(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-15
(45)【発行日】2023-02-24
(54)【発明の名称】栄養調合物の調製のためのデバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61J 15/00 20060101AFI20230216BHJP
【FI】
A61J15/00 Z
A61J15/00 A
(21)【出願番号】P 2020513597
(86)(22)【出願日】2018-09-07
(86)【国際出願番号】 US2018049843
(87)【国際公開番号】W WO2019051156
(87)【国際公開日】2019-03-14
【審査請求日】2021-08-31
(32)【優先日】2018-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】514206363
【氏名又は名称】アルクレスタ セラピューティクス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ファースト, エリック
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン, デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ストーン, アルバート アーチー
【審査官】山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/066372(WO,A1)
【文献】特表2015-513532(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスであって、
入口と、
複数の区分を含むチャンバと、
前記チャンバ内に含有されている、固定化されたリパーゼと、
前記チャンバ内に含有されている、固定化されたプロテアーゼと、
前記チャンバ内に含有されている、固定化されたアミラーゼと、
出口であって、流路が、前記入口から、前記チャンバを通って、前記出口まで延在する、出口と
を備え
、前記リパーゼ、前記プロテアーゼ、および前記アミラーゼのうちの少なくとも2つは、前記複数の区分のうちの別個の区分内に含有されている、デバイス。
【請求項2】
フィルタをさらに備え、
前記リパーゼ、プロテアーゼ、およびアミラーゼは、前記チャンバの壁および前記チャンバ内に含有されている粒子のうちの少なくとも1つに固定され、
前記フィルタは、前記粒子が前記チャンバから退出することを防止する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記
複数の区分は、第1の区分と、第2の区分と、第3の区分とを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記リパーゼは、前記第1の区分内に含有され、前記プロテアーゼは、前記第2の区分内に含有され、前記アミラーゼは、前記第3の区分内に含有されている、請求項
3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記
複数の区分は、第1の区分と、第2の区分とを含む、請求項
1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記第1の区分は、前記アミラーゼ、前記プロテアーゼ、または前記リパーゼのうちの少なくとも2つを含有する、請求項
5に記載のデバイス。
【請求項7】
補助剤をさらに含み、前記
複数の区分は、第1の区分と、第2の区分とを含み、前記第1の区分は、前記補助剤を含有し、前記補助剤は、ビタミン、ミネラル、栄養素、薬品、プロバイオティクス、またはプレバイオティクスのうちの少なくとも1つを含む、請求項
1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記チャンバ、または、前記
複数区分のうちの少なくとも1つは、前記デバイスに除去可能に結合される、請求項
1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記入口に接続される第1のコネクタと、前記出口に接続される第2のコネクタとをさらに備え、前記第1のコネクタおよび前記第2のコネクタは、供給管に接続するようなサイズにされる、請求項
1に記載のデバイス。
【請求項10】
デバイスであって、
入口と、
複数の区分を含むチャンバと、
前記チャンバ内に含有されている、リパーゼと、
前記チャンバ内に含有されている、プロテアーゼと、
前記チャンバ内に含有されている、アミラーゼと、
出口であって、前記デバイスを通って流れる栄養調合物が、前記リパーゼ、前記プロテアーゼ、および前記アミラーゼに暴露されるように、流路が、前記入口から、前記チャンバを通って、前記出口まで延在する、出口と
を備え、
前記リパーゼ、前記プロテアーゼ、および前記アミラーゼのうちの少なくとも2つは、前記複数の区分のうちの別個の区分内に含有されており、前記リパーゼ、前記プロテアーゼ、および前記アミラーゼの各々は、前記チャンバ内で固体構造物に固定化される、デバイス。
【請求項11】
フィルタをさらに備え、
前記リパーゼ、プロテアーゼ、およびアミラーゼは、前記チャンバの壁および前記チャンバ内に含有されている粒子のうちの少なくとも1つに固定され、
前記フィルタは、前記粒子が前記チャンバから退出することを防止する、請求項
10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記固体構造物は、前記チャンバ内に含有されている、複数の粒子を含む、請求項
10および
11のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項13】
ビタミン、ミネラル、栄養素、薬品、プロバイオティクス、またはプレバイオティクスのうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項
10および
11のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項14】
前記リパーゼ、前記プロテアーゼ、および前記アミラーゼはそれぞれ、前記
複数区分の別個の区分内に含有されている、請求項
10に記載のデバイス。
【請求項15】
前記チャンバ、または、前記
複数の区分の1つまたはそれを上回る区分
は、前記デバイスに除去可能に結合される、請求項
10に記載のデバイス。
【請求項16】
前記入口に接続される第1のコネクタと、前記出口に接続される第2のコネクタとをさらに備え、前記第1のコネクタおよび前記第2のコネクタは、供給管に接続するようなサイズにされる、請求項
10および
11のいずれか一項に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、そのそれぞれの全体が、参照することによって本明細書に組み込まれる、2017年9月11日に出願された米国仮出願第62/556,700号および2018年3月15日に出願された米国仮出願第62/643,394号の優先権の利益を主張する、2018年9月6日に出願された仮出願でない米国第16/123,712号の優先権の利益を主張する。
【0002】
開示の分野
本開示の実施形態は、栄養調合物を調製および/または補給するためのデバイスならびに方法を対象とし、より具体的には、栄養調合物をリパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼに暴露させ、栄養調合物を対象に投与することに先立って、それぞれ、脂肪、タンパク質、および/または炭水化物を加水分解するためのデバイスならびに方法を対象とする。
【背景技術】
【0003】
背景
長鎖脂肪酸は、ヒトの健康および発育にとって重要である。多くの長鎖脂肪酸は、その中で3個の長鎖脂肪酸が、エステル結合を介して、グリセロール分子に結合される、トリグリセリドとして消費される。身体による長鎖トリグリセリド(LCT)の吸収は、最初に、リパーゼ(例えば、膵リパーゼ)および胆汁酸塩の酵素作用を要求し、これは、トリグリセリドを加水分解を通して消化し、モノグリセリドと、2個の遊離脂肪酸とに分解する。グリセロール、トリ、ジ、およびモノグリセリド、ならびに遊離脂肪酸の混合物から成る、消化産物は、食物の他の脂溶性内容物(例えば、脂溶性ビタミンおよびコレステロール)および胆汁酸塩とともに、混合ミセルを水状十二指腸内容物中に形成する。いったん分解されると、モノグリセリドおよび遊離脂肪酸は、腸細胞、すなわち、小腸を覆う上皮細胞によって、例えば、空腸の領域内に吸収され得る。これらのミセルの内容物(胆汁酸塩以外)は、腸細胞に進入し、そこで、それらは、トリグリセリドに再合成され、カイロミクロンの中に包填され、これは、乳糜管(腸のリンパ系の毛細管)の中に放出される。中鎖トリグリセリド(MCT)は、直接、血流の中に吸収される。
【0004】
タンパク質の分解は、ヒト消化系の基本部分である。プロテアーゼは、タンパク質またはペプチド内の1個またはそれを上回るペプチド結合を加水分解することによって、タンパク質を分解する、酵素である。ヒト消化管は、ペプシン、トリプシン、およびキモトリプシン等のいくつかのプロテアーゼを産生する。人体の胃では、不活性酵素ペプシノゲンが、産生され、それが胃の酸性環境に接触すると、反応して、ペプシンを作る。ペプシンは、タンパク質から分離し、より小さいペプチドを産生し、タンパク質消化を開始する。膵臓は、膵管を通して、小腸の中に放出されるプロテアーゼ酵素である、トリプシンおよびキモトリプシンを作り出す。部分的に消化された食品が、胃から腸の中に移動すると、トリプシンおよびキモトリプシンは、タンパク質消化を完了し、血流の中に吸収される、単純アミノ酸を産生する。プロテアーゼ酵素を通したタンパク質の分解は、適切に機能する消化系にとって不可欠である。
【0005】
食品中の炭水化物は、人体にとって、重要かつ即時エネルギー源である。炭水化物は、将来的使用のために、グリコーゲンとして体内に貯蔵され得る。炭水化物が、血流の中に吸収される前に、適切に分解されないとき、有害な健康結果が、生じ得る。アミラーゼ酵素は、糖および澱粉等の炭水化物を分解する、酵素である。アミラーゼ酵素は、唾液中に見出され、対象が食品を咀嚼し始めるとすぐに、アミラーゼ酵素が、口によって分泌される。膵臓はまた、小腸の十二指腸の中に放出される、アミラーゼ酵素を産生する。アミラーゼ酵素は、多糖類をより小さい二糖類単位に消化し、最終的に、それらをグルコース等の単糖類に変換し、炭水化物の消化を完了する。
【0006】
膵外分泌機能は、未熟児では、出生時、完全に発達していない場合があり、したがって、未熟児は、それぞれ、トリグリセリド、タンパク質、および炭水化物を分解するために必要である、十分な量の酵素リパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼを欠いている場合がある。母親の母乳は、体内消化酵素を提供し、乳児が、トリグリセリド、タンパク質、および炭水化物を消化することに役立つ。例えば、出生時、母親は、母乳を通して乳児に提供される、カルボキシエステルリパーゼまたは胆汁酸塩依存リパーゼとしても知られる、胆汁酸塩刺激リパーゼ(BSSL)と呼ばれる、「体内リパーゼ」を提供する。これは、部分的に、不良な内因性産生を補償し得るが、BSSL産生は、例えば、早産の場合、適切な脂肪吸収を支援するために不十分であり得る。加えて、母親の母乳中の脂肪の大部分は、MCTである、パルミチン酸(n-16)の形態であって、したがって、母親の母乳は、十分なLCT、例えば、膜構造、機能、およびニューロン、網膜、ならびに他の組織発達において重要である、ドコサヘキサエン酸(DHA、22:6n-3)およびアラキドン酸(ARA20:4n-6)を含有するものを欠いている場合がある。ドナーミルクでは、低温殺菌プロセスの間、存在していたリパーゼは、高熱への暴露によって不活性化され得、したがって、LCT脂肪は、容易に分解されない。その結果、乳児は、これらのより大きいLCTを吸収することができず、腸粘膜を炎症させ、局在化炎症を引き起こすことに起因して、摂食不耐性に悩まされ得る。
【0007】
ヒト母乳は、超低体重乳児の高い1日あたりの栄養素要件を満たさないかも知れず、および/または未熟もしくは欠陥のあるGI系が処理不可能であり得る形態の栄養素を含有し得る。例えば、栄養素摂取量を最適化するように設計される、ヒト母乳の標準的栄養強化は、多くの場合、タンパク質、脂肪、および炭水化物に関して栄養素要件が不足している。本問題は、多くの場合、産後1ヶ月を超える正期産児の母親によって寄付され、早産の母親の母乳より低いタンパク質および脂肪内容物を有する可能性がある、ドナーミルクの使用では、さらに悪化し得る。
【0008】
ヒト母乳の脂肪およびタンパク質内容物は、極度に可変であって、タンパク質は、授乳期間に伴って減少する。近年、栄養強化されたヒト母乳(母親の母乳またはドナーミルク)で授乳された早産児は、想定よりも少ないタンパク質を受容し、標準的ヒト母乳栄養強化を用いても、短期間のうちによりゆっくりと成長を続けることが明らかになっている。最適成長について、いくつかの不確実性が存在するが、出生後成長障害は、標準的方式におけるヒト母乳栄養強化を用いて解決されていない。したがって、他の改善の中でもとりわけ、改善された認知神経科学的転帰と関連付けられる、短期乳児成長をより良好に達成するために、ヒト母乳の改善された栄養強化の必要性が存在する。LCT、タンパク質、および炭水化物をより効率的に処理ならびに吸収する能力は、より良好な全体的栄養素吸収、したがって、成長につながり得る。
【0009】
少なくとも上記の理由から、現在の乳児用栄養調合物(母親の母乳、ドナーミルク、乳児用調合物、および/または栄養強化剤を含む)は、未熟児のための十分な栄養素密度を欠いている場合があり、および/または乳児は、栄養調合物中に提供される栄養素を吸収することが不可能であり得る。故に、栄養調合物中の栄養素の生物学的利用能を増加させ、および/または未熟児のための栄養調合物中の栄養素密度を増加させるための方法およびデバイスが、必要とされる。さらに、種々の吸収不良障害を患っている患者は、加水分解を通して、タンパク質、炭水化物、および/または脂肪、LCT、ならびに他の形態の脂肪を適正に消化することが不可能であって、健康を維持するために要求される、タンパク質、炭水化物、および/または脂肪酸の吸収を阻止し得る。例示的障害として、限定ではないが、以下、すなわち、膵液分泌低下、急性および慢性膵炎、膵臓癌、膵不全、嚢胞性線維症、脳性麻痺、クローン病、過敏性腸症候群、慢性的に異常な上皮細胞、アミロイド症、セリアック病、虚血、放射線性腸炎、熱帯性下痢、ホイップル病、不適当な胃内容物混合、高速胃排出、または両方、Billroth II胃切除術、胃結腸瘻、胃腸吻合、不十分な消化剤、胆管閉塞および胆汁鬱滞、肝硬変、慢性膵炎、コレスチラミン誘発胆汁酸損失、嚢胞性線維症、ラクターゼ欠損症、膵臓癌、膵臓切除術、スクラーゼ・イソマルターゼ欠損症、異常環境、糖尿病後の異常運動性、皮膚硬化症、甲状腺機能低下症、または甲状腺機能亢進症、盲係蹄症候群(胆汁酸塩の脱共役)に起因した細菌過剰繁殖、小腸内の憩室、ゾリンジャー・エリソン症候群(低十二指腸pH)、急性異常上皮細胞、急性腸感染症、アルコール、ネオマイシン、輸送能の障害、無βリポタンパク血症、アジソン病、リンパ腫または結核に起因した乳糜管塞栓、内因子欠乏症(悪性貧血におけるように)、リンパ管拡張症、肥満のための空腸回腸バイパス術、短腸症候群、または他の病態が挙げられる。他の患者も、付加的食事による補給を必要または所望し得る。さらなる改善が、これらおよび他の公知の問題に対処するために要求される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
要旨
本開示の例示的実施形態は、入口と、チャンバとを有する、デバイスを対象とし得る。固定化リパーゼ、固定化プロテアーゼ、および固定化アミラーゼが、チャンバ内に含有され得る。本デバイスはまた、出口を含んでもよく、流路が、入口から、チャンバを通して、出口まで延在する。
【0011】
本デバイスの種々の実施形態は、以下の特徴のうちの1つまたはそれを上回るものを含んでもよい。チャンバは、1つまたはそれを上回る区分を含んでもよい。リパーゼ、プロテアーゼ、およびアミラーゼは、チャンバの1つの区分内に含有されてもよい。チャンバは、第1の区分と、第2の区分と、第3の区分とを含んでもよい。リパーゼは、第1の区分内に含有されてもよく、プロテアーゼは、第2の区分内に含有されてもよく、アミラーゼは、第3の区分内に含有されてもよい。チャンバは、第1の区分と、第2の区分とを含んでもよく、第1の区分は、アミラーゼ、プロテアーゼ、またはリパーゼのうちの少なくとも2つを含有してもよい。本デバイスはさらに、補助剤(サプリメント)を含んでもよく、チャンバは、第1の区分と、第2の区分とを含み、第1の区分は、補助剤を含有する、補助剤は、ビタミン、ミネラル、栄養素、または薬品のうちの少なくとも1つを含んでもよい。チャンバもしくは1つまたはそれを上回る区分のうちの少なくとも1つは、デバイスに除去可能に結合されてもよい。本デバイスはさらに、入口に流体により接続される、第1のコネクタと、出口に流体により接続される、第2のコネクタとを含んでもよく、第1のコネクタおよび第2のコネクタは、供給管に接続するようなサイズにされる。リパーゼ、プロテアーゼ、またはアミラーゼのうちの少なくとも1つは、チャンバ内に含有される複数の粒子に固定化されてもよい。
【0012】
他の例示的実施形態では、本デバイスは、入口と、チャンバとを含んでもよい。リパーゼ、プロテアーゼ、およびアミラーゼが、チャンバ内に含有され得る。本デバイスはまた、出口を含んでもよく、デバイスを通って流れる栄養調合物が、リパーゼ、プロテアーゼ、およびアミラーゼに暴露されるように、流路が、入口から、チャンバを通して、出口まで延在する。リパーゼ、プロテアーゼ、およびアミラーゼのうちの少なくとも1つは、チャンバ内で固体構造物に固定化されてもよい。
【0013】
本デバイスの種々の実施形態は、以下の特徴のうちの1つまたはそれを上回るものを含んでもよい。固体構造物は、チャンバ内に含有される、複数の粒子を含んでもよく、本デバイスはさらに、ビタミン、ミネラル、栄養素、または薬品のうちの少なくとも1つを含んでもよい。チャンバは、1つまたはそれを上回る区分を含んでもよく、リパーゼ、プロテアーゼ、およびアミラーゼは、1つまたはそれを上回る区分内に含有されてもよい。リパーゼ、プロテアーゼ、およびアミラーゼはそれぞれ、1つまたはそれを上回る区分の別個の区分内に含有されてもよい。チャンバもしくは1つまたはそれを上回る区分のうちの少なくとも1つは、デバイスに除去可能に結合されてもよい。リパーゼ、プロテアーゼ、およびアミラーゼはそれぞれ、チャンバ内で1つまたはそれを上回る固体構造物に固定化されてもよい。本デバイスはさらに、入口に流体により接続される、第1のコネクタと、出口に流体により接続される、第2のコネクタとを含んでもよく、第1のコネクタおよび第2のコネクタは、供給管に接続するようなサイズにされる。
【0014】
前述の一般的説明および以下の発明を実施するための形態は両方とも、例示的かつ説明的にすぎず、請求されるような特徴の制限ではない。本明細書で使用されるように、用語「comprises(~を備える)」、「comprising(~を備える)」、「includes(~を含む)」、または他のその変形例は、要素のリストを備える、プロセス、方法、物品、または装置が、それらの要素のみを含むだけではなく、明示的に列挙されない、もしくはそのようなプロセス、方法、物品、または装置に固有の他の要素を含み得るように、非排他的含有を網羅するように意図される。加えて、用語「例示的」は、本明細書では、「理想的」ではなく、「実施例」の意味において使用される。さらに、用語「第1」、「第2」、「第3」等は、本明細書では、順序を示すのではなく、特徴を相互から区別する目的のために使用される。例えば、第1の区分は、必ずしも、第2の区分の前に生じるわけではなく、むしろ、第1の区分および第2の区分が2つの異なる特徴であることを意味するために使用される。本明細書で開示または請求される全ての数値(全ての開示される値、限界、および範囲を含む)は、開示される数値から+/-10%の変動を有し得る(異なる変動が規定されない限り)ことに留意されたい。さらに、請求項では、値、限界、および/または範囲は、+/-10%の値、限界、および/または範囲を意味する。さらに、いくつかの実施形態が、乳児のための使用の観点から議論されるが、本明細書に説明される方法およびデバイスは、高齢者、成人、子供、ならびに乳児を含む、全ての年齢の対象のため、ならびに早産に限定されない任意の欠乏症、疾患、または使用のために使用されてもよいことが検討される。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
デバイスであって、
入口と、
チャンバと、
前記チャンバ内に含有される、固定化リパーゼと、
前記チャンバ内に含有される、固定化プロテアーゼと、
前記チャンバ内に含有される、固定化アミラーゼと、
出口であって、流路が、前記入口から、前記チャンバを通して、前記出口まで延在する、出口と、
を備える、デバイス。
(項目2)
前記チャンバは、1つまたはそれを上回る区分を含む、項目1に記載のデバイス。
(項目3)
前記リパーゼ、前記プロテアーゼ、および前記アミラーゼは、前記チャンバの1つの区分内に含有される、項目2に記載のデバイス。
(項目4)
前記チャンバは、第1の区分と、第2の区分と、第3の区分とを含む、項目2に記載のデバイス。
(項目5)
前記リパーゼは、前記第1の区分内に含有され、前記プロテアーゼは、前記第2の区分内に含有され、前記アミラーゼは、前記第3の区分内に含有される、項目4に記載のデバイス。
(項目6)
前記チャンバは、第1の区分と、第2の区分とを含む、項目2に記載のデバイス。
(項目7)
前記第1の区分は、前記アミラーゼ、前記プロテアーゼ、または前記リパーゼのうちの少なくとも2つを含有する、項目6に記載のデバイス。
(項目8)
補助剤をさらに含み、前記チャンバは、第1の区分と、第2の区分とを含み、前記第1の区分は、前記補助剤を含有する、項目2に記載のデバイス。
(項目9)
前記補助剤は、ビタミン、ミネラル、栄養素、薬品、プロバイオティクス、またはプレバイオティクスのうちの少なくとも1つを含む、項目8に記載のデバイス。
(項目10)
前記チャンバもしくは前記1つまたはそれを上回る区分のうちの少なくとも1つは、前記デバイスに除去可能に結合される、項目2に記載のデバイス。
(項目11)
前記入口に流体により接続される、第1のコネクタと、前記出口に流体により接続される、第2のコネクタとをさらに備え、前記第1のコネクタおよび前記第2のコネクタは、供給管に接続するようなサイズにされる、項目1に記載のデバイス。
(項目12)
前記リパーゼ、前記プロテアーゼ、または前記アミラーゼのうちの少なくとも1つは、前記チャンバ内に含有される複数の粒子に固定化される、項目1に記載のデバイス。
(項目13)
デバイスであって、
入口と、
チャンバと、
前記チャンバ内に含有される、リパーゼと、
前記チャンバ内に含有される、プロテアーゼと、
前記チャンバ内に含有される、アミラーゼと、
出口であって、前記デバイスを通って流れる栄養調合物が、前記リパーゼ、前記プロテアーゼ、および前記アミラーゼに暴露されるように、流路が、前記入口から、前記チャンバを通して、前記出口まで延在する、出口と、
を備え、前記リパーゼ、前記プロテアーゼ、および前記アミラーゼのうちの少なくとも1つは、前記チャンバ内で固体構造物に固定化される、デバイス。
(項目14)
前記固体構造物は、前記チャンバ内に含有される、複数の粒子を含む、項目13に記載のデバイス。
(項目15)
ビタミン、ミネラル、栄養素、薬品、プロバイオティクス、またはプレバイオティクスのうちの少なくとも1つをさらに含む、項目13に記載のデバイス。
(項目16)
前記チャンバは、1つまたはそれを上回る区分を含み、前記リパーゼ、前記プロテアーゼ、および前記アミラーゼは、前記1つまたはそれを上回る区分内に含有される、項目13に記載のデバイス。
(項目17)
前記リパーゼ、前記プロテアーゼ、および前記アミラーゼはそれぞれ、前記1つまたはそれを上回る区分の別個の区分内に含有される、項目16に記載のデバイス。
(項目18)
前記チャンバもしくは前記1つまたはそれを上回る区分のうちの少なくとも1つは、前記デバイスに除去可能に結合される、項目16に記載のデバイス。
(項目19)
前記リパーゼ、前記プロテアーゼ、および前記アミラーゼはそれぞれ、前記チャンバ内で1つまたはそれを上回る固体構造物に固定化される、項目13に記載のデバイス。
(項目20)
前記入口に流体により接続される、第1のコネクタと、前記出口に流体により接続される、第2のコネクタとをさらに備え、前記第1のコネクタおよび前記第2のコネクタは、供給管に接続するようなサイズにされる、項目13に記載のデバイス。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本明細書内に組み込まれ、その一部を構成する、付随の図面は、開示される実施形態を例証し、説明とともに、開示される実施形態の原理を説明する役割を果たす。多くの側面および実施形態が、本明細書に説明される。当業者は、特定の側面または実施形態の特徴が、本開示に説明される他の側面または実施形態のいずれかまたは全ての特徴と併用されてもよいことを容易に認識し得る。
【0016】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態による、例示的供給システムを図示する。
【0017】
【
図2A】
図2Aは、本開示の実施形態による、栄養調合物を処理するための例示的デバイスを図示する。
【0018】
【
図2B】
図2Bは、本開示の実施形態による、栄養調合物を処理するための例示的デバイスを図示する。
【0019】
【
図2C】
図2Cは、本開示の実施形態による、栄養調合物を処理するための例示的デバイスを図示する。
【0020】
【
図3】
図3は、本開示の実施形態による、デバイスを使用する例示的方法を描写する、フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
詳細な説明
ここで、下記に説明され、付随の図面に図示される、本開示の例示的実施形態が、詳細に参照される。可能である場合は常に、同一参照番号が、同一または同様の部分を指すために図面全体を通して使用される。
【0022】
実施形態の付加的目的および利点は、続く説明において部分的に記載される説明から部分的に明白となるか、または実施形態の実践によって習得され得る。前述の一般的説明および以下の発明を実施するための形態は両方とも、例示的かつ説明的にすぎず、請求項の制限ではないことを理解されたい。
【0023】
本開示の側面は、栄養調合物に補給するためのデバイス、特に、脂質、タンパク質、および/または炭水化物を加水分解するためのデバイスを参照して説明される。本開示の実施形態は、概して、ヒト母乳(例えば、低温殺菌済または未低温殺菌のいずれかの母親の母乳もしくはドナーミルク)を参照して説明され得るが、本開示の実施形態は、任意の栄養調合物または飲料に補給(例えば、加水分解された脂質、タンパク質、および/または炭水化物、またはビタミン、ミネラル、ならびに/もしくは栄養素を伴う)するために使用されてもよいことを理解されたい。例えば、本開示の実施形態は、任意の好適な経腸、乳児用、または経口調合物と併用されてもよい。
【0024】
本明細書で使用されるように、用語「栄養調合物」は、例えば、タンパク質、炭水化物、脂肪、水分、ミネラル、および/またはビタミンを含有する、複合混合物を含んでもよい。これは、特別に調合および処理される、液体食品、経口摂取または管による供給を用いたあるヒトへの部分的もしくは排他的供給のために使用される、液体、療法上または医療上の必要があるため、通常の食品もしくはある栄養素を摂取、消化、吸収、または代謝するための限定された、もしくは損なわれた容量を有する、ヒトの食事管理のために使用される、液体、医療上判定された栄養素要件を満たす、液体、ならびに通常の食事のみの食事管理および修正を介して対象に提供されることができない栄養素を対象に送達するように設計される、液体を含み得る。いくつかの実施例では、「栄養調合物」は、経腸または非経口調合物を含んでもよい、もしくは経腸または非経口調合物の混合物であってもよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、栄養調合物は、医療監視下で対象に送達されてもよい、能動的かつ継続的医療監視を受けているヒトのみに意図されてもよい、または監視時もしくは非監視時のいずれかにおける自宅使用のために対象に送達されてもよい。栄養調合物は、乾燥粉末としてパッケージ化され、次いで、溶媒と混合され、溶液を形成してもよい、または液体栄養調合物、飲料、もしくは飲物としてパッケージ化されてもよい。いくつかの実施形態では、栄養調合物は、市販されてもよい、または供給の前に医療従事者によって調製されてもよい。いくつかの実施形態では、栄養調合物は、薬品および/または栄養調合物を必要とする対象のために処方された少なくとも1つの薬品を含んでもよい、もしくは栄養調合物自体が、処方された薬品であってもよい。栄養調合物は、低温殺菌済または非低温殺菌であるかどうかにかかわらず、ヒト母乳の完全もしくは部分的代用品としての乳児および/または幼児用調合物であってもよい、ドナーミルクであってもよい、もしくは母親の母乳(乳児自身の母親または他の母親の母乳)であってもよい。
【0026】
栄養調合物は、短鎖トリグリセリド(SCT)、MCT、およびLCT等のトリグリセリド形態における少なくとも1つの脂肪を含む場合とそうではない場合がある。栄養調合物110は、少なくとも1つのタンパク質を含む場合とそうではない場合があり、少なくとも1つの炭水化物を含む場合とそうではない場合がある。いくつかの実施形態では、栄養調合物はさらに、水分、マルトデキストリン、タンパク質、アミノ酸、ペプチド、SCT、MCT、LCT、ジグリセリド、モノグリセリド、コーンスターチ、魚油、大豆油、菜種油、綿実油、向日葵油、オリーブ油(油は、精製される場合とそうではない場合がある)、可溶性繊維、レシチン、塩化マグネシウム、アスコルビン酸ナトリウム、グアーガム、リン酸カルシウム、塩、塩化コリン、リン酸、クエン酸カルシウム、リン酸ナトリウム、タウリン、酸化マグネシウム、硫酸亜鉛、塩化カリウム、ナイアシンアミド、硫酸第一鉄、パントテン酸カルシウム、硫酸マンガン、塩酸ピリドキシン、硫酸銅、硝酸チアミン、β-カロテン、リボフラビン、アルギニン、パルミチン酸、他の抗酸化剤、葉酸、ビオチン、セレン(亜セレン酸ナトリウム)、塩化クロム、ヨウ化カリウム、モリブデン酸ナトリウム、可溶性繊維、フラクトオリゴ糖、プレバイオティクス、クエン酸、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンB7、ビタミンB9、およびビタミンB12から選択された少なくとも1つの栄養素を含んでもよい。例示的栄養調合物およびシステムは、現在の米国特許第9,668,942号(参照することによって全体として本明細書に組み込まれる)である、2014年8月14日に出願された米国特許出願第14/378,856号に説明される。
【0027】
いくつかの側面では、例示的栄養調合物は、1つまたはそれを上回るプロバイオティクスを含んでもよい。本明細書で使用されるように、用語「プロバイオティクス」は、微生物を指し得、これは、適正な量で投与されるとき、健康上の利点を宿主にもたらし得る。健康上の利点は、腸健康、口腔健康、および/または免疫健康に関連するものを含み得る。プロバイオティクスは、乾燥形態(例えば、粉末)で調製されてもよい。いくつかの実施例では、乾燥形態プロバイオティクスは、栄養調合物中の他の成分と混合(例えば、溶解または懸濁)されてもよい。
【0028】
本明細書に説明されるプロバイオティクスは、自然発生微生物を含んでもよい。代替として、または加えて、プロバイオティクスは、修正された微生物、例えば、選択的培養または遺伝子工学によって産生された微生物を含んでもよい。プロバイオティクスの実施例として、限定ではないが、サッカロミケス属、デバロマイセス属、カンジダ属、ピチア属、トルロプシス属、アスペルギルス属、リゾプス属、ムコール属、ペニシリウム属、および/またはトルロプシス属等の菌類、ならびにビフィドバクテリウム属、バクテロイデス属、クロストリジウム属、フゾバクテリウム属、メリソコッカス属、プロピオニバクテリウム属、ストレプトコッカス属、エンテロコッカス属、ラクトコッカス属、コクリア属、スタフィロコッカス属、ペプトストレプトコッカス属、バチルス属、ペディオコッカス属、ミクロコッカス属、ロイコノストック属、ワイセラ属、アエロコッカス属、オエノコッカス属、および/またはラクトバチルス属等の細菌が挙げられる。いくつかの実施例では、栄養調合物中のプロバイオティクスは、アスペルギルスニガー、アスペルギルスオリゼ、バチルスコアグランス、バチルスレンタス、バチルスリケニフォルミス、バチルスメセンテリカス、バチルスプミルス、バチルスサブティリス、バチルスナットー、バクテロイデスアミロフィルス、バクテロイデスカピローサス、バクテロイデスルミニコラ、バクテロイデススイス、ビフィドバクテリウムアドレスセンティス、ビフィドバクテリウムアニマリス、ビフィドバクテリウムブレーべ、ビフィドバクテリウムビフィダム、ビフィドバクテリウムインファンティス、ビフィドバクテリウムラクチス、ビフィドバクテリウムロンガム、ビフィドバクテリウムプソイドロングム、ビフィドバクテリウムテルモフィルム、バチルスラテロスポルス、バチルスラエボラクティカス、カンジダピントレペシイ、クロストリジウムブチリカム、エンテロコッカスクレモリス、エンテロコッカスジアセチラクチス、エンテロコッカスフェシウム、エンテロコッカスインテーミディウム、エンテロコッカスラクチス、エンテロコッカスムントディ、エンテロコッカステルモフィルス、大腸菌、クリーベロミセスフラギリス、アシドフィルス乳酸桿菌、ラクトバチルスアリメンタリウム、ラクトバチルスアミロボラス、ラクトバチルスクリスパタス、ラクトバチルスブレビス、ラクトバチルスカセイ、ラクトバチルスカルバタス、ラクトバチルスセロビオサス、デルブロイキイ半ブルガリア乳酸桿菌、ラクトバチルスファルシミニス、ラクトバチルスフェルメンタム、ラクトバチルスガッセリ、ラクトバチルスヘルベチカス、乳酸桿菌、ラクトバチルスプランタラム、ラクトバチルスジョンソニイ、ラクトバチルスロイテリ、ラクトバチルスラムノサス、ラクトバチルスサケイ、ラクトバチルスサリバリウス、イエンセン乳酸杆菌、ラクトバチルスガセリ、ラクトバチルスファーメンタム、ラクトバチルスラムノサス、ラクトバシラスサリバリウス、ロイコノストックメセンテロイデス、ペジオコッカスダムノサス、ペジオコッカスアシジラクティシー、ペジオコッカスペントーサセウス、ペジオコッカスウリナエ、プロピオニバクテリウムフロイデンライヒイ、プロピオニバクテリウムシェルマニイ、サッカロミセスセレビシエ、有芽胞乳酸菌、スタフィロコッカスカルノサス、スタフィロコッカスキシロサス、ストレプトコッカスインファンタリウス、ストレプトコッカステルモフィルス、乳連鎖球菌、および/またはその誘導体、もしくは任意のそれらの混合物を含んでもよい。
【0029】
いくつかの側面では、プロバイオティクスは、健康上の利点をもたらすために十分な量で栄養調合物中に存在してもよい。いくつかの実施例では、栄養調合物中のプロバイオティクスの濃度は、栄養調合物のグラムあたり約102コロニー形成単位(cfu/g)~約1012cfu/g、約102cfu/g~約106cfu/g、約104cfu/g~約108cfu/g、約106cfu/g~約1010cfu/g、または約108cfu/g~約1012cfu/gに及んでもよい。本明細書で使用されるように、用語「約」は、規定された量または値の±5%を包含するものと理解されたい。
【0030】
いくつかの側面では、例示的栄養調合物は、加えて、または代替として、1つまたはそれを上回るプレバイオティクスを含んでもよい。本明細書で使用されるように、用語「プレバイオティクス」は、限定ではないが、プロバイオティクスの成長および/または活動を誘発する、物質を含む。プレバイオティクスの実施例として、限定ではないが、レジスタントスターチ、ヘミセルロース、ペクチン、ガム、ガラクトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、マルトオリゴ糖、ラクツロース、イソマルトオリゴ糖、トランスガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、大豆オリゴ糖、イヌリン、アラビノガラクタン、ラクチトール、乳果オリゴ糖等の非消化性炭水化物、オーツガム、豆繊維、林檎繊維、ペクチン、グアーガム、オオバコ殻、グルコマンナン、またはグアーガム加水分解物等の繊維供給源、その任意の誘導体、および/または任意のそれらの組み合わせが挙げられる。
【0031】
上記に説明されるように、いくつかの側面では、例示的栄養調合物は、患者、例えば、未熟児の必要性のために、十分な量の栄養素、例えば、脂質、タンパク質、および/または炭水化物を含有しない場合がある、もしくは患者は、さらなる補給を所望し得る。いくつかの側面では、栄養調合物中に含有される栄養素は、患者に消化可能または吸収可能な形態ではない場合がある。本開示の実施形態は、供給されるにつれて、乳児または他の患者の腸を通して吸収され得る、加水分解された脂質、タンパク質、および/または炭水化物、例えば、モノグリセリド、遊離脂肪酸、グルコース、およびアミノ酸の増加された濃度を送達する、栄養調合物を提供するために使用され得る。その結果、調合物が供給された対象は、例えば、そうでなければ、アクセスし得ない、または消化することが可能ではあり得ない、ドコサヘキサエン酸(「DHA」)、エイコサペンタエン酸(「EPA」)、アラキドン酸(「ARA」または「AA」)、または他の脂質、炭水化物、もしくはタンパク質のうちの1つまたはそれを上回るものを提供され得る。
【0032】
本開示の実施形態は、患者に供給される栄養調合物の全体的体積を有意に増加させずに(例えば、栄養素のより多くの部分が患者によって吸収され得るように、調合物の栄養素密度を増加させ、および/または栄養調合物中の栄養素を患者により容易に取り込ませることによって)、栄養調合物中の総カロリー、エネルギー、タンパク質、および/または炭水化物の量を増加させ、ならびに/もしくは栄養調合物中の栄養素の生物学的利用能を増加させるためのデバイスおよび方法を対象とする。患者に供給されるべき調合物の量を実質的に増加させないことによって、もしくは栄養素の増加される濃度および/または生物学的利用能に起因して、患者に供給されるべき栄養調合物の体積を減少させることによって、本開示の実施形態は、患者(例えば、未熟児)のGI管に見出される、炎症性応答を低減させ得、および/または限定ではないが、タンパク質ならびにビタミンを含む、栄養素の改善された全体的吸収のために患者のGI管を調整し得る。
【0033】
種々の実施形態によると、本開示は、栄養調合物を調製するためのデバイスおよび方法を提供する。本デバイスおよび方法は、消費に先立って、乳児用調合物または他の栄養調合物をリパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼに暴露するために使用されてもよい。リパーゼは、故に、遊離脂肪酸およびモノグリセリドの後続放出を伴って、脂肪ならびに油を分解する。プロテアーゼは、故に、ペプチドおよびアミノ酸の後続放出を伴って、タンパク質ならびにペプチドを分解する。アミラーゼは、故に、糖および澱粉等の炭水化物をグルコース、単純炭水化物、ならびにオリゴ糖に分解する。本デバイスおよび方法は、栄養調合物を調製するための便宜的方法を提供する。いくつかの実施形態では、本デバイスおよび方法は、栄養調合物を消費する乳児またはその他が、外因性リパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼの消費を回避することを可能にする。いくつかの実施形態では、本デバイスおよび方法は、モノグリセリド、遊離脂肪酸、グルコース、および/またはアミノ酸を含有するが、任意の有意な量のリパーゼ、プロテアーゼ、ならびに/もしくはアミラーゼを含有しない、調合物の生産を可能にする。
【0034】
例示的デバイスは、それを通して栄養調合物が、栄養調合物中の脂質、タンパク質、および/または炭水化物を加水分解するために、通過され得る、固定化または遊離(すなわち、非固定化)リパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼを含有する、1つまたはそれを上回るチャンバを含んでもよい。例示的デバイスは、栄養調合物に加水分解された脂質、タンパク質、および/または炭水化物を補給するために、栄養調合物を送達するための栄養調合物供給源および/または供給システムに流体により接続されてもよい。例示的デバイスおよびその中にそれらが含まれ得る例示的システムが、下記にさらに説明される。
【0035】
図1は、例えば、供給管を介して、栄養調合物110を対象に提供するための例示的供給システム100を図示する。いくつかの実施形態では、システム100は、経腸供給システムであってもよい一方、他の実施形態では、システム100は、非経口供給システムであってもよい。
図1に示されるように、本開示のデバイスは、栄養調合物110を保持するように構成される、容器115を含んでもよい。例示的システム100は、ポンプ120と、栄養調合物110の供給源を、栄養調合物110を摂取のために患者に出力するように構成される出口に流体により接続する、管122とを含んでもよい。容器115は、例えば、供給バッグ、バイアル、注射器、瓶、または任意の他の好適な容器を含んでもよい。栄養調合物110は、供給源容器から、管122を通して、患者に流されてもよい。管122は、栄養調合物110を、例えば、患者の鼻、口、胃、または腹部を通して、対象のGI管に供給するための経腸供給管、例えば、胃、経鼻胃、経鼻十二指腸、経鼻空腸、胃造瘻、胃空腸造瘻、空腸造瘻、経皮的内視鏡下胃瘻造設術(PEG)管、または経空腸供給管であってもよい。そのような実施形態では、システム100は、標準的経腸供給実践に則して使用されてもよい。いくつかの実施形態では、管122は、例えば、外または内頸静脈、鎖骨下および腋窩静脈、大腿静脈、腕の静脈、脚の静脈、または頭皮の静脈を通して、栄養調合物110を対象の血流に供給するための非経口供給管であってもよい。そのような実施形態では、システム100は、標準的非経口供給プロセスに則して使用されてもよい。
【0036】
図1のシステム100を通した栄養調合物110の流れは、システム100のポンプ120によって制御されてもよい。いくつかの実施形態では、ポンプ120は、蠕動ポンプであってもよいが、任意の好適なタイプの注入ポンプ、例えば、エラストマポンプ、マルチチャネルポンプ、注射器ポンプ、および/またはスマートポンプが、使用されてもよい。管および/またはデバイス200を通した栄養調合物110の流速は、ポンプ120によって設定および/または調節されてもよい。いくつかの実施形態では、ポンプ120は、プロセッサ、ディスプレイ、および/またはアクチュエータ(例えば、ボタン、ノブ、タッチスクリーン等)を含み、システム100およびデバイス200内の栄養調合物110の流速を調節ならびに制御してもよい。ポンプ120は、医療従事者および/または栄養調合物110を受容する対象によって調節ならびに設定されてもよい。ポンプ120は、連続供給、拍動供給、断続供給、ボーラス供給、および/または噴流を実施してもよく、流体の送達は、自動的に、半自動的に、または手動で設定または調節されてもよい。
【0037】
他の実施形態では、
図1のシステム100は、ポンプ120を含まなくてもよく、代わりに、重力に依存し、栄養調合物110を容器115から対象に流してもよい。栄養調合物110の供給源の相対的位置付けは、重力のみの影響下、栄養調合物110が管およびデバイス200を通って流れることを可能にし得る。例えば、栄養調合物110の容器115は、取り付けられる管類の上方に、デバイス200の上方に、および/または患者の上方に設置されてもよい。
【0038】
他の実施形態では、システム100のポンプ120は、注射器と置換されてもよい。注射器は、栄養調合物110で充填されてもよく、管およびデバイス200内の栄養調合物110の流速は、注射器を使用することによって、手動で、半自動的に、または自動的に設定および/または調節されてもよい。例えば、栄養調合物110は、自動注入器状デバイスの内側に搭載される事前に充填された注射器内に事前にパッケージ化されてもよい。事前にパッケージ化された調合物はまた、ポンプ「エンジン」(例えば、ばね荷重ピストン)を含有してもよく、調合物をシステム100を通して対象に送達するために使用されてもよい、または任意の他の供給システム内で使用されてもよい。
【0039】
他の実施形態では、システム100は、任意の好適な手段、例えば、バルーンまたは他の好適な圧力発生デバイスを使用して、栄養調合物110を管および/またはデバイス200を通して駆動する、圧力降下または流れ駆動力を発生させてもよい。
【0040】
図1のシステム100は、脂肪、タンパク質、および/または炭水化物加水分解デバイス200を含んでもよい。栄養調合物110は、容器115から、第1の管122を通して、デバイス200に流されてもよく、そこで、栄養調合物110は、加水分解される。システム100はまた、デバイス200の出口に接続するように構成される、第1の端部と、患者送達デバイス(例えば、ポート、カテーテル、針)または直接患者に接続し、処理された栄養調合物110を投与のためにデバイス200から患者に送達するように構成される、第1の端部と反対の第2の端部とを有する、第2の管124を含んでもよい。第2の管124は、栄養調合物110を、例えば、患者の鼻、口、胃、または腹部を通して、対象のGI管に供給するための経腸供給管、例えば、胃、経鼻胃、経鼻十二指腸、経鼻空腸、胃造瘻、胃空腸造瘻、空腸造瘻、経皮的内視鏡下胃瘻造設術(PEG)管、または経空腸供給管であってもよい。システム100は、標準的経腸供給実践に則して使用されてもよい。いくつかの実施形態では、管124は、例えば、外または内頸静脈、鎖骨下および腋窩静脈、大腿静脈、腕の静脈、脚の静脈、または頭皮の静脈を通して、栄養調合物110を対象の血流に供給するための非経口供給管であってもよい。そのような実施形態では、システム100は、標準的非経口供給プロセスに則して使用されてもよい。供給システム100および加水分解デバイス200の例示的実施形態は、2016年10月12日に出願された米国特許出願第15/291,530号、および現在の米国特許第9,668,942号である、2014年8月14日に出願された米国特許出願第14/378,856号(両方とも、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明される。
【0041】
図1のシステム100は、デバイス200が、対象への栄養調合物の投与に先立って、栄養調合物110内に含有される脂肪、タンパク質、および/または炭水化物を加水分解し得るように、栄養調合物110を、例えば、診療現場において(ポイントオブケア)送達および処理するように構成される。本明細書で使用されるように、デバイス200または本明細書で議論される任意の他のデバイスによる「処理」は、栄養調合物110をデバイス200内に含有されるリパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼに暴露させることによる、栄養調合物110内にすでに含有されている脂肪、タンパク質、および/または炭水化物の加水分解を指し得る。処理はまた、栄養調合物110のデバイス200内に含有され得る付加的栄養素での補給を指し得る。下記に詳細に説明されるように、デバイス200は、1つまたはそれを上回るリパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼを含んでもよい。
【0042】
いくつかの実施形態では、リパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼのうちの1つまたはそれを上回るものは、経腸または非経口供給機構もしくは他の供給機構(例えば、哺乳瓶)を介して対象に供給される、栄養調合物110が、リパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼのうちの1つまたはそれを上回るものを任意の感知できるほどの量で含有しないように、固定化されてもよい。例えば、リパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼは、リパーゼ、プロテアーゼ、ならびに/もしくはアミラーゼが、デバイス200を通して通過されている栄養調合物110と流体接触するように、壁に沿って、または別様に容器内に見出されるデバイス200の構造物上もしくは構造物内に固定化されてもよい。さらに、下記の種々の実施形態を参照して議論されるように、栄養調合物110は、デバイス200内のリパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼの酵素処理を可能にするための種々の方法において、デバイス200に添加されてもよい。
図1のシステム100は、それとデバイス200が併用され得る、供給システムの実施例としてのみ提供される。本開示は、栄養産物に補給するためのデバイスおよび方法を対象とし、任意の他の好適な供給システムと併用されてもよい。
【0043】
本明細書に開示されるデバイスおよび方法は、消費に先立って、栄養調合物110をリパーゼ、アミラーゼ、および/またはプロテアーゼに暴露し、栄養調合物110中の脂質、タンパク質、ならびに/もしくは炭水化物を加水分解するために使用され得る。いくつかの実施形態では、本デバイスおよび方法は、モノグリセリド、遊離脂肪酸、アミノ酸、および/またはグルコース、もしくは増加された濃度のモノグリセリド、遊離脂肪酸、アミノ酸、および/またはグルコースを含有するが、有意な量のリパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼを含有しない、もしくはリパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼを含有しない、調合物を提供する。
【0044】
図2Aは、本開示の実施形態による、例示的デバイス201を図示する。デバイス201は、入口212と、チャンバ222と、出口230とを有する、本体210を含んでもよい。チャンバ222は、3つの別個の区分222a、222b、222cを含んでもよい。区分222a、222b、222cは、チャンバ222内で相互から離間されてもよい、チャンバ222内で相互に直接当接してもよい、またはチャンバ222の部分を分割するパーティションを介して形成されてもよい。各区分は、形状および/またはサイズが均一であってもよい、もしくは1つまたはそれを上回る区分は、形状および/またはサイズが変動してもよい。
図1は、3つの区分をチャンバ222内に描写するが、種々の実施形態では、チャンバ222は、単一区分、2つの区分、もしくは4つまたはそれを上回る区分を含んでもよい。区分222a、222b、222cのうちの1つまたはそれを上回るものは、チャンバ222および/または本体210内に固定されてもよい、もしくはデバイス201のチャンバ222および/または本体210から除去可能であってもよい。チャンバ222は、除去可能である、または本体210内に固定されてもよい。区分を含有するチャンバ222が、説明されるが、本体210は、区分のそれぞれを含有してもよく、別個のチャンバ222が、含まれなくてもよいことが検討される。
【0045】
各区分222a、222b、222cは、酵素を含有してもよい。例えば、各区分は、異なる酵素または酵素の異なる組み合わせを含有してもよい、もしくはいくつかの区分は、別の区分と同一タイプの酵素を含有してもよい。いくつかの実施形態では、区分222a、222b、222cは、リパーゼ、アミラーゼ、またはプロテアーゼのうちの1つを含有してもよい。区分は、単一タイプの酵素(例えば、全てリパーゼ、全てアミラーゼ、または全てプロテアーゼ)を含有してもよい、単一タイプのリパーゼ、アミラーゼ、またはプロテアーゼを含有してもよい、もしくはそれらの組み合わせ(例えば、複数のタイプのリパーゼ、複数のタイプのアミラーゼ、または複数のタイプのプロテアーゼ)を含有してもよい。区分は、アミラーゼ区分、プロテアーゼ区分、またはリパーゼ区分のいずれかが、最も遠い上流、最も遠い下流、またはチャンバ222の中央に位置し得るように、任意の順序で配列されてもよい。種々の区分内の酵素は、遊離(すなわち、固定化されない)または固定化される、もしくはそれらの組み合わせであってもよい。例えば、1つまたはそれを上回る区分は、それに対してリパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼが、例えば、共有またはイオン結合を介して、もしくは、例えば、吸収によって、固定化され得る、1つまたはそれを上回る構造(例えば、区分または別個の構造の1つまたはそれを上回る壁、例えば、複数の粒子300)を含有してもよい。
【0046】
種々の区分内に含有される酵素は、栄養調合物が、入口212から、チャンバ222を通して、出口230に流れるにつれて、栄養調合物と反応し得る。例えば、1つの区分内のリパーゼは、栄養調合物がリパーゼ区分を通って流れるにつれて、栄養調合物中に存在する脂質を加水分解し得、1つの区分内のプロテアーゼは、栄養調合物の流れがプロテアーゼ区分を通って流れるにつれて、栄養調合物中に存在するタンパク質を加水分解し得、1つの区分内のアミラーゼは、栄養調合物がアミラーゼ区分を通って流れるにつれて、栄養調合物中に存在する炭水化物を加水分解し得る。
【0047】
図2Aに示されるように、区分222a、222b、222cは、区分インターフェース224a、224bによって分離されてもよく、これは、1つまたはそれを上回るフィルタを含み得る。区分インターフェース224a、224bは、加水分解された脂質、加水分解されたタンパク質、および/または加水分解された炭水化物のうちの1つまたはそれを上回るものを含有する栄養調合物が、例えば、区分222aから区分222bまたは区分222bから区分222cに通過することを可能にし得、リパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼ(および/またはそれに対してそれらが結合される構造)が、各区分インターフェース224a、224bを通して通過することを不可能にし得る。いくつかの側面では、インターフェース224a、224bは、リパーゼ、プロテアーゼ、またはアミラーゼ等のいくつかの酵素が、通過することを可能にし得るが、他の具体的酵素がインターフェースを通して流れないように防止し得る。インターフェース224a、224bは、フィルタであってもよく、および/または任意の好適な材料から作製されてもよく、任意の好適なコーティングを有してもよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、区分222a、222b、222cは、1つまたはそれを上回る弁によって分離され、栄養調合物の流れを制御してもよい。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回る区分は、それを通して栄養調合物が区分から退出する、またはそこに進入する、出口および/または入口を含んでもよい。出口および/または入口は、チャンバ222の幅または個々の区分の最大幅未満の幅を有してもよい、もしくは出口および/または入口は、チャンバ222の幅または個々の区分の最大幅と等しい幅を有してもよい。いくつかの実施形態では、1つの区分の出口は、隣接する区分の入口に流体により接続されてもよい。いくつかの実施形態では、異なる区分の入口および出口は、直接接続してもよい、またはそれらは、離間されてもよい。それらが離間される場合、管類、漏斗、またはある他の好適な構造が、区分の出口および入口に接続してもよい。
【0049】
別個の区分222a、222b、222cは、リパーゼ、アミラーゼ、および/またはプロテアーゼのうちの1つを含んでもよく、リパーゼ、アミラーゼ、および/またはプロテアーゼは、固定化される場合とそうではない場合がある。いくつかの実施例では、区分222aは、固定化リパーゼを含んでもよく、区分222bは、固定化プロテアーゼを含んでもよく、区分222cは、固定化アミラーゼを含んでもよい。他の実施例では、チャンバ222は、2つの区分を含んでもよい。2つの区分はそれぞれ、リパーゼ、プロテアーゼ、またはアミラーゼのうちの1つを含有してもよい。他の実施形態では、2つの区分の一方または両方は、2つの酵素(例えば、リパーゼおよびプロテアーゼ、リパーゼおよびアミラーゼ、プロテアーゼおよびアミラーゼ)を含有してもよく、および/または区分のうちの1つは、リパーゼ、プロテアーゼ、ならびに/もしくはアミラーゼを含有してもよい。他の実施例では、チャンバ222は、3つを上回る区分を含んでもよく、リパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼ(または任意のそれらの組み合わせ)は、チャンバ222の3つを上回る区分の任意の数内に含有される。
【0050】
別個の区分222a、222b、222cは、単一チャンバ222の一部であってもよい、もしくは、それぞれ、チャンバ222および/または本体210内に直列に配列される、別個のチャンバであってもよい。別個の区分またはチャンバは、相互交換可能、置換可能、および/または再充填可能であってもよい、もしくはチャンバ222および/または本体210内に固定されてもよい。いくつかの実施形態では、チャンバ222は、本体210から除去可能であってもよい、もしくは各区分は、チャンバ222および/または本体210から除去可能であってもよい。いくつかの実施形態では、本体210、チャンバ222、および/または区分222a、222b、222cのうちの1つまたはそれを上回るものは、滅菌される、もしくは滅菌可能であってもよい。いくつかの実施形態では、チャンバ222および/または区分222a、222b、222cのうちの1つまたはそれを上回るものは、粒子および/または酵素(例えば、プロテアーゼ、アミラーゼ、および/またはリパーゼ)で事前に充填されてもよい。
【0051】
いくつかの実施形態では、チャンバ222および/または区分222a、222b、222cのうちの1つまたはそれを上回るものは、閉鎖され、シールされた構成で提供されてもよく、デバイス201内への配設の直前に開放されてもよい。いくつかの実施形態では、ユーザ(例えば、医療従事者、患者、患者保護者、薬剤師、または他のユーザ)が、使用に先立って、チャンバ222および/または区分222a、222b、222cのうちの1つまたはそれを上回るものをデバイス201の中に挿入および/または配設してもよい。いくつかの実施形態では、チャンバ222および/または区分222a、222b、222cのうちの1つまたはそれを上回るものは、事前に充填されてもよい。他の実施形態では、ユーザは、チャンバ222および/または区分222a、222b、222cのうちの1つまたはそれを上回るものを所望のタイプおよび/または量の酵素(構造、例えば、粒子に結合されるかどうかにかかわらず)もしくはそれらの組み合わせで充填してもよい。いくつかの実施形態では、チャンバ222および/または区分222a、222b、222cのうちの1つまたはそれを上回るものは、使用後、除去可能かつ使い捨てであって、および/または再使用され得るように、清浄、滅菌、ならびに再充填されるように構成されてもよい。他の実施形態では、チャンバ222および/または区分222a、222b、222cのうちの1つまたはそれを上回るものは、デバイス210内に恒久的に格納されてもよい。いくつかの実施例では、チャンバ222および/または区分222a、222b、222cのうちの1つまたはそれを上回るものは、区分を再充填する、または区分からその内容物を空にするためのアクセスポートを含んでもよい。
【0052】
デバイス201はまた、それを通して加水分解されていない脂質、タンパク質、および/または炭水化物を含有する栄養調合物が、栄養調合物の供給源からデバイス201の中に流れ得る、インターフェース225を含んでもよい。いくつかの実施形態では、インターフェース225は、コネクタ240に流体により接続する、または供給管(例えば、経腸または非経口供給管)、乳房ポンプからの管類、もしくは栄養調合物の別の供給源からの接続に流体により接続するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、デバイス201は、インターフェース225を含まなくてもよく、栄養調合物の供給源に接続される管類または他のデバイスに直接接続してもよい、もしくは栄養調合物の供給源に直接接続してもよい。
【0053】
デバイス201はまた、それを通して加水分解された脂質、タンパク質、および/または炭水化物を含有する栄養調合物が、デバイス210から外に通過し、対象に供給され得る、インターフェース223を含んでもよい。いくつかの実施形態では、インターフェース223は、コネクタ235、または供給管(例えば、経腸または非経口供給管)もしくはその中に栄養調合物が貯蔵または投与され得る任意の他の好適な容器(例えば、瓶、カップ、バッグ、バイアル等)内の開口部に流体により接続するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、デバイス201は、インターフェース223を含まなくてもよく、例えば、管類、供給デバイス、または患者に直接接続してもよい。
【0054】
図2Aの実施形態では、インターフェース223、225は、それぞれ、コネクタ235、240に流体により接続される。コネクタ235、240は、デバイス201の一部であってもよい、またはデバイス201と別個であって、デバイス201に除去可能に接続する(例えば、インターフェース223、225を介して)ように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、デバイス201は、コネクタ235、240を含まなくてもよい。コネクタ240は、栄養調合物110の供給源に流体により結合し、栄養調合物110の入力を受容するように構成されてもよい。例えば、コネクタ240は、供給管(例えば、経腸または非経口供給管)、乳房ポンプからの管類、または栄養調合物の別の供給源からの接続に流体により接続するように構成されてもよい。コネクタ235は、処理された栄養調合物111を対象に送達するように構成される、構造、例えば、供給管に流体により結合するように構成されてもよく、処理された栄養調合物111の出力を放出させるように構成されてもよい。例えば、コネクタ235は、供給管(例えば、経腸または非経口供給管)またはその中に栄養調合物110が貯蔵もしくは投与され得る任意の他の好適な容器内の開口部(例えば、瓶、カップ、バッグ、バイアル等)に流体により接続するように構成されてもよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、第1のコネクタ240および/または第2のコネクタ235は、例えば、デバイス200が位置する、システム100(
図1)の第1の管122および経腸または非経口管124の一方または両方に流体により接続するように構成されてもよい。栄養調合物110が、システム100(または任意の他の好適な供給システム)を通って流れるにつれて、供給源からの栄養調合物110は、コネクタ240内に受容されてもよく、インターフェース225、チャンバ222、区分222a、222b、および222c(またはデバイス201内に含まれる区分に応じて、付加的区分)のうちの1つまたはそれを上回るものを通して流れてもよく、インターフェース223を通してコネクタ235から外に流れてもよい。チャンバ222内にある間、区分のうちの1つまたはそれを上回るもの内のリパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼは、栄養調合物110中の脂質、タンパク質、および/または炭水化物を加水分解し得、次いで、処理された栄養調合物111は、対象への投与のために、インターフェース223を通して、コネクタ235から外に流れ得る。デバイス201は、リパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼが、チャンバ222内ならびに/もしくはその個別の区分内に留まる一方、栄養調合物110が、デバイス201を通して通過することを可能にされ、デバイス201から退出する処理された栄養調合物111が対象に供給されるように構成されてもよい。
【0056】
コネクタ240およびコネクタ235は、栄養調合物を供給源からおよび/または患者に搬送するための1つまたはそれを上回る管またはデバイスに接続するために、例えば、ルアー係止接続、ねじ山、突起、溝、変形可能もしくは拡張可能構造、および/または任意の他の好適な機構を含んでもよい。当技術分野において公知の1つの好適なコネクタは、ENFit(登録商標)コネクタ(GEDSA)である。いくつかの実施形態では、コネクタ240および/またはコネクタ235は、哺乳瓶、哺乳瓶乳首、または任意の他の構造に係合し、別の容器への流体の輸送を促進し、および/または供給または貯蔵を支援するように構成されてもよい。さらに、コネクタ240およびコネクタ235の一方または両方は、弁または他の流体流れ制御機構もしくはフィルタを含んでもよい。
【0057】
インターフェース223、225は、いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回るフィルタを含んでもよく、粒子300(またはそれに対してリパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼが固定化され得る、他の構造)デバイス201のチャンバ222から退出しないように防止してもよい。加えて、または代替として、デバイス201内のフィルタ(インターフェース223、225、224a、224b等)が、異物がチャンバ222および/または供給管124に進入しないように防止してもよい。インターフェース223、225、224a、224bのうちの1つまたはそれを上回るものは、酵素(リパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼ)が、チャンバ222の区分間、デバイス201から外に、および/またはデバイス201から退出する処理された栄養調合物111の中に漏出しないように防止または阻止する、半浸透性膜を含んでもよい。粒子300(もしくはその上にリパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼが固定化され得る、他の構造)は、インターフェース225およびインターフェース223によって分離されてもよい(インターフェースまたはフィルタが区分間で使用される、実施形態において)。インターフェース225、223は、栄養調合物110がデバイス201を通って流れるにつれて、粒子300(もしくは他の構造および/または酵素)をチャンバ222内および/またはその独自の区分内に留保してもよい。
【0058】
一例示的実施形態では、デバイス201のチャンバ222は、チャンバ222の内側の複数の粒子300(または他の構造もしくは酵素)がユーザに可視であるように、クリアプラスチックまたはガラスから作製されてもよい。いくつかの事例では、これは、ユーザが、例えば、外観検査によって、デバイス201を通した適切な流れを確実にすることを可能にし得る。他の実施形態では、チャンバ222は、不透明であってもよい、または任意の好適な材料から作製されてもよい。デバイス201内に含有される粒子300は、その表面上に固定化されたリパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼを有してもよく、栄養調合物110がチャンバ222および粒子300を通って流れるにつれて、固定化されたリパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼは、栄養調合物110中の脂肪(例えば、トリグリセリド)、タンパク質、および/または炭水化物を加水分解する。
【0059】
いくつかの実施形態では、チャンバ222は、固定化リパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼで充填/再充填されてもよい、もしくは事前に充填された状態であってもよく、上記に説明されるように、再充填可能ではなくてもよい。いくつかのそのような実施形態では、ユーザは、使用に先立って、異なる酵素(例えば、リパーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼ)、酵素の組み合わせ、および/またはある体積の酵素で事前に充填されたデバイス201間で選択してもよい。チャンバ222は、置換可能であってもよく、デバイス201は、その構成部分に分離され、チャンバ222、1つまたはそれを上回る区分、もしくはデバイス201の任意の他の構成要素を相互交換することが可能であり得る。再充填可能チャンバ222および/または再充填可能区分は、使用に先立って、その間、ならびに/もしくはその後、再充填可能であってもよい。チャンバ222および/または区分が、再充填可能である場合、それらは、1つまたはそれを上回る入口(図示せず)、例えば、1つまたはそれを上回る再シール可能入口を有してもよい。いくつかの実施形態では、ユーザ(例えば、医療従事者、患者、患者保護者、薬剤師、または他のユーザ)は、使用に先立って、デバイス201を組み立ててもよい。例えば、ユーザは、事前に充填されたチャンバ222および/または所望の酵素を含有する所望の個々の区分を選択してもよく、選択された事前に充填されたチャンバ222および/または事前に充填された区分とともに、デバイス201を組み立ててもよい。いくつかの実施形態では、チャンバ222および/または個々の区分は、事前に充填されてもよく、ユーザは、異なるタイプの酵素または酵素の組み合わせ間で選択してもよく、および/または、例えば、患者の必要性に応じて、異なる体積の酵素を選択してもよい。そのような実施形態では、チャンバ222および/または区分は、デバイス201の組立に先立ってシールが剥離される、シールされた開口部を有してもよいか、またはデバイス201内でチャンバ222および/または区分を組み立てる作用が、シールを破壊してもよい(例えば、シールを穿孔する、穿刺する、変位させる、または別様に開放する)かのいずれかである。ユーザは、使用に先立って、および/またはその間、チャンバ222および/または区分を所望のタイプの酵素、酵素の組み合わせ、ならびに/もしくは所望の体積の酵素で充填してもよい。いくつかの実施例では、デバイス201は、再使用可能であってもよく、他の実施例では、デバイス201は、使い捨てであってもよい。
【0060】
いくつかの実施形態では、弁、フリット、メッシュ、フィルタ、または他の機械的構造が、使用に先立って、酵素をチャンバ222および/または個々の区分内に維持し、ならびに/もしくは使用の間、チャンバ222を通した栄養調合物110の流れを制御するために使用されてもよい。弁は、コネクタ240、235、入口212、出口230、区分222a、222b、222c間、および/またはインターフェース225、223、224a、224bのうちの任意の1つに含まれてもよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、酵素(例えば、リパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼ)は、使用前および/またはその間、混合、加熱された、冷却された、攪拌される、または別様に調製されてもよい。例えば、デバイス201は、振動器を含み、デバイス201およびチャンバ222を攪拌し、酵素および/または栄養調合物110を混合ならびに/もしくは攪拌させてもよい。いくつかの実施形態では、振動モータが、デバイス201内に含まれ、またはそれに取り付けられ、デバイス201を振動させ、チャンバ222の区分内に含有される酵素、栄養調合物110、および/またはチャンバ222を攪拌し、酵素(リパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼ)と栄養調合物110の混合を助長し、チャンバ222を通した栄養調合物110の流れを支援し、および/または出口230から外への処理された栄養調合物111の流れを支援してもよい。
【0062】
栄養調合物110は、任意の好適な様式において、デバイス201を通して流れてもよい。いくつかの実施形態では、栄養調合物110は、デバイス201を通して重力供給されてもよく、そこで、栄養調合物110が、処理され(例えば、脂質、タンパク質、および/または炭水化物が、加水分解され)、次いで、処理された栄養調合物111は、デバイス201から外に流れ得、対象に供給される、または、例えば、塊状で貯蔵され得る。いくつかの実施形態では、デバイス201を供給システム(例えば、
図1のシステム100)に流体により接続するステップは、チャンバ222を含む、デバイス201を通した栄養調合物の流れを助長し得る。例えば、デバイス201から外への栄養調合物110の流れは、上記に説明されるように、ポンプまたは他の好適な機構によって駆動されてもよい。
【0063】
図2Bは、処理栄養調合物を処理するためのデバイスの別の例示的実施形態を示す。デバイス211は、デバイス201と実質的に同一であってもよいが、チャンバ242の異なるコンパートメントを分離する任意の区分を伴わない。デバイス211は、類似するデバイス201と、入口260と、出口261と、コネクタ250、255と、インターフェース245、243と、粒子300(または他の構造)とを含んでもよく、これは、デバイス201に関して説明されるような前述の特徴および構成のいずれかを有してもよい。リパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼは、チャンバ242内に存在してもよく、チャンバ242全体を通して混合されてもよい。いくつかの実施例では、1つを上回る酵素(リパーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼ)は、1つまたはそれを上回る固体支持体、例えば、粒子300、膜、繊維、もしくは他の構造上に固定化されてもよい、チャンバ242またはインターフェース245、243の任意の表面上に固定化されてもよい、もしくは固定化されずに、チャンバ242内に存在してもよい。各酵素は、チャンバ242内のその独自の構造または複数の構造上に固定化されてもよい、もしくは複数の酵素は、チャンバ242内の同一構造または構造上に固定化されてもよい、もしくはそれらの組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回る乾燥酵素は、チャンバ242内に貯蔵されるとき、相互に相互作用し得ないが、栄養調合物がそれを通って流れるとき、酵素が湿潤されるにつれて、栄養調合物と相互作用し得る。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回る乾燥酵素は、それらが、チャンバ242内に貯蔵されるとき、相互に相互作用しないが、栄養調合物がそれを通って流れるとき、酵素が湿潤されるにつれて、栄養調合物と相互作用するように、コーティングされてもよい(例えば、腸溶性コーティングポリマーで)。
【0064】
図2Aおよび2Bに示されるように、いくつかの実施形態では、粒子300は、実質的に球状のビーズとして形成されてもよい。他の実施形態では、粒子300は、ランダムに成形される、または不規則的粒子であってもよい、もしくは楕円形、長円、ドーナッツ形状、角柱、多角形、伸長、または任意の他の好適な形状もしくは形状であってもよい。粒子300は、平滑またはテクスチャ加工された表面を有してもよい。粒子300は、その表面積を増加または減少させるように成形されてもよい。粒子300は、個々の粒子から形成されてもよく、これはそれぞれ、実質的に同一形状および/または表面を有してもよい、もしくは2つまたはそれを上回る異なる形状および/または表面組み合わせを有してもよい。粒子300は、任意の好適な材料から形成されてもよく、リパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼは、任意の好適な様式において、例えば、吸着、イオン結合、共有結合、架橋結合、カプセル化、および/または閉じ込めを介して、粒子300上に固定化されてもよい。リパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼは、栄養調合物110が、チャンバ222および/または個々の区分を通って流れるにつれて、リパーゼ、プロテアーゼおよび/またはアミラーゼが、栄養調合物110と流体接触するように、チャンバ222内に見出される粒子300上もしくは内に固定化されてもよい。
【0065】
粒子300が、例示的図に描写されるが、リパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼは、任意の好適な様式において、チャンバ222内に固定化されてもよいことを理解されたい。例えば、リパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼは、ビーズ、ロッド、チャンバ222の一部から延在する突起、または他の好適な構造等のチャンバ222の内側に位置する構造内に固定化もしくは含有されてもよい。いくつかの実施形態では、リパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼは、チャンバ222の壁上に固定化される、もしくはその中に含有されてもよく、および/またはデバイス200、デバイス201、ならびに/もしくはデバイス211内に含まれる1つまたはそれを上回るフィルタ上に固定化されてもよい。リパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼは、栄養調合物110が、チャンバ222または個々の区分の内側等のデバイスの中に流れるにつれて、栄養調合物110が、リパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼと接触し、所望の酵素効果を産生するように、デバイス200、201、または211のうちの任意の1つの構成要素上もしくは内に固定化されてもよい。
【0066】
また、いくつかの実施形態では、リパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼは、固定化されなくてもよく、単に、チャンバ222内またはチャンバ222の区分内に含有されてもよいことが検討される。いくつかのそのような実施形態では、1つまたはそれを上回るフィルタは、遊離(すなわち、固定化されない)リパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼをチャンバ222および/またはデバイス201内に保ってもよい。他の実施例では、リパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼのうちの1つまたはそれを上回るものは、チャンバ222ならびに/もしくはデバイス201から退出し、栄養調合物110の中に進入することを可能にされ得る。
【0067】
栄養調合物110が、デバイス201およびチャンバ222の中に流れるにつれて、栄養調合物110は、チャンバ222内に含有されるリパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼと接触し、栄養調合物中の脂質、タンパク質、ならびに/もしくは炭水化物は、加水分解される。リパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼ(固定化または遊離)は、チャンバ222を通って流れるにつれた栄養調合物110の流路に沿って位置してもよい。栄養調合物110が、リパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼと接触後、処理された栄養調合物111は、対象に供給される、もしくは貯蔵されてもよい。
【0068】
本明細書のデバイス内に含まれるリパーゼは、トリグリセリド中の3個の結合のうちの2個、すなわち、sn-1およびsn-3位置において開裂させ、sn-2モノグリセリドを残し得る。例示的リパーゼは、動物、植物、天然または遺伝子操作された微生物、またはそれらの組み合わせから取得されてもよい。いくつかの実施形態では、リパーゼは、例えば、Chromobacterium viscosum、Pseudomonas fluorescens、Burcholderia cepacia、またはRhizopus oryzaeリパーゼ、または任意の他の好適な野生型もしくは組み換えリパーゼ、もしくはそれらの組み合わせのうちの1つまたはそれを上回るものを含んでもよい。いくつかの実施形態では、リパーゼは、ホスホリパーゼ、例えば、ホスホリパーゼA、B、C、D、レシチナーゼ、または任意の他の好適な野生型もしくは組み換えリパーゼ、もしくはそれらの組み合わせを含んでもよい。組み換えリパーゼは、野生型リパーゼと同一または異なるアミノ酸シーケンスを有してもよい。
【0069】
本明細書のデバイス内に含まれ得る、例示的プロテアーゼは、セリン、システイン、トレオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、およびメタロプロテアーゼ、ペプシン、キモトリプシン、トリプシン、または任意の他の好適な野生型もしくは組み換えリパーゼ、もしくはそれらの組み合わせのうちの1つまたはそれを上回るものを含んでもよい。組み換えプロテアーゼは、野生型プロテアーゼと同一または異なるアミノ酸シーケンスを有してもよい。好適なプロテアーゼは、例えば、細菌、真菌、酵母、昆虫、および/または哺乳類供給源に由来されてもよい。
【0070】
本明細書のデバイス内に含まれ得る、例示的アミラーゼは、α-アミラーゼ(カルシウム金属酵素)、β-アミラーゼ、γ-アミラーゼ、または任意の他の好適な野生型もしくは組み換えリパーゼ、もしくはそれらの組み合わせのうちの1つまたはそれを上回るものを含んでもよい。組み換えアミラーゼは、野生型アミラーゼと同一または異なるアミノ酸シーケンスを有してもよい。好適なアミラーゼは、例えば、細菌、真菌、酵母、昆虫、および/または哺乳類供給源に由来してもよい。
【0071】
また、デバイス200、201、211は、1つまたはそれを上回る栄養素、ビタミン、ミネラル、および/または薬品を含有し、栄養調合物110に補給する、1つまたはそれを上回る別個の区分および/またはチャンバを含んでもよいことが検討される。区分またはチャンバは、上流、下流に位置する、もしくは酵素を含有する区分またはチャンバ内に介在されてもよい。栄養調合物110が、補助剤を含有する、1つまたはそれを上回る区分またはチャンバを通して通過するにつれて、補助剤が、栄養調合物に添加されてもよい。
【0072】
いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回る区分またはチャンバは、栄養調合物110への添加のための脂肪、タンパク質、および/または炭水化物を含有してもよい。そのような実施形態では、補給チャンバまたは区分は、補給栄養素を加水分解する酵素(例えば、リパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼ)を含有する、チャンバおよび/または区分の上流に位置してもよい。例えば、1つまたはそれを上回るオメガ-3脂肪酸を含有する、チャンバもしくは区分が、栄養調合物が、最初に、オメガ-3脂肪酸を補給され、次いで、デバイス内でリパーゼによって分解されるように、リパーゼを含有する、チャンバまたは区分の上流に位置してもよい。別の実施例では、タンパク質の1つまたはそれを上回る供給源を含有する、補給チャンバもしくは区分が、栄養調合物が、最初に、タンパク質を補給され、次いで、デバイス内でプロテアーゼによって分解されるように、プロテアーゼを含有する、チャンバまたは区分の上流に位置してもよい。
【0073】
いくつかの実施形態では、制酸薬、プロトンポンプ阻害薬、鎮吐薬、または他の薬品等の1つまたはそれを上回る薬品を含有する、チャンバもしくは区分が、栄養調合物が、薬品を補給され、次いで、GI管に送達されるように、1つまたはそれを上回る酵素チャンバもしくは区分の上流または下流に位置してもよい。
【0074】
図2Cは、複数の区分222a、222b、222c、および222dを有する、デバイスの例示的チャンバ222を図式的に描写する。区分222a、222b、222cは、1つまたはそれを上回る酵素、例えば、リパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼを含んでもよい。チャンバ222はまた、上記に議論されるように、栄養調合物に添加されるべき補助剤を含有する、区分222dを含んでもよい。例えば、区分222dは、栄養素、ビタミン、ミネラル、および/または薬品を含有してもよい。いくつかの実施形態では、区分222dは、栄養調合物中に見出される成分の吸収、利用、貯蔵、および/または排泄を支援し得る、1つまたはそれを上回る酵素を含んでもよい。例えば、リン脂質への遊離脂肪酸の生物変換を支援する、酵素が、区分222d内に含まれてもよい。リン脂質は、種々の組織および血液成分の哺乳類細胞の細胞膜構造の中により容易に組み込まれる。遊離脂肪酸をリン脂質に変換し得る、区分222dの中に組み込まれ得る、例示的酵素は、下記のチャート内に含まれる。
【表1】
【0075】
複数の区分222dが、チャンバ222内に含まれてもよい、またはデバイスのチャンバ222と別個であってもよい。1つまたはそれを上回る区分222dは、それを通して栄養調合物が進行する、チャンバ222の流路に沿って、任意の場所に位置してもよい。
図2Cの実施形態では、栄養調合物は、チャンバ222の右または左から進入してもよい、すなわち、区分222dは、上流または下流に位置してもよいが、また、区分222dは、区分222a、222b、222cのうちの1つまたはそれを上回るものの間に位置し得ることも検討される。
図2Cは、
図2Aに示される3つ全てのチャンバに加え、チャンバ222dを描写するが、
図2Aを参照して説明されるように、区分222a、222b、222cのうちの1つまたはそれを上回るものは、省略されてもよく、および/または1つまたは1つを上回る酵素を含有し得ることも検討される。
【0076】
さらに、また、チャンバ222は、
図2Bに示されるように配列されてもよく、例えば、区分222dが、酵素の混合物を含有する単一チャンバ242に加え、含まれ得ることも検討される。
【0077】
図2Aおよび2Bを参照して説明されるように、区分222dは、デバイス内に恒久的に含まれてもよく、および/または区分222dは、上記に説明されるように、除去可能および/または再充填可能であってもよい。
【0078】
デバイス200、201、211は、リパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼ、もしくは他のミネラル、ビタミン、ならびに/もしくは栄養素欠乏症および/または吸収不良を患う患者を治療するように構成されてもよい。本明細書に説明されるデバイスは、他の治療の代わりに、またはそれに加え、栄養調合物110中の加水分解された脂質、タンパク質、および/または炭水化物の増加された濃度を提供するために使用されてもよい。デバイス201は、例えば、栄養調合物を摂取直前に処理するための診療現場デバイスとして使用されてもよい、または処理された栄養調合物の大量生成のために使用されてもよい。
【0079】
いくつかの側面では、例示的デバイス200、201、および211は、
図3に示される様式で使用されてもよい。当業者は、
図3に描写される方法のうちの1つまたはそれを上回るステップが、省略される、または
図3に描写される順序以外で実施されてもよい、もしくは他のステップもまた、実施されてもよいことを認識する。
【0080】
図3の方法の最初の3つのステップは、随意であって、デバイス200、デバイス201、またはデバイス211(集合的に、
図3を参照する際、「デバイス」と称される)の実施形態に応じて、それらのステップの任意の組み合わせが、実施されてもよい、またはステップのいずれも、実施されなくてもよい。第1の随意のステップ350は、リパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼを含み得る、1つまたはそれを上回る酵素を調製するステップを含む。上記に説明されるように、酵素を調製するステップは、デバイスにおいて使用するための酵素を混合、加熱、冷却、攪拌、固定化、または別様に調製するステップを伴ってもよい。調製は、酵素がデバイスのチャンバおよび/または区分内にすでに含有されている状態で生じてもよい、調製は、デバイスの中への栄養調合物110の導入に先立って生じてもよい、または両方であってもよい。いくつかの実施形態では、調製は、1つまたはそれを上回る酵素および/または1つまたはそれを上回る粒子をともに混合するステップを含んでもよい。加えて、ステップ350は、352に先行する、ステップ351に先行するように示されることが認識されるが、これらのステップは、任意の順序で実施されてもよいことを理解されたい。
【0081】
ステップ351は、チャンバおよび/または1つまたはそれを上回る区分をデバイスに取り付けるステップ(チャンバおよび/または1つまたはそれを上回る区分がデバイスから取り外し可能である、実施形態において)および/またはチャンバならびに/もしくは1つまたはそれを上回る区分を、リパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼを含み得る、酵素で充填するステップを含んでもよい。いくつかの実施形態では、取り付けるステップおよび充填するステップは両方とも、生じてもよい一方、他の実施形態では、これらのうちの一方が、生じてもよい(またはいずれも生じなくてもよい)。両作用が、行われる場合、チャンバおよび/または1つまたはそれを上回る区分が、充填され、次いで、デバイスに取り付けられてもよい一方、他の実施形態では、チャンバおよび/または1つまたはそれを上回る区分が、デバイスに取り付けられ、次いで、充填されてもよい。いくつかの実施例では、複数のチャンバおよび/または複数の区分が、充填され、ならびに/もしくはデバイスに取り付けられてもよい。
【0082】
ステップ352では、デバイスは、処理された栄養調合物が対象に供給される前に、栄養調合物をデバイスを通して通過させるための供給システムに取り付けられてもよい。例えば、デバイスは、
図1の供給システムに取り付けられてもよい。実際、デバイスは、任意の好適な供給システムに取り付けられる、または別様にその中に組み込まれてもよい。
【0083】
ステップ353では、栄養調合物110が、デバイス内に含有される、例えば、デバイスの1つまたはそれを上回るチャンバまたは区分内に含有される、酵素(リパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼ)および/または補助剤(含まれる場合)を通して通過され得る。栄養調合物が、デバイス内の酵素を通して通過するにつれて、栄養調合物は、酵素と反応し、栄養調合物中の脂質、タンパク質、および/または炭水化物は、加水分解される。ステップ354では、処理された栄養調合物が、デバイスから退出し得る。随意のステップ354では、処理された栄養調合物が、直ちに、またはある時間の経過後のいずれかにおいて、対象に供給され得る。処理された栄養調合物は、任意の好適な様式において、例えば、供給管を介して、飲物を介して(例えば、処理された栄養調合物は、飲料に添加されてもよい)、または任意の他の様式において、対象に供給されてもよい。いくつかの実施形態では、開示される実施形態のデバイスは、大量の処理された栄養調合物を調製するように使用されてもよい、対象への処理された栄養調合物の投与前のある時間において、処理された栄養調合物を提供するために使用されてもよい、および/または産業もしくは実験室調製のためのものであってもよい。
【0084】
デバイスに関して上記で説明される実施形態の多くは、栄養調合物を処理するための診療現場デバイスを含むが、また、リパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼは、デバイス内に含有されずに、直接、栄養調合物に添加され得ることも検討される。例えば、リパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼは、ヒトへの投与直前に、栄養調合物(例えば、栄養調合物の個々の1回量または栄養調合物の供給源)に添加されてもよい、または大量の栄養調合物に添加されてもよい。大量の栄養調合物は、リパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼによる処理後、貯蔵されてもよく、分割され、複数の人々に投与されてもよく、および/または単一ヒトへの複数回分の投与量に分割されてもよい。
【0085】
添加される酵素(リパーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼ)は、1つまたはそれを上回る固体支持体上に固定化されてもよい、もしくは遊離されてもよい。固定化される場合、各酵素タイプは、相互から別個に固定化されてもよい(すなわち、リパーゼ、プロテアーゼ、およびアミラーゼはそれぞれ、重複せずに、別個の構造または構造のサブセットに固定化されてもよい)、または複数の酵素タイプが、同一構造または構造上に固定化されてもよい、もしくはそれらの組み合わせであってもよい。いくつかのそのような実施形態では、弁、フリット、メッシュ、フィルタ、または他の機械的構造のうちの1つまたはそれを上回るものが、栄養調合物の摂取に先立って、酵素、すなわち、固定化または遊離(すなわち、固定化されない)リパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼのいずれかを栄養調合物から除去するために使用されてもよい。例えば、遊離または固定化酵素は、経口飲物中に混合され得、次いで、沈殿させられ得る、または酵素は、経口飲物の消費に先立って、濾過もしくは別様に除去され得る。
【0086】
いくつかの実施形態では、容器(例えば、飲料ホルダ)は、複数のコンパートメント、すなわち、栄養調合物を含有するための1つまたはそれを上回るコンパートメントと、1つまたはそれを上回る酵素を含有するための1つまたはそれを上回るコンパートメントとを含んでもよい。例えば、コンパートメントは、栄養調合物を含有してもよく、リパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼは、別個のコンパートメント内に貯蔵されてもよい、もしくは複数のコンパートメント間に分散されてもよい(例えば、リパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼは、その独自のコンパートメント内に相互から別個に貯蔵されてもよい)。酵素は、別個のコンパートメント内に遊離および/または固定化されてもよい。コンパートメントは、栄養調合物が酵素と相互作用することを可能にするために、多孔性である、または別様に、栄養調合物が酵素を含有するコンパートメントに進入することを可能にするように設計されてもよい。コンパートメントの中への酵素の分離は、栄養調合物が、例えば、消費のために、容器から除去されるとき、酵素が栄養調合物の中に進入しないように防止し得る。例示的実施形態では、飲料容器は、栄養調合物が、コンパートメント内を流れ、コンパートメント内の酵素と混合することを可能にする、多孔性コンパートメントをその中に有してもよい。ヒトは、次いで、飲料容器を傾け、栄養調合物を飲んでもよく、栄養調合物は、コンパートメントから外に、かつ飲料容器から外に流れ、酵素をコンパートメント内に残し得る。
【0087】
いくつかの側面では、飲料容器は、容器から外に傾注され、かつその中に傾注される、栄養調合物が、コンパートメントを通して通過し、したがって、消費に先立って、リパーゼ、プロテアーゼ、および/またはアミラーゼに暴露され得るように、飲料容器の入口に沿って位置付けられる、酵素を含有する多孔性コンパートメントを含んでもよい。再び、ヒトは、飲料容器を傾け、栄養調合物を飲んでもよく、栄養調合物は、コンパートメントを通して、飲料容器から外に流れ、酵素をコンパートメント内に残し得る。
【0088】
本開示の原理は、特定の用途に関する例証的側面を参照して本明細書に説明されるが、本開示は、それに限定されない。当業者および本明細書を提供される教示へのアクセスを有する者は、本明細書に説明される側面の範囲内にある、全ての付加的修正、用途、側面、および均等物の代用を認識する。故に、本開示は、前述の説明によって限定されるものと見なされない。