(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-14
(45)【発行日】2023-02-22
(54)【発明の名称】物品管理装置および物品管理方法
(51)【国際特許分類】
H05K 13/00 20060101AFI20230215BHJP
【FI】
H05K13/00 Z
(21)【出願番号】P 2020572033
(86)(22)【出願日】2019-02-15
(86)【国際出願番号】 JP2019005510
(87)【国際公開番号】W WO2020166053
(87)【国際公開日】2020-08-20
【審査請求日】2021-06-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】弁理士法人 共立特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】深尾 和也
(72)【発明者】
【氏名】石山 和幸
(72)【発明者】
【氏名】加藤 文隆
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 智子
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-208408(JP,A)
【文献】特開2007-311546(JP,A)
【文献】特開2018-164018(JP,A)
【文献】特開2016-115739(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に所定の対基板作業を行って基板製品を生産する対基板作業機の生産計画に基づいて、保管庫に保管されている物品の中から前記対基板作業機が前記基板製品の生産において必要な前記物品を割り当てる物品管理装置であって、
前記基板製品の前記生産計画ごとの規制条件を前記対基板作業機の使用者に設定させる第一設定部と、
前記第一設定部によって設定された前記規制条件で前記基板製品を生産するときに必要な前記物品について、前記物品を割り当てる際の複数の優先要素における優先順位を前記使用者に設定させる第二設定部と、
前記第二設定部によって設定された前記優先要素の前記優先順位に基づいて、前記物品を割り当てる選定部と、
を備え
、
前記選定部は、過去の前記基板製品の生産において不具合が発生した前記物品の割り当てを禁止する物品管理装置。
【請求項2】
基板に所定の対基板作業を行って基板製品を生産する対基板作業機の生産計画に基づいて、保管庫に保管されている物品の中から前記対基板作業機が前記基板製品の生産において必要な前記物品を割り当てる物品管理装置であって、
前記基板製品の前記生産計画ごとの規制条件を前記対基板作業機の使用者に設定させる第一設定部と、
前記第一設定部によって設定された前記規制条件で前記基板製品を生産するときに必要な前記物品について、前記物品を割り当てる際の複数の優先要素における優先順位を前記使用者に設定させる第二設定部と、
前記第二設定部によって設定された前記優先要素の前記優先順位に基づいて、前記物品を割り当てる選定部と、
を備え
、
前記対基板作業機および前記保管庫は、複数の対基板作業ラインにそれぞれ設けられており、
前記第一設定部は、異なる前記対基板作業ラインへの前記物品の移動可否を前記規制条件として前記使用者に選択させる物品管理装置。
【請求項3】
前記第二設定部は、前記物品の入荷日、所在および残数のうちの複数の前記優先要素における前記優先順位を前記使用者に設定させる請求項1
または請求項2に記載の物品管理装置。
【請求項4】
前記第一設定部は、過去の前記基板製品の生産において生じた前記物品の残余の使用可否を前記規制条件として前記使用者に選択させる請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の物品管理装置。
【請求項5】
前記対基板作業機は、前記基板に部品を装着する部品装着機であり、
前記物品は、前記部品を収容する部品テープが巻き回されているリール、および、前記リールが回転可能かつ着脱可能に設けられるフィーダであり、
前記第一設定部は、少なくとも一つの前記リールの前記部品テープを分割して複数の前記フィーダに取り付ける分割リールの使用可否を前記規制条件として前記使用者に選択させる請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の物品管理装置。
【請求項6】
前記第一設定部は、前記物品の代替品の使用可否を前記規制条件として前記使用者に選択させる請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の物品管理装置。
【請求項7】
前記選定部によって割り当てられる前記物品に関する情報を表示器に表示させる表示部をさらに備える請求項1~請求項
6のいずれか一項に記載の物品管理装置。
【請求項8】
基板に所定の対基板作業を行って基板製品を生産する対基板作業機の生産計画に基づいて、保管庫に保管されている物品の中から前記対基板作業機が前記基板製品の生産において必要な前記物品を割り当てる物品管理方法であって、
前記基板製品の前記生産計画ごとの規制条件を前記対基板作業機の使用者に設定させる第一設定工程と、
前記第一設定工程によって設定された前記規制条件で前記基板製品を生産するときに必要な前記物品について、前記物品を割り当てる際の複数の優先要素における優先順位を前記使用者に設定させる第二設定工程と、
前記第二設定工程によって設定された前記優先要素の前記優先順位に基づいて、前記物品を割り当てる選定工程と、
を備え
、
前記選定工程は、過去の前記基板製品の生産において不具合が発生した前記物品の割り当てを禁止する物品管理方法。
【請求項9】
基板に所定の対基板作業を行って基板製品を生産する対基板作業機の生産計画に基づいて、保管庫に保管されている物品の中から前記対基板作業機が前記基板製品の生産において必要な前記物品を割り当てる物品管理方法であって、
前記基板製品の前記生産計画ごとの規制条件を前記対基板作業機の使用者に設定させる第一設定工程と、
前記第一設定工程によって設定された前記規制条件で前記基板製品を生産するときに必要な前記物品について、前記物品を割り当てる際の複数の優先要素における優先順位を前記使用者に設定させる第二設定工程と、
前記第二設定工程によって設定された前記優先要素の前記優先順位に基づいて、前記物品を割り当てる選定工程と、
を備え
、
前記対基板作業機および前記保管庫は、複数の対基板作業ラインにそれぞれ設けられており、
前記第一設定工程は、異なる前記対基板作業ラインへの前記物品の移動可否を前記規制条件として前記使用者に選択させる物品管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、物品管理装置および物品管理方法に関する技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の部品装着機は、オペレータによって予め設定されている優先順位に従って、フィーダ、リールなどの部品集合体の所在を表示する。これにより、特許文献1に記載の部品装着機は、例えば、仕掛かり途中の部品集合体から優先的に使用させようとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の部品装着機では、オペレータは、例えば、代替品の使用可否などの規制条件を設定することができない。そのため、特許文献1に記載の部品装着機は、オペレータが希望しない条件で、物品を割り当てる可能性がある。
【0005】
このような事情に鑑みて、本明細書は、基板製品の生産計画ごとの規制条件、および、物品を割り当てる際の複数の優先要素における優先順位の両方を、対基板作業機の使用者に設定させて、基板製品の生産において必要な物品を割り当てることが可能な物品管理装置および物品管理方法を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書は、基板に所定の対基板作業を行って基板製品を生産する対基板作業機の生産計画に基づいて、保管庫に保管されている物品の中から前記対基板作業機が前記基板製品の生産において必要な前記物品を割り当てる物品管理装置を開示する。前記物品管理装置は、第一設定部と、第二設定部と、選定部とを備える。前記第一設定部は、前記基板製品の前記生産計画ごとの規制条件を前記対基板作業機の使用者に設定させる。前記第二設定部は、前記第一設定部によって設定された前記規制条件で前記基板製品を生産するときに必要な前記物品について、前記物品を割り当てる際の複数の優先要素における優先順位を前記使用者に設定させる。前記選定部は、前記第二設定部によって設定された前記優先要素の前記優先順位に基づいて、前記物品を割り当てる。
【0007】
また、本明細書は、基板に所定の対基板作業を行って基板製品を生産する対基板作業機の生産計画に基づいて、保管庫に保管されている物品の中から前記対基板作業機が前記基板製品の生産において必要な前記物品を割り当てる物品管理方法を開示する。前記物品管理方法は、第一設定工程と、第二設定工程と、選定工程とを備える。前記第一設定工程は、前記基板製品の前記生産計画ごとの規制条件を前記対基板作業機の使用者に設定させる。前記第二設定工程は、前記第一設定工程によって設定された前記規制条件で前記基板製品を生産するときに必要な前記物品について、前記物品を割り当てる際の複数の優先要素における優先順位を前記使用者に設定させる。前記選定工程は、前記第二設定工程によって設定された前記優先要素の前記優先順位に基づいて、前記物品を割り当てる。
【発明の効果】
【0008】
上記の物品管理装置によれば、第一設定部と、第二設定部と、選定部とを備える。これにより、物品管理装置は、基板製品の生産計画ごとの規制条件、および、物品を割り当てる際の複数の優先要素における優先順位の両方を、対基板作業機の使用者に設定させて、基板製品の生産において必要な物品を割り当てることができる。物品管理装置について上述したことは、物品管理方法についても同様に言える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図3】物品管理装置40の制御ブロックの一例を示すブロック図である。
【
図4】物品管理装置40による制御手順の一例を示すフローチャートである。
【
図5】優先要素PE1および規制条件RC1の設定画面の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
1.実施形態
図1に示すように、本実施形態の生産設備は、少なくとも一つ(同図では、2つ)の対基板作業ライン10Lと、着荷エリア20と、少なくとも一つ(同図では、4つ)の保管庫30と、管理装置WMCとを備えている。物品管理装置40は、管理装置WMCに設けられている。
【0011】
1-1.対基板作業ライン10Lおよび管理装置WMCの構成例
複数(2つ)の対基板作業ライン10Lの各々では、基板90に所定の対基板作業を行う。対基板作業ライン10Lを構成する対基板作業機WMの種類および数は、限定されない。
図1に示すように、複数(2つ)の対基板作業ライン10Lの各々は、印刷機WM1、印刷検査機WM2、部品装着機WM3、リフロー炉WM4および外観検査機WM5の複数(5つ)の対基板作業機WMを備えており、基板90は、基板搬送装置によって、この順に搬送される。
【0012】
印刷機WM1は、基板90において、複数の部品の各々の装着位置に、はんだを印刷する。印刷検査機WM2は、印刷機WM1によって印刷されたはんだの印刷状態を検査する。部品装着機WM3は、基板90(印刷機WM1によって印刷されたはんだの上)に複数の部品を装着する。部品装着機WM3は、一つであっても良く、複数であっても良い。部品装着機WM3が複数設けられる場合は、複数の部品装着機WM3が分担して、複数の部品を装着することができる。
【0013】
リフロー炉WM4は、部品装着機WM3によって複数の部品が装着された基板90を加熱し、はんだを溶融させて、はんだ付けを行う。外観検査機WM5は、部品装着機WM3によって装着された複数の部品の装着状態などを検査する。このように、対基板作業ライン10Lは、複数(5つ)の対基板作業機WMを用いて、基板90を順に搬送し、検査処理を含む生産処理を実行して基板製品900を生産することができる。なお、対基板作業ライン10Lは、例えば、機能検査機、バッファ装置、基板供給装置、基板反転装置、シールド装着装置、接着剤塗布装置、紫外線照射装置などの対基板作業機WMを必要に応じて備えることもできる。
【0014】
複数(2つ)の対基板作業ライン10Lの各々の対基板作業機WMおよび管理装置WMCは、通信部LCによって電気的に接続されている。具体的には、通信部LCは、有線または無線によって、複数(2つ)の対基板作業ライン10Lの各々の対基板作業機WMおよび管理装置WMCを通信可能に接続することができる。また、通信方法は、種々の方法をとり得る。
【0015】
本実施形態では、複数(2つ)の対基板作業ライン10Lの各々の対基板作業機WMおよび管理装置WMCによって、構内情報通信網(LAN:Local Area Network)が構成されている。これにより、複数(2つ)の対基板作業ライン10Lの各々の対基板作業機WMは、通信部LCを介して、互いに通信することができる。また、複数(2つ)の対基板作業ライン10Lの各々の対基板作業機WMは、通信部LCを介して、管理装置WMCと通信することができる。
【0016】
管理装置WMCは、複数(2つ)の対基板作業ライン10Lの各々の対基板作業機WMの制御を行い、動作状況を監視する。管理装置WMCには、複数(2つ)の対基板作業ライン10Lの各々の対基板作業機WMを制御する種々の制御データが記憶されている。管理装置WMCは、複数(2つ)の対基板作業ライン10Lの各々の対基板作業機WMに制御データを送信する。また、複数(2つ)の対基板作業ライン10Lの各々の対基板作業機WMは、管理装置WMCに動作状況および生産状況を送信する。
【0017】
1-2.着荷エリア20の構成例
着荷エリア20には、種々の物品21が到着する。物品21は、保管庫30に保管された後、必要に応じて対基板作業ライン10Lに供給される。物品21は、対基板作業機WMの対基板作業において用いられるものであれば良く、限定されない。既述したように、対基板作業ライン10Lは、基板90において、複数の部品の各々の装着位置に、はんだを印刷する印刷機WM1を備えている。この場合、物品21は、例えば、はんだを収容しているはんだ容器であると良い。
【0018】
また、対基板作業ライン10Lは、基板90に部品を装着する部品装着機WM3を備えている。この場合、物品21は、部品を収容する部品テープが巻き回されているリールであると良い。また、物品21は、リールが回転可能かつ着脱可能に設けられるフィーダであっても良い。さらに、物品21は、部品が配列されているトレイであっても良い。また、物品21は、部品を保持する保持部材であっても良い。保持部材には、例えば、吸着ノズル、チャックなどが含まれる。
【0019】
物品21には、識別コードが設けられる。識別コードには、物品21を識別する識別情報が記憶される。識別コードは、例えば、一次元コード、二次元コード、無線タグなどを用いることができる。着荷エリア20に物品21が到着すると、入荷管理装置は、物品21を管理する物品管理装置40を介して、物品21の識別情報を発行する。また、着荷エリア20の作業者は、バーコードリーダなどを用いて、供給元(ベンダ)によって物品21に貼り付けられているバーコードなどを読み取る。そして、作業者は、物品21に関する物品情報が登録されているデータベースから、当該物品21の物品情報を取得することもできる。入荷管理装置は、物品21の識別情報および物品情報を識別コードに記憶させる。
【0020】
着荷エリア20の作業者は、少なくとも識別情報が記憶されている識別コードを物品21に取り付けて、物品21を収容ケースに収容する。そして、作業者は、物品21が収容された収容ケースを保管庫30に搬送する。なお、上述した作業者が行う作業の少なくとも一部は、搬送装置(例えば、ベルトコンベアなど)、アクチュエータ(例えば、ロボットアームなど)などを用いて自動化することもできる。
【0021】
物品21の搬送は、例えば、無人搬送車22を用いることができる。無人搬送車22は、作業者による運転操作が不要な自動走行可能な搬送車(AGV:Automatic Guided Vehicle)であり、管理装置WMCによって駆動制御される。本実施形態では、複数(2つ)の対基板作業ライン10L、着荷エリア20、無人搬送車22、保管庫30および管理装置WMCは、既述した通信部LCによって通信可能に接続されている。無人搬送車22に物品21が搭載されると、管理装置WMCは、無人搬送車22に搬送指令を送信する。無人搬送車22は、搬送指令を受信すると、保管庫30に物品21を搬送する。
【0022】
1-3.保管庫30の構成例
保管庫30は、物品21を収納することができれば良く、種々の形態をとり得る。
図1に示すように、本実施形態の保管庫30は、設置場所について三種類の保管庫30を備えている。三種類の保管庫30は、説明の便宜上、第一保管庫30a、第二保管庫30bおよび第三保管庫30cと表記されている。第一保管庫30aは、着荷エリア20の近傍に設けられている。第三保管庫30cは、複数(2つ)の対基板作業ライン10Lの各々に設けられている。第二保管庫30bは、第一保管庫30aと第三保管庫30cの間に設けられている。
【0023】
保管庫30の形状等は、限定されない。
図2Aおよび
図2Bに示すように、例えば、保管庫30である第一保管庫30aは、八角柱形状に形成されている。保管庫30は、入庫口31a、出庫口31b、読み取り機31c、制御装置32、表示装置33、収納部34およびアクチュエータ35を備えている。物品21は、入庫口31aから保管庫30に入庫し、出庫口31bから出庫する。本実施形態では、入庫口31aおよび出庫口31bは、共通の開口部に設けられている。入庫口31aおよび出庫口31bは、異なる開口部に設けることもできる。
【0024】
読み取り機31cは、保管庫30の開口部(入庫口31aおよび出庫口31b)に近接する作業スペース34aの上方に設置されている。読み取り機31cは、物品21の入庫時および出庫時のうちの少なくとも入庫時に、物品21に取り付けられている識別コードに記憶されている情報(物品21の識別情報および物品情報)を読み取る。なお、保管庫30は、複数の読み取り機31cを備えることもできる。
【0025】
制御装置32は、公知の演算装置および記憶装置を備えており、制御回路が構成されている。制御装置32は、読み取り機31c、表示装置33およびアクチュエータ35と通信可能に接続されており、これらを制御することができる。例えば、制御装置32は、読み取り機31cを制御して、物品21に取り付けられている識別コードに記憶されている情報を読み取り、読み取り機31cによって読み取られた情報を取得することができる。
【0026】
さらに、制御装置32は、
図1に示す管理装置WMCに設けられる物品管理装置40と通信可能に接続されている。物品管理装置40は、例えば、対基板作業ライン10Lにおける段取り替えの発生、対基板作業機WMに供給される物品21の不足の発生、または、段取り替え若しくは物品21の不足が生じる可能性の発生を、制御装置32に通知する。制御装置32は、当該通知に基づいて、対基板作業機WMが基板製品900の生産において必要な物品21(物品管理装置40によって割り当てられた物品21)を出庫させる。
【0027】
表示装置33は、公知の表示装置を用いることができ、各種データを作業者が視認可能に表示する。表示装置33は、例えば、収納部34に収納されている物品21に関する情報を示す収納物情報などを作業者の操作に応じて表示する。収納物情報には、例えば、物品21の種類(例えば、物品21がリールの場合、リールによって供給される部品の部品種など)、型式、在庫数(残数)、ベンダ名、使用期限などを含むことができる。
【0028】
なお、本実施形態の表示装置33は、タッチパネルにより構成されており、表示装置33は、作業者による種々の操作を受け付ける入力装置としても機能する。例えば、作業者は、タッチパネル(入力装置として機能する表示装置33)を用いて、保管庫30から出庫させる所望の物品21を指定することができる。この場合、制御装置32は、指定された物品21を出庫させる。
【0029】
収納部34は、物品21を収納する。収納部34は、物品21を収納可能であれば良く、収納部34の形態は、限定されない。
図2Bに示すように、本実施形態では、収納部34は、複数(7つ)の収納ユニット34bを備えており、複数(7つ)の収納ユニット34bは、鉛直方向(Z軸方向)視において円状(より正確には、円弧状)に配置されている。複数(7つ)の収納ユニット34bの各々は、物品21を収納可能な収納スペースが鉛直方向(Z軸方向)に沿って複数設けられている。収納スペースは、収納する物品21に合わせて、サイズ(幅、奥行き、および、高さ)が設定されている。
【0030】
アクチュエータ35は、鉛直方向(Z軸方向)視において、複数(7つ)の収納ユニット34bより内側に設けられ、物品21を把持して物品21を移動する。アクチュエータ35は、物品21を移動することができれば良く、種々の形態をとり得る。アクチュエータ35は、例えば、ロボットアーム(多関節ロボット)などを用いることができる。
【0031】
アクチュエータ35は、物品21の入庫時に、入庫口31a(作業スペース34a)に搬入された物品21を、把持部が把持して、物品21を収納可能な収納スペースを備える収納ユニット34bに移動して、物品21を当該収納スペースに収納する。また、アクチュエータ35は、物品21の出庫時に、当該収納スペースに収納されている物品21を、把持部が把持して、物品21を出庫口31b(作業スペース34a)に移動して、物品21を搬出する。このように、少なくとも第一保管庫30aは、物品21の入庫作業および出庫作業が自動化されている。
【0032】
1-4.物品管理装置40の構成例
物品管理装置40は、基板90に所定の対基板作業を行って基板製品900を生産する対基板作業機WMの生産計画に基づいて、保管庫30に保管されている物品21の中から対基板作業機WMが基板製品900の生産において必要な物品21を割り当てる。
【0033】
物品管理装置40は、制御ブロックとして捉えると、第一設定部41と、第二設定部42と、選定部43とを備えている。物品管理装置40は、表示部44をさらに備えると好適である。
図3に示すように、本実施形態の物品管理装置40は、第一設定部41と、第二設定部42と、選定部43と、表示部44とを備えている。また、
図1に示すように、本実施形態の物品管理装置40は、管理装置WMCと一体に設けられているが、物品管理装置40は、管理装置WMCと別体に設けることもできる。
【0034】
物品管理装置40は、
図4に示すフローチャートに従って、制御プログラムを実行する。第一設定部41は、ステップS11に示す処理を行う。第二設定部42は、ステップS12に示す処理を行う。選定部43は、ステップS14に示す処理を行う。表示部44は、ステップS13およびステップS15に示す処理を行う。
【0035】
1-4-1.第一設定部41
第一設定部41は、基板製品900の生産計画ごとの規制条件RC1を対基板作業機WMの使用者に設定させる(
図4に示すステップS11)。生産計画は、生産設備の構成、基板製品900の種類、生産枚数、納期などに基づいて作成される。本実施形態の生産設備は、複数(2つ)の対基板作業ライン10Lを備えているので、生産計画には、複数(2つ)の対基板作業ライン10Lを用いて、所定期間に所定枚数の基板製品900を生産するときの生産条件が含まれる。
【0036】
基板製品900の生産条件には、使用する対基板作業ライン10L、対基板作業機WM、対基板作業機WMが基板製品900の生産において必要な物品21、物品21の使用順序などに関する条件が含まれる。例えば、物品21がリールの場合、リールによって供給される部品の部品種、使用予定数、リールがセットされる位置(スロット)、リールの使用期間などは、生産条件に含まれる。
【0037】
対基板作業機WMの使用者は、基板製品900の生産において、規制条件を設定したい場合がある。例えば、対基板作業機WMの使用者は、基板製品900の生産において、物品21の代替品の使用を規制したい場合がある。例えば、物品21がリールの場合、対基板作業機WMの使用者は、リールによって供給される部品の供給元(ベンダ)が異なるリールの使用を規制したい場合がある。
【0038】
そこで、第一設定部41は、基板製品900の生産計画ごとの規制条件RC1を対基板作業機WMの使用者に設定させる。第一設定部41は、種々の観点から対基板作業機WMの使用者に規制条件RC1を設定させることができる。例えば、第一設定部41は、過去の基板製品900の生産において生じた物品21の残余の使用可否を規制条件RC1として使用者に選択させると好適である。これにより、物品管理装置40は、物品21の残余の使用可否についての対基板作業機WMの使用者の希望を加味して、物品21を割り当てることができる。
【0039】
図5は、物品21がリールの場合の優先要素PE1および規制条件RC1の設定画面の一例を示している。対基板作業機WMの使用者は、過去の基板製品900の生産において生じた物品21の残余の使用を許容する場合、規制条件RC1の残余の使用の項目において、Yesを選択する。逆に、対基板作業機WMの使用者は、過去の基板製品900の生産において生じた物品21の残余の使用を規制する場合、規制条件RC1の残余の使用の項目において、Noを選択する。
【0040】
後述する選定部43は、対基板作業機WMの使用者がYesを選択したとき、過去の基板製品900の生産において生じた物品21の残余に係る物品21を、割り当て候補に含めることができる。逆に、選定部43は、対基板作業機WMの使用者がNoを選択したとき、過去の基板製品900の生産において生じた物品21の残余に係る物品21を、割り当て候補から除外する。
【0041】
既述したように、複数(2つ)の対基板作業ライン10L、着荷エリア20、無人搬送車22、保管庫30および管理装置WMCは、通信部LCによって通信可能に接続されている。これにより、物品管理装置40は、物品21の所在を把握することができ、物品21の移動履歴を記憶装置に記憶させることができる。選定部43は、記憶装置に記憶されている物品21の移動履歴を参照することにより、物品21が過去の基板製品900の生産において使用されたか否かを判断することができる。
【0042】
ここで、対基板作業機WMが、基板90に部品を装着する部品装着機WM3であり、物品21が、部品を収容する部品テープが巻き回されているリール、および、リールが回転可能かつ着脱可能に設けられるフィーダである場合を想定する。このとき、第一設定部41は、少なくとも一つのリールの部品テープを分割して複数のフィーダに取り付ける分割リールの使用可否を規制条件RC1として使用者に選択させると好適である。これにより、物品管理装置40は、分割リールの使用可否についての対基板作業機WMの使用者の希望を加味して、物品21を割り当てることができる。
【0043】
同種の部品について、部品装着機WM3の部品供給装置から同時に複数の部品を供給可能にするために、分割リールが用いられる場合がある。これにより、部品装着機WM3のサイクルタイムを短縮することができる。対基板作業機WMの使用者は、分割リールの使用を許容する場合、規制条件RC1の分割リールの使用の項目において、Yesを選択する。逆に、対基板作業機WMの使用者は、分割リールの使用を規制する場合、規制条件RC1の分割リールの使用の項目において、Noを選択する。
【0044】
選定部43は、対基板作業機WMの使用者がYesを選択したとき、複数のフィーダに少なくとも一つのリールを割り当てることができる。この場合、作業者は、部品テープを分割して複数のフィーダに取り付ける。逆に、選定部43は、対基板作業機WMの使用者がNoを選択したとき、複数のフィーダの各々にリールを割り当てることができる。この場合、作業者は、一つのリールを一つのフィーダに取り付ける。また、既にリールが取り付けられているフィーダが割り当てられても良い。
【0045】
また、第一設定部41は、物品21の代替品の使用可否を規制条件RC1として使用者に選択させると好適である。これにより、物品管理装置40は、物品21の代替品の使用可否についての対基板作業機WMの使用者の希望を加味して、物品21を割り当てることができる。
【0046】
既述したように、対基板作業機WMの使用者は、供給元(ベンダ)が異なる物品21の使用を規制したい場合がある。また、対基板作業機WMの使用者は、特定の生産ロットの物品21の使用を規制したい場合がある。対基板作業機WMの使用者は、物品21の代替品の使用を許容する場合、規制条件RC1の代替品の使用の項目において、Yesを選択する。逆に、対基板作業機WMの使用者は、物品21の代替品の使用を規制する場合、規制条件RC1の代替品の使用の項目において、Noを選択する。
【0047】
選定部43は、対基板作業機WMの使用者がYesを選択したとき、物品21の代替品を割り当て候補に含めることができる。逆に、選定部43は、対基板作業機WMの使用者がNoを選択したとき、物品21の代替品を割り当て候補から除外する。選定部43は、物品21の識別コードに記憶されている識別情報に対応する物品情報に基づいて、物品21が代替品であるか否かを判断することができる。
【0048】
さらに、本実施形態では、対基板作業機WMおよび保管庫30は、複数(2つ)の対基板作業ライン10Lにそれぞれ設けられている。この場合、第一設定部41は、異なる対基板作業ライン10Lへの物品21の移動可否を規制条件RC1として使用者に選択させると好適である。これにより、物品管理装置40は、異なる対基板作業ライン10Lへの物品21の移動可否についての対基板作業機WMの使用者の希望を加味して、物品21を割り当てることができる。
【0049】
例えば、複数(2つ)の対基板作業ライン10Lの製造メーカが異なると、部品装着機WM3に搭載可能なフィーダが制限される場合がある。そのため、例えば、物品21がリールおよびフィーダの場合、リールが取り付けられたフィーダを異なる対基板作業ライン10Lへ移動させると、リールを取り外して移動先の製造メーカに対応するフィーダに取り付け直さなければならない場合がある。
【0050】
また、複数(2つ)の対基板作業ライン10Lの製造メーカが同じであっても、物品21の使用時期が近接していると、一の対基板作業ライン10Lにおける生産の進捗状況によって、他の対基板作業ライン10Lにおける生産が影響を受ける場合がある。逆に、複数(2つ)の対基板作業ライン10Lの製造メーカが同じであり、且つ、物品21の使用時期が相当期間、離れている場合、異なる対基板作業ライン10Lへ物品21を移動させても支障がない。
【0051】
対基板作業機WMの使用者は、異なる対基板作業ライン10Lへの物品21の移動を許容する場合、規制条件RC1のライン間の移動の項目において、Yesを選択する。逆に、対基板作業機WMの使用者は、異なる対基板作業ライン10Lへの物品21の移動を規制する場合、規制条件RC1のライン間の移動の項目において、Noを選択する。
【0052】
選定部43は、対基板作業機WMの使用者がYesを選択したとき、異なる対基板作業ライン10Lへの物品21の移動を許容して、物品21を割り当てることができる。選定部43は、例えば、
図1に示す一の対基板作業ライン10Lの第三保管庫30cに保管されている物品21の中から、他の対基板作業ライン10Lの対基板作業機WMが基板製品900の生産において必要な物品21を割り当てることができる。また、選定部43は、例えば、
図1に示す一の対基板作業ライン10Lの対基板作業機WMが基板製品900の生産において使用するように割り当てられた物品21の残余物品を、他の対基板作業ライン10Lの対基板作業機WMに割り当てることもできる。
【0053】
逆に、選定部43は、対基板作業機WMの使用者がNoを選択したとき、異なる対基板作業ライン10Lへの物品21の移動を規制して、物品21を割り当てることができる。この場合、選定部43は、例えば、一の対基板作業ライン10Lの第三保管庫30cに保管されている物品21の中から、当該対基板作業ライン10Lの対基板作業機WMが基板製品900の生産において必要な物品21を割り当てることができる。
【0054】
また、第一設定部41は、基板製品900の生産に必要な物品21の使用数に対するマージンを規制条件として使用者に入力させると好適である。これにより、物品管理装置40は、対基板作業機WMの使用者が指定するマージンを加味して、物品21を割り当てることができ、物品21の不足に伴う生産停止を抑制することができる。
【0055】
具体的には、対基板作業機WMの使用者は、規制条件RC1の使用数のマージン(%)の項目において、物品21の使用数に対するマージンを百分率で入力する。
図5に示す例では、3.0が入力されており、選定部43は、基板製品900の生産に必要な物品21の使用数に、1.03を乗じた数の物品21を割り当てる。
【0056】
1-4-2.第二設定部42
第二設定部42は、第一設定部41によって設定された規制条件RC1で基板製品900を生産するときに必要な物品21について、物品21を割り当てる際の複数の優先要素PE1における優先順位を使用者に設定させる(
図4に示すステップS12)。
【0057】
第二設定部42は、種々の観点から対基板作業機WMの使用者に複数の優先要素PE1における優先順位を設定させることができる。例えば、第二設定部42は、物品21の入荷日、所在および残数のうちの複数の優先要素PE1における優先順位を使用者に設定させると好適である。これにより、選定部43は、物品21の入荷日、所在および残数のうちの複数の優先要素PE1の優先順位に基づいて、物品21を割り当てることができる。
【0058】
物品21の入荷日を起算点とする経過時間が長い物品21は、生産に使用されることなく、保管庫30において長期間、保管されている物品21であるといえる。よって、当該物品21は、同種の他の物品21に対して優先して使用すると良い。対基板作業機WMの使用者は、物品21の入荷日を優先要素PE1に含めたい場合、
図5に示す優先要素PE1の物品21の入荷日の項目において、Yesを選択する。逆に、対基板作業機WMの使用者は、物品21の入荷日を優先要素PE1に含めたくない場合、優先要素PE1の物品21の入荷日の項目において、Noを選択する。
【0059】
また、本実施形態では、
図1に示す着荷エリア20に到着した物品21は、まず、第一保管庫30aに搬送され保管される。そして、第一保管庫30aに保管されている物品21は、必要に応じて、対基板作業ライン10Lに搬送され使用される。また、第一保管庫30aに保管されている物品21は、必要に応じて、第二保管庫30bに搬送し保管することもできる。さらに、対基板作業ライン10Lで使用された物品21の残余は、まず、第三保管庫30cに搬送され保管される。そして、第三保管庫30cに保管されている物品21は、必要に応じて、第二保管庫30bに搬送し保管することもできる。
【0060】
よって、基板製品900の生産において未使用の物品21は、第一保管庫30aにおいて保管され易くなり、対基板作業ライン10Lで使用された物品21の残余は、第三保管庫30cにおいて保管され易くなる。このように、生産設備では、対基板作業機WMに近い保管庫30に保管されている物品21ほど、残余物品が含まれる可能性が高い。よって、対基板作業機WMに近い保管庫30に保管されている物品21は、物品21の管理上、同種の他の物品21に対して優先して使用すると良い。さらに、残数が少ない物品21は、物品21の管理上、同種の他の物品21に対して優先して使用すると良い。
【0061】
対基板作業機WMの使用者は、物品21の所在を優先要素PE1に含めたい場合、
図5に示す優先要素PE1の物品21の所在の項目において、Yesを選択する。逆に、対基板作業機WMの使用者は、物品21の所在を優先要素PE1に含めたくない場合、優先要素PE1の物品21の所在の項目において、Noを選択する。上述したことは、物品21の残数についても同様に言える。
【0062】
また、対基板作業機WMの使用者は、優先要素PE1を選択した後に、↑(上向き矢印)を選択することにより、選択した優先要素PE1の優先順位を順に上げることができる。逆に、対基板作業機WMの使用者は、優先要素PE1を選択した後に、↓(下向き矢印)を選択することにより、選択した優先要素PE1の優先順位を順に下げることができる。
図5に示す例では、物品21の所在および残数について、Yesが選択されており、物品21の入荷日について、Noが選択されている。また、物品21の所在は、残数と比べて、優先順位が高く設定されている。
【0063】
1-4-3.選定部43
選定部43は、第二設定部42によって設定された優先要素PE1の優先順位に基づいて、物品21を割り当てる(
図4に示すステップS14)。
図5に示す例では、選定部43は、物品21の所在および残数を優先要素PE1とする。また、選定部43は、物品21の残数と比べて、物品21の所在を優先させて、第一設定部41によって設定された規制条件RC1で基板製品900を生産するときに必要な物品21を割り当てる。
【0064】
既述したように、生産設備では、対基板作業機WMに近い保管庫30に保管されている物品21ほど、残余物品が含まれる可能性が高い。よって、選定部43は、物品21の所在の優先順位が他の優先要素PE1と比べて高いときに、対基板作業機WMに近い保管庫30に保管されている物品21から割り当てると好適である。これにより、選定部43は、残余物品から割り当てることができ、残余物品の使用を促進することができる。
【0065】
また、選定部43は、物品21の残数の優先順位が他の優先要素PE1と比べて高いときに、物品21の残数が少ない保管庫30に保管されている物品21から割り当てると好適である。これにより、選定部43は、物品21の残数が少ない保管庫30に保管されている物品21から割り当てることができ、残数が少ない物品21が分散して保管されることを抑制することができる。
【0066】
なお、仮に、物品21の入荷日が優先要素PE1に含まれる場合、選定部43は、物品21の入荷日の優先順位が他の優先要素PE1と比べて高いときに、入荷日を起算点とする経過時間が長い物品21から割り当てると好適である。これにより、選定部43は、生産に使用されることなく、保管庫30において長期間、保管されている物品21から割り当てることができ、当該物品の使用を促進することができる。
【0067】
また、選定部43は、過去の基板製品900の生産において不具合が発生した物品21の割り当てを禁止すると好適である。これにより、選定部43は、当該物品21と同種の物品21を用いた生産を規制することができる。例えば、過去の基板製品900の生産において、機能検査機が物品21である部品の不具合(例えば、部品の異常など)を確認したと仮定する。この場合、選定部43は、当該部品と同種の部品の割り当てを禁止する。また、例えば、過去の基板製品900の生産において、部品装着機WM3が、物品21であるフィーダを使用した部品の吸装着動作(あるいは特定の部品の吸装着動作)の不良率が高いことを確認したと仮定する。この場合、選定部43は、当該フィーダ(あるいは当該部品の残余)の割り当てを禁止する。
【0068】
1-4-4.表示部44
表示部44は、選定部43によって割り当てられる物品21に関する情報を表示器80に表示させる(
図4に示すステップS13およびステップS15)。これにより、対基板作業機WMの使用者は、割り当てられる物品21に関する情報を視認することができる。表示器80は、物品21に関する情報を表示することができれば良く、公知の表示器を用いることができる。本実施形態では、
図1に示すように、物品管理装置40は、管理装置WMCに設けられているので、表示器80は、管理装置WMCの表示器と兼用されている。
【0069】
また、表示器80は、タッチパネルにより構成されており、対基板作業機WMの使用者による種々の操作を受け付ける入力装置としても機能する。例えば、表示部44は、既述した
図5に示す設定画面を表示器80に表示させることができる。使用者は、タッチパネル(入力装置として機能する表示器80)を用いて、規制条件RC1および優先要素PE1を選択し入力することができる。
【0070】
対基板作業機WMの使用者が、
図5に示す設定画面において、規制条件RC1および優先要素PE1を選択し入力した後に確認を選択すると、表示部44は、
図6に示す確認画面を表示器80に表示させる。
図6は、
図5に示す設定画面において設定された規制条件RC1で基板製品900を生産するときに必要な物品21を、
図5に示す設定画面において設定された優先要素PE1の優先順位に基づいて、物品21を割り当てた結果の一例を示している。
【0071】
例えば、物品21である部品種PA1の部品の在庫数は、50,000個であり、部品種PA1の部品の必要数は、1,000個である。部品の在庫数は、保管庫30に保管されている実際の部品数であり、部品の必要数は、既述した生産計画に基づいて算出される。同様に、部品種PB1の部品の在庫数は、30,000個であり、部品種PB1の部品の必要数は、500個である。部品種PC1の部品の在庫数は、0個であり、部品種PC1の部品の必要数は、300個である。
【0072】
図5に示す例では、代替品の使用が許容されているので、部品種PA1の部品の代替品(説明の便宜上、部品種PA1aの部品とする)の在庫数(10,000個)および必要数(300個)が表示されている。また、部品種PA1の部品の代替品(説明の便宜上、部品種PA1bの部品とする)の在庫数(5,000個)および必要数(300個)が表示されている。なお、表示部44は、他の規制条件RC1に関する情報を表示することもできる。また、表示部44は、代替品に限らず、同一種の物品21について、複数の割り当て候補を表示することもできる。さらに、表示部44は、複数の割り当て候補のうちの推奨順位(例えば、第一候補、第二候補など)を表示することもできる。
【0073】
対基板作業機WMの使用者は、これらの情報を参照して、必要数を変更することもできる。例えば、使用者は、部品種PA1の部品の必要数(この場合、1,600個)の中で、部品ごとの必要数を増減させることもできる。また、対基板作業機WMの使用者が、
図6に示す確認画面において、キャンセルを選択すると、
図5に示す設定画面に戻る。対基板作業機WMの使用者は、規制条件RC1および優先要素PE1の設定をやり直すことができる。
【0074】
対基板作業機WMの使用者は、
図6に示す確認画面の内容で良い場合、実行を選択する。対基板作業機WMの使用者が、実行を選択すると、物品21が実際に割り当てられて、表示部44は、
図7に示す実行画面を表示器80に表示させる。例えば、識別情報IDA1で示される部品種PA1の部品の使用予定数は、1,000個であり、実際に割り当てられた割り当て数は、1,030個である。使用予定数と割り当て数の差分の30個は、
図5に示す設定画面において設定されたマージン(同図では、3.0%)に相当する。部品種PA1の部品の割り当ての不足数は、0個であり、残数(割り当て後の在庫数)は、48,970個である。上述したことは、識別情報IDA2で示される部品種PA1aの部品および識別情報IDA3で示される部品種PA1bの部品についても同様に言える。また、上述したことは、識別情報IDB1で示される部品種PB1の部品についても同様に言える。
【0075】
識別情報IDC1で示される部品種PC1の部品の使用予定数は、300個であり、実際に割り当てられた割り当て数は、0個である。これは、
図6に示すように、部品種PC1の部品の在庫数は、0個であり、部品種PC1の部品が割り当てられなかったことを示している。よって、部品種PC1の部品の割り当ての不足数は、309個(マージンを含む)であり、残数は、0個である。この場合、物品管理装置40または対基板作業機WMの使用者は、部品種PC1の部品を発注する。対基板作業機WMの使用者が、終了を選択すると、物品21の割り当てが完了する。
【0076】
2.その他
規制条件RC1および優先要素PE1は、種々の観点から設定することができる。例えば、第二設定部42は、物品21の管理状態を優先要素PE1に含めることができる。この場合、選定部43は、例えば、物品21の管理状態が良くない物品21(例えば、保管庫30において湿度管理されていない物品21)から割り当てることができる。
【0077】
また、選定部43は、優先要素PE1の優先順位が同じ場合、例えば、物品21の使用数、使用頻度などに基づいて、物品21を割り当てることができる。例えば、選定部43は、物品21の使用数または使用頻度が少ない物品21から割り当てることができる。また、選定部43は、物品21の必要数を確保したときに、残数が最小になる物品21から割り当てることもできる。
【0078】
3.物品管理方法
物品管理装置40について既述したことは、物品管理方法についても同様に言える。具体的には、物品管理方法は、第一設定工程と、第二設定工程と、選定工程とを備えている。第一設定工程は、第一設定部41が行う制御に相当する。第二設定工程は、第二設定部42が行う制御に相当する。選定工程は、選定部43が行う制御に相当する。また、物品管理方法は、表示工程を備えると好適である。表示工程は、表示部44が行う制御に相当する。
【0079】
4.実施形態の効果の一例
物品管理装置40によれば、第一設定部41と、第二設定部42と、選定部43とを備える。これにより、物品管理装置40は、基板製品900の生産計画ごとの規制条件RC1、および、物品21を割り当てる際の複数の優先要素PE1における優先順位の両方を、対基板作業機WMの使用者に設定させて、基板製品900の生産において必要な物品21を割り当てることができる。物品管理装置40について上述したことは、物品管理方法についても同様に言える。
【符号の説明】
【0080】
10L:対基板作業ライン、WM:対基板作業機、WM3:部品装着機、
21:物品、30:保管庫、40:物品管理装置、41:第一設定部、
42:第二設定部、43:選定部、44:表示部、80:表示器、
90:基板、900:基板製品、RC1:規制条件、PE1:優先要素。