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特許7228347アルミニウム製ビーム材と鉄製管材の接合方法
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  • 特許-アルミニウム製ビーム材と鉄製管材の接合方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-15
(45)【発行日】2023-02-24
(54)【発明の名称】アルミニウム製ビーム材と鉄製管材の接合方法
(51)【国際特許分類】
   F16B 7/18 20060101AFI20230216BHJP
   E04B 1/58 20060101ALI20230216BHJP
   F16B 39/24 20060101ALI20230216BHJP
   F16B 9/02 20060101ALI20230216BHJP
【FI】
F16B7/18 Z
E04B1/58 506N
F16B39/24 B
F16B9/02 E
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018138839
(22)【出願日】2018-07-24
(65)【公開番号】P2020016277
(43)【公開日】2020-01-30
【審査請求日】2021-07-19
(73)【特許権者】
【識別番号】390019688
【氏名又は名称】株式会社シンニッタン
(74)【代理人】
【識別番号】100102761
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 元也
(72)【発明者】
【氏名】橋本 諭
(72)【発明者】
【氏名】近藤 祥生
(72)【発明者】
【氏名】早瀬 信一
【審査官】児玉 由紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-233528(JP,A)
【文献】特開昭63-219798(JP,A)
【文献】特開2006-002556(JP,A)
【文献】特開平07-207680(JP,A)
【文献】特開2004-116139(JP,A)
【文献】実開昭63-063208(JP,U)
【文献】実開昭62-060618(JP,U)
【文献】特開平10-338969(JP,A)
【文献】特開2000-2222(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/38- 1/61
F16B 5/00-11/00
23/00-43/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウム製のビーム材と鉄製管材を接合する方法において、
ビーム材の両側面には、管材挿通孔が穿設されると共に、一定幅を有する帯状の凹状溝部が長手方向に沿って連続的に形成されており、
管材を管材挿通孔に挿通した後、ボルト孔を有する2枚の平鋼を管材挿通箇所に合わせ凹状溝部に嵌入し、平鋼相互をボルトとナットにて締結することによりビーム材と管材を接合することを特徴とするアルミニウム製のビーム材と鉄製管材を接合する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウム製ビーム材と鉄製管材を簡易且つ強固に接合する接合方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建築構造物においてアルミニウムビーム材を複数連設使用し、例えば、各ビーム材の幅方向に対し鉄製の管材を接合するに際し、アルミニウム系材料と鉄系材料との接合は、相互に硬度差があるため、その接合の強度に難があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004―344897
【0004】
上記先行技術は、自動車用構造物の組み立ての際のアルミニウム系材料と鉄系材料の接合方法に関するものであるが、建築構造物として現場の状況に応じ適宜必要となるアルミニウムビーム材と鉄製管材を簡易に接合する方法に関する技術は、従来一般に見られなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであって、簡易な方法をもってアルミニウム製ビーム材と鉄製管材を接合する方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、請求項1に記載のように、アルミニウム製のビーム材と鉄製管材を接合する方法において、
ビーム材の両側面には、管材挿通孔が穿設されると共に、一定幅を有する帯状の凹状溝部が長手方向に沿って連続的に形成されており、
管材を管材挿通孔に挿通した後、ボルト孔を有する2枚の平鋼を管材挿通箇所に合わせ凹状溝部に嵌入し、平鋼相互をボルトとナットにて締結することによりビーム材と管材を接合することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明は請求項1に記載のような構成を採用したことから、アルミニウム製ビーム材と鉄製管材を簡易且つ強固に接合することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明により接合されたビーム材と管材の一実施例を示す正面図である。
図2】本発明により接合されたビーム材と管材の一実施例を示す側面図である。
図3】本発明におけるビーム材の一実施例を示す正面図である。
図4】本発明におけるビーム材の一実施例を示す説明用正面図である。
図5】本発明におけるビーム材の一実施例を示す側面図である。
図6】本発明における平鋼の一実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係るアルミニウム製ビーム材と鉄製管材の接合方法関して詳細に説明する。
【0010】
本発明は、アルミニウム製のビーム材と鉄製の管材を接合する方法であり、基本的構成においては、接合対象であるアルミニウム製ビーム材と鉄製管材及び2枚の鉄製平鋼、ボルト・ナットを用いるものである。
【0011】
本発明におけるビーム材Bは、アルミニウム押出材からなるビーム材であり、例えば、図3に示すように、上面にT溝が長手方向に連続的に配され、中央に正方形状の孔が長手方向に穿設される角筒を呈するものが想定される。
【0012】
ビーム材Bの両側面には、接合対象である管材Pが挿通可能な管材挿通孔1が任意の箇所に穿設されている。なお、図4はビーム材B正面方向からの孔を現しており、図5はビーム材B一方側面方向からの孔を現している。
【0013】
ビーム材Bの両側面には、凹状溝部2が形成されており、図示においては一定幅を有する帯状の凹状溝部2が長手方向に沿って連続的に形成されている。なお、図2はビーム材B正面方向からの凹状溝部2を現しており、図5は、ビーム材B一方側面方向からの凹状溝部2を現している。
【0014】
すなわち、管材挿通孔1はビーム材Bの凹状溝部2形成箇所内に穿設されている。
【0015】
本発明に係るアルミニウム製ビーム材と鉄製管材の接合方法は、第一段階において、上記構成のビーム材Bに、接合対象である管材Pをビーム材Bの両側面に穿設された管材挿通孔1より挿通する。したがって、管材Pは、ビーム材Bの幅方向に貫通した状態となる。
【0016】
本発明に係るアルミニウム製ビーム材と鉄製管材の接合方法は、第二段階において、管材P挿通後に、ボルト孔3を有する鉄製の平板状板材である平鋼Fを、ビーム材Bの両側面におけるそれぞれの管材P挿通箇所に合わせる態様、例えば、孔1とボルト孔3を同心円状に配置する態様において、凹状溝部2に嵌入した状態で設置する。
【0017】
本発明に係るアルミニウム製ビーム材と鉄製管材の接合方法は、第三段階において、平鋼Fをビーム材Bの両側面に設置後、平鋼Fのボルト孔3を介して、管材2に貫通するボルトTとナットNにより平鋼F相互を締結する。
【0018】
平鋼Fは、ビーム材B両側面に設けられた凹状溝部2に嵌入されている状態で設置されているため、平鋼Fとビーム材Bの隙間は極めて少なくなることをもって、ねじれ方向の変位も極力抑制されることになり、ビーム材Bと管材Pは強固に接合可能となる。
【0019】
本発明に係るアルミニウム製ビーム材と鉄製管材の接合方法においては、その接合対象により多様な設計が想定されるが、例えば、図示した実施例においては、各構成材は下記の寸法とした。
【0020】
ビーム材Bは、中央に一辺が26mmの正方形状の孔が長手方向に穿設され、幅の全長は41mm、両側面に設けられた凹状溝部2の深さDは各3mmであるので、ビーム材Bに貫通する管材Pの長さは、上記ビーム材においては35mmである。
【0021】
管材Pの外径が17.3mmのため(内径は12.7mm)、ビーム材Bの管材挿通孔の径を17.5mmとし、平鋼Fには使用ボルトTの径12mmに対応する15mmのボルト孔3を設ける。
【0022】
また、平鋼Fは厚3mm、幅32mmの矩形状平板を使用したため、ビーム材Bの凹状溝部2は、上述のとおり深さD3mmとし、幅3.5mmとする。
【0023】
上記の構成材の実施例により、本発明に係るアルミニウム製ビーム材と鉄製管材の接合方法の効果を奏することが可能となる。
【0024】
また、ボルトヘッド又はナットと平鋼表面において相互にグリップする2枚組のワッシャーWを用いることにより、より強固に固定することが可能となる。
【符号の説明】
【0025】
B アルミニウムビーム材
P 鉄製管材
F 平鋼
1 管材挿通孔
2 凹状溝部
T ボルト
N ナット

図1
図2
図3
図4
図5
図6