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▶ イー・エム・デイー・ミリポア・コーポレイシヨンの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-15
(45)【発行日】2023-02-24
(54)【発明の名称】閉鎖バイオプロセシングデバイス
(51)【国際特許分類】
   B01D 63/08 20060101AFI20230216BHJP
   B01D 63/00 20060101ALI20230216BHJP
【FI】
B01D63/08
B01D63/00 500
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021507777
(86)(22)【出願日】2019-08-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-09
(86)【国際出願番号】 US2019046159
(87)【国際公開番号】W WO2020036869
(87)【国際公開日】2020-02-20
【審査請求日】2021-04-15
(31)【優先権主張番号】62/719,014
(32)【優先日】2018-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/837,236
(32)【優先日】2019-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504115013
【氏名又は名称】イー・エム・デイー・ミリポア・コーポレイシヨン
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ジェームズ・スシエンカ
(72)【発明者】
【氏名】ジェレミー・ペロー
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・ゲリンジャー
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・ヒリアー
(72)【発明者】
【氏名】ジョゼフ・マルドゥーン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ポール・アマラ
【審査官】相田 元
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-519196(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0083654(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0060437(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/22
B01D 61/00-71/82
C02F 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ろ過媒体又は1つ以上の膜を備えた少なくとも1つのろ過パケットを含むろ過モジュールであって、前記少なくとも1つのろ過パケットは1つ以上の流体ポートを有し、前記1つ以上の流体ポートは、一次シール及び前記一次シールから離間した二次シールによって囲まれており、前記一次シール及び前記二次シールのそれぞれは、前記流体ポートの周りを独立してシールするように構成されている、ろ過モジュール。
【請求項2】
さらに、前記少なくとも1つのろ過パケットを挟む第1及び第2のエンドキャップを含み、前記第1及び第2のエンドキャップは、前記1つ以上の流体ポートと流体連通する少なくとも1つの流体チャネルを含む、請求項1に記載のろ過モジュール。
【請求項3】
前記少なくとも1つの流体ポートは、流体の流れを前記1つ以上のろ過パケットを通して第1の方向に向けるように構成され、前記少なくとも1つの流体チャネルは、前記流体の流れを前記第1の方向とは異なる第2の方向に向ける、請求項2に記載のろ過モジュール。
【請求項4】
前記第2の方向が前記第1の方向と直交する、請求項3に記載のろ過モジュール。
【請求項5】
前記1つ以上の流体ポートを覆うフィルムをさらに備える、請求項1に記載のろ過モジュール。
【請求項6】
前記フィルムは、前記1つ以上の流体ポートを覆う第1のフィルム層及び第2のフィルム層を形成するようにそれ自体に折り畳まれる、請求項5に記載のろ過モジュール。
【請求項7】
ろ過媒体又は1つ以上の膜を備えた1つ以上のろ過パケットをそれぞれ含む、複数のろ過モジュールであって、前記複数のろ過モジュールのうちの第1のろ過モジュールは第1の流体ポートを含み、前記第1の流体ポートは、第1の一次シール及び前記第1の一次シールから離間した第1の二次シールによって囲まれており;前記複数のろ過モジュールのうちの第2のろ過モジュールは第2の流体ポートを含み、前記第2の流体ポートは、第2の一次シール及び前記第2の一次シールから離間した第2の二次シールによって囲まれており、前記の第1及び第2のろ過モジュールが、前記第1の流体ポートと前記第2の流体ポートが整列するように圧力下で係合したとき、前記第1の二次シールは前記第2の二次シールに接触して、前記第1及び第2の流体ポートへの汚染物質の侵入を防止する、複数のろ過モジュール。
【請求項8】
前記パケット及び前記モジュールのそれぞれが無菌である、請求項7に記載の複数のろ過モジュール。
【請求項9】
前記第1のろ過モジュールは、前記第1及び第2のろ過モジュールを加圧下で係合する前に、前記第1の流体ポートを覆うフィルムを含む、請求項7に記載の複数のろ過モジュール。
【請求項10】
前記フィルムは、前記第1の流体ポートを覆う第1のフィルム層及び第2のフィルム層を形成するようにそれ自体に折り畳まれる、請求項9に記載の複数のろ過モジュール。
【請求項11】
前記フィルムにハンドルが取り付けられている、請求項9に記載の複数のろ過モジュール。
【請求項12】
さらに、前記複数のろ過モジュールを挟む第1及び第2のエンドキャップを含み、前記第1及び第2のエンドキャップは、前記第1及び第2の流体ポートと流体連通する少なくとも1つの流体チャネルを含む、請求項7に記載の複数のろ過モジュール。
【請求項13】
前記第1の流体ポートは、流体の流れを前記1つ以上のろ過パケットを通して第1の方向に向けるように構成され、前記少なくとも1つの流体チャネルは、前記流体の流れを前記第1の方向とは異なる第2の方向に向ける、請求項12に記載の複数のろ過モジュール。
【請求項14】
前記第2の方向が前記第1の方向と直交する、請求項13に記載の複数のろ過モジュール。
【請求項15】
複数の組立て済み、かつ滅菌済みのろ過モジュールを含むアセンブリであって、前記滅菌ろ過モジュールのそれぞれは、ろ過媒体又は1つ以上の膜を備えた少なくとも1つのろ過パケットを含み、前記少なくとも1つのろ過パケットは1つ以上の流体ポートを有し、前記1つ以上の流体ポートは、一次シール及び前記一次シールから離間した二次シールによって囲まれており、前記一次シール及び前記二次シールのそれぞれは、前記流体ポートの周りを独立してシールするように構成されている、ろ過モジュール。
【請求項16】
スペーサープレートは、第1及び第2の対向する表面を有し、前記スペーサープレートは、前記第1及び第2の対向する表面のそれぞれから、それぞれ径方向に突出する第1及び第2の部材を含み、各径方向生成部材は、環状シールを有する、請求項7に記載の複数のろ過モジュール。
【請求項17】
前記二次シールが前記一次シールと同心である、請求項1に記載のろ過モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2018年8月16日に出願された米国仮出願第62/719,014号及び2019年4月23日に出願された米国仮出願第62/837,236号に基づく優先権を主張し、それらの開示は、参照により全体的に本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
製造された材料が部屋の環境にさらされるバイオプロセシング操作では、製品の汚染(コンタミネーション)を避けるために常に制御及び滅菌する必要がある。したがって、このようなバイオプロセシング操作は、製品フィードストリームの汚染のリスクを最小限に抑えるために、管理・分類されたスペース(つまり「クリーンルーム」)で実行する必要がある。分類されたスペースは、構築、運用、及び保守に非常に費用がかかる。汚染を回避するための予防措置にもかかわらず、汚染事象が発生する可能性がある。汚染は、シャットダウン、クリーニング、及び再検証につながる可能性があり、それぞれに費用と時間がかかる。したがって、汚染リスクを最小限に抑えるために、バイオプロセシング機器及び材料は使用前に滅菌する必要がある。
【0003】
制御された環境を構築、運用、維持するために必要な費用と時間上の制約を考慮して、バイオ医薬品メーカーは、製造上のフレキシビリティ及び潜在的なコスト削減のため、バイオプロセシング操作を管理され、分類されていないスペース(すなわち、「グレースペース」)に移行したいという要望がある。既存のバイオプロセシングフィルタ、特に深層ろ過、タンジェンシャルフローろ過、ウイルスろ過デバイスは、使用前に滅菌することができるが、グレースペースでこれらのデバイスを使用すると、デバイスに1つ以上の開いた流体ポートが存在するため、バッグ又は他の包装容器から取り出すとすぐに無菌性が破られる。これらの流体ポートは、モジュール性、すなわち、バッチサイズ、製品属性などに応じて総ろ過面積、媒体グレード、又はその他の機能を変更する機能を可能にするために必要であり、したがって、それらを排除することは現実的ではない。
【0004】
したがって、組み立て前及びバイオプロセシング操作中に内部の無菌状態を維持できる、完全に密閉された滅菌ろ過デバイスが必要である。これらの閉鎖ろ過デバイスは、他のバイオプロセシング操作への無菌接続も必要とする場合がある。本明細書において、「無菌」は、約1CFU/mL未満の無菌レベルなど、有害な細菌、ウイルス、又は他の微生物によって引き起こされる汚染がないこととして定義される。
【0005】
従来のフィルタは個別のモジュールとして販売されており、エンドユーザーはそれらをホルダーに装着してアセンブリを圧縮し、シールをかみ合わせてシステムを拘束し、圧力下(例:~60psiの動作内圧)での操作を可能にする。しかしながら、そのようなシステムでは、例えば、ホルダーへの装着中にモジュール接続ポートが周囲環境に開放されるため、無菌性を維持することは不可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本明細書に開示される実施形態の目的は、複数のモジュールを相互接続してろ過アセンブリを形成することを可能にする、ろ過カセット又はエンドキャップに存在する1つ以上の流体ポートに適切かつ効果的なシールを提供することである。
【0007】
本明細書に開示される実施形態のさらなる目的は、輸送中などの無菌性を維持するために、それらの流体ポートにシールを有する複数のろ過カセット又はエンドキャップを含む、滅菌済みモジュールを提供することである。
【0008】
本明細書に開示される実施形態のさらなる別の目的は、バイオプロセシング操作におけるろ過に適したろ過デバイスを形成するために組み立てることができる複数の滅菌済みモジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本明細書に開示される実施形態は、いわゆる「下流処理」、例えば、バイオリアクターで収穫された材料から汚染物質を除去又は低減する処理(例えば、深層ろ過)などの閉鎖型バイオ処理を可能にするデバイスに関する。特定の実施形態では、デバイスは無菌流体の移動を可能にする。いくつかの実施形態では、デバイスは滅菌済みであり、単回使用に適合した使い捨てデバイスである。特定の実施形態では、デバイスは、事前に組み立てられた一連の個別のろ過パケットであり、そのそれぞれは、ろ過媒体及び/又は1つ以上の膜を備える。特定の実施形態では、事前に組み立てられた一連のパケットは、タイロッドに負荷がかけられた状態などで、特定の力、例えば、それぞれ300ポンドの張力がかかっている。パケットとエンドキャップを相互接続してモジュールを形成し、1つ以上のモジュールをマニホールドエンドキャップと一緒に保持してモジュール式アセンブリを形成し、デバイス間シールを係合して、1つ以上の流体ポートからの不要な侵入を防ぐことができる。完全に組み立てられたデバイスは、ガンマ線、オートクレーブ、蒸気処理、オゾン又はエチレンオキシド処理などによって滅菌され、デバイスの内部を滅菌することができる。その後の無菌接続をプロセスチューブに行うことができ、それにより、ろ過媒体又はプロセス流体のいずれかを汚染することなく、ろ過操作などの無菌流体の移送が可能になる。
【0010】
特定の実施形態では、1つ以上のろ過デバイスの1つ以上の流体ポートは、2つの別個あるいは独立したシールによって囲まれ得る。流体ポート自体は、ろ過媒体との間、又は1つ以上の膜との間の液体経路を提供することができ、又はベントなどのための気体経路を提供することができる。特定の実施形態では、一次シールは、流体ポートの周りに配置され、バイオプロセシング操作中に生成される高圧(例えば、30~60psi)に耐えることができる内部シールとして機能する。特定の実施形態では、二次シールも流体ポートを取り囲み、低圧/高コンプライアンスシールである外側シールとして機能する。特定の実施形態では、二次シールは一次シールと同心であるが、離間しており、一次シールよりも大きな直径を有する。いくつかの実施形態では、二次シールは、デバイスの輸送及び/又は取り扱い中にデバイス内部の無菌性を維持する。
【0011】
これらの機能により、管理され、分類されていないスペースで無菌的にバイオプロセシングステップを実行できる。その結果、機器は、製品が室内環境にさらされないように設計及び操作され得る。
【0012】
したがって、いくつかの実施形態では、ろ過モジュールが提供され、このモジュールは、ろ過媒体又は膜のスタックなどの1つ以上の膜を備えた少なくとも1つのろ過パケットを含み、前記少なくとも1つのろ過パケットは1つ以上の流体ポートを有し、前記1つ以上の流体ポートは、一次シール及び前記一次シールから離間した二次シールによって囲まれている。1つの流体ポートは、入口ポートであり得る。1つの流体ポートは出口ポートであり得る。1つの流体ポートはベントポートであり得る。
【0013】
より具体的には、いくつかの実施形態では、複数のろ過モジュールが提供され、それぞれが、ろ過媒体又は1つ以上の膜を備えた少なくとも1つのろ過パケットを含む。前記複数のろ過モジュールのうちの第1のろ過モジュールは、第1の一次シール及び前記第1の一次シールから離間した第1の二次シールによって囲まれている第1の流体ポートを含む。前記複数のろ過モジュールのうちの第2のろ過モジュールは、第2の一次シール及び前記第2の一次シールから離間した第2の二次シールによって囲まれている第2の流体ポートを含む。前記の第1及び第2のろ過モジュールが、前記第1の流体ポートと前記第2の流体ポートが整列するように圧力下で係合したとき、前記第1の二次シールは前記第2の二次シールに接触して、前記第1及び第2の流体ポートへの汚染物質の侵入を防止する。
【0014】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの流体ポートは、流体の流れを1つ以上のろ過パケットを通して第1の方向に向けるように構成され、モジュール内の複数のろ過パケットを挟むエンドキャップは、前記流体の流れを前記第1の方向とは異なる第2の方向に向け直す少なくとも1つの流体チャネルを含む。いくつかの実施形態では、前記第2の方向は、前記第1の方向と直交する。
【0015】
いくつかの実施形態では、フィルムは、1つ以上の流体ポートを覆い、モジュールが部分的に係合及び/又は部分的に圧縮されたときに除去することができる。
【0016】
特定の実施形態では、組立て済み、かつ滅菌済みのモジュール式デバイスが提供され、複数のろ過モジュールが含まれ、各ろ過モジュールは1つ以上のろ過パケットを含む。1つ以上のモジュールを相互接続でき、ラックに保管及び/又は輸送できる。
【0017】
いくつかの実施形態では、ろ過媒体のない(すなわち、媒体及び膜のない)スペーサープレートを、2つのろ過モジュールの間に配置することができる。スペーサープレートは、組み立てられた状態のときにエンドキャップ内の流体ポートのそれぞれと整列するようにそれぞれ構成及び配置された1つ以上の流体ポートを有することができる。特定の実施形態では、スペーサープレートの流体ポートのそれぞれは、一次及び二次シールを有する。特定の実施形態では、スペーサープレートは、スペーサープレートの対向する前面及び背面から径方向外向きに延びる1つ以上のコラジアル環状シールを有し得る。各コラジアルシールは、ガスケットなどの環状シールを有する径方向に突出する部材を含み得る。
【0018】
本明細書に開示される実施形態の追加の特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び特許請求の範囲に記載される。当業者には明らかであるように、その精神及び範囲から逸脱することなく、多くの修正及び変形を行うことができる。前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明、特許請求の範囲、ならびに添付の図面は、例示的かつ説明的なものにすぎず、本教示の様々な実施形態の説明を提供することを意図していることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1A】特定の実施形態における、内側及び外側の流体ポートシールを有するろ過モジュールの斜視図である。
図1B】特定の実施形態における、内側及び外側の流体ポートシールを有する流体ポートの断面図である。
図2A】特定の実施形態における、2つの整列したろ過モジュールの断面図である。
図2B】特定の実施形態における、間に許容可能なギャップを有する2つの整列したろ過モジュールの断面図である。
図3】特定の実施形態における、ホルダーに装着されたろ過アセンブリの斜視図である。
図4】特定の実施形態における、部分的に組み立てられた状態の複数のモジュール及びマニホールドエンドキャップの分解図である。
図5】特定の実施形態における、組み立てられた状態の複数のモジュール及びマニホールドエンドキャップの断面図である。
図6】特定の実施形態における、マニホールドエンドキャップの分解図である。
図7A】特定の実施形態における、流体の流路を示すろ過モジュールの斜視図である。
図7B】特定の実施形態における、流体の流路を示すろ過モジュールの別の斜視図である。
図8】特定の実施形態における、流体ポートに一時的で取り外し可能なシールを提供するフィルムを有するろ過モジュールの斜視図である。
図9図9A、9B及び9Cは、特定の実施形態における、図8に示される一時的なシールの除去を示す概略図である。
図10A】特定の実施形態における、スペーサープレートの斜視図である。
図10B図10Aのスペーサープレートの断面図である。
図11A】特定の実施形態における、スペーサープレートの代替実施形態の斜視図である。
図11B図11Aのスペーサープレートの一部の上面図である。
図11C】特定の実施形態における、2つのろ過モジュールの間に示される図11Aのスペーサープレートの上面図である。
図11D】特定の実施形態によるデバイス内に配置された、図11Aのスペーサープレートの断面図である。
図12A】特定の実施形態における、取り付けクリップを備えたスペーサープレートの斜視図である。
図12B図12Aのスペーサープレートを含むモジュールの斜視図である。
図12C図12Aのスペーサープレートの断面図である。
図13】特定の実施形態における、TC型アダプタを備えた修正されたエンドキャップの断面図である。
図14A】特定の実施形態における、一体化された二重目的シールの斜視図である。
図14B】内部が見えるように切片された、図14Aの二重目的シールの一部の斜視図である。
図14C図14Aの二重目的シールの断面図である。
図15】特定の実施形態における、チュービングマニホルドを備えた閉鎖ポッドの斜視図である。
図16A】特定の実施形態における、チュービングマニホルドを備えた複数の閉鎖ポッドの斜視図である。
図16B図16Aの実施形態の第1の断面図である。
図16C図16Aの実施形態の第2の断面図である。
図17】特定の実施形態における、異なる媒体グレードからなるろ過ユニットの斜視図である。
図18図18A及び18Bは、特定の実施形態における、ろ過デバイスを保持するためのラックの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書に開示される構成要素、プロセス、及びデバイスのより完全な理解は、添付の図面を参照することによって得ることができる。これらの図は、本開示の利便性及び実証の容易さに基づく単なる概略図であり、したがって、デバイス又はそのコンポーネントの相対的なサイズ及び寸法を示すこと、及び/又は例示的な実施形態の範囲を定義又は制限することを意図するものではない。
【0021】
以下の説明では、明確にするため特定の用語を使用しているが、これらの用語は、図面で説明するために選択した実施形態の特定の構造のみを指すことを意図しており、開示の範囲を定義又は制限することを意図するものではない。以下の図面及び以下の説明において、同様の符号は、同様の機能の構成要素を指すことを理解されたい。
【0022】
単数形「a」、「an」、及び「the」には、文脈で明確に指示されていない限り、複数の指示対象が含まれる。
【0023】
本明細書で使用されているように、さまざまなデバイス及び部品は、他のコンポーネントを「comprising」(「含む」)と説明される場合がある。「comprise(s)」、「include(s)」、「having」、「has」、「can」、「contains(s)」という用語、及びそれらの変形は、本明細書で使用される場合、追加のコンポーネントの可能性を排除しない、オープンな移行句、用語、又は単語であることが意図されている。
【0024】
図1A及び1Bを参照すると、特定の実施形態におけるフィルタモジュール100が示されている。フィルタモジュール100は、複数の剛性フィルタパケット10のアセンブリであり得、そのそれぞれは、各パケット10に形成された1つ以上の流体チャネルへの流体連通を提供する1つ以上の流体ポート12を含む。示される実施形態では、10個のそのようなパケット10が存在するが、それより少ない又はより多いパケット10をモジュール100を形成するために使用できる。フィルタモジュール100はまた、それらの間にパケット10を一緒に挟む2つの対向する剛性エンドキャップ10’を含む。パケット10及びモジュール100は、使い捨てのデバイスであり得、プラスチック、ポリカーボネート、又はポリプロピレンなどのポリオレフィンなどの滅菌可能な適切な材料で作られ得る。
【0025】
特定の実施形態では、複数の個別のパケット10を直列に配置してモジュール100を形成し、相互接続して、それぞれの流体ポート12を介してそれらの間の流体連通を提供することができる。ろ過デバイスを形成するために相互接続することができる複数のパケット10及び複数のモジュール100を備えたモジュール式デバイスを組み立てることができる。デバイスは、ラックなどに保管及び/又は輸送することができる。特定の実施形態では、流体ポート12の1つは、液体サンプルをアセンブリに導入するための入口ポートであり得、1つ以上は、アセンブリから液体サンプルを除去するための出口ポートであり得、1つ以上は、アセンブリから空気などのガスを排出するためのベントポートであり得る。
【0026】
フィルタパケット10のうちの1つ以上は、深層ろ過、接線流ろ過、クロスフローろ過などに適した媒体などの媒体を含み得る。例示的な深層ろ過媒体には、珪藻土、セルロース、活性炭、ポリアクリル繊維、及びシリカが含まれ、例えば、MilliporeSigmaによってClarisolve(登録商標)及びMillistak+(登録商標)の名前で販売されているものがある。フィルタパケット10のうちの1つ又は複数は、膜のスタックなどの1つ以上の膜を含み得る。当業者に知られているような、フィルタモジュール100を通る1つの典型的な流体の流路が、図7A及び7Bに示されている。示される実施形態では、流体は、入口流体ポート12に入り、パケット本体を横切って形成されたチャネル15に流れ込み、次に、チャネル15に形成された小さなスリット17を下って媒体又は膜25の上流側に流れる。次に、流体は、媒体又は膜25を通って流れ、媒体又は膜25の下流側のチャネルに配置された同様のスリットに入り、図7Bに見られるように、出口流体ポート12から流出する。
【0027】
特定の実施形態では、モジュール100の流体ポート12のうちの1つ以上は、2つのシールによって囲まれるか、又は覆われる。好ましくは、流体ポート12のそれぞれは、2つのシールに囲まれ、好ましくは、シールは、流体ポート12の入口(又は出口)開口部を囲み、したがって、エンドキャップ10’上に配置される。特定の実施形態では、内側の一次シール20及び外側の二次シール30が存在する。いくつかの実施形態では、一次シール20は、流体ポート12の入口(又は出口)開口部により近い。すなわち、それは、流体ポート12の軸方向ボア(反対側のエンドキャップ10’の間に延びるボア)に対して、二次シール30の径方向内側に配置される。いくつかの実施形態では、一次シール20及び二次シール30のそれぞれはガスケットである。一次シール20は、バイオプロセシング操作(例えば、ろ過)中に発生する高圧(例えば、30~60psi)に耐えられる必要がある。特定の実施形態では、二次シール30は、低圧/高コンプライアンスシールとして外側シールである。この二次シール30は、バイオプロセシング操作中に発生する高圧に耐えることができる必要はなく、その主な目的は、デバイスの輸送及び/又は取り扱い中の流体ポート12の汚染を軽減又は防止することである。特定の実施形態では、二次シールは一次シールと同心であり、そこから離間しており、一次シール20よりも大きな直径を有し、一次シール20よりも長い距離だけエンドキャップ10’から外向きに延びる(図1B参照)。いくつかの実施形態では、二次シールは、デバイスの輸送及び/又は取り扱い中にデバイス内部の無菌性を維持する。適切な一次シールは、熱可塑性加硫物(TPV)製であり得、約35~45、より好ましくは約38~42の範囲、最も好ましくは約42の硬度値(ショアA)を有し得る。適切な二次シールは、約25~35、好ましくは約28~32の範囲など、一次シールの硬度値よりも低い硬度値(ショアA)を有し得る。特定の実施形態では、各シールは、摩擦嵌合によって、及び/又は接着剤を用いて、エンドキャップ10’に形成された対応する溝201、301(図1B)に固定される。
【0028】
複数のモジュール100~100Nが直列に配置されている場合、図2A及び2Bに部分的に示されているように、第1のモジュール100の第1のエンドキャップ10’からの1つ以上の流体ポート12は、第2のモジュール100Aの第2のエンドキャップ10’の対応する第2の流体ポート12’と整列される。第2のモジュール100Aの第2の流体ポート12’はまた、内側の一次シール20’及び外側の二次シール30’を含む。第1のモジュール100を第2のモジュール100Aと整列するとき、図2Aに示される断面のように、第1のモジュール100からの外側二次シール30は、第2のモジュール100Aからの外側二次シール30’と整列し、接触する。結果として、外側の二次シール30及び30’は、動作圧力よりも著しく低い圧力下であっても、一緒に流体ポート12への侵入バリアを形成する。図2Bに見られるように、外側の二次シール30及び30’のサイズ、位置、及び構成は、第1のモジュール100と第2のモジュール100Aとの間に小さなギャップが存在する場合でも、この侵入バリアを形成するのに十分であり、一方、一次内側シール20、20’は、輸送及び/又は取り扱い中に互いに接触しなくてよい。すなわち、外側の二次シール30及び30’は、それぞれの一次シール20及び20’よりもそれぞれのエンドキャップ10’から外向きに延びる距離が大きいため、モジュールが整列されるときに、一次シール20と20’が互いに接触する前に、二次シール30及び30’は互いに接触する。
【0029】
図3及び4に示されるように、特定の実施形態では、個々のモジュール100、100A、100Bなどが組み立てられ、各端部でマニホールドエンドキャップ150と共に相互接続されて、連続的な密封された流体流路を形成し得る。この閉鎖で連続的な流体の流路は、エンドユーザーに出荷する前などに滅菌し得る。外側のシール30及び30’は、無菌性を維持するように機能する。次に、エンドユーザーは、この組立て済み、滅菌済みのアセンブリを適切なホルダー200に装着し、無菌-無菌コネクタ、無菌チューブ溶接機などを使用して、対応の流路に無菌的に接続することができる。
【0030】
特定の実施形態では、図4及び5に最もよく見られるように、タイロッド40などを使用して、個々のフィルタモジュール100、100A、100Bなどのアセンブリを取り付け、拘束し、張力をかけることができる。タイロッドは、熱可塑性樹脂など、これらの機能を果たすのに適した任意の材料で作ることができ、挿入できる。いくつかの実施形態では、タイロッド40は、複数のフィルタモジュール100の適切な開口を通して配置され、ボルト、ファスナなどによって固定され、モジュール100を圧縮し、対向する外側二次シール30、30’を互いに接触させ、それぞれのフィルターポート12に必要な無菌バリアを提供する。タイロッド40は、圧縮を維持し、したがって輸送、取り扱い、保管及び/又は設置中にモジュールの完全性を維持するために、油圧ポンプなどで所定の張力/圧力を事前に付加することができる。好ましくは、十分な引張力が生成され、二次シール30のそれぞれが、輸送及び取り扱いプロセス全体を通して係合し、無傷のままであることを確実にする。適切な力は、例えば約300lbfである。タイロッド40の代わりにバンド又はクリップを使用して、同じ機能を果たすことができる。
【0031】
特定の実施形態では、図6に示されるように、マニホールドエンドキャップ150のうちの1つ以上は、流体の流路を、法線方向(一列のデバイスのアセンブリに平行)から直交方向(一列のデバイスのアセンブリに垂直)にするなど、共通の方向に迂回又は方向転換させるように構成され得る。これにより、アセンブリ全体(チューブ、フィッティング、コネクタなどを含む)を出荷及び滅菌用の標準パレットに収めることができ、付属機器への接続が容易になる。特定の実施形態では、1つ以上のエンドキャップ150は、例えば、プレート151及び本体152などの2つの成形部品から構築され、一緒に溶接され得る。本体152の内部には、チャネル160及び161があり、それぞれは、示されるように、流れをX方向からY方向に向け直すように角度が付けられている。流路は、示されているようにホースバーブフィッティング70、又はトライクローバー(Tri-Clover:TC)若しくはサニタリーフィッティングなどの他の適切なフィッティングなどで終端することができる。好ましくは、流路フィッティングは、ろ過媒体又はプロセス流体のいずれかを汚染するリスクなしに、ろ過デバイスとプロセスチューブなどとの間に無菌接続を行う方法を提供する。MilliporeSigmaから市販されているLYNX(登録商標)S2S及びCDRコネクタなどのフィッティングを含めることができる。さらに、図3、4、6、17に示されるフィルタ入口、ベント、及び出口ポートは、標準のホースバーブ70、サニタリーフランジコネクタ(TCコネクタ)、又は当技術分野で知られている市販の無菌-無菌コネクタ(例えば、AseptiQuik(登録商標)G(Colder Products Corp)、ReadyMate使い捨て無菌コネクタ(GE Healthcare)、又はKleenpak(登録商標)Presto滅菌コネクタ(Pall Corp.)など)のいずれかであり得る。
【0032】
特定の実施形態では、組立て済み、かつ滅菌済みのモジュールアセンブリを、ステンレス鋼ホルダーなどのホルダー200(図3)に装着することができ、油圧を加えて、アセンブリをバイオプロセシング操作に必要な適切な操作/作業圧力にすることができる。そのような圧力は、内側の一次ガスケットシール20の間に十分な圧縮を提供し、それにより、アセンブリ内の各フィルタデバイスモジュール間の液密接続を可能にする。
【0033】
図8を参照すると、フィルム300を使用して、フィルタモジュール内の1つ以上の流体ポート12を保護する実施形態が示されている。フィルムは、蒸気透過性又は蒸気不透過性のいずれかの材料から構成され得る。適切な材料の1つは、デュポン社からのTYVEK(登録商標)という名前で販売されているフラッシュスパン高密度ポリエチレン繊維である。フィルム300は、接着剤、熱結合、又は他の適切な手法を使用して、デバイスハウジング(例えば、エンドキャップ10’)に貼り付けられるか、又は密封され得る。フィルム300は、それが関連付けられている流体ポート12を完全に覆うような寸法にされるべきである(図8では、シール20、30は、フィルム300を通して見ることができるが、これは、シール20及び30の位置を示すために明確にするためにこのように描かれているのであって、フィルム300は、流体ポート12及びシール20及び30(存在する場合)を覆うことを意図していることを理解されたい)。
【0034】
特定の実施形態では、フィルム300は、それらを除去するために必要な引っ張り力を低減又は最小化し、流体ポート12への微生物の侵入の可能性を最小化するために、それ自体に折り畳まれ、フィルムの汚染されている可能性のある面がデバイス内部に露出しないようにする。図9A、9B及び9Cは、適切な折り畳まれたフィルムの一実施形態を示す。したがって、図9Aに示されるように、フィルム300は、流体ポートを介してエンドキャップ本体に取り付けられる。示される実施形態では、一次及び二次シール20、30の両方が存在するが、二次シール30を使用しなくてもよいことは当業者には理解されるであろう。フィルムは、301で取り付けの下部領域で折り畳まれ、次にそれ自体の上に延在し、したがって、流体ポート12上に第2のフィルム層を形成する。これは、無菌性を確保するのに役立ち、フィルムを取り除くために必要な引っ張り力も減らす。好ましくは、外側の重なり合う層は、示されるようにパケット本体の上に延在し、また、適切な時間にパケットからフィルムを除去するためにフィルムを手動で把持及び引っ張ることを容易にし、モジュールのより人間工学的な取り扱いを提供するためのハンドル305を含むことができる。図9Bは、それぞれの流体ポート12間の流体連通を可能にするために一緒にされた2つのモジュール上のフィルム300を示す。ハンドル305は、フィルムを除去するために矢印400の方向に引っ張られる。図9Cでは、各モジュールからの折り畳まれたフィルムは、それらが同時に引っ張られるときに一緒にスライドする。一次シール20が露出されると、それらはそれらの通常の(シールによって圧縮されていない)寸法まで径方向に拡張し、互いに係合し、シールの完全性を維持する。フィルム300の除去は、無菌的にフィルタモジュール間の流路を開くのに役立つ。ハンドル305は、整列及び接続を助けるために、クリップ及び/又は整列ペグなどを有することができる。
【0035】
特定の実施形態では、フィルム300が所定の位置にある個々のフィルタモジュール100は、図3に示されるステンレススチールホルダー200などのホルダーに装着される。これにより、各デバイスの流体ポート12はそれぞれ整列される。ホルダー200の油圧は、中間状態(例えば、100~500psi)に増加して、デバイスの一次シール20と係合し、フィルム300の容易な除去を依然として可能にしながら、一体型シールを作成することができる。
【0036】
特定の実施形態では、1つ以上のスペーサープレート350(図10A及び10B)は、ろ過ユニット内の隣接するモジュール100の2つ以上の個別のエンドキャップ10’の間に配置され得る。特定の実施形態では、各スペーサープレート350は、ろ過要素を欠いている(すなわち、媒体を欠いており、膜を欠いている)。スペーサープレート350は、1つ以上の流体ポート12’を有し得、好ましくは、エンドキャップ10’が有するのと同じ数の流体ポート12’を有する。流体ポート12’のそれぞれは、組み立てられた状態にあるとき、エンドキャップ10’内の流体ポート12のそれぞれの1つと整列するように構成及び配置される。特定の実施形態では、スペーサープレート350の流体ポート12’のそれぞれは、図10Bに最もよく見られるように、各流体ポート12’の周りに配置され、スペーサープレート350の対向する前面及び背面から径方向外向きに延びる、二次的な同心の大径ガスケット30’(コンプライアンスの高いエラストマー材料製であることが好ましい)を有する。これらのガスケットは、ガスケット30と同じ材料で作ることができ、溝に押し込むか、及び/又は接着剤で固定することができる。したがって、スペーサープレート350は、必要な二次シールを別個の固定具に組み込む。
【0037】
図11A、11B、11C及び11Dは、1つの変形スペーサープレート350’を示す。スペーサープレート350と同様に、各スペーサープレート350’は、ろ過要素を欠いている(すなわち、媒体を欠いており、膜を欠いている)。この実施形態では、スペーサープレート350’は、図11Bに最もよく見られるように、スペーサープレート350’の対向する前面及び背面から径方向外向きに延びる1つ以上のコラジアル環状シール360を有する。各コラジアルシールは、環状ガスケット362を有する径方向に突出する部材361を含む。好ましくは、スペーサープレート350’は、エンドキャップ10’が有する流体ポート12の数と同じ数のコラジアル環状シール360を有する。コラジアル環状シール360のそれぞれは、組み立てられた状態にあるとき、エンドキャップ10’内の流体ポート12のそれぞれの1つと整列するように構成及び配置され得る。スペーサープレート350’は、デバイスの入口、出口、及びベントポートに挿入されるように構成することができ、それにより、コラジアル環状シールは、輸送、取り扱い、及びセットアップに必要な気密/閉鎖/滅菌環境シールを提供する。図11Dに示されるように、スペーサープレート350’はまた、ガスケット361と同じ材料で作製され得る一次シール20’を含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、図12A、12B及び12Cに示されるように、スペーサープレート350’(又は350)は、隣接するデバイスへの接続を容易にするために(タイロッドなどを使用する代わりに、又はそれに加えて)、1つ以上のクリップ370などを含み得る。示される実施形態では、合計4つのクリップがあり、上面に2つ、下面に2つであるが、当業者は、より少ない又はより多く使用できることを理解するであろう。示される実施形態では、クリップ370は、概してL字形であり、パケット上に存在する既存の溝/チャネルと係合することができ、又は変形のデバイスに設計された特別に設計された受け入れスロット/溝/チャネルに適合し得る。
【0039】
図13は、チューブを接続することができるTCタイプ(トライクローバー)アダプタ275を含むエンドキャップ10’の代替の実施形態を示す。チューブは、LynxS2Sコネクタなどの適切な滅菌コネクタで終端することができる。アダプタ275を1つ又は複数の流体ポート、好ましくはエンドキャップのすべての流体ポートに直接に一体化/事前取り付けし、適切な滅菌コネクタで終端されたチューブピグテール又はチューブを取り付けることによって、デバイスは、従来の構成どおりにデバイス間の流体経路を保持しながら、機能的に閉鎖になる。
【0040】
図14A、14B、及び14Cは、一次シール及び二次シールが単一のシール500に一体化されている代替の実施形態を示している。特定の実施形態では、一体型シール500は、一次シール20と同じ範囲を占めるように構成され、デバイスが低いクランプ力(例:輸送、取り扱い、セットアップ中)で気密性、閉鎖性、及び/又は無菌性を維持し、高いクランプ力(例:高圧操作中)で液密性を実現する二重機能設計を組み込んでいる。特定の実施形態によれば、シール500の一部は、閉鎖系及び無菌性を維持するために必要な高いコンプライアンスを提供し、シール500の他の部分は、高い液圧操作に耐えるのに必要な低いコンプライアンスを提供する。特定の実施形態では、一体型シール500は、高いコンプライアンスを提供し、閉鎖性/無菌性を維持する中空部分501と、低いコンプライアンスを提供し、動作圧力に耐える中実部分502とを含む。特定の実施形態では、一体型シール500は、流体ポートの表面から径方向外向きに、隣接するデバイス上の対向する一体型シールと接触して一体型環境/滅菌シールを形成するのに十分な距離だけ延びる。他の実施形態は、2つのシールが一体化されておらず、むしろ放射状に上下に配置されている二重機能シールを含む。特定の実施形態では、一体型シール500は、熱可塑性加硫物(TPV)製であり得、約35~45、より好ましくは約38~42の範囲、最も好ましくは約42の硬度値(ショアA)を有し得る。
【0041】
特定の実施形態では、それぞれが一体型ホースバーブを備えた単一のエンドプレートマニホールドを利用する、組立て済みの深層ろ過ユニット(例えば、1、2、3、又は6個のポッドを含む)を形成することができる。当業者は、ホースバーブが適切な無菌-無菌コネクタフィッティングで終端できることを認識するであろう。次の表には、フィルタ面積の合計、ホルダーごとの計算単位、及び各例の推定バッチ量の計算例が含まれる。
【0042】
【表1】
【0043】
これらの特定のデバイスは、図1及び図2に示されるものなど、2つの同心のガスケット/シールを含む変形エンドキャップを使用して、又は図10A、11A若しくは12Aに示されるようなスペーサープレートを使用して、又は図14Aに示されるような二重目的ガスケットを使用して構築され得る。これらのデバイスは、内部タイロッド(例えば、図4及び5)、又は外部金属ストラップ/バンド、又は図12Aに示されるプラスチッククリップと一緒に保持され得る。
【0044】
特定の実施形態では、組立て済みのろ過ユニットは、図17に示されるように、単一のユニットに含まれる複数の媒体グレードで形成され得る。示される実施形態では、ユニット100”の左/後部は2つのデバイスを有し、それぞれが比較的開いた細孔構造の媒体グレードを含み、一方、ユニット100”の右/前部は、比較的タイトな媒体グレードを含む1つのデバイスを有する。このアセンブリでは、複数の媒体グレードを1つのホルダーに装着できる。これらのデバイスは、図1及び図2に示される2つの同心のガスケット/シールを含む変形エンドキャップを使用して、又は図10A、11A若しくは12Aに示されるようなスペーサープレートを使用して、又は図14Aに示されるような二重目的ガスケットを使用して構築され得る。これらのデバイスは、図4及び5に示される内部タイロッド、又は外部金属ストラップ/バンド、又は図12Aに示されるプラスチッククリップと一緒に保持され得る。
【0045】
本発明の一実施形態の図は、図15、16A、16B及び16Cに示されるように、再ルーティングされた入口/出口/通気口を備え、ホースバーブ70又は他の適切なフィッティングで終端された変形エンドキャップ10”を有する、変形ポッドデバイス100’を含む。図15は、閉鎖入口/出口/ベントポートを提供するデバイスエンドキャップ10”を示す。当業者は、適切な滅菌コネクタ96(図13のように)を備えたチューブ95が、ホースバーブ70又は他の適切なフィッティングに取り付けられ得ることを認識するであろう。デバイスのベントポートは、例えばMilliporeSigmaから市販されているAervent(登録商標)-50フィルタを使用して無菌状態に保つことができる。この実施形態は、スペーサープレートもコラジアル環状シールも必要としない。ポート自体は、両方のエンドキャップ10”(1つを示している)を変形して、通常の流れ方向に開いているポートがないようにすることで、閉鎖/ブラインドオフされる。さらに、1つのエンドキャップ10”は、3つの流路すべてが垂直に(法線方向に直交して)向け直され、コネクタ(例えば、図15に示されるホースバーブ70又は他の適切なコネクタ)で終端するように変形される。入口、出口、及びベントポートは、垂直に向けられた入口、出口、及びベントホースバーブ70と流体連通している。適切な流体の流路が、図16B及び16Cに示されている。
【0046】
このタイプの設計の利点は、ポッド間の「接続」流体パスがすべて外部チューブマニホールドに向け直されるため、これにより、使用するまで閉鎖で無菌状態に保つ必要がある通常の方向に開いたポートがあるという問題を回避できる。これはまた、ポッドフォーマットのモジュール性を維持し、ホルダー/ラックに収まる限り、任意の数、サイズ、又はタイプのポッドを直列にリンクすることができる(図16)。
【0047】
図18A及び18Bは、パレット上に組立て済みユニットを装着する前(図18A)及び後(図18B)のプロセススケールラック600を示している。当業者は、図18A及び18Bに示されるような1つのマニホルドエンドプレート又は2つのマニホルドエンドプレートを有するものを含む、組立て済みのユニットの多くの異なる構成が使用され得ることを理解するであろう。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図11D
図12A
図12B
図12C
図13
図14A
図14B
図14C
図15
図16A
図16B
図16C
図17
図18A
図18B