(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-15
(45)【発行日】2023-02-24
(54)【発明の名称】生体データのセンシング方法およびネットワーク装置との双方向通信のためのその使用
(51)【国際特許分類】
A61B 5/00 20060101AFI20230216BHJP
A61B 5/256 20210101ALI20230216BHJP
A61B 5/11 20060101ALI20230216BHJP
A61B 5/113 20060101ALI20230216BHJP
【FI】
A61B5/00 102C
A61B5/256 200
A61B5/11 200
A61B5/113
(21)【出願番号】P 2020500120
(86)(22)【出願日】2018-07-04
(86)【国際出願番号】 CA2018000136
(87)【国際公開番号】W WO2019006536
(87)【国際公開日】2019-01-10
【審査請求日】2021-05-14
(32)【優先日】2017-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519328615
【氏名又は名称】マイアント インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】MYANT INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100186060
【氏名又は名称】吉澤 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100145458
【氏名又は名称】秋元 正哉
(72)【発明者】
【氏名】エトマッド,アリ,エス.
(72)【発明者】
【氏名】ストーン,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ストラカ,エイドリアン
(72)【発明者】
【氏名】グプタ,リシャブ
(72)【発明者】
【氏名】ジャヴァイド,アブドゥル
(72)【発明者】
【氏名】クリバノフ,マーク
【審査官】外山 未琴
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-508511(JP,A)
【文献】国際公開第2017/099527(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/107531(US,A1)
【文献】特表2012-515900(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00-5/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
感知された生体データを使用してリモートネットワーク装置と交流するために、着用者の衣類のセンサプラットフォームを使用する方法であって、
前記衣類の第1のプロセッサを介して衣類アプリケーションを実行することと、
前記衣類アプリケーションにおいて、1又は複数のセンサから生体データのセットを受信し、ここで前記センサは歪みゲージセンサを含み、
前記歪みゲージセンサから受信したデータを第1のプロセッサによって処理して、着用者のリアルタイムの呼吸及び着用者の姿勢を決定するステップと、
複数のモデルデータパラメータを含むデータモデルと当該
生体データのセットを、
前記第1のプロセッサによって比較することと、
生体データがデータモデルのパターンと一致するか一致しない場合にアクションを判定するための一連の指示に従って、着用者のリアルタイムの呼吸と姿勢の比較に基いて、ネットワーク装置の動作特性に変化をもたらすために、第1のプロセッサによって判定することと、
前記ネットワーク装置の動作特性に変化をもたらすと判定したことに応答して、ネットワーク装置の動作特性に変化をもたらすために、コマンドを前記ネットワーク装置に送信することと、
前記衣類アプリケーションにおいて、前
記生体データのさらなるセットを
1又は複数のセンサから受信することと、
前記
生体データのさらなるセットを前記データモデルと
第1のプロセッサによってさらに比較することと、
前記ネットワーク装置の動作特性にさらに
変化をもたらすかどうかをさらなる比較に基いて判定することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記データモデルが、身体的及び精神的状態からなる群から選択される状態を表す、請求項1の方法。
【請求項3】
前記衣類は、前記着用者の皮膚に隣接して着用するように構成される、請求項1の方法。
【請求項4】
前記センサは、電極、ECG、生体インピーダンスセンサ、位置センサ、温度センサ、加速度計、ジャイロスコープ、光センサ、触覚センサ、スピーカ及び/又はマイクロフォンのうちの1又は複数を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ネットワーク装置は、音楽システム装置、暖房システム装置、照明システム装置、及び/又はセキュリティシステム装置のうちの1又は複数を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ネットワーク装置は、第2のプロセッサと、前記第2のプロセッサを介して実行する装置アプリケーションとを含み、前記装置アプリケーションは、前記衣類アプリケーションと通信するように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記装置アプリケーションは、前記衣類アプリケーションと双方向に通信するように構成される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記装置アプリケーションに関連する装置アカウントを登録し、前記衣類アプリケーションに関連する着用者アカウントを登録するように構成された衣類インタラクションサービスをさらに備える、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記コマンドに応答して前記ネットワーク装置から通信を受信するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ネットワーク装置が暖房システムであり、比較が着用者が睡眠エピソードを有することを示し、前記暖房システムへの前記コマンドにより、前記暖房システムが着用者に近い温度を調整する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記暖房システムを調整することは、温度を下げることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記比較に基いて、前記ネットワーク装置にさらなるコマンドを送信するステップをさらに含み、前記さらなるコマンドは、前記暖房システムに着用者に近い温度を調整する、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記ネットワーク装置は音楽システム装置であり、前記コマンドは、前記音楽システム装置に着用者の精神状態に基いて音楽を再生させる、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記生体データのさらなるセットをさらに比較することは、前記音楽システム装置が音楽を再生した後に着用者の精神状態が変化したことを判定することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
複数の感知された生体データを使用してリモートネットワーク装置と比較するためのシステムであって、
着用者が着用する衣類であって、着用者に関連する生体データのセットを収集するために構成された1又は複数のセンサを備える衣類と、
前記衣類は、プロセッサ及びネットワークインターフェースを備え、前記プロセッサは、以下のように構成された衣類アプリケーションを実行し、
前記1又は複数のセンサから生体データのセットを受信し、
着用者のリアルタイムの呼吸及び着用者の姿勢を決定し、
生体データのセットを、複数のモデルデータパラメータを含むデータモデルと比較し、
比較及び着用者のリアルタイムの呼吸及び姿勢に基いて、生体データがデータモデルのデータパターンと一致するか一致しない場合にアクションを決定するための一連の指示に従って、着用者またはネットワーク装置に対して通信を送信するかどうかを判定し、
前記通信を着用者またはネットワーク装置に送信する判定に応答して、通信をネットワーク装置に送信し、
前記1又は複数のセンサから生体データのさらなるセットを受信し、
生体データのさらなるセットをデータモデルとさらに比較し、及び、さらなる比較に基いて、通信を着用者またはネットワーク装置のどちらに送信するかを判定し、
前記通信を着用者またはネットワーク装置に送信する判定に応答して、通信をネットワーク装置に送信し、
前記1又は複数のセンサから生体データのさらなるセットを受信し、
生体データのさらなるセットをデータモデルとさらに比較し、
さらなる比較に基いて、通信を着用者またはネットワーク装置のどちらに送信するかを判定することと、
を含むシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は2017年7月5日に出願された米国仮特許出願第62/528,565号からの優先権を主張するものであり、その全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
本開示は、生体データのための双方向センシングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日の技術に基づく環境における生体データのセンシングは衣類着用者の状態を理解し、それに影響を及ぼすための鍵となるものである。特に、運動選手及び医療上の患者は、多くの他の消費者の中でも、着用者の近傍にあるネットワーク装置の動作特性に影響を与える(例えば、変化させる)ために、非常に正確で最新の(すなわち、リアルタイムの)生体センシングをより必要とする重要な個人である。しかしながら、最新技術のセンサ装置及びデータ処理方法は扱いにくく、着用者の常に変化する身体的及び精神的状態を含む様々な生活様式への適用性及び適応性が限られている。
【発明の概要】
【0003】
本発明の目的は、上記の欠点の少なくとも1つを除去又は軽減するためのセンシングプラットフォーム及びその使用方法を提供することである。
【0004】
提供されるある側面は、複数の感知された生体データを使用してリモートネットワーク装置と交流するために、着用者の衣類のセンサプラットフォームを使用する方法であって、複数の生体データのセットをセンサから受信することと、複数のモデルデータパラメータを含むデータモデルと当該セットを比較することと、ネットワーク装置の動作特性に変化をもたらすために、前記比較が、リモートネットワーク装置に送信されるべきコマンドの必要性を示すかどうかを判定することと、前記コマンドを前記ネットワーク装置に送信することと、前記複数の生体データのさらなるセットを受信することと、前記さらなるセットを前記データモデルとさらに比較することと、前記ネットワーク装置の動作特性にさらに変化をもたらすために、前記さらなる比較が、前記リモートネットワーク装置に送信されるべきさらなるコマンドの必要性を示すかどうかを判定することとを含む方法である。
【図面の簡単な説明】
【0005】
上記及び他の側面は、添付の図面を参照して、単に例として記載され:
【0006】
【
図1】
図1は、複数のセンサを含むバンドの斜視図である;
【0007】
【
図2】
図2は、衣料品に組み込まれた
図1に示すバンドの図である;
【0008】
【
図3】
図3は、
図1に示すバンドの一実施形態を、関連する電気部品と共に示す;
【0009】
【
図4】
図4は、生体データの組み合わせの適用例を示す;
【0010】
【
図5】
図5は、
図1のバンドのさらなる実施形態の正面斜視図を示す;
【0011】
【0012】
【
図7】
図7は、
図5のバンドに取り付けられたセンサの側面図を示す;
【0013】
【0014】
【0015】
【
図10】
図10は例として、
図1に示されるセンサプラットフォームのために、生体データを処理し、その上で動作するためのシステムのブロック図を示す;
【0016】
【0017】
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1を参照すると、織物バンド10が示されており、これは、好ましくは弾性ニットタイプを有し、バンド10の本体を構成する織物に配置されるか、又は編まれる/織られる(例えば、刺繍される)センサ12のタイプ/数に基づいて、異なるモード/タイプの生体データを収集するために着用者(図示せず)の身体部分の周りにフィットするようにされている。身体部分は以下に限定されるものではないが、腰又は腹部、脚又は腕のような四肢、胴体/体幹、臀部、足又は足首、手首又は手、及び/又は頭部とすることができることが認識される。織物バンド10は独立した物品として提供することができ、又は、これらに限定されないが、下着11(これらに限定されないが、ジョッキーショーツ、パンティ、アンダーシャツ、及びブラジャーを含む任意のタイプの下着など、
図2を参照されたい)、靴下、肢バンド(例えば、膝バンド)、シャツ(例えば、アンダーシャツ)などのような衣料品に組み合わせる/組み合わせることができる。衣料品(すなわち、衣類11)に組み合わされることに関して、バンド10は、衣類11を構成する繊維を織り合わせて一体化される構成要素として形成し得る。バンド10の本体の織物は、織り合わされた弾性繊維(例えば、伸縮性の天然及び/又は合成材料及び/又は伸縮性及び非伸縮性材料の組み合わせ)から構成され得る。
【0019】
再び
図1を参照すると、ECGセンサ12a、バイオインピーダンスセンサ12b及び歪みゲージセンサ12cを含む一連のセンサ/電極12が、バンド10の周りに分配されて設けられ、例えば、内面111(すなわち、着用者の身体に向かって内側に面している)に取り付けられる。センサ12は電気活性ポリマー、すなわちEAP及び/又はセンサ/電極構成(例えば、パッチ)に構築された複数の導電性繊維の織物又は編物から構成され得ることが認識されている。センサ12はまた、着用者の物理的位置(例えば、自宅/建物の内部又は外部の位置)を検出することができるように、位置/場所センサを含むこともできる。
【0020】
また、バンド10上、例えば、外面13(すなわち、着用者から外向きに面している)には、コンピュータプロセッサ16、センサ12から得られたデータを受信し処理するための記憶された命令を実行し、ネットワークインターフェース20(例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、取り付けられた有線ケーブルなど)を介してネットワーク22と通信し、センサ12から電気信号を送受信するためのメモリ18を含むコンピュータ装置14(
図3参照)を含む一連の電気部品15が配置されている。プロセッサ16、メモリ18及びネットワークインターフェース20は、バンド10に取り付けられたハウジング24内に収容されたプリント回路基板26上に取り付けられている。また、PCB24には、着用者の体温を測定するための温度センサ12dも接続されている。又ハウジング内には、ハウジング24内の様々な電気部品15に電力を供給するための電源28(例えば、バッテリ)と、ハウジング24の外部のセンサ12a、b、cとが取り付けられており、これらのセンサは導電性通信経路30(例えば、ワイヤ(
図1参照)であって、バンド10布地の織物/編物に織り込まれている)を介して接続されている。経路30は、必要に応じて、導電性はとめを用いてセンサ12に連結することができる。また、以下でさらに説明する姿勢を含む着用者の動きを決定するための一連の運動センサ36(例えば、加速度計及びジャイロスコープ)も提供される。センサ12はまた、スピーカ/マイクロフォン(例えば、着用者との聴覚信号/通信のための)、照明センサ(例えば、着用者との視覚信号/通信のためのLED)、及び触覚/振動センサ(例えば、動作/タッチ信号/着用者との通信のためのアクチュエータ)として提供されてもよい。
【0021】
センサ例
センサ12は電気活性ポリマー、すなわちEAPから構成することができ、これは電界によって刺激されたときにサイズ又は形状の変化を示すポリマーである。EAPSはまた、機械的変形によって刺激される場合、電場の変化も示し得るであろう。このタイプの材料の最も一般的な用途は、アクチュエータ及びセンサである。EAPの標準的な特性は、それらが力を支持しながら変形を受けることである。例えば、最適な導電率、柔軟性、及び製造の容易さのための様々な添加剤を含有するEPDMゴムを、着用者の人間の皮膚上で測定される電極インピーダンスを測定するためのセンサ12材料として使用することができる。さらに、EAPを用いて、ECGを測定し、また変形を測定することができる(すなわち、ウエストの拡張、したがって呼吸をEAPから推測することができる)。ECGは、所望に応じて、表面電極、織物又はポリマーを用いて測定することができる。
【0022】
これらの電極12は、経路30を介してハウジング24内の電気部品15の能動回路に結合されたときに、ECGのような生体電位信号を記録することができ、一方EEGのような低振幅信号用でもある。ECGセンサ12aは着用者の心拍数を反映するコンピュータプロセッサ16への信号を収集し送信するために使用することができる。そのようなものとして、センサ12としての電極は、所望に応じて、バンド10の導電性糸/繊維(例えば、導電性繊維(例えば、銀線/糸)を使用する、編まれた、織られた、刺繍)から構成され得ることが認識されている。
【0023】
生体電気インピーダンスに関して、これらのセンサ12a、b及びそれらの測定値は、身体組成、特に体脂肪を推定するためのプロセッサ16及びメモリ18の命令を介して分析(BIA)に使用することができる。体脂肪を推定することに関して、BIAは実際に、電気インピーダンス、すなわちセンサ12(例えば、12a、b)の間に挿入された着用者の身体組織を通る電流の流れに対する抵抗を決定し、次いで、これを使用して総体水分(TBW)を推定することができ、これは、除脂肪体重、及び体重との違いにより、体脂肪を推定するために使用することができる。
【0024】
歪み感知に関しては、これらのセンサ12cが電気伝導度の物理的特性及び導体の幾何学的形状への依存性を利用する歪みゲージとして動作させることができる。導電体12cがその弾性の限界内で伸張されて、それが破損したり永久的に変形したりしないとき、センサ12cはより狭まり、より長くなり、その電気抵抗を端から端まで増大させるように変化する。逆に、センサ12cが座屈しないように圧縮されると、センサ12cは広がり、短くなり、その電気抵抗を端から端まで減少させるように変化する。歪みゲージの測定された電気抵抗から、メモリ18に記憶された命令に基づいて動作するコンピュータプロセッサ16を介してセンサ12に与えられる電力28を介して、誘起された応力の量を推定することができる。例えば、平行線のジグザグパターンの長くて薄い導電性繊維として配置された歪みゲージ12cは、平行線の向きの方向の少量の応力が、単一の直線導電性ワイヤで観察されるよりも、導電性線のアレイ内の導体表面の有効長さにわたって、倍数的に大きい歪み測定値をもたらし、したがって、倍数的に大きい抵抗変化をもたらすようである。歪みゲージ12cの位置/構造に関して、歪みゲージはバンド10の周囲に配置することができる。さらなる実施形態では、歪みゲージ12cがバンド10の前52の部分(着用者の前部に隣接して配置される)に配置される、周囲の一部、例えば蛇行配置に位置する場合である。歪みゲージ12cは、kオームの範囲で感知するように構成することができる。
【0025】
温度センサ12dに関しては、このセンサは衣類の動的体温を測定するために使用される。例えば、温度センサ12dはサーミスタタイプのセンサであってもよく、それはその主要な機能が体温の対応する変化を受けたときに、大きく予測可能で正確な電気抵抗の変化を示すことである感熱抵抗器である。例は、体温の上昇を受けたときに電気抵抗の減少を示す負温度係数(NTC)サーミスタ、及び体温の上昇を受けたときに電気抵抗の増加を示す正温度係数(PTC)サーミスタを含み得る。他の温度センサタイプは、所望に応じて、熱電対、抵抗温度計及び/又はシリコンバンドギャップ温度センサを含み得る。センサ12は、コンピュータプロセッサ16によってオンボードで処理された感知データ44及び/又はインターフェース20を介してサードパーティ装置60又は着用者(コンピュータ装置40の操作者)から受け取った命令に応答して、コンピュータプロセッサ16を介して作動させることができる触覚フィードバックセンサを含むことができることも認識されている。温度センサ12dの別の例は、より正確な温度読み取り値を得るために、織物を使用して熱電対をバンド10の織物に編み込み、密接/接触によって着用者の身体に直接結合することができ得る場合である。
【0026】
感知データ及び処理
再び
図2及び
図3を参照すると、プロセッサ16(メモリ18に記憶された命令に基づいて動作する)は収集されたデータ44を(生のフォーマットで及び/又はセンサ12からの前処理されたフォーマットで)外部コンピュータ装置40(例えば、スマートホン又は他のデスクトップアプリケーション)に送信して、感知データを閲覧及び/又はさらなる処理することができる。例えば、装置40のアプリケーションは、着用者(又はデータ44へのアクセスが提供された着用者以外の別の人物)が見るために、感知データ44をディスプレイ42(又は他のタイプのGUIインターフェース)上にダッシュボードタイプフォーマット46で表示することができる。例えば、感知データ44は:皮膚温度の変動を示すための体温;着用者の身体活動(すなわち、感知された動きを介して)の量/程度を示すため、及び着用者の姿勢のジャイロスコープ読み取り値(例えば、バンド10が着用者の腰に位置する場合)ならびに消費されたカロリー数の決定された計算を介して寄与する、ジャイロスコープ/加速度計測定値;バンド10が拡張及び収縮するときの着用者のリアルタイム呼吸を示すための歪みゲージ測定値(例えば、導電性糸を介して)ならびに姿勢角に寄与する歪みの程度を区別する能力(すなわち、
図2の下着11の例の場合、腰での屈曲による着用者の姿勢の変化に伴って長さが変化するときのバンド及び関連する歪みセンサ12c);センサ12aを使用して感知されたECGデータに基づくリアルタイム心拍数測定値;及びセンサ12b(及び任意選択的に、以下でさらに説明する12a)を使用するガルバニックセンシングに基づくリアルタイム水分量/体脂肪測定;のリアルタイム(又は他の選択された動的周期周波数)を示すダッシュボードフォーマットで提供され得る。
【0027】
感知されたデータの複数のソース(例えば、活動/運動センサ36を備えた温度センサ12dは体温と組み合わされた活動に基づいて消費されたカロリーを計算するために、メモリ18に記憶されたアルゴリズムにおいて使用され得る)が認識されている。感知データタイプの他の組み合わせは以下に限定されるものではないが:活動データと心拍数;温度を有する活動データと心拍数;生体インピーダンスデータと活動データ;運動レベルの決定のための活動データ及び心拍数データと、呼吸数データ決定のための歪みゲージ;などの組み合わせを含むことができる。また、センサタイプの読み取り値の組み合わせをコンピュータプロセッサ16で使用して、標準的なセンサデータを有する活動タイプのコンピュータモデルに基づいて、着用者によって実行されている運動活動タイプを決定することができ、例えば、心拍数及び呼吸がより低いレベルが検出される身体姿勢の漸進的な変化は、着用者がヨガを行っていることを示すことができることが理解される。さらなるタイプの複数の感知データの用途は、加速度計及びジャイロスコープデータのためであり得、その結果、両方が使用され得るか又は一方が使用され得、そして他方がダッシュボード46の選択された測量の決定の間には考慮されない。例えば、バンド10が過体重の人の腰に位置している場合、ジャイロスコープが「垂直から外れた」とする読み取り値を示す事は、(垂直からの)曲がった姿勢を示すものではなく、むしろ身体組成のために折り畳まれたウエストバンドによるものであろう。したがって、ジャイロスコープの読み取り値の程度は、姿勢決定の計算から差し引かれる。
【0028】
図1を再度参照すると、センサ12a,bの位置はセンサ12a,bの間に適切な量の体の部分を位置づけるとともに、着用者の体格(例えばクロスボディ測定)を経る適切な導電性経路を提供するために、中心線50のそれぞれの側にペアとして位置づけられるようになっている。また、筋肉ノイズ(筋肉の作用が隣接するセンサ12に信号ノイズを導入する可能性がある)が最小限に抑えられる身体領域にセンサ12a、bを配置することが好ましいことも認識されている。したがって、センサ12a、bはバンド10が腰部に配置される場合に、着用者の腰及び/又は腎臓に隣接して配置する位置でバンド10内に配置することができる。着用者のどちらかの腰に隣接するようにバンド10内にセンサ12a、bを配置すること、すなわち、バンド10の中心線56の一方の側に対の両方のセンサ12a、bを配置することは、着用者の活動が抑制されている(例えば、休息している)ときに、より低い信号振幅/品質を提供するが、着用者が活動しているときに(腰領域に隣接する利用される筋肉塊の存在が腰部の周りの他の領域と比較して最小であるため)、信号品質の向上を有利に提供することも認識されている。
【0029】
センサ12a、bの位置は、標準的な着用者のための分離距離が前から後ではなく、側部から側部へと大きくなっている(つまり、脊柱とへそとの間に対して腰の間が広い)ので、(着用者の)左右に延びる中心線56のそれぞれの側ではなく、前後へ延びる中心線50のそれぞれの側に配置することができることも認識されている。
【0030】
さらに、センサ構成の1つの例示的な選択肢は、4電極ECGセンサ構成である。このようなECG設計のコストは要因となり得るが、この設計は潜在的に、より良好な信号性能を与え得るであろう。4センサECG設計の背後にある理論は、プロセッサ16が(複数対ECGセンサ構成の)各センサ対の間で切り替えて、最良の信号品質を有するセンサを見つけ、着用者の感知された動きの間にそのセンサを使用することができるということである。
【0031】
再び
図3を参照すると、プロセッサ16及び関連するメモリ18に記憶された命令は、ECGセンサ12a及びセンサ12bの両方を同時に利用することによって、(受信されたセンサ12の読み取り値に基づいて)バイオインピーダンス値を決定するために使用され得る。これは、センサ12bによって生成される信号振幅がEGCセンサ12aを過飽和にするために、(センサ12aを使用する)EGC感知が(センサ12bを使用する)生体インピーダンス感知と同時に起こることができないので、有利である。したがって、プロセッサ16はECG読み取り値と生体インピーダンス読み取り値との間を循環する(すなわち、これらの読み取り値は、並列ではなく連続して行われる)ことが認識されている。このように、プロセッサは、生体インピーダンスの読み取りを行う間、ドライバとして中心線50の一方の側のセンサ12a、bと、コレクタとして中心線50の他方の側のセンサ12a、bの両方に電力を指示する。したがって、センサ対12a及びセンサ対12bの位置決めは、中心線50、56に関して対称であり得ることが認識されている。
【0032】
図3及び
図4を参照すると、コンピュータ装置14は、感知データ44をバンド外のコンピュータ装置40に送るために使用することができ、その後、自らカスタマイズされたアプリケーション43を使用して、感知データ44を処理し、着用者が能動的に行うことができる可能性のある適応/変更についての身体的/精神的状態を着用者に知らせることができる。例えば、アプリケーション43は、着用者の睡眠の質の指標として、経時的な温度と活動の組み合わせに関する感知データ44を報告することができる。さらに、アプリケーション43は(例えば、呼吸データ及び活動データと任意のECGデータとの組み合わせに基づいて)着用者の決定された感情状態を着用者に通知することができ、さらに、着用者によって行われたステップが決定された感情状態に積極的に影響を及ぼしているかどうかを着用者に通知するために、データの組み合わせの継続的なモニタリングを着用者に通知することができる。さらに、アプリケーション43は例えば、ひずみゲージデータと活動データとの組み合わせに基づいて、着用者の活動の程度ならびに品質/性質を追跡し、報告することができる。さらにアプリケーションは、感知データ(例えば、活動、心拍数など)の組み合わせに基づいて、着用者の決定された気分及び/又は温度に応答して、これらに限定されないが音楽システム、暖房システム、照明システムなど、他の外部コンピュータネットワーク装置60(
図3を参照のこと)と互いに交流し合うことができる。
【0033】
図5及び
図6を参照すると、バンド10の別の実施態様が分解図で示されている。特に、バンド10は前バンド部60と後バンド部62とから構成され、この部分60が通信経路30を備えたセンサ12a、bを有し、通信経路30はセンサ12a,bをそれぞれコネクタ64に電気的に接続する(センサ12a,bをネットワークインターフェース20に電気的に接続するために、PCB26の各コネクタ部分に接続する(
図3を参照))。バンド部分62はバンド部分60、62が互いに組み立てられたときに(例えば、隣接して配置された表面70を介して縫い合わせることによって互いに結合されたときに)センサ12a、bが切欠き66内に受け入れられるようにするための切欠き66を有し、したがって、表面111が皮膚と接触するので、センサ12a、bの表面68が着用者の皮膚と接触するようになる。導電性経路30は、バンド部分60の材料を構成する電気絶縁性繊維と織り合わされた導電性繊維とすることができることが認識されている。
【0034】
図7を参照すると、部分60、62が組み立てられ、センサ12a、bが切欠き66(
図5、6参照)に受け入れられるように、センサ12a、bの一方の例示的な側面図が示されている。なお、センサ12a,b自体が皮膚接触表面111から距離Xだけ伸びており、それゆえ着用者の皮膚への接触が改良されることに留意することが重要である。特に、センサ12a、bは、表面111からのセンサ12a、bの導電性部分72のそれぞれの延長を提供するために、表面68の導電性部分72(すなわち、基材74を通って延在する通信経路30に結合される)ならびに高くされた基材74を有することができる。例えば基材74は、バンド部分62の材料(すなわち、電気絶縁性繊維)を組み込んだ織物繊維と交互に配置された電気的に絶縁性の織り合わされた繊維から構成することができる。
【0035】
図8を参照すると、バンド部分60のさらなる実施形態が示されており、これは、バンド部分60の材料を構成する他の絶縁性繊維と共に蛇行様式で編まれた/織られた歪みゲージセンサ12cを示す。このように、
図7に示すように、一旦組み立てられると、バンド部分62は歪みゲージセンサ12cを覆い、歪みセンサ12cの導電性繊維との直接的な接触から着用者の皮膚を絶縁することが認識されている。
図9は、歪みセンサ12cのさらなる幾何学的構成を示す。
【0036】
図5~
図8を参照すると、それらは、通信経路30(例えば、配線)および歪みセンサ12c自体の例示的な幾何学的レイアウトを含むことが認識されている。センサ12a、b、cおよびバンド部分60、62の図示された構造は、(経路30およびセンサ12cの)パターン全体が織物の1つの組み立てられた(例えば、織り合わされた)層としてカバー部分60、62内に実際に含まれるので有利であるが、(経路30およびセンサ12cの)配線はニットパターンの内側で編まれ、したがって、その結果として絶縁され、したがって、配線から着用者の皮膚への望ましくない電荷の印加を抑制するために外部絶縁(接着剤、ラミネートなど)の必要性が抑えられる。さらに、センサ12a、b自体の3D形状(例えば、表面111からの延長)はセンサ12a、bの皮膚との接触を改善することができ、乾燥または湿潤の様々な皮膚状態にわたる生体データの収集を提供することができる。
【0037】
図10を参照すると、各々がネットワーク22を介して衣類アプリケーション100でデータ44、45(すなわち、双方向)を送受信することができる装置アプリケーション102を有する複数のネットワーク装置15とネットワーク22を介して双方向通信する衣類アプリケーション100が示されている。衣類アプリケーション100はインターフェース20(例えば、API)を介して生体データ44を受信し、次いで、装置60上で実行される装置アプリケーション102を介してネットワーク装置60の動作に影響を及ぼすために、データ44(例えば、生又は他の方法で処理された)に基づいてコマンド45を1又は複数のネットワーク装置60に送信することができることが認識される。例えば、装置アプリケーション102はホームサーモスタット60上で実行されるサーモスタットアプリケーション102とすることができ、したがって、サーモスタット60に、サーモスタットによって制御される温度設定を上昇又は下降させるように命令することができ、以下の例によって説明されるさらなる双方向利用ケースがあることを認識する。
【0038】
衣類アプリケーション100は、衣類11(例えば、シャツ、パンツ/ショーツ、ベスト、下着、帽子及び/又はバンド10の一部として又はその外部に、センサ12,36を組み込んだ他の衣類タイプのいずれか)に組み込まれたセンサ12,36によって収集された生体データ44を受け取る。衣類アプリケーション100は他の外部コンピュータネットワーク装置60と互いに交流し合うことができる(
図10を参照されたい、これらに限定されないが、例えば、音楽システム装置60、暖房システム装置60、照明システム装置60、セキュリティシステム装置(例えば施錠/解錠ドア)及び衣類アプリケーション100を介して衣類11の着用者8と互いに交流し合うように構成された他の装置60が挙げられる。衣類アプリケーション100は例えば、これらに限定されないが、コンピュータ装置14上で実行される衣類アプリケーション100、外部装置40(例えば、着用者のモバイル装置)上で実行される衣類アプリケーション100及び/又は所望に応じてネットワークサーバ41上の着用者アカウント上でホストされるクラウドベースの衣類アプリケーション100のような、1又は複数のコンピュータプラットフォーム上で実行される1又は複数のアプリケーション100とすることができることが認識される。いずれにしても、1又は多くの異なるホスト型衣類アプリケーション100にかかわらず、衣類アプリケーション100は、コンピュータプロセッサ16によってセンサ12、36から収集された生体データ44を受信し、任意選択で生体データ44を処理又は分析し、データ44(すなわち、生又は処理済み)を1又は複数の記憶された閾値又はルールセット45(以下でさらに説明する)と比較して、それぞれのネットワーク装置60の機能的挙動を修正するように装置アプリケーション102に命令するためのコマンド45を生成し、コマンド45をネットワーク装置60と通信し、コマンド45の受信に応答してネットワーク装置60からのコマンドに対する応答45を提供するように構成される。以下にさらに記述するように、コマンド45は、感知データ44(例えば、活動、心拍数など)の組み合わせに基づいて、着用者の決定された気分及び/又は温度に応答して、衣類アプリケーション100によって生成され得る。
【0039】
再び
図10を参照すると、衣類インタラクションサービス101は例えば、サーバ41上で実施することができるが、必要に応じて、全部又は一部を外部装置40上でホストすることもできる。衣類インタラクションサービス101(
図11参照)は、衣類アプリケーション100に登録された着用者アカウント110と共に、ネットワーク装置60のそれぞれの装置アプリケーション102に登録されたそれぞれの装置アカウント112を含む。アカウント110、112はネットワーク22がその間でインタラクションする前に、サービス101に登録される。例えば、自身のホームサーモスタット60及び自身のホーム照明システム60及び自身のホームミュージックシステム60を制御することを望む着用者8(これらの装置60の機能のうちの1又は複数は、別個の装置アプリケーション102によってではなく、必要に応じて同じ装置アプリケーション102によって制御され得ることが認識される)はインタラクションサービス101に登録し、ネットワーク装置アプリケーション102を登録し、したがってアカウント110、112を作成することができる。アカウント110、112を使用して、インタラクションサービス101はデータ44、コマンド45、及び応答45を受信することができ、それによって、衣類11と装置60との間のネットワーク22のインタラクションを調整する際に使用するためのサードパーティサーバ/サービスとして働く。
【0040】
アカウント110,112は、これらに限定されないが、以下のような登録情報を含むことができる:着用者のログイン及びパスワードアカウント情報、装置60の動作のための着用者設定情報114(例えば、着用者パラメータ設定に基づく所望の装置60の動作)、装置動作設定116(例えば、受信されたコマンド45に基づいて修正するためにアクセス可能な許容機能)。例えば、着用者設定情報114に関して、これらに限定されないが、例えば、アクティブであるが幸福/満足であると考えられる着用者の気分のための「イージーリスニング」音楽、安静な状態(例えば睡眠など)で着用者を落ち着かせるのに使用する「静かなリスニング」音楽、着用者がより身体的にアクティブになるよう動機付けするのに使用する「アクティブリスニング」音楽のような、異なる着用者の気分のための音楽タイプ選択(音楽システム装置60によって再生されるよう)を着用者が指定することができる。他の設定114としては、これらに限定はされないが、決定された着用者の活動レベル/精神状態に基づく所望の照明レベル(照明システム装置60によって管理されるよう)、決定された着用者の活動レベル/精神状態に基づく所望の温度設定(暖房/冷房システム装置60によって管理されるよう)、決定された着用者の活動レベル/精神状態に基づく自動車の動作モード(自動車システム装置60によって管理されるよう)及び/又は、これらに限定はされないがアクチュエータ(例えば、着用者に電気/振動刺激を印加することができる電子センサ、着用者に熱を印加することができる暖房装置、熱除去又はそうでなければ着用者を冷却することができる冷房装置及び/又は感知され(例えば、アプリケーション100を介して)処理された生体データ44を使用して生成されたコマンド45の受信に基づいてその機能状態を変更することができる任意の他の装置60などの、衣類11の布地上/中に常駐する機能装置60に基づく衣類11自体を含むことができる。着用者設定情報114の別の例は、着用者が特定の物理的位置(例えば、地理的位置Xは着用者の自宅を表し、地理的位置Yは着用者の仕事/雇用を表し、地理的位置Zは着用者の好みの趣味を表し、地理的位置X1は自宅内の着用者の位置(例えば寝室など)を表す)の定義を指定することができるような位置設定のためのものである。また、着用者設定情報114を使用して、装置14と隣接する装置との共登録に基づいて着用者の環境を定義することができることも認識される(例えば、装置と外部装置40とのペアリングを使用して、着用者がジムで運動している場合、車を運転している場合などを示すことができる)。したがって、衣類アプリケーション100はセンサ/装置13から取得された情報(例えば、自動車通信システム、外部装置40に常駐するGPSセンサなどの他の装置60との現在のBluetooth(登録商標)接続性)に基づいて、着用者の活動/精神状態についても通知され得ることが認識される。
【0041】
上記に鑑みて、衣類アプリケーション100は、周期的(例えば、データ44報告の決められた規則的な頻度)に及び/又は要求されるたびに(例えば、生成され、ネットワーク装置60に送信され、よってネットワーク装置60の動作状態を変更するコマンド45に応答して)、生体データ44を受信することに関与することが認識される。このようにして、スケジュールされた定期的及び/又は要求に応じて、衣類アプリケーション100を使用して、ある期間にわたって着用者8の身体的/精神的状態をモニターすることができ、着用者設定114の指示にしたがって、受信され解釈された生体データ44に基づいて、ネットワーク装置60のうちの1又は複数の動作機能を調整することができる。
【0042】
衣類アプリケーション100は、2以上の異なるセンサタイプ(例えば、活動センサ及び温度センサ、温度センサ及びECGセンサ、活動センサ及び姿勢センサ、活動センサ及び位置センサなど)からの複数の生体データ44を比較する際に使用するための複数のデータモデル109へアクセスできることが認識される。データモデル109はそれぞれ、着用者8の特定の所望の(又は望ましくない)身体的/精神的状態を定義する(例えば、着用者8によって定義されるように)一連のデータ44の値の組み合わせを表す。例えばデータ44は、1)自宅の位置(例えば寝室)、時刻(例えば夜間)、温度読み取り値(例えば昇音)及び活動読み取り値(例えば着用者の動き)からなり、2)衣類アプリケーション11によって受け取ることができ、及び3)着用者8の所望の睡眠パターンを表すデータモデル109と比較され得る。データ44が睡眠データモデル109の所望の睡眠パターンと一致する場合には、衣類アプリケーション100がコマンド45を生成せず、それによって睡眠データモデル109に関連付けられたネットワーク装置60(例えば、サーモスタット60、音楽システム60等)を管理するか、さもなければ影響を与えようと試みる。
【0043】
したがって、コマンド動作200のための
図12を参照すると、衣類アプリケーション100は、センサ12、36から収集/受信された複数のデータタイプを含む生体データ44(ならびに外部装置40などであるがこれに限定されない第三者装置によって提供される任意の他のデータ)を、データモデル109と比較204する。例えば、衣類アプリケーション100は、衣類11のセンサ12、36の各々から定期的に(例えば、10秒毎に)データ44を受信するように構成することができる。受信202されたデータ44に応答して、衣類アプリケーション100はデータ44をモデル109の各々と比較204し、データ44がデータモデル109の1以上と一致する(又は一致しない)場合に、1以上のコマンド45を生成206することができる。データモデル109の各々は、データ44が一致する(又は一致しない)場合に、どのアクションが適切であるか、及びデータモデル109に潜在的なデータパターンが、センサ12、36によって提供される(異なるデータタイプの)複数のデータ44にどの程度一致するか、又は一致しないかを決定/示唆する際に使用するための一組の命令111(
図10参照)を有することが認識される。
【0044】
睡眠例
図12に続く、衣類アプリケーション100の動作の一例は、着用者8の睡眠又は安静状態をモニター200するためのものである。例えば、衣類アプリケーション100によって受信202されたセンサ12、36データによる衣類11は、着用者8の活動レベル(例えば、加速度計データ44)、着用者8の温度レベル(例えば、温度センサデータ44)及び着用者8の姿勢又は身体傾斜レベル(例えば、歪みセンサ又はジャイロスコープデータ44)を示すことができる。衣類アプリケーション100は、着用者8が睡眠データモデル109の睡眠パターンに一致する(例えば、安静睡眠を表す)か、又は一致しない(例えば、妨害された/フィットした完全睡眠を表す)睡眠エピソードを有するかどうかを決定205するために、これらの受信データ44レベルを睡眠データモデル109の1以上の睡眠パターン/閾値と比較204することができる。ステップ206では、一致又は不一致の程度に基づいて、衣類アプリケーション100は(命令111を介してデータモデル109に関連付けられるよう)ネットワーク装置60のうちの1又は複数のためのコマンドを生成206し、そのコマンドを送信208し、ネットワーク装置60からフィードバック45(例えば、確認応答、ネットワーク装置60の動作機能の変化又は変化の程度を示す応答など)を受信することができる。睡眠の例の場合、衣類アプリケーション100はルールセット111に基づいて、定義された量だけ(例えば、2℃だけ)温度低下コマンド45を生成206し、コマンド45をサーモスタット60に送信208する。衣類アプリケーション100は、温度低下コマンドの確認45をサーモスタット60から受信することができ、その後、着用者8のさらなるデータ44を(例えば、さらなるプログラムされた周期的又は要求されたデータを介して)モニター210して、さらなるデータモデル109比較212を介して、新しい/修正されたデータ44(発行されたコマンド45の結果)がデータモデル109によって表される着用者の活動/精神状態の所望の変化(例えば、改善)213を表すか、又はその改善の欠如を表すかを判定することができる。ステップ213における所望の変化の場合、衣類アプリケーション100は、ネットワーク装置60へのさらなるコマンド45の発行を控え、したがって、データ44のさらなる定期的な受信及びデータモデル109との比較を介して着用者8をモニター202し続ける。ステップ213で決定された変化/無変化によりさらなるコマンド45が発行される必要がある場合(例えば、睡眠が改善されているが、モデル109のデータパターンで表されるような許容可能なレベルまでではない場合)、衣類アプリケーション100はステップ206に戻る。
【0045】
上記の例では、睡眠データモデル109の或る潜在的なデータパターンが着用者の温度が上昇し(例えば、着用者が高温すぎる)、着用者の活動/運動レベルも上昇する(例えば、着用者が寝返りしている、及び向きを変えている)場合である。発行されるコマンド45はサーモスタットが室温を低下させることであり、衣類アプリケーション100は温度変化の影響、例えば、着用者温度の低下をモニターする。その後、新たなデータ44を介して着用者の活動レベルが睡眠データモデル109に定義されているように許容可能なレベルまでモニターされた低下を示すと、衣類アプリケーションは、ステップ202における動作に戻る。反対に、睡眠データモデル109で定義されたように許容できないレベルを表す新しいデータ44を介して、着用者の活動レベルがその後のモニターされた上昇/不変を示すと、着用者の体温及び/又は活動レベルの低下を促進するために、室温の継続的な低下に努めて、衣類アプリケーションはステップ206における動作に戻る。
【0046】
精神状態例
衣類アプリケーション100及び装置アプリケーション102と対になった衣類11の潜在的なアプリケーションの数は、多数であり得ることが認識される。さらなる例は衣類アプリケーション100が身体活動レベルの対応する上昇なしに、上昇した心拍数(依然として許容可能な基準を有する、すなわち心臓発作を示さない)を検出する(すなわち、感知データ44を介しての)場合である。着用者のこの身体状態は、定義されたように/データモデル109と一致するように、不安発作を示すことができるであろう。この場合、衣類アプリケーション100はデータモデル109の命令111を介してプログラムされて、音楽システム60のようなネットワーク装置60に、静かな/瞑想的な音楽を流すように命令することができるであろう。衣類アプリケーション100による身体状態の継続的なモニタリングは、ネットワーク装置60の動作/機能状態への命令45の変更が着用者の身体/精神状態に何らかの影響を及ぼしているかどうかを衣類アプリケーション100が決定するために使用することができるであろう。
【0047】
命令及びデータパターン111によるデータモデル109は、複数の様々なセンサ12、36のタイプ及びそれらのデータの組み合わせを介して、着用者8のより複雑な状態を定義するために使用され得ることが認識される。例えば、現在の精神状態(例えば、幸せ、悲しみ、不安、興奮、鎮静、抑うつ、リラックス等)は、その精神状態を表すデータモデル109に一致する(又は一致しない)複数の感知データ44の組み合わせの結果として決定することができる。例えば、心拍数、呼吸数、温度、活動レベル、及び姿勢に関するデータ44は、精神状態データモデル109によって表されるような精神状態モデル化に基づいて、着用者8の現在の精神状態を定義及び予測するために、組み合わせとして使用され得る。
【0048】
通知緊急事態例
動作200が
図12に示されるように、感知データ44を使用して衣類アプリケーション100によって実行される(すなわち、データモデル109との比較によって決定される)データモデル109の決定された一致/不一致を軽減又はそうでなければ取り除かない場合、衣類アプリケーション100は、潜在的な緊急/危機事象を示す通知50を指定された装置52に送信するように設定114を介してプログラムされ得るであろうことも認識される。例えば、この指定された装置50は、家族、医師、通知サービス、又は友人の装置であり得、当該装置は通知52を受信し、着用者の活動/精神状態が通知され及び/又はそうでなければ何らかのアクションを実行するように促され得るであろう(例えば、着用者8に接触する、医師に接触するなど)(
図10を参照)。装置52は着用者8の外部装置40でもあり得、したがって、着用者8はそれらの状態の直接的な表示を提供される(例えば、「あなたは興奮しすぎなので、落ち着く必要があるかもしれない」)。
【0049】
動作200は例えば心臓発作、自動車事故、又は他の身体外傷、誘拐などの着用者8の実際の考慮される有害/緊急状態を決定するために使用され得、その結果、データモデル109はデータ44がデータモデル109において定義される予想される基準/閾値の十分に外側(又は内側)であることを(データ44をデータモデル109のルール及びデータパターン111と比較する衣類アプリケーション100によって)示す/決定するために使用されることも認識される。例えば、データ44はデータモデル109と比較した場合、心臓発作(例えば、ECG読み取り値44及び活動読み取り値44を介して)、脳卒中(例えば、EGC読み取り値44及び活動レベル読み取り値44)、誘拐(例えば、不安レベル読み取り値44、活動レベル読み取り値44、及び位置/位置変位の読み取り値44)などを示すことができるであろう。
【0050】
精神・身体活動例
さらなる例示的な動作200は、個々の着用者8の計画された身体活動(例えば、サイクリング、ジョギング)のためのものであり得る。身体活動を表すデータモデル109は衣類アプリケーション100によって使用することができ、着用者の生体データ44をモニターし、かつ、活動を実行している着用者8に対してのコンピュータ装置14(例えば音、光又は他の触覚コマンド/感覚)及び/又は外部装置40(例えば、装置40のスクリーン上の音及び/又はメッセージ)の提案を介して、着用者8に報告する。例えば、着用者8の水分補給レベル(例えば、身体状態)は感知データ44及び活動を表すデータモデル109との比較を介して衣類アプリケーション100によってモニターされ得、したがって、水分補給レベルが閾値の外側にあり(例えば、低すぎる)、したがって、着用者8が補正すべき(例えば、飲用による水分補給)であることを示す通知(例えば、コマンド45)が着用者8に(すなわち、装置14、40を介して)送信され得る。再び、上述した動作200のように、着用者8の動的な身体状態は(データ44とデータモデル109との比較において)衣類アプリケーション100によって継続的にモニターされ、したがって、さらなる提案(例えば、水分補給)が着用者8に送信される。代替的に、受け入れられた基準内で戻った検出された身体状態(例えば、水分補給)の通知45を、継続的なモニタリングの結果として、着用者8に送ることができるであろう。
【0051】
さらなる例示的な動作200は、個々の着用者8の計画された身体活動(例えば、サイクリング、ジョギング)のためのものであり得る。精神的活動/状態を表すデータモデル109は衣類アプリケーション100によって使用することができ、着用者の生体データ44をモニターし、かつ、活動している着用者8に対してのコンピュータ装置14(例えば、音、光、又は他の触覚コマンド/感覚)及び/又は外部装置40(例えば、装置40のスクリーン上の音及び/又はメッセージ)の提案を介して、着用者8に報告する。例えば、着用者8の集中レベル(例えば、精神状態)は、感知データ44及び活動を表すデータモデル109(例えば、モニターされた身体姿勢、呼吸数、心拍数などの結果として)との比較を介して、衣類アプリケーション100によってモニターされ得、したがって、集中レベルが閾値外(例えば、低すぎる)であり、したがって、着用者8が補正(例えば、再集中)すべきであることを示す通知(例えば、コマンド45)が着用者8に(すなわち、装置14,40を介して)送信され得る。再び、上述した動作200のように、着用者8の動的な精神状態は(データ44とデータモデル109との比較において)衣類アプリケーション100によって継続的にモニターされ、したがって、さらなる提案(例えば、再集中)45が着用者8に送信される。代替的に、受け入れられた基準内で戻った検出された精神状態(例えば、集中)の通知45を、継続的なモニタリングの結果として、着用者8に送ることもできるであろう。
【0052】
また、データモデル109は特定の活動タイプパターンに一致する感知データ44に基づいて、着用者8によって実行されている身体活動のタイプ(例えば、ヨガ、サイクリングなど)を検出するために使用され得ることが認識される。いったん検出されると、衣類アプリケーション100は、検出された活動タイプを表す適切なデータモデル109を選択し、使用して、活動が行われているときの着用者8の状態(例えば、身体的/精神的)をモニターすることができるであろう。身体活動はこれらに限定されないが、以下のような活動であり得る;身体的スポーツ(例えば、サイクリング、ランニング、ウェイトトレーニングなど)のような活発な身体活動;非活発な身体活動/スポーツ(例えば、ダーツ、ヨガ、太極拳など);着用者の就業場所でのコンピュータ作業などの活発な/集中的な精神活動;読書/リラクゼーション/音楽聴取/瞑想などのリラックスした精神活動;などであり得る。いずれにしても、データモデル109は動作200に関して上述したように、必要なデータモデル109と比較して、感知データ44に基づいて、着用者8の身体的/精神的活動を任意に検出し、またモニターするためにも使用され得ることが認識される。
【0053】
また、例えばネットワーク22を介してサービス101によって提供される生体データ44に他のネットワーク装置60(またはそれらの関連するアプリケーション102、またはサードパーティアプリケーション102さえも)が承認するコマンド・フローの例も提供される。装置60はサービス101から(または装置14、40を介して着用者8から直接に)データ44を受信し、その比較に基づいて、どのアクション(例えば、着用者8に、またはネットワーク22を介して他のサードパーティ装置に通知/通信/コマンド45などを送信する)をとるべきかについての決定を行うために、意思決定基準(例えば、上述のようにデータ44とデータモデル109との比較と同様)を適用する。