(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-15
(45)【発行日】2023-02-24
(54)【発明の名称】演算装置
(51)【国際特許分類】
G01C 21/28 20060101AFI20230216BHJP
【FI】
G01C21/28
(21)【出願番号】P 2021118196
(22)【出願日】2021-07-16
【審査請求日】2022-10-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000929
【氏名又は名称】KYB株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】首藤 悠
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼松 伸一
【審査官】高島 壮基
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-092508(JP,A)
【文献】国際公開第2018/212294(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00-21/36
G08G 1/00-99/00
G09B 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1タイミングにおける、車両の位置情報の検出値である検出位置情報と、前記第1タイミングより後の第2タイミングにおける検出位置情報とを取得する検出位置取得部と、
前記車両の挙動を示す車両挙動情報を取得する車両挙動取得部と、
前記車両挙動情報に基づき、前記第2タイミングにおける前記車両の位置情報の推定値である推定位置情報を取得し、前記車両挙動情報、及び前記第1タイミングにおける検出位置情報に基づき、前記第1タイミングと前記第2タイミングとの間の中間タイミングにおける推定位置情報を取得する推定位置取得部と、
前記第2タイミングにおける検出位置情報と推定位置情報との差異に基づいて、前記中間タイミングにおける推定位置情報を補正することで、前記中間タイミングにおける前記車両の位置情報の補正値である補正位置情報を算出する補正位置取得部と、
を含
み、
前記車両挙動情報は、前記車両の加速度の情報と前記車両の速度の情報との少なくとも一方を含み、
前記補正位置取得部は、
前記第1タイミングにおける検出位置情報が示す前記車両の位置を基準として、前記第2タイミングにおける検出位置情報が示す前記車両の位置と前記第2タイミングにおける推定位置情報が示す前記車両の位置とのなす角度である角度ずれ量を算出し、
前記第2タイミングにおける検出位置情報が示す前記車両の位置を前記角度ずれ量だけずらした際の前記車両の位置と、前記第2タイミングにおける推定位置情報が示す前記車両の位置との距離である距離ずれ量を算出し、
前記角度ずれ量を、前記中間タイミングにおける角度ずれを示す補正角度ずれ量に換算し、前記距離ずれ量を、前記中間タイミングにおける距離ずれを示す補正距離ずれ量に換算し、
前記第1タイミングにおける検出位置情報が示す前記車両の位置を基準として、前記中間タイミングにおける推定位置情報が示す前記車両の位置を、前記補正角度ずれ量及び前記補正距離ずれ量に基づきずらすことで、前記中間タイミングにおける補正位置情報を算出する、
演算装置。
【請求項2】
前記推定位置取得部は、車両の挙動と車両の位置に関する情報との対応関係を機械学習したAIモデルに、前記中間タイミングより前のタイミングから前記中間タイミングよりも後のタイミングまでの前記車両挙動情報を入力することで、前記中間タイミングにおける推定位置情報を取得する、請求項1に記載の演算装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、演算装置に関する。
【背景技術】
【0002】
外界センサからの情報が途絶した場合に、車両の位置推定を推定する技術が知られている。例えば特許文献1には、外界センサからの情報が途絶した場合に、IMU(Inertial Measurement Unit)により検出した車両の加速度などに基づいて、車両の位置を推定する旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように車両の位置を推定する際には、車両位置の推定誤差を低減することが求められている。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、車両位置の推定誤差を低減可能な演算装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る演算装置は、第1タイミングにおける、車両の位置情報の検出値である検出位置情報と、前記第1タイミングより後の第2タイミングにおける検出位置情報とを取得する検出位置取得部と、前記車両の挙動を示す車両挙動情報を取得する車両挙動取得部と、前記車両挙動情報に基づき、前記第2タイミングにおける前記車両の位置情報の推定値である推定位置情報を取得し、前記車両挙動情報、及び前記第1タイミングにおける検出位置情報に基づき、前記第1タイミングと前記第2タイミングとの間の中間タイミングにおける推定位置情報を取得する推定位置取得部と、前記第2タイミングにおける検出位置情報と推定位置情報との差異に基づいて、前記中間タイミングにおける推定位置情報を補正することで、前記中間タイミングにおける前記車両の位置情報の補正値である補正位置情報を算出する補正位置取得部と、を含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、車両位置の推定誤差を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る検出システムの模式的なブロック図である。
【
図3】
図3は、演算装置の模式的なブロック図である。
【
図4】
図4は、推定位置情報の一例を説明する模式図である。
【
図5】
図5は、補正位置情報の一例を説明する模式図である。
【
図6】
図6は、演算装置の処理フローを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0010】
(検出システム)
図1は、本実施形態に係る検出システムの模式的なブロック図である。
図1に示すように、本実施形態に係る検出システム1は、車両10と、測定データ取得装置12と、演算装置14とを含む。検出システム1は、道路を走行する車両10の車両挙動情報と車両10の位置情報とを取得するシステムである。本実施形態では、検出システム1は、車両挙動情報と位置情報とに基づき、道路の路面状態を分析する。ここでの路面状態は、例えば、IRI(International Roughness Index;国際ラフネス指数)、路面の平たん性、ひび割れ、わだち掘れ、及びMCI(Meintenance Control Index)の少なくとも1つであってもよい。
【0011】
検出システム1においては、車両10が、道路を走行しながら車両挙動情報及び位置情報を検出し、検出した車両挙動情報及び位置情報を測定データ取得装置12に送信する。測定データ取得装置12は、例えば道路を管理する主体に管理される装置(コンピュータ)である。測定データ取得装置12は、車両10から送信された車両挙動情報及び位置情報を、演算装置14に送信する。演算装置14は、測定データ取得装置12から送信された車両挙動情報及び位置情報に基づき、道路の路面状態を分析する。そして、演算装置14は、路面状態の分析結果を、測定データ取得装置12に送信する。このように、演算装置14は、測定データ取得装置12を介して車両挙動情報及び位置情報を取得するが、それに限られない。例えば、検出システム1は、測定データ取得装置12が設けられておらず、演算装置14が、車両10から直接車両挙動情報及び位置情報を取得してもよい。また本実施形態では、車両挙動情報と位置情報は、道路の路面状態の分析に用いられるが、それに限られず、任意の用途に用いられてよい。
【0012】
(車両)
図2は、車両の模式図である。
図2に示すように、車両10は、位置センサ10Aと、挙動センサ10Bと、測定装置10Cとを備える。位置センサ10Aは、車両10の位置情報を取得するセンサである。車両10の位置情報とは、車両10の地球座標を示す情報である。位置センサ10Aは、本実施形態ではGNSS(Global Navivation Satelite System)用のモジュールである。なお、
図2におけるZ方向は、鉛直方向の上方を指し、
図2は鉛直方向上方から車両10を見た場合の模式図といえる。
【0013】
挙動センサ10Bは、車両10の挙動を示す車両挙動情報を検出するセンサである。車両挙動情報は、道路を走行中の車両10の挙動を示す情報であれば任意であってよいが、本実施形態では、少なくとも車両10の加速度の情報を含むことが好ましい。この場合、挙動センサ10Bは、加速度を検出する加速度センサであり、より好ましくは3軸での加速度を検出する加速度センサである。また、車両挙動情報は、加速度であることに限られず、例えば、加速度、車両10の速度、車両10の角速度、車両10のステアリング角度、車両10のブレーキ量、車両10のワイパの動作、及び車両10のサスペンションの作動量の少なくとも1つであってよい。車両10の速度を検出する挙動センサ10Bは例えば速度センサであり、車両10の速度を検出する挙動センサ10Bは例えば3軸ジャイロセンサであり、車両10のステアリング角度を検出する挙動センサ10Bは例えばステアリングセンサであり、車両10のブレーキ量を検出する挙動センサ10Bは例えばブレーキセンサであり、車両10のワイパの動作を検出する挙動センサ10Bは例えばワイパセンサが挙げられ、車両10のサスペンションの作動量を検出する挙動センサ10Bは例えばサスペンションセンサが挙げられる。挙動センサ10Bの数及び種類は任意であり、検出する車両挙動情報に応じて搭載される。
【0014】
測定装置10Cは、位置センサ10A及び挙動センサ10Bを制御して車両10の位置情報と車両挙動情報を検出させて、検出させた位置情報と車両挙動情報とを記録する装置である。すなわち、測定装置10Cは、車両10の位置情報と車両挙動情報とを記録するデータロガーとして機能する。測定装置10Cは、コンピュータであるとも言え、制御部10C1と、記憶部10C2と、通信部10C3とを含む。制御部10C1は、演算装置、すなわちCPU(Central Processing Unit)である。記憶部10C2は、制御部10C1の演算内容やプログラム、車両10の位置情報及び車両挙動情報などの各種情報を記憶するメモリであり、例えば、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)のような主記憶装置と、フラッシュメモリやHDD(Hard Disk Drive)などの不揮発性の記憶装置のうち、少なくとも1つ含む。なお、記憶部10C2が保存する制御部10C1用のプログラムは、測定装置10Cが読み取り可能な記録媒体に記憶されていてもよい。通信部10C3は、外部の装置と通信を行う通信モジュールであり、例えばアンテナなどである。
【0015】
制御部10C1は、記憶部10C2に記憶されたプログラムを読み出して、位置センサ10A及び挙動センサ10Bの制御を実行する。制御部10C1は、車両10が道路を走行中に、第1所定時間ごとに、挙動センサ10Bに車両10の車両挙動情報を検出させる。また、制御部10C1は、車両10が道路を走行中に、第2所定時間ごとに、位置センサ10Aに車両10の位置情報を検出させる。第1所定時間及び第2所定時間の長さは任意に設定されてよいが、本実施形態では、第2所定時間よりも第1所定時間の方が短くなっている。言い換えれば、本実施形態では、単位時間当たりの車両挙動情報の検出回数が、単位時間当たりの位置情報の検出回数よりも多い。なお、位置情報が検出されるタイミングは、車両挙動情報が検出されるタイミングに重なっていることが好ましい。すなわち、あるタイミングで位置情報及び車両挙動情報が検出されたら、その後のタイミングでは車両挙動情報のみが検出され、その後のタイミングで、位置情報及び車両挙動情報が、再度検出される。
【0016】
制御部10C1は、車両挙動情報と位置情報とを、通信部10C3を介して、測定データ取得装置12に送信する。測定データ取得装置12は、車両10から受信した車両挙動情報と位置情報とを、演算装置14に送信する。なお、測定データ取得装置12を設けない場合は、制御部10C1は、車両挙動情報と位置情報とを、演算装置14に直接送信してもよい。
【0017】
(演算装置)
演算装置14は、車両挙動情報と位置情報とを取得する。演算装置14は、車両挙動情報に基づき、道路の路面状態を分析する。例えば、演算装置14は、車両の挙動と路面状態との対応関係を機械学習したAI(Artificial Intelligence)モデルを用いて、道路の路面状態の分析結果を取得してよい。
【0018】
ここで、車両10が走行した位置における路面状態を分析する場合などにおいては、車両10が走行した位置を特定する必要がある。また、路面状態の分析の用途以外にも、車両10の位置の情報を用いる場合もある。車両10の位置は、位置センサ10Aによって検出されるが、例えば車両10がトンネル内を走行している場合などにおいては、位置センサ10Aによって車両10の位置情報を適切に取得できないことが想定される。そのため、本実施形態に係る演算装置14は、例えば位置センサ10Aによって車両10の位置情報を適切に取得できない場合などに、車両挙動情報に基づき、車両10の位置を推定する。以下、演算装置14について具体的に説明する。
【0019】
図3は、演算装置の模式的なブロック図である。
図3に示すように、演算装置14は、例えばコンピュータであり、通信部20と、記憶部22と、制御部24とを含む。通信部20は、外部の装置と通信を行う通信モジュールであり、例えばアンテナなどである。記憶部22は、制御部24の演算内容やプログラム、後述するAIモデルNなどの各種情報を記憶するメモリであり、例えば、RAMと、ROMのような主記憶装置と、フラッシュメモリやHDDなどの不揮発性の記憶装置のうち、少なくとも1つ含む。なお、記憶部22が保存する制御部24用のプログラムやAIモデルNは、演算装置14が読み取り可能な記録媒体に記憶されていてもよい。
【0020】
制御部24は、演算装置であり、例えばCPU(Central Processing Unit)などの演算回路を含む。制御部24は、検出位置取得部30と、車両挙動取得部32と、推定位置取得部34と、補正位置取得部36とを含む。制御部24は、記憶部22からプログラム(ソフトウェア)を読み出して実行することで、検出位置取得部30と車両挙動取得部32と推定位置取得部34と補正位置取得部36とを実現して、それらの処理を実行する。なお、制御部24は、1つのCPUによってこれらの処理を実行してもよいし、複数のCPUを備えて、それらの複数のCPUで、処理を実行してもよい。また、検出位置取得部30と車両挙動取得部32と推定位置取得部34と補正位置取得部36との少なくとも一部を、ハードウェアで実現してもよい。
【0021】
(検出位置取得部)
検出位置取得部30は、位置センサ10Aによって検出された車両10の位置情報を取得する。車両10の位置情報は、第2所定時間ごとに検出されるため、検出位置取得部30は、第2所定時間ごとの車両10の位置情報を取得するといえる。なお、検出位置取得部30は、通信部20を介して、測定データ取得装置12から、第2所定時間ごとの車両10の位置情報を取得するが、車両10から直接取得してもよい。
【0022】
上述のように、位置センサ10Aが車両10の位置情報を適切に検出できない場合もある。検出位置取得部30は、車両10の位置情報を適切に検出できる期間における、位置センサ10Aが検出した車両10の位置情報を取得するものであり、車両10の位置情報を適切に検出できない期間における車両10の位置情報については、取得しなくてもよい。なお、車両10の位置情報を適切に検出できないとは、車両10の位置情報が検出されない状態や、位置情報が検出できても検出結果の精度が低下している状態などを指す。検出結果の精度が低下している状態とは、例えば、検出された位置情報が示す位置が、直近の位置情報が示す位置に対して、想定される所定距離以上離れている場合を指してよい。
【0023】
以下、検出位置取得部30が取得した、位置センサ10Aによって検出された車両10の位置情報を、すなわち車両10の位置情報の検出値を、適宜、検出位置情報と記載する。
【0024】
(車両挙動取得部)
車両挙動取得部32は、挙動センサ10Bによって検出された車両10の車両挙動情報を取得する。車両挙動取得部32は、例えば通信部20を介して、挙動センサ10Bによって検出された車両10の車両挙動情報を取得する。車両挙動情報は、第1所定時間ごとに検出されるため、車両挙動取得部32は、第1所定時間ごとの車両挙動情報を取得するといえる。なお、車両挙動取得部32は、通信部20を介して、測定データ取得装置12から、第1所定時間ごとの車両挙動情報を取得するが、車両10から直接取得してもよい。
【0025】
(推定位置取得部)
推定位置取得部34は、車両挙動取得部32が取得した車両10の車両挙動情報に基づき、車両10の位置情報の推定値である推定位置情報を取得する。推定位置情報は、車両挙動情報から推定した車両10の位置(座標)といえる。
【0026】
推定位置情報取得部34は、位置センサ10Aが車両10の位置情報を適切に検出できない期間における、車両10の推定位置情報を算出する。
図4は、推定位置情報の一例を説明する模式図である。
図4は、各タイミングにおける車両10の検出位置情報の例を示している。
図4のX方向、Y方向は、平面直角座標におけるX軸及びY軸に相当する。以降では、車両10が、区間AR1から区間AR2を経て区間AR3まで走行し、区間AR1、AR3においては、位置センサ10Aが車両10の位置情報を適切に検出でき、区間AR2においては、位置センサ10Aが車両10の位置情報を適切に検出できなかったことを例にして説明する。車両10の位置情報を適切に検出できなかった区間AR2は、例えばトンネル内の区間であるが、それに限られない。例えば、トンネルを出た直後の区間においても、車両10の位置情報を適切に検出できない場合もあるため、トンネルを出た直後の区間なども、区間AR2に含まれてよい。
【0027】
ここで、位置センサ10Aが車両10の位置情報を適切に検出できない期間を、非検出期間とする。また、
図4に示すように、非検出期間の直前に車両10の位置情報が検出されたタイミングを、第1タイミングTAとし、非検出期間の直後に車両10の位置情報が検出されたタイミングを、第2タイミングTBとする。すなわち、第1タイミングTAと、第1タイミングTAより後の第2タイミングTBとの間の期間が、非検出期間であるといえる。推定位置情報取得部34は、非検出期間内の、車両10の位置情報が検出されるはずたったタイミング(中間タイミング)における、車両10の推定位置情報を算出する。推定位置情報取得部34は、車両挙動情報と、第1タイミングTAにおける検出位置情報とに基づき、非検出期間中のタイミングにおける推定位置情報を算出する。
図4の例では、第1タイミングTAの直後(第1タイミングTAから第2所定期間後)のタイミングT1、タイミングT1の直後のタイミングT2、タイミングT2の直後のタイミングT3、及びタイミングT3の直後のタイミングT4が、非検出期間内の、車両10の位置情報が検出されるはずたったタイミングである。従って、推定位置情報取得部34は、タイミングT1、T2、T3、T4における車両10の推定位置情報を算出する。また、推定位置情報取得部34は、後述する推定位置情報の補正に用いるために、第2タイミングTBにおける車両10の推定位置情報も算出する。
図4の例では、位置PDA、PDBが、第1タイミングTA、第2タイミングTBにおいて位置センサ10Aが検出した車両10の位置を指す。また、位置PE1、PE2、PE3、PE4が、タイミングT1、T2、T3、T4における車両10の推定位置情報が示す位置(車両10の推定位置)を指す。また、位置PEBが、第2タイミングTBにおける車両10の推定位置情報が示す位置(車両10の推定位置)を指す。
【0028】
本実施形態では、推定位置情報取得部34は、車両挙動情報と車両の位置に関する情報との対応関係を機械学習したAIモデルNに、車両10の車両挙動情報を入力することで、推定位置情報を取得する。車両の位置に関する情報とは、車両の位置を推定可能な情報といえ、本実施形態では、車両姿勢(方位角、ピッチ角、ロール角)及び速度を指す。演算装置14は、既知の車両挙動情報と、既知の車両の位置に関する情報とを、教師データとして学習前のAIモデルNに入力して、車両挙動情報と車両の位置に関する情報との対応関係を機械学習させる。教師データとして用いる車両挙動情報及び車両の位置に関する情報は、任意の方法で取得されてものであってよいが、例えば車両がテストコースを走行した際のデータを用いてよい。
【0029】
推定位置情報取得部34は、機械学習済みのAIモデルNを記憶部22から読み出し、車両挙動取得部32が取得した車両10の車両挙動情報をAIモデルNに入力する。AIモデルNにおいては、車両10の車両挙動情報が入力データとして入力されて、車両10の位置に関する情報が、出力値として出力される。すなわち、AIモデルNは、車両挙動情報が入力されると車両の位置に関する情報が出力される学習済みのプログラムであるともいえる。推定位置情報取得部34は、AIモデルNが出力した車両10の位置に関する情報から、車両10の推定位置情報を取得する。例えば、推定位置情報取得部34は、あるタイミングにおける車両10の推定位置情報を取得する際には、AIモデルNが出力したそのタイミングにおける車両10の位置に関する情報と、そのタイミングの直前における車両10の位置情報とに基づき、そのタイミングにおける車両10の推定位置情報を算出する。すなわち、推定位置情報取得部34は、推定位置情報を算出したいタイミングから直前のタイミングまでの時間と、AIモデルNによって算出された車両10の位置に関する情報(ここでは車両の向き、ピッチ角、ロール角、及び速度)とに基づき、直前における車両10の位置に対する、推定位置情報を算出したいタイミングにおける車両10の相対位置(相対座標)を算出する。そして、推定位置取得部34は、直前における車両10の位置と、推定位置情報を算出したいタイミングにおける車両10の相対位置とに基づき、推定位置情報を算出したいタイミングにおける車両10の位置を、車両10の推定位置情報として算出する。
【0030】
より詳しくは、推定位置情報取得部34は、推定位置情報を算出したいタイミングよりも所定時間だけ前(過去)のタイミングである過去タイミングから、推定位置情報を算出したいタイミングよりも所定時間だけ後(未来)のタイミングである未来タイミングまでの各タイミングで検出された車両挙動情報を、AIモデルNに入力して、車両10の推定位置情報を算出することが好ましい。過去タイミングは、任意に設定されてよいが、例えば、推定位置情報を算出したいタイミングよりも所定回数だけ前に車両挙動情報が検出されたタイミングとしてよい。同様に、未来タイミングは、任意に設定されてよいが、例えば、推定位置情報を算出したいタイミングよりも所定回数だけ後に車両挙動情報が検出されたタイミングとしてよい。
【0031】
図4の例では、推定位置情報取得部34は、タイミングT1の過去タイミング(タイミングT1よりも所定時間前のタイミング)から、タイミングT1の未来タイミング(タイミングT1よりも所定時間後のタイミング)までの各タイミングで検出された車両挙動情報を、AIモデルNに入力して、タイミングT1における車両の位置に関する情報を取得する。推定位置情報取得部34は、タイミングT1の直前に車両10の位置情報が検出された第1タイミングTAにおける位置情報(検出位置情報)と、タイミングT1における車両の位置に関する情報とに基づき、タイミングT1における推定位置情報を算出する。また、推定位置情報取得部34は、タイミングT2の過去タイミングからタイミングT2の未来タイミングまでの各タイミングで検出された車両挙動情報を、AIモデルNに入力して、タイミングT2における車両の位置に関する情報を取得する。推定位置情報取得部34は、タイミングT2の直前のタイミングT1における位置情報(推定位置情報)と、タイミングT2における車両の位置に関する情報とに基づき、タイミングT2における推定位置情報を算出する。タイミングT3、T4、及び第2タイミングTBにおける推定位置情報も、タイミングT2の推定位置情報と同様の方法で算出されるため、説明を省略する。
【0032】
なお、AIモデルNは、任意の種類のモデルであってよい。また、推定位置情報取得部34は、例えば、挙動センサ10Bによって検出された車両挙動情報をフィルタリングして車両挙動情報の数を減らし、残った車両挙動情報を、AIモデルNに入力する車両挙動情報として用いてもよいし、挙動センサ10Bによって検出された車両挙動情報の全てを、AIモデルNに入力する車両挙動情報として用いてもよい。
【0033】
(補正位置取得部)
補正位置取得部36は、第2タイミングTBにおける検出位置情報と推定位置情報との差異に基づいて、非検出期間中のタイミング(中間タイミング)における推定位置情報を補正することで、非検出期間中のタイミングにおける補正位置情報を算出する。補正位置情報は、車両10の位置情報の補正値である。補正位置取得部36は、第2タイミングTBでの位置情報の検出値と推定値との誤差に基づいて、非検出期間中のタイミングにおける位置の推定値の誤差を低減するように補正して、補正位置情報を算出するといえる。以下、本実施形態における補正位置情報の算出方法を、具体的に説明する。
【0034】
図5は、補正位置情報の一例を説明する模式図である。
図5に示すように、補正位置取得部36は、第1タイミングTAにおける車両10の位置PDA(第1タイミングTAにおける検出位置情報が示す位置)を基準として、第2タイミングTBにおける車両10の位置PDB(第2タイミングTBにおける検出位置情報が示す位置)と、第2タイミングTBにおける車両10の位置PEB(第2タイミングTBにおける推定位置情報が示す位置)とのなす角度θを算出する。すなわち、補正位置取得部36は、位置PDAを基準とする極座標における、位置PDBと位置PEBとのなす角度θを算出するといえる。角度θは、位置PDAと位置PDBとを結ぶ直線と、位置PDAと位置PEBとを結ぶ直線とのなす角度ともいえる。角度θは、第2タイミングTBにおける検出位置と推定位置との角度ずれ量に相当する。
【0035】
また、補正位置取得部36は、第2タイミングTBにおける検出位置と推定位置との距離のずれ量を示す距離ΔLを算出する。具体的には、補正位置取得部36は、位置PDAを基準として、位置PDBを、位置PEB側に近づく方向に角度θだけずらした位置を、位置PDB1として算出する。補正位置取得部36は、位置PDB1から位置PEBまでの距離を、距離ΔLとして算出する。すなわち、補正位置取得部36は、位置PDAを基準とする極座標における、位置PDB1と位置PEBとの距離ΔLを算出するといえる。
【0036】
補正位置取得部36は、角度θと距離ΔLとに基づき、非検出期間中のタイミングにおける車両10の推定位置(推定位置情報)を補正して、非検出期間中のタイミングにおける車両10の補正推定位置(補正位置情報)を算出する。より具体的には、補正位置取得部36は、角度θを、補正位置情報を算出したいタイミングにおける角度ずれ量である補正角度θ’(補正角度ずれ量)に換算し、距離ΔLを、補正位置情報を算出したいタイミングにおける距離ずれ量である補正距離ΔL’(補正距離ずれ量)に換算する。補正位置取得部36は、補正角度θ’及び補正距離ΔL’を用いて、非検出期間中のタイミングの推定位置情報を補正して、非検出期間中のタイミングの補正位置情報を算出する。
【0037】
本実施形態では、補正位置取得部36は、位置PDAを基準として、非検出期間中のタイミングにおける車両10の推定位置を、位置PEBから位置PDBに向かう方向側に補正角度θ’だけずらし、そのずらした位置を、位置PDAとずらした位置とを結ぶ線に沿って、位置PEBから位置
PDB1に向かう方向側に補正距離ΔL’だけ更にずらした位置を、そのタイミングにおける補正位置(補正位置情報)として算出する。タイミングT3を例とすると、
図5に示すように、位置PDAを基準として、タイミングT3における位置PE3(タイミングT3における推定位置情報が示す位置)を、位置PEBから位置PDBに向かう方向側に補正角度θ’だけずらした位置が位置PE3aとして示されている。そして、位置PE3aを、位置PDAと位置PE3aとを結ぶ線に沿って、位置PEBから位置
PDB1に向かう方向側に補正距離ΔL’だけずらした位置PC3が、タイミングT3における補正位置情報が示す位置として算出される。すなわち、補正位置取得部36は、位置PDAを基準とした極座標を用いて、次の式(1)のように、補正位置情報が示す位置PC3を算出するといえる。
【0038】
【0039】
なお、式(1)における位置PDAの座標(ベクトル)は、位置PDAを基準としているためゼロとなる。式(1)におけるR3は、位置PDAから位置PE3aまでの距離であり、R(θ’)は、回転行列である。また、式(1)は、位置PC3が、位置PE3aよりも位置PDAから離れた位置である場合の例であり、例えば位置PC3が、位置PE3aよりも位置PDAに近い場合には、式(1)の{(R3-ΔL’)/R3}を、{(R3+ΔL’)/R3}としてよい。
【0040】
補正角度θ’は、角度θに基づき任意の方法で算出されてよいが、本実施形態では、次のように算出してよい。すなわち、角度θは、第1タイミングTAから第2タイミングTBまで走行した際の、推定位置と検出位置との角度ずれ量を示すため、補正位置取得部36は、角度θを、第1タイミングTAから非検出期間におけるタイミングまで走行した際の角度ずれ量に換算することで、補正角度θ’を算出する。補正位置取得部36は、第1タイミングTAから第2タイミングTBまでの時間に対する、第1タイミングTAから非検出期間におけるタイミングまでの時間の比率で、角度θを補正することで、補正角度θ’を算出する。タイミングT3を例にすると、タイミングT3における補正角度θ’は、次の式(2)のように算出されるといえる。
【0041】
θ’=θ・(T3-TA)/(TB-TA) ・・・(2)
【0042】
ただし、補正角度θ’の算出方法は、上記に限られない。例えば、補正位置取得部36は、位置PDAから非検出期間における各推定位置を経て位置PDBまでを結ぶ線の長さ(位置PDAから位置PDBまでの推定走行距離)に対する、位置PDAから非検出期間における各推定位置を経て位置PE3までを結ぶ線の長さ(位置PDAから位置PE3までの推定走行距離)の比率で、角度θを補正することで、補正角度θ’を算出してもよい。タイミングT3を例にすると、位置PDAから位置PDBまでの推定走行距離を距離Waとし、位置PDAから位置PE3までの推定走行距離を距離Wbとした場合に、補正角度θ’は、次の式(3)のように算出されてもよい。
【0043】
θ’=θ・Wb/Wa ・・・(3)
【0044】
同様に、補正距離ΔL’は、距離ΔLに基づき任意の方法で算出されてよいが、本実施形態では、次のように算出してよい。すなわち、補正位置取得部36は、第1タイミングTAから第2タイミングTBまでの時間に対する、第1タイミングTAから非検出期間におけるタイミングまでの時間の比率で、距離ΔLを補正することで、補正距離ΔL’を算出する。タイミングT3を例にすると、タイミングT3における補正距離ΔL’は、次の式(4)のように算出されるといえる。
【0045】
ΔL’=ΔL・(T3-TA)/(TB-TA) ・・・(4)
【0046】
ただし、補正距離ΔL’の算出方法は、上記に限られない。例えば、補正位置取得部36は、位置PDAから非検出期間における各推定位置を経て位置PDBまでを結ぶ線の長さ(位置PDAから位置PDBまでの推定走行距離)に対する、位置PDAから非検出期間における各推定位置を経て位置PE3までを結ぶ線の長さ(位置PDAから位置PE3までの推定走行距離)の比率で、距離ΔLを補正することで、補正距離ΔL’を算出してもよい。タイミングT3を例にした場合に、補正距離ΔL’は、次の式(5)のように算出されてもよい。
【0047】
ΔL’=ΔL・Wb/Wa・・・(5)
【0048】
以上では、タイミングT3における補正位置情報の算出を例にして説明したが、非検出期間における他のタイミングにおける補正位置情報も、同様の方法で算出される。
図5の例では、タイミングT1、T2、T4における補正位置情報が示す位置PC1、PC2、PC4も算出されている。
【0049】
なお、補正位置情報の算出方法は上記に限られない。例えば、上記では、タイミングT3における推定位置情報を、補正角度θ’だけずらし、その後補正距離ΔLずらすことで、タイミングT3における補正位置情報を算出していたが、それに限られず、補正距離ΔLずらした後に補正角度θ’ずらすことで、タイミングT3における補正位置情報を算出してもよい。この場合例えば、補正位置取得部36は、位置PDAを基準として、非検出期間中のタイミングにおける車両10の推定位置を、位置PDAからその推定位置を結ぶ線に沿って位置PEBから位置PDBに向かう方向側に補正距離ΔL’だけずらし、そのずらした位置を、位置PEBから位置PDBに向かう方向側に補正角度θ’だけさらにずらした位置を、そのタイミングにおける補正位置(補正位置情報)として算出してよい。タイミングT3を例とすると、位置PDAを基準として、タイミングT3における位置PE3を、位置PDAと位置PE3とを結ぶ線に沿って、位置PEBから位置PDB1に向かう方向側に補正距離ΔL’だけずらし、そのずらした位置を、位置PEBから位置PDBに向かう方向側に補正角度θ’だけさらにずらした位置を、タイミングT3における補正位置情報が示す位置PC3としてもよい。
【0050】
補正位置取得部36は、以上のように、非検出期間における補正位置情報を算出する。本実施形態においては、非検出期間以外の期間(すなわち位置情報を適切に検出できた期間)における車両10の検出位置情報と、非検出期間における車両10の補正位置情報とを、各タイミングにおける車両10の位置情報として取り扱う。演算装置14は、非検出期間以外の期間における車両10の検出位置情報と、非検出期間における車両10の補正位置情報と、それぞれのタイミングにおける車両挙動情報とに基づいて、道路の位置毎の路面状態を分析する。ただし、検出位置情報と補正位置情報との用途は、道路の路面状態の分析に限られない。演算装置14は、これらの検出位置情報及び補正位置情報を、外部の装置に出力してもよいし、自身が備える出力部(ディスプレイなど)に出力してもよい。
【0051】
(処理フロー)
以上説明した演算装置の処理フローを説明する。
図6は、演算装置の処理フローを説明するフローチャートである。
図6に示すように、演算装置14は、検出位置取得部30及び車両挙動取得部32により、車両10の検出位置情報と車両挙動情報とを取得する(ステップS10)。演算装置14は、推定位置取得部34により、車両挙動情報をAIモデルNに入力して、車両10の推定位置情報を取得する(ステップS12)。推定位置取得部34は、非検出期間のタイミングにおける車両挙動情報をAIモデルNに入力して、非検出期間のタイミングにおける推定位置情報を算出する。また、推定位置取得部34は、第2タイミングTBにおける車両挙動情報をAIモデルNに入力して、第2タイミングTBにおける推定位置情報を算出する。演算装置14は、補正位置取得部36により、第2タイミングにおける角度θ(角度ずれ量)と距離ΔL(距離ずれ量)とを算出し(ステップS14)、非検出期間のタイミングにおける補正角度θ’(補正角度刷れ量)と補正距離ΔL’とを算出する(ステップS16)。演算装置14は、補正位置取得部36により、非検出期間のタイミングにおける推定位置情報を、補正角度θ’及び補正距離ΔL’により補正して、非検出期間のタイミングにおける補正位置情報を算出する(ステップS18)。
【0052】
(効果)
以上説明したように、本実施形態に係る演算装置14は、検出位置取得部30と、車両挙動取得部32と、推定位置取得部34と、補正位置取得部36とを含む。検出位置取得部30は、第1タイミングTAにおける、車両10の位置情報の検出値である検出位置情報と、第1タイミングTAより後の第2タイミングTBにおける検出位置情報とを取得する。車両挙動取得部32は、車両10の挙動を示す車両挙動情報を取得する。推定位置取得部34は、車両挙動情報に基づき、第2タイミングTBにおける車両10の位置情報の推定値である推定位置情報を取得する。また、推定位置取得部34は、車両挙動情報、及び第1タイミングTAにおける検出位置情報に基づき、第1タイミングTAと第2タイミングTBとの間の中間タイミング(本実施形態では非検出期間中のタイミング)における推定位置情報を取得する。補正位置取得部36は、第2タイミングTBにおける検出位置情報と推定位置情報との差異に基づいて、中間タイミングにおける推定位置情報を補正することで、中間タイミングにおける車両10の位置情報の補正値である補正位置情報を算出する。
【0053】
車両の位置を推定する際には、車両位置の推定誤差を低減することが求められている。本実施形態に係る演算装置14によると、中間タイミングにおける車両10の位置を推定するに際して、車両挙動情報に基づいて算出した推定位置情報を、中間タイミングよりも未来の第2タイミングTBにおける検出位置情報と推定位置情報との差異に基づき、補正する。このように、本実施形態に係る演算装置14は、未来のデータを使用して推定位置を補正するため、車両位置の推定誤差を低減することができる。すなわち、本実施形態の演算装置14は、位置推定を行いたいタイミングの直前のデータを用いてリアルタイムに車両10の位置推定を行うものではなく、一連の車両挙動情報を取り込んでから、位置推定を行いたいタイミングに対して未来のタイミングで取得されたデータも使用して演算を実行することで、車両位置の推定誤差を好適に低減することができる。特に、トンネルやトンネルを出た直後の区間AR2においては、位置センサ10Aによる車両10の位置検出が適切に実施できない場合がある。それに対して、位置検出が適切に実施できない期間においては、その期間よりも未来の位置検出が適切に実施できた第2タイミングにおける推定誤差を用いて、車両挙動情報に基づいて推定した車両10の位置を補正するため、位置検出が適切に実施できない期間における車両10の位置を適切に推定できる。
【0054】
補正位置取得部36は、第1タイミングTAにおける検出位置情報が示す車両10の位置PDAを基準として、第2タイミングTBにおける検出位置情報が示す車両10の位置PDBと第2タイミングTBにおける推定位置情報が示す車両10の位置PEBとのなす角度θ(角度ずれ量)を算出する。補正位置取得部36は、車両10の位置PDBを角度θだけずらした際の車両10の位置PDB1と、位置PEBとの距離ΔL(距離ずれ量)を算出する。補正位置取得部36は、角度θを、中間タイミングにおける角度ずれを示す補正角度θ’(補正角度ずれ量)に換算し、距離ΔLを、中間タイミングにおける距離ずれを示す補正距離ΔL’(補正距離ずれ量)に換算する。補正位置取得部36は、位置PDAを基準として、中間タイミングにおける推定位置情報が示す車両10の位置(例えば位置PE3)を、補正角度θ’及び補正距離ΔL’に基づきずらすことで、中間タイミングにおける補正位置情報(例えば位置PC3)を算出する。演算装置14によると、このようにして推定位置を補正することで、推定位置の誤差をより適切に低減できる。
【0055】
以上、本発明の実施形態及び実施例を説明したが、これら実施形態等の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態等の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0056】
1 検出システム
10 車両
10A 位置センサ
12 測定データ取得装置
14 演算装置
30 検出位置取得部
32 車両挙動取得部
34 推定位置取得部
36 補正位置取得部
T1 第1タイミング
T2 第2タイミング