(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-15
(45)【発行日】2023-02-24
(54)【発明の名称】車室用間仕切カーテン
(51)【国際特許分類】
B60N 3/00 20060101AFI20230216BHJP
A47H 23/00 20060101ALI20230216BHJP
B60N 2/02 20060101ALI20230216BHJP
B60R 5/04 20060101ALI20230216BHJP
【FI】
B60N3/00 Z
A47H23/00 Z
B60N2/02
B60R5/04 Z
(21)【出願番号】P 2019023471
(22)【出願日】2019-02-13
【審査請求日】2021-11-05
(73)【特許権者】
【識別番号】591243217
【氏名又は名称】丸満産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】弁理士法人あいち国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100130188
【氏名又は名称】山本 喜一
(72)【発明者】
【氏名】原 聖二
【審査官】井出 和水
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-326466(JP,A)
【文献】特開2014-125142(JP,A)
【文献】国際公開第99/035006(WO,A1)
【文献】実開平02-092350(JP,U)
【文献】実開昭55-050829(JP,U)
【文献】米国特許第02884279(US,A)
【文献】欧州特許第01710124(EP,B1)
【文献】特開2000-255355(JP,A)
【文献】特開2007-161045(JP,A)
【文献】特開2007-015581(JP,A)
【文献】実開平04-081839(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 3/00
B60N 2/00 - B60N 2/90
B60R 5/00 - B60R 5/04
B60R 21/06 - B60R 21/08
A47H 1/00 - A47H 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の車室を、前方の乗員室と後方の荷室とに仕切る車室用間仕切カーテンであって、
前記乗員室に配置された座席のシートバックの後方位置に張設されるカーテン本体と、
前記カーテン本体の前記シートバックと対面する位置に配置され、前記シートバックの移動に追従して変位する仕切変位部と、
を備え
、
前記カーテン本体は、前記シートバックに対応する位置に開口部を備え、
前記仕切変位部は、
前記シートバックの移動に追従する移動面と、
前記移動面の外周縁及び前記開口部の内周縁を連結する伸縮部と、
を備えた車室用間仕切カーテン。
【請求項2】
前記伸縮部は、伸縮自在な蛇腹形状をなす請求項
1に記載の車室用間仕切カーテン。
【請求項3】
前記仕切変位部は、前記移動面を前記カーテン本体寄りの所定位置へ付勢する付勢手段を備え、
前記仕切変位部は、前記シートバックの後方移動時に後方へ押されることにより、前記付勢手段の付勢力に抗して、前記移動面が前記カーテン本体から後方へ張出すように変位し、
前記シートバックの前方移動時に、前記付勢力により前記移動面が前記所定位置に復帰することを特徴とする請求項
1又は
2に記載の車室用間仕切カーテン。
【請求項4】
前記付勢手段は、少なくとも、前記開口部の内周縁と前記移動面の外周縁との間で、前記伸縮部を収縮方向に付勢する帯状のゴム弾性体を備えた請求項
3に記載の車室用間仕切カーテン。
【請求項5】
前記ゴム弾性体は、前記カーテン本体の幅方向に延在し、前記移動面の背面に沿って配置すると共に、両端部を前記カーテン本体の背面に固着せしめた請求項
4に記載の車室用間仕切カーテン。
【請求項6】
前記仕切変位部は、前記シートバックの移動に対応して、前記移動面を鉛直姿勢で変位せしめる移動装置を備えた請求項
1乃至
5のいずれか1項に記載の車室用間仕切カーテン。
【請求項7】
前記移動面を、前記乗員室から後方が視認可能な透明な部材で構成した請求項
1乃至
6のいずれか1項に記載の車室用間仕切カーテン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の車室を、前方の乗員室と後方の荷室とに仕切る車室用間仕切カーテンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、乗員室と荷室とが車室内に形成された車両には、車室の天井から懸下して、乗員室と荷室とを仕切る車室用間仕切カーテンが装着されている。また特許文献1には、間仕切カーテンの懸下位置を変更することにより、車室の仕切り前後の容積が相互に拡大、縮小するようになし、座席のリクライニングに対応する構成が考案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のように、座席をリクライニングするために、間仕切カーテンの懸下位置を変更するのでは、いちいち作業が面倒である。そこで、本発明は、懸下位置を変更するといった作業手間がかからず、座席のリクライニングに容易に追従する車室用間仕切カーテンを提供することを目的になされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る車室用間仕切カーテンは、自動車の車室を、前方の乗員室と後方の荷室とに仕切るカーテンである。車室用間仕切カーテンは、乗員室に配置された座席のシートバックの後方位置に張設されるカーテン本体を有する。そして、間仕切カーテンには、カーテン本体のシートバックと対面する位置に配置され、シートバックの移動に追従して変位する仕切変位部を設ける。カーテン本体は、シートバックに対応する位置に開口部を備え、仕切変位部は、シートバックの移動に追従する移動面と、移動面の外周縁及び開口部の内周縁を連結する伸縮部とを備える。
【0006】
これによれば、座席のシートバックと対面するように設けた仕切変位部が、シートバックの移動に追従して変位するので、間仕切カーテン自体の懸下位置を変更するといった作業手間がかからずにすむ。従って、座席のリクライニングに容易に追従する車室の間仕切カーテンが提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の車室用間仕切カーテンを示すもので、鉛直線に沿う縦断面図である。
【
図2】本発明の車室用間仕切カーテンの水平線に沿う横断面図である。
【
図3】本発明の車室用間仕切カーテンの車室後方より見た後面図である。
【
図4】
図1に対応して、シートバックの移動に追従した本発明の車室用間仕切カーテンの縦断面図である。
【
図5】
図2に対応して、シートバックの移動に追従した本発明の車室用間仕切カーテンの横断面図である。
【
図6】本発明の他の車室用間仕切カーテンを示すもので、鉛直線に沿う縦断面図である。
【
図7】
図6に対応して、シートバックの移動に追従した本発明の他の車室用間仕切カーテンの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
〔1.第1実施例〕
〔1-1.間仕切カーテンの構成〕
図1乃至
図3を用いて本発明の間仕切カーテン1を説明する。間仕切カーテン1は、ワンボックス型自動車の車室6において、運転席および助手席を備えた車室前方の乗員室6Aと、その後方の荷室6Bとを前後方向に仕切る構成である。
図1に示すように、車室6は、車体側面のフロントドア開口D1とリヤドア開口D2との間の配置されたピラー60に対応する位置を境に乗員室6Aと荷室6Bとに区分される。
【0009】
乗員室6Aにおいて、乗員室フロア61は、荷室フロア62よりも一段高く形成されている。そして、
図1及び
図2に示すように、乗員室6Aには、乗員室フロア61の上面に、運転席および助手席の座席7,7がそれぞれ、車幅方向に並設されている。座席7はそれぞれ、乗員が着座可能のシートクッション71に、リクライニング装置72を介してシートバック73が連結され、シートバック73をリクライニング可能なシートである。
【0010】
図1乃至
図3に示すように、間仕切カーテン1は、車室6の天井63から荷室フロア62に至る車室高に応じた高さ寸法と、左右のピラー60,60間の車室幅に応じた幅寸法とを備え、車幅方向の車室空間とほぼ同形の外形を有する。
【0011】
そして、間仕切カーテン1は、上縁に設けられた複数の係止具11を、天井63に設置された複数の係止具64にそれぞれ係脱可能に係合せしめて、天井63から懸下される。更に、間仕切カーテン1は、左右の両側縁に設けられた複数の係止具11を、左右のピラー60に設置された複数の係止具64にそれぞれ係脱可能に係合せしめる。この様にして、間仕切カーテン1は、乗員室6Aの運転席及び助手席の両座席7,7の直後位置で、乗員室6Aと荷室6Bとを仕切るように装着される。尚、間仕切カーテン1の係止具11及び車体側の係止具64は、例えば、係脱可能に雄雌結合する一対の面ファスナや、一対のスナップボタン(ホック)等が用いられる。
【0012】
間仕切カーテン1は、カーテン本体2と、座席7のシートバック73のリクライニングに応じて後方へ張出可能な仕切変位部3とで構成されている。カーテン本体2は、高強度の化学繊維で編まれ、樹脂コートされた帆布等からなる。カーテン本体2には、運転席及び助手席の両座席7,7のシートバック73,73に対応する位置に、車幅方向に長径な矩形をなす開口部21が形成されている。そして開口部21には、これを後方から塞ぐように仕切変位部3が配置されている。
【0013】
仕切変位部3は、座席7のシートバック73の背面と対面するように設けられた移動面31と、カーテン本体2に対して移動面31を後方へ移動可能に支持する伸縮自在の伸縮部32とからなる。移動面31は、カーテン本体2の開口部21に対応する矩形をなし、横幅が左右の座席7,7のシートバック73,73の外側端縁間の寸法よりも広幅に設けられ、縦寸法がシートバック73の縦寸法の約3分の2程度に設けられている。また、移動面31は、透明な塩化ビニル等のシートが用いられ、乗員の後方視野を確保する透視窓をなす。
【0014】
伸縮部32は、蛇腹状に形付けられた塩化ビニル等のシートが用いられ、移動面31の外形状に対応する角型の筒状をなす。伸縮部32は、筒状の前周縁がカーテン本体2の開口部21の内周縁に接着され、後周縁が移動面31の外周縁に接着され、蛇腹の伸縮により移動面31を移動可能としている。移動範囲は、後方へ500mm程度に設定することが望ましい。
【0015】
また、間仕切カーテン1は、仕切変位部3を、その伸縮部32が最も収縮した所定位置に付勢する付勢部材4,4を備える。付勢部材4は、間仕切カーテン1の幅方向に延びる帯状のゴム弾性体で、仕切変位部3の上半部側と下半部側とをそれぞれ付勢するように上下2箇所に設けられている。付勢部材4はそれぞれ、仕切変位部3の移動面31の背面に沿ってカーテン幅方向に延設され、両端がカーテン本体2の開口部21の内周縁の側縁寄りの位置に接着され、仕切変位部3をその背面側からカーテン本体2寄りの所定位置に付勢する。
【0016】
〔1-2.仕切変位部の作用〕
間仕切カーテン1は、
図4、
図5に示すように、座席7のシートバック73を後傾姿勢にリクライニングしようとすると、シートバック73が仕切変位部3の移動面31に当接し、これを後方へ押圧することになる。シートバック73の押圧により、仕切変位部3は、伸縮部32が伸長しつつ、移動面31が付勢部材4の付勢力に抗して後方へ移動し、シートバック73の移動に追従して後方へ張り出すことになり、シートバック73のリクライニングを許容する。尚、仕切変位部3の張り出しは、シートバック73のリクライニングに合わせ、仕切変位部3の下部側よりも上部側が大きく張出すことになる。
【0017】
間仕切カーテン1は、
図5に示すように、仕切変位部3の横幅が運転席および助手席の両座席7,7を網羅する寸法としているので、両座席7,7のリクライニングに応じて後方へ張り出し、両座席7,7のリクライニングを許容する。勿論、
図5の仮想線で示すように、運転席または助手席の何れか一方の座席7のリクライニングにも追従する。
【0018】
その後、間仕切カーテン1は、座席7のリクライニングを解除してシートバック73を起立姿勢に戻すことにより、仕切変位部3を付勢部材4の付勢力によりカーテン本体2側の所定位置に戻すことができる。
【0019】
また、間仕切カーテン1は、座席7のリクライニングに限らず、座席7の後方へのスライド移動に伴うシートバック73の移動に追従して仕切変位部3が後方へ張り出し、座席7の移動を許容することができる。
【0020】
〔1-3.第1実施例の効果〕
本実施例の間仕切カーテンは、以下の構成を有する。即ち、自動車の車室6を、前方の乗員室6Aと後方の荷室6Bとに仕切る車室用間仕切カーテンである。乗員室6Aに配置された座席7のシートバック73の後方位置に張設されるカーテン本体2を備える。そして、カーテン本体2のシートバック73と対面する位置に配置され、シートバック73の移動に追従して変位する仕切変位部3を備えた構成である。
【0021】
また間仕切カーテン1は、カーテン本体2のシートバック73に対応する位置に開口部21を備える。そして、仕切変位部3は、シートバック73の移動に追従する移動面31と、移動面31の外周縁及び開口部21の内周縁を連結する伸縮部32と、を備える。そして、伸縮部32は、伸縮自在な蛇腹形状をなす。
【0022】
更に間仕切カーテン1は、仕切変位部3の移動面31をカーテン本体2寄りの所定位置へ付勢する付勢手段4を備える。そして、仕切変位部31は、シートバック73の後方移動時に後方へ押されることにより、付勢手段4の付勢力に抗して、移動面31がカーテン本体2から後方へ張出すように変位する。シートバック73の前方移動時は、付勢力により移動面31が所定位置に復帰する。
【0023】
更に間仕切カーテン1は、付勢手段4として、少なくとも開口部21の内周縁と移動面31の外周縁との間で、伸縮部32を収縮方向に付勢する帯状のゴム弾性体4を備える。そして、ゴム弾性体4は、カーテン本体2の幅方向に延在し、移動面31の背面に沿って配置すると共に、両端部をカーテン本体2の背面に固着せしめる。
【0024】
更に間仕切カーテン1は、移動面31を、乗員室6Aから後方が視認可能な透明な部材で構成した。
【0025】
本実施例の間仕切カーテン1によれば、座席7のシートバック73と対面するように設けた仕切変位部3が、シートバック73の移動に追従して変位するので、間仕切カーテン1自体の懸下位置を変更するといった作業手間がかからずにすむ。従って、座席7のリクライニングに容易に追従する車室の間仕切カーテンが提供できる。
【0026】
また、間仕切カーテン1の仕切変位部3は、伸縮部32の伸縮作用により移動面31をシートバック73の移動に追従して容易に変位させることができる。その上、伸縮部32は、蛇腹状に形成することで好適に伸縮させることができる。
また、仕切変位部3は、付勢部材4により、シートバック73の後方移動時には移動面31を必要以上に変位させずに済む上、シートバック73の前方移動時には移動面31を所定位置に戻すことができ、見栄えが良好である。
更にまた、移動面31は、乗員室6Aから後方が視認可能な透明な部材で構成したことにより乗員の後方視認性を向上できる。
【0027】
間仕切カーテン1は、幅方向に帯状に延在する付勢部材4を備えているので、フック状の吊り具を有する袋状のポケットを付勢部材4に吊るすことができ、容易にポケットを設けることができる。
【0028】
尚、第1実施例では、付勢部材4は、仕切変位部3の幅全体を網羅して、移動面31全体を所定位置へ付勢するが、これに限るものではない。例えば、カーテン本体2の開口部21の一つの内縁と、これと対向する移動面31の一つの外縁とを、伸縮部32を跨ぐように短冊状のゴム弾性体からなる付勢部材で連結するようにしてもよい。この場合、仕切変位部3の四方の複数個所において、開口部21の内縁と移動面31の外縁とを連結することが望ましい。
【0029】
〔2.第2実施例〕
〔2-1.間仕切カーテンの構成〕
次に
図6、
図7を用いて、本発明の第2実施例について説明する。
第1実施例の間仕切カーテン1では、座席7のリクライニング又は後方へのスライド移動時に、仕切変位部3がシートバック73の後傾姿勢に沿って後方へ歪に張り出すこととなり、見栄えが良いとはいえない。そこで、第2実施例は、座席7のリクライニング又は後方へのスライド移動に応じて、仕切変位部3の移動面31を鉛直姿勢のまま後方へ張り出すようになし、見栄えを向上するものである。尚、本実施例の基本構成は第1実施例のそれと同一であり、相違点を中心に説明する。また、図において、同一部材は同一符号で示す。
【0030】
図6、
図7に示すように、本実施例の間仕切カーテン1Aは、仕切変位部3Aの左右両側に設けた移動装置5により移動面31を鉛直姿勢のままで移動可能となす。例えば、左右の移動装置5は、同一の構成で、縦方向に延びるレール状のベース部材51に、X字形に組み付けた2本のアーム部材52a,52bを介して縦方向に延びるレール状の移動部材53を移動可能に支持せしめた構成である。
【0031】
移動装置5において、ベース部材51は、カーテン本体2の開口部21の開口縁の側縁に沿って固着されている。2本のアーム部材52a,52bは、アーム中央が回転軸により揺動可能に連結されている。そして、一方のアーム部材52aは、その上端がベース部材51の上端部に、スライダ54aを介して連結され、ベース部材51に沿って移動可能に設けられている。アーム部材52aの下端は、移動部材53の下端部に、スライダ54bを介して連結され、移動部材53に沿って移動可能に設けられている。
【0032】
他方のアーム部材52bは、その下端がベース部材51の下端部に、スライダ54cを介して連結され、ベース部材51に沿って移動可能に設けられている。アーム部材52bの上端は、移動部材53の上端部に、スライダ54dを介して連結され、移動部材53に沿って移動可能に設けられている。そして、移動部材53は、移動面31の外周縁の側縁に沿って固着されている。更に、移動装置5は、アーム部材52a,52bの回転軸にコイルバネ等を組み付け、常時、移動部材53をベース部材51側へ移動させるように付勢することが望ましい。
【0033】
〔2-2.仕切変位部の作用〕
この様に、移動装置5を有する間仕切カーテン1Aは、座席7のシートバック73を後傾姿勢にリクライニングしようとすると、シートバック73が仕切変位部3Aの移動面31に当接し、移動面31の上部を後方へ押圧することになる。この場合、仕切変位部3Aは、シートバック73により移動面31の上部が後方へ押されても、移動装置5の作用により移動面31がほぼ鉛直姿勢を保ったまま後方へ移動する。即ち、移動面31の上部が後方へ変位すると、これに追従してアーム部材52bが後方へ傾動し、後傾姿勢をなす。これにより、アーム部材52b中央の回転軸が後方へ変位するので、回転軸で連結されたアーム部材52aは前傾することになる。これらアーム部材52a,52bの前傾及び後傾作動により、仕切変位部3Aの上部と下部とが均等に張り出すことになる。
【0034】
その後、間仕切カーテン1Aは、座席7のリクライニングを解除してシートバック73を起立姿勢に戻すことにより、移動面31が移動装置5の付勢によりほぼ鉛直姿勢を保ったまま前方へ移動し、仕切変位部3Aをカーテン本体2側の所定位置に戻すことができる。
【0035】
〔2-3.第2実施例の効果〕
この様に本実施例の間仕切カーテンは、第1実施例と同様の基本構成と、仕切変位部3Aにおいて、シートバック73の移動に対応して、移動面31を鉛直姿勢で変位せしめる移動装置5を備えている。
【0036】
本実施例の間仕切カーテン1Aによれば、第1実施例と同様の作用効果が得られる上、移動装置5により移動面31を鉛直姿勢で移動させることにより、より見栄えを向上できる。更に、座席7に着座した乗員の周囲の空間を好適に確保することができる。
【0037】
尚、本発明は前記の第1実施例、第2実施例のいずれにも限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまに実施できることは勿論である。例えば、仕切変位部の伸縮部は、蛇腹状の構成に限らず、伸縮性を有するゴム等の素材を用い、カーテン本体の開口部の内周縁と仕切変位部の移動面の外周縁とを連結するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0038】
1,1A:間仕切カーテン、2:カーテン本体、21:開口部、3,3A:仕切変位部、31:移動面、32:伸縮部、4:付勢部材(付勢手段、ゴム弾性体)、5:移動装置、6:車室、6A:乗員室、6B:荷室、60:ピラー(側面内装)、63:天井、7:座席、73:シートバック