(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-14
(45)【発行日】2023-02-22
(54)【発明の名称】袋ロールホルダ
(51)【国際特許分類】
B65B 67/04 20060101AFI20230215BHJP
B65D 83/08 20060101ALI20230215BHJP
【FI】
B65B67/04
B65D83/08 G
(21)【出願番号】P 2022152097
(22)【出願日】2022-09-26
【審査請求日】2022-10-03
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521066318
【氏名又は名称】飯島 俊朗
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】弁理士法人湘洋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】飯島 俊朗
【審査官】▲高▼辻 将人
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-222377(JP,A)
【文献】実開昭62-006240(JP,U)
【文献】登録実用新案第3226447(JP,U)
【文献】実開平05-068808(JP,U)
【文献】特開2007-182254(JP,A)
【文献】特開2016-088616(JP,A)
【文献】登録実用新案第3212696(JP,U)
【文献】実開昭62-161635(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B67/00-67/12
B65D83/00
B65D83/08-83/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋シートがロール状に巻かれた袋ロールを保持する袋ロールホルダであって、
前記袋ロールの回転軸となる主回転軸と、
前記主回転軸と対向して配置された支持部材
としての副回転軸と、
前記主回転軸の回転を伝達して前記副回転軸を回転させる伝達機構と、
前記支持部材に設けられた、前記袋ロールから引き出された前記袋シートの滑りを妨げる摩擦部と、を備え
、
前記伝達機構は、ユーザにより前記袋ロールから引き出された前記袋シートの引き出し方向とは反対方向に前記副回転軸を回転させる
袋ロールホルダ。
【請求項2】
請求項
1に記載の袋ロールホルダであって、
前記摩擦部の汚れを除去する清掃ブラシ、を備える
袋ロールホルダ。
【請求項3】
請求項1
または2に記載の袋ロールホルダであって、
前記袋シートに生じた静電気を除去するアース線、を備える
袋ロールホルダ。
【請求項4】
請求項1
または2に記載の袋ロールホルダであって、
前記主回転軸の回転に連動して回転する回転部、を備える
袋ロールホルダ。
【請求項5】
請求項1
または2に記載の袋ロールホルダであって、
前記主回転軸の回転に連動して音を発する音発生手段、を備える
袋ロールホルダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、袋ロールホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、スーパーマーケット等の商業施設において購入した商品を袋詰めするためのサッカー台には、購入客が自由に利用できるポリエチレン袋ロールホルダが配置されている。ポリエチレン袋(以下、ポリ袋と略称する)に関しては、購入者の衛生観念の高まり、冷蔵または冷凍されていた商品の結露による水垂れの防止、布製のマイバックを濡らしたくない等の理由によってその消費量が増加している。
【0003】
また、商業施設以外でも、例えば、医療現場では、感染性廃棄物を処分する際にポリ袋に使うので、コロナ禍においてその消費量が増加している。
【0004】
ところで、ポリ袋を使用する際には、ポリエチレン袋ロールホルダからポリ袋を切り離し、ポリ袋の一端を開放する作業が必要である。
【0005】
図9は、従来のポリエチレン袋ロールホルダ100の一例を示している。ポリエチレン袋ロールホルダ100は、複数のポリ袋が連なり、切り離し箇所にミシン目等が設けられたポリ袋シート201がロール状に形成されているポリ袋ロール200を回転可能に保持するためのものである。以下、ポリエチレン袋ロールホルダ100をポリ袋ロールホルダ100と略称する。
【0006】
ポリ袋ロールホルダ100は、ポリ袋ロール200の回転軸となる主回転軸101、及びポリ袋ロール200からポリ袋シート(ポリ袋)201を切り離すための屈曲部103を有するU字状の支持部材102から構成される。
【0007】
主回転軸101は、例えば、図示せぬ筐体により回転可能に支持される。支持部材102のU字状の両端は、例えば、図示せぬ筐体により主回転軸101とともに回転しないように支持される。
【0008】
ポリ袋ロールホルダ100の場合、ポリ袋を使用したいユーザは、ポリ袋ロール200からポリ袋シート201を手前に引き出しながら、ミシン目等の切り離し箇所の近傍を支持部材102の屈曲部103に押し付けることにより、ポリ袋ロール200からポリ袋シート(ポリ袋)201を切り離すことができる。そして、次に、自身の指先でポリ袋の開口部を擦り合わせることによってポリ袋を開放することになる。
【0009】
しかしながら、ポリ袋の開口部は静電気によって密着しているため、ユーザの指先が乾燥していると開けにくいことがある。このため、ポリ袋を利用するユーザを苛立たせたり、サッカー台における作業時間を長引かせたり、開放の失敗によってポリ袋を破損して無駄を発生させたりすることになる。また、医療現場におけるポリ袋の開放ミスは感染性廃棄物処理時の感染事故の誘因となり得る。
【0010】
そこで、スーパーマーケット等の商業施設では、指先を湿らせてポリ袋を開け易くするために、アルコール消毒液等の液体を含ませた布やスポンジ、専用容器等がサッカー台に準備されていることが多い。
【0011】
また、例えば、特許文献1には「スーパーマーケットで導入済みの一般的なロールホルダに、矩形状板材を基板として、前記基板の上縁部左右に、前記ロールホルダの桁に対して着脱可能な垂直に懸吊するフック部を設け、該左右フック部の中間に、粘着力を有するシリコンゴムを貼着した棚状の張出から成るポリ袋摺動部を設け、該ポリ袋摺動部の下位に、広告用紙を収納する広告用紙収納部を設けたポリ袋開口具」が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、指先を湿らせるためのアルコール消毒液等を準備する方法は、布やスポンジ、専用容器等を用意する必要があることに加えて、アルコール消毒液等の補充が必要となるため、商業施設にとってコストが掛かる。
【0014】
特許文献1に記載のポリ袋開口具は、ユーザによるポリ袋を引き出す動作、ポリ袋摺動部にてポリ袋を擦りつける動作、及びポリ袋ロールからポリ袋を切り離す動作の3挙動が必要である。
【0015】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、ポリ袋ロールからポリ袋を切り離し、ポリ袋の一端を開放するまでの作業を1挙動によって実現できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本願は、上記課題の少なくとも一部を解決する手段を複数含んでいるが、その例を挙げるならば、以下のとおりである。
【0017】
上記課題を解決すべく、本発明の一態様に係る袋ロールホルダは、袋シートがロール状に巻かれた袋ロールを保持する袋ロールホルダであって、前記袋ロールの回転軸となる主回転軸と、前記主回転軸と対向して配置された支持部材と、前記支持部材に設けられた、前記袋ロールから引き出された前記袋シートの滑りを妨げる摩擦部と、を備える。
【0018】
前記支持部材は、屈曲部位を有することができ、前記摩擦部は、前記支持部材の前記屈曲部位に設けることができる。
【0019】
前記摩擦部は、前記袋シートの引き出しに応じて前記支持部材を軸に回転することができる。
【0020】
前記摩擦部は、前記袋シートの引き出しに応じて前記支持部材を軸に回転するとともに、前記支持部材の長手方向に往復移動することができる。
【0021】
前記摩擦部は、円筒カムとすることができる。
【0022】
前記支持部材は副回転軸とすることができ、前記袋ホルダは、前記主回転軸の回転に連動して前記支持部材としての前記副回転軸を回転させる伝達機構、を備えることができる。
【0023】
前記支持部材としての前記副回転軸は、前記主回転軸の回転に連動して前記主回転軸と正方向又は逆方向に回転することができる。
【0024】
前記袋ロールホルダは、前記摩擦部の汚れを除去する清掃ブラシ、を備えることができる。
【0025】
前記袋ロールホルダは、前記袋シートに生じた静電気を除去するアース線、を備えることができる。
【0026】
前記袋ロールホルダは、前記主回転軸の回転に連動して回転する回転部、を備えることができる。
【0027】
前記袋ロールホルダは、前記主回転軸の回転に連動して音を発する音発生手段、を備えることができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、ポリ袋ロールからポリ袋を切り離し、ポリ袋の一端を開放するまでの作業を1挙動によって実現できる。
【0029】
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るポリ袋ロールホルダの構成例を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係るポリ袋ロールホルダの変形例を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明の第2の実施形態に係るポリ袋ロールホルダの構成例を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、移動摩擦部の詳細を説明するための図である。
【
図5】
図5は、第2の実施形態に係るポリ袋ロールホルダの変形例を示す側面図である。
【
図6】
図6は、本発明の第3の実施形態に係るポリ袋ロールホルダの構成例を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、第3の実施形態に係るポリ袋ロールホルダの構成例を示す側面図である。
【
図8】
図8は、第1~第3の実施形態に係るポリ袋ロールホルダに適用可能なオプションの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、従来のポリ袋ロールホルダの一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明に係る複数の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各実施形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須ではない。また、「Aからなる」、「Aよりなる」、「Aを有する」、「Aを含む」と言うときは、特にその要素のみである旨明示した場合等を除き、それ以外の要素を排除しない。同様に、以下の実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似又は類似するもの等を含むものとする。
【0032】
<本発明の第1の実施形態に係るポリ袋ロールホルダ10の構成例>
図1は、本発明の第1の実施形態に係るポリ袋ロールホルダ10の構成例を示している。
【0033】
ポリ袋ロールホルダ10は、ポリ袋ロール200の回転軸となる主回転軸11、ポリ袋ロール200からポリ袋シート(ポリ袋)201を切り離すための摩擦屈曲部13を有するU字状の支持部材12、及び接地されるアース線14から構成される。なお、
図1においては、主回転軸11を回転可能に支持するための筐体は、その図示が省略されている。
【0034】
主回転軸11は、例えば、略円錐状の2つのパーツから成り、当該2つのパーツの頂点は、一方には凸状に、他方には凹状にネジ切り加工が施されている。当該2つのパーツの頂点をそれぞれポリ袋ロール200の中心に空いている両端から差し込み、互いをネジ込みことにより、主回転軸11はポリ袋ロール200に固定されるようになされている。主回転軸11は、ポリ袋ロール200に固定されるため、ポリ袋シート201が引き出されることによってポリ袋ロール200が回転したことに連動し、同時に回転する。ただし、ポリ袋ロールホルダ10、及びポリ袋ロールホルダ20(後述)において、ポリ袋ロール200が主回転軸11に対して回転可能であれば、ポリ袋ロール200の回転に連動する主回転軸11の回転は必須ではない(ポリ袋ロールホルダ30(後述)では必須である)。
【0035】
支持部材12は、導電性を有するステンレス等の素材によって形成される。支持部材12のU字状の両端は、例えば、図示せぬ筐体により主回転軸101とともに回転しないように支持される。なお、ポリ袋ロール200の長手方向と平行な支持部材12の中央部位との距離は、ポリ袋ロール200の直径に応じて適宜変更可能である。
【0036】
ポリ袋ロール200の長手方向と平行な支持部材12の中央部位には、摩擦屈曲部13が設けられている。摩擦屈曲部13は、支持部材12の中央部位に上方に凸な屈曲部位を形成し、当該屈曲部位を、例えば、ポリ袋シート201に対して摩擦を生じさせてポリ袋シート201の滑りを妨げるシリコンゴム等の滑り止め部材によって覆うことにより形成されている。なお、滑り止め部材については、シリコンゴムに限らず、例えば、ゴム、滑り止め表面形状を持つプラスチック、滑り止め表面加工がされた金属であってもよく、ポリ袋シート201の材質に合わせて適宜変更できる。また、支持部材12の屈曲部位に、直接滑り止め表面加工がされていてもよい。
【0037】
アース線14は、支持部材12に接続される。これにより、ポリ袋シート201に生じた静電気は、支持部材12、及びアース線14を介してGNDに流れるので、ポリ袋シート201に生じた静電気に起因してポリ袋が密着し、開放しにくくなることを防ぐことができる。なお、アース線14の途中にスイッチを設け、接地機能をオン・オフできるようにしてもよい。また、主回転軸11を導電性があるステンレス等の素材によって形成し、アース線14を主回転軸11に接続するようにしてもよい。
【0038】
ポリ袋ロールホルダ10の使用方法の一例について説明する。ポリ袋を使用したいユーザは、ポリ袋ロール200からポリ袋シート201を手前に引き出し、支持部材12の摩擦屈曲部13に押し付けて左右に移動させながら下方向に引くことにより、ポリ袋ロール200からポリ袋シート(ポリ袋)201を切り離すようにする。ポリ袋シート201を摩擦屈曲部13に押し付けて左右に移動させる際、ポリ袋シート201は、その下面のシートが摩擦屈曲部13との摩擦によって動きが妨げられるので、ポリ袋シート201の上面のシートと下面のシートとが擦り合わされる。これにより、ポリ袋の一端が開放された状態、または開放し易くなった状態でポリ袋ロール200から切り離されることになる。このように、ポリ袋ロールホルダ10を用いれば、ポリ袋を使用したいユーザは、1挙動でポリ袋ロール200からポリ袋201を切り離し、ポリ袋201の一端を開放することができる。
【0039】
なお、ポリ袋ロールホルダ10は、
図9に示された従来のポリ袋ロールホルダ100の屈曲部103をシリコンゴム等の滑り止め部材で覆うことによって摩擦屈曲部13を成し、さらに、アース線14を追加することにより実現してもよい。
【0040】
<ポリ袋ロールホルダ10の変形例>
次に、
図2は、本発明の第1の実施形態に係るポリ袋ロールホルダ10の変形例を示している。当該変形例と、ポリ袋ロールホルダ10(
図1)とで共通する構成要素については同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0041】
当該変形例は、ポリ袋ロールホルダ10(
図1)の支持部材12に設けられた摩擦屈曲部13を直線状に形成し、単に、支持部材12の直線状の中央部位をシリコンゴム等の滑り止め部材によって覆った摩擦部15に置換したものである。
【0042】
当該変形例の使用方法については、ポリ袋ロールホルダ10(
図1)と同様であるため、その説明は省略する。当該変形例の場合、ポリ袋ロールホルダ10(
図1)に比べ、支持部材12の中央部位に突起を設ける必要がないので、その製造工程を簡略化できる。
【0043】
<本発明の第2の実施形態に係るポリ袋ロールホルダ20の構成例>
次に、
図3は、本発明の第2の実施形態に係るポリ袋ロールホルダ20の構成例を示している。当該ポリ袋ロールホルダ20と、ポリ袋ロールホルダ10(
図2)とで共通する構成要素については同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0044】
ポリ袋ロールホルダ20は、ポリ袋ロール200の回転軸となる主回転軸11、U字状の支持部材21、支持部材21の中央部位に設けられた移動摩擦部22、及び接地されたアース線14から構成される。なお、
図3においては、主回転軸11を回転可能に支持するための筐体は、その図示が省略されている。
【0045】
移動摩擦部22は、円筒状に形成されており、その内部には支持部材21が貫通されている。移動摩擦部22の外周は、ポリ袋シート201に対して摩擦を生じさせてポリ袋シート201の滑りを妨げるシリコンゴム等の滑り止め部材によって覆われている。なお、移動摩擦部22の数は、1つに限らず、支持部材21に複数の移動摩擦部22を設けるようにしてもよい。
【0046】
図4は、移動摩擦部22の詳細を説明するための図である。同図(A)は、移動摩擦部22の、支持部材21の長手方向と平行な断面図を示している。移動摩擦部22は、例えば、円筒カムであり、その内周に誘導溝221が形成されている。なお、移動摩擦部22は円筒カムに限らず、自身の回転運動を直線往復運動に変換できる機構であれば、他の機構を採用してもよい。また、移動摩擦部22を簡略化し、支持部材21を回転軸として回転運動のみを行い、直線往復運動は行わない構造としてもよい。
【0047】
同図(B)は、円筒状の移動摩擦部22の展開図を示している。同図(B)に示されるように、誘導溝221は、移動摩擦部22の内周を1周する間に移動摩擦部22の長手方向を1往復するように形成されている。移動摩擦部22は、支持部材21の中央に形成された突起部211が誘導溝221に配置されるように支持部材21に取り付けられる。
【0048】
同図(C)は、移動摩擦部22の動きを示している。前提として、支持部材21は、左右に移動することなく、固定されているものとする。ポリ袋シート201の引き出しに応じて、移動摩擦部22が回転すると、その内部に形成されている誘導溝221には支持部材21の突起部211が配置されているので、移動摩擦部22が支持部材21の長手方向に沿って往復移動する。いまの場合、誘導溝221は、移動摩擦部22の内周を1周する間に移動摩擦部22の長手方向を1往復するように形成されているので、移動摩擦部22が1回転する間に、移動摩擦部22が支持部材21の長手方向に沿って1往復移動することになる。
【0049】
同図(D)は、
図9に示された従来のポリ袋ロールホルダ100を利用してポリ袋ロールホルダ20を実現する方法の一例を示している。すなわち、移動摩擦部22を半円柱状の2つのパーツから構成するようにし、ポリ袋ロールホルダ100の屈曲部103を覆うように移動摩擦部22を取り付けて、さらに、アース線14を追加することにより、ポリ袋ロールホルダ20を実現してもよい。
【0050】
ポリ袋ロールホルダ20の使用方法の一例について説明する。ポリ袋を使用したいユーザは、ポリ袋ロール200からポリ袋シート201を移動摩擦部22に押し付けながら手前に引き出し、下方向に引くことによりポリ袋ロール200からポリ袋シート(ポリ袋)201を切り離すようにする。この際、ポリ袋シート201の引き出しに応じて、移動摩擦部22は、回転しながら左右に往復移動し、ポリ袋シート201は、その下面のシートが移動摩擦部22との摩擦によって動きが妨げられるので、ポリ袋シート201の上面のシートと下面のシートとが擦り合わされる。これにより、ポリ袋の一端が開放された状態、または開放し易くなった状態でポリ袋ロール200から切り離されることになる。このように、ポリ袋ロールホルダ20を用いれば、ポリ袋を使用したいユーザは、1挙動でポリ袋ロール200からポリ袋201を切り離し、ポリ袋201の一端を開放することができる。
【0051】
ポリ袋ロールホルダ20の場合、ポリ袋ロールホルダ10に比べ、ユーザがポリ袋シート201を手前に引き出す際に同時に左右に移動させる手間を省くことができる。
【0052】
<ポリ袋ロールホルダ20の変形例>
次に、
図5は、ポリ袋ロールホルダ20の変形例を示している。当該変形例は、ポリ袋ロールホルダ20(
図3)に対して、ブラシ支持部材23、及び清掃ブラシ24を追加したものである。
【0053】
ブラシ支持部材23は、支持部材21と所定の距離を設けて、支持部材21と平行に取り付けられる。清掃ブラシ24は、移動摩擦部22の表面を拭き取り汚れを除去するための物であり、ブラシ支持部材23の外周の一部に設けられ、その先端が移動摩擦部22の表面に接するように取り付けられている。なお、
図5の例では、ブラシ支持部材23は回転せずに固定されているが、ブラシ支持部材23が回転するようにしてもよい。その場合、清掃ブラシ24は、ブラシ支持部材23の全周に設けられていることが望ましい(不図示)。ブラシ支持部材23を回転させる場合、例えば、伝達機構34(
図6、後述)を採用し、主回転軸11の回転、または移動摩擦部22の回転に連動させて正回転(同じ方向に回転)させてもよいし、逆回転させてもよい。また、ブラシ支持部材23を主回転軸11や移動摩擦部22に連動させずに自由回転としてもよい。さらに、ブラシ支持部材23に対して清掃ブラシ24を直接取り付けず、円筒部材(不図示)の全周に清掃ブラシ24を設け、当該円筒部材をブラシ支持部材23を軸にしてブラシ支持部材23周りに取り付けてもよい。その場合、当該円筒部材をブラシ支持部材23に固定し、ブラシ支持部材23とともに回転させてもよいし、ブラシ支持部材23を回転させずに固定し、当該円筒部材だけを回転させるようにしてもよい。
【0054】
当該変形例の場合、移動摩擦部22に付着したごみやほこり等を除去することができ、ごみやほこり等が移動摩擦部22の内部に入り込むことによる移動摩擦部22の動作不良の発生を防ぐことができる。
【0055】
<本発明の第3の実施形態に係るポリ袋ロールホルダ30の構成例>
次に、
図6は、本発明の第3の実施形態に係るポリ袋ロールホルダ30の構成例を示している。当該ポリ袋ロールホルダ30と、ポリ袋ロールホルダ10(
図1),20(
図3)とで共通する構成要素については同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0056】
ポリ袋ロールホルダ30は、ポリ袋ロール200の回転軸となる主回転軸11、主回転軸11の回転に連動して回転する副回転軸32、副回転軸32の中央に設けられた摩擦部33、伝達機構34、及び接地されるアース線14から構成される。なお、
図3においては、主回転軸11、及び副回転軸32を回転可能に支持するための筐体は、その図示が省略されている。
【0057】
副回転軸32は、主回転軸11と平行に設置される。副回転軸32に設けられた摩擦部33は、例えば、ポリ袋シート201に対して摩擦を生じさせてポリ袋シート201の滑りを妨げるシリコンゴム等の滑り止め部材から成る。
【0058】
伝達機構34は、例えば、ベルト、チェーン、ワイヤ、ギア等であり、主回転軸11の回転を副回転軸32に伝達する。同図の場合、伝達機構34は、ベルトであり、主回転軸11と副回転軸32とにまたがって8の字状に掛けられている。
【0059】
次に、
図7は、主回転軸11と副回転軸32との回転を説明するための図である。ユーザがポリ袋シート201を引き出すと、ポリ袋ロール200及び主回転軸11が反時計回りに回転し、主回転軸11の回転が伝達機構34を介して副回転軸32に伝達される。同図の場合、伝達機構34としてのベルトは、8の字状に掛けられているので、副回転軸32は時計回りに回転することになる。なお、伝達機構34としてのベルトの掛け方については、8の字状に限らず、用途やポリ袋シート201の表面の状態に応じて、0の字状にかけるようにしてもよい。その場合、副回転軸32は主回転軸11と同様に反時計回りに回転することになる。
【0060】
ポリ袋ロールホルダ30の使用方法の一例について説明する。ポリ袋を使用したいユーザは、ポリ袋ロール200からポリ袋シート201を副回転軸32の摩擦部33に押し付けながら手前に引き出して下方向に引くことによりポリ袋ロール200からポリ袋シート(ポリ袋)201を切り離すようにする。この際、ポリ袋シート201の引き出しに応じて、主回転軸11が反時計回りに回転し、副回転軸32が時計回りに回転するので、ポリ袋シート201は、その下面のシートが摩擦部33との摩擦によって動きが妨げられるので、ポリ袋シート201の上面のシートと下面のシートとが擦り合わされる。これにより、ポリ袋の一端が開放された状態、または開放し易くなった状態でポリ袋ロール200から切り離されることになる。このように、ポリ袋ロールホルダ30を用いれば、ポリ袋を使用したいユーザは、1挙動でポリ袋ロール200からポリ袋201を切り離し、ポリ袋201の一端を開放することができる。
【0061】
<ポリ袋ロールホルダ30の変形例>
図示は省略するが、
図5に示されたポリ袋ロールホルダ20の変形例と同様、ポリ袋ロールホルダ30(
図6)に対して、ブラシ支持部材23、及び清掃ブラシ24を追加し、副回転軸32の摩擦部33の汚れを除去できるようにしてもよい。
【0062】
<ポリ袋ロールホルダ10,20,30に適用可能なオプションについて>
次に、
図8は、ポリ袋ロールホルダ10,20,30に適用可能なオプションの一例を示している。
【0063】
当該オプションは、回転軸変換機構51、及び回転部52から成る。回転軸変換機構51は、例えば、直交して噛合された2つの傘歯車から成り、一方の傘歯車が主回転軸11とともに回転し、他方の傘歯車が回転部52とともに回転するように配置されている。回転軸変換機構51は、主回転軸11の回転方向を90度変換して回転部52に伝達する。回転部52には、その外周に広告、案内、光る模様等の任意の情報を表示できるようになされている。
【0064】
回転部52は、ユーザによってポリ袋ロール200からポリ袋シート201が引き出されることによって主回転軸11が回転すると、それに連動して回転する。したがって、回転部52を見れば、ポリ袋ロール200からポリ袋シート201が引き出されていることを周囲から容易に確認でき、必要以上にポリ袋を持ち帰ろうとするユーザの行動を抑制する効果が期待できる。なお、回転部52の内部を空洞化し、その内部に回転部52の回転に応じて音を発する鈴等の音発生手段を入れるようにしてもよい。その場合、回転部52の回転に応じて音発生手段が音を発するので(鈴が鳴るので)、上述した効果に加えて、視覚障碍者に対してサッカー台の位置を知らせることができる。なお、音発生手段は、鈴に限らず、振動や回転を検知し、その検知結果に応じて音を発する電子ベル等であってもよい。
【0065】
さらに、他のオプションとして、回転軸変換機構51、及び回転部52の代わりに主回転軸11の側面に、または、回転軸変換機構51、及び回転部52が取り付けられていない方の主回転軸11の側面に、主回転軸11及びポリ袋ロール200と同じ方向に回転する回転部(例えば、ハムスタ等のネズミ目の動物を運動させるための遊具である回し車のようなもの。不図示)を取り付け、当該回転部の中に、音発生手段を仕込んだハムスタ等のぬいぐるみを配置してもよい。当該回転部は、ポリ袋ロールホルダ10,20,30の他、従来のポリ袋ロールホルダ100にも容易に後付でき、音発生手段を入れた回転部52と同様の効果を期待できる。
【0066】
さらに、主回転軸11の回転に応じて音を発するだけであれば、例えば、主回転軸11の内部に空洞を設けて、当該空洞に音発生手段を入れておけばよい。
【0067】
<その他の変形例やオプション>
上述した説明では、ポリ袋ロールホルダ10,20,30をサッカー台等に横向きで配置するようにしたが、ポリ袋ロールホルダ10,20,30は、サッカー台等に縦向きで配置したり、例えば、壁面等に任意の向きで配置したりすることが可能である。
【0068】
ポリ袋ロールホルダ10,20,30に対し、セロハンテープ台や荷造り紐箱等を組み合わせてもよい。また、盗難防止のためにサッカー台等に対してポリ袋ロールホルダ10,20,30を固定し、カギがかけられるようにしてもよい。
【0069】
ポリ袋ロールホルダ10,20,30は、ポリ袋ロール200の他、ビニール袋ロール等のポリエチレン以外のシートがロール状に形成された袋ロールの保持する際にも適用できる。
【0070】
本発明は、上述した実施形態や変形例に限定されるものではなく、さらに様々な変形が可能である。例えば、上述した実施形態や変形例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある変形例の一部を他の変形例に置き換えたり、変形例を組み合わせたりすることが可能である。
【符号の説明】
【0071】
10・・・ポリ袋ロールホルダ、11・・・主回転軸、12・・・支持部材、13・・・摩擦屈曲部、14・・・アース線、15・・・摩擦部、20・・・ポリ袋ロールホルダ、21・・・支持部材、211・・・突起部、22・・・移動摩擦部、221・・・誘導溝、23・・・ブラシ支持部材、24・・・清掃ブラシ、30・・・ポリ袋ロールホルダ、32・・・副回転軸、33・・・摩擦部、34・・・伝達機構、51・・・回転軸変換機構、52・・・回転部、100・・・ポリ袋ロールホルダ、101・・・主回転軸、102・・・支持部材、103・・・屈曲部、200・・・ポリ袋ロール、201・・・ポリ袋シート(ポリ袋)
【要約】
【課題】 1挙動によりポリ袋ロールから一端が開放されたポリ袋を切り離すことができるポリエチレン袋ロールホルダを実現する。
【解決手段】 袋ロールホルダは、袋シートがロール状に巻かれた袋ロールを保持する袋ロールホルダであって、前記袋ロールの回転軸となる主回転軸と、前記主回転軸と対向して配置された支持部材と、前記支持部材に設けられた、前記袋ロールから引き出された前記袋シートの滑りを妨げる摩擦部と、を備える袋。
【選択図】
図1