(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-15
(45)【発行日】2023-02-24
(54)【発明の名称】クイックコネクタ組立体および方法
(51)【国際特許分類】
F16L 37/088 20060101AFI20230216BHJP
F16L 37/14 20060101ALI20230216BHJP
【FI】
F16L37/088
F16L37/14
(21)【出願番号】P 2018133575
(22)【出願日】2018-07-13
【審査請求日】2021-06-29
(32)【優先日】2017-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506341607
【氏名又は名称】クーパー-スタンダード・オートモーティブ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】ケネス ガッチャ
(72)【発明者】
【氏名】トロイ オーウェン
【審査官】伊藤 紀史
(56)【参考文献】
【文献】特表2004-518911(JP,A)
【文献】特開2001-221391(JP,A)
【文献】特開2014-122658(JP,A)
【文献】特開2005-127394(JP,A)
【文献】特開2014-114960(JP,A)
【文献】特開2016-056928(JP,A)
【文献】国際公開第2015/128355(WO,A1)
【文献】実開平03-068695(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2017/0321827(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第112178325(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 37/088
F16L 37/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンドフォームと着脱可能に係合するためのクイックコネクタ組立体であって、
上端部の最も近くに形成された径方向に延びるフランジを備える管状ステムと、
前記管状ステムに担持され
るカラー部材と、を有し、
前記カラー部材は上端部及び下端部を備え、
前記管状ステムが前記カラー部材の上端部に挿入され、前記下端部を通る場合に、前記フランジを受け入れるための縮径部を前記下端部は有し、
前記カラー部材は、
前記カラー部材の下端部内側にて鋸刃状に形成された複数のインデックス付きの位置に、長手方向に延びる軸に対し、前記管状ステムに対し相対的に回転して調整可能であり、
前記複数のインデックス付きの位置の各位置において、前記管状ステムに対し相対的に係止可能であること
を特徴とするクイックコネクタ組立体。
【請求項2】
保持部材をさらに有し、
前記カラー部材は、
前記保持部材を受け入れ、径方向に開いた窓を有すること、
を特徴とする請求項1に記載のクイックコネクタ組立体。
【請求項3】
前記管状ステムは第一の複数の位置決め機能を有し、
前記カラー部材は、
対応する第
二の複数の位置決め機能を
有すること、
を特徴とする請求項1に記載のクイックコネクタ組立体。
【請求項4】
前記第一の複数の位置決め機能は、複数の径方向に延びる突起と複数の径方向に延びる凹部のうちの一つを有し、かつ前記第二の複数の位置決め機能は、複数の径方向に延びる突起と複数の径方向に延びる凹部のうちの他の一つを有すること、
を特徴とする請求項3に記載のクイックコネクタ組立体。
【請求項5】
前記管状ステム
の前記径方向に延びるフランジは、前記第
一の複数の位置決め機能を有
し、前記管状ステムの前記径方向に延びるフランジが前記カラー部材の下端部内側にて鋸刃状に形成された前記第二の複数の位置決め機能に、周縁での平面的な連結を形成して着座されるように形成されていること、
を特徴とする請求項3に記載のクイックコネクタ組立体。
【請求項6】
前記カラー部材は、前記カラー部材の
前記縮径部は内側に延びる縁を有し、
前記管状ステムの前記径方向に延びるフランジが、前記内側に延びる縁に位置された場合、前記第一と第二の複数の位置決め機能は、前記カラー部材と前記管状ステムの相対的な回転を防
ぎ、前記管状ステムの前記径方向に延びるフランジの周囲に平面的な同心結合を形成するために協働すること、
を特徴とする請求項5に記載のクイックコネクタ組立体。
【請求項7】
前記管状ステムの前記径方向に延びるフランジを、前記内側に延びる縁に対して保持する保持部材をさらに有
し、前記保持部材はエンドフォームに係合する一対の内側アームと、前記保持部材を前記カラー部材に取り付ける一対の外側アームを備えること、
を特徴とする請求項6に記載のクイックコネクタ組立体。
【請求項8】
スナップフィットで前記カラー部材に受け入れられ、前記カラー部材を軸方向に、前記管状ステムに対して一時的に保持し、かつ前記カラー部材が長手方向に延びる軸に対し、前記管状ステムに対して相対的に回転すること防ぐ
ように構成されたトップハットをさらに有すること、
を特徴とする請求項1に記載のクイックコネクタ組立体。
【請求項9】
前記トップハットの軸方向の移動を阻止する保持部材をさらに有し、それにより前記トップハットが、前記カラー部材に対し相対的に前記管状ステムの軸方向の移動を阻止すること、
を特徴とする請求項8に記載のクイックコネクタ組立体。
【請求項10】
前記エンドフォームと組み合わされていること
を特徴とする請求項1に記載のクイックコネクタ組立体。
【請求項11】
エンドフォームと着脱可能に係合するためのクイックコネクタ組立体であって、
上端部の最も近くに、径方向に延びるフランジを有する管状ステムを有し、前記径方向に延びるフランジは第一の複数の位置決め機能を有するように形成されており、
上端部及び下端部を備えるカラー部材を有し、
前記管状ステムが前記カラー部材の上端部に挿入され、前記下端部を通る場合に、前記フランジを受け入れるための縮径部を前記下端部は有し、
前記カラー部材は、
前記管状ステムに担持され、
前記カラー部材の下端部内側にて鋸刃状に形成された複数のインデックス付きの位置
に、長手方向に延びる軸に対し、前記管状ステムに対し相対的に回転して調整可能であ
り、
前記カラー部材の下端部の最も近くに、内側に延びる縁と、さらに第二の複数の位置決め機能を有し、
前記管状ステムの前記径方向に延びるフランジを、前記カラー部材の前記内側に延びる縁
の前記第二の複数の位置決め機能の内側にて保持する
ための保持部材を有し、
前記管状ステムの前記径方向に延びるフランジが、前記カラー部材の前記内側に延びる縁に対して保持された場合、前記第一と第二の複数の位置決め機能は、前記カラー部材と前記管状ステムの相対的な回転を防ぐために協働すること、
を特徴とするクイックコネクタ組立体。
【請求項12】
前記第一の複数の位置決め機能は、複数の径方向に延びる突起と複数の径方向に延びる凹部のうちの一つを有し、かつ前記第二の複数の位置決め機能は、複数の径方向に延びる突起と複数の径方向に延びる凹部のうちの他の一つを有すること、
を特徴とする請求項11に記載のクイックコネクタ組立体。
【請求項13】
前記カラー部材を軸方向に、前記管状ステムに対して一時的に保持し、かつ前記カラー部材が長手方向に延びる軸に対し、前記管状ステムに対して相対的に回転すること防ぐ、トップハットをさらに有すること、を特徴とする請求項11に記載のクイックコネクタ組立体。
【請求項14】
前記保持部材は、前記トップハットの軸方向の移動を阻止し、それにより前記トップハットが、前記カラー部材に対し相対的に前記管状ステムの軸方向の移動を阻止すること、
を特徴とする請求項13に記載のクイックコネクタ組立体。
【請求項15】
前記エンドフォームと組み合わされていること
を特徴とする請求項11に記載のクイックコネクタ組立体。
【請求項16】
管状ステムをエンドフォームに結合する方法において、
カラー部
材を持つクイックコネクタ組立体を提供する工程と、
前記管状ステムを、前記管状ステムの径方向に延びるフランジが前記カラー部材の下端部における内側に延びる縁の最も近くの位置に配されるまで、前記カラー部材に通し、
前記カラー部材の下端部内側にて鋸刃状に形成された複数のインデックス付きの位置の一つに対して、前記管状ステムに対し、前記カラー部材を、長手方向
に延びる軸に相対的に回転して調整する工程と、
前記カラー部材の内側に延びる縁に対して、前記管状ステムの径方向に延びるフランジを位置させる工程を有し、それにより、前記管状ステムと前記カラー部材の相対的な回転を防ぐ
、前記管状ステムの前記径方向に延びるフランジの周囲に平面的な同心結合を形成するために、前記管状ステムによって規定された第一の複数の位置決め機能が、前記カラー部材の第二の複数の位置決め機能と協働すること、
を特徴とする方法。
【請求項17】
前記管状ステムの前記径方向に延びるフランジを、前記カラー部材の前記内側に延びる縁に対して
、保持部材により保持する工程を、さらに有すること
を特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
スナップフィットで前記カラー部材によって受け入れられ、前記カラー部材が長手方向に延びる軸に対し、前記管状ステムに対して相対的に回転することを防ぐトップハットを挿入することにより、前記カラー部材を前記管状ステムに対し、軸方向において
、相対的に、一時的に保持する工
程をさらに有すること
を特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項19】
保持部材は、前記トップハットの軸方向の移動を阻止し、それにより前記トップハットが、前記カラー部材に対し相対的に前記管状ステムの軸方向の移動を阻止すること、
を特徴とする請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本教示は、一般に、管状部材間を接続するための、および流体連通を確立するためのクイックコネクタ組立体に関するものである。より詳細には、本教示は、複数の固定位置に確実に設けられたカラー(留め輪)を有するクイックコネクタに関するものである。また、本教示は、より詳細には、管状ステムをエンドフォームに結合する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スナップフィットまたはクイックコネクタは、広範囲の用途で使用されており、特に、自動車および産業用用途の流体搬送用導管を接合するために使用されている。当該クイックコネクタは、管状導管などの雄型コネクタ部品を、雌型コネクタ部品またはハウジング(筐体)の相補的な開口内に確保するためのリテーナ(保持器)または係止具を利用する。
【0003】
一つの既知のクイックコネクタ組立体が、共通に譲渡された米国特許出願公開第2016-0298800号明細書に開示されている。このクイックコネクタ組立体は、エンドフォームを受け入れるように構成された通路を有するハウジング及びブリッジを含むリテーナを、一般的に含む。ブリッジからビーム(梁)が延びている。リテーナが係合位置にあるときに、雄型エンドフォームをハウジングの通路内に保持するために、2つのリテーナアームが、ブリッジから延びている。係合位置へ移動中のリテーナを導く2つのガイド脚部が、ブリッジから延びている。ブリッジ、ビーム、2つのリテーナアーム、及び2つのガイド脚部は、一体的な単一の単体部品であり、リテーナが係合位置にあるときに、ビームはエンドフォームと接触する。ハウジングは、ステムに対して自由に回転してもよい。米国特許出願公開第2016-0298800号明細書は、本願明細書中に完全に開示されているものとして、参照により、本願明細書中に組み入れられている。
【0004】
特定の用途のためには、カラー部材をステムに確実に固定し、相対的な回転を排除することが好ましいかもしれない。また、カラー部材をステムに確実に固定するに先立ち、ステムに対してカラー部材を回転させながら調整することも好ましいかもしれない。
【0005】
米国特許出願公開第2016-0298800号明細書のクイックコネクタを含む既知のクイックコネクタは、それらの意図した目的のためには満足のいくものであることが一般的には証明されているとしても、関連技術においては、依然として改良に対する連続的な要求が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許出願公開第2016-0298800号明細書
【発明の概要】
【0007】
一つの特定の態様において、本教示は、エンドフォームと着脱可能に係合するためのクイックコネクタ組立体を提供する。クイックコネクタ組立体は、管状ステム、カラー部材、および保持部材を有する。カラー部材は、管状ステムに担持され、また複数のインデックス付きの位置において、長手方向に延びる軸に対し、管状ステムに対し相対的に回転して調整可能である。カラー部材は、複数のインデックス付きの位置の各位置において、管状ステムに対し相対的に係止可能である。
【0008】
別の特定の態様において、本教示は、管状ステム、カラー部材、および保持部材を有し、エンドフォームと着脱可能に係合するためのクイックコネクタ組立体を提供する。管状ステムは、上端部の最も近くに、径方向に延びるフランジを有する。径方向に延びるフランジは、第一の複数の位置決め機能(特徴)を有するように形成されている。カラー部材は、管状ステムに担持され、また複数のインデックス付きの位置において、長手方向に延びる軸に対し、管状ステムに対し相対的に回転して調整可能である。カラー部材は、カラー部材の下端部の最も近くに、内側に延びる縁(リップ)と、さらに第二の複数の位置決め機能を有する。保持部材は、管状ステムの径方向に延びるフランジを、カラー部材の内側に延びる縁に対して保持する。管状ステムの径方向に延びるフランジが、カラー部材の内側に延びる縁に対して保持された場合、第一と第二の複数の位置決め機能は、カラー部材と管状ステムの相対的な回転を防ぐために協働する。
【0009】
さらに別の特定の態様において、本教示は、管状ステムをエンドフォームに結合する方法を提供する。本方法は、カラー部材と保持部材を持つクイックコネクタ組立体を提供する工程を有する。本方法は、さらに、複数のインデックス付きの位置の一つに対して、管状ステムに対し、カラー部材を、長手方向の軸に相対的に回転して調整する工程を有する。本方法は、さらに、カラー部材の内側に延びる縁に対して、管状ステムの径方向に延びるフランジを位置(または着座)させる工程有し、それにより、管状ステムとカラー部材の相対的な回転を防ぐために、管状ステムによって規定された第一の複数の位置決め機能が、カラー部材の第二の複数の位置決め機能と協働する。
【0010】
更なる適用可能な領域は、本明細書に記載された説明から明らかになるであろう。この要約の中の説明および特定の例示は、解説の目的だけの意図のものであり、本開示の範囲を限定する意図のものではない。
【0011】
本明細書に記載される図面は、すべての可能な実施のためではなく、選択された実施形態の例示的目的のためだけのものであり、本開示の範囲を限定するように意図されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本教示にかかるクイックコネクタ組立体を示す斜視図であり、動作可能にエンドフォームと結合されたクイックコネクタ組立体を示すものである。
【
図2】
図1に示すクイックコネクタ組立体の側面図である。
【
図3】本教示にかかるクイックコネクタ組立体の、
図2の3-3ラインにおける縦断面図である。
【
図4】本教示にかかるクイックコネクタ組立体の、
図2の4-4ラインにおける横断面図である。
【
図5】本教示にかかるクイックコネクタ組立体の、
図2の5-5ラインにおける横断面図である。
【
図6】本教示にかかるクイックコネクタ組立体の管状ステムの端面斜視図である。
【
図7】本教示にかかるクイックコネクタ組立体のトップハット部材の斜視図である。
【
図8】
図7に示すトップハット部材の側面図である。
【
図9】本教示にかかるクイックコネクタ組立体のカラー部材の斜視図である。
【
図10】
図9に示すカラー部材の他の斜視図である。
【
図11】本教示にかかるクイックコネクタ組立体の保持部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次いで、例示的実施形態が、添付の図面を参照してより完全に説明されることになる。
【0014】
図面の中の
図1から
図12において、本教示において構成されるクイックコネクタ組立体は、概して参照符号10を付して図示される。図に示すように、クイックコネクタ組立体10は、一般に、管状ステム(単にステムでもよい)12、カラー部材14、および保持部材16で構成され得る。クイックコネクタ組立体10は、一般に、トップハットまたはベアリング18を有してもよい。以下の説明で、より完全に理解できるように、カラー部材14は、管状ステム12に対し、複数の固定位置に確実に設けられてもよい。
【0015】
図1から
図5において、クイックコネクタ組立体10は、動作可能な状態でエンドフォーム20と結合しているように示されている。本教示に関係する限りにおいては、エンドフォーム20は、例示的であるということが理解されるであろう。簡潔に言えば、エンドフォーム20は、管状体22と、管状体22をその周方向に囲んでいる環状ビード24を有する。
【0016】
説明された典型的な実施形態において、クイックコネクタ組立体10は、気体や液体の形態にある流体の伝達のために使用され得る。例えば、クイックコネクタ組立体10は、蒸気、エチレングリコール、および他の流体を伝達するための様々な管やホースを結合するために、自動車の用途に使用され得る。しかしながら、本教示の範囲はこれに限定されず、他の自動車の用途や自動車以外の用途にも容易に採用されるということが理解されるであろう。
【0017】
管状ステム12は、径方向に延びているフランジ25を持つ中空管である。フランジ25は、管状ステム12の上端部の最も近く、または近位端に形成される。管状ステム12は、さらに環状ビード27と、先細りになっている下端部(テーパ下端部)、または遠位端(先端部)29を有することができる。本教示の範囲おいて、管状ステム12はどのような形状でもよい(例えば、直立・直線、45度、90度など)。管状ステム12は、従来の方式において、ゴム管やプラスチック管のような管(図示せず)を受け入れる。クイックコネクタ組立体10の意図した用途に応じて、管状ステム12は、金属または他の好適な材料で構成され得る。
【0018】
カラー部材14は、略円筒状の開口を定義(構成)し、かつ一対の径方向に対向した側壁26を有することができる。一対の側壁26は、複数の弧状部(弧状セグメント)31により相互接続されており、径方向に対向している。カラー部材14の下端または遠位端に位置している一対の弧状部31は、一対の側壁26と協働して、カラー部材14の遠位部または下端部14Aを構成する。また同様に、カラー部材14の上端または近位端に位置している一対の弧状部31は、一対の側壁26と協働して、カラー部材14の近位部または上端部14Cを構成する。中央部14Bは、下端部14Aと上端部14Cの間に位置している。中央部14Bは、その対向した径方向側で、一対の対向した側壁26により接合されており、また一対の側壁26の間において、半径方向に開口している。カラー部材14の下端部14Aは、管状ステム12のフランジ25を受け入れるための縮径部30を有している。
【0019】
トップハット18は、カラー部材14を管状ステム12に保持するために、従来の方式のように保持部材16と協働する。トップハット18は、下端部または遠位部18Aと、上端部または近位部18Bを有する。下端部18Aは、円筒形であり、また管状ステム12の上端を受け入れられ得る大きさの直径を有し得る。上端部18Bの直径は、下端部18Aの直径より大きい。トップハット18の段差部18Cは、管状ステム12のフランジ25の上方側と当接する。トップハット18は、カラー部材14の下端部14A内に受け入れられ、それにより、フランジ25は、段差部18Cと、カラー部材14の下端部14Aの対応する段差部32との間に捕らえられる。スナップフィットの関係により、トップハット18は、少なくとも一時的に、管状ステム12に対して軸方向にカラー部材14を保持して、また長手方向に延びる軸に対し、管状ステム12とカラー部材14の相対的な回転を防止する。上記の構成により、カラー部材14は、クイックコネクタ組立体10の最終的な組立に先立ち、管状ステム12に担持され、またカラー部材14は、管状ステム12に対し、回転して、所望の向きに調整可能である。
【0020】
トップハット18は、単一成分でできた、単一で一体的な一体構造の単体部品である。トップハット18は、熱可塑性材料により一元的に構成されている。一つの特定の応用において、トップハット18は、ポリフタルアミド(PPA)などのポリアミドから構成され得る。しかしながら、本教示の範囲内で、他の材料も使われ得るということが理解されるであろう。
【0021】
保持部材16は、例えばポリフタルアミド(PPA)などの好適なプラスチックからなる一体物から構成され得る。保持部材16は、管状ステム12に対してカラー部材14を、より確実に軸方向Aに保持する機能を果たし、またエンドフォーム20をクイックコネクタ組立体10に保持する機能も果たすことができる。説明された実施形態において、保持部材16は、一般に、端壁33、一対の外側アーム34、さらに一対の内側アーム36を有するように示されている。端壁33は、弧状形をしており、軸方向に延びる開口部35を有し得る。本教示の範囲内における他の応用において、端壁33は、平面状で、また中身のある固形体でもよい。以下で説明する通り、一対の外側アーム34と一対の内側アーム36は、端壁33から延びており、また軸方向Aに高さを持つ。その高さの部分は、カラー部材14の中央部14Bの軸方向に延びる窓38に受け入れられるものである。
【0022】
一対の内側アーム36の両方は、表面領域の接触によってエンドフォーム20と係合するための弧状内面42を有している。両方の内側アーム36は、エンドフォーム20と径方向に係合するように構成された拡大端部を有し、それにより内側アーム36が径方向外側へ促されることで、内側アーム36は、エンドフォーム20の外径の周りに沿ってスライドし、その後、エンドフォーム20の外径の領域にスナップバックする(すばやく戻る)ようになる。この点においては、内側アーム36は、概して径方向外側へ、弾性的にそらされることになる。
【0023】
一対の外側アーム34は、それぞれの外側アーム34の端部に最も近い位置に、かえしまたは鉤型掛止突起44を有して形成され得る。かえし44は、保持部材16をカラー部材14に係止し、これにより、保持部材16が、窓38内においての取り付け位置から意図せずに離脱することを防止する。外側アーム34は、例えば
図4に示された位置から弾性的にそらされ、それにより外側アーム34は、窓38を通り抜け、そして保持部材16をしっかりと取り付けるために、弾力のある状態でより幅の広い位置(
図4に示す)に戻る。かえし44は、導入表面を定義し、この導入表面は、保持部材16が挿入された際に、外側アーム34を、概して径方向の内側にそらせるために、カラー部材14の中央部14Bの内面と協働する。
【0024】
保持部材16は、さらに端壁33から側方に延びる一対の突起39を有して形成され得る。突起39は、カラー部材14によって定義された、対応する凹部41に受け入れられる大きさである。凹部41は、対向した側壁26に配置され、また共通する方向に面しており、それにより保持部材16が、カラー部材14の片側からカラー部材14の窓38のみに完全に挿入されることができ得る。
【0025】
おそらく、
図3の組立断面図が最もわかりやすいが、保持部材16は、トップハット18が軸方向Aに移動することを、さらに阻止する。保持部材16は、エンドフォーム20がクイックコネクタ組立体10から離脱することを、さらに阻止する。この点においては、エンドフォーム20のビード24が、内側アーム36の下端部とトップハット18の段差部18Cの間に、軸方向に捉えられる。
【0026】
トップハット18と同様に、保持部材16は、単一成分でできた、単一で一体的な一体構造の単体部品である。ある応用において、保持部材16は、熱可塑性材料により一元的に構成されている。一つの特定の応用において、保持部材16は、ポリフタルアミド(PPA)などのポリアミドから構成され得る。しかしながら、本教示の範囲内で、他の材料も使われ得るということが再び理解されるであろう。
【0027】
カラー部材14と管状ステム12とは、次のように協働する。すなわち、カラー部材14が管状ステム12に担持され、またカラー部材14が、長手方向に延びる軸に対し、管状ステム12に対し、相対的に回転して調整可能である。カラー部材14は、複数のインデックス付きの位置において、回転して調整可能であって、またカラー部材は、複数のインデックス付きの位置の各位置において、管状ステム12に対し相対的に係止され得る。この目的を達成するために、カラー部材14は、第二の複数の位置決め機能(特徴)46を備えており、また管状ステム12は、対応する第一の複数の位置決め機能48を備えている。第一の複数の位置決め機能46は、複数の径方向に延びる突起と複数の径方向に延びる凹部のうちの一つを有することができ、さらに第一の複数の位置決め機能48は、複数の径方向に延びる突起と複数の径方向に延びる凹部のうちの他の一つを有することができる。説明された実施形態において、カラー部材14の第二の複数の位置決め機能46は、カラー部材14の下端部14Aから内側へ延びている複数の突起46Aを有し、またそれら複数の突起46Aは、その円周方向に位置している。複数の突起46Aは、カラー部材14の下端部14Aの内面において、等間隔に存在する。第二の複数の位置決め機能46は、さらに、複数の突起46Aと交互に配置された複数の凹部46Bをも有している。
【0028】
さらに、説明された実施形態において、管状ステム12の第一の複数の位置決め機能48も同様に、複数の突起48Aと複数の凹部48Bを有する。複数の突起48Aと複数の凹部48Bは、管状ステム12のフランジ25によって定義されている。複数の突起48Aは、径方向の外側に延在し、そしてカラー部材14の対応する複数の凹部46Bと係合する。複数の凹部48Bは、複数の突起48Aと交互に配置され、そして複数の凹部48Bは、カラー部材14の対応する複数の突起46Aを受け入れる。
【0029】
エンドフォーム20のクイックコネクタ組立体10との係合に先立ち、管状ステム12が、クイックコネクタ組立体10の他の残りの物と接続される。管状ステム12は、カラー部材14の上端部に挿入され、そのカラー部材14を通り抜け、カラー部材中に位置(着座)される。管状ステム12は、複数の位置のうちの所望の位置にするために、回転方向にインデックスが付けられている。管状ステム12の径方向に延びるフランジ25は、カラー部材14の内側に延びる縁に対して位置(着座)され、また管状ステム12によって定義される第一の複数の位置決め機能48は、管状ステム12とカラー部材14との相対的な回転を防止するために、カラー部材14の第二の複数の位置決め機能46と係合する。
【0030】
トップハット18の段差部18Cが、管状ステム12のフランジ25に位置(着座)するまで、トップハット18は、カラー部材14の開口した上端部に挿入される。トップハット18は、スナップフィット式にカラー部材14内に受け入れられ、これにより、少なくとも一時的に、管状ステム12を軸方向に保持している。管状ステム12が、カラー部材14に対して軸方向の動作をすることを阻止するので、トップハット18は、第一および第二の複数の位置決め機能46、48の係合状態を維持し、それにより、管状ステム12の所望の回転方向の位置にカラー部材14を維持する。
【0031】
エンドフォーム20が、カラー部材14の軸方向に延びる通路に挿入され、そして保持部材16が、カラー部材14に定義された窓38に、径方向に挿入される。この保持部材16が挿入される場合、既に存在するエンドフォーム20が、一対の内側アーム36を弾性的に径方向の外側へ変形させると共に、一対の外側アーム34を弾性的に径方向の内側に変形させる。保持部材16が十分に挿入された時は、一対の内側アーム36は、弾性的に径方向の内側方向に戻り、そしてスナップフィット式にエンドフォーム20を受け入れる。保持部材16が十分に挿入された時は、一対の外側アーム34は、弾性的に径方向の外側方向に戻り、そしてかえし44が、保持部材16が意図せず離脱することを防止する。
【0032】
本教示が、顧客の嗜好のため異なったリテーナヘッドの位置に対し、適応させることができる、インデックス付きの管状ステムを有するクイックコネクタ組立体を提供する、ということは理解されるであろう。クイックコネクタ組立体は、サービス中のヘッドの回転を阻止し、それにより、組立ラインの作業者がより効率的に作業することができるようになる(例えば、正確な位置にヘッドを回転させるのに短い時間で行える)。本教示のクイックコネクタ組立体は、あらゆる種類の管状ステムの構成に対して使用するにあたり、容易に適応させることができる(例えば、直立・直線、45度、90度など)。
【0033】
実施形態の上記の説明は、例示および説明の目的のために提供された。それら図面や説明は、すべてを網羅したり、または本開示を限定するように、意図されるのではない。特定の実施形態の個々の構成要件・要素または機能・特徴は、一般に特定の実施形態に限定されるのではなく、しかし、詳細に示されず、または説明されていないとしても、適切な場合は、相互交換可能であり、選択された実施形態の中で使用可能である。それら同様のこと(特定の実施形態の個々の構成要件・要素または機能・特徴)は、多くの方法・場合において、更に変化され得る。そのような変形形態は、本開示から逸脱するとしてみなされるのではなく、そして、そのような修正形態のすべてが、本開示の範囲内に含まれるものと意図される。
【0034】
本開示が完全なものとなり、当業者に対し、範囲を完全に伝達するように、例示的実施形態が提供される。特定の構成要素、装置および方法の例など、複数の特定の詳細が述べられて、本開示の実施形態の完全な理解を提供する。特定の詳細が採用される必要はなく、例示的実施形態が多くの異なる形態で実施されることが可能であり、本開示の範囲内を限定するように解釈すべきではないということが当業者にとって明らかであろう。いくつかの例示的実施形態において、公知のプロセス、公知の装置の構造、および公知の技術は、詳細に説明されることはない。
【0035】
本明細書で使用される用語は、特定の例示的実施形態だけを説明する目的のためであり、限定するように意図されたものではない。本明細書で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈が明確にそうではないと指示しない限り、複数形もまた含むように意図される。「備える(comprises)」、「備えている(comprising)」、「含む(including)」および「有する(having)」という用語は、包含的であり、したがって、述べられた特徴、整数、ステップ・工程、作動・動作、要素、および/または構成要素の存在を特定するが、しかし、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ・工程、作動・動作、要素、構成要素、および/またはそれらのグループの存在または新たな追加を排除するのではない。本明細書で説明される方法のステップ・工程、プロセス、および作動・動作は、実施の順番として特に識別されないならば、議論され、または例示される特定の順番でそれらを実施する必要は必ずしもないと解釈すべきである。追加的または代替的ステップ・工程が採用され得ることもまた理解すべきである。
【0036】
要素または層が、別の要素または層「の上に (on)」、「に係合される (engaged to)」、「に結合される (connected to)」または「に連結される (coupled to)」として言及される場合、その要素または層が、直接他の要素または層の上に、直接他の要素または層に係合され、結合され、または連結され得る、あるいはそれらの間に介在する要素または層が存在する可能性がある。対照的に、要素が、別の要素または層の「直接上に (directly on)」、別の要素または層に「直接係合される (directly engaged on)」、「直接結合される (directly connected to)」または「直接連結される (directly coupled to)」として言及される場合、介在する要素または層が存在しない可能性がある。要素間の関係を説明するために使用される他の単語は、同様の様式で解釈すべきである(例えば、「間に (between)」対「直接間に (directly between)」、「隣接する (adjacent)」対「直接隣接する (directly adjacent)」など)。本明細書で使用される場合、「および/または」という用語は、関連して列挙される項目1つまたは複数のうちの任意のおよびすべての組み合わせを含む。
【0037】
第1の(第一の)、第2の(第二の)、第3の(第三の)などの用語は、様々な要素、構成要素、領域、層および/または区分を説明するために本明細書で使用され得るが、これらの要素、構成要素、領域、層および/または区分は、これらの用語によって限定すべきではない。これらの用語は、1つの要素、構成要素、領域、層または区分を別の領域、層または区分から区別するのみのために使用され得る。「第1の」、「第2の」などの用語、および他の数字の用語は、本明細書で使用される場合、文脈で明確に指示されない限り、連続または順番を意味するのではない。したがって、下記に考察される第1の要素、構成要素、領域、層または区分は、例示的実施形態の教示から逸脱せずに、第2の要素、構成要素、領域、層または区分と呼ばれることが可能である。
【0038】
「内側 (inner)」、「外側 (outer)」、「下に (beneath)」、「下方 (below, lower)」、「上に (above)」、「上方 (upper)」などの空間の相対的な用語は、図面の中で例示される、1つの要素または特徴と他の(1または複数の)要素または(1または複数の)特徴との関係を説明するための説明を容易にする目的で、本明細書で使用され得る。空間の相対的な用語は、図面の中に示される配向・方向に加えて、使用または作動の際の装置の異なる配向・方向を包含するように意図され得る。例えば、他の要素または特徴の「下方」または「下の」として説明される要素が、図面の中の装置が反転される場合、そのとき、別の要素または特徴の「上方」に配向されるであろう。したがって、例の用語「下方」は、上方および下方の両方の配向を包含することができる。装置は、そうではなく配向されることが可能であり(90°回転される、または他の配向)、そして本明細書で使用される空間的な相対的記述語は、適切に解釈されるべきである。