(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-15
(45)【発行日】2023-02-24
(54)【発明の名称】狭い緑色発光を有する蛍光体
(51)【国際特許分類】
C09K 11/80 20060101AFI20230216BHJP
C09K 11/88 20060101ALI20230216BHJP
H01L 33/50 20100101ALI20230216BHJP
【FI】
C09K11/80
C09K11/88
H01L33/50
(21)【出願番号】P 2019556795
(86)(22)【出願日】2018-03-05
(86)【国際出願番号】 US2018020914
(87)【国際公開番号】W WO2018200074
(87)【国際公開日】2018-11-01
【審査請求日】2019-12-02
(32)【優先日】2017-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507114761
【氏名又は名称】カレント・ライティング・ソルーションズ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100091568
【氏名又は名称】市位 嘉宏
(72)【発明者】
【氏名】トーマス,エヴァン
(72)【発明者】
【氏名】バロウディ,クリステン
(72)【発明者】
【氏名】ゴー,ヨン・ボク
(72)【発明者】
【氏名】ノードセル,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】メルマン,ジョナサン
【審査官】林 建二
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-003161(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0319049(US,A1)
【文献】特開2001-303049(JP,A)
【文献】特開昭59-128211(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 11/00-11/89
H01L 33/00
H01L 33/48-33/64
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式REM
2+xE
yによって特徴付けられる発光組成物であって、
REは、
EuまたはGdから選ばれた元素REのうちEuを必須成分とし、
Mは、
Al、Ga、In、EuおよびLuから選択される元素MのうちAl又はGaを主成分とし、
Eは、S又はSeであり、
xは、0.1~0.9であり、
yは、4.15~5.35である、
発光組成物。
【請求項2】
xが、0.3~0.9である、請求項1に記載の発光組成物。
【請求項3】
xが、0.7~0.9である、請求項1に記載の発光組成物。
【請求項4】
専らEuM
2E
4擬斜方晶結晶構造を有する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発光組成物。
【請求項5】
主にEuM
2E
4擬斜方晶結晶構造と1つまたは複数の二元カルコゲナイド結晶構造の混合物を有する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発光組成物。
【請求項6】
REが、Euである、請求項1に記載の発光組成物。
【請求項7】
xが、0.3~0.9である、請求項6に記載の発光組成物。
【請求項8】
xが、0.7~0.9である、請求項6に記載の発光組成物。
【請求項9】
専らEuM
2E
4擬斜方晶結晶構造を有する、請求項6乃至8のいずれか1項に記載の発光組成物。
【請求項10】
主にEuM
2E
4擬斜方晶結晶構造と1つまたは複数の二元カルコゲナイド結晶構造の混合物を有する、請求項6乃至8のいずれか1項に記載の発光組成物。
【請求項11】
REが、EuおよびGdを含む、請求項1に記載の発光組成物。
【請求項12】
xが、0.3~0.9である、請求項11に記載の発光組成物。
【請求項13】
xが、0.7~0.9である、請求項11に記載の発光組成物。
【請求項14】
前記組成が、式Eu(Al、Ga)
2+xS
yによって特徴付けられる、請求項1に記載の発光組成物。
【請求項15】
AlとGaの比が、1:3~2:1である、請求項14に記載の発光組成物。
【請求項16】
xが、0.3~0.9である、請求項14に記載の発光組成物。
【請求項17】
xが、0.7~0.9である、請求項14に記載の発光組成物。
【請求項18】
専らEuM
2E
4擬斜方晶結晶構造を有する、請求項14乃至17のいずれか1項に記載の発光組成物。
【請求項19】
主にEuM
2E
4擬斜方晶結晶構造と1つまたは複数の二元カルコゲナイド結晶構造の混合物を有する、請求項14乃至17のいずれか1項に記載の発光組成物。
【請求項20】
前記組成が、式EuAl
1.08Ga
1.62S
5.05によって特徴付けられる、請求項17に記載の発光組成物。
【請求項21】
前記組成が、式EuAl
2+xE
yによって特徴付けられる、請求項1に記載の発光組成物。
【請求項22】
xが、0.3~0.9である、請求項21に記載の発光組成物。
【請求項23】
xが、0.7~0.9である、請求項21に記載の発光組成物。
【請求項24】
専らEuM
2E
4擬斜方晶結晶構造を有する、請求項21乃至23のいずれか1項に記載の発光組成物。
【請求項25】
主にEuM
2E
4擬斜方晶結晶構造と1つまたは複数の二元カルコゲナイド結晶構造の混合物を有する、請求項21乃至23のいずれか1項に記載の発光組成物。
【請求項26】
前記組成が、式EuAl
2.7Se
5.05によって特徴付けられる、請求項21に記載の発光組成物。
【請求項27】
前記組成が、式EuAl
2.7S
5.05によって特徴付けられる、請求項21に記載の発光組成物。
【請求項28】
第1の波長範囲にわたって発光する発光ダイオードと、
前記発光ダイオードからの発光によって励起され、それに応じて第2の波長範囲にわたって発光するように構成された発光組成物と
を備え、
前記発光組成物は、式REM
2+xE
yによって特徴付けられ、
REは、
EuまたはGdから選ばれた元素REのうちEuを必須成分とし、
Mは、
Al、Ga、In、EuおよびLuから選択される元素MのうちAl又はGaを主成分とし、
Eは、S又はSeであり、
xは、0.1~0.9であり、
yは、4.15~5.35である、
発光デバイス。
【請求項29】
REが、Euであり、xが、0.3~0.9である、請求項28に記載の発光デバイス。
【請求項30】
REが、Euであり、xが、0.7~0.9である、請求項28 に記載の発光デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、「Phosphors With Narrow Green Emission」と題し、2017年4月28日に出願された米国仮特許出願第62/491,552号、および「Phosphors With Narrow Green Emission」と題し、2017年5月10日に出願された米国特許出願第15/591,629号の優先権の利益を主張し、両方ともその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般に、狭い緑色発光を有する蛍光体に関する。
【背景技術】
【0003】
ユーロピウムで活性化されたアルカリ土類チオガレートおよびアルカリ土類チオアルミネート蛍光体は、エレクトロルミネッセンス系と蛍光体変換LED系の両方について当技術分野で知られている。これらの材料は、青色、紫色、または一般的なInGaN発光ダイオードなどの近UV発光源からの発光を容易に吸収することができる。これらの典型的な緑色蛍光体材料は、緑色光を生成するために独立して使用することができ、または白色もしくは他の色の光を生成するために他の蛍光体材料と組み合わせることができる。同様に、これらの緑色蛍光体材料は、携帯電話、タブレット、ラップトップ、モニタ、またはテレビなどのディスプレイのバックライティングユニットを生成するために、例えば、青色または他のLEDおよび赤色蛍光体と組み合わされてもよい。
【0004】
一般的な照明では、多くの場合、CQSまたはTM-30-15などの演色評価数または他の光指標の品質を向上させるために、広い発光スペクトルを有することが望ましい。ただし、照明では、一部の特徴を強調するために一部の波長領域に追加の光を提供することが望ましい場合があり、例えば、牛肉の食料品店のディスプレイケースは、スペクトルの赤色領域に追加の光を含むことがあり、同様に、ホウレンソウまたは緑色の紙は、照明が特定の緑色波長に追加の光を提供する際により魅力的に見えることがある。
【0005】
ディスプレイバックライティングでは、その強度の大部分がフィルタの最高透過率とうまく整合するために、色が(a)より飽和して見えるようになり、色域の緑色頂点を広げ、(b)典型的なLCDフィルタ系の緑色フィルタを通過する際の損失が少なくなるように、狭い発光波長を有することがより望ましい。
【発明の概要】
【0006】
本発明の蛍光体は、比較的狭い緑色発光スペクトルを有する蛍光体組成を提供することによって、照明用途の発光スペクトルの一部の緑色領域を優先的に飽和させ、ディスプレイバックライトユニットの緑色域点を改善するのを助けるという課題に対処する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】例示的な市販の蛍光体のCIE xy色点、NTSC色域およびDCI-P3色域からの緑色域点、ならびに530nmおよび537nmでピークに達する本発明の例示的な蛍光体からの発光を示すプロットである。
【0008】
【
図2A】EuAl
2.133B
0.567S
5.05の発光スペクトル、励起スペクトル、および粉末X線回折パターンを示す図である。
【
図2B】EuAl
2.133B
0.567S
5.05の発光スペクトル、励起スペクトル、および粉末X線回折パターンを示す図である。
【
図2C】EuAl
2.133B
0.567S
5.05の発光スペクトル、励起スペクトル、および粉末X線回折パターンを示す図である。
【0009】
【
図3A】EuAl
2.322Lu
0.378S
5.05の発光スペクトルおよび励起スペクトルを示す図である。
【
図3B】EuAl
2.322Lu
0.378S
5.05の発光スペクトルおよび励起スペクトルを示す図である。
【0010】
【
図4A】x=0、0.1、0.3、0.5、0.7、および0.9であるEu(Al
0.4Ga
0.6)
2+xS
yの発光スペクトル、励起スペクトル、および粉末X線回折パターンを示す図である。
【
図4B】x=0、0.1、0.3、0.5、0.7、および0.9であるEu(Al
0.4Ga
0.6)
2+xS
yの発光スペクトル、励起スペクトル、および粉末X線回折パターンを示す図である。
【
図4C】x=0、0.1、0.3、0.5、0.7、および0.9であるEu(Al
0.4Ga
0.6)
2+xS
yの発光スペクトル、励起スペクトル、および粉末X線回折パターンを示す図である。
【0011】
【
図5A】EuAl
2Se
4、EuAl
2.4Se
4.6、EuAl
2.4Se
3.
6S、およびEuAl
2.7Se
5.05の発光スペクトルおよび励起スペクトルを示す図である。
【
図5B】EuAl
2Se
4、EuAl
2.4Se
4.6、EuAl
2.4Se
3.
6S、およびEuAl
2.7Se
5.05の発光スペクトルおよび励起スペクトルを示す図である。
【0012】
【
図6】EuAl
2.07In
0.23S
4.45の発光スペクトルを示す図である。
【0013】
【
図7】EuAl
1.84In
0.46S
4.45の発光スペクトルを示す図である。
【0014】
【
図8】EuAl
1.61Ga
0.23In
0.46S
4.45の発光スペクトルを示す図である。
【0015】
【
図9】例示的な蛍光体変換LEDの発光スペクトルを示す図である。
【0016】
【
図10】別の例示的な蛍光体変換LEDの発光スペクトルを示す図である。
【0017】
【
図11】別の例示的な蛍光体変換LEDの発光スペクトルを示す図である。
【0018】
【
図12】
図11の例示的な蛍光体変換LEDと例示的なカラーフィルタを重ねた発光スペクトルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の詳細な説明は、選択的な実施形態を示し、本発明の範囲を限定することを意図しない図面を参照して読まれるべきである。詳細な説明は、本発明の原理を限定ではなく例として示している。この説明は、当業者が本発明を作製および使用することを明確に可能にし、本発明を実施する最良の態様であると現在考えられているものを含む、本発明のいくつかの実施形態、適応、変形、代替および使用を説明する。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用する場合、単数形「1つの(a、an)」および「その(the)」は、別段文脈において明確に示されない限り、複数の指示対象を含む。
【0020】
本発明の蛍光体は、例えば、紫外線、紫色、青色、または短波長の緑色光による励起に応じて、比較的狭い範囲の発光波長にわたって緑色光を放射する。それらの狭い発光は、市販の緑色蛍光体と比較してより飽和して見えるようになり、色域の緑色頂点を広げることが可能である。この利点の例として、
図1は、525nm、530nm、および540nmでピークに達するLuAGおよびケイ酸塩などの例示的な市販の蛍光体(例えば、カリフォルニア州フリーモントのIntematix Corporationから製品番号GAL525、GAL530、GAL540、EG2762、EG3261、およびEG3759として入手可能)のCIE xy色点、NTSC色域およびDCI-P3色域からの緑色域点、ならびに530nmおよび537nmでピークに達する本発明の例示的な蛍光体からの発光を示す。
【0021】
本発明の蛍光体は、実験組成REM2+xEyを有し、REは、1つまたは複数の希土類元素(例えば、EuまたはGd)であってもよく、Mは、群Al、Ga、B、In、Sc、LuまたはYから選択される1つまたは複数の元素であってもよく、Eは、群S、Se、O、またはTeから選択される1つまたは複数の元素であってもよく、xは、ゼロよりも大きい、または0.1以上、または0.3以上、または0.7以上である。xの値はまた、例えば、0.9以下であってもよい。下付き文字yは、Eが-2の電荷を有すると仮定して、式の電荷バランスを実現する値を有する。(本明細書に記載されている実験例では、反応は常に過剰のカルコゲンで実行され、電荷バランスのとれた組成を形成するために必要なものを反応が利用するようにする)。AlCl3またはI2を含むがこれらに限定されない反応促進剤の使用から、いくつかのマイナーな組成置換も起こり得る。蛍光体は、REM2E4(例えば、EuGa2S4)と同じ基本的な擬斜方晶結晶構造を有してもよい。蛍光体は、REM2E4結晶相と、例えばM2E3(例えば、Ga2S3)結晶相またはME(例えば、GaS)結晶相などの1つまたは複数の二元カルコゲナイド結晶相との混合物を含んでもよい。いくつかの変形では、組成は、式Eu(Al、Ga)2+xSyによって特徴付けられ、AlとGaの比は、約1:3~約2:1である。
【0022】
本発明の蛍光体は、最新技術のチオガレート蛍光体によって提供されるよりも狭い発光スペクトルを提供することによって、既知のアルカリ土類チオガレート蛍光体に対する改善を示し得る。本発明の蛍光体は、例えば、Thiら、Materials Science&Engineering B14(1992)、No 4、pp.393-397、Donohue US Patent 3,801,702(1974年4月2日発行)、およびDonohue and Hanlon、Journal of the Electrochemical Society:Solid-State Science and Technology(1974)、Vol.121、No.1、pp.137-142によって開示されるEuAl2S4、EuAl2Se4、およびEuGa2S4などのEuM2E4組成を超える輝度の改善を示し得る。
【0023】
特に、上述のx>0の実験式REM2+xEyを有する蛍光体は、組成REM2E4を有する蛍光体と比較して、場合によっては2倍を超えて蛍光体の発光ピークの相対強度を大幅に増加させることができる。xの最適値は、系の正確な組成によって異なる場合がある。ただし、x=0.7は、例えばRE=EuおよびM=1/3Al、2/3Gaの場合など、Mの多くの選択に対して最適値にまたは最適値の近くにあるように見える。
【0024】
本発明の蛍光体は、組成のMおよびE成分を変えることによって、用途の要件に基づいて波長範囲を通して調整することができる。例えば、実験式Eu(Al、Ga)2+x(S、Se)yを有する蛍光体の場合、発光波長範囲は、例えばEuAl2+xSeyの約490nmのピーク発光波長からEuGa2+xSyの約550nmのピーク発光波長まで拡張することができる。インジウムまたは酸素を組み込むことによって、さらに長い波長の発光を得ることができる。実験式Eu(Al、Ga)2+xSyを有する蛍光体の場合、ピーク発光波長は、Gaの割合によっておよそ次のように異なり得る:0%Ga、505nm;5%Ga、509nm;14%Ga、512nm;25%Ga、517nm;50%Ga、527nm;55%Ga、530nm;60%Ga、533nm;65%Ga、533nm;70%Ga、535nm;75%Ga、541nm;100%Ga、545nm。実験式Eu(Al、Ga)2+x(S、Se)yを有する蛍光体の場合、Gaの割合は、例えば、≧0%、≧5%、≧10%、≧15%、≧20%、≧25%、≧30%、≧35%、≧40%、≧45%、≧50%、≧55%、≧60%、≧65%、≧70%、≧75%、≧80%、≧85%、≧90%、≧95%、0%~5%、5%~10%、10%~15%、15%~20%、20%~25%、25%~30%、30%~35%、35%~40%、40%~45%、45%~50%、50%~55%、55%~60%、60%~65%、65%~70%、70%~75%、75%~80%、80%~85%、85%~90%、90%~95%、95%~100%、または50%~75%とすることができる。
【0025】
例えば、I2、AlF3、AlCl3、AlBr3、GaCl3、GaBr3、BaF2、EuCl3、EuI2、およびNa2Sなど、多数のフラックス/反応促進剤が調査されている。標的の最終生成物中の陽イオン以外の陽イオン(例えば、BaおよびNa)を含む促進剤の使用は、本発明の所望の特性を満たさない代替相の形成をもたらした。
【0026】
本発明の蛍光体は、任意の従来の手法で励起源と光学的に結合され得る。より一般的な方法の1つは、ここに開示されている緑色蛍光体などの蛍光体を、赤色蛍光体および任意選択の青色および/または黄色蛍光体と組み合わせることである。蛍光体を共に組み合わせ、次にシリコーン、エポキシ、または他のポリマーなどのカプセル材料に追加するか、または蛍光体をカプセル材料への追加中に組み合わせることができる。次いで、蛍光体が充填されたカプセル材料は、励起源の光路に載置され得る。1つの一般的な方法は、1つまたは複数の蛍光体のスラリーをLEDダイを含むLED(発光ダイオード)パッケージに堆積することである。次に、スラリーを硬化させ、カプセル化されたLEDパッケージを形成する。他の方法は、カプセル材料をある形状に形成すること、または既に特定の形状にあり得るか、もしくは特定の形状にその後形成され得る基板上にカプセル材料を被覆することを含む。加えて、蛍光体含有カプセル材料は、光ガイドの入力結合領域、またはディスプレイでの使用を目的とした光ガイドなどの光ガイドの出力結合領域に被覆されてもよい。本発明の励起源と蛍光体の組合せは、一般的な照明、ニッチな照明用途、ディスプレイバックライティング、または他の照明用途に使用することができる。
【0027】
出願人は、上述の実験組成REM2+xEyを有する多数の例示的な蛍光体サンプルを調製し、特徴付けた。これらの実施例の調製および特徴評価を以下に説明し、表1にまとめる。いくつかのサンプルでは、実験組成に加えて、粉末X線回折によって観察された1つまたは複数の結晶相が報告されている。発光スペクトルは、キセノンランプを備えたFluorolog-3分光光度計または外部の青色または紫色LED励起源と組み合わせて使用されるOcean Optics分光計を使用して測定した。励起スペクトルは、キセノンランプを備えたFluorolog-3分光光度計を使用して測定した。粉末X線回折スペクトルは、Rigaku MiniFlex600を使用して測定した。
【0028】
実施例1 EuAl
2.133
B
0.567
S
5.05
(サンプル番号KB3-063-406)、x=0.7
比1:2.133:0.567:4.4のEu:Al:B:Sをアルゴンを充填したグローブボックスで粉砕し、溶融シリカ管に密封した。サンプルを400℃で6時間加熱した後、温度を上げて800℃で12時間保持した。サンプルは、約130℃/時間で室温まで冷却した。サンプルをアルゴンを充填したグローブボックスで開き、さらに10重量%の硫黄で粉砕して溶融シリカ管に密封し、同じ加熱プロファイルで2回加熱した。
【0029】
図2Aは、395nmで励起したこのサンプルからの発光スペクトルを示す。
図2Bは、510nmで発光が検出されたこのサンプルの励起スペクトルを示す。
図2Cは、EuAl
2S
4(標準PDF#01-081-2821)のXRDパターンと一致する、このサンプルの粉末X線回折(XRD)測定を示す。これは、過剰のAl、過剰のB、および過剰のSの一部が1つまたは複数の二元カルコゲナイド相に存在する可能性があることを示唆している。
【0030】
実施例2 EuAl
2.322
Lu
0.378
S
5.05
(サンプル番号KB3-059-399)、x=0.7
比1:2.322:0.378:4.4のEu:Al:Lu:Sをアルゴンを充填したグローブボックスで粉砕し、溶融シリカ管に密封した。サンプルを400℃で6時間加熱した後、温度を上げて800℃で12時間保持した。サンプルは、約130℃/時間で室温まで冷却した。サンプルをアルゴンを充填したグローブボックスで開き、さらに10重量%の硫黄で粉砕して溶融シリカ管に密封し、同じ加熱プロファイルで2回加熱した。
【0031】
図3Aは、395nmで励起したこのサンプルからの発光スペクトルを示す。
図3Bは、505nmで発光が検出されたこのサンプルの励起スペクトルを示す。
【0032】
実施例3 EuAl
0.8
Ga
1.2
S
4
、(サンプル番号KB3-125-488)、x=0、比較例
Eu、Al2S3、Ga2S3、およびSを化学量論比で混合し、さらに式単位あたり0.25硫黄と7.5重量%のAlCl3を追加した(0.116gのEu、0.046gのAl2S3、0.108gのGa2S3、0.031gのS、0.023gのAlCl3)。混合物をアルゴンを充填したグローブボックスで粉砕し、溶融シリカ管に密封した。サンプルを400℃で1時間加熱した後、温度を上げて900℃で6時間保持した。サンプルは、50℃/時間で室温まで冷却した。
【0033】
図4Aは、395nmで励起したこのサンプル(x=0と表示)の発光スペクトルを示す。
図4Bは、535nmで発光が検出されたこのサンプル(x=0と表示)の励起スペクトルを示す。
図4Cは、x=0と表示した、このサンプルの粉末X線回折(XRD)測定を示す。
【0034】
実施例4 EuAl
0.84
Ga
1.26
S
4.15
、(サンプル番号KB3-125-489)、x=0.1
Eu、Al2S3、Ga2S3、およびSを化学量論比で混合し、さらに式単位あたり0.25硫黄と7.5重量%のAlCl3を追加した(0.113gのEu、0.047gのAl2S3、0.110gのGa2S3、0.030gのS、0.023gのAlCl3)。混合物をアルゴンを充填したグローブボックスで粉砕し、溶融シリカ管に密封した。サンプルを400℃で1時間加熱した後、温度を上げて900℃で6時間保持した。サンプルは、50℃/時間で室温まで冷却した。
【0035】
図4Aは、395nmで励起したこのサンプル(x=0.1と表示)の発光スペクトルを示す。
図4Bは、535nmで発光が検出されたこのサンプル(x=0.1と表示)の励起スペクトルを示す。
図4Cは、x=0.1と表示した、このサンプルの粉末X線回折(XRD)測定を示す。
【0036】
実施例5 EuAl
0.92
Ga
1.38
S
4.45
、(サンプル番号KB3-125-490)、x=0.3
Eu、Al2S3、Ga2S3、およびSを化学量論比で混合し、さらに式単位あたり0.25硫黄と7.5重量%のAlCl3を追加した(0.108gのEu、0.049gのAl2S3、0.115gのGa2S3、0.028gのS、0.023gのAlCl3)。混合物をアルゴンを充填したグローブボックスで粉砕し、溶融シリカ管に密封した。サンプルを400℃で1時間加熱した後、温度を上げて900℃で6時間保持した。サンプルは、50℃/時間で室温まで冷却した。
【0037】
図4Aは、395nmで励起したこのサンプル(x=0.3と表示)の発光スペクトルを示す。
図4Bは、535nmで発光が検出されたこのサンプル(x=0.3と表示)の励起スペクトルを示す。
図4Cは、x=0.3と表示した、このサンプルの粉末X線回折(XRD)測定を示す。
【0038】
実施例6 EuAlGa
1.5
S
4.75
、(サンプル番号KB3-125-491)、x=0.5
Eu、Al2S3、Ga2S3、およびSを化学量論比で混合し、さらに式単位あたり0.25硫黄と7.5重量%のAlCl3を追加した(0.103gのEu、0.051gのAl2S3、0.120gのGa2S3、0.027gのS、0.023gのAlCl3)。混合物をアルゴンを充填したグローブボックスで粉砕し、溶融シリカ管に密封した。サンプルを400℃で1時間加熱した後、温度を上げて900℃で6時間保持した。サンプルは、50℃/時間で室温まで冷却した。
【0039】
図4Aは、395nmで励起したこのサンプル(x=0.5と表示)の発光スペクトルを示す。
図4Bは、535nmで発光が検出されたこのサンプル(x=0.5と表示)の励起スペクトルを示す。
図4Cは、x=0.5と表示した、このサンプルの粉末X線回折(XRD)測定を示す。
【0040】
実施例7 EuAl
1.08
Ga
1.62
S
5.05
、(サンプル番号KB3-126-492)、x=0.7
Eu、Al2S3、Ga2S3、およびSを化学量論比で混合し、さらに式単位あたり0.25硫黄と7.5重量%のAlCl3を追加した(0.098gのEu、0.052gのAl2S3、0.124gのGa2S3、0.026gのS、0.023gのAlCl3)。混合物をアルゴンを充填したグローブボックスで粉砕し、溶融シリカ管に密封した。サンプルを400℃で1時間加熱した後、温度を上げて900℃で6時間保持した。サンプルは、50℃/時間で室温まで冷却した。
【0041】
図4Aは、395nmで励起したこのサンプル(x=0.7と表示)の発光スペクトルを示す。
図4Bは、535nmで発光が検出されたこのサンプル(x=0.7と表示)の励起スペクトルを示す。
図4Cは、x=0.7と表示した、このサンプルの粉末X線回折(XRD)測定を示す。
【0042】
実施例8 EuAl
1.16
Ga
1.74
S
5.35
(サンプル番号KB3-126-493)、x=0.9
Eu、Al2S3、Ga2S3、およびSを化学量論比で混合し、さらに式単位あたり0.25硫黄と7.5重量%のAlCl3を追加した(0.094gのEu、0.054gのAl2S3、0.127gのGa2S3、0.025gのS、0.023gのAlCl3)。混合物をアルゴンを充填したグローブボックスで粉砕し、溶融シリカ管に密封した。サンプルを400℃で1時間加熱した後、温度を上げて900℃で6時間保持した。サンプルは、50℃/時間で室温まで冷却した。
【0043】
図4Aは、395nmで励起したこのサンプル(x=0.9と表示)の発光スペクトルを示す。
図4Bは、535nmで発光が検出されたこのサンプル(x=0.9と表示)の励起スペクトルを示す。
図4Cは、x=0.9と表示した、このサンプルの粉末X線回折(XRD)測定を示す。
【0044】
実施例3~8のXRDデータ
図4Cでは、各XRDパターンの主要な相は、EuGa
2S
4と一致している(標準PDF#01-071-0588)。Ga
2S
3(PDF#00-054-0415)も存在し(ピークには星印が付されている)、「x」が増えると量も増える。両方の相のピークは、おそらくアルミニウムの組み込みにより、データベースパターンよりもわずかに高い角度にシフトする。
【0045】
実施例9 EuAl
1.08
Ga
1.62
S
5.05
(サンプル番号KB3-132-506)、x=0.7
このサンプルは、実施例7のようなAlCl3フラックスではなく、AlF3フラックスを使用して調製した。Eu、Al2S3、Ga2S3、およびSを化学量論比で混合した。さらに式単位あたり0.25硫黄と7.5重量%のAlF3を追加した。混合物をアルゴンを充填したグローブボックスで粉砕し、炭素で被覆した溶融シリカ管に密封した。サンプルを400℃で1時間加熱した後、温度を上げて800℃で6時間保持した。サンプルは、50℃/時間で室温まで冷却した。
【0046】
実施例10 EuAl
0.8
Ga
1.2
S
4
(サンプル番号KB3-133-507)、x=0
このサンプルは、実施例3のようなAlCl3フラックスではなく、AlF3フラックスを使用して調製した。Eu、Al2S3、Ga2S3、およびSを化学量論比で混合した。さらに式単位あたり0.25硫黄と7.5重量%のAlF3を追加した。混合物をアルゴンを充填したグローブボックスで粉砕し、炭素で被覆した溶融シリカ管に密封した。サンプルを400℃で1時間加熱した後、温度を上げて800℃で6時間保持した。サンプルは、50℃/時間で室温まで冷却した。
【0047】
実施例11 EuAl
2
Se
4
、(サンプル番号YBG-170419-1)、x=0、比較例
グローブボックスに乳棒を入れ、化学量論量のEu、Al、およびSeを乳鉢で完全に粉砕した。混合物を乾燥した炭素で被覆したシリカ管に入れ、約5インチの長さで真空および密封した。反応は、箱型炉で実施した。温度を400℃まで上げて6時間保持し、再び800℃まで上げて6時間保持した後、6時間室温まで冷却した。
【0048】
図5Aは、395nmで励起したこのサンプル(「a」と表示)の発光スペクトルを示す。発光ピークの相対強度は、この図の他の発光スペクトルと比較して100%である。
図5Bは、490nmで発光が検出されたこのサンプル(「a」と表示)の励起スペクトルを示す。
【0049】
実施例12 EuAl
2.4
Se
4.6
(サンプル番号YBG-170419-2)、x=0.4
グローブボックスに乳棒を入れ、化学量論量のEu、Al、およびSeを乳鉢で完全に粉砕した。混合物を乾燥した炭素で被覆したシリカ管に入れ、約5インチの長さで真空および密封した。反応は、箱型炉で実施した。温度を400℃まで上げて6時間保持し、再び800℃まで上げて6時間保持した後、6時間室温まで冷却した。
【0050】
図5Aは、395nmで励起したこのサンプル(「b」と表示)の発光スペクトルを示す。発光ピークの相対強度は、この図の他の発光スペクトルと比較して144%である。
図5Bは、490nmで発光が検出されたこのサンプル(「b」と表示)の励起スペクトルを示す。
【0051】
実施例13 EuAl
2.4
Se
3.6
S(サンプル番号YBG-170419-4)、x=0.4
グローブボックスに乳棒を入れ、化学量論量のEu、Al、Se、およびSを乳鉢で完全に粉砕した。混合物を乾燥した炭素で被覆したシリカ管に入れ、約5インチの長さで真空および密封した。反応は、箱型炉で実施した。温度を400℃まで上げて6時間保持し、再び800℃まで上げて6時間保持した後、6時間室温まで冷却した。
【0052】
図5Aは、395nmで励起したこのサンプル(「c」と表示)の発光スペクトルを示す。発光ピークの相対強度は、この図の他の発光スペクトルと比較して117%である。
図5Bは、490nmで発光が検出されたこのサンプル(「c」と表示)の励起スペクトルを示す。
【0053】
実施例14 EuAl
2.7
Se
5.05
(サンプル番号YBG-170419-5)、x=0.7
グローブボックスに乳棒を入れ、化学量論量のEu、Al、およびSeを乳鉢で完全に粉砕した。混合物を乾燥した炭素で被覆したシリカ管に入れ、約5インチの長さで真空および密封した。反応は、箱型炉で実施した。温度を400℃まで上げて6時間保持し、再び800℃まで上げて6時間保持した後、6時間室温まで冷却した。
【0054】
図5Aは、395nmで励起したこのサンプル(「d」と表示)の発光スペクトルを示す。発光ピークの相対強度は、この図の他の発光スペクトルと比較して224%である。
図5Bは、490nmで発光が検出されたこのサンプル(「d」と表示)の励起スペクトルを示す。
【0055】
実施例15 EuAl
2.07
In
0.23
S
4.45
(サンプル番号KB3-132-503)
Eu、Al2S3、In2S3、およびSを化学量論比で混合した。混合物をアルゴンを充填したグローブボックスで粉砕し、溶融シリカ管に密封した。サンプルを400℃で1時間加熱した後、温度を上げて900℃で6時間保持した。サンプルは、50℃/時間で室温まで冷却した。
【0056】
図6は、405nmで励起したこのサンプルの発光スペクトルを示す。
【0057】
実施例16 EuAl
1.84
In
0.46
S
4.45
(サンプル番号KB3-132-504)
Eu、Al2S3、In2S3、およびSを化学量論比で混合した。混合物をアルゴンを充填したグローブボックスで粉砕し、溶融シリカ管に密封した。サンプルを400℃で1時間加熱した後、温度を上げて900℃で6時間保持した。サンプルは、50℃/時間で室温まで冷却した。
【0058】
図7は、405nmで励起したこのサンプルの発光スペクトルを示す。
【0059】
実施例17 EuAl
1.61
Ga
0.23
In
0.46
S
4.45
(サンプル番号KB3-132-505)
Eu、Al2S3、Ga2S3、In2S3、およびSを化学量論比で混合した。混合物をアルゴンを充填したグローブボックスで粉砕し、溶融シリカ管に密封した。サンプルを400℃で1時間加熱した後、温度を上げて900℃で6時間保持した。サンプルは、50℃/時間で室温まで冷却した。
【0060】
図8は、405nmで励起したこのサンプルの発光スペクトルを示す。
【0061】
実施例18 EuAlGa
1.5
S
4.75
(サンプル番号ELTAlS-056A)
化学量論量のEu、Al2S3、Ga2S3およびSの1.2gの混合物をAr下で調製した。混合物を20重量%の過剰のSと組み合わせ、この実施例および実施例19~22で使用するために5つの200mg部分に分離した。この実施例では、混合物の1つの200mg部分を30mg(15重量%)のAlBr3フラックスと完全に混合し、真空石英管に密封した。アンプルを2時間で400℃に加熱し、その温度で1時間放置し、次に1.5時間で900℃に加熱してその温度で6時間放置した後、50℃/時間で室温までゆっくりと冷却した。
【0062】
実施例19 EuAlGa
1.5
S
4.75
(サンプル番号ELTAlS-056B)
実施例18で調製した化学量論量のEu、Al2S3、Ga2S3およびSの1.2gの混合物の200mg部分を、30mg(15重量%)のGaBr3フラックスと完全に混合し、真空石英管に密封した。アンプルを2時間で400℃に加熱し、その温度で1時間放置し、次に1.5時間で900℃に加熱してその温度で6時間放置した後、50℃/時間で室温までゆっくりと冷却した。
【0063】
実施例20 EuAlGa
1.5
S
4.75
(サンプル番号ELTAlS-056C)
実施例18で調製した化学量論量のEu、Al2S3、Ga2S3およびSの1.2gの混合物の200mg部分を、30mg(15重量%)のGaCl3フラックスと完全に混合し、真空石英管に密封した。アンプルを2時間で400℃に加熱し、その温度で1時間放置し、次に1.5時間で900℃に加熱してその温度で6時間放置した後、50℃/時間で室温までゆっくりと冷却した。
【0064】
実施例21 EuAlGa
1.5
S
4.75
(サンプル番号ELTAlS-056D)
実施例18で調製した化学量論量のEu、Al2S3、Ga2S3およびSの1.2gの混合物の200mg部分を、30mg(15重量%)のEuCl3フラックスと完全に混合し、真空石英管に密封した。アンプルを2時間で400℃に加熱し、その温度で1時間放置し、次に1.5時間で900℃に加熱してその温度で6時間放置した後、50℃/時間で室温までゆっくりと冷却した。
【0065】
実施例22 EuAlGa
1.5
S
4.75
(サンプル番号ELTAlS-056E)
実施例18で調製した化学量論量のEu、Al2S3、Ga2S3およびSの1.2gの混合物の200mg部分を、30mg(15重量%)のEuI2フラックスと完全に混合し、真空石英管に密封した。アンプルを2時間で400℃に加熱し、その温度で1時間放置し、次に1.5時間で900℃に加熱してその温度で6時間放置した後、50℃/時間で室温までゆっくりと冷却した。
【0066】
実施例23 Eu
0.97
Gd
0.03
Al
0.92
Ga
1.38
S
4.45
(サンプル番号YBG-170424-2)
グローブボックスに乳棒を入れ、化学量論量のEu、Al、Ga2S3、Gd2O3、S、および5重量%の過剰のSを乳鉢で完全に粉砕した。混合物を乾燥したシリカ管に入れ、約5インチの長さで真空および密封した。反応は、箱型炉で実施した。温度を4時間で900℃まで上げて12時間保持した後、6時間室温まで冷却した。
【0067】
実施例24 EuAl
2
S
4
(サンプル番号ELTAlS-006C)、比較例
化学量論量のEu、Al、S、および数重量%の過剰のSの混合物をアルゴン下で完全に混合し、真空石英管に密封した。アンプルを6時間で400℃に加熱し、その温度で6時間放置し、次に800℃に加熱して24時間その温度で放置した後、9時間かけて室温まで冷却した。サンプルをアルゴン下で完全に混合し、真空石英管に密封した。加熱工程は、繰り返された。
【0068】
実施例25 EuAl
2.33
S
4.28
(サンプル番号ELTAlS-016C)
化学量論量のEu、Al、S、および数重量%の過剰のSの混合物をアルゴン下で完全に混合し、真空石英管に密封した。アンプルを6時間で400℃に加熱し、その温度で6時間放置し、次に800℃に加熱して24時間その温度で放置した後、6時間かけて室温まで冷却した。サンプルをアルゴン下で完全に混合し、真空石英管に密封した。加熱工程は、繰り返された。
【0069】
実施例26 EuAl
2.7
S
5.05
(サンプル番号ELTAlS-016E)
化学量論量のEu、Al、S、および数重量%の過剰のSの混合物をアルゴン下で完全に混合し、真空石英管に密封した。アンプルを6時間で400℃に加熱し、その温度で6時間放置し、次に800℃に加熱して120時間その温度で放置した後、6時間かけて室温まで冷却した。サンプルをアルゴン下で完全に混合し、真空石英管に密封した。加熱工程を繰り返し、800℃で48時間放置した。
【0070】
実施例27 EuAl
2.9
S
5.35
(サンプル番号ELTAlS-016F)
化学量論量のEu、Al、S、および数重量%の過剰のSの混合物をアルゴン下で完全に混合し、真空石英管に密封した。アンプルを6時間で400℃に加熱し、その温度で6時間放置し、次に800℃に加熱して48時間その温度で放置した後、6時間かけて室温まで冷却した。サンプルをアルゴン下で完全に混合し、真空石英管に密封した。加熱工程は、繰り返された。
【0071】
395nmの励起を使用して、EuAl2S4、EuAl2.33S4.28、EuAl2.7S5.05、およびEuAl2.9S5.35の相対フォトルミネッセンス強度を比較した。EuAl2S4を100%に設定すると、EuAl2.33S4.28は109%でより強く、EuAl2.7S5.05は378%で最も強く、EuAl2.9S5.35も比較例よりも292%強くなった。
【0072】
実施例28 EuGa
2
S
4
(サンプル番号ELTAlS-062A)、比較例
化学量論量のEu、Ga2S3およびS、20重量%の過剰のSをアルゴン下で均質化した。混合物を136mg(6mg/cm3)のI2と組み合わせてから、約8インチの真空石英管に密封した。アンプルを自然勾配の水平管炉に入れ、6時間で400℃に加熱し、6時間放置し、次に2.5時間で900℃に加熱して72時間放置した後、24時間かけて室温までゆっくりと冷却した。蛍光体粉末は、LEDからの405nmの光で励起したときに549nmのピーク発光波長および43nmの半値全幅を有していた。
【0073】
実施例29 EuGa
2
S
4
(サンプル番号ELTAlS-062B)、比較例
化学量論量のEu、Ga2S3およびS、20重量%の過剰のSをアルゴン下で均質化した。混合物を60mg(15重量%)のGaCl3と組み合わせてから、約8インチの真空石英管に密封した。アンプルを自然勾配の水平管炉に入れ、6時間で400℃に加熱し、6時間放置し、次に2.5時間で900℃に加熱して72時間放置した後、24時間かけて室温までゆっくりと冷却した。蛍光体粉末は、LEDからの405nmの光で励起したときに551nmのピーク発光波長および39nmの半値全幅を有していた。
【0074】
実施例30 EuGa
2.7
S
5.05
(サンプル番号ELTAlS-063A)
化学量論量のEu、Ga2S3およびS、20重量%の過剰のSをアルゴン下で均質化した。混合物を136mg(6mg/cm3)のI2と組み合わせてから、約8インチの真空石英管に密封した。アンプルを自然勾配の水平管炉に入れ、6時間で400℃に加熱し、6時間放置し、次に2.5時間で900℃に加熱して72時間放置した後、24時間かけて室温までゆっくりと冷却した。蛍光体粉末は、LEDからの405nmの光で励起したときに549nmのピーク発光波長および41nmの半値全幅を有し、比較例28よりも明らかに明るく見えた。
【0075】
実施例31 EuGa
2.7
S
5.05
(サンプル番号ELTAlS-063B)
化学量論量のEu、Ga2S3およびS、20重量%の過剰のSをアルゴン下で均質化した。混合物を60mg(15重量%)のGaCl3と組み合わせてから、約8インチの真空石英管に密封した。アンプルを自然勾配の水平管炉に入れ、6時間で400℃に加熱し、6時間放置し、次に2.5時間で900℃に加熱して72時間放置した後、24時間かけて室温までゆっくりと冷却した。蛍光体粉末は、LEDからの405nmの光で励起したときに550nmのピーク発光波長および39nmの半値全幅を有し、比較例29よりも明らかに明るく見えた。
【0076】
蛍光体変換LEDの実施例
21.40mgのダウコーニングOE-6550 2パートシリコーン、0.98mgの赤色蛍光体、BR101J、および2.67mgの本発明の緑色蛍光体(実施例5、EuAl0.92Ga1.38S4.45、x=0.3)を組み合わせることによって、蛍光体スラリーを作成した。蛍光体変換LED1~3(以下の実施例32~34)は、このスラリーの一部を使用して製造され、LEDに堆積するスラリーの量のみが互いに異なる。
【0077】
実施例32 蛍光体変換LED1
上述の蛍光体スラリーを、Power Opto Co.からの2835 PLCCパッケージに搭載された青色発光InGaNベースのLEDの上部に塗布し、シリコーンを約100℃で一晩硬化させた。
図9に示すこのLEDの発光スペクトルは、Ocean Optics分光計で測定された。この実施例の蛍光体変換LEDは、4625Kの相関色温度(CCT)、0.0046のduv、およびニュートラルホワイトに対応する83のCRIを有すると測定された。
【0078】
実施例33 蛍光体変換LED2
上述の蛍光体スラリーを、Power Opto Co.からの2835 PLCCパッケージに搭載された青色発光InGaNベースのLEDの上部に塗布し、シリコーンを約100℃で一晩硬化させた。
図10に示すこのLEDの発光スペクトルは、Ocean Optics分光計で測定された。この実施例のLED上のスラリーの硬化層は、実施例32(蛍光体変換LED1)のものよりも薄かった。この実施例の蛍光体変換LEDは、6575Kの相関色温度(CCT)、0.0045のduv、およびクールホワイトに対応する85のCRIを有すると測定された。
【0079】
実施例34 蛍光体変換LED3
上述の蛍光体スラリーを、Power Opto Co.からの2835 PLCCパッケージに搭載された青色発光InGaNベースのLEDの上部に塗布し、シリコーンを約100℃で一晩硬化させた。
図11に示すこのLEDの発光スペクトルは、Ocean Optics分光計で測定された。この実施例のLED上のスラリーの硬化層は、実施例33(蛍光体変換LED2)のものよりも薄かった。この実施例の蛍光体変換LEDは、バックライティング用途に適した0.253、0.250のCIE xy座標を有すると測定された。
図12は、この蛍光体変換LEDからの発光を、LCDカラーフィルタの例示的なセット:青色(長いダッシュ)、緑色(ダッシュとドットの交互)、および赤色(短いダッシュ)でオーバーレイしたものである。発光スペクトルは、図に示されている例示的なカラーフィルタとよく一致している。
【0080】
様々な実施形態が以下の条項で説明される。
【0081】
条項1.式REM2+xEyによって特徴付けられる発光組成物であって、
REは、1つまたは複数の希土類元素であり、
Mは、群Al、Ga、B、In、Sc、Lu、およびYから選択される1つまたは複数の元素であり、
Eは、群S、Se、O、およびTeから選択される1つまたは複数の元素であり、
xは、ゼロよりも大きく、
yは、Eが-2の電荷を有すると仮定して、前記式の電荷バランスを実現する値を有する、
発光組成物。
【0082】
条項2.REが、Euである、条項1に記載の発光組成物。
【0083】
条項3.REが、EuおよびGdを含む、条項1に記載の発光組成物。
【0084】
条項4.専らEuM2E4擬斜方晶結晶構造を有する、条項1に記載の発光組成物。
【0085】
条項5.主にEuM2E4擬斜方晶結晶構造と1つまたは複数の二元カルコゲナイド結晶構造の混合物を有する、条項1に記載の発光組成物。
【0086】
条項6.前記組成が、式Eu(Al0.4Ga0.6)2+xSyによって特徴付けられ、xは、ゼロよりも大きい、条項1乃至5のいずれか1項に記載の発光組成物。
【0087】
条項7.
Mは、Alであり、
Eは、S、Se、またはSとSeの混合物である、
条項1乃至5のいずれか1項に記載の発光組成物。
【0088】
条項8.xが、0.5以上である、条項1乃至7のいずれか1項に記載の発光組成物。
【0089】
条項9.xが、0.7以上である、条項1乃至8のいずれか1項に記載の発光組成物。
【0090】
条項10.前記組成が、式EuAl1.08Ga1.62S5.05によって特徴付けられる、条項1乃至5のいずれか1項に記載の発光組成物。
【0091】
条項11.条項1乃至10のいずれか1項に記載の蛍光体を備える、発光デバイス。
【0092】
条項12.蛍光体変換発光ダイオードであって、
第1の波長範囲にわたって発光する発光ダイオードと、
前記発光ダイオードからの発光によって励起され、それに応じて第2の波長範囲にわたって発光するように構成された条項1乃至10のいずれか1項に記載の蛍光体と
を備える、発光ダイオード。
【0093】
本開示は例示であり、限定ではない。本開示を考慮すれば、さらなる修正が当業者には明らかであり、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されている。
【表1】