(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-15
(45)【発行日】2023-02-24
(54)【発明の名称】アクティブファイバパッケージ
(51)【国際特許分類】
H01S 3/067 20060101AFI20230216BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20230216BHJP
H01S 3/02 20060101ALI20230216BHJP
H01S 3/042 20060101ALI20230216BHJP
G02B 6/46 20060101ALI20230216BHJP
【FI】
H01S3/067
H05K7/20 M
H01S3/02
H01S3/042
G02B6/46
G02B6/46 311
(21)【出願番号】P 2021504232
(86)(22)【出願日】2019-07-04
(86)【国際出願番号】 IL2019050746
(87)【国際公開番号】W WO2020021527
(87)【国際公開日】2020-01-30
【審査請求日】2022-06-20
(32)【優先日】2018-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514288875
【氏名又は名称】エルビット システムズ エレクトロ-オプティクス エロップ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【氏名又は名称】北村 周彦
(72)【発明者】
【氏名】ホワニシャン,グリゴール
(72)【発明者】
【氏名】サックス,ザッカリー
(72)【発明者】
【氏名】トゥルム,アサフ
【審査官】村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-177553(JP,A)
【文献】特開2008-244483(JP,A)
【文献】特開2005-091547(JP,A)
【文献】特開2000-183429(JP,A)
【文献】国際公開第2008/010416(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 3/00-3/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファイバレーザ、アンプ、或いはASEソースに使用されるアクティブファイバパッケージにおいて、
内部にアクティブファイバを受け入れて保持するための少なくとも2つのスパイラルの構成を有する溝を備える板状ベースであって、前記スパイラルが前記アクティブファイバの可視性を同一平面上で実現し、1スパイラルの外側ループが他のスパイラルの外側ループに対して円滑に推移し、前記スパイラルの各スパイラルが相対的に直線セクションの内部に円滑に推移する、板状ベースを備え、
前記スパイラルのうちの1スパイラルの前記直線セクションの一部が結合ファイバに接続可能に構成され、
前記溝の少なくとも2つのスパイラルのそれぞれは、内側ループがアクティブファイバの緊密な巻線を実現するその外側のループよりも小さな曲率半径を有する内側のループを有するように設計され、熱的モーダル不安定性(TMI)を低減してレージングパワーを増強することを特徴とする、アクティブファイバパッケージ。
【請求項2】
前記アクティブファイバパッケージは、組み立て処理時に前記ファイバの完全な可視性を実現する、請求項1記載のアクティブファイバパッケージ。
【請求項3】
前記アクティブファイバパッケージは、動作時に前記ファイバの部分的な可視性を実現する、請求項1記載のアクティブファイバパッケージ。
【請求項4】
前記溝は、u字型溝形状、v字型溝形状、矩形を有する、請求項1記載のアクティブファイバパッケージ。
【請求項5】
前記溝は、連続性を有する、請求項1又は4の何れか一項に記載のアクティブファイバパッケージ。
【請求項6】
前記スパイラルの各スパイラルは、円形状とする、請求項1記載のアクティブファイバパッケージ。
【請求項7】
前記スパイラルは、円形、楕円形又は他の何らかの形状、或いはその組み合わせとする、請求項1記載のアクティブファイバパッケージ。
【請求項8】
前記スパイラルへの出入口は、前記スパイラルの面より上の表面に対し円滑に推移する、請求項1記載のアクティブファイバパッケージ。
【請求項9】
前記スパイラルは、前記ファイバが、前記スパイラルを跨いで前記スパイラルのそれぞれに出入りするように構成されている、請求項8記載のアクティブファイバパッケージ。
【請求項10】
前記同一平面上のスパイラルは、ポンプコンバイナ、ファイバブラググレーティング(FBG)、出力コネクタ、モードストリッパ、並びにデリバリーファイバから選択されるファイバコンポーネントと、前記アクティブファイバとの一体化を可能にする、請求項1、7、8、9の何れか一項に記載のアクティブファイバパッケージ。
【請求項11】
ポッティングコンポーネントは、前記ファイバを前記溝に固着する透光性接着剤及び/又は熱伝導接着剤から選択される、請求項1、4、5の何れか一項に記載のアクティブファイバパッケージ。
【請求項12】
前記ポッティングコンポーネントは、ファイバ再塗布材、熱接着剤、光伝導接着剤、並びにその組み合わせから選択される、請求項10記載のアクティブファイバパッケージ。
【請求項13】
前記直線セクションにおけるアクティブファイバの長さは、5~80mmの範囲である、請求項1記載のアクティブファイバパッケージ。
【請求項14】
パワー損失を監視するため前記板状ベースに少なくとも1つの温度センサが埋設される、請求項1記載のアクティブファイバパッケージ。
【請求項15】
前記板状ベースは、前記アクティブファイバ又はスプライスの冷却を実現する熱伝導ベースとする、請求項1記載のアクティブファイバパッケージ。
【請求項16】
前記ファイバパッケージは、前記レーザキャビティパッケージの動作時に前記アクティブファイバを冷却するための冷却システムを更に備える、請求項1記載のアクティブファイバパッケージ。
【請求項17】
前記冷却システムは、前記板状ベースの下部に配置される略平面状の板状層を備え、前記板状層は、動作時に前記アクティブファイバを冷却するための少なくとも1つの溝チャネルを備える、請求項16記載の
アクティブファイバパッケージ。
【請求項18】
前記板状層及び前記板状ベースを密封するため気体又は液体タイプのシールが使用される、請求
項17に記載の
アクティブファイバパッケージ。
【請求項19】
前記板状層のうちの少なくとも1つの溝チャネル内にオーリングが位置決めされる、請求項18記載の
アクティブファイバパッケージ。
【請求項20】
前記冷却システムは、熱を液体又は気体に変換するため金属、合金などから選択される熱伝導材料から成る少なくとも1つのパイプを備える、請求項16~19の何れか一項に記載の
アクティブファイバパッケージ。
【請求項21】
前記冷却システムは、水、液体金属、気体、或いは他の何らかの流体の何れかを再循環させる、請求項16~20の何れか一項に記載の
アクティブファイバパッケージ。
【請求項22】
冷却温度は、前記冷却システムによって摂氏15~35度に保たれる、請求項16~21の何れか一項に記載の
アクティブファイバパッケージ。
【請求項23】
前記板状ベース及び/又は
前記板状層は、金属、合金、ガラス並びにその組み合わせから選択される熱伝導材料から成る、請求項
17~19の何れか一項に記載の
アクティブファイバパッケージ。
【請求項24】
前記ファイバパッケージは、前記溝の前記スパイラル内に前記アクティブファイバを位置決めする時に前記アクティブファイバを見るための少なくとも1つの窓セクションを備える、請求項1記載の
アクティブファイバパッケージ。
【請求項25】
前記窓セクションは、前記ファイバを位置決めするために使用される、請求項24記載の
アクティブファイバパッケージ。
【請求項26】
前記アクティブファイバは、前記冷却システムの温度変化又は散乱光スペクトル変化を検出するため前記板状ベースに埋設された熱カメラ及び熱センサのうちの少なくとも1つを以って監視される、請求
項16~23の何れか一項に記載の
アクティブファイバパッケージ。
【請求項27】
LMA-YDF-20/400、LMA-YDF-25/400、LMA-YDF-25/250、並びにLMA-YDF-30/400ファイバファミリーとを含む数モード~マルチモードファイバから選択される、請求項1、2、3、10、11、15、16、17、24、25、26の何れか一項に記載の
アクティブファイバパッケージ。
【請求項28】
前記アクティブファイバは、低NAファイバ、光バンドギャップファイバ(PBGF)、低NA固体コアファイバから選択される、請求項1、2、3、10、11、15、16、17、24、25、26、27の何れか一項に記載の
アクティブファイバパッケージ。
【請求項29】
前記LMA-YDF-20/400ファイバファミリーの曲率半径は、1~40cmの範囲、好適には4~8cmの範囲とする、請求項
27記載の
アクティブファイバパッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクティブ光ファイバに関する。より具体的には、本発明は、ファイバレーザ、アンプなどに使用されるアクティブ光ファイバのループを収容するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高出力のファイバレーザ及びアンプは、ループ状に構成されることが多い長尺のアクティブファイバを収容するための装置を要するが、適切に管理されなければ機械的、熱的、或いは光学的要因で損傷を被ることがある。このようなファイバは、適切な動作のために特定の範囲の屈曲半径及び鋭いエッジからの保護を要する。
【0003】
従前の設計は、コイル式構造又は多層構造に基づいている。マーチンサイファートによる米国特許第7400812号は、光ファイバを収容するための装置、例えばシリンダの内側周辺にアクティブファイバを包装するための装置、より正確には当該ファイバが前記コイル内にばねの様に延びるような内表面に負荷されている装置を開示している。このようなファイバは、入出力ファイバが異なる高さで出るにつれて平面状となるわけではない。また、このファイバの負荷は、当該ファイバが全長に沿って可視できない故に困難となりうるし、両側へのスプライスの接続は、特に当該スプライスがコイルの入口又は出口に近接している必要がある場合は真っ直ぐに進まないこともありうる。
【0004】
ファイバが異なる平面内でコイルを出入りするというような問題を解決するため、ヨンゴンフ等による米国特許第8493651号は、熱伝導シリンダの周辺や上記熱伝導シリンダの外表面周辺の光ファイバをループすることにより当該光ファイバの管理及び冷却を行う装置及び方法であって、前記光ファイバが略同一平面上で熱伝導シリンダを出入りするような装置及び方法を記載している。当該コイルは、内外表面周辺の両方でファイバと共にラッピングされている。このファイバは、可視できないばかりか完全に平面状であるわけでもない。また、入出力スプライスの製造は、正確な配置を実現することに関しては困難があり、当該ファイバに捩じれが発生する危険が残る。
【0005】
ハオドン等による米国特許公開第2013/0230061は、改良型のファイバ管理及び熱管理能力を有するファイバレーザキャビティパッケージ、並びにこのようなファイバレーザキャビティパッケージを製造する方法を記載している。このような多層平面パッケージ方式は、ファイバの可視性を伴わないばかりかファイバ負荷時の困難性を提示している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のアクティブファイバパッケージは、(a)ファイバ全体の可視性、並びにアクティブファイバと、レーザ又はアンプ何れかにおける他のファイバ結合コンポーネントとの容易な一体化を実現する略平面状の構成を有する点、(b)モーダルコンテンツを制御して熱的モーダル不安定性を抑制する故、レーザ出力の増強を実現するコイル状構成を有する点、(c)内部にファイバを構成する一方、更なる損傷に繋がりかねない捩じれや屈曲を防止することを可能にする構成を有する点、(d)蓄熱を除去する点で有利である。
【0007】
従って、本発明の幾つかの実施態様によれば、ファイバレーザ、アンプ、或いはASEソースに使用されるアクティブファイバパッケージにおいて、
内部にアクティブファイバを受け入れて固定的に保持するための少なくとの2つのスパイラルの構成を有する溝を備える板状ベースであって、前記スパイラルが前記アクティブファイバの可視性を同一平面上で実現し、1スパイラルの外側ループが他のスパイラルの外側ループに対して円滑に推移し、前記スパイラルの各スパイラルが相対的に直線セクションの内部に円滑に推移する、板状ベースを備え、
前記スパイラルのうちの1スパイラルの前記直線セクションの一部が結合ファイバにスプライスされ、
前記スパイラルの各スパイラルの複数の内側ループが、相対的に小さい曲率半径を有する前記直線セクションに近接して前記アクティブファイバの緊密な巻線を実現する故、熱的モーダル不安定性(TMI)を低減してレージングパワーを増強することを特徴とする、アクティブファイバパッケージが提供される。
【0008】
更にまた、本発明の幾つかの実施態様によれば、前記パッケージは、前記ファイバの完全な可視性を実現する。
【0009】
更にまた、本発明の幾つかの実施態様によれば、前記アクティブファイバパッケージは、組み立て処理時に前記ファイバの完全な可視性を実現する。
【0010】
更にまた、本発明の幾つかの実施態様によれば、前記アクティブファイバパッケージは、動作時に前記ファイバの部分的な可視性を実現する。
【0011】
更にまた、本発明の幾つかの実施態様によれば、前記溝は、u字形溝形状、v字型溝形状、或いは矩形を有する。
【0012】
更にまた、本発明の幾つかの実施態様によれば、前記溝は、連続性を有する。
【0013】
更にまた、本発明の幾つかの実施態様によれば、前記スパイラルの各スパイラルは、円形状とする。
【0014】
更にまた、本発明の幾つかの実施態様によれば、前記スパイラルは、円形、楕円形又は他の何らかの形状、或いはその組み合わせとする。
【0015】
更にまた、本発明の幾つかの実施態様によれば、入出力側は、同一の高さで前記アクティブファイバに対して出入りする。
【0016】
更にまた、本発明の幾つかの実施態様によれば、前記スパイラルへの出入口は、上記スパイラルより上に対し円滑に推移する。
【0017】
更にまた、本発明の幾つかの実施態様によれば、前記ファイバは、前記スパイラルを跨いで前記スパイラルの各々の内径を出入りし、エアギャップは、前記スパイラル及び前記スパイラルを跨いだ前記ファイバの間を分割する。
【0018】
更にまた、本発明の幾つかの実施態様によれば、前記同一平面上のスパイラルは、ポンプコンバイナ、ファイバブラググレーティング(FBG)、出力コネクタ、モードストリッパ、並びにデリバリーファイバから選択されるファイバコンポーネントと、前記アクティブファイバとの一体化を伴う。
【0019】
更にまた、本発明の幾つかの実施態様によれば、ポッティングコンポーネントは、前記ファイバを前記溝に固着する透光性接着剤及び/又は熱伝導接着剤から選択される。
【0020】
更にまた、本発明の幾つかの実施態様によれば、前記ポッティングコンポーネントは、ファイバ再塗布材、熱接着剤、光伝導接着剤、並びにその組み合わせから選択される。
【0021】
更にまた、本発明の幾つかの実施態様によれば、前記直線セクションの長さは、前記スパイラルの入口から5~50mmの範囲の前記スプライスを含有する。
【0022】
更にまた、本発明の幾つかの実施態様によれば、温度上昇によるパワー損失を監視するため前記板状ベースに少なくとも1つの温度センサが埋設される。
【0023】
更にまた、本発明の幾つかの実施態様によれば、前記板状ベースは、前記アクティブファイバ又はスプライスの冷却を実現する熱伝導ベースとする。
【0024】
更にまた、本発明の幾つかの実施態様によれば、前記ファイバパッケージは、前記レーザキャビティパッケージの動作時に前記アクティブファイバを冷却するための冷却システムを更に備える。
【0025】
更にまた、本発明の幾つかの実施態様によれば、前記冷却システムは、前記板状ベースの下部に配置される略平面状の板状層を備え、前記板状層は、動作時に前記アクティブファイバを冷却するための少なくとも1つの溝チャネルを備える。
【0026】
更にまた、本発明の幾つかの実施態様によれば、前記板状層及び前記板状ベースを密封するため流体シールが使用される。
【0027】
更にまた、本発明の幾つかの実施態様によれば、前記流体チャネルを追跡するため前記板状層のうちの少なくとも1つの溝チャネル内にオーリングが位置決めされる。
【0028】
更にまた、本発明の幾つかの実施態様によれば、前記冷却システムは、熱を液体又は期待に変換するため金属、合金などから選択される熱伝導材料から成る少なくとも1つのパイプを備える。
【0029】
更にまた、本発明の幾つかの実施態様によれば、前記冷却システムは、水、液体金属、気体、或いは他の何らかの流体の何れかを再循環させる。
【0030】
更にまた、本発明の幾つかの実施態様によれば、前記冷却温度は、前記冷却システムによって摂氏15~35度に保たれる。
【0031】
更にまた、本発明の幾つかの実施態様によれば、前記板状ベース及び/又は前記板状層は、金属、合金、ガラス、並びにその組み合わせから選択される熱伝導材料から成る。
【0032】
更にまた、本発明の幾つかの実施態様によれば、前記ファイバパッケージは、前記スパイラルの溝ライン内に前記アクティブファイバを位置決めするための少なくとも1つの窓セクションを備える。
【0033】
更にまた、本発明の幾つかの実施態様によれば、前記窓セクションは、前記スパイラルのうちの少なくとも1つの溝ラインをスキップしつつ前記ファイバを位置決めするために使用される。
【0034】
更にまた、本発明の幾つかの実施態様によれば、前記アクティブファイバは、前記冷却システムの温度変化又は前記散乱光スペクトル変化を検出するため前記板状ベースに埋設された熱カメラ又は熱センサのうちの少なくとも1つを以って監視される。
【0035】
更にまた、本発明の幾つかの実施態様によれば、LMA―YDF-20/400,LMA-YDF-25/400,LMA-YDF-25/250,並びにLMA-YDF-30/400ファイバファミリーと、異なるドーパント濃度ファイバと、を含む数モード~マルチモードファイバから選択される。
【0036】
更にまた、本発明の幾つかの実施態様によれば、前記アクティブファイバは、低
NAファイバ、光バンドギャップファイバ(PBGF)、低NA固体コアファイバから選択される。
【0037】
更にまた、本発明の幾つかの実施態様によれば、前記LMA-YDF-20/400ファイバファミリーの曲率半径は、1~40cmの範囲、好適には4~8cmの範囲とする。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1A】本発明の幾つかの実施態様による二重螺旋アクティブファイバの板状ベースを図示する。
【0039】
【
図1B】本発明の幾つかの実施態様による二重螺旋アクティブファイバの板状ベースを図示する。
【0040】
【0041】
【0042】
【
図3A】前記板状ベースにファイバを位置決めさせた状態の
図1の板状ベースの一部の斜視図である。
【0043】
【
図3B】前記板状ベースにファイバを位置決めさせた状態の
図1の板状ベースの一部の断面図である。
【0044】
【
図4】本発明の幾つかの実施態様による二重螺旋アクティブファイバの板状ベース及び略平面板状の冷却層を示す。
【0045】
【
図5】本発明の幾つかの実施態様による、すぐに使えるように製造されたアクティブファイバパッケージを示す。
【0046】
【0047】
【
図6B】
図1の二重螺旋アクティブファイバの板状ベースにおけるより短いファイバの使用例を図示する。
【0048】
【
図7】ファイバアンプに使用される
図1の二重螺旋アクティブファイバの板状ベースを示す。
【0049】
【
図8】共鳴装置に使用される
図1の二重螺旋アクティブファイバの板状ベースを示す。
【0050】
【
図9】本発明の幾つかの実施態様によれば、TMIが測定されうる幾つかのポイントを含む
図8の共鳴装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図1A及び
図1Bは、本発明の幾つかの実施態様による二重螺旋アクティブファイバの板状ベース100を図示する。
【0052】
二重螺旋アクティブファイバの板状ベース100は、内部にアクティブファイバを受け入れて固定的に保持するために適合されているが、少なくとも2つのスパイラル、即ち前記スパイラル領域内にアクティブファイバを受け入れて固定的に保持するための第1スパイラル104及び第2スパイラル106の構成を有する溝102を含んでいる。
【0053】
幾つかの実施態様によれば、溝102は、連続的なu字型溝形状、v字型溝形状、或いは矩形であってもよい。
【0054】
各図に見られるように、第1スパイラル104及び第2スパイラル106は、内部にフ前記ファイバを構成する一方、損失に繋がりかねない捩じれや屈曲を防止することを可能にする円形構成を有する。この円形構成は、熱的モーダル不安定性において最高次元のモード曲率損失の支援を実現する。但し、第1スパイラル104及び第2スパイラル106は、直線セクションを伴わない楕円形又は他の何らかの形状であってもよい。
【0055】
溝102にファイバを固定するため、ファイバ再塗布物質(Luvantix PC-373又はMyPolymers MY-137)などのポッティング化合物、熱接着剤、及び/又は光伝導接着剤(NuSil LS-3246)がファイバに塗布されてもよい。本発明の幾つかの実施態様によれば、ここでは光が吸収されるというよりも寧ろファイバから逃げるようにするために透明度の高いポッティングを使用することが重要である。このような吸収は高温スポットの原因となる可能性があり、結果としてファイバの焼付けやポッティング化合物の焼付けに繋がりかねない。
【0056】
図1Bに見られるように、第1スパイラル104の外側ループは、第2スパイラル106の外側ループに対し円滑に推移し、これらスパイラルの各スパイラルの内側ループは、直線セクション、例えば第1直線セクション108及び第2直線セクション110の内部に円滑に推移する。
【0057】
スプライス障害を防止するため、スプライス自体は、前記スパイラルへの入口に近接するファイバ108の直線セクションに配置されるのがよい。更にまた、熱的モーダル不安定性(TMI)を抑制するため、入力ファイバにスプライスされたファイバのセクションは、相対的に小さい曲率半径のスパイラルのセクション、例えばセクション112A又は112Bに近接しているのがよい。直線セクション108又は110におけるアクティブファイバの長さは、好適には5~80mmの範囲とされ、特定の実施態様においてパッシブファイバへのスプライスで終端している。
【0058】
図1A及び
図1Bに見られるように、第1スパイラル104及び第2スパイラル106は同一平面上にあり、(a)他のファイバコンポーネント、例えば、ポンプコンバイナ、ファイバブラググレーティング(FBG).出力コネクタ、モードストリッパ、デリバリーファイバ及び/又はパッシブファイバを含む他のファイバ結合コンポーネントなどとのアクティブファイバの容易な一体化と、(b)アクティブファイバ全体の可視性と監視、即ちホットスポットなどの完全な観察、組み立て処理時でのファイバの完全な可視性、並びに動作時のファイバの部分的な可視性を実現している。
【0059】
幾つかの実施態様によれば、前記アクティブファイバは、熱カメラを以って監視されてもよい。他の実施態様において、アクティブファイバ全体に可視性があるわけではないが、クランプやヒートシンクなど透光性のある材料によって部分的に覆われている。
【0060】
図1A及び
図1Bに見られるように、スパイラル104及び106の各スパイラルの円形領域は、前記アクティブファイバの大部分を受け入れている。
【0061】
本発明の幾つかの実施態様によれば、前記スパイラルは同一平面上にあるが、
図2A及び2Bに見られるように、板状ベース100の表面は全体的に平面状とはいえないが、スパイラルへの出入口は、スパイラル104及び106より上の上下表面に対し円滑に推移している。
【0062】
図2A及び
図2Bは、それぞれ板状ベース100の一部の斜視図及び断面図である。各図に見られるように、板状ベース100は全体的に平面状ではない代わりにポイント204及び206は、スパイラル104(スパイラル106は図示せず)より上の表面にある。このような構成は、スパイラル104の内径に(また既存の場合、スパイラル104の内径から)ファイバを導くのに重要であり、即ちスパイラル104に入る前に、ファイバはポイント204及び206を通過してスパイラル104を跨いでいる。ポイント206からは、ポイント212に対し徐々に下る、即ちスパイラル104の平面に対し下る表面上でファイバは溝208及び210において連続している。
【0063】
図3A及び
図3Bは、ポイント204及び206を通過し、スパイラル104の内径を通じてスパイラル104に入るファイバ302を示す板状ベース100の一部の斜視図及び断面図である。各図に見られるように、ポイント204及び206は、スパイラル104及び106よりかなり上にあるため、この特定の実施態様ではエアギャップはファイバ302とスパイラルを下部で分割している。
【0064】
本発明の幾つかの実施態様によれば、熱的モーダル不安定性(TMI)は、関連する温度勾配の入力ポンプパワー発射ポイントへの接近によってアクティブファイバの幾つかの第1内側ループで主に発生しうる。
【0065】
熱的モーダル不安定性閾値を増強するため、二重螺旋アクティブファイバの板状ベース100は、内側ループ、即ちセクション114A及び114Bがアクティブファイバの緊密な巻線を実現するスパイラルよりも小さな曲率半径を有する、円形スパイラルを有するように設計されているため単一モードより大きな全モードのストリップを実現する故、熱的モーダル不安定性(TMI)の低減及びレージングパワーの増強を実現する。従って、
図1Bに見られるように、スプライス112A及び112Bは、より小さい曲率半径のスパイラルの部分に近接、例えばそれぞれセクション114A及び114Bに近接する直線セクション108及び110の範囲内にある。
【0066】
また、前記コイルは、前記スプライスから何らかのより高次元のモードをストリップする傾向があり、スプライスの内部に発射されるか、或いはアクティブファイバ内部にスプライスによって生成されるかの何れかである点に留意されたい。
【0067】
本発明の幾つかの実施態様によれば、アクティブファイバの板状ベース100としては、915nmダイオードや976nmダイオードなど各種ダイオードを以ってポンピング可能なLMA-YDF-20/400タイプのファイバが適切である。ある実施態様において、976nmポンプダイオードは、中央のポンプ波長を短いスペクトル幅に保つため波長ロックされている。
【0068】
本発明の幾つかの実施態様によれば、板状ベース100は、Coherent(Nufern)社のLMA-YDF-20/400ファイバファミリーから選択される他の各種ファイバ、並びに偏光維持ファイバ(PLMA-YDF-20/400)、モード整合ファイバ(LMA-YDF-20/400-M)、高エネルギーファイバ、及び異なるドーパント濃度ファイバなどを含む変形例のために設計されている。他のファイバ製造業者としては、NLight社と、Coractive社と、を含む。
【0069】
本発明の幾つかの実施態様によれば、20/400ファミリーについては、最適な屈曲半径は、1~40cmの範囲、好適には4~8cmの範囲(通常は5cm)としている。
【0070】
また、LMA-YDF-25/400、LMA-YDF-25/250、LMA-YDF-30/250、LMA-YDF-30/400など複数のモードをサポートする他のファイバファミリーも使用されてもよい。
【0071】
また、本発明の幾つかの実施態様によれば、通常低パワーで単一モードであって、より高いポンプパワーでマルチモード動作を行うファイバも使用されてもよい。これらのファイバは、フォトン結晶ファイバ(PCF),フォトニックバンドギャップファイバ(PBGF),低NA固体コアファイバなどの低NAファイバを含む。これらのタイプのファイバの最適な屈曲半径は、ファイバ開口数(NA)で1~80cmの範囲としている。
【0072】
本発明の幾つかの実施態様によれば、前記ファイバの内側ループの最適な曲率半径は、レーザ効率、即ちポンプパワー対出力パワーを測定する一方、ビーム質又はモーダルコンテンツ(平方メートル)を同時に監視することにより実験的に決定されてもよい。幾つかの実施態様によれば、前記ファイバの内側ループの曲率の平方メートルは、特定の範囲内、即ち1.4未満、1.3未満,1.2未満、或いは1.1未満とし、パワー効率が監視されることを要件としている。
【0073】
本発明の幾つかの実施態様によれば、前記半径は、実験的に監視できるモーダル不安定性閾値によって決定されてもよい(
図9参照)。
【0074】
図4は、本発明の幾つかの実施態様による二重螺旋アクティブファイバの板状べース100及び略平面状の板状冷却層400を示す。
【0075】
本発明の幾つかの実施態様によれば、螺旋アクティブファイバの板状ベース100は、アクティブファイバ及び/又はスプライスの片側冷却を実現する熱伝導ベースである。
【0076】
板状冷却層400は、動作時にアクティブファイバを冷却するための少なくとも1つの流体チャネルを受け入れて固定的に保持するための板状ベース100の円形スパイラルと互換性のある構を有する少なくとも1つの溝チャネル402を含む。
【0077】
動作時、板状ベース100は、板状冷却層400より上にあって且つ当該冷却層に物理的に接触して配置されて十分な放熱を実現している故、特定の動作条件下でのファイバレーザキャビティの連続的な動作を実現している。
【0078】
本発明の幾つかの実施態様によれば、板状ベース100及び板状冷却層400の間に流体シール(気体又は液体タイプのシール)を要する場合がある。特定の流体(特定の液体又は気体)の場合、板状冷却層400で流体チャネルを追跡するための溝チャネル402にオーリングが設置されてもよい。本発明の幾つかの実施態様によれば、二重螺旋アクティブファイバの板状ベース100及び板状冷却層400は、金属、合金、ガラスなどの熱伝導材料、並びにその組み合わせから成っていてもよい。
【0079】
本発明の幾つかの実施態様によれば、二重螺旋アクティブファイバの板状ベース100からの放熱を実現するため上記の板状冷却層400以外の何らかの熱交換手段が使用されてもよい点に留意されたい。
【0080】
本発明の幾つかの実施態様によれば、二重螺旋アクティブファイバの板状ベース100は、前記ファイバの長さを調整するための少なくとも1つの窓セクションを含みうる、すぐに使用するパッケージ(
図5に図示説明)に収容されてもよい。
【0081】
図5は、本発明の幾つかの実施態様による、すぐに使用するように製造されたアクティブファイバパッケージ500を示す。
【0082】
同図に見られるように、ファイバパッケージ500は、板状ベース100と、冷却システム506と、を備える。板状ベース100は、内部にアクティブファイバを受け入れて固定的に保持するための少なくとも2つのスパイラルの構成を有する溝102を備える。
【0083】
本発明の幾つかの実施態様によれば、溝102は、u字型、v字型、或いは矩形の何れかである。
【0084】
同図に見られるように、第1スパイラル104及び第2スパイラル106は、内部にファイバを構成する一方、損失に繋がりかねない捩じれや屈曲を防止することを可能にする円形構成を有する。この円形構成は、熱的モーダル不安定性において最大限高次元のモード曲率損失の支援を実現する。但し、第1スパイラル104及び第2スパイラル106は、直線セクションを伴わない楕円形など他の形状であってもよい。
【0085】
前記少なくとも2つのスパイラルは同一平面上にあり、他の実施態様においてアクティブファイバの完全な可視性又は部分的な可視性を実現し、第1スパイラルの外側ループ104は第2スパイラル106の外側ループに対し円滑に推移し、前記2つのスパイラルの各スパイラルの内側ループは、直線セクション、即ち第1直線セクション108及び第2直線セクション110の内部に円滑に推移している。
【0086】
本発明の幾つかの実施態様によれば、溝102内にファイバを固定するため、ファイバ再塗布材(Luvantix PC-373又はMyPolymers MY-137)などのポッティング化合物、熱接着剤、及び/又は光伝導接着剤(NuSil LS-3246)がファイバに塗布される。物質透過性が高ければ、光がファイバ内に吸収されるというよりも寧ろファイバから逃げる可能性が出てくる。このような吸収は高温スポットの原因となる可能性があり、結果としてファイバ焼付けに繋がりかねない。
【0087】
スプライス障害を防止するため、スプライス自体は、スパイラルへの入口に近接するファイバ108の直線部に配置されるのがよい。直線セクション108又は110におけるアクティブファイバの長さは、好適には5~80mmの範囲とし、特定の実施態様においてパッシブファイバへのスプライスで終端している。
【0088】
熱的モーダル不安定性(TMI)を低減することによりレージングパワーを増強するため、入力ファイバにスプライスされたファイバの一部は、相対的に小さい曲率半径のスパイラルの一部、例えばセクション112A又は112Bに近接している。
【0089】
各図に見られるように、第1スパイラル104及び第2スパイラル106は同一平面上にあり、(a)アクティブファイバと、他のファイバコンポーネント、例えば、ポンプコンバイナ、ファイバブラググレーティング(FBG)、出力コネクタ、モードストリッパ、デリバリーファイバ及び/又はパッシブファイバを含む他のファイバ結合コンポーネントなどとの容易な一体化と、(b)アクティブファイバ全体の可視性と監視、即ちホットスポットなどの完全な観察、組み立て処理時でのファイバの完全な可視性、並びに動作時のファイバの部分的な可視性を実現している。
【0090】
本発明の幾つかの実施態様によれば、前記アクティブファイバは、二重螺旋アクティブファイバの板状ベース100に埋設された熱センサ又は熱カメラの何れかを以って監視される。
【0091】
本発明の幾つかの実施態様によれば、スパイラル104及び106の各スパイラルの円形領域が前記アクティブファイバの大部分を受け入れ、入出力側、即ち入力側111及び出力側113、或いはその逆がアクティブファイバのコイルに対し出入りする。
【0092】
本発明の幾つかの実施態様によれば、前記スパイラルは同一平面上にあるが、二重螺旋アクティブファイバの板状ベース100の表面は、全体的に平面状でない代わりにスパイラルへの出入口は、スパイラルより上の上下表面に対し円滑に推移している。
【0093】
熱的モーダル不安定性閾値を増強するため、二重螺旋アクティブファイバの板状ベース100は、内側ループ、即ちセクション114A及び114Bがアクティブファイバの緊密な巻線を実現するスパイラルよりも小さな曲率半径を有する円形スパイラルを有するように設計されているため単一モードより大きな全モードのストリップを実現する故、熱的モーダル不安定性(TMI)の低減及びレージングパワーの増強を実現する。従って、前記スプライスは、より小さい曲率半径のスパイラルの一部、例えばセクション114Aに近接する直線セクション108の範囲内にある。また、前記コイルは、前記スプライスからより高次元のモードをストリップする傾向があり、スプライス内部に発射されるか、或いはアクティブファイバ内部にスプライスによって生成されるかの何れかである点に留意されたい。
【0094】
本発明の幾つかの実施態様によれば、アクティブファイバの板状ベース100としては、915nm,976nmダイオードなどを含む各種ダイオードを以ってポンピング可能なLMA-YDF-20/400タイプのファイバが適切である。
【0095】
ある実施態様において、976nmポンプダイオードは、中心ポンプ波長及び狭いスペクトル幅を実現するため波長ロックされている。
【0096】
二重螺旋アクティブファイバの板状ベース100は、Coherent(Nufern)社のLMA-YDF-20/400ファイバファミリーから選択された他の各種ファイバ、並びに偏光維持ファイバ(PLMA-YDF-20/400)、モード整合ファイバ(LMA-YDF―20/400-M)、高エネルギーファイバ、及び各種ドーパント濃度ファイバなどを含む変形例のために設計されてもよい。他のファイバ製造業者としては、NLight社と、Coractive社と、を含む。
【0097】
本発明の幾つかの実施態様によれば、20/400ファミリーの場合、最適な屈曲半径は、1~40cmの範囲、好適には4~8cmの範囲(通常は5cm)としている。
【0098】
また、LMA-YDF-25/400,LMA-YDF-25/250,LMA-YDF-30/250,LMA-YDF-30/400など複数のモードをサポートする他のファイバファミリーも使用されてもよい。
【0099】
また、本発明の幾つかの実施態様によれば、通常低パワーで単一モードであって、より高いポンプパワーでマルチモード動作を行うファイバも使用されてもよい。これらのファイバは、フォトン結晶ファイバ(PCF),フォトニックバンドギャップファイバ(PBGF),低NA固体コアファイバなど低NAファイバを含む。これらのタイプのファイバの最適な屈曲半径は、ファイバ開口数(NA)で1~80cmの範囲としている。
【0100】
本発明の幾つかの実施態様によれば、前記ファイバの内側ループの最適な曲率半径は、レーザ効率、即ちポンプパワー対出力パワーを測定する一方、ビーム質又はモーダルコンテンツ(平方メートル)を同時に監視することにより実験的に決定されてもよい。幾つかの実施態様によれば、前記ファイバの内側ループの曲率の平方メートルは、特定の範囲内、即ち1.4未満、1.3未満、1.2未満、或いは1.1未満とする一方、パワー効率が監視されることを要件としている。
【0101】
本発明の幾つかの実施態様によれば、前記半径は、実験的に監視可能なモーダル不安定性によって決定される。TMI閾値の監視は、特定の実施態様において、前記ファイバコア、即ち前記ファイバ第1又は第2クラッドの範囲外のストリップ光量を、未使用のポンプコンバイナ脚部又はファイバタップを通じて、パワーメータ、第1光検出器、或いはカメラを以って監視することにより行われてもよい。
【0102】
本発明の幾つかの実施態様によれば、螺旋アクティブファイバの板状ベース100は、アクティブファイバ及び/又はスプライスの片側冷却を実現する熱伝導ベースである。
【0103】
本発明の幾つかの実施態様によれば、冷却システム506は、板状ベース100の真下にあって且つ該板状ベースに物理的に接触して配置された略板状の冷却層(
図4に図示説明される層400)を備えて十分な放熱を実現している故、特定の動作条件下でのファイバレーザキャビティの連続動作を実現している。前記板状冷却層(
図4に図示される層400)は、動作時にアクティブファイバを冷却するための少なくとも1つの流体チャネルを受け入れて固定的に保持するための板状ベース100の円形スパイラルと互換性のある構成を有する少なくとも1つの溝チャネル(
図4に図示される溝チャネル402)を含む。
【0104】
冷却システム506は、気体又は気体に熱を変換するための、例えば金属、合金など熱伝導性の高い材料から成るパイプを更に備える。
【0105】
本発明の幾つかの実施態様によれば、板状ベース100及び板状冷却層400の間に流体シール(気体又は液体タイプのシール)を要する場合がある。特定の流体(特定の液体又は気体)の場合、板状冷却層400で流体チャネルを追跡するための溝チャネル402にオーリングが設置されてもよい。
【0106】
本発明の幾つかの実施態様によれば、冷却システム506は、、熱交換機を利用して水(例えば、水再循環チラー)、液体金属、或いは他の流体の何れかを再循環させてもよい。冷却温度は、好適には摂氏15~35度であればよい。
【0107】
本発明の幾つかの実施態様によれば、アクティブファイバパッケージ400は、パワー損失を監視するため前記二重螺旋アクティブファイバの板状ベース100に埋設される、少なくとも1つの温度センサを含む。
【0108】
本発明の幾つかの実施態様によれば、二重螺旋アクティブファイバの板状ベースからの放熱を実現するため前記の板状冷却層400(
図4の層400)以外の何らかの熱交換手段が使用されてもよい点に留意されたい。
【0109】
同図に見られるように、アクティブファイバパッケージ500は、螺旋溝ラインにより短いファイバを位置決めするための窓セクション502及び窓セクション504など少なくとも1つの窓セクションを含む。本発明の幾つかの実施態様によれば、前記ファイバが前記スパイラルの全長に十分適合する長さでない場合、窓セクション502及び/又は窓セクション504は、ファイバの位置決め、即ち少なくとも1つの螺旋溝ラインのスキップに使用されてもよい。以下、
図6Bに見られ説明されるように、相対的に短いファイバが使用される場合、内側及び外側の螺旋溝ラインのみが使用されてもよい。
【0110】
図6Aは、全長ファイバの使用例を示し、
図6Bは、本発明の幾つかの実施態様による、より短いファイバの使用例を示す。
図6Aにおいて、螺旋溝全体がファイバによって占有されている。但し、
図6Bにおいて、より短いファイバは螺旋溝ラインの一部を占有するに過ぎない。
図6Bに見られるように、ファイバがポイント604に達し、ポイント606に跨る場合、幾つかの溝ラインがスキップされる。
【0111】
本発明の幾つかの実施態様によれば、このような窓セクション(複数可)は、様々な形状および大きさであってもよい。
【0112】
図7は、ファイバアンプ700において使用される二重螺旋アクティブファイバの板状ベース100を示す。ファイバアンプ700は、ポンプダイオード702と、ポンプ信号コンバイナ704と、モードストリッパ706と、出力コネクタ708と、ポンプ信号コンバイナ704及びモードストリッパ706の間に実装される二重螺旋アクティブファイバの板状ベース100と、を含む。
【0113】
図8は、共鳴装置800において使用される二重螺旋アクティブファイバの板状ベース100を示す。共鳴装置800は、ポンプダイオード702と、ポンプ信号コンバイナ704と、第1FBG反射装置802Aと、第2FBG反射装置802Bと、モードストリッパ706と、出力コネクタ708と、第1FBG反射装置802A及び第2FBG反射装置802Bの間に実装される二重螺旋アクティブファイバの板状ベース100と、を含む。
【0114】
図9は、本発明の幾つかの実施態様によってTMIが測定される幾つかのポイントを含む
図8の共鳴装置800を示す。
【0115】
ポイント902 - 前記共鳴装置を通じて後退するパワーは、パワーメータ、光検出器、分光計、或いはカメラを以ってポイント902で監視されてもよい。また、突然のパワー上昇、スペクトラム変化、或いは温度変化を以ってTMIを示してもよい。
【0116】
ポイント904 - 前記ポンプコンバイナの不使用の脚部にあるポイントである。主に前記コイルにおいてより高いモードでストリップされたパワーにより共鳴装置800を通じて後退するパワーは、パワーメータ、光検出器、分光計、或いはカメラを以ってポイント904で監視されてもよい。
【0117】
ポイント906及び908 - FBG反射装置802A及び802Bにあるポイントである。これらのポイントにおいて、TMIは、温度変化によってコンポーネント上又は冷却流体中の温度センサ経由で、即ち分光計又は光度検出器付きのパッケージを通じて散乱光を監視することによって監視されてもよい。
【0118】
ポイント910 - 二重螺旋アクティブファイバの板状ベース100にあるポイントである。本発明の幾つかの実施態様によれば、前記アクティブファイバは、二重螺旋アクティブファイバの板状ベース100に埋設された熱センサ、或いは冷却システム温度の変化又は散乱光スペクトルの変化を監視するための熱カメラの何れかを使用することによりポイント910で監視されてもよい。
【0119】
ポイント912 - モードストリッパにあるポイントである。本発明の幾つかの実施態様によれば、ポイント912におけるパワーは、ストリップされたレーザ信号光の変化を探るためのパワーメータ、光検出器、カメラ、或いは分光計を使用して容易に監視されうる。
【0120】
本発明の幾つかの実施態様によれば、温度変化は、ファイバに近接して接続されるか。或いはファイバ結合コンポーネントに直接接続される少なくとも1つの温度センサを使用して監視されてもよい。
【0121】
ポイント914 - 前記コイルがかなりの量のより高次元のモードをストリップする場合の突然の効率変化又はパワー低下を明確化するパワーメータ、或いは出力信号の時間的な変動を検出する光検出器付きのカメラ/開口部の何れかを使用してポイント914で監視されてもよい。
【0122】
また、これらコネクタは通常モードストリッパを含むため出力コネクタ708においても温度変化が監視されてもよい点に留意されたい。また、突然の温度変化を以ってTMIを示すこともありうる。
【0123】
本発明の幾つかの実施態様によれば、前記ファイバレーザの出力は、カメラ、光検出器、或いはレーザ効率の突然の低下、パワー損失、ビームプロファイルの変動、ビームパワーの時間的な変動、或いはモーダルコンテンツを検出するカメラを使用して監視されてもよい。また、特定のコンポーネント、即ちスプライスやモードストリッパの加熱を以ってTMIを示すこともありうる。
【0124】
本発明の幾つかの実施態様によれば、TMI閾値の監視は、ファイバコア内、即ちファイバ第1又は第2クラッド内でないストリップ光量を、不使用のポンプコンバイナ又はファイバタップを通じて、パワーメータ、第1光検出器、或いはカメラを以って監視することにより行われてもよい。
【0125】
また、前記クラッド内の光のスペクトルの監視は、例えばポンプダンプストリップスペクトルを監視することによりクラッド内にいつ信号が漏れたかを示してもよい。
【0126】
本発明の幾つかの実施態様によれば、二重螺旋アクティブファイバの板状ベース100は、アンプ、ファイバレーザ共鳴装置、或いはASEソースの一部であっても、少なくとも2つのスパイラルを含んでもよい点に留意されたい。
【0127】
更に、出力パワーがモーダル不安定性によって制限されるヒッポドローム構成に基づいたスパイラルとは異なり、本発明の二重螺旋アクティブファイバプレートの場合、出力パワーは、前記ヒッポドローム構成の出力パワーよりも少なくとも50%だけ高くなる一方、ポンプダイオード(スペクトル)及びポンプ寸法を一定に保っている点に留意されたい。