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特許7227924ムスク様香気を有する化合物及びそれを含有する香料組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-14
(45)【発行日】2023-02-22
(54)【発明の名称】ムスク様香気を有する化合物及びそれを含有する香料組成物
(51)【国際特許分類】
   C07C 69/608 20060101AFI20230215BHJP
   C07C 69/96 20060101ALI20230215BHJP
   C07C 69/74 20060101ALI20230215BHJP
   C07C 69/22 20060101ALI20230215BHJP
   C11B 9/00 20060101ALI20230215BHJP
【FI】
C07C69/608 CSP
C07C69/96 Z
C07C69/74 Z
C07C69/22
C11B9/00 U
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019560583
(86)(22)【出願日】2018-12-21
(86)【国際出願番号】 JP2018047171
(87)【国際公開番号】W WO2019124533
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2021-11-17
(31)【優先権主張番号】P 2017246076
(32)【優先日】2017-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000169466
【氏名又は名称】高砂香料工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100128761
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 恭子
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】関 結奈
(72)【発明者】
【氏名】山本 憲一
(72)【発明者】
【氏名】大竹 優也
【審査官】高橋 直子
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-072952(JP,A)
【文献】国際公開第2003/082799(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2013/0261036(US,A1)
【文献】特開2011-037761(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 69/608
C07C 69/96
C07C 69/74
C07C 69/22
C11B 9/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式:
【化1】
[式中、R及びRは、互いに独立してメチル基であり、
nは、2又は3であり、
複数個存在するR及びRは、互いに独立して水素原子又はメチル基であり、
は、-O-CO-Z、-O-CO-O-Z、-CO-Z、-CO-O-Z又は-CH(Z)-CO-Zであり、Yは、-O-CO-Z又は-O-CO-O-Zであり、Yは、-O-CO-Zであり、ここで、Zは、炭素数1~5の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数3~5のシクロアルキル基であり、Zは、水素原子、メチル基又はエチル基であり、Zは、炭素数1~3の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基であり、Zは、炭素数1~5の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数3~5のシクロアルキル基であり、
環を構成する隣接する2つの実線と点線の二重線は、互いに独立して二重結合又は単結合であり、但し、2つとも二重結合である場合を除くものとする。]
で示される化合物。
【請求項2】
下記一般式:
【化2】
[式中、Zは、炭素数1~5の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数3~5のシクロアルキル基である。]
で示されるものである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
下記構造式:
【化3】
で示されるものである、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
1’位と2位の相対立体配置が(R,S)若しくは(R,R)、又は(R,S)及び(R,R)の混合物である、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
1’位と2位の相対立体配置が(R,S)である、請求項3に記載の化合物。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物を少なくとも1種含有する香料組成物。
【請求項7】
請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物を少なくとも1種含有するムスク香料組成物。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の香料組成物を用いて香気付けした製品。
【請求項9】
製品が、フレグランス製品、香粧品、基礎化粧品、仕上げ化粧品、頭髪化粧品、日焼け化粧品、薬用化粧品、ヘアケア製品、石鹸、身体洗浄剤、浴用剤、衣料用洗剤、衣料用柔軟仕上げ剤、洗浄剤、台所用洗剤、漂白剤、エアゾール剤、消臭・芳香剤、忌避剤及び雑貨から選ばれる1種である、請求項8に記載の製品。
【請求項10】
請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物を少なくとも1種添加することを含む、香料組成物の香気を増強又は変調する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ムスク様香気を有する香料素材として好適に用いることができる化合物及び該化合物を含有する香料組成物、並びに該香料組成物で香気付けした製品に関する。
【背景技術】
【0002】
香料工業は、パフューマーが利用しうる香調の範囲を拡大及び/又は改善しうる新規香料素材をコンスタントに必要とする。また近年、各種香粧品、保健衛生材料及び医薬品等の製品の多様化に伴い、香粧品及び保健衛生材料用香料、更には医薬品用香料等において、拡散性が強く、生分解性が良く、嗜好性が高く、保留性が強く、安定性が良く、かつ安全性が高い香料素材の開発が従来にも増して要求されている。
特に、ムスク様香気を有する香料素材に関しては、1990年頃まで非常によく使用されていたニトロムスクが、生物蓄積性、生殖毒又は内分泌かく乱物質として人間に作用している可能性が指摘されることなどにより規制された。それ以降、その香質自体のニーズも高まり、新しい香料素材の開発が期待されている。
ムスク様香気を有する香料素材に関しては、例えば特許文献1~5に記載された化合物が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開公報第2005/108534号
【文献】国際公開公報第2011/29895号
【文献】特開平06-72952号公報
【文献】国際公開公報第2000/14051号
【文献】米国特許出願公開第2004/53811号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような状況の下、新規香料素材の開発が望まれている。特に上記要求を満たすムスク様香気を有する新規香料素材の提供が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、鋭意検討した結果、ムスク様香気を有しうる新規香料素材の開発に成功した。我々の知る限りにおいて、本発明の化合物は、今までにまったく知られていない新規化合物である。
【0006】
すなわち、本発明は、以下に示す化合物及びそれを含有する香料組成物、該香料組成物で香気付けした製品、並びに該化合物を添加することを含む香料組成物の香気を増強又は変調する方法を提供するものである。
[1]下記一般式:
【化1】
[式中、R及びRは、互いに独立して水素原子又はメチル基であり、
nは、2又は3であり、
複数個存在するR及びRは、互いに独立して水素原子又はメチル基であり、
は、-O-CO-Z、-O-CO-O-Z、-CO-Z、-CO-O-Z又は-CH(Z)-CO-Zであり、Yは、-O-CO-Z又は-O-CO-O-Zであり、Yは、-O-CO-Zであり、ここで、Zは、炭素数1~5の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数3~5のシクロアルキル基であり、Zは、水素原子、メチル基又はエチル基であり、Zは、炭素数1~3の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基であり、Zは、炭素数1~5の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数3~5のシクロアルキル基であり、
環を構成する隣接する2つの実線と点線の二重線は、互いに独立して二重結合又は単結合であり、但し、2つとも二重結合である場合を除くものとする。]
で示される化合物。
[2]下記一般式:
【化2】
[式中、Zは、炭素数1~5の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数3~5のシクロアルキル基である。]
で示されるものである、[1]に記載の化合物。
[3]下記構造式:
【化3】
で示されるものである、[1]又は[2]に記載の化合物。
[4]1’位と2位の相対立体配置が(R,S)若しくは(R,R)、又は(R,S)及び(R,R)の混合物である、[3]に記載の化合物。
[5]1’位と2位の相対立体配置が(R,S)である、[3]に記載の化合物。
[6][1]~[5]のいずれか一項に記載の化合物を少なくとも1種含有する香料組成物。
[7][1]~[5]のいずれか一項に記載の化合物を少なくとも1種含有するムスク香料組成物。
[8][6]又は[7]に記載の香料組成物を用いて香気付けした製品。
[9]製品が、フレグランス製品、香粧品、基礎化粧品、仕上げ化粧品、頭髪化粧品、日焼け化粧品、薬用化粧品、ヘアケア製品、石鹸、身体洗浄剤、浴用剤、衣料用洗剤、衣料用柔軟仕上げ剤、洗浄剤、台所用洗剤、漂白剤、エアゾール剤、消臭・芳香剤、忌避剤及び雑貨から選ばれる1種である、[8]に記載の製品。
[10][1]~[5]のいずれか一項に記載の化合物を少なくとも1種添加することを含む、香料組成物の香気を増強又は変調する方法。
なお、本発明の化合物は新規化合物であり、その用途は香料素材に限られないこととする。
【発明の効果】
【0007】
本発明は新規な化合物を提供するものである。本発明の好ましい態様によれば、本発明の化合物は、ムスク様香気を有する新規香料素材として用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明について具体的に説明する。
【0009】
本発明の化合物は、下記一般式:
【化4】
[式中、R及びRは、互いに独立して水素原子又はメチル基であり、
nは、2又は3であり、
複数個存在するR及びRは、互いに独立して水素原子又はメチル基であり、
は、-O-CO-Z、-O-CO-O-Z、-CO-Z、-CO-O-Z又は-CH(Z)-CO-Zであり、Yは、-O-CO-Z又は-O-CO-O-Zであり、Yは、-O-CO-Zであり、ここで、Zは、炭素数1~5の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数3~5のシクロアルキル基であり、Zは、水素原子、メチル基又はエチル基であり、Zは、炭素数1~3の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基であり、Zは、炭素数1~5の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数3~5のシクロアルキル基であり、
環を構成する隣接する2つの実線と点線の二重線は、互いに独立して二重結合又は単結合であり、但し、2つとも二重結合である場合を除くものとする。]
で示されることを特徴としている。
【0010】
上記式中、R及びRは、互いに独立して水素原子又はメチル基であり、R及びRがメチル基であることが好ましい。
nは、2又は3であり、nは2であることが好ましい。
複数個存在するR及びRは、互いに独立して水素原子又はメチルであり、複数個存在するR及びRがすべて水素原子であることが好ましい。
【0011】
は、-O-CO-Z、-O-CO-O-Z、-CO-Z、-CO-O-Z又は-CH(Z)-CO-Zであり、-O-CO-Zが好ましい。
は、-O-CO-Z又は-O-CO-O-Zであり、-O-CO-Zが好ましい。
は、-O-CO-Zである。
【0012】
Zは、炭素数1~5の直鎖状若しくは分岐状のアルキル、又は炭素数3~5のシクロアルキルであり、炭素数1~5の直鎖状若しくは分岐状のアルキルが好ましい。
は、水素原子、メチル又はエチルであり、水素原子が好ましい。
は、炭素数1~3の直鎖状若しくは分岐状のアルキルであり、メチル基が好ましい。
は、炭素数1~5の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数3~5のシクロアルキル基であり、炭素数1~3の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数3~4のシクロアルキル基が好ましい。
【0013】
本明細書において、炭素数1~5の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-アミル(n-ペンチル)、イソアミル(イソペンチル)、ネオペンチル及びtert-アミル(tert-ペンチル)が挙げられる。
炭素数1~3の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基としては、メチル、エチル、n-プロピル及びイソプロピルが挙げられる。
炭素数3~5のシクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル及びシクロペンチルが挙げられる。
【0014】
環を構成する隣接する2つの実線と点線の二重線は、互いに独立して二重結合又は単結合であり、但し、2つとも二重結合である場合を除くものとする。本発明の一実施態様においては、環を構成する隣接する2つの実線と点線の二重線は単結合であることが好ましい。
【0015】
環を構成する隣接する2つの実線と点線の二重線が単結合である場合、本発明の化合物の相対立体配置は特に限定されないが、1’位と2位の相対立体配置が(R,S)若しくは(R,R)、又は(R,S)及び(R,R)の混合物であることが好ましく、1’位と2位の相対立体配置が(R,S)であることがより好ましい。
本発明の化合物が、上記構造異性体の混合物として得られる場合は、混合物のままでも使用できるが、一般に知られている様々な方法で分離し、単独で使用することもできる。例えば、本発明の化合物を香料素材として用いる場合であって、構造異性体の香気閾値が大きく異なる場合は、香気閾値が低い化合物を選択的に合成して使用することが有利である場合がある。
【0016】
本発明の一実施態様においては、一般式:
【化5】
[式中、Zは、炭素数1~5の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数3~5のシクロアルキル基である。]
で示される化合物が好ましい。
【0017】
これらの中でも、下記構造式:
【化6】
で示される化合物が特に好ましい。
【0018】
一般式(II)で示される化合物は、例えば次の方法で製造することができる。
【化7】
【0019】
すなわち、カルボン酸(1)に対して、エチレングリコールを縮合し、アルコール(2)とした後、続いてカルボン酸(ZCOOH)を縮合し、一般式(II)で示される化合物を得ることができる。
【0020】
反応溶媒としては、特に制限されないが、例えば、テトラヒドロフラン又はジエチルエーテル等のエーテル系溶媒;塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素;o-ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素;N,N-ジメチルホルムアミド等のアミド、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素;ヘキサン等の脂肪族炭化水素が用いられる。
また、触媒として、4,4-ジメチルアミノピリジン、縮合剤として1-エチルー3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩を好適に用いることができる。
製法に関しては、これに限定するものではなく、一般的な縮合方法を用いることもできる。
【0021】
一般式(II)で示される化合物は、下記式(1a)と(1b)で示される化合物の混合物として得ることができる。
【化8】
【0022】
本発明の化合物は、上記構造異性体の混合物のままでも使用できるが、一般に知られている様々な方法で分離し、単独で使用することもできる。例えば、本発明の化合物を香料素材として用いる場合であって、化合物(1a)と化合物(1b)の香気閾値が大きく異なる場合は、香気閾値が低い化合物を選択的に合成して使用することが有利である場合がある。
例えば、Zがエチル基の場合、化合物(1a)の香気閾値は、化合物(1b)のものと比べて約100倍低い。この場合は、化合物(1a)を選択的に合成して使用することが好ましい。
【0023】
なお、下記一般式:
【化9】
[式中の符号は、一般式(Ia)及び(Ib)におけるものと同義である。]
で示される化合物もまた、出発化合物として対応するカルボン酸及び二価アルコールを用いることにより、上記と同様の方法で得ることができる。
【0024】
本発明の他の実施態様においては、一般式:
【化10】
[式中、Zは、炭素数1~5の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数3~5のシクロアルキル基である。]
で示される化合物が好ましい。
【0025】
一般式(IV)で示される化合物は、例えば次の方法で製造することができる。
【化11】
【0026】
すなわち、アルコール(2)に対して、クロロ蟻酸アルキル又はクロロ蟻酸シクロアルキルを縮合し、一般式(IV)で示される化合物を得ることができる。
反応溶媒としては、一般式(II)で示される化合物の製造方法において例示したものと同じものを使用できる。また、塩基としては、トリエチルアミン等を好適に使用できる。
【0027】
なお、下記一般式:
【化12】
[式中の符号は、一般式(Ia)及び(Ib)におけるものと同義である。]
で示される化合物もまた、対応するカルボン酸及び二価アルコールを用いることにより、上記と同様の方法で得ることができる。
【0028】
本発明の他の実施態様においては、一般式:
【化13】
[式中、Zは、水素原子、メチル基又はエチル基であり、Zは炭素数1~3の直鎖状又は分岐状のアルキル基である。]
で示される化合物もまた、特に有利である。
【0029】
一般式(VI)で示される化合物は、例えば、下記の方法で得ることができる。
【化14】
[式中の符号は、一般式(Ia)及び(Ib)におけるものと同義である。]
【0030】
すなわち、カルボン酸(1)に対して、一般式(3)で示される化合物を縮合して、一般式(VI)で示される化合物を得ることができる。
反応溶媒及び試薬としては、一般式(II)で示される化合物の製造方法において例示したものと同じものを使用できる。
【0031】
なお、下記一般式:
【化15】
[式中の符号は、一般式(Ia)及び(Ib)におけるものと同義である。]
で示される化合物もまた、対応するカルボン酸及びアルコールを縮合することにより、上記と同様の方法で得ることができる。
【0032】
本発明のさらなる実施態様において、一般式:
【化16】
[式中、nは2又は3であり、複数個存在するR及びRは互いに独立して水素原子又はメチル基であり、Zは、炭素数1~5の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数3~5のシクロアルキル基である。]
で示される化合物もまた好ましい。
【0033】
一般式(VIII)で示される化合物は、例えば、下記の方法で得ることができる。
【化17】
[式中の符号は、一般式(Ia)及び(Ib)におけるものと同義である。]
【0034】
すなわち、カルボン酸(1)に対して、一般式(4)で示される化合物を縮合して、一般式(VIII)で示される化合物を得ることができる。
反応溶媒及び試薬としては、一般式(II)で示される化合物の製造方法において例示したものと同じものを使用できる。
【0035】
なお、下記一般式:
【化18】
[式中の符号は、一般式(Ia)及び(Ib)におけるものと同義である。]
で示される化合物もまた、対応するカルボン酸及びアルコールを縮合することにより、上記と同様の方法で得ることができる。
【0036】
本発明のさらなる実施態様においては、一般式:
【化19】
[式中、nは2又は3であり、複数個存在するR及びRは互いに独立して水素原子又はメチル基であり、Zは、炭素数1~5の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数3~5のシクロアルキル基である。]
で示される化合物もまた好ましい。
【0037】
一般式(X)で示される化合物は、例えば、下記の方法で得ることができる。
【化20】
[式中の符号は、一般式(Ia)及び(Ib)におけるものと同義である。]
【0038】
すなわち、カルボン酸(1)に対して、一般式(5)で示される化合物を縮合して、一般式(X)で示される化合物を得ることができる。
反応溶媒及び試薬としては、一般式(II)で示される化合物の製造方法において例示したものと同じものを使用できる。
【0039】
なお、下記一般式:
【化21】
[式中の符号は、一般式(Ia)及び(Ib)におけるものと同義である。]
で示される化合物もまた、出発化合物として対応するカルボン酸及びアルコールを縮合することにより、上記と同様の方法で得ることができる。
【0040】
本発明のさらなる実施態様において、一般式:
【化22】
[式中、Zは、炭素数1~5の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数3~5のシクロアルキル基である。]
で示される化合物もまた好ましい。
【0041】
一般式(XII)で示される化合物は、例えば、下記の方法で得ることができる。
【化23】
【0042】
すなわち、アルコール(6)からウィリアムソンエーテル合成にてベンジル基にて保護されたヒドロキシエチル基を伸長し、化合物(7)を得た後、パラジウム触媒を用いて脱保護し、化合物(8)を得ることができる。次に、化合物(8)はカルボン酸(ZCOOH)と縮合して、一般式(XII)で示される化合物を得ることができる。
縮合反応においては、反応溶媒及び試薬として、一般式(II)で示される化合物の製造方法において例示したものと同じものを使用できる。また、ウィリアムソンエーテル合成については、当業者であれば、実施例13及び14を参照しながら適宜行うことができる。
【0043】
なお、下記一般式:
【化24】
[式中の符号は、一般式(Ia)及び(Ib)におけるものと同義である。]
で示される化合物もまた、出発化合物として対応するアルコールを用いることにより、上記と同様の方法で得ることができる。
【0044】
また、一般式(8)で示される化合物等の対応するアルコールを中間体として用い、この化合物にクロロ蟻酸アルキル又はクロロ蟻酸シクロアルキルを縮合することで、一般式:
【化25】
[式中の符号は、一般式(Ia)及び(Ib)におけるものと同義である。]
で示される化合物を得ることができる。
なお、反応溶媒としては、一般式(II)で示される化合物の製造方法において例示したものと同じものを使用できる。また、塩基としては、トリエチルアミン等を好適に使用できる。
【0045】
本発明のさらなる実施態様において、一般式:
【化26】
[式中、Zは、炭素数1~5の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数3~5のシクロアルキル基である。]
で示される化合物もまた好ましい。
【0046】
一般式(XV)で示される化合物は、例えば、下記の方法で得ることができる。
【化27】
【0047】
すなわち、アルコール(9)をカルボン酸(ZCOOH)と縮合して、一般式(XV)で示される化合物を得ることができる。
縮合反応においては、反応溶媒及び試薬として、一般式(II)で示される化合物の製造方法において例示したものと同じものを使用できる。
【0048】
なお、下記一般式:
【化28】
[式中の符号は、一般式(Ic)におけるものと同義である。]
で示される化合物もまた、出発化合物として対応するアルコールを用いることにより、上記と同様の方法で得ることができる。
【0049】
このようにして得られた化合物は、必要に応じて、単離及び精製を行うことができる。単離及び精製の方法としては、例えばカラムクロマトグラフィー、減圧蒸留、結晶化等が挙げられ、これらを単独で、又は併用して行うことができる。
【0050】
本発明の好ましい態様によれば、本発明の化合物は、ムスク様香気を付与する香料素材として有用である。本発明の好ましい態様によれば、本発明の化合物を少なくとも1種添加することにより、香料組成物の香気を増強又は変調することができる。
【0051】
本発明の香料組成物は、上述した本発明の化合物を少なくとも1種含有することを特徴としている。
本発明の化合物を1種のみ含有してもよく、2種以上を組み合わせて含有してもよい。また、本発明の化合物を構造異性体の混合物として含有してもよい。
本発明の香料組成物における本発明の化合物の配合量は、用途や目的に応じて適宜決定されるものであり、特に限定されないが、通常、香料組成物の全量基準で0.0001~80質量%の範囲が好ましく、より好ましくは0.001~60重量%、特に好ましくは0.01~40重量%である。
【0052】
また、本発明の香料組成物には、本発明の化合物に加えて、通常使用される調合香料を配合してもよい。
【0053】
本発明の好ましい態様によれば、本発明の香料組成物は、新鮮で嗜好性の高い香気付与を提供することができる。
【0054】
本発明の香料組成物は、香気成分として、フレグランス製品、香粧品、基礎化粧品、仕上げ化粧品、頭髪化粧品、日焼け化粧品、薬用化粧品、ヘアケア製品、石鹸、身体洗浄剤、浴用剤、衣料用洗剤、衣料用柔軟仕上げ剤、洗浄剤、台所用洗剤、漂白剤、エアゾール剤、消臭・芳香剤、忌避剤及び雑貨などに配合することができる。
例えば、シャンプー、リンス類、香水、コロン類、ヘアトニック、ヘアクリーム類、ポマードその他の各種毛髪用化粧料基材;
石鹸、皿洗い洗剤、洗濯用洗剤、ソフナー類、消毒用洗剤類、防臭洗剤類、室内芳香剤、消毒剤、殺虫剤、漂白剤、その他の各種保健衛生用洗剤類;及び
歯磨、マウスウォッシュ、トイレットペーパー、医薬品の服用を容易にするための賦香剤等に、この業界で通常配合されている量を配合することができる。
本発明の香料組成物を用いて製品の香気付けをすることで、本発明の香料組成物のユニークな香気を製品に付与することができ、製品の商品価値を高めることができる。
【実施例
【0055】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら制限されるものではない。なお、本実施例中における各種測定には、下記の装置を使用した。
NMR測定装置(1H-NMR, 13C-NMR):AVANCE III 500 (Bruker社製)
内部標準物質 : TMS or CDCl3
ガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS) : GCMS-QP2010 Ultra (株式会社島津製作所社製)
使用カラム:Rxi-5ms (RESTEK) (長さ30.0m×内径0.25mm、膜厚0.25μm、 株式会社島津ジーエルシー社製)
ガスクロマトグラフィー(GC、化学純度):7890A (Agilent Technologies社製)
使用カラム:InertCap1 (長さ20m×内径0.18mm、膜厚0.18μm、ジーエルサイエンス社製)
【0056】
[実施例1(参考例)]
2-ヒドロキシエチル 2-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)プロパノエート
【化29】
【0057】
トルエン(10ml)とジメチルホルムアミド(DMF 5ml)と2-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)プロパン酸(22.0g, 119mmol)の混合溶液を、攪拌下0℃に冷却した後、エチレングリコール23.4ml、4,4-ジメチルアミノピリジン(725mg, 5.93mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩 (以下、WSCD・HClという) (25.1g, 130mmol)を、系内を5℃以下に保ちながら順次に加えた。これを昇温させ、15℃にて1時間攪拌した。その後0℃に冷却し、1M塩酸(5ml)を加え激しく攪拌した。これを分液して有機層を得たのち、それを20%炭酸水素ナトリウム水溶液で1回、5%食塩水にて3回洗浄した。ロータリーエバポレーターで溶媒を留去した後、80Pa/104℃で蒸留し、2-ヒドロキシエチル2-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)プロパノエート(7.32g, 32.1mmol, 収率27%)を得た。立体異性体は、リサイクルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:酢酸エチル4:1)で精製し、分離した。
【0058】
相対立体配置(1’R,2S) の異性体
1H-NMR(400MHz, CDCl3):0.77(d/q, J = 3.90 Hz, 13.0Hz, 1H), 0.89(d, J = 3.10 Hz, 6H), 0.91(t, J = 12.5Hz, 1H), 1.49(t/d, J = 13.4, 4.10Hz Hz, 1H), 1.3(d, J = 7.00Hz, 3H), 1.24~1.29(m, 1H), 1.32~1.37(m, 1H), 1.42(q/t, J = 13.4, 3.50Hz, 1H), 1.55~1.65(m, 1H), 1.69~1.78(m, 2H), 1.95(s, 1H), 2.23(quint, J = 7.10Hz, 1H), 3.81~3.84(m, 2H), 4.22(m, 2H)
13C-NMR(125Hz, CDCl3):176.88(s), 65.75(t), 61.47(t), 45.63(d), 44.19(t), 38.98(t), 36.53(d), 33.44(q), 30.83(s), 29.44(t), 24.56(q), 22.16(t), 14.11(q)
GC/MS(m/e): 229(1), 213(2), 185(2), 167(5), 153(3), 139(6), 123(10), 118(100), 100(33), 95(28), 83(15), 69(33), 56(30), 41(22), 29(7)
【0059】
相対立体配置(1’R,2R)の異性体
1H-NMR(1H, 400MHz、CDCl3):0.81(t, J = 12.7Hz, 1H), 0.9(d, J = 9.90Hz, 6H), 0.87~0.93(m, 1H), 1.05(d/t, J = 2.10Hz, 6.60Hz, 1H), 1.12(d, 7.00Hz, 3H), 1.32~1.38(m, 1H), 1.36~1.48(m, 2H), 1.52~1.58(m, 1H), 1.58~1.63(m, 1H), 1.73(m, 1H), 1.97~2.04(s, 1H), 2.24(quint. J = 7.15Hz, 1H), 3.83(q, J = 4.75Hz, 2H), 4.22(m, 2H)
13C-NMR(125Hz, CDCl3):177.01(s), 65.75(t), 61.43(t), 45.53(d), 42.69(t), 38.96(t), 36.59(d), 33.49(q), 30.98(s), 30.78(t), 24.64(q), 22.19(t), 13.93(q)
GC/MS(m/e):229(1), 213(2), 185(3), 167(7), 153(4), 139(7), 123(11), 118(100), 95(27), 83(15), 69(35), 56(32), 45(8), 41(23), 29(6)
【0060】
[実施例2]
2-(プロピオニルオキシ)エチル 2-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)プロパノエート
【化30】
【0061】
トルエン(8ml)とジメチルホルムアミド(DMF 3ml)と2-ヒドロキシエチル2-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)プロパノエート(7.32g, 32.1mmol)の混合溶液を、攪拌下で0℃に冷却した後、プロパン酸(プロピオン酸ともいう)(2.6ml)、4,4-ジメチルアミノピリジン(194 mg, 1.58mmol)、WSCD・HCl (6.76 g, 35.2mmol)を、系内を5℃以下に保ちながら順次に加えた。これを昇温させ、15℃で1時間攪拌した。その後0℃に冷却し、1M塩酸5mlを加え、激しく攪拌した。これを分液して有機層を得たのち、20%炭酸水素ナトリウム水溶液で1回、5%食塩水にて3回洗浄した。ロータリーエバポレーターで溶媒を留去した後、37Pa/95.8℃で蒸留して2-(プロピオニルオキシ)エチル 2-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)プロパノエート(6.93g, 24.4mmol、収率76%)を得た。立体異性体は、リサイクルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:酢酸エチル9:1)で精製し、分離した。
【0062】
相対立体配置(1’R,2S)の異性体
1H-NMR(400MHz, CDCl3):0.79(q/d, J = 13.0, 3.95Hz, 1H), 0.88(s, 3H), 0.89(s, 3H), 0.86~0.93(t, J = 12.6Hz, 1H), 1.04(t/d, 13.4, 4.20Hz, 1H), 1.11(d, J = 7.00Hz, 3H), 1.15(t, J = 7.60Hz, 3H), 1.26(m, 1H), 1.34(m, 1H), 1.42(q/t, J = 13.5, 3.60Hz, 1H), 1.54~1.61(m, 1H), 1.67~1.77(m, 2H), 2.21(quint. J = 7.1Hz, 1H), 2.35(q, 7.60Hz, 2H), 4.30(s, 4H)
13C-NMR(125Hz, CDCl3):176.20(s), 174.21(s), 62.16(t), 61.74(t), 45.57(d), 44.11(t), 39.00(t), 36.44(d), 33.45(q), 30.83(s), 29.40(t), 27.42(t), 24.54(q), 22.18(t), 14.01(q), 9.03(q)
GC/MS(m/e): 211(1), 195(1), 174(12), 167(3), 139(7), 111(2), 101(100), 100(52), 83(10), 79(3), 69(18), 57(30), 41(12), 39(3), 29(15)
【0063】
相対立体配置(1’R,2R) の異性体
1H-NMR(400MHz, CDCl3):0.81(t, J = 12.6Hz, 1H), 0.83~0.92(m, 1H), 0.89(s, 3H), 0.91(s, 3H), 1.04(t/d, J = 9.05Hz, 4.20Hz, 1H), 1.10(d, J = 7.00Hz, 3H), 1.15(t, J = 7.55Hz, 3H), 1.31~1.40(m, 2H), 1.40~1.47(t/t, J = 13.3, 3.65Hz, 1H), 1.51~1.57(m, 1H), 1.59~1.63(m, 1H), 1.72(m, 1H), 2.22(quint. J = 7.10Hz, 1H), 2.35(q, J = 7.60Hz, 2H), 4.23~4.34(m, 4H)
13C-NMR(125Hz, CDCl3):176.30(s), 174.20(s), 62.15(t), 61.73(t), 45.52(d), 42.71(t), 38.99(t), 36.53(d), 33.51(q), 30.91(s), 30.80(t), 27.41(t), 24.64(q), 22.21(t), 13.92(q), 9.02(q)
GC/MS(m/e): 210(1), 195(1), 174(12), 167(3), 139(7), 111(3), 101(100), 100(55), 83(12), 79(3), 69(20), 57(32), 43(4), 41(12), 29(15)
【0064】
[実施例3]
2-(プロピオニルオキシ)エチル 2-シクロヘキシルプロパノエート
【化31】
2-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)プロパン酸の替わりに2-シクロヘキシルプロピオン酸を原料として使用し、実施例1、2と同様の手法を用いて合成した。
【0065】
1H-NMR(400MHz, CDCl3):0.85~1.10(m, 2H), 1.11(d, J = 7.00Hz, 3H), 1.15(t, 7.55Hz, 4H), 1.18~1.31(m, 2H), 1.54(m, 1H),1.63(m, 2H), 1.68~1.77(m, 3H), 2.27 (quint. J = 7.10Hz, 1H), 2.35(q, J = 8.15Hz, 2H), 4.45(m, 4H)
13C-NMR(125Hz, CDCl3):176.24(s), 174.18(s), 62.10(t), 61.71(t), 45.36(d), 40.74(d), 31.06(t), 29.61(t), 27.41(t), 26.30(t), 26.28(t), 26.24(t), 13.95(q), 9.02(q)
GC/MS(m/e): 257(1), 227(1), 183(1), 174(10), 157(1), 139(12), 126(3), 111(22), 101(100), 95(1), 81(5), 69(20), 57(42), 41(15), 29(18)
【0066】
[実施例4]
2-((2-(3,3-ジメチルシクロへキシル)プロパノイル)オキシ)エチル シクロプロパンカルボキシレート
【化32】
【0067】
実施例2と同様の手法で、プロピオン酸の替わりに、シクロプロパン酸を使用し合成した。
【0068】
相対立体配置(1’R,2S)の異性体
1H-NMR(400MHz, CDCl3):0.81(q/d, 12.8, 3.85Hz, 1H), 0.85~0.94(m, 3H), 0.89(s, 6H), 0.99~1.03(m, 2H), 1.04(t/d, 13.3, 3.90Hz, 1H), 1.12(d, J = 7.00Hz, 3H), 1.26(d/q, J = 12.8, 2.5Hz, 1H), 1.34(m, 1H), 1.42(q/t, J = 13.4, 6.15Hz, 1H), 1.54~1.61(m, 1H), 1.63(t/t, J = 8.05, 4.60Hz, 1H), 1.69~1.78(m, 2H), 2.22(quint. J = 6.95Hz, 1H), 4.28(s, 4H)
13C-NMR(125Hz, CDCl3):176.19(s), 174.63(s), 62.29(t), 61.77(t), 45.59(d), 44.11(t), 39.01(t), 36.45(d), 33.45(q), 30.84(s), 29.42(t), 24.55(q), 22.19(t), 14.01(d), 12.77(d), 8.59(t), 8.59(t)
GC/MS(m/e): 211(1), 195(1), 186(18), 156(2), 141(2), 139(8), 123(5), 113(100), 109(8), 100(88), 83(17), 69(88), 55(22), 41(38), 29(6)
【0069】
相対立体配置(1’R,2R) の異性体
1H-NMR(400MHz, CDCl3):0.816(t, J = 12.6Hz, 1H), 0.85~0.90(m, 1H), 0.89(s, 6H), 0.91(s, 3H), 1.10(d/t, J = 7.50, 3.65Hz, 2H), 1.06(d/d, J = 13.0, 3.90Hz, 1H), 1.10(d, J = 7.00Hz, 3H), 1.31~1.47(m, 4H), 1.51~1.57(m, 1H), 1.62(t/t, J = 8.00, 4.70Hz, 2H), 1.68~1.77(m, 1H), 2.23(quint. 7.10Hz, 1H), 4.23~4.34(m, 4H)
13C-NMR(125Hz, CDCl3):176.29(s), 174.63(s), 62.27(t), 61.76(t), 45.53(d), 42.72(t), 39.00(t), 36.55(d), 33.52(q), 30.92(t), 30.81(t), 24.65(q), 22.23(t), 13.92(d), 12.75(d), 8.57(t), 8.57(t)
GC/MS(m/e): 211(1), 195(1), 186(18), 156(2), 141(1), 139(8), 123(6), 113(100), 101(6), 100(93), 83(17), 69(95), 55(22), 41(39), 29(6)
【0070】
[実施例5]
2-アセトキシエチル 2-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)プロパノエート
【化33】
【0071】
実施例2と同様の手法で、プロピオン酸の替わりに、酢酸を使用し合成した。
GC/MS(m/e):
異性体1 : 211(1), 185(1), 167(3), 160(15), 139(5), 109(3), 100(40), 87(100), 79(2), 69(22), 55(15), 43(30), 41(14), 29(3)
異性体2 : 211(1), 185(1), 167(3), 160(15), 139(7), 109(3), 100(40), 87(100), 79(3), 69(23), 55(16), 43(32), 41(15), 29(3)
【0072】
[実施例6]
2-((2-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)プロパノイル)オキシ)エチル シクロブタンカルボキシレート
【化34】
【0073】
実施例2と同様の手法で、プロピオン酸の替わりに、シクロブタン酸を使用し合成した。
【0074】
相対立体配置(1’R,2S)の異性体
1H-NMR(400MHz, CDCl3):0.79(q/d, J = 13.1, 4.05Hz, 1H), 0.88(s, 3H), 0.89(s, 3H), 0.89(t, J = 12.5Hz, 1H), 1.04(t/d, J = 13.1, 4.10Hz, 1H), 1.11(d, J = 7.00Hz, 3H), 1.25(d/q, 13.0, 2.45Hz, 1H), 1.31~1.37(m, 1H), 1.41(q/t, 13.4, 3.55Hz, 1H), 1.53~1.61(m, 1H), 1.69~1.73(m, 2H), 1.86~2.03(m, 2H), 2.16~2.24(m, 3H), 2.25~2.34(m, 2H), 3.15(quint, J =8.55Hz, 1H), 4.27(s, 4H)
13C-NMR(125Hz, CDCl3):176.17(s), 175.21(s), 62.12(t), 61.79(t), 45.55(d), 44.10(t), 39.01(t), 37.94(d), 36.41(d), 33.44(q), 30.83(s), 29.38(t), 25.22(t), 25.22(t), 24.54(q), 22.18(t), 18.40(t), 13.97(q)
GC/MS(m/e): 255(1), 211(3), 200(12), 182(1), 167(5), 145(2), 139(10), 127(95), 109(8), 100(100), 83(50), 69(28), 57(12), 55(75), 41(20), 29(12)
【0075】
相対立体配置(1’R,2R) の異性体
1H-NMR(400MHz, CDCl3):0.80(t, J = 12.9Hz, 1H), 0.83~0.89(m, 1H), 0.88(s, 3H), 0.91(s, 3H), 1.05(t/d, 13.2, 4.05Hz, 1H), 1.1(d, 7.00Hz, 3H),1.31~1.47(m, 3H), 1.51~1.54(m, 1H), 1.59(m, 1H), 1.71(m, 1H), 1.86~2.03(m, 2H), 2.16~2.24(m, 3H), 2.29(m, 2H), 3.15(quint/d, J = 8.60, 0.85Hz, 1H), 4.24~4.33(m, 4H)
13C-NMR(125Hz, CDCl3):176.29(s), 175.19(s), 62.10(t), 61.78(t), 45.57(d), 42.73(t), 38.99(t), 37.94(d), 36.53(d), 33.51(q), 30.94(t), 30.79(s), 25.22(t), 25.21(t), 24.64(q) 22.21(t), 18.4(t), 13.97(q)
GC/MS(m/e): 255(1), 211(3), 200(12), 182(1), 167(5), 145(2), 139(10), 127(95), 109(8), 100(100), 83(50), 69(28), 57(12), 55(75), 41(20), 29(12)
【0076】
[実施例7]
2-((2-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)プロパノイル)オキシ)エチル イソブチレート
【化35】
【0077】
実施例2と同様の手法で、プロピオン酸の替わりに、イソブチル酸を使用し合成した。
【0078】
1H -NMR(400MHz, CDCl3):0.77(t/d, J = 12.8, 4.00Hz, 1H), 0.86(s, 6H), 0.97~1.08(m, 1H), 1.02~1.10(m, 6H), 1.22~1.28(d, J = 7.20Hz, 3H), 1.29~1.38(m, 1H), 1.28~1.49(m, 3H), 1.49~1.52(m, 2H), 1.62~1.77(m, 1H), 2.18(quint. 1H), 2.54(heptet. 1H), 4.25(s, 4H) (diastereomer 1:1 mixture)
GC/MS(m/e):
異性体1:255(1), 225(1), 211(1), 189(1), 188(12), 167(3), 151(1), 139(3), 123(2), 115(100), 100(75), 83(8), 71(30), 57(8), 55(20), 43(40), 29(5)
異性体2: 255(1), 225(1), 211(1), 195(1), 188(12), 167(3), 151(1), 139(3), 123(2), 115(100), 100(75), 83(8), 71(30), 57(8), 55(20), 43(40), 29(5)
【0079】
[実施例8]
2-(プロピオニルオキシ)エチル 2-(3-メチルシクロヘキ-1-エン-1イル)プロパノエート
2-(プロピオニルオキシ)エチル 2-(5-メチルシクロヘキ-1-エン-1イル)プロパノエート
【化36】
【0080】
3-メチルシクロヘキセン-1-イルプロパン(位置異性体混合物)を原料として使用し、実施例1、2と同様の手法を用いて合成した。
【0081】
GC/MS(m/e):
異性体1 : 211(1), 195(1), 166(1), 150(1), 135(1), 122(100), 101(50), 95(38), 79(15), 67(12), 57(45), 41(11), 39(3) 29(25)
異性体2 : 211(1), 194(1), 166(1), 150(1), 135(1), 122(100), 107(20), 101(60), 91(8), 81(22), 67(12), 57(50), 43(3), 41(7), 29(25)
異性体3 : 211(1), 194(1), 167(1), 150(1), 135(1), 122(100), 101(65), 93(45), 81(25), 67(13), 57(58), 43(6), 41(18), 29(28)
【0082】
[実施例9]
2-(プロピオニルオキシ)エチル 2-(3-メチルシクロヘキシル)プロパノエート
【化37】
【0083】
窒素雰囲気下、実施例8で得られた2-(プロピオニルオキシ)エチル 2-(3-メチルシクロヘキ-1-エン-1イル)プロパノエートと2-(プロピオニルオキシ)エチル 2-(5-メチルシクロヘキ-1-エン-1イル)プロパノエートの異性体混合物(201mg, 0.75mmol)とエタノール(1.5ml)の混合溶液へ、窒素下5%Pd/C TypeE(2.1mg, 1wt%)添加し、反応容器内を水素に置換して50℃にて6時間攪拌した。その後セライトを用いてろ過し、ロータリーエバポレーターで溶媒を留去した後、粗生成物 として2-(プロピオニルオキシ)エチル 2-(3-メチルシクロヘキシル)プロパノエート(188mg, 070mmol, 収率93%)を得た。
【0084】
GC/MS(m/e):
異性体1 : 241(1), 197(1), 181(1), 174(11), 152(6), 109(1), 101(100), 83(5), 69(18), 67(5), 57(45), 41(15), 29(20)
異性体2 : 241(1), 197(1), 181(1), 174(11), 152(5), 109(1), 101(100), 83(5), 69(19), 67(5), 57(45), 41(15), 29(18)
異性体3 : 197(1), 181(1), 174(10), 153(5), 125(12), 119(3), 101(100), 100(60), 79(3), 69(20), 67(5), 57(45), 41(15), 29(21)
異性体4 : 197(1), 181(1), 174(8), 153(5), 125(7), 119(3), 101(100), 100(61), 79(3), 69(18), 57(49), 41(15), 29(21)
【0085】
[実施例10]
2-((エトキシカルボニル)オキシ)エチル 2-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)プロパノエート
【化38】
【0086】
2-ヒドロキシエチル 2-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)プロパノエート(338mg, 1.70mmol)とトリエチルアミン(1ml)とテトラヒドロフラン(THF 3ml)の混合物液を0℃に冷却し、5℃以下を保ちながらクロロ蟻酸エチル(162μl, 1.70mmol)を滴下した。その後15℃で30分間攪拌した。20%塩化アンモニウム水溶液とトルエンを加え、激しく攪拌したのち、有機層を分離した。有機層を水(5ml)で2回洗浄し、ロータリーエバポレーターで溶媒を留去した後、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:酢酸エチル9:1)で精製し、2-((エトキシカルボニル)オキシ)エチル 2-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)プロパノエート (80.3mg, 0.27mmol, 収率16%)を得た。
【0087】
1H-NMR(400MHz, CDCl3):0.76~0.90(m, 1H), 0.88(s, 3H), 0.89(s, 3H), 0.88~0.93(m, 1H), 1.04(t/d, J = 13.2, 4.20Hz, 1H), 1.1(t, 7.00Hz, 3H), 1.23~1.34(m, 4H), 1.32~1.47(m, 2H), 1.51~1.77(m, 3H), 2.18~2.26(m, 1H), 4.21(q, 7.10Hz, 2H), 4.25~4.35(m, 4H) (diastereomer 1:1 mixture)
GC/MS(m/e):
異性体1 : 210(1), 190(5), 167(3), 146(1), 139(7), 123(3), 117(12), 101(6), 100(100), 89(11), 79(1), 69(18), 55(13), 45(12), 41(11), 29(10)
異性体2 : 210(1), 190(5), 167(3), 146(1), 139(8), 117(11), 101(6), 100(100), 89(12), 79(1), 69(18), 55(15), 41(12), 39(1), 29(10)
【0088】
[実施例11]
1-((2-(3,3-ジメチルシクロへキシル)プロパノイル)オキシ)プロパン 2-イル シクロプロパンカルボキシレート
2-((2-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)プロパノイル)オキシ)プロピル シクロプロパンカルボキシレート
【化39】
【0089】
実施例1と同様の手法で、エチレングリコールの替わりに1,2-プロパンジオールを使用しアルコール体を合成して後、実施例2と同様の手法で、プロピオン酸の替わりにシクロプロパン酸を使用し合成した。
【0090】
GC/MS:
異性体1:224(1), 201(1), 200(12), 181(1), 167(5), 145(2), 139(15), 127(60), 114(84), 95(18), 83(18), 69(100), 55(18), 41(35), 29(3)
異性体2:224(1), 209(1), 200(12), 181(1), 167(6), 145(2), 139(10), 127(65), 114(75), 95(18), 83(17), 69(100), 55(20), 41(35), 29(5)
異性体3:224(1), 209(1), 200(15), 181(1), 167(5), 145(2), 139(10), 127(60), 114(85), 95(20), 83(20), 69(100), 55(20), 41(35), 29(5)
異性体4:200(15), 156(5), 139(10), 127(60), 114(85), 109(5), 95(6), 83(15), 81(10), 69(100), 55(22), 43(7), 41(35), 29(5)
【0091】
[実施例12]
3-(プロピオニルオキシ)プロピル2-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)プロパノエート
【化40】
【0092】
実施例1と同様の手法で、エチレングリコールの替わりに1,3-プロパンジオールを使用してアルコール体を合成した後、実施例2と同様の手法で合成した。
1H -NMR(400MHz, CDCl3):0.73~0.85(m, 1H), 0.88(s, 3H), 0.89~0.94(m, 4H), 1.04(t/d, J = 13.4, 4.15, 1H), 1.1(t, J = 7.10Hz, 3H), 1.14(t, J = 7.55Hz, 3H), 1.24~1.47(m, 3H), 1.51~1.79(m, 3H), 1.98(quint. J = 6.35Hz, 2H), 2.18(t/d, J = 14.3, 7.10Hz, 1H), 2.34(q, J = 7.60Hz, 2H), 4.10~4.21(m, 4H) (diastereomer 1:1 mixture)
GC/MS(m/e):
異性体1:241(1), 224(1), 209(1), 189(1), 188(12), 167(3), 151(1), 139(8), 123(4), 115(100), 95(15), 83(12), 69(18), 57(33), 41(12), 29(10)
異性体2:241(1), 224(1), 209(1), 189(1), 188(12), 167(3), 151(1), 139(8), 123(4), 115(100), 95(15), 83(12), 69(18), 57(35), 55(13), 41(12), 29(10)
【0093】
[実施例13(参考例)]
((2-(2-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)プロポキシ)エトキシ)メチル)ベンゼン
【化41】
【0094】
窒素雰囲気下、ジメチルホルムアミド(DMF 5ml)と水素化ナトリウム(370mg, 9.26mmol) の混合溶液を、0℃に冷却して5℃以下を保ちながら2-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)プロパン-1-オール(1.05g, 6.17mmol)を滴下、15分攪拌した。その後5℃以下を保ちながら、ベンジル2-ブロモエチルエーテル(1.46ml, 9.26mmol)を滴下し、滴下後40℃まで昇温して2時間攪拌した。20%塩化アンモニウム水溶液とヘキサンを加えて攪拌した後、有機層を分離した。その後水で2回洗浄し、ロータリーエバポレーターで溶媒を留去した後、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:酢酸エチル9:1)で精製し、((2-(2-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)プロポキシ)エトキシ)メチル)ベンゼン(589mg, 1.85mmol, 収率31%)を得た。
【0095】
[実施例14(参考例)]
2-(2-(3-3-ジメチルシクロヘキシル)プロポキシ)エタン-1-オール
【化42】
【0096】
窒素雰囲気下、得られた((2-(2-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)プロポキシ)エトキシ)メチル)ベンゼン(589mg, 1.85mmol)と酢酸エチル(6ml)の混合溶液に、5%Pd/C TypeE(29.5mg, 5wt%)添加し、反応容器内を水素で置換して15 ℃で3時間攪拌した。その後セライトを用いてろ過し、ロータリーエバポレーターで溶媒を留去した後、粗生成物として2-(2-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)プロピポキシ)エタン-1-オール (201mg, 0.94mmol, 収率51%)を得た。
【0097】
[実施例15]
2-(2-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)プロポキシ)エチル プロピオネート
【化43】
【0098】
2-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)プロパノエートの替わりに、実施例14で合成したアルコールを用いて、実施例2と同様の手法で合成した。
【0099】
1H-NMR(400MHz, CDCl3):0.84~0.91(m, 10H), 1.04(t/d, J = 16.9, 7.30Hz, 1H), 1.15(t, 7.60Hz, 3H), 1.23~1.29(m, 2H), 1.30~1.36(m, 1H), 1.36(m, 1H), 1.46~1.63(m, 4H), 2.36(q, J =7.60Hz, 2H), 3.24~3.27(m, 1H), 3.39~3.46(m, 1H), 3.57~3.65(m, 2H), 4.22(t, J = 5.23Hz, 2H) (diastereomer 1:1 mixture)
GC/MS(m/e):
異性体1 : 271(1), 196(2), 181(20), 167(1), 153(22), 137(25), 119(20), 101(85), 97(90), 83(70), 69(82), 57(100), 41(35), 29(28)
異性体2 : 271(1), 213(1), 196(2), 181(22), 163(1), 152(28), 137(30), 119(23), 101(72),97(95), 93(68), 69(85), 57(100), 41(32), 29(28)
【0100】
[実施例16]
2-(2-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)プロポキシ)エチル シクロプロパンカルボキシレート
【化44】
【0101】
2-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)プロパノエートの替わりに、実施例14で合成したアルコールを用いて、実施例4と同様の手法にて合成した。
【0102】
1H-NMR(400MHz, CDCl3):0.81~0.90 (m, 11H), 1.01(d/t, J = 7.35, 4.45Hz, 2H), 1.03~1.08(d/d, J = 13.6, 4.55Hz, 1H), 1.24~1.36(m, 5H), 1.36~1.44(m, 1H), 1.47~1.67(m, 4H), 3.23~3.28(m, 1H), 3.40~3.46(m, 1H), 3.57~3.65(m, 2H), 4.22(t, J = 4.65Hz, 2H) (diastereomer 1:1 mixture)
GC/MS(m/e):
異性体1 : 196(1), 181(7), 163(1), 150(10), 123(5), 109(20), 97(35), 83(28), 71(10), 69(100), 55(30), 41(38), 39(8), 29(5)
異性体2 : 196(1), 181(7), 163(1), 153(11), 137(10), 123(5), 109(20), 97(35), 83(28), 71(10), 69(100), 55(30), 41(38), 39(8), 29(5)
【0103】
[実施例17]
4-オキソペンチル 2-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)プロパノエート
【化45】
【0104】
実施例1と同様の手法でエチレングリコールの替わりに、5-ヒドロキシ2-ペンタノンを使用し合成した。
【0105】
1H-NMR(400MHz, CDCl3):0.75~0.83(m, 1H), 0.88(s, 6H), 1.01(m, 1H), 1.09(t, J =7.30Hz, 3H), 1.21~1.47(m, 4H), 1.52~1.64(m, 2H), 1.66~1.75(m, 1H), 1.92(quint. J = 6.85Hz, 2H), 2.13~2.21(m, 1H), 2.16(s, 3H), 2.52(t, J = 7.20Hz, 2H), 4.02~4.13(m, 2H) (diastereomer 1:1 mixture)
GC/MS(m/e) :
異性体1 : 268(M+, 1), 250(1), 225(1), 211(1), 185(1), 167(1), 158(12), 137(3), 123(2), 95(10), 85(100), 69(15), 55(15), 43(42), 29(3)
異性体2 : 268(M+, 1), 250(1), 225(1), 211(1), 185(1), 167(1), 158(12), 137(3), 123(2), 95(10), 85(100), 69(15), 55(15), 43(42), 29(3)
【0106】
[実施例18]
前述した実施例2~12および15~17で合成した化合物に関して、香気の強度評価を行った。3年以上経験した3人の専門パネラーによる官能評価の結果、強度を5段階で評価することにした。但し強度は、5:とても強い、4:強い、3:普通、2:弱い、1:とても弱い、とする。
【0107】
【表1-1】
【表1-2】
【0108】
[実施例19] フルーティー調の香料組成物
表2に記載の処方に従い、フルーティー調の香料組成物を調合した。官能評価は5年以上経験した4人の専門パネリストが行い、実施例2、2a、又は3の化合物を含有するフルーティー調香料組成物は、明るくやわらかい香気がよく拡がり、嗜好性が高く、香質に優れていると4人全員が判断した。
【0109】
【表2】
【0110】
[実施例20] シャンプー
下記の処方に従い、実施例2、2a、又は3の化合物を含有する香料組成物を1.0%賦香したシャンプー(100g)を調製した。このものの官能評価は、5年以上経験した4人の専門パネリストが行い、嗜好性が高く、明るいフルーティー調がはっきり認められ、香質に優れていると4人全員が判断した。
【0111】
処方(成分) 配合量(g)
ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム 14.00
ラウリン酸アミドプロピルベタイン 4.00
ヤシ油脂肪酸ジエタノルアミド 3.00
カチオン性セルロース 0.50
ジステアリン酸エチレングリコール 1.00
パラオキシ安息香酸エチル 0.25
クエン酸 適量
実施例19で調合した香料組成物 1.00
精製水 残部
合計 100.00
【0112】
[実施例21(参考例)]
((2-(1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)エトキシ)エトキシ)メチル)ベンゼン
【化46】
【0113】
窒素雰囲気下、ジメチルホルムアミド(DMF 19ml)と水素化ナトリウム(1.21g, 30.2mmol) の混合溶液を、0℃に冷却して5℃以下を保ちながら1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)エタン-1-オール(3.16g, 20.2mmol)を滴下し、15分間攪拌した。その後5℃以下を保ちながら、ベンジル2-ブロモエチルエーテル(4.5ml, mmol)を滴下し、滴下後40℃まで昇温して2時間攪拌した。20%塩化アンモニウム水溶液とヘキサンを加えて攪拌した後、有機層を分離した。その後水で2回洗浄し、ロータリーエバポレーターで溶媒を留去した後、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:酢酸エチル9:1)で精製し、((2-(1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)エトキシ)エトキシ)メチル)ベンゼン (1.33g, 4.58mmol, 収率15%)を得た。
【0114】
1H-NMR(400MHz, CDCl3):0.87(s, 3H), 0.90(s, 3H), 1.09(d, J = 5.20Hz, 3H), 1.25~1.52(m, 4H), 1.52~1.61(m, 3H), 1.62~1.73(m, 2H), 3.13(d/t, J = 10.0, 5.20Hz, 1H), 3.53(m, 1H), 3.62(t/d, J = 8.4, 3.6Hz, 2H), 3.68(m, 1H), 4.58(s, 2H), 7.27(m, 1H), 7.35(m, 5H)
13C-NMR(125Hz, CDCl3):138.50(s), 128.29(d), 128.29(d), 127.62(d), 127.62(d), 127.46(d), 80.58(d), 73.16(t), 69.87(t), 68.22(t), 41.98(t), 39.39(t), 38.88(d), 33.63(q), 30.60(s), 28.23(t), 24.67(q), 24.08(t), 16.45(q)
GC/MS(m/e):290(1), 213(1), 199(1), 179(3), 155(1), 151(33), 137(2), 123(5), 107(13), 91(100), 83(11), 69(14), 55(11), 41(8), 26(2)
【0115】
[実施例22(参考例)]
2-(1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)エトキシ)エタン-1-オール
【化47】
【0116】
窒素雰囲気下、得られた((2-(1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)エトキシ)エトキシ)メチル)ベンゼン(1.33g, 4.58mmol)と酢酸エチル(7ml)の混合溶液に、5%Pd/カーボン触媒(28.3mg, 2.1wt%)を添加し、反応容器内を水素で置換して15 ℃で5時間攪拌した。その後セライトを用いてろ過し、ロータリーエバポレーターで溶媒を留去した後、粗生成物として2-(1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)エトキシ)エタン-1-オール(312mg, 1.56mmol, 収率34%)を得た。
【0117】
1H-NMR(400MHz, CDCl3):0.85(t, J = 12.6Hz, 1H), 0.88(s, 3H), 0.90(s, 3H), 1.06(t/d, J = 13.2, 4.05Hz, 1H), 1.10(d, J = 6.30Hz, 3H), 1.34(m, 1H), 1.42(d/t, J = 13.5, 3.50Hz, 1H), 1.49(m, 1H), 1.53~1.66(m, 3H), 2.12(d/d, J = 6.20, 6.20Hz, 1H), 3.15(d/t, J = 12.2, 6.15Hz, 1H), 3.42(m, 1H), 3.61(m, 1H), 3.71(d/d/d, J = 5.90, 5.35, 1.05Hz, 2H)
13C-NMR(125Hz, CDCl3):80.43(d), 69.70(t), 62.13(t), 41.87(t), 39.32(t), 38.91(d), 33.60(q), 30.59(s), 28.27(t),24.65(q), 22.11(t), 16.40(q)
GC/MS(m/e):185(1), 155(1), 137(3), 123(8), 109(2), 95(4), 89(100), 81(7), 69(13), 57(3), 55(15), 45(94), 39(4), 29(7)
【0118】
[実施例23]
2-(1-3,3-ジメチルシクロヘキシル)エトキシ)エチル プロピオネート
【化48】
【0119】
実施例2と同様の手法で、2-(プロピオニルオキシ)エチル 2-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)プロパノエートの替わりに、2-(1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)エトキシ)エタン-1-オールを使用し合成した。
【0120】
1H-NMR(400MHz, CDCl3):0.81(t, J = 12.8Hz, 1H), 0.86(t/d, J = 12.4, 4.10Hz, 1H), 0.88(s, 3H), 0.91 (s, 3H), 1.05(d/d/d, J = 3.85, 13.3Hz, 1H), 1.09(d, J = 7.60Hz, 3H), 1.15(t, J = 7.60Hz, 3H), 1.34(m, 1H), 1.41(d/d//t, J = 26.8, 13.4, 3.70Hz, 1H), 1.51~1.60(m, 2H), 1.56(s, 1H), 1.63(m, 1H), 2.36(q. J = 7.60Hz, 2H), 3.1(quint, J = 6.20Hz, 1H), 3.55(d/d/d, J = 11.0, 5.90, 4.40Hz, 1H), 3.69(d/d/d, J = 11.2, 4.20, 5.20Hz, 1H), 4.20(d/d/d, J = 5.98, 4.25, 1.25 Hz, 2H)
13C-NMR(125Hz, CDCl3):174.52(s), 80.69(d), 66.72(t), 63.85(t), 41.98(t), 39.34(t), 38.93(d), 33.63(q), 30.58(s), 28.33(t), 27.58(t), 24.68(q), 22.16(t), 16.58(q), 9.12(q)
GC/MS(m/e): 182(1), 155(3), 136(6), 111(2), 101(100), 95(3), 81(7), 69(9), 57(25), 55(8), 41(6), 27(6)
【0121】
[実施例24]
2-(1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)エトキシ)エチル シクロブタンカルボキシレート
【化49】
【0122】
実施例2と同様の手法で、2-(プロピオニルオキシ)エチル 2-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)プロパノエートの替わりに、2-(1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)エトキシ)エタン-1-オールを使用し、プロピオン酸の替わりに、シクロブタン酸を使用し合成した。
【0123】
1H-NMR(400MHz, CDCl3):0.81(t, J = 10.4Hz, 1H), 0.88(s, 3H), 0.91(s, 3H), 0.94~0.98(m, 1H), 1.05(t/d, J = 10.8, 3.2Hz, 1H), 1.08(d, J = Hz, 3H), 1.33(m, 1H), 1.41(d/d/t, J = 10.6, 10.4, 3.2 Hz, 1H), 1.51~1.60 (m, 2H), 1.60~1.65(m, 2H), 1.91(m, 1H), 1.96(m, 1H), 2.21(m, 2H), 2.31(m, 2H), 3.10(t/t, J = 10.0, 4.8Hz, 1H), 3.16(d/t, J = 13.6, 7.2 Hz, 1H), 3.55(m, 1H), 3.69(m, 1H), 4.20(t, J = 4.0Hz, 2H)
13C-NMR(125Hz, CDCl3):175.51(s), 80.62(d), 66.75(t), 63.81(t), 41.94(t), 39.35(t), 38.97(d), 38.12(d), 33.62(q), 30.58(s), 28.36(t), 25.28(t),25.28(t), 24.68(q), 22.16(t), 22.16(t), 18.42(t), 16.57(q)
GC/MS(m/e): 283(1), 237(1), 199(1), 171(4), 155(3), 140(2), 127(100), 123(7), 99(12), 97(2), 83(25), 69(13), 55(33), 25(2)
【0124】
[実施例25]
2-(1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)エトキシ)エチル イソブチレート
【化50】
【0125】
実施例2と同様の手法で、2-(プロピオニルオキシ)エチル 2-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)プロパノエートの替わりに、2-(1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)エトキシ)エタン-1-オールを使用し、プロピオン酸の替わりに、イソプロピル酸を使用し合成した。
【0126】
1H-NMR(400MHz, CDCl3) : 0.81(s, 3H), 0.84(s, 3H), 0.98(t/d, J = 13.2, 4.25Hz, 1H), 1.02(d, J = 6.25Hz, 3H), 1.10(s, 3H), 1.12(s, 3H), 1.17~1.39(m, 3H), 1.44~1.52(m, 4H), 1.56(m, 1H), 2.51(t/t, J = 14.0, 7.00Hz, 1H), 3.02(d/d/d, J = 6.15, 6.15, 12.4 Hz, 1H), 3.48(m, 1H), 3.62(m, 1H), 4.12(t/d, J = 4.85, 1.50Hz, 2H)
13C-NMR(125Hz, CDCl3):177.15(s), 80.57(d), 66.75(t), 63.80(t), 41.94(t), 39.34(t), 38.98(d), 33.97(d), 33.60(q), 30.57(s), 28.36(t), 24.66(q), 22.14(t), 18.99(q), 16.56(q), 14.10(q)
GC/MS(m/e):271(1), 225(1), 199(1), 182(2), 167(1), 159(8), 139(23), 124(3), 115(100), 109(4), 95(7), 83(33), 71(34), 55(25), 43(65), 29(5)
【0127】
[実施例26(参考例)]
3-(1-3,3-ジメチルシクロヘキシル)エトキシ)プロピルアセテート
【化51】
【0128】
実施例2と同様の手法で、2-(プロピオニルオキシ)エチル 2-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)プロパノエートの替わりに、3-(1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)エトキシ)プロパン-1-オールを使用し、プロピオン酸の替わりに、酢酸を使用し合成した。
【0129】
1H-NMR(400MHz, CDCl3) : 0.74~0.90(m, 2H), 0.87(s, 3H), 0.90(s, 3H), 1.06(d, J = Hz, 3H), 1.28(m, 1H), 1.33(m, 1H), 1.35~1.45(m, 1H), 1.48(m, 1H), 1.50~1.59(m, 2H), 1.62(m, 1H), 1.87(t/t/d, J = 12.7, 6.30, 0.85Hz, 2H), 2.05(s, 3H), 3.05(t/d, J = 12.3, 6.15Hz, 1H), 3.37(m, 1H), 3.56(m, 1H), 4.16(t/d, J = 6.50, 0.45Hz, 2H) (diastereomer 1:1 mixture)
13C-NMR(125Hz, CDCl3):171.07(s), 80.19(d), 65.06(t), 61.93(t), 41.93(t), 39.34(t), 38.93(d), 33.59(q), 30.57(s), 29.38(t), 28.29(t), 24.69(q), 22.15(t), 20.94(q), 16.48(q)
GC/MS(m/e):
異性体1 :257(1),241(1),196(1),181(1),155(3),145(12),137(4),123(13),101(100),95(5),73(28),69(15),55(15),43(63),29(5)
異性体2 : 257(1),241(1),196(1),181(1),155(3),145(12),124(2),123(12),101(100),95(5),73(28),69(15),55(15),43(65),29(5)
【0130】
[実施例27(参考例)]
2-(1-3,3-ジメチルシクロヘキシル)エトキシ)エチル シクロヘキ-1-エン-1-カルボキシレート
【化52】
【0131】
実施例2と同様の手法で、2-(プロピオニルオキシ)エチル 2-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)プロパノエートの替わりに、2-(1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)エトキシ)エタン-1-オールを使用し、プロピオン酸の替わりに、1-シクロヘキセン-1-カルボン酸を使用し合成した。
【0132】
1H-NMR(400MHz, CDCl3) :0.80(t, 1H), 0.84(s, 3H), 0.88(s, 3H), 1.05(t/d, J = Hz, 1H), 1.08(d, J = Hz, 3H), 1.34(m, 1H), 1.60(m, 1H), 1.50~1.71(m, 7H), 2.18(m, 2H), 2.27(m, 2H), 2.32(m, 2H), 3.10(d/t, J = Hz, 1H), 3.58(m, 1H), 3.73(m, 1H), 4.24(m, 2H), 7.02(m, 1H)
13C-NMR(125Hz, CDCl3):167.56(s), 139.88(d), 130.25(s), 80.61(d), 66.82(t), 63.71(t), 42.00(t), 39.32(t), 39.02(d), 33.59(q), 30.52(s), 28.41(t), 25.75(t), 24.64(q), 24.12(t), 22.04(t), 21.78(t), 21.17(t), 16.66(q)
GC/MS(m/e):309(1), 220(1), 197(3), 170(2), 154(17), 153(100), 139(19), 123(6), 109(52), 97(4), 81(27), 69(16), 55(15), 41(14), 26(2)
【0133】
[実施例28(参考例)]
3-(1-3,3-ジメチルシクロヘキシル)エトキシ)プロピル シクロプロパンカルボキシレート
【化53】
【0134】
実施例2と同様の手法で、2-(プロピオニルオキシ)エチル 2-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)プロパノエートの替わりに、3-(1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)エトキシ)プロパン-1-オールを使用し、プロピオン酸の替わりに、シクロプロパン酸を使用し合成した。
【0135】
1H-NMR(400MHz, CDCl3) :0.74~0.87(m, 3H), 0.87(s, 3H), 0.90(s, 3H), 0.98(m, 2H), 1.06(d, J = 6.25Hz, 3H), 1.23~1.36(m, 3H), 1.41(m, 1H), 1.18(m, 1H),1.50~1.64(m, 3H), 1.87(d/t, J = 12.7, 6.35Hz, 2H), 3.06(t/d, J = 12.8, 6.40Hz, 1H), 3.37(m, 1H), 3.57(m, 1H), 4.17(t, J = 6.45Hz, 2H) (diastereomer 1:1 mixture)
13C-NMR(125Hz, CDCl3):174.81(s), 80.09(d), 65.06(t), 61.87(t), 41.83(t), 39.36(t), 39.00(d), 33.60(q), 30.57(s), 29.47(t), 28.83(t), 28.29(t), 24.70(q), 22.16(t), 16.49(q), 12.84(d), 8.25(t)
GC/MS(m/e):
異性体1 :283(1),267(1),213(1),186(1),171(4),143(8),127(100),123(12),99(7),83(15),69(83),55(17),41(29),25(3)
異性体2 :283(1),267(1),213(1),186(1),171(4),143(8),127(100),123(12),99(7),83(15),69(88),55(17),41(29),25(3)
【0136】
[実施例29]
2-(1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)エトキシ)エチル シクロプロパンカルボキシレート
【化54】
【0137】
実施例2と同様の手法で、2-(プロピオニルオキシ)エチル 2-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)プロパノエートの替わりに、2-(1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)エトキシ)エタン-1-オールを使用し、プロピオン酸の替わりに、シクロプロパン酸を使用し合成した。
【0138】
1H-NMR(400MHz, CDCl3) :0.78~0.88(m, 4H), 0.88(s, 3H), 0.91(s,3H), 1.01(m, 2H), 1.06(t/d, J = 13.4, 4.05Hz,1H), 1.10(d, J = 10.2Hz, 3H), 1.34(m, 1H), 1.42(d/d/t, J = 26.8, 13.4, 3.70Hz, 1H), 1.51~1.67(m, 5H), 3.11(d/t, J = 12.3, 6.15Hz, 1H), 3.55(m, 1H), 3.69(m, 1H), 4.20(t, J = 5.40Hz, 2H)
13C-NMR(125Hz, CDCl3):174.88(s), 80.65(d), 66.71(t), 63.93(t), 41.95(t), 39.33(t), 38.91(d), 33.60(q), 30.56(s), 28.31(t), 24.66(q), 22.14(t), 16.57(q), 12.89(d), 8.41(t), 8.40(t)
GC/MS(m/e):182(1), 155(3), 139(7), 123(5), 113(100), 109(2), 97(3), 84(2), 83(10),69(25), 55(8), 41(12), 29(2)
【0139】
[実施例30]
前述した実施例23~29で合成した化合物に関して、香気の強度評価を行った。3年以上経験した4人の専門パネラーによる官能評価の結果、強度を5段階で評価することにした。但し強度は、5:とても強い、4:強い、3:普通、2:弱い、1:とても弱い、とする。
【0140】
【表3】
【0141】
[実施例31]シャンプー、かもじ
実施例24の化合物とHelvetolide(登録商標、フィルメニッヒ社製)をそれぞれ0.5%ずつ賦香したシャンプー(1.0g)を調製した。泡立て時、およびかもじでのウェット又はドライでの香気について、3年以上経験した専門パネラー6人でその効果を比較した。
【化55】
その結果、3人の専門パネラーが、泡立て時はHelvetolideの方が香り立ちは良いが、ウェットにおいては同等もしくは実施例24の方が強いと回答した。ドライにおいては、6人の専門パネラー全員が、実施例24の残香が最も強いと評価した。
【0142】
[実施例32]柔軟剤
実施例24の化合物とHelvetolideをそれぞれ0.5%賦香した柔軟剤(0.2g)を調製した。この官能評価は、3年以上経験した4人の専門パネリストが行い、実施例24の方が、強度が強く、匂い紙と変わらない印象のムスク感がはっきり認められ、香質に優れていると4人の専門パネラー全員が判断した。
【産業上の利用可能性】
【0143】
本発明の化合物はムスク様香気を付与しうる香料素材として用いることができる。本発明の化合物を配合してなる香料組成物を用いて製品に香気付けすることができ、製品の商品価値を高めることができる。