(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-15
(45)【発行日】2023-02-24
(54)【発明の名称】電気掃除機
(51)【国際特許分類】
A47L 9/28 20060101AFI20230216BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20230216BHJP
【FI】
A47L9/28 U
H02J7/00 H
H02J7/00 301C
(21)【出願番号】P 2019093106
(22)【出願日】2019-05-16
【審査請求日】2022-02-07
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【氏名又は名称】山田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【氏名又は名称】樺澤 襄
(72)【発明者】
【氏名】戸倉 祥平
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-028109(JP,A)
【文献】特開2002-034877(JP,A)
【文献】特開2018-062013(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/28
A47L 5/24
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池
及び前記二次電池から給電される電動送風機が配置された本体と、
前記本体内の風路と流体的に接続され、
設定手段を備え前記二次電池から給電され
て前記設定手段の操作に応じて前記電動送風機の動作を設定する信号を生成する手元回路部を有する
長尺状の風路体と、
前記本体の前記二次電池から前記風路体の前記
手元回路部に亘って設けられ
、前記手元回路部に対し前記二次電池からの電力を供給するとともに、前記手元回路部からの信号が通る通電経路と、
外部電源による前記二次電池の充電時に前記通電経路を遮断する
ことで前記手元回路部への給電を遮断する遮断手段と、
を備えることを特徴とする電気掃除機。
【請求項2】
前記遮断手段は、前記二次電池が充電状態にないときには前記通電経路を導通させて前記二次電池から前記手元回路部へ給電する
ことを特徴とする請求項1記載の電気掃除機。
【請求項3】
前記本体は、前記二次電池の充電時に充電台に装着され、
前記本体の前記充電台への装着状態では、前記風路体が、前記本体を下部として前記本体から上方に延びた状態となる
ことを特徴とする請求項1
又は2記載の電気掃除機。
【請求項4】
前記二次電池が充電状態であることを検出する充電検出手段を備え、
前記遮断手段は、前記二次電池が充電状態であることを前記充電検出手段が検出した場合に、前記通電経路を遮断する
ことを特徴とする請求項1
ないし3いずれか一記載の電気掃除機。
【請求項5】
前記遮断手段は、前記本体が前記充電台へ装着されたことに連動して前記通電経路を遮断する
ことを特徴とする請求項
3記載の電気掃除機。
【請求項6】
前記遮断手段は、前記本体内で前記通電経路を遮断する
ことを特徴とする請求項1ないし
5いずれか一記載の電気掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、二次電池を電源として用いる電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池を電源として用いる電気掃除機において、充電台に本体を支持し、本体に接続されたホースを含む風路体を直立させた状態で二次電池が充電されるものが知られている。また、二次電池の充電の際には、商用交流電源をACアダプタ等によって直流化するとともに、昇圧コンバータで所定電圧に昇圧して二次電池に供給する。昇圧コンバータとしては、一般にスイッチング回路が用いられる。上記のように充電台での充電時に風路体が直立した状態となっていると、スイッチング回路で発生するスイッチングノイズが直立状態の風路体の通電経路から放射ノイズとして放射されてしまうおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、二次電池の充電時の放射ノイズを防止できる電気掃除機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の電気掃除機は、二次電池及び二次電池から給電される電動送風機が配置された本体と、風路体と、通電経路と、遮断手段と、を備える。風路体は、本体内の風路と流体的に接続される。風路体は、設定手段を備え二次電池から給電されて設定手段の操作に応じて電動送風機の動作を設定する信号を生成する手元回路部を有する長尺状である。通電経路は、本体の二次電池から風路体の手元回路部に亘って設けられる。通電経路は、手元回路部に対し二次電池からの電力を供給するとともに、手元回路部からの信号が通る。遮断手段は、外部電源による二次電池の充電時に通電経路を遮断することで手元回路部への給電を遮断する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】(a)は一実施形態の電気掃除機の使用状態での内部構造の一部を示す説明図、(b)は一実施形態の電気掃除機の二次電池の充電状態での内部構造の一部を示す説明図である。
【
図2】一実施形態の電気掃除機の内部構造を示す説明図である。
【
図3】一実施形態の電気掃除機を示す斜視図である。
【
図4】一実施形態の電気掃除機の本体の一部を示す斜視図である。
【
図5】一実施形態の電気掃除機を装着する充電台を示す斜視図である。
【
図6】一実施形態の電気掃除機を充電台に装着した状態を示す斜視図である。
【
図7】(a)は一実施形態の電気掃除機の遮断手段の一例の導通状態を模式的に示す説明図、(b)は一実施形態の電気掃除機の遮断手段の一例の遮断状態を模式的に示す説明図である。
【
図8】(a)は一実施形態の電気掃除機の遮断手段の他の例の導通状態を模式的に示す説明図、(b)は一実施形態の電気掃除機の遮断手段の他の例の遮断状態を模式的に示す説明図である。
【
図9】(a)は一実施形態の電気掃除機の遮断手段のさらに他の例の導通状態を模式的に示す説明図、(b)は一実施形態の電気掃除機の遮断手段のさらに他の例の遮断状態を模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0008】
図3において、1は電気掃除機を示す。電気掃除機1は、被掃除面である床面を走行可能な本体2と、本体2に機械的及び流体的に接続される風路体3と、を備える。電気掃除機1は、床走行型又はキャニスタ型の電気掃除機である。
【0009】
電気掃除機1は、電動送風機4と、集塵部5と、を備えている。電気掃除機1は、電動送風機4の駆動により風路体3を介して集塵部5に塵埃を吸い込んで集積する吸引掃除機である。電動送風機4は、本体2に配置されている。
【0010】
風路体3は、集塵部5を介して電動送風機4の吸込側と連通する吸込風路を形成する。風路体3は、ホース7を少なくとも一部に含む。本実施形態において、風路体3は、ホース7と、直管部である延長管8と、吸込口体9と、を備える。風路体3は、本体2の前部に接続される。
【0011】
ホース7は、可撓性を有する。ホース7は、長尺に形成される筒体である。ホース7は、一端部である下流側の端部が本体2に接続される。ホース7の他端部である上流側の端部には、手元操作部11が配置されている。手元操作部11は、掃除操作時に使用者により把持される部分である。手元操作部11には、使用者が電動送風機4等の動作を設定するスイッチ等の設定手段12が配置されている。手元操作部11には、引っ掛け部13が形成され、ホース7に取り付けられた保持部14を引っ掛け可能となっていてもよい。手元操作部11には、長尺に形成された延長管8の一端部である下流側の端部が接続される。延長管8の他端部である上流側の端部には、吸込口体9が接続される。
【0012】
吸込口体9には、電動部15が配置されている。本実施形態において、電動部15は、吸込口体9に回転可能に配置された回転清掃体16を回転させるモータである。電動部15は、吸込口体9に配置された駆動制御手段17により動作が制御される。駆動制御手段17は、使用者による設定手段12の操作に応じて、電動部15の起動及び停止等を設定する。
【0013】
本体2には、使用者の設定に応じて電動送風機4等の動作を制御する制御手段18が配置されている。制御手段18は、使用者による設定手段12の操作に応じて、電動送風機4の起動及び停止や、電動送風機4の吸引力等を設定する。
【0014】
また、本体2には、二次電池20が配置されている。二次電池20は、少なくとも電動送風機4に給電する電源部である。すなわち、電気掃除機1は、二次電池20を電源部とするコードレス掃除機である。
【0015】
二次電池20は、本体2に設けられた
図4に示す本体接続端子21を介して充電可能である。本実施形態において、本体接続端子21は、本体2の後部等に配置される。
【0016】
二次電池20の充電時、電気掃除機1は、
図5及び
図6に示す充電台25に設置される。電気掃除機1と充電台25とにより、電気掃除システムCSが構成される。
【0017】
充電台25は、本体2を支持する第一支持部27と、風路体3を支持する第二支持部28と、を備える。本実施形態において、第一支持部27は、本体2を下方から支持する。第一支持部27には、本体2の本体接続端子21(
図4)と接続される充電台接続端子30が配置される。充電台接続端子30は、
図2等に示す充電回路31と電気的に接続される。充電回路31は、スイッチング素子のスイッチングにより電圧を変換するスイッチング回路である。本実施形態において、充電回路31は、昇圧コンバータである。充電回路31は、充電台25に配置されていてもよいし、電気掃除機1の本体2に配置されていてもよい。本実施形態においては、充電回路31は、本体2に配置されている。また、充電台接続端子30は、電源コード32を介して商用交流電源等の外部電源eと接続可能である。電源コード32には、AC/DC変換を行う変換器であるACアダプタ33が配置されている。
【0018】
また、本実施形態において、
図5及び
図6に示す第二支持部28は、風路体3を引っ掛けて保持する。第二支持部28は、上方に向かって開口されたポケット状に形成され、風路体3に配置された被保持部35(
図3)が上方から挿入されて保持される。
図3に示す被保持部35は、延長管8の一端部や吸込口体9等に配置される。
【0019】
さらに、本実施形態において、
図5及び
図6に示すように、充電台25は、突出部であるガイド部37を備える。ガイド部37は、第一支持部27及び第二支持部28に対し本体2及び風路体3を着脱する際のガイドとなる。また、ガイド部37は、第一支持部27に装着された本体2の倒れを阻止する。ガイド部37は、第一支持部27に対し上方に向かって延びている。ガイド部37に対し本体2とは反対側に第二支持部28が配置されている。本実施形態において、第二支持部28は、ガイド部37の本体2とは反対側の面の上部に配置されている。ガイド部37を挟んで一方に本体2が位置し、他方に風路体3の一部が位置する。
【0020】
次に、電気掃除機1の電気的構成について説明する。
【0021】
図2に示すように、電気掃除機1は、制御手段18と二次電池20とが接続されている。また、制御手段18及び二次電池20は、それぞれ少なくとも充電状態で充電回路31と接続される。充電回路31は、本体接続端子21と接続されている。
【0022】
また、制御手段18及び二次電池20は、電動送風機4と接続されている。さらに、制御手段18及び二次電池20は、手元操作部11に配置された手元回路部40、吸込口体9に配置された電動部15及び駆動制御手段17と接続されている。つまり、手元回路部40、電動部15及び駆動制御手段17は、それぞれ二次電池20から給電される被給電部である。手元回路部40には、設定手段12が含まれている。
【0023】
制御手段18及び二次電池20には、配線である第一配線42及び第二配線43が接続されている。第一配線42及び第二配線43は、それぞれ本体2から、風路体3に亘り配置されている。第一配線42及び第二配線43は、少なくとも一部がホース7の内部に配置されている。風路体3又はホース7の内部とは、風路体3又はホース7により形成される吸込風路の外側で、風路体3又はホース7を形成する外殻部分に覆われる部分をいう。第一配線42及び第二配線43は、ホース7の内部で互いに絶縁されて、二重螺旋状に配置されている。
【0024】
第一配線42は、例えば制御手段18と手元回路部40及び駆動制御手段17との間で通信する信号線である。第二配線43は、例えば二次電池20と手元回路部40、駆動制御手段17及び電動部15との間で電力を供給する電力線である。第一配線42及び第二配線43は、風路体3が本体2に対して着脱可能である場合、それぞれ本体2と風路体3との接続位置に接続部が設けられる。なお、第一配線42及び第二配線43は、説明をより明確にするために図中では1本示すものとするが、単数でも複数でもよい。
【0025】
図示される例において、手元回路部40は、第一配線42から分岐される第三配線45、及び、第二配線43から分岐される第四配線46と接続されることで、第一配線42及び第二配線43に対し接続されている。
【0026】
第一配線42、第二配線43、第三配線45、及び、第四配線46により、本体2から風路体3の被給電部に亘る通電経路48が構成されている。通電経路48を介して、本体2から手元回路部40、駆動制御手段17、電動部15に対し電力が供給されるとともに、電動送風機4や電動部15の制御用の信号が通信される。
【0027】
通電経路48には、電流防止手段である遮断手段50が配置されている。遮断手段50により、通電経路48は、遮断手段50の一端側と他端側とが電気的に遮断可能となっている。遮断手段50は、少なくとも二次電池20の充電時に通電経路48を遮断し、風路体3側に電流が流れないようにする。遮断手段50は、通電経路48において、本体2に近い位置に設けられることが好ましい。本実施形態の遮断手段50は、本体2内に配置されている。また、本実施形態の遮断手段50は、第一配線42と第二配線43とにそれぞれ配置されているが、遮断手段50は、通電経路48において、第一配線42と第二配線43の一方、例えば電力線である第二配線43のみに配置されていてもよい。
【0028】
遮断手段50としては、マイクロスイッチ等の機械的スイッチやトランジスタやFET等の電気的スイッチが好適に用いられる。
【0029】
機械的スイッチを用いた遮断手段50としては、電気掃除機1の外部に位置する操作部により動作されてもよいし、電気掃除機1や本体2の姿勢等により自ら動作してもよい。機械的スイッチを用いた遮断手段50は、例えば
図7(a)及び
図7(b)に示すように、本体2の後部等に設けられた凹部や穴部の内部に配置され、充電台25に装着しない状態では、常閉の遮断手段50(
図7(a))が、充電台25に装着した状態では、充電台25に設けられた操作部である押圧部52が凹部や穴部に挿入されて遮断手段50を押すことで遮断手段50を開放させて(
図7(b))、通電経路48(
図2)を遮断するものでもよいし、
図8(a)及び
図8(b)に示すように、振り子状の接触子50aと、この接触子50aと摺接可能な端子50bとを備えるものを本体2に配置し、本体2を床面に載置した通常の使用状態では接触子50aと端子50bとが接触して閉じ(
図8(a))、二次電池20を充電するために充電台25に装着するように、本体2の姿勢を変えたときに接触子50aが端子50bに対して離れて開放され(
図8(b))、通電経路48(
図2)を遮断するようになっていてもよい。
【0030】
また、電気的スイッチを用いた遮断手段50は、例えば
図9(a)及び
図9(b)に示すように、制御手段18からの信号に応じてスイッチングされる。図示される例では、制御手段18が充電回路31から二次電池20への出力により二次電池20の充電状態を監視し、その監視結果に応じて遮断手段50をスイッチングするように信号を出力する。つまり、制御手段18は、充電回路31から二次電池20への出力を検出し、その検出値に基づき充電回路31が二次電池20を充電しているか否かを判定する。そして、制御手段18は、充電回路31による二次電池20の充電状態を検出すると、遮断手段50に信号を出力して、遮断手段50を開放する。このように、本実施形態において、制御手段18は、二次電池20が充電状態であることを検出する充電検出手段の機能を有する。なお、制御手段18による二次電池20の充電状態の検出は、充電回路31からの二次電池20への出力の検出値に基づくものに限られず、例えば本体接続端子21へ挿入されるプラグの挿入検出や、本体接続端子21での入力の検出等であればよい。
【0031】
これに限られず、二次電池20が充電状態であることを検出する機械的な充電検出手段と電気的な充電検出手段とのいずれかと、機械的スイッチである遮断手段50と電気的スイッチである遮断手段50とのいずれかと、を任意に組み合わせて構成してよい。例えば
図7(a)及び
図7(b)、又は、
図8(a)及び
図8(b)に示す機械的スイッチ等を、二次電池20が充電状態であることを検出するための充電検出手段として用い、機械的スイッチによる検出に応じて、制御手段18が遮断手段50に信号を出力してもよい。また、本体2の姿勢を検出する手段としては、加速度センサやジャイロセンサ等を用いてもよい。
【0032】
次に、一実施形態の動作を説明する。
【0033】
掃除の際、遮断手段50は、
図1(a)に示すように、通電経路48を導通させた状態となっている。使用者が手元操作部11の設定手段12を操作すると、手元回路部40からその操作に応じた信号が第一配線42を通じて制御手段18に送信され、その信号に応じて制御手段18が二次電池20から電動送風機4への通電量を制御し、電動送風機4の動作のオンオフや、吸引力又は駆動力を設定する。電動送風機4を動作させた状態で、使用者は手元操作部11を把持して風路体3を介して本体2を引っ張って床面上で所望の位置に移動させ、吸込口体9等から塵埃を空気とともに吸い込み、集塵部5に塵埃を集積する。また、床面の種類等に応じて回転清掃体16を動作させたい場合に、使用者が手元操作部11の設定手段12を操作すると、その操作に応じた信号が手元回路部40から第三配線45を通じて制御手段18に送信され、手元回路部40の信号に応じて制御手段18から送信された信号が駆動制御手段17に送信されて、その信号に応じて駆動制御手段17が二次電池20から電動部15への通電量を制御し、電動部15の動作のオンオフを設定する。電動部15が動作することで回転清掃体16が回転され、回転清掃体16が床面から塵埃を掻き取る。
【0034】
二次電池20を充電する際、使用者は電気掃除機1を充電台25に装着する。本体2は、前部を上方に向け、後部を下側にしてガイド部37に沿って第一支持部27に上方から載置することで、充電台25に装着され、本体接続端子21と充電台接続端子30とが互いに電気的に接続される。このとき、遮断手段50が
図7(a)及び
図7(b)、又は、
図8(a)及び
図8(b)に示す機械的スイッチである場合には、充電台25への本体2の装着状態をトリガとして、
図1(b)に示すように、遮断手段50が開放されて通電経路48を遮断することとなる。
【0035】
また、風路体3は、被保持部35を充電台25の第二支持部28に上方から挿入することで、充電台25に装着される。この状態で、
図6に示すように、風路体3は、延長管8が第二支持部28から上方に延びた状態で支持されるとともに、本体2と延長管8との間に接続されるホース7が、延長管8に沿って本体2から上方に延び、手元操作部11との接続位置又はその近傍で折り返される。つまり、風路体3は、手元操作部11又はホース7の折り返し部分が最上部となるように充電台25に直立状態で支持される。このとき、本実施形態では、引っ掛け部13に対して保持部14を引っ掛けることで、ホース7を延長管8に近接した位置で保持する。
【0036】
充電台25は、電源コード32を外部電源eに接続することで、ACアダプタ33により直流変換された電圧が充電回路31に供給される。充電回路31では、この電圧を昇圧して二次電池20に供給することで、二次電池20を充電する。遮断手段50が電気的スイッチである場合には、充電回路31から二次電池20への出力を制御手段18が検出することで、二次電池20が充電状態にあることをトリガとして、制御手段18が遮断手段50に信号を出力し、
図1(b)に示すように遮断手段50が開放されて通電経路48が遮断されることとなる。
【0037】
通電経路48が遮断されることにより、第一配線42又は第二配線43を介して風路体3側に電流が流れない状態で、充電回路31により二次電池20が充電される。充電回路31は、二次電池20の電圧を監視し、二次電池20の電圧が所定電圧以上となると充電を終了する。
【0038】
なお、遮断手段50は、通電経路48を遮断した後、二次電池20が充電状態にない場合には通電経路48を再度導通させる。例えば、制御手段18が充電回路31から二次電池20への出力を検出しない状態では、二次電池20が充電状態にないものと判断し、制御手段18が遮断手段50に信号を出力することで、
図1(a)に示すように遮断手段50が閉じられて通電経路48の遮断が解除される。また、例えば、遮断手段50が
図7(a)及び
図7(b)、又は、
図8(a)及び
図8(b)に示すような機械的スイッチである場合には、電気掃除機1を充電台25から取り外したり、本体2を床面上に使用状態として載置したりすると、
図1(a)に示すように遮断手段50が閉じて通電経路48の遮断が解除される。
【0039】
このように、外部電源eによる二次電池20の充電時に通電経路48を遮断する遮断手段50を備えることで、二次電池20の充電時に充電回路31により生じるスイッチングノイズに起因する放射ノイズが風路体3から拡散されることを防止できる。また、遮断手段50を追加設置するだけでよいため、大幅な設計変更等が不要で、簡素に構成できる。
【0040】
本実施形態では、二次電池20の充電時に省スペースで設置できるように、風路体3が、充電台25に装着された本体2から上方に延びて配置される。そのため、床面から高い位置にある通電経路48がアンテナのように作用し、通電経路48から放射ノイズが離れた位置に拡散されやすい姿勢であるといえる。そこで、本実施形態では、少なくとも二次電池20の充電状態では遮断手段50によって風路体3側に電流が流れないようにすることで、二次電池20の充電時の省スペースでの設置を可能としつつ、二次電池20の充電時に生じるスイッチングノイズ等に起因する放射ノイズの拡散を防止できる。
【0041】
二次電池20が充電状態にあることを充電検出手段により検出した場合に遮断手段50が通電経路48を遮断することで、二次電池20の充電時に遮断手段50により通電経路48を確実に遮断でき、充電時に風路体3側に電流が流れることを確実に防止して、充電回路31により生じるスイッチングノイズに起因する放射ノイズが風路体3から拡散されることを確実に防止できる。
【0042】
充電台25へ本体2が装着されたことに連動して遮断手段50が動作することで、二次電池20の充電が開始されるまでには遮断手段50により通電経路48を確実に遮断でき、充電時に風路体3側に電流が流れることを確実に防止して、充電回路31により生じるスイッチングノイズに起因する放射ノイズが風路体3から拡散されることを確実に防止できる。
【0043】
遮断手段50が本体2内で通電経路48を遮断することで、通電経路48において、第一配線42及び第二配線43のうち風路体3に位置する部分に充電回路31側からの電圧が加わらないように確実に遮断できるので、通電経路48中の風路体3に位置する部分から充電回路31により生じるスイッチングノイズに起因する放射ノイズが拡散されることを確実に防止できる。
【0044】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲をこれらの実施形態に限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0045】
1 電気掃除機
2 本体
3 風路体
4 電動送風機
12 設定手段
18 充電検出手段の機能を備える制御手段
20 二次電池
25 充電台
40 手元回路部
48 通電経路
50 遮断手段
e 外部電源