をこれらの2つの位置間でシフトする。別の実施形態によれば、直立可能な障壁は、ピボット810の上昇状態と下降状態との間のシフトを容易にするように構成されたシャフト820をさらに備え、例えば、シャフト820を一方の側に移動させると、ピボット810が上昇状態になり、シャフト820を別の側に移動させると、ピボット810が下降状態になる。一実施形態によれば、シャフト820は、ピボット810に取り付けられてもよい。
【0042】
図6は、いくつかのさらなる例示的な実施形態による、直立可能な障壁の正面斜視図を概略的に示す。図6に示される直立可能な障壁302は、図5に示される直立可能な障壁302と本質的に同様であるが、少なくとも1つの車輪700および少なくとも1つの昇降式車輪800、ピボット810およびシャフト820を備えないことを除く。
【0043】
図7a~図7bは、動作状態起立位置および支持位置にある、直立可能な障壁の基礎ユニットの追加の例示的な実施形態の正面斜視図をそれぞれ概略的に示す。一実施形態によれば、基礎ユニット100の基部102は、基部102と基部102が立つ地面との間の摩擦を増加させるように構成される摩擦要素152を含み得、そのような基礎ユニット100を備える障壁302の、移動する車両をブロックする能力を高めるようにしてもよい。摩擦要素152は、地面との摩擦を増加させる、当技術分野で既知の任意の形状を有していてもよく、例えば、摩擦要素152は、基部102から地面に向かって延びる歯の形状を有していてもよい。図7a~図7bに示される実施形態によれば、摩擦要素152は、前部停止要素150上に位置付けられる。
【0044】
図8は、直立可能な障壁のさらなる例示的な実施形態の正面斜視図を概略的に示す。図8に示される直立可能な障壁300は、図5に示される直立可能な障壁300に類似するが、図5に示される直立可能な障壁300が、各2つの基礎ユニット100間に線形前部接続ロッド306を備えることを除き、一方で図8に示される直立可能な障壁は、各2つの基礎ユニット100間にXの形状を形成する2つの前部接続ロッド306を備える。実験により、各2つの基礎ユニット100間にXの形状を形成する2つの正面接続ロッド306を備える直立可能な障壁300は、直立可能な障壁300が各2つの基礎ユニット100間に線形前部接続ロッド306を備える移動中の車を停止する際、より安定し、より耐久性が高いことが分かった。
【0045】
図9は、いくつかの追加の例示的な実施形態による、直立可能な障壁の正面斜視図を概略的に示す。図9に示される直立可能な障壁302は、少なくとも1つの車輪700および少なくとも1つの昇降式車輪800、ピボット810およびシャフト820を備えないことを除いて、図8に示される直立可能な障壁302と本質的に同様である。
【0046】
本主題の直立可能な障壁300は、当技術分野で既知の任意のサイズを有することができ、したがって、自家用車からトラックまで、当技術分野で既知の移動車両の任意のエネルギレベルを吸収するように構成されることに留意されたい。例えば、図3a~図3cに示される直立可能な障壁300は、図5図6図8および図9に示される直立可能な障壁300よりも小さい。本発明者によって行われた実験において、図5図6図8、および図9に示される直立可能な障壁300は、実質的に670キロジュール(KJ)のエネルギレベル、またはより具体的には、実質的に667KJのエネルギレベルを吸収できることが分かった。これは、直立可能な障壁300を超えることを試みるトラックに典型的である。
【0047】
明確にするために、別個の実施形態の文脈で説明された、主題のある特性が、単一の実施形態において、組み合わせで提供され得ることが理解される。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で説明される主題の様々な特性は、別個にまたは任意の好適な組み合わせでも提供され得る。
【0048】
本主題がその特定の実施形態に関連して説明されたが、多くの代替、修正、および変形が当業者には明らかになることは明確である。したがって、添付の特許請求の範囲の趣旨および広い範囲内にあるそのようなすべての代替、修正、および変形を包含することが意図されている。

図1a
図1b
図2a
図2b
図3a
図3b
図3c
図4a
図4b
図5
図6
図7a
図7b
図8
図9