(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-14
(45)【発行日】2023-02-22
(54)【発明の名称】エアロゾル発生装置のためのヒーター組立品
(51)【国際特許分類】
A24F 40/46 20200101AFI20230215BHJP
A24F 40/50 20200101ALI20230215BHJP
A24F 47/00 20200101ALI20230215BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/50
A24F47/00
(21)【出願番号】P 2019560177
(86)(22)【出願日】2018-05-02
(86)【国際出願番号】 EP2018061226
(87)【国際公開番号】W WO2018202727
(87)【国際公開日】2018-11-08
【審査請求日】2021-04-27
(32)【優先日】2017-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】アントノプロス ローランド
(72)【発明者】
【氏名】リュー コク ファ
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/120177(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/143079(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0050974(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 47/00
A24F 40/46
A24F 40/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置のための取り外し可能なヒーター組立品であって、前記取り外し可能なヒーター組立品がたばこプラグを加熱するためのものであって、かつ
電気ヒーターと、
データ記憶装置と、
前記データ記憶装置に保存されたデータであって、前記データが前記電気ヒーターのための較正データを含む、データと、を含む、取り外し可能なヒーター組立品。
【請求項2】
前記電気ヒーターが、たばこプラグの中へと挿入するための細長い電気ヒーターである、請求項1に記載の取り外し可能なヒーター組立品。
【請求項3】
前記取り外し可能なヒーター組立品をエアロゾル発生装置に取り外し可能に取り付けるためのヒーター組立品取り付けコネクターをさらに備える、請求項1または2に記載の取り外し可能なヒーター組立品。
【請求項4】
前記ヒーター組立品取り付けコネクターが、弾性クリップ、ねじコネクター、バヨネットコネクター、および磁気コネクターのうちの少なくとも一つを備える、請求項3に記載の取り外し可能なヒーター組立品。
【請求項5】
第一のヒーター電気接点および第二のヒーター電気接点をさらに備え、前記第一のヒーター電気接点および第二のヒーター電気接点が、前記電気ヒーターを加熱するために前記電気ヒーターに供給するための電気エネルギーの供給を受けるように構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の取り外し可能なヒーター組立品。
【請求項6】
前記取り外し可能なヒーター組立品が、前記第一のヒーター電気接点および第二のヒーター電気接点が位置付けられている第一の端面と、前記電気ヒーターが位置付けられている第二の端面とを有する基部部分を備える、請求項5に記載の取り外し可能なヒーター組立品。
【請求項7】
前記第一のヒーター電気接点および第二のヒーター電気接点が、前記基部部分の前記第一の端面上に同心で位置付けられた円形の電気接点である、請求項6に記載の取り外し可能なヒーター組立品。
【請求項8】
第三のヒーター電気接点および第四のヒーター電気接点をさらに備え、前記第三のヒーター電気接点および第四のヒーター電気接点が、前記電気ヒーターの電気抵抗の測定を容易にするように構成されている、請求項5~7のいずれか一項に記載の取り外し可能なヒーター組立品。
【請求項9】
前記電気ヒーターが、前記第一のヒーター電気接点および第三のヒーター電気接点に接続された第一の端と、前記第二のヒーター電気接点および第四のヒーター電気接点に接続された第二の端とを有する抵抗発熱体を備える、請求項8に記載の取り外し可能なヒーター組立品。
【請求項10】
前記第一の
ヒーター電気接点が第一の電気抵抗を有し、前記第二の
ヒーター電気接点が第二の電気抵抗を有し、前記第三の
ヒーター電気接点が第三の電気抵抗を有し、前記第四の
ヒーター電気接点が第四の電気抵抗を有し、前記第三の電気抵抗が前記第一の電気抵抗より小さく、かつ前記第四の電気抵抗が前記第二の電気抵抗より小さい、請求項9に記載の取り外し可能なヒーター組立品。
【請求項11】
前記較正データが、前記電気ヒーターの電圧温度プロファイルを表す、請求項1~10のいずれか一項に記載の取り外し可能なヒーター組立品。
【請求項12】
前記データ記憶装置とエアロゾル発生装置の間のデータ転送を提供するためのヒーター通信インターフェースをさらに備える、請求項1~11のいずれか一項に記載の取り外し可能なヒーター組立品。
【請求項13】
前記ヒーター通信インターフェースが無線データコネクターを備える、請求項12に記載の取り外し可能なヒーター組立品。
【請求項14】
前記無線データコネクターが、無線周波数識別(RFID)、近距離無線通信(NFC)、Bluetooth、Zigbee、Wi-Fi、および超広帯域無線システム(UWB)のうちの少なくとも一つを使用して動作するように構成されている、請求項13に記載の取り外し可能なヒーター組立品。
【請求項15】
前記ヒーター通信インターフェースが、エアロゾル発生装置上の少なくとも一つの装置データ電気接点に接続するために構成された少なくとも一つのヒーターデータ電気接点を備える、請求項12、13または14に記載の取り外し可能なヒーター組立品。
【請求項16】
エアロゾル発生装置であって、
請求項1~15のいずれか一項に記載の取り外し可能なヒーター組立品と、
前記取り外し可能なヒーター組立品およびエアロゾル発生物品を取り外し可能に受容するためのくぼみを画定するハウジングと、
電源と、
前記取り外し可能なヒーター組立品のデータ記憶装置からデータを受信するように、かつ前記受信したデータに基づいて前記電源から前記ヒーター組立品の前記電気ヒーターへの電力の供給を制御するように構成されたコントローラーと、を備える、エアロゾル発生装置。
【請求項17】
請求項2に従属する時、前記くぼみ内に位置付けられた、かつ前記取り外し可能なヒーター組立品を前記くぼみ内で取り外し可能に取り付けるように前記ヒーター組立品取り付けコネクターと協働するように構成された、装置取り付けコネクターをさらに備える、請求項16に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項18】
請求項
5に従属する時、前記くぼみ内に位置付けられた、かつ前記第一のヒーター電気接点との電気的接続のために構成された第一の装置電気接点と、前記くぼみ内に位置付けられた、かつ前記第二のヒーター電気接点との電気的接続のために構成された第二の装置電気接点とをさらに備え、前記コントローラーが、前記第一の装置電気接点および第二の装置電気接点ならびに前記第一のヒーター電気接点および第二のヒーター電気接点を介した前記電源から前記電気ヒーターへの電力の供給を制御するように構成されている、請求項16または17に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項19】
請求項12に従属する時、前記ヒーター通信インターフェースとのデータリンクを確立するように構成された装置通信インターフェースをさらに備える、請求項16、17または18に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項20】
エアロゾル発生システムであって、
請求項16~19のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置と、
エアロゾル形成基体を備えるエアロゾル発生物品と、を備えるエアロゾル発生システム。
【請求項21】
請求項1~15のいずれか一項に記載の取り外し可能なヒーター組立品を組み立てる方法であって、
電気ヒーターおよびデータ記憶装置を提供することと、
前記電気ヒーターおよび前記データ記憶装置を組み合わせて取り外し可能なヒーター組立品を形成することと、
前記電気ヒーターに電力を供給することと、
電力を前記電気ヒーターに供給する工程中に、前記電気ヒーターのための較正データを収集することと、
データ記憶装置に較正データを保存することと、を含む、方法。
【請求項22】
請求項16~19のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置を組み立てる方法であって、
エアロゾル発生物品を受容するためのくぼみを画定するハウジングを提供することと、
コントローラーおよび電源を前記ハウジング内に位置付けることと、
取り外し可能なヒーター組立品を前記くぼみの中へと挿入することであって、前記取り外し可能なヒーター組立品が請求項1~15のいずれか一項に記載の取り外し可能なヒーター組立品である、挿入することと、を含む、方法。
【請求項23】
エアロゾル発生装置内の取り外し可能なヒーター組立品を交換する方法であって、
請求項16~19のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置を提供することと、
前記取り外し可能なヒーター組立品を前記エアロゾル発生装置の前記くぼみから取り外すことと、
請求項1~15のいずれか一項に記載の取り外し可能なヒーター組立品を備える交換用の取り外し可能なヒーター組立品を提供することと、
前記交換用の取り外し可能なヒーター組立品を前記くぼみの中へと挿入することと、を含む、方法。
【請求項24】
エアロゾル発生装置内での請求項1~15のいずれか一項に記載の取り外し可能なヒーター組立品の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生装置のための取り外し可能なヒーター組立品に関し、ヒーター組立品は、ヒーターの較正データを保存するデータ記憶装置を備える。本発明はまた、取り外し可能なヒーター組立品を備えるエアロゾル発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル発生システムの一つのタイプは、電気的に作動する喫煙システムである。周知の手持ち式の電気的に作動する喫煙システムは典型的に、エアロゾル発生装置で使用するために特に設計された喫煙物品を加熱するための、電池と、制御電子回路と、電気ヒーターとを備えたエアロゾル発生装置を備える。一部の例において、喫煙物品は、たばこプラグなどのエアロゾル形成基体のプラグを含み、またエアロゾル発生装置内に収容されたヒーターは、喫煙物品がエアロゾル発生装置の中へと挿入される時、エアロゾル形成基体の中へと挿入される。しかしながら、電気ヒーターは使用中にエアロゾル形成基体からの材料で汚染される場合があり、また装置の内側の電気ヒーターのクリーニングは困難でありうる。場合によっては、ヒーターを適切にクリーニングすることができない場合、装置全体を廃棄する必要がありうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
その結果、ヒーター汚染の問題に対処するエアロゾル発生装置を製造することが望ましいことになる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第一の態様によると、エアロゾル発生装置への取り外し可能な取り付けのために構成されたヒーター組立品が提供されていて、ヒーター組立品は電気ヒーター、データ記憶装置、およびデータ記憶装置に保存されたデータを備え、データは電気ヒーターのための較正データを含む。
【0005】
有利なことに、エアロゾル発生装置への取り外し可能な取り付けのために構成されたヒーター組立品を提供することは、電気ヒーターのクリーニングを容易にする。すなわち、ヒーター組立品は、クリーニングのためにエアロゾル発生装置から取り外されてもよい。
【0006】
有利なことに、エアロゾル発生装置への取り外し可能な取り付けのために構成されたヒーター組立品を提供することは、エアロゾル発生装置の耐用年数を延ばす場合がある。例えば、ヒーター組立品がその耐用年数の終りに到達する、エアロゾル発生装置の第一の構成要素である場合、ヒーター組立品は取り外され、新しいヒーター組立品と交換されてもよい。
【0007】
有利なことに、電気ヒーターのための較正データを保存するデータ記憶装置を有するヒーター組立品を提供することは、ヒーター組立品を備えるエアロゾル発生装置を有するエアロゾル発生物品の確実な加熱を容易にする場合がある。すなわち、エアロゾル発生装置は、較正データを使用して、エアロゾル発生物品の加熱中に電気ヒーターへの電力の供給を構成するように構成されてもよい。較正データは、製造公差に起因するヒーター組立品の差異の原因となる場合がある。
【0008】
ヒーター組立品は、ヒーター組立品をエアロゾル発生装置に取り外し可能に取り付けるためのヒーター組立品取り付けコネクターをさらに備えることが好ましい。ヒーター組立品取り付けコネクターは、弾性クリップ、ねじコネクター、バヨネットコネクター、および磁気コネクターのうちの少なくとも一つを備えてもよい。
【0009】
ヒーター組立品は、第一のヒーター電気接点および第二のヒーター電気接点をさらに備え、第一のヒーター電気接点および第二のヒーター電気接点は、電気ヒーターを加熱するための電気ヒーターへの供給のための電気エネルギーの供給を受けるように構成されていることが好ましい。
【0010】
ヒーター組立品がヒーター組立品をエアロゾル発生装置に取り外し可能に取り付けるための磁気コネクターを備える実施形態において、第一のヒーター電気接点および第二のヒーター電気接点のうちの少なくとも一つは、磁気コネクターを形成してもよい。
【0011】
ヒーター組立品は、第一のヒーター電気接点および第二のヒーター電気接点が位置付けられている第一の端面と、電気ヒーターが位置付けられている第二の端面とを有する基部部分を備えることが好ましい。第一のヒーター電気接点および第二のヒーター電気接点を基部部分の端面上に提供することは、第一のヒーター電気接点および第二のヒーター電気接点と、エアロゾル発生装置上の一つ以上の電気接点との間の確実な接続を容易にする場合がある。
【0012】
ヒーター組立品がヒーター組立品取り付けコネクターを備える実施形態において、ヒーター組立品取り付けコネクターは基部部分上に提供されていることが好ましい。ヒーター組立品取り付けコネクターは、第一のヒーター電気接点および第二のヒーター電気接点をエアロゾル発生装置上の一つ以上の電気接点と電気的接続の状態に保持してもよい。
【0013】
第一のヒーター電気接点および第二のヒーター電気接点は、基部部分の第一の端面上に同心で位置付けられた円形の電気接点であってもよい。有利なことに、この配置は、複数の回転配向におけるエアロゾル発生装置へのヒーター組立品の取り付けを容易にする場合がある。基部部分が円形断面形状を有する実施形態において、円形の第一のヒーター電気接点および第二のヒーター電気接点は、任意の回転配向におけるエアロゾル発生装置へのヒーター組立品の取り付けを容易にする場合がある。
【0014】
第一のヒーター電気接点および第二のヒーター電気接点は、相互に間隙を介していてもよく、またヒーター組立品は、エアロゾル発生装置に対してヒーター組立品の回転配向を示すためのインデックス化インジケータを備えてもよい。有利なことに、ヒーター組立品上にインデックス化インジケータを提供することは、第一のヒーター電気接点および第二のヒーター電気接点がエアロゾル発生装置上の対応する電気接点と整列し、かつそれと接触するように、正しい配向にあるエアロゾル発生装置へのヒーター組立品の取り付けを容易にする場合がある。
【0015】
ヒーター組立品が基部部分を備える実施形態において、インデックス化インジケータは基部部分上に提供されていることが好ましい。
【0016】
ヒーター組立品は、インデックス化インジケータを形成する、隆起した部分またはへこみなどの、形作られた部分を含んでもよい。インデックス化インジケータは、エアロゾル発生装置上の対応するように形作られた部分と協働してもよい。例えば、ヒーター組立品は、ヒーター組立品の外表面上に溝を備えてもよく、これは装置の中へのヒーター組立品の挿入を可能にするために、エアロゾル発生装置の内部表面上の、対応するように形作られた隆起部と整列する必要がある。
【0017】
インデックス化インジケータは、ヒーター組立品の外表面上に提供された一つ以上のしるしを備えてもよく、これはエアロゾル発生装置に提供された一つ以上の対応するしるしと整列する必要がある。
【0018】
ヒーター組立品は、第三のヒーター電気接点および第四のヒーター電気接点を備えてもよく、第三のヒーター電気接点および第四のヒーター電気接点は、電気ヒーターの電気抵抗の測定を容易にするように構成されている。第三のヒーター電気接点および第四のヒーター電気接点は、ヒーター組立品の製造中に較正データを生成するための電気ヒーターの電気抵抗を測定するために使用されてもよい。
【0019】
電気ヒーターは、第一のヒーター電気接点および第三のヒーター電気接点に接続された第一の端と、第二のヒーター電気接点および第四のヒーター電気接点に接続された第二の端とを有する抵抗発熱体を備えることが好ましい。
【0020】
第一の電気接点は第一の電気抵抗を有し、第二の電気接点は第二の電気抵抗を有し、第三の電気接点は第三の電気抵抗を有し、第四の電気接点は第四の電気抵抗を有し、第三の電気抵抗は第一の電気抵抗より小さく、かつ第四の電気抵抗が前記第二の電気抵抗より小さいことが好ましい。有利なことに、第一のヒーター電気接点および第二のヒーター電気接点と比較して、より低い第三のヒーター電気接点および第四のヒーター電気接点の電気抵抗は、第三のヒーター電気接点および第四のヒーター電気接点を使用する抵抗発熱体の抵抗のより正確な測定を容易にする場合がある。
【0021】
電気ヒーターは細長い電気ヒーターであってもよい。すなわち、電気ヒーターは細長い形状を有してもよい。有利なことに、細長い電気ヒーターは、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体の中への電気ヒーターの挿入を容易にする場合がある。ヒーター組立品が基部部分を備える実施形態において、細長い電気ヒーターは基部部分の第二の端面から突出することが好ましい。
【0022】
データ記憶装置上に保存された較正データは、電気ヒーターのための電圧温度プロファイルを表す場合がある。
【0023】
電気ヒーターのための較正データを保存することに加えて、データ記憶装置は追加的なデータを保存するように構成されてもよい。データ記憶装置は、一つ以上の加熱プロファイルを含むデータを保存するように構成されてもよい。データ記憶装置は、使用データを保存するように構成されてもよい。データ記憶装置は、その耐用年数の終りに達したヒーター組立品を示すデータを保存するように構成されてもよい。
【0024】
ヒーター組立品は、データ記憶装置とエアロゾル発生装置の間のデータ転送を提供するためのヒーター通信インターフェースをさらに備えることが好ましい。
【0025】
ヒーター通信インターフェースは、無線データコネクターを備えてもよい。無線データコネクターは、無線周波数識別(RFID)、近距離無線通信(NFC)、Bluetooth(登録商標)、Zigbee、Wi-Fi、および超広帯域無線システム(UWB)のうちの少なくとも一つを使用して動作するように構成されてもよい。
【0026】
ヒーター通信インターフェースは、エアロゾル発生装置上の少なくとも一つの装置データ電気接点への接続のために構成された少なくとも一つのヒーターデータ電気接点を備えてもよい。少なくとも一つのヒーターデータ電気接点は、第一のヒーターデータ電気接点および第二のヒーターデータ電気接点を備えることが好ましい。ヒーター組立品が第三のヒーター電気接点および第四のヒーター電気接点を含む実施形態において、第三のヒーター電気接点および第四のヒーター電気接点はまた、第一のヒーターデータ電気接点および第二のヒーターデータ電気接点としても機能してもよい。
【0027】
データ記憶装置は、不揮発性データ記憶の少なくとも一つのタイプを含むことが好ましい。不揮発性データ記憶は、半導体データ記憶、磁気的データ記憶、および光学的データ記憶のうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0028】
電気ヒーターは、電気的に絶縁された基体と、電気的に絶縁された基体の上に提供された抵抗発熱体とを備えてもよい。
【0029】
電気的に絶縁された基体は、摂氏約700度までの動作温度で動作可能であることが好ましく、摂氏約800度までの動作温度で動作可能であることがより好ましい。追加的に、または別の方法として、使用中の抵抗発熱体の動作温度は、摂氏約250度であってもよく、摂氏約300度であることがより好ましい。
【0030】
電気的に絶縁された基体は、ジルコニアまたはアルミナなどのセラミック材料であってもよい。電気的に絶縁された基体は、約2ワット毎メートル毎ケルビン以下の熱伝導率を有することが好ましい。
【0031】
電気的に絶縁された基体は、抵抗発熱体が上に位置付けられている平面と、エアロゾル形成基体の中への電気ヒーターの挿入を可能にするように構成されたテーパー付端とを備えてもよい。
【0032】
ヒーター組立品が基部部分を備える実施形態において、基部部分は電気絶縁性材料から形成されていることが好ましい。基部部分は、電気的に絶縁された基体と同一の材料から形成されていることが好ましい。基部部分および電気的に絶縁された基体は一体的に形成されていることが好ましい。
【0033】
抵抗発熱体を形成するための適切な材料としては、ドープされたセラミックなどの半導体、「導電性」セラミック(例えば、二ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、金属合金、ならびにセラミック材料および金属材料で作製された複合材料が挙げられるが、これらに限定されない。こうした複合材料は、ドープされたセラミックまたはドープされていないセラミックを含んでもよい。適切なドープされたセラミックの例としては、ドープ炭化ケイ素が挙げられる。適切な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族の金属が挙げられる。適切な金属合金の例としては、ステンレス鋼、ニッケル含有、コバルト含有、クロム含有、アルミニウム含有、チタン含有、ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオビウム含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、および鉄含有合金、ならびにニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)、ならびに鉄-マンガン-アルミニウム系合金が挙げられる。
【0034】
一部の実施形態において、抵抗発熱体は、電気抵抗性材料(ステンレス鋼など)の一つ以上のスタンプ加工された部分を含む。別の方法として、抵抗発熱体は、加熱ワイヤーまたはフィラメント(例えばNi-Cr(ニッケル-クロム)、白金、タングステンもしくは合金のワイヤー)を含んでもよい。
【0035】
本発明の第二の態様によると、本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかによる、本発明の第一の態様によるヒーター組立品を備えるエアロゾル発生装置が提供されている。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品を受容するためのくぼみを画定するハウジングをさらに備え、くぼみはヒーター組立品を取り外し可能に受容するように構成されている。エアロゾル発生装置はまた、電源と、ヒーター組立品のデータ記憶装置からのデータを受信し、かつ受信したデータに基づいて電源からヒーター組立品の電気ヒーターへの電力の供給を制御するように構成されたコントローラーとを備える。
【0036】
ヒーター組立品がヒーター組立品取り付けコネクターを備える実施形態において、エアロゾル発生装置は、くぼみ内に位置付けられた、かつヒーター組立品取り付けコネクターと協働してヒーター組立品をくぼみ内に取り外し可能に取り付けるように構成された装置取り付けコネクターを備えることが好ましい。
【0037】
ヒーター組立品が第一のヒーター電気接点および第二のヒーター電気接点を備える実施形態において、エアロゾル発生装置は、くぼみ内に位置付けられた、かつ第一のヒーター電気接点との電気的接続のために構成された第一の装置電気接点と、くぼみ内に位置付けられた、かつ第二のヒーター電気接点との電気的接続のために構成された第二の装置電気接点とを備え、コントローラーは、第一の装置電気接点および第二の装置電気接点ならびに第一のヒーター電気接点および第二のヒーター電気接点を介した電源から電気ヒーターへの電力の供給を制御するように構成されていることが好ましい。
【0038】
ヒーター組立品がヒーター通信インターフェースを備える実施形態において、エアロゾル発生装置は、ヒーター通信インターフェースとのデータリンクを確立するように構成された装置通信インターフェースを備えることが好ましい。
【0039】
ヒーター通信インターフェースが無線データコネクターを備える実施形態において、装置通信インターフェースは、ヒーター通信インターフェースと同一の無線プロトコルを使用するように構成された無線データコネクターを備えることが好ましい。
【0040】
ヒーター通信インターフェースが少なくとも一つのヒーターデータ電気接点を備える実施形態において、装置通信インターフェースは、ヒーター組立品がくぼみ内に取り外し可能に受容される時に少なくとも一つのヒーターデータ電気接点と接触するように構成された少なくとも一つの装置データ電気接点を備えることが好ましい。
【0041】
データ記憶装置からの較正データを受信することに加えて、コントローラーは、データ記憶装置にデータを書き込むよう構成されてもよい。コントローラーは、使用データをデータ記憶装置に書き込むように構成されてもよい。コントローラーは、ヒーター組立品がその耐用年数の終りに達した時を示すために、データをデータ記憶装置に書き込むように構成されてもよい。コントローラーは、ヒーター組立品がその有耐用年数の終りに達したことを示すデータ記憶組立品からデータを受信するように構成されてもよく、コントローラーは、こうしたデータを受信した際にエアロゾル発生装置でのこのヒーター組立品の使用を防止するように構成されている。
【0042】
電源はDC電圧供給源であってもよい。好ましい実施形態において、電源は電池である。例えば、電源はニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、またはリチウム系電池(例えば、リチウムコバルト電池、リン酸鉄リチウム電池、またはリチウムポリマー電池)であってもよい。別の方法として、電源はコンデンサーなど別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は再充電を必要とすることがあり、またエアロゾル発生装置を一つ以上のエアロゾル発生物品とともに使用するために十分なエネルギーの蓄積を可能にする容量を有してもよい。
【0043】
エアロゾル発生装置は、少なくとも一つの空気吸込み口を備えることが好ましい。少なくとも一つの空気吸込み口は、くぼみの上流端と流体連通していることが好ましい。
【0044】
エアロゾル発生装置は、消費者が吸煙していることを示す気流を検出するためのセンサーを備えてもよい。気流センサーは電気機械装置であってもよい。気流センサーは、機械式装置、光学式装置、光学機械式装置、および微小電気機械システム(MEMS)ベースのセンサーのうちのいずれかであってもよい。エアロゾル発生装置は、消費者が吸煙を開始するための手動スイッチを備えてもよい。
【0045】
エアロゾル発生装置は温度センサーを備えてもよい。温度センサーは、電気ヒーターの温度、またはくぼみの中に受容されたエアロゾル発生物品の温度を検出してもよい。温度センサーはサーミスタであってもよい。温度センサーは、電気ヒーターの比抵抗を測定し、測定された比抵抗を温度に対する比抵抗の較正曲線と比較することによって、抵抗発熱体の温度を導出するように構成された回路を備えてもよい。ヒーター組立品が第一のヒーター電気接点および第二のヒーター電気接点を備える実施形態において、比抵抗は、第一のヒーター電気接点および第二のヒーター電気接点を使用して測定されてもよい。ヒーター組立品が第三のヒーター電気接点および第四のヒーター電気接点を備える実施形態において、比抵抗は、第三のヒーター電気接点および第四のヒーター電気接点を使用して測定されてもよい。
【0046】
エアロゾル発生装置は、電気ヒーターが起動された時を示すためのインジケータを備えることが好ましい。インジケータは、電気ヒーターが起動された時に起動されるライトを備えてもよい。
【0047】
ヒーター組立品が第一のヒーター電気接点および第二のヒーター電気接点を含む実施形態において、エアロゾル発生装置は、第一のヒーター電気接点および第二のヒーター電気接点が第一の装置電気接点および第二の装置電気接点と正しい接触状態にある時を示すためのインジケータを備えてもよい。
【0048】
上述の実施形態のうちのいずれかにおいて、エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置を別の電気的な装置に接続することを可能にする、外部プラグまたはソケットのうちの少なくとも一つと、少なくとも一つの外部電気接点とを備えてもよい。例えば、エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置を別のUSB使用可能装置に接続することを可能にする、USBプラグまたはUSBソケットを備えてもよい。例えば、USBプラグまたはソケットは、エアロゾル発生装置をUSB充電装置に接続して、エアロゾル発生装置内の再充電可能な電気エネルギー供給源を充電することを可能にする場合がある。追加的に、または別の方法として、USBプラグまたはソケットは、エアロゾル発生装置へのデータ転送、もしくはエアロゾル発生装置からのデータ転送、またはエアロゾル発生装置へのデータ転送とエアロゾル発生装置からのデータ転送との両方に対応する場合がある。追加的に、または別の方法として、新しいエアロゾル発生物品のための新しい加熱プロファイルなどのデータを装置に転送するために、装置をコンピュータに接続してもよい。
【0049】
装置がUSBプラグまたはソケットを備える実施形態において、装置は、使用されていない時にUSBプラグまたはソケットを覆う取り外し可能なカバーをさらに備えてもよい。USBプラグまたはソケットがUSBプラグである実施形態において、USBプラグは追加的に、または別の方法として、選択的に装置内に格納可能であってもよい。
【0050】
本発明の第三の態様によると、本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかによる、本発明の第二の態様により、本発明の第二の態様によるエアロゾル発生装置を備えるエアロゾル発生システム、およびエアロゾル形成基体を備えるエアロゾル発生物品が提供されている。
【0051】
エアロゾル形成基体は、たばこのプラグを備えてもよい。たばこプラグは、たばこ葉、たばこの茎の破片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押出成形たばこ、および膨化たばこのうちの一つ以上を含む、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片、またはシートのうちの一つ以上を含んでもよい。随意に、たばこプラグは、たばこプラグの加熱に伴い放出される追加的なたばこまたは非たばこの揮発性風味化合物を含んでもよい。随意に、たばこプラグはまた、例えば追加的なたばこまたは非たばこの揮発性風味化合物を含むカプセルも収容してもよい。こうしたカプセルは、たばこプラグの加熱中に溶融してもよい。別の方法として、または加えて、こうしたカプセルは、たばこプラグの加熱前、加熱中、または加熱後に押しつぶされてもよい。
【0052】
たばこプラグが均質化したたばこ材料を含む場合、均質化したたばこ材料は、粒子状のたばこを凝集することによって形成されてもよい。均質化したたばこ材料はシートの形態であってもよい。均質化したたばこ材料は、乾燥質量基準で5パーセント超のエアロゾル形成体含有量を有してもよい。別の方法として、均質化したたばこ材料は、乾燥質量基準で5~30重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を有してもよい。均質化したたばこ材料シートは、たばこ葉ラミナおよびたばこ葉の葉柄のうちの一方または両方を粉砕することによって、または別の方法で細かく砕くことによって得られた粒子状のたばこを凝集することによって形成されてもよく、別の方法として、または追加的に、均質化したたばこ材料シートは、例えばたばこの処理、取り扱いおよび輸送中に形成されたたばこダスト、たばこの微粉およびその他の粒子状のたばこ副産物のうちの一つ以上を含んでもよい。均質化したたばこ材料シートは、粒子状たばこを凝集するのを補助するために、たばこ内因性結合剤、一つ以上の外因性結合剤(すなわち、たばこ外来性結合剤)、またはこれらの組み合わせである一つ以上の固有の結合剤を含んでもよい。別の方法として、または加えて、均質化したたばこ材料シートは、たばこおよび非たばこ繊維、エアロゾル形成体、湿潤剤、可塑剤、風味剤、充填材、水性および非水性の溶媒、ならびにこれらの組み合わせを含むがこれらに限定されないその他の添加剤を含んでもよい。均質化したたばこ材料シートは、粒子状たばこおよび一つ以上の結合剤を含むスラリーをコンベヤーベルトまたはその他の支持表面上にキャスティングすることと、キャストスラリーを乾燥させて均質化したたばこ材料シートを形成することと、均質化したたばこ材料シートを支持表面から取り外すこととを一般的に含むタイプのキャスティングプロセスによって形成されていることが好ましい。
【0053】
エアロゾル発生物品は、およそ30ミリメートル~およそ100ミリメートルの全長を有してもよい。エアロゾル発生物品は、およそ5ミリメートル~およそ13ミリメートルの外径を有してもよい。
【0054】
エアロゾル発生物品は、たばこプラグの下流に位置付けられたマウスピースを備えてもよい。マウスピースは、エアロゾル発生物品の下流端に位置してもよい。マウスピースは、セルロースアセテートフィルタープラグであってもよい。マウスピースは、およそ7ミリメートルの長さであることが好ましいが、およそ5ミリメートル~およそ10ミリメートルの長さを有することができる。
【0055】
たばこプラグは、およそ10ミリメートルの長さを有してもよい。しかしながら、たばこプラグはおよそ12ミリメートルの長さを有することが最も好ましい。
【0056】
たばこプラグの直径は、およそ5ミリメートル~およそ12ミリメートルであってもよい。
【0057】
好ましい実施形態において、エアロゾル発生物品は、およそ40ミリメートル~およそ50ミリメートルの全長を有する。エアロゾル発生物品は、およそ45ミリメートルの全長を有することが好ましい。エアロゾル発生物品はまた、およそ7.2ミリメートルの外径を有することが好ましい。
【0058】
本発明の第四の態様によると、本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかによる、本発明の第一の態様によるヒーター組立品を組み立てる方法が提供されている。方法は、電気ヒーターおよびデータ記憶装置を提供することを含む。電気ヒーターおよびデータ記憶装置は、組み合わせられてヒーター組立品を形成する。電力は電気ヒーターに供給されて、また電気ヒーターのための較正データは、電気ヒーターに電力を供給する工程中に収集される。較正データはデータ記憶装置上に保存される。
【0059】
本発明の第五の態様によると、本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかによる、本発明の第二の態様によるエアロゾル発生装置を組み立てる方法が提供されている。方法は、エアロゾル発生物品を受容するためのくぼみを画定するハウジングを提供することを含む。コントローラーおよび電源はハウジング内に位置付けられていて、またヒーター組立品はくぼみの中へと挿入されていて、ヒーター組立品は、本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかによる、本発明の第一の態様によるヒーター組立品である。
【0060】
本発明の第六の態様によると、エアロゾル発生装置内のヒーター組立品を交換する方法が提供されていて、この方法は、本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかによる、本発明の第二の態様によるエアロゾル発生装置を提供することを含む。ヒーター組立品はエアロゾル発生装置のくぼみから取り外されていて、かつ交換品のヒーター組立品が提供されていて、交換品のヒーター組立品は、本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかによる、本発明の第一の態様によるヒーター組立品を備える。交換品のヒーター組立品は、くぼみの中へと挿入されている。
【0061】
第七の態様によると、本発明はエアロゾル発生装置内でのヒーター組立品の使用に及び、ヒーター組立品は、本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかによる、本発明の第一の態様によるヒーター組立品である。
【0062】
ここで、例証としてのみであるが、以下の添付図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【
図1】
図1は、本発明の第一の実施形態によるヒーター組立品の断面図を示す。
【
図3】
図3は、本発明の第二の実施形態によるヒーター組立品の端面図を示す。
【
図4】
図4は、
図1のヒーター組立品を備えるエアロゾル発生装置を示す。
【
図5】
図5は、
図4のエアロゾル発生装置とエアロゾル発生物品とを備えるエアロゾル発生システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0064】
図1は、本発明の第一の実施形態によるヒーター組立品10を示す。ヒーター組立品10は、基部部分12と、基部部分12から延びる細長い電気ヒーター14とを備える。電気ヒーター14は、電気的に絶縁された基体16と、電気的に絶縁された基体16の上に位置付けられた抵抗発熱体18とを備える。
【0065】
ヒーター組立品10は、基部部分12の第一の端面22上に提供された複数の電気接点20をさらに備え、これは
図2および
図3に関してさらに詳細に説明される。電気ヒーター14は、基部部分12の第二の端面24から延びる。データ記憶装置26は基部部分12上に提供されていて、データ記憶装置26は電気ヒーター14のための較正データを保存する。ヒーター通信インターフェースは、データ記憶装置26とエアロゾル発生装置との間の通信を提供するための無線データコネクター28を備える。
【0066】
図2は、電気接点20の配置をさらに詳細に図示するために、基部部分12の第一の端面22を示す。ヒーター組立品10は、電気ヒーター14を加熱するために抵抗発熱体18に電力を供給するための第一のヒーター電気接点30および第二のヒーター電気接点32を備える。第一のヒーター電気接点30および第二のヒーター電気接点32は、ヒーター組立品10がエアロゾル発生装置の中へと挿入された時にヒーター組立品10の任意の回転配向に対応するために、円形状であり、かつ同心である。ヒーター組立品10は、データ記憶装置16上に保存された較正データを生成するために、ヒーター組立品10の製造中に抵抗発熱体18の電気抵抗を測定するための第三のヒーター電気接点34および第四のヒーター電気接点36をさらに備える。第三のヒーター電気接点34および第四のヒーター電気接点36の電気抵抗は、第一のヒーター電気接点30および第二のヒーター電気接点32の電気抵抗より小さい。
【0067】
図3は、本発明の第二の実施形態によるヒーター組立品100の基部部分12の第一の端面22を示す。ヒーター組立品100は、ヒーター組立品10と類似していて、類似の部品を指定するために類似の参照符号が使用されている。特に、ヒーター組立品100は、
図1を参照しながら説明したものと同一の電気ヒーター14およびデータ記憶装置26を備える。
【0068】
ヒーター組立品100は、無線データコネクターを含まないが、その代わりに、基部部分12の第一の端面22上に位置付けられた第一のデータ電気接点138および第二のデータ電気接点140を含むヒーター通信インターフェースを備える。第一のデータ電気接点138および第二のデータ電気接点140は、データ記憶装置26との通信を容易にする。
【0069】
ヒーター組立品100の第一のヒーター電気接点130および第二のヒーター電気接点132は、基部部分12の第一の端面22上に同心で位置付けられていない。従って、ヒーター組立品100は、インデックス化インジケータ142を形成する溝を備える。溝は、エアロゾル発生装置上の突出部と相互作用して、ヒーター組立品100が正しい回転配向でエアロゾル発生装置の中へと挿入されることを確実にする。
【0070】
図4は、
図1および
図2のヒーター組立品10を備えるエアロゾル発生装置200の断面図を示す。エアロゾル発生装置200は、ヒーター組立品10およびエアロゾル発生物品を取り外し可能に受容するためのくぼみ204を画定するハウジング202と、空気をくぼみ204の中へと入れるための複数の空気吸込み口205とをさらに備える。
【0071】
エアロゾル発生装置200は、第一のヒーター電気接点30および第二のヒーター電気接点32に電気的に接続するための第一の装置電気接点206および第二の装置電気接点208を備える。第一の装置電気接点206および第二の装置電気接点208と第一のヒーター電気接点30および第二のヒーター電気接点32とのうちの少なくとも一つは、ヒーター組立品10をくぼみ204内に解放可能に固定するために磁気式である。従って、第一のヒーター電気接点30および第二のヒーター電気接点32は、ヒーター組立品取り付けコネクターを形成し、また第一の装置電気接点206および第二の装置電気接点208は、装置取り付けコネクターを形成する。
【0072】
エアロゾル発生装置200は、電源210と、コントローラー212と、ヒーター組立品10の無線データコネクター28とのデータ接続を確立するように構成された無線データコネクターを備える装置通信インターフェース214とをさらに備える。使用時に、コントローラー212は、ヒーター組立品10およびエアロゾル発生装置200の無線データコネクターを介して、データ記憶装置26から較正データを受信するように構成されている。ここで
図5を参照しながら説明する通り、較正データに基づいて、コントローラー212は、くぼみ204内に受容されたエアロゾル発生物品を加熱するために、電源210からヒーター組立品10の電気ヒーター14への電力の供給を制御する。
【0073】
図5は、
図4のエアロゾル発生装置200と、くぼみ204の中に取り外し可能に受容されたエアロゾル発生物品302とを備えるエアロゾル発生システム300の断面図を示す。エアロゾル発生物品302は、たばこプラグの形態にあるエアロゾル形成基体304と、中空のアセテート管306と、高分子フィルター308と、マウスピース310と、外側ラッパー312とを備える。エアロゾル発生物品302がエアロゾル発生装置200のくぼみ204の中に受容されている時、ヒーター組立品10の電気ヒーター14はたばこプラグの中に受容されている。従って、使用中に電気ヒーター14は、たばこプラグを加熱して、そこからエアロゾルを発生させる。