(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-14
(45)【発行日】2023-02-22
(54)【発明の名称】運搬機械
(51)【国際特許分類】
B60P 1/04 20060101AFI20230215BHJP
G05D 1/02 20200101ALI20230215BHJP
【FI】
B60P1/04 Z
G05D1/02 H
(21)【出願番号】P 2019145262
(22)【出願日】2019-08-07
【審査請求日】2022-02-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000005522
【氏名又は名称】日立建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉本 和也
(72)【発明者】
【氏名】板東 幹雄
(72)【発明者】
【氏名】魚津 信一
【審査官】谷川 啓亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-051737(JP,A)
【文献】特開2017-049172(JP,A)
【文献】特開2018-151217(JP,A)
【文献】特開2018-047813(JP,A)
【文献】特開2006-130964(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60P 1/00 - 1/64
G05D 1/00 - 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷台を傾動させるための傾動装置と、
盛り土が形成された放土場で走行するための走行装置と、
周囲物体の位置情報を取得するための外界センサと、
管制局との情報の送受信を行うための通信装置と、
前記荷台に積載された積荷を前記放土場に設けられた目標放土位置で前記盛り土の外側に放土するため、前記通信装置を介して前記管制局から受信した前記目標放土位置に基づいて、前記走行装置および前記傾動装置の動作状態を制御する車載コントローラと、を備えた運搬機械であって、
前記車載コントローラは、
前記運搬機械の放土状態を判定し、
前記外界センサより得られるセンサ情報に基づいて前記運搬機械の放土作業が完全に終了したときの放土動作に伴う前記盛り土の形状変化を検出し、
前記検出結果に基づいて前記盛り土の異常の有無、および、前記盛り土の異常の有無に応じた前記目標放土位置の次回以降使用可否を判定し、前記判定結果を前記通信装置を介して前記管制局に送信する、ことを特徴とする運搬機械。
【請求項2】
請求項1に記載の運搬機械において、
前記車載コントローラは、前記外界センサで検出された前記盛り土の形状と、前記荷台の着座状態と、前記荷台の積荷の重量と、前記荷台の荷台傾斜角度と、前記運搬機械の車両速度とから、前記運搬機械の放土状態を判定することを特徴とする運搬機械。
【請求項3】
請求項1に記載の運搬機械において、
前記車載コントローラは、前記外界センサで検出した前記運搬機械の放土作業が完全に終了したときの放土動作に伴う前記盛り土の形状を記憶装置に記憶し、前記記憶装置に過去に記憶された放土前の前記盛り土の形状と前記記憶装置に記憶された放土後の前記盛り土の形状の差分を算出し、前記算出結果に基づいて前記盛り土の異常の有無、および、前記盛り土の異常の有無に応じた前記目標放土位置の次回以降使用可否を判定することを特徴とする運搬機械。
【請求項4】
請求項3に記載の運搬機械において、
前記盛り土の形状は、盛り土距離と盛り土奥行距離を含むことを特徴とする運搬機械。
【請求項5】
請求項1に記載の運搬機械において、
前記車載コントローラは、前記管制局から次回以降使用可能な目標放土位置を受信し、前記走行装置を制御して前記次回以降使用可能な目標放土位置まで前記運搬機械を誘導することを特徴とする運搬機械。
【請求項6】
車輪と、車両フレームと、積荷を運搬するための荷台と、前記車両フレームと前記荷台との間に介装されたサスペンションとを備える運搬機械であって、
前記運搬機械の周囲物体の位置情報を取得する外界センサと、前記運搬機械の走行位置を計測するGNSSアンテナおよびGNSS受信機と、前記荷台が前記車両フレームに着座しているかを判断する着座センサと、前記荷台の積荷の重量を計測するサスペンション圧力センサと、前記運搬機械が放土作業を実施する作業場の使用可否を管理する作業場状態管理装置と前記運搬機械の作業場を決定する作業位置司令装置と次回作業場情報を前記運搬機械に送信するための管制局側通信装置とを備えた管制局と通信するための運搬機械側通信装置と、車載コントローラと、を有し、
前記車載コントローラは、
前記GNSSアンテナおよびGNSS受信機より得られた走行位置と、前記作業位置司令装置から前記管制局側通信装置および前記運搬機械が備える前記運搬機械側通信装置を介して前記運搬機械に送信された目標放土位置とを比較し、前記運搬機械が前記目標放土位置に到達するように、前記運搬機械の車速および操舵角を制御し、
前記GNSSアンテナおよびGNSS受信機より得られた走行位置、
および前記運搬機械の現在の車速と操舵角
を記憶装置に記録し、前記外界センサより得られたセンサ情報により、前記運搬機械の進入・落下を防止するための盛り土と前記運搬機械の間の距離を示す盛り土距離、および前記盛り土の奥行方向の長さを示す盛り土奥行距離を計測するとともに、前記盛り土距離および前記盛り土奥行距離を
前記記憶装置に記録し、
前記盛り土距離および前記盛り土奥行距離と、前記着座センサと前記サスペンション圧力センサより得られたセンサ情報と、荷台傾斜角度とを用いて前記運搬機械の積荷の放土作業が完全に終了したことを検出し、
放土作業が完全に終了していると判断された場合は、前記記
憶装置から得られた現在と過去の走行位置、およびその際の前記盛り土距離および前記盛り土奥行距離を入力とし、放土作業前の前記走行位置と放土作業後の前記走行位置があらかじめ設定した閾値以内の際の、前記盛り土奥行距離および
前記盛り土距離の差分を算出し、
前記盛り土奥行距離および前記盛り土距離の差分が、あらかじめ設定した閾値以内の場合は、前記盛り土は前記運搬機械の作業前後で異常無しとし、前記異常無しの場合は、今回作業した作業位置が次回の作業位置として使用可能と判定し、その判定結果を、前記運搬機械側通信装置および前記管制局側通信装置を介して前記管制局が備える前記作業場状態管理装置に送信する、ことを特徴とする運搬機械。
【請求項7】
請求項6に記載の運搬機械において、
前記車載コントローラは、前記盛り土奥行距離および前記盛り土距離の差分が、あらかじめ設定した閾値を超えた場合は、前記盛り土は前記運搬機械の作業前後で異常有りとし、前記異常有りの場合は、今回作業した作業位置が次回の作業位置として使用不可能と判定し、その判定結果を、前記運搬機械側通信装置および前記管制局側通信装置を介して前記管制局が備える前記作業場状態管理装置に送信することを特徴とする運搬機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土砂や鉱石等を運搬して放土場で放土(特に、盛り土が形成された放土場でオーバエッジダンピング)を行う運搬機械に関する。
【背景技術】
【0002】
鉱山現場では、運搬機械が積載している土砂等を放土する放土場が存在し、運搬機械は放土と共に放土場全体の地形を変化させていく。
【0003】
放土にはいくつかの方法があるが、特にオーバエッジダンピングと呼ばれる放土方法では、運搬機械は積載物を崖下に放土する。この際、運搬機械が安全に放土可能なように、整地作業機械や運搬機械の運行状況を管理する管制局側が、放土場全体の路面や盛り土の崩れ具合を示す地形変化を監視し、問題がある場合は整地作業機械が都度整地をする。
【0004】
一般に、鉱山全体の生産性を向上させるためには、放土場全体を整地用の領域と放土用の領域とに分割し、整地用の領域を整地作業機械が整地している間、放土用の領域で運搬機械が放土を実施する、といった運用が有効である。
【0005】
他方、露天掘り鉱山等では、運搬機械を無人運行することで、運搬作業を自動で行う運搬機械無人運行システムが活用されている。上記運搬機械無人運行システム下で動作する無人運搬機械自身は、目視にて路面や盛り土(路肩)の崩れ具合を認識することができない。そのため、整地作業機械や管制局側は、上述した放土場全体の地形変化を、有人にて運搬機械を操作する際と比較し、より注力して監視する必要がある。
【0006】
しかしながら、整地作業機械が上述した放土場の監視業務に注力してしまうと、整地作業が疎かになり、鉱山全体の生産性低下に繋がる。また、管制局側からの監視を実施する場合は、放土場に設置したカメラからの遠隔監視となるが、鉱山全体に点在する放土場の盛り土の細かい形状変化までは認識が難しく、形状変化の見落としが発生する恐れがある。
【0007】
従って、無人運搬機械自身が、放土可能な位置(もしくは不可能な位置)を効率的かつ正確に検出することで、放土作業の効率向上を図ることが課題とされている。
【0008】
以上の課題を解決するために、下記特許文献1では、レーザー光により対象物までの距離と反射強度を取得するLiDAR(Light Detection And Ranging)を2台用い、これらをお互いに直交させて無人運搬機械に設置し、無人運搬機械後方の盛り土の形状変化を検出する技術が開示されている。この従来技術では、第一のLiDARを走行路面の勾配および後方盛り土までの距離を計測するために使用し、第二のLiDARを後方盛り土の形状を取得するために使用することで、放土動作時に盛り土の崩れ、すなわち放土可能な位置を精度よく検出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述した従来技術では、無人運搬機械は、実際に盛り土に接近し放土動作をしない限り、盛り土の崩れ、すなわち放土可能な位置を検出することはできない。従って、無人運搬機械が目標の放土位置に接近し、問題となる盛り土の形状変化を検出した場合は、異なる放土位置に対し再度移動しなければならず、手戻りが発生し、鉱山現場の生産効率が低下する恐れがあった。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、運搬機械が放土、特にオーバエッジダンピングを効率的に行うことができるとともに、整地作業機械や管制局が放土場の監視に要する時間を短縮でき、鉱山全体の効率向上を図ることのできる運搬機械を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するために、本発明に係る運搬機械は、荷台を傾動させるための傾動装置と、盛り土が形成された放土場で走行するための走行装置と、周囲物体の位置情報を取得するための外界センサと、管制局との情報の送受信を行うための通信装置と、前記荷台に積載された積荷を前記放土場に設けられた目標放土位置で前記盛り土の外側に放土するため、前記通信装置を介して前記管制局から受信した前記目標放土位置に基づいて、前記走行装置および前記傾動装置の動作状態を制御する車載コントローラと、を備えた運搬機械であって、前記車載コントローラは、前記運搬機械の放土状態を判定し、前記外界センサより得られるセンサ情報に基づいて前記運搬機械の放土作業が完全に終了したときの放土動作に伴う前記盛り土の形状変化を検出し、前記検出結果に基づいて前記盛り土の異常の有無、および、前記盛り土の異常の有無に応じた前記目標放土位置の次回以降使用可否を判定し、前記判定結果を前記通信装置を介して前記管制局に送信する、ことを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る運搬機械は、車輪と、車両フレームと、積荷を運搬するための荷台と、前記車両フレームと前記荷台との間に介装されたサスペンションとを備える運搬機械であって、前記運搬機械の周囲物体の位置情報を取得する外界センサと、前記運搬機械の走行位置を計測するGNSSアンテナおよびGNSS受信機と、前記荷台が前記車両フレームに着座しているかを判断する着座センサと、前記荷台の積荷の重量を計測するサスペンション圧力センサと、前記運搬機械が放土作業を実施する作業場の使用可否を管理する作業場状態管理装置と前記運搬機械の作業場を決定する作業位置司令装置と次回作業場情報を前記運搬機械に送信するための管制局側通信装置とを備えた管制局と通信するための運搬機械側通信装置と、車載コントローラと、を有し、前記車載コントローラは、前記GNSSアンテナおよびGNSS受信機より得られた走行位置と、前記作業位置司令装置から前記管制局側通信装置と前記運搬機械が備える前記運搬機械側通信装置を介して前記運搬機械に送信された目標放土位置とを比較し、前記運搬機械が前記目標放土位置に到達するように、前記運搬機械の車速および操舵角を制御し、前記GNSSアンテナおよびGNSS受信機より得られた走行位置、前記運搬機械の現在の車速と操舵角、および前記外界センサより得られたセンサ情報より、前記運搬機械の進入・落下を防止するための盛り土と前記運搬機械の間の距離を示す盛り土距離、および前記盛り土の奥行方向の長さを示す盛り土奥行距離を計測するとともに、前記盛り土距離および前記盛り土奥行距離を記憶装置に記録し、前記盛り土距離および前記盛り土奥行距離と、前記着座センサと前記サスペンション圧力センサより得られたセンサ情報と、荷台傾斜角度とを用いて前記運搬機械の積荷の放土作業が完全に終了したことを検出し、放土作業が完全に終了していると判断された場合は、前記記録装置から得られた現在と過去の走行位置、およびその際の前記盛り土距離および前記盛り土奥行距離を入力とし、放土作業前の前記走行位置と放土作業後の前記走行位置があらかじめ設定した閾値以内の際の、前記盛り土奥行距離および前記前記盛り土距離の差分を算出し、前記盛り土奥行距離および前記盛り土距離の差分が、あらかじめ設定した閾値以内の場合は、前記盛り土は前記運搬機械の作業前後で異常無しとし、前記異常無しの場合は、今回作業した作業位置が次回の作業位置として使用可能と判定し、その判定結果を、前記運搬機械側通信装置および前記管制局側通信装置を介して前記管制局が備える前記作業場状態管理装置に送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、放土、特にオーバエッジダンピングに伴う盛り土の形状変化(後述する盛り土手前への放土、荷台による盛り土の崩落、放土土砂の堆積)を運搬機械自身が検出することで、管制局側は他の運搬機械の放土可能位置を事前に管理可能となり、運搬機械が放土、特にオーバエッジダンピングを効率的に行うことができるとともに、整地作業機械や管制局が放土場の監視に要する時間を短縮でき、鉱山全体の効率向上を実現することができる。
【0015】
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本実施形態の運搬機械無人運行システムの概念図。
【
図4A】本実施形態の無人運搬機械が放土場の地形形状を変化させる原因である、盛り土手前への放土を示した概念図。
【
図4B】本実施形態の無人運搬機械が放土場の地形形状を変化させる原因である、荷台による盛り土崩落を示した概念図。
【
図4C】本実施形態の無人運搬機械が放土場の地形形状を変化させる原因である、放土土砂堆積による盛り土肥大化を示した概念図。
【
図5】本実施形態の作業場形状監視システムの機能ブロック図。
【
図6】本実施形態の作業場形状監視システムにおける走行制御部の機能ブロック図。
【
図7】本実施形態の作業場形状監視システムにおける目標放土位置に対する無人運搬機械のアプローチ経路の概念図。
【
図8】本実施形態の作業場形状監視システムにおける盛り土形状検出部の処理フロー図。
【
図9A】本実施形態の作業場形状監視システムにおける盛り土形状検出部にて算出する盛り土距離を示した概念図。
【
図9B】本実施形態の作業場形状監視システムにおける盛り土形状検出部にて算出する盛り土奥行距離を示した概念図。
【
図10A】本実施形態の作業場形状監視システムにおける作業状態判定部の処理フロー図。
【
図10B】本実施形態の作業場形状監視システムにおける作業状態判定部の作業状態判定基準を示したテーブル図。
【
図11A】本実施形態の作業場形状監視システムにおける作業状態判定部にて判定される結果の一つである、放土前を示した概念図。
【
図11B】本実施形態の作業場形状監視システムにおける作業状態判定部にて判定される結果の一つである、放土開始を示した概念図。
【
図11C】本実施形態の作業場形状監視システムにおける作業状態判定部にて判定される結果の一つである、放土中を示した概念図。
【
図12A】本実施形態の作業場形状監視システムにおける作業状態判定部にて判定される結果の一つである、放土終了直後を示した概念図。
【
図12B】本実施形態の作業場形状監視システムにおける作業状態判定部にて判定される結果の一つである、放土完全終了を示した概念図。
【
図13】本実施形態の作業場形状監視システムにおける盛り土形状差分算出部および次回作業可否判定部の処理フロー図。
【
図14】本実施形態の作業場形状監視システムにおける走行ノードと作業状態と盛り土距離の関係を示したグラフ図。
【
図15】本実施形態の作業場形状監視システムにおける放土場の地形形状を変化させる原因と走行ノードと盛り土距離の関係を示したグラフ図。
【
図16A】本実施形態の作業場形状監視システムにおける盛り土形状差分算出部に対し入力される、放土前の盛り土奥行距離を示した概念図。
【
図16B】本実施形態の作業場形状監視システムにおける盛り土形状差分算出部に対し入力される、放土完全終了時の盛り土奥行距離を示した概念図。
【
図17】本実施形態の作業場形状監視システムにおける管制局が備える作業場状態管理部が管理する、目標放土位置の使用可否を示した概念図。
【
図18】本実施形態の作業場形状監視システムにおける管制局が備える作業場状態管理部が管理する、整地領域および放土領域を示した概念図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面等を用いて、本発明の実施形態について説明する。以下では、作業場形状監視システムを含む運搬機械無人運行システム、および、当該運搬機械無人運行システム(の作業場形状監視システム)で運用される本発明内容である無人運搬機械(運搬機械)の実施形態を、
図1~
図18を用いて説明する。
【0018】
[運搬機械無人運行システム100]
まず、運搬機械無人運行システムのシステム構成を、
図1を用いて説明する。
図1に示すように、運搬機械無人運行システム100は、鉱物や表土などの土砂等を無人で搬送・運搬する作業機械である無人運搬機械(ダンプトラック等)110と、地表面を整地する作業機械である整地作業機械(グレーダやドーザ等)111と、鉱物や表土などを採掘して前記無人運搬機械110に積載する作業機械である積込機械(ショベルやホイールローダ等)112と、それらの運行を(統括的に)管理している管制局120とを少なくとも備えている。
【0019】
また、運搬機械無人運行システム100が動作する鉱山内のエリアには、積込機械112により無人運搬機械110に鉱物や表土などの積み込み動作を行う積込場130や、積み込まれた鉱物や表土などを運搬する際に、前記無人運搬機械110が走行する搬送路131、積み込まれた鉱物や表土などを前記無人運搬機械110から放土する放土場132、鉱山内で運用される車両や機械を駐機しておく駐機場133などが存在する。また、搬送路131には交差点134が存在することが一般的である。なお、本実施形態において、放土場132にはオーバエッジダンピングと呼ばれる放土方法を適用する放土場が少なくとも1つは含まれている。
【0020】
無人運搬機械110は、管制局120に設置された交通管制装置140に無線通信回線141を介して通信接続され、管制局120の指示のもとで運行制御(積み込み、走行、放土等)がなされる(後で詳述)。
図1の符号142は、管制局120の無線アンテナを示しており、符号142-1、142-2、142-3は無線移動局を示す。
【0021】
[無人運搬機械110]
続いて、無人運搬機械110の構成を、
図2を用いて説明する。無人運搬機械110は、車両フレーム201と、車両フレーム201に起伏可能(言い換えれば、傾動可能)に設けられた荷台202とを有する。さらに、車両フレーム201の前側上方に運転室203が設けられている。車両フレーム201の下部には左右の前輪204A及び後輪204Bが備えられている。
【0022】
なお、
図2のように、車両フレーム201と前輪204Aおよび後輪204Bとの間には、サスペンションコンプライアンスを持つ左右のサスペンション205A、205B(右側のサスペンション205Aは図示、左側のサスペンション205Bは不図示)が車両フレーム201と荷台202との間に介装されて設けられている。
【0023】
また、図示は省略するが、車両フレーム201には、前記サスペンション205A、205Bに油圧を供給する油圧ポンプ、前記前輪204A及び後輪204Bを回転駆動させる駆動源としての走行モータ(エンジンでも可)、前記無人運搬機械110(の前輪204A)の操舵角を可変とするステアリング装置なども搭載されている。
【0024】
前述した前輪204A及び後輪204B、駆動源、ステアリング装置などによって、前記無人運搬機械110を鉱山内で自在に走行させる(言い換えれば、車速、進行方向を変更させる)ための走行装置206(
図5)が構成される。また、前述したサスペンション205A、205B、油圧ポンプなどによって、前記無人運搬機械110の荷台202を傾動させる(言い換えれば、荷台傾斜角度を変更させる)ための傾動装置207(
図5)が構成される。そして、前記した走行装置206および傾動装置207の動作状態を制御するため、後述する車載コントローラ351(
図5)が搭載されている。
【0025】
車両フレーム201の後部には、無人運搬機械110の周囲物体の位置情報を取得する外界センサとしてLiDAR223が設置されている。本実施形態では、LiDARは1台のみ設置されるが、本例においては1台には限定されず複数台であっても構わない。LiDAR223は、レーザー光の照射方向を予め定めた所定の角度、例えば0.5度毎に徐々に変化させて路面上の計測点を走査し、LiDAR223から路面、路面に形成された盛り土等の周囲物体までの距離を算出する。なお、本実施形態では、外界センサとしてLiDARを使用しているが、カメラ、赤外線センサ、超音波センサなどを利用しても構わない。
【0026】
加えて無人運搬機械110には、衛星信号を用いて無人運搬機械110の走行位置を計測するGNSSアンテナ221Aおよび221Bが設置されている。本実施形態では無人運搬機械110の進行方向も取得するため、GNSSアンテナは2台設置されるが、3台以上であっても構わない。また、前記GNSSアンテナ221A、221Bから得られた衛星信号を解析し、当該無人運搬機械110の走行位置および進行方向を(後述する車載コントローラ351に)出力するGNSS受信機222が運転室203内に設置されている。なお、以下では、2台のGNSSアンテナ221A、221Bを纏めてGNSSアンテナ221と言うことがある。
【0027】
加えて、前記無人運搬機械110が備える荷台202が車両フレーム201に着座しているかを判断する着座センサ224と、荷台202の土砂等の重量(荷重)を計測する重量センサとしてのサスペンション圧力センサ225とが備えられている。
【0028】
[作業場形状監視システム500]
以降では、運搬機械無人運行システム100に含まれる作業場形状監視システム500の内容に関して記載するが、本実施形態では、作業場形状監視システム500が監視する作業対象として、先述した通り、無人運搬機械110が放土場132にて行うオーバエッジダンピングを対象とする。
【0029】
ここで、運搬機械無人運行システム100で管理される放土場132に関して
図3を用いて説明する。
図3に示すように、放土場132は、周囲(外周)の全域または一部の領域が崖となっており、無人運搬機械110の崖下への転落防止のため(換言すれば、無人運搬機械110の進入・落下を防止する車止めとして)、全体が盛り土301にて囲まれている。
【0030】
前記管制局120では、放土場132内の盛り土301付近における所定位置を無人運搬機械110が放土動作を行う目標放土位置302とし、その目標放土位置302を、
図3の目標放土位置302A~302Fの通り複数管理している。無人運搬機械110は、管制局120が備える作業位置司令部211(
図5)からの指令(目標放土位置)を受信し、ここでは例えば、前記目標放土位置302Aに向かって走行し、盛り土301に対し停止制御を行い、前記目標放土位置302Aにて荷台202を上げることで、積載している土砂等を崖下(つまり、盛り土301の外側)へ放土するオーバエッジダンピングを無人(換言すれば、自動)で実現する。
【0031】
また、同じく放土場132内に存在する整地作業機械111は、無人運搬機械110の放土動作(オーバエッジダンピング)に伴う放土場132の地形形状の変化を監視し、異常がある場合は、整地作業を行う。
【0032】
この際、無人運搬機械110が上記放土動作(オーバエッジダンピング)に伴い放土場132の地形形状を変化させる原因としては、主に以下の3原因が存在する。これらの状況を
図4A、
図4B、
図4Cを用いて説明する。
【0033】
1.盛り土手前への放土:
図4Aの通り、無人運搬機械110の盛り土301に対する停止制御が不正確な場合や、無人運搬機械110に積載している土砂の粘性が高い場合、土砂が崖下に落ち切らず盛り土301の手前に別の盛り土401を形成する。この後、
図3にて示す他の無人運搬機械110Bが、無人運搬機械110と同じ目標放土位置302にて放土しようとすると、盛り土301まで接近できずオーバエッジダンピングが不可能となる。
2.荷台よる盛り土崩落:
図4Bの通り、無人運搬機械110の盛り土301に対する停止制御が不正確な場合や、盛り土301が必要以上に高く作成されている場合、放土動作に伴い前記荷台202が上がることで、前記荷台202が盛り土301を削ってしまう(削られた盛り土301’)。この場合、
図3にて示す他の無人運搬機械110Bが、無人運搬機械110と同じ目標放土位置302にて放土しようとすると、盛り土301が十分存在せず(
図4Bの301’参考)崖下へ転落する恐れがある。
3.放土土砂堆積による盛り土肥大化:
図4Cの通り、無人運搬機械110を含む複数の無人運搬機械が放土した土砂が崖下より堆積し(堆積した土砂402)、最終的に盛り土301を覆ってしまうと(
図4Cの402参考)、上記1や2が発生する確率が高くなる。
【0034】
本実施形態では、以降で述べる作業場形状監視システム500が備える処理を用いて、無人運搬機械110自身が上述した放土動作に伴う放土場132の地形形状変化を算出することで、他の無人運搬機械110B(または自身の無人運搬機械110)の放土を効率的に行うとともに、整地作業機械111の監視に要する時間を低減させ、鉱山全体の運用効率を向上させることが目的である。
【0035】
以上を踏まえ、作業場形状監視システム500のシステム構成を、
図5を用いて説明する。作業場形状監視システム500は、主として、前記無人運搬機械110と、管制局120とから構成される。
【0036】
[管制局120(機能ブロック)]
管制局120は、放土場132内の目標放土位置302A~302Fが、放土に適した路面または盛り土状態か否かを管理する作業場状態管理部(作業場状態管理装置)210と、作業場状態管理部210内にて逐次更新される情報を加味し(後で説明)、無人運搬機械110や後続する無人運搬機械110Bの目標放土位置を決定する作業位置司令部(作業位置司令装置)211と、上記作業場所の情報を交通管制装置140および無線通信回線141を介して無人運搬機械110に送信する管制局側通信装置212(以下、単に通信装置212と言うことがある)とを備えている。
【0037】
[無人運搬機械110(機能ブロック)]
前記無人運搬機械110は、先述した各センサ(GNSSアンテナ221、GNSS受信機222、LiDAR(外界センサ)223、着座センサ224、サスペンション圧力センサ225)に加え、各センサで検出したセンサ情報等に基づいて当該無人運搬機械110の各種動作を制御する車載コントローラ351と、管制局120(の管制局側通信装置212)から送信される上記作業場所の情報を交通管制装置140および無線通信回線141を介して受信し、上記車載コントローラ351で演算・算出した結果(情報)を交通管制装置140および無線通信回線141を介して管制局120に送信する無人運搬機械側通信装置350(以下、単に通信装置350と言うことがある)とを備えている。
【0038】
[車載コントローラ351]
車載コントローラ351は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を含むマイクロコンピュータで構成され、それらがプログラムの演算、作業領域への情報の読み書き、プログラムの一時的な格納を行い、当該無人運搬機械110の各種動作を制御する。詳しくは、車載コントローラ351(のCPU)は、先述した各センサで検出したセンサ情報等に基づいて各種演算を実施して走行装置206や傾動装置207を制御することで、当該無人運搬機械110の走行状態(車速、操舵角、位置、進行方向など)や荷台202の傾き(荷台傾斜角度)を制御する。
【0039】
本実施形態の車載コントローラ351は、前述した無人運搬機械110の放土動作に伴う放土場132の地形形状変化を算出する処理の演算を実施するため、走行位置推定部331、走行制御部332、盛り土形状検出部333、作業状態判定部334、盛り土形状差分算出部335、次回作業可否判定部336、および記憶部(記憶装置)340を備えている。以降では、上述した各機能ブロックの処理の内容を述べる。
【0040】
[走行位置推定部331]
走行位置推定部331は、(GNSSアンテナ221を介して)GNSS受信機222が取得した衛星信号を解析し、鉱山内に設定された鉱山座標系における無人運搬機械110の走行位置および進行方向を取得する。走行位置の推定手段はこれに限らず、
図5には明記していない他の手段を用いても良い。例えば、加速度を検出するジャイロ装置や加速度センサ、操舵角度を検出する回転角センサ、車両の車輪回転速度を検出することが可能な車輪速センサから得られる情報とタイヤ半径等の情報を併用し、より高精度な無人運搬機械110の走行位置や進行方向を検出してもよい。
【0041】
[走行制御部332]
走行制御部332では、前記管制局120が備える作業位置司令部211から無人運搬機械側の通信装置350を介して受信した目標放土位置302と、目標放土位置302までのアプローチ経路、前記走行位置推定部331より出力された無人運搬機械110の走行位置と、進行方向に基づき、操舵角、車速、および荷台傾斜角度の目標値を決定し、これら目標値に沿うように走行装置206および傾動装置207の制御を行う。
【0042】
以降では前記走行制御部332の処理の内容を、
図6および
図7を用いて述べる。
図6は、走行制御部332が備える機能ブロック図を示している。また、
図7は、目標放土位置302に対するアプローチ経路を示している。
【0043】
図7に示すように、本実施形態で述べるアプローチ経路は、一例として、連続した走行リンク710および走行ノード720により実現される。これら走行リンク710および走行ノード720は、ある一定の領域ごとに区切られており、これらを無人運搬機械110が走行可能な走行許可区間730A、730B、730Cとする。前記走行リンク710は、前記走行ノード720どうしを前記走行ノード720が有するID順に連結させた際の線分を示しており、前記走行ノード720は、前記ID、鉱山座標系を基準とした位置座標、目標速度、前後の走行リンクおよび走行ノードから算出された勾配、曲率情報を有している。また、前記目標放土位置302も上述した走行ノード720と同じ形式を有し、上述した情報の他に荷台上げ動作司令情報を有している。
【0044】
図6に示すように、前記走行制御部332は、自車走行ノード取得部601、自車走行リンク取得部602、走行許可区間要求部603、車速制御部604、操舵角制御部605、および荷台傾斜角制御部606を有して構成される。
【0045】
走行制御部332は動作を開始すると、自車走行ノード取得部601を実施する。自車走行ノード取得部601は、
図7に示す通り、走行位置推定部331から得られた自車位置701と自車進行方向702の情報を入力とし、無人運搬機械110の近傍に存在す走行ノード720Aおよび走行ノード720A’を算出する。また、得られた走行ノードのうち、無人運搬機械110より前方に存在する走行ノードを目標走行ノード720Aとする。
【0046】
自車走行リンク取得部602は、自車走行ノード取得部601より取得した走行ノード720Aおよび走行ノード720A’の間に自車位置701が当てはまる走行リンクのうち最近傍のものを選択し、それを目標走行リンク710Aとする。
【0047】
走行許可区間要求部603は、管制局120に対して走行許可区間を要求する。走行許可区間を要求するタイミングは、例えば、現在の無人運搬機械110の走行許可区間730Aの残り距離が短くなったと判断したときなどとし、そのときに、管制局120に次の走行許可区間730Bを要求して取得する。
【0048】
車速制御部604は、目標走行ノード720Aが有する目標速度を入力とし、この目標速度を実現するように各車輪の走行モータトルク指令値(または、エンジントルク指令値)を生成し、現在速度と指令値の差をフィードバックしその差を小さくする制御を走行装置206に対して実施する。なお、走行速度は、例えば、前輪や後輪の回転数を計測するエンコーダとタイヤ仕様をもとに求めることができる。
【0049】
操舵角制御部605は、目標走行リンク710Aが備える目標経路を入力とし、この目標経路を実現するように操舵角指令値を生成し、現在操舵角と指令値の差をフィードバックしその差を小さくする制御を走行装置206に対して実施する。なお、操舵角は、回転角センサなどによって操舵角を計測することなどで求めることができる。
【0050】
荷台傾斜角制御部606は、目標放土位置302が備える荷台上げ動作司令情報と、後述する盛り土形状検出部333から出力された無人運搬機械110から無人運搬機械110後方の盛り土301までの距離を入力とし、荷台上げ動作を行うべく荷台202の荷台傾斜角度指令値を生成し、その荷台傾斜角度指令値に沿うように傾動装置207のホイストシリンダ(不図示)を制御する。
【0051】
以上が走行制御部332の処理内容である。前記走行制御部332にて出力された無人運搬機械110の現在の走行ノード720A、走行リンク710A、走行許可区間730A~730C、車速、操舵角、荷台傾斜角度は、記憶部340および盛り土形状検出部333に入力される。
【0052】
[盛り土形状検出部333(概要)]
盛り土形状検出部333は、前記走行位置推定部331および前記走行制御部332から出力された無人運搬機械110の現在の走行位置、進行方向、速度、目標放土位置302の情報などに基づき、無人運搬機械110後方の盛り土301と無人運搬機械110間の距離を示す盛り土距離、および前記盛り土301の奥行方向の長さを示す盛り土奥行距離を計測する。本処理の詳細は後述する。
【0053】
[作業状態判定部334(概要)]
作業状態判定部334は、前記盛り土形状検出部333から得られた盛り土形状、前記着座センサ224とサスペンション圧力センサ225から取得したセンサ情報、前記走行制御部332から取得した現在の車速、荷台傾斜角度などを用いて、無人運搬機械110の放土動作が完了したことを検出する。本処理の詳細は後述する。
【0054】
[盛り土形状差分算出部335(概要)]
盛り土形状差分算出部335は、作業状態判定部334の結果、放土が完全に完了していると判断された場合は、記録部340から得られた現在と過去の走行位置、およびその際の前記盛り土距離、盛り土奥行距離を入力とし、放土前と放土後の前記盛り土距離および前記盛り土奥行距離の差分を算出する。本処理の詳細は後述する。
【0055】
[次回作業可否判定部336(概要)]
次回作業可否判定部336は、盛り土形状差分算出部335の前記盛り土距離および前記盛り土奥行距離の差分算出の結果、放土動作に伴う盛り土の形状変化(盛り土手前への放土、荷台による盛り土崩落、放土土砂堆積)を検出し、その結果を、前記無人運搬機械側の通信装置350および管制局側の通信装置212を介して管制局120が備える前記作業位置状態管理部210に送信する。本処理の詳細は後述する。
【0056】
以上が作業場形状監視システム500と当該作業場形状監視システム500を構成する要素の概要である。
【0057】
以降では、車載コントローラ351にて処理を実行する、前述した盛り土形状検出部333、作業状態判定部334、盛り土形状差分算出部335、次回作業可否判定部336の処理の詳細について説明する。
【0058】
[盛り土形状検出部333]
盛り土形状検出部333の処理の内容を、
図8および
図9A、
図9Bを用いて述べる。
図8は、盛り土形状検出部333の処理フロー図を示している。また、
図9A、
図9Bは、無人運搬機械110と無人運搬機械110後方に存在する盛り土301、および外界センサとして無人運搬機械110に搭載されているLiDAR223が計測した点群(LiDAR点群)の情報を示している。
【0059】
図8に示すように、盛り土形状検出部333は動作を開始すると、処理S801を実施する。処理S801では、後述する作業状態判定部334より現状の放土状態を取得する。放土状態は、放土前、放土開始、放土中、放土終了直後、放土完全終了の計5パターンに区別され、ここではいずれかの状態を取得する。その後、処理S802に移行する。
【0060】
処理S802では、前記走行制御部332から出力された無人運搬機械110の現在の自車速度や目標放土位置の情報を取得する。その後、処理S803に移行する。
【0061】
処理S803では、LiDAR223が計測したLiDAR点群810、811および812(
図9A、
図9B)を取得する。ここでLiDAR点群810、811、812と区別した理由は、後述する盛り土形状検出部333の処理内容の説明のためであり、LiDAR点群810、811、812の各点は、いずれも前記LiDAR223から各点群までの距離およびレーザーの反射光から推測される反射強度を有している。その後、処理S804に移行する。
【0062】
処理S804では、前記処理S801にて取得した放土状態が、放土前もしくは放土完全終了である場合は、処理S805もしくは処理S806に移行する。それ以外の場合は、盛り土形状検出部333は処理を終了し、現在の放土状態を前記走行制御部332に入力する。
【0063】
処理S805では、放土状態が放土前かつ自車速度<0(後進中)の場合は、盛り土形状検出処理を実施するため、処理S807に移行する。それ以外の場合は、盛り土形状検出部333は処理を終了し、現状の放土状態を前記走行制御部332に入力する。
【0064】
処理S806でも、処理S805同様、放土状態が放土完全終了かつ自車速度≧0(前進中)の場合は、盛り土形状検知を実施するため、処理S807に移行する。それ以外の場合は、盛り土形状検出部333は処理を終了し、現状の放土状態を前記走行制御部332に入力する。
【0065】
処理S807では、盛り土形状検出処理を実施する。盛り土形状検出処理では、無人運搬機械110と無人運搬機械110後方に存在する盛り土301間の距離を示す盛り土距離830(
図9A参照)、および前記盛り土301の奥行方向の長さを示す盛り土奥行距離840(
図9B参照)を算出する。上述した盛り土距離830と盛り土奥行距離840の算出は、例えば先に紹介した特許文献1(特開2018-151217号公報)に記載の内容を用いることで実現できる。以降、上述した盛り土距離830と盛り土奥行距離840の算出方法を、
図9Aおよび
図9Bを用いて詳細を述べる。
【0066】
図9Aに示すように、前記特許文献1では、LiDAR223の設置位置と無人運搬機械110の車両構造から推定される路面上のLiDAR点群(路面点群)810を入力とし、これら点群を直線近似することで路面推定直線821を算出する。その後、前記路面推定直線821よりも鉛直上方向に存在するLiDAR点群であり、かつ隣接する点群どうしがある程度の傾斜を有する点群のみを列挙したLiDAR点群(つまり盛り土点群)811を算出し、これら点群を直線近似することで盛り土推定直線822を算出する。その後、前記路面推定直線821と前記盛り土推定直線822の交点823を求め、本交点823と自車位置701との位置差分を算出し、これを盛り土距離830とする。
【0067】
また同時に、
図9Bに示すように、無人運搬機械110に対し盛り土推定直線822よりも遠方に存在し、かつ路面推定直線821よりもある程度鉛直上向き方向に存在するLiDAR点群812を盛り土上面点群として算出し、前記LiDAR点群(盛り土上面点群)812のうち、無人運搬機械110に対し最遠方に存在する点と前記盛り土推定直線822の距離(ここでは路面に平行な距離)を盛り土奥行距離840とする。
【0068】
以上が盛り土形状検出部333の処理の内容である。
【0069】
[作業状態判定部334]
続いて、作業状態判定部334の処理の内容を、
図10A、
図10Bおよび
図11A、
図11B、
図11C、
図12A、
図12Bを用いて述べる。
図10Aは、作業状態判定部334の処理フロー図を示している。作業状態判定部334では、前記盛り土形状検出部333から得られた前記盛り土距離830と、前記着座センサ224とサスペンション圧力センサ225から取得したセンサ情報(着座センサ状態、サスペンション圧力)と、前記走行制御部332から出力された車速および荷台傾斜角度の現在値を入力とし、先述した通り、無人運搬機械110の作業状態(放土状態)を下記5パターンに区別する。
【0070】
1.放土前(図11A):
無人運搬機械110は目標放土位置302(盛り土301)に対し接近中。
2.放土開始(図11B):
無人運搬機械110は目標放土位置302に到着し、オーバエッジダンピングのため荷台上げ動作を開始。
3.放土中(図11C):
無人運搬機械110は荷台202を上げきり、オーバエッジダンピング中。
4.放土終了直後(図12A):
無人運搬機械110は荷台202を徐々に下げつつ前進を開始。
5.放土完全終了(図12B):
無人運搬機械110は荷台202を完全に下げきり、前進。
【0071】
【0072】
図10Aに示すように、作業状態判定部334は動作を開始すると、処理S1001を実施する。処理S1001では、無人運搬機械110が備える荷台202が車両フレーム201に接地しているか否かを判定する前記着座センサ224のON(着座)・OFF(荷台上げ)状態を取得する。その後、処理S1002に移行する。
【0073】
処理S1002では、荷台202に搭載されている積載物(積荷ともいう)の荷重を計測するためのサスペンション圧力センサ225の圧力値(サスペンション圧力)を取得する。その後、処理S1003に移行する。
【0074】
処理S1003では、前記走行制御部332より得られた荷台傾斜角度を取得する。その後、処理S1004に移行する。
【0075】
処理S1004では、前記盛り土形状検出部333より出力された盛り土距離830を取得する。その後、処理S1005に移行する。
【0076】
処理S1005では、前記走行制御部332より出力された現在の車両速度を取得する。その後、処理S1006に移行する。
【0077】
処理S1006では、無人運搬機械110の現在の放土状態判定を行う。
図10Bは、現在の車両速度V、現在の盛り土距離L、現在のサスペンション圧力P、現在の荷台傾斜角度θ、現在の着座センサ状態Sとした際の、各値に対し閾値処理を行い、この結果に基づき放土状態を、放土前、放土開始、放土中、放土終了直後、放土完全終了の5パターンに区分けしたテーブル図である。
【0078】
ここで
図10Bの車両速度Vf、Vbは、無人運搬機械110が前進しているか後進しているかを判断するための閾値を示しており、例えばVf=1km/h、Vb=-1km/hとする。
【0079】
また、
図10Bの盛り土距離Lcは、無人運搬機械110が盛り土301に接近しきったか否かを判断するための閾値を示しており、例えばLc=1mとする。
【0080】
また、
図10Bのサスペンション圧力P
empty等は、荷台202の積載量を計測するための閾値であり、積載物が無い空荷状態を示すP
empty、空荷ではないものの積載物が荷台内に存在している状態を示すP
mid、積荷状態を示すP
loadとする。
【0081】
また、
図10Bの荷台傾斜角度θ
down等は、荷台202の傾斜角に応じて荷台202の状態を判断するための閾値であり、荷台が下がっている状態を示すθ
down、荷台上げ中を示すθ
mid、上限まで上げきった状態を示すθ
upとし、例えば、それぞれθ
down=5deg、θ
up=45deg、θ
mid=20degとする。
【0082】
また、
図10Bの着座センサ状態Sは、荷台202が車両フレーム201に着座しているかを判断するための情報(着座情報)であり、本実施形態では、着座している際をON、荷台が上がっている状態をOFFとする。
【0083】
作業状態判定部334では、初期状態を放土前とし、前記現在の車両速度V、現在の盛り土距離L、現在のサスペンション圧力P、現在の荷台傾斜角度θ、現在の着座センサ状態Sの時間変化とともに
図10Bのテーブルに従って、現在の放土状態を決定する。
【0084】
以上が、作業状態判定部334の処理の内容である。
【0085】
[記憶部340]
記憶部340は、走行位置推定部331より出力された無人運搬機械110の現在の自車位置(走行位置)701、自車進行方向702、走行制御部332より出力された現在の目標走行ノード720A、盛り土形状検出部333から出力された盛り土距離830および盛り土奥行距離840、作業状態判定部334から出力された無人運搬機械110の作業状態(放土前、放土開始、放土中、放土終了直後、放土完全終了)を逐次記録する。以上が、記憶部340の処理の内容である。
【0086】
[盛り土形状差分算出部335、次回作業可否判定部336]
続いて、盛り土形状差分算出部335および次回作業可否判定部336の処理内容を、
図13、
図14および
図15を用いて述べる。
図13は、盛り土形状差分算出部335および次回作業可否判定部336の処理フロー図を示している。
【0087】
図13に示すように、盛り土形状差分算出部335および次回作業可否判定部336は動作を開始すると、処理S1301を実施する。処理S1301では、前記作業状態判定部334の出力である放土状態(放土状態を、放土前、放土開始、放土中、放土終了直後、放土完全終了)を取得する(盛り土形状差分算出部335)。その後、処理S1302に移行する。
【0088】
処理S1302では、処理S1301で取得した結果が放土完全終了である場合は、処理S1303に移行する。一方で、処理S1301で取得した結果が放土完全終了以外である場合は、前記走行制御部332に処理を移行する。
【0089】
処理S1303では、記憶部340から過去の検出結果を取得する(盛り土形状差分算出部335)。この際、盛り土形状差分算出部335は、記憶部340に記録されている前記走行ノード720と無人運搬機械110の自車位置(走行位置)701を比較し、その差分が最も小さくなる際の(つまり、自車位置(走行位置)701に最も近い)前記走行ノード720(言い換えれば、放土作業前の自車位置(走行位置)701と放土作業後の自車位置(走行位置)701があらかじめ設定した任意の閾値以内の際の走行ノード720)と、前記走行ノード720に対応する盛り土距離830および盛り土奥行距離840、放土状態を取得する。その後、処理S1304に移行する。
【0090】
処理S1304では、放土前後での盛り土距離の差分を算出する(盛り土形状差分算出部335)。本処理を実施することで、盛り土形状差分算出部335は、放土後の路面が、盛り土手前への放土状態(
図4A参照)、荷台よる盛り土崩落状態(
図4B参照)、もしくは異常なしかを判別する。
【0091】
図14は、走行ノード(時間に対応)と前記盛り土距離830の関係を示している。本実施形態においては、無人運搬機械110が(目標走行ノード720Aから)盛り土301手前の目標放土位置302に接近する経路(720A~720E、302:
図11A~
図12Bを併せて参照)と目標放土位置302(換言すれば、盛り土301)から離脱する経路(302’、720E’~720A’)が同じである。従って、
図14中の720Aと720A’(および720A~720Eと720A’~720E’、302と302’)は同一の走行ノードを示している。
【0092】
放土状態の中でも放土開始、放土中、放土終了直後は、荷台202から積載物が落下している可能性が高く、前記LiDAR223は落下中の土砂等を検出する場合も考えられる上に、落下した土砂等により路面形状が変化している最中でもあることから、盛り土301の形状変化を正確に検出することが困難である。そこで、本実施形態では、盛り土形状差分算出部335は、放土前に検出した盛り土距離830と、放土完全終了時に検出した盛り土距離830の差分を算出することで形状変化を算出する。なお、
図14に示す通り、各走行ノードは放土状態を有していることから、盛り土形状差分算出部335は、この情報に従い、放土前の走行ノード情報と放土完全終了時の走行ノード情報のみを用いて盛り土距離の差分を算出する。
【0093】
図15は、放土前と放土完全終了を示す走行ノードである720A、720B、720Cおよび720A’、720B’、720C’と目標放土位置302との距離を横軸にし、盛り土距離を縦軸にとった際のグラフを示している。走行ノード間の盛り土距離においては線形補完を用いて関数化し、
図15では、盛り土接近時(放土前)をf
approach(l)、盛り土離脱時(放土完全終了)をf
leave(l)と示している。
【0094】
続いて、盛り土形状差分算出部335は、目標放土位置302の最近傍走行ノード(
図15では720C)と最遠方走行ノード(
図15では720A)間のf
approach(l)とf
leave(l)の面積差分Sを算出する。面積差分Sは、以下の式(1)により表すことができる。
(数1)
【0095】
上記で得られた面積差分Sに対し以下の式(2)を適用することで、盛り土形状差分算出部335は、盛り土手前への放土状態(
図4A参照)、荷台よる盛り土崩落状態(
図4B参照)、もしくは異常なしを判別する。なお、式(2)のThr
minおよびThr
maxは、盛り土の異常を判断するためのあらかじめ設定された閾値を示している。
(数2)
【0096】
上記処理後、処理S1305に移行する。
【0097】
処理S1305では、処理S1304の結果、先述した式(2)を用いて異常なしと判断された場合は、処理S1306に移行する。それ以外の場合は、処理S1309に移行する。
【0098】
処理S1306では、放土前後での盛り土奥行距離の差分を算出する(盛り土形状差分算出部335)。ここでは前記走行ノードのうち、目標放土位置302の最近傍走行ノード(
図15では720C)の放土前の盛り土奥行距離840A(
図16A参照)(d
approach)と放土後の盛り土奥行距離840B(
図16B参照)(d
leave)の距離差分Dを以下の式(3)の通り算出する。
(数3)
【0099】
上記で得られた距離差分Dが以下の式(4)に示す通りあらかじめ設定された閾値Thrより大きければ、盛り土形状差分算出部335は、無人運搬機械110が放土した土砂等が崖下から堆積して盛り土が肥大化している(
図4C参照)と判断し、一方で、上記距離差分Dがあらかじめ設定された閾値Thr以下であれば、盛り土形状差分算出部335は、異常なしと判断する。
(数4)
【0100】
上記処理後、処理S1307に移行する。
【0101】
処理S1307では、処理S1306の結果、先述した式(4)を用いて異常なしと判断された場合は、処理S1308に移行する。それ以外の場合は、処理S1309に移行する。
【0102】
処理S1308では、処理S1305および処理S1307での判断結果(異常なし)から、今回の放土した前記盛り土(今回使用した作業位置に対応)は次回以降使用可能と判定し、その判定結果(異常なし、つまり、使用可能)を前記通信装置350および212を介して前記管制局120が備える前記作業場状態管理部210に送信する(次回作業可否判定部336)。その後、盛り土形状差分算出部335および次回作業可否判定部336の処理を終了する。
【0103】
一方、処理S1309では、処理S1305および処理S1307での判断結果(異常あり)から、今回の放土した前記盛り土(今回使用した作業位置に対応)は次回以降使用不可能と判定し、その判定結果(異常あり、つまり、使用不可能)を前記通信装置350および212を介して前記管制局120が備える前記作業場状態管理部210に送信する(次回作業可否判定部336)。その後、盛り土形状差分算出部335および次回作業可否判定部336の処理を終了する。
【0104】
以上が、盛り土形状差分算出部335および次回作業可否判定部336の処理の内容である。
【0105】
このように、無人運搬機械110(の車載コントローラ351)は、無人運搬機械110自身が上述した放土動作に伴う(放土完全終了の)放土場132(特に盛り土301)の地形形状変化を算出するとともに、その地形形状変化の異常の有無、および、その地形形状変化の異常の有無に応じた作業場(目標放土位置)の次回以降使用可否を判定し、その判定結果を通信装置350および212を介して管制局120(の作業場状態管理部210)に送信する。
【0106】
[作業場状態管理部210、作業場位置司令部211]
最後に、管制局120が備える作業場状態管理部210および作業位置司令部211の内容を、
図17および
図18を用いて述べる。
【0107】
作業場状態管理部210は、通信装置212を介して無人運搬機械110(の車載コントローラ351)から入力された作業場としての目標放土位置の使用可否情報を管理し、例えば
図17の符号303に示すように、放土場132の一定数以上の目標放土位置が使用不可と判断された場合は、整地作業機械111に整地作業を促す。
【0108】
例えば、作業場状態管理部210は、
図17、
図18の符号302A~302Fに示す通り、計6つの放土位置を管理しているが、そのうち半数である3つ以上の目標放土位置が使用不可と判断された場合は、前記整地作業機械111に整地作業を実施するよう、管制局120より通達をする。同時に管制局120は、整地対象となる目標放土位置(
図18では目標放土位置302A、302B、302C)を囲む領域を無人運搬機械110の進入を禁止する整地専用エリアとして設ける。これにより、放土場132全体が整地領域132Bと放土領域132Aとに分割され、効率良く放土場132を活用できる。また、これまでに述べた通り、放土(特にオーバエッジダンピング)に伴う盛り土301の形状変化を無人運搬機械110自身が検出することで、前記整地作業機械111や管制局120は、放土場132の監視に要する時間を短縮でき、鉱山全体の効率向上を実現することができる。
【0109】
また、作業位置司令部211は、作業場状態管理部210に対して通信装置212を介して無人運搬機械110(の車載コントローラ351)から入力された目標放土位置の使用可否情報を使用し、使用可能な目標放土位置を選択・決定して無人運搬機械110に送信して、放土が必要になった無人運搬機械110を当該使用可能な目標放土位置に誘導するとともに、使用不可能な目標放土位置(つまり、整地領域132B内)への無人運搬機械車両110の進入を禁止する制御を実施する。
【0110】
以上が、作業状態監視システム500の説明である。
【0111】
以上で説明したように、本実施形態によれば、車載コントローラ351は、無人運搬機械110の放土状態を判定し、外界センサとしてのLiDAR223より得られるセンサ情報に基づいて無人運搬機械110の放土作業が完全に終了したときの放土動作に伴う盛り土301の形状変化を検出し、その検出結果に基づいて盛り土301の異常の有無、および、盛り土301の異常の有無に応じた目標放土位置302の次回以降使用可否を判定し、その判定結果を通信装置350を介して管制局120に送信する。
【0112】
また、前記車載コントローラ351は、外界センサとしてのLiDAR223で検出した無人運搬機械110の放土作業が完全に終了したときの放土動作に伴う盛り土301の形状(盛り土距離830、盛り土奥行距離840)を記憶部340に記憶し、記憶部340に過去に記憶された目標放土位置302における放土前の盛り土301の形状と記憶部340に記憶された目標放土位置302における放土後の盛り土301の形状の差分を算出し、その算出結果に基づいて盛り土301の異常の有無、および、盛り土301の異常の有無に応じた目標放土位置302の次回以降使用可否を判定する。
【0113】
これにより、放土、特にオーバエッジダンピングに伴う盛り土301の形状変化(盛り土手前への放土、荷台による盛り土の崩落、放土土砂の堆積)を無人運搬機械110自身が検出することで、管制局120側は他の無人運搬機械110の放土可能位置を事前に管理可能となり、無人運搬機械110が放土、特にオーバエッジダンピングを効率的に行うことができるとともに、整地作業機械111や管制局120が放土場132の監視に要する時間を短縮でき、鉱山全体の効率向上を実現することができる。
【0114】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形形態が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
【0115】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【0116】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0117】
100 :運搬機械無人運行システム
110、110B :無人運搬機械(運搬機械)
111 :整地作業機械
112 :積込機械
120 :管制局
130 :積込場
131 :搬送路
132 :放土場
132A :放土領域
132B :整地領域
133 :駐機場
134 :交差点
140 :交通管制装置
141 :無線通信回線
142 :無線アンテナ
142-1、142-2、142-3 :無線移動局
201 :車両フレーム
202 :荷台
203 :運転室
204A :前輪
204B :後輪
205A、205B :サスペンション
206 :走行装置
207 :傾動装置
210 :作業場状態管理部(作業場状態管理装置)
211 :作業位置司令部(作業位置司令装置)
212 :管制局側通信装置
221、221A、221B :GNSSアンテナ
222 :GNSS受信機
223 :LiDAR(外界センサ)
224 :着座センサ
225 :サスペンション圧力センサ
301 :盛り土
302、302A~302F :目標放土位置
303 :使用不可の目標放土位置
331 :走行位置推定部
332 :走行制御部
333 :盛り土形状検出部
334 :作業状態判定部
335 :盛り土形状差分算出部
336 :次回作業可否判定部
340 :記憶部(記憶装置)
350 :無人運搬機械側通信装置
351 :車載コントローラ
500 :作業場形状監視システム
601 :自車走行ノード取得部
602 :自車走行リンク取得部
603 :走行許可区間要求部
604 :車速制御部
605 :操舵角制御部
606 :荷台傾斜角制御部
710 :走行リンク
720 :走行ノード
730A、730B、730C :走行許可区間
701 :自車位置
702 :自車進行方向
810 :LiDAR点群(路面点群)
811 :LiDAR点群(盛り土点群)
812 :LiDAR点群(盛り土上面点群)
821 :路面推定直線
822 :盛り土推定直線
823 :路面推定直線と盛り土推定直線の交点
830 :盛り土距離
840 :盛り土奥行距離
840A :放土前の盛り土奥行距離
840B :放土後の盛り土奥行距離