(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-15
(45)【発行日】2023-02-24
(54)【発明の名称】断熱デバイス
(51)【国際特許分類】
B65D 81/38 20060101AFI20230216BHJP
【FI】
B65D81/38 B
(21)【出願番号】P 2019566329
(86)(22)【出願日】2018-06-08
(86)【国際出願番号】 US2018036608
(87)【国際公開番号】W WO2018227047
(87)【国際公開日】2018-12-13
【審査請求日】2021-03-23
(32)【優先日】2017-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】515284526
【氏名又は名称】イエティ クーラーズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Yeti Coolers,LLC
【住所又は居所原語表記】7601 Southwest Parkway,AustinTX 78735,USA
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソンタグ、ジェイムズ ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】バルビエリ、スコット
【審査官】加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0036844(US,A1)
【文献】国際公開第2017/091761(WO,A1)
【文献】米国特許第09265318(US,B1)
【文献】国際公開第2017/038098(WO,A1)
【文献】独国特許出願公開第102004053113(DE,A1)
【文献】欧州特許出願公開第01178704(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
断熱デバイスであって、
第1の側壁を画定する不透過性の外側シェルと、
格納区画を形成する内側ライナと、
エアロゲル構造体と結合された断熱層であって、前記エアロゲル構造体の外側で前記外側シェルと前記内側ライナの間の中に配置され、前記断熱層及び前記エアロゲル構造体が前記格納区画の断熱を提供
し、
前記エアロゲル構造体は、前記エアロゲル構造体の表面から前記エアロゲル構造体の幅中間点まで前記エアロゲル構造体内に延びて前記エアロゲル構造体の折り畳みを容易にするように構成されたスカイビング特徴部をさらに有し、また前記エアロゲル構造体は、断熱層材料でできた複数の無作為に離間された部分をさらに有する、断熱層と、
前記格納区画へのアクセスを可能にするように構成された開口部と、
前記開口部を実質的に封止するように適合された閉鎖具であって、前記断熱デバイスがどのような配向であるときも液体が前記開口部から出るのに抗するような防水性を実質的に有する閉鎖具と、
を有する断熱デバイス。
【請求項2】
前記外側シェルは第2の側壁と第3の側壁とを更に有し、前記開口部は前記第1の側壁、前記第2の側壁、及び前記第3の側壁を通して延びる、請求項1に記載の断熱デバイス。
【請求項3】
前記断熱デバイスは直方体の形状である、請求項1に記載の断熱デバイス。
【請求項4】
前記内側ライナ及び前記外側シェルは接合部を形成しており、前記接合部は気体の通気口を有する、請求項1に記載の断熱デバイス。
【請求項5】
前記外側シェルは1以上の持ち手を有し、前記1以上の持ち手の場所に隣接して通気口が形成されている、請求項1に記載の断熱デバイス。
【請求項6】
前記閉鎖具は、前記断熱デバイスを水で完全に満たして1.82メートル(6フィート)の高さから落下させたときに液体が前記開口部から出るのに抗するような防水性を実質的に有する、請求項1に記載の断熱デバイス。
【請求項7】
前記外側シェルは第1の平面内に延びる底壁を画定しており、前記内側ライナは前記第1の平面に対して垂直に延びる第2の平面内で前記外側シェルに固定されている、請求項1に記載の断熱デバイス。
【請求項8】
前記内側ライナは第1の部片及び第2の部片から形成されており、前記第1の部片は溶接部を介して前記第2の部片に接合されてシームを画定し、前記シームはシーム・テープで覆われる、請求項1に記載の断熱デバイス。
【請求項9】
前記内側ライナは射出成形によって形成される、請求項1に記載の断熱デバイス。
【請求項10】
前記閉鎖具はジッパーであり且つ防水性を実質的に有しており、また前記ジッパーはプルを有し、前記プルは布、紐、又はロープで形成されている、請求項1に記載の断熱デバイス。
【請求項11】
不透過性の下側外側シェルを形成
し、下側断熱層及びエアロゲル構造体を前記下側外側シェル内に設置
し、下側内側ライナ部分を前記下側外側シェルに固定すること
によって本体アセンブリを形成するステップであって、前記エアロゲル構造体は、前記エアロゲル構造体の表面から前記エアロゲル構造体の幅中間点まで前記エアロゲル構造体内に延びて前記エアロゲル構造体の折り畳みを容易にするように構成されたスカイビング特徴部をさらに有し、また前記エアロゲル構造体は、断熱層材料でできた複数の無作為に離間された部分をさらに有する、ステップと、
不透過性の上側外側シェル、上側内側ライナ部分、並びにこれらの間の上側断熱層及びエアロゲル構造体の、蓋アセンブリを形成する
ステップと、
前記蓋アセンブリと前記本体アセンブリの間に閉鎖具を固定すること、並びに前記本体アセンブリ及び前記蓋アセンブリにビンディング材料を固定することによって、前記蓋アセンブリを前記本体アセンブリに接合する
ステップと
を含む、方法。
【請求項12】
前記断熱層及びエアロゲル構造体は、前記下側外側シェルと前記下側内側ライナ部分の間で浮いている、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ビンディング材料はナイロン製である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記ビンディング材料は前記本体アセンブリ及び前記蓋アセンブリに縫着されている、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記蓋アセンブリは前記本体アセンブリに溶接もされている、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記下側内側ライナ部分は射出成形によって形成される、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記下側内側ライナ部分は溶接部によって前記下側外側シェルに固定されている、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
第1の側壁を画定する不透過性の外側シェルと、
格納区画を形成する内側ライナと、
前記外側シェルと前記内側ライナの間の中に配置され
、前記格納区画に断熱を提供する断熱層及びエアロゲル構造体
であって、前記エアロゲル構造体は、前記エアロゲル構造体の表面から前記エアロゲル構造体の幅中間点まで前記エアロゲル構造体内に延びて前記エアロゲル構造体の折り畳みを容易にするように構成されたスカイビング特徴部をさらに有し、また前記エアロゲル構造体は、断熱層材料でできた複数の無作為に離間された部分をさらに有する、断熱層及びエアロゲル構造体と、
前記格納区画へのアクセスを可能にするように構成された開口部と、
蓋アセンブリ及び本体アセンブリであって、前記内側ライナ、前記断熱層、前記エアロゲル構造体、及び前記外側シェルを共に形成する蓋アセンブリ及び本体アセンブリと
を有する断熱デバイスであって、
前記蓋アセンブリは、前記開口部を閉じるように適合された閉鎖具の下に延びる、前記断熱層及びエアロゲル構造体の少なくとも一部を含む、断熱デバイス。
【請求項19】
前記閉鎖具が封止されると、前記断熱層及びエアロゲル構造体の前記部分及び前記蓋アセンブリの前記内側ライナが、前記断熱層及びエアロゲル構造体の第2の部分及び前記本体アセンブリ上に形成された前記内側ライナと接触して前記格納区画を形成する、請求項18に記載の断熱デバイス。
【請求項20】
前記蓋アセンブリに接続された前記断熱層及びエアロゲル構造体は周縁縁部及び中央部分を有し、前記蓋アセンブリに接続された前記断熱層及びエアロゲル構造体は、前記周縁縁部の近くの全体的な第1の厚さと前記中央部分の近くの第2の厚さとを有し、前記第1の厚さは前記第2の厚さよりも大きい、請求項18に記載の断熱デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2017年6月9日に出願された米国仮特許出願第62/517,490号に対する優先権を主張するものであり、その全体が何らか及びあらゆる非限定的な目的で参照によって本明細書に明示的に組み込まれる。
【0002】
本開示は一般に、食料及び飲料の冷たさ又は温かさを保つのに有用な、持ち運び可能で非剛性の断熱されたデバイス又は容器に関し、より詳細には、防水閉鎖具を備えた断熱デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
保冷容器は、食料及び飲料をより低い温度に保つように設計される。容器は、金属若しくはプラスチックなどの剛性材料、或いはファブリック(fabric)又はフォーム(form;発泡体)などの可撓性材料から成っていてもよい。保冷容器は可搬性が高くなるように設計され得る。例えば、剛性の容器は、搬送の容易さを高める車輪を組み込むように設計でき、或いは、保冷容器は、個人でデバイス全体を運ぶことができるようなより小さい形状で設計できる。非剛性の容器にはストラップ及び/又は持ち手を設けることができ、移動性を高めるために場合によってはより軽量の材料で製作されてもよい。可搬性が最も高くなる非剛性の保冷容器は、頂部に、保冷容器の内部の内容物へのアクセスを可能にする開口を有するように設計できる。開口には閉鎖具を設けることもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際出願第PCT/US2017/016542号
【文献】米国特許出願第15/197,180号
【文献】国際出願第PCT/US16/47043号
【文献】米国特許出願第15/285,268号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
この「発明の概要」は本発明に関連するいくつかの一般的概念への導入を簡潔な形態で行うものであり、それらの一般的概念は「発明を実施するための形態」において後から更に説明される。この「発明の概要」は、本発明の主要な又は本質的な特徴(feature)を特定することは意図していない。
【0006】
本明細書における開示の態様は、(1)防水閉鎖具(2)外側シェル、(3)内側ライナ、(4)外側シェルと内側ライナとの間で自由に浮動する断熱層、(5)防水格納区画、又は(6)蓋アセンブリ、開口部を閉鎖するように適合された閉鎖具の下に延びる断熱層の一部分を少なくとも含み得る蓋アセンブリ、のうちの1つ又は複数を有する断熱デバイスに関連し得る。
【0007】
前記の「発明の概要」並びに以下の「発明を実施するための形態」は、添付の図面と併せて考慮される場合に、よりよく理解されるであろう。これらの図面では、同様の参照符号は、その参照番号が示されている様々な図の全てにおいて、同じ又は類似の要素を指す。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】本開示の1つの観点に係る実例としての断熱デバイスの左前方斜視図である。
【
図1B】肩ストラップを含まない
図1Aの実例としての断熱デバイスの正面側斜視図である。
【
図2】肩ストラップを含まない
図1Aの実例としての断熱デバイスの背面斜視図である。
【
図3A】肩ストラップを含まない
図1Aの実例としての断熱デバイスの上面斜視図である。
【
図3B】
図1Aの実例としての断熱デバイスの一部の上面図である。
【
図3C】
図1Aの実例としての断熱デバイスの代替の上面斜視図の一部である。
【
図4】
図1Aの実例としての断熱デバイスの底面斜視図である。
【
図5A】
図1Aの実例としての断熱デバイスの概略断面図である。
【
図5B】
図1Aの実例としての断熱デバイスの概略断面図を一部拡大したものである。
【
図6】断熱デバイスを形成するための例示的な工程フロー図である。
【
図7A】断熱デバイスを形成する例示的な方法を示す図である。
【
図7B】断熱デバイスを形成する例示的な方法を示す図である。
【
図7C】断熱デバイスを形成する例示的な方法を示す図である。
【
図7D】断熱デバイスを形成する例示的な方法を示す図である。
【
図7E】断熱デバイスを形成する例示的な方法を示す図である。
【
図7F】断熱デバイスを形成する例示的な方法を示す図である。
【
図7G】断熱デバイスを形成する例示的な方法を示す図である。
【
図7H】断熱デバイスを形成する例示的な方法を示す図である。
【
図7I】断熱デバイスを形成する例示的な方法を示す図である。
【
図7J】断熱デバイスを形成する例示的な方法を示す図である。
【
図8A】代替の実例としての断熱デバイスの斜視図である。
【
図8B】代替の実例としての断熱デバイスの斜視図である。
【
図9】例示的な閉鎖具の一部、及び断熱デバイスが中で内容物を維持しているかを判定するための実例としての試験方法の図である。
【
図10】断熱デバイスの強度を判定するための実例としての試験の図である。
【
図11】別の例示的な断熱デバイスの正面図である。
【
図13】代替の構成をとった例示的な断熱デバイスの正面斜視図である。
【
図15】
図11の実例としての断熱デバイス用の例示的な断熱層の概略分解図である。
【
図16A】別の実例としての断熱デバイスの一部の図である。
【
図17】別の実例としての断熱デバイスの斜視図である。
【
図22】
図17の実例としての断熱デバイス用の例示的な断熱層の概略分解図である。
【
図22A】
図17の実例としての断熱デバイス用の例示的な断熱層の正面図である。
【
図24】本開示の1つの観点に係る実例としての断熱デバイスの正面図である。
【
図30】
図24の実例としての断熱デバイスの例示的な断熱層の等角図である。
【
図31】断熱デバイスの内側ライナの代替の実施例の図である。
【
図32】開かれた位置にある
図24の断熱デバイスの図である。
【
図32A】断熱デバイスを形成するための実例としての製造方法を示す図である。
【
図33】持ち手を断熱デバイスに固着する実例としての方法の図である。
【
図35A】別の例示的な断熱デバイスの正面図である。
【
図37】35Aの断熱デバイスの代替の実施例の正面図である。
【
図38】35Aの断熱デバイスの代替の実施例の側面図である。
【
図40A】35Aの例示的な断熱デバイスの代替の断面図である。
【
図41A】35Aの例示的な断熱デバイスの代替の断面図である。
【
図42】本明細書に記載する1つ又は複数の観点に係るエアロゲル断熱構造体の概略図である。
【
図43】本明細書に記載する1つ又は複数の観点に係るエアロゲル断熱構造体の一実装態様の概略図である。
【
図44】本明細書に記載する1つ又は複数の観点に係るエアロゲルの一実装態様の概略図である。
【
図45】本明細書に記載する1つ又は複数の観点に係るエアロゲルの別の実装態様の概略図である。
【
図46】本明細書に記載する1つ又は複数の観点に係るエアロゲルの別の実装態様の概略図である。
【
図47】本明細書に記載する1つ又は複数の観点に係るエアロゲルの別の実装態様の概略図である。
【
図48】本明細書に記載する1つ又は複数の観点に係るエアロゲル断熱構造体の別の実装態様の概略図である。
【
図49】本明細書に記載する1つ又は複数の観点に係るエアロゲル断熱構造体の別の実装態様の概略図である。
【
図50】本明細書に記載する1つ又は複数の観点に係るエアロゲル断熱構造体の別の実装態様の概略図である。
【
図51】本明細書に記載する1つ又は複数の観点に係るエアロゲル断熱構造体の別の実装態様の概略図である。
【
図52】本明細書に記載する1つ又は複数の観点に係る断熱構造体の別の実装態様の概略図である。
【
図53】
図52に概略的に描写されている断熱デバイスの線53-53に沿った概略的な断面図である。
【
図54】本明細書に記載する1つ又は複数の観点に係る、断熱デバイス及び蓋アセンブリの代替の実装態様の概略的な断面図である。
【
図55】本明細書に記載する1つ又は複数の観点に係る、断熱デバイス及び蓋アセンブリの代替の実装態様の別の概略的な断面図である。
【
図56】本明細書に記載する1つ又は複数の観点に係る、断熱デバイス及び蓋アセンブリの概略的な断面図である。
【
図57】本明細書に記載する1つ又は複数の観点に係る断熱デバイスの概略的な断面図である。
【
図58】本明細書に記載する1つ又は複数の観点に係る断熱デバイスの概略的な断面図である。
【
図59】本明細書に記載する1つ又は複数の観点に係る断熱容器及び蓋構造体の概略的な等角図である。
【
図60】本明細書に記載する1つ又は複数の観点に係る断熱容器の概略的な等角分解図である。
【
図61】本明細書に記載する1つ又は複数の観点に係る断熱デバイスの概略的な断面図である。
【
図62】本明細書に記載する1つ又は複数の観点に係る蓋構造体の断面図である。
【
図63】本明細書に記載する1つ又は複数の観点に係る変形可能な断熱材を描写する図である。
【
図64】本明細書に記載する1つ又は複数の観点に係る断熱容器を描写する図である。
【
図65】本明細書に記載する1つ又は複数の観点に係る断熱容器の別の実装態様の概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の様々な実例及び構成要素の続く説明では、この説明の一部を形成する添付の図面を参照し、これらの図面においては、本開示の態様が実施される様々な実例としての構造及び環境が例として示されている。他の構造及び環境を利用できること、並びに、本開示の範囲から逸脱することなく、具体的に記載された構造及び方法から構造及び機能の変更を行えることを理解されたい。
【0010】
また本明細書では、様々な実例としての特徴及び要素について説明するために、「正面側」、「背面側」、「頂部」、「基部」、「底部」、「側部」、「前方」、及び「後方」などの用語が使用される場合があるが、これらの用語は本明細書では、例えば図に示す実例としての配向及び/又は典型的な使用における配向に基づいて、便宜的に使用される。本明細書中のどのような内容も、特許請求の範囲の範囲内に収まるために構造の特定の3次元配向又は空間配向を必要とするものと解釈されるべきではない。
【0011】
図1~
図4には、格納された所望の内容物の冷たさ又は温かさを長時間保つように構成され得る、例示的な断熱デバイス10が描写されている。断熱デバイスは一般に、外側シェル501と、閉鎖具301と、断熱層502と、内側ライナ500と、を含み得る。
図3Cに示すように、内側ライナ500は、中に所望の内容物を受け入れるためのチャンバ又はレセプタクル504を形成している。
図1Aに示すように、断熱デバイス10に、断熱デバイス10を運ぶ、保持する、又は固定するための、様々な持ち手、ストラップ、及び網体(例えば210、212、218、224)も含めることができる。
【0012】
断熱デバイス10は、レセプタクル504内に格納された所望の内容物の冷たさ又は温かさを長時間保つように構成され得る。1つの実例では、断熱デバイス10はまた、内側チャンバ又はレセプタクル504の内部に水を維持するように設計することもでき、断熱デバイス10は、外部から中への「耐水」性を有するように構成できる。言い換えれば、断熱デバイス10は、内側ライナ500の内部を「水密」に形成することができ、閉鎖具301が閉じられた位置にあるときは、外部から内側ライナ500内に又は内側ライナ500の内部から外に、水が漏れ出すことはできない。
【0013】
図4には、断熱デバイス10の底面図が描写されている。
図4に示すように、断熱デバイス10は、基部215と基部支持隆起部400とを含んでもよい。基部支持隆起部400により、ある表面上へと断熱デバイス10を設置するときに、構造の完全性及び断熱デバイス10の支持が提供され得る。
【0014】
1つの実例では、
図3A及び
図4に示すように、外側シェル501の頂部は第1の円周部(T
cir)を有し、外側シェル501の底部は第2の円周部又は基部の周縁401(B
cir)を有する。外側シェル501の頂部の円周部は、円筒状に折り曲げたときに底部の円周部と等しくすることができ、B
cirはT
cirと等しくなり得る。1つの実例では、第1の円周部及び第2の円周部はいずれも卵形状を有して、細長い又は楕円形の円筒を形成することができる。1つの実例では、頂部外側層501aは、59.69センチメートル(23.5インチ)の長さ及び13.97センチメートル(5.5インチ)の幅を有し得る。したがって、頂部外側層501aの長さ対幅の比は約4.3であり得る。更に、基部215は、50.8センチメートル(20.0インチ)の長さ及び31.115センチメートル(12.25インチ)の幅を有し得る。したがって、基部215の長さ対幅の比は約1.6である。この実例では、上側壁の長さ対幅の比は、基部の長さ対幅の比よりも大きくすることができる。
【0015】
1つの実例では、
図5Aに示すように、内側層又は内側ライナ500は、頂部内側ライナ部分又は第1の内側ライナ部分500aと、内側層中間部分又は第2の部分500bと、内側層底部部分500cとから形成することができる。頂部内側ライナ部分500a、内側層中間部分500b、及び内側層底部部分500cは、例えば溶接によって1つに固着されて、チャンバ504を形成する。チャンバ504は「ドライ・バッグ(dry bag)」、又は内容物を格納するための槽であり得る。1つの実例では、頂部内側ライナ部分500a、内側層中間部分500b、及び内側層底部部分500cを1つに固着又は接合した後で、チャンバ504の各区域を接合するシーム(継ぎ目)を覆うように、TPUテープなどのテープを設置することができる。内側ライナ500はこの場合、液体を断熱デバイス10のチャンバ504内に維持するか、又は、液体内容物が断熱デバイス10のチャンバ504内に入るのを防止することができる。1つの実例では、以下に更に詳細に記載するように、内側ライナ500は、閉鎖具301のみによって断熱デバイス10内に懸架することができる。
【0016】
断熱層502は、内側ライナ500と外側シェル501との間に位置付けることができ、レセプタクル504の内部温度を維持するのを助けるための断熱材として形成することができる。1つの実例では、断熱層502は、外側シェル501又は内側ライナ500に直接取り付けられていない自由浮動層とすることができる。断熱層502は、第1の部分502aと第2の部分又は基部部分502bとで形成することができる。第1の部分502a及び第2の部分502bは、以下に更に詳細に記載するような断熱フォーム材料で形成することができる。
【0017】
第1の部分502aは矩形形状を有してもよく、この形状は、円筒状に折り曲げられ内側ライナ500と外側シェル501との間に設置されたときに、及び外側シェル501によって上方から包囲されたときに、その形態が維持される。断熱層502はその形状を維持し、この結果、断熱デバイス10の基本的な長円筒形状が得られる。したがって、外側シェル501と同様に、断熱層502の頂部は第1の円周部を有し、断熱層502の底部は第2の円周部を有する。断熱層502の第1の円周部は、断熱層502の第2の円周部と等しくなり得る。
【0018】
基部215において断熱デバイス10に沿って追加の断熱をもたらすために、基部部分502bを含めることができる。基部部分502bは、断熱層502の円筒形状によって形成されている下側開口部506を閉鎖するような、卵形状として形成することができる。
【0019】
更に、断熱デバイス10の底部部分は、断熱デバイス10の断熱及び構造の完全性を高める、追加の基部支持層505を含み得る。基部支持層505はまた、断熱デバイス10の底部の周囲に追加の保護も提供できる。1つの実例では、基部支持層505はEVAフォームから形成され得る。基部支持層505は、材料に直接型成形又はエンボス加工され得る、ロゴ又は名前などの特定のデザインを含んでもよい。基部支持隆起部400は、構造の完全性及び断熱デバイス10の支持を提供するもので、基部支持層505に直接型成形又はエンボス加工することもできる。1つの実例では、基部支持層505及び基部部分502bは、組み立て易いように分離することができる。
【0020】
外側シェル501は、頂部外側層部分又は第1のシェル部分501aと、外側層又は第2の外側シェル部分501bと、底部又は第3のシェル部分501cとから形成され得る。外側シェル501は、断熱デバイス10のためのカバー材を提供する。1つの実例では、断熱層502は、外側シェル501内に自由な状態で懸架することができる。ただし、任意の層を固着、又は一個の一体の構造体として形成してもよいことが企図されている。外側シェル501は、1つ又は複数の任意選択的な持ち手又はストラップ(例えば210、212、218)を支持するように構成され得る。この点に関して、外側シェル501はまた、任意選択的な持ち手又はストラップ(例えば210、212、218)を構造的に支持するのを補助するように構成されている、複数の補強領域又はパッチ220を含み得る。持ち手又はストラップ(例えば210、212、218)及び他の付属品を糸222を使用して縫着することができるが、これらの糸222は、1つの実例では、外側シェル501を貫通して断熱層502内へと延在することはない。そうではなく、糸はパッチ220に縫い付けられ、パッチ220が、外側シェル501に、又は本明細書に開示される任意の他の方法で、RF溶接され得る。
【0021】
図5Aに示すように、第1の外側シェル部分501aは、縫着510によって第2のシェル部分501bに取り付けることができる。ただし、第1の外側シェル部分501aは、任意の知られている方法、例えばポリマー溶接、縫着、又は他の接着剤を用いて、第2のシェル部分501bに、第2のシェル部分501bの周縁の全周で取り付けることができる。
【0022】
更に、1つの実例では、EVAフォームから形成され得る基部支持層505は、積層によって底部又は第3のシェル部分501cに固着することができる。第2のシェル部分501bは、ポリマー溶接(例えばRF溶接)、縫着、又は接着剤によって、第3のシェル部分501c及び基部支持層505に固着することができる。
【0023】
断熱デバイス10は、断熱デバイス10の正面側216及び断熱デバイス10の背面217に接続されている、2つの運搬持ち手210を含み得る。1つの特定の実例では、断熱デバイス10を肩に担うのを容易にするために、肩ストラップ218を、プラスチック製又は金属製のクリップを介して、側部持ち手212に取り付けられたリング214に取り付けることができる。断熱デバイス10はまた、保冷容器の各端部に、側部持ち手212も含み得る。側部持ち手212は、断熱デバイスを把持及び運搬するための別の選択肢を使用者に提供する。
【0024】
運搬持ち手210はまた、断熱デバイス10への運搬持ち手の取り付け箇所の底部の近くに、リング214を受け入れるためのスロットを形成することもできる。リング214は、縫着部、接着剤、又はポリマー溶接によって、運搬持ち手210及び取り付け箇所213に固着することができ、車両、船舶、キャンプ機材などのような別の構造体、又は、鍵、水ボトル、追加のストラップ、栓抜き、器具、他の個人的物品などのような様々な物体に、断熱デバイス10を固着又は締結するのに役立ち得る。
【0025】
更に、
図2に示すように、ループ224として形成されているウェビングを、断熱デバイス10の背面上の持ち手210を形成しているストラップ上に縫い付けることができる。ループ224は、物品(例えば、カラビナ、ドライ・バッグ)を断熱デバイス10に取り付けるために使用できる。側部持ち手212はまた、断熱デバイス10を構造に固着するための別の選択肢を使用者に提供する。
【0026】
1つの実例では、運搬持ち手210、側部持ち手212、肩ストラップ218、及び取り付け箇所213は、ナイロン製ウェビングから構築され得る。他の材料としては、ポリプロピレン、ネオプレン、ポリエステル、ダイニーマ、ケブラー、綿布、皮革、プラスチック、ゴム、又はロープを挙げることができる。運搬持ち手210及び側部持ち手212は、縫着、接着剤、又はポリマー溶接によって、外側シェルに取り付けることができる。
【0027】
肩ストラップ218は、取り付け箇所213において断熱デバイス10に取り付けることができる。取り付け箇所213はまた、リング214を受け入れるためのスロットも形成している、ストラップとすることができる。リング214は、肩ストラップ218の取り付け具を提供できる。
【0028】
1つの実例では、リング214は、アセタール樹脂製のD-リングとすることができる。リング214は、プラスチック、金属、セラミック、ガラス、合金、ポリプロピレン、ネオプレン、ポリエステル、ダイニーマ、及びケブラー、綿布、皮革、プラスチック、ゴム、又はロープであり得る。リング214は、「D」形状以外の形状、サイズ、及び構成を含み得る。実例としては、複数の取り付け箇所を有する、丸形、正方形、矩形、三角形、又はリング形が挙げられる。更に、断熱デバイス10の外側には、運搬持ち手210及び側部持ち手212のほかに、ポケット又は他の格納空間を取り付けることができる。
【0029】
1つの実例では、閉鎖具301は、液体内容物が断熱デバイス内に入る又はその外に出るのを防止するために、防水性を実質的に有し得るか又は防壁となり得る。更に、閉鎖具301は、断熱デバイス10がどのような配向であっても断熱デバイス10の液体の出入りが防止されるように、液体不浸透性を有し得る。また閉鎖具301を平面内に維持することは、水密封止部を実現するのに役立ち得る。
【0030】
図3A~
図3Cには断熱デバイス10の上面図が描写されており、頂部外側層又は第1の外側シェル部分501a及び閉鎖具301が描写されている。
図3Aに描写されている頂部外側層501aを、閉鎖具301に固着することができる。1つの実例では、閉鎖具301は防水ジッパーアセンブリとすることができ、圧縮空気を用いた試験中、大気圧を超えて7psiまで水密であり得る。ただし、他の実例では、閉鎖具301の水密性は大気圧を超えて5psiから9psiまでとすることができ、他の実例では、閉鎖具301の水密性は大気圧を超えて2psiから14psiまでとすることができる。防水ジッパーアセンブリは、スライダ本体303とプルタブ302とを含み得る。
図3Bは、下止め304と務歯又はチェーン305とを含む、閉鎖具301の拡大図を示す。1つの特定の実例では、防水ジッパーアセンブリは、内側チャンバ504から食料又は飲料を取り出すときに負傷しないように、プラスチック製又は他の非金属製の務歯305を有して構築され得る。
【0031】
図3Cに示すように、閉鎖具301が開かれるか又はジッパーを開放され、外側シェル501及び内側ライナ500に形成されている開口512が開かれ、内側ライナ500及び内側チャンバ504が露出される。閉鎖具又は封止部301は、
図3A~
図3Cに描写されている防水ジッパーアセンブリのほかに、様々な封止デバイスを含み得ることが企図されている。内側ライナ500及び外側シェル501を封止するために、例えば、ベルクロ(登録商標)、スナップ、バックル、ジッパー、複数回折り畳まれて封止部、例えばロール・ダウン式封止部(roll-down seal)を形成する追加の材料、シール、金属製又はプラスチック製クランプ、及びこれらの組み合わせを使用してもよい。
【0032】
図8A及び
図8Bには、同様の参照符号が同じ又は類似の要素を指す
図1A~
図5Bに関連して上で検討した実例と、類似の特徴及び機能を有する、別の例示的な断熱デバイス1010が描写されている。ただしこの実例では、バッグの前部にループ・パッチ1015を設けることができる。ループ・パッチ1015は、多種の物品又は対応するフック群を受け入れるように構成することができ、このフック群は、釣り用ルアー、鍵、栓抜き、カード・ホルダ、工具、他の個人的物品、などの様々な物品の表面の任意の場所へと設置され得る。ループ・パッチ1015は、ロゴ、企業名、個人識別要素(personalization)、又は他のカスタム要素を含み得る。ループ・パッチ1015は複数のニードル・ループから形成することができ、10,000回を超える閉鎖という高いサイクル寿命を有し得る。更に、ループ・パッチは、洗浄可能及び変色防止のために耐紫外線性であり得る。ループ・パッチは、断熱デバイス1010に固着されることになる材料の種類に応じて、所望のせん断及び剥離強度に基づいて選択可能である。
【0033】
図8A及び
図8Bに示す実例では更に、バッグの底部に沿って材料のストリップ1013を設けることができ、これにより、外側シェル1501に追加の強度及び補強を提供でき、また断熱デバイス1010の感覚を向上させることができる。
【0034】
ここで断熱デバイス10を形成する実例としての方法について記載する。
図6には、断熱デバイス10の例示的な組立工程の全体概要が概略的に示されている。ただし、これらの様々なステップは、必ずしも記載される順序で実行する必要はない。ステップ602に示すように、最初に、内側ライナ500、外側シェル501、及び断熱層502を形成するために使用される部分を、サイズに合わせて形成又は切断することができる。ステップ604において、頂部キャップアセンブリ300を閉鎖具301に組み付けることができる。ステップ606において、内側ライナ500を形成することができ、ステップ608において、頂部キャップアセンブリ300を内側ライナ500に溶接することができる。ステップ610において、外側シェル501を形成することができる。ステップ612において、断熱層502を組み立てることができ、ステップ616において、断熱層502を内側ライナ内に設置することができる。最後に、ステップ618において、頂部キャップアセンブリ300を外側シェル501に固着することができる。
【0035】
ステップ602を参照すると、
図7A及び
図7Bに示すように、頂部キャップアセンブリ300を形成している、内側ライナ頂部部分又は第1の内側ライナ部分500a及び頂部外側層501aは、サイズに合わせて形成又は切断することができる。
図7Cは、断熱層502の第2の部分又は基部部分502bが、ストック・フォーム(stock foam)からサイズに合わせて切り出されるか又は形成される様子を示す。この実例では、基部部分502bは、ストック・フォーム530から切断器具700によって切り出される。1つの実例では、切断器具700は、基部部分502bの形状に形成することができる。
【0036】
ここでステップ604及び
図7Dを参照すると、頂部外側層501a及び頂部内側ライナ部分500aを閉鎖具301に固着して頂部キャップアセンブリ300を形成することができ、頂部外側層501a及び頂部内側ライナ部分500aは、平坦な水平面内で閉鎖具301に固着され得る。
図5A~
図5Bを参照すると、頂部外側層501aを、ポリマー溶接又は接着剤によって閉鎖具301に取り付けることができる。具体的には
図5Bに概略的に示すように、閉鎖具301には、防水ジッパー・テープ306を形成し得る、第1のフランジ301aと第2のフランジ301bとを設けることができる。頂部外側層501aは、閉鎖具301の第1のフランジ301a及び第2のフランジ301bの頂面に直接取り付けることができる。1つの実例では、第1のフランジ301a及び第2のフランジ301bは、頂部外側層501aの下面にRF溶接することができる。別の実例では、
図7Eに示すように、頂部内側ライナ部分500aには、タブ515を設けることができる。タブ515は組立工程において、組立中に頂部内側ライナ部500aの外側ストリップを所定位置に維持するのを補助することができ、頂部キャップアセンブリ300の形成後除去され得る。
【0037】
1つの実例では、頂部内側ライナ部分500aは、
図5Bに概略的に示すように、断熱デバイス10の構造に取り付けることができる。具体的には、頂部内側ライナ部分500aは、閉鎖具301の底部に取り付けることができる。例えば、
図5Bに示すように、頂部内側ライナ部分500aの第1の端部540a及び第2の端部540bは、第1のフランジ301a及び第2のフランジ301bの下面に取り付けることができる。頂部内側ライナ部分500a及び頂部外側層501aは、ポリマー溶接又は接着剤によって閉鎖具301に取り付けることができる。ポリマー溶接は、外的な方法及び内的な方法の両方を含む。外的な方法又は熱的な方法としては、熱風溶接、ホット・ウェッジ溶接、熱板溶接、赤外線溶接、及びレーザ溶接を挙げることができる。内的な方法は、機械的溶接及び電磁溶接を含み得る。機械的な方法は、スパイン溶接、かくはん溶接、振動溶接、及び超音波溶接を含み得る。電磁的な方法は、抵抗、インプラント、電気融合溶接、誘導溶接、誘電加熱溶接、RF(高周波)溶接、及びマイクロ波溶接を含み得る。溶接は、構築材料へのポリマー溶接の有効性を最大にするために、平面又は水平面内で行うことができる。結果として、内側チャンバ504から又はその中へと水又は流体が漏れるのを防止する、丈夫な水密シームが形成され得る。
【0038】
特定の実例では、頂部内側ライナ部分500aを閉鎖具301の底部に接続するためのポリマー溶接技法は、RF溶接を含み得る。RF溶接技法により、大気圧を超えて7psiまでの気圧で水又は任意の他の流体がシームを出入りするのを防止する、防水シームが得られる。断熱デバイス10はしたがって、逆さまにすること又は水中に沈めることができ、内側ライナ500によって形成されている内部チャンバ504に対する、漏入及び漏出の両方が防止される。1つの実例では、水の漏れが生じないまま、断熱デバイス10を水面下約4.87メートル(16フィート)の深さまで沈めることができる。ただし、この深さは、何らかの漏れが生じるまでに、約3.35メートル(11フィート)から6.40メートル(21フィート)まで、又は1.52メートル(5フィート)から9.75メートル(32フィート)までの範囲にわたり得ることが企図されている。
【0039】
次にステップ606及び
図7Fを参照すると、内側層中間部分500bは、RF溶接によって形成できる。
図7Fに示すように、内側層中間部分500bは、材料の矩形のシートで形成できる。内側層中間部分500bはまた、図示しない続くステップにおいて、内側層底部部分500cに固着され得る。
【0040】
ステップ608並びに
図7G及び
図7Hを参照すると、内側層中間部分500b及び内側層底部部分500cは、RF溶接作業を用いて頂部キャップアセンブリ300に固着することができる。
【0041】
ステップ610を参照すると、第2のシェル部分501b、及び基部支持層505を支持する第3のシェル部分501cをRF溶接して、断熱デバイス10の外側シェル501を構築することができる。1つの実例では、
図5Aに概略的に示すように、頂部外側層501aを第2のシェル部分501bの周縁部に縫い付けて、断熱デバイスの外側シェル501を形成することができる。第2のシェル部分501b及び頂部外側層501aの縫着されたシームの縁部を覆うために、ファブリックビンディング(織物拘束片)を使用できる。ファブリックビンディングは、外側シェル501を閉じる又は断熱層502の周囲に接合するのに役立つ。
【0042】
ステップ612及び
図7Iを参照すると、断熱層502を構築することができる。1つの実例では、断熱層502の第1の部分502aは矩形形状に形成することができ、矩形形状の両短辺を、両面テープを使用して固着して円筒形状を形成できる。第2の部分又は基部部分502bは、第1の部分502aの円筒形状の周縁よりも小さい周縁を有し得る卵形状に形成することができる。第2の部分502bは、同じく両面テープを使用して第1の部分502aに固着して、断熱層502を形成することができる。1つの実例では、第1の部分502aの円筒の内側周縁部の周囲か基部部分502bの外側周縁部の周囲のいずれかに両面テープを設置することができ、基部部分502bを第1の部分502aに接着することができる。接着剤又はポリマー溶接など、基部部分502bを第1の部分502aに固着して断熱層502を形成する他の方法が企図されている。
【0043】
ステップ614を参照すると、組み付けられた断熱層502を外側シェル501内に設置することができる。ステップ616では、形成された内側ライナ500及び頂部キャップアセンブリ300を、断熱層502内に設置することができる。
【0044】
最後にステップ618において、
図5Aに概略的に描写されているように、頂部キャップアセンブリ300を外側シェル501に縫い付けて、シーム520を形成することができる。この場合、内側ライナ500及び外側シェル501のいずれも、断熱層502に結び付ける必要はない。また、内側ライナ500は閉鎖具301のみに接続されており、閉鎖具301は内側ライナ及び外側シェル501を一緒に保持し、この結果、製造工程がより単純になる。頂部キャップアセンブリ300を外側シェル501に縫い付けた後で、シーム520に近接した未処理の縁部を覆うために、ファブリックビンディングが追加される。この場合、頂部シーム520は、断熱デバイス10上の、縫着によって作り出される唯一の主要なシームであり得る。
【0045】
1つの特定の実例では、内側ライナ500及び外側シェル501は、積層2重TPUナイロンファブリックから構築され得る。内側ライナ500及び外側シェル501の基本材料としてナイロンファブリックを使用することができ、このファブリックの両面をTPU薄層で被覆することができる。1つの特定の実例において使用されるTPUナイロンファブリックは、厚さが0.6ミリメートルで、防水性を有し、米国食品医薬品局の要件を全て満たす抗菌添加剤を有する。ただし、安全な食品接触面となる黴の生えない環境を作り出すために、断熱デバイスを構築するために使用されるファブリックに抗菌材料を組み込むことが企図されている。1つの具体的な実例では、ナイロンはTPUを備えた840dナイロンとすることができる。内側シェル又はチャンバ504及び外側シェル501を製造するために使用される代替の材料としては、PVC、TPU被覆ナイロン、コーティングされたファブリック、及び他の溶接可能な防水性を有するファブリックが挙げられる。
【0046】
断熱層502を形成するために、内側ライナ500と外側シェル501との間に位置する独立気泡フォームを使用することができる。1つの実例では、断熱層502は2.54センチメートル(1.0インチ)の厚さである。1つの実例では、断熱層502は、NBR/PVC混合物又は任意の他の好適な混合物で形成することができる。実例としての断熱層502の熱伝導率は0.000056~0.000112Cal/(sqcm・℃)(0.16~0.32BTU.in/(hr・sqft・°F))の範囲内とすることができ、断熱層502の密度は14.4~80.0kg/m3(0.9~5lbs/ft3)の範囲内とすることができる。1つの実例では、断熱層502の熱伝導率は0.0000875Cal/(sqcm・℃)(0.25BTU.in/(hr・sqft・°F))の範囲内とすることができ、断熱層502の密度は56.0kg/m3(3.5lbs/ft3)とすることができる。
【0047】
フォーム基部は、NBR/PVC混合物又は任意の他の好適な混合物から製造することができる。断熱層502の基部部分502bに加えて、断熱デバイス10はまた、フォーム、プラスチック、金属、又は他の材料で構築される外側基部支持層505も含み得る。1つの実例では、基部部分502bは、基部支持層から分離することができる。1つの実例では、基部部分502bの厚さは3.8センチメートル(1.5インチ)である。更に
図5Aに示すように、EVAフォーム基部支持層505の厚さは、0.5センチメートル(0.2インチ)とすることができる。基部支持層505は基部外側層又は第3のシェル部分501cに積層されているが、代替の例では、基部支持層505を、共成形、ポリマー溶接、接着剤、又は任意の知られている方法によって、基部部分502bの底部に取り付けることができる。
【0048】
例示的な断熱デバイス10に対して熱取得試験を行った。熱取得試験の目的は、断熱デバイスがその内部容量に基づく氷の量に対して、41.1℃±4.4(106°F±4)の周囲温度においてどれくらいの時間温度を10℃(50.0°F)未満に保てるかを判定することである。
【0049】
手順は以下の通りである。
【0050】
1.オーブンを起動し、41.1℃±2.2(106°F±4)に設定する。オーブンを少なくとも1時間安定させておく。
【0051】
2.チャート・レコーダを起動する。以下の温度を図表化するために、レコーダには3つのJ型熱電対が接続されているものとする:(1)試験ユニット、(2)オーブン、及び(3)室内環境。
【0052】
3.試験ユニットをその容量の半分まで氷水で満たすことによって安定させ、これを室温(22.2±1.1(72°F±2))で5分間放置する。
【0053】
4.5分後、内容物を注ぎ出し、直ぐにJ型熱電対の端部をユニットの内底部中央に接続する。熱電対線の端部は、内側底面と面一に、接着マスキングテープを用いて固着しなければならない。
【0054】
5.熱電対線が移動していないことを確認しながら正確な量の氷を注ぐ。氷の量は、ユニットの内部容量の1立法メートルあたり64.0kg(1立法フィートあたり4lbs)に基づく。
【0055】
6.蓋を閉じ試験ユニットをオーブンの中に配置する。
【0056】
7.熱電対線が機能していることを確認しながらオーブンを閉じる。
【0057】
8.チャート・レコーダの開始をマークする。
【0058】
装置:1.オーブン。2.氷。3.チャート・レコーダ。4.J型熱電対(3)。結果:1.冷温維持時間:十進化時間での<0℃(32°F)から10℃(50°F)までの経過時間。2.熱取得率(℃/時間(°F/時間)):(10℃(50°F)-0℃(32°F))÷経過時間=-7.7℃(18°F)÷経過時間
【0059】
実例としての断熱デバイスの1つの試験では、熱取得率は、25.0リットル(26.5クオート)の容量で1.606kg(3.542lbs)の氷を使用したと仮定すると、-17.0℃(1.4°F)/時間に等しかった。
【0060】
断熱デバイスが格納区画又はレセプタクル504内に格納された内容物をどの程度良好に維持するかを確認するために、断熱デバイス10の内側からの漏れに耐える能力もまた試験され得る。1つの実例としての試験では、断熱デバイス10を水などの液体で満たすことができ、次いで所定の時間の間逆さまにして、何らかの水分の漏れがないか試験することができる。この実例では、断熱デバイス10をレセプタクル504の容積の約半分まで液体で、例えば11.3リットル(3ガロン)の水で満たし、次いで、スライダ本体303が蹄鉄形状部分308内に完全に封止されることが保証されるように、閉鎖具301を最後まで閉じる。次いで断熱デバイス10全体を逆さまにし、30分の時間の間逆さまに保持する。次いで何らかの漏れがないか断熱デバイス10を点検する。
【0061】
断熱デバイス10は、レセプタクル504から僅かでも水が漏れる又は出て来ることなく30分間逆さまに保持されるのに耐えるように構成され得る。代替の実例では、断熱デバイスは、レセプタクル504から僅かでも水が漏れる又は出て来ることなく15分~120分間逆さまに保持されるのに耐えるように構成され得る。この試験を行うために、閉鎖具に潤滑剤を付与して閉鎖具が適切に封止されるのを確実にすることが有用である場合がある。例えば、
図9に示すように、閉鎖具301の蹄鉄形状部分308に潤滑剤309を付与する。
【0062】
断熱デバイス10の外側シェル501、内側ライナ500、及び断熱層502を形成しているファブリックの強度及び耐久性もまた試験することができる。1つの実例では、この試験は穿通試験として策定できる。具体的には、この試験は、ASTM D751-06 Sec.22-25のねじ回し穿通試験として設計できる。1つの実例では、断熱デバイス10は、15.9kg(35lbs)~45.3kg(100lbs)の穿通力に耐えることができる。
【0063】
断熱デバイス10の持ち手の強度及び耐久性も試験することができる。そのような実例としての試験が
図10に描写されている。
図10に描写されているように、閉鎖具310を完全に閉じることができ、運搬持ち手210の一方をオーバヘッド・クレーン600に引っ掛けることができ、反対側の運搬持ち手210はおもりを保持できるプラットフォーム650に引っ掛けられる。1つの実例では、プラットフォーム650は、90.7kg(200lbs)の重量を保持するように構成され得る。試験中、クレーン600はゆっくりと持ち上げられ、そこから断熱デバイス10が、断熱デバイス10の底面が床に対して垂直になる位置で懸架される。1つの実例では、断熱デバイス10は、90.7kg(200lbs)の重量を、不具合の兆候を何ら示すことなく最低3分間保持するように構成され得る。代替の実例では、断熱デバイスは、45.3kg(100lbs)~136kg(300lbs)の重量を、不具合の兆候を示すことなく1~10分間保持するように構成され得る。
【0064】
図11~
図15は、別の実例としての断熱デバイス2010を示す。実例としての断熱デバイス2010は、上記の実例と類似の構造のものとすることができ、同様の参照符号は類似の機能性を有する類似の特徴を表す。しかしながら、実例としての断熱デバイス2010は、断熱デバイス2010の閉鎖具2311の断熱を補助するための、折り畳みフラップ又は折り畳み部2307も含み得る。具体的には、本明細書で検討するその他の実例に合致するジッパーであり得る閉鎖具2311は、折り畳みフラップ又は折り畳み部2307の表面に含めることができ、断熱デバイス2010の正面側の表面又は壁の表面に位置付けられるというかたちで、正面に面することができる。正面に面する閉鎖具2311は、使用者が断熱デバイス2010を利用する更なる手段を実現でき、折り畳みフラップ又は折り畳み部2307は、閉鎖具2311における追加の断熱をもたらすのに役立つ。この実例では、折り畳みフラップ2307が延ばされた位置にあり且つ閉鎖具2311が開いているか又は封止されていないとき、断熱デバイス2010内の内容物により閉鎖具2311が開いた位置に維持されて、断熱デバイス2010の内容物によりアクセスし易くなる。このことは、使用者が断熱デバイス2010の内容物により容易にアクセス可能となることに役立つ。また
図11に示すように、折り畳みフラップ2307が延ばされた位置にあるとき、断熱デバイス2010は、断熱デバイス2010の頂部において細長い閉鎖具を提供できるように、台形形状の近似形となり得る。
【0065】
側面図及び断面図、すなわち
図12及び
図14Aに示すように、断熱デバイス2010は、断熱デバイス2010の折り畳みフラップ2307が延ばされた位置にあるとき、五角形の近似形となり得る。この全体形状により、輸送コンテナ内にいくつかの断熱デバイスを嵌め込み可能であるという点で輸送が容易であり得る断熱デバイス2010を提供できる。それでもなお、断熱デバイス2010の頂部において延長した閉鎖具を提供でき且つ包装が容易であり得る他の形状及び構成、例えば、正方形の、矩形の、三角形の、円錐形の、湾曲した、及び切頭体の形状が企図されている。
【0066】
上記の実例の場合と同様に、断熱デバイス2010は、外側シェル2501と、格納区画、レセプタクル、又は内側チャンバ2504を形成している内側ライナ2500と、外側シェル2501と内側ライナ2500との間に配置されている断熱層2502と、を含んでもよい。断熱層2502は格納区画2504の断熱をもたらす。閉鎖具2311は開口部2512を実質的に封止するように構成することができ、開口部2512は、正面に面する傾斜した表面上に位置付けられ、外側シェル2501及び内側ライナ2500を貫通して延在して、格納区画2504へのアクセスを可能にする。また、閉鎖具2311は、上で検討した実例と合致する類似の特徴及び機能性を含み得る。1つの実例では、閉鎖具2311はジッパーとすることができ、断熱デバイス2010がどのような配向であっても液体が開口部から出るのに耐えるような防水性を実質的に有し得る。また、上記の実例と同様に、断熱デバイス2010には、上記の実例の場合と類似の特徴及び機能性を有し得る、運搬持ち手2210、肩ストラップ2218、糸2222を用いて例えば縫着によって形成されているウェビング・ループ2224、リング2214、及び取り付け箇所2213のうちの、1つ又は複数を設けることができる。
【0067】
図11及び
図12に示すように及び上で指摘したように、折り畳みフラップ2307は、正面に面する閉鎖具2311を含んでもよく、正面に面する閉鎖具2311を更に断熱するために、断熱デバイス2010の側壁上に折り返されこれに固着され得る。固定機構2301の折り畳みフラップ2307は、第1の端部フック又はクリップ2313aと、第2の端部フック又はクリップ2313bとを含み得る。1つの実例では、端部クリップ2313a、2313bの各々は、断熱デバイス2010の側面又は側壁上に位置付けられている対応するループ2315a、2315b内に受け入れられるように、スロット2317a、2317bを含み得る。断熱デバイス2010を閉じるために、折り畳みフラップ2307並びに正面に面する閉鎖具2311は、断熱デバイス2010の前面又は前壁上に折り返される。折り畳みフラップ2307は正面に面する閉鎖具2311を覆うように折り畳まれ、これを隠すか又は覆う。折り畳みフラップ2307は、第1の端部クリップ2313a及び第2の端部クリップ2313bによって所定位置に保持され、固定機構2301を閉じられた位置に維持する。更に、折り畳み部2307が断熱デバイス2010の側壁に固着されているとき、折り畳み部2307は実質的に水平な方向に少なくとも一部が延在し、このことにより、運搬用持ち手2318が、使用者が把持する断熱デバイス2010を保持及び運搬するための位置に配向される。その他の持ち手及びストラップの場合と同様に、運搬持ち手2318は、補強パッチ(図示せず)を用いて外側シェルに固着することができる。断熱デバイス2010の背面上に、正面に面する表面上の閉鎖具2311と対置されるように運搬持ち手2318を設けることができ、この運搬持ち手2318は、使用者による閉鎖具2311の開閉がより容易になるよう断熱デバイス2010の開閉中に把持するために、使用者が使用できる。運搬持ち手2318はまた、断熱デバイス2010を吊るすため、又は断熱デバイス2010を運搬するためにも使用され得るが、他の使用法もまた企図されている。
【0068】
図14Aは、断熱デバイス2010の側面断面図を示す。断熱デバイス2010は、内側ライナ2500と、断熱層2502と、外側シェル2501と、を含む。
図14Aに示すように、上記の実例と同様、断熱層2502は、内側ライナ2500と外側シェル2501との間に位置付けることができ、冷たさ又は温かさを保つことを望む内容物を格納するためのレセプタクル2504の内部温度の維持を補助するための、フォーム断熱材として形成することができる。また、断熱層2502は内側ライナ2500と外側シェル2501との間に位置付けることができ、内側ライナ2500と外側シェル2501との間で浮動するように、内側ライナ2500又は外側シェル2501のどちらにも取り付けられなくてもよい。1つの実例では、内側ライナ2500及び外側シェル2501は、断熱デバイス2010の頂部部分において、内側ライナ2500及び外側シェル2501によって形成されているポケット内で断熱層2502が自由に浮動できるように接続することができる。
【0069】
この実例では、内側層又は内側ライナ2500は、第1の内側ライナ側壁部分2500aと底部内側ライナ部分2500bとで形成することができる。第1の内側ライナ側壁部分2500a及び底部内側ライナ部分2500bを例えば溶接によって1つに固着して、チャンバ2504を形成することができる。上記の実例と同様に、チャンバ2504は「ドライ・バッグ」、又は内容物を格納するための槽であり得る。1つの実例では、第1の内側ライナ側壁部分2500a及び底部内側ライナ部分2500bが1つに固着又は接合された後で、チャンバ2504の各区域を接合しているシームを覆うように、TPUテープなどのテープを設置することができることができる。テープは、第1の内側ライナ側壁部分2500aと底部内側ライナ部分2500bとの間に形成されるシームを封止して、チャンバ2504内に液体が入る又はその外に出るのを防止するための、液体に対する追加の防壁を提供する。内側ライナ2500はこの場合、液体を断熱デバイス2010のチャンバ2504内に維持するか、又は、液体内容物が断熱デバイス2010のチャンバ2504内に入るのを防止することができる。ただし、内側ライナ2504を、外側シェル内に固着され得る一部片の一体構造体として形成できることもまた企図されている。
【0070】
図14A及び
図15の両方に示すように、断熱層2502は、第1の部分又は上側部分2502aと、第2の部分又は基部部分2502bと、基部支持層2505とで形成することができる。更に、第1の部分2502aは、上部フラップ又はより小さい矩形形状2502a1を含み得る。折り畳みフラップ2307が断熱デバイス2010の頂部部分上に折り畳まれると、断熱層の上部フラップ2502a1が第1の部分2502aの残りの部分及び基部部分2502bと共に、内側チャンバ2504の実質的に全てを取り囲み、断熱デバイス2010の内側チャンバ2504に最大量の断熱をもたらすような断熱が得られる。
【0071】
上側部分2502aを平らに押し延ばすと、断熱層2502の上側部分2502aは全体的に「T」形状に似たものとなり、この場合、断熱層は第1の高さH1及び第2の高さH2を画定し、第1の高さH1は第2の高さH2よりも大きい。この実例では、断熱層の大部分は、第1の高さH1よりも低い第2の高さH2まで延在し得る。また、第1の部分2502aは相互接続された2つの矩形形状で形成することができ、この場合、第1の部分2502aの下部は第1のより大きい矩形形状2502a2を形成しており、第1の部分2502aの上側区域は、より小さい矩形形状の上部フラップ2502a1を形成している。第1のより大きい矩形形状2502a2は、より小さい矩形形状2502a1とは別個の部片として形成できることもまた企図されている。第1の矩形形状2502a2は第1の矩形の幅を有することができ、第2の矩形形状2502a1は第2の矩形周縁を有することができ、第1の矩形形状2502a2の幅は、第2の矩形形状2502a1の周縁と略同じであり得る。1つの実例では、より小さい矩形形状2502a1は、折り畳み部2307内へと延在する、上側部分2502aの断熱層の上部フラップを形成している。
【0072】
第1の部分2502a及び第2の部分2502bは、本明細書で検討するような断熱フォーム材料で形成することができる。1つの実例では、第2の部分2502bは、第1の部分2502aよりも厚いフォーム材料で形成することができる。例えば、第2の部分2502bの厚さは、厚さ20mm~50mmの間で形成することができ、1つの特定の実例では、38mm厚さのフォームで形成することができ、また第1の部分2502aは、15mm~30mmの間で形成することができ、1つの特定の実例では、25mm厚さのフォームで形成することができる。1つの実例では、フォームは、NBR/PVC混合物フォーム、PVCを含まないNBRフォーム、又は他の環境に優しいタイプのフォームとすることができる。
【0073】
また
図15に示されているように、基部支持層2505によって、基部2215における断熱デバイス2010の断熱性及び構造の完全性が高められる。基部支持層2505はまた、断熱デバイス2010の底部の周囲に追加の保護を提供することもできる。1つの実例では、基部支持層2505はEVAフォームから形成され得る。基部支持層2505は、材料に直接型成形又はエンボス加工され得る、ロゴ又は名前などの特定のデザインを含んでもよい。基部支持隆起部2400は、構造の完全性及び断熱デバイス2010の支持を提供するもので、基部支持層2505に直接型成形又はエンボス加工することもできる。1つの実例では、基部支持層2505及び基部部分2502bは、組立ステップの数を減らす際に、組立を容易にするために分離又は固着を解除することができる。基部部分2502bは、上側部分2502aの開放形状によって形成されている下側開口部2506を閉鎖するような、卵形状として形成することができる。
【0074】
第1の部分2502aの底部は、長円筒形状に折り曲げられ内側ライナ2500と外側シェル2501との間に設置されるときに、その形態を維持する。断熱層2502はその形状を維持し、この結果、断熱デバイス2010の基本的な長円筒形状が得られる。
【0075】
外側シェル2501は、上側側壁部分2501aと、下側側壁部分2501bと、基部部分2501cとで形成することができる。上側側壁部分2501a、下側側壁部分2501b、及び基部部分2501cの各々は、縫着によって固着され得る。溶接部又は接着剤を使用するなど、他の固着方法もまた企図されている。
【0076】
更に、折り畳み部2307は、固定機構2301をより閉じ易くするために、少なくとも部分的にフォームを含まないことも可能である。具体的には、折り畳み部2307は、第1の区域2307aと第2の区域2307bとを含み得る。第1の区域2307aは断熱層2502を含まなくてもよく、第2の区域は断熱層2502を含んでもよい。
【0077】
図14Bを参照すると、上記の実例の場合と同様に、閉鎖具2311を、裏材又はファブリック上に装着できる。ジッパーの場合には、これをジッパー・テープ2306と呼ぶ場合がある。また、上記の実例の場合と同様に、ジッパー・テープ2306は、内側ライナ2500と外側シェル2501との間に取り付けることができ、具体的には、ジッパー・テープ2306は、外側シェルの上側側壁部分2501a及び第1の内側ライナ側壁部分2500aに固着することができる。
図14Bに示すように、ジッパー・テープ2306、外側シェルの上側側壁部分2501a、及び第1の内側ライナ側壁部分2500aは、ジッパー・テープ2306が外側シェルの上側側壁部分2501aと第1の内側ライナ側壁部分2500aとの間に位置付けられている、サンドイッチ構造の積み重ねた配置構成を形成し得る。
【0078】
断熱デバイス2010は、上で検討したような実例と同様の技法を用いて形成することができる。例えば、外側シェル2501の上側側壁部分2501aが形成され得る。また、基部部分2215は、本明細書で検討する技法に従って、断熱層2502の基部部分2502bと、基部支持層2505と、下側側壁部分2501bと、外側シェル2501の基部部分2501cとを有して、別個に形成することができる。基部2215は、本明細書で検討する技法を用いて、外側シェル2501の上側側壁部分2501aの底部に固着することができる。断熱層2502の上側部分2502aは、外側シェル2501の上側側壁部分2501a内に設置することができる。次いで第1の内側ライナ側壁部分2500a及び底部内側ライナ部分2500bを固着して、内側ライナ2500及びチャンバ2504を形成することができる。内側ライナ2500の区域とチャンバ2504の区域を接合しているシームを覆うように、TPUテープなどのテープを設置することができる。次いで内側ライナ2500を、断熱層2502内に設置することができる。次いで閉鎖具2311を、内側ライナ側壁部分2500aと上側側壁部分2501aとの間に取り付けることができる。工程のこの時点で、断熱デバイス2010のアセンブリは、開放されている頂部を有する円筒形状を有することになる。開放されている頂部を閉じるために、次いで内側ライナ側壁部分2500aの上側端部及び上側側壁部分2501aを、溶接によって又は本明細書で検討する技法のいずれかによって一緒に固着して、断熱デバイス2010を形成することができる。外側シェル2501と内側ライナ2500との間のシームを覆うか又は隠すために、断熱デバイス2010の頂部部分にビンディング2518を適用することができる。外側シェルの形成後に又は断熱デバイス2010が形成されてから、ループ・パッチ(図示せず)、運搬持ち手2210、肩ストラップ2218、ウェビング・ループ2224、及びリング2214を、本明細書で検討する様々な技法によって外側シェル2501に追加することができる。内側ライナ及び外側ライナを、溶接、糊着、又は縫着、及びこれらの組み合わせによって形成できることが企図されている。
【0079】
別の実例では、折り畳み部2307を断熱デバイス2010の本体に固着するために、磁気接続部を実装することができる。
図16A及び
図16Bに示すように、断熱デバイス2010には、断熱デバイス2010の側壁上の対応する磁石(図示せず)によって受けることのできる、磁気クリップ3313を設けることができる。ただし、断熱デバイス2010上のクリップ及びクリップ受け入れ部が、永久磁石、金属ストリップ、又は強磁性材料のうちの1つ又は複数であってもよいこともまた企図されている。更に、折り畳みフラップ2307を正面に面する閉鎖具2311を覆うように固着する他の方法もまた企図されている。例えば、折り畳みフラップ2307を側壁断熱デバイス2010に固着するために、面ファスナ、バックル、スナップ、ジッパー、デテント、ばね付勢式デテント、ボタン、カム、又は糸のうちの、1つ又は複数を使用してもよい。
【0080】
図17~
図22は別の例示的な断熱デバイス4010を示す。実例としての断熱デバイス4010は、上記の実例、特に
図11~
図16Bに関連して上で検討した実例と、類似の構造のものとすることができ、同様の参照符号は、同じ又は類似の機能性を有する同様の特徴を表す。この実例では、断熱デバイス4010は折り畳みフラップを含まず、実例としての断熱デバイス2010とは異なる全体形状を含み得る。更に、断熱層4502は、以下で検討する他の変形形態に合わせて、異なる構成を有し得る。上記の実例の場合と同様に、閉鎖具4311は、断熱デバイス4010の前面又は前壁上に設置することができる。
【0081】
図18及び
図19に示すように、断熱デバイス4010は、正面及び背面から見たときに全体に台形形状を形成することができ、この場合、断熱デバイスは、断熱デバイス4010の頂部に向かって上向きに拡開するか又はテーパする。台形形状は、特定の断熱性、使用者の利用し易さ、及び包装上の利益をもたらし得る。例えば、台形形状は、台形形状に起因して外側シェル4501と内側ライナ4500との間に追加のフォームを設置可能なことにより、氷の保護時間の延長を実現し得る。
【0082】
更に、断熱デバイス4010の全体形状は、閉鎖具4311が開かれた位置にあるときに断熱デバイス4010を開かれた位置に維持するのを助けることができ、使用者が断熱デバイス4010の内容物に容易にアクセスできることを可能にする。本明細書で検討するような台形形状によりまた、閉鎖具4311を断熱デバイス4010と比べて長く形成することも可能になる。断熱デバイス4010の上側部分における開口部の延長を可能にする他の形状もまた企図されている。例えば、断熱デバイス4010の上側部分は、断熱デバイス4010の上側部分にわたって延在するより大きい閉鎖具を実現するように、上向き又は下向きのいずれかの曲がりを有して形成されてもよい。また
図20に示すように、側部から見たとき、断熱デバイス4010は、側部が、断熱デバイス4010の頂部へと収束するように全体に円錐状に、テーパ状に、又は漏斗形状に形成することができる。側部はまた、特定の実例では、実質的に放物線形状に形成することもできる。この場合、断熱デバイス4010は、断熱デバイス4010の底部と同じ周縁を有する卵形状とは対照的に、断熱デバイス4010の頂部に沿った頂点へと収束する。
【0083】
特定の実例では、台形形状によりまた、輸送コンテナ内にいくつかの断熱デバイス4010を嵌め込み可能であるという点で輸送が容易であり得る断熱デバイス4010も提供できる。例えば、輸送コンテナ内のより多くの空間が利用されるように、複数の断熱デバイス4010を輸送コンテナ内に異なる配向で配置してもよい。
【0084】
代替の実施例では、閉鎖具4311が開かれた又は封止されていない位置にあり、断熱デバイス4010内の内容物は、断熱デバイス4010の内容物によりアクセスし易いように、閉鎖具4311を開いた位置に維持し得る。この実例では、内容物の重量により、閉鎖具4311の下側半部を閉鎖具4311の上側半部から引き離すような力がかかり、この結果、使用者は断熱デバイス4010の内容物をよりよく見ることができ、また内容物の取り出し又は断熱デバイス4010への内容物の追加がより容易になり得る。
【0085】
この実例では、外側シェル構造、断熱層、及び内側ライナ構造は、上で
図11~
図16Bに関連して検討した実施例の場合と同様とすることができ、ここではその詳細は繰り返さない。外側シェル4010はまた、中に閉鎖具4311を受け入れるように構成されている頂部部分4316も含み得る。頂部部分4316は、外側シェル4501の残りの部分と同じ材料で形成することができ、この材料は、1つの具体的な実例ではナイロン、特にTPUを備えた840dナイロンとすることができる。
【0086】
図11~
図16Bに関連して検討した実例と同様に、断熱デバイス4010には、運搬持ち手4210、肩ストラップ4218、糸4222によって形成されているウェビング・ループ4224、リング4214、及び取り付け箇所4213のうちの1つ又は複数を設けることができ、これらは、上記の実例の場合と類似の特徴及び機能性を有し得る。更に、断熱デバイス4010の背面上に、閉鎖具4311と対置されるように背面側運搬持ち手4318を設けることができ、この背面側運搬持ち手4318は、使用者による閉鎖具4311の開閉がより容易になるよう断熱デバイス4010の開閉中に把持するために、使用者が使用できる。背面側運搬持ち手4318はまた、内側チャンバ4504の乾燥のために断熱デバイス4010を吊るすため、又は断熱デバイス4010を運搬するためにも使用され得る。運搬持ち手4210、肩ストラップ4218、ウェビング・ループ4224、及び取り付け箇所4213の各々は、ウェビング又は好適なポリマー材料の形態の追加の構造のうちの1つ又は複数によって補強することができる。この補強材料は、本明細書で検討するどの実例にも適用できる。
【0087】
また
図17及び
図21に示すように、外側シェル4501を内側ライナ4500に固着するために、断熱デバイス4010の頂部を覆うように延在するビンディング4518を含めることができる。ビンディング4518は、断熱デバイス4010の頂部を覆うように折り畳み、次いで上方の外側シェル4501及び内側ライナ4500を覆うように縫着することができ、これにより、内側ライナ4500と外側シェル4501との間に接合部又はシームへのカバーが形成される。
図18に示すように、ビンディング4518を3つに折り畳んで、第1の折り畳まれた部分4518aを形成することができ、この部分においては、第1の3分の1部分は断熱デバイス4010の第1の側部に取り付けられ、第2の3分の1部分は断熱デバイス4010の頂部を覆うように延在し、最後の3分の1部分は断熱デバイス4010の第2の側部に取り付けられる。ビンディング4518は、断熱デバイス4010の頂部に沿って、外側シェル4501と内側ライナ4500との間のシームを覆う。また、
図17に示すように、ビンディング4518は、断熱デバイス4010の頂部から延在し、ビンディング4518が半分に折り畳まれている第2の折り畳まれた部分4518bと、リング4214を受け入れる取り付け箇所4213を形成しそこまで延在する第3の折り畳まれていない部分4518cと、を形成している。断熱デバイス4010の各側部は、1つの第2の折り畳まれた部分4518bと1つの第3の折り畳まれていない部分4518cとを含むことができ、この結果、断熱デバイス4010は、2つの第2の折り畳まれた部分4518bと2つの第3の折り畳まれていない部分4518cとを含むことができる。ビンディング4518は、取り付け箇所4213のより近くで開くことができ、また、取り付け箇所4213から断熱デバイス4010の頂部まで折り畳まれていない状態で形成することもできる。これらの構成のいずれにおいても、ビンディング4518のある区域、例えば第2の折り畳まれた部分4518bは、断熱デバイス4010に取り付けられていなくてもよく、折り畳まれた部分4518aと取り付け箇所4213との間にストラップを形成する。この実例では、2つの第2の折り畳まれていない部分4518bによって2つのストラップを形成でき、これらのストラップは、断熱デバイスを取り回すために使用者が把持できたり、乾燥の目的で断熱デバイス4010を吊るすために使用できたりする。また、ビンディング4518によって形成されている取り付け箇所4213は、リング4214を受け入れるためのループ又はスロットであり得る。
【0088】
図22及び
図22Aは、上で検討した実例としての断熱デバイス4010と類似した断熱層4502を更に詳細に示し、同様の参照符号同じ又は類似の機能性を有する同様の構成要素を表す。断熱層4502は、本明細書で検討するような材料で形成することができ、特定の実例では、PVCを含まないものとすることができる、及び/又は、フォーム全体が弾性を有するような非熱硬化性の特性を有し得る。上記の実例と同様に、断熱層4502の上側部分4502aは材料の単一のシートで形成することができ、このシートが内側ライナ4500と外側シェル4501との間の開口部によって画定される形状へと巻かれる。
図22に示すように、断熱層4502は、上記の実例の場合と同様に、第1の部分又は上側部分4502aと、第2の部分又は基部部分4502bとで形成することができる。背面上部フラップ4502a1は、より小さい矩形形状に形成することができる。背面上部フラップ4502a1は、正面に面する閉鎖具4311を収容できるように、断熱層4502aの第1の部分4502aの正面側よりも高くまで延在する。具体的には、背面上部フラップ4502a1は第1の高さH
3まで延在することができ、第1の部分4502aは第2の高さH
4まで延在することができ、第1の高さH
3は第2の高さH
4よりも大きくすることができる。更に、
図22に示すように、断熱層4502の大部分は第2の高さH
4まで延在し得る。別法として、
図22Aに示すように、断熱層4502の背面半部は第1の高さH
3まで延在することができ、断熱層4502の正面半部は第2の高さH
4まで延在し得る。更に、
図22Aに示すように、断熱層4502は、第1の高さH
3から第2の高さH
4へとテーパさせることができる。また、このことにより、断熱層4502の頂部に近い領域に、断熱デバイス4010の側部に沿ってテーパ状の又は面取りされた部分が形成されて、断熱デバイス4010の各側部の外形がより小さくなる。
【0089】
1つの実例では、第1の部分4502aは第1の領域A1を画定することができ、背面上部フラップ4502a1は、第1の領域A1よりも小さい第2の領域A2を画定することができる。内側ライナ4500と外側シェル4501との間に据えられているとき、断熱層4502は全体に、断熱デバイス4010の円錐台形状の外形に従う。更に、外側シェル4501及び内側ライナ4500の上向きにテーパした外形は、断熱層が内側ライナ4500の大部分を覆うように断熱層4502を配置するのに役立つ。
【0090】
具体的には、
図21に示すように、断熱層4502は、内側ライナ4500と外側シェル4501との間に形成される空間の大部分を占める。断熱層4502は、断熱デバイス4010の正面部分及び背面部分の両方において、実質的に断熱デバイス4010の頂部まで延在して、区画4504の大部分を断熱する。結果として、断熱層4502は実質的に内側チャンバ4502全体を取り囲み、これにより断熱デバイス2010の内側チャンバ4504に最大量の断熱がもたらされる。1つの実例では、断熱層4502は、内側チャンバ4504を覆う内側ライナ4500の80%以上を覆い、特定の実例では、断熱層4502は、内側チャンバ4504を覆う内側ライナ4500の、85%、90%、又は95%以上を覆う。
【0091】
図11~
図22に関連して検討される実例では、正面に面する閉鎖具2311、4311は、断熱デバイス2010、4010の正面に面する表面に沿った方向の大部分に延在するように、形成することができる。上で検討したように、正面に面する閉鎖具2311、4311は、本明細書で検討する実例に合致するジッパー閉鎖具として形成することができる。1つの実例では、閉鎖具2311、4311は実質的な防水性又は高い耐水性を有することができ、水密及び気密であり得る。正面に面する閉鎖具2311、4311は、断熱デバイス2010、4010内に格納されている内容物への使用者のアクセス容易性及び可視性が拡張されるように、断熱デバイス2010、4010の正面に面する表面において可能な限り長く形成することができる。1つの実例では、閉鎖具2311、4311は、第1の長さL
1を画定でき、断熱デバイス4010の頂部部分は第2の長さL
2を画定できる。
【0092】
1つの実例では、L2は、正面に面する閉鎖具2311、4311の長さであるL1よりも3cm~10cm長くすることができ、1つの具体的な実例では、正面に面する閉鎖具2311、4311よりも5cm長くすることができる。閉鎖具2311、4311の第1の長さL1は、第2の長さL2の少なくとも80%に、及び最大で第2の長さL2の98%まで、延在し得る。1つの特定の実例では、閉鎖具2311、4311の長さL1は、第2の長さL2の87%にわたって延在し得る。
【0093】
更に、正面に面する閉鎖具2311、4311の長さL1は、断熱デバイス2010、4010の基部の長さL3よりも長く形成することができる。特定の実例では、正面に面する閉鎖具2311、4311は、断熱デバイス4010の基部の長さL3よりも約1%~25%長く形成することができる。1つの具体的な実例では、正面に面する閉鎖具2311、4311の長さL1は、基部の長さL3よりも10%長くすることができる。例えば、正面に面する閉鎖具の長さL1は、断熱デバイスの基部の長さL3よりも3cm~12cm長く形成することができ、1つの特定の実例では、正面に面する閉鎖具2311、4311の長さL1は、基部の長さL3よりも5cm長くすることができる。
【0094】
更に他の実施例では、断熱デバイスは、断熱デバイスの周縁の全体又は大部分に延在する閉鎖具と、上で検討したような正面に面する閉鎖具2311、4311と、を含み得る。この特定の実例では、頂部部分の全体又は大部分が取り外されると、又は閉鎖具2311、4311を通して、使用者が断熱デバイスの内容物に容易にアクセスできる。
【0095】
別の実例では、断熱デバイスは、頂部及び/又は底部を取り外すことができ、複数の構造体を相互接続してより大きい又はより小さい断熱デバイスを形成できるように、モジュール式に形成することができる。例えば、断熱デバイスは、スナップ、ジッパー、糸、シール、面ファスナなどのような取り外し可能な固定具を介して、様々な区域から形成することができる。
【0096】
本明細書で検討する実例に関連して、断熱デバイスの外側シェルに沿って一連の通気口(vent)を設けることができる。これらの通気口によって、内側ライナと外側シェルとの間に捕らえられている気体が抜け出すことが可能になる。通気口がなければ、内側ライナと外側シェルとの間に捕らえられている気体は断熱デバイスの膨張を引き起こす可能性があり、このことは場合によっては望まれないものであり得る。特定の実例では、外側シェルの様々な部分を接続している1つ又は複数の接合部又はシームは、気体用の通気口を提供する。外側シェルの外側シェルのファブリックが穿通される領域内に、通気口を設けることができる。例えば、断熱デバイス上に様々な構成要素が置かれている縫着場所のいずれかに非常に小さい開口部を設けることができる。具体的には、持ち手、MOLLEループ、ストラップ、補強パッチ、ビンディング、D-リング、ループ・パッチ、等が断熱デバイスの外側シェルに取り付けられている領域内に、通気口を設けることができる。例えば、これらの構成要素を外側シェルに固着するために使用され得る縫着により、外側シェルに開口部が生じ、これにより断熱層と外側シェルとの間の通気性が得られる。1つの具体的な実例では、断熱デバイスはビンディング4518を通して通気を行うことができる。
【0097】
実例としての断熱デバイス4010を試験して氷維持力を判定した。この場合、氷維持力試験を利用して、実例としての断熱デバイス4010の断熱特性を判定できる。例示的な試験では、断熱デバイス4010を氷で満たしたときの-17.7℃(0°F)から10℃(50°F)までの上昇の継続時間を、以下の試験パラメータに従って判定した。特定の実例では、24時間~24時間の継続時間中に断熱デバイスの温度は-12.2℃(10°F)から0℃(32°F)まで上昇し、36時間~68時間の継続時間中に断熱デバイスの温度は0℃(32°F)から10℃(50°F)まで上昇し、70時間~90時間の継続時間中に断熱デバイスの温度は-17.7℃(0°F)から10℃(50°F)まで上昇する。
【0098】
以下の試験を用いて氷維持力を試験した。試験まで24時間を切る前に、以下のステップを実行する:
・試験用保冷容器の内外に汚れがないことを確実にする。
・試験用保冷容器に一意の目印を付け、目印及び説明を試験ログ又はメモに記録する。
・ダクト・テープを用いて、熱電対(T)を試験用保冷容器(C)の略中央に設置する。
・熱電対の先端は、保冷容器の床から上に約2.54センチメートル(1インチ)にあるものとする。(適切な熱電対の設置の実例については
図23を参照のこと)。
・試験用保冷容器を、蓋を開けた状態で最低24時間室内に入れておくことによって、試験用保冷容器を調整する(周囲温度18.3~23.8℃(65~75°F))。
・以下の等式を用いて、試験に必要な氷の量を(45.3グラム(0.1lbs)単位で)計算する。
保冷容器あたりの氷=0.24kg(0.52lbs)×保冷容器のリットル(クオート)容量
必要な氷=保冷容器あたりの氷×保冷容器の数
・氷を使用の最低24時間前に冷凍庫(-26.1~-20.5℃(-15~-5°F))に入れることによって、氷を調整する。
【0099】
試験の当日、以下のステップを実行する:
・試験機器を揃える
・熱チャンバを37.7℃(100°F)の温度にする
・秤-秤を試験用の氷の入った冷凍庫の近くに設置する
・データ・ロガー-データ・ロガーの電池が充電されていることを確認する。
【0100】
試験手順は以下の通りである:
・試験用保冷容器を試験用の氷の入った冷凍庫に入れる。
・試験用保冷容器を秤に載せ風袋引きを行う。
・試験用の氷をハンマーで砕く。
・秤を基準に用いて、試験用保冷容器を必要量の氷で素早く満たす。
・氷が試験用保冷容器全体に確実に均等に分散するようにする。
・熱電対のコネクタ端部が試験用保冷容器の外側にあることを確認し、保冷容器の蓋を閉じ固定する。
・残りの試験用保冷容器に対してステップを繰り返す。
・保冷容器を、全てが同じ量の直射日光及び気流を受ける(保冷容器同士が邪魔し合わない)ようにして、試験領域内に配置する。
・全ての熱電対をデータ・ロガーに接続する。
・全ての熱電対の読みをチェックして、全ての接続が完了しており各チャンネルが適切に記録を行っていることを確認する。(注:各試験用保冷容器内部の開始温度は<-12.2℃(10°F)であるものとする)。
・データ・ロガーの電源を入れ、10分未満の間隔で記録された温度を記録するように設定する。
・記録を開始し試験ログに時間をメモする。
・各試験用保冷容器の内部温度が≧10℃(50°F)になるまで試験を継続する。
・記録を停止する。
・熱電対をデータ・ロガーから外す。
・データ・ロガーからデータを受け取る。
・試験領域から試験用保冷容器を取り出す。
・試験用保冷容器を空にして乾燥させる。
・試験用保冷容器から熱電対を取り外す。
【0101】
断熱デバイス2010、4010の熱取得率は、約-17.5~-16.9℃(0.5~1.5°F)/時間であり得、1つの特定の実例では、熱取得率は約-17.2℃(1.0°F)/時間であり得る。
【0102】
上記の実例の場合と同様に、断熱デバイス2010及び4010の能力もまた内側からの漏れに耐えるように構成されており、これらを試験して、断熱デバイス2010、4010が、格納区画又はレセプタクル2504、4504内に格納されている内容物をどの程度良好に維持するかを試験した。1つの実例としての試験では、断熱デバイス2010、4010を水などの液体で満たすことができ、次いで所定の時間の間逆さまにして、何らかの水分の漏れがないか試験することができる。この実例では、断熱デバイス2010、4010をレセプタクル4504の容積の約半分まで液体で、例えば11.3リットル(3ガロン)の水で満たし、次いで閉鎖具2301、4301を最後まで閉じる。次いで断熱デバイス2010、4010全体は逆さまにし、30分の時間の間逆さまに保持する。次いで、断熱デバイス2010、4010に何らかの漏れがないかを点検する。
【0103】
断熱デバイス2010、4010は、レセプタクル2504、4504から僅かでも水が漏れる又は出て来ることなく30分間逆さまに保持されるのに耐えるように構成され得る。代替の実例では、断熱デバイス2010、4010は、レセプタクル2504、4504から僅かでも水が漏れる又は出て来ることなく15分~120分間逆さまに保持されるのに耐えるように構成され得る。
【0104】
図24~
図32は別の実例としての断熱デバイス3010を示す。実例としての断熱デバイス3010は、上記の実例と類似の構造のものとすることができ、同様の参照符号は類似の機能性を有する類似の特徴を表す。この実例では、
図24~
図26及び
図32に見ることができるように、閉鎖具3311及び開口部3512は、第1の側壁3507A、第2の側壁3705B、及び第3の側壁3507Cを貫通して、及び部分的に断熱デバイス3010の第4の側壁3507Dを貫通して、形成されている。更に、開口部3512は、
図29A及び
図32に示されているように、内側チャンバ3504へのアクセスを可能にするように構成されている。上記の実例の場合と同様に、閉鎖具3311は、断熱デバイス3010がどのような配向であっても液体が開口部3512から出るのに耐えるような防水性を実質的に有し得る。
【0105】
図29Aの断面図に示すように、実例としての断熱デバイス3010は一般に、本体アセンブリ3350と蓋アセンブリ3300とを含み、これらは共に、断熱デバイス3010の3つの構成要素、すなわち内側ライナ3500、断熱層3502、及び外側シェル3501を形成する。内側ライナ3500は1つの実例では、二重積層TPUナイロンファブリックで形成することができ、断熱層3502は1つの実例では、NBR/PVCフォーム混合物又は任意の他の好適な混合物若しくはフォームで形成することができ、外側シェル3501は1つの実例では、TPUナイロンファブリックで形成することができる。内側ライナ及び外側シェル3501を、PVC、TPU被覆ナイロン、コーティングされたファブリック、並びに他の溶接可能な及び/又は防水性を有するファブリックのうちの、1つ又は複数から形成できることもまた企図されている。
【0106】
図24~
図26に示すように、閉鎖具3311は、本体アセンブリ3350と蓋アセンブリ3300との間に延在して、本体アセンブリ3350及び蓋アセンブリ3300を水から実質的に封止する。更に、
図29Aに示すように、蓋アセンブリ3300を、一体成形ヒンジ3503を形成している外側シェル3501によって、本体アセンブリ3350に接続することができる。1つの実例では、一体成形ヒンジ3503は、断熱デバイス3010により大きな開口部をもたらすように、外側シェル3501及び/又は内側ライナ3500の一部として、具体的には外側シェル3501及び/又は内側ライナ3500の材料の可撓性の性質により、形成することができる。一体成形ヒンジ3503はまた、内側ライナ材料又は他の防水材料で形成され得る、内側にあるファブリック3503Aによって補強され得る。このようにして、閉鎖具3311を開いて後ろに畳むこと又は蓋アセンブリ3300を開くことによって、チャンバ3504及び断熱デバイス3010の内容物にアクセスできる。
【0107】
この実例では、断熱デバイス3010は直方体又は角柱の形状であり得る。例えば、外側シェル3501、断熱層3502、及び内側ライナ3500は、直方体の第1の側壁、3507A、第2の側壁3507B、第3の側壁3507C、及び第4の側壁3507Dを画定する。また蓋アセンブリ3300は頂壁3300aを形成しており、基部3215は底壁3215aを形成して直方体を囲い込んでいる。ただし、断熱デバイス3010の内容物は、断熱デバイスの頂部に形成されている開口部3512を通してアクセスされ、それらはやはり第1の側壁、3507A、第2の側壁3507B、第3の側壁3507Cの各々を通って延在することができ、第4の側壁3507Dを部分的に通って延在することができる。断熱デバイス3010の他の形状、例えば、円筒形、球形、円錐形、角錐形、円錐台形、切頭球形、角錐台形、等もまた企図されている。断熱デバイス3010の高さは、1つの実例では15cm~50cmの範囲内とすることができ、1つの特定の実例では29cmとすることができる。断熱デバイス3010の長さは15cm~50cmの範囲内とすることができ、1つの特定の実例では32cmとすることができる。また断熱デバイスの幅は、1つの実例では15cm~50cmの範囲内とすることができ、1つの特定の実例では25.5cmとすることができる。断熱デバイス3010の格納容量は9.4~14.1リットル(10~15クオート)であり得、1つの特定の実例では12.0リットル(12.7クオート)であり得る。ただし、断熱デバイス3010が、本開示の範囲から逸脱することなく任意の高さ、長さ、幅、及び容積の寸法を備えてもよいことが企図されている。
【0108】
上記の実例の場合と同様に、断熱デバイス3010は、1つ又は複数の持ち手3210、3212と、リング3214と、様々な物品、例えばストラップ(肩)、カラビナ、ドライ・バッグ、鍵、格納ケース、等を取り付けるための、ウェビング・ループ3224と、を含み得る。リング3214はD-リングとすることができ、断熱デバイスを容易に運搬できるように、これらD-リングに肩ストラップ(図示せず)を接続することができる。またリング3214は、取り付け箇所3213において断熱デバイス3010に取り付けることができ、取り付け箇所3213は、リング3214を受け入れるためのスロットも形成する、ループ又はストラップ3315aを形成し得る。断熱デバイスはまた、外側シェルの外面上の任意の場所に、側面、正面、及び/又は背面の運搬持ち手、ポケット、タイ・ダウン・ベルト(締付けベルト)、並びにD-リングも含み得る。ポケットは、鍵、電話機、財布、等を受け入れるようなサイズとすることができ、防水性を有するように形成できる。ポケットはまた、中にある内容物が濡れるのを防止するための、防水ジッパーも含み得る。
【0109】
ここでも、上記の実例と同様に、外側シェル3501はまた、任意選択的な持ち手、ストラップ、及びウェビング・ループ(例えば3210、3212、3213、3214、3224)を構造的に支持するのを補助するように構成されている、複数の補強領域又はパッチ3320を含み得る。持ち手又はストラップ(例えば3210、3212、3213、3214、及び3224)並びに他の付属品は、糸3222を用いてパッチに縫着することもできる。特定の実例では、これらの糸3222は、外側シェル3501を貫通して断熱層3502内へと延在することはない。任意選択的な持ち手又はストラップをパッチ3320に縫い付けることができ、パッチ3320を外側シェル3501にRF溶接することができる。また、他の実例では、パッチ3320を外側シェル3501に縫い付けること又は接着することができる。縫着作業に起因する開口により、断熱デバイス3010の外側シェル3501及び内側ライナ3500によって画定される内部への通気性がもたらされる。更に、持ち手又はストラップを断熱デバイス3010に固着するための他の技法が企図されている。
【0110】
図29Aの断面図には、断熱デバイス3010の内部構成要素である、本体アセンブリ3350及び蓋アセンブリ3300を見ることができる。更に、
図29Bは、蓋アセンブリ3300の拡大断面図を示す。
【0111】
蓋アセンブリ3300は、上側内側ライナ部分3500Aと、上側断熱層部分3502Aと、上側外側シェル部分3501Aと、を含む。上側断熱層部分3502Aは、蓋アセンブリ3300の全体形状と対応するフォームの単一層で形成することができる。本明細書で検討するように、フォームは1つの実例では、本体アセンブリ3350で使用されているものと同じフォームであり得る断熱フォームとすることができ、上側内側ライナ部分3500A及び上側外側シェル部分3501Aには取り付けられずに、これらの間で浮動することができる。
図29Bに示すように、上側内側ライナ部分3500Aは、バインダー3518に取り付けられている材料のシート3500A1と材料のストリップ3500A2とで形成することができる。他の実施例では材料のシート3500A1をバインダー3518に直接接続でき、この結果材料のストリップ3500A2の必要がなくなる。材料のストリップ3500A2を、材料のシート3500A1に重ねて溶接することができる。材料のシート3500A1と材料のストリップ3500A2との間の接続部を覆うように、シーム・テープ3509を設置することができる。例えば、上側内側ライナ部分3500Aを、射出成形によって一体の構造体として形成できることもまた企図されている。
【0112】
材料の上側内側ライナ・ストリップ3500A2をRF溶接接合部3522において材料の上側外側シェル・ストリップ3501A3に接合することによって、上側内側ライナ部分3500Aを上側外側シェル部分3501Aに接続することができる。ただし、他の種類の固着方法、例えば他の形態の溶接、縫着、接着剤、リベット、等を用いてもよいことが企図されている。更に、後でより詳細に検討するように、ストリップ又はバンドの形態のビンディング材料3518を、材料の上側内側ライナ・ストリップ3500A2及び材料の上側外側シェル・ストリップ3501A3の端部を覆うように縫い付けることができる。ビンディング材料3518を、複数のリベットによって又は1つ若しくは複数の接着剤を使用することによって、材料の上側内側ライナ・ストリップ3500A2及び材料の上側外側シェル・ストリップ3501A3の端部を覆うように結合できることもまた、企図されている。
【0113】
図29A及び
図29Bに示すように、蓋アセンブリ3300の上側外側シェル部分3501Aは、2つの別々の層3501A1、3501A2と、2つの別々の層3501A1、3501A2に対して垂直に延在する材料の上側外側シェル・ストリップ3501A3と、を含んでもよい。材料の上側外側シェル・ストリップ3501A3は、以下で更に詳細に検討するように、第1の外側シェル区域3501B1と一体とすること及びこれに取り付けることができる。例えば、材料の上側外側シェル・ストリップ3501A3及び第1の外側シェル区域3501B1は、同じ材料から形成するか又は切り出すことができる。ただし、材料の外側シェル・ストリップ3501A3及び第1の外側シェル区域3501B1が、別々の構造体又は異なる材料で形成されることもまた、企図されている。1つの実例では、頂部層3501A1はTPU被覆ナイロン積層体で形成することができ、底部層3501A2は、圧縮成形EVA材料で形成することができる。上側外側シェル部分3501Aもまた、例えば射出成形工程において、一体の材料片で形成され得る。
【0114】
図29A及び
図29Bに示すように、ビンディング材料3518により、蓋アセンブリ3300を1つに固着すること、及び蓋アセンブリ3300を本体アセンブリ3350に固着することの、両方が可能になる。ビンディング材料3518は、特定の実例では、ストリップ、バンド、又はリボンで形成することができ、ナイロンで製作することができる。ビンディング材料3518が、本開示の範囲から逸脱することなくから追加の又は代替のポリマーから形成され得ることが、企図されている。具体的には、第1の外側シェル区域3501B1は、ビンディング材料3518を蓋アセンブリ3300の周縁の周囲に縫着することによって、上側内側ライナ3500A、別々の層3501A1、3501A2、及び上側外側シェル部分3501Aの材料の上側外側シェル・ストリップ3501A3と、1つに固着され得る。縫着部はそのため、ビンディング材料3518、下側外側シェル部分3501B、上側内側ライナ部分3500A、頂部層3501A1、底部層3501A2、及び材料のストリップ3500A2を貫通して延在して、シーム3517を形成する。
【0115】
溶接接合部3522によりまた、蓋アセンブリ3300を1つに固着すること、及び蓋アセンブリ3300を本体アセンブリ3350に固着することの、両方が可能になる。上で示唆されているように、RF溶接接合部であり得る溶接接合部3522はまた、材料の上側内側ライナ・ストリップ3500A2を材料の上側外側シェル・ストリップ3501A3に接合することで上側内側ライナ部分3500Aと上側外側シェル部分3501Aを接続することによって、蓋アセンブリ3300を1つに固着する。ただし、接合部3522を縫着によって又は接着剤によって形成してもよいこともまた企図されている。ここでも、蓋アセンブリ3300及び本体アセンブリ3350が1つに固着された後では、一体成形ヒンジ3503が蓋アセンブリ3300と本体アセンブリ3350との間に形成されている。
【0116】
蓋アセンブリ3300及び本体アセンブリ3350はまた、以下で検討するように1つの実例ではジッパーであり得る、閉鎖具によっても接続されている。具体的には、縫着、溶接、接着剤、等によって、材料の上側外側シェル・ストリップ3501A3と下側外側シェル部分3501Bの第1の外側シェル区域3501B1との間に、ジッパー・テープ3306を取り付けることができる。この場合、ジッパー・テープ3306の上側部分3306a及び下側部3306bにより、蓋アセンブリ3300及び本体アセンブリ3350が1つに固着される。
【0117】
図29Aを再び参照すると、本体アセンブリ3350は、下側内側ライナ部分3500Bと、下側断熱層部分3502Bと、下側外側シェル部分3501Bと、を含む。下側内側ライナ部分3500Bは、頂部ストリップ3500B1と、中間部分3500B2と、底部部分3500B3とで形成することができる。頂部ストリップ3500B1、中間部分3500B2、及び底部部分3500B3を、シーム3508において1つに溶接又は縫着することができる。シーム3508を、PU(ポリウレタン)などの防水又は耐水材料で形成され得るシーム・テープ3509で覆うことができる。ただし、シーム・テープ3509は、水は浸透しないが内側チャンバ3504から気体が抜け出すことは可能である、通気性材料で形成することができる。
【0118】
代替の例では、下側内側ライナ部分3500Bは、例えば射出成形によって、単一の一体部片から形成することができる。
図31は、射出成形工程によって形成されている実例としての内側ライナ部分7500Bを示す。この実例では、下側内側ライナ部分7500Bは、ウレタン、PVC、TPU、又は他の溶接可能材料のうちの1つ又は複数で形成することができる。下側断熱層を外側シェル内に設置した後で、下側内側ライナ部分7500Bを外側シェル上の所定位置へと溶接することができる。
【0119】
図29A及び
図30を再び参照すると、下側断熱層部分3502Bは、断熱材料3502B1の第1のシートと、断熱材料3502B2の第2のシートとを含み得る。上記の実例と同様に、断熱材料3502B1の第1のシート及び断熱材料3502B2の第2のシートは、下側内側ライナ部分3500B又は下側外側シェル部分3501Bのどちらにも取り付けられていない、断熱材料の自由浮動層であり得る。ただし、断熱材料3502B1の第1のシート及び断熱材料3502B2の第2のシートを、下側内側ライナ部分3500B又は下側外側シェル部分3501Bのどちらかに取り付け可能であることもまた企図されている。更に、下側断熱層部分3502Bが単一の一体部片で形成されることもまた企図されている。
【0120】
下側外側シェル部分3501Bは、複数の区域から形成することができる。この実例では、下側外側シェル部分3501Bは、第1の外側シェル区域3501B1と、下側外壁区域3501B2と、第1の基部層3501B3と、第2の基部層3501B4と、を含み得る。蓋アセンブリと同様に、第1の基部層3501B3はTPU被覆ナイロン積層体で形成することができ、第2の基部層3501B4は圧縮成形EVA材料で形成することができる。下側外壁区域3501B2、第1の基部層3501B3、及び第2の基部層3501B4の各々を、縫着、溶接、又は接着剤によって、1つに接合することができる。また上記の実例の場合と同様に、第1の基部層3501B3及び第2の基部層3501B4に基部支持隆起部3400を形成して、ある表面上へと断熱デバイス3010を設置するときに、構造の完全性及び断熱デバイス3010の支持を提供することができる。代替の実例では、下側外側シェル部分3501Bは単独の構成要素として形成することができ、特定の実例では、射出成形工程によって形成され得る。
【0121】
上記の実例の場合と同様に、閉鎖具3311はジッパーとすることができ、防水性を実質的に有し得る。更に、ジッパーはプルタブ又は取っ手3302を備えてもよく、これはこの実例では硬質プラスチックで形成可能である。プルタブ3302がとりわけ、金属若しくは合金、可撓性ポリマー、布、紐、又はロープで形成できることもまた、企図されている。プルタブ3302を布、紐、又はロープで形成することにより、プルタブ3302とジッパーの間の接続部の損耗を防止することができる。具体的には、ジッパーが外側シェル3501の円周部の近くで閉じられるときには、使用者はプルタブ3302を回転させるか又はひねることができる。布、紐、又はロープは、使用者によるひねる動作によって損なわれない。他のプルタブもまた企図されている。例えば、プルタブは、プル・タップの全方向への360°の回転を可能にするベアリング接続部を備えていてもよい。
【0122】
断熱デバイス3010の外側シェル3501に沿って、一連の通気口を設けることができる。これらの通気口によって、内側ライナ3500と外側シェル3501との間に捕らえられている気体が抜け出すことが可能になる。通気口がなければ、内側ライナ3500と外側シェル3501との間に捕らえられている気体は断熱デバイス3010の膨張を引き起こすことになり、このことは場合によっては望まれないものであり得る。特定の実例では、内側ライナと外側シェルを接続している接合部又はシームが、気体への通気口を提供する。
【0123】
蓋アセンブリ3300に通気性を与えることができる。具体的には蓋アセンブリ3300において、バインダー材料3518に対して縫着を行うときに、シーム3517によって蓋アセンブリ3300に一連の小さい開口部が設けられ得る。これらの開口部は、蓋アセンブリ3300の内部容積から気体を逃がすための通気口として機能する。
【0124】
更に、本体アセンブリ3350に通気性を与えることができる。本体アセンブリにおいて、通気口は下側外側シェル部分3501Bの領域内に設けることができ、この場所で下側外側シェル部分3501Bのファブリックが穿通される。例えば、
図26に示すように、背面側運搬持ち手3210が断熱デバイス3010に取り付けられている場所である箱及び交差形状の縫着部3521に、非常に小さい開口部を設けることができる。通気口はまた、持ち手3212、3210、MOLLEループ3224、及びD-リング3214が断熱デバイス3010の外側シェル3501に取り付けられている領域又は場所内にも、設けることができる。例えば、持ち手、ウェビング又はMOLLEループ3224、及びD-リング3214を外側シェルに固着する縫着部により、断熱デバイス3010の格納区画又は内側チャンバ3504への通気性を生み出す、外側シェル3501内への開口部が提供される。
図33は、縫着部3519が外側シェル3501、持ち手3212、補強領域又はパッチ3320を貫通して延在する、実例としての概略図を示す。
【0125】
断熱デバイス3010を形成するために、本体アセンブリ3350を形成することができ、次いで、蓋アセンブリ3300を本体アセンブリ3350に接合することによって、蓋アセンブリ3300を形成することができる。断熱デバイス3010の本体アセンブリ3350を形成するために、下側外側シェル部分3501B及び下側内側ライナ部分3500Bを個別に形成することができる。下側外側シェル部分3501Bが形成されると、次いで断熱層3502を下側外側シェル部分3501B内に設置することができる。下側内側ライナ部分3500Bを下側外側シェル部分3501Bに取り付けて、断熱層3502を、下側外側シェル部分3501B及び下側内側ライナ部分3500B内に固着することができる。ただし、断熱層3502は、下側外側シェル部分3501Bと下側内側ライナ部分3500Bとの間で、自由に浮動することができる。蓋アセンブリ3300を1つに固着することができ、溶接接合部3522において上側内側ライナ部分3500Aを上側外側シェル部分3501A及び下側外側シェル部分3501Bに溶接することによって、蓋アセンブリ3300を本体アセンブリ3350に固着することができる。最後に、下側外側シェル部分3501Bの頂部部分を、頂部層3501A1、底部層3501A2、上側内側ライナ部分3500A、材料のストリップ3501A3、及びビンディング材料3518と一緒に縫着することによって、蓋アセンブリ3300を更に、下側外側シェル部分3501Bに取り付けることができる。
【0126】
具体的には、下側外側シェル部分3501Bは、第1の外側シェル区域3501B1、下側外壁区域3501B2、第1の基部層3501B3、及び第2の基部層3501B4の各々を取り付けて1つにすることによって形成され得る。次に、断熱材料3502B1の第1のシート及び断熱材料3502B2の第2のシートの各々を、下側外側シェル部分3501B内に設置することができる。次いで、頂部ストリップ3500B1、中間部分3500B2、及び底部部分3500B3の各々を1つに溶接することよって、及び次いで溶接部の各々を覆うようにシーム・テープ3509を追加することによって、下側内側ライナ部分3500Bを形成することができる。別法として、上で検討したように、下側内側ライナ部分3500Bは、材料の射出成形によって形成することができる。下側内側ライナ部分3500Bが形成されてから、内側ライナ部分3500Bを下側断熱層部分3502B内に設置することができ、内側ライナ部分3500Bを、断熱デバイス3010の本体アセンブリ3350の内側周縁の全体に沿ったシーム3511において、下側外側シェル部分3501Bに溶接することができる。シーム3511は、この実例では溶接又は縫着のいずれかによって形成できる。
【0127】
図9は、下側内側ライナ部分3500Bを下側外側シェル部分3501Bに溶接するために使用され得る例示的な溶接技法を示す。下側内側ライナ部分3500Bが下側断熱層部分3502B内に設置されると、次いで下側内側ライナ部分3500Bの側部を、頂部U形状部分3514Aとプレート部分3516と底部U形状部分3514Bを含み得る、3部片から成る器具を用いて、下側外側シェル部分3501Bに接合することができる。頂部U形状部分3514A、プレート部分3516、及び底部U形状部分3514Bの曲がりは、断熱デバイス3010の本体アセンブリ3350の周縁の形状に対応し得る。
【0128】
シーム3511を溶接部として形成するために、下側内側ライナ部分3500Bが下側外側シェル部分3501Bと接触するように設置され、プレート部分3516は下側内側ライナ部分3500B内に設置され、頂部U形状部分3514A及び底部U形状部分3514Bは、下側外側シェル部分3501Bと接触するように設置され得る。頂部U形状部分3514A、下側外側シェル部分3501B、及び下側内側ライナ部分3500Bに電流が流れるように、頂部U形状部分3514A及び底部U形状部分3514Bを2本のリード線に接続することができる。次いで電流を最初に頂部U形状部分3514Aに印加して、頂部U形状部分3514Aに沿って、湾曲部分及び直線部分を含む溶接部を形成することができる。上部区域の溶接後、次いでリード線の極性を反対にし、この結果下部区域を底部U形状部分3514Bに沿って溶接することができる。
【0129】
底部U形状部分によって下部区域を溶接した後で、次いで残りの2つの側部を、プレート部分3516及び1対の直線状のサイド・バー又は別の締め付け機構又は万力を使用することによって溶接することができる。本体アセンブリ3350の湾曲部分と同様に、リード線によって1対の直線状のサイド・バーに電流を印加することができる。ここでも、第1の方向に電流を印加して第1の側部を溶接することによって、及び、次いでリードの極性を入れ替え電流を反対方向に流して第2の側部を溶接することによって、側部を別々に溶接することができる。1つの実例では、区域の各々を約10秒間溶接することができる。本体アセンブリ3350の周縁全体の周囲で溶接が完了すると、本体アセンブリ3350を蓋アセンブリ3300に組み付けることができる。
【0130】
1つの実例では、閉鎖具3311は、断熱デバイスを1.82メートル(6フィート)の距離から落下させたときに液体が開口部から出るのに耐えるような防水性を実質的に有し得る。この試験では、断熱デバイスを水で完全に満たし、次いで、1.82メートル(6フィート)からコンクリート表面上へと、断熱デバイス3010のこの場合6面である面の各々を下にして落下させた。
【0131】
実例としての断熱デバイス3010を試験して氷維持力を判定した。この場合、氷維持力試験を利用して、実例としての断熱デバイス3010の断熱特性を判定できる。例示的な試験では、断熱デバイス3010を氷で満たしたときの-17.7℃(0°F)から10℃(50°F)までの上昇の継続時間を、以下の試験パラメータに従って判定した。特定の実例では、0.5時間~1.5時間の継続時間中に断熱デバイスの温度は-17.7℃(0°F)から-12.2℃(10°F)まで上昇し、22時間~28時間の継続時間中に断熱デバイスの温度は-12.2℃(10°F)から0°F(50°F)まで上昇し、24時間~30時間の継続時間中に断熱デバイスの温度は-17.7℃(0°F)から10℃(50°F)まで上昇する。
【0132】
以下の試験を用いて氷維持力を試験した。試験から24時間を切る前に、以下のステップを実行する。
【0133】
試験用保冷容器の内外に汚れがないことを確実にする。
【0134】
試験用保冷容器に一意の目印を付け、目印及び説明を試験ログ又はメモに記録する。
【0135】
ダクト・テープを用いて、熱電対(T)を試験用保冷容器(C)の略中央に設置する。
【0136】
熱電対の先端は、保冷容器の床から上に約2.54センチメートル(1インチ)にあるものとする。(適切な熱電対の設置の実例については
図11を参照のこと)。
【0137】
試験用保冷容器を蓋を開けた状態で最低24時間室内に入れておくことによって、試験用保冷容器を調整する(周囲温度18.3~23.8℃(65~75°F))。
【0138】
以下の等式を用いて、試験に必要な氷の量を(45.3グラム(0.1lbs)単位で)計算する。
【0139】
保冷容器あたりの氷=0.24kg(0.52lbs)×保冷容器のリットル(クオート)容量
【0140】
必要な氷=保冷容器あたりの氷×保冷容器の数
【0141】
氷を使用の最低24時間前に冷凍庫(-26.1~-20.5℃(-15~-5°F))に入れることによって、氷を調整する。
【0142】
試験の当日、以下のステップを実行する。
【0143】
試験機器を揃える
【0144】
熱チャンバを37.7℃(100°F)の温度にする
【0145】
秤-秤を試験用の氷の入った冷凍庫の近くに設置する
【0146】
データ・ロガー-データ・ロガーの電池が充電されていることを確認する
【0147】
試験手順は以下の通りである。
【0148】
試験用保冷容器を試験用の氷の入った冷凍庫に入れる。
【0149】
試験用保冷容器を秤に載せ風袋引きを行う。
【0150】
試験用の氷をハンマーで砕く。
【0151】
秤を基準に用いて、試験用保冷容器を必要量の氷で素早く満たす。
【0152】
氷が試験用保冷容器全体に確実に均等に分散するようにする。
【0153】
熱電対のコネクタ端部が試験用保冷容器の外側にあることを確認し、保冷容器の蓋を閉じ固定する。
【0154】
残りの試験用保冷容器に対してステップを繰り返す。
【0155】
保冷容器を、全てが同じ量の直射日光及び気流を受ける(保冷容器同士が邪魔し合わない)ようにして、試験領域内に配置する。
【0156】
全ての熱電対をデータ・ロガーに接続する。
【0157】
全ての熱電対の読みをチェックして、全ての接続が完了しており各チャンネルが適切に記録を行っていることを確認する。(注:各試験用保冷容器内部の開始温度は<-12.2℃(10°F)であるものとする)。
【0158】
データ・ロガーの電源を入れ、10分未満の間隔で記録された温度を記録するように設定する。
【0159】
記録を開始し試験ログに時間をメモする。
【0160】
各試験用保冷容器の内部温度が≧10℃(50°F)になるまで試験を継続する。
【0161】
記録を停止する。
【0162】
熱電対をデータ・ロガーから外す。
【0163】
データ・ロガーからデータを受け取る。
【0164】
試験領域から試験用保冷容器を取り出す。
【0165】
試験用保冷容器を空にして乾燥させる。
【0166】
試験用保冷容器から熱電対を取り外す。
【0167】
上記の手順に従って2つのサンプルを試験した。その結果を以下に表す。
【0168】
【0169】
図35A~
図36Bは、別の例示的な断熱デバイス5010の様々な図を示す。実例としての断熱デバイス5010は、上で
図24~
図30と関連して検討した実例と同様である。様々な図の全てにおいて、同様の参照符号は類似の機能性の同じ又は類似の要素を指す。したがって、これらの要素については詳細には記載しない。ただし、この実例では、例示的な断熱デバイス5010はより小さいサイズで形成することができ、頂部持ち手5216を含むことができ、任意選択的な補強シート又はパネルを含んでもよい。それでもなお、本明細書で検討する断熱デバイスの実例が、同様の頂部持ち手及び補強シート又はパネルを含んでもよいことが企図されている。
【0170】
図36A及び
図36Bは、実例としての蓋アセンブリ5300の部分的な図を示す。
図35Aは、実例としての蓋アセンブリ5300の部分断面図を示す。実例としての蓋アセンブリ5300は、上記の実例と類似しているが、蓋アセンブリ5300において補強シート又はパネル5217を更に含み得る。
図36Bは、補強シート5217を説明するための、実例としての蓋アセンブリの部分的な上面図を示す。補強シート又はパネル5217は、持ち手5216及び蓋アセンブリ5300のたわみの防止を補助するように構成されている。補強シート又はパネル5217は、外側ライナ5501、断熱層5502、及び内側層5500と比較して、相対的に剛性の高い材料のシートとすることができる。1つの特定の実例では、補強シート又はパネル5217は、好適なポリマー又はプラスチック、例えばポリエチレンで形成することができる。ただし、任意のより剛直な可撓性材料を使用してもよく、また他の実例では、熱成形されたPE、TPU射出成形されたカスタムの構成要素を含んでもよい。
【0171】
特定の実例では、補強シート又はパネル5217は平坦、波形であり得るか、又はハニカム状の構成を有し得る。ただし、パネル5217は、持ち手5216のたわみの防止を補助するための他のパターンを含み得る。特定の実例では、補強シート又はパネルの厚さは1~3mmであり得る。補強シートはカバーを含んでもよく、このカバーは特定の実例では、カバーを水が通過するのを防止するように構成され得る。他の実例では、持ち手を補強するための追加のファブリックを含んでもよい。
【0172】
持ち手5216を支持するために、蓋アセンブリ5300上に補強領域又はパッチ5320を含めることができる。特定の実例では、パッチ5320は蓋アセンブリ5300に溶接することができる。ただし、パッチ5320はまた、完全に省略されてもよい。持ち手5216は、糸5219を介して蓋アセンブリ5300及び補強パネル5217に縫い付けられてもよい。持ち手5216はまた、蓋アセンブリを貫通して延在し、補強パネル5217に直接接続されてもよい。更に、糸を使用する代わりに、1つ又は複数の溶接部、ボルト又は他のねじ山状の接続部、バヨネット、玉継ぎ手などによって、持ち手5216を補強シート又はパネル5217に接続することができる。他の接続方法は、層5501A1又は5501A2のいずれかに1つ又は複数のスロットを、及び補強シート又はパネル5217に1つ又は複数のスロット内に位置付けられ得る1つ又は複数の対応する突出部を設けることを含んでもよく、このことにより、断熱デバイス5010の蓋アセンブリ5300への、シート又はパネル5217のより高度な接続が可能になる。持ち手5216内にワイヤフレーム又は鋼線を設置することもでき、これは持ち手5216の全体に延在する。ワイヤフレーム又は鋼線をシート又はパネル5217に挿通して、持ち手を蓋アセンブリ5300に固着することができる。持ち手のたわみを防止するためのより剛性の高い構造を提供する目的で、蓋アセンブリ及び/又は持ち手の全部又は一部を射出成形できることもまた、企図されている。
【0173】
持ち手5216と補強パネル5217との間の接続部はまた、それぞれTPU被覆ナイロン積層体及び圧縮成形EVA材料であり得る、別々の層5501A1、5501A2の間の分離の問題を防止するのにも役立つ。この実例では、持ち手と補強パネルとの間の接続部は、蓋の中に水を通す場合がある。しかしながら、同時にこの接続部により、中にある何らかの液体が、蒸発によって接続部が形成する開口部を通って漏れることが可能になる。ただし、持ち手と補強パネルとの間の接続部はまた、蓋アセンブリ内に入る水分の量を制限するような防水性又は耐水性も有し得ることも、企図されている。
【0174】
また持ち手5216は、1000Dナイロン又は他の好適なポリマーで形成することができ、50mmのウェビングを含んでもよい。更に、持ち手5216は、持ち手の把持部分に芯材を含んでもよい。1つの実例では、芯材は好適なフォーム、例えば5mmポリエチレン製スポンジ・フォームであってもよい。蓋アセンブリ5300と本体アセンブリ5350との間の封止部は、断熱デバイス5010が封止され内容物で満たされているときの、持ち手による衝撃荷重に耐えるように構成され得ることが企図される。それでもなお、断熱デバイス5010に入れて重い物品を搬送するための、蓋アセンブリ5300を本体アセンブリ5350に連結する側部ブリッジもまた企図されている。
【0175】
図37~
図41Bは、断熱デバイス6010の別の実施例を示す。実例としての断熱デバイス6010は、上記の実例と類似の構造のものとすることができ、同様の参照符号は、参照符号3XXX及び5XXXと類似の機能性を有する類似の特徴を表す。同様の参照符号6XXXを有するこれらの特徴については、説明が限られているか又は全くされていないが、これらの機能性は、その対応する3XXX及び5XXXの参照符号と同じままである。この実例では、
図37~
図41Bに見ることができるように、閉鎖具6311及び開口部6512は、第1の側壁6507A、第2の側壁6705B、及び第3の側壁6507Cを貫通して、及び部分的に断熱デバイス6010の第4の側壁6507Dを貫通して、形成され得る。更に、開口部6512は、
図40A~
図41Bに示されているように、内側チャンバ6504へのアクセスを可能にするように構成されている。上記の実例の場合と同様に、閉鎖具6311は、断熱デバイス6010がどのような配向であっても液体が開口部6512から出るのに耐えるような防水性を実質的に有し得る。
【0176】
上で検討したように、断熱デバイス6010は、1つ又は複数の持ち手6210、6212と、リング6214と、様々な物品、例えばストラップ(肩)、カラビナ、ドライ・バッグ、鍵、格納ケース、等を取り付けるための、ウェビング・ループ6224と、を含んでもよい。リング6214はD-リングとすることができ、断熱デバイスを容易に運搬できるように、これらD-リングに肩ストラップ(図示せず)を接続することができる。またリング6214は、取り付け箇所6312において断熱デバイス6010に取り付けることができ、取り付け箇所3213は、リング6214を受け入れるためのスロットも形成する、ループ又はストラップ6315aを形成し得る。例えば、ストラップ6315a、6315bは、対応する第2の側壁6507B及び第3の側壁6507C上に、単一のループを各々形成している。ストラップ6315a、6315bは、リング6214を受け入れるように形成されているループの一方側だけが、その対応する側壁6507B、6507Cに接続されていてもよい。例えば、
図37~
図39に示すように、ストラップ6315aは、リング6214を受け入れるように形成されているループの下方で、側壁6507Cに接続されている。別法として、ストラップ6315a、6315bは、対応するリング6214を受け入れるように形成されているループの上方で、その対応する側壁6507B、6507Cに接続されていてもよい。
【0177】
ここでも、上記の実例と同様に、外側シェル6501はまた、任意選択的な持ち手、ストラップ、及びウェビング・ループ(例えば6210、6212、6213、6214、6224)を構造的に支持するのを補助するように構成されている、複数の補強領域又はパッチ6320を含み得る。持ち手又はストラップ(例えば6210、6212、6213、6214、及び6224)並びに他の付属品は、糸6222を用いてパッチに縫着することもできる。特定の実例では、これらの糸6222は、外側シェル6501を貫通して断熱層6502内へと延在することはない。任意選択的な持ち手又はストラップをパッチ6320に縫い付けることができ、パッチ6320を外側シェル6501にRF溶接することができる。また、他の実例では、パッチ6320を外側シェル6501に縫い付けること又は接着することができる。縫着作業に起因する開口により、断熱デバイス6010の外側シェル6501及び内側ライナ6500によって画定される内部への通気性がもたらされる。更に、持ち手又はストラップを断熱デバイス6010に固着するための他の技法が企図されている。
【0178】
任意選択的に、又は断熱デバイス3010及び5010の構成に関して上記した通気構成に加えて、断熱デバイス6010は、外側シェル6501を貫通して延在する複数の通気穴6325を有し得る。
図39の分解図は、パッチ6320の下、更には任意選択的な持ち手又はストラップ6210、6212の下に配置されている、複数の通気穴6325を示す。複数の通気穴6325は、
図39に示す3つの穴6325などの、任意の数の穴を備えてもよい。任意選択的に、複数の穴6325は、2つの穴、4つの穴、又は4つより多い穴から構成されてもよい。複数の穴6325は、断熱デバイス6010の外部から見えないようにパッチ6320の下に配置されるような、直線状のパターンで形成されてもよい。更に、複数の穴6325は、約3mmの、又は2mmと4mmとの範囲内の、直径を有し得る。通気穴6325は、内側ライナ6500と外側シェル6501との間に捕らえられている気体の通気を助けることができる。
【0179】
図40A及び
図40Bは、断熱デバイス6010の断熱層6502の代替の実施例を示す。断熱層6502は下側断熱層部分6502Bを備えてもよく、この部分は、断熱材料6の第1のシートと、断熱材料6502B2の第2のシートとを含んでもよい。上記の実例と同様に、断熱材料6502B1の第1のシート及び断熱材料6502B2の第2のシートは、下側内側ライナ部分6500B又は下側外側シェル部分6501Bのどちらにも取り付けられていない、断熱材料の自由浮動層であり得る。ただし、断熱材料6502B1の第1のシート及び断熱材料6502B2の第2のシートを、下側内側ライナ部分6500B又は下側外側シェル部分6501Bのどちらかに取り付け可能であることもまた企図されている。更に、下側断熱層部分6502Bが単一の一体部片で形成されることもまた企図されている。
【0180】
上側断熱層部分6502Aは蓋アセンブリ6300に接続されてもよく、蓋アセンブリは、上側断熱層部分6502Aの、開口部6512を閉じるように適合されている閉鎖具6311を越えて延在する部分を少なくとも含む。上側断熱層部分6502Aは閉鎖具6311を越えて延在し得るので、上側断熱層部分6502Aの一部及び上側内側ライナ部分6500Aは、閉鎖具6311が格納区画6504の断熱を改善するために封止されるとき、下側内側ライナ部分6500B及び下側断熱層部分6502Bに接触し得る。例えば、閉鎖具6311は、上側内側ライナ部分6500Aを、下側内側ライナ部分6500Bの頂部ストリップ6500B1に接触させることができる。任意選択的に又は更に、上側断熱層部分6502Aの一部は、閉鎖具6311に対応しその空間を提供するために、内向きにテーパしていてもよい。更に、上側断熱層部分6502Aは、断熱容器6010を閉鎖具6311の長さに沿って断熱するために、閉鎖具6311の長さに沿って延在してもよい。更に、上側断熱層部分6502Aは、ヒンジ6503の長さに沿って断熱するために、ヒンジ6503の長さに沿って延在してもよい。
【0181】
断熱層6502は複数の厚さを有し得る。例えば、上側断熱層部分6502Aは、下側断熱層部分6502Bの厚さよりも大きい厚さ、並びに/又は断熱層部分6502B1及び6502B3の厚さよりも大きい厚さを有してもよい。
図40Aに示すように、上側断熱層部分6502Aは、約51mmであるか又は38mm~64mmの範囲内である一定の厚さを有することができ、一方、側壁6507A、6705B、6507C上の下側断熱層部分6502B2及び断熱層部分6502B1、6502B3は、約38mmであるか又は25.4mm~51mmの範囲内である一定の厚さを有し得る。更に、上側断熱層部分6502Aの厚さは、側壁6507A、6705B、6507Cのうちの少なくとも1つの、上側断熱層部分6502Aの厚さ対下側断熱層部分6502Bの厚さの比として表してもよく、この比は約1.3:1、又は1.2:1と1.5:1との範囲内であり得る。別法として、上側断熱層部分6502Aの厚さは、上側断熱層部分6502Aの厚さ対断熱デバイス6010の全体高さの比の関数として表してもよく、この場合、全体高さ6513は、本体アセンブリ6350の底部に対する蓋アセンブリ6300の頂部の垂直距離として定められる。例えば、
図40Aに示す実施例では、上側断熱層部分6502Aの厚さ対断熱デバイス6010の全体高さ6513の比は、約6.5:1であってもよく、又は5.8:1~7.2:1の範囲内であってもよい。更に、側壁6507A、6705B、6507C上の下側断熱層部分6502Bの厚さは、断熱デバイスの全体幅の関数として表してもよい。例えば、少なくとも1つの側壁に接続されている下側断熱層部分6502Bの厚さと比較した断熱デバイス6010の全体幅6519は、約11.5:1、又は10.3:1~12.7:1の範囲内であり得る。
【0182】
図41A及び
図41Bは、蓋アセンブリ6300に接続されている上側断熱層部分6502Aが、開口部6512を閉じるように適合されている閉鎖具6311を越えて延在する上側断熱層部分6502Aの少なくとも一部を含む、別の実施例を示す。
図41A及び
図41Bに示すように、上側断熱層部分6502Aは、複数の構成要素を備えてもよい。例えば、上側断熱層部分6502Aは、蓋アセンブリの頂部のより近くにある実質的に均一な厚さの断熱層部分6502Dと、上側断熱層部分6502Aの周縁縁部6515の周囲にある断熱リング6502Fと、を備えてもよい。断熱リング6502Fは断熱シート6502Dの下方に延在してもよく、断熱シート6502Dの円周部に近似した形状を有してもよい。上側断熱層部分6502Aは閉鎖具6311を越えて延在し得るので、断熱リング6502Fの一部及び上側内側ライナ部分6500Aは、閉鎖具6311が格納区画6504の断熱を改善するために封止されるとき、下側内側ライナ部分6500B及び下側断熱層部分6502Bに接触し得る。例えば、閉鎖具6311は、上側内側ライナ部分6500Aを、下側内側ライナ部分6500Bの頂部ストリップ6500B1に接触させることができる。上側内側ライナ部分6500Aは、閉鎖具6311の上方に延在するヘッドスペース6527が形成されるように、上側断熱層6502Aの輪郭に追従してもよい。更に、上側断熱層部分6502Aの断熱リング6502Fは、断熱容器6010を閉鎖具6311の長さに沿って断熱するために、閉鎖具6311の長さに沿って延在してもよい。更に、上側断熱層部分6502Aの断熱リング6502Fは、ヒンジ6503の長さに沿って断熱するために、ヒンジ6503の長さに沿って延在してもよい。
【0183】
上側断熱層部分6502Aは、周縁縁部6515の周囲の第1の厚さ及び中央部分6517における第2の厚さを含み得る、複数の厚さを有し得るため。断熱リング部分6502Fの厚さは、均一な厚さの断熱層部分6502Dの厚さよりも大きくてもよい。更に、上側断熱層部分6502Aの周縁縁部6515における均一な厚さの断熱層部分6502D及び断熱リング部分6502Fの両方を組み合わせた厚さとして定義される全体厚さは、上側断熱層部分6502Aの中央部分6517の全体厚さよりも大きい。周縁縁部6515における組み合わせた全体厚さの厚さは、周縁縁部6515における組み合わせた全体厚さ対上側断熱層の中央部分の厚さの比として表してもよく、この比は約2.25:1、又は2:1~2.5:1の範囲内であり得る。任意選択的に又は更に、上側断熱層部分6502Aの一部は、閉鎖具6311及びヒンジ6503に対応し閉鎖具6311の空間及びヒンジ6503の空間を提供するために、断熱リング部分6502Fの各側部でテーパしていてもよい。別法として、上側断熱層部分6502Aは、単一の一体部片として、断熱リング部分6502Fを有して形成されてもよい。
【0184】
図42には、本明細書に記載する1つ又は複数の態様に係るエアロゲル断熱構造体7800又はエアロゲル構造体7800が、概略的に描写されている。エアロゲル断熱構造体7800のこの概略的な図は、本開示中のあらゆる図において使用され得る。したがって、使用される場合、エアロゲル断熱構造体7800は、とりわけ
図43~
図51に関連して記載した実装態様のうちの、1つ又は複数を含んでもよい。更に、これらの開示のいずれで使用される場合にも、エアロゲル断熱構造体7800は、これらの開示の範囲から逸脱することなく、単一の又は個別の複数のエアロゲル断熱構造体7800を表し得ることが企図されている。
【0185】
1つの実例では、エアロゲル断熱構造体7800は、別の構造体、例えばこれらの開示の全体にわたって記載されているような1つ又は複数の断熱デバイスの、中又は周囲に配置されるように構成されている、剛性又は半剛性の構造体を表し得る。エアロゲル断熱構造体7800は
図42では単純な矩形形状として概略的に描写されているが、エアロゲル断熱構造体7800が、これらの開示の範囲から逸脱することなく任意の3次元幾何形状を有して構成され得ることが、企図されている。1つの実例では、エアロゲル断熱構造体7800の幾何形状は、1回又は複数回の型成形工程、機械加工工程、及び/又は化学的工程によって形成されてもよく、この結果、エアロゲル断熱構造体7800は、特定の構造体又は構造体の一部の中又は周囲に嵌合するような形状とされる。更に、エアロゲル断熱構造体7800は変形可能であってもよく、加えられる圧力に応じて変形し、別の幾何学的特徴に、例えば、エアロゲル断熱構造体7800が中に又は表面に配置されるように構成されている断熱デバイスの壁又は空洞に、追従するように構成されてもよい。1つの実例では、エアロゲル断熱構造体7800は、最初は一部又は全体が変形可能でありその後一部又は全体が硬化する材料として製造されてもよい。この場合、エアロゲル断熱構造体7800は、別の幾何学的特徴の表面への噴霧又は中への射出によって配置することができ、エアロゲル断熱構造体7800は、その後、変形可能な構造体から一部又は全体が剛性の構造体へと移行できるようになっている。
【0186】
エアロゲル断熱構造体7800が別の表面(
図42には図示せず)に結合されてもよいことが企図されている。この他の表面は、空洞内の内面、又は断熱デバイス(例えばデバイス10)などの別の構造体の外面であってもよい。この結合は取り外し可能であっても取り外し不可能であってもよく、接着剤、締まり嵌め、溶接、縫着、及び/又は1つ若しくは複数の固定具、或いはこれらの組み合わせを使用してもよい。エアロゲル断熱構造体7800が、他の表面とは結合しないように、別の構造体内に固定されない状態で配置されてもよいことが更に企図されている。
【0187】
別の実例では、エアロゲル断熱構造体7800は、別の構造体内にオーバーモールド成形されてもよいか、又は、エアロゲル断熱構造体7800の周囲に構造体の部品を回転溶接することによって、別の構造体内に封入されてもよい。
【0188】
図43には、本明細書に記載する1つ又は複数の態様に係るエアロゲル断熱構造体7800の一実装態様が、概略的に描写されている。1つの実例では、エアロゲル断熱構造体はエアロゲル材料7802を含み、これはこれ以外に、エアロゲル断熱部7802、エアロゲルフォーム7802、又はエアロゲル7802と呼ばれる場合もある。有利には、エアロゲル7802は、これらの開示の全体を通して記載されている断熱構造体のうちの1つ又は複数などの構造体内で使用されると、全体的な/組み合わせた熱伝導率を下げることができる。更に、密度がより低いので、エアロゲル7802により、構造体の全体重量が、同等の熱性能を有するがエアロゲルは使用しない構造体と比較すると、小さくなる場合がある。これらの開示の範囲から逸脱することなく、任意のエアロゲルの種類(材料の種類)、任意の物理特性(とりわけ熱伝導率、密度)、並びに/又は寸法特性(とりわけ孔径、長さ、幅、及び厚さの寸法)を使用してもよいことが、企図されている。例えば、エアロゲル7802としてはとりわけ、シリカ・エアロゲル、炭素エアロゲル、金属酸化物エアロゲル、若しくは有機ポリマー・エアロゲル、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。1つの実例では、エアロゲル7802の熱伝導率は、いくつかの実例において、とりわけ0.1W/m・K以下、0.03W/m・K以下、又は0.01W/m・K以下であり得る。ただし、任意の熱伝導率を有するエアロゲルをこれらの開示の範囲から逸脱することなく使用できることが企図されている。
【0189】
図44には、本明細書に記載する1つ又は複数の態様に係るエアロゲル7802の一実装態様が、概略的に描写されている。1つの実例では、エアロゲル7802は、外部シェル7804によって取り囲まれ得る、内部構造7806を含んでもよい。外部シェル7804は、エアロゲル7802の周囲の外部環境から内部構造7806の一部又は全体を封止する防壁を含んでもよい。この場合、外部シェル7804は、部分的に又は全体を空気及び/又は水が透過できない材料を含んでもよい。更に、外部シェル7804は、一部又は全体が変形可能であってもよい。外部シェル7804は、任意のポリマー、繊維強化材料、金属、合金、又はこれらの組み合わせを含んでもよいことが企図されている。エアロゲル7802の内部構造7806は、エアロゲルの構造フレームを含んでもよい。この構造フレームは連続的であってもよく、又は、いくつかの別個の部分を含んでもよい。更に、内部構造7806はとりわけ、エアロゲル粉末を含んでもよい。別の実例では、内部構造7806は、繊維ガラスと組み合わせたエアロゲルを含んでもよい。
【0190】
図45には、本明細書に記載する1つ又は複数の態様に係るエアロゲル7802の別の実装態様が、概略的に描写されている。これによれば、一実装態様では、エアロゲル7802は、真空断熱パネル構造体7808内で使用され得る。1つの実例では、エアロゲルの格子により、真空下で真空断熱パネル構造体7808の形態を維持する保持構造を提供できる。この点に関して、これらの開示の範囲から逸脱することなく、任意の真空断熱パネルのシェル材料及び真空レベルを使用できることが企図されている。
【0191】
図46には、本明細書に記載する1つ又は複数の態様に係るエアロゲル7802の別の実装態様が、概略的に描写されている。これによれば、1つの実例では、エアロゲル7802は、複数の真空断熱パネル構造体7808A~7808cを含み得る。更に、これらの開示の範囲から逸脱することなく、エアロゲル7802内で任意の数の真空断熱パネル構造体を任意の構成で使用できることが企図されている。
【0192】
図47には、本明細書に記載する1つ又は複数の態様に係るエアロゲル7802の別の実装態様が、概略的に描写されている。1つの実例では、エアロゲル7802は、表面に又は中にエアロゲル7802が配置される構造体の角及び/又は湾曲部の周囲に、巻かれる、曲げられる、及び/又は折り畳まれるように、構成されてもよい。この場合、エアロゲル7802の層又はパネルは、幾何的特徴、例えば、エアロゲル7802の曲げ及び/又は折り畳みを容易にするスカイビング特徴7810A~7810hを含んでもよい。
【0193】
図48には、本明細書に記載する1つ又は複数の態様に係るエアロゲル断熱構造体7800の別の実装態様が、概略的に描写されている。1つの実例では、エアロゲル7802は別の断熱層7810と組み合わせて使用され得る。したがって、断熱層7810は断熱層502と同様であってもよく、とりわけ、NBR/PVC混合フォーム、PVCを含まないNBRフォーム、又は他の環境に優しいタイプのフォーム、又はこれらの組み合わせなどの、断熱フォームを含んでもよい。断熱層7810を、1つ若しくは複数の接着剤によって、1つ若しくは複数の溶接工程によって、縫着、及び/又は1つ若しくは複数の固定具(とりわけ、リベット、ねじ、ステープル、釘)によって、エアロゲル7802に結合してもよいことが、企図されている。一実装態様では、エアロゲル7802及び断熱層7810は、エアロゲル7802及び/又は断熱層7810の製造のために使用される1つ又は複数の工程中に、互いに結合されてもよい。別の実例では、エアロゲル7802及び断熱層7810は互いに結合されていなくてもよく、固定されない状態で互いの近くに配置されてもよい。
【0194】
エアロゲル断熱構造体7800は、別の構造体内に任意の配向で配置され得ることが企図されている。例えば、エアロゲル7802の層は、断熱デバイス(例えば断熱デバイス10)内で内側に配向するように配置されてもよく、断熱層7810は外側に配向する。したがって、エアロゲル7802は、断熱層7810よりも、レセプタクル504などの内部格納区画の近くに配置することができる。ただし、エアロゲル断熱構造体7800の配向は、これらの開示の範囲から逸脱することなく反対にすることができる。エアロゲル7802及び/又は断熱層7810が、これらの開示の範囲から逸脱することなく任意の厚さ値を有し得ることもまた、企図されている。
【0195】
図49には、本明細書に記載する1つ又は複数の態様に係るエアロゲル断熱構造体7800の別の実装態様が、概略的に描写されている。1つの実例では、2つの断熱層7810a及び7810bの間に、エアロゲル7802の層が配置されてもよい。これらの開示の範囲から逸脱することなく、エアロゲル7802及び断熱層7810の追加の対応する層又は交互の層を使用できることが、更に企図されている。
【0196】
図50には、本明細書に記載する1つ又は複数の態様に係るエアロゲル断熱構造体7800の別の実装態様が、概略的に描写されている。1つの実例では、エアロゲル7802と断熱層7810との間に、防壁構造、又は層7812を配置してもよい。防壁構造7812は、エアロゲル7802及び/若しくは断熱層7810の互いの接着の改善を促進できる、並びに/又は、エアロゲル7802及び断熱層7810の互いからの分離を維持するのに役立ち得る。防壁構造7812は、これらの開示の範囲から逸脱することなく、任意のポリマー、金属、合金、若しくは繊維強化材料、又はこれらの組み合わせから構築されてもよいことが企図されている。
【0197】
図51には、本明細書に記載する1つ又は複数の態様に係るエアロゲル断熱構造体7800の別の実装態様が、概略的に描写されている。これによれば、エアロゲル断熱構造体7800は、断熱層材料7810a~7810f及びエアロゲル7802a~7802fの、複数の無作為に離間された部分を含んでもよい。
【0198】
図52には、本明細書に記載する1つ又は複数の態様に係る断熱デバイス7010の別の実装態様が描写されている。1つの実例では、断熱デバイス7010は、断熱デバイス3010及び/又は断熱デバイス5010と同様であってもよい。同様の参照符号は、類似の機能性を有する同じ又は類似の要素を指す場合があることが企図されている。この場合、同様の参照符号は、既に記載した要素と最後の3つの数字が同じであり得る。1つの具体的な実例では、断熱デバイス7010の蓋アセンブリ7300は蓋アセンブリ3300及び/又は5300と同様であり得るが、その理由は、これらの要素の最後の3つの数字(300)が全て同じだからである。別の実例では、最後の3つの数字が同じでその後ろに文字又は文字と数字の組み合わせが続く要素もまた、類似の機能性を有する類似の要素を表し得る。例えば、要素7500B2は要素5500B2と同様であり得る。したがって、同様の参照符号を有するこれらの類似の要素の既出のどの説明も、ここで説明を繰り返すまでもなく、断熱デバイス7010及び蓋アセンブリ7300に適用可能であると想定されている。
【0199】
図53には、
図52に概略的に描写されている断熱デバイス7010の線53-53に沿った断面図が概略的に描写されている。1つの実例では、断熱デバイス7010は、既に記載したように、エアロゲル断熱構造体7800を使用してもよい。加えて又は別法として蓋アセンブリ7300内で、1つ又は複数のエアロゲル断熱構造体7800を使用してもよい。更に、エアロゲル断熱構造体7800を、まとめて断熱層7502と呼ぶ場合のある断熱層7502、7502A、7502B1、7502B2と組み合わせて使用してもよい。これらの断熱層7502は、既に記載したように、1つ又は複数の断熱フォームを含んでもよい。断熱層7502及びエアロゲル断熱構造体7800を、1つ又は複数の接着剤を使用して1つに接着してもよい。ただし、任意の結合の種類又は手法を、これらの開示の範囲から逸脱することなく利用してもよいことが企図されている。この場合、断熱層7502及びエアロゲル断熱構造体7800を、組み合わされた又は連続的なユニット又は構造体と呼ぶ場合のあることが企図されている。
【0200】
1つの実例では、断熱層7502及び/又はエアロゲル断熱構造体7800は、固定されない状態で内側ライナ7500と外側シェル7501との間に配置されてもよい。この場合、断熱層7502及び/又はエアロゲル構造体7602は、内側ライナ7500と外側シェル7501との間で浮動するものとして記載され得る。別法として、断熱層7502及び/又はエアロゲル構造体7602のうちの1つ又は複数は、内側ライナ7500と外側シェル7501のうちの1つ又は複数に結合されてもよい。更に、任意の接着剤及び/又は結合機構を、これらの開示の範囲から乖離することなく使用してもよいことが企図されている。
【0201】
一実装態様では、及び
図53に概略的に描写されているように、エアロゲル断熱構造体7800は(内部チャンバ7504の近くの)内側で使用されてもよく、1つ又は複数の断熱層7502は、断熱デバイス7010及び蓋アセンブリ7300の外側で使用されてもよい。ただし、これらの開示の範囲から逸脱することなく、エアロゲル断熱構造体7800は別法として外側で使用されてもよく、断熱層7502は断熱デバイス7010及び蓋アセンブリ7300の内側で使用されてもよいことが企図されている。
【0202】
とりわけ熱特性の向上及び/又は重量低減を実現するために、1つ又は複数のエアロゲル断熱構造体7800の構造を、本開示の全体を通して記載されている断熱容器、構造体、及び/又はデバイスのいずれかと共に使用してもよいことが、更に企図されている。
【0203】
1つの実例では、断熱デバイス7010及び/又は蓋アセンブリ7300の1つ又は複数の構造体が変形される際に、エアロゲル断熱構造体7800が確実に曲がる及び屈曲するよう構成され得るように、エアロゲル断熱構造体7800は剛性を有してもよいか、又は一部若しくは全体が変形可能であってもよい。
【0204】
図54には、本明細書に記載する1つ又は複数の態様に係る、断熱デバイス8010及び蓋アセンブリ8300の代替の実装態様の断面図が、概略的に描写されている。断熱デバイス8010は断熱デバイス7010と同様であってもよく、蓋アセンブリ8300は蓋アセンブリ7300と同様であってもよい。ただし、断熱デバイス8010及び蓋アセンブリ8300は、断熱デバイス7010において使用される断熱層7502を有さないエアロゲル断熱構造体7800と、蓋アセンブリ7300と、を使用してもよい。
【0205】
図55には、断熱デバイス9010及び蓋アセンブリ9300の代替の実装態様の別の断面図が、概略的に描写されている。1つの実例では、断熱デバイス9010及び蓋アセンブリ9300はそれぞれ、断熱デバイス6010及び蓋アセンブリ6300と同様であってもよい。ただし、断熱デバイス9010及び蓋アセンブリ9300は、エアロゲル断熱構造体7800を含み得る。前記のように、同様の参照符号は、類似の機能性を有する同じ又は類似の要素を指す場合があることが企図されている。同様の参照符号は、既に記載した要素と最後の3つの数字が同じであり得るか、又は、最後の3つの数字が同じでその後ろに文字若しくは文字と数字の組み合わせが続き得る。したがって、同様の参照符号を有するこれらの類似の要素の既出のどの説明も、ここで説明を繰り返すまでもなく、断熱デバイス9010及び蓋アセンブリ9300に適用可能であると想定されている。
【0206】
したがって、蓋アセンブリ9300は、上側断熱層部分9502A及び上側エアロゲル断熱構造体7800Aの1つ又は複数の周縁縁部9515の周囲に、断熱リング9502F及びエアロゲル断熱構造体7800Fを含んでもよい。上側断熱層部分9502Aは閉鎖具9311を越えて延在し得るので、断熱リング9502F及びエアロゲル・リング構造体9602Fの一部及び上側内側ライナ部分9500Aは、閉鎖具9311が格納区画9504の断熱を改善するために封止されるとき、下側内側ライナ部分9500B及び下側断熱層部分9502Bに接触し得る。
【0207】
図55に描写されているように、蓋アセンブリ9300及び断熱デバイス9010は、断熱層部分9502に結合されているエアロゲル断熱構造体7800を含んでもよい(
図55における断熱層部分9502のラベルは、断熱デバイス9010及び/又は蓋アセンブリ9300の同じ又は類似の断熱材料の特定の場所を識別するための追加の文字及び数字を含んでもよく、例えば、9502A、9502B、9502B1、9502B2、9502F、9502Dである)。既に記載したように、エアロゲル断熱構造体7800は、1つ又は複数の接着剤及び/又は固定具によって、断熱層部分9502に結合されてもよい。別の実例では、エアロゲル断熱構造体7800のうちの1つ又は複数が、固定されない状態で断熱層部分9502のうちの1つ又は複数に近接して配置され得る。
【0208】
図56には、本明細書に記載する1つ又は複数の態様に係る断熱デバイス10010及び蓋アセンブリ10300の断面図が、概略的に描写されている。1つの実例では、断熱デバイス10010は断熱デバイス6010と同様であってもよく、蓋アセンブリ10300は蓋アセンブリ6300と同様であってもよい。ただし、断熱デバイス10010及び蓋アセンブリ10300は、エアロゲル断熱構造体7800を含み得る。ただし、断熱デバイス6010及び蓋アセンブリ6300の要素の先の説明は、断熱デバイス10010及び蓋アセンブリ10300の同様の参照符号を有する要素に適用可能であり得る。
【0209】
図57には、本明細書に記載する1つ又は複数の態様に係る断熱デバイス11010の断面図が、概略的に描写されている。1つの実例では、断熱デバイス11010は断熱デバイス10と同様であってもよい。ただし、断熱デバイス11010は、エアロゲル断熱構造体7800を含み得る。それでもなお、断熱デバイス10の要素の先の説明は、断熱デバイス11010の同様の参照符号を有する要素に適用可能であり得る。
【0210】
図58には、本明細書に記載する1つ又は複数の態様に係る断熱デバイス12010の断面図が、概略的に描写されている。1つの実例では、断熱デバイス12010は、
図21に関連して記載したように、断熱デバイス4010と同様であってもよい。ただし、断熱デバイス12010は、エアロゲル断熱構造体7800を含み得る。それでもなお、断熱デバイス4010の要素の先の説明は、断熱デバイス12010の同様の参照符号を有する要素に適用可能であり得る。
【0211】
図59には、本明細書に記載する1つ又は複数の態様に係る断熱容器13001及び蓋構造体13003の等角図が、概略的に描写されている。1つの実例では、断熱容器13001は、実質的に直方体形状を有してもよく、1つ若しくは複数のポリマー、金属、合金、繊維強化材料、又はこれらの組み合わせから構築されてもよい。一実装態様では、蓋構造体13003は、断熱容器13001にヒンジ式に結合されてもよい。例えば、蓋構造体13003は、断熱容器13001の頂部部分13007の第1の縁部13005に沿って、断熱容器13001にヒンジ式に結合されてもよい。
【0212】
一実装態様では、断熱容器13001及び蓋構造体13003は、二重壁構造を備えてもよい。この場合、断熱容器13001内に形成されている1つ又は複数の空洞及び蓋構造体13003の一部又は全体に、断熱材料を充填することができる。この断熱材料は、1つ又は複数のポリマー材料(例えばフォーム、格子、実質的に固体の構造など)、及び/又は、蓋構造体13003の二重壁構造の内部に概略的に描写されている、エアロゲル断熱構造体7800などのエアロゲル構造体を含んでもよい。加えて又は別法として、断熱容器13001及び/又は蓋構造体13003は、真空断熱二重壁構造体を含んでもよい。したがって、蓋構造体13003の二重壁構造内が真空である結果、エアロゲル断熱構造体7800は、蓋構造体13003の側壁が変形するのを防止するための、離間構造体(standoff structure)として使用することもできる。別の実例では、断熱容器13001及び/又は蓋構造体13003は、1つ又は複数の真空断熱パネル構造体を含んでもよい。
【0213】
図60には、本明細書に記載する1つ又は複数の態様に係る断熱容器13001の等角分解図が概略的に描写されている。1つの実例では、断熱容器13001の内側構造体13009と外側シェル13011との間に、空洞が形成されてもよい。この空洞の一部又は全体を、フォーム、エアロゲル、若しくは真空断熱パネル、又はこれらの組み合わせなどの、断熱材料で充填してもよい。加えて又は別法として、内側構造体13009と外側シェル13011との間の空洞は、真空を含んでもよい。
【0214】
1つの実例では、内側構造体13009及び外側シェル13011の1つ又は複数の側壁の変形を低減又は防止するために、エアロゲル断熱構造体7800は、断熱容器13001の1つ又は複数の表面(例えば、
図60に概略的に描写されているような、内側構造体13009の表面13013)に結合されてもよい。これらのエアロゲル断熱構造体7800は、内側構造体13009と外側シェル13011との間の空洞内に真空部が形成される結果として断熱容器13001の側壁が変形するのを低減又は防止するために、内側構造体13009と外側シェル13011との間の分離距離を維持するのに使用され得る。
図60には2つのエアロゲル断熱構造体7800が概略的に描写されているが、これらの開示の範囲から逸脱することなく、断熱容器13001及び/又は蓋構造体13003内の離間材として、単一のエアロゲル断熱構造体7800、又は3つ以上のエアロゲル断熱構造体7800を使用することができる。
【0215】
断熱容器13001及び蓋構造体13003の二重壁構造の更なる詳細が、2017年2月3日に出願された国際出願第PCT/US2017/016542号、「Container and Method of Forming a Container」に記載されており、その内容の全体が、非限定的な一切の目的で参照により本明細書に組み込まれている。
【0216】
図61には、本明細書に記載する1つ又は複数の態様に係る断熱デバイス13021の断面図が、概略的に描写されている。断熱デバイス13021は、ある体積の液体を格納するために使用されるボトルであってもよく、蓋又は閉鎖具13025に取り外し可能に結合されている、断熱された容器13023を有してもよい。断熱された容器13023の第1の内壁13029と第2の外壁13031との間に、空洞13027が形成されてもよい。この空洞13027は、封止された真空部を含んでもよい。これらの真空部の圧力はこれらの開示の範囲から逸脱することなく任意の値を有し得ることが、企図されている。加えて又は別法として、空洞13027の一部又は全体を、1つ若しくは複数のフォームなどの1つ若しくは複数の断熱材料、又は1つのエアロゲル構造体で充填してもよい。1つの実例では、
図61に概略的に描写されているように、空洞13027は、エアロゲル断熱構造体7800を含んでもよい。これによれば、1つ又は複数の工程によって第1の内壁13029及び第2の外壁13031が互いに結合される前に、空洞13027内のエアロゲル断熱構造体7800が、第1の内壁13029及び第2の外壁13031のうちの1つ又は複数に結合されてもよいことが企図されている。これらの結合工程は、溶接、ろう付け、鋲打ち、折り畳み、成形、又は1つ若しくは複数の固定具の使用、或いはこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0217】
蓋13025はまた、エアロゲル断熱構造体7800も含み得る。蓋13025内のこのエアロゲル断熱構造体7800は、1つ又は複数のポリマー、金属、及び/又は合金を用いてオーバーモールド成形されてもよい。加えて又は別法として、エアロゲル断熱構造体7800を封入するために、蓋13025の別々の部分を(例えば回転溶接によって)1つに溶接してもよい。
【0218】
断熱デバイス13021の更なる詳細が、2016年6月29日に出願された「Containers and Lids and Methods of Forming Containers and Lids」と題する米国特許出願第15/197,180号に与えられており、その内容の全体が、非限定的な一切の目的で参照により本明細書に組み込まれている。
【0219】
図62には、本明細書に記載する1つ又は複数の態様に係る蓋構造体13033の断面図が描写されている。蓋構造体13033は、2016年8月15日に出願された国際出願第PCT/US16/47043号、「Container with Magnetic Cap」に記載されている蓋と同様であってもよく、この出願の内容の全体が、非限定的な一切の目的で参照により本明細書に組み込まれている。
【0220】
蓋構造体13033は、注出開口部13035と、1つの実例ではエアロゲル断熱構造体7800を封入する、外側シェル13037と、を含んでもよい。エアロゲル断熱構造体7800は、外側シェル13037の別々の部分を剛的に1つに結合する1回又は複数回の溶接工程の前に、外側シェル13037の空洞内に配置されてもよい。別の実例では、外側シェル13037は、エアロゲル断熱構造体7800を覆うようにオーバーモールド成形されてもよい。更に別の実例では、エアロゲル断熱構造体7800は蓋構造体13033の外側シェル13037内の空洞内に射出されてもよい。
【0221】
図63には、本明細書に記載する1つ又は複数の態様に係る、変形可能な断熱材13041が描写されている。1つの実例では、変形可能な断熱材13041は、容器13043(例えば、とりわけアルミニウム製飲料缶)の少なくとも一部の周囲に延在するように構成されている。1つの実例では、変形可能な断熱材13041は、構造的な不具合を生じることなく、曲がる、折り畳まれる、及び/又は圧縮することができる。別の実例では、変形可能な断熱材13041は、部分的に剛性の構造体を有し得る。一実装態様では、変形可能な断熱材13041は、
図63に概略的に描写されているように、エアロゲル断熱構造体7800から構築されてもよい。1つの実例では、変形可能な断熱材13041の外面13045は、エアロゲル断熱構造体7800の外面によって形成されてもよい。別の実装態様では、外側表面13045は、エアロゲル断熱構造体7800を維持する材料(例えば、変形可能なポリマー層)の外皮/外側層であってもよい。変形可能な断熱材13041の内側で同様の内面(図示せず)を使用してもよく、この内面は容器13043に接触するように構成されてもよい。
【0222】
図64には、本明細書に記載する1つ又は複数の態様に係る断熱容器13051が描写されている。1つの実例では、断熱容器13051は、容器13001と同様であり得る基部部分13053と、蓋構造体13003と同様であり得る蓋部分13055と、を含む。断熱容器13051の上には、固定されずに、取り外し可能に、又は強固に、クッション構造体13057が配置されている。1つの実例では、クッションは、断熱容器13051上に置かれているときに変形し使用者にクッション性をもたらすように構成されている、圧縮可能材料の1つ又は複数の層を含んでもよい。1つの実例では、圧縮可能材料の1つ又は複数の層は、
図64に概略的に描写されているように、エアロゲル断熱構造体7800を含んでもよい。一実装態様では、エアロゲル断熱構造体7800は、外皮又は層又は材料によってクッション構造体13057内に封入されてもよい。別の実例では、クッション構造体13057の外側表面は、エアロゲル断熱構造体7800の少なくとも一部を含んでもよい。1つ又は複数の一部又は全体が変形可能なエアロゲル断熱構造体7800を含む同様の構造体を、とりわけブランケット又は衣料品などの代替の要素内で使用してもよいことが、更に企図されている。
【0223】
図65には、本明細書に記載する1つ又は複数の態様に係る断熱容器13061の別の実装態様の断面図が、概略的に描写されている。1つの実例では、断熱容器13061は、内部リザーバ13063内にある体積の液体を格納するように構成されているタンブラーであってもよい。容器13061は、内部リザーバ13063内へと延在する開口部13071を有し得る。容器13061は、第1の内壁13065と第2の外壁13067とを含んでもよい。第1の内壁13065と第2の外壁13067との間に、封止される空洞13069を形成してもよい。これによれば、容器13061は、断熱された二重壁構造体であってもよい。1つの実例では、封止された空洞13069内に真空部が形成されてもよい。この真空部はこれらの開示の範囲から逸脱することなく任意の圧力レベルであり得ることが、企図されている。別の実例では、1つ又は複数の断熱材料は、空洞13069、例えば1つ又は複数のエアロゲル断熱構造体7800の中に、配置されてもよい。
【0224】
容器13061と同様の断熱容器の更なる詳細が、2016年10月4日に出願された「Container and Method of Forming a Container」と題する米国特許出願第15/285,268号に見出され、その内容の全体が、非限定的な一切の目的で参照により本明細書に組み込まれている。
【0225】
例示的な断熱デバイスは、外側シェルと、内側ライナと、外側シェルと内側ライナとの間で自由に浮動している断熱層と、防水閉鎖具と、を含んでもよい。シェルの頂部は第1の周縁円周部を有し、シェルの底部は第2の周縁円周部を有する。第1の周縁円周部は第2の周縁円周部と等しくなり得る。閉鎖具は複数のジッパー務歯を備えるジッパーアセンブリとすることができ、ジッパー務歯はプラスチック又は金属で形成することができる。外側シェルは、積層二重TPUナイロンファブリックで製作され得る。内側ライナは、積層二重TPUナイロンファブリックで製作され得る。断熱層は、独立気泡フォームで形成することができる。断熱層はNBR及びPVC混合物で製作することができ、断熱層の少なくとも一部はEVAフォーム層で構築され得る。外側シェルは、ストラップ又は持ち手のうちの少なくとも一方を更に含み得る。外側シェルは、断熱デバイスを固着するための少なくとも1つのリングを更に含み得る。
【0226】
例示的な断熱デバイスは、外側シェルと、内側ライナと、外側シェル又は内側ライナのうちの少なくとも一方を封止するように適合されている閉鎖具と、外側シェルと内側ライナとの間の断熱層と、を含み得る。閉鎖具は第1のフランジと第2のフランジとを有することができ、外側ライナは第1のフランジ及び第2のフランジの頂面に固着することができ、内側ライナは第1のフランジ及び第2のフランジの底面に固着することができる。外側ライナ及び内側ライナを、ポリマー溶接部によって閉鎖具に接続することができる。外側シェルは第1の外周と第2の外周とを有することができ、第1の外周及び第2の外周はいずれも卵形状を有する。閉鎖具は、流体に対する防壁となるように適合され得る。閉鎖具は、大気圧を超えて7psiまで水密であるジッパー器具とすることができる。
【0227】
断熱デバイスを組み立てる例示的な方法は、内側槽を有する内側ライナを形成することと、外側シェルを形成することと、内側ライナと外側シェルとの間に断熱層を形成することと、内側槽を通した流体の出入りに対する防壁となるように構成されている閉鎖具を固着することであって、閉鎖具は平面内に固着され、且つ外側シェル及び内側シェルに固着される、固着することと、を含んでもよい。外側シェル及び内側シェルは閉鎖具にのみ接続されており、外側シェルと内側ライナとの間の断熱層には接続されていなくてもよい。
【0228】
閉鎖具、外側シェル、及び内側ライナが水平面上に存在する場合に、閉鎖具と内側シェルとの間及び閉鎖具と外側シェルとの間に、防水ポリマー溶接部を形成することができる。外側シェル及び内側層は、TPUナイロン材料で形成することができる。閉鎖具は、第1のフランジと第2のフランジとを有し得る。外側ライナは第1のフランジ及び第2のフランジの頂面に固着することができ、内側ライナは第1のフランジ及び第2のフランジの底面に固着することができる。
【0229】
方法はまた、矩形形状から断熱層を形成することと、矩形形状を巻いて円筒形状にすることと、を含み得る。断熱層の頂部は第1の周縁円周部を有し、断熱層の底部は第2の周縁円周部を有する。第1の周縁円周部は第2の周縁円周部と等しくなり得る。
【0230】
別の実例としての断熱デバイスは、外側シェルと、格納区画を形成している内側ライナと、外側ライナと内側ライナとの間で自由に浮動する、断熱をもたらすフォーム層と、外側層及び内側層を通って延在する開口部と、開口部を実質的に封止するように適合されている閉鎖具と、を含み得る。閉鎖具は、液体が開口部から出るのに耐えるような防水性を実質的に有し得る。
【0231】
断熱デバイスはまた上側壁及び基部も含むことができ、上側壁は上側壁周長、上側壁長さ、及び上側壁幅を画定し、基部は基部周長、基部長さ、及び基部幅を画定する。上側壁周長は基部周長と等しくすることができ、上側壁長さ対上側壁幅の比は、基部長さ対基部幅の比よりも大きくすることができる。1つの実例では、断熱デバイスの熱取得率は、約-17.2~-16.9℃(1.0~1.5°F)/時間であり得る。
【0232】
断熱デバイスを形成する別の実例としての方法は、内側ライナの第1の部分及び外側シェルの第1の部分を形成することと、内側ライナの第1の部分及び外側シェルの第1の部分を封止可能な閉鎖具に固着して、キャップアセンブリを形成することと、内側ライナの第2の部分を形成し、内側ライナの第2の部分を内側ライナの第1の部分に固着して内側ライナを形成することと、外側シェルの第2の部分を形成することと、矩形フォーム部分を巻いて第1の円筒形フォーム部分を形成し、フォーム基部部分を第1の円筒形部分に固着してフォームアセンブリを形成することと、フォームアセンブリを外側シェル第2の部分に挿入することと、内側ライナをフォームアセンブリに挿入することと、外側シェルの第1の部分を外側シェルの第2の部分に縫着することと、を含んでもよい。内側ライナの第1の部分及び外側シェルの第1の部分を、閉鎖具に溶接することができる。閉鎖具には少なくとも1つのフランジを設けることができ、このフランジは、外側シェルの第1の部分の底面及び内側ライナの第1の部分の頂面に固着することができる。フォームは、外側シェルの第2の部分と内側ライナの第2の部分との間で浮動することができる。
【0233】
実例としての持ち運び可能な断熱デバイスは、外側ライナと、格納区画を形成している内側ライナと、外側ライナと内側ライナとの間にあるフォーム層と、を含んでもよい。フォーム層は、断熱をもたらすように適合され得る。実例としての持ち運び可能な断熱デバイスはまた、外側層及び内側層の一方を通って延在する開口部、並びに開口部を実質的に封止するための閉鎖手段も含み得る。閉鎖具は防水性を実質的に有し得る。
【0234】
1つの実例では、持ち運び可能な保冷容器は、保冷容器の頂部に、保冷容器内のチャンバへのアクセスを可能にする、ジッパー器具によって開閉される開口を含んでもよい。これらの開口は、保冷容器が上下反対になっているか又は直立以外の任意の構成となっている場合に、保冷容器からのどのような流体漏れも防止する。ジッパーアセンブリはまた、保冷容器が降水若しくは他の流体にさらされた、又は水中に沈められた場合に、どのような流体が保冷容器チャンバ内に浸透するのも防止する。
【0235】
水又は他の液体及び流体が浸透しないように構成されているジッパー器具及び開口を組み立てる、実例としての方法は、外側シェル及び内側ライナの両方に、材料溶接によって防水ジッパーを取り付けることを含み得る。この方法により、開口上のジッパー器具が封止されているときに水及び他の液体が浸透しないチャンバが得られる。
【0236】
1つの実例では、断熱デバイスは、外側シェルと、格納区画を形成している内側ライナと、外側ライナと内側ライナとの間に浮動して形成されている断熱をもたらすフォーム層と、外側層及び内側層を通って延在する開口部と、開口部を実質的に封止するように適合されている閉鎖具であって、断熱デバイスがどのような配向であっても液体が開口部から出るのに耐えるような防水性を実質的に有する閉鎖具と、を含んでもよい。1つの実例では、外側シェルの頂部部分は、第1の構成である第1の周縁円周部を有し得る。外側シェルは底部部分を含んでもよく、外側シェルの底部部分は、第1の構成とは異なる第2の構成である第2の周縁円周部を有することができ、第1の周縁円周部は第2の周縁円周部と等しくすることができる。第1の構成及び第2の構成は、いずれも卵形状とすることができる。1つの実例では、断熱デバイスは上側壁と基部とを含んでもよく、上側壁は上側壁周長、上側壁長さ、及び上側壁幅を画定することができ、基部は基部周長、基部長さ、及び基部幅を画定することができる。上側壁周長は基部周長と等しくすることができ、上側壁長さ対上側壁幅の比は、基部長さ対基部幅の比よりも大きくすることができる。断熱デバイスの冷温維持時間は、約11~43時間又はそれ以上であり得る。ただし1つの実例では、冷温維持時間は11~15時間であり得る。別の実例では、冷温維持時間は約12.24時間であり得る。断熱デバイスの熱取得率は、約-17.2~-16.9℃(1~1.5°F)/時間であり得、1つの特定の実例では、熱取得率は約-17.0℃(1.4°F)/時間であり得る。格納区画は、15分を超えて逆さまに保持されていても、中に液体を維持するように構成され得る。1つの特定の実例では、格納区画は、逆さまにしたとき30分を超える期間の間液体を中に維持するように構成することができ、格納区画の容積の半分が液体で満たされる。
【0237】
1つの実例では、断熱層は、外側シェルと内側ライナとの間で自由に浮動し得る。断熱層は独立気泡フォームで形成することができ、断熱層はNBR及びPVC混合物で製作され得る。1つの実例では、断熱層の少なくとも一部はEVAフォーム層で構築され得る。閉鎖具は複数のジッパー務歯を備えるジッパーアセンブリとすることができ、ジッパー務歯はプラスチックで形成することができる。
【0238】
1つの実例では、外側シェル及び内側ライナは、積層二重TPUナイロンファブリックで製作され得る。外側シェルは、ストラップ又は持ち手のうちの少なくとも一方を更に含み得る。外側シェルは、断熱デバイスを固着するための少なくとも1つのリングを含み得る。断熱層は、断熱デバイスの内部温度を65~85時間の間摂氏10度(華氏50度)未満に維持するように構成され得る。閉鎖具は第1のフランジと第2のフランジとを有して形成することができ、外側ライナは、第1のフランジ及び第2のフランジの頂面に固着することができる。内側ライナは、第1のフランジ及び第2のフランジの底面に固着することができる。外側ライナ及び内側ライナを、ポリマー溶接部によって閉鎖具に接続することができる。1つの実例では、閉鎖具は、大気圧を超えて最大2~14psiの水密性を有し得る。断熱デバイス上にはまた、ループ・パッチを設けてもよい。
【0239】
別の実例では、断熱デバイスは、外側シェルと、格納区画を形成している内側ライナと、外側ライナと内側ライナとの間で浮動する、断熱をもたらすフォーム層と、外側層及び内側層を通って延在する開口部と、開口部を実質的に封止するように適合されている閉鎖具と、を含んでもよい。閉鎖具は、断熱デバイスを15分より長い時間逆さまにしても液体が開口部から出るのに耐えるような防水性を実質的に有し得る。断熱デバイスの熱取得率は、約-17.2~-16.9℃(1.0~1.5°F)/時間であり得る。インサルティング・デバイスは、少なくとも1つの持ち手を含み得る。少なくとも1つの持ち手は、45.3kg(100lbs)~136.6kg(300lbs)の重量を、不具合の兆候を示すことなく1~10分間支持するように構成され得る。1つの実例では、断熱デバイスは、15.9kg(35lbs)~45.3kg(100lbs)の穿通力に耐えるように構成され得る。
【0240】
断熱デバイスを形成する実例としての方法は、内側ライナの第1の部分及び外側シェルの第1の部分を形成することと、内側ライナの第1の部分及び外側シェルの第1の部分を封止可能な閉鎖具に固着して、キャップアセンブリを形成することと、内側ライナの第2の部分を形成し、内側ライナの第2の部分を内側ライナの第1の部分に固着して内側ライナを形成することと、外側シェルの第2の部分を形成することと、矩形フォーム部分を巻いて第1の円筒形フォーム部分を形成し、フォーム基部部分を第1の円筒形フォーム部分に固着してフォームアセンブリを形成することと、フォームアセンブリを外側シェルの第2の部分に挿入することと、内側ライナをフォームアセンブリに挿入することと、外側シェルの第1の部分を外側シェルの第2の部分に固着して外側シェルを形成することと、を含み得る。方法はまた、内側槽を通した流体の出入りに対する防壁となるように構成されている閉鎖具を固着することと、閉鎖具、外側シェル、及び内側ライナが水平面上に存在する場合に、閉鎖具と内側シェルとの間及び閉鎖具と外側シェルとの間に、防水ポリマー溶接部を形成することと、を含んでもよい。
【0241】
ある実例では、内側ライナの第1の部分及び外側シェルの第1の部分を閉鎖具に固着することができる。閉鎖具には少なくとも1つのフランジを設けることができ、このフランジは、外側シェルの第1の部分の底面及び内側ライナの第1の部分の頂面に固着することができる。フォームは、外側シェルの第2の部分と内側ライナの第2の部分との間で自由に浮動することができる。外側シェル及び内側シェルは閉鎖具にのみ接続されており、外側シェルと内側ライナとの間の断熱層には接続されていない。外側シェルはTPUナイロン材料で形成することができ、内側ライナはTPUナイロン材料から形成することができる。閉鎖具は、第1のフランジと第2のフランジとを含み得る。外側ライナは第1のフランジ及び第2のフランジの頂面に固着することができ、内側ライナは第1のフランジ及び第2のフランジの底面に固着することができる。断熱層の頂部は第1の周縁円周部を有し得る。断熱層の底部は第2の周縁円周部を有し得る。第1の周縁円周部は第2の周縁円周部と等しくなり得る。
【0242】
1つの実例では、断熱デバイスは、側壁を画定する外側シェルと、格納区画を形成している内側ライナと、格納区画の断熱をもたらす、外側シェルと内側ライナとの間に配置されている断熱層と、外側シェル及び内側ライナを通って延在する開口部と、開口部を実質的に封止するように適合されている閉鎖具であって、断熱デバイスがどのような配向であっても液体が開口部から出るのに耐えるような防水性を実質的に有する、閉鎖具と、を含み得る。断熱デバイスは、垂直に延在する正面に面する表面を含んでもよく、閉鎖具はこの正面に面する表面上に位置付けることができる。断熱デバイスの断面は、延ばされた位置では五角形の近似形となり得、また断熱デバイスの断面は、延ばされた位置では台形の近似形となり得る。断熱デバイスはまた基部も含むことができ、断熱層は基部を断熱することができる。基部はまた、追加の断熱層も含み得る。
【0243】
断熱デバイスはまた、閉鎖具を覆うように構成されている折り畳み部も含み得る。折り畳み部分は第1の区域と第2の区域とを備え、第1の区域は断熱層を含まず、第2の区域は断熱層を含む。折り畳み部分は、少なくとも一部にはフォームを含んでいなくてもよい。折り畳み部分は側壁に固着されるように構成され得る。折り畳み部分は少なくとも1つのフックを含むことができ、側壁は少なくとも1つのループを含むことができる。フックはループに係合して折り畳み部分を側壁に固着するように構成され得る。折り畳み部分は側壁に固着することができ、折り畳み部分は少なくとも部分的に実質的に水平方向に延在してもよい。折り畳み部分は第1の幅を画定することができ、閉鎖具は第1の幅の少なくとも95%にわたって延在する。折り畳み部分はまた、折り畳み部分が側壁に固着されているときに使用者が把持するように構成されている、持ち手も含み得る。
【0244】
断熱層はフォーム材料を含んでもよい。断熱層は、第1の部分と第2の部分とを含んでもよく、第2の部分は第1の部分よりも厚く形成することができる。断熱層は少なくとも部分的にTの形状で形成することができる。断熱層は少なくとも部分的に第1の矩形と第2の矩形とで形成することができ、第1の矩形は第2の矩形よりも大きい面積を有し得る。第1の矩形は第1の矩形の幅を有することができ、第2の矩形は第2の矩形の周縁を有することができる。第1の矩形幅は第2の矩形周縁と略同じであり得る。第2の矩形は折り畳み部内へと延在し得る。断熱層は、第1の高さと第2の高さとを有することができ、第1の高さは第2の高さよりも大きくすることができる。断熱層の大部分は、第2の高さまで延在し得る。
【0245】
断熱デバイスを形成する方法は、格納区画を画定する内側ライナを形成することと、側壁を画定する外側シェルを形成することと、外側シェルと内側ライナとの間に、格納区画の断熱をもたらす断熱層を設置することと、内側ライナ及び外側シェルに開口部を設置することと、内側ライナと外側シェルとの間に閉鎖具を設置することと、を含んでもよい。閉鎖具は開口部を実質的に封止するように適合させることができ、また閉鎖具は、断熱デバイスがどのような配向であっても液体が開口部から出るのに耐えるような防水性を実質的に有し得る。方法はまた、閉鎖具を覆うように構成されている折り畳み部分を形成すること、並びに折り畳み部分に第1の区域及び第2の区域を設けることも含み得る。第1の区域は断熱層を含まなくてもよく、第2の区域は断熱層を含んでもよい。折り畳み部分は、少なくとも一部にはフォームを含んでいなくてもよい。折り畳み部分は側壁に固着するように構成され得る。方法はまた、少なくとも部分的にTの形状に断熱層を形成することと、少なくとも一部が第1の矩形及び第2の矩形、である断熱層を形成することと、第2の矩形よりも面積の大きい第1の矩形を形成することと、を含み得る。方法はまた、第2の矩形を折り畳み部分内まで延ばすこと、断熱層を基部上に設けること、及び追加の断熱層を基部に沿って設けることも含み得る。
【0246】
別の実例では、断熱デバイスは、側壁を画定する外側シェルと、格納区画を形成している内側ライナと、外側シェルと内側ライナとの間に配置されている断熱層と、を含み得る。断熱層は格納区画の断熱をもたらし得る。断熱デバイスは、格納区画へのアクセスを可能にするように構成されている開口部と、開口部を実質的に封止するように適合されている閉鎖具と、を含み得る。断熱デバイスは、ビンディング材料を含むことができ、ビンディング材料は、内側ライナと外側シェルとの間に接合部を覆うように設置することができる。ビンディング材料は断熱デバイス上に縫着することができ、縫着部は、断熱層と外側シェルとの間に捕らえられた空気を通気するための、外側シェル内への開口部を作り出すことができる。ビンディング材料は、断熱デバイスを保持するための少なくとも1つのストラップを作り出すことができる。ビンディング材料は、外側シェルに取り付けられている第1の折り畳まれた部分と、第2の折り畳まれた部分と、を含むことができ、第2の折り畳まれた部分はストラップを形成し得る。
【0247】
断熱デバイスは、正面視して台形形態の近似形とすることができ、側面視して円錐形状の近似形とすることができる。1つの実例では、断熱デバイスは、断熱デバイスの容量において1リットルあたり0.24kg(1クオートあたり0.52lbs)の氷で満たしたとき、70時間以上の継続時間中に-17.7℃(0°F)から10℃(50°F)まで上昇する。
【0248】
閉鎖具は、断熱デバイスがどのような配向であっても液体が開口部から出るのに耐えるような防水性を実質的に有し得る。1つの実例では、断熱デバイスは、格納区画から僅かでも水が漏れる又は出て来ることなく15分間逆さまに保持されるのに耐えるように構成され得る。閉鎖具は、閉鎖具が封止されていないときに開かれた位置に留まるように構成され得る。閉鎖具はジッパーとすることができる。1つの実例では、閉鎖具は、閉鎖具に沿って測定したときの断熱デバイスの長さの、少なくとも80%に延在する。閉鎖具の長さは、断熱デバイスの底部の長さよりも長くすることができ、また閉鎖具の長さは、断熱デバイスの底部の長さよりも少なくとも5%長い。断熱デバイスは、垂直に延在する正面に面する表面を含むことができ、閉鎖具はこの正面に面する表面上に位置付けることができる。正面に面する表面の反対側の背面に面する表面に、持ち手を位置付けることができる。
【0249】
実例としての断熱デバイスでは、断熱層はフォーム材料を含み得る。断熱層は第1の部分と第2の部分とを備えてもよく、第2の部分は第1の部分よりも厚く形成することができる。断熱層は少なくとも部分的に第1の矩形と第2の矩形とで形成することができ、第1の矩形は第2の矩形よりも大きい面積を有し得る。断熱層は、第1の高さと第2の高さとを有することができ、第1の高さは第2の高さよりも大きくすることができる。1つの実例では、断熱層の大部分は第2の高さまで延在し得る。更に、又は別法として、断熱層の前部は第2の高さまで延在することができ、断熱層の背部は第1の高さまで延在する。断熱デバイスは基部を含むことができ、断熱層は基部を断熱することができる。また基部は、追加の又は別個の断熱層を含み得る。1つの実例では、断熱層は、格納区画を覆う内側ライナの80%以上を覆うことができるか、又は、断熱層は、格納区画を覆う内側ライナの90%以上を覆うことができる。
【0250】
別の実例では、断熱デバイスを形成する方法は、格納区画を画定する内側ライナを形成することと、側壁を画定する外側シェルを形成することと、外側シェルと内側ライナとの間に、格納区画の断熱をもたらす断熱層を設置することと、内側ライナ及び外側シェルに開口部を設置することと、内側ライナと外側シェルとの間に閉鎖具を設置することであって、閉鎖具は開口部を実質的に封止するように適合されており、閉鎖具は、断熱デバイスがどのような配向であっても液体が開口部から出るのに耐えるような防水性を実質的に有する、設置することと、を含んでもよい。方法はまた、少なくとも一部が第1の矩形及び第2の矩形である断熱層を形成することと、第2の矩形よりも面積の大きい第1の矩形を形成することと、を含み得る。方法はまた、基部上に断熱層を設けること、及び基部に沿って追加の断熱層を設けることも含み得る。
【0251】
実例としての断熱デバイスは、第1の側壁を画定する外側シェルと、格納区画を形成している内側ライナと、格納区画の断熱をもたらす、外側シェルと内側ライナとの間に配置されている断熱層と、を含み得る。外側シェル及び内側ライナは開口部を画定でき、開口部は格納区画へのアクセスを可能にするように構成され得る。閉鎖具は開口部を実質的に封止するように適合させることができ、また閉鎖具は、断熱デバイスがどのような配向であっても液体が開口部から出るのに耐えるような防水性を実質的に有し得る。外側シェルは第2の側壁と第3の側壁とを含んでもよく、開口部は第1の側壁、第2の側壁、及び第3の側壁を通って延在してもよい。断熱デバイスは直方体の形状とすることができる。内側ライナ及び外側シェルは接合部を形成でき、接合部は、内側ライナと外側シェルとの間に捕らえられた気体への通気口を含み得る。外側シェルは1つ又は複数の持ち手を含んでもよく、1つ又は複数の持ち手の場所に近接して通気口を形成することができる。閉鎖具は、断熱デバイスを1.82メートル(6フィート)の距離から落下させたときに液体が開口部から出るのに耐えるような防水性を実質的に有し得る。
【0252】
断熱デバイスはまた、蓋アセンブリ及び本体アセンブリも含み得る。蓋アセンブリ及び本体アセンブリは、内側ライナ、断熱層、及び外側シェルを共に形成し得る。蓋アセンブリは、断熱層の少なくとも一部を含み得る。蓋アセンブリはまた、持ち手、並びに、内側ライナ、断熱層、及び外側シェルよりも剛性の高い補強層も含み得る。
【0253】
外側シェルは第1の平面内に延在する底壁を画定してもよく、内側ライナは、第1の平面に対して垂直に延在する第2の平面内で外側シェルに固着することができる。ライナは第1の部片と第2の部片とで形成されてもよく、第1の部片は溶接部を介して第2の部片に接合されてシームを画定し、このシームはシーム・テープで覆うことができる。1つの代替の実例では、内側ライナは射出成形によって形成することができる。閉鎖具はジッパーとすることができ、防水性を実質的に有し得る。ジッパーはプルを含むことができ、プルは布、紐、又はロープで形成できる。特定の実例では、0.5時間~1.5時間の継続時間中に断熱デバイスの温度は-17.7℃(0°F)から-12.2℃(10°F)まで上昇し、22時間~28時間の継続時間中に断熱デバイスの温度は-12.2℃(10°F)から0°F(50°F)まで上昇し、24時間~30時間の継続時間中に断熱デバイスの温度は-17.7℃(0°F)から10℃(50°F)まで上昇する。
【0254】
実例としての方法は、下側外側シェルを形成することによって本体アセンブリを形成すること、下側断熱層を下側外側シェル内に設置すること、及び下側内側ライナ部分を下側外側シェルに固着することと、上側外側シェル、上側内側ライナ部分、及びこれらの間にある上側断熱層の、蓋アセンブリを形成することと、蓋アセンブリと本体アセンブリとの間に閉鎖具を固着することによって、並びに本体アセンブリ及び蓋アセンブリにビンディング材料を固着することによって、蓋アセンブリを本体アセンブリに接合することと、を含んでもよい。断熱層は、下側外側シェルと下側内側ライナ部分との間で浮動することができる。ビンディング材料はナイロンで形成することができ、またビンディング材料は、本体アセンブリ及び蓋アセンブリに縫着することができる。蓋アセンブリはまた、本体アセンブリに溶接されてもよい。更に、蓋アセンブリは、持ち手と、内側ライナ、断熱層、及び外側シェルよりも剛性の高い補強層と、を有して形成されてもよい。下側内側ライナ部分は特定の実例では、射出成形によって形成することができる。
【0255】
下側内側ライナ部分は、溶接部によって下側外側シェルに固着することができる。溶接部は、下側外側シェルと、頂部U形状部分、プレート部分、及び底部U形状部分とで下側内側ライナ部分を挟持し、頂部U形状部分、プレート部分、及び底部U形状部分に電流を流すことによって、形成することができる。頂部U形状部分、プレート部分、及び底部U形状部分に電流を第1の方向に流して第1の側を溶接することができ、電流を第2の方向に流して第2の側を溶接することができる。
【0256】
本明細書における開示の態様は、第1の側壁を画定する外側シェルと、格納区画を形成している内側ライナと、格納区画の断熱をもたらす、外側シェルと内側ライナとの間に配置されている断熱層と、を有する断熱デバイスに関連し得る。断熱デバイスは、格納区画へのアクセスを可能にするように構成されている開口部と、蓋アセンブリと、本体アセンブリと、を有してもよく、蓋アセンブリ及び本体アセンブリは、内側ライナ、断熱層、及び外側シェルを共に形成している。蓋アセンブリは、開口部を閉じるように適合されている閉鎖具の下方に延在する断熱層の、少なくとも一部を含んでもよい。閉鎖具は開口部を実質的に封止するように適合させることができ、この閉鎖具は、断熱デバイスがどのような配向であっても液体が開口部から出るのに耐えるような防水性を実質的に有する。蓋アセンブリに接続されている断熱層は周縁縁部と中央部分とを含んでもよく、蓋アセンブリに接続されている断熱層は、周縁縁部の近くの全体的な第1の厚さと中央部分の近くの第2の厚さとを有し、第1の厚さは第2の厚さよりも大きい。第1の厚さ対第2の厚さの比は、2:1~2.5:1の範囲内であり得る。更に、断熱デバイスの蓋アセンブリに接続されている断熱層の厚さに対する断熱デバイスの全体高さの比は、5.8:1~7.2:1の範囲内であり得る。蓋アセンブリに接続されている断熱層の厚さは、第1の側壁上の断熱層の厚さより大きくてもよい。
【0257】
本開示のまた更に他の態様は、第2の側壁と第3の側壁とを更に備える外側シェルを有する断熱デバイスであって、開口部は第1の側壁、第2の側壁、及び第3の側壁を通って延在し、断熱デバイスは直方体の形状である、断熱デバイス、に関連し得る。断熱デバイスは、1つ又は複数の持ち手を有し、1つ又は複数の持ち手の下に複数の通気穴が外側シェルを貫通して延在する、外側シェルを更に含んでもよい。複数の通気穴は3つの穴から構成されてもよい。
【0258】
本開示の更に他の態様は、開口部を実質的に封止するように適合されている閉鎖具の下方に延在する断熱層の少なくとも一部を含む蓋アセンブリを有する断熱デバイスであって、外側シェルは、1つ又は複数の持ち手と、1つ又は複数の持ち手の下に配置されている、外側シェルを貫通して延在する複数の通気穴とを備える、断熱デバイス、に関連し得る。蓋アセンブリは断熱シートと断熱リングとを更に備えてもよく、断熱リングは断熱シートの下に延在し、断熱シートの外周の近似形となる。蓋アセンブリの断熱層の部分及び内側ライナは、閉鎖具の上方に延在するヘッドスペースを形成してもよい。閉鎖具が封止されると、断熱層の部分及び蓋アセンブリの内側ライナは、内側ライナ及び本体アセンブリ上の断熱層の第2の部分と接触して、格納区画が形成される。蓋アセンブリ上の断熱層は、閉鎖具の長さに沿って格納区画を断熱するように、閉鎖具の長さに沿って延在することができる。外側シェルはヒンジを形成することができ、蓋アセンブリ上の断熱層の部分は、ヒンジの長さに沿って格納区画を断熱するように、ヒンジの長さに沿って延在することができる。更に、断熱層の部分は、閉鎖具に対応するようにテーパしていてもよい。
【0259】
本発明は、上記及び添付の図面において様々な実例を参照して開示されている。しかしながら、本開示が果たす目的は、本発明の範囲を限定することではなく、本発明に関連する様々な特徴及び概念の実例を提供することである。上記した実例に対して、本発明の範囲を逸脱することなく多数の変形及び修正を行い得ることを、当業者は認識するであろう。
【0260】
(例示的な項)
1. 第1の側壁を画定する外側シェルと、
格納区画を形成している内側ライナと、
外側シェルと内側ライナの外側との間に配置されている、断熱層に結合されたエアロゲル構造体であって、格納区画の断熱をもたらす断熱層と、
格納区画へのアクセスを可能にするように構成されている開口部と、
開口部を実質的に封止するように適合されている閉鎖具であって、断熱デバイスがどのような配向であっても液体が開口部から出るのに耐えるような防水性を実質的に有する閉鎖具と、
を備える、断熱デバイス。
2. 外側シェルは第2の側壁と第3の側壁とを更に備え、開口部は第1の側壁、第2の側壁、及び第3の側壁を通って延在している、項1に記載の断熱デバイス。
3. 断熱デバイスは直方体の形状である、項1に記載の断熱デバイス。
4. 内側ライナ及び外側シェルは接合部を形成しており、接合部は気体への通気口を備える、項1に記載の断熱デバイス。
5. 外側シェルは1つ又は複数の持ち手を備え、1つ又は複数の持ち手の場所に近接して通気口が形成されている、項1に記載の断熱デバイス。
6. 閉鎖具は、断熱デバイスを水で完全に満たして1.82メートル(6フィート)の距離から落下させたときに液体が開口部から出るのに耐えるような防水性を実質的に有する、項1に記載の断熱デバイス。
7. 外側シェルは第1の平面内に延在する底壁を画定し、内側ライナは第1の平面に対して垂直に延在する第2の平面内で外側シェルに固着されている、項1に記載の断熱デバイス。
8. 内側ライナは第1の部片及び第2の部片で形成されており、第1の部片は溶接部を介して第2の部片に接合されてシームを画定し、シームはシーム・テープで覆われている、項1に記載の断熱デバイス。
9. 内側ライナは射出成形によって形成されている、項1に記載の断熱デバイス。
10. 閉鎖具はジッパーであり且つ防水性を実質的に有し、ジッパーはプルを備え、プルは布、紐、又はロープで形成されている、項1に記載の断熱デバイス。
11. 断熱デバイスの1リットル容量あたり約0.25kg(1クオート容量あたり約0.52lbs)の氷で満たしたときの断熱デバイスの温度が、0.5時間~1.5時間の継続時間中に-17.7℃(0°F)から-12.2℃(10°F)まで上昇する、項1に記載の断熱デバイス。
12. 断熱デバイスの1リットル容量あたり約0.25kg(1クオート容量あたり約0.52lbs)の氷で満たしたときの断熱デバイスの温度が、22時間~28時間の継続時間中に-12.2℃(10°F)から10℃(50°F)まで上昇する、項1に記載の断熱デバイス。
13. 断熱デバイスの1リットル容量あたり約0.25kg(1クオート容量あたり約0.52lbs)の氷で満たしたときの断熱デバイスの温度が、24時間~30時間の継続時間中に-17.7℃(0°F)から10℃(50°F)まで上昇する、項1に記載の断熱デバイス。
14. 蓋アセンブリと本体アセンブリとを更に備える、項1に記載の断熱デバイス。
15. 蓋アセンブリ及び本体アセンブリが、内側ライナ、断熱層、エアロゲル構造体、及び外側シェルを共に形成している、項14に記載の断熱デバイス。
16. 蓋アセンブリは、断熱層及びエアロゲル構造体の少なくとも一部を含む、項14に記載の断熱デバイス。
17. 蓋アセンブリは、持ち手と、内側ライナ、断熱層、エアロゲル構造体、及び外側シェルよりも剛性の高い補強層とを含む、項14に記載の断熱デバイス。
18. 断熱層及びエアロゲル構造体は内側ライナと外側シェルとの間で浮いている(float)、項1に記載の断熱デバイス。
19. 断熱層及びエアロゲル構造体は内側ライナ又は外側シェルに取り付けられている、項1に記載の断熱デバイス。
20. 下側外側シェルを形成することによって本体アセンブリを形成すること、下側断熱層及びエアロゲル構造体を下側外側シェル内に設置すること、及び下側内側ライナ部分を下側外側シェルに固着することと、
上側外側シェル、上側内側ライナ部分、及びこれらの間にある上側断熱層及びエアロゲル構造体から、蓋アセンブリを形成することと、
蓋アセンブリと本体アセンブリとの間に閉鎖具を固着することによって、並びに本体アセンブリ及び蓋アセンブリにビンディング材料を固着することによって、蓋アセンブリを本体アセンブリに接合することと
を含む、方法。
21. 断熱層及びエアロゲル構造体は、下側外側シェルと下側内側ライナ部分との間で浮いている、項20に記載の方法。
22. ビンディング材料はナイロン製である、項20に記載の方法。
23. ビンディング材料は本体アセンブリ及び蓋アセンブリに縫着されている、項20に記載の方法。
24. 蓋アセンブリは更に本体アセンブリに溶接されている、項20に記載の方法。
25. 下側内側ライナ部分は射出成形によって形成されている、項20に記載の方法。
26. 下側内側ライナ部分は溶接部によって下側外側シェルに固着されている、項20に記載の方法。
27. 溶接部は、頂部U形状部分、プレート部分及び底部U形状部分を用いて下側外側シェルを下側内側ライナ部分にクランプすること、並びに頂部U形状部分、プレート部分及び底部U形状部分を通して電流を流すことによって形成される、項26に記載の方法。
28. 頂部U形状部分、プレート部分及び底部U形状部分に電流を第1の方向に流して第1の側を溶接し、電流を第2の方向に流して第2の側を溶接する、項27に記載の方法。
29. 持ち手と、内側ライナ、断熱層、エアロゲル構造体及び外側シェルよりも剛性の高い補強層とを有するように蓋アセンブリを形成することを更に含む、項20に記載の方法。
30. 断熱層及びエアロゲル構造体を内側ライナ又は外側シェルに取り付けることを更に含む、項20に記載の方法。
31. 第1の側壁を画定する外側シェルと、
格納区画を形成している内側ライナと、
格納区画の断熱をもたらす、外側シェルと内側ライナとの間に配置されている断熱層及びエアロゲル構造体と、
格納区画へのアクセスを可能にするように構成されている開口部と、
蓋アセンブリ及び本体アセンブリであって、内側ライナ、断熱層、エアロゲル構造体、及び外側シェルを共に形成している、蓋アセンブリ及び本体アセンブリと
を備え、
蓋アセンブリは、開口部を閉じるように適合された閉鎖具の下に延在する断熱層及びエアロゲル構造体の少なくとも一部を含む、断熱デバイス。
32. 閉鎖具が封止されると、断熱層及びエアロゲル構造体の一分及び蓋アセンブリの内側ライナが、断熱層及びエアロゲル構造体の第2の部分及び本体アセンブリ上に形成されている内側ライナに接触して、格納区画を形成する、項31に記載の断熱デバイス。
33. 蓋アセンブリに接続されている断熱層及びエアロゲル構造体は周縁縁部及び中央部分を備え、蓋アセンブリに接続されている断熱層及びエアロゲル構造体は、周縁縁部の近くの全体的な第1の厚さと中央部分の近くの第2の厚さとを有し、第1の厚さは第2の厚さよりも大きい、項31に記載の断熱デバイス。
34. 第1の厚さ対第2の厚さの比は、2:1~2.5:1の範囲内である、項33に記載の断熱デバイス。
35. 断熱デバイスの蓋アセンブリに接続されている断熱層及びエアロゲル構造体の厚さに対する断熱デバイスの全体高さの比は5.8:1~7.2:1の範囲内である、項33に記載の断熱デバイス。
36. 蓋アセンブリに接続されている断熱層及びエアロゲル構造体の厚さは、第1の側壁上の断熱層及びエアロゲル構造体の厚さよりも大きい、項31に記載の断熱デバイス。
37. 外側シェルは第2の側壁と第3の側壁とを更に備え、開口部は第1の側壁、第2の側壁及び第3の側壁を通って延在している、項31に記載の断熱デバイス。
38. 断熱デバイスは直方体の形状である、項31に記載の断熱デバイス。
39. 外側シェルは1つ又は複数の持ち手を備え、1つ又は複数の持ち手の下に、外側シェルを貫通して延在する複数の通気穴が配置されている、項31に記載の断熱デバイス。
40. 第1の側壁を画定する外側シェルと、
格納区画を形成している内側ライナと、
格納区画の断熱をもたらす、外側シェルと内側ライナとの間に配置されている断熱層及びエアロゲル構造体と、
格納区画へのアクセスを可能にするように構成されている開口部と、
蓋アセンブリ及び本体アセンブリであって、内側ライナ、断熱層、エアロゲル構造体及び外側シェルを共に形成している、蓋アセンブリ及び本体アセンブリと
を備え、
外側シェルは1つ又は複数の持ち手を備え、1つ又は複数の持ち手の下に、外側シェルを貫通して延在する複数の通気穴が配置されている、断熱デバイス。
41. 複数の通気穴は3つの穴を含む、項40に記載の断熱デバイス。
42. 蓋アセンブリに接続されている断熱層及びエアロゲル構造体は周縁縁部及び中央部分を備え、蓋アセンブリに接続されている断熱層及びエアロゲル構造体は、周縁縁部の近くの第1の厚さと中央部分の近くの第2の厚さとを有し、第1の厚さは第2の厚さよりも大きい、項40に記載の断熱デバイス。
43. 第1の厚さ対第2の厚さの比は、2:1~2.5:1の範囲内である、項42に記載の断熱デバイス。
44. 第1の側壁を画定する外側シェルと、
格納区画を形成している内側ライナと、
格納区画の断熱をもたらす、外側シェルと内側ライナとの間に配置されている断熱層及びエアロゲル構造体と、
格納区画へのアクセスを可能にするように構成されている開口部と、
蓋アセンブリ及び本体アセンブリであって、内側ライナ、断熱層、エアロゲル構造体及び外側シェルを共に形成している、蓋アセンブリ及び本体アセンブリと
を備え、
蓋アセンブリは、開口部を実質的に封止するように適合されている閉鎖具の下に延在する断熱層及びエアロゲル構造体の少なくとも一部を含み、
外側シェルは1つ又は複数の持ち手を備え、1つ又は複数の持ち手の下に、外側シェルを貫通して延在する複数の通気穴が配置されている、断熱デバイス。
45. 蓋アセンブリは断熱シートと断熱リングとを更に備え、断熱リングは断熱シートの下に延在し、断熱シートの外周の近似形となる、項44に記載の断熱デバイス。
46. 蓋アセンブリ上の断熱層及びエアロゲル構造体の部分及び内側ライナは、閉鎖具の上に延在するヘッドスペースを形成している、項44に記載の断熱デバイス。
47. 閉鎖具が封止されると、断熱層及びエアロゲル構造体の部分及び蓋アセンブリの内側ライナが、断熱層及びエアロゲル構造体の第2の部分及び本体アセンブリ上に形成されている内側ライナに接触して、格納区画を形成する、項44に記載の断熱デバイス。
48. 断熱層及びエアロゲル構造体は、閉鎖具の長さに沿って格納区画を断熱するように、閉鎖具の長さに沿って延在する、項44に記載の断熱デバイス。
49. 外側シェルはヒンジを形成しており、蓋アセンブリ上の断熱層及びエアロゲル構造体の一部分が、ヒンジの長さに沿って格納区画を断熱するように、ヒンジの長さに沿って延在している、項48に記載の断熱デバイス。
50. 断熱層及びエアロゲル構造体の一部分は閉鎖具に対応するようにテーパになっている、項48に記載の断熱デバイス。