(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-15
(45)【発行日】2023-02-24
(54)【発明の名称】アミノピリミジン誘導体を調製するための改善されたプロセス
(51)【国際特許分類】
C07D 413/14 20060101AFI20230216BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230216BHJP
A61K 31/5377 20060101ALI20230216BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20230216BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20230216BHJP
C07F 7/22 20060101ALN20230216BHJP
B01J 27/24 20060101ALN20230216BHJP
【FI】
C07D413/14
A61P43/00 111
A61K31/5377
A61P11/00
A61P35/00
C07F7/22 U
B01J27/24 Z
(21)【出願番号】P 2020504203
(86)(22)【出願日】2018-07-25
(86)【国際出願番号】 KR2018008379
(87)【国際公開番号】W WO2019022485
(87)【国際公開日】2019-01-31
【審査請求日】2021-07-19
(31)【優先権主張番号】10-2017-0096212
(32)【優先日】2017-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516006530
【氏名又は名称】ユハン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】YUHAN CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100194423
【氏名又は名称】植竹 友紀子
(74)【代理人】
【識別番号】100186897
【氏名又は名称】平川 さやか
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】オ,サンホ
(72)【発明者】
【氏名】ク,ジェホク
(72)【発明者】
【氏名】リム,ジョンチョル
(72)【発明者】
【氏名】リー,ソンラン
(72)【発明者】
【氏名】ジュ,ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】シン,ウソプ
(72)【発明者】
【氏名】パク,デギュ
(72)【発明者】
【氏名】パク,スミン
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ユナ
【審査官】神野 将志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0102076(US,A1)
【文献】特表2013-544273(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104788427(CN,A)
【文献】特表2013-510876(JP,A)
【文献】特表2020-528916(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61P
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
N-(5-((4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-モルホリノフェニル)アクリルアミド又はその薬学的に許容される塩を調製するためのプロセスであって、
(i)塩化水素酸の存在下で、4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)-N-(2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)ピリミジン-2-アミンを塩化錫と反応させて、式5の錯体を得ることと、
(ii)式5の前記錯体を塩基と反応させて、N1-(4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)ピリミジン-2-イル)-6-メトキシ-4-モルホリノベンゼン-1,3-ジアミンを得ることと、
(a)N1-(4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)ピリミジン-2-イル)-6-メトキシ-4-モルホリノベンゼン-1,3-ジアミンを式4の化合物と反応させて、式2の化合物を得ることと、
(b)式2の前記化合物を塩基と反応させて、N-(5-((4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-モルホリノフェニル)アクリルアミドを得ることと、を含み、
【化2】
【化1】
式中、Xが、ハロゲンである、プロセス。
【請求項2】
ステップ(a)の前記反応が、カリウムtert-ブトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水素化ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、及びジイソプロピルエチルアミンからなる群から選択される1つ以上の塩基(複数可)の存在下で実行される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
ステップ(a)の前記反応が、アセトニトリル、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、C
1~C
5アルコール、トルエン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、ジエチルエーテル、水、及びこれらの混合物からなる群から選択される溶媒の存在下で実行される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
前記溶媒が、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、アセトン、ジクロロメタン、水、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項3に記載のプロセス。
【請求項5】
ステップ(b)で使用される前記塩基が、カリウムtert-ブトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水素化ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、及びジイソプロピルエチルアミンからなる群から選択される1つ以上である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
前記塩基が、水酸化ナトリウム、トリエチルアミン、及びジイソプロピルアミンからなる群から選択される1つ以上である、請求項5に記載のプロセス。
【請求項7】
ステップ(b)の前記反応が、アセトニトリル、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、C
1~C
5アルコール、トルエン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、ジエチルエーテル、水、及びこれらの混合物からなる群から選択される溶媒の存在下で実行される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項8】
前記溶媒が、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、アセトン、ジクロロメタン、水、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項7に記載のプロセス。
【請求項9】
ステップ(a)及びステップ(b)が、ワンポット反応で実行される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項10】
ステップ(i)の前記反応が、水、C
1~C
10アルコール、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、及び酢酸エチルからなる群から選択される1つ以上の溶媒(複数可)の存在下で実行される、請求項
9に記載のプロセス。
【請求項11】
ステップ(ii)で使用される前記塩基が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸カリウム、及びリン酸ナトリウムからなる群から選択される1つ以上である、請求項
9に記載のプロセス。
【請求項12】
前記4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)-N-(2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)ピリミジン-2-アミンが、1-(2-((2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒドをジメチルアミン又はその塩と反応させることによって得られる、請求項
9に記載のプロセス。
【請求項13】
前記反応が、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、及び水素化ホウ素ナトリウムからなる群から選択される1つ以上の還元剤(複数可)の存在下で実行される、請求項1
2に記載のプロセス。
【請求項14】
前記1-(2-((2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒドが、4-クロロ-N-(2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)ピリミジン-2-アミンを3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒドと反応させることによって得られる、請求項1
2に記載のプロセス。
【請求項15】
前記4-クロロ-N-(2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)ピリミジン-2-アミンが、N-(2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)ホルムアミドを4-クロロ-2-(メチルスルホニル)ピリミジンと反応させることによって得られる、請求項1
4に記載のプロセス。
【請求項16】
前記N-(2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)ホルムアミドが、2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロアニリンのホルミル化を実行することによって得られる、請求項1
5に記載のプロセス。
【請求項17】
前記ホルミル化が、
無水酢酸とギ酸との混合物で実行される、請求項1
6に記載のプロセス。
【請求項18】
前記4-クロロ-2-(メチルスルホニル)ピリミジンが、4-クロロ-2-(メチルチオ)ピリミジンの酸化を実行することによって得られる、請求項1
5に記載のプロセス。
【請求項19】
前記酸化が、過マンガン酸カリウム、クロム酸、酸素、過酸化水素、及び3-クロロ過安息香酸からなる群から選択される1つ以上の酸化剤(複数可)で実行される、請求項1
8に記載のプロセス。
【請求項20】
前記1-(2-((2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒドが、N-(2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)ホルムアミドを1-(2-(メチルスルホニル)ピリミジン-4-イル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒドと反応させることによって得られる、請求項1
2に記載のプロセス。
【請求項21】
前記反応が、
ナトリウムC
1~C
6アルコキシド、カリウムC
1~C
6アルコキシド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、及びリン酸カリウムからなる群から選択される1つ以上の塩基(複数可)の存在下で実行される、請求項2
0に記載のプロセス。
【請求項22】
前記反応が、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジクロロメタン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ヘキサメチルホスホラミド、C
1~C
5アルコール、ジエチルエーテル、酢酸エチル、アセトニトリル、及びアセトンからなる群から選択される1つ以上の溶媒(複数可)の存在下で実行される、請求項2
0に記載のプロセス。
【請求項23】
前記1-(2-(メチルスルホニル)ピリミジン-4-イル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒドが、1-(2-(メチルチオ)ピリミジン-4-イル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒドを酸化剤と反応させることによって得られる、請求項2
0に記載のプロセス。
【請求項24】
前記酸化剤が、過マンガン酸カリウム、クロム酸、酸素、過酸化水素、及び3-クロロ過安息香酸からなる群から選択される1つ以上である、請求項2
3に記載のプロセス。
【請求項25】
前記反応が、C
1~C
5アルコール、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、シクロヘキサン、石油エーテル、灯油、トルエン、キシレン、メシチレン、及びベンゼンからなる群から選択される1つ以上の溶媒(複数可)の存在下で実行される、請求項2
3に記載のプロセス。
【請求項26】
前記1-(2-(メチルチオ)ピリミジン-4-イル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒドが、4-クロロ-2-(メチルチオ)ピリミジンを3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒドと反応させることによって得られる、請求項2
3に記載のプロセス。
【請求項27】
前記反応が、カリウムtert-ブトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、及びジイソプロピルエチルアミンからなる群から選択される1つ以上の塩基(複数可)の存在下で実行される、請求項2
6に記載のプロセス。
【請求項28】
前記反応が、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、C
1~C
5アルコール、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、及びトルエンからなる群から選択される1つ以上の溶媒(複数可)の存在下で実行される、請求項2
6に記載のプロセス。
【請求項29】
式5の錯体。
【化4】
【請求項30】
1-(2-(メチルスルホニル)ピリミジン-4-イル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒド。
【請求項31】
1-(2-(メチルチオ)ピリミジン-4-イル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アミノピリミジン誘導体又はその薬学的に許容される塩を調製するための改善されたプロセスに関する。また、本発明は、該プロセスに有用な新規の中間体、及びそれを調製するためのプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
国際公開第2016/060443号は、タンパク質キナーゼ、特に突然変異体表皮成長因子受容体のタンパク質キナーゼに対する選択的阻害活性を有する、アミノピリミジン誘導体又はその薬学的に許容される塩を開示している。該アミノピリミジン誘導体又はその薬学的に許容される塩は、非小細胞肺癌に対して有効かつ安全な治療法を提供することができる。国際公開第2016/060443号は、アミノピリミジン誘導体として、例えば、下記の式1のN-(5-(4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)ピリミジン-2-イルアミノ)-4-メトキシ-2-モルホリノフェニル)アクリルアミド、及びそれを調製するためのプロセスを開示している。
【0003】
【0004】
国際公開第2016/060443号はまた、式(I)のアミノピリミジン誘導体を調製するためのプロセス、例えば、以下の反応スキームに従うプロセスも開示している。以下の反応スキーム中、R1は、メトキシであり得、R2は、水素であり得、R3は、モルホリニルであり得、R4は、水素であり得、R5は、フェニルであり得、R6は、水素であり得、R7は、ジメチルアミノであり得る。
【0005】
【0006】
具体的には、上記の反応スキームに従って式(I)の化合物を調製するためのプロセスは、水素化ナトリウムを使用することによって、式(a)の化合物を式(b)の化合物と反応させて、式(c)の化合物を得ることと、水素化ナトリウムを使用することによって、式(c)の化合物を式(d)の化合物と反応させて、式(e)の化合物を得ることと、式(e)の化合物の還元型アミノ化を実行して、式(f)の化合物を得ることと、鉄及び塩化アンモニウムを使用することによって、式(f)の化合物を還元して、式(g)の化合物を得ることと、式(g)の化合物を塩化アクリロイルと反応させて、式(I)の化合物を得ることとを含む。
【0007】
該プロセスは、式(c)の化合物及び式(e)の化合物を調製するための、水素化ナトリウムを使用する反応を含む。しかしながら、水素化ナトリウムは、火災及び爆発の可能性が高いため、工業的な大量生産における使用が困難であるという問題がある。
【0008】
また、該プロセスは、式(f)の化合物のニトロ基をそのアミノ基に還元するためのステップにおける鉄の使用を含む。しかしながら、鉄の使用は、反応器内で腐食及び汚染を引き起こす場合があり、これにより大量生産への適用が困難になっている。更に、式(g)の化合物を得るための、鉄及び塩化アンモニウムを使用する還元中に、未知のタール類及び分解生成物が生成され、生成物(すなわち、式(g)の化合物)は、黒色で得られる。したがって、好適な純度を有する最終生成物、つまり式(I)の化合物を得るためには、大量生産への適用が困難なカラムクロマトグラフィーによる精製プロセスを実行することが必要とされる。加えて、式(g)の化合物を調製するためのステップの収率は、わずか約60%である。
【0009】
加えて、式(I)の化合物を調製するための最終ステップで使用される塩化アクリロイルは、安定性が低いため、生産現場での取り扱いが困難である。また、式(g)の化合物と塩化アクリロイルとの反応中に、様々な分解生成物が生成されるため、好適な純度を有する式(I)の化合物を調製することは困難である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
技術的課題
本発明は、工業的な大量生産に好適であり、N-(5-(4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)ピリミジン-2-イルアミノ)-4-メトキシ-2-モルホリノフェニル)アクリルアミド(式1の化合物)又はその薬学的に許容される塩を高純度かつ高収率で生成することができる改善されたプロセスを提供する。
【0011】
また、本発明は、該プロセスに有用な新規の中間体、及びそれを調製するためのプロセスを提供する。
【0012】
課題に対する解決策
本発明の一態様に従うと、N-(5-((4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-モルホリノフェニル)アクリルアミド(式1の化合物)又はその薬学的に許容される塩を調製するためのプロセスが提供され、このプロセスは、(a)N1-(4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)ピリミジン-2-イル)-6-メトキシ-4-モルホリノベンゼン-1,3-ジアミン(式3の化合物)を式4の化合物と反応させて、式2の化合物を得ることと、(b)式2の化合物を塩基と反応させて、N-(5-((4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-モルホリノフェニル)アクリルアミドを得ることとを含み、
【0013】
【0014】
一実施形態では、ステップ(a)で使用されるN1-(4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)ピリミジン-2-イル)-6-メトキシ-4-モルホリノベンゼン-1,3-ジアミン(式3の化合物)は、(i)塩化水素酸の存在下で、4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)-N-(2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)ピリミジン-2-アミン(式6の化合物)を塩化錫と反応させて、式5の錯体を得ることと、(ii)式5の錯体を塩基と反応させて、N1-(4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)ピリミジン-2-イル)-6-メトキシ-4-モルホリノベンゼン-1,3-ジアミンを得ることとを含むプロセスによって得ることができる。
【0015】
【0016】
別の実施形態では、ステップ(i)で使用される4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)-N-(2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)ピリミジン-2-アミン(式6の化合物)は、1-(2-((2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒド(式7の化合物)をジメチルアミン又はその塩と反応させることによって得ることができる。
【0017】
更に別の実施形態では、1-(2-((2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒド(式7の化合物)は、4-クロロ-N-(2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)ピリミジン-2-アミン(式9の化合物)を3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒド(式10の化合物)と反応させることによって得ることができる。4-クロロ-N-(2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)ピリミジン-2-アミン(式9の化合物)は、N-(2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)ホルムアミド(式11の化合物)を4-クロロ-2-(メチルスルホニル)ピリミジン(式12の化合物)と反応させることによって得ることができる。また、N-(2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)ホルムアミド(式11の化合物)は、2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロアニリン(式13の化合物)のホルミル化を実行することによって得ることができる。4-クロロ-2-(メチルスルホニル)ピリミジン(式12の化合物)は、4-クロロ-2-(メチルチオ)ピリミジン(式18の化合物)の酸化を実行することによって得ることができる。2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロアニリン(式13の化合物)は、4-フルオロ-2-メトキシ-5-ニトロアニリン(式14の化合物)をモルホリン(式15の化合物)と反応させることによって得ることができる。
【0018】
更に別の実施形態では、1-(2-((2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒド(式7の化合物)は、N-(2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)ホルムアミド(式11の化合物)を1-(2-(メチルスルホニル)ピリミジン-4-イル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒド(式16の化合物)を反応させることによって得ることができる。1-(2-(メチルスルホニル)ピリミジン-4-イル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒド(式16の化合物)は、1-(2-(メチルチオ)ピリミジン-4-イル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒド(式17の化合物)を酸化剤と反応させることによって得ることができる。1-(2-(メチルチオ)ピリミジン-4-イル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒド(式17の化合物)は、4-クロロ-2-(メチルチオ)ピリミジン(式18の化合物)を3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒド(式10の化合物)と反応させることによって得ることができる。
【0019】
本発明の別の態様に従うと、式2の化合物又はその塩が提供される。
【0020】
【0021】
本発明の更に別の態様に従うと、式5の錯体が提供される。
【0022】
【0023】
本発明の更に別の態様に従うと、1-(2-(メチルスルホニル)ピリミジン-4-イル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒド(式16の化合物)が提供される。
【0024】
本発明の更に別の態様に従うと、1-(2-(メチルチオ)ピリミジン-4-イル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒド(式17の化合物)が提供される。
【0025】
発明の有利な効果
本発明のプロセスは、N1-(4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)ピリミジン-2-イル)-6-メトキシ-4-モルホリノベンゼン-1,3-ジアミン(式3の化合物、すなわち、国際公開第2016/060443号の式(g)の化合物に対応するもの)をN-(5-((4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-モルホリノフェニル)アクリルアミド(式1の化合物、すなわち、国際公開第2016/060443号の式(I)の化合物に対応するもの)に変換するためのステップにおける塩化アクリロイルの使用を回避する。つまり、本発明のプロセスは、式3の化合物を3-ハロゲノプロピオニルクロリドと反応させて、(新規の中間体である)式2の化合物を得ることと、式2の化合物を塩基と反応させて、式1の化合物を得ることとを含み、このプロセスは、分解生成物の生成を最小化し、それにより式1の化合物を高純度かつ高収率で調製することができる。
【0026】
また、本発明の改善されたプロセスは、4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)-N-(2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)ピリミジン-2-アミン(式6の化合物、すなわち、国際公開第2016/060443号の式(f)の化合物に対応するもの)をN1-(4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)ピリミジン-2-イル)-6-メトキシ-4-モルホリノベンゼン-1,3-ジアミン(式3の化合物、すなわち、国際公開第2016/060443号の式(g)の化合物に対応するもの)に変換するためのステップにおける鉄及び塩化アンモニウムの使用を回避することができる。つまり、本発明のプロセスは、酸の存在下で、式6の化合物を塩化錫と反応させて、式6の化合物と塩化錫との錯体を得ることと、錯体を塩基と反応させて、式3の化合物を得ることとを含み、このプロセスは、式3の化合物を高収率(例えば、75%以上)かつ高純度で調製することを可能にする。また、該プロセスは、鉄の使用によって引き起こされる反応器内の腐食及び汚染の問題を解決することができる。加えて、該プロセスは、未知のタール類及び分解生成物の生成を回避することができ、したがって、工業的な大量生産に好適ではないカラムクロマトグラフィーによる精製プロセスの実行を回避することができる。
【0027】
加えて、本発明の改善されたプロセスは、重要な中間体、すなわち、4-クロロ-N-(2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)ピリミジン-2-アミン(式9の化合物、すなわち、国際公開第2016/060443号の式(c)の化合物に対応するもの)及び1-(2-((2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒド(式7の化合物、すなわち、国際公開第2016/060443号の式(e)の化合物に対応するもの)を調製するためのステップにおける、火災及び爆発の可能性が高い水素化ナトリウムの使用を排除することができる。したがって、本発明のプロセスは、工業的な大量生産に好適である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明は、N-(5-((4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-モルホリノフェニル)アクリルアミド又はその薬学的に許容される塩を調製するための改善されたプロセスを提供する。本発明のプロセスの全体的な反応スキームは、以下の反応スキーム1又は2として表される。
【0029】
【0030】
本明細書以下に、反応スキーム1及び2のそれぞれのステップを参照しながら、本発明のプロセスを詳細に説明する。
【0031】
本発明は、N-(5-((4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-モルホリノフェニル)アクリルアミド(式1の化合物)又はその薬学的に許容される塩を調製するためのプロセスを提供し、このプロセスは、(a)N1-(4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)ピリミジン-2-イル)-6-メトキシ-4-モルホリノベンゼン-1,3-ジアミン(式3の化合物)を式4の化合物と反応させて、式2の化合物を得ることと、(b)式2の化合物を塩基と反応させて、N-(5-((4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-モルホリノフェニル)アクリルアミドを得ることとを含み、
【0032】
【0033】
本発明のプロセスでは、Xは、好ましくは塩素又は臭素である。
【0034】
本発明のプロセスでは、ステップ(a)の反応は、カリウムtert-ブトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水素化ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸カリウム(一塩基性リン酸カリウム、二塩基性リン酸カリウム、及び三塩基性リン酸カリウムを含む)、リン酸ナトリウム(一塩基性リン酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、及び三塩基性リン酸ナトリウムを含む)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン(DBN)、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、並びにジイソプロピルエチルアミンからなる群から選択される1つ又は2つ以上の塩基(複数可)の存在下で実行することができる。好ましくは、塩基は、重炭酸ナトリウムであり得る。塩基は、式3の化合物1当量あたり1.0~5.0当量、好ましくは1.0~3.0当量の範囲の量で使用することができる。ステップ(a)の反応は、アセトニトリル、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、C1~C5アルコール、トルエン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、ジエチルエーテル、水、及びこれらの混合物からなる群から選択される溶媒の存在下で実行することができる。好ましくは、溶媒は、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、アセトン、ジクロロメタン、水、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。より好ましくは、溶媒は、アセトニトリルと水との混合溶媒、メチルエチルケトンと水との混合溶媒、又はテトラヒドロフランと水との混合溶媒であり得る。式3の化合物と式4の化合物との反応は、0~50℃、好ましくは0~30℃の範囲の温度で実行することができる。式2の化合物は、濃縮(例えば、減圧下での濃縮など)、濾過、及び乾燥などの従来の方法に従って単離され得る。
【0035】
ステップ(b)で使用される塩基は、カリウムtert-ブトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水素化ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸カリウム(一塩基性リン酸カリウム、二塩基性リン酸カリウム、及び三塩基性リン酸カリウムを含む)、リン酸ナトリウム(一塩基性リン酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、及び三塩基性リン酸ナトリウムを含む)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン(DBN)、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、並びにジイソプロピルエチルアミンからなる群から選択される1つ又は2つ以上であり得る。好ましくは、塩基は、水酸化ナトリウム、トリエチルアミン、及びジイソプロピルアミンからなる群から選択される1つ又は2つ以上であり得る。より好ましくは、塩基は、トリエチルアミンであり得る。塩基は、式2の化合物1当量あたり1.0~20.0当量、好ましくは5.0~10.0当量の範囲の量で使用することができる。ステップ(b)の反応は、アセトニトリル、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、C1~C5アルコール、トルエン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、ジエチルエーテル、水、及びこれらの混合物からなる群から選択される溶媒の存在下で実行することができる。好ましくは、溶媒は、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、アセトン、ジクロロメタン、水、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。より好ましくは、溶媒は、アセトニトリルと水との混合溶媒、メチルエチルケトンと水との混合溶媒、又はテトラヒドロフランと水との混合溶媒であり得る。式2の化合物と塩基との反応は、40~150℃の範囲の温度、好ましくは60~100℃の範囲の温度、より好ましくは使用される溶媒の還流温度で実行することができる。該反応から調製された式1の化合物は、従来の方法に従って、遊離塩基の形態で、又は有機塩若しくは無機塩の形態で(例えば、メシラート塩の形態で)単離することができる。
【0036】
本発明のプロセスの一実施形態では、ステップ(a)及びステップ(b)は、式2の化合物を単離することなく、ワンポット反応で実行することができる。したがって、本発明のプロセスは、工業的な大量生産に好適である。
【0037】
本発明のプロセスでは、ステップ(a)で使用されるN1-(4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)ピリミジン-2-イル)-6-メトキシ-4-モルホリノベンゼン-1,3-ジアミン(式3の化合物)は、(i)塩化水素酸の存在下で、4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)-N-(2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)ピリミジン-2-アミン(式6の化合物)を塩化錫と反応させて、式5の錯体を得ることと、(ii)式5の錯体を塩基と反応させて、N1-(4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)ピリミジン-2-イル)-6-メトキシ-4-モルホリノベンゼン-1,3-ジアミンを得ることとを含む。
【0038】
【0039】
ステップ(i)では、該塩化錫は、無水物又は水和物(例えば、二水和物)の形態で使用することができる。塩化錫は、式6の化合物1当量あたり2.0~10.0当量、好ましくは3.0~5.0当量の範囲の量で使用することができる。酸は、式6の化合物1当量あたり2.0~10.0当量の範囲の量で使用することができる。また、ステップ(i)の反応は、0~100℃、好ましくは40~85℃の範囲の温度で実行することができる。したがって、反応は、穏やかな条件下で実行することができ、したがって、工業的な大量生産に好適である。反応は、水、C1~C10アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、及びブタノールなど)、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、並びに酢酸エチルからなる群から選択される1つ又は2つ以上の溶媒(複数可)の存在下で実行することができる。一実施形態では、溶媒は、エタノール又はエタノールとジクロロメタンとの混合溶媒であり得る。ステップ(i)から生成された式5の錯体は、それを単離することなく、後続のステップ[すなわち、ステップ(ii)]に供されてもよい。また、ステップ(i)から生成された式5の錯体は、反応混合物自体から単離されても、貧溶媒を用いた結晶化によって単離されてもよい。貧溶媒は、ジクロロメタン、酢酸エチル、C1~C5アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、及びブタノールなど)、アセトン、アセトニトリル、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ヘキサメチルホスホラミド、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、酢酸エチル、ジメトキシエタン、並びにトルエンからなる群から選択される1つ又は2つ以上であり得る。好ましくは、貧溶媒は、ジクロロメタンであり得る。使用される貧溶媒の量は、特に限定されないが、貧溶媒は、式5の錯体に基づいて、2~20倍、好ましくは3~10倍の範囲の重量比で使用することができる。結晶化はまた、0~40℃、好ましくは0~25℃の範囲の温度で実行することができる。
【0040】
ステップ(ii)は、式5の錯体と塩基との反応を通して、N1-(4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)ピリミジン-2-イル)-6-メトキシ-4-モルホリノベンゼン-1,3-ジアミン(式3の化合物)を提供する。塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸カリウム(一塩基性リン酸カリウム、二塩基性リン酸カリウム、及び三塩基性リン酸カリウムを含む)、並びにリン酸ナトリウム(一塩基性リン酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、及び三塩基性リン酸ナトリウムを含む)からなる群から選択される1つ又は2つ以上であり得る。好ましくは、塩基は、水酸化ナトリウムであり得る。
【0041】
本発明のプロセスでは、ステップ(i)で使用される4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)-N-(2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)ピリミジン-2-アミン(式6の化合物)は、1-(2-((2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒド(式7の化合物)をジメチルアミン又はその塩と反応させることによって得ることができる。反応は、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、及び水素化ホウ素ナトリウムからなる群から選択される1つ又は2つ以上の還元剤(複数可)の存在下、好ましくはトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムの存在下で実行することができる。還元剤は、式7の化合物1当量あたり1.0~5.0当量、好ましくは1.0~2.0当量の範囲の量で使用することができるが、その量は、還元剤に従って変動してもよい。反応は、ジイソプロピルエチルアミン及びトリエチルアミンからなる群から選択される1つ又は2つ以上の塩基(複数可)の存在下で実行することができる。また、反応は、C1~C10アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、及びブタノールなど)、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、並びに酢酸エチルからなる群から選択される1つ又は2つ以上の溶媒(複数可)の存在下で実行することができる。反応は、0~50℃、好ましくは20~30℃の範囲の温度で実行することができる。したがって、反応は、穏やかな条件下で実行することができ、したがって、工業的な大量生産に好適である。該反応から生成された式6の化合物は、反応混合物自体から単離されても、貧溶媒を用いた結晶化によって単離されてもよい。貧溶媒は、C1~C5アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、及びブタノールなど)、水、又はこれらの混合物、好ましくは水であり得る。使用される貧溶媒の量は、特に限定されないが、貧溶媒は、式7の錯体に基づいて、2~20倍、好ましくは3~10倍の範囲の重量比で使用することができる。結晶化はまた、0~40℃、好ましくは20~30℃の範囲の温度で実行することができる。
【0042】
一実施形態では、1-(2-((2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒド(式7の化合物)は、4-クロロ-N-(2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)ピリミジン-2-アミン(式9の化合物)を3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒド(式10の化合物)と反応させることによって得ることができる(反応スキーム1を参照されたい)。式9の化合物と式10の化合物との反応は、カリウムtert-ブトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸カリウム(一塩基性リン酸カリウム、二塩基性リン酸カリウム、及び三塩基性リン酸カリウムを含む)、リン酸ナトリウム(一塩基性リン酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、及び三塩基性リン酸ナトリウムを含む)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン(DBN)、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、並びにジイソプロピルエチルアミンからなる群から選択される1つ又は2つ以上の塩基(複数可)の存在下で実行することができる。好ましくは、塩基は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、及びリン酸カリウムからなる群から選択される1つ又は2つ以上であり得る。また、反応は、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、C1~C5アルコール、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、及びトルエンからなる群から選択される1つ又は2つ以上の溶媒(複数可)の存在下で実行することができる。好ましくは、溶媒は、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド、及びジメチルアセトアミドからなる群から選択され得る。より好ましくは、溶媒は、ジメチルホルムアミドであり得る。また、反応は、0~100℃、好ましくは40~60℃の範囲の温度で実行することができる。
【0043】
本発明のプロセスでは、4-クロロ-N-(2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)ピリミジン-2-アミン(式9の化合物)は、N-(2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)ホルムアミド(式11の化合物)を4-クロロ-2-(メチルスルホニル)ピリミジン(式12の化合物)と反応させることによって得ることができる(反応スキーム1を参照されたい)。式11の化合物と式12の化合物との反応は、ナトリウムC1~C6アルコキシド、カリウムC1~C6アルコキシド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸セシウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、リン酸カリウム、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン(DBN)、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、及びトリエチルアミンからなる群から選択される1つ又は2つ以上の塩基(複数可)の存在下で実行することができる。好ましくは、塩基は、C1~C6アルコキシド又はカリウムC1~C6アルコキシドであり得る。また、反応は、不活性溶媒の存在下で、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジクロロメタン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ヘキサメチルホスホラミド、C1~C5アルコール、ジエチルエーテル、酢酸エチル、アセトニトリル、及びアセトンからなる群から選択される1つ又は2つ以上の溶媒(複数可)の存在下で実行することができる。好ましくは、溶媒は、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、又はこれらの混合物であり得る。また、反応は、0~50℃、好ましくは0~10℃の範囲の温度で実行することができる。
【0044】
本発明のプロセスでは、N-(2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)ホルムアミド(式11の化合物)は、2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロアニリン(式13の化合物)のホルミル化を実行することによって得ることができる(反応スキーム1を参照されたい)。ホルミル化は、酢酸(例えば、無水酢酸)とギ酸との混合物で実行することができる。使用される酢酸及びギ酸の各量は、式13の化合物1モル当たり2~5モル、好ましくは2.5~3.5モルの範囲であり得る。また、ホルミル化は、不活性溶媒の存在下で、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジクロロメタン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ヘキサメチルホスホラミド、C1-C5アルコール、ジエチルエーテル、酢酸エチル、アセトニトリル、及びアセトンからなる群から選択される1つ又は2つ以上の溶媒(複数可)の存在下で実行することができる。好ましくは、溶媒は、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、又はこれらの混合物であり得る。また、反応は、0~70℃、好ましくは20~50℃の範囲の温度で実行することができる。
【0045】
本発明のプロセスでは、4-クロロ-2-(メチルスルホニル)ピリミジン(式12の化合物)は、4-クロロ-2-(メチルチオ)ピリミジン(式18の化合物)の酸化を実行することによって得ることができる。酸化は、過マンガン酸カリウム、クロム酸、酸素、過酸化水素、及び3-クロロ過安息香酸からなる群から選択される1つ又は2つ以上の酸化剤(複数可)で実行することができる。好ましくは、酸化剤は、過酸化水素であり得る。使用される酸化剤の量は、式18の化合物1モル当たり1.8~10.0モル、好ましくは2.0~5.0モルの範囲であり得る。また、反応速度は、モリブデン酸アンモニウム四水和物などの触媒の存在下で酸化を実行することによって増加させることができる。加えて、反応は、C1~C5アルコール、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、シクロヘキサン、石油エーテル、灯油、トルエン、キシレン、メシチレン、及びベンゼンからなる群から選択される1つ又は2つ以上の溶媒(複数可)の存在下で実行することができる。好ましくは、溶媒は、C1~C5アルコールであり得る。
【0046】
本発明のプロセスでは、2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロアニリン(式13の化合物)は、4-フルオロ-2-メトキシ-5-ニトロアニリン(式14の化合物)をモルホリン(式15の化合物)と反応させることによって得ることができる。反応は、ナトリウムC1~C6アルコキシド、カリウムC1~C6アルコキシド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸セシウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、リン酸カリウム、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン(DBN)、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、及びジイソプロピルエチルアミンからなる群から選択される1つ又は2つ以上の塩基(複数可)の存在下で実行することができる。好ましくは、塩基は、トリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミンであり得る。反応は、不活性溶媒の存在下で、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジクロロメタン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ヘキサメチルホスホラミド、C1~C5アルコール、ジエチルエーテル、酢酸エチル、アセトニトリル、及びアセトンからなる群から選択される1つ又は2つ以上の溶媒(複数可)の存在下で実行することができる。好ましくは、溶媒は、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、及びジメチルアセトアミドからなる群から選択され得る。また、反応は、0~100℃、好ましくは70~80℃の範囲の温度で実行することができる。
【0047】
別の実施形態では、1-(2-((2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒド(式7の化合物)は、N-(2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)ホルムアミド(式11の化合物)を1-(2-(メチルスルホニル)ピリミジン-4-イル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒド(式16の化合物)を反応させることによって得ることができる(反応スキーム2を参照されたい)。式11の化合物と式16の化合物との反応は、ナトリウムC1~C6アルコキシド、カリウムC1~C6アルコキシド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸セシウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、リン酸カリウム、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン(DBN)、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、及びトリエチルアミンからなる群から選択される1つ又は2つ以上の塩基(複数可)の存在下で実行することができる。好ましくは、塩基は、ナトリウムC1~C6アルコキシド、カリウムC1~C6アルコキシド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、及びリン酸カリウムからなる群から選択される1つ又は2つ以上であり得る。式7の化合物が、反応スキーム2に従って調製される場合、水素化ナトリウムの使用を回避することが可能である。また、反応は、不活性溶媒の存在下で、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジクロロメタン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ヘキサメチルホスホラミド、C1~C5アルコール、ジエチルエーテル、酢酸エチル、アセトニトリル、及びアセトンからなる群から選択される1つ又は2つ以上の溶媒(複数可)の存在下で実行することができる。好ましくは、溶媒は、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、又はこれらの混合物であり得る。また、反応は、0~50℃、好ましくは0~10℃の範囲の温度で実行することができる。
【0048】
本発明のプロセスでは、1-(2-(メチルスルホニル)ピリミジン-4-イル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒド(式16の化合物)は、1-(2-(メチルチオ)ピリミジン-4-イル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒド(式17の化合物)を酸化剤と反応させることによって得ることができる(反応スキーム2を参照されたい)。酸化は、過マンガン酸カリウム、クロム酸、酸素、過酸化水素、及び3-クロロ過安息香酸からなる群から選択される1つ又は2つ以上の酸化剤(複数可)で実行することができる。好ましくは、酸化剤は、過酸化水素であり得る。使用される酸化剤の量は、式17の化合物1モル当たり1.8~10.0モル、好ましくは2.0~5.0モルの範囲であり得る。また、反応速度は、モリブデン酸アンモニウム四水和物などの触媒の存在下で酸化を実行することによって増加させることができる。加えて、反応は、C1~C5アルコール、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、シクロヘキサン、石油エーテル、灯油、トルエン、キシレン、メシチレン、及びベンゼンからなる群から選択される1つ又は2つ以上の溶媒(複数可)の存在下で実行することができる。
【0049】
本発明のプロセスでは、1-(2-(メチルチオ)ピリミジン-4-イル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒド(式17の化合物)は、4-クロロ-2-(メチルチオ)ピリミジン(式18の化合物)を3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒド(式10の化合物)と反応させることによって得ることができる。式18の化合物と式10の化合物との反応は、カリウムtert-ブトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸カリウム(一塩基性リン酸カリウム、二塩基性リン酸カリウム、及び三塩基性リン酸カリウムを含む)、リン酸ナトリウム(一塩基性リン酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、及び三塩基性リン酸ナトリウムを含む)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン(DBN)、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、並びにジイソプロピルエチルアミンからなる群から選択される1つ又は2つ以上の塩基(複数可)の存在下で実行することができる。好ましくは、塩基は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、及びリン酸カリウムからなる群から選択され得る。反応は、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、C1~C5アルコール、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、及びトルエンからなる群から選択される1つ又は2つ以上の溶媒(複数可)の存在下で実行することができる。好ましくは、溶媒は、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド、及びジメチルアセトアミドからなる群から選択され得る。より好ましくは、溶媒は、ジメチルホルムアミドであり得る。また、反応は、0~100℃、好ましくは40~60℃の範囲の温度で実行することができる。
【0050】
本発明は、その範囲内に、該改善されたプロセスに有用な新規の中間体を含む。
【0051】
つまり、本発明は、式2の化合物又はその塩を提供し、
【0052】
【0053】
また、本発明は、式5の錯体を提供する。
【0054】
【0055】
また、本発明は、1-(2-(メチルスルホニル)ピリミジン-4-イル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒド(式16の化合物)を提供する。
【0056】
また、本発明は、1-(2-(メチルチオ)ピリミジン-4-イル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒド(式17の化合物)を提供する。
【0057】
以下の実施例は、例示目的で提供されるにすぎず、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0058】
実施例1.2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロアニリン(化合物13)の調製
4-フルオロ-2-メトキシ-5-ニトロアニリン(60.0g、0.322mol)と、アセトニトリル(600.0mL)と、ジイソプロピルエチルアミン(83.3g、0.645mol)と、モルホリン(84.2g、0.967mol)との混合物を撹拌しながら4時間還流させた。反応混合物に、精製水(1.8L)を添加した。得られた固体を濾過し、次いで、減圧下で乾燥させて、78.0gの表題化合物を得た。(収率:95.5%)
1H-NMR(400MHz,DMSO)δ 7.21(s,1H),6.76(s,1H),5.03(s,2H),3.89(s,3H),3.69(t,4H),2.92(t,4H)
【0059】
実施例2.N-(2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)ホルムアミド(化合物11)の調製
無水酢酸(254.0g、2.487mol)とギ酸(137.4g、2.984mol)との混合物を50℃で30分間撹拌した。2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロアニリン(210.0g、0.829mol)及びテトラヒドロフラン(219.0mL)を反応混合物に添加し、次いで、20~25℃で1時間撹拌した。反応混合物に、メチルtert-ブチルエーテル(2.1L)を添加した。得られた固体を濾過し、次いで、減圧下で乾燥させて、211.0gの表題化合物を得た。(収率:90.5%)
1H-NMR(400MHz,DMSO)δ 9.88(s,1H),8.85(s,1H),8.29(d,1H),6.83(s,1H),3.99(s,1H),3.72-3.74(t,4H),3.03-3.05(t,4H)
【0060】
実施例3.4-クロロ-2-(メチルスルホニル)ピリミジン(化合物12)の調製
35%の過酸化水素溶液(90.7g、0.933mol)及びモリブデン酸アンモニウム四水和物(11.5g、0.01mol)を、4-クロロ-2-(メチルチオ)ピリミジン(50.0g、0.311mol)のエタノール溶液(250.0mL)に添加した。反応混合物を2時間撹拌し、次いで、ジクロロメタン(200.0mL)及び精製水(250.0mL)で抽出した。分離した有機層を10%の亜硫酸ナトリウム溶液及び精製水で洗浄し、次いで、減圧下で濃縮した。得られた残留物を、それにイソプロピルアルコールを添加することによって結晶化させた。得られた固体を濾過し、次いで、減圧下で乾燥させて、51.2gの表題化合物を得た。(収率:85.4%)
1H-NMR(400MHz,DMSO)δ 9.05(d,1H),8.06(d,1H),3.42(s,3H)
【0061】
実施例4.4-クロロ-N-(2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)ピリミジン-2-アミン(化合物9)の調製
N-(2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)ホルムアミド(15.0g、0.05mol)と、テトラヒドロフラン(40.0mL)と、ジメチルアセトアミド(60.0mL)との混合物を0~5℃まで冷却した。ナトリウムtert-ブトキシド(5.6g、0.06mol)及び4-クロロ-2-(メチルスルホニル)ピリミジン(11.3g、0.06mol)を混合物に添加し、次いで、0~10℃で1時間撹拌した。2NのNaOH溶液(75.0mL)を反応混合物に添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで、それに精製水(150.0mL)を添加した。得られた固体を濾過し、次いで、減圧下で乾燥させて、16.1gの表題化合物を得た。(収率:82.6%)
1H-NMR(400MHz,DMSO)δ 8.94(s,1H),8.38-8.40(t,2H),6.95(d,1H),6.83(s,1H),6.95(d,1H),6.83(s,1H),3.94(s,3H),3.73-3.75(t,4H),3.06-3.08(t,4H)
【0062】
実施例5.1-(2-(メチルチオ)ピリミジン-4-イル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒド(化合物17)の調製
4-クロロ-2-(メチルチオ)ピリミジン(102.6g、0.639mol)と、3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒド(100.0g、0.581mol)と、炭酸カリウム(160.5g、1.162mol)と、ジメチルホルムアミド(700.0mL)との混合物を40~50℃で2時間撹拌した。精製水(1.6L)を反応混合物に緩徐に添加し、次いで、室温で2時間撹拌した。得られた固体を濾過し、次いで、減圧下で乾燥させて、154.0gの表題化合物を得た。(収率:81.4%)
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ 10.10(s,1H),9.20(s,1H),8.65(d,1H),7.84-7.86(m,2H),7.67-7.71(m,3H),2.65(s,3H)
【0063】
実施例6.1-(2-(メチルスルホニル)ピリミジン-4-イル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒド(化合物16)の調製
35%の過酸化水素溶液(3.4g、30.3mmol)及びモリブデン酸アンモニウム四水和物(0.4g、0.3mmol)を、1-(2-(メチルチオ)ピリミジン-4-イル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒド(3.0g、10.1mmol)のエタノール溶液(21.0mL)に添加した。反応混合物を2時間撹拌し、次いで、ジクロロメタン(30.0mL)及び精製水(30.0mL)で抽出した。分離した有機層を10%の亜硫酸ナトリウム溶液(21.0mL)及び精製水で洗浄し、次いで、減圧下で濃縮した。得られた残留物を、それにイソプロピルアルコールを添加することによって結晶化させた。得られた固体を濾過し、次いで、減圧下で乾燥させて、2.8gの表題化合物を得た。(収率:84.3%)
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ 10.12(s,1H),9.30(s,1H),9.00(d,1H),8.27(d,2H),7.87-7.93(m,2H),7.48-7.54(m,3H),3.44(s,3H)
【0064】
実施例7.1-(2-((2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒド(化合物7)の調製
4-クロロ-N-(2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)ピリミジン-2-アミン(3.2g、0.009mol)と、ジメチルホルムアミド(22.4mL)と、炭酸カリウム(2.4g、0.017mol)と、3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒド(1.7g、0.010mol)との混合物を40~50℃で12時間撹拌した。反応混合物に、精製水(32.0mL)を添加した。得られた固体を濾過し、次いで、減圧下で乾燥させて、4.3gの表題化合物を得た。(収率:98.0%)
1H-NMR(400MHz,DMSO)8.94(s,1H),8.38(d,1H),8.38(s,1H),6.96(d,1H),6.83(s,1H),3.94(s,3H),3.73-3.75(t,4H),3.06-3.09(t,4H)
【0065】
実施例8.1-(2-((2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒド(化合物7)の調製
N-(2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)ホルムアミド(0.4g、1.4mmol)と、テトラヒドロフラン(2.6mL)と、ジメチルアセトアミド(1.8mL)と、ナトリウムtert-ブトキシド(0.2g、2.0mmol)との混合物を10℃で2時間撹拌した。反応混合物の温度を室温に調整した後、それに1-(2-(メチルスルホニル)ピリミジン-4-イル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒド(0.5g、1.5mmol)を添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。2NのNaOH溶液(2.1mL)を反応混合物に添加し、次いで、約1時間撹拌した。得られた固体を濾過し、次いで、減圧下で乾燥させて、0.67gの表題化合物を得た。(収率:93.9%)
1H-NMR(400MHz,DMSO)8.94(s,1H),8.38(d,1H),8.38(s,1H),6.96(d,1H),6.83(s,1H),3.94(s,3H),3.73-3.75(t,4H),3.06-3.09(t,4H)
【0066】
実施例9.4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)-N-(2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)ピリミジン-2-アミン(化合物6)の調製
1-(2-((2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒド(160.0g、0.319mol)のジメチルホルムアミド溶液(1,120mL)に、ジメチルアミン塩酸塩(39.0g、0.479mol)及びトリエチルアミン(161.4g、1.595mol)を添加した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(121.7g、0.574mol)を反応混合物に添加し、次いで、室温で3時間撹拌した。精製水(2,240mL)を反応混合物に添加し、次いで、1時間撹拌した。得られた固体を減圧下で濾過し、次いで、減圧下で乾燥させて、164.0gの表題化合物を得た。(収率:96.9%)
1H-NMR(400MHz,DMSO)δ 8.92(s,1H),8.57-8.61(q,3H),7.98(d,2H),7.52(d,2H),7.50(s,1H),7.36(s,1H),6.88(s,1H),4.01(s,3H),3.75-3.77(t,4H),3.41(s,2H),3.07-3.10(t,4H),2.24(s,6H)
【0067】
実施例10.N1-(4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)ピリミジン-2-イル)-6-メトキシ-4-モルホリノベンゼン-1,3-ジアミン錫錯体(化合物5)の調製
4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)-N-(2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)ピリミジン-2-アミン(10g、0.019mol)と、塩化錫二水和物(21.3g、0.094mol)と、エタノール(200.0mL)と、35%の塩化水素酸溶液(13.1mL、0.151mol)との混合物を撹拌しながら2時間還流させた。反応混合物を20~30℃まで冷却した。ジクロロメタン(100.0mL)を反応混合物に緩徐に添加し、次いで、2時間撹拌した。得られた固体を減圧下で濾過し、次いで、減圧下で乾燥させて、21.6gの表題化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,DMSO)δ 10.07(br,1H),10.01(br,1H),9.24(s,1H),8.62-8.63(d,1H),8.55(s,1H),8.18(s,1H),7.73-7.74(d,2H),7.51-7.58(m,3H),7.39-7.40(d,1H),7.13(s,1H),4.54(s,2H),3.92(s,3H),3.81(s,4H),2.91(s,4H),2.70(s,6H)
【0068】
実施例11.N1-(4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)ピリミジン-2-イル)-6-メトキシ-4-モルホリノベンゼン-1,3-ジアミン錫錯体(化合物5)の調製
4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)-N-(2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)ピリミジン-2-アミン(20g、0.038mol)と、エタノール(400.0mL)と、ジクロロメタン(200.0mL)と、35%の塩化水素酸溶液(26.2mL、0.302mol)との混合物を30分間撹拌した。塩化錫二水和物(42.5g、0.189mol)を反応混合物に添加し、次いで、撹拌しながら2時間還流させた。反応混合物を室温まで冷却し、次いで、2時間撹拌した。得られた固体を減圧下で濾過し、次いで、減圧下で乾燥させて、40.6gの表題化合物を得た。(含有量収率:82.1%)
1H-NMR(400MHz,DMSO)δ 10.07(br,1H),10.01(br,1H),9.24(s,1H),8.62-8.63(d,1H),8.55(s,1H),8.18(s,1H),7.73-7.74(d,2H),7.51-7.58(m,3H),7.39-7.40(d,1H),7.13(s,1H),4.54(s,2H),3.92(s,3H),3.81(s,4H),2.91(s,4H),2.70(s,6H)
【0069】
実施例12.N1-(4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)ピリミジン-2-イル)-6-メトキシ-4-モルホリノベンゼン-1,3-ジアミン(化合物3)の調製
N1-(4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)ピリミジン-2-イル)-6-メトキシ-4-モルホリノベンゼン-1,3-ジアミン錫錯体(40.6g)と、ジクロロメタン(200.0mL)と、2NのNaOH溶液(200.0mL)との混合物を室温で1時間撹拌し、次いで、濾過した。得られた濾液を放置した後、分離した有機層を活性炭で処理し、次いで、減圧下で濃縮した。エタノール(100.0mL)を混合物に添加し、次いで、撹拌した。得られた固体を濾過し、次いで、減圧下で乾燥させて、14.2gの表題化合物を得た。(収率:75.2%)
1H-NMR(400MHz,DMSO)δ 8.57(s,1H),8.48(d,1H),8.16(s,1H),7.95(d,2H),7.41-7.49(m,4H),7.28(s,1H),6.72(s,1H),4.53(s,2H),3.75-3.77(t,7H),3.42(s,2H),2.83(t,3H),2.22(s,6H)
【0070】
実施例13.3-クロロ-N-(5-((4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-モルホリノフェニル)プロパンアミド(化合物2、X=Cl)の調製
N1-(4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)ピリミジン-2-イル)-6-メトキシ-4-モルホリノベンゼン-1,3-ジアミン(0.5g、0.99mmol)と、重炭酸ナトリウム(0.25g、2.99mmol)と、アセトニトリル(5.0mL)との混合物に、3-クロロプロピオニルクロリド(0.16g、1.30mmol)を添加した。反応混合物を20~30℃で3時間撹拌した。精製水(5.0mL)を反応混合物に添加し、1時間撹拌し、次いで、減圧下で濾過した。得られた固体を減圧下で乾燥させて、0.50gの表題化合物を得た。(収率:85.0%)
1H-NMR(400MHz,DMSO)δ 9.09(s,1H),9.06(s,1H),8.79(s,1H),8.50-8.51(d,1H),8.17(s,1H),8.02(d,2H),7.45-7.48(t,2H),7.39-7.42(t,1H),7.31(d,1H),6.89(s,1H),3.98-3.99(t,2H),3.88(s,3H),3.78-3.80(t,4H),3.43(s,2H),2.85-2.86(t,4H),2.21(s,6H)
【0071】
実施例14.3-ブロモ-N-(5-((4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-モルホリノフェニル)プロパンアミド(化合物2、X=Br)の調製
N1-(4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)ピリミジン-2-イル)-6-メトキシ-4-モルホリノベンゼン-1,3-ジアミン(0.5g、0.998mmol)と、重炭酸ナトリウム(0.25g、3.00mmol)と、アセトニトリル(5.0mL)との混合物に、3-ブロモプロピオニルクロリド(0.13mL、1.297mmol)を緩徐に添加した。反応混合物を20~30℃で3時間撹拌した。精製水(5.0mL)を反応混合物に添加し、1時間撹拌し、次いで、減圧下で濾過した。得られた固体を減圧下で乾燥させて、0.52gの表題化合物を得た。(収率:81.9%)
1H-NMR(400MHz,DMSO)δ 9.08(s,2H),8.80(s,1H),8.50(d,1H),8.16(s,1H),8.02(d,2H),7.45-7.48(t,2H),7.39-7.42(t,1H),7.31(s,1H),3.88(s,3H),3.83-3.85(t,2H),3.79-3.81(t,4H),3.43(s,2H),3.09-3.12(t,2H),2.85-2.87(t,4H),2.19(s,6H)
【0072】
実施例15.N-(5-((4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-モルホリノフェニル)アクリルアミド(化合物1)の調製
3-ブロモ-N-(5-((4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-モルホリノフェニル)プロパンアミド(10.0g、16.9mmol)と、アセトニトリル(200.0mL)と、トリエチルアミン(17.1g、169.2mmol)との混合物を撹拌しながら16時間還流させた。反応混合物を20~30℃まで冷却し、次いで、減圧下で濃縮して、溶媒を除去した。ジクロロメタン(100.0mL)及び精製水(100.0mL)を反応混合物に添加し、次いで、撹拌した。分離した有機層を減圧下で濃縮し、次いで、それにn-プロパノール(200.0mL)を添加し、続いて、撹拌しながら還流させた。反応混合物を20~30℃まで緩徐に冷却し、次いで、2時間撹拌した。得られた固体を減圧下で濾過し、次いで、減圧下で乾燥させて、8.0gの表題化合物を得た。(収率:85.0%)
1H-NMR(400MHz,DMSO)δ 9.15(s,2H),9.08(s,1H),8.53-8.55(d,1H),8.18(s,1H),8.04-8.06(d,2H),7.47-7.50(m.2H),7.34-7.36(m,1H),7.34(d,1H),6.96(s,1H),6.71-6.78(q,1H),6.43-6.44(d,1H),5.84-5.85(d,1H),3.91(s,3H),3.82(s,4H),3.46(1s,1H),2.86(s,4H),2.21(s,6H)
【0073】
実施例16.N-(5-((4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-モルホリノフェニル)アクリルアミド(化合物1)の調製
N1-(4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)ピリミジン-2-イル)-6-メトキシ-4-モルホリノベンゼン-1,3-ジアミン(1.0g、1.99mmol)と、アセトニトリル(20.0mL)と、重炭酸ナトリウム(0.5g、5.99mmol)との混合物に、3-クロロプロピオニルクロリド(0.3g、2.60mmol)を添加した。反応混合物を20~30℃で2時間撹拌した。トリエチルアミン(2.0g、19.9mmol)を反応混合物に添加し、次いで、撹拌しながら16時間還流させた。反応混合物を20~30℃まで冷却し、次いで、減圧下で濃縮して、溶媒を除去した。ジクロロメタン(15.0mL)及び精製水(10.0mL)を反応混合物に添加し、次いで、撹拌した。分離した有機層を減圧下で濃縮し、次いで、それにn-プロパノール(20.0mL)を添加し、続いて、撹拌しながら還流させた。反応混合物を20~30℃まで緩徐に冷却し、次いで、2時間撹拌した。得られた固体を減圧下で濾過し、次いで、減圧下で乾燥させて、0.83gの表題化合物を得た。(収率:75.0%)
1H-NMR(400MHz,DMSO)δ 9.15(s,2H),9.08(s,1H),8.53-8.55(d,1H),8.18(s,1H),8.04-8.06(d,2H),7.47-7.50(m.2H),7.34-7.36(m,1H),7.34(d,1H),6.96(s,1H),6.71-6.78(q,1H),6.43-6.44(d,1H),5.84-5.85(d,1H),3.91(s,3H),3.82(s,4H),3.46(1s,1H),2.86(s,4H),2.21(s,6H)
【0074】
実施例17.N-(5-((4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-モルホリノフェニル)アクリルアミド(化合物1)の調製
N1-(4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)ピリミジン-2-イル)-6-メトキシ-4-モルホリノベンゼン-1,3-ジアミン(1.0g、1.99mmol)と、テトラヒドロフラン(17.0mL)と、精製水(1.7mL)と、重炭酸ナトリウム(1.1g、5.99mmol)との混合物に、3-クロロプロピオニルクロリド(0.3g、2.60mmol)を添加した。反応混合物を20~30℃で2時間撹拌した。トリエチルアミン(2.0g、19.9mmol)を反応混合物に添加し、次いで、撹拌しながら16時間還流させた。反応混合物を20~30℃まで冷却し、次いで、減圧下で濃縮して、溶媒を除去した。ジクロロメタン(10.0mL)及び精製水(10.0mL)を反応混合物に添加し、次いで、撹拌した。分離した有機層を減圧下で濃縮し、次いで、それにn-プロパノール(20.0mL)を添加し、続いて、撹拌しながら還流させた。反応混合物を20~30℃まで緩徐に冷却し、次いで、2時間撹拌した。得られた固体を減圧下で濾過し、次いで、減圧下で乾燥させて、0.88gの表題化合物を得た。(収率:79.5%)
1H-NMR(400MHz,DMSO)δ 9.15(s,2H),9.08(s,1H),8.53-8.55(d,1H),8.18(s,1H),8.04-8.06(d,2H),7.47-7.50(m.2H),7.34-7.36(m,1H),7.34(d,1H),6.96(s,1H),6.71-6.78(q,1H),6.43-6.44(d,1H),5.84-5.85(d,1H),3.91(s,3H),3.82(s,4H),3.46(1s,1H),2.86(s,4H),2.21(s,6H)
【0075】
実施例18.N-(5-((4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-モルホリノフェニル)アクリルアミド(化合物1)の調製
N1-(4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)ピリミジン-2-イル)-6-メトキシ-4-モルホリノベンゼン-1,3-ジアミン(20.0g、0.039mol)と、メチルエチルケトン(160.0mL)と、重炭酸ナトリウム(10.1g、0.120mol)との混合物に、3-クロロプロピオニルクロリド(6.6g、0.052mol)を添加した。反応混合物を20~30℃で2時間撹拌した。ジクロロメタン(10.0mL)及び精製水(10.0mL)を反応混合物に添加し、次いで、撹拌した。分離した有機層を減圧下で濃縮し、次いで、それにメチルエチルケトン(300.0mL)及びトリエチルアミン(40.4g、0.400mol)を添加し、続いて、撹拌しながら10時間還流させた。反応混合物を0~5℃まで冷却し、次いで、2時間撹拌した。得られた固体を減圧下で濾過し、次いで、減圧下で乾燥させて、17.7gの表題化合物を得た。(収率:79.9%)
1H-NMR(400MHz,DMSO)δ 9.15(s,2H),9.08(s,1H),8.53-8.55(d,1H),8.18(s,1H),8.04-8.06(d,2H),7.47-7.50(m.2H),7.34-7.36(m,1H),7.34(d,1H),6.96(s,1H),6.71-6.78(q,1H),6.43-6.44(d,1H),5.84-5.85(d,1H),3.91(s,3H),3.82(s,4H),3.46(1s,1H),2.86(s,4H),2.21(s,6H)
本発明は次の実施態様を含む。
[請求項1]
N-(5-((4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-モルホリノフェニル)アクリルアミド又はその薬学的に許容される塩を調製するためのプロセスであって、
(a)N1-(4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)ピリミジン-2-イル)-6-メトキシ-4-モルホリノベンゼン-1,3-ジアミンを式4の化合物と反応させて、式2の化合物を得ることと、
(b)式2の前記化合物を塩基と反応させて、N-(5-((4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-モルホリノフェニル)アクリルアミドを得ることと、を含み、
【化1】
式中、Xが、ハロゲンである、プロセス。
[請求項2]
ステップ(a)の前記反応が、カリウムtert-ブトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水素化ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、及びジイソプロピルエチルアミンからなる群から選択される1つ以上の塩基(複数可)の存在下で実行される、請求項1に記載のプロセス。
[請求項3]
ステップ(a)の前記反応が、アセトニトリル、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、C
1
~C
5
アルコール、トルエン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、ジエチルエーテル、水、及びこれらの混合物からなる群から選択される溶媒の存在下で実行される、請求項1に記載のプロセス。
[請求項4]
前記溶媒が、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、アセトン、ジクロロメタン、水、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項3に記載のプロセス。
[請求項5]
ステップ(b)で使用される前記塩基が、カリウムtert-ブトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水素化ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、及びジイソプロピルエチルアミンからなる群から選択される1つ以上である、請求項1に記載のプロセス。
[請求項6]
前記塩基が、水酸化ナトリウム、トリエチルアミン、及びジイソプロピルアミンからなる群から選択される1つ以上である、請求項5に記載のプロセス。
[請求項7]
ステップ(b)の前記反応が、アセトニトリル、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、C
1
~C
5
アルコール、トルエン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、ジエチルエーテル、水、及びこれらの混合物からなる群から選択される溶媒の存在下で実行される、請求項1に記載のプロセス。
[請求項8]
前記溶媒が、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、アセトン、ジクロロメタン、水、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項7に記載のプロセス。
[請求項9]
ステップ(a)及びステップ(b)が、ワンポット反応で実行される、請求項1に記載のプロセス。
[請求項10]
ステップ(a)の前記N1-(4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)ピリミジン-2-イル)-6-メトキシ-4-モルホリノベンゼン-1,3-ジアミンが、
(i)塩化水素酸の存在下で、4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)-N-(2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)ピリミジン-2-アミンを塩化錫と反応させて、式5の錯体を得ることと、
(ii)式5の前記錯体を塩基と反応させて、N1-(4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)ピリミジン-2-イル)-6-メトキシ-4-モルホリノベンゼン-1,3-ジアミンを得ることと、を含むプロセスによって得られる、請求項1~9のいずれか1項に記載のプロセス。
【化2】
[請求項11]
ステップ(i)の前記反応が、水、C
1
~C
10
アルコール、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、及び酢酸エチルからなる群から選択される1つ以上の溶媒(複数可)の存在下で実行される、請求項10に記載のプロセス。
[請求項12]
ステップ(ii)で使用される前記塩基が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸カリウム、及びリン酸ナトリウムからなる群から選択される1つ以上である、請求項10に記載のプロセス。
[請求項13]
前記4-(4-((ジメチルアミノ)メチル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)-N-(2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)ピリミジン-2-アミンが、1-(2-((2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒドをジメチルアミン又はその塩と反応させることによって得られる、請求項10に記載のプロセス。
[請求項14]
前記反応が、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、及び水素化ホウ素ナトリウムからなる群から選択される1つ以上の還元剤(複数可)の存在下で実行される、請求項13に記載のプロセス。
[請求項15]
前記1-(2-((2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒドが、4-クロロ-N-(2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)ピリミジン-2-アミンを3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒドと反応させることによって得られる、請求項13に記載のプロセス。
[請求項16]
前記4-クロロ-N-(2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)ピリミジン-2-アミンが、N-(2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)ホルムアミドを4-クロロ-2-(メチルスルホニル)ピリミジンと反応させることによって得られる、請求項15に記載のプロセス。
[請求項17]
前記N-(2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)ホルムアミドが、2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロアニリンのホルミル化を実行することによって得られる、請求項16に記載のプロセス。
[請求項18]
前記ホルミル化が、酢酸とギ酸との混合物で実行される、請求項17に記載のプロセス。
[請求項19]
前記4-クロロ-2-(メチルスルホニル)ピリミジンが、4-クロロ-2-(メチルチオ)ピリミジンの酸化を実行することによって得られる、請求項16に記載のプロセス。
[請求項20]
前記酸化が、過マンガン酸カリウム、クロム酸、酸素、過酸化水素、及び3-クロロ過安息香酸からなる群から選択される1つ以上の酸化剤(複数可)で実行される、請求項19に記載のプロセス。
[請求項21]
前記1-(2-((2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒドが、N-(2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)ホルムアミドを1-(2-(メチルスルホニル)ピリミジン-4-イル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒドと反応させることによって得られる、請求項13に記載のプロセス。
[請求項22]
前記反応が、C
1
~C
6
アルコキシド、カリウムC
1
~C
6
アルコキシド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、及びリン酸カリウムからなる群から選択される1つ以上の塩基(複数可)の存在下で実行される、請求項21に記載のプロセス。
[請求項23]
前記反応が、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジクロロメタン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ヘキサメチルホスホラミド、C
1
~C
5
アルコール、ジエチルエーテル、酢酸エチル、アセトニトリル、及びアセトンからなる群から選択される1つ以上の溶媒(複数可)の存在下で実行される、請求項21に記載のプロセス。
[請求項24]
前記1-(2-(メチルスルホニル)ピリミジン-4-イル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒドが、1-(2-(メチルチオ)ピリミジン-4-イル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒドを酸化剤と反応させることによって得られる、請求項21に記載のプロセス。
[請求項25]
前記酸化剤が、過マンガン酸カリウム、クロム酸、酸素、過酸化水素、及び3-クロロ過安息香酸からなる群から選択される1つ以上である、請求項24に記載のプロセス。
[請求項26]
前記反応が、C
1
~C
5
アルコール、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、シクロヘキサン、石油エーテル、灯油、トルエン、キシレン、メシチレン、及びベンゼンからなる群から選択される1つ以上の溶媒(複数可)の存在下で実行される、請求項24に記載のプロセス。
[請求項27]
前記1-(2-(メチルチオ)ピリミジン-4-イル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒドが、4-クロロ-2-(メチルチオ)ピリミジンを3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒドと反応させることによって得られる、請求項24に記載のプロセス。
[請求項28]
前記反応が、カリウムtert-ブトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、及びジイソプロピルエチルアミンからなる群から選択される1つ以上の塩基(複数可)の存在下で実行される、請求項27に記載のプロセス。
[請求項29]
前記反応が、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、C
1
~C
5
アルコール、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、及びトルエンからなる群から選択される1つ以上の溶媒(複数可)の存在下で実行される、請求項27に記載のプロセス。
[請求項30]
式2の化合物又はその塩であって、
【化3】
式中、Xが、ハロゲンである、式2の化合物又はその塩。
[請求項31]
式5の錯体。
【化4】
[請求項32]
1-(2-(メチルスルホニル)ピリミジン-4-イル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒド。
[請求項33]
1-(2-(メチルチオ)ピリミジン-4-イル)-3-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒド。