IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ウラカミ合同会社の特許一覧

特許72280842個のピストンを具備したロッドレスシリンダ
<>
  • 特許-2個のピストンを具備したロッドレスシリンダ 図1
  • 特許-2個のピストンを具備したロッドレスシリンダ 図2
  • 特許-2個のピストンを具備したロッドレスシリンダ 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-15
(45)【発行日】2023-02-24
(54)【発明の名称】2個のピストンを具備したロッドレスシリンダ
(51)【国際特許分類】
   F15B 15/14 20060101AFI20230216BHJP
【FI】
F15B15/14 330
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018248810
(22)【出願日】2018-12-30
(65)【公開番号】P2020109300
(43)【公開日】2020-07-16
【審査請求日】2021-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】710006367
【氏名又は名称】ウラカミ合同会社
(72)【発明者】
【氏名】浦上 不可止
【審査官】落合 弘之
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第1350960(EP,A1)
【文献】特開昭63-96305(JP,A)
【文献】特公昭47-34754(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F15B 15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダの両端がエンドキャップで塞がれており、該シリンダの内部には、流体圧によって該シリンダ内を往復移動する2個のピストンが配置されており、該2個のピストンと該シリンダ内壁により包囲された空間と該エンドキャップに具備された給排気用のポートとは該シリンダ内に配置されたコイリングチューブを介して連通、連結されている、ことを特徴とする2個のピストンを具備したロッドレスシリンダ。
【請求項2】
スリットを備えるシリンダの両端がエンドキャップで塞がれており、該シリンダの内部には、流体圧によって該シリンダ内を往復移動する2個のピストンが配置されており、該ピストンの一部部材は該スリットを貫通して該シリンダの外側のスライダと連結されて一体化されており、該2個のピストンと該シリンダ内壁により包囲された空間と該エンドキャップに具備された給排気用のポートとは、該シリンダ内に配置されたコイリングチューブを介して連通、連結されている、ことを特徴とする2個のピストンを具備したロッドレスシリンダ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2個のピストンを具備したロッドレスシリンダに関するものであって、ピストンとピストンとの距離を任意の時に且つ任意の距離に変更可能な機能を具備したロッドレスシリンダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、2個のピストンを具備したロッドレスシリンダは市販されてはいるが、ピストンとピストンとの距離を任意の時に且つ任意の距離に変更可能な機能は備えていない。
また、2個のピストンを具備したロッドレスシリンダに係る特許文献は存在しない。
【文献】無し
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
市販されている2個のピストンを具備したロッドレスシリンダにおいては、ピストンとピストンとの距離を任意の時に且つ任意の距離に変更可能とする手段を具備していない。
本発明においては、ピストンとピストンとの距離を任意の時に且つ任意の距離に変更可能とする手段を具備したロッドレスシリンダを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以下、上記の課題を達成するための手段を説明する。
上記の課題を達成するために、本発明によれば、特許請求の範囲の請求項1に記載されているように、
シリンダの両端がエンドキャップで塞がれており、該シリンダの内部には、流体圧によって該シリンダ内を往復移動する2個のピストンが配置されており、該2個のピストンと該シリンダ内壁により包囲された空間と該エンドキャップに具備された給排気用のポートとは、該シリンダ内に配置されたコイリングチューブを介して連通、連結されている、ことを特徴とする2個のピストンを具備したロッドレスシリンダ、が提供される。
【0005】
更に、上記の課題を達成するための手段として、特許請求の範囲の請求項2に記載されているように、
スリットを備えるシリンダの両端がエンドキャップで塞がれており、該シリンダの内部には、流体圧によって該シリンダ内を往復移動する2個のピストンが配置されており、該ピストンの一部部材は該スリットを貫通して該シリンダの外側のスライダと連結されて一体化されており、該2個のピストンと該シリンダ内壁により包囲された空間と該エンドキャップに具備された給排気用のポートとは、該シリンダ内に配置されたコイリングチューブを介して連通、連結されている、ことを特徴とする2個のピストンを具備したロッドレスシリンダ、が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本発明においては、2個のピストンを具備したロッドレスシリンダにおいて、ピストンとピストンとの距離を任意の時に且つ任意の距離に変更可能である機能に起因してロッドレスシリンダの運動機能が増大する。
本発明のロッドレスシリンダの運動機能を本発明以外の方法で実現するためには、公知公用の1個のピストンを具備したロッドレスシリンダを2式使用すれば実現可能であるが、本発明のロッドレスシリンダと比較して質量と体積が2倍近くになり、また製造コストも増大する。
よって、本発明の2個のピストンを具備したロッドレスシリンダにおいては、軽量化、体積の軽減、および製造コストの低減といった効用を有するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明に従って構成された装置の好適実施例について、添付図を参照して説明する。
【実施例
【0008】
以下、本発明に従って構成された装置の好適実施例について、添付図を参照して説明する。
図1乃至図2を参照して説明すると、
スリット102を備えるシリンダ1の両端がエンドキャップ4で塞がれており、シリンダ1の内部には、圧縮空気などの流体圧によって該シリンダ内を往復移動する2個のピストン3が配置されており、ピストン3の一部部材はスリット102を貫通してシリンダ1の外側のスライダ302と連結されて一体化されており、2個のピストン3とシリンダ1の内壁により包囲された空間とエンドキャップ4に具備された給排気用の中間給排気ポート403とは、ピストン貫通孔303とシリンダ1の内部に配置されたコイリングチューブ5を介して連通、連結されている。
【0009】
以下に、上述した装置の作用について図3を参照して説明する。
図3の(1)において、左給排気ポート401に圧縮空気が給気されると、圧縮空気はコイリングチューブ5とピストン貫通孔303を通過して2個のピストン3とシリンダ1の内壁により包囲された空間に至り、而して図3の(2)に示すように、該圧縮空気はピストン3に作用して2個のピストン3の互いの距離を広げる。
図3の(3)において、右給排気ポート402に圧縮空気が給気されると、該圧縮空気は右側のピストン3に作用して図中左方向へ移動させる。この時、2個のピストン3とシリンダ1の内壁により包囲された空間の圧縮空気は、ピストン貫通孔303、コイリングチューブ5および左給排気ポート401を通過して装置の外へ排気される。
【0010】
本発明に従って構成された好適実施例の装置の効果を説明する。
本発明においては、2個のピストンを具備したロッドレスシリンダにおいて、ピストンとピストンとの距離を任意の時に且つ任意の距離に変更可能である機能に起因してロッドレスシリンダの運動機能が増大する。
本発明のロッドレスシリンダの運動機能を本発明以外の方法で実現するためには、公知公用の1個のピストンを具備したロッドレスシリンダを2式使用すれば実現可能であるが、本発明のロッドレスシリンダと比較して質量と体積が2倍近くになり、また製造コストも増大する。
よって、本発明の2個のピストンを具備したロッドレスシリンダにおいては、軽量化、体積の軽減、および製造コストの低減といった効用を有するものである。
なお、本発明に従って構成された好適実施例の装置においては、ロッドレスシリンダとしてスリット式ロッドレスシリンダを例示したが、ピストンが磁力の作用を利用してスライダを動作させるマグネット式ロッドレスシリンダにも本発明を適用することが出来る。
以上に本発明の装置の好適実施例について説明したが、本発明の装置は該好適実施例の他にも特許請求の範囲に従って種々実施例を考えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0011】
かくの通りの2個のピストンを具備したロッドレスシリンダは、軽量化、体積の軽減、および製造コストの低減といった効用を有するものであるので、種々の用途に好都合に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図2に示す装置におけるB-B矢視の断面図であって、本発明に従って構成された装置の好適実施例の装置構成を示す断面図。
図2図1に示す装置におけるA-A矢視の断面図。
図3図1図2に示す装置へ圧縮空気を給気している3つの態様を示す図。
【符号の説明】
【0013】
シリンダ 1
スリット 102
シールバンド 2
ピストン 3
スライダ 302
ピストン貫通孔 303
エンドキャップ 4
左給排気ポート 401
右給排気ポート 402
中間給排気ポート 403
コイリングチューブ 5
給気 6
図1
図2
図3