(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-14
(45)【発行日】2023-02-22
(54)【発明の名称】車両支援システム
(51)【国際特許分類】
G01C 21/34 20060101AFI20230215BHJP
B60L 8/00 20060101ALI20230215BHJP
【FI】
G01C21/34
B60L8/00
(21)【出願番号】P 2018231117
(22)【出願日】2018-12-10
【審査請求日】2021-09-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110000936
【氏名又は名称】弁理士法人青海国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】毛利 直人
(72)【発明者】
【氏名】蒲原 剣志
(72)【発明者】
【氏名】三松 隼太
(72)【発明者】
【氏名】植松 良介
(72)【発明者】
【氏名】平井 奈津子
(72)【発明者】
【氏名】笹倉 ジェニファー美奈
【審査官】貞光 大樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-125803(JP,A)
【文献】特開2011-188728(JP,A)
【文献】特開2016-159830(JP,A)
【文献】特開2013-19797(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00 - 21/36
G08G 1/00 - 1/16
B60W 10/00 - 60/00
B60L 1/00 - 3/12
B60L 7/00 - 13/00
B60L 15/00 - 58/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
時間情報と場所情報を有するユーザのスケジュール情報を少なくとも含む参照情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部が取得した前記参照情報
に含まれる前記スケジュール情報に基づいて、目的地を決定する目的地決定部と、
所定情報の予測を実行する予測部と、
前記予測部が予測した前記所定情報と、前記目的地決定部が決定した前記目的地とに基づいて、少なくとも車両の走行ルートを決定する走行条件決定部と、
前記車両に設けられ、光エネルギー、音エネルギー、振動エネルギー、風エネルギー、回生エネルギーの少なくともいずれかから電力を発電可能な発電部と、
を備え、
前記予測部は、前記参照情報に基づいて、前記所定情報として前記発電部による発電量の予測を実行し、
前記走行条件決定部は、前記予測部が予測した前記発電量が最大となる出発時間を決定する車両支援システム。
【請求項2】
時間情報と場所情報を有するユーザのスケジュール情報を少なくとも含む参照情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部が取得した前記参照情報に含まれる前記スケジュール情報に基づいて、目的地を決定する目的地決定部と、
所定情報の予測を実行する予測部と、
前記予測部が予測した前記所定情報と、前記目的地決定部が決定した前記目的地とに基づいて、少なくとも車両の走行ルートを決定する走行条件決定部と、
前記車両に設けられ、光エネルギー、音エネルギー、振動エネルギー、風エネルギー、回生エネルギーの少なくともいずれかから電力を発電可能な発電部と、
を備え、
前記予測部は、前記参照情報に基づいて、前記所定情報として前記発電部による発電量の予測を実行し、
前記予測部は、前記車両の走行時に発電する走行時発電量と、前記車両の非走行時に発電する非走行時発電量とを予測する車両支援システム。
【請求項3】
時間情報と場所情報を有するユーザのスケジュール情報を少なくとも含む参照情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部が取得した前記参照情報に含まれる前記スケジュール情報に基づいて、目的地を決定する目的地決定部と、
所定情報の予測を実行する予測部と、
前記予測部が予測した前記所定情報と、前記目的地決定部が決定した前記目的地とに基づいて、少なくとも車両の走行ルートを決定する走行条件決定部と、
前記車両に設けられ、光エネルギー、音エネルギー、振動エネルギー、風エネルギー、回生エネルギーの少なくともいずれかから電力を発電可能な発電部と、
を備え、
前記予測部は、前記参照情報に基づいて、前記所定情報として前記発電部による発電量の予測を実行し、
前記走行条件決定部は、前記予測部が予測した前記発電量が最大となるように、経由地における待機時間が設定された走行スケジュールを決定する車両支援システム。
【請求項4】
前記走行条件決定部が決定した前記走行ルート、および、前記走行スケジュールに従って前記車両を走行させる走行制御部を備える請求項
3に記載の車両支援システム。
【請求項5】
前記参照情報には、道路情報、または、天候情報の少なくともいずれかを含む地図情報が含まれる請求項
1から4のいずれか一項に記載の車両支援システム。
【請求項6】
前記天候情報は、日照情報、風情報、温度情報の少なくともいずれかを含む請求項
5に記載の車両支援システム。
【請求項7】
前記道路情報は、渋滞情報、路面情報の少なくともいずれかを含む請求項
5または6に記載の車両支援システム。
【請求項8】
前記走行条件決定部は、前記予測部が予測した前記発電量が最大となる前記走行ルートを決定する請求項
1から7のいずれか一項に記載の車両支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、太陽電池の電力を蓄積するバッテリの端子電圧が低下した場合に、太陽光照射量の多い経路を再探索して車両を案内する経路案内装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の経路案内装置は、ユーザにより目的地を設定する必要があり、煩わしいものであった。
【0005】
本発明は、ユーザの煩わしさを軽減することができる車両支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の車両支援システムは、時間情報と場所情報を有するユーザのスケジュール情報を少なくとも含む参照情報を取得する情報取得部と、情報取得部が取得した参照情報に含まれるスケジュール情報に基づいて、目的地を決定する目的地決定部と、所定情報の予測を実行する予測部と、予測部が予測した所定情報と、目的地決定部が決定した目的地とに基づいて、少なくとも車両の走行ルートを決定する走行条件決定部と、車両に設けられ、光エネルギー、音エネルギー、振動エネルギー、風エネルギー、回生エネルギーの少なくともいずれかから電力を発電可能な発電部と、を備え、予測部は、参照情報に基づいて、所定情報として発電部による発電量の予測を実行し、走行条件決定部は、予測部が予測した発電量が最大となる出発時間を決定する。
また、上記課題を解決するために、本発明の車両支援システムは、時間情報と場所情報を有するユーザのスケジュール情報を少なくとも含む参照情報を取得する情報取得部と、情報取得部が取得した参照情報に含まれるスケジュール情報に基づいて、目的地を決定する目的地決定部と、所定情報の予測を実行する予測部と、予測部が予測した所定情報と、目的地決定部が決定した目的地とに基づいて、少なくとも車両の走行ルートを決定する走行条件決定部と、車両に設けられ、光エネルギー、音エネルギー、振動エネルギー、風エネルギー、回生エネルギーの少なくともいずれかから電力を発電可能な発電部と、を備え、予測部は、参照情報に基づいて、所定情報として発電部による発電量の予測を実行し、予測部は、車両の走行時に発電する走行時発電量と、車両の非走行時に発電する非走行時発電量とを予測する。
また、上記課題を解決するために、本発明の車両支援システムは、時間情報と場所情報を有するユーザのスケジュール情報を少なくとも含む参照情報を取得する情報取得部と、情報取得部が取得した参照情報に含まれるスケジュール情報に基づいて、目的地を決定する目的地決定部と、所定情報の予測を実行する予測部と、予測部が予測した所定情報と、的地決定部が決定した目的地とに基づいて、少なくとも車両の走行ルートを決定する走行条件決定部と、車両に設けられ、光エネルギー、音エネルギー、振動エネルギー、風エネルギー、回生エネルギーの少なくともいずれかから電力を発電可能な発電部と、を備え、予測部は、参照情報に基づいて、所定情報として発電部による発電量の予測を実行し、走行条件決定部は、予測部が予測した発電量が最大となるように、経由地における待機時間が設定された走行スケジュールを決定する。
【0007】
また、参照情報には、道路情報、または、天候情報の少なくともいずれかを含む地図情報が含まれてもよい。
【0008】
また、天候情報は、日照情報、風情報、温度情報の少なくともいずれかを含んでもよい。
【0009】
また、道路情報は、渋滞情報、路面情報の少なくともいずれかを含んでもよい。
【0011】
また、走行条件決定部は、予測部が予測した発電量が最大となる走行ルートを決定してもよい。
【0015】
また、走行条件決定部が決定した走行ルート、および、走行スケジュールに従って車両を走行させてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ユーザの煩わしさを軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】車両支援システムの概略的な構成を示した説明図である。
【
図2】車両情報端末を備える車両を説明する概略図である。
【
図3】車両情報端末の構成を示すブロック図である。
【
図4】携帯情報端末およびサーバの構成を示すブロック図である。
【
図5】車両支援システムの第1のシーケンス図である。
【
図6】スケジュール情報一覧インタフェースおよびスケジュール新規作成インタフェースの一例を示す図である。
【
図7】スケジュール情報登録処理を説明するフローチャートである。
【
図8】車両支援システムの第2のシーケンス図である。
【
図9】スケジュール情報取得処理時および地図情報取得処理時の車両情報端末表示部表示例を示す図である。
【
図10】発電量優先モードにおける走行ルート・走行スケジュールの詳細の一例を示す図である。
【
図11】走行条件選択インタフェースの一例を示す図である。
【
図12】スケジュール情報取得処理を説明するフローチャートである。
【
図13】地図情報取得処理を説明するフローチャートである。
【
図14】走行条件決定処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0019】
図1は、車両支援システムSの概略的な構成を示した説明図である。車両支援システムSは、携帯情報端末100と、車両情報端末200を有する車両200aと、サーバ300と、通信基地局400aを有する通信網400とを含んで構成される。
【0020】
携帯情報端末100および車両情報端末200は、通信基地局400aおよび通信網400を介してサーバ300との通信を確立することができ、専用の画像を表示可能な電子機器を広く含む。携帯情報端末100としては、例えば、スマートフォン等の携帯電話、パーソナルコンピュータ等が挙げられる。また、車両情報端末200としては、ナビゲーションシステム等が挙げられる。本実施形態では、スマートフォンが携帯情報端末100として用いられ、カーナビゲーションシステムが車両情報端末200として用いられる場合について説明する。
【0021】
通信基地局400aは、通信網400と接続され、携帯情報端末100または車両情報端末200と無線により情報の送受信を行う。また、通信基地局400aは、携帯情報端末100または車両情報端末200から無線により送信された情報を、通信網400を介してサーバ300に送信する。また、通信基地局400aは、サーバ300で生成された情報を携帯情報端末100または車両情報端末200に送信する。通信網400は、携帯電話網、インターネット、LAN(Local Area Network)、専用回線等で構成され、通信基地局400aを介して携帯情報端末100とサーバ300、または、車両情報端末200とサーバ300との通信を接続する。また、サーバ300は、携帯情報端末100から入力された情報を蓄積する。
【0022】
図2は、車両情報端末200を備える車両200aを説明する概略図である。
図3は、車両情報端末200の構成を示すブロック図である。車両200aは、車両情報端末200、バッテリ221、走行モータ222、充電部223、発電部224、GPS(Global Positioning System)受信機225、走行制御部226を備える。
【0023】
本実施形態では、車両200aは、不図示のエンジン、および、走行モータ222を動力源として走行するハイブリッド自動車で構成される。ただし、車両200aは、エンジンのみで走行する自動車でもよいし、走行モータ222のみで走行する電気自動車であってもよい。
【0024】
バッテリ221は、外部から供給される電力を蓄える。走行モータ222は、バッテリ221に蓄えられた電力により駆動する。充電部223は、車両200aの後方側に設けられ、外部から送電される電力をバッテリ221に充電する。
【0025】
発電部224は、第1発電部224a~第5発電部224eを備えている。第1発電部224aは、太陽光等の光エネルギーから電力を発電可能であり、例えば、太陽光電池から構成される。また、第2発電部224bは、車両200aの周囲の環境音等の音エネルギーから電力を発電可能であり、例えば、圧電素子から構成される。また、第3発電部224cは、車両200aの走行時における振動等の振動エネルギーから電力を発電可能であり、例えば、圧電素子から構成される。また、第4発電部224dは、風エネルギーから電力を発電可能であり、例えば、風力タービンから構成される。また、第5発電部224eは、車両200aの走行時において、ブレーキが踏まれたり、アクセルが緩められたりすると、回生エネルギーから電力を発電可能であり、例えば、電動発電機から構成される。
【0026】
GPS受信機225は、車両200aの位置情報を衛星から受信する。走行制御部226は、車両200aの自動走行を制御する。
【0027】
車両情報端末200は、車両200aの車室に設けられる。
図3に示すように、車両情報端末200は、車両情報端末表示部211、車両情報端末操作部212、車両情報端末通信部213、車両情報端末バッファ214、車両情報端末記憶装置215、車両情報端末制御部216を備える。
【0028】
車両情報端末表示部211は、液晶ディスプレイで構成され、車両情報端末制御部216の制御によってさまざまな画像が表示される。
【0029】
車両情報端末操作部212は、車両情報端末200の操作を受け付けるものであり、ボタンや車両情報端末表示部211に設けられるタッチパネル、あるいはこれらの組み合わせで構成される。ここでは、車両情報端末操作部212がタッチパネルで構成される場合について説明する。ただし、車両情報端末操作部212は、ユーザの操作を受け付けることができれば、その構成は特に限定されるものではない。
【0030】
車両情報端末通信部213は、通信基地局400aへの情報の出力、および、通信基地局400aからの情報の入力に係る処理を行う。
【0031】
車両情報端末バッファ214は、車両情報端末制御部216が処理を行う際に、種々の情報を一時的に保持するための記憶領域として機能する。
【0032】
車両情報端末記憶装置215は、後述する走行条件を決定する際に必要となる参照情報を記憶する。
【0033】
車両情報端末制御部216は、車両情報端末200の全体を制御し、走行条件の決定、および、ナビゲーションを行う。車両情報端末制御部216は、現在地取得部216a、情報取得部216b、表示制御部216c、目的地決定部216d、予測部216e、走行条件決定部216f、バッテリ残量取得部216gとして機能する。
【0034】
現在地取得部216aは、GPS受信機225が受信した信号を解析し、現在地を特定する。
【0035】
情報取得部216bは、車両情報端末通信部213から受信した参照情報を解析する。参照情報としては、詳しくは後述するが、時間情報と場所情報を有するユーザのスケジュール情報、および、道路情報と天候情報を有する地図情報を取得する。
【0036】
表示制御部216cは、車両情報端末表示部211における画像の表示制御を行う。
【0037】
目的地決定部216dは、情報取得部216bが取得したユーザのスケジュール情報に基づいて、目的地の決定を行う。
【0038】
予測部216eは、情報取得部216bが取得した参照情報に基づいて、所定情報の予測を行う。本実施形態では、所定情報としては、現在地から目的地までの移動における発電部224による発電量が予測される。また、このとき、予測部216eは、車両200aの走行時に発電する走行時発電量と、車両の非走行時に発電する非走行時発電量とを予測する。
【0039】
走行条件決定部216fは、予測部216eが予測した走行時発電量および非走行時発電量との合計が最大となるように、走行ルート、出発時間、および、経由地における待機時間を決定する。
【0040】
バッテリ残量取得部216gは、バッテリ221のバッテリ残量を取得する。
【0041】
図4は、携帯情報端末100およびサーバ300の構成を示すブロック図である。携帯情報端末100は、携帯情報端末通信部101、携帯情報端末表示部102、携帯情報端末操作部103、携帯情報端末バッファ104、携帯情報端末記憶装置105、携帯情報端末制御部106を備える。
【0042】
携帯情報端末通信部101は、通信基地局400aへの情報の出力、および、通信基地局400aからの情報の入力に係る処理を行う。
【0043】
携帯情報端末表示部102は、液晶ディスプレイで構成され、携帯情報端末制御部106の制御によってさまざまな画像が表示される。
【0044】
携帯情報端末操作部103は、携帯情報端末100の操作を受け付けるものであり、ボタンや携帯情報端末表示部102に設けられるタッチパネル、あるいはこれらの組み合わせで構成される。ここでは、携帯情報端末操作部103がタッチパネルで構成される場合について説明する。ただし、携帯情報端末操作部103は、ユーザの操作を受け付けることができれば、その構成は特に限定されるものではない。
【0045】
携帯情報端末バッファ104は、携帯情報端末制御部106が処理を行う際に、種々の情報を一時的に保持するための記憶領域として機能する。
【0046】
携帯情報端末記憶装置105は、ユーザによって入力されたスケジュール情報を記憶する。
【0047】
携帯情報端末制御部106は、携帯情報端末100全体を管理および制御する機能を有する制御部である。
【0048】
また、サーバ300は、サーバ通信部301、サーバ記憶装置302、サーバ制御部303を備える。
【0049】
サーバ通信部301は、通信網400への情報の出力、および、通信網400からの情報の入力に係る処理を行う。具体的には、サーバ通信部301は、携帯情報端末100から出力されるスケジュール情報を受信する。また、車両情報端末200から出力されるスケジュール情報要求信号、地図情報要求信号を受信する。また、サーバ通信部301は、スケジュール情報および地図情報を車両情報端末200に出力する。
【0050】
サーバ記憶装置302は、携帯情報端末100から出力されたスケジュール情報を記憶する。また、道路情報および天候情報を含む地図情報を記憶する。ここで、地図情報には、渋滞情報、路面の勾配の情報を有する路面情報が含まれる。また、天候情報には、日射強度および日照時間の情報を有する日照情報、風速および風向きの情報を有する風情報、温度情報が含まれる。
【0051】
サーバ制御部303は、サーバ300全体を管理および制御する機能を有する。
【0052】
次に、携帯情報端末100および車両情報端末200における制御処理、携帯情報端末100または車両情報端末200とサーバ300との間で行われる通信処理の一例を、時系列に沿って説明する。
【0053】
図5は、車両支援システムSの第1のシーケンス図である。
図5では、スケジュール情報登録処理の一部をS100と示している。
図5に示すように、携帯情報端末制御部106は、ユーザによってスケジュール情報が入力されると(S100)、入力された情報を携帯情報端末記憶装置105に記憶するとともに(S100)、スケジュール情報をサーバ300に出力する(S100)。そして、サーバ300は、受信したスケジュール情報をサーバ記憶装置302に記憶させる(S300)。
【0054】
図6は、スケジュール情報一覧インタフェース131およびスケジュール新規作成インタフェース125の一例を示す図である。携帯情報端末100の携帯情報端末表示部102はタッチパネルで構成されており、携帯情報端末操作部103としても機能する。
図6(a)に示すように、携帯情報端末100は、様々なアプリケーション120をインストールすることで様々なプログラムを実行することができる。そして、所定のアプリケーション120(アプリ120a)を実行すると、
図6(b)に示すように、スケジュール情報一覧インタフェース131が表示される。
【0055】
ここでは、既にユーザによって入力され、携帯情報端末記憶装置105に記憶されているスケジュール情報123aが表示されている。スケジュール情報123aには、日付と開始時間と終了時間を示す時間情報124aと、スケジュールの要件を示す内容情報124bと、スケジュールの位置情報を示す場所情報124cとが登録されている。なお、スケジュール情報一覧インタフェースを上下方向あるいは左右方向にスクロールすることで、スケジュール情報一覧インタフェース131において表示する日付や時間帯を変えることができる。
【0056】
ユーザがスケジュール新規作成アイコン130を操作すると、
図6(c)に示すように、スケジュール新規作成インタフェース125が表示される。スケジュール新規作成インタフェース125は、図示のように、ユーザが入力可能な5つの仮登録情報欄125a~125eを含む。ユーザが仮登録情報欄125a~125eのそれぞれに入力した情報は、携帯情報端末バッファ104に仮登録される。
【0057】
具体的には、仮登録情報欄125aには、新規作成するスケジュールの日付情報が入力可能となっている。また、仮登録情報欄125bには、新規作成するスケジュールの開始時間情報が入力可能となっている。また、仮登録情報欄125cには、新規作成するスケジュールの終了時間情報が入力可能となっている。また、仮登録情報欄125dには、新規作成するスケジュールの場所情報が入力可能となっている。また、仮登録情報欄125eには、新規作成するスケジュールの内容情報が入力可能となっている。なお、スケジュール新規作成インタフェース125の表示中は、登録ボタン125fおよび終了アイコン125gが表示される。
【0058】
そして、各仮登録情報欄125a~125eが入力された状態で、ユーザによって登録ボタン125fが操作されると、携帯情報端末バッファ104に仮登録されている情報が、携帯情報端末記憶装置105に記憶(本登録)される。そして、
図6(d)に示すように、携帯情報端末記憶装置105に本登録されたスケジュール情報123bが、携帯情報端末表示部102に新たに表示されることとなる。
【0059】
また、携帯情報端末制御部106は、携帯情報端末記憶装置105に新たに本登録されたスケジュール情報123bをサーバ300に出力する。なお、この際に、ユーザIDの情報が併せて、サーバ300に出力される。サーバ300にスケジュール情報が出力されると、サーバ制御部303は、スケジュール情報をサーバ記憶装置302に記憶させる。
【0060】
(スケジュール情報登録処理)
図7は、スケジュール情報登録処理を説明するフローチャートである。携帯情報端末制御部106は、アプリケーション120のうち、アプリ120aが操作されると、スケジュール情報登録処理を開始する。
【0061】
携帯情報端末制御部106は、まず、携帯情報端末表示部102にスケジュール情報一覧インタフェース131を表示する(S100-1)。スケジュール情報一覧インタフェース131の表示中に、スケジュール新規作成アイコン130が操作されると(S100-2のY)、携帯情報端末制御部106は、スケジュール新規作成インタフェース125を携帯情報端末表示部102に表示する(S100-3)。
【0062】
また、スケジュール新規作成インタフェース125の表示中に、ユーザが仮登録情報欄125a~125eのいずれかに情報を入力すると(S100-4のY)、携帯情報端末制御部106は、入力された情報を携帯情報端末バッファ104に仮登録する(S100-5)。
【0063】
また、スケジュール新規作成インタフェース125の表示中に、終了アイコン125gが操作されると(S100-6のY)、携帯情報端末制御部106は、スケジュール新規作成インタフェース125を非表示にする(S100-7)。
【0064】
また、スケジュール新規作成インタフェース125の表示中に、登録ボタン125fが操作されると(S100-8のY)、携帯情報端末制御部106は、携帯情報端末バッファ104に仮登録されている情報を携帯情報端末記憶装置105に記憶(転記)させ(S100-9)、携帯情報端末記憶装置105に記憶した情報を、スケジュール情報としてサーバ300に出力する(S100-10)。
【0065】
携帯情報端末制御部106は、スケジュール情報登録処理中、予め設定された終了条件が成立したかを判定しており、終了条件が成立すると(S100-11のY)、スケジュール情報一覧インタフェース131を非表示として(S100-12)、スケジュール情報登録処理を終了する。なお、終了条件としては、不図示の終了ボタンが操作されたこと等が挙げられる。
【0066】
上記のようにして、サーバ300にスケジュール情報が出力されると、
図5に示すように、サーバ制御部303は、スケジュール情報をサーバ記憶装置302に記憶させる(S300)。
【0067】
このようにして、サーバ記憶装置302にスケジュール情報が記憶されると、ユーザは、車両情報端末200を操作することで、目的地までの走行ルート・走行スケジュールを設定することができる。
【0068】
図8は、車両支援システムSの第2のシーケンス図である。
図8では、車両情報端末200で実行されるスケジュール情報取得処理の一部をS200と示し、車両情報端末200で実行される地図情報取得処理の一部をS201と示している。また、車両情報端末200で実行される走行条件決定処理の一部をS202と示し、車両情報端末200で実行される自動走行処理の一部をS203と示している。
【0069】
図8に示すように、車両情報端末200において、ユーザの所定の操作がなされると、車両情報端末制御部216は、スケジュール情報要求信号をサーバ300に出力する(S200)。サーバ300では、スケジュール情報要求信号を受信すると、サーバ記憶装置302に記憶されているスケジュール情報を車両情報端末へ出力する(S301)。スケジュール情報を受信すると、車両情報端末200では、受信したスケジュール情報を車両情報端末記憶装置215に記憶する(S200)。そして、記憶したスケジュール情報に基づいて、目的地の決定を行う(S200)。
【0070】
目的地が決定されると、車両情報端末制御部216は、地図情報要求信号をサーバ300に出力する(S201)。サーバ300では、地図情報要求信号を受信すると、サーバ記憶装置302に記憶されている地図情報を車両情報端末へ出力する(S302)。地図情報を受信すると、車両情報端末200では、受信した地図情報を車両情報端末記憶装置215に記憶する(S201)。
【0071】
そして、車両情報端末200の予測部216eは、取得した参照情報(スケジュール情報および地図情報)と、決定した目的地と、現在地取得部216aが取得した現在地とに基づいて、現在地から目的地までの移動における発電部224による発電量(走行時発電量および非走行時発電量)の予測を行う(S202)。そして、車両情報端末200の走行条件決定部216fは、予測部216eが予測した走行時発電量および非走行時発電量との合計が最大となるように、走行ルート・走行スケジュールの候補を決定する(S202)。車両情報端末200の走行制御部226は、決定された走行ルート・走行スケジュールに基づいて、自動走行処理を実行する(S203)。
【0072】
図9は、スケジュール情報取得処理時および地図情報取得処理時の車両情報端末表示部211の表示例を示す図である。例えば、ナビゲーションシステムが起動されて目的地が未だ設定されていない場合に、
図9(a)に示すように、車両情報端末200の車両情報端末表示部211には、地図情報が表示される。車両情報端末表示部211はタッチパネルで構成されており、車両情報端末操作部212としても機能する。車両情報端末操作部212に対して所定の操作が行われると、
図9(a)に示すように、車両情報端末表示部211の下部にメニューバー230が表示される。ここでは、メニューバー230に3つのタブが表示されており、各タブに、「現在地」、「目的地手動入力」、「目的地自動設定」のテキストが表示されている。ユーザが「目的地自動設定」と記されたタブを操作すると、車両情報端末制御部216がスケジュール情報要求信号をサーバ300に出力する。
【0073】
このとき、表示制御部216cは、
図9(b)に示すように、車両情報端末表示部211に「スケジュール情報取得中」と表示する。そして、サーバ300との通信が確立できなかった場合、表示制御部216cは、
図9(c)に示すように、車両情報端末表示部211に「サーバに接続できませんでした」と表示する。
【0074】
一方、サーバ300との通信が確立されると、サーバ300は、サーバ記憶装置302に記憶されているスケジュール情報を車両情報端末200に出力する。車両情報端末200は、取得したスケジュール情報に基づいて、目的地を決定するとともに、情報取得部216bが地図情報要求信号をサーバ300に出力する。
【0075】
このとき、表示制御部216cは、
図9(d)に示すように、車両情報端末表示部211に「地図情報取得中」と表示する。そして、サーバ300との通信が確立できなかった場合、表示制御部216cは、
図9(c)に示すように、車両情報端末表示部211に「サーバに接続できませんでした」と表示する。
【0076】
一方、サーバ300との通信が確立されると、サーバ300は、サーバ記憶装置302に記憶されている地図情報を車両情報端末200に出力する。ここで、地図情報には、道路情報(渋滞情報、路面の勾配の情報)および天候情報(日射強度および日照時間の情報を有する日照情報、風速および風向きの情報を有する風情報、温度情報)が含まれる。情報取得部216bが地図情報を取得すると、予測部216eは、情報取得部216bが取得した参照情報(スケジュール情報および地図情報)に基づいて、現在地から目的地までの移動における発電部224による発電量(走行時発電量および非走行時発電量)等の予測を行う。また、走行条件決定部216fは、目的地到着までの所要時間が短時間となる時間優先モードに対応する、走行ルート・走行スケジュール候補の詳細を決定する。これらの走行ルート・走行スケジュールの詳細の決定中においては、表示制御部216cは、
図9(e)に示すように、車両情報端末表示部211に「走行条件抽出中」と表示する。以下に、走行条件決定部216fによって決定された発電量優先モードにおける走行ルート・走行スケジュール候補の詳細の一例を示す。なお、発電量優先モード以外の走行ルート・走行スケジュール候補の詳細については、省略する。
【0077】
図10は、発電量優先モードにおける走行ルート・走行スケジュール候補の詳細の一例を示す図である。走行条件決定部216fは、予測部216eが予測した走行時発電量および非走行時発電量との合計が最大となる発電量優先モードに対応する、走行ルート・走行スケジュール候補の詳細を決定する。なお、
図10に示す(1)および(3)が非走行時に該当し、(2)および(4)が走行時に該当する。
図10に示すように、走行時発電量および非走行時発電量における、第1発電部224a~第5発電部224eの各々における発電量が予測される。
【0078】
図10の(1)では、情報取得部216bが取得した渋滞情報に基づいて、渋滞が解消される時刻(22:00)まで、出発時間を遅らせて、出発地点で待機することが設定されている。
【0079】
図10の(2)では、出発時刻(22:00)が設定されるとともに、経由地(〇SA)までの詳細な走行ルートが設定される。ここでは、出発地点から「〇号線」を通って「〇IC」から「〇高速道路」に入って、経由地(〇SA)へ向かう走行ルートが設定される。なお、経由地(〇SA)は、日照強度が強い地点が選択される。
【0080】
また、経由地(〇SA)へ到着する時刻が日の出時刻となるように経由地(〇SA)への走行ルートの選択が行われる。ここでは、経由地(〇SA)へ到着するまでの間が日の出前であるため、第1発電部224aによる発電量ではなく、主に、第4発電部224dおよび第5発電部224eによる発電量が最大となる走行ルートが選択されている。例えば、風向きが向かい風であり、下り坂が多い走行ルートが選択される。
【0081】
図10の(3)では、経由地(〇SA)における待機時間が設定される。ここでは、日の出後において、第1発電部224aによる太陽光発電を行うために、3時間待機を行うことが設定されている。
【0082】
図10の(4)では、経由地(〇SA)から目的地(A事業所)までの詳細な走行ルートが設定される。ここでは、主に、第1発電部224a、第4発電部224dおよび第5発電部224eによる発電量が最大となるように走行ルートが選択されている。ここでは、経由地(〇SA)から「〇高速道路」を走行し、「×IC」から「×号線」に降りて、目的地(A事業所)へ向かう走行ルートが設定される。ここでは、日照強度が強く、風向きが向かい風であり、下り坂が多い走行ルートが選択される。
【0083】
上記のようにして設定された走行ルート・走行スケジュール候補に基づいて、
図10の(1)~(4)の走行時および非走行時それぞれの発電量の合計値(ここでは、200kWh)が予測される。
【0084】
図11は、走行条件選択インタフェース240の一例を示す図である。上記のようにして、走行条件決定部216fが走行ルート・走行スケジュール候補を決定すると、
図11(a)に示すように、表示制御部216cは、走行条件選択インタフェース240を車両情報端末表示部211に表示する。走行条件選択インタフェース240は、車両情報端末表示部211の上部に表示される2つのタブ240a、および、確定ボタン241を含む。2つのタブ240aには、それぞれ「発電量優先」、「時間優先」と記されたテキストが表示されている。
【0085】
ここで、タブ240aに表示されるテキストは、走行ルート・走行スケジュール候補を抽出する際の優先事項を示している。具体的には、「発電量優先」は、目的地到着までの間に、車両200aにおける発電量の向上を最優先に考慮した抽出条件にしたがって抽出された走行ルート・走行スケジュール候補を示している。
【0086】
また、「時間優先」は、目的地到着までの所要時間が短時間となることを最優先に考慮した抽出条件にしたがって抽出された走行ルート・走行スケジュール候補を示している。
【0087】
走行条件選択インタフェース240の初期画面では、
図11(a)に示すように、「発電量優先」と記されたタブ240aが強調表示されている。また、このとき、車両情報端末表示部211には、「発電量優先」の走行ルート・走行スケジュール候補の走行条件242が表示されている。ここでは、走行条件242の一例として、目的地、予測発電量、出発時間、予測到着時間、経由地、経由地における待機時間、走行距離が表示されている。このとき、ユーザは、表示された走行条件242の一部、または全部を変更してもよい。また、走行条件決定部216fは、ユーザによって変更された走行条件242に基づいて、走行ルート・走行スケジュール候補の決定を再度行ってもよい。
【0088】
また、例えば、
図11(a)に示す状態で、「時間優先」と記されたタブ240aが操作されると、
図11(b)に示すように、「時間優先」の走行ルート・走行スケジュール候補の詳細情報が表示される。このように、走行条件選択インタフェース240は、複数の走行ルート・走行スケジュール候補を抽出し、各走行ルート・走行スケジュール候補に係る情報を切替表示することができる。そして、走行条件選択インタフェース240の表示中に、確定ボタン241が操作されると、そのときに表示されていた走行ルート・走行スケジュール候補をユーザが選択したこととなる。
【0089】
以下に、まず、サーバ300に対してスケジュール情報の要求を行うためのスケジュール情報取得処理(
図8のS200)について、
図12を用いて詳細に説明する。
【0090】
(スケジュール情報取得処理)
図12は、スケジュール情報取得処理を説明するフローチャートである。情報取得部216bは、メニューバー230のうち、「目的地自動設定」のテキストが表示されたタブが操作されると、スケジュール情報取得処理を開始する。
【0091】
まず、車両情報端末制御部216が、スケジュール情報要求信号をサーバ300に出力する(S200-1)。なお、車両情報端末200の車両情報端末記憶装置215には、予めユーザIDが記憶されており、このユーザIDを含んだスケジュール情報要求信号をサーバ300に出力する。これによって、サーバ制御部303は、サーバ記憶装置302に記憶されている、ユーザのスケジュール情報を特定することができる。また、表示制御部216cは、
図9(b)に示すように車両情報端末表示部211の表示を切り替えるスケジュール情報取得開始処理を行う(S200-2)。
【0092】
また、車両情報端末制御部216は、スケジュール情報取得処理においてタイマをセットする。車両情報端末制御部216は、スケジュール情報が入力されるまでの間(S200-3のN)、タイマを更新するタイマ更新処理を行い(S200-4)、スケジュール情報要求信号を出力してから所定時間以上が経過したか、つまり、タイムオーバーかを判定する(S200-5)。タイムオーバーとなった場合(S200-5のY)、車両情報端末制御部216は、スケジュール情報取得終了処理(S200-6)を行い、スケジュール情報取得処理を終了する。なお、スケジュール情報取得終了処理では、例えば、
図9(c)に示すように車両情報端末表示部211の表示が切り替えられる。
【0093】
一方、
図8に示すように、サーバ300では、スケジュール情報要求信号が入力されると、サーバ記憶装置302に記憶されているスケジュール情報の出力(S301)が行われる。ここでは、スケジュール情報要求信号がサーバ300に入力されてから所定時間内に、スケジュール情報が車両情報端末200に出力される。
【0094】
車両情報端末200においてスケジュール情報が入力された場合(
図12のS200-3のY)、情報取得部216bは、スケジュール情報を車両情報端末記憶装置215に記憶する(S200-7)。
【0095】
そして、目的地決定部216dは、情報取得部216bが取得したスケジュール情報に基づいて、目的地の決定を行う(S200-8)。目的地が決定されると、情報取得部216bは、地図情報取得処理を実行する(S201)。次に、この地図情報取得処理について説明する。
【0096】
(地図情報取得処理)
図13は、地図情報取得処理を説明するフローチャートである。まず、車両情報端末制御部216が、地図情報要求信号をサーバ300に出力する(S201-1)。また、表示制御部216cは、
図9(d)に示すように車両情報端末表示部211の表示を切り替える地図情報取得開始処理を行う(S201-2)。
【0097】
また、車両情報端末制御部216は、地図情報取得処理においてタイマをセットする。車両情報端末制御部216は、地図情報が入力されるまでの間(S201-3のN)、タイマを更新するタイマ更新処理を行い(S201-4)、地図情報要求信号を出力してから所定時間以上が経過したか、つまり、タイムオーバーかを判定する(S201-5)。タイムオーバーとなった場合(S201-5のY)、表示制御部216cは、地図情報取得終了処理(S201-6)を行い、地図情報取得処理を終了する。なお、地図情報取得終了処理では、例えば、
図9(c)に示すように車両情報端末表示部211の表示が切り替えられる。
【0098】
一方、
図8に示すように、サーバ300では、地図情報要求信号が入力されると、サーバ記憶装置302に記憶されている地図情報の出力(S302)が行われる。ここでは、地図情報要求信号がサーバ300に入力されてから所定時間内に、地図情報が車両情報端末200に出力される。
【0099】
車両情報端末200において地図情報が入力された場合(
図13のS201-3のY)、情報取得部216bは、地図情報を車両情報端末記憶装置215に記憶する(S201-7)。
【0100】
そして、地図情報が車両情報端末記憶装置215に記憶されると、走行条件決定部216fは、走行条件決定処理を実行する(S202)。次に、この走行条件決定処理について説明する。
【0101】
(走行条件決定処理)
図14は、走行条件決定処理を説明するフローチャートである。まず、表示制御部216cが、
図9(e)に示すように車両情報端末表示部211の表示を切り替える走行条件決定開始処理を行う(S202-1)。
【0102】
また、予測部216eは、情報取得部216bが取得した参照情報(スケジュール情報および地図情報)と、目的地決定部216dが決定した目的地と、現在地取得部216aが取得した現在地とに基づいて、現在地から目的地までの移動における発電部224による発電量(走行時発電量および非走行時発電量)の予測を行う(S202-2)。
【0103】
そして、走行条件決定部216fは、予測部216eが予測した走行時発電量および非走行時発電量との合計が最大となるように、走行ルート候補・走行スケジュール(本実施形態では、出発時間、および、経由地における待機時間)候補を決定し、表示する(S202-3)。また、走行条件決定部216fは、目的地到着までの所要時間が短時間となるように、走行ルート・走行スケジュール候補を決定する。ここでは、
図11(a)に示すように、走行条件選択インタフェース240において、「発電量優先」の走行ルート・走行スケジュール候補の詳細情報が表示される。
【0104】
また、車両情報端末制御部216は、走行条件決定処理においてタイマをセットする(S202-4)。車両情報端末制御部216は、走行条件選択インタフェース240の確定ボタン241が操作されるまでの間(S202-5のN)、タイマを更新するタイマ更新処理を行い(S202-6)、走行ルート・走行スケジュール候補を表示してから所定時間以上が経過したか、つまり、タイムオーバーかを判定する(S202-7)。タイムオーバーとなった場合(S202-7のY)、表示制御部216cは、走行条件決定終了処理(S202-8)を行い、走行条件決定処理を終了する。なお、走行条件決定終了処理では、例えば、走行条件選択インタフェース240を非表示にする。
【0105】
走行条件選択インタフェース240の確定ボタン241が操作された場合(S202-5のY)、走行制御部226は、自動走行処理(S203)を実行し、走行条件決定処理を終了する。走行制御部226は、走行条件選択インタフェース240の表示中に確定ボタン241が操作されて選択された走行ルート・走行スケジュールに従って、車両200aの自動走行を制御する。
【0106】
上記の車両支援システムSによれば、目的地決定部216dは、携帯情報端末100を用いて予め入力されたスケジュール情報に基づいて目的地を決定するので、ユーザの煩わしさを軽減することができる。
【0107】
また、走行条件決定部216fは、予測部216eが予測した走行時発電量および非走行時発電量との合計が最大となるように、走行ルート、出発時間、および、経由地における待機時間を決定するため、発電量を最大化させることが可能となる。
【0108】
以上、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0109】
上記実施形態では、参照情報に、スケジュール情報と地図情報とが含まれることとしたが、参照情報には、少なくともスケジュール情報が含まれていればよい。
【0110】
また、上記実施形態では、「発電量優先」および「時間優先」の2種類の走行ルート・走行スケジュール候補をユーザに提示することとしたが、走行ルート・走行スケジュール候補は1種類、あるいは、3種類以上でもよい。例えば、太陽光発電の効率が良い経由地において所定時間待機することで、非走行時発電量を最大化させてもよい。また、回生発電を効率よく行うことができる勾配の道路を選択して、走行時発電量を最大化させてもよい。また、渋滞を避けるように、走行ルートの選択、あるいは、出発時間の設定をすることで、走行時における、消費電力を最小化させてもよい。また、バッテリ残量取得部216gが取得したバッテリ残量に応じて、適切な発電量となるように、走行条件を変更して決定してもよい。例えば、バッテリ残量が比較的多く、消費する電力が比較的少ない場合には、発電量を比較的少なくし、バッテリ残量が比較的少なく、消費する電力が比較的多い場合には、発電量を比較的多くすることができる。いずれにしても、走行条件決定部216fは、予測部216eが予測した発電量に基づいて、走行条件を決定することが好ましい。
【0111】
また、上記実施形態では、走行ルート・走行スケジュールを決定する際に、スケジュール情報および地図情報が参照情報としてサーバ300から車両情報端末200へ出力される。しかしながら、走行ルート・走行スケジュールを決定する際に、地図情報は必須ではない。
【0112】
また、上記実施形態では、現在地から目的地までの移動における発電部224による発電量を予測部216eが予測する所定情報としたが、これに限定されるものではない。例えば、予測部216eは、車両200aにおける電費や燃費などの消費エネルギーに対する走行距離の効率性を予測してもよい。
【0113】
また、上記実施形態では、目的地決定の際に、サーバ記憶装置302に記憶されたスケジュール情報を取得することとしたが、サーバ300を介さずに、車両情報端末200が携帯情報端末100からスケジュール情報を取得してもよい。いずれにしても、スケジュール情報に基づいて、目的地を決定すればよい。
【0114】
また、上記実施形態では、車両情報端末200の予測部216eが、発電量の予測を行い、車両情報端末200の走行条件決定部216fにおいて、走行ルート・走行スケジュールの候補を決定することとしたが、本発明はこれに限定されない。すなわち、サーバ300に設けられた予測部が発電量の予測を行い、サーバ300に設けられた走行条件決定部において、走行ルート・走行スケジュールの候補を決定し、この決定した走行ルート・走行スケジュール候補を車両情報端末200へと出力して表示することとしてもよい。
【0115】
また、上記実施形態では、ユーザが車両情報端末200を操作して、走行ルート・走行スケジュールを決定することとしたが、ユーザの車両情報端末200の操作を介さずに走行ルート・走行スケジュールを決定することとしてもよい。例えば、携帯情報端末100上の操作に基づいて、走行条件の選択を自動で行うこととしてもよい。これにより、ユーザの煩わしさを軽減することができる。
【0116】
また、上記実施形態では、車両200aが自動走行機能を有することとしたが、自動走行機能は必須ではない。
【0117】
また、上記実施形態では、発電部224が第1発電部224a~第5発電部224eを備える場合を示したが、発電部224は、光エネルギー、音エネルギー、振動エネルギー、風エネルギー、回生エネルギーの少なくともいずれかから電力を発電可能であればよい。
【産業上の利用可能性】
【0118】
本発明は、車両支援システムに利用できる。
【符号の説明】
【0119】
S 車両支援システム
123a、123b スケジュール情報
124a 時間情報
124c 場所情報
200a 車両
216b 情報取得部
216d 目的地決定部
216e 予測部
216f 走行条件決定部
224 発電部
226 走行制御部