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特許7227659ヘルスケア及びバイオテクノロジーのためのナノ多孔質陽極酸化アルミニウムメンブレン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-14
(45)【発行日】2023-02-22
(54)【発明の名称】ヘルスケア及びバイオテクノロジーのためのナノ多孔質陽極酸化アルミニウムメンブレン
(51)【国際特許分類】
   C25D 11/04 20060101AFI20230215BHJP
   C25D 11/18 20060101ALI20230215BHJP
   C25F 3/20 20060101ALI20230215BHJP
【FI】
C25D11/04 312
C25D11/04 303
C25D11/18 Z
C25F3/20
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021574935
(86)(22)【出願日】2020-06-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-30
(86)【国際出願番号】 US2020037684
(87)【国際公開番号】W WO2020257092
(87)【国際公開日】2020-12-24
【審査請求日】2022-02-21
(31)【優先権主張番号】16/442,608
(32)【優先日】2019-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521548179
【氏名又は名称】ナノペック, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブランコ マリオ
【審査官】酒井 英夫
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/029881(WO,A1)
【文献】特開2016-064374(JP,A)
【文献】特開昭49-034906(JP,A)
【文献】特開昭60-177198(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C25D 11/04-11/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナノ構造酸化アルミニウムフィルムを製造する方法であって、
脱脂溶液を使用してアルミニウムプレートを脱脂すること、
脱脂した後、細胞毒性化学物質を含まない電解研磨溶液で前記アルミニウムプレートを電解研磨すること、
電解研磨した後、5分~20分の第1の所定の時間、陽極酸化酸溶液に前記アルミニウムプレートを浸漬して前記アルミニウムプレート上に保護フィルムを形成するために、前記アルミニウムプレートを予備陽極酸化し、次いで前記アルミニウムプレート持ち上げて部分的に陽極酸化酸溶液から出し、保護フィルムを有する前記アルミニウムプレートの第一の部分が露出され、前記アルミニウムプレートの第二の部分が陽極酸化酸溶液に浸漬されたままであるようにすること、
予備陽極酸化した後、前記アルミニウムプレートの第二の部分を、第1の所定の時間よりも長い第2の所定の時間、前記陽極酸化酸溶液で陽極酸化して、前記アルミニウムプレートの第二の部分上に陽極酸化メンブレンを形成すること、
細胞毒性化学物質を使用せずに前記陽極酸化メンブレンを前記アルミニウムプレートから分離し、前記陽極酸化メンブレンが前記アルミニウムプレートから分離され、前記アルミニウムプレートの第一の部分がインタクトなままであるようにすること、及び
前記陽極酸化メンブレンを洗浄すること、
を含
前記細胞毒性化学物質は、重金属、臭化物(Br )、過塩素酸、及びエチレングリコールから選択される、
方法。
【請求項2】
前記ナノ構造の酸化アルミニウムフィルムが1ppm未満の重金属を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記アルミニウムプレートを電解研磨することが、過塩素酸及びクロム酸を含まないリン酸浴に前記アルミニウムプレートを浸すことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記リン酸浴が、30重量パーセント~95重量パーセントのリン酸、及び任意に、5重量パーセント~70重量パーセントのポリエチレングリコールを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記アルミニウムプレートをリン酸浴に浸すことが、15ボルト~100ボルトの電圧、30℃~50℃の温度、及び30mA/cm~160mA/cmの電流密度で行われる、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記アルミニウムプレートを陽極酸化することが、前記アルミニウムプレートを第2の陽極酸化酸に最大24時間浸漬することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記陽極酸化メンブレンを前記アルミニウムプレートから分離することが、可溶性メンブレン分離を実施することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記可溶性メンブレン分離を実施することが、クロム酸を含まない、6重量パーセントのリン酸溶液に前記アルミニウムプレートを浸漬することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記陽極酸化メンブレンを前記アルミニウムプレートから分離することが、陰極メンブレン剥離を実施することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
陰極メンブレン剥離を実施することが、前記アルミニウムプレートを硝酸に浸漬することと、前記アルミニウムプレートを電圧源の負端子に接続することと、前記陽極酸化メンブレンが前記アルミニウムプレートから分離可能になるまで直流パルス列を印加することとを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記陽極酸化メンブレンを洗浄することが、前記陽極酸化メンブレンをリン酸溶液に沈めることと、沈めながら前記陽極酸化メンブレンを超音波処理することとを含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成ナノ構造陽極酸化アルミニウム(AAO)セラミックメンブレン、より詳しくは、ヘルスケア及びバイオテクノロジーの用途に適したナノ多孔質酸化アルミニウムメンブレン(AOM)及びフィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
電気化学的陽極酸化を使用して酸化アルミニウムフィルムを製造するプロセスは、1974年にボーイング社のAlan W. Smithによる特許に最初に登場した。この方法は、酸性溶液(典型的にはシュウ酸、硫酸、リン酸等)が電解質として使用される電気化学セルの陽極としてアルミニウムを使用する。ほとんどの条件下で、アモルファス酸化物層が生成される。Masuda及びFukudaは1995年に、特定の酸濃度、温度及びバイアス電圧の場合に、最初の陽極酸化で時間の経過と共に規則正しい細孔を生成することができるという観察に基づいて、規則正しい(六方最密充填構造)多孔質酸化アルミニウムを生成する2段階陽極酸化法を開発した。
【0003】
ナノ構造の酸化アルミニウムフィルムの合成における最近の進歩により、陽極酸化アルミニウムのフィルム(閉細孔)及びメンブレン(貫通細孔)の形態、並びに物理的及び化学的特性を正確に制御することが可能になった。これらの合成ナノ構造材料は、生物学的分子の分類、検知、単離及び放出を含む重要な生物学的及び医学的な用途を持っており、ヘルスケア及びバイオテクノロジーの用途にとってますます魅力的なものになっている。いくつかの適用例を以下に簡単に説明する。
【0004】
まず、自然濾過システムを模倣するように設計されたナノ多孔質システムは、限外濾過、スマート埋め込み型薬物送達システム、人工臓器、及びその他の新規ナノ対応医療機器で使用するために積極的に開発されている。例えば、汚染に関連するFDAによるリコール、患者への危害、訴訟、及びブランドの評判の低下を回避する手段としての限外濾過には、規則正しく均一に分布したナノポアを備える改良された濾過膜が必要である。これらの欠陥のない、規則正しいナノ多孔質メンブレンをフィルター滅菌に使用して、標準的なセルロース及びポリマーベースの市販のマイクロフィルターを0.2ミクロンのランダムな細孔に置き換え、細菌、ウイルス及び微粒子等の汚染物質が患者に送達される最終的な薬物に存在しないようにすることができる。
【0005】
第二に、容易に製造することができる合成細胞培養基材が、増殖速度及び細胞生存率を改善するために求められている。特に、これらのナノ多孔質メンブレンは、大型の懸濁バイオリアクターが提供するのと同じくらい多くの酸素及び栄養素のアクセスを細胞表面全体に提供するが、インペラー又はスパージャーの撹拌によって引き起こされる剪断力の破壊作用を伴わずに、細胞足場として使用することができる。
【0006】
第三に、組織工学は、重度及び慢性疾患の比類のない治癒モダリティを約束する。組織の生成時間を短縮するために、例えば数ヵ月から数週間に増殖及び分化の速度を上げることができれば、数え切れないほどの命を救うことができる。したがって、これらの合成基材は、ガラスウェルよりも望ましい天然の細胞外材料(ECM)抽出物によって提供されるものを超えて、細胞の生存率及び分化を改善する組織工学に優れていることが示されている。生細胞を固定するための足場は、ナノ多孔質陽極酸化アルミニウムを使用して研究されており、細胞の拡散、形態、及び遊走が糸状仮足の認識及び変換によって調節されることを示す。これらの知見は、糸状仮足が微小環境を検出するためのアンテナとして作用するだけでなく、細胞運動を指示するための葉状仮足の伸展を導く骨格としても働くことを実証した。したがって、ナノ構造フィルムは、表面トポグラフィーへの細胞応答における重要な役割として糸状仮足の認識及び葉状仮足への変換を伴って、加速された葉状仮足形成及び細胞拡散による細胞の接着及び増殖を促進する。
【0007】
ナノ多孔質酸化アルミニウム材料の製造のために実施された広範な研究にもかかわらず、健康及びバイオテクノロジー用途に適した高純度ナノ多孔質材料の合成は依然として課題である。ナノ構造のセラミックフィルム及びメンブレンは、これらの前述の生物科学の全ての分野、特にナノ多孔質陽極酸化アルミニウムでの用途が見出されている。アルミナ(Al)自体は本質的に低毒性の材料である。100μg/mL未満の濃度では、神経幹細胞に対する重大な毒性は観察されない。そのため、酸化アルミニウムフィルムはヒトのインプラントに使用されてきた。しかしながら、前述する従来の製造方法では、細胞毒性の高い不純物(重金属等)を残す化学物質又は環境に有害な化学物質を中間及び最終の製造工程で利用する。これらの化学物質としては、クロムVI(Cr+)、塩化水銀(II)(Hg,Cl)、塩化銅(CuCl)、臭化物(Br)、過塩素酸(HClO)、エチレングリコール(不凍液)の1つ以上が挙げられる。それらを使用すると、結果として得られる製品は健康及びバイオテクノロジーの用途には不適切になる。時間の経過と共に、これらの化学物質からの残留物は、完成した多孔質フィルム又はメンブレンから環境に漏れ出し、細胞培養物及び組織に害を及ぼし、生物製剤の生産、患者に存在するか、又は創薬の結果を強く妨げる可能性がある。さらに、クロムVI等の金属イオン種は、ヘルスケア業界で採用されている有用な蛍光バイオアッセイを妨げる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、当該技術分野では、細胞毒性化学物質を必要としないナノ構造酸化アルミニウムフィルムを製造するためのアプローチが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、全てのエッチング工程を排除し、有毒な化学物質を環境に優しい代替物に置き換えることにより、高純度で生体適合性のあるナノ構造セラミックフィルム及びメンブレンの製造を可能にする。本発明は、より安全な作業環境を作り出し、輸送、取り扱い、及び廃棄に費用がかかる材料を排除することによってコストを大幅に削減する。本発明はまた、従来の生産方法よりも少ない工程を使用して、ランダムな、規則正しい、閉細孔又は開細孔を有する高純度ナノ構造酸化アルミニウムセラミックフィルムを生産するための体系的な一連の工程を提供する。全体として、本発明は、高スループット、より低い製造コスト、及び望ましくない細胞毒性不純物の排除を伴う、健康及びバイオテクノロジー用途に適した高品質の最終製品を提供する。
【0010】
より具体的には、本発明は、ナノ構造酸化アルミニウムフィルムを製造する方法であって、脱脂溶液を使用してアルミニウムプレートを脱脂する工程と、脱脂した後、過塩素酸及びクロム酸を含まない電解研磨溶液でアルミニウムプレートを電解研磨する工程と、電解研磨した後、第1の所定の時間、陽極酸化酸溶液でアルミニウムプレートを予備陽極酸化する工程と、電解研磨した後、第2の所定の時間、陽極酸化酸溶液でアルミニウムプレートを陽極酸化して、アルミニウムプレート上に陽極酸化メンブレンを形成する工程と、陽極酸化メンブレンをアルミニウムプレートから分離する工程と、陽極酸化メンブレンを洗浄する工程とを含む、方法を含む。アルミニウムプレートを脱脂する工程は、アルミニウムプレートをエタノールに浸漬することを含み得る。アルミニウムプレートを電解研磨する工程は、アルミニウムプレートをリン酸浴に浸すことを含み得る。リン酸浴は、約30パーセント~約95パーセントのリン酸、及び任意に約5パーセント~約70パーセントのポリエチレングリコールを含み得る。アルミニウムプレートをリン酸浴に浸す工程は、約15ボルト~100ボルトの電圧で、約30℃~約55℃の温度で、約30mA/cm~約160mA/cmの電流密度で行われる。アルミニウムプレートを予備陽極酸化する工程は、アルミニウムプレートを陽極酸化酸に5分~10分間浸漬することを含み得る。アルミニウムプレートを陽極酸化する工程は、アルミニウムプレートを陽極酸化酸に最大24時間浸漬することを含み得る。陽極酸化メンブレンをアルミニウムプレートから分離する工程は、可溶性メンブレン分離を実施する工程を含み得る。可溶性メンブレン分離を実施する工程は、陽極酸化アルミニウムプレートを硫酸に浸漬することを含み得る。陽極酸化メンブレンをアルミニウムプレートから分離する工程は、陰極メンブレン剥離を実施する工程を含み得る。陰極メンブレン剥離を実施する工程は、アルミニウムプレートを希硝酸に浸漬することと、アルミニウムプレートを電圧源の負端子に接続することと、陽極酸化メンブレンがアルミニウムプレートから分離可能になるまで直流パルス列を印加することとを含み得る。陽極酸化メンブレンを洗浄する工程は、陽極酸化メンブレンをリン酸溶液に沈めることと、沈めながら陽極酸化メンブレンを超音波処理することとを含み得る。
【0011】
本発明は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を読むことによって、より完全に理解され、認識される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】両面アルミニウムプレートを用いて高純度のナノ構造酸化アルミニウムメンブレンを製造する方法の概略図である。
図2】初期の高純度(99.999%)アルミニウムプレートの周期的陽極酸化によって得られた10個のメンブレンを示す一連の画像である。
図3】磁気撹拌により低温(0℃~6℃)で実施した、従来の電解液(99.7%エタノール中の72%過塩素酸の1:3(体積/体積)の溶液)中での120mm×100mm×0.5mm(P1~P4)の寸法の一連の4つの連続して電解研磨されたプレートについての20Vの外部からの一定の印加電圧に対する電流応答のグラフである。
図4】85%のテクニカルグレードのリン酸のみを使用する本発明による電解研磨に対する電流応答のグラフである。
図5】それぞれが110mm×100mm×0.5mmの有効陽極酸化面積を有する6つのプレート上で同時に実施された予備陽極酸化に対する電流応答のグラフである。
図6】有効陽極酸化面積が100mm×100mm×0.5mmである、それぞれ6枚のプレートの4つの別々のシリーズについての10時間の陽極酸化に対する電流応答のグラフである。
図7】硫酸等の高濃度の二塩基酸中の40Vで20分~25分間の陽極酸化に対する電流応答のグラフであり、これは、陽極酸化が、開細孔フィルムを生成するためのバリア酸化物層と同時に溶解され得る可溶性メンブレンを形成するのに十分であることを実証する。
図8】室温の弱酸性電解質中での陰極剥離に対する電流応答のグラフであり、これは、閉細孔フィルムを作製する方法を確立する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図を参照する際には同様の符号は全体を通して同様の部分を指し、図1には、細胞毒性化学物質を使用せずに高純度のナノ構造酸化アルミニウムフィルムを製造するアプローチが見られる。本出願において、フィルムは、閉細孔、すなわちフィルムを完全には貫通しない細孔を有する構造を指すために使用され、一方、メンブレンは、開細孔、すなわちフィルムを貫通する細孔を有するフィルムを指すために使用される。結果として、フィルムという用語はメンブレンという用語を包含する。細胞毒性という用語は、アポトーシス、溶解、壊死を誘発する化学物質、又は細胞の生存率及び増殖に大きな影響を与える化学物質等の生体細胞に毒性のある化学物質を指すために従来の方法で使用される。本出願に関して、高純度ナノ構造酸化アルミニウムフィルムの製造に使用される従来の細胞毒性化学物質としては、クロム、最も具体的には六価クロム、並びに水銀及び過塩素酸塩等の化学物質が挙げられる。
【0014】
図1に見られるように、未研磨のアルミニウムプレート1を電解研磨して(2)、過塩素酸及び有機溶媒を使用せずに滑らかな鏡のような表面3を生成する。研磨されたプレートは、第1の陽極酸化4を受けて、上部に無秩序な細孔(図示せず)を作り出すが、酸化アルミニウム層5の下部に規則正しい細孔アレイを作り出す。金属プレートは、第2の陽極酸化中及びそれを超えてナノポアの開始部位として作用する、非常に規則正しい周期的な窪みを備える(6)。この陽極酸化層とそれに続く陽極酸化層は、2つの方法のいずれかによってアルミニウムプレートから脱離される。第1の方法では、濃酸に可溶性の犠牲メンブレンを成長させ(7)、クロムを使用せずに穏やかな条件下で溶解し(8)、プレート9上に規則正しい窪みを維持する脱離された開細孔メンブレン10を生成する。アルミニウムプレートの厚さが生産される酸化物層のオーダーになるまで、陽極酸化プロセスを繰り返して他の規則正しいメンブレンを生成する。第2の方法では、陰極剥離11は、外部から印加される逆バイアス電圧によって実施され、これにより酸化物層をアルミニウムプレートから分離して閉細孔フィルム12を生成する。保存された窪み14を有する得られたプレートを再び陽極酸化することができ、このプロセスを繰り返して、閉(close)細孔フィルムのハイスループット製造を可能にする。
【0015】
したがって、本発明によれば、ナノ構造の酸化アルミニウムフィルムは、このようにしてクロム等の重金属を含む細胞毒素を含まない溶液を使用して製造することができる。実際、本発明に従って生産されたメンブレンは、製造プロセスの副作用としてではなく、アルミニウムに固有の不純物のために、1ppmよりも著しく少ない重金属を含む。細胞バイオリアクター及び細胞培養物(細胞療法及び組織工学等)を使用してバイオ医薬品及びヘルスケア製品を作製する生物製剤の生産に本発明を用いることができることから、クロムVI、水銀II及び過塩素酸塩のような環境に有害な化学物質及び発癌物質を含む細胞毒素の回避は最も重要である。
【0016】
より具体的には、本発明の第1の工程は、以下の表1に記載されるような脱脂溶液を使用して、高純度(99.99%超)アルミニウムプレートを脱脂することを含む。
【0017】
【表1】
【0018】
脱脂は、電解研磨の前にアルミニウムプレートの表面を洗浄するために使用される一般的な用語であるが、存在する汚染物質はグリースだけではない。多くの場合、高品質のアルミニウムプレートは、手で取り除くことができる、引っかき傷保護のための保護ビニールフィルムの薄いプラスチック層を備えて出荷される。残留プラスチック、グリース、有機物、又は接着剤は、電解研磨の前に除去する必要がある。エタノールに15分間浸漬した後、脱イオン水中1%~2%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)洗浄剤を使用して5分~15分間超音波洗浄する。3分間、又はウォータービーディングが停止するまでの超純水リンスで脱脂プロセスが完了する。有害な影響を与える「遊離」水が電解研磨溶液に導入されないように、プレートを清浄な圧縮空気で完全に乾燥させなくてはならない。
【0019】
次の工程は、以下の表2に記載されるような電解研磨溶液でプレートを電解研磨することを含む。
【0020】
【表2】
【0021】
製造中のドローイング(drawing)、スタンピング、及び同様の操作でのアルミニウム金属の延伸は、ミクロン単位の深さの表面マーキングにつながり、これは大きすぎて、良好なナノ構造のメンブレンを作製することができない。電解研磨はこれらの欠陥を軽減し、滑らかな鏡のような表面(ほとんどの場合、サブミクロンの欠陥)を残すことができる。環境及び性能の問題を引き起こす過塩素酸を使用する従来のアプローチとは異なり、本発明は、好ましくは約30パーセント~約95パーセントのリン酸及び約5パーセント~約70パーセントのポリエチレングリコールの入ったリン酸浴を用いる。必要に応じて、少量、一般に約0.05パーセント~約2パーセントの湿潤剤を浴に加えることができる。浴は、約30mA/cm~約160mA/cmの電流密度、65℃~約95℃、約15ボルト~100ボルト範囲の電圧で操作することができる。浴は、電気めっきされている部分の上に泡状のフィルムを形成し、それがいくらかの「フロスティング」につながる。
【0022】
85%濃リン酸のみを使用して、陽極又はその付近での気泡の発生を軽減するため、より穏やかな条件及び電解研磨セル構造を見出だすための研究を行った。高純度(99.999%)の100mm×120mmアルミニウムプレートを、本明細書に記載の全ての実験作業に利用した。ガラスブロックビーカーに、受け取ったままの状態で使用される1800mlのテクニカルグレードの85%リン酸を充填した。これは、ビーカーを空気界面ラインまで満たすのに十分であり、プレートを110mmまで沈めるのに十分であった。白金電極の代わりに両側の同時で対称的な電解研磨を可能にするため、作業プレートと純度及びサイズが同じである2つの電気的に結合されたアルミニウム対電極を使用する。対電極は導電率を維持し、複数回(20回超)の使用で電解研磨溶液にいかなる汚染物質も与えることはなかった。カウンタープレートを互いに平行に配置し、ブロックビーカー内で6cm離した。この距離は、電解研磨中に対電極で生成された気泡が作用電極に到達するのを防ぐのに十分である。高粘度テクニカルグレードのリン酸は、気泡が浮上する前に水平方向に大きく移動するのを防ぐのに十分である。したがって、以前の発明のように作用電極を保護するために特別なセパレータ又は振動撹拌プレートを使用する必要はない。作用電極では気体の発生は見られない。作業プレートはそれらの間の正中線にあり、電解研磨されたセルを操作し、室温でドリフトさせる。
【0023】
電解研磨は、ワニ口クリップ付きの一本鎖銅線(14ゲージ)で電極に接続されたDC電源で行われる。セルを磁気撹拌する。以下の標準的な操作手順を、様々な試験の後に決定した。設定電圧は30V、制限電流は60mA/cmである。最適な初期温度は30℃で、最初の電解研磨プレートの後、およそ35℃にする。最大5枚のプレートを連続して電解研磨することができ、良好な結果が得られる。溶液の最終温度は50℃に達する。より高い温度は、電解研磨の品質に悪影響を及ぼす。冷却後、同じ溶液を、20回を超えて目立った影響なしに利用できる。電解研磨プレートにピッチングやフロスティングはない。
【0024】
電解研磨された表面の品質は、フォントサイズを小さくした11行のテキストを含むスネレン視力表を使用して測定される。プレートと同様のサイズのスネレン視力表を反転印刷し、研磨面に対して45度に配置する。最後に読み取れる行番号は、電解研磨中に得られる鏡のような表面の品質を示す。通常、10を超える値が取得される。ピッチング又はフロスティングは観察されない。プレートの空気/溶液界面は処理によって損傷を受けていないように見えるため、激しい酸化を避けるためにシリコーングリース又はフローティングオイルを追加する必要はない。図5は、連続的に研磨された一連の最大4枚のプレートの電流対時間応答を示す。プレートからプレートへの最終電解研磨電流のわずかな増加に注意されたい。電圧を維持しながら電流を下げることができる。電解研磨時間は2分~5分の間で変動する。
【0025】
電解研磨後、次いで、プレートを表3に記載されるような陽極酸化溶液中で、第1の所定期間にわたり予備陽極酸化する。
【0026】
【表3】
【0027】
アルミニウムプレートの陽極酸化中に、不均一な電流密度と溶液/空気界面での局所的な燃焼が原因で腐食の問題が発生するのが一般的である。酸素の存在は、腐食点での箔及びプレートの不規則な陽極酸化につながり、これは、サイズが1mmのオーダーかもしれないが、10mA~30mAを超える電流変動を引き起こすのに十分である。陽極酸化浴の表面にあるシリコーンベースのオイルは、界面での高酸化を防ぎ、溶液/空気界面をシリコーン/空気界面に置き換えることによって陽極酸化酸溶液を枯渇させることができる。ただし、これはシリコーンによる溶液の汚染につながる。非常に短時間の陽極酸化である予備陽極酸化は、メンブレンの成長をアルミ箔の片側だけに制限するポリマーフィルムの付着を促進するために使用される。メンブレンの成長を制限することで、アルミニウム基材からAAOの除去が容易になる。予備陽極酸化は腐食に対する保護層を生成することができる。本発明では、120mm×100mmのプレートを、110mmのマークまで陽極酸化溶液Bに浸漬し、10分~20分間陽極酸化する。続いて、プレートを10cmのマークまで持ち上げ、耐食性のある10mmの陽極酸化面をプレートに残す。プレートを電源に接続し、その後の可溶性メンブレン脱離ラインの生成のため、予備陽極酸化ラインの上に陽極酸化するための十分なスペースを残すように追加の10mmバンドを使用する。
【0028】
電解研磨後、次いで、プレートを、第1の所定の期間よりも長い第2の所定の期間、表3のような陽極酸化溶液中で陽極酸化する。陽極酸化は、電気化学セルの陽極又は「作用電極」としてのアルミニウム金属を酸化アルミニウムに変換するプロセスである。対電極である不活性金属(Pt)又は炭素陰極を使用して、電解質に特定の電圧を印加する。最も一般的な電解質は、消費された電気活性酸性種としてヒドロニウムイオン(H)を与える酸であり、これは酸化物層を作製するための主要なイオン電流を提供する。流体層をメンブレンの成長に利用できるように保つには、酸性環境が必要である。電流の約30%が溶解種を生成し、電流の70%が固体酸化物を生成する。外部印加電位をオフにすると、電流が止まり、溶解種が凝固して、アルミニウム表面にバリア層を形成する。このプロセスは、成長末端の細孔を閉じる。正しい条件下で、アルミニウム金属の酸化は、六方最密充填構造の規則正しい細孔をもたらす。細孔が金属の表面に密集すると、セルのパターン形成は、陽極表面近くの界面張力勾配ではなく、電気流体力学的(EHD)対流プロセスから生じることが示唆されている(マランゴニ型不安定性)。典型的には、第1の陽極酸化層は、メンブレンの下部にある規則正しい細孔の配列のみである。このメンブレンは、以下に概説する2つの方法のいずれかによって脱離される。脱離は、その後の陽極酸化によって規則正しいメンブレンが生成されるように、アルミニウム金属上の窪みが保護される方法で行う必要がある。
【0029】
陽極酸化後、陽極酸化メンブレンは、本明細書でより詳細に説明するように、代替アプローチの1つ、すなわち、可溶性メンブレン分離又は陰極メンブレン剥離を使用して、アルミニウムの表面から分離される。
【0030】
可溶性メンブレンの分離では、12M硫酸等の高濃度の二塩基酸を陽極酸化に使用すると、十分な共役塩基アニオンを陽極成長フィルムに組み込んで、弱酸性水溶液に可溶な硫酸塩に富む酸化物メンブレンを作製することができる。貫通孔(Through-hole)メンブレンは、最初に弱酸で陽極酸化し、続いて濃二塩基酸で2回目の陽極酸化をすることによって得ることができる。第2のメンブレンは可溶性であるため、この二重陽極酸化メンブレンを適切なエッチング溶液に浸漬すると、第1のメンブレンはアルミニウム基材から脱離される。例えば、表3に列挙されるような標準的な酸陽極酸化と、それに続く濃硫酸等の強二塩基酸での陽極酸化を使用すると、第1の陽極酸化酸の貫通細孔メンブレンが得られる。これがMasuda犠牲層陽極酸化プロセス(Masuda sacrificial layer anodization process)の基礎となる。従来のアプローチではクロム酸塩が必要であり、その結果、労働安全衛生管理局(OSHA)及び保健福祉省(HHS)によって発癌性があると見なされ、欧州共同体(EC)によって10の制限物質の1つとしてリストされている六価クロムが生じる。肺、鼻、及び副鼻腔の癌を発症するリスクは、吸入される六価クロムの量及び労働者が曝露される時間の長さと共に増加する。本発明によれば、規則正しいメンブレンは、クロム酸塩を使用せずに6%(重量/重量)リン酸を単独で使用する、より穏やかな20℃~25℃の温度下で比較的短時間(20分~40分)にわたって可溶性メンブレンを溶解することで、続く陽極酸化にて得ることができる。したがって、アルミニウムのナノインデンテーション(nano-indentations)は十分に深く保存されており、これらの条件下で2回目以降の陽極酸化後に規則正しいメンブレンが生成される。したがって、クロム酸塩の使用は、より低い温度及びより短い溶解時間を使用することにより、その全ての形態で排除される。同様に、アルミニウムプレートに残っている任意のバリア層は、脱イオン水中の6%リン酸に浸漬した後、プレートを軽くこすることで簡単に取り除くことができる。
【0031】
陰極メンブレン剥離の場合、可溶性の犠牲メンブレンを生成する又はエッチング溶液を使用する必要なしに、外部から印加された逆バイアス電圧によってメンブレンがアルミニウムプレートから脱離される。陽極酸化プレートは陰極として使用されるため、この方法は陰極剥離とも称される。陰極の水素気泡は、金属と酸化アルミニウム層との間に十分な圧力を発生させ、剥離を引き起こす。アルミニウム及びアルミナはどちらも硝酸中で安定しているため、適切な条件下で、どちらも溶解することなく、アルミニウムインデンテーション及び陽極酸化メンブレンの厚さを維持することができる。硝酸は、陽極酸化プレートで水素気泡を生成するためのヒドロニウムイオンの供給源として機能する。陽極酸化プレートを0.1M硝酸に浸漬し、30Vの逆バイアス電圧を少なくとも90秒間印加する。ポップ音又はクラッキング音は、陰極剥離を知らせるものであり、その後、電流は限界値まで跳ね上がる。この突然の剥離プロセスの欠点の1つは、主に限られたサイズ(50mm×50mm)の厚い(85ミクロン超)メンブレンで作用することである。より薄い又はより大きなメンブレンは、亀裂又は不完全な脱離につながる。これは、大きな表面全体に単一の剥離事象を作り出すことが難しいという事実によるものである。酸化アルミニウムの一部が剥離すると、プレートの剥離部分で電流が大幅に増加するが、まだ付着しているメンブレンの幾つかの部分は、脱離するのに十分な水素を産生することができない。したがって、本発明において、剥離することができるメンブレンのサイズ及び厚さを最適化するための陰極剥離法が更に開発される。薄い(80ミクロン未満)酸化物層の場合、メンブレンの亀裂につながる可能性がある過度の圧力上昇を回避することが重要である。以下に説明する方法を使用すると、100mm×100mmの大きさで、50ミクロンの薄さのフィルムを剥離することができる。
【0032】
50ミクロン~100ミクロンの酸化物層を備えた100mm×100mm陽極酸化プレートの許容可能な陰極剥離プロセスは、プレートを室温で0.2M硝酸に浸漬し、次いでプレートをマイナス端子に接続することから始まる。電圧をVに設定し、120秒間維持する。次いで、電圧を1秒でVからVに上げ、電圧をVに1秒間維持してから、電圧をVに下げることにより、DCパルス列を印加する。このプロセスを、電流が大きな制限電流密度、すなわち75mA/cm以上に急上昇するまで、30回~50回繰り返す。次いで、プレートを脱イオン水で1分間洗う。その後、酸化物層を超純水の下で持ち上げて、プレートから完全に分離することができる。酸化物層を持ち上げる試みが失敗した場合、プレートを再び0.2M硝酸に浸漬し、電流を以前に到達した電流密度の半分(およそ37.5mA/cm)に設定して、水素を10分~30分間、又は酸化物層を分離するために必要な限りバブリングし続けることができる。厚さ50ミクロン~80ミクロンの範囲のフィルム/メンブレンの場合、V=20V及びV=28Vである。厚さ80ミクロン~100ミクロンの範囲のフィルム/メンブレンの場合、V=24V及びV=30Vである。生産される酸化物層は閉細孔である。細孔を、室温で最大10分間、14%リン酸でエッチング及び細孔拡大することによって開くことができる。
【0033】
上記のアプローチの1つによってメンブレンを分離した後、プレートを洗浄液で洗浄し、生産されたメンブレンを風乾する。複数のメンブレンを超音波処理装置に沈めて保持するためにホルダーを使用してもよい。ホルダーによって、機械的損傷を避けるためにメンブレンが離される。表面を洗浄し、細孔をわずかに拡大するために、6%(重量/重量)のリン酸溶液を40kHzの超音波処理装置内で5分~15分間使用することができる。次いで、メンブレンを十分な脱イオン水ですすぎ、室温で乾燥させてもよい。
【0034】
プレートの厚さが脱離した陽極酸化された酸化物層の厚さと同程度になるまで、洗浄工程による陽極酸化を繰り返すことができる。使用するアルミニウムプレートの厚さ、及び生産されるメンブレンの厚さに応じて、上記の手順を複数回繰り返すことができる。概算法は、
【数1】
であり、Nは厚さTのプレートから生産され得る厚さtの規則正しいメンブレンの数である。一般的な値は、T=0.5mm~2.5mm、t=25μm~100μmである。まず、陽極酸化メンブレンは、アルミニウムプレートに近い側の下部でのみ規則正しい。これらの部分的に規則正しい最初の陽極酸化メンブレンは依然として有用であるが、細孔癒合(pore coalescing)等の欠陥が含まれている可能性がある。2回目以降の陽極酸化は、アルミニウムの粒界内に局所の規則正しい六方最密充填構造を示す。陽極酸化数が増加すると、細孔ドメインのオーダーが最初のアルミニウム粒界を超えて増加することが観察される。したがって、第5の陽極酸化メンブレンは、第1の陽極酸化の下側の2倍の規則正しいドメインのサイズを有する。これを以下の表4に示し、この表には、厚さ0.5mmの99.999%アルミニウムプレートの連続的な陽極酸化の平均ドメインサイズが列挙されている。陽極酸化時間は、0.3Mシュウ酸、平均温度15℃、平均膜厚50ミクロンで10時間~12時間である。
【0035】
【表4】
【0036】
本発明によって生成される任意の液体廃棄物は、水酸化ナトリウムを使用する標準的な酸塩基中和によって安全に廃棄することができる。例えば、シュウ酸を中和すると、陽極酸化を繰り返した後、シュウ酸ナトリウム塩及び微量の酸化アルミニウムを含む透明な溶液がもたらされる。この溶液は中性pHで安全に廃棄することができる。シュウ酸ナトリウム塩は、溶液を蒸発させることによっても回収することができる。シュウ酸ナトリウムは、キレート剤としての用途が見出される動物代謝の天然起源の生成物である。
【0037】
脱離溶液を水酸化ナトリウムで中和することもできる。脱離溶液を中和すると、沈殿した白色の固体副生成物であるおよそ6%の水和リン酸二水素アルミニウムAl(HPO・HO、リン酸アルミニウムナトリウム及び硫酸ナトリウムの塩混合物がもたらされる。塩の混合物は無毒であり、多くの加工食品の安定剤として一般的に使用されている。可溶性メンブレンの作製に使用される濃硫酸は、水酸化カリウムで中和され、成長促進剤(fertilizer)である硫酸カリウムKSOを生成する。
【0038】
本発明による酸化アルミニウム閉細孔フィルム及び開貫通細孔メンブレンの用途は、細胞毒性化合物が存在しないため、ヘルスケア及びバイオテクノロジーの用途に特に有用である。例えば、本発明によるメンブレンは、限定されるものではないが、限外濾過、フィルター滅菌、細胞培養、組織工学、細胞選別、DNA/RNA単離及び配列決定、バイオセンシング、創薬、及び免疫単離等の用途に使用することができる。
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