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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-15
(45)【発行日】2023-02-24
(54)【発明の名称】水防型キュービクル受電設備
(51)【国際特許分類】
   H02B 1/28 20060101AFI20230216BHJP
   H02B 1/56 20060101ALI20230216BHJP
   H05K 5/06 20060101ALI20230216BHJP
【FI】
H02B1/28 D
H02B1/56 A
H05K5/06 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022074888
(22)【出願日】2022-04-28
【審査請求日】2022-05-12
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519153110
【氏名又は名称】共進電機工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横倉 利夫
【審査官】内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-199867(JP,A)
【文献】実開平04-080212(JP,U)
【文献】実開昭58-162706(JP,U)
【文献】中国実用新案第206931867(CN,U)
【文献】登録実用新案第3024486(JP,U)
【文献】実開昭59-179407(JP,U)
【文献】中国実用新案第206452017(CN,U)
【文献】特開2009-189076(JP,A)
【文献】特許第5177782(JP,B1)
【文献】実開昭63-093702(JP,U)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0114198(KR,A)
【文献】実開昭51-099136(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02B 1/00 - 1/38
1/46 - 7/08
H05K 5/00 - 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
床部、屋根部、及び該床部と該屋根部との間の側面を覆う側壁部を有する筐体と、
該筐体の内部に収納され、高圧ケーブルを経て入力される高圧電力を低圧電力に変換して低圧ケーブルに出力する変換装置とを備え、
前記筐体の前記床部から前記側壁部の所定高さまでの部分は、外部からの浸水を防ぐ水密性を有する水防部を構成し、
前記側壁部における前記水防部よりも上方の部分には、前記筐体内に対する前記高圧ケーブルの上部入線口及び前記低圧ケーブルの上部出線口が設けられ、
前記側壁部の外面には、
下端部が該側壁部の下端部の高さにおいて前記高圧ケーブルの下部入線口を有し、上端部が前記上部入線口に接続された高圧導入路と、
下端部が該側壁部の下端部の高さにおいて前記低圧ケーブルの下部出線口を有し、上端部が前記上部出線口に接続された低圧導出路とが設けられることを特徴とする水防型キュービクル受電設備。
【請求項2】
床部、屋根部、及び該床部と該屋根部との間の側面を覆う側壁部を有する筐体と、
該筐体の内部に収納され、高圧ケーブルを経て入力される高圧電力を低圧電力に変換して低圧ケーブルに出力する変換装置とを備え、
前記筐体の前記床部から前記側壁部の所定高さまでの部分は、外部からの浸水を防ぐ水密性を有する水防部を構成する水防型キュービクル受電設備であって、
前記側壁部における前記水防部よりも上方の部分に設けられた換気ファンと、前記側壁部の内側に設けられ、下端部が該側壁部の下端部の高さにおいて開口し、上端部が前記換気ファンに接続された換気ダクトとを備えることを特徴とする水防型キュービクル受電設備。
【請求項3】
前記側壁部における前記水防部よりも上方の部分に設けられた換気ファンと、前記側壁部の内側に設けられ、下端部が該側壁部の下端部の高さにおいて開口し、上端部が前記換気ファンに接続された換気ダクトとを備えることを特徴とする請求項1に記載の水防型キュービクル受電設備。
【請求項4】
前記屋根部、該屋根部と前記側壁部との間又は該側壁部の上端部に換気孔を備えることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の水防型キュービクル受電設備。
【請求項5】
前記屋根部は取り外しできる構造を有することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の水防型キュービクル受電設備。
【請求項6】
前記屋根部の内側の天井面又は天井裏面に母線を配線し、該屋根部の取り外しは、該母線とともに行われることを特徴とする請求項5に記載の水防型キュービクル受電設備。
【請求項7】
前記側壁部に防水扉を備え、
前記防水扉は、前記水防部よりも上方の部分に、前記変換装置のメータパネルを視認するための窓部を備えることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の水防型キュービクル受電設備。
【請求項8】
前記変換装置としての配電盤が、複数の前記筐体のそれぞれに1面ずつ配置され、又は各筐体内の各区画に1面ずつ配置される多面体キュービクルであることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の水防型キュービクル受電設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キュービクル式高圧受電設備であって、水害に対する防御性能に優れた水防型キュービクル受電設備に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水害による被害の軽減を図ったキュービクル式高圧受電設備として、設備の筐体全体を、気密性を有する保護部材で覆うことにより、周辺が冠水した場合でも、筐体内部への浸水により各種機器が水に浸かるのを防止した設備が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この設備では、保護部材の内容積を、予め想定された水位の冠水時に、保護部材の下部から浸入した水による保護部材内部の密封空気に対する圧縮力と、圧縮された空気の反発力とのバランスにより、保護部材内部の浸水水位を許容値内に制限し得るように決定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-255322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の設備によれば、保護部材の下端よりも下の部分から進入する水の水位が上昇するのを保護部材内部の密封空気の圧力により制限するものであるため、設備内の下部におけるある程度の水位までの浸水を許容せざるを得ない。
【0006】
また、保護部材によって装置内部を機密に維持する際の密封空気の圧力は、装置周囲の水位の高さに応じて急激に増大するので、ある程度の水位まで十分に耐え得るように装置の機密性を維持できるようにするためには、保護部材で覆った筐体の設置にかなりのコストを要することになる。さらに、設備の筐体全体が、気密性を有する保護部材で覆われるので、筐体内の換気を適切に行うのが困難となる。
【0007】
本発明の目的は、かかる従来技術の課題に鑑み、設備周囲の水位が上昇した場合でも、極力設備内への浸水を比較的安価な構成で支障なく防止できる水防型キュービクル受電設備を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の水防型キュービクル受電設備は、
床部、屋根部、及び該床部と該屋根部との間の側面を覆う側壁部を備える筐体と、
該筐体の内部に収納され、高圧ケーブルを経て入力される高圧電力を低圧電力に変換して低圧ケーブルに出力する変換装置とを備え、
前記筐体の前記床部から前記側壁部の所定高さまでの部分は、外部からの浸水を防ぐ水密性を有する水防部を構成することを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、水防型キュービクル受電設備の周囲の水位が上昇した場合でも、水位が水防部の上端を超えない限り、設備内への浸水を阻止できるので、設備が水害による受電不能に陥ったり、変換装置が損傷したりするのを防止することができる。
【0010】
また、かかる効果は、主として筐体に水防部を設定することにより得られるので、筐体の下部以外の部分を密封状態に構成する場合に比べて、安価な構成で達成することができる。しかも、このように密封状態に構成する場合に比べて、筐体下部からの水の侵入を完全に防止することができる。
【0011】
本発明において、前記側壁部における前記水防部よりも上方の部分には、前記筐体内に対する前記高圧ケーブルの上部入線口及び前記低圧ケーブルの上部出線口が設けられ、
前記側壁部の外面には、
下端部が該側壁部の下端部の高さにおいて前記高圧ケーブルの下部入線口を有し、上端部が前記上部入線口に接続された高圧導入路と、
下端部が該側壁部の下端部の高さにおいて前記低圧ケーブルの下部出線口を有し、上端部が前記上部出線口に接続された低圧導出路とが設けられてもよい。
【0012】
本発明において、高圧ケーブルは、外部の高圧電源から高圧導入路の下部入線口及び上部入線口を経て水防型キュービクル受電設備の変換装置に導入される。一方、低圧ケーブルは、変換装置から、低圧導出路の上部出線口及び下部出線口を経て導出され、外部の必要な施設に配線される。そして、外部の高圧電源から高圧ケーブルを経て変換装置に入力される高圧電力が、変換装置で低圧電力に変換されて低圧ケーブルに出力され、外部の施設に供給される。
【0013】
したがって、水防部が存在するのにも拘わらず、筐体内の変換装置への高圧ケーブルの導入及び変換装置からの低圧ケーブルの導出を支障なく行うことができる。
【0014】
本発明において、前記側壁部における前記水防部よりも上方の部分に設けられた換気ファンと、前記側壁部の内側に設けられ、下端部が該側壁部の下端部の高さにおいて開口し、上端部が前記換気ファンに接続された換気ダクトとを備えてもよい。これによれば、水害等のない平常運転時には、変換装置の発熱を、換気用のファンにより、換気ダクトを経て、適切に外部に排出し、変換装置の温度を適切に維持することができる。
【0015】
本発明において、前記屋根部、該屋根部と前記側壁部との間又は該側壁部の上端部に換気孔を備えてもよい。これによれば、筐体内の換気をより効果的に行い、変換装置が発する熱を確実に外部に排出することができる。
【0016】
また、前記屋根部は取り外しできる構造を有してもよい。これによれば、変圧器等の高圧機器などの重量の大きい機器を、屋根部を取り外した状態の筐体に対して上方から搬入することができる。
【0017】
また、前記屋根部の内側の天井面又は天井裏面に母線を配線し、該屋根部の取り外しは、該母線とともに行われてもよい。これによれば、屋根部を取り外すときに、母線を同時に取り外して、その後の機器の上方からの搬入等を安全に行うことができる。
【0018】
また、前記側壁部に防水扉を備え、前記防水扉は、前記水防部よりも上方の部分に、前記変換器のメータパネルを視認するための窓部を備えてもよい。これによれば、防水扉の水防部の部分における水密性を確保しつつ、メータパネルの視認性を確保することができる。
【0019】
また、水防型キュービクル受電設備は、前記変換装置としての配電盤が、複数の前記筐体のそれぞれに1面ずつ配置され、又は各筐体内の各区画に1面ずつ配置される多面体キュービクルであってもよい。これによれば、大容量の受電に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態に係る水防型キュービクル受電設備の正面図である。
図2図1の水防型キュービクル受電設備の右側面図である。
図3図1の水防型キュービクル受電設備の背面図である。
図4図1の水防型キュービクル受電設備の左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。図1図4は、本発明の一実施形態に係る水防型キュービクル受電設備の正面、右側面、左側面、及び背面をそれぞれ示す。この水防型キュービクル受電設備1は、水害に対する防御性能に優れたキュービクル式高圧受電設備である。
【0022】
図1に示すように、水防型キュービクル受電設備1は、床部2、屋根部3、及び床部2と屋根部3との間の側面を覆う側壁部4を備えるキューブ状の筐体5と、筐体5の内部に収納され、高圧ケーブル6を経て入力される高圧電力を低圧電力に変換して低圧ケーブル7に出力する変換装置8とを備える。
【0023】
変換装置8は、変圧器、コンデンサ、電流計、電圧計、遮断器、電力ヒューズなどにより構成される配電盤である。筐体5の床部2から側壁部4の所定高さまでの部分は、外部からの浸水を防ぐ水密性を有する水防部9となっている。
【0024】
図2に示すように、右側面側の側壁部4における水防部9よりも上方の部分には、低圧ケーブル7の筐体5からの上部出線口10が設けられる。所定の高さとしては、例えば、筐体5の高さが2400mm程度とすれば、1500mm程度が選択される。右側面側の側壁部4の外面には、下端部が側壁部4の下端部の高さにおいて低圧ケーブル7の下部出線口11を有し、上端部が上部出線口10に接続された低圧導出路12が設けられる。
【0025】
図4に示すように、左側面側の側壁部4における水防部9よりも上方の部分には、高圧ケーブル6の筐体5内への上部入線口13が設けられる。左側面側の側壁部4の外面には、下端部が側壁部4の下端部の高さにおいて高圧ケーブル6の下部入線口14を有し、上端部が上部入線口13に接続された高圧導入路15が設けられる。
【0026】
左側面側の側壁部4における水防部9よりも上方の部分には、換気ファン16が設けられる。換気ファン16による送風の方向は、筐体5の内側から外側に向かう方向である。
【0027】
左側面側の側壁部4の内側には、下端部が側壁部4の下端部の高さにおいて開口し、上端部が換気ファン16に接続された換気ダクト17が設けられる。屋根部3と側壁部4との間、又は屋根部3の前側若しくは後側の張り出し部分には、換気孔18が設けられる。高圧導入路15、低圧導出路12及び換気ダクト17は、取り外しが可能となっており、設置の容易性が考慮されている。
【0028】
屋根部3は、上からかぶせボルト等で固定されており、取り外しできる構造を有する。変換装置8の変圧器等の重量機器は、屋根部3を取り外した状態で、筐体5内に搬入される。屋根部3の内側の天井面又は天井裏面に母線を配線し、屋根部3の取り外しは、該母線とともに行われ、高圧ケーブル6と母線との間の遮断装置(CB高圧遮断器、LBS高圧交流負荷開閉器等)は容易に開閉できるように構成される。
【0029】
図3に示すように、背面側の側壁部4には、変換装置8を点検するための点検口19が設けられる。点検口19は、ほぼ水防部9の部分に存在するので、水防部9の機能が確実に維持されるように、側壁部4に対してボルト等で水防部9の水密性が確保されるように取り付けられる。
【0030】
図1に示すように、正面側の側壁部4には、防水扉20が、正面側に設けられ、メンテナンス用として用いられる。防水扉20には、水防部9よりも上方の部分に、変換装置8のメータパネル21等を視認するための窓部22が設けられる。防水扉20としては、ヒンジ型で、クローズ後に防水パッキンで防水ロックを行うことができる構造を有するものが採用される。
【0031】
この構成において、水防型キュービクル受電設備1を設置する際には、基礎コンクリート23上に筐体5が埋込アンカーボルト24で固定される。ただし、基礎コンクリート23及び埋込アンカーボルト24は、高い水圧により筐体5に生じる大きな浮力に耐え得る強固な構成を有する。そして、このようにして固定された筐体5内に、変換装置8が設置される。
【0032】
変換装置8の設置に際しては、変圧器等の重量機器は、屋根部3が取り外された状態の筐体5の上方から搬入される。取り外された屋根部3は、かぶせボルト等で筐体5上部に固定される。
【0033】
また、高圧導入路15及び低圧導出路12が筐体5に取り付けられる。高圧ケーブル6は、地面から高圧導入路15を介して、変換装置8に導入される。低圧ケーブル7は、変換装置8から、低圧導出路12を介して、外部の各系統に配線される。このとき、低圧導出路12に端子台を設け、端子台から各系統に配線してもよい。また、換気ファン16や換気ダクト17、換気孔18、防水扉20などが設けられる。
【0034】
水害などにより水防型キュービクル受電設備1の周囲の水位が上昇した場合には、水位が水防部9の上端の高さ以下であれば、水防部9により浸水が阻止されるので、筐体5内への浸水は生じない。このため、河川の反乱や堤防決壊などの水害により、受電不能となったり、変換装置8が損傷したりすることが回避される。
【0035】
以上のように、本実施形態の水防型キュービクル受電設備1によれば、筐体5の床部2から側壁部4の所定高さまでの部分を、外部からの浸水を防ぐ水防部9としたので、水害による受電不能や変換装置の損傷を防止することができる。
【0036】
また、かかる効果は、主として筐体に水防部9を設定することにより得られるので、筐体5の下部以外の部分を密封状態に構成する場合に比べて、安価な構成で達成することができる。しかも、このように密封状態に構成する場合に比べて、筐体5下部からの水の侵入を完全に防止することができる。
【0037】
また、側壁部4の水防部9よりも上方の上部入線口13と下方側の下部入線口14とを接続する高圧導入路15と、水防部9よりも上方の上部出線口10と下方側の下部出線口11とを接続する低圧導出路12とを備えるので、水防部9が存在するのにも拘わらず、筐体5内の変換装置8への高圧ケーブル6の導入及び変換装置8からの低圧ケーブル7の導出を支障なく行うことができる。
【0038】
また、側壁部4における水防部9よりも上方の部分に設けられた換気ファン16と、上端部が換気ファン16に接続されて下方で開口する換気ダクト17とを備えるので、筐体5内の換気を効果的に行い、発熱する変換装置8の温度を適切に維持することができる。
【0039】
また、屋根部3と側壁部4との間、又は屋根部3の前側若しくは後側の張り出し部分に換気孔18を備えるので、筐体5内の換気をより効果的に行い、変換装置8が発する熱を確実に外部に排出することができる。
【0040】
また、屋根部3は取り外しできる構造を有するので、変圧器等の重量の大きい機器を、屋根部3を取り外した状態の筐体5に対して上方から搬入することができる。
【0041】
また、屋根部3の内側の天井面又は天井裏面に母線を配線し、屋根部3の取り外しは、該母線とともに行われ、変圧器の入替時等に障害となる変圧器用のLBS(高圧交流負荷開閉器)は、片側にヒンジを有して左右に回して開閉できるように構成される。したがって、屋根部3を母線とともに取り外すことができるとともに、重量機器である変圧器等の搬入・搬出も容易に行うことができる。。
【0042】
また、側壁部4に防水扉20を備え、防水扉20は、水防部9よりも上方の部分に、前記変換装置のメータパネル等を視認するための窓部を備えるので、防水扉20の水防部9の部分における水密性を確保しつつ、メータパネル等の視認性を確保することができる。
【0043】
なお、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、水防部9の高さは、筐体5の高さが高いほど高く設定してもよい。また、換気ファン16による送風方向は、筐体5の外部から内部に向かう方向であってもよい。
【0044】
また、換気ダクト17や、低圧導出路12、高圧導入路15は、それぞれ筐体5の側壁部4における前面側、背面側、右側面側、左側面側のいずれに設けてもよい。また、換気孔18は、屋根部3、又は側壁部4の上端部に設けてもよい。
【0045】
また、水防型キュービクル受電設備は、変換装置としての配電盤を複数面備える多面体キュービクルであってもよい。この場合、配電盤は、それぞれが自立した複数の筐体を設けて各筐体に1面ずつ配置してもよいし、1つの筐体を、仕切り壁により区分した区画ごとに1面ずつ配置してもよい。
【0046】
これにより、より大容量の受電に対応することができる。なお、この場合、換気ダクト17や、低圧導出路12、高圧導入路15、防水扉20の設置位置や設置数は、必要に応じて適宜設定することができる。
【符号の説明】
【0047】
1…水防型キュービクル受電設備、2…床部、3…屋根部、4…側壁部、5…筐体、6…高圧ケーブル、7…低圧ケーブル、8…変換装置、9…水防部、10…上部出線口、11…下部出線口、12…低圧導出路、13…上部入線口、14…下部入線口、15…高圧導入路、16…換気ファン、17…換気ダクト、18…換気孔、19…点検口、20…防水扉、21…メータパネル、22…窓部、23…基礎コンクリート、24…埋込アンカーボルト。
【要約】
【課題】設備周囲の水位が上昇した場合でも、極力設備内への浸水を比較的安価な構成で支障なく防止できる水防型キュービクル受電設備を提供する。
【解決手段】水防型キュービクル受電設備1は、床部2、屋根部3、及び床部2と屋根部3との間の側面を覆う側壁部4を有する筐体5と、筐体5の内部に収納され、高圧ケーブル6を経て入力される高圧電力を低圧電力に変換して低圧ケーブル7に出力する変換装置8とを備える。筐体5の床部2から側壁部4の所定高さまでの部分は、外部からの浸水を防ぐ水密性を有する水防部9を構成する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4