(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-15
(45)【発行日】2023-02-24
(54)【発明の名称】容器圧縮装置
(51)【国際特許分類】
B30B 9/32 20060101AFI20230216BHJP
【FI】
B30B9/32 101Q
(21)【出願番号】P 2021073536
(22)【出願日】2021-04-23
(62)【分割の表示】P 2015226739の分割
【原出願日】2015-11-19
【審査請求日】2021-05-21
(31)【優先権主張番号】P 2014234463
(32)【優先日】2014-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】504020832
【氏名又は名称】八千代工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101605
【氏名又は名称】盛田 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】廣田 真之
(72)【発明者】
【氏名】清滝 震
【審査官】石川 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-138541(JP,A)
【文献】特開2007-197039(JP,A)
【文献】特開平08-107859(JP,A)
【文献】特開2002-172493(JP,A)
【文献】特開2008-232064(JP,A)
【文献】特開平11-005196(JP,A)
【文献】仏国特許出願公開第02822750(FR,A1)
【文献】特開2000-005729(JP,A)
【文献】実開平02-003073(JP,U)
【文献】国際公開第2005/061194(WO,A1)
【文献】特開2004-249530(JP,A)
【文献】特開平08-001391(JP,A)
【文献】特開2000-079498(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B30B 9/32
B09B 3/00
F04B 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器内部の空気を吸引することにより、上記容器及び又は上記容器に収容された収容物を圧縮する容器圧縮装置であって、
有底円筒状のシリンダ内でピストンを往復動させることにより、上記容器内の空気を吸引できる手動ポンプ機構と、
上記容器の開口部に連結させられて上記シリンダ内に上記容器内の空気を吸引する吸引ノズルと、
上記吸引ノズルと、上記ピストンで区画されるシリンダ室との間に設けられ、上記シリ ンダ室内に流入させられた空気が上記容器へ逆流するのを阻止する逆止弁を備え、
上記シリンダの底壁部に
設けた吸引孔に上記逆止弁が設けられているとともに、
上記吸引ノズルは、上記底壁部
及び上記底壁部の縁部を覆うように連結された壁部材に一体延出形成された
ノズル部を備える、容器圧縮装置。
【請求項2】
上記容器がペットボトルであ
り、
上記吸引ノズルは、弾性変形しうるゴム材料から形成されて上記ノズル部の外周部に設けられた吸引部材を備えて構成されており、
上記吸引部材は、外周部がテーパ状又は段付き状に形成されて、口径が異なる上記ペットボトルの上記開口部に突入させることができるように構成されている、請求項1に記載の容器圧縮装置。
【請求項3】
上記容器の変形をガイドするガイド部材を備える、請求項1又は請求項2に記載の容器圧縮装置。
【請求項4】
上記ガイド部材は、上記容器の周囲を囲むように形成されており、上記容器の軸と直交する方向への変形を規制できるように構成されている、請求項3に記載の容器圧縮装置。
【請求項5】
上記ガイド部材は、上記吸引ノズルに連結させられた容器に、外部から圧縮力を作用させることができるように構成されている、請求項3又は請求項4に記載の容器圧縮装置。
【請求項6】
上記ガイド部材は、上記容器に、軸方向の圧縮力を作用させることができるように構成されている、請求項5に記載の容器圧縮装置。
【請求項7】
上記ガイド部材は、上記容器の開口部の周りの肩部に当接させられる圧縮壁部を備える、請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の容器圧縮装置。
【請求項8】
上記ガイド部材は、容器の圧縮変形に応じて軸方向長さを変化させることができるよう に構成されている、請求項3から請求項7のいずれか1項に記載の容器圧縮装置。
【請求項9】
上記吸引ノズルは、圧縮する容器の開口部に対応した複数の吸引部材を着脱可能に接続できるように構成されている、請求項1から請求項8に記載の容器圧縮装置。
【請求項10】
空き缶からなる容器内部の空気を吸引することにより、容器を圧縮する容器圧縮装置で あって、
シリンダ内でピストンを往復動させることにより、上記容器内の空気を吸引できる手動 ポンプ機構と、
上記容器の開口部に連結させられて上記シリンダ内に上記容器内の空気を吸引する吸引ノズルと、
上記吸引ノズルと、上記ピストンで区画されるシリンダ室との間に設けられ、上記シリ ンダ室内に流入させられた空気が上記容器へ逆流するのを阻止する逆止弁を備え、
上記シリンダの底壁部に上記逆止弁が設けられているとともに、
上記吸引ノズルは、上記底壁部を覆うように連結された壁部材に一体延出形成されたノ ズル部と、上記ノズル部に連通する連通穴を有するとともに弾性変形しうるゴム材料から 形成されて上記ノズル部の外周部に設けられた吸引部材とを備えて構成されており、
上記吸引部材の連通穴に連通する連通穴を有するとともに、上記吸引部材に連結される 板状部材と、
上記空き缶の上縁部に密着できる密着面と、上記板状部材の連通穴に連通するとともに 、上記密着面に開口して上記シリンダ内に連通する貫通穴とを備え、ゴム材料から形成された吸引部とを備え、
上記板状部材は、上記密着面と反対側に設けられて、上記吸引部を保形できるように構 成されている、容器圧縮装置。
【請求項11】
上記手動ポンプ機構は、上記シリンダ内において上記ピストンを往動させる工程、及び 上記ピストンを復動させる工程のいずれの工程においても、上記吸引ノズルから容器内の 空気を吸引できるように構成されている、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載 の容器圧縮装置。
【請求項12】
上記容器を収容して容器の外周に押圧力を作用させる圧縮手段を備え、上記手動ポンプ機構は、吸引した空気を圧縮して圧縮空気を生成できるように構成されているとともに、 上記圧縮空気を上記圧縮手段に作用させて上記容器を圧縮する、請求項1から請求項11に記載の容器圧縮装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、ペットボトル等の空容器の圧縮装置及び圧縮方法に関する。詳しくは、使用済ペットボトル(PETボトル)等を潰して嵩を減少させ、リサイクルを促進できる容器圧縮装置及び容器圧縮方法に関するものである。
【0002】
飲料水等を販売するために用いられるペットボトルは品質の高いポリエチレン樹脂から形成されている。このため、使用済のペットボトルは、種々の製品を製造するための原料として再利用することができる。また、使用済の空き缶も同様にリサイクルされる。
【0003】
使用済のペットボトルや空き缶は軽量であるが、嵩が大きくなるため搬送が困難な場合が多く、再利用する際の障害となる場合が多い。
【0004】
回収の際の容積を減少させるため、ペットボトルや空き缶を圧縮する種々の圧縮機が提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来のペットボトル圧縮装置は、外部から圧縮力を作用するように構成されている。ところが、外部からの圧縮力でペットボトルを充分に圧縮するには、大きな力や大掛かりな装置を必要とする。また、ペットボトルの弾性回復力が高いため、圧縮後に容積が一定量戻ることも多い。
【0007】
また、ペットボトルを圧縮する際、軸方向に圧縮するのが容積を減少させる効率が大きい。一方、ペットボトルは軸方向の長さが幅方向の寸法に比べて大きなものが多く、圧縮力を軸方向に作用させるのは困難である。
【0008】
特に、上記従来のペットボトル圧縮機は、外部から圧縮力を作用させるものが多く、ペットボトル等を軸方向に圧縮するのは困難である。また、圧縮された形態が一定せず、容積を減少させる効率が低かった。
【0009】
本願発明は、上記課題を解決するために案出されたものであって、上記従来の問題を解決し、ペットボトルや空き缶を効率よく圧縮して再利用に供することができる、容器圧縮装置及び容器圧縮方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願発明に係る容器圧縮装置は、容器内部の空気を吸引することにより、上記容器及び又は上記容器に収容された収容物を圧縮する容器圧縮装置であって、 有底円筒状のシリンダ内でピストンを往復動させることにより、上記容器内の空気を吸引できる手動ポンプ機構と、上記容器の開口部に連結させられて上記シリンダ内に上記容器内の空気を吸引する吸引ノズルと、上記吸引ノズルと、上記ピストンで区画されるシリンダ室との間に設けられ、上記シリンダ室内に流入させられた空気が上記容器へ逆流するのを阻止する逆止弁を備え、上記シリンダの底壁部に設けた吸引孔に上記逆止弁が設けられているとともに、 上記吸引ノズルは、上記底壁部及び上記底壁部の縁部を覆うように連結された壁部材に一体延出形成されたノズル部を備えて構成される。
【0011】
本願発明に係る容器圧縮装置では、ペットボトル等の容器内部の空気を吸引して負圧を発生させることにより、ペットボトル等を圧縮する。上記負圧を発生させるため、手動ポンプ機構が採用される。上記手動ポンプ機構は、シリンダとこのシリンダ内で往復動させられるピストンとを備えて構成される。
【0012】
上記吸引ノズルは、上記ペットボトル等の容器の開口部に連結させられて上記シリンダ内に上記容器内の空気を吸引するように構成される。上記吸引ノズルを設ける部位は、特に限定されることはない。たとえば、上記シリンダの一端に設けることができる。上記吸引ノズルと容器の開口部との気密性を確保するため、上記吸引ノズルの外周部に弾性変形しうるゴム材料等から形成された吸引部材等を設けるのが好ましい。上記ノズル部は、上記シリンダの一端部を構成する底壁部に連結された壁部材に一体延出形成される。上記吸引部材は、外周部がテーパ状又は段付き状に形成されて、口径が異なる上記開口部に突入させることができるように構成することができる。これにより、種々の口径のペットボトルに適用できる。上記吸引部材は、上記ノズル部の外周を被覆するように設けられている。上記構成によって、ノズル部の強度が高まり、容器の開口部に大きな力で突入させることが可能となる。また、上記ノズル部から上記容器を押し潰す力を作用させることも可能となる。
【0013】
上記吸引ノズルの形態等は特に限定されることはない。たとえば、上記吸引ノズルを、圧縮する容器の開口部に対応した複数の吸引部材を着脱可能に交換して接続できるように構成することができる。また、種々の容器に対応できるように、上記吸引ノズルを構成できる。たとえば、上記吸引ノズルを、空き缶の開口側の縁部に気密性をもって添着できる吸引部材を備えて構成することができる。たとえば、上記吸引ノズルを、上記シリンダの一部から延出するノズル部と、弾性変形しうるゴム材料から形成され、上記ノズル部の外周を覆うように連結されるとともに、上記ノズル部に連通する連通穴を設けた吸引部材と、上記吸引部材の連通穴に連通する連通穴を有するとともに、上記吸引部材に連結される板状部材と、上記空き缶の上縁部に密着できる密着面と、上記板状部材の連通穴に連通するとともに、上記密着面に開口して上記シリンダ内に連通する貫通穴とを備え、ゴム材料から形成されたる吸引部とを備えて構成する。上記構成において、上記板状部材は、上記密着面と反対側に設けられて、上記吸引部を保形できるように構成できる。
【0014】
さらに、ペットボトルや空き缶のみならず、袋状の容器から空気を抜いて圧縮することができる。たとえは、布団圧縮袋等の空気を抜き、上記袋状の容器とともに布団を圧縮することができるように構成することができる。また、食品保存用の袋状容器の空気を抜くように構成することもできる。袋状の圧縮容器から空気を抜く場合、上記吸引ノズルを、上記手動ポンプから延出する吸引チューブと、上記吸引チューブの先端に設けられた吸引部材とを備えて構成することができる。袋状の容器から空気を吸引する場合、容器内から効率よく空気を吸引するために、吸引チューブ介して、上記吸引部材を袋状容器の内部に挿入する。上記吸引部材として、多数の吸引孔を設けたものや、多孔質体状のものを採用するのが好ましい。
【0015】
また、上記ピストンのシリンダ内での1回の往復動作だけでは、容器を圧縮するための充分な負圧を発生させることは困難である。このため、上記逆止弁が設けられる。上記逆止弁の構造は特に限定されることはなく、種々の構造を採用することができる。たとえば、上記シリンダの壁部から突出する吸引ノズルを設けるとともに、上記壁部に弾性シートを添着した吸引口を設け、空気がシリンダ室内へ流入するのを許容する一方、容器内へ逆流するのを阻止できるように構成することができる。
【0016】
上記ポンプ機構によって発生させた負圧は、容器内の内面全体に均一に作用する。一方、容器は、通常、軸方向長さが幅方向寸法より大きく設定されているため、容器を負圧にしていくと、まず、幅方向の壁部が近接するように圧縮される。このため、容積を減少させる効率が高いとはいえない。また、上記のように変形させた場合、吸引力を解除した際に、弾性によって一部の変形が回復して容積が増加することも多い。
【0017】
上記不都合を回避するため、上記吸引ノズルから上記容器内の空気を吸引するとともに
、上記容器の圧縮変形をガイドするガイド部材を設けることができる。
【0018】
上記ガイド部材は、ペットボトル等の容器が負圧によって変形させられる際に、容器の外周部に当接させられて、横方向や斜め方向に容器が変形するのを規制し、軸方向の変形を促進できるように構成される。たとえば、円柱状、円錐状又は椀状に形成することができる。なお、上記ガイド部材は、幅方向に圧縮された容器を、折り畳むようにして軸方向へ変形させるように用いることもできる。
【0019】
また、上記吸引ノズルから上記容器内の空気を吸引するとともに、上記容器に圧縮力を作用させることができる。たとえば、上記吸引ノズルを上記シリンダの一端部に設け、シリンダ本体あるいは上記吸引ノズルを介して、上記容器を軸方向に圧縮する圧縮力を作用させるように構成することができる。上記圧縮力を作用させることにより、空容器の容積をより減少させることができるばかりでなく、軸方向への圧縮を促進できる。
【0020】
上記圧縮力を作用させる構成として、上記吸引ノズルを、テーパ状又は段付き状に形成するとともに吸引ノズルに所要の強度を持たせて、壁面や地面との間で、上記吸引ノズルを介して容器の軸方向に圧縮力を作用させるように構成するのが好ましい。
【0021】
また、上記ガイド部材を、上記吸引ノズルに連結させられた容器本体に、圧縮力を作用させることができるように構成することもできる。圧縮力を作用させる方向は特に限定されることはない。たとえば、ペットボトル等の容器を軸方向に圧縮するように構成できる。また、ペットボトル等の軸と直交する方向に圧縮して、容器を板状に変形させるように構成できる。
【0022】
上記ガイド部材から圧縮力を作用させることにより、容器の圧縮を容易に行うことができるばかりでなく、空容器の容積を大幅に減少させることが可能となる。
【0023】
上記圧縮力を作用させるための構成は特に限定されることはない。たとえば、上記ガイド部材を、上記ペットボトルの開口部周りの肩部に当接させられる圧縮壁部を備えて構成することができる。また、ペットボトル等の容器の軸と直交する方向に圧縮して板状に変形させる圧縮壁部を設けることもできる。
【0024】
ペットボトルの肩部は、開口部より大きな面積を有するとともに、胴部より強度が大きいため、効率よく軸方向力を作用させることができる。また、ペットボトル等の開口部に軸方向力を作用させる必要がなくなるため、吸引ノズルや吸引部材が傷むのを防止することができる。
【0025】
また、上記ガイド部材を、上記容器の周囲を囲む円筒状、円錐状又は椀状に形成することにより、軸方向に圧縮力を作用させる圧縮過程においても、容器の側部表面が上記ガイド部材の内面に当接させられて軸と直交する方向への変形を規制しつつ、上記容器を軸方向に効果的に圧縮することができる。
【0026】
上記ガイド部材の長さは特に限定されることはない。容器の圧縮後の長さ等に合わせて設定できる。たとえば、圧縮力を作用させる場合、容器の軸方向長さの3分の1以下の長さに設定するのが好ましい。さらに、ガイド部材を、容器の圧縮変形に応じて軸方向長さが変化するように構成することができる。これにより、ペットボトル等の容器の軸と直交する方向への変形を効果的に規制しながら、軸方向へ圧縮することが可能となる。
【0027】
たとえば、上記ガイド部材を、弾性材料で形成するとともに、上記容器の周囲を囲む螺旋状に形成することができる。また、上記ガイド部材を、上記容器の周囲を囲む蛇腹状に形成することができる。上記構成を採用することにより、ペットボトル等の容器の軸方向への変形を促進することができる。
【0028】
上記ガイド部材に、使用者の手指で握持して、圧縮力を作用させることができる握持部を設けるのが好ましい。上記握持部を設けることにより、使用者から圧縮力をペットボトルに容易に作用させることが可能となる。
【0029】
上記容器圧縮装置を、円筒状の上記シリンダと、上記シリンダ内を往復動させられる上記ピストンと、一端が上記ピストンに連結されるとともに、他端部が上記シリンダの一端部から延出させられて、上記ピストンを往復動させる操作棒と、上記シリンダの他端部に設けられるとともに、逆止弁を介して上記シリンダ内に連通させられた吸引ノズルと、上記シリンダの一端部側のシリンダ室内の空気を排気できる排気口とを備え、上記ピストンを上記他端部から離間させることにより、上記シリンダの他端部側のシリンダ室内に負圧を発生させて、上記吸引ノズルから容器内の空気を吸引する一方、上記シリンダの一端部側のシリンダ室内の空気を上記排気口から排気するように構成することができる。
【0030】
上記構成を採用することにより、ピストンの一方向への移動によって負圧を発生させるように構成することができる。
【0031】
また、上記容器圧縮装置を、上記シリンダ内において上記ピストンを往動させる工程、及び上記ピストンを復動させる工程のいずれの工程においても、上記吸引ノズルから容器内の空気を吸引できるように構成することができる。
【0032】
たとえば、円筒状の上記シリンダと、上記シリンダ内を第1のシリンダ室と第2のシリンダ室に区画するピストンと、一端が上記ピストンに連結されるとともに、他端部が上記シリンダの一端部から延出させられて、上記ピストンを往復動させる操作棒と、上記容器内の空気を吸引する吸引ノズルと、上記第1のシリンダ室と上記吸引ノズルとの間に設けられる第1の吸気用逆止弁と、上記第2のシリンダ室と上記吸引ノズルとの間に設けられる第2の吸気用逆止弁と、上記第1のシリンダ室内の空気を排気できる第1の排気用逆止弁と、上記第2のシリンダ室内の空気を排気できる第2の排気用逆止弁とを備え、上記吸引ノズルを上記シリンダの他端部に設けて上記第1の逆止弁を介して、上記第1のシリンダ室に連通させる一方、上記シリンダの側部に、第2のシリンダ室と上記吸引ノズルを第2の逆止弁を介して連通させる吸引流路を設けて構成することができる。
【0033】
上記構成を採用することにより、上記シリンダの端部に設けた吸引ノズルを容器の開口部に嵌合させ、上記操作棒を上記シリンダに対して往復動させることにより、上記操作棒の往動工程及び復動工程のいずれの工程においても、容器から空気を吸引できる。このため、効率よく容器を圧縮することができる。
【0034】
さらに、容器圧縮装置を、円筒状の上記シリンダと、上記シリンダ内を第1のシリンダ室と第2のシリンダ室に区画するとともに、内部に上記第1のシリンダ室及び上記第2のシリンダ室に連通する吸気部を備えるピストンと、一端が上記ピストンに連結され、他端部が上記シリンダの一端部から延出させられて上記ピストンを往復動させるとともに、上記吸気路に連通する吸気路が設けられた筒状の操作棒と、上記操作棒の他端部に設けられた吸引ノズルと、上記第1のシリンダ室と上記吸気部との間に設けられた第1の吸気用逆止弁と、上記第2のシリンダ室と上記吸気部との間に設けられた第2の吸気用逆止弁と、上記第1のシリンダ室内の空気を排気できる第1の排気用逆止弁と、上記第2のシリンダ室内の空気を排気できる第2の排気用逆止弁とを備え、上記ピストンを上記操作棒を介して往復動させることにより、上記吸気口、上記吸気路、及び上記吸気部を介して、容器内の空気を吸引して圧縮するように構成することができる。
【0035】
上記容器圧縮装置は、上記操作棒の先端に設けた吸引ノズルを容器の開口部に嵌合させ、上記操作棒に対してシリンダを往復動させるようにして、容器内の空気を吸引するように構成される。上記構成を採用すると、操作棒が、上記第1のシリンダ室と上記第2のシリンダ室に連通する吸引路となるため、装置をコンパクトに構成することができる。また、上記操作棒の先端部あるいは上記吸引ノズルの近傍に、使用者の手指で握持して、圧縮力を作用させることができる握持部を設けるのが好ましい。
【0036】
上記容器圧縮装置を、上記容器を収容して容器の外周に押圧力を作用させる圧縮手段を備えて構成することができる。この場合、上記手動ポンプ機構を、吸引した空気を圧縮して上記圧縮空気を生成できるように構成するととともに、上記圧縮空気を上記圧縮手段に作用させて上記容器を圧縮するように構成するのが好ましい。
【0037】
上記圧縮手段を、上記容器の外周に上記圧縮空気を直接作用させるように構成することができる。
【0038】
また、上記圧縮手段を、上記圧縮空気によって変位させられて、上記容器の外面を押圧できる押圧部材を備えて構成することもできる。
【0039】
本願発明に係る容器の圧縮方法は、上記容器内の空気を吸引するとともに、上記ペットボトル等の変形を規制しながら圧縮することにより、容器を効率よく圧縮することができる。さらに、上記容器内の空気を吸引するとともに、上記容器の外周に外部から所要方向への押圧力を作用させて圧縮することにより、さらに、圧縮効率を高めることができる。
【0040】
上記押圧力として、使用者の手指等によって生じるものや、上記圧縮装置によって生成される圧縮空気を利用することができる。
【発明の効果】
【0041】
ペットボトルや空き缶等を容易に効率よく圧縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】本願発明に係るペットボトル圧縮装置の第1の実施形態を示す全体図である 。
【
図2】
図1に示すペットボトル圧縮装置でペットボトルを圧縮する状態を示す拡大 断面図である。
【
図3】
図1に示すペットボトル圧縮装置の作用を示す要部拡大断面図である。
【
図4】
図1に示すペットボトル圧縮装置の作用を示す要部拡大断面図である。
【
図5】本願発明に係るペットボトル圧縮装置の第2の実施形態を示す全体断面図で ある。
【
図6】
図5におけるVI-VI線に沿う断面図である。
【
図7】
図5に示すペットボトル圧縮装置の作用を示す要部拡大断面図である。
【
図8】
図5に示すペットボトル圧縮装置の作用を示す要部拡大断面図である。
【
図9】本願発明に係るペットボトル圧縮装置の第3の実施形態を示す一部断面図で ある。
【
図10】
図9に示すペットボトル圧縮装置によってペットボトルを圧縮する状態を 示す一部断面図である。
【
図11】本願発明に係るペットボトル圧縮装置の第4の実施形態を示す一部断面図 である。
【
図12】
図11に示すペットボトル圧縮装置によってペットボトルを圧縮する を示す一部断面図である。
【
図13】本願発明に係るペットボトル圧縮装置の第5の実施形態を示す断面図であ る。
【
図14】
図13に示すペットボトル圧縮装置の要部断面図である。
【
図15】
図13に示すペットボトル圧縮装置の要部断面図である。
【
図23】圧縮手段を備える容器圧縮装置の実施形態を示す図である。
【
図24】
図23に示す圧縮手段を示す図であり、圧縮状態の断面図である。
【
図26】圧縮手段の他の実施形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本願発明に係る実施形態を図に基づいて説明する。なお、
図21及び
図22に示す実施形態以外は、本願発明をペットボトル圧縮容器に適用したものである。
【0044】
図1から
図4に、本願発明に係るペットボトル圧縮装置の第1の実施形態を示す。
【0045】
ペットボトル圧縮装置1は、有底円筒状のシリンダ3と、ピストン本体4bとこれに一端が連結された操作棒4aとからなるピストン4を備えて構成される手動ポンプ機構5が採用されている。上記操作棒4aの他端部は、上記シリンダ3の端部から外部に延出させられるとともに、先端部に球状の握持部8が設けられている。
【0046】
上記シリンダ3の上記操作棒4aが延出させられた側と反対側の端部に、ペットボトル2の開口部7から空気を吸引する吸引ノズル6が設けられている。
【0047】
図3に示すように、吸引ノズル6は、上記シリンダ3の一端部を構成する底壁部に連結された壁部材60のノズル部6bに、ゴム材料から形成された吸引部材6aを被覆して構成されている。
上記壁部材60は、上記シリンダ3の上記底壁部3a及び上記底壁部3aの縁部を覆うように連結されている。
【0048】
上記吸引ノズル6を設けた側のシリンダ底壁部3aには、上記吸引ノズル6からペットボトル内の空気を第1のシリンダ室Aに吸引できる一方、上記第1のシリンダ室Aからペットボトル2への逆流を阻止する逆止弁30が設けられている。
【0049】
上記逆止弁30は、上記シリンダ3の底壁部3aに設けた吸引孔21と、上記吸引孔21を覆うように添着されたゴム製のシール部材18と、上記底壁部3aから立設されたシール部材取付突起20と、上記シール部材取付突起20に係合させられて、上記シール部材を上記底壁部3aの内面に保持するリング状の取付部材19とを備えて構成されている。
【0050】
図4に示すように、上記ピストン本体4bを、上記吸引ノズル6から離間する方向へ移動させる工程においては、上記シール部材18と上記底壁部3aとの間に形成される隙間からペットボトル2内の空気が吸引される。一方、
図3に示すように、上記ピストン本体4bを上記吸引ノズルに近接させる工程においては、上記シール部材18が上記底壁部3aに添着させられて、上記第1のシリンダ室内の空気が上記ペットボトル2内へ逆流するのを阻止できるように構成されている。
【0051】
また、
図3に示すように、本実施形態に係るピストン本体4bは、上記吸引ノズル6を設けた側に形成された第1の壁部14と、上記操作棒4aが延出される側に形成された第2の壁部15と、これら壁部間に形成された排気空間17とを備えて構成される。
【0052】
上記操作棒4aは、軸方向に通気路25を設けた中空状に形成されており、一端が上記排気空間17に連通されているとともに、他端部の握持部8に設けた排気口25aに連通するように構成されている。
【0053】
上記第1の壁部14と上記第2の壁部15の間には、Oリングが軸方向に所定量変位することができるように支持されている。上記Oリング16は、一方の壁部との間を封止することができる一方、他方の壁部間との間に隙間14a,15aが形成されるように構成されている。上記ピストン本体4bの移動方向によって、上記Oリング16が軸方向に移動させられて、上記隙間14a,15aを介して、第1のシリンダ室A及び第2のシリンダ室Bの空気を排気できるように構成されている。
【0054】
すなわち、
図3に示すように、ピストン本体4bが、上記吸引ノズル6に向かって移動する工程では、上記Oリング16は、上記操作棒4aを設けた側の壁部15とシリンダ内面との間を封止する一方、上記吸引ノズル6を設けた側の壁部14と上記Oリング16との間に隙間14aが形成される。上記吸引ノズル6に設けた逆止弁30は、上記工程においてペットボトル2への逆流が阻止されているため、上記第1のシリンダ室A内の空気は、上記隙間14a、上記排気空間17、上記通気路25及び排気口25aへ流動させられて排気される。
【0055】
一方、
図4に示すように、ピストン本体4bが、上記吸引ノズル6から離間する方向へ移動する工程では、上記Oリング16は、上記吸引ノズル6を設けた側の壁部14とシリンダ内面との間を封止する。このため、上記第1のシリンダ室Aに負圧が発生して、上記逆止弁30が開き、ペットボトル内の空気が上記第1のシリンダ室Aに吸引される。また、上記操作棒4aを設けた側の壁部15とシリンダ内面との間に隙間15aが形成される。これにより、シリンダ室B内の空気は、上記隙間15a、上記排気空間17、上記通気路25及び排気口25aへ流動させられて排気される。
【0056】
上記構成によって、上記操作棒4aを介してピストン本体4bをシリンダ3内で往復動させることにより、上記シリンダ室A内にペットボトル内の空気を吸引し、ペットボトル内を負圧にすることができる。
【0057】
さらに、本実施形態では、上記吸引ノズル6を設けた側のシリンダ先端部に、ペットボトルの変形を規制できるとともに、軸方向の圧縮力を作用させることができるガイド部材9を設けている。
【0058】
上記ガイド部材9は、上記シリンダ3の先端部に装着される円筒部11と、上記円筒部の端部から円錐状に延出するガイド壁部12と、上記ペットボトル2の開口部周りの肩部に当接させられて、上記ペットボトル2に軸方向の圧縮力を作用させることができる圧縮壁部13を備えて構成される。
【0059】
図1に示す状態から、上記ピストン本体4bを上記吸引ノズル6から離間する方向へ移動させるとともに、上記圧縮壁部13からペットボトル2に軸方向力を作用させると、上記圧縮壁部13がペットボトル2の肩部を押圧するとともに、上記ガイド壁部12によって、ペットボトル2の軸と直交する方向への変形が規制された状態で、ペットボトル2が圧縮される。
【0060】
上記構成を採用すると、
図2に示すように、上記ペットボトル2を、上記ガイド壁部12によって形成される内部空間内で軸方向に圧縮することができる。このため、ペットボトル2を、軸方向に、かつ、所定の形態に圧縮することが可能となり、ペットボトルの容積を効率よく減少させることができる。また、上記軸方向の圧縮力を作用させることにより、ペットボトルを確実に圧縮することが可能となり、圧縮後に弾性によって容積が増加するのを防止することができる。
【0061】
図5から
図8に、本願発明に係るペットボトル圧縮装置の第2の実施形態を示す。なお、第2の実施形態において、上記ピストン本体104bと操作棒104aを備えるピストン104の構造は、第1の実施形態と同様であるので、説明は省略する。
【0062】
第2の実施形態では、上記ピストン本体104bの往動工程及び復動工程のいずれの工程においても、上記ペットボトル2から空気を吸引できるように構成している。
【0063】
図5及び
図6に示すように、第2の実施形態に係るペットボトル圧縮装置100は、円筒状の上記シリンダ103と、上記シリンダ内を第1のシリンダ室Aと第2のシリンダ室Bに区画するピストン本体104bと、一端が上記ピストン本体104bに連結されるとともに、他端部が上記シリンダ103の一端部から延出させられて、上記ピストン本体104bを往復動させる操作棒104aと、上記ペットボトル内の空気を吸引する吸引ノズル106と、上記第1のシリンダ室Aと上記吸引ノズル106との間に設けられる第1の吸気用逆止弁130と、上記第2のシリンダ室Bと上記吸引ノズル106との間に設けられる第2の吸気用逆止弁140と、上記第1のシリンダ室内の空気を排気できる第1の排気用逆止弁及び上記第2のシリンダ室内の空気を排気できる第2の排気用逆止弁とを備えて構成される。上述した第1の実施形態と同様に、ピストン本体104bに軸方向移動可能に保持したOリング116によって、上記第1の排気用逆止弁及び上記第2の排気用逆止弁150が構成されている。上記吸引ノズル106は上記シリンダ103の端部に設けられるとともに、上記第1の吸気用逆止弁130を介して、上記第1のシリンダ室Aに連通させられている。上記シリンダ103の側部には、第2のシリンダ室Bと上記吸引ノズル106を第2の吸気用逆止弁140を介して連通させる吸引流路131が設けられている。
【0064】
上記第1の吸気用逆止弁130は、第1の実施形態と同様の構造を備えるため、説明は省略する。
【0065】
図7に示すように、上記第2の吸気用逆止弁140は、上記吸引ノズル106の外周部に環状の吸気空間135を設けるとともに、吸引ノズル106の内部空間との間に隔壁134を設け、この隔壁の上部を切り欠いて吸引孔133が設けられている。上記吸引孔133の外周部には、上記隔壁134と上記シリンダ103の底壁部103aの間を封止する筒状シール部材132が設けられている。
【0066】
図7に示すように、上記ピストン本体104bが、上記吸引ノズル106に近接する工程においては、上記Oリング116は、上記吸引ノズル106を設けた側と反対側の壁部115とシリンダ内面との間を封止する。また、上記第2のシリンダ室Bの容積が拡張させられるため負圧が発生し、上記筒状シール部材132が上記隔壁134から浮き上がって隔壁134との間に隙間が生じ、上記吸引孔133、吸気空間135及び上記吸引流路131を介して、上記第2のシリンダ室Bにペットボトル内の空気が吸引される。
【0067】
上記工程においては、上記第1の実施形態と同様に、第1のシリンダ室A内の空気は、ピストン本体104bの壁部114との間の隙間114a、上記排気空間117、上記通気路125及び排気口125aに流動させられて排気される。
【0068】
一方、
図8に示すように、上記ピストン本体104bが上記吸引ノズル106から離間する工程においては、上記Oリング116は、上記吸引ノズル106を設けた側の壁部114とシリンダ内面との間を封止する。このため、上記第1のシリンダ室Aに負圧が発生して、上記第1の吸気用逆止弁130が開き、ペットボトル2内の空気が上記第1のシリンダ室Aに吸引される。
【0069】
図8に示す工程においては、第1の実施形態と同様に、上記操作棒104aを設けた側の壁部115とシリンダ内面との間に隙間115aが形成される。これにより、上記操作棒104aを設けた側のシリンダ室B内の空気は、上記隙間115a、上記排気空間117、上記通気路125及び排気口125aへ流動させられて排気される。
【0070】
上記構成によって、上記シリンダ103内において上記ピストン本体104bを往動させる工程、及び上記ピストン本体104bを復動させるいずれの工程においても、上記吸引ノズル106からペットボトル2内の空気を吸引できるように構成することが可能となり、ペットボトルを迅速に圧縮させることが可能となる。
【0071】
図9及び
図10に、本願発明の第3の実施形態を示す。なお、本実施形態におけるシリンダ、ピストン本体、逆止弁等の構造は、第1の実施形態と同様であるので説明は省略する。
【0072】
第3の実施形態では、上記吸引ノズル206を設けた側のシリンダ203に、軸方向長さが変化するガイド部材209を設けて構成される。
【0073】
上記ガイド部材209は、上記シリンダ203の先端部に装着される円筒状の連結部211と、上記連結部211の上記シリンダ203と反対側の端部内側に形成された環状空間213と、上記環状空間213に一端が嵌合された螺旋状バネ部材214とを備えて構成される。
【0074】
上記螺旋状バネ部材214は、上記吸引ノズル206に嵌合されたペットボトル202を囲むように形成されるとともに、円錐面に沿って下方が広がるように形成されている。また、上記螺旋状バネ部材214は、上記ペットボトル202とほぼ同じ軸方向長さで形成されている。
【0075】
上記吸引ノズル206にペットボトル202の開口部207を装着するとともに、地面あるいは壁面250との間でペットボトル202を軸方向に圧縮する。上記螺旋状バネ部材214は、上記ペットボトル202の軸と直交する方向への変形を規制しつつ、上記軸方向長さが変化させられる。
【0076】
上記構成を採用することにより、ペットボトル202の軸方向長さの全域をガイドしつつ変形させることが可能となり、ペットボトル202を、軸方向へ確実に圧縮変形させることができる。
【0077】
図11及び
図12に、本願発明の第4の実施形態を示す。なお、本実施形態におけるシリンダ、ピストン本体、逆止弁等の構造は、第1の実施形態と同様であるので説明は省略する。
【0078】
第4の実施形態でも、第3の実施形態と同様に、シリンダ303の上記吸引ノズル306を設けた側に、軸方向長さが変化するガイド部材309を設けて構成される。
【0079】
上記ガイド部材309は、上記シリンダ303の先端部に装着される円筒状の連結部311と、上記連結部311の上記シリンダ303と反対側の端部内側に形成された環状空間315と、上記環状空間315に一端が嵌合された蛇腹状の伸縮部材314と、上記環状空間315を構成する壁の端縁からペットボトル302の開口部307を囲むように延出される環状の圧縮壁部313とを備えて構成される。
【0080】
上記伸縮部材314は、リング状の規制部材314aと、上記規制部材314aを軸方向に連結する紐状部材314bとを備えて構成されている。上記規制部材314aは、ペットボトル302を取り囲む円筒状に形成されている。
【0081】
上記ペットボトル302の開口部307を上記吸引ノズル306に連結し、ペットボトル内の空気を吸引するとともに、上記圧縮壁部313を介して、上記ペットボトル302に軸方向の圧縮力を作用させる。
【0082】
図12に示すように、上記ペットボトル302は、軸と直交する方向への変形が規制されつつ軸方向へ圧縮される。上記構成を採用することにより、上記第3の実施形態と同様に、ペットボトル302の軸方向長さの全域をガイドしつつ変形させることが可能となり、ペットボトル302を、軸方向へ確実に圧縮変形させることができる。
【0083】
【0084】
第5の実施形態は、ピストン本体404bを往復動させる操作棒404aの先端に、吸引ノズル406及びガイド部材409を設けたものである。
【0085】
本実施形態に係るペットボトル圧縮装置400は、円筒状のシリンダ403と、上記シリンダ内を第1のシリンダ室Aと第2のシリンダ室Bに区画するとともに、内部に上記第1のシリンダ室及び上記第2のシリンダ室に連通する吸気部417を備えるピストン本体404bと、一端が上記ピストン本体404bに連結され、他端部が上記シリンダ403の一端部から延出させられて上記ピストン本体404bを往復動させるとともに、上記吸気部417に連通する吸気路425が設けられた筒状の操作棒404aと、上記操作棒404aの他端部に設けられた吸引ノズル406と、上記第1のシリンダ室Aと上記吸気部417との間に設けられた第1の吸気用逆止弁460と、上記第2のシリンダ室Bと上記吸気部417との間に設けられた第2の吸気用逆止弁470と、上記第1のシリンダ室A内の空気を排気できる第1の排気用逆止弁480と、上記第2のシリンダ室B内の空気を排気できる第2の排気用逆止弁490とを備える。
【0086】
上記構成のペットボトル圧縮装置400においては、上記ピストンを上記操作棒404aを介して往復動させることにより、上記吸引ノズル406、上記吸気路425、及び上記吸気部417を介して、ペットボトル内の空気を吸引して圧縮するように構成されている。
【0087】
上記ピストン本体404bは、外周部に上記シリンダ内面との間の気密性を確保するOリングが装着されているとともに、内部が中空状の吸気部417が形成されており、上記操作棒404aの吸気路425に連通させられている。
【0088】
上記ピストン本体404bの第1のシリンダ室A側の壁部414には、上記吸引ノズル406及び上記操作棒404aの吸気路425を介して、上記ペットボトル402内の空気を第1のシリンダ室Aに吸引する第1の吸気用逆止弁460が設けられている。上記第1の吸気用逆止弁460は、上記ピストン本体404bの吸気部417に連通する孔部454と、上記孔部454を覆うように添着された環状のゴム製シール部材452と、上記シール部材452を上記操作棒404aの先端部に止着する環状部材457とを備えて構成される。
【0089】
また、上記ピストン本体404bの第2のシリンダ室B側の壁部415にも、上記吸引ノズル406及び上記操作棒404aの吸気路425を介して、上記ペットボトル402内の空気を第2のシリンダ室Bに吸引する第2の吸気用逆止弁470が設けられている。上記第2の吸気用逆止弁470は、上記ピストン本体404bの吸気部417に連通する孔部453と、上記孔部453を覆うように添着された環状のゴム製シール部材451と、上記シール部材451を上記壁部415に止着する環状部材456とを備えて構成されている。上記壁部415の中央部には、突起459が形成されており、上記突起459に上記ゴム製シール部材451及び上記環状部材456が嵌め込まれている。
【0090】
上記シリンダ403の上記操作棒404aが延出される壁部には、上記第1のシリンダ室A内の空気を排出する第1の排気用逆止弁480が設けられている。上記第1の排気用逆止弁480は、上記第1のシリンダ室Aの端壁481に設けられた排気用孔部433と、上記排気用孔部433を覆うように添着されたゴム製シール部材418と、上記ゴム製シール部材418を設けた部位を封止する円板部材482とを備えて構成されている。上記円板部材482には、上記第1の排気用逆止弁480から排出する空気を排出するための排出口421が設けられている。また、上記ゴム製シール部材418は、上記第1の排気用逆止弁480を構成する円板部418aと、上記操作棒404aとの間のシールを行う環状部418bとを備えて構成されており、上記操作棒404aとの間のシールを行う部材を兼用している。
【0091】
上記シリンダ403の上記操作棒が延出された側と反対側にも、上記第2のシリンダ室B内の空気を排気する第2の排気用逆止弁490が設けられている。
図15に示すように、上記第2の排気用逆止弁490は、シリンダ室Bの端壁部431に設けられた排気用孔部434と、上記排気用孔部434を覆うように添着された環状のゴム製シール部材430とを備えて構成されている。上記端壁部431の中央部には、上記ゴム製シール部材を装着する突起435が形成されており、上記突起435にゴム製シール部材430の中心孔を嵌め込むことにより、上記ゴム製シール部材430が設けられている。上記突起435には、上記逆止弁490を覆うように円板状の蓋部材432が設けられており、上記蓋部材432にも、排気用の孔部433が形成されている。
【0092】
上記構成のペットボトル圧縮装置400では、上記ピストン本体404bが、上記第1の排気用逆止弁480側に移動する工程において、上記第2のシリンダ室Bの体積が拡張されるとともに負圧が発生し、上記第2の排気用逆止弁490が閉じられるとともに、上記第2の吸気用逆止弁470が開かれて、上記吸引ノズル406、上記吸気路425を介して、上記ペットボトル402内の空気が第2のシリンダ室B内へ吸引される。また、上記第1の吸気用逆止弁460が閉じられるとともに、第1の排気用逆止弁480が開かれて、上記第1のシリンダ室A内の空気が排出される。
【0093】
一方、上記ピストン本体404bが、上記第2の排気用逆止弁490側に移動する工程において、上記第1のシリンダ室Aの体積が拡張されるとともに負圧が発生し、上記第1の排気用逆止弁480が閉じられるとともに、上記第1の吸気用逆止弁460が開かれて、上記吸引ノズル406、上記吸気路425を介して、上記ペットボトル402内の空気が第1のシリンダ室A内へ吸引される。また、上記第2の吸気用逆止弁470が閉じられるとともに、第2の排気用逆止弁490が開かれて、上記第2のシリンダ室B内の空気が排出される。
【0094】
上記構成のペットボトル圧縮装置400においては、上記操作棒404aを利用してペットボトル内の空気を吸引することができるため、装置をコンパクトに形成することができる。
【0095】
さらに、上記吸引ノズル406を設けた操作棒404aの先端部には、ペットボトルの変形を規制するとともに、軸方向の圧縮力を作用させることができるガイド部材409が設けられている。上記ガイド部材409は、円錐状のガイド部412を備えるとともに、外周部を使用者の手指で握持することができる握持部411が形成されている。使用者は、上記握持部411を握持するとともに、地面や壁部との間にペットボトル402を挟んで軸方向の力を作用させながら、上記シリンダ403を、上記操作棒404aに対して往復動させるように操作する。
【0096】
上記操作棒の往復動によって、ペットボトル内の空気を吸引できるため、効率よくペットボトルを圧縮することができる。
【0097】
なお、本実施形態では、ペットボトルを軸方向に圧縮するガイド部材を設けたが、圧縮力を作用させる方向は特に限定されることはない、たとえば、ペットボトルの軸に直交する方向に力を加えて、ペットボトルを板状に圧縮できる圧縮壁部を備えるガイド部材を採用できる。
【0098】
上記吸引部材6a,106aは、
図16から
図19に示すように、略円筒状に形成されるとともに、内部に壁部材60のノズル部6bの外周に気密性をもって嵌合できる貫通穴6cを備えて構成される。上記貫通穴の軸方向中間部には、上記ノズル部の外周面に形成された環状凸条に係合する環状凹部6dが形成されている。上記吸引部材6a,106aの外周直径は、先端部から基端部にかけて、滑らかに増加するように構成されている。これにより、ペットボトルの開口部内周との気密性を確保できるとともに、異なる外径を有する開口部に対応可能となる。
【0099】
上記吸引部材6a,106aの形態は特に限定されることはない。上記吸引ノズルは、圧縮する容器の開口部に対応した複数の吸引部材を着脱可能に接続できるように構成することができる。たとえば、
図20に示すように、開口部507が非常に大きなペットボトル502には、上記吸引部材6a,106aを交換して適用できる外径の吸引部材506aを装着することができる。
【0100】
さらに、本願発明に係る容器圧縮装置を、アルミ缶等の空き缶602を圧縮できるように構成できる。なお、ノズル部606bの構成は、
図1及び
図2に示す実施形態と同様であるので説明は省略する。
図21に示すように、吸引ノズル606は、弾性変形しうるゴム材料から形成され、上記ノズル部606bの外周を覆うように連結されるとともに、上記ノズル部606bに連通する連通穴660aを設けた吸引部材660と、上記吸引部材660の連通穴660aに連通する連通穴を有するとともに、上記吸引部材660に連結される板状部材661と、上記空き缶602の上縁部に密着できる密着面663と、上記板状部材661の連通穴に連通するとともに、上記密着面663に開口して上記シリンダ5内に連通する貫通穴661aとを有するゴム材料から形成された吸引部662とを備えて構成される。上記板状部材661は、上記密着面663と反対側に設けられて、上記吸引部662を保形できるように構成されている。
【0101】
空き缶の上縁部は、開口を設けた上壁部602cより軸方向に突出させられているとともに強度も大きい。このため、上記密着面663に上記上縁部602aを密着させて、上記空き缶内の空気を吸引し、空き缶を軸方向に圧縮することが可能となる。
【0102】
図22に示す実施形態は、本願発明に係る容器圧縮装置を、袋状の容器内の空気を吸引して圧縮できるように構成したものである。
【0103】
図22に示す実施形態では、ノズル部706bの先端開口707に接続された吸引チューブ708と、上記吸引チューブ708の先端に接続された吸引部材710とを備えて構成されている。
【0104】
上記袋状の容器702には、一部に上記吸引部材710を挿入できる開口部702aが設けられている。上記開口部702aから上記吸引チューブ708及び上記吸引部材710が、上記袋状の容器702内に挿入される。上記吸引部材710は、外周部に多数の吸引孔711が形成されており、袋状容器内の空気を効率よく吸引できるように構成されている。上記吸引孔711から吸引した空気は、上記吸引チューブ708の貫通孔709を介して、シリンダ内に吸引される。吸引した後、上記開口部702aを熱溶着したり、図示しない密封具等を用いて開口部702aが閉じられる。
【0105】
上記袋状の容器は特に限定されることはない。たとえば、布団圧縮袋や食品密封袋等に適用できる。
【0106】
図23から
図25に、外部から押圧力を作用させる圧縮手段800を備えた圧縮装置801を示す。
【0107】
上記圧縮手段800は、上記手動ポンプ機構によって生成される圧縮空気を利用して押圧力を作用させるように構成したものである。上記手動ポンプ機構5は、上記ピストンを上方に移動させたとき、ペットボトル2内の空気をシリンダ3内に吸引できるとともに、下方に移動させたときシリンダ内の空気を圧縮できるように構成されている。
【0108】
上記圧縮手段800は、シリンダ3の先端側部から延出するチューブ802aと、上記チューブ802aの先端部が接続された押圧容器802bとを備えて構成される。
【0109】
上記押圧容器802bは、上下に開口する筒状本体804と、上記筒状本体の上下縁部から内側へ環状に延出する上下壁部806,807と、上記壁部を内側から覆うように設けられた気密性のある膨出シート808と、上記膨出シートの半径方向内方面に設けられた押圧部材809a,809bとを備えて構成されている。
【0110】
上記チューブ802aが延出するシリンダ側部には、圧縮空気を、上記チューブ802aを介して上記押圧容器802bに送るための逆止弁810が設けられている。上記チューブ802aの先端部は、上記押圧容器802bの外壁に設けられた開口部803に接続されている。
【0111】
上記膨出シート808の上下縁部は、上記上下の壁部806,807の内縁部に接合されており、上記筒状本体804の内面と、上記上下の壁部806,807の内面と、上記膨出シート808の内面とで、圧縮空気を充填する筒状空間805が形成されている。上記膨出シートは、内側に膨出できるように弛みをもって接合されている。なお、上記膨出シートを、たとえば、ゴムシート等の伸縮できるシート材料から形成してもよい。
【0112】
上記押圧部材809a,809bは、断面三角状に形成されており、角部が上記ペットボトル2の下部を径方向から挟むように配置されている。
【0113】
図24に示すように、上記筒状空間805に圧縮空気を充填すると、上記膨出シート808が、内側に膨出するとともに、上記押圧部材809a,809bが、上記ペットボトル2の外周面を挟むように押圧する。
【0114】
これにより、上記ペットボトル2の外周面に押圧力を作用させて圧縮することが可能となる。また、
図24及び
図25に示すように、ペットボトル2の底部近傍を効率よく圧縮できるため、容積低減効果も高くなる。
【0115】
【0116】
図26に示す圧縮手段900は、シリンダ3内で生成した圧縮空気を、そのまま.ペットボトル2の外周に作用させるように構成したものである。
【0117】
上記圧縮手段900は、上記実施形態と同様のチューブ902aと、上記ペットボトル2を収容する筒状容器902bとを備えて構成される。本実施形態では、上記筒状容器の外周部に、上記チューブ902aから圧縮空気を導入する開口部903と、導入された圧縮空気の逆流を防止する逆止弁911が設けられている。
【0118】
上記筒状容器902bの底部には、底蓋908が着脱可能に設けられている。上記筒状部材の下縁部には、半径方向外方に延出する環状の係合部912が設けられている。一方、上記底蓋908の一側縁部には、上記係合部912に着脱可能に係合できる係合部908aが設けられている。上記筒状容器902bの下縁部と上記底蓋908との間にはOリングが介挿されており、上記係合部912と上記蓋部材の他側縁部に嵌合させられる係止部材908bによって、上記底蓋908が、上記筒状容器902bの底部に着脱可能に装着される。
【0119】
上記構成の圧縮手段の環状空間905内に圧縮空気を導入すると、上記ペットボトルの外周全面に圧縮力が作用し、ペットボトルを効率よく圧縮することが可能となる。
【0120】
本願発明の範囲は、上述の実施形態に限定されることはない。今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものでないと考えられるべきである。本願発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0121】
使用済のペットボトルを効率よく圧縮できるペットボトル圧縮装置を提供できる。
【符号の説明】
【0122】
1 ペットボトル圧縮装置(容器圧縮装置)
2 ペットボトル
3 シリンダ
4 ピストン
4a 操作棒
4b ピストン本体
5 手動ポンプ機構
6 吸引ノズル
7 開口部(ペットボトルの)
30 逆止弁