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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-15
(45)【発行日】2023-02-24
(54)【発明の名称】タバコ産業製品用パッケージ
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/10 20060101AFI20230216BHJP
   B65D 75/58 20060101ALI20230216BHJP
【FI】
B65D85/10
B65D75/58
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2021509817
(86)(22)【出願日】2019-08-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-15
(86)【国際出願番号】 GB2019052340
(87)【国際公開番号】W WO2020039184
(87)【国際公開日】2020-02-27
【審査請求日】2021-03-30
(31)【優先権主張番号】1813734.9
(32)【優先日】2018-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】1819133.8
(32)【優先日】2018-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】500252844
【氏名又は名称】ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BRITISH AMERICAN TOBACCO (INVESTMENTS) LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100183782
【弁理士】
【氏名又は名称】轟木 哲
(72)【発明者】
【氏名】ルイス、ステファン
(72)【発明者】
【氏名】マシューズ、ポール
(72)【発明者】
【氏名】グラーム ムスタファ、アイザック
【審査官】小原 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-502353(JP,A)
【文献】特表2018-508423(JP,A)
【文献】米国特許第04718553(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0029187(US,A1)
【文献】特表2016-517376(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0118713(US,A1)
【文献】米国特許第04911302(US,A)
【文献】特表2010-527854(JP,A)
【文献】特開2014-154084(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/10
B65D 75/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タバコ産業製品を保持するパックとパックを包む外方ラッパーとを含み、前記外方ラッパーは、取り除き可能な部分を含み、この部分はそれが取り除かれるまでパックを開口しないようにするために配されているタバコ産業製品用パッケージであって、
前記外方ラッパーは、その外方ラッパーを取り除き可能な部分と該外方ラッパーのもう一方の部分に分離するように構成された開封テープを含み、該開封テープは不正開封防止機能部を含み、該不正開封防止機能部はパックに貼り付けられた前記開封テープの取り外し可能部分であり、該取り外し可能部分は前記開封テープを取り除いた際にパックに貼り付けられたままである、パッケージ。
【請求項2】
前記開封テープの取り外し可能部分は、前記開封テープの拡大された部分と、前記取り外し可能部分と前記開封テープの残りの部分との境界を定める脆弱線とを含むことを特徴とする請求項1記載のパッケージ。
【請求項3】
タバコ産業製品を保持するパックとパックを包む外方ラッパーとを含み、前記外方ラッパーは、取り除き可能な部分を含み、この部分はそれが取り除かれるまでパックを開口しないようにするために配されているタバコ産業製品用パッケージであって、前記パックと前記取り除き可能な部分の一方は、不正開封防止機能部を含み、前記機能部は、取り除き可能な部分がパックから取り除かれた後、他方の前記パックまたは取り除き可能な部分に貼り付いたままであるように構成されており、
前記パックは前記不正開封防止機能部を含み、前記機能部はパックの取り外し可能部分であり、前記取り外し可能部分は、前記パックから前記取り除き可能な部分が取り除かれた際に前記取り外し可能部分が前記パックから取り外されるように前記外方ラッパーの前記取り除き可能な部分に貼り付けられており、前記取り外し可能部分は前記パックの脆弱線によって画定される、パッケージ。
【請求項4】
前記外方ラッパーの取り除き可能な部分は、前記取り除き可能な部分を取り除きやすくために配された開封テープを含むことを特徴とする請求項3記載のパッケージ。
【請求項5】
前記取り外し可能部分は前記パックの表面層を含むことを特徴とする請求項3または4記載のパッケージ。
【請求項6】
前記パックは前記取り外し可能部分の下に位置する証印を含み、前記取り外し可能部分を取り外した際に前記証印が露出するようになっていることを特徴とする請求項記載のパッケージ。
【請求項7】
前記取り外し可能部分は前記開封テープに沿った位置に取り付けられていることを特徴とする請求項4または請求項4に従属する請求項5もしくは6いずれか1項記載のパッケージ。
【請求項8】
前記パックは本体と蓋とを含み、これら本体と蓋とによって前面、後面および対向する側面を有する平行6面体を画定し、前記蓋は前記パックの前記後面を横切って延びたヒンジで前記本体にヒンジ式に取り付けられ、前記不正開封防止機能部は前記パックの対向側面の1つに配置されていることを特徴とする請求項1乃至いずれか1項記載のパッケージ。
【請求項9】
前記パックの前記蓋と前記本体は蓋の閉鎖線で合わさり、前記不正開封防止機能部は前記パックの前記対向側面の1つの前記蓋の閉鎖線に隣接して配置されることを特徴とする請求項記載のパッケージ。
【請求項10】
前記パックは対向する端面をさらに含み、前記パックの前記対向する側面の蓋の閉鎖線は前記対向する端面に対して角度が付けられていることを特徴とする請求項記載のパッケージ。
【請求項11】
タバコ産業製品を保持するパックとパックを包む外方ラッパーとを含み、前記外方ラッパーは、取り除き可能な部分を含み、この部分はそれが取り除かれるまでパックを開口しないようにするために配されているタバコ産業製品用パッケージであって、前記パックと前記取り除き可能な部分の一方は、不正開封防止機能部を含み、前記機能部は、取り除き可能な部分がパックから取り除かれた後、他方の前記パックまたは取り除き可能な部分に貼り付いたままであるように構成されており、
前記不正開封防止機能部は、前記外方ラッパーの取り除き可能な部分の下に位置するパックの面に印刷される熱活性化インクを含み、前記熱活性化インクは当該インクが前記外方ラッパーの取り除き可能な部分とともにパックから取り除かれるように前記外方ラッパーの取り除き可能な部分に付着されており、前記熱活性化インクの下に配置された剥離層をさらに含み、前記剥離層は、前記パックから前記外方ラッパーの取り除き可能な部分を取り除いた際に前記熱活性化インクが一部の熱活性化インクをパック上に証印の形体で残しながら前記剥離層の領域で前記パックから取り除かれるように証印のネガに印刷されている、パッケージ。
【請求項12】
前記外方ラッパーは前記不正開封防止機能部で前記パックに貼り付けられることを特徴とする請求項11記載のパッケージ。
【請求項13】
前記外方ラッパーは前記不正開封防止機能部で前記パックに直接貼り付けられることを特徴とする請求項12記載のパッケージ。
【請求項14】
前記外方ラッパーは前記不正開封防止機能部前記パックの表面に貼り付けられることを特徴とする請求項12または13記載のパッケージ。
【請求項15】
前記外方ラッパーの取り除き可能な部分は前記取り除き可能な部分を取り除きやすくために配された開封テープを含むことを特徴とする請求項11乃至14いずれか1項記載のパッケージ。
【請求項16】
前記外方ラッパーは前記パックの周囲でヒートシールされ、前記熱活性化インクは、前記外方ラッパーに前記ヒートシールを形成することで前記熱活性化インクが前記外方ラッパーに付着するように前記外方ラッパーのヒートシールされた領域の下に配置されることを特徴とする請求項11乃至15いずれか1項記載のパッケージ。
【請求項17】
前記熱活性化インクは証印を印刷していることを特徴とする請求項11乃至16いずれか1項記載のパッケージ。
【請求項18】
前記証印は、前記パックから前記熱活性化インクを除去して、パック上の熱活性化インクが無くなることによって証印が形成されるように同一のまたは類似の色を有する領域に印刷されることを特徴とする請求項17記載のパッケージ。
【請求項19】
前記証印は文章、例えば「Pack Opened」と記載した文章であることを特徴とする請求項17または18記載のパッケージ。
【請求項20】
前記外方ラッパーの取り除き可能な部分は前記パックの端面を覆い、前記熱活性化インクはその前記パックの端面に配置されることを特徴とする請求項11乃至19いずれか1項記載のパッケージ。
【請求項21】
請求項11記載のパッケージを形成する方法であって、
タバコ産業製品パックに熱活性化インクを供することと、
前記タバコ産業製品パックの周囲を外方ラッパーで包むことと、
前記外方ラッパーを前記熱活性化インクで前記パックに取り付けられるように前記熱活性化インクと一致する位置で前記外方ラッパーをヒートシールすることとを含む形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタバコ産業製品、例えば紙巻きタバコ用パッケージに関する 。
【背景技術】
【0002】
従来のヒンジ式蓋付き紙巻きタバコパックは、パックのヒンジ式蓋と本体の間の閉鎖線上に位置し、パックに貼付される納税印紙を含む。納税印紙は、ヒンジ式蓋を開けた際に納税印紙が破れ、不正開封を防止するために蓋の閉鎖線と位置合わせされたミシン目線を含む。
【発明の概要】
【0003】
本発明のいくつかの実施態様では、タバコ産業製品を保持するパックとパックを包む外方ラッパーとを含み、外方ラッパーは、取り除き可能な部分を含み、この部分はそれが取り外されるまでパックが開口しないようにするために配されているタバコ産業製品用パッケージが提供され、パックと取り除き可能な部分の一方は、取り除き可能な部分がパックから取り外された後、パックまたは取り除き可能な部分の他方に貼り付いたままの不正開封防止機能部を含む。
【0004】
いくつかの例では外方ラッパーは不正開封防止機能部の所でパックに貼り付けられる。いくつかの例では外方ラッパーは不正開封防止機能部の所でパックに直接貼り付けられる。例えば、外方ラッパーは不正開封防止機能部の所でパックの表面に貼り付けられてもよい。パックのその表面は追加のラベルまたは中間部材の無いパック自体の印刷面であってもよい。
【0005】
外方ラッパーの取り除き可能な部分はその取り除き可能な部分を取り除きやすくするために配された開封テープを含んでもよい。一部の例では開封テープはそれに沿った位置でパックに取り付けられる。
【0006】
一部の例では開封テープは不正開封防止機能部を含み、この不正開封防止機能部はパックに貼り付けられた取り外し可能部分であり、これは取り除き可能な部分を取り除いた際にパックに貼り付けられたままになっている。
【0007】
開封テープの取り外し可能部分は開封テープの拡大部分と、取り外し可能部分と開封テープの残りとの間の境界を定める脆弱線とを含んでもよい。
【0008】
一部の例ではパックは不正開封防止機能部を含んでもよい。不正開封防止機能部はパックの取り外し可能部分であってもよく、取り外し可能部分は、パックから取り除き可能な部分を取り外した際に取り外し可能部分がパックから取り外されるように外方ラッパーの取り除き可能な部分に貼り付けられている。
【0009】
取り外し可能部分は、パックの脆弱線、例えばミシン目線によって画定されてもよい。これとは別に取り外し可能部分はパックの別の脆弱線、例えば刻み目線によって画定されてもよい。取り外し可能部分はパックの複数の脆弱線によって画定されてもよい。取り外し可能部分はパックの表面層を含んでもよい。これとは別に取り外し可能部分は取り外し可能部分内でパックの全層を含んでもよい。
【0010】
パックは取り外し可能部分の下に位置する証印を含んでもよく、取り外し可能部分を取り外した際に証印が露出するようになっている。
【0011】
外方ラッパーの取り除き可能な部分が開封テープを含む例では、取り外し可能部分は開封テープに沿った位置に取り付けてもよい。
【0012】
一部の例ではパックは共に前面、後面、2つの対向する側面を有する6面体パックを画定する本体と蓋とを含む。蓋はパックの後面を横切って延びたヒンジで本体に取り付けられてもよい。好ましい例では不正開封防止機能部はパックの対向側面の1つに配置されてもよい。
【0013】
パックの蓋と本体は蓋の閉鎖線で合わさってもよく、不正開封防止機能部はパックの対向する側面の蓋の閉鎖線に隣接して配置されてもよい。
【0014】
パックは対向する端面をさらに含んでもよく、パックの対向する側面の蓋の閉鎖線は対向する端面に対して角度が付けられてもよい。
【0015】
一部の例では不正開封防止機能部は外方ラッパーの取り除き可能な部分の下に位置するパックの面に印刷される熱活性化インクを含んでもよい。熱活性化インクは熱活性化インクがラッパーの取り除き可能な部分とともにパックから取り外されるように外方ラッパーの取り除き可能な部分に付着させてもよい。
【0016】
外方ラッパーはパックの周囲でヒートシールされてもよい。この例では熱活性化インクは外方ラッパーにヒートシールを形成することで熱活性化インクが外方ラッパーに付着するように外方ラッパーのヒートシールされた領域の下に配置される。
【0017】
熱活性化インクは証印に印刷されてもよい。
【0018】
証印は色つきであってもよく、パックから熱活性化インクを除去することでパックに熱活性化インクが無くなることによって証印を形成するように同一のまたは類似の色を有する領域に印刷される。
【0019】
別の例ではパッケージは熱活性化インクの下に配置された剥離層をさらに含んでもよい。剥離層は証印のネガに印刷されてもよい。このようにしてパックから外方ラッパーの取り除き可能な部分を取り外すことによって熱活性化インクが一部の熱活性化インクを証印の形体で残しながら剥離層の領域でパックから取り除かれる。
【0020】
剥離層は剥離層が設けられていない予備の領域を有して印刷されてもよい。予備の領域は証印を形成してもよい。剥離層はワニスを含んでもよい。
【0021】
証印は文章、例えば「Pack Opened(パック開封済み)」と記載した文章であってもよい。
【0022】
外方ラッパーの取り除き可能な部分はパックの端面を覆ってもよい。熱活性化インクはそのパックの端面に配置されてもよい。
【0023】
本発明の別の態様ではタバコ産業製品を梱包する方法も提供され、この方法は、
タバコ産業製品パックに熱活性化インクを供することと、
タバコ産業製品パックの周囲を外方ラッパーで包むことと、
外方ラッパーを熱活性化インクでパックに取り付けられるように熱活性化インクと一致する位置で外方ラッパーをヒートシールすることとを含む。
【0024】
添付図面を参照して本発明の実施態様をあくまで例示を目的として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】タバコ産業製品用パッケージを示している。
図2A図1のパッケージの不正開封防止機能部の例を示している。
図2B図1のパッケージの不正開封防止機能部の例を示している。
図3A図1のパッケージの不正開封防止機能部の別の例を示している。
図3B図1のパッケージの不正開封防止機能部の別の例を示している。
図3C図3Aおよび3Bの不正開封防止機能部を拡大して示している。
図4A図1のパッケージの不正開封防止機能部の別の例を示している。
図4B図1のパッケージの不正開封防止機能部の別の例を示している。
図4C図1のパッケージの不正開封防止機能部の別の例を示している。
図5A図1のパッケージの不正開封防止機能部のさらに別の例を示している。
図5B図1のパッケージの不正開封防止機能部のさらに別の例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1のパッケージ1は紙巻きタバコなどのタバコ産業製品用である。しかしながら、当然のことながら本明細書で示され、説明されるパッケージ1は、他のタバコ産業製品用に使用してもよい。
【0027】
図示するようにパッケージ1はヒンジ式蓋付きパック2と外方ラッパー3とを含む。ヒンジ式蓋付きパック2は、前面4、後面5、対向する端面6、7および対向する側面8、9を有する平行6面体である。ヒンジ式蓋付きパック2は本体10と本体10にヒンジ式に取り付けられた蓋11を有し、本体10と蓋11は共に閉じた位置で図示のように平行6面体である。
【0028】
ヒンジ12はパック2の後面5を横断して形成され、蓋の閉鎖線13が対向する側面8、9を通って前面4を横切って延び、蓋11と本体10の境界を定めている。このようにして蓋11がヒンジ12を中心に枢動して開き、ヒンジ式パック内に保持された内容物に触れることができる。対向する側面8、9の蓋の閉鎖線13は対向する端面6、7に対して斜めになっている。ヒンジ12は前面4を横切って延びている蓋の閉鎖線13より蓋11に形成された端面6の近くに位置している。
【0029】
ヒンジ式蓋付きパック2は、好ましくはボール紙、例えば積層されたおよび/または印刷されたボール紙材料から作製される。ヒンジ式蓋付きパック2は内容物の周囲で折り曲げられ、のり付けされて図示のヒンジ式蓋付きパックを供するボール紙ブランクから構成することができる。
【0030】
外方ラッパー3はヒンジ式蓋付きパック2を包み、さらに密閉し、さらに不正開封の証拠(即ち、パック2が既に開封されたか否かの証拠)を供する。
【0031】
外方ラッパー3は好ましくは可撓性のポリマー材、例えば配向ポリプロピレンフィルムで 形成される。しかしながら他の例では、外方ラッパー3はセルロースフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどの別のポリマー材または他のフィルムから作製することができる。これとは別に外方ラッパー3は、紙材または箔材または箔とポリマーのラミネートなどのいくつかの異なる材料を含む積層体を含んでもよい。外方ラッパー3は印刷されてもよい。外方ラッパー3は透明であってもよい。
【0032】
外方ラッパー3はヒンジ式蓋付きパック2の周囲を包み、封止する。継ぎ目(図示せず)がヒンジ式蓋付きパック2の対向する側面8、9の1つに沿って外方ラッパー3に形成されている。追加でヒートシール14がヒンジ式蓋付きパック2の対向する端面6、7上で外方ラッパー3に設けられている。蓋11に形成された端面6のヒートシール14を図1に例示し、ここでは外方ラッパー3がヒンジ式蓋付きパック2の端面6に対して平らに折り曲げられ、次にそれ自体をヒートシールして所定の位置に保持する。
【0033】
外方ラッパー3は開封テープ15を含む。開封テープ15はヒンジ式蓋付きパック2の周りを延び、外方ラッパー3を2つの部分に分けるために使用され、その少なくとも1つの部分が取り外されるようにしてヒンジ式蓋付きパック2に触れられるようにしている。この例では開封テープ15はヒンジ式蓋付きパック2の前面4の蓋の閉鎖線13に隣接して配置され、対向する端面6、7から等しい距離で(即ち、対向する端面6、7に平行)対向する側面8、9の周り、および後面5を横断して延びている。開封テープ15はユーザーが掴んで引っ張るための把持タブ16を含む。ユーザーが把持タブ16を引っ張ると、開封テープ15が外方ラッパー3を2つの部分に分離する。開封テープ15は開封テープ15のラインに沿って外方ラッパー3を裂きやすくし、外方ラッパー3を2つの部分に分ける。
【0034】
開封前に蓋11を覆う外方ラッパー3の部分は、開封テープ15の使用によって取り除かれ、蓋11を枢動させて開くようにする取り除き可能な部分17である。外方ラッパー3のもう一方の部分18は、パック2の本体10を囲んだままであってもよい。
【0035】
当然のことながら図1に示したタバコ産業製品用ヒンジ式蓋付きパッケージは、一例に過ぎず、本発明は他の種類のパッケージ、例えば1つの部分を他の部分に対してスライドさせることによって開けるパックまたは1つの部分を他の部分に対して捻ることによって開けるパックにも適用してもよい。これらの例ではパックには取り除き可能な部分を含む外方ラッパーが設けられ、この取り除き可能な部分は、それが例えば開封テープの使用によって取り除かれるまでパックが開かないようにする。
【0036】
後述の例は図1を参照して説明したパッケージに使用するための不正開封防止機能部に関する。しかしながら、当然のことながら後述する不正開封防止機能部は、タバコ産業製品用の他の種類のパッケージ、例えば上述のパッケージにも使用可能である。
【0037】
図2Aに示すように図1のパッケージの不正開封防止機能部の第1の例はパック2の取り外し可能部分19である。この例ではパック2は、取り外し可能部分19を含み、外方ラッパー3の開封テープ15および/または取り除き可能な部分17と共に取り除かれる。
【0038】
この例では取り外し可能部分19はパック2の一部、特にパック2の材料の一部である。取り外し可能部分19は、好ましくは外方ラッパー3および/または開封テープ15に接着剤、例えば熱溶融性接着剤または粘着剤によって貼り付けられる。これとは別に取り外し可能部分19はヒートシールまたは超音波溶接によって外方ラッパー3および/または開封テープ15に貼り付けてもよい。
【0039】
1つの例では取り外し可能部分19は、図2Aに例示するようにミシン目の線20などの脆弱線によって画定されたパック2の一部である。これとは別に脆弱線はパック2の材料の刻み目線または他の脆弱化であってもよい。脆弱線は、連続または不連続であってもよく、以下に説明するようにパック2の材料を完全にまたは部分的に通って延びてもよい。
【0040】
脆弱線20は、外方ラッパー3の取り除き可能な部分17が取り除かれる際に破かれ、取り除き可能な部分17に取り付けられたまま取り外し可能部分19を取り外す。脆弱線20はパック2の材料の全層が取り外し可能部分19に取り外されるように配置されてもよく、または脆弱線20はパック2の材料の外層または外方部分だけが取り外し可能部分19に取り外されるように配置されてもよい。好ましい例では脆弱線はパック2の材料の外層が開封テープ15を引っ張った際に取り除かれるように外層だけを通って延びている。
【0041】
この例では取り外し可能部分19はパック2の対向する側壁8の1つに配されている。パック2の取り外し可能部分19はこの位置で開封テープ15に貼り付けられている。しかしながら、別の例では取り外し可能部分19は開封テープ15の下でパック2の別の部分に配置し、開封テープ15に貼り付けることができる。これとは別に取り外し可能部分19を外方ラッパー3の取り除き可能な部分17の下でパック2の別の部分に配置してもよく、これらの例では取り外し可能部分19は開封テープ15ではなく、外方ラッパー3の取り除き可能な部分17に貼り付けることができる。
【0042】
パック2に取り外し可能部分19が無いということは外方ラッパー3の取り除き可能な部分17が既に取り外されているということをユーザーに示している。一部の例では取り外し可能部分19が取り外されると露出するパック2の下部層は証印を有する。例えば、下部層はパック2の外方面と赤などの異なる色であってもよく、下部層は印刷されたマークを有してもよい。証印は外方ラッパー3の取り除き可能な部分17が既に取り外されているということをユーザーに示すことができる。
【0043】
図2Bに示すように一部の例ではパック2の対向する側面8はブランドまたは製品情報などのバーコード21または他の証印を含む。これらの例では取り外し可能部分19が取り外された際にパック2から外される証印21の部分が無いように取り外し可能部分19を証印21に隣接して配置するのが好ましい。取り外し可能部分19はパック2の後面5よりパック2の前面4に近く配置することができる。
【0044】
図3Aの例では不正開封防止機能部は図3Cに拡大して示すように開封テープ15の一部である。開封テープ15は、開封テープ15を引っ張ることで開封テープ15によって画定されたラインに沿って外方ラッパー3を分離するように外方ラッパー3に貼り付けられる。この例では開封テープ15は、例えば接着剤またはヒートシールによってパック2に貼り付けられる拡大された部分22を含む。拡大された部分22は少なくとも1つの脆弱線23、この例では2つの脆弱線23を含む。脆弱線23は、開封テープ15が外された際に脆弱線23が破れ、拡大された部分22の取り外し可能部分24がパック2に取り付けられたままになるように開封テープ15の開封される方向に位置合わせされる。
【0045】
この例では拡大された部分22と脆弱線23は、外方ラッパー3の取り除き可能な部分17を取り外した際に開封テープ15から外れ、パック2に取り付けられたままになる開封テープ15の2つの取り外し可能部分24を確定する。他の例では、開封テープ15は単独の取り外し可能部分24または3つ以上の取り外し可能部分24を含んでもよい。1つ以上の取り外し可能部分24は、開封テープ15に沿った任意の位置に配置してもよく、図示の例では1つ以上の取り外し可能部分24がパック2の側面8に配置されている。
【0046】
図に示すようにこの例では拡大された部分22は円形であるが、例えば方形または三角形などの異なる形状であってもよい。この例では取り外し可能部分24は円形の拡大された部分22のセグメントであるが、別の例ではいかなる形状であってもよい。
【0047】
パック2に開封テープ15の取り外し可能部分24があるということは外方ラッパー3の取り除き可能な部分17が既に取り外されているということをユーザーに示している。いくつかの例では開封テープ15から分離した拡大された部分22の取り外し可能部分24は証印を有してもよい。例えば、取り外し可能部分24は、ユーザーがより簡単に見ることができるようにパック2と異なる色を有してもよく、または外方ラッパー3の取り除き可能な部分17が既に取り外されているということを示すための何らかの印刷された印を含んでもよい。
【0048】
図3Bに示すようにそして図2Bを参照して説明したようなものと同様に不正開封防止機能部、この例では開封テープ15の拡大された部分22は、それがバーコード、ブランドまたは他の印刷された情報などのパック2の証印21を隠さないまたは傷つけないように配置されるのが好ましい。取り外し可能部分19はパック2の後面5よりパック2の前面4に近く配置することができる。
【0049】
図2A、2B、3A、3Bおよび3Cに示したパック2の一部の例ではパック2の対向する側面8、9のいずれかまたは両方の蓋の閉鎖線13は不正開封防止機能部用の追加のスペースを供するようにしてもよい。例えば、蓋の閉鎖線13に不正開封防止機能部の周囲を延びるように湾曲したまたは段が付けられた輪郭を設けてもよく、または55度未満、52度未満、50度未満の図3Cに示すような蓋の閉鎖線13とパック2の前面4の間の角度θなどの急勾配を有してもよい。
【0050】
図4Aの例ではパッケージ1にはパック2に印刷され、外方ラッパー3の取り除き可能な部分17にも付着した熱活性化インク25が設けられている。特にこの例では熱活性化インク25は蓋11の一部を形成するパック2の端面6に印刷される。パック2の周囲で外方ラッパー3をシールするヒートシール工程によって熱活性化インク25を外方ラッパー3に付着させる。
【0051】
具体的には端部シール14が図1を参照して説明したように外方ラッパー3に形成される場合、加熱されたプレートまたはヒーターバーが外方ラッパー3の折りたたまれた端部に押しつけられ、ヒートシール14を形成する。またこれがパック2の端面6に印刷された熱活性化インク25に熱を加え、熱活性化インク25を外方ラッパー3に接着させ、パック2と外方ラッパー3の取り除き可能な部分17を貼り付ける。
【0052】
他の例では、熱活性化インク25は、外方ラッパー3の取り除き可能な部分17の下にあるパック2のあらゆる部分に配置してもよく、別の熱を加える工程を使用して熱活性化インク25を活性化させて外方ラッパー3の取り除き可能な部分17への熱活性化インク25の付着を生じさせることができる。
【0053】
外方ラッパー3の取り除き可能な部分17が上述のように取り除かれると、熱活性化インク25がパック2から離れ、取り除き可能な部分17に留まる。図示のようにこの例では熱活性化インク25が文章、具体的には「Pack Opened(パック開封済み)」の文章の形体でパック2の端面6に印刷される。しかしながら、当然のことながら他の文章またはシンボルまたは形などの他の証印を代わりにパック2に印刷することも可能である。
【0054】
この例では熱活性化インク25は、同じまたは類似の色の非熱活性化インク(判りやすくするために図4Aでは類似のインクとして示している)も印刷された領域26に印刷され、これにより外方ラッパー3の取り除き可能な部分17が取り除かれる前は文章が見えないようになっている。このようにして外方ラッパー3の取り除き可能な部分17と熱活性化インク25を取り外すことによって文章がネガでユーザーに見えるようになり、即ちユーザーはパック2の端面6に熱活性化インク25が無くなることで生じる証印27を見ることができる。図4Bは外方ラッパー3の取り除き可能な部分17を取り外した後の熱活性化インク25が除去されたことによって生じた証印27を含むパック2の端面6を示している。図4Cはパック2から取り外した後の熱活性化インク25がある外方ラッパー3の取り除き可能な部分17を示している。当然のことながら熱活性化インク25はパック2に任意の形または文章で印刷することができる。
【0055】
熱活性化インク25は、好ましくはそれが熱によって活性化されるように低耐熱性樹脂材料と、熱活性化インク25の色を提供する顔料とを含む。樹脂の低い耐熱性は熱を加えると熱活性化インク25を外方ラッパー3に接着させることを意味する。一部の例では使用される材料によって剥離下塗剤を熱活性化インク25の下に印刷してパック2から熱活性化インク25が剥離しやすくしてもよい。熱活性化インク25の処方は、熱活性化インク25と外方ラッパー3との間の結合強度が熱活性化インク25とそれが印刷されるパック2の面との結合強度より大きくなって、パッケージ1から取り除き可能な部分17を取り外した際に外方ラッパー3の取り除き可能な部分17に熱活性化インク25が残るように選択することができる。
【0056】
図5Aおよび5Bに示すようなさらなる例ではパック2に図5Aに示すように印刷された層によって形成された不正開封防止機能部が設けられている。
【0057】
印刷された剥離層29がパックに設けられている。印刷された剥離層29は、印刷された剥離層29が設けられているいくつかの領域と印刷された剥離層29が設けられていない他の予備の領域30を有するパターンに印刷される。印刷された剥離層29のパターンは、予備の領域30が証印を形成するように証印のネガとなるのが好ましい。いくつかの例では証印は、以下の説明で明らかになるように外方ラッパー3の取り除き可能な部分17を取り外した後に見えるようなメッセージである。
【0058】
印刷された剥離層29と予備の領域30上に熱活性化インク31が印刷される。図4A~4Cの例に類似してパッケージング工程中、熱が加えられ、熱活性化インク31を活性化させる。活性化時、熱活性化インク30は外方ラッパー3の取り除き可能な部分17に接着する。
【0059】
印刷された剥離層29はワニスを含むのが好ましい。しかしながら、他の例では剥離層はインクを含んでもよく、そのインクは着色されても着色されてなくてもよい。これとは別に剥離層29は、例えばアルミニウムなどの金属層を含んでもよい。剥離層29は、それが熱を加えた後であっても上述のように分離しないように熱で活性化されないのが好ましい。印刷された剥離層29は、好ましくはパターンに印刷される。印刷された剥離層29は熱活性化インク31よりパック2のボール紙により強固に接着するのが好ましい。
【0060】
熱活性化インク31は、印刷された剥離層29の予備の領域30を介して外方ラッパー3の取り除き可能な部分17よりパック2のボール紙により強固に接着する。
【0061】
このようにして図5Bに示すように外方ラッパー3の取り除き可能な部分17を取り外した際に熱活性化インク31が離れる。印刷された剥離層29に対応する熱活性化インク31の領域31Aは、外方ラッパー3の取り除き可能な部分17に付着したままで、パック2から除去される。印刷された剥離層29の予備の領域30に対応する熱活性化インク31の領域31Bは、印刷された層28に付着したままであり、従ってパック2に留まる。
【0062】
外方ラッパー3の取り除き可能な部分17を外した後、熱活性化インク31の領域31Bは印刷された剥離層29の予備の領域30に対応するパック2のパターンを形成する。上述したように予備の領域30が証印を形成するように印刷された剥離層29を印刷することで外方ラッパー3の取り除き可能な部分17を取り外した後パック2に証印が残るようになる。
【0063】
証印は外方ラッパー3の取り除き可能な部分17が既に取り外されていることをユーザーに示してもよい。例えば、証印は文章、例えば「Pack Opened(パック開封済み)」と記載した文章であってもよい。
【0064】
図示の例ではパック2にはベース層として印刷されたインク層28が設けられている。印刷された層28はどのような色であってもよいが、例えば灰色などの中間色であることが好ましい。熱活性化インク31を除去して見えるのは印刷された層28である。他の例では、印刷されたインク層28が無く、熱活性化インク31を除去した際にボール紙が直接見えるようになる。この例では印刷された剥離層29は好ましくは熱活性化インク31より印刷された層28により強固に接着する。さらに熱活性化インク31は好ましくは印刷された剥離層29の予備の領域30を介して外方ラッパー3の取り除き可能な部分17よりパック2の印刷された層28により強固に接着する。
【0065】
図5Aおよび5Bの例では層28、29、31の例示した構成は、図4A~4Cに示したようなものと類似してパック2の特定の領域、例えばパックの一端の領域に制限されてもよい。不正開封防止機能部は、パッケージング工程中、例えばパック2の周囲で外方ラッパー3をヒートシールする際に熱に晒されるパック2の一部に配置されるのが好ましい。
【0066】
当然のことながら図5Aおよび5Bに示すような層28、29、31の厚さは明確にするために誇張されている。層28、29、31はミクロメートルの範囲の厚さである。
【0067】
別の例では印刷された層28は証印、例えば「Pack Opened(パック開封済み)」などのメッセージで印刷されてもよい。印刷されたインク層28上では剥離層29は透明または半透明層であってもよい。熱活性化インク31は全領域を横断して印刷されてもよく、外方ラッパー3の取り除き可能な部分17に付着するようになる。この例では外方ラッパー3の取り除き可能な部分17を取り外した際に熱活性化インク31の領域全体が取り外され、透明または半透明の剥離層29を介して印刷された層28の証印を露出させる。
【0068】
当然のことながらパッケージの上述の例は、紙巻きタバコ以外のタバコ産業製品の包装に使用してもよい。本明細書中で使用する「タバコ産業製品」なる用語は、紙巻きタバコ、シガリロ、シガー、パイプ用または手巻き紙巻きタバコ用タバコ(タバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコ、タバコ代替え品または他の喫煙材をベースにしているかに関係なく)などの燃焼性喫煙品、電子タバコなどの電子喫煙品、タバコ加熱製品などの燃焼させずに基材から化合物を放出する加熱装置および例えば液体または固体基材を含むハイブリッドシステムのような基材を組あわせたものからエアロゾルを発生させるハイブリッドシステムを含む喫煙品を包含すると理解されるべきである。
【0069】
1つの実施態様ではタバコ産業製品は紙巻きタバコ、シガリロおよびシガーからなる群から選択される燃焼喫煙品である。
【0070】
1つの実施態様ではタバコ産業製品は非燃焼性喫煙品である。
【0071】
1つの実施態様ではタバコ産業製品は基材を燃やさずに加熱することによって化合物を放出する加熱装置である。基材は、タバコまたはニコチンを含むまたは含まない非タバコ製品であってもよい。1つの実施態様では加熱装置はタバコ加熱装置である。
【0072】
別の実施態様ではタバコ産業製品は基材を組みあわせたものを燃やさずに加熱することによってエアロゾル発生させるハイブリッドシステムである。基材は、例えば固体、液体またはゲルを含んでもよく、これらはニコチンを含んでも含まなくてもよい。1つの実施態様ではハイブリッドシステムは液体またはゲル基材と固体基材とを含んでもよい。固体基材は、例えばタバコまたはタバコまたはニコチンを含むまたは含まない非タバコ製品であってもよい。1つの実施態様ではハイブリッドシステムは液体またはゲル基材とタバコとを含んでもよい。
【0073】
種々の問題の対処と技術の発展のため、本開示全体は種々の実施形態を例示的に示しており、これらの実施形態では特許請求された発明が実践され、タバコ産業製品用の優れたパッケージを提供することができる。本開示の利点および特徴は実施形態の単なる代表的な具体例であり、包括的でも排他的でもない。これらは特許請求された特徴の理解と教示の単なる補助に提供されている。当然だが、本開示の利点、実施形態、具体例、機能、特徴、構造、および/または他の側面は本開示を特許請求の範囲に規定されたとおりに限定するあるいは特許請求の範囲の均等物に限定すると考えるべきではなく、本開示の範囲および/または思想から乖離することなく他の実施形態を利用しても改変してもよいと考えるべきである。種々の実施形態は、開示された構成要素、成分、特徴、部品、工程、手段他の組合せを適切に備えても、これらで構成されても、基本的にこれらで構成されてもよい。また本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明を含む。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B