(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-15
(45)【発行日】2023-02-24
(54)【発明の名称】鋳型製造方法及び鋳型
(51)【国際特許分類】
B62K 19/16 20060101AFI20230216BHJP
B29C 33/38 20060101ALI20230216BHJP
【FI】
B62K19/16
B29C33/38
(21)【出願番号】P 2020522731
(86)(22)【出願日】2018-10-10
(86)【国際出願番号】 IB2018057832
(87)【国際公開番号】W WO2019077441
(87)【国際公開日】2019-04-25
【審査請求日】2021-07-05
(31)【優先権主張番号】102017000116676
(32)【優先日】2017-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】520133732
【氏名又は名称】グレガリオ エッセ.エッレ.エッレ.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボトルーニョ、サルバトーレ
【審査官】福田 信成
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2003/089291(WO,A1)
【文献】特開2017-001220(JP,A)
【文献】特開2014-155959(JP,A)
【文献】特開2004-230431(JP,A)
【文献】特開平04-071977(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62K 19/16
B29C 33/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モノコック自転車部品(2、2’)のための鋳型製造方法(10、10’)であって、
i)第1の部品部分(P1)を形成するために、第1の型穴(14)を取り囲むための第1の表面(8、12)の範囲を定める一対の第1の半分の鋳型(4、6)を備える第1の雌型(22)を提供するステップと、
ii)第2の部品部分(P2、P2’)を形成するために、第2の型穴(26)を取り囲むための第2の表面(23、24)の範囲を定める一対の第2の半分の鋳型(18、20)を備える第2の雌型(16、16’)を提供するステップと、
iii)第1の雌型(22)と第2の雌型(16、16’)との間に少なくとも第3の雌型(28、30)の少なくとも一部を挿入して、前記第3の雌型(28、30)によって範囲を定められた第3の表面(32、34)が
、連続して前記第1の表面(8、12)及び前記第2の表面(23、24)を接合するステップであって、前記第3の表面(32、34)は、前記第1の部品部分(P1)及び前記第2の部品部分(P2)と一体で第3の部品部分(P3、P3’)を形成するように構成されている、ステップと
を含
む方法であって、
ステップiii)は、高速試作によって、すなわち、前記第3の表面(32、34)の少なくとも一部の3次元の数学的定義から物理的原型を生産することを目的とする1つ以上の製造技術によって、前記第3の雌型(28、30)の前記第3の表面(32、34)の少なくとも一部を製造するサブステップを少なくとも含
み、
少なくとも前記第3の雌型(28、30)は、支持部分(36)、及び前記第3の表面(32、34)の範囲を定め、且つ前記支持部分(36)に取り外し可能に接続されているカスタム化された成形部分(38)を備える、方法。
【請求項2】
前記第3の部品部分(P3、P3’)は
、同じ成形作業で、且つ
前記第1の部品部分(P1)及び
前記第2の部品部分(P2)
と同時に形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第3の雌型(28、30)の前記第3の表面(32、34)は、少なくともそれらの長さ(L)及び/又は鋳型平面(S)におけるそれらの配向において、第1の雌型(22)と第2の雌型(16、16’)との間のカスタム化された相対距離及び/又は相対位置決めを調整するためにカスタム化される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第3の表面(32、34)は、前記第1の表面(8、12)と前記第2の表面(23、24)との間で交換可能に隣接している、請求項1~3の何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第3の表面(32、34)又は前記第3の雌型(28、30)は使い捨てである、請求項1~
4の何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の型穴(14)及び/又は前記第2の型穴(26)は、モノコックフレーム(2)の水平管(P1)、立て管(P2)、及び/又は傾斜管(P2’)の少なくとも一部に対して形状が相補的であり、前記第3の表面(32、34)は、操向管の少なくとも一部(P3’)及び/又は前記立て管の異なる部分(P3)に対して相補的な少なくとも第3の型穴(40)を取り囲む、請求項1~
5の何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の型穴(14)及び/又は前記第2の型穴(26)は、モノコックハンドルバー(2’)の中間体(P1)及び/又は(例えば屈曲された)ハンドル部分(P2)の少なくとも一部に対して形状が相補的であり、前記第3の表面(32、34)は、少なくとも1つの異なるステム部分(P3’)及び/又は前記中間体(P1)と前記ハンドル部分(P2)との間の少なくとも1つの中間部分(P3)に対して相補的な少なくとも第3の型穴(40)を取り囲む、請求項1~
5の何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
iv.a)モノコックフレーム(2)の立て管(P2)と傾斜管(P2’)との間に囲まれた角部(44)の幅が可変の節部分(46)を形成するために、一対の第2の標準化された雌型(16、16’)の間に少なくとも第4の雌型(42)を挿入するステップ、及び/又は
iv.b)モノコックフレーム(2)の傾斜管(P2’)と立て管(P2)との間に囲まれた角度の振幅が可変の部分を形成するために、一対の第2の標準化された雌型の間に少なくとも第4の雌型を挿入するステップ
更に含む、請求項1~
7の何れか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記モノコック
自転車部品は、自転車のうちのモノコックハンドルバー(2’)、モノコックフレーム(2)、メインモノコックダイヤモンド、又は少なくとも後部モノコックトライアングルである、請求項1~
8の何れか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記モノコック自転車部品(2、2’)のモノコックは、炭素繊維、ガラス繊維、玄武岩繊維、ポリマー繊維、又はこれらの組み合わせのような強化繊維を含有する複合ポリマー材料で作られる、請求項1~
9の何れか一項に記載の方法。
【請求項11】
モノコック自転車部品(2、2’)を製造するための鋳型(10、10’)であって、i)第1の部品部分(P1)を形成するために、第1の型穴(14)を取り囲むための第1の表面(8、12)の範囲を定める一対の第1の半分の鋳型(4、6)を備える第1の雌型(22)と、
ii)第2の部品部分(P2、P2’)を形成するために、第2の型穴(26)を取り囲むための第2の表面(23、24)の範囲を定める一対の第2の半分の鋳型(18、20)を備える第2の雌型(16、16’)と、
iii)少なくとも第3の雌型(28、30)の少なくとも一部であって、前記第3の
雌型(28、30)によって範囲を定められた第3の表面(32、34)が
、連続して前記第1の表面(8、12)及び前記第2の表面(23、24)を接合し、前記第3の表面(32、34)が、前記第1の部品部分(P1)及び前記第2の部品部分(P2)と一体で第3の部品部分(P3、P3’)を形成するように構成されるように、前記第1の雌型(22)と前記第2の雌型(16、16’)との間に挿入された少なくとも第3の雌型(28、30)の少なくとも一部と
を備え
る鋳型であって、
前記第3の雌型(28、30)の前記第3の表面(32、34)の少なくとも一部は、高速試作によって、すなわち、前記第3の表面(32、34)の少なくとも一部の3次元の数学的定義から物理的原型を生産することを目的とする1つ以上の製造技術によって製造され
、
少なくとも前記第3の雌型(28、30)は、支持部分(36)、及び前記第3の表面(32、34)の範囲を定め、且つ前記支持部分(36)に取り外し可能に接続されているカスタム化された成形部分(38)を備える、鋳型。
【請求項12】
前記第3の雌型(28、30)の前記第3の表面(32、34)の少なくとも一部は、付加製造を介して製造されている、請求項1に記載の製造方法又は請求項1
1に記載の鋳型。
【請求項13】
前記第3の雌型(28、30)の前記第3の表面(32、34)は、前記第1の雌型(22)と前記第2の雌型(16、16’)との間の相対距離及び/若しくは相対位置決めを調整するために、少なくともそれら自体の長さ(L)及び/又は鋳型平面(S)におけるそれらの配向においてカスタム化され、並びに/又は
前記カスタム化された成形部分(38)のみが、前記支持部分(36)に複数の後続の構築層を置くことによる高速試作によって作られる、請求項1に記載の製造方法又は請求項11に記載の鋳型。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モノコック自転車部品のための鋳型を製造するための方法、及び、例えば、このような方法によって作られたモノコック自転車部品を製造するための鋳型に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、カスタムメイドの自転車フレームを生産するための鋳型のシステムを例示し、このようなフレームは、後の段階において機械的な連結手段によって互いに取り付けられなければならない2つの別個の鋳型で最初は作られる。
【0003】
このような既知のシステムにおいては、各鋳型は、有限数の所望のフレーム形状を得るために様々な方法で組み立てられてもよい鋳型モジュールからなる。
【0004】
特許文献1において教示される解決策は、幾つかの点においては満足であるが、一体(いわゆるモノコックフレーム)で、例えば鋳型からカスタムフレームを得るという問題を解決しない。
【0005】
その上、本システムによれば、従来技術と同様に、全ての可能な寸法変数-例えば、フレームの長さ及び/又は高さ-を管理する必要はなく、これは、このような状況においては、要求される鋳型モジュールの数が多いことに起因して、システムが過度に高価になるためである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、先の文脈の一部であり、特別な鋳型を介して相互に接合され、測定のために形成又は成形される、好ましくは低コストの少なくとも一対の標準の鋳型を提供することを想定する製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
このように、提案された方法は、鋳型を製造するための全体的な投資を厳しく制限することに加えて、モノコック部品生産の適用範囲を単なる自転車フレームを超えて拡張することを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような目的は、請求項1に記載の方法及び請求項12に記載の鋳型によって実現される。これらに従属する請求項は、好ましい実施形態を示す。
【0010】
次に、本発明の目的は、添付の図面を用いて詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】可能な実施形態による、本発明の目的である鋳型の平面概略図を示す。
【
図2】
図1に示される平面II-IIに沿った断面を例示する。
【
図3】
図1に示される平面III-IIIに沿った断面を例示する。
【
図4】
図1に示される平面IV-IVに沿った断面を例示する。
【
図5】可能な実施形態による、本発明の目的である鋳型の平面概略図を示す。
【
図6】可能な実施形態による、本発明の目的である鋳型の平面概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
上記の目的は、モノコック自転車部品2、2 ’のための鋳型製造方法10、10’を介して実現される。
【0013】
一実施形態によれば、モノコック自転車部品2、2’のモノコックは、炭素繊維、ガラス繊維、玄武岩繊維、ポリマー繊維、又はそれらの組み合わせのような強化繊維を含有する複合材料(例えば、複合ポリマー材料)で作られる。
【0014】
一実施形態によれば、モノコック部品は、モノコックハンドルバー2’(例えば、
図6を参照)、モノコックフレーム2(
図5)、メインモノコックダイヤモンド(又はメイントライアングル;
図1)、又は自転車の少なくとも後部モノコックトライアングル48である。
【0015】
このような方法は、以下のステップを含む。
【0016】
i)第1の部品部分P1を形成するために、第1の型穴14を取り囲むための第1の表面8、12の範囲を定める一対の第1の半分の鋳型4、6を備える(例えば標準化された)第1の雌型22を提供するステップ
【0017】
ii)第2の部品部分P2、P2’を形成するために、第2の型穴26を取り囲むための第2の表面23、24の範囲を定める一対の第2の半分の鋳型18、20を備える(例えば標準化された)第2の雌型16、16’を提供するステップ
【0018】
iii)第1の雌型22と第2の雌型16、16’との間に少なくとも(例えばカスタム化された)第3の雌型28、30の少なくとも一部を挿入して、このような第3の雌型28、30によって範囲を定められた第3の表面32、34は、-有利には実質的に連続して-第1の表面8、12及び第2の表面23、24を接合するステップ
【0019】
添付の図面においては、第3の雌型、又はとにかく有利にはカスタマイズ可能な全ての雌型が、部分的に陰影を付けた表面で示されることに留意すべきである。
【0020】
一実施形態によれば、第1の部品部分P1及び/又は少なくとも第2の部品部分P2、P2’は、実質的に管状の本体を備え、又はそれからなる。
【0021】
例として、このような少なくとも1つの実質的に管状の本体は、実質的に直線とすることができ(例えば、
図1の部分P1を参照)、又は湾曲されることができる(例えば、
図6の部分P2を参照)。
【0022】
一実施形態によれば、ステップiii)は、第1の雌型22と第2の雌型16、16’の雌型との間に第3の雌型28、30(例えばそれらの対)の少なくとも一部を挿入するステップを含む。
【0023】
一実施形態によれば、1つ以上の雌型22、16、16’、28、30において、少なくとも1つの雄型50、50’、50’’及び/又は拡張可能な袋が、内部に中空のモノコック部品を得るために少なくとも部分的に挿入される。
【0024】
一実施形態によれば、約1つ以上の雄型50、50’、50’’及び/又は約1つ以上の拡張可能な袋は、バインダー樹脂で含浸された強化繊維の層で包まれて、このような含浸層を有する鋳型及び/又は袋が雌型に挿入された後、樹脂は鋳型が炉に置かれた後に硬化する。
【0025】
硬化すると、鋳型及び/若しくは袋、又はその複数が、モノコック部品の内部空洞から抽出される。
【0026】
第3の表面32、34は、第1の部品部分P1及び第2の部品部分P2と一片で第3の部品部分P3、P3’を形成するように構成される。
【0027】
より正確には、第3の部品部分P3、P3’は、実質的に同じ成形作業で、第1の部品部分P1及び第2の部品部分P2が成形されるのと実質的に同時に成形される。
【0028】
言い換えれば、第3の表面32、34は、部品の長さ(例えば管状の本体)を、このような長さの間に結合材料を外側被覆することによって接合するために使用されないが、寧ろ、部品全体を一体(例えば、鋳造片又は架橋/硬化片)で作製するように構成される。
【0029】
一実施形態によれば、第3の雌型28、30の第3の表面32、34は、第1の雌型22と第2の雌型16、16’との間の(特に測定のためにカスタム化された)相対距離及び/又は相対位置決めを調整するために、少なくともそれら自体の長さL及び/又は鋳型平面Sにおけるそれらの配向においてカスタム化される。
【0030】
一実施形態によれば、鋳型平面Sにおける配向は、直線部分間の相対角度の変更を介して、及び/又は曲線部分の使用を介して生じることができる。
【0031】
1つの実施形態によれば、第3の表面32、34は、第1の表面8、12と第2の表面23、24との間に交換可能な方法で隣接される。
【0032】
本発明によれば、ステップiii)は、高速試作によって第3の雌型28、30の第3の表面32、34の少なくとも一部を製造するサブステップを少なくとも含む。
【0033】
本明細書においては、「高速試作」という表現は、物理的原型の作製を目的とする1つ以上の製造技術を意味することに留意すべきであり(具体的には、表面のサイズに応じて、相対的に短時間で可変の時間で作られる)、具体的には、第3の表面32、34の少なくとも一部(例えば、全ての第3の表面)である、物品の3次元の数学的定義から開始する(例えば、CAD(コンピュータ支援製図)システムで処理される)。
【0034】
一実施形態によれば、ステップiii)は、付加製造に介して第3の表面32、34の少なくとも一部を製造する少なくとも1つのサブステップを含む。
【0035】
一実施形態(これに関して、例えば
図4を参照)によれば、少なくとも第3の雌型28、30は、支持部分36、及び第3の表面32、34の範囲を定める(例えばカスタム化された)成形部分38を備える。
【0036】
一実施形態によれば、成形部分38は、支持部分36に取り外し可能に接続される。
【0037】
一実施形態によれば、成形部分38のみが、高速試作によって、例えば、支持部分36に複数の後続の構築層を置くことによって作られる。
【0038】
一実施形態によれば、第3の雌型28、30は、完全に又は主に高速試作によって作られる。
【0039】
一実施形態によれば、第3の表面32、34又は第3の雌型28、30は使い捨てである。
【0040】
本明細書においては、「使い捨て」という用語は、前述の第3の表面又は前述の第3の鋳型の再使用なしに、一回使用を意味することに留意すべきである。
【0041】
一実施形態によれば、第3の表面32、34又は第3の雌型28、30は、逆により長く作業するために設計された第1及び第2の雌型に対して(例えば、数千サイクルではなくても数百サイクル)、例えば、幾つかの製造サイクル後に(例えば3~10サイクルで)、計画された方法で摩耗するように設計される。
【0042】
一実施形態によれば、第1の型穴14及び/又は第2の型穴26は、モノコックフレーム2の水平管P1、立て管P2、及び/又は傾斜管P2’の少なくとも一部に対して形状が相補的である。
【0043】
図2~
図4に示される実施形態においては、前述の管P1、P2、P2’を通る断面は、実質的に円形である。
【0044】
例示されない他の実施形態によれば、前述の管を通る断面は、非円形、例えば、卵形、楕円形、又は涙滴の形状とすることができる。このような断面の他の形状がまた可能である。
【0045】
一実施形態によれば、第3の表面32、34は、操向管の少なくとも一部P3’及び/又は立て管の異なる部分P3に対して形状が相補的な少なくとも第3の型穴40を取り囲む。
【0046】
第1の雌型22と第2の雌型16、16’との間の距離は、第3の雌型の形状及び/又はサイズに応じて、一次元で(具体的には、
図1の配向に従って高さで)調整可能であるので、この変形は、本方法の最も単純な実施形態に対応する。
【0047】
言い換えれば、例えば、
図1の変形を参照すると、第3の雌型28、30のより長い又はより短いLは、モノコックフレーム2の水平管と節部分46との間のより長い又はより短い距離を生み出す。
【0048】
節部分46は、(例示されない)ペダルの中央移動が行われる部分、すなわち、立て管P2と傾斜管P2’との間の収束部分として画定されることに留意すべきである。
【0049】
一実施形態によれば、第1の型穴14及び/又は第2の型穴26は、モノコックハンドルバー2’の中間体P1及び/又はハンドル部分P2の少なくとも一部に対して形状が相補的である。
【0050】
1つの実施形態によれば、モノコックハンドルバー2’は、例えば、折り返された一対のハンドル部分P2を備える。
【0051】
一実施形態によれば、第3の表面32、34は、少なくとも異なるステム部分P3’及び/又は中間体P1とハンドル部分P2との間の少なくとも1つの中間部分P3に対して形状が相補的な第3の鋳型40の少なくとも1つの空洞を取り囲む。
【0052】
従って、例えば、
図6の実施形態を参照すると、モノコックハンドルバー2’は、一対のハンドル部分P2の間の横方向距離Tに関して、及び/又は中間体P1とモノコックハンドルバーの例示されない操向管との結合ゾーン52との間の縦方向距離Dに関して、非常に用途の広い方法で設計されてもよい。
【0053】
一実施形態によれば、第1の表面8、12、第2の表面23、24、及び第3の表面32、34は、凹面であり、単一の型穴14、26、40の範囲を共同で定め、モノコック部品10、10’が成形される。
【0054】
一実施形態によれば、単一の型穴14、26、40は、それ自体でリング状に閉じられることができる。
【0055】
一実施形態によれば、方法は、モノコックフレーム2の立て管P2と傾斜管P2’との間に囲まれた角度44の振幅が可変の節部分46を形成するために、例えば標準化された一対の第2の雌型16、16’の間に少なくとも(例えばカスタム化された)第4の雌型42を挿入するステップiv.a)を更に含む。
【0056】
一実施形態によれば、方法は、モノコックフレーム2の傾斜管P2’と立て管P2との間に囲まれた角度の振幅が可変の部分を形成するために、例えば標準化された一対の第2の雌型の間に少なくとも(例えばカスタム化された)第4の雌型を挿入するステップiv.b)を更に含む。
【0057】
一実施形態によれば、方法は、水平管P1に沿って少なくとも(例えばカスタム化された)第5の雌型54を、その長さを長手方向に変化させるように隣接させるステップv)を更に含む。
【0058】
前述の目的はまた、モノコック自転車部品2、2’を作製するための鋳型10、10’によって実現される。
【0059】
このような鋳型は、上記で議論された方法を使用して有利には作られるので、これが明示的でなくても、このような鋳型は、先の方法から推論可能な全ての追加の又は有利な機構を備えることができる。
【0060】
鋳型10、10’は以下を備える。
【0061】
i)第1の部品部分P1を形成するために、第1の型穴14を取り囲むための第1の表面8、12の範囲を定める一対の第1の半分の鋳型4、6を備える(例えば標準化された)第1の雌型22
【0062】
ii)第2の部品部分P2、P2’を形成するために、第2の型穴26を取り囲むための第2の表面23、24の範囲を定める一対の第2の半分の鋳型18、20を備える(例えば標準化された)第2の雌型16、16’
【0063】
iii)少なくとも(例えばカスタム化された)第3の雌型28、30の少なくとも一部であって、このような第3の鋳型28、30によって範囲を定められた第3の表面32、34が、実質的に連続して第1の表面8、12及び第2の表面23、24を接合し、第3の表面32、34が、第1の部品部分P1及び第2の部品部分P2と一体で第3の部品部分P3、P3’を形成するように構成されるように、第1の雌型22と第2の雌型16、16’との間に挿入された少なくとも第3の雌型28、30の少なくとも一部
【0064】
第3の雌型28、30の第3の表面32、34の少なくとも一部は、高速試作によって、例えば付加製造によって製造される。
【0065】
革新的に、本発明の方法及び鋳型の目的は、序論において言及された目的を完全に実現することを可能にする。
【0066】
特に、このような方法/鋳型は、基本的な発想が、種々様々な形状の部品を得るためにカスタム化されて製造された特別な鋳型と関連付けられなければならない、例えば、管状の形状を有する、標準化された鋳型を大いに活用することができるようにすることであるので、モノコック部品のための鋳型を低コストで作ることを可能にする。
【0067】
有利には、本発明の方法/鋳型の目的は、鋳型の特別な部分の交換を介して、モノコック部品を構成する部品のピッチ、幅、長さ、及び/又は配向を増加させることを可能にする。
【0068】
有利には、本発明の方法/鋳型の目的において、第3及び第4/第5の雌型を製造するコストは、少なくとも従来使用される鋳型と比較して、極めて低い。
【0069】
有利には、本発明の方法/鋳型の目的において、カスタム鋳型は、少しの回数のみ、又は一回のみに制限されて使用されるように設計される。
【0070】
有利には、本発明の方法/鋳型の目的は、試作中に必要な材料の量を最小限に減少させるために、カスタム鋳型の一部のみを交換して共通の基部を有することを可能にする。
【0071】
有利には、この共通の基部は、様々なあつらえの成形形状で繰り返し使用されてもよい。
【0072】
前述の方法及び鋳型の実施形態に対して、当業者は、特別のニーズを満たすために、機能的に同等である他のもので要素の変形又は置換を行ってもよい。
【0073】
これらの変形はまた、添付の特許請求の範囲によって画定されるような保護の範囲内に含有される。
【0074】
更に、可能な実施形態に属するように説明された各変形は、他の説明された変形とは独立して実現されてもよい。