(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-15
(45)【発行日】2023-02-24
(54)【発明の名称】クラウドベースのWi-Fiシステム用ネットワークオペレーションセンターダッシュボード
(51)【国際特許分類】
H04L 41/12 20220101AFI20230216BHJP
【FI】
H04L41/12
(21)【出願番号】P 2020520513
(86)(22)【出願日】2018-10-10
(86)【国際出願番号】 US2018055263
(87)【国際公開番号】W WO2019075099
(87)【国際公開日】2019-04-18
【審査請求日】2021-09-28
(32)【優先日】2017-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518329826
【氏名又は名称】プリューム デザイン インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PLUME DESIGN, INC.
【住所又は居所原語表記】325 Lytton Ave, Palo Alto, CA 94301 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100120684
【氏名又は名称】宮城 三次
(72)【発明者】
【氏名】ルサッカス,エヴァン
(72)【発明者】
【氏名】ミラ,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】リー,パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ホチキス,アダム
(72)【発明者】
【氏名】シングラ,アマン
(72)【発明者】
【氏名】マクファーランド,ウィリアム
【審査官】宮島 郁美
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0085436(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0341797(US,A1)
【文献】国際公開第2017/161361(WO,A2)
【文献】国際公開第2017/161225(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0251247(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第106257872(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L12/00-13/18,41/00-49/9057,61/00-65/80,69/00-69/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラウドベースのネットワークオペレーションコントロール(NOC)ダッシュボードから複数のWi-Fiネットワークのうちの1つのWi-Fiネットワークを管理する方法であって、
前記Wi-Fiネットワークのユーザのアカウントを作成した後、1つ以上のアクセスポイントから前記Wi-Fiネットワークに関連付けられたデータを受信する工程と、
前記データに基づいて前記Wi-Fiネットワークに関連付けられた表示を提供する工程であって、前記表示が、ネットワークトポロジと、前記Wi-Fiネットワークの動作に関連する情報を提供する1つ以上のタブとを含む、工程と、
受信した1つ以上の入力に基づいて、前記ネットワークトポロジ及び前記1つ以上のタブのうちの1つ以上を更新することにより、前記表示を更新する工程と、
前記Wi-Fiネットワークを管理、制御、及びトラブルシューティングのうちの1つを行うために前記NOCダッシュボードを介して1つ以上の動作を実行する工程と、を含
み、
前記1つ以上のアクセスポイントが、複数のアクセスポイントデバイスを備え、
前記1つ以上のアクセスポイントが、1つの前記アクセスポイントデバイスの一意の識別子を提供し且つ前記一意の識別子に基づいて前記複数のアクセスポイントデバイスの全てを前記アカウントに自動的に関連付けることによってオンボーディングされる方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記受信する工程の後、前記NOCダッシュボードでのみユーザの許可に基づきアクセス可能とする安全を確保した方法で前記Wi-Fiネットワークの前記データを格納する工程を更に含む方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、複数のWi-Fiネットワークをグループ化する工程を更に備え、前記グループ化する工程が、グループごとにデータを集約することと、グループごとに情報を表示することと、ユーザの許可に基づいてグループへのアクセスを制限することと、のうちの1つ以上を提供する方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、前記実行する工程が、前記Wi-Fiネットワークのサービスセット識別子(SSID)を確立又は変更すること、及び前記Wi-Fiネットワークにアクセスするためのパスワードを確立又は変更することのうちの1つ以上を含み、
前記SSID及び前記パスワードを前記1つ以上のアクセスポイントに伝播する工程を更に含む方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、前記実行する工程が、ドメインネームシステム(DNS)設定、ユニバーサルプラグアンドプレイ(UPnP)、動的ホスト構成プロトコル(DHCP)予約、ブリッジモードとルータモード、及びポート転送設定のうちの1つ以上を含む前記Wi-Fiネットワークのネットワークパラメーターの設定をすることを含む方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、前記実行する工程が、特定のアクセスポイントデバイスに、ローカルユーザによる位置特定のためのインジケータを提供させることを含む方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、前記表示が、前記1つ以上のアクセスポイントのうちの1つのアクセスポイント又は一部の容量を示す方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、前記表示が、第1のデバイスから第2のデバイスへの速度を示し、前記第1のデバイス及び前記第2のデバイスがそれぞれ、クライアントデバイス及びアクセスポイントのいずれかを備える方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、前記表示を更新する工程が、ネットワークトポロジにおける入力に基づいて詳細を提供することを含み、前記詳細が、アクセスポイント、クライアントデバイス、及び無線リンクのうちの1つ以上に関連付けられている方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、前記表示が、前記1つ以上のアクセスポイント間の複数の可能なリンクについて、信号強度、チャネルゲイン、推定データレート、及び観測データレートのうちの1つを示すために使用されるマトリックス表示を含む方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、前記表示が、前記1つ以上のアクセスポイントのそれぞれについて、対応するアクセスポイントに接続されたクライアントが達成可能な推定スループットを示す表を含む方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法であって、
前記Wi-Fiネットワークが、分散型Wi-Fiネットワークを備え、
前記ネットワークトポロジが、複数のアクセスポイントデバイス間のクライアントリンク及びバックホールリンクを図示する方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法であって、前記1つ以上のタブが、前記1つ以上の
アクセスポイント又は無線リンクに関連する情報を表示し、前記1つ以上の
アクセスポイント又は無線リンクのそれぞれについてヘルススコアが表示され、前記ヘルススコアが、複数の要因の重み付けされた組み合わせである方法。
【請求項14】
請求項1に記載の方法であって、前記1つ以上のタブが、様々な時点での前記Wi-Fiネットワークのトポロジを図示するトポロジタイムマシンを含む方法。
【請求項15】
請求項1に記載の方法であって、前記1つ以上の動作が、1つのサービスプロバイダから別のサービスプロバイダへのAPのリダイレクトを含む方法。
【請求項16】
複数のWi-Fiネットワークのうちの1つのWi-Fiネットワークを管理用のクラウドベースのネットワークオペレーションコントロール(NOC)ダッシュボードを実行する装置であって、
前記複数のWi-Fiネットワークに通信可能に接続されたネットワークインターフェースと、
前記ネットワークインターフェースに通信可能に接続されたプロセッサと、
命令を格納するメモリであって、前記命令は、実行されると、プロセッサに、
前記Wi-Fiネットワークのユーザのアカウントを作成した後、1つ以上のアクセスポイントから前記Wi-Fiネットワークに関連付けられたデータを受信させ、
前記データに基づいて前記Wi-Fiネットワークに関連付けられた表示を提供させ、前記表示はネットワークトポロジと、前記Wi-Fiネットワークの動作に関連する情報を提供する1つ以上のタブを含み、
受信した1つ以上の入力に基づいて、前記表示を前記ネットワークトポロジ及び前記1つ以上のタブのうちの1つ以上において更新することにより、前記表示を更新させ、
前記Wi-Fiネットワークを管理、制御、及びトラブルシューティングのうちの1つを行うために前記NOCダッシュボードを介して1つ以上の動作を実行させる
前記メモリと、を備
え、
前記1つ以上のアクセスポイントが、複数のアクセスポイントデバイスを備え、
前記1つ以上のアクセスポイントが、1つの前記アクセスポイントデバイスの一意の識別子を提供し且つ前記一意の識別子に基づいて前記複数のアクセスポイントデバイスの全てを前記アカウントに自動的に関連付けることによってオンボーディングされる装置。
【請求項17】
請求項
16に記載の装置であって、前記1つ以上の動作が、前記Wi-Fiネットワークのサービスセット識別子(SSID)を確立又は変更すること、及び前記Wi-Fiネットワークにアクセスするためのパスワードを確立又は変更することの1つ以上を含む装置。
【請求項18】
請求項
16に記載の装置であって、前記1つ以上の動作が、ドメインネームシステム(DNS)設定、ユニバーサルプラグアンドプレイ(UPnP)、動的ホスト構成プロトコル(DHCP)予約、ブリッジモードとルータモード、及びポート転送設定のうちの1つ以上を含む前記Wi-Fiネットワークのネットワークパラメーターの設定をすることを含む装置。
【請求項19】
コンピュータ可読コードが格納された非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータが、
Wi-Fiネットワークのユーザのアカウントを作成した後、1つ以上のアクセスポイントから前記Wi-Fiネットワークに関連付けられたデータを受信する工程と、
前記データに基づいて前記Wi-Fiネットワークに関連付けられた表示を提供する工程であって、前記表示が、ネットワークトポロジと、前記Wi-Fiネットワークの動作に関連する情報を提供する1つ以上のタブとを含む、工程と、
受信した1つ以上の入力に基づいて、前記ネットワークトポロジ及び前記1つ以上のタブのうちの1つ以上を更新することにより、前記表示を更新する工程と、
前記Wi-Fiネットワークを管理、制御、及びトラブルシューティングのうちの1つを行うために
クラウドベースのネットワークオペレーションコントロール(NOC)ダッシュボードを介して1つ以上の動作を実行する工程と、
前記1つ以上のアクセスポイントが、複数のアクセスポイントデバイスを備え、
前記1つ以上のアクセスポイントが、1つの前記アクセスポイントデバイスの一意の識別子を提供し且つ前記一意の識別子に基づいて前記複数のアクセスポイントデバイスの全てを前記アカウントに自動的に関連付けることによってオンボーディングされる工程と、
を実行するようにプログラミングするための、記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、ネットワーキングのシステム及び方法に関する。より具体的には、本開示は、クラウドベースのWi-Fiシステム用ネットワークオペレーションセンター(NOC)ダッシュボードのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のWi-Fiネットワークは、ユーザらにより彼らの住居に配備され、様々なデバイス(モバイルデバイス、タブレット、テレビ、モノのインターネット(IoT)デバイス、ノートPC、メディアプレーヤ等)に対しネットワークの接続性を提供する。ユーザは、例えば、マルチプルシステムオペレータ(MSO)、ワイヤレスプロバイダ、テレコムプロバイダ等のサービスプロバイダからネットワークの接続性を取得する。サービスプロバイダの観点から、ネットワークの接続性は従来、ゲートウェイ、即ちケーブルモデム、デジタル加入者線(DSL)モデム、ワイヤレスアクセスポイント(AP)等において見られていた。従来のWi-Fiネットワークはエンドユーザによって追加され、そのようなネットワークの動作をサービスプロバイダから見ることはできない。サービスプロバイダとその顧客は、ゲートウェイで終端するネットワークの接続性をユーザデバイスへのサービスプロバイダのアプリケーション(「アプリ」)の配備等により確認することはもはやされていない。これらのサービスプロバイダが、ゲートウェイのみにネットワークの問題のトラブルシューティングを行うことは、もはや受け入れられない。その顧客は、エンドユーザデバイスへのネットワーク接続が機能していることを期待する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、Wi-Fiネットワークを確認、監視、及びトラブルシューティングするためのツールと手法をサービスプロバイダに提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態において、クラウドベースのネットワークオペレーションコントロール(NOC)ダッシュボードから複数のWi-Fiネットワークのうちの1つのWi-Fiネットワークを管理する方法は、Wi-Fiネットワークのユーザのアカウントを作成した後、NOCダッシュボードでWi-Fiネットワークに関連付けられた1つ以上のアクセスポイントデバイスにオンボーディングする工程と、1つ以上のアクセスポイントからWi-Fiネットワークに関連付けられたデータを受信する工程と、データに基づいてWi-Fiネットワークに関連付けられた表示を提供する工程であって、表示が、ネットワークトポロジと、Wi-Fiネットワークの動作に関連する情報を提供する1つ以上のタブとを含む、工程と、受信した1つ以上の入力に基づいて、ネットワークトポロジ及び1つ以上のタブのうちの1つ以上を更新することにより、表示を更新する工程と、Wi-Fiネットワークを管理、制御、及びトラブルシューティングのうちの1つを行うためにNOCダッシュボードを介して1つ以上の動作を実行する工程と、を含む。1つ以上のアクセスポイントデバイスは、複数のデバイスを含むことができ、オンボーディングする工程は、デバイスの一意の識別子を提供し且つ一意の識別子に基づいて複数のデバイスの全てをアカウントに自動的に関連付けることを含むことができる。オンボーディングする工程は、NOCダッシュボードで1つ以上のアクセスポイントデバイスのシリアル番号とメディアアクセス制御(MAC)アドレスのうちの1つを入力することを含むことができる。オンボーディングする工程は、アカウントと1つ以上のアクセスポイントデバイスとの間の関連付けの命令をWi-Fiネットワークから受信することを含むことができる。受信する工程の後、方法は更に、NOCダッシュボードでのみユーザの許可に基づきアクセス可能とする安全を確保した方法でWi-Fiネットワークのデータを格納する工程を含むことができる。
【0005】
実行する工程は、Wi-Fiネットワークのサービスセット識別子(SSID)を確立又は変更すること、及びWi-Fiネットワークにアクセスするためのパスワードを確立又は変更することのうちの1つ以上を含むことができる。実行する工程は、ドメインネームシステム(DNS)設定、ユニバーサルプラグアンドプレイ(UPnP)、動的ホスト構成プロトコル(DHCP)予約、ブリッジモードやルータモード、及びポート転送設定のうちの1つ以上を含むWi-Fiネットワークのネットワークパラメーターの設定をすることを含むことができる。実行する工程は、特定のアクセスポイントデバイスに、ローカルユーザによる位置特定のためのインジケータを提供させることを含むことができる。表示は、Wi-Fiネットワークに関連付けられた1つ以上のメトリックのグラフを提供することができる。表示は、複数のWi-Fiネットワークのための、集約されたネットワーク全体の統計とアラームを提供することができる。表示は、Wi-Fiネットワークのための、ネットワーク全体の統計とアラームを提供することができ、ネットワーク全体の統計は、Wi-Fiネットワークで使用されているチャネルのグラフを含むことができる。Wi-Fiネットワークは、分散型Wi-Fiネットワークを含むことができ、ネットワークトポロジは、複数のアクセスポイントデバイス間のクライアントリンク及びバックホールリンクを図示する。1つ以上のタブは、1つ以上のアクセスポイントデバイスに関連し且つ無線リンクに関連する情報を表示することができ、ヘルススコアは、1つ以上のアクセスポイントデバイス及び無線リンクのそれぞれについて表示され、ヘルススコアは、複数の要因の重み付けされた組み合わせである。1つ以上のタブは、Wi-Fiネットワークのトポロジを図示し、特定の期間に渡って変化するトポロジタイムマシンを含むことができる。1つ以上の動作は、Wi-Fiネットワークの最適化を含むことができ、1つ以上のタブは、最適化のステータス、最適化の履歴、及び最適化に関連付けられた統計を含むことができる。
【0006】
別の実施形態では、複数のWi-Fiネットワークのうちの1つのWi-Fiネットワークを管理するためにクラウドベースのネットワークオペレーションコントロール(NOC)ダッシュボードを実行する装置は、複数のWi-Fiネットワークに通信可能に接続されたネットワークインターフェースと、ネットワークインターフェースに通信可能に接続されたプロセッサと、命令を格納するメモリと、を備える。命令は、実行されると、プロセッサに、Wi-Fiネットワークのユーザのアカウントを作成した後、NOCダッシュボードでWi-Fiネットワークに関連付けられた1つ以上のアクセスポイントデバイスにオンボーディングさせ、1つ以上のアクセスポイントからWi-Fiネットワークに関連付けられたデータを受信させ、データに基づいてWi-Fiネットワークに関連付けられた表示を提供させ、表示はネットワークトポロジと、Wi-Fiネットワークの動作に関連する情報を提供する1つ以上のタブを含み、受信した1つ以上の入力に基づいて、表示をネットワークトポロジ及び1つ以上のタブのうちの1つ以上において更新することにより、表示を更新させ、Wi-Fiネットワークを管理、制御、及びトラブルシューティングのうちの1つを行うために、NOCダッシュボードを介して1つ以上の動作を実行させる。1つ以上の動作は、Wi-Fiネットワークのサービスセット識別子(SSID)を確立又は変更することと、及びWi-Fiネットワークにアクセスするためのパスワードを確立又は変更することの1つ以上を含むことができる。1つ以上の動作は、ドメインネームシステム(DNS)設定、ユニバーサルプラグアンドプレイ(UPnP)、動的ホスト構成プロトコル(DHCP)予約、ブリッジモードやルータモード、及びポート転送設定のうちの1つ以上を含むWi-Fiネットワークのネットワークパラメーターの設定をすることを含むことができる。
【0007】
更なる実施形態では、コンピュータ可読コードが格納された非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、コンピュータが、Wi-Fiネットワークのユーザのアカウントを作成した後、NOCダッシュボードでWi-Fiネットワークに関連付けられた1つ以上のアクセスポイントデバイスにオンボーディングする工程と、1つ以上のアクセスポイントからWi-Fiネットワークに関連付けられたデータを受信する工程と、データに基づいてWi-Fiネットワークに関連付けられた表示を提供する工程であって、表示は、ネットワークトポロジと、Wi-Fiネットワークの動作に関連する情報を提供する1つ以上のタブとを含むことができる、工程と、受信した1つ以上の入力に基づいて、前記ネットワークトポロジ及び前記1つ以上のタブのうちの1つ以上を更新することにより、表示を更新する工程と、Wi-Fiネットワークを管理、制御、及びトラブルシューティングのうちの1つを行うためにNOCダッシュボードを介して1つ以上の動作を実行する工程と、を実行するようにプログラミングするためのものである。1つ以上の動作は、Wi-Fiネットワークのサービスセット識別子(SSID)を確立又は変更すること、及びWi-Fiネットワークにアクセスするためのパスワードを確立又は変更することの1つ以上を含むことができる。
【0008】
本開示は、様々な図面を参照して本明細書で例示及び説明され、同様の参照番号は、適宜同様のシステムコンポーネント/方法工程を示すために使用される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、クラウドベースの制御と管理を備えた分散型Wi-Fiシステムのネットワーク図である。
【
図2】
図2は、従来の単一アクセスポイントシステム、Wi-Fiメッシュネットワーク、及びWi-Fiリピータネットワークに対する
図1の分散型Wi-Fiシステムの動作の違いのネットワーク図である。
【
図3】
図3は、クラウド、他のシステム、又はスタンドアロンで使用できるサーバのブロック図である。
【
図4】
図4は、
図1等の分散型Wi-Fiシステムにおけるユーザデバイスに使用できるモバイル300のブロック図である。
【
図5】
図5は、クラウドベースのネットワークオペレーションセンター(NOC)プロセスのフローチャートである。
【
図6】
図6は、ネットワークレベルのメトリックを示すダッシュボードの一部のスクリーンショットである。
【
図7】
図7は、ネットワークレベルのメトリックを示すダッシュボードの一部のスクリーンショットである。
【
図8】
図8は、アラームのグラフを示すダッシュボードのタイルである。
【
図9】
図9は、クラウドベースのNOCプロセスによって管理されるWi-Fiネットワーク及び/又はアカウントに関連付けられた個々のデバイスのスクリーンショットである。
【
図10】
図10は、Wi-Fiネットワークのトポロジが経時的にどのように進化するかを調べるための、ネットワークコントロールタイルとトポロジタイムマシンの時間のスクリーンショットである。
【
図11】
図11は、2つのノードのネットワーク速度テストタイルのスクリーンショットである。
【
図12】
図12は、Wi-Fiネットワークでのチャネル使用率の状態を示す円グラフタイルのスクリーンショットである。
【
図13】
図13は、Wi-Fiネットワークのトポロジのスクリーンショットである。
【
図14】
図14は、Wi-Fiネットワークのトポロジのスクリーンショットである。
【
図15】
図15は、Wi-Fiネットワークのトポロジのスクリーンショットである。
【
図16】
図16は、実行された最適化のタイルのスクリーンショットである。
【
図17】
図17は、NOCダッシュボードを使用したオンボーディング法を示すフローチャートである。
【
図18】
図18は、NOCダッシュボードのログイン画面のスクリーンショットである。
【
図19】
図19は、NOCダッシュボードのプルダウンメニューのスクリーンショットである。
【
図20】
図20は、NOCダッシュボードの全顧客リストのスクリーンショットである。
【
図21】
図21は、NOCダッシュボードに新しい顧客を追加するためのフィールドのスクリーンショットである。
【
図22】
図22は、新しい顧客アカウントのメール検証後のアカウントタブのスクリーンショットである。
【
図23】
図23は、SSIDとパスフレーズを追加/編集するためのネットワークコントロールのスクリーンショットである。
【
図24】
図24は、NOCダッシュボードにシリアル番号を入力してアクセスポイントを要求するスクリーンショットである。
【
図25】
図25は、アクセスポイントを要求した後のネットワークトポロジのスクリーンショットである。
【
図26】
図26は、要求解除するためのアクセスポイントタブのスクリーンショットである。
【
図27】
図27は、要求解除するためのアクセスポイントタブのスクリーンショットである。
【
図28】
図28は、アカウントの検索のスクリーンショットである。
【
図29】
図29は、新規グループを追加するためのグループタブのスクリーンショットである。
【
図30】
図30は、アカウント管理アクションとレポートのスクリーンショットである。
【
図31】
図31は、ナビゲーションツリー、アクションと統計、及びネットワークトポロジマップを示すNOCダッシュボードのスクリーンショットである。
【
図32】
図32は、ネットワークトポロジビューのスクリーンショットである。
【
図33】
図33は、アカウントの所有者と権限に関する詳細を提供するアカウントビューのスクリーンショットである。
【
図34】
図34は、アカウントに関連付けられた全てのアクセスポイントを示すアクセスポイントビューのスクリーンショットである。
【
図35】
図35は、アカウントに関連付けられたWi-Fiネットワークに接続されている全てのクライアントデバイスを示すクライアントデバイスビューのスクリーンショットである。
【
図36】
図36は、バックホールリンク情報のスクリーンショットである。
【
図37】
図37は、個々のデバイスのクライアントデバイスの詳細のスクリーンショットである。
【
図38】
図38は、クライアントデバイスの一例のデバイスヘルスのスクリーンショットである。
【
図39】
図39は、アクセスポイントビューのスクリーンショットである。
【
図40】
図40は、APヘルスメトリックを示すWi-Fiネットワークのネットワーク図である。
【
図41】
図41は、APヘルスメトリックビューのスクリーンショットである。
【
図42】
図42は、オプティマイザビューのスクリーンショットである。
【
図43】
図43は、クラウドベースのネットワークオペレーションコントロール(NOC)ダッシュボードから複数のWi-Fiネットワークのうちの1つのWi-Fiネットワークを管理する方法のフローチャートである。
【
図44】
図44は、ネットワーク(ホーム)内の全てのアクセスポイント間のチャネルゲイン(信号強度)を示すマトリックスの表のスクリーンショットである。
【
図45】
図45は、各周波数チャネルの各アクセスポイントでの干渉によって消費されるエアタイムの割合を示す表のスクリーンショットである。
【
図46】
図46は、表に示されている周波数バンドの所定のアクセスポイントに接続されている場合にクライアントが達成可能な予測パフォーマンス(スループット)を示す表のスクリーンショットである。
【
図47】
図47は、考えられる全ての周波数チャネル上のアクセスポイント間の全ての潜在的な接続の推定PHYレートを示す表のスクリーンショットである。
【
図48】
図48は、考えられる全ての周波数チャネル上のアクセスポイント間の全ての潜在的な接続について実際に測定されたPHYレートを示す表のスクリーンショットである。
【
図49】
図49は、使用されるアイコンがネットワーク内の実際の物理デバイスを表すトポロジ表示のスクリーンショットである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、クラウドベースのWi-Fiシステムのためのネットワークオペレーションセンター(NOC)ダッシュボードのシステム及び方法に関する。システム及び方法は、複数のロケーション(例えば、何百万もの住宅)のWi-Fiネットワークをサービスプロバイダが閲覧することができるように、ダッシュボードにネットワークの可視化を提供する。ダッシュボードには、様々なメトリック及びその表示、並びにクラウドベースのWi-Fiネットワーク制御の設定及び制御が含まれる。
【0011】
NOCダッシュボードは、クラウドを介して複数のWi-Fiネットワークに接続されたWebベース、アプリケーションベース等のユーザインターフェースである。NOCダッシュボードは、ネットワーク運用、テクニカルサポート担当者等が使用できる。NOCダッシュボードの目的は、サービスプロバイダに、NOCからエンドユーザのクライアントデバイスに至るまでの可視性を提供することである。つまり、Wi-Fiをサービスプロバイダに対して可視化する。従って、NOCダッシュボードは、様々なWi-Fiデバイス(アクセスポイント、メッシュデバイス、リピータ等)を監視及び管理して、接続されている各デバイスに重要業績評価指標(KPI)と可視性を提供する。
【0012】
このシステムと方法により、サービスプロバイダはWi-Fiネットワーク全体を閲覧し、平均Wi-Fiデータレート、特定のWi-Fiデータレートを有する住宅の割合、カバレッジに問題のある住宅の割合、干渉の問題を抱えた住宅の割合等の内部特性を評価できるようになる。従って、システムと方法により、サービスプロバイダはWi-Fiがネットワークでどの程度機能しているかを評価できる。例えば、システムと方法は、サービスプロバイダがWi-Fi容量が適切か否か、又はWi-Fiシステムに更に投資する必要があるか否かを、大凡判断するように案内できる。
【0013】
このシステム及び方法により、サービスプロバイダは、様々な種類のサービスを利用する顧客、家庭内でギアの種類が異なる又は同じ顧客、カスタマーサポートに連絡したことがある顧客といった、Wi-Fiネットワークのグループを作成できるようになる。次に、これらのグループのWi-Fi動作に関する共通点を分析できる。ダッシュボードは「アップセル」又は「チャーン防止」ツールとして使用でき、Wi-Fiエクスペリエンスが不十分な顧客を特定し、その状況に対する最も可能性の高い原因又は対策を特定する。その後、サービスプロバイダは、顧客をそのソリューションにアップセルするか、又はソリューションを無料でアップグレードして、エクスペリエンスの低下により顧客が新しいプロバイダに変更(チャーン)するのを防ぐことができる。
【0014】
ダッシュボードはカスタマーサポートに使用できる。顧客が電話をかけてきた場合や、電子メールや携帯電話でメール等を送ってきた場合、サービス担当者は顧客のアカウントをオンライン又はオフラインで呼び出して、問題の診断に役立てることができる。ダッシュボードで提供される豊富なデータにより、サポート担当者は、a)APが配置されている場所の移動、b)ルータモードやブリッジモード等のネットワーク設定の変更、c)ネットワークへのAPの追加、d)自宅にいるクライアントに対する調整(設定、ロケーション等)、e)周波数チャネルやトポロジの手動調整(AP間の接続)、f)速度診断テストの実行、g)速度テストの履歴、干渉レベル、データレート、パケットエラー等のチェックといった修正を特定できる。
【0015】
<分散型Wi-Fiシステム>
図1を参照すると、一実施形態において、ネットワーク図は、クラウドベース12の制御を備えた分散型Wi-Fiシステム10を示している。分散型Wi-Fiシステム10は、IEEE802.11プロトコル及びそのバリエーションに従って動作することができる。分散型Wi-Fiシステム10は、住居、オフィス等のロケーション全体に分散させることができる複数のアクセスポイント14(アクセスポイント14A~14Hとラベル付けされている)を含む。即ち、分散型Wi-Fiシステム10は、単一のアクセスポイント、リピータ、又はメッシュシステムでサービスすることが非効率的又は非実用的である任意の物理的なロケーションでの動作を企図している。本明細書で説明するように、分散型Wi-Fiシステム10は、ネットワーク、システム、Wi-Fiネットワーク、Wi-Fiシステム、クラウドベースのシステム等と呼ぶことができる。アクセスポイント14は、ノード、アクセスポイント、Wi-Fiノード、Wi-Fiアクセスポイント等と呼ぶことができる。アクセスポイント14の目的は、Wi-Fiクライアントデバイス16(Wi-Fiクライアントデバイス16A~16Eとラベル付けされている)にネットワーク接続性を提供することである。Wi-Fiクライアントデバイス16は、クライアントデバイス、ユーザデバイス、クライアント、Wi-Fiクライアント、Wi-Fiデバイス等と呼ぶことができる。
【0016】
典型的な住宅での配備では、分散型Wi-Fiシステム10は、家庭内に3~12個以上のアクセスポイントを含むことができる。多数のアクセスポイント14(分散型Wi-Fiシステム10のノードとも呼ぶことができる)は、Wi-Fiサービスを必要とするWi-Fiクライアントデバイス16までの距離と同様に、任意のアクセスポイント14間の距離が常に小さいことを保証する。即ち、分散型Wi-Fiシステム10の目的は、アクセスポイント14間の距離が、Wi-Fiクライアントデバイス16と、関連するアクセスポイント14との間の距離と同様のサイズとなることである。このように距離が短いため、消費者の家の隅々まで、Wi-Fi信号で十分にカバーできることが保証される。また、分散型Wi-Fiシステム10内の任意のホップが短く、壁をほとんど通過しないことも保証される。これにより、分散型Wi-Fiシステム10の各ホップで非常に強力な信号強度が得られ、高いデータレートの使用が可能になり、堅牢な動作が提供される。当業者は、Wi-Fiクライアントデバイス16が、モバイルデバイス、タブレット、コンピュータ、家庭用電化製品、ホームエンターテインメントデバイス、テレビ、又は任意のネットワーク対応デバイスであり得ることを認識することに留意されたい。外部ネットワーク接続性の場合、1つ以上のアクセスポイント14をモデム/ルータ18に接続でき、これはケーブルモデム、デジタル加入者線(DSL)モデム、又は分散型Wi-Fiシステム10に関連付けられた物理的なロケーションへの外部ネットワーク接続性を提供する任意のデバイスであり得る。
【0017】
優れたカバレッジを提供する一方で、多数のアクセスポイント14(ノード)には調整の問題がある。全てのアクセスポイント14を正しく構成して効率的に通信するには、集中管理が必要である。この制御は、好ましくは、インターネット(クラウド12)を介して到達でき、ユーザデバイス22上で実行されるアプリケーション(「アプリ」)等を介してリモートでアクセスできるサーバ20上で行われる。従って、分散型Wi-Fiシステム10の実行は、一般に「クラウドサービス」と呼ばれるものになる。サーバ20は、測定データを受信し、測定データを分析し、それに基づいて分散型Wi-Fiシステム10内のアクセスポイント14を、クラウド12を介して構成するように構成される。サーバ20はまた、Wi-Fiクライアントデバイス16のそれぞれが接続(関連付け)するアクセスポイント14を決定するように構成することができる。即ち、一態様では、分散型Wi-Fiシステム10は、アクセスポイント14及びWi-Fiクライアントデバイス16の動作を最適化、構成、及び監視するための(クラウドベースのコントローラ又はクラウドサービスを用いた)クラウドベースの制御を含む。このクラウドベースの制御は、アクセスポイントにローカルでログインする等のローカル構成に依存する従来の動作とは対照的である。分散型Wi-Fiシステム10において、制御と最適化に必要なのは、アクセスポイント14へのローカルログインではなく、例えば異種ネットワーク(分散型Wi-Fiシステム10とは異なるネットワーク)(LTEや別のWi-Fiネットワーク等)を経由してクラウド12内のサーバ20と通信するユーザデバイス22(又はローカルWi-Fiクライアントデバイス16)である。
【0018】
アクセスポイント14は、接続性のために無線リンクと有線リンクの両方を含むことができる。
図1の例では、アクセスポイント14Aは、モデム/ルータ18への例示的なギガビットイーサネット(登録商標)(GbE)有線接続を有する。オプションとして、アクセスポイント14Bは、冗長性やロードバランシング等のために、モデム/ルータ18への有線接続も有する。また、アクセスポイント14A、14Bは、モデム/ルータ18への無線接続を有することができる。アクセスポイント14は、クライアント接続性(クライアントリンクと呼ばれる)及びバックホール(バックホールリンクと呼ばれる)のための無線リンクを有することができる。分散型Wi-Fiシステム10は、クライアントリンクとバックホールリンクとが必ずしも同じWi-Fiチャネルを共有せず、それにより干渉を減らすという点で、従来のWi-Fiメッシュネットワークとは異なる。即ち、アクセスポイント14は、少なくとも2つのWi-Fi無線チャネルをサポートすることができ、クライアントリンク又はバックホールリンクのいずれかを提供するために柔軟に使用でき、モデム/ルータ18への接続性用又は他のデバイスへの接続用に少なくとも1つの有線ポートを有してよい。分散型Wi-Fiシステム10において、アクセスポイント14の小さなサブセットのみが、モデム/ルータ18への直接接続性を必要とし、接続されていないアクセスポイント14は、接続されているアクセスポイント14へのバックホールリンクを通じてモデム/ルータ18と通信する。
【0019】
<従来のWi-Fiシステムと比較した分散型Wi-Fiシステム>
図2を参照すると、一実施形態において、ネットワーク図は、従来の単一アクセスポイントシステム30、Wi-Fiメッシュネットワーク32、及びWi-Fiリピータネットワーク33に対する分散型Wi-Fiシステム10の動作の違いを示している。単一アクセスポイントシステム30は、あるロケーション(例えば、家)内の全てのWi-Fiクライアントデバイス16にサービスを提供するために中央に配置され得る単一の強力なアクセスポイント34に依存する。再び、本明細書で説明するように、典型的な住居では、単一アクセスポイントシステム30は、アクセスポイント34とWi-Fiクライアントデバイス16との間にいくつかの壁や床等を有することができる。加えて、単一アクセスポイントシステム30は単一のチャネルで動作するため、隣接するシステムから干渉を受ける虞がある。Wi-Fiメッシュネットワーク32は、Wi-Fiカバレッジを分配する複数のメッシュノード36を有することにより、単一アクセスポイントシステム30に関するいくつかの問題を解決する。具体的には、Wi-Fiメッシュネットワーク32は、互いに完全に相互接続されているメッシュノード36に基づいて動作し、各メッシュノード36とWi-Fiクライアントデバイス16との間でチャネルX等のチャネルを共有する。即ち、Wi-Fiメッシュネットワーク32は、完全に相互接続されたグリッドであり、同じチャネルを共有し、メッシュノード36とWi-Fiクライアントデバイス16との間の複数の異なる経路を可能にする。しかしながら、Wi-Fiメッシュネットワーク32は同じバックホールチャネルを使用するため、ソースポイント間の全てのホップは、データを配信するために取られるホップの数によってネットワーク容量を分割する。例えば、ビデオをWi-Fiクライアントデバイス16にストリーミングするために3ホップを要する場合、Wi-Fiメッシュネットワーク32は、容量の1/3しか残されない。Wi-Fiリピータネットワーク33は、Wi-Fiリピータ38に無線で接続されたアクセスポイント34を含む。Wi-Fiリピータネットワーク33は、アクセスポイント14とWi-Fiクライアントデバイス16との間に高々1つのWi-Fiリピータ38が存在するスタートポロジである。チャネルの観点から、アクセスポイント34は、第1チャネルCh.XでWi-Fiリピータ38と通信でき、Wi-Fiリピータ38は、第2チャネルCh.YでWi-Fiクライアントデバイス16と通信できる。
【0020】
分散型Wi-Fiシステム10は、様々なホップに異なるチャネル又はバンドを使用して(一部のホップは同じチャネル/バンドを使用する場合があるが、必須ではない)Wi-Fi速度の低下を防ぐことにより、全ての接続に同じチャネルを必要とするというWi-Fiメッシュネットワーク32の問題を解決する。例えば、分散型Wi-Fiシステム10は、アクセスポイント14間及びWi-Fiクライアントデバイス16間(例えば、Ch.X、Y、Z、A)の間で異なるチャネル/バンドを使用することができ、また、分散型Wi-Fiシステム10は、クラウド12による構成及び最適化に基づいて、必ずしも全てのアクセスポイント14を使用するわけではない。分散型Wi-Fiシステム10は、複数のアクセスポイント14を提供することにより、単一アクセスポイントシステム30の問題を解決する。分散型Wi-Fiシステム10は、Wi-Fiクライアントデバイス16とゲートウェイとの間の最大で2つの無線ホップを可能にするWi-Fiリピータネットワーク33におけるようなスタートポロジに制約されない。また、分散型Wi-Fiシステム10は、Wi-Fiクライアントデバイス16とゲートウェイとの間に1つの経路があるが、Wi-Fiリピータネットワーク33とは異なり複数の無線ホップを可能にするツリートポロジを形成する。
【0021】
Wi-Fiは共有された単信方式プロトコルであり、これは、ネットワーク内で同時に発生できるのは、2つのデバイス間における会話1つだけであり、1つのデバイスがトーク中の場合、他のデバイスはリスニングする必要がある、ということを意味する。異なるWi-Fiチャネルを使用することにより、分散型Wi-Fiシステム10で同時に複数の会話を行うことができる。アクセスポイント14間で異なるWi-Fiチャネルを選択することにより、干渉と輻輳が回避される。クラウド12を介したサーバ20は、最適化されたチャネルホップソリューションにおいてアクセスポイント14を自動的に構成する。分散型Wi-Fiシステム10は、消費者とそのWi-Fiクライアントデバイス16の絶えず変化するニーズをサポートするルートとチャネルを選択できる。分散型Wi-Fiシステム10のアプローチは、バックホール接続性又はクライアント接続性のいずれの場合でも、Wi-Fi信号が遠くまで移動する必要がないようにすることである。従って、Wi-Fi信号は強いままであり、Wi-Fiメッシュネットワーク32と同じチャネル上で通信することによって、又はWi-Fiリピータと通信することによって、干渉を回避する。一態様では、クラウド12内のサーバ20は、最良のユーザ体験のためにチャネル選択を最適化するように構成される。
【0022】
<クラウドベースのWi-Fi管理>
従来のWi-Fiシステムは、Wi-Fiネットワーク上のユーザが指定されたアドレス(192.168.1.1等)に接続する場合等のローカル管理を利用する。分散型Wi-Fiシステム10は、クラウド12内のサーバ20を介してクラウドベースの管理をするように構成される。また、単一アクセスポイントシステム30、Wi-Fiメッシュネットワーク32、及びWi-Fiリピータネットワーク33は、クラウドベースの管理をサポートできる。例えば、AP34及び/又はメッシュノード36は、クラウド12内のサーバ20と通信するように構成することができる。この構成は、各デバイス等にインストールされたソフトウェアエージェントを介して行うことができる。本明細書で説明するように、クラウドベースの管理には、クラウド12へWi-Fi関連パフォーマンスメトリックを報告することと、クラウド12からWi-Fi関連の構成パラメータを受信することと、が含まれる。NOCのシステム及び方法は、Wi-Fi関連パフォーマンスメトリックを報告することのみをサポートする(そしてクラウドベースの構成はサポートしない)システムを含む、あらゆるWi-Fiシステム(即ち、分散型Wi-Fiシステム10、単一アクセスポイントシステム30、Wi-Fiメッシュネットワーク32、及びWi-Fiリピータネットワーク33等)での使用を企図している。
【0023】
クラウド12は、クラウドコンピューティングシステムと方法を利用して、物理サーバ、ストレージ、ネットワーキング等を抽象化し、代わりにこれらをオンデマンドリソース及びエラスティックリソースとして提供する。アメリカ国立標準技術研究所(NIST)は、クラウドコンピューティングが、最小限の管理作業又はサービスプロバイダの対話により迅速に提供及びリリースすることができる、構成可能なコンピューティングリソース(例えば、ネットワーク、サーバ、ストレージ、アプリケーション、サービス)の共有プールへの便利なオンデマンドネットワークアクセスを可能にするモデルであることを、簡潔かつ具体的に定義している。クラウドコンピューティングは、クライアントのウェブブラウザー等によって実行及び管理されるアプリケーションをサーバから提供するという点で、従来のクライアント-サーバモデルとは異なり、アプリケーションのクライアントバージョンをインストールする必要はない。一元化により、クラウドサービスプロバイダは、クライアントに提供されるブラウザーベースのアプリケーションやその他のアプリケーションのバージョンを完全に制御できるため、個々のクライアントコンピューティングデバイス上でバージョンアップグレードやライセンス管理を行う必要がなくなる。SaaSという語句は、クラウドコンピューティングを通じて提供されるアプリケーションプログラムを説明するために使用されることがある。提供されるクラウドコンピューティングサービス(又は既存の全てのクラウドサービスの集合体)の一般的な省略形は「クラウド」である。
【0024】
<サーバアーキテクチャの例>
図3を参照すると、一実施形態において、ブロック図は、クラウド12、他のシステム、又はスタンドアロンで使用できるサーバ200を示している。サーバ200は、ハードウェアアーキテクチャに関して、一般にプロセッサ202、入力/出力(I/O)インターフェース204、ネットワークインターフェース206、データ記憶部208、及びメモリ210を含むデジタルコンピュータであってよい。
図3は、サーバ200を過度に簡略化して示しており、実際の実施形態は、本明細書で詳細に説明されていない既知又は従来の動作機能をサポートする追加のコンポーネント及び適切に構成された処理ロジックを含んでもよいことを、当業者は理解されたい。コンポーネント(202、204、206、208、及び210)は、ローカルインターフェース212を介して通信可能に接続される。ローカルインターフェース212は、例えば、当技術分野で知られているように、1つ以上のバス若しくは他の有線又は無線接続であってよいが、これらに限定されない。ローカルインターフェース212は、通信を可能にするために、数ある中でも、コントローラ、バッファ(キャッシュ)、ドライバ、リピータ、及びレシーバ等の、簡略化のために省略される追加の要素を有してもよい。更に、ローカルインターフェース212は、前述のコンポーネント間の適切な通信を可能にするために、アドレス、制御、及び/又はデータ接続を含み得る。
【0025】
プロセッサ202は、ソフトウェア命令を実行するためのハードウェアデバイスである。プロセッサ202は、任意の特注又は市販のプロセッサ、中央処理装置(CPU)、サーバ200に関連付けられたいくつかのプロセッサの中の補助プロセッサ、(マイクロチップ又はチップセットの形態の)半導体ベースのマイクロプロセッサ、又は一般にソフトウェア命令を実行するための任意のデバイスであってよい。サーバ200が動作しているとき、プロセッサ202は、メモリ210内に格納されたソフトウェアを実行し、メモリ210との間でデータを通信し、ソフトウェア命令に従ってサーバ200の動作を一般的に制御するように構成される。I/Oインターフェース204は、1つ以上のデバイス又はコンポーネントからユーザ入力を受けるため、及び/又はシステム出力を提供するために使用してよい。ユーザ入力は、例えば、キーボード、タッチパッド、及び/又はマウスを介して提供されてもよい。システム出力は、ディスプレイデバイス及びプリンタ(図示せず)を介して提供されてもよい。I/Oインターフェース204は、例えば、シリアルポート、パラレルポート、スモールコンピュータシステムインターフェース(SCSI)、シリアルATA(SATA)、ファイバーチャネル、インフィニバンド、iSCSI、PCI Expressインターフェース(PCI-x)、赤外線(IR)インターフェース、無線周波数(RF)インターフェース、及び/又はユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェースを含んでよい。
【0026】
ネットワークインターフェース206は、サーバ200がインターネット等のネットワーク上で通信することを可能にするために使用してよい。ネットワークインターフェース206は、例えば、イーサネット(登録商標)のカード又はアダプター(例えば、10BaseT、ファストイーサネット(登録商標)、ギガビットイーサネット(登録商標)、10GbE)、若しくはワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)のカード又はアダプター(例えば、802.11a/b/g/n/ac)を含み得る。ネットワークインターフェース206は、ネットワーク上の適切な通信を可能にするために、アドレス、制御、及び/又はデータ接続を含み得る。データ記憶部208は、データを格納するために使用してよい。データ記憶部208は、揮発性メモリ要素(例えば、ランダムアクセスメモリ(DRAM、SRAM、SDRAM等のRAM))、不揮発性メモリ要素(例えば、ROM、ハードドライブ、テープ、CD ROM等)、及びそれらの組み合わせのいずれかを含み得る。更に、データ記憶部208は、電子的、磁気的、光学的、及び/又は他のタイプの記憶媒体を組み込んでよい。一例では、データ記憶部208は、例えば、サーバ200のローカルインターフェース212に接続された内部ハードドライブ等、サーバ200の内部に配置され得る。更に、別の実施形態では、データ記憶部208は、例えば、I/Oインターフェース204(例えば、SCSI又はUSB接続)に接続された外部ハードドライブ等、サーバ200の外部に配置されてもよい。更なる実施形態では、データ記憶部208は、例えば、ネットワーク接続ファイルサーバ等のネットワークを介してサーバ200に接続されてもよい。
【0027】
メモリ210は、揮発性メモリ要素(例えば、ランダムアクセスメモリ(DRAM、SRAM、SDRAM等のRAM))、不揮発性メモリ要素(例えば、ROM、ハードドライブ、テープ、CD ROM等)、及びそれらの組み合わせのいずれかを含み得る。更に、メモリ210は、電子的、磁気的、光学的、及び/又は他のタイプの記憶媒体を組み込んでよい。メモリ210は分散型アーキテクチャを有してよく、様々なコンポーネントが互いに離れて位置するが、プロセッサ202によってアクセスできることに留意されたい。メモリ210内のソフトウェアは、1つ以上のソフトウェアプログラムを含んでよく、そのそれぞれは、論理機能を実装するための実行可能な命令の順序付きリストを含む。メモリ210内のソフトウェアは、適切なオペレーティングシステム(O/S)214及び1つ以上のプログラム216を含む。オペレーティングシステム214は、1つ以上のプログラム216といった他のコンピュータプログラムの実行を実質的に制御し、スケジューリング、入出力制御、ファイル及びデータ管理、メモリ管理、ならびに通信制御及び関連サービスを提供する。1つ以上のプログラム216は、本明細書で説明される様々なプロセス、アルゴリズム、方法、手法等を実装するように構成され得る。
【0028】
<モバイルデバイスアーキテクチャの例>
図4を参照すると、一実施形態において、ブロック図は、ユーザデバイス22等に使用できるモバイルデバイス300を示している。モバイルデバイス300は、ハードウェアアーキテクチャに関して、一般にプロセッサ302、入力/出力(I/O)インターフェース304、無線機306、データ記憶部308、及びメモリ310を含むデジタルデバイスであってよい。
図4は、モバイルデバイス310を過度に簡略化して示しており、実際の実施形態は、本明細書で詳細に説明されていない既知又は従来の動作機能をサポートする追加のコンポーネント及び適切に構成された処理ロジックを含んでもよいことを、当業者は理解されたい。コンポーネント(302、304、306、308、及び302)は、ローカルインターフェース312を介して通信可能に接続される。ローカルインターフェース312は、例えば、当技術分野で知られているように、1つ以上のバス若しくは他の有線又は無線接続であり得るが、これらに限定されない。ローカルインターフェース312は、通信を可能にするために、数ある中でも、コントローラ、バッファ(キャッシュ)、ドライバ、リピータ、及びレシーバ等の、簡略化のために省略される追加の要素を有することができる。更に、ローカルインターフェース312は、前述のコンポーネント間の適切な通信を可能にするために、アドレス、制御、及び/又はデータ接続を含み得る。
【0029】
プロセッサ302は、ソフトウェア命令を実行するためのハードウェアデバイスである。プロセッサ302は、任意の特注又は市販のプロセッサ、中央処理装置(CPU)、モバイルデバイス300に関連付けられたいくつかのプロセッサの中の補助プロセッサ、(マイクロチップ又はチップセットの形態の)半導体ベースのマイクロプロセッサ、又は一般にソフトウェア命令を実行するための任意のデバイスとすることができる。モバイルデバイス300が動作しているとき、プロセッサ302は、メモリ310内に格納されたソフトウェアを実行し、メモリ310との間でデータを通信し、ソフトウェア命令に従ってモバイルデバイス300の動作を一般的に制御するように構成される。一実施形態において、プロセッサ302は、電力消費及びモバイルアプリケーション用に最適化されたもの等のモバイル最適化プロセッサを含んでよい。I/Oインターフェース304は、ユーザ入力を受けるため、及び/又はシステム出力を提供するために使用され得る。ユーザ入力は、例えば、キーパッド、タッチスクリーン、スクロールボール、スクロールバー、ボタン、バーコードスキャナー等を介して提供することができる。システム出力は、液晶ディスプレイ(LCD)やタッチスクリーン等のディスプレイデバイスを介して提供することができる。I/Oインターフェース304はまた、例えば、シリアルポート、パラレルポート、スモールコンピュータシステムインターフェース(SCSI)、赤外線(IR)インターフェース、無線周波数(RF)インターフェース、ユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェース等を含むことができる。I/Oインターフェース304は、ユーザがモバイルデバイス310とインタラクトすることを可能にするグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を含むことができる。更に、I/Oインターフェース304は、撮像デバイス、即ち、カメラ、ビデオカメラ等を更に含んでよい。
【0030】
無線機306は、外部アクセスデバイス又はネットワークへのワイヤレス通信を可能にする。無線機306によって、任意の数の適切な無線データ通信プロトコル、手法、又は方法論をサポートすることができ、その例は、RF、IrDA(赤外線)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(及びIEEE802.15プロトコルのその他のバリアント)、IEEE802.11(任意のバリエーション)、IEEE802.16(WiMAX又はその他のバリエーション)、直接シーケンス・スペクトラム拡散、周波数ホッピング・スペクトラム拡散、Long Term Evolution(LTE)、セルラー/ワイヤレス/コードレス通信プロトコル(3G/4G等)、ワイヤレスホームネットワーク通信プロトコル、Wireless USBのバリアントといった独自のワイヤレスデータ通信プロトコル、及びワイヤレス通信用の他のプロトコルが挙げられる、これらには限定されない。データ記憶部308は、データを格納するために使用してよい。データ記憶部308は、揮発性メモリ要素(例えば、ランダムアクセスメモリ(DRAM、SRAM、SDRAM等のRAM))、不揮発性メモリ要素(例えば、ROM、ハードドライブ、テープ、CD ROM等)、及びそれらの組み合わせのいずれかを含み得る。更に、データ記憶部308は、電子的、磁気的、光学的、及び/又は他のタイプの記憶媒体を組み込んでよい。
【0031】
メモリ310は、揮発性メモリ要素(例えば、ランダムアクセスメモリ(DRAM、SRAM、SDRAM等のRAM))、不揮発性メモリ要素(例えば、ROM、ハードドライブ等)、及びそれらの組み合わせのいずれかを含み得る。更に、メモリ310は、電子的、磁気的、光学的、及び/又は他のタイプの記憶媒体を組み込んでよい。メモリ310は分散型アーキテクチャを有することができ、様々なコンポーネントが互いに離れて位置するが、プロセッサ302によってアクセスできることに留意されたい。メモリ310内のソフトウェアは、1つ以上のソフトウェアプログラムを含むことができ、そのそれぞれは、論理機能を実装するための実行可能な命令の順序付きリストを含む。
図3の例では、メモリ310内のソフトウェアは、適切なオペレーティングシステム(O/S)314及びプログラム316を含む。オペレーティングシステム314は、他のコンピュータプログラムの実行を実質的に制御し、スケジューリング、入出力制御、ファイル及びデータ管理、メモリ管理、ならびに通信制御及び関連サービスを提供する。プログラム316は、モバイルデバイス300でエンドユーザ機能を提供するように構成された様々なアプリケーションやアドオン等を含んでよい。例えば、例示的なプログラム316としては、ウェブブラウザー、ソーシャルネットワーキングアプリケーション、ストリーミングメディアアプリケーション、ゲーム、マッピング・ロケーションアプリケーション、電子メールアプリケーション、金融アプリケーション等が挙げられるが、これらには限定されない。典型的な例では、エンドユーザは通常、ネットワークとともにプログラム316のうちの1つ以上を使用する。
【0032】
<クラウドベースのNOCプロセス>
図5を参照すると、一実施形態において、フローチャートは、クラウドベースのNOCプロセス400を示している。クラウドベースのNOCプロセス400は、分散型Wi-Fiシステム10、単一アクセスポイントシステム30、Wi-Fiメッシュネットワーク32、Wi-Fiリピータネットワーク33といった複数のWi-Fiシステムとの通信に基づいて、クラウド12内に、例えばサーバ20のうちの1つ等に実装される。クラウドベースのNOCプロセス400は、複数のWi-FiシステムからWi-Fiデータを受信することを含む(ステップ402)。Wi-Fiデータは測定データと呼ぶことができ、受信信号強度インジケータ(RSSI)、達成可能なデータレート、容量、負荷、エラーレート、遅延、干渉、送受信に費やされた時間の割合、クライアント関連情報といったWi-Fi動作に関連するデータを含むことができる。例えば、Wi-Fiシステムにおけるデータ収集の説明は、2017年3月17日に出願され本発明の譲受人に譲渡された、「DATA GATHERING TO ENABLE THE OPTIMIZATION OF DISTRIBUTED WI-FI NETWORKS」という表題の米国特許出願第15/462,071号に記載されており、その内容は参照により組み込まれる。
【0033】
クラウドベースのNOCプロセス400は、安全を確保した方法でWi-Fiデータを格納することを含む(ステップ404)。Wi-Fiデータは、データ記憶部208に格納することができる。安全を確保した方法は、NOCのみがデータを見ることができるような暗号化を含む。更に、安全を確保した方法は、クライアント等のユーザ識別情報を削除するために匿名化されるWi-Fiデータの一部又は全てを含むことができる。更に、クラウドベースのNOCプロセス400のユーザは、メトリックを表示してセキュリティを確保できるよう、認証を要求することができる。
【0034】
クラウドベースのNOCプロセス400は、1人以上のユーザにダッシュボードを提供することを含む(ステップ408)。例えば、サーバ20は、ダッシュボードをユーザデバイス22等へのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)として表示することができる。ダッシュボードは、NOCで、又は許可されたユーザに対して、リモートで表示することができる。一実施形態において、ダッシュボードは、システム及び方法を実装するアプリケーションの一部として提示される。別の実施形態では、ダッシュボードは、HTTP/HTTPS等を介してブラウザに提示される。
【0035】
クラウドベースのNOCプロセス400は、Wi-Fiデータを処理して1つ以上のメトリックを決定すること(ステップ408)、ダッシュボードに1つ以上のメトリックを表示すること(ステップ410)、及びユーザからの1つ以上のコマンドに基づいて表示を更新すること(ステップ412)を含む。具体的には、ダッシュボードはインタラクティブなため、ユーザは個々のネットワーク又はAPまでのネットワーク全体のメトリックを確認できる。ステップ408~412は、ユーザ入力及び関連する処理に基づく、GUIの更新を含む。Wi-Fiデータは、ネットワーク全体のメトリックを導き出すために使用される、集約されたネットワーク全体の統計を含むことができ、ユーザはグループ又は個々のアカウントにドリルダウンできる。
【0036】
クラウドベースのNOCプロセス400は、デバイス、ネットワーク、デバイスのグループ、ネットワークのグループ、アカウント、アカウントのグループ等を管理するために使用することができる。即ち、クラウドベースのNOCプロセス400は、管理目的のために様々なグループ化を企図している。実際のアプリケーションにおいて、クラウドベースのNOCプロセス400は、数千から数百万のデバイスを管理することができ、その各々は対応するネットワーク内にあり、アカウントに関連付けられている。本明細書で説明するように、Wi-Fiネットワークは、1つ以上のデバイス(例えば、アクセスポイント14、34、36、38)で構成される。アカウントは、Wi-Fiネットワークの所有者であるユーザIDを表している。当業者は、様々な組み合わせが企図されることを認識するであろう。
【0037】
<ダッシュボードのWi-Fiメトリック>
図6~
図16を参照すると、種々の実施形態において、スクリーンショットは、ダッシュボード内及びクラウドベースのNOCプロセス400内の様々なGUIを示している。ダッシュボードには、グラフ、表、数値等の、メトリックを表示するための様々な情報を含めることができる。グラフを選択して、2.4GHzバンド及び/又は5GHzバンドを表示することができ、またデフォルト及び選択可能なタイムスケール(1日、1週間等)を含めることもできる。また、各グラフの線が異なると、送信(Tx)と受信(Rx)(アップロードとダウンロード)の統計を分けることができる。
【0038】
ダッシュボードを使用して、各デバイスの接続時間、ノードごとのグラフ、チャネル使用率、バンド幅使用率、速度テスト履歴、アラーム、チャネル使用率、切断されたデバイスのリストといった情報を提供するWi-Fiネットワークの現在の状態及び履歴を示すことができる。
【0039】
図6及び
図7は、ネットワークレベルのメトリックを示すダッシュボードの2つの部分を示している。ダッシュボードは、アラーム状態のデバイス、オンライン状態のデバイス、オフライン状態のデバイス等、様々なWi-Fiシステムにおける全てのデバイスを追跡できる。
図6は、ユーザが特定のアカウントやWi-Fiシステム等を探すことができる検索バー500を含む。
図6は、クラウドベースのNOCプロセス400によって管理されている全てのWi-Fiシステムのネットワーク全体のビューを提供する「デバイスハピネス」のグラフ502を更に含む。デバイスハピネスにより、グラフ502は、オンライン状態のデバイスとアラーム状態のデバイスの合計を経時的にリストアップする(日、週等で調整できる)。また、デバイスによって、クラウドベースのNOCプロセス400は、Wi-Fiシステムデバイス、つまりアクセスポイント14、34、メッシュノード36、リピータ38等を監視している。
【0040】
図6はまた、クラウドベースのNOCプロセス400によって管理されている全てのWi-Fiデバイスのアラームのグラフ504を含む。例えば、グラフ504は、不十分なWi-Fiカバレッジに対するアラームを示している。グラフ504はまた、同じグラフ上に(例えば、異なる色の線等で)複数の異なる警報タイプを示すことができる。
【0041】
図6はまた、自己組織化ネットワーク(SON)の変化のグラフ506を含む。例えば、分散型Wi-Fiシステム10は、定期的な最適化パフォーマンスを含むクラウド12によって制御することができる。クラウドベースの最適化の例は、2017年3月20日に出願され本発明の譲受人に譲渡された、「CLOUD-BASED CONTROL OF A WI-FI NETWORK」という表題の米国特許出願第15/463,321号に記載されており、その内容は参照により組み込まれる。クラウド12における他のタイプの制御又は最適化も企図される。ここで、グラフ506は、2.4GHz及び5GHzの高速及び低速ループの変化を示している。
【0042】
図7は、ダッシュボードの様々なタイル等、
図6と組み合わせて表示することができる。
図7には、全体の変化、高速ループの変化、低速ループの変化、1日の平均等、ネットワーク全体のイベントの数のリスト508を含めることができる。
図7はまた、SONチャネル変更有効性510を示すグラフを含むことができる。この表示では、クラウドベースの最適化の有効性を示すメトリックを表示できる。
【0043】
図7はまた、総統計として、ネットワーク全体のバンドステアリングイベントのグラフ512を含む。バンドステアリングイベントは、バンド(2.4GHzと5GHz)間のクライアントの移動である。グラフ512は、バンドステアリングの失敗、成功、及びトラブルに関するネットワーク全体の統計を示している。同様に、
図7はまた、Wi-Fiデバイス間のクライアントの動きであるクライアントステアリングイベントのグラフ514を含む。
【0044】
ダッシュボードは、クラウドベースのNOCプロセス400によって管理されているWi-Fiシステムに関連するメトリックを示すマップ表示も含むことができる。マップは、各Wi-Fiシステム(又はグループ)とロケーションを示す地理マップとすることができる。ユーザは、マップを操作し、エリアを選択し、ドリルダウンして単一のWi-Fiシステムを選択する等して、ダッシュボードの他の表示を更新できる。
【0045】
一実施形態において、クラウドベースのNOCプロセス400のメトリックは、Wi-Fi容量、アラーム、チャネル変更、バンドステアリング、チャネル変更有効性、ビンを含むヘルス統計、ビン内の他のパラメータ等を含むことができる。ダッシュボードはデフォルトでメトリックをネットワーク全体に表示でき、ユーザは様々なコマンドで検索/フィルタリングできる。また、ユーザはWi-Fiシステムのグループを定義できる。
【0046】
図8は、アラームのグラフ516を示すダッシュボードのタイルである。グラフ504は、クラウドベースのNOCプロセス400によって管理されている全てのWi-Fiシステムにわたるアラームを示している。グラフ516は、Wi-Fiシステムの個々(又はグループ)のアラーム、ならびに単一のWi-Fiデバイスのアラームを示している。グラフ516は、経時的に調整することができ、個々のアラームの異なる線だけでなく、合計で全てのアラームの線を有することもできる。これにより、全てのネットワークの概要ページにカウントとパーセンテージがリストアップされたNOCのヘルス表示が提供される。
【0047】
ダッシュボード及び/又はクラウドベースのNOCプロセス400は、デバイス、ネットワーク、デバイスのグループ、ネットワークのグループ、アカウント、アカウントのグループ等に対してアラームを発することができる。アラームは、監視対象のデータに基づくことができ、監視対象のデータが閾値(設定可能である場合あり)を超えたときに発生する。アラームは、不良状態にある時間の長さや、ある量のヒステリシスといった時定数を有することができ、アラームには、より多くの異なる要素が同時に含まれる場合がある。
【0048】
図9は、クラウドベースのNOCプロセス400によって管理されるWi-Fiネットワーク及び/又はアカウントに関連付けられた個々のデバイスのスクリーンショットである。具体的には、
図9は、ネットワーク
図520及びデバイスタイル522を含む。ダッシュボードは、接続状態を示すアクセスポイント14、34、36、38を示すネットワーク
図520のGUIを含むことができる。例えば、分散型Wi-Fiシステム10では、ネットワーク
図520の線は、(他のアクセスポイント14、34、36、38への)バックホールリンク及び(ユーザデバイスへの)クライアントリンクを示すことができる。ネットワーク
図520は、ズームやスクロール等をサポートし、クリックや選択等を行って、デバイス、ネットワーク、及び/又はネットワーク及び/又はアカウントのグループの詳細を立ち上げることができる。更に、ネットワーク
図520は、アクセスポイント14、34、36、38、リンク等における色の区別を含むことができる。例えば、
図9では、アクセスポイント「オーブン」は、ヘルス状態が悪いことを示すために赤くなることができ、ユーザは、アクセスポイント「オーブン」をクリックして、デバイスタイル522を立ち上げることができる。
【0049】
デバイスタイル522は、デバイス名(オーブン、編集可能)、ネットワークヘルス(この例では不良)、接続統計(07/26/17等)、デバイス統計(例えば、ID番号、メディアアクセス制御(MAC)アドレス、製造元/モデル等)といったステータス情報を提供する。最後に、デバイスタイル522は、ヘルス状態が悪いことに対するアラーム/アラートを示すアラートセクション524を含むことができ、ユーザはスヌーズ又は無視することを選択できる。
【0050】
ネットワークヘルスについて、ユーザはインフォボタンをクリックして、関連するヘルス関係の統計とスコアをリストアップするヘルスタイル526を表示できる。ネットワークヘルスは、ユーザ/管理者がアクセスポイント14、34、36、38の動作状況を決定するためのメカニズムである。ネットワークヘルスのスコアは、RSSI、RSSI伝送制御プロトコル(TCP)、干渉、空間ストリーム数(NSS)、バンド幅、TCP等、異なる要因を重み付けして組み合わせることができる。スコアには、意味のある比較を提供し、ネットワーク運用パラメータに加え、干渉といった外部の影響を網羅することを意図している。この例では、デバイス(「オーブン」)は、デバイス「入口」へのバックホールに5Gチャネル、例えばチャネル40を使用し、クライアントには2.4Gチャネルを使用する。ここでのスコアは1.38であり、ヘルス状態が悪いことを示している。
【0051】
図10は、Wi-Fiネットワークのトポロジが経時的にどのように進化するかを調べるための、ネットワークトポロジ540及びトポロジタイムマシンタイル542のスクリーンショットである。本明細書で説明するように、分散型Wi-Fiネットワーク10は、定期的な最適化に基づいて、そのトポロジ(バックホールリンクやチャネル等の相互接続)を経時的に変更することができる。トポロジタイムマシンタイル542の意図は、最適化を構成し、ログを表示し、トポロジの視覚化を開始することである。最適化には、ノードの強制リダイレクト、モニターモード、及びバンドステアリングとクライアントステアリングとの構成が含まれる。バンドステアリング統計には、キック、失敗、成功、接続、切断、クライアントデバイスが送信したプローブ、スティッキー、拒否等が含まれ得る。トポロジの視覚化は、トポロジタイムマシンタイル542における指定された時間にわたるネットワークトポロジの進化を示すことができるネットワークトポロジタイル540に提示される。この機能は「トポロジタイムマシン」と呼ばれ、これによりユーザは、過去の特定の時間に戻って、クライアントデバイスのネットワークへの接続を含むネットワークのトポロジを確認することができるようになる。
【0052】
トポロジタイムマシンは、トポロジ変更の理由を示すこともある。トリガされる各最適化イベントには、トリガされる理由がリストアップされ、これには、新しいアクセスポイントのオンボーディング、最適化の手動トリガ、最適化を正当化するために十分に変更されたアクセスポイントによって報告される統計、ランダムに切断又は再接続されたアクセスポイント等を含み得る。トポロジタイムマシンは、干渉を回避するために行われた変更を含めたチャネルの変更を追跡し、ネットワーク全体の集約レポートとして、及び個別のアカウントベースで、チャネル変更の有効性を追跡することができる。例えば、チャネル変更の有効性は、チャネル変更が干渉の減少やバンド幅の増加等に成功した場合と定義できる。
【0053】
オペレータはトポロジタイムマシンを使用して、Wi-Fiネットワークの配備やWi-Fiハードウェア構成等のベストプラクティスについて理解を深めることができる。この専門知識は、ネットワークのトラブルシューティング及び最適化、並びにより優れたハードウェアの構築等に使用できる。
【0054】
図11は、2つのノードのネットワーク速度テストタイル560のスクリーンショットである。クラウドベースのNOCプロセス400は、定期的又はオンデマンドの速度テストを利用して、Wi-Fiネットワークのパフォーマンスを示すことができる。速度テストは、ゲートウェイとして、分散型Wi-Fiネットワーク10等の任意のノードで実行できる。一実施形態において、速度テストは、トリガ条件に応答することや、定期的に行う等、要求に応じてNOCから制御することができる。速度テストは、ダウンロード速度とアップロード速度との両方を経時的に示している。
【0055】
一実施形態において、NOC/ダッシュボードは、速度テストをトポロジタイムマシンやアラート/アラームに相関させて、条件及びトポロジに関連する速度の理解を深めることができる。この全てのデータを機械学習アルゴリズムに組み込んで相関関係を決定し、ネットワークのパフォーマンスと最適化とを向上させることができる。
【0056】
図12は、Wi-Fiネットワークの状態を示す円グラフタイル560、具体的には、例示的なWi-Fiネットワークにおけるチャネルダイバーシティの円グラフタイル560のスクリーンショットである。例えば、このネットワークでは、5Gのチャネル40と2.4Gのチャネル1の2つのチャネルが使用されている。円グラフは、チャネル使用状況の分布を示している。他のタイルは、ヘルススコア(及びその定義)、チャネル使用状況、周波数ダイバーシティプロット等を含む、Wi-Fiネットワーク(並びにWi-Fiネットワークのグループ又は全て)の状態に関連する他の視覚化を提供できる。
【0057】
図13、
図14、及び
図15は、Wi-Fiネットワークのトポロジの様々なスクリーンショットである。トポロジのスクリーンショットとダッシュボードとにより、ユーザは、任意のデバイスのインターネットプロトコル(IP)アドレス、MACアドレス、ソフトウェアバージョン及びソフトウェアアップグレードの履歴、接続されているクライアント及びそれらに関連する情報(名前、デバイス種別、IPアドレス、MACアドレス等)、(アクセスポイント又はノードによって)消費されたデータのグラフ、物理層のデータレート、個々のリンクの速度等を閲覧できる。更に、この情報は、ナビゲーション(クリック、スクロール等)を介して、ネットワークのどこからでも利用できる。
【0058】
注目すべきは、ワイヤレスリンクとアクセスポイントは1対1ではないということであり、なぜなら、特定のアクセスポイントに、例えば親アクセスポイント、子アクセスポイント、又はクライアントへの複数の無線リンクが存在する場合があるためである。一般に、タブにはアクセスポイントと無線リンクとの両方に個別に関連する項目があり、各タブはヘルススコアによって特徴付けられる。
【0059】
図49は、様々なデバイスに使用されるアイコンがネットワーク内の物理デバイスを表すトポロジ表示のスクリーンショットである。この図には次の例が示されている。Rokuメディアストリーミングデバイス、Apple TVメディアストリーミングデバイス、Samsung TV、Samsung Cell APデバイス、Apple iPhone(登録商標)デバイス、Comcast XB3ゲートウェイデバイス、HP Inkjetプリンタ、及びXfinity Home Hub IoTホームオートメーションゲートウェイ。他の多くのデバイスも同様に扱われ、企図される。これは、ネットワークに接続されているデバイスの種別決定を行い、その種別をアイコンに一致させることによって実現される。デバイスの種別決定は、MACアドレスの組織的に一意の識別子(OUI:Organizationally Unique Identifier)、DHCPフィンガープリント、ウェブブラウザーのユーザエージェントの識別、及びその他の方法を含む、当技術分野で既知の手法を任意に組み合わせたものを使用して行うことができる。
【0060】
一実施形態において、ダッシュボードは、クラウドベースのNOCプロセス400の制御下にある全てのWi-Fiネットワークを示すマスターマップを含むことができる。ユーザは個々のネットワークをクリックするか、ネットワーク識別子を入力することで、そのネットワークを起動できる。例えば、ネットワーク識別子をアカウント名に紐付けることができる。例えば、各ユーザのWi-Fiネットワークは、クラウドベースのNOCプロセス400において、アカウント(ユーザIDやパスワード等)に関連付けることができる。
【0061】
トポロジビューは、Wi-Fiネットワーク、接続されたクライアント等の有線イーサネット(登録商標)と無線リンクを組み合わせたビューを提供する。特に、トポロジビューは、デバイス間の接続と、デバイスが2.4G又は5Gのどちらにあるかということと、それらがどの周波数チャネルにあるかということを図示する。また、クライアントが接続するために使用できるチャネルを表示することもできる。
【0062】
トポロジビューは、アクセスポイント、リピータ、ノートPC、デスクトップ、タブレット、携帯電話、メディアプレーヤ、モノのインターネット(IOT)デバイス等、様々なデバイス種別を伝える様々なアイコンを含むことができる。アクセスポイント等のオフラインデバイスは、灰色表示、淡色表示、及び/又は点線表示をすることができる。ゲートウェイとして機能するアクセスポイントは、
図13、
図14、及び
図15のように網掛けする等、別の方法で表示できる。また、複数のゲートウェイをインターネットに有線で表示することもできる。
【0063】
アクセスポイントのアイコンを、例えば緑、黄、赤等で色分けして、本明細書で説明するようにヘルスを示すこともできる。色分けは、スループット容量、干渉、計算された全体的なヘルスメトリック等を示すために使用できる。トポロジビューの様々な項目をクリックすることができ、デバイス、リンク、クライアント等に関連する追加情報を表示できる。トポロジビューには、チャネル、バンド、RSSI、ローカルアクセスチャネル、ヘルスステータス、アラーム、オフラインアクセスポイント、バンド幅、チャネル容量、チャネルゲイン、チャネル幅、接続の種類(例えば、Wi-FiやBluetooth(登録商標)、Zigbee)等、トポロジに関連するインジケータも表示できる。
【0064】
トポロジビューは、最適化やトポロジ変更等に基づいて、リアルタイムで自動的に更新することもできる。更に、ユーザは、表示される情報の種類や量に関する様々なオプション/設定により、トポロジビューを変更することができる。
【0065】
図16は、実行された最適化のタイルのスクリーンショットである。トポロジタイムマシンやログ等により、各最適化の入力と出力、最適化が発生した理由、最適化による以前と比較したパフォーマンス改善量、最適化の日時、最適化が完了するまでにかかった時間、最適化が正常に展開されたか否かといった、最適化の履歴を維持することができるようになる。また、ダッシュボードは、各最適化の開始時のトポロジと、各最適化の出力であるトポロジとを図示する機能を提供する。
【0066】
各最適化への入力と出力については、
図16のスクリーンショットの下部にある長方形のタブをクリックして、NOCでアクセスすることができる。最初の2つの長方形は、各アクセスポイント間のチャネルゲイン又は信号強度を示す表にリンクしている。
図44は、そのようなチャートのスクリーンショットを示している。それは、マトリックスとして配置される。各リンクのアップリンクとダウンリンクと(TxとRx)の両方の方向が表に示され、完全な行列になる。信号強度又はチャネルゲインを絶対数として示すのに加えて、閾値を使用してチャートを色分けし、信号が強いリンクと弱いリンクを示すことができる。この例では、赤、黄、及び緑の色を使用して、各リンクに対する強、中、弱の信号強度を示し、これらのリンクのいずれかを使用して、ネットワークのトポロジを形成できる。最後に、最終的なトポロジでオプティマイザが使用するために実際に選択されたリンクを、円で囲んだり網掛けしたりして、グラフ上で強調表示することができる。これと同様の表は、5GHzバンド内の全ての可能なリンク、又は有線イーサネット(登録商標)、電力線、ケーブル接続等、ポッドを接続するその他の追加のバンド又は潜在的な手段に対して作成できる。
【0067】
図45は、最適化への入力として使用された各周波数チャネルのアクセスポイントのそれぞれにおける干渉レベルをまとめた表のスクリーンショットを示している。同様のカラーリングとシェーディングスキームを使用して、許容できる/許容できないレベルの干渉を強調できる。この表は、オプティマイザ画面の下部にある干渉と書かれた長方形を使用して呼び出すことができる(
図16)。
【0068】
図46は、最適化の出力を表す表のスクリーンショットを示している。オプティマイザがトポロジを選択すると、特定の周波数バンド又はチャネルで特定のAPに接続した場合に、クライアントが達成可能なスループットパフォーマンスを推定できる。これにより、NOCのユーザは、パフォーマンス予測のボタンを介してアクセスできる、家の各ロケーションで期待されるパフォーマンスのレベルを即座に示すことができる。
【0069】
図47は、ゲイン表に似た表のスクリーンショットを示しているが、この場合は、2つのアクセスポイント間で達成できる推定PHYデータレートを示している。この表では、これらのレートは、2つのアクセスポイントの接続に使用される周波数チャネルに固有のものである。カラーリングスキームを使用して、パフォーマンスの良いリンク又は悪いリンクを強調表示できる。オプティマイザが使用するために実際に選択されたリンクは、丸で囲むことができる。スループットに関する全ての表は、推定、測定、予測のいずれであっても、PHY層のデータレート、MAC層のスループット、又はIP(TCP又はUDP)のスループットとすることができる。
【0070】
図48は、推定PHYデータレート表に似た表のスクリーンショットを示しているが、この場合は、現実のリンクのパフォーマンスの実際の測定に基づいている。繰り返しとなるが、色と円は、パフォーマンスレベルとオプティマイザによって実際に選択されたリンクとを示している。データが欠落している場合、説明されている表のいずれかが不完全となる可能性があることに注意されたい。データの欠落は、リンクが一切使用されないか、そのチャネルでオフチャネルスキャンが有効になっていないために起こる可能性がある。
【0071】
<NOCダッシュボード>
一実施形態において、NOCダッシュボードに表示される情報は、以下のタブのアカウント、ネットワーク、詳細設定、オプティマイザ、速度テスト、リンク、アクセスポイントデバイス、クライアントデバイス等を含むことができる。アカウントタブには、ユーザに関連する基本的なプロファイリング情報が表示される。本明細書で説明するように、ユーザは、NOCダッシュボードとクラウドベースのNOCプロセス400とによって管理されているWi-Fiネットワークの所有者である。アカウントタブでは、ユーザ名、電子メール、アプリケーションのオペレーティングシステム(OS)及びバージョン、ロケーション、作成日等を確認できる。電子メールの検証とオンボーディングに続いて、オンボーディングプロセスから見たアクセスポイントデバイスが表示される。本明細書で説明するように、オンボーディングは、Wi-FiネットワークをNOCダッシュボードとクラウドベースのNOCプロセス400との制御下に置くプロセスである。オンボーディングでは、モバイルデバイス、アプリケーション、Bluetooth(登録商標)等のワイヤレスプロトコルを使用できる。アカウントタブを使用すると、管理者はアカウントの削除、アカウントへのグループの割り当て、ユーザ名及び/又はSSIDの変更、電子メールの検証の再送信等を行うことができる。
【0072】
ネットワークタブには、現在及び過去の構造Wi-Fi構成の詳細が表示される。現在のネットワーク状態は、ネットワークトポロジ、チャネルダイバーシティ、及びモバイルトポロジにマッピングできる。過去のネットワーク状態を表示するには、トポロジタイムマシンを使用できる。ネットワークタブは、管理者がトラブルシューティングを行うのに役立つ。システムログのトラブルシューティングを行うために、作成されたリンクからログプルを送信してアクセスできる。更に、管理者はネットワークを再構成することができる。これには、ロケーションの再起動、アクセスポイントデバイスの要求/要求解除、SSID、PSK(パスワード)、及びバンドステアリング状態の修正が含まれる。
【0073】
詳細設定タブには、現在のシステムWi-Fi設定が表示される。詳細設定タブは、管理者のトラブルシューティングにも役立つ。管理者は、タブを使用して、ネットワークモード、ユニバーサルプラグアンドプレイ(UPnP)、ドメインネームシステム(DNS)サーバ、動的ホスト構成プロトコル(DHCP)予約、ブリッジモードやルータモード、及びポート転送設定を変更できる。
【0074】
オプティマイザタブには、そのロケーションで実行された最適化ジョブのログが表示される。様々なヘッダーをタップすると、KPIトリガとジョブの目的に関する洞察が得られる。オプティマイザタブを使用すると、管理者は手動最適化トリガを押し、自動最適化のオン/オフを切り替えることができる。速度テストは、個々のアクセスポイントデバイスでのリモート速度テスト及びシステムの自動インターネットサービスプロバイダ(ISP)速度テストをトリガできる。更に、管理者は、結果を表示するためのダッシュボードを提供するとともに、自動ISP速度テストのオン/オフを切り替えることができる。
【0075】
リンクタブは、クライアントリンクとバックホールリンクに焦点を当てている。このタブでは、リンクのメディア、バンド、及びチャネル属性に関するソートされた情報を提供できる。アクセスポイントデバイスタブには、アクセスポイントデバイスの観点から見たロケーションの概要が表示される。詳細の表示をクリックすると、接続されているデバイスの数、ファームウェアのバージョン、MAC、IP、及び接続日付の詳細に関する情報が、並べ替えられた状態で全て表示される。アクセスポイントデバイスタブは、管理者のトラブルシューティングにも役立つ。任意のアクセスポイントをクリックすると、発光ダイオード(LED)モードを設定してアクセスポイントの検索又は再起動、若しくはアクセスポイントでの速度テストの実行を可能にするコントロールが表示される。結果がクラウドに更新されると、アクセスポイントの速度テストは上記の速度テストタブに移動する。クライアントデバイスタブには、デバイスの観点からのロケーションの概要が表示される。デバイスをクリックすると、接続タイプ、IP及びMACアドレス、RSSI値、様々な期間のバンド幅使用量等の詳細情報が表示される。
【0076】
<NOCダッシュボードを使用したオンボーディング>
図17を参照すると、一実施形態において、フローチャートは、NOCダッシュボードを使用したオンボーディング法600を示している。管理者はNOCダッシュボードを使用して、Wi-Fiネットワークの配備においてエンドユーザを支援できる。オンボーディング法600は、NOCダッシュボードにログインするプロビジョニングマネージャを含む(ステップ602)。
図18は、NOCダッシュボードのログイン画面のスクリーンショットである。次に、新しいユーザアカウントが作成される(ステップ604)。新しいユーザの場合、アプリを使用せずに、つまりユーザ自身がアカウントを作成せずに、NOCダッシュボードを介して新しいアカウントを作成する必要がある場合がある。
図19に示すように、画面の右上隅にあるログイン名の隣のプルダウンメニューを、任意の画面からクリックする。
図19で全顧客を選択すると、
図20のウィンドウが表示され、全顧客リストが表示される。新しい顧客を追加するには、
図20の新規顧客追加ボタンをクリックして、
図21に示すフィールドを表示する。
【0077】
図21の与えられたスペースに、メールアドレスとパスワードを追加することができる。これで、
図21の顧客検索フィールドに名前又は電子メールアドレスを入力することで、このアカウントを検索できる。
図22は、新しい顧客アカウントのメール検証後のアカウントタブのスクリーンショットである。
【0078】
次に、Wi-Fiネットワーク情報(SSIDとパスフレーズ)をユーザに設定できる(ステップ606)。
図23は、SSIDとパスフレーズを追加/編集するためのネットワークコントロールのスクリーンショットである。SSIDとパスフレーズは、ネットワークに参加している全てのアクセスポイントデバイス間で自動的に同期される。次に、ユーザのためにアクセスポイントデバイスが要求される(ステップ608)。ここでも、本明細書で説明するように、アクセスポイントデバイスには、アクセスポイント14、34、36、38のいずれかを含めることができる。要求プロセスは、アクセスポイントをユーザに関連付ける。
【0079】
要求プロセスは、アクセスポイントのシリアル番号を入力することと、アクセスポイントデバイスをローカルで要求するモバイルアプリケーションからデータを受信することと、工場又は販売時点で、アクセスポイントへのソフトウェアのインストール、又は、アクセスポイントに事前にインストールされたソフトウェア等を介してシリアル番号をユーザに関連付けることと、を含むことができる。即ち、クラウドベースのNOCプロセス400は、NOCダッシュボードへのアクセスポイントを一意に識別するための任意の手法を企図している。
【0080】
一実施形態において、要求は、NOCダッシュボード内の各アクセスポイントのシリアル番号を提供することによって実行される。
図24は、NOCダッシュボードにシリアル番号を入力してアクセスポイントを要求するスクリーンショットである。ユーザのために複数のアクセスポイントを要求するプロセスを完了することができる。通常、分散型Wi-Fiシステム10ごとに複数のアクセスポイントが配備されているため、適切なロジスティクスサポートにより、パックから1つのアクセスポイントのシリアル番号を入力するとアクセスポイントのパック全体が自動的に要求されるように、複数のアクセスポイントを「パック」に事前にバンドルすることもできる。例えば、事前にバンドルされた6つのアクセスポイントのパックをユーザのためにインストールする場合、技術者がシリアル番号を1つ入力するだけで、ユーザのために6つのアクセスポイントのパック全体が自動的に要求される。シリアル番号を入力すると直ちに、右側のネットワークウィンドウにアクセスポイントを表すアイコンが表示される(アイコンの数は、一度に1つ又はパックとして要求されたアクセスポイントの数と一致しなければならない)。なお、「OnBoardingComplete」ボタンは、このアカウントのアクセスポイントが要求された後に選択することが推奨される。これは、このアカウントに要求されたアクセスポイントがすでに存在することをNOCダッシュボードに通知する方法であり、ログイン時に、ユーザのアプリにはオンボーディング画面ではなくホーム画面が表示される。
【0081】
次に、インストールを検証する(ステップ610)。アクセスポイントに接続してから数分以内に、NOCダッシュボードはアクセスポイントがオンラインであることを示している(アイコンは赤から緑に変わる場合がある)。
図25の「ネットワークトポロジ」の下に、1つの実線の六角形と3つの空の緑の六角形が表示されていることに注意されたい。各六角形はアクセスポイントを表している。緑色は、アクセスポイントがオンラインで正しく機能していることを示している。緑色の実線の六角形は、ゲートウェイアクセスポイント、つまりイーサネット(登録商標)バックホールを使用して接続されるアクセスポイントを表している(複数のアクセスポイントをゲートウェイに接続できることに注意されたい)。ユーザのために要求されたがオンラインではないアクセスポイントがある場合、そのようなアクセスポイントはNOCのトポロジビューで赤い六角形として表される。
【0082】
必要に応じて、アクセスポイントの要求を取り消すことができる(ステップ612)。
図26に示すように、特定のアカウントからアクセスポイントを削除することもできる。ポッドタブを選択すると、そのアカウントの全てのアクセスポイントのリストが表示され、アカウントから削除するアクセスポイントを選択して、要求取消をクリックする。前述のように、多くの場合、アクセスポイントはグループにて送られる。要求解除ボタンが選択されていないときにパックIDを保持すると、そのアクセスポイントは、グループから完全に関連付け解除される。パックIDの唯一の目的は、1つのシリアル番号をパックに入力できるようにし、そのパックの残りのアクセスポイントを自動的に要求することにより、ユーザにショートカットを提供することである。同様に、アクセスポイントのグループに対して要求解除するためのショートカットを提供することができる。パックIDを保持せずにアクセスポイントが要求解除されると、そのアクセスポイントは、1つのパックに属していると見なされる。最後に、
図27に示すように、所与のアカウントから全てのアクセスポイントを削除する等、工場出荷状態にリセットできる(ステップ614)。
【0083】
<NOCダッシュボード操作-アカウントの検索>
図28は、アカウントの検索のスクリーンショットである。既存のアカウントを見つけるには、以下を行う。1)NOC画面の右上隅にあるユーザ名にカーソルを合わせてドロップダウンメニューをアクティブにする。2)ドロップダウンメニューから「全顧客」を選択する。3)概要>顧客画面で、検索文字列を入力して検索ボタンをクリックする。検索文字列は、アカウントの名前の一部、メールアドレスの一部、accountIdの一部、又は完全なcustomerIdである。4)検索結果からアカウントを選択する。また、画面の左上隅にある「検索」フィールドを使用して、名前でアカウントを随時見つけることができる。
【0084】
<NOCダッシュボード操作-グループの概念と管理>
「グループ」は、アカウントを「グループ管理者」の可視性とアクションから個別に保護できるグループに分けるのに役立つように設計された構造である。グループのルールは単純である。「グループ管理者」権限が付与されたアカウントは、同じグループに属する他のアカウントのみを表示及び管理できる。
図29は、新規グループを追加するためのグループタブのスクリーンショットである。新規グループを作成するには、以下を行う。1)NOC画面の右上隅にあるユーザ名にカーソルを合わせてドロップダウンメニューをアクティブにする。2)ドロップダウンメニューから「グループ」を選択する。3)概要>グループ画面の下部近くで、新規グループの名前と説明を入力し、「送信」ボタンをクリックする。
【0085】
図30は、グループにアカウントを追加するスクリーンショットである。グループにアカウントを追加するには、以下を行う。1)アカウントを選択して移動する(上記の「アカウントの検索」セクションを参照)。2)概要>アカウント:[名前]画面で、左側のパネルから「アカウント」タブを選択する。3)下部の中央のペインを下にスクロールし、「グループを選択」をクリックしてグループ選択ドロップダウンメニューをアクティブにする。4)ドロップダウンメニューからグループを選択し、「送信」ボタンをクリックする。アカウントは複数のグループに追加できることに注意されたい。
【0086】
<NOCダッシュボード操作-ネットワークビュー>
図31は、ナビゲーションツリー、アクションと統計、及びネットワークトポロジマップを示すNOCダッシュボードのスクリーンショットである。NOCダッシュボードの項目は、以下の通りである。
【0087】
図32は、
図32は、ネットワークトポロジビューのスクリーンショットである。ユーザアカウントを選択すると、ネットワークトポロジビューが画面の右側に表示される。ネットワークトポロジビューには、ネットワークの一部である全てのポッド(アクセスポイント)やネットワークに接続されている全てのエンドユーザデバイス等、ネットワークの状態が包括的に表示される。ユーザは、アクセスポイント、エンドユーザデバイス、又はリンクチャネル番号をクリックして、アクセスポイント、エンドユーザデバイス、又はリンクに固有の詳細情報を表示できる。
【0088】
<NOCダッシュボード操作-アカウントの詳細>
図33は、アカウントの所有者と権限に関する詳細を提供するアカウントビューのスクリーンショットである。
図33のNOCダッシュボードの項目は、以下の通りである。
【0089】
<NOCダッシュボード操作-アカウントのアクセスポイントビュー>
図34は、アカウントに関連付けられた全てのアクセスポイントを示すアクセスポイントビューのスクリーンショットである。より多くのアクセスポイントの詳細を表示するには、中央のペインの「詳細を表示」ボタンをクリックする。ボタンは、「詳細を表示」と「詳細を非表示」を切り替える。特定のポッドの詳細を全て取得するには、ポッドの名前をクリックする。
図34のNOCダッシュボードの項目は、以下の通りである。
【0090】
<NOCダッシュボード操作-クライアントデバイスビュー>
図35は、アカウントに関連付けられたWi-Fiネットワークに接続されている全てのクライアントデバイスを示すクライアントデバイスビューのスクリーンショットである。リストには、現在接続されているデバイスと最近切断されたデバイスとが表示される。
図35のNOCダッシュボードの項目は、以下の通りである。
【0091】
<NOCダッシュボード操作-AP-AP間リンクPHYレート>
図36は、バックホールリンク情報のスクリーンショットである。バックホール接続のネットワークトポロジマップでチャネル番号をクリックすると、アップリンクとダウンリンクの両方の方向で観測されたPHYレートがグラフ化される。PHYレートは、1分間に1MBを超えるトラフィックが転送される場合にのみ使用できる。
図36のNOCダッシュボードの項目は、以下の通りである。
【0092】
<NOCダッシュボード操作-デバイスの詳細>
図37は、個々のデバイスのクライアントデバイスの詳細のスクリーンショットである。デバイスリスト又はトポロジで任意のデバイスを選択すると、そのデバイスの統計の詳細と履歴が表示される。
図37のNOCダッシュボードの項目は、以下の通りである。
【0093】
<NOCダッシュボード操作-デバイスヘルスメトリック>
図38は、クライアントデバイスの一例のデバイスヘルスのスクリーンショットである。デバイスヘルスメトリックの値は、ステータスにカーソルを合わせると確認できる。ヘルスメトリックは、デバイスへのWi-Fi接続のヘルス又は品質を決定し、次の4つの主要なインジケータに分割される。
【0094】
優-干渉による障害がなく、接続品質は非常に高い。
【0095】
良-接続品質は、干渉がほとんど無いかまったく無く、推定ビットレートが良好である。
【0096】
可-低RSSI、MCS、又は中程度の干渉があるため、接続の推定ビットレートは、4kビデオストリーミング等のサービスを維持するには十分でない場合がある。
【0097】
低-接続のRSSI又はPHYレートが非常に低いか、リンクで非常に高い干渉が発生している。デバイスへの接続は可能だが、ストリーミングサービス又はリアルタイムサービスは、バッファリング又はサービスの低下無しにはうまく機能しない可能性がある。
【0098】
接続されたデバイスは、毎分、以下の入力に基づいて計算されたヘルスメトリックスコアを持つことができる。
【0099】
スコア-リンクに対して1~5のスコアが生成され、これはトラブルシューティングの目的で役立つ。
【0100】
RSSI-接続されたデバイスのRSSIは1分ごとに収集され、dBmで表示される。
【0101】
TCPに変換されたRSSI又はPHYレート-読み取りRSSIに基づいて、又はデータが接続の実際のPHYレートにある場合、システムはアクセスポイントとデバイスの間で可能な最大TCPビットレート(例えば、速度テストの実行)を計算する。この値はMbpsで表示される。
【0102】
干渉-隣接するAP又は同じ家の中にある他のAPからの外部干渉によって使用される通信時間の量が表示される。TCPビットレートは干渉の量に比例して影響を受け、接続のヘルスメトリックの計算に使用される。
【0103】
接続されたデバイスの容量-802.11acと802.11nをサポートするデバイス、及び様々なMIMO容量のスコアは異なる。各デバイスの最大容量は、デバイスについて収集された統計に基づいて決定される。
【0104】
接続ヘルスメトリックは、最後のアクセスポイントと選択されたデバイス間の接続の品質を測定していることに注意されたい。バックホール接続速度は考慮していない。
【0105】
<NOCダッシュボード操作-アカウントのアクセスポイントビュー>
図39は、アクセスポイントビューのスクリーンショットである。
図39のNOCダッシュボードの項目は、以下の通りである。
【0106】
<NOCダッシュボード操作-APヘルスメトリック>
図40は、APヘルスメトリックを示すWi-Fiネットワークのネットワーク図であり、
図41は、APヘルスメトリックビューのスクリーンショットである。APヘルスメトリックの値は、ステータスにカーソルを合わせると確認できる。
図40に示すように、APヘルスメトリックは、別のアクセスポイントの上流からゲートウェイに向かうアクセスポイントへのRx方向接続でのWi-Fiバックホール接続のヘルス又は品質を決定する。APヘルスメトリックの値は、デバイスヘルスメトリックと同様にすることができる。
【0107】
<NOCダッシュボード操作-オプティマイザ>
図42は、オプティマイザビューのスクリーンショットである。オプティマイザはネットワークのステータスを読み取り、ネットワークに参加する新規のAP、長期間にわたるWi-Fi干渉、AP間のRSSIの大幅な変化等のイベントに基づいて最適化を実行する。ナビゲーションツリーの「オプティマイザ」タブを選択すると、
図42のようなビューが表示される。
図42のNOCダッシュボードの項目は、以下の通りである。
【0108】
<NOCを介したWi-Fiネットワーク制御>
図43を参照すると、一実施形態では、フローチャートは、クラウドベースのネットワークオペレーションコントロール(NOC)ダッシュボードから複数のWi-Fiネットワークのうちの1つのWi-Fiネットワークを管理する方法700を示している。方法700は、Wi-Fiネットワークのユーザのアカウントを作成した後、NOCダッシュボードでWi-Fiネットワークに関連付けられた1つ以上のアクセスポイントデバイスにオンボーディングする工程(ステップ702)と、1つ以上のアクセスポイントからWi-Fiネットワークに関連付けられたデータを受信する工程(ステップ704)と、データに基づいてWi-Fiネットワークに関連付けられた表示を提供する工程であって、表示は、ネットワークトポロジと、Wi-Fiネットワークの動作に関連する情報を提供する1つ以上のタブとを含む、工程(ステップ706)と、受信した1つ以上の入力に基づいて、ネットワークトポロジ及び1つ以上のタブのうちの1つ以上を更新することにより、表示を更新する工程(ステップ708)と、Wi-Fiネットワークを管理、制御、及びトラブルシューティングのうちの1つを行うために、NOCダッシュボードを介して1つ以上の動作を実行する工程(ステップ710)と、を含む。
【0109】
1つ以上のアクセスポイントデバイスは、アクセスポイント14といった複数のデバイスを含むことができ、オンボーディングする工程は、デバイスの一意の識別子を提供し、一意の識別子に基づいて複数のデバイスの全てをアカウントに自動的に関連付けることを含むことができる。例えば、関連付けは、製造中や販売時点等、パッケージ内の6つのアクセスポイント14等であり得、一意の識別子のいずれか1つにより、6つ全てがオンボーディングされる。オンボーディングする工程は、NOCダッシュボードで1つ以上のアクセスポイントデバイスのシリアル番号とメディアアクセス制御(MAC)アドレスのうちの1つを入力することを含むことができる。
【0110】
オンボーディングする工程は、アカウントと1つ以上のアクセスポイントデバイス間の関連付けの命令をWi-Fiネットワークから受信することを含むことができる。例えば、アクセスポイントデバイスは、一旦インストールされると、NOCダッシュボードと通信するように構成できる。或いは、関連付けをNOCダッシュボードに通信するアプリケーションを使用して、ユーザがアクセスポイントデバイスをローカルにオンボーディングすることもできる。更に、アクセスポイントデバイスには、製造中又は配備中に、NOCダッシュボードと通信する制御エージェントをロードできる。
【0111】
受信する工程の後、方法700は更に、NOCダッシュボードでのみユーザの許可に基づきアクセス可能とする安全を確保した方法でWi-Fiネットワークのデータを格納する工程を含むことができる。注目すべきことは、NOCダッシュボードは、管理下にある数千から数百万の様々なWi-Fiネットワークをサポートできるという点である。そのため、管理者が許可されたデータのみを閲覧できるようにする必要がある。また、安全を確保した方法には、実際のエンドユーザとの相関をなくすためのデータの匿名化が含まれ得る。これは、NOCダッシュボードが異なるサービスプロバイダの複数のWi-Fiネットワークを管理する場合に有利である。安全を確保した方法ではあるが、ネットワーク全体の集計データを利用できる。
【0112】
実行する工程は、Wi-Fiネットワークのサービスセット識別子(SSID)を確立又は変更することと、及びWi-Fiネットワークにアクセスするためのパスワードを確立又は変更することのうち1つ以上を含むことができる。実行する工程は、ドメインネームシステム(DNS)設定、ユニバーサルプラグアンドプレイ(UPnP)、動的ホスト構成プロトコル(DHCP)予約、ブリッジモードやルータモード、及びポート転送設定のうちの1つ以上を含むWi-Fiネットワークのネットワークパラメーターの設定をすることを含むことができる。実行する工程は、特定のアクセスポイントデバイスに、ローカルユーザによる位置特定のためのインジケータを提供させることを含むことができる。
【0113】
例えば、NOCダッシュボードから実行できるコントロール又はアクションには、顧客が、LEDを点滅させて位置を特定し、アクセスポイントデバイスを要求し、1回のクリックで複数のデバイスを単一のロケーションで再起動し、アクセスポイントデバイスをリダイレクト等するように、LEDの動作を制御する機能を制限なく含めることができる。リダイレクトとは、アクセスポイントが関連付けられているキャリア(NOCダッシュボードのオペレータ等)を変更する機能のことである。例えば、キャリアAのクラウドに接続し、キャリアAのネットワークの一部になるように元々構成されたアクセスポイントポッドは、キャリアBのクラウドに接続してキャリアBのネットワークの一部になるように再度構成する必要がある場合がある。その他のコントロールとアクションには、パックIDを保持しながら(又は保持せずに)要求を解除すること(これは、アクセスポイントデバイスが関連付けられている家に関係する)と、最適化、クライアントステアリング、バンドステアリングを有効又は無効にすることと、ログプルの手動トリガ、例えば、1回のクリックで全てのデバイスからログをキャプチャし、クラウドサーバに移動することと、DNS設定、DHCP予約、ブリッジモードやルータモード、ポート転送、UPnP設定等のネットワークパラメーターの設定をすることと、アカウントのパスワードを変更することと、アカウントを複数のグループに割り当てることと、個々のアクセスポイントデバイス又はネットワーク全体を再起動することと、時間とともにデバイスを凍結すること等を、制限なく含めることができる。
【0114】
表示は、Wi-Fiネットワークに関連付けられた1つ以上のメトリックのグラフを提供することができる。表示は、複数のWi-Fiネットワークのための、集約されたネットワーク全体の統計とアラームを提供することができる。表示は、Wi-Fiネットワークのための、ネットワーク全体の統計とアラームを提供することができ、ネットワーク全体の統計は、Wi-Fiネットワークで使用されているチャネルのグラフを含むことができる。Wi-Fiネットワークは、分散型Wi-Fiネットワークを含むことができ、ネットワークトポロジは、複数のアクセスポイントデバイス間のクライアントリンク及びバックホールリンクを図示する。
【0115】
1つ以上のタブは、1つ以上のアクセスポイントデバイスに関連し且つ無線リンクに関連する情報を表示することができ、ヘルススコアは、1つ以上のアクセスポイントデバイス及び無線リンクのそれぞれについて表示され、ヘルススコアは、複数の要因の重み付けされた組み合わせである。1つ以上のタブは、Wi-Fiネットワークのトポロジを図示し、特定の期間に渡って変化するトポロジタイムマシンを含むことができる。1つ以上の動作は、Wi-Fiネットワークの最適化を含むことができ、1つ以上のタブは、最適化のステータス、最適化の履歴、及び最適化に関連付けられた統計を含むことができる。
【0116】
別の実施形態では、複数のWi-Fiネットワークのうちの1つのWi-Fiネットワークを管理するためにクラウドベースのネットワークオペレーションコントロール(NOC)ダッシュボードを実行する装置は、複数のWi-Fiネットワークに通信可能に接続されたネットワークインターフェースと、ネットワークインターフェースに通信可能に接続されたプロセッサと、命令を格納するメモリと、を備える。命令は、実行されると、プロセッサに、Wi-Fiネットワークのユーザのアカウントを作成した後、NOCダッシュボードでWi-Fiネットワークに関連付けられた1つ以上のアクセスポイントデバイスにオンボーディングさせ、1つ以上のアクセスポイントからWi-Fiネットワークに関連付けられたデータを受信させ、データに基づいてWi-Fiネットワークに関連付けられた表示を提供させ、表示はネットワークトポロジを含み、1つ以上のタブはWi-Fiネットワークの動作に関連する情報を提供し、受信した1つ以上の入力に基づいて、表示をネットワークトポロジ及び1つ以上のタブのうちの1つ以上において更新することにより、表示を更新させ、Wi-Fiネットワークを管理、制御、及びトラブルシューティングのうちの1つを行うために、NOCダッシュボードを介して1つ以上の動作を実行させる。
【0117】
更なる実施形態では、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ可読コードが格納されており、コンピュータが、Wi-Fiネットワークのユーザのアカウントを作成した後、NOCダッシュボードでWi-Fiネットワークに関連付けられた1つ以上のアクセスポイントデバイスにオンボーディングする工程と、1つ以上のアクセスポイントからWi-Fiネットワークに関連付けられたデータを受信する工程と、データに基づいてWi-Fiネットワークに関連付けられた表示を提供する工程であって、表示は、ネットワークトポロジと、Wi-Fiネットワークの動作に関連する情報を提供する1つ以上のタブとを含む、工程と、受信した1つ以上の入力に基づいて、ネットワークトポロジ及び1つ以上のタブのうちの1つ以上を更新することにより、表示を更新する工程と、Wi-Fiネットワークを管理、制御、及びトラブルシューティングのうちの1つを行うために、NOCダッシュボードを介して1つ以上の動作を実行する工程と、を実行するようにプログラミングするためのものである。
【0118】
本明細書で説明されるいくつかの実施形態は、特定の非プロセッサ回路と組み合わせて本明細書に記載の方法及び/又はシステムの機能の一部、ほとんど、又は全てを実装するために制御するための特有の格納プログラム命令(ソフトウェアとファームウェアの両方を含む)と共に、マイクロプロセッサ、中央処理装置(CPU)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサ(NP)又はネットワークプロセッシングユニット(NPU)、グラフィックプロセッシングユニット(GPU)といったカスタマイズされたプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等の1つ以上の汎用又は専用プロセッサ(「1つ以上のプロセッサ」)を含むことができることが理解されよう。或いは、一部又は全ての機能は、プログラム命令が保存されていない状態マシンによって、又は1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)で実装でき、各機能又は特定の機能のいくつかの組み合わせは、カスタムロジック又は回路として実装される。勿論、前述のアプローチの組み合わせが使用されてもよい。本明細書で説明するいくつかの実施形態では、ハードウェア内の対応するデバイス、並びにオプションでソフトウェア、ファームウェア、及びそれらの組み合わせは、様々な実施形態について本明細書で説明しているように、デジタル信号及び/又はアナログ信号に対して一連の動作、工程、方法、プロセス、アルゴリズム、機能、手法等を実行する「ように構成又は適合された回路」や「ように構成又は適合されたロジック」等と呼ばれる。
【0119】
更に、いくつかの実施形態は、コンピュータ、サーバ、電化製品、デバイス、プロセッサ、回路等をプログラミングするためのコンピュータ可読コードが格納された非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を含み、それぞれが、本明細書で説明及び請求される機能を実行するプロセッサを含むことができる。そのようなコンピュータ可読記憶媒体の例としては、ハードディスク、光学記憶装置、磁気記憶装置、ROM(読み取り専用メモリ)、PROM(プログラム可能な読み取り専用メモリ)、EPROM(消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ)、EEPROM(電気的に消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ)、フラッシュメモリ等が挙げられるが、これらには限定されない。非一時的なコンピュータ可読媒体に格納される場合、ソフトウェアは、様々な実施形態について本明細書で説明しているように、そのような実行に応答してプロセッサ又はデバイスに一連の動作、工程、方法、プロセス、アルゴリズム、機能、手法等を実行させる、プロセッサ又はデバイス(例えば、任意のタイプのプログラム可能な回路又はロジック)によって実行可能な命令を含むことができる。
【0120】
本開示は、好ましい実施形態及びその特定の例を参照して本明細書で例示及び説明されてきたが、他の実施形態及び例が同様の機能を実行し、及び/又は同様の結果を達成できることは当業者には容易に明らかであろう。そのような同等の実施形態及び例は全て、本開示の精神及び範囲内にあり、それによって企図され、以下の特許請求によって網羅されることが意図されている。