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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-15
(45)【発行日】2023-02-24
(54)【発明の名称】頭部装着装置、脳活動記録システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 3/113 20060101AFI20230216BHJP
   A61B 5/026 20060101ALI20230216BHJP
   A61B 10/00 20060101ALI20230216BHJP
【FI】
A61B3/113
A61B5/026 120
A61B10/00 E
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018197792
(22)【出願日】2018-10-19
(65)【公開番号】P2020062354
(43)【公開日】2020-04-23
【審査請求日】2021-10-19
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (公開1) 掲載日 平成30年10月15日 http://neu-brains.co.jp/information/press/2018/10/15/494.html (公開2) 掲載日 平成30年10月15日 https://www.getfove.com/updates/ (公開3) 掲載日 平成30年10月15日 https://www.atpress.ne.jp/news/168389 (公開4) 展示日 平成30年10月15日から19日 展示会名 CEATEC JAPAN 2018 開催場所 幕張メッセ(千葉県美浜区中瀬2-1)
(73)【特許権者】
【識別番号】518070663
【氏名又は名称】株式会社NeU
(73)【特許権者】
【識別番号】316011271
【氏名又は名称】フォーブ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 清
(72)【発明者】
【氏名】星野 剛史
(72)【発明者】
【氏名】岡田 拓也
【審査官】鷲崎 亮
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1677198(KR,B1)
【文献】国際公開第2013/186911(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/196879(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 3/00 -3/18
A61B 5/026
A61B 5/16 -5/18
A61B 10/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者に装着され、筐体、遮光部、脳活動測定装置及び映像出力装置を含む頭部装着装置であって、
前記筐体は、開口部を有し、
前記遮光部は、前記開口部に設けられ、光を遮断し、
前記脳活動測定装置は、
前記開口部に設け前記遮光部の内側に配置された第1波長の近赤外線を前記利用者の頭部に照射する第1光源と、
前記開口部に設け前記遮光部の内側に配置された前記利用者の所定の脳活動状態を計測するために、前記利用者の頭部で反射される前記第1波長の近赤外線を受光する第1受光部とを有し、
前記映像出力装置は、
前記利用者に視聴させる映像を出力するレンズを有する表示部と、
前記開口部の前記脳活動測定装置の下方に設け前記遮光部の内側に配置する前記レンズの周囲に配置された前記第1波長と異なる第2波長の近赤外線を前記利用者の眼に照射する第2光源と、
前記開口部に設け前記遮光部の内側で前記レンズの下方に配置された前記利用者の視線方向を検出するために、前記利用者の眼で反射される前記第2波長の近赤外線を受光する第2受光部とを有する、
頭部装着装置。
【請求項2】
前記第1受光部は、前記第1波長の近赤外線を通し、前記第2波長の近赤外線を遮断するフィルタを含む、
請求項1に記載の頭部装着装置。
【請求項3】
利用者に装着され、筐体、遮光部、脳活動測定装置及び映像出力装置を含む頭部装着装置であって、
前記筐体は、開口部を有し、
前記遮光部は、前記開口部に設けられ、光を遮断し、
前記脳活動測定装置は、
前記開口部に設け前記遮光部の内側に配置された第1波長の近赤外線を前記利用者の頭部に照射する第1光源と、
前記開口部に設け前記遮光部の内側に配置された前記利用者の所定の脳活動状態を計測するために、前記利用者の頭部で反射される前記第1波長の近赤外線を受光する第1受光部とを有し、
前記映像出力装置は、
前記利用者に視聴させる映像を出力するレンズを有する表示部と、
前記開口部の前記脳活動測定装置の下方に設け前記遮光部の内側に配置する前記レンズの周囲に配置された前記第1波長の近赤外線を前記利用者の眼に照射する第2光源と、
前記開口部に設け前記遮光部の内側で前記レンズの下方に配置された前記利用者の視線方向を検出するために、前記利用者の眼で反射される前記第1波長の近赤外線を受光する第2受光部とを有し、
前記第2光源は、前記第1光源が前記第1波長の近赤外線を照射しているときに、前記第1波長の近赤外線の照射を停止する、
頭部装着装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載された頭部装着装置と、
前記表示部に表示されていた前記映像と、前記表示部に前記映像が表示されていた際に前記頭部装着装置の前記第1受光部で受光された近赤外線に基づいて計測された前記脳活動状態と、前記表示部に前記映像が表示されていた際に前記映像出力装置の前記第2受光部で受光された近赤外線に基づいて検出される前記視線方向とを対応付けて表示する利用者端末と、
を有する脳活動記録システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭部装着装置、脳活動記録システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、VR(Virtual Reality)技術の市場拡大が見られる。VR技術は、現物がなく
とも機能として本質は同じであるような環境を、利用者の感覚(特に視覚)を刺激することにより、仮想的に作り出す技術である。VR技術は、ゲーム業界だけではなく、製品の設計や、試作品の制作、製品に対する顧客の印象評価などにも使用され始めている。VR技術を使用することで、従来のような、製品のモックアップを制作することに比べ、コストダウンを図ることができる。VR技術は、例えば、ヘッドマウントディスプレイ(Head
Mounted Display; HMD)により実現されている。
【0003】
また、頭部に装着される脳活動測定装置に、近赤外線照射部と近赤外線検出部を設け、脳表面の血流量の変化を検出し、検出されたデータをデータ処理装置で処理することで、脳の活動状態を示す情報を取得する計測システムが提供されている。当該計測システムを利用して、利用者(被験者)が様々な行動を行う際の脳活動状態を計測することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2016/084834号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
利用者が、例えば、HMDを利用してVR技術の視覚コンテンツを視聴している場合に、利用者の視線方向や利用者の脳活動状態を検出することが求められている。しかし、VR技術のコンテンツを視聴しているときに、視線方向測定と脳活動測定とを行うことは難しい。視線方向測定及び脳活動測定では、ともに、近赤外線を使用するので、一方の測定のために照射された近赤外線が、他方の測定の検出手段で検出されることにより、誤検出の原因となるからである。
【0006】
本発明は、視覚コンテンツを利用する利用者の視線方向測定と脳活動測定とを行うことができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、以下の手段を採用する。
即ち、第1の態様は、
利用者に装着され、脳活動測定装置及び映像出力装置を含む頭部装着装置であって、
前記脳活動測定装置は、
第1波長の近赤外線を前記利用者の頭部に照射する第1光源と、
前記利用者の所定の脳活動状態を計測するために、前記利用者の頭部で反射される前記第1波長の近赤外線を受光する第1受光部とを有し、
前記映像出力装置は、
前記利用者に視聴させる映像を出力する表示部と、
前記第1波長と異なる第2波長の近赤外線を前記利用者の眼に照射する第2光源と、
前記利用者の視線方向を検出するために、前記利用者の眼で反射される前記第2波長の近赤外線を受光する第2受光部とを有する、
頭部装着装置である。
【0008】
開示の態様は、プログラムが情報処理装置によって実行されることによって実現されてもよい。即ち、開示の構成は、上記した態様における各手段が実行する処理を、情報処理装置に対して実行させるためのプログラム、或いは当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体として特定することができる。また、開示の構成は、上記した各手段が実行する処理を情報処理装置が実行する方法をもって特定されてもよい。開示の構成は、上記した各手段が実行する処理を行う情報処理装置を含むシステムとして特定されてもよい。
【0009】
プログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくても、並列的または個別に実行される処理を含む。プログラムを記述するステップの一部が省略されてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、視覚コンテンツを利用する利用者の視線方向測定と脳活動測定とを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態に係る脳活動記録システムの情報処理に関する構成例を示す図である。
図2図2は、脳活動測定装置の構成例を示す図である。
図3図3は、映像出力装置の構成例を示す図である。
図4図4は、利用者端末の構成例を示す図である。
図5図5は、頭部装着装置10を情報から見た外観を例示する斜視図である。
図6図6は、頭部装着装置10を頭部に装着する側から見た平面図である。
図7図7は、頭部装着装置10を側面から見た平面図である。
図8図8は、実施形態の脳活動記録システムの利用者端末の動作フローの例を示す図である。
図9図9は、頭部装着装置の構造の変形例1を示す図である。
図10図10は、頭部装着装置の構造の変形例2を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。実施形態の構成は例示であり、発明の構成は、開示の実施形態の具体的構成に限定されない。発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
【0013】
〔実施形態〕
(構成例)
図1は、本実施形態に係る脳活動記録システムの情報処理に関する構成例を示す図である。本実施形態のシステムは、利用者に脳活動測定装置100と映像出力装置200とを含む頭部装着装置10を装着させ、利用者に視聴させる映像を出力し、利用者の視線(視線方向)を検出し、利用者の脳活動状態(例えば、心拍数、脳血流変化量など)を示す計測データ(検出値、計測値ともいう)を検出する。脳活動記録システムでは、利用者が映像出力装置200から出力される映像を視聴している際の、利用者の脳活動状態を測定することができる。
【0014】
図1のように、脳活動記録システム1は、利用者端末20、頭部装着装置10を有する。頭部装着装置10と利用者端末20とは、ネットワークN1を介して、通信可能に接続される。頭部装着装置10は、脳活動測定装置100、映像出力装置200、本体部30
0を含む。ネットワークN1は、例えば、Bluetooth(登録商標)、無線LAN(Local Area Network)、LTE(Long Term Evolution)等の規格にしたがうネットワークである。脳活動測定装置100が使用するネットワークと、映像出力装置200が使用するネットワークとが、異なっていてもよい。脳活動測定装置100と映像出力装置200とが、ネットワークN1を介して、通信可能に接続されてもよい。脳活動測定装置100は、脳活動状態を計測する計測装置の一例である。頭部装着装置10は、利用者の頭部に装着され、利用者の頭部に固定される構造を有する。頭部装着装置10では、脳活動測定装置100は頭部(額など)に接触されるように装着され、映像出力装置200は眼を覆うように装着される。頭部装着装置10の脳活動測定装置100と映像出力装置200とは、一体化しても分離してもよい。
【0015】
図2は、脳活動測定装置の構成例を示す図である。脳活動測定装置100は、情報処理の側面としては、制御部101と、無線通信部103と、光源104、受光部105とを有する。制御部101は、脳活動測定装置100の計測と通信を制御する。制御部101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、あるいはDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサとメモリとを有し、メモリ上に実行可能に展開されたコンピュー
タプログラム、ファームウェア等により処理を実行する。ただし、制御部101は、無線通信部103、光源104、受光部105を起動し、各構成要素との連携処理を実行する専用のハードウェア回路、FPGA(Field Programmable Gate Array)等であってもよ
い。また、制御部101は、CPU、DSP、専用のハードウェア回路等が混在したものであってもよい。
【0016】
無線通信部103は、所定のインターフェースによって、制御部101および光源104、受光部105と接続される。ただし、無線通信部103は、制御部101を介して、受光部105からデータを取得する構成であってもよい。無線通信部103は、ネットワークN1を介して、利用者端末20と通信する。無線通信部103は、転送手段の一例である。ただし、脳活動記録システム1において、無線通信部103の無線インターフェースの規格に限定はない。
【0017】
ネットワークN1での通信時、通信ヘッダのヘッダ部分、あるいは、通信データ中の利用者データ部分(ペイロード部分)に、脳活動測定装置100を識別する識別子を埋め込んで、利用者端末20が利用者(被験者)を識別できるようにする。
【0018】
また、脳活動記録システム1において、無線通信部103に代えて、あるいは、無線通信部103とともに有線で通信を行う通信部を設けてもよい。すなわち、脳活動測定装置100と利用者端末20とが有線通信のインターフェースで接続されてもよい。この場合の有線通信のインターフェースに限定はなく、脳活動記録システム1の用途に応じてUSB(Universal Serial Bus)、PCI Express(登録商標)等の各種インターフェースを使用できる。
【0019】
光源104は、赤外線を頭部に照射する。受光部105は、光源104から頭部に照射され、脳の大脳皮質付近で一部吸収されて散乱された近赤外線を受光し、電気信号に変換する。脳の大脳皮質は、例えば、脳の活動状態に応じて、血流量が異なる。その結果、大脳皮質の各部において、血液中の酸素と結合したヘモグロビンの量と、酸素と結合していないヘモグロビンの量が変化する。ヘモグロビンの量の変化、酸素量の変化等に起因して、大脳皮質付近での近赤外線の吸収特性、あるいは、散乱特性が変化する。受光部105は、このような大脳皮質付近の血流の状態に応じた近赤外線吸収率の変化あるいは透過率の変化により光量が変化する近赤外線を電気信号に変換して出力する。受光部105は、検出部の一例である。受光部105で検出される情報により、脳血流変化量、脈拍数を算出することができる。脈拍数は、心拍数に相当する。
【0020】
光源104は、例えば、近赤外線を照射する近赤外線光源を含む。近赤外線光源は、例えば、LED(Light Emitting Diodes)、赤外線ランプ等である。ここで使用される近
赤外線の波長は、例えば、810nmである。
【0021】
受光部105は、近赤外線を受光して電気信号に変換する。受光部105は、フォトダイオード、フォトトランジスタ等の光電素子と、増幅器と、AD(Analog Digital)コンバータとを含む。なお、光源104と受光部105とが対にして設けられなくてもよい。例えば、1つの光源104に対して、複数の受光部105が設けられてもよい。また、複数の光源104が設けられてもよい。受光部105は、光源104で使用する波長の近赤外線を通し、光源205で使用する波長の近赤外線を通さない(遮断する)フィルタを含んでもよい。当該フィルタにより、光源205からの近赤外線によるノイズを抑制することができる。
【0022】
図3は、映像出力装置の構成例を示す図である。映像出力装置200は、情報処理の側面としては、制御部201と、無線通信部203と、表示部204と、光源205と、受光部206とを有する。制御部201は、映像出力装置200における映像の出力、視線方向の検出(推定)とを制御する。
【0023】
映像出力装置200は、利用者端末20などから送信されて無線通信部203によって受信される映像信号に基づいて、表示部204に映像(視覚コンテンツ)を表示する。映像出力装置200は、ゲーム機、PC(Personal Computer)、タブレット端末、スマー
トフォン、テレビ、ビデオプレイヤ等から出力される映像を表示可能な装置である。
【0024】
制御部201は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、あるいはDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサとメモリとを有し、メモリ上に実行可能に展開さ
れたコンピュータプログラム、ファームウェア等により処理を実行する。メモリは、揮発性メモリと不揮発性メモリを含んでよい。ただし、制御部201は、無線通信部203、表示部204、光源205、受光部206を起動し、各構成要素との連携処理を実行する専用のハードウェア回路、FPGA(Field Programmable Gate Array)等であってもよ
い。また、制御部201は、CPU、DSP、専用のハードウェア回路等が混在したものであってもよい。
【0025】
無線通信部203は、所定のインターフェースによって、制御部201、表示部204、光源205、受光部206と接続される。ただし、無線通信部203は、制御部201を介して、受光部206からデータを取得する構成であってもよい。無線通信部203は、ネットワークN1を介して、利用者端末20と通信する。無線通信部203は、転送手段の一例である。ただし、脳活動記録システム1において、無線通信部203の無線インターフェースの規格に限定はない。
【0026】
ネットワークN1での通信時、通信ヘッダのヘッダ部分、あるいは、通信データ中の利用者データ部分(ペイロード部分)に、映像出力装置200を識別する識別子を埋め込んで、利用者端末20が利用者(被験者)を識別できるようにする。
【0027】
また、脳活動記録システム1において、無線通信部203に代えて、あるいは、無線通信部203とともに有線で通信を行う通信部を設けてもよい。すなわち、映像出力装置200と利用者端末20とが有線通信のインターフェースで接続されてもよい。この場合の有線通信のインターフェースに限定はなく、脳活動記録システム1の用途に応じてUSB(Universal Serial Bus)、PCI Express(登録商標)等の各種インターフェースを使用できる。
【0028】
表示部204は、画像表示素子204a(図7参照)、レンズ204b(図5等参照)を含む。画像表示素子204aは、利用者に提示する画像(映像)を表示する。画像表示素子が表示する画像は、制御部201によって生成される。画像表示素子は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や有機ELディスプレイ(Organic Electro-Luminescence Display)等によって実現される。
【0029】
レンズ204bは、利用者が頭部装着装置10を装着したときに、利用者の眼に対向する位置となるように配置される。レンズ204bは、画像表示素子204aからの光を、集光し、利用者の眼に導く。レンズ204bは、複数のレンズを組み合わせたレンズ群であってもよい。レンズ204bの周囲には、複数の光源205が備えられている。図5の例では、レンズ204bの周囲に4つの光源205が備えられている。
【0030】
光源205は、赤外線を眼球に照射する。受光部206は、光源205から眼球に照射され、眼球の虹彩付近で反射された近赤外線を受光し、電気信号に変換する。眼球の虹彩部分は、近赤外光を反射し(反射率が高い)、眼球の虹彩の内側は、近赤外光を吸収する(反射率が低い)。受光部206は、眼球の黒目の位置を、眼球の虹彩と虹彩の内側とによる近赤外光の反射率の差によりにより判別し、眼球の黒目の位置を検出する。受光部206は、検出部の一例である。制御部201や利用者端末20は、受光部206で検出される情報(眼球の黒目の位置)により、視線方向を算出することができる。また、制御部201や利用者端末20は、左右の眼球の視線方向に基づいて、利用者が見ているものまでの距離を算出することができる。視線方向の算出には、ここで説明した方法以外の他の方法が使用されてもよい。視線方向の算出には、周知のアイトラッキング技術が使用され得る。視線方向は、表示部204の表示領域のいずれかの位置を基準とした座標値(x,y)として表されてもよい。
【0031】
光源205は、例えば、近赤外線を照射する近赤外線光源を含む。近赤外線光源は、例えば、LED(Light Emitting Diodes)、赤外線ランプ等である。ここで使用される近
赤外線の波長は、例えば、850nmである。ここで使用される光源205の近赤外線の波長は、光源104の近赤外線の波長と異なる。異なる波長を使用することで、受光部105での誤検出を抑制することができる。光源205は、複数設けてもよいし、また眼球毎に設けられてもよい。
【0032】
受光部206は、近赤外線を受光して電気信号に変換する。受光部206は、近赤外線を画像で取得する赤外線カメラを含む。赤外線カメラの固体撮像素子としては、CCD(Charge-coupled device)イメージセンサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等を利用できる。受光部206は、眼球毎に設けられてもよい。受光部206は、利用者の眼に向けられる。
【0033】
脳活動測定装置100と映像出力装置200とが一体化して1つの装置として、1つの制御部により、脳活動の測定、映像の出力、視線方向の検出等を制御し、1つの無線通信部により、利用者端末20等との通信を行ってもよい。
【0034】
図4は、利用者端末の構成例を示す図である。利用者端末20は、脳活動測定装置1000から、利用者の大脳皮質付近での近赤外線の吸収率または透過率の変化データを取得し、利用者の脳の活動状態に関連する様々な情報処理を含むサービスを提供する。また、利用者端末20は、映像出力装置200に映像を表示するため情報を含む映像信号を出力し、映像出力装置200から利用者の視線方向の情報を含む視線信号を受信する。映像出力装置200から映像を出力している際に、利用者の視線方向と、利用者の脳活動状態を取得することで、利用者が映像を視聴している際の視線方向と脳活動状態を把握すること
ができる。利用者端末20は、情報処理装置(コンピュータ)の一例である。利用者端末20は、PC(Personal Computer)、スマートフォン、携帯電話、タブレット型端末、
カーナビゲーション装置、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機のような専用または汎用のコンピュータ、あるいは、コンピュータを搭載した電子機器を使用して実現可能である。
【0035】
利用者端末20は、CPU21と、メモリ22と、無線通信部23と、公衆回線通信部24と、表示部25と、操作部26と、出力部27と、撮像部28と、測位部29と、物理センサ部2Aを有する。CPU21は、メモリ22に実行可能に展開されたコンピュータプログラムにより、利用者端末20としての処理を実行する。利用者端末20としての処理とは、例えば、上記利用者の脳の活動状態に関連する様々な情報処理を含むサービスである。このようなコンピュータプログラムを実行するCPU21は、制御部の一例である。
【0036】
メモリ22は、CPU21で実行されるコンピュータプログラム、あるいは、CPU21が処理するデータを記憶する。メモリ22は、揮発性メモリと不揮発性メモリを含んでよい。メモリ22は、記憶部の一例である。メモリ22には、画像データを文字化するためのプログラム、測定結果等を表示するためのプログラム、データ等が格納される。
【0037】
無線通信部23は、脳活動測定装置100の無線通信部103と同様である。無線通信部23は、受信手段の一例である。また、利用者端末20は、無線通信部103に代えて、あるいは、無線通信部103とともに有線で通信を行う通信部を有してもよい。利用者端末20は、無線通信部23を介して、脳活動測定装置100のセンサ115、125で検出された情報を取得する。利用者端末20は、脳活動測定装置100から取得した情報に基づいて、利用者の心拍数、脳血流変化量等を算出する。
【0038】
公衆回線通信部24は、上位のネットワーク等を介して、サーバ等の他の情報処理装置等と通信する。上位のネットワークは、公衆回線網等である。公衆回線通信部24は、通信部の一例である。
【0039】
表示部25は、例えば、液晶ディスプレイ、EL(Electro-Luminescence)パネル等であり、CPU21からの出力情報を表示する。操作部26は、例えば、押しボタン、タッチパネル等であり、利用者の操作を受け付ける。出力部27は、例えば、振動を出力するバイブレータ、音響あるいは音声を出力するスピーカ等である。撮像部28は、例えば、固体撮像素子を含むカメラである。固体撮像素子としては、CCD(Charge-coupled device)イメージセンサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等を利用できる。
【0040】
測位部29は、例えば、GPS(Global Positioning System)受信機であり、GPS
衛星からの電波を受信し、現在位置(緯度、経度等)、時刻等を算出する。ただし、測位部29としては、GPS受信機を有するものに限定される訳ではない。例えば、公衆回線通信部24が携帯電話網である場合には、測位部29は、携帯電話基地局からの距離を基に測位を実行してもよい。
【0041】
物理センサ部2Aは、例えば、加速度センサ、あるいは角加速度センサ等である。ただし、物理センサ部2Aは、温度センサ、湿度センサ、気圧センサ、または水圧センサであってもよい。
【0042】
(構造例)
図5から図7は、頭部装着装置10の構造例を示す図である。図5は、頭部装着装置1
0を情報から見た外観を例示する斜視図である。図6は、頭部装着装置10を頭部に装着する側から見た平面図である。図7は、頭部装着装置10を側面から見た平面図である。各図に示すように、頭部装着装置10を利用者の頭部に装着したときの正面側から頭部側の方向をX軸方向、上下方向をZ軸方向、X軸方向及びZ軸方向に直交する方向をY軸方向(頭部装着装置10を装着した利用者の左側から右側への方向)とする。
【0043】
頭部装着装置10は、図5等のように、本体部300、脳活動測定装置100、映像出力装置200を含む。本体部300は、筐体310、遮光部320を含む。筐体は、ハウジングともいう。
【0044】
図5などのように、筐体310は、前面311と、左側面312と、上面313と、右側面314と、下面315とを有する。前面311は、利用者が頭部装着装置10を装着した場合の正面側の面である。図5における一番奥の面である。左側面312は、頭部装着装置10を装着した利用者から見て前面311の左側の辺から利用者に向かって前面311に対してほぼ直角に立ち上がる面である。上面313は、前面311の上側の辺から利用者に向かって前面311に対してほぼ直角に立ち上がる面である。右側面314は、頭部装着装置10を装着した利用者から見て前面311の右側の辺から利用者に向かって前面311に対してほぼ直角に立ち上がる面である。下面315は、前面311の下側の辺から利用者に向かって前面311に対してほぼ直角に立ち上がる面である。
【0045】
左側面312の利用者側の辺312a、上面313の利用者側の辺313a、右側面314の利用者側の辺314a、下面315の利用者側の辺315aは、筐体310の開口部を形成する。上面313の利用者側の辺313a、下面315の利用者側の辺315aは、利用者の頭部の形状に合わせた曲線となっている。
【0046】
筐体310の開口部の内側には、遮光部320が設けられる。遮光部320は、頭部装着装置10が利用者の頭部に装着された際、利用者の頭部に密着し、頭部装着装置10の筐体310内に光が入らないようにする。光が筐体310内に入ると、表示部204による映像を視認しにくくなるため、光が筐体310内に入らないことが望ましい。頭部装着装置10は、利用者の眼の位置が遮光部320の内側になるように、利用者の頭部に装着される。遮光部320には、柔らかい素材(ウレタン等の樹脂、ゴム等)が使用される。遮光部320は、利用者の頭部に接触すると利用者の頭部の形状に合わせて変形し、筐体310の内部(遮光部320の内側)に光が入らないようにする。
【0047】
筐体310内では、表示部204のレンズ204bが利用者の左右の眼の位置に合わせて、配置される。また、レンズ204bの周辺には、1以上の光源205が配置される。さらに、レンズ204bの周辺には、受光部206が配置される。受光部206は、利用者の眼球の方に向けられる。また、レンズ204bの上方には、脳活動測定装置100が設置される。脳活動測定装置100は、利用者の頭部の額の位置に対応する位置に、設置される。脳活動測定装置100は、頭部装着装置10を装着された利用者の頭部の額に、光源104及び受光部105が接触するように、設置される。頭部装着装置10には、複数の脳活動測定装置100が配置されてもよい。脳活動測定装置100、映像出力装置200の各構成要素は、筐体310内において、所定の治具等により所定の位置に固定される。
【0048】
筐体310の左側面312、右側面314には、それぞれ、図示しないベルトの一端が取り付けられ、当該ベルトを利用者の頭部に巻きつけることにより、頭部装着装置10を利用者の頭部に固定する。また、さらに、上面313にも図示しないベルトの一端を取り付け、利用者の頭頂部から後頭部に当該ベルトを伸ばし、利用者の後頭部で、先のベルトと取り付けるようにしてもよい。
【0049】
〈動作例〉
本実施形態の脳活動記録システムの利用者端末の動作例について説明する。脳活動記録システム1は、利用者に装着された頭部装着装置10の映像出力装置200で映像を出力するとともに、頭部装着装置10の脳活動測定装置100で利用者の脳活動(脳血流量)を記録し、映像出力装置200で利用者の視線方向を記録する。脳活動記録システム1は、脳活動状態と視線方向とを、測定された日時とともに記録する。脳活動記録システム1は、脳活動の測定結果と、視線方向の測定結果(算出結果)とを対応付けて出力する。
【0050】
図8は、本実施形態の脳活動記録システムの利用者端末の動作フローの例を示す図である。本実施形態の脳活動記録システム1の頭部装着装置10は、利用者(被験者)の頭部に装着されており、利用者に対する映像の出力、利用者の視線方向の検出、脳活動状態(脳血流変化量、脈拍数)の測定をできる状態である。脳活動測定装置100、映像出力装置200は、利用者端末20に接続されている。利用者端末20は、当該動作フローにおいて、利用者の脳活動状態、利用者の視線方向を取得できる状態にある。
【0051】
S101では、利用者端末20は、映像出力装置200に、映像を表示するための映像信号を送信し、当該映像信号に基づく映像を出力することを指示する。映像出力装置200の制御部201は、無線通信部203を介して、利用者端末20から映像信号を受信すると、表示部204に映像信号に基づく映像を表示させる。表示部204は、画像表示素子204a、レンズ204bを使用して、利用者に向けて映像を表示する。頭部装着装置を装着する利用者は、表示される映像を視聴することができる。
【0052】
S102では、利用者端末20は、脳活動測定装置100に、利用者の脳活動状態の測定を開始することを指示する。測定開始の指示をされた脳活動測定装置100は、脳活動状態の測定を開始する。脳活動測定装置100は、脳活動状態を測定した日時とともに、利用者の脳活動状態を記録する。脳活動測定装置100は、利用者の脳活動状態の測定結果(計測値)を、順次、利用者端末20に送信する。脳活動状態の測定結果には、脳活動状態を測定した日時の情報が含まれる。
【0053】
S103では、利用者端末20は、映像出力装置200に、光源205、受光部206による視線方向の検出を開始することを指示する。検出開始を指示された映像出力装置200は、光源205より利用者の眼に向けて近赤外線を照射し、受光部206による撮影を開始する。受光部206による撮影は、所定時間ごとの静止画の撮影であっても、動画の撮影であってもよい。映像出力装置200は、撮影した日時とともに、撮影した画像(静止画又は動画)を記録する。映像出力装置200は、撮影した画像(利用者画像)の画像データを、順次、利用者端末20に送信する。画像データには、当該画像を撮影した日時の情報が含まれる。また、映像出力装置200は、撮影した画像から利用者の視線方向を算出し、算出した視線方向のデータを撮影した日時とともに、記録してもよい。映像出力装置200は、算出した視線方向のデータを、順次、利用者端末20に送信する。視線方向のデータには、視線方向の算出に使用された画像を撮影した日時の情報が含まれる。撮影された画像の画像データ、または、視線方向のデータを、視線データともいう。
【0054】
S104では、利用者端末20は、脳活動測定装置100から、脳活動状態(脳血流変化量、脈拍数)の測定結果を受信する。利用者端末20は、受信した脳活動状態の測定結果を、メモリ22に格納する。
【0055】
S105では、利用者端末20は、映像出力装置200から、視線方向のデータ(視線データ)を受信する。利用者端末20は、受信した視線データを、メモリ22に格納する。視線データが画像データを含む場合、利用者端末20は、画像データの画像から利用者
の視線方向を算出し、算出した視線方向のデータを、画像を撮影した日時ともに、メモリ22に格納する。視線データが視線方向のデータを含む場合、視線方向のデータと、視線方向の算出に使用された画像を撮影した日時の情報とを、メモリ22に格納する。
【0056】
S106では、利用者端末20は、測定された脳活動状態の計測値と、S105で取得された視線方向の情報とを、脳活動状態が測定された日時と、視線方向を算出する際に使用された画像が撮影された日時とで対応づけて、出力する。利用者端末20は、例えば、測定された脳活動状態の計測値と、S105で取得された利用者の視線方向の情報とを、脳活動状態が測定された日時(物体を含む画像が撮影された日時)で対応づけて、メモリ22に格納することにより出力する。また、利用者端末20は、利用者の脳活動状態の計測値及び視線方向と対応づけて、表示部25のディスプレイに表示することにより出力してもよい。利用者端末20は、利用者の脳活動状態の計測値及び視線方向を日時と対応づけて、他の装置に送信することにより出力してもよい。利用者端末20は、当該出力を所定時間ごとにまとめて行うようにしてもよい。また、利用者端末20は、利用者の脳活動状態、視線方向とともに、利用者が視聴していた映像の情報とを対応付けて出力してもよい。
【0057】
S107では、利用者端末20は、利用者などによる操作部26への操作によって、当該動作フローの処理の終了の操作がされたか否かを判定する。終了の操作がされた場合(S107;YES)、処理が終了する。終了の操作がされていない場合(S107;NO)、処理がS104に戻る。
【0058】
これにより、利用者端末20は、利用者の脳活動状態の計測値と利用者の視線方向とを対応づけて出力することができる。
【0059】
利用者端末20は、利用者の脳活動状態の計測値と、利用者の視線方向とを、映像出力装置200が出力した映像とともに、メモリ22に格納してもよい。また、利用者端末20は、S106の出力の際に、映像出力装置200が出力した映像も合わせて出力してもよい。脳活動状態の解析の際、利用者が視聴していた映像は、有用な情報となる。
【0060】
(その他)
上記の例では、脳活動測定装置100の光源104が照射する近赤外線の波長(810nm)と、映像出力装置200の光源205が照射する近赤外線の波長(850nm)とを、異なる周波数にすることで、脳活動測定装置100の受光部105での誤検出を抑制した。
【0061】
ここでは、脳活動測定装置100の光源104が照射する際に、映像出力装置200の光源205による照射を停止するようにする。また、脳活動測定装置100の受光部105は、光源104が照射するときにのみ、近赤外線を受光するものとする。これにより、受光部105で、映像出力装置200の光源205からの近赤外線によるノイズを抑制することができ、より正確に利用者の脳血流量を測定することができる。また、このとき、光源104と光源205とで、同じ波長の近赤外線を照射してもよい。
【0062】
また、光源104と光源205とで、同じ波長の近赤外線を照射する場合に、光源104の近赤外線の位相と、光源205の近赤外線の位相とを180度ずらしてもよい。このとき、受光部105で光源104の近赤外線と同位相の近赤外線を受光することで、光源205からの近赤外線によるノイズを抑制することができる。
【0063】
図9は、頭部装着装置の構造の変形例1を示す図である。図9は、頭部装着装置10を頭部に装着する側から見た平面図である。図9の例では、頭部装着装置10を頭部に装着
する側から見たとき、本体部300の遮光部320の内側に、映像出力装置200のレンズ204b、光源205、受光部206が配置され、遮光部320の外側に、脳活動測定装置100が配置される。映像出力装置200の光源205と、脳活動測定装置100の受光部105との間に、遮光部320が存在することで、光源205からの近赤外線が受光部105で受光されることを抑制することができる。
【0064】
図10は、頭部装着装置の構造の変形例2を示す図である。図10は、頭部装着装置10を頭部に装着する側から見た平面図である。図10の例では、頭部装着装置10を頭部に装着する側から見たとき、本体部300の遮光部320の内側に、映像出力装置200のレンズ204b、光源205、受光部206が配置され、遮光部320内に、脳活動測定装置100が配置される。脳活動測定装置100の受光部105の周囲に、遮光部320が存在することで、光源205からの近赤外線が受光部105で受光されることを抑制することができる。
【0065】
(実施形態の作用、効果)
脳活動記録システム1は、利用者端末20、利用者の頭部に装着される頭部装着装置10を有する。頭部装着装置10は、脳活動測定装置100と映像出力装置200とを含む。脳活動測定装置100は、近赤外線を使用して利用者の脳血流量を測定する。映像出力装置200は、近赤外線を使用して利用者の視線方向を検出する。脳活動測定装置100の光源104で使用する近赤外線の波長と、映像出力装置200の光源205で使用する近赤外線の波長とを、異なる波長にすることで、受光部105における光源205からの近赤外線によるノイズを抑制することができる。
【0066】
また、光源104と光源205とで同じ波長を使用する場合でも、光源104が照射している時間に、光源205が照射することを停止することで、受光部105における光源205からの近赤外線によるノイズを抑制することができる。また、光源104が照射する近赤外線の位相と、光源205が照射する近赤外線の位相とを180度ずらし、受光部105で光源104の近赤外線と同位相の近赤外線を受光することで、受光部105における光源205からの近赤外線によるノイズを抑制することができる。
【0067】
脳活動測定装置100は、光源205からの近赤外線を受光することを抑制することで、より正確に利用者の脳血流量を測定することができる。
【0068】
上記の構成は、可能な限りこれらを組み合わせて実施され得る。
【0069】
〈コンピュータ読み取り可能な記録媒体〉
コンピュータその他の機械、装置(以下、コンピュータ等)に上記いずれかの機能を実現させるプログラムをコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。そして、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
【0070】
ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体内には、CPU、メモリ等のコンピュータを構成する要素を設け、そのCPUにプログラムを実行させてもよい。
【0071】
また、このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R/W、DVD、DAT、8mmテープ、メモリカード等がある。
【0072】
また、コンピュータ等に固定された記録媒体としてハードディスクやROM等がある。
【符号の説明】
【0073】
1 :脳活動記録システム
10 :頭部装着装置
100 :脳活動測定装置
101 :制御部
103 :無線通信部
104 :光源
105 :受光部
200 :映像出力装置
201 :制御部
203 :無線通信部
204 :表示部
205 :光源
206 :受光部
300 :本体部
310 :筐体
320 :遮光部
20 :利用者端末
21 :CPU
22 :メモリ
23 :無線通信部
24 :公衆回線通信部
25 :表示部
26 :操作部
27 :出力部
28 :撮像部
29 :測位部
2A :物理センサ部
図1
図2
図3
図4
図5
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図8
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図10