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特許7227904締め付けツールのエネルギー流をモニタする方法、モニタリングノード及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-14
(45)【発行日】2023-02-22
(54)【発明の名称】締め付けツールのエネルギー流をモニタする方法、モニタリングノード及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   B25B 23/14 20060101AFI20230215BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20230215BHJP
【FI】
B25B23/14 620G
G05B19/418 Z
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019531981
(86)(22)【出願日】2017-12-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-01-23
(86)【国際出願番号】 EP2017081286
(87)【国際公開番号】W WO2018108593
(87)【国際公開日】2018-06-21
【審査請求日】2020-10-14
(31)【優先権主張番号】1630297-8
(32)【優先日】2016-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】502212604
【氏名又は名称】アトラス・コプコ・インダストリアル・テクニーク・アクチボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】デインベルグス アンドリス
【審査官】山内 康明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/189638(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/001209(WO,A1)
【文献】特開2011-173233(JP,A)
【文献】特開平10-328952(JP,A)
【文献】特開2008-213086(JP,A)
【文献】米国特許第05903462(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25B 23/14
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ツール通信ネットワーク(50)に関連するモニタリングノード(100)によって実行される、前記通信ネットワーク(50)に接続された締め付けツール(125)のエネルギーの流れをモニタする方法であって、
前記締め付けツール(125)に供給された電流(I)、前記締め付けツール(125)のロータの角度(α)、及び前記締め付けツール(125)によって前記締め付けツールによって締付けられる結合部材(80)に付与されたトルクに関するパラメータ値を前記締め付けツール(125)から受け取るステップ(S100)と、
前記締め付けツール(125)に供給された電流(I)及び前記締め付けツール(125)の前記ロータの前記角度(α)に関する前記受け取ったパラメータ値、および式(エネルギー=電流×電圧×(角度(α)/角速度)に基づいて、前記締め付けツール(125)に費やされたエネルギーを計算するステップ(S110)と、
前記締め付けツールによって前記締め付けツールによって締付けられる結合部材(80)に付与された前記トルク及び前記締め付けツール(125)の前記ロータの前記角度に関する前記受け取ったパラメータ値に基づいて、回転に要するトルクと前記ロータの累積回転角度との積として、前記締め付けツール(125)によって前記締め付けツールによって締付けられる結合部材(80)に伝えられたエネルギーを計算するステップ(S120)と、
前記締め付けツール(125)に費やされた前記計算されたエネルギーが、前記締め付けツール(125)によって前記締め付けツールによって締付けられる結合部材(80)に伝えられた前記計算されたエネルギーから、前記締付けツールにエラーが存在していることを示す所定しきい値より大きな値だけ逸脱していることを検出するステップ(S130)と、
前記逸脱の検出に応答して警告メッセージを送信するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記締め付けツール(125)に費やされた前記計算されたエネルギーが前記締め付けツール(125)によって前記締め付けツールによって締付けられる結合部材(80)に伝えられた前記計算されたエネルギーから、前記所定しきい値よりも大きく逸脱していることを検出したことに応答して、警告メッセージを送信するステップ(S140)をさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記通信ネットワーク(50)を介して前記締め付けツール(125)にパラメータ値の要求を送信するステップ(S100A)をさらに含む、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記受け取るステップ(S100)は、前記締め付けツール(125)の温度に関するパラメータ値を前記締め付けツール(125)から受け取るステップと、
前記締め付けツール(125)の前記温度に関する前記パラメータ値と相関する所定の値を計算するステップ(S125)と、
をさらに含む、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記受け取るステップ(S100)は、前記通信ネットワーク(50)に接続された第2の締め付けツール(135)から該第2の締め付けツール(135)の温度に関するパラメータ値を受け取るステップをさらに含み、前記検出するステップ(S130)は、前記締め付けツール(125)の前記温度に関する前記パラメータ値が前記第2の締め付けツール(135)の前記温度に関する前記パラメータ値から所定の温度範囲から逸脱していることを検出するステップをさらに含み、前記警告メッセージを送信するステップ(S140)は、前記締め付けツール(125)及び前記第2の締め付けツール(135)の前記温度に関する前記パラメータ値の前記逸脱に関する情報を送信するステップを含む、
請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記締め付けツールによって締付けられる結合部材(80)を締め付けるための所望の締め付けトルクに関するパラメータ値を取り出すステップ(S109)と、
前記所望の締め付けトルクに関する前記取り出したパラメータ値が、前記締め付けツール(125)によって前記締め付けツールによって締付けられる結合部材(80)に付与された前記トルク(T)を示す前記受け取ったパラメータ値から逸脱していることを検出するステップ(S137)と、
をさらに含み、前記警告メッセージを送信するステップ(S140)は、前記所望の締め付けトルクが、前記締め付けツール(125)によって前記締め付けツールによって締付けられる結合部材(80)に付与された前記トルク(T)を示す前記受け取ったパラメータ値から逸脱している旨の情報を送信するステップを含む、
請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
通信ネットワーク(50)に接続された締め付けツール(125)のエネルギーの流れをモニタするための、前記ツール通信ネットワーク(50)に関連するモニタリングノード(100)であって、プロセッサ(350)と、命令を含むメモリ(360)とを備え、前記命令は、前記プロセッサ(350)によって実行された時に、前記モニタリングノード(100)に、
前記締め付けツール(125)に供給された電流(I)、前記締め付けツール(125)のロータの角度(α)、及び前記締め付けツール(125)によって前記締め付けツールによって締付けられる結合部材(80)に付与されたトルクに関するパラメータ値を前記締め付けツール(125)から受け取ることと、
前記締め付けツール(125)に供給された電流(I)及び前記締め付けツール(125)の前記ロータの前記角度(α)に関する前記受け取ったパラメータ値、および式(エネルギー=電流×電圧×(角度(α)/角速度)に基づいて、前記締め付けツール(125)に費やされたエネルギーを計算することと、
前記締め付けツールによって前記締め付けツールによって締付けられる結合部材(80)に付与された前記トルク及び前記締め付けツール(125)の前記ロータの前記角度に関する前記受け取ったパラメータ値に基づいて、回転に要するトルクと、どれだけ回転したかを示す累積回転角度との積として、前記締め付けツール(125)によって前記締め付けツールによって締付けられる結合部材(80)に伝えられたエネルギーを計算することと、
前記締め付けツール(125)に費やされた前記計算されたエネルギーが、前記締め付けツール(125)によって前記締め付けツールによって締付けられる結合部材(80)に伝えられた前記計算されたエネルギーから、前記締め付けツール(125)にエラーが存在することを示すしきい値よりも大きく逸脱していることを検出することと、
前記逸脱の検出に応答して警告メッセージを送信することと、
を行わせる、ことを特徴とするモニタリングノード(100)。
【請求項8】
前記締め付けツール(125)に費やされた前記計算されたエネルギーが前記締め付けツール(125)によって前記締め付けツールによって締付けられる結合部材(80)に伝えられた前記計算されたエネルギーから、前記所定のしきい値よりも大きく、逸脱していることを検出したことに応答して、警告メッセージを送信すること(S140)をさらに行わされる、
請求項7に記載のモニタリングノード(100)。
【請求項9】
前記通信ネットワーク(50)を介して前記締め付けツール(125)にパラメータ値の要求を送信することをさらに行わされる、
請求項7又は8に記載のモニタリングノード(100)。
【請求項10】
前記締め付けツール(125)の温度に関するパラメータ値を前記締め付けツール(125)から受け取ることと、
前記締め付けツール(125)の前記温度に関する前記パラメータ値と相関するような所定の値を計算することと、をさらに行わされる、
請求項7から9のいずれかに記載のモニタリングノード(100)。
【請求項11】
前記通信ネットワーク(50)に接続された第2の締め付けツール(135)から該第2の締め付けツール(135)の温度に関するパラメータ値を受け取ることと、
前記締め付けツール(125)の前記温度に関する前記パラメータ値が前記第2の締め付けツール(135)の前記温度に関する前記パラメータ値から、所定の温度範囲よりも大きく、逸脱していることを検出することと、
をさらに行わされ、前記警告メッセージの送信は、前記締め付けツール(125)及び前記第2の締め付けツール(135)の前記温度に関する前記パラメータ値の前記逸脱に関する情報を送信することを含む、
請求項7~10のいずれかに記載のモニタリングノード(100)。
【請求項12】
前記締め付けツールによって締付けられる結合部材(80)を締め付けるための所望の締め付けトルクに関するパラメータ値を取り出すことと、
前記所望の締め付けトルクに関する前記取り出されたパラメータ値が、前記締め付けツール(125)によって前記締め付けツールによって締付けられる結合部材(80)に付与された前記トルク(T)を示す前記受け取ったパラメータ値から逸脱していることを検出することと、
をさらに行わされ、前記警告メッセージの送信は、前記所望の締め付けトルクが、前記締め付けツール(125)によって前記前記締め付けツールによって締付けられる結合部材(80)に付与された前記トルク(T)を示す前記受け取ったパラメータ値よりも小さい旨の情報を送信することを含む、
請求項7から9のいずれかに記載のモニタリングノード(100)。
【請求項13】
コンピュータプログラムコードを含むコンピュータプログラム(365)であって、前記コンピュータプログラムコードは、プロセッサ(350)上で実行された場合に、請求項1から6のいずれかに記載の方法を実行するように適合される、
ことを特徴とするコンピュータプログラム(365)。
【請求項14】
コンピュータ可読記憶媒体(360)を含むコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータ可読記憶媒体は、請求項13に記載のコンピュータプログラム(365)を有する、
ことを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に締め付けツールのエネルギー流をモニタする方法、モニタリングノード及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
しばしば、生産作業では、オペレータが操作する電動レンチなどのポータブルな締め付けツールを含む締め付けツール、及び締め付けツールを含むシステムが使用される。一般的な応用は、組み立てラインで行われる。今日では、組み立てラインの締め付けツールにコントローラを接続することができ、コントローラが、ツールによって行われる作業をツールが自動的に機能するように制御する。換言すれば、コントローラは、ツールが正しく動作するように、例えば正しいトルクでレンチ動作を実行するようにうまく取り計らう。
【0003】
時には、コントローラを新たな情報で更新する必要がある。例えば、これらのツールは、新たな動作を実行し、寸法又はトルクを変更し、或いはより良い性能のために現在の動作をわずかに調整することが必要となり得る。
【0004】
欧州特許第2015/064814号には、締め付けツールの遠隔制御を可能にするためのツール通信ネットワークが開示されている。このツール通信ネットワークは、多くのツールコントローラに対して同時に更新を行って、更新中のオペレータの時間を最小限に抑えるのに大いに役立つ。にツールコントローラは、このツール通信ネットワークを使用して、ボルト又はナットの締め付けに使用されたトルクの収集などの、締め付けツールによって行われた作業結果のデータを収集することもできる。このようなデータの収集は、組み立てラインで生産された製品のトレーサビリティを向上させるのに役立つ。従って、ツール通信ネットワークは、組み立てラインにおける作業の効率及び質を大きく改善してきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】欧州特許第2015/064814号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、行うべき改善は依然として存在する。このような改善分野は、近い将来のツールの故障の予測又は検出、組み立てラインで組み立てられた製品の材料のばらつき及び組み立てラインの製造ステーションにおけるオペレータの行動の検出とすることができる。今日、生産技術者は、組み立てラインのどのステーションがツールの使用又はオペレータの行動に常に問題を抱えているかを、経験を通じて知ることができる。この経験は、オペレータを観察し、及び/又は締め付けシステム及びその他の設備によって表示されるエラーコードを見ることによって獲得することができる。オペレータの行動及びエラーコードを観察して組み立てラインを概観するには、多くの経験も生産技術者の時間も必要である。生産技術者は、同時に1箇所にしか存在できないので、組み立てライン全体を同時に観察することは困難なだけでなく不可能である。故障は、欠陥のある締め付けツール、誤ったオペレータの行動、又は材料の不備を原因として生じるので、このことは生産の乱れに繋がる。
【0007】
従って、生産の中断を招く可能性がある故障を予測して低減するために、さらに良好に組み立てラインを概観することが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は、上述した課題点及び問題点の少なくとも一部に対処することである。締め付けツールのエネルギー流をモニタする方法、モニタリングノード及びコンピュータプログラムを使用することによって、これらの及びその他の目的を達成することができる。
【0009】
1つの態様によれば、締め付けツールも接続されたツール通信ネットワークに関連するモニタリングノードによって実行される方法が提供される。この方法は、締め付けツールに供給された電流、締め付けツールのロータの角度、及び締め付けツールによってジョイントに付与されたトルクに関するパラメータ値を締め付けツールから受け取るステップと、締め付けツールに供給された電流及び締め付けツールのロータの角度に関する受け取ったパラメータ値に基づいて、締め付けツールに費やされたエネルギーを計算するステップと、締め付けツールによってジョイントに付与されたトルク及び締め付けツールのロータの角度に関する受け取ったパラメータ値に基づいて、締め付けツールによってジョイントに伝えられたエネルギーを計算するステップとを含む。この方法は、締め付けツールに費やされた計算されたエネルギーが、締め付けツールによってジョイントに伝えられた計算されたエネルギーから、所定の値より大きく、逸脱していることを検出するステップをさらに含む。
【0010】
ある実施形態では、方法が、締め付けツールに費やされた計算されたエネルギーが締め付けツールによってジョイントに伝えられた計算されたエネルギーから、所定の値より大きく、逸脱していることを検出したことに応答して、警告メッセージを送信するステップも含む。
【0011】
別の実施形態では、方法が、通信ネットワークを介して締め付けツールにパラメータ値の要求を送信するステップを含む。
【0012】
さらに別の実施形態では、この方法の受け取るステップが、締め付けツールの温度に関するパラメータ値を締め付けツールから受け取るステップと、締め付けツールの温度に関するパラメータ値と相関するような、すなわち温度が上昇すると増加するような所定の値を計算するステップとをさらに含む。
【0013】
さらなる実施形態では、この方法の受け取るステップが、通信ネットワークに接続された第2の締め付けツールから第2の締め付けツールの温度に関するパラメータ値を受け取るステップをさらに含み、検出するステップが、締め付けツールの温度に関するパラメータ値が第2の締め付けツールの温度に関するパラメータ値から、所定の温度範囲より大きく、逸脱していることを検出するステップをさらに含み、警告メッセージを送信するステップが、締め付けツール及び第2の締め付けツールの温度に関するパラメータ値の逸脱に関する情報を送信するステップを含む。
【0014】
別の実施形態では、方法が、ジョイントを締め付けるための所望の締め付けトルクに関するパラメータ値を取り出すステップと、所望の締め付けトルクに関する取り出したパラメータ値が、締め付けツールによってジョイントに付与されたトルクを示す受け取ったパラメータ値から逸脱していることを検出するステップとを含み、警告メッセージを送信するステップは、所望の締め付けトルクが、締め付けツールによってジョイントに付与されたトルクを示す受け取ったパラメータ値から逸脱している旨の情報を送信するステップを含む。
【0015】
別の態様によれば、締め付けツールのエネルギー流をモニタするための、ツール通信ネットワークに関連するモニタリングノードが提供される。通信ネットワークには締め付けツールも接続される。このモニタリングノードは、プロセッサと、命令を含むメモリとを備え、この命令は、プロセッサによって実行された時に、モニタリングノードに、締め付けツールに供給された電流、締め付けツールのロータの角度、及び締め付けツールによってジョイントに付与されたトルクに関するパラメータ値を締め付けツールから受け取ることと、締め付けツールに供給された電流及び締め付けツールのロータの角度に関する受け取ったパラメータ値に基づいて、締め付けツールに費やされたエネルギーを計算することと、締め付けツールによってジョイントに付与されたトルク及び締め付けツールのロータの角度に関する受け取ったパラメータ値に基づいて、締め付けツールによってジョイントに伝えられたエネルギーを計算することとを行わせる。モニタリングノードは、締め付けツールに費やされた計算されたエネルギーが、締め付けツールによってジョイントに伝えられた計算されたエネルギーから、所定の値より大きく、逸脱していることを検出することをさらに行わされる。
【0016】
ある実施形態では、モニタリングノードが、締め付けツールに費やされた計算されたエネルギーが締め付けツールによってジョイントに伝えられた計算されたエネルギーから、所定の値より大きく、逸脱していることを検出するステップに応答して、警告メッセージを送信することをさらに行わされる。
【0017】
別の実施形態では、モニタリングノードが、通信ネットワークを介して締め付けツールにパラメータ値の要求を送信することを行わされる。
【0018】
さらに別の実施形態では、モニタリングノードが、締め付けツールの温度に関するパラメータ値を締め付けツールから受け取ることと、締め付けツールの温度に関するパラメータ値と相関するような、すなわち温度が上昇すると増加するような所定の値を計算することとをさらに行わされる。
【0019】
別の実施形態では、モニタリングノードが、通信ネットワークに接続された第2の締め付けツールから第2の締め付けツールの温度に関するパラメータ値を受け取ることと、締め付けツールの温度に関するパラメータ値が第2の締め付けツール(135)の温度に関するパラメータ値から、所定の温度範囲より大きく、逸脱していることを検出することとをさらに行わされ、警告メッセージの送信は、締め付けツール及び第2の締め付けツールの温度に関するパラメータ値の逸脱に関する情報を送信することを含む。
【0020】
さらなる実施形態では、モニタリングノードが、ジョイントを締め付けるための所望の締め付けトルクに関するパラメータ値を取り出すことと、所望の締め付けトルクに関する取り出されたパラメータ値が、締め付けツールによってジョイントに付与されたトルクを示す受け取ったパラメータ値から逸脱していることを検出することとをさらに行わされ、警告メッセージの送信は、所望の締め付けトルクが、締め付けツールによってジョイントに付与されたトルクを示す受け取ったパラメータ値よりも小さい旨の情報を送信することを含む。
【0021】
別の態様によれば、モニタリングノードのプロセッサ上で実行された時に、このモニタリングノードを前節で説明したモニタリングノードとして機能させるコンピュータ可読コードを含むコンピュータプログラム及びコンピュータプログラム製品が提供される。
【0022】
以下の詳細な説明から、この解決策のさらなる可能な特徴及び利点が明らかになるであろう。
【0023】
以下、例示的な実施形態を用いて添付図面を参照しながら解決策をさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】ツール通信ネットワークの概要図である。
図2】1つの考えられる実施形態による方法のフローチャートである。
図3】他の考えられる実施形態による方法のフローチャートである。
図4】考えられる実施形態によるモニタリングノードをさらに詳細に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
簡単に言えば、近い将来のツールの故障を予測又は検出し、組み立てラインで組み立てられた製品の材料のばらつき及び組み立てラインの製造ステーションにおけるオペレータの行動を検出するために、締め付けツールのエネルギー流のモニタリングを可能にする解決策を提供する。通常はコントローラによって制御される複数の締め付けツールが使用される環境では、締め付けツールを異なる動作のために設定することができる。さらに、特定の締め付けツールは、生産材料、材料取り扱いのための装置及び締め付けツールの異なるアクセサリ又は付属品などと共に製造ステーションの一部とすることもできる。締め付けツールは、ツール通信ネットワークの一部である。ツール通信ネットワークは、きれいな環境内の小規模製造工場で動作することができる。ツール通信ネットワークは、複数の建物又は遠隔地にわたって分散した製造環境で動作することもできる。ツール通信ネットワークは、時には通信設備及びコンピュータにとって厳しい汚れ、侵襲性の強い化学薬品、電気的外乱といった厳しい環境を伴う工場内の製造環境で動作することもできる。本発明と共に使用するのに適したツール通信ネットワークは、欧州特許第2015/064814号にさらに詳細に記載されている。
【0026】
図1に、ツール通信ネットワーク50の概要を示す。ツール通信ネットワーク50は、締め付けツール125、135(又は他の電動ツール)と、ツールコントローラ122、123と、ツールサーバ140と、通信ノード(ハブ)150と、モニタリングノード100とを含むことができる。図1には3つの異なるタイプのモニタリングノードを示しており、これらについては以下でさらに説明する。ツール通信ネットワーク50は、組み立てラインの一部である異なる製造ステーション120、130をサポートするように設定される。通常、組み立てラインには2つよりも多くの製造ステーションが存在するが、図1には、説明的なツール通信ネットワーク50を例示するために2つしか示していない。図1には、第1の製造ステーション120において締め付けられる第1のジョイント80(図1のボルト)と、第2の製造ステーションにおいて締め付けられる第2のジョイント90とを有する加工物110も示す。
【0027】
締め付けツール125、135は、締め付けツール125、135からの結果データの制御、監視及び収集を行うそれぞれのツールコントローラ122、123に接続される。締め付けツール125、135は、上述したようなボルトの締め付けなどの単純動作のために設定することができる。しかしながら、締め付けツール125、135は、複数の同様の動作及び異なる動作を含むさらに複雑な作業動作、1つの設備との一連の動作、別の設備に移行した後の別の一連の動作、並びに第3の設備への移行可能性のために設定することもできる。締め付けツール125、135がどのように動作を実行してどのようにオペレータと相互作用すべきかについては、ツールコントローラ122、123から受け取られた制御データに基づくことができる。各個々の動作は、例えばトルク及び回転速度などについて高精度で実行されることが必要となり得る。望ましい品質管理を維持するために、回転数、最終トルク、動作位置、時間、及び締め付けツールの動作の同様の結果データなどの全ての結果をセンサによって収集することができる。
【0028】
締め付けツール125、135及び付属設備を制御するツールコントローラ122、123は、締め付けツール125、135を制御するという主要タスクを有する。ツールコントローラ122、123は、設定データの管理、センサデータの収集、及び実行された作業動作の結果としてのセンサデータの保存を行うこともできる。ツールコントローラ122、123は、締め付けツール125、135を制御するための特定のノードとすることも、例えば締め付けツールの制御を行うように適合された汎用コンピュータすることもできる。ツールコントローラ122、123は、ツールコントローラ122のように有線で、又はツールコントローラ123によって概略的に示すように無線でツール通信ネットワーク50に接続することができる。ツールコントローラ122、123は、コントローラ、コントローラノード、制御ノード、制御ユニット、ツールプロセッサ、ツールレギュレータ、又は同様の表現で呼ぶこともできる。ツールコントローラ122、123は、締め付けツール125、135、ツールサーバ140、通信ノード150、又はツール通信ネットワーク50内で動作する他の好適な技術ノードと同じ位置に配置し、又はこれらに含まれるようにすることができる。
【0029】
ツールサーバ140は、締め付けツール125、135の作業動作の形成及び/又は管理のために生産管理者又は生産技術者が接続できるサーバである。ツールサーバ140は、汎用サーバとすることも、又は締め付けツール125、135の遠隔制御のために明確に構成されたツールサーバ140とすることもできる。ツールサーバに接続する管理者は、例えば特定の締め付けツール又は締め付けツール125、135のグループが特定の状況においてどのように挙動すべきかを創造し、指定し、変更することができる。一例として、一連の動作、ツールの選択、トルク率、回転数、回転速度、位置のような各動作の値、及び結果データをツールサーバ140にフィードバックすべき時に終了する方法などが挙げられる。
【0030】
通信ノード又はハブ150は、通信ネットワーク50に参加する異なる機能ノード又は装置間の通信を管理することができる。通信ノード150は、例えばツールコントローラ122、ツールサーバ140又は締め付けツール125、135のアイデンティティを追跡することができる。通信ノード150は、「オンライン」と「オフライン」を繰り返すあらゆるノード又は装置を追跡することができる。例えば、ツールコントローラ122は、様々な理由で常にネットワークに接続されているとは限らない。さらに、通信ノード150は、許可されたノードのみが互いに通信する権利を有するように、通信ネットワーク50内で通信するノード又は装置の妥当性確認及び/又は認可を行うこともできる。
【0031】
締め付けツール125、135のエネルギー流をモニタするように構成されたモニタリングノード100は、ツールサーバ140の一部とすることも、クラウドソリューションの一部として提供することも、或いは独立型サーバとして提供することもできる。モニタリングノード100については、図4に関連してさらに詳細に説明する。
【0032】
次に、図2を参照しながら、モニタリングノード100によって実行される方法をさらに詳細に説明する。モニタリングノード100は、ツール通信ネットワーク50に関連して、例えば組み立てラインにおいて締め付けツール125、135のエネルギー流をモニタする。上述したように、通信ネットワーク50には締め付けツール125、135も接続される。
【0033】
モニタリングノード100によって実行される方法のステップS100では、モニタリングノード100が、締め付けツール125に供給された電流、締め付けツール125のロータの角度、及び締め付けツール125によってジョイントに付与されたトルクに関するパラメータ値を締め付けツール125から受け取る。上述したように、締め付けツール125、135は異なるタイプのセンサを備え、これらを利用して供給電流、ロータ角度及び付与トルクを直接的又は間接的に取得することができる。受け取られるパラメータ値に関連するパラメータ値を取得するために使用できるセンサは多くのものが考えられる。本発明の文脈において重要なことは、供給電流、ロータ角度及び付与トルクに関するパラメータ値をモニタリングノード100が受け取ることである。
【0034】
その後、別のステップS110において、モニタリングノードは、締め付けツール125、135に供給された電流及び締め付けツールのロータの角度αに関する受け取ったパラメータ値に基づいて、締め付けツール125、135に費やされたエネルギーを計算する。
【0035】
別のステップS120において、モニタリングノードは、締め付けツール125、135によってジョイント80に付与されたトルク及び締め付けツール125、135のロータの角度αに関する受け取ったパラメータ値に基づいて、締め付けツール125、135によってジョイント80に伝えられたエネルギーも計算する。
【0036】
モニタリングノード100は、これらのステップS110及びS120における計算に基づいて、締め付けツール125、135に費やされた計算されたエネルギーが、締め付けツール125、135によってジョイント80に伝えられた計算されたエネルギーから、所定値より大きく、逸脱していることを検出する。例えば、締め付けツールに費やされたエネルギーを10kWhとし、ジョイント80に伝えられたエネルギーを8kWhとすることができる。この場合、逸脱は2kWh又は20%である。従って、所定の値が2kWh又は20%よりも高い場合、モニタリングノード100は、締め付けツール125、135に費やされた計算されたエネルギーが、締め付けツール125、135によってジョイント80に伝えられた計算されたエネルギーから、所定値すなわち2kWh又は20%より大きく、逸脱していることを検出する。この所定値は、生産技術者などによって設定される任意の値とすることができる。なお、上述したエネルギー値は例示目的で使用したものにすぎず、使用される締め付けツール125、135のタイプに依存する。
【0037】
締め付けツール125、135に費やされたエネルギーと締め付けツール125、135によってジョイント80、90に伝えられたエネルギーとを計算してこれらを比較することにより、多くのことを学習又は理解することができる。エネルギー損失及び締め付け力を計算することができる。例えば、エネルギー損失が存在する場合、又は締め付け力が低い場合には、締め付けツール125、135にエラーが存在することを示している可能性がある。さらに、1つの締め付けツール125のエネルギー損失を別の締め付けツール135又は複数の締め付けツールのエネルギー損失と比較することもできる。締め付けツール125、135を通過する総エネルギー量、及び締め付けツールにおいて失われる総エネルギーは、例えば締め付けツールの寿命の指標として使用することができる。例えばボルト80、90を締め付けるのに必要なエネルギーが増加した場合には、何かに不具合が生じている現れである。新たなボルトのバッチによってボルト80、90の特性が変化したか、或いは締め付けツール125、135の変換器が較正を失った可能性がある。従って、ツール内外へのエネルギー及び計算されたデータを使用すると、締め付けツール125、135の機能が衰えてきているかどうか、較正を必要としているかどうか、或いは組み立てラインで組み立てられている部品に予期せぬ変化が生じているかどうかを容易に理解できるようになる。
【0038】
図3を参照しながら、モニタリングノード100によって実行される方法の異なる実施形態及び変形例についてさらに詳細に説明する。図2に関連して説明した主なステップは図3でも繰り返され、これらについては実線で示す。図3では、任意のステップ及び変形例を破線で示す。
【0039】
1つの実施形態では、ステップS140において、締め付けツール125、135に費やされた計算されたエネルギーが、締め付けツール125、135によってジョイントに伝えられた計算されたエネルギーから、上述したような所定値より大きく、逸脱しいる旨を検出したことに応答して、モニタリングノード100が警告メッセージを送信する。この警告メッセージは、保存して生産管理者又は他のいずれかの権限者が後でアクセスできるようにツールサーバ140に送信することができる。警告メッセージは、通信ネットワーク50内の他のいずれかのノードに送信することもできる。例えば、警告メッセージは、メッセージをテキストメッセージとして受け取ることができるスマートホン又はその他のいずれかの装置に直接送信することができる。従って、警告メッセージを送信することにより、締め付けツール125、135に費やされたエネルギーと締め付けツール125、135によって出力されたエネルギーとの間に所定値又は閾値よりも大きな逸脱が発見されるとすぐに生産管理者などに通知することができる。これにより、生産管理者は、特定の製造ステーション120、130に行き、そこで又は特定のオペレータによって締め付けツール125、135がどのように使用されているかを観察する機会を得ることができる。
【0040】
1つの実施形態では、ステップS100において受け取られるパラメータ値を、概ね連続して、或いは締め付けツール125、135、又は締め付けツール125、135を制御するツールコントローラ122、123に予めプログラムされた規則的な間隔で受け取ることができる。別の実施形態では、これらのパラメータ値が、モニタリングノード100による要求時にのみ受け取られる。従って、モニタリングノード100は、ステップS100Aにおいて、通信ネットワーク50を介して締め付けツール125、135にパラメータ値の要求を送信する。
【0041】
ステップS100においてパラメータ値を受け取る際の別の選択肢は、電流供給、ロータの角度及び付与トルクに関するパラメータ値を受け取るだけでなく、締め付けツール125、135の温度に関するパラメータ値も受け取ることである。締め付けツールの温度は、締め付けツール125、135の何が問題であるかをさらに良好に診断するために使用できる他の計算を行うのに有用となり得る。例えば、ステップS125において、モニタリングノード100は、締め付けツール125、135の温度に関するパラメータ値と相関するような、すなわち温度が上昇すると増加するような所定の値を計算する。この理由は、締め付けツール125、135が温まると、これらが失うエネルギーも多くなって締め付けツール125、135の効率が低下するからである。しかしながら、このことはほとんどの場合において当然のことにすぎず、締め付けツールのエラーではなく、締め付けツールが頻繁に使用されていることのみに依存するものである。従って、所定の値を温度と相関させることによって所定の値が温度と共に動的に変化するようになり、従ってステップS140において不必要な警告メッセージが送信されなくなる。しかしながら、1つの実施形態では、締め付けツールの過熱が避けられるように、超えた時にはそれ以上の相関が行われなくなる閾値が存在することもできる。
【0042】
さらに別の実施形態では、通信ネットワーク50に接続された第2の締め付けツール135から、第2の締め付けツール135の温度に関するパラメータ値も受け取られる。さらに、この実施形態は、ステップS130において、締め付けツール125の温度に関するパラメータ値が第2の締め付けツール135の温度に関するパラメータ値から、所定の温度範囲より大きく、逸脱していることを検出するステップを含む。締め付けツールの故障又は材料の欠陥を予測する際には、異なる締め付けツール間の相違を比較することが有用となり得る。全ての締め付けツールの温度が上昇した場合には、ツールが存在する組み立てラインに問題があることを示している可能性がある。1つの締め付けツールの温度しか上昇しない場合には、その締め付けツールの製造ステーションに何らかの問題があることを示している。問題は、締め付けツール自体に関連することも、或いは加工物又はその部品の何らかの問題に関連することもある。1つの特定の締め付けツールの温度が上昇していることを指摘できる場合、モニタリングノード100は、ステップS140において、締め付けツール125及び第2の締め付けツール135の温度に関するパラメータ値の逸脱に関する情報を含む警告メッセージを送信する。
【0043】
別の変形例では、方法が、ステップS109において、ジョイント80を締め付けるための所望の締め付けトルクに関するパラメータ値を取り出すステップをさらに含む。この時、モニタリングノード100は、ステップS137において、所望の締め付けトルクに関連する取り出したパラメータ値が、締め付けツール125によってジョイント80に付与されたトルクを示す受け取ったパラメータ値から逸脱していることを検出する。換言すれば、付与されたトルクが所望の締め付けトルクよりも小さい。この逸脱は、ステップS140において、ジョイント80に付与されたトルクが所望の締め付けトルクよりも小さい旨の情報を含む警告メッセージの送信を引き起こす。このことは、締め付けツールを再較正する必要があること、又は締め付けツールの寿命が終わりに近づいていることを示している可能性がある。
【0044】
次に、図4を参照してモニタリングノード100をさらに詳細に説明する。モニタリングノード100は、プロセッサ350と、メモリ365と、ツール通信ネットワーク50内の締め付けツール125、135などの他のノード及び装置と通信するための通信インターフェイス370とを含む。構成にもよるが、モニタリングノード100は、リポジトリ375をさらにオプションとして含むこともできる。リポジトリは、締め付けツールの異なるタイプのエラー又は使用と、締め付けツール125、135に関するオペレータの行動とを判定するために使用される履歴データ及び/又は異なる閾値を含むことができる。図4には、コンピュータプログラムコードを含むコンピュータプログラム365をさらに示す。コンピュータプログラムコードは、プロセッサ350上で実行された場合に、モニタリングノード100によって実行される上述したような方法ステップを実行するように適合される。コンピュータプログラム365は、メモリ360に記憶することもできるが、メモリ360にロードされるCD又はUSBスティックなどのコンピュータ可読記憶媒体上に提供することもできる。
【0045】
上述したように、モニタリングノード100は、ツール通信ネットワーク50に関連して締め付けツール125、135のエネルギー流をモニタし、プロセッサ350とメモリ360とを含む。メモリ360は、プロセッサ350による実行時に、モニタリングノード100に、締め付けツール125、135に供給された電流、締め付けツール125のロータの角度、及び締め付けツール125によってジョイント80に付与されたトルクに関するパラメータ値を締め付けツール125、135から受け取り、締め付けツール125、135に供給された電流及び締め付けツール125、135のロータの角度に関する受け取ったパラメータ値に基づいて、締め付けツール125、135に費やされたエネルギーを計算し、締め付けツール125、135によってジョイント80に付与されたトルク及び締め付けツール125、135のロータの角度に関する受け取ったパラメータ値に基づいて、締め付けツール125によってジョイント80に伝えられたエネルギーを計算することを行わせる命令を含む。その後、モニタリングノード100は、これらの計算値を使用して、締め付けツール125、135に費やされた計算されたエネルギーが締め付けツール125、135によってジョイント80に伝えられた計算されたエネルギーから、所定の値より大きく、逸脱していることを検出する。
【0046】
なお、モニタリングノード100は、図2及び図3に関連して上述した方法ステップ又は動作の全てをモニタリングノード100に行わせるようなコンピュータプログラム365のコンピュータプログラムコードを実行するようにさらに構成されると理解されたい。従って、ここではこれらのステップを繰り返さない。
【0047】
プロセッサ350は、単一の中央処理装置(CPU)を含むことも、或いは2又は3以上の処理装置を含むこともできる。例えば、プロセッサ350は、汎用マイクロプロセッサ、命令セットプロセッサ及び/又は関連するチップセット、及び/又は特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は複合プログラマブルロジックデバイス(CPLS)などの特定用途向けマイクロプロセッサを含むことができる。プロセッサ350は、キャッシュ目的のストレージを含むこともできる。
【0048】
コンピュータプログラムは、説明したモニタリングノード100内の、コンピュータ可読媒体を有してプロセッサ350に接続されたメモリの形のコンピュータプログラム製品によって保持することができる。コンピュータプログラム製品は、CD、DVD、フラッシュメモリ又はダウンロード可能オブジェクトなどの媒体によって保持することもできる。従って、各コンピュータプログラム製品又はメモリは、コンピュータプログラムをコンピュータプログラム単位などの形で記憶したコンピュータ可読媒体を含む。例えば、メモリは、フラッシュメモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)又は電気的に消去可能なプログラマブルROM(EEPROM)とすることができ、別の実施形態では、プログラム単位を、説明したモニタリングノード100又はツール通信ネットワーク50内のメモリの形で異なるコンピュータプログラム製品上に分散させることもできる。
【0049】
特定の例示的な実施形態を参照しながら解決策について説明したが、一般にこの説明は発明概念を示すことを意図したものにすぎず、解決策の範囲を限定するものとして解釈すべきではない。例えば、本明細書全体を通じて「ツール通信ネットワーク」、「モニタリングノード」、「ツールサーバ」、「締め付けツール」及び「ツールコントローラ」という用語を使用したが、本明細書で説明した特徴及び特性を有する他のいずれかの対応するノード、機能及び/又はパラメータを使用することもできる。本解決策は、添付の特許請求の範囲によって定められる。
【符号の説明】
【0050】
50 ツール通信ネットワーク
80 第1のジョイント
90 第2のジョイント
100 モニタリングノード
110 加工物
120 第1の製造ステーション
122 ツールコントローラ
125 締め付けツール
130 第2の製造ステーション
135 締め付けツール
140 ツールサーバ
150 ハブ
160 クラウド
図1
図2
図3
図4