(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-16
(45)【発行日】2023-02-27
(54)【発明の名称】機器管理システム及び機器管理方法
(51)【国際特許分類】
F21V 21/34 20060101AFI20230217BHJP
F21V 21/35 20060101ALI20230217BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20230217BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230217BHJP
【FI】
F21V21/34 110
F21V21/35
F21V23/00 140
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2019567118
(86)(22)【出願日】2019-01-23
(86)【国際出願番号】 JP2019002113
(87)【国際公開番号】W WO2019146654
(87)【国際公開日】2019-08-01
【審査請求日】2021-12-21
(31)【優先権主張番号】P 2018012049
(32)【優先日】2018-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】小川 貴生
(72)【発明者】
【氏名】堀木 敏生
(72)【発明者】
【氏名】松本 宏之
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-243579(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1618020(KR,B1)
【文献】特表2005-520298(JP,A)
【文献】独国実用新案第202016004226(DE,U1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 21/34
F21V 21/35
F21V 23/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの電気機器を接続可能な接続部と、施設に設けられたダクトレールに沿って前記電気機器を移動するための駆動部と、位置検出センサとを含み、前記ダクトレールに取り付け可能な可動式接続装置と、
前記可動式接続装置の前記ダクトレールに沿った移動指示を示す制御情報を出力する管理部を含む情報処理装置と、を備え、
前記制御情報には、前記位置検出センサで検知された検知情報の条件が含まれており、
前記検知情報の条件は、時間帯ごとに異なり、
前記管理部は、前記位置検出センサで検知された検知情報が前記条件を満たしている場合、前記制御情報を出力する、
機器管理システム。
【請求項2】
少なくとも1つの電気機器を接続可能な接続部と、施設に設けられたダクトレールに沿って前記電気機器を移動するための駆動部と、位置検出センサとを含み、前記ダクトレールに取り付け可能な可動式接続装置と、
前記可動式接続装置の前記ダクトレールに沿った移動指示を示す制御情報を出力する管理部を含む情報処理装置と、を備え、
前記制御情報には、前記位置検出センサで検知された検知情報の条件が含まれており、
前記検知情報の条件は、ユーザの属性に基づいて設定され
、
前記管理部は、前記位置検出センサで検知された検知情報が前記条件を満たしている場合、前記制御情報を出力する、
機器管理システム。
【請求項3】
前記ユーザの属性は、ユーザの年齢層及び性別で規定される、
請求項
2に記載の機器管理システム。
【請求項4】
少なくとも1つの電気機器を接続可能な接続部と、施設に設けられたダクトレールに沿って前記電気機器を移動するための駆動部と、位置検出センサとを含み、前記ダクトレールに取り付け可能な可動式接続装置と、
前記可動式接続装置の前記ダクトレールに沿った移動指示を示す制御情報を出力する管理部を含む情報処理装置と、を備え、
前記制御情報には、前記位置検出センサで検知された検知情報の条件が含まれており、
前記管理部は、前記可動式接続装置が配置された所定の空間のカメラ画像を表示するタッチパネルを含む制御端末へのユーザの入力位置の情報を取得し、
前記管理部は、
前記位置検出センサで検知された検知情報が前記条件を満たしている場合、前記カメラ画像へのユーザの入力位置に対応する前記空間の位置に、前記可動式接続装置の移動指示を示す制御情報を出力する
、
機器管理システム。
【請求項5】
前記タッチパネルは、前記可動式接続装置が配置された所定の空間のカメラ画像と前記空間の地図画像と含む分割画面を表示し、
前記管理部は、前記タッチパネルにおいて前記カメラ画像にユーザの第1の入力位置
を取得し、前記空間の地図画像における前記第1の入力位置に対応する位置情報を前記制御端末に出力し、
前記タッチパネルにおいて、前記空間の地図画像に前記ユーザの第2の入力位置が検出されている場合、前記カメラ画像における前記第2の入力位置に対応する位置情報を前記制御端末に出力する、
請求項
4に記載の機器管理システム。
【請求項6】
少なくとも1つの電気機器を接続可能な接続部と、施設に設けられたダクトレールに沿って前記電気機器を移動するための駆動部と、位置検出センサとを含み、前記ダクトレールに取り付け可能な可動式接続装置と、
前記可動式接続装置の前記ダクトレールに沿った移動指示を示す制御情報を出力する管理部を含む情報処理装置と、を備え、
前記制御情報には、前記位置検出センサで検知された検知情報の条件が含まれており、
前記少なくとも1つの電気機器は、第1の電気機器と、第2の電気機器と、第3の電気機器とを含み、
前記検知情報の条件は、第1の位置と、第2の位置と、第3の位置とを含み、
前記管理部は、
(a)前記第1の位置でユーザが検知された場合、前記第1の位置で、前記第1の電気機器と、前記第2の電気機器と、前記第3の電気機器とが機能する制御情報を出力し、
(b)前記第1の位置及び前記第2の位置でユーザが検知された場合、前記第1の位置及び第2の位置で、前記第1の電気機器と、前記第2の電気機器と、前記第3の電気機器とが機能する制御情報を出力し、
(c)前記第1の位置、前記第2の位置、及び前記第3の位置に、ユーザが検知された場合、前記第1の位置、第2の位置、及び第3の位置で、前記第1の電気機器と、前記第2の電気機器と、前記第3の電気機器とが機能する制御情報を出力する
、
機器管理システム。
【請求項7】
施設に設けられたダクトレールに取り付け可能な可動式接続装置と、管理部を備える情報処理装置とを含む機器管理システムにおける機器管理方法であって、
少なくとも1つの電気機器を接続する処理と、
前記管理部は、前記可動式接続装置の前記ダクトレールに沿った移動指示を示す制御情報を出力する処理と、
前記制御情報に基づいて、前記可動式接続装置を介して、前記電気機器を前記ダクトレールに沿って移動する処理と、を有し、
前記制御情報には、位置検出センサで検知された検知情報の条件が含まれており、
前記検知情報の条件は、時間帯ごとに異なり、
前記管理部は、前記位置検出センサで検知された検知情報が前記条件を満たしている場合、前記制御情報を出力する、
機器管理方法。
【請求項8】
施設に設けられたダクトレールに取り付け可能な可動式接続装置と、管理部を備える情報処理装置とを含む機器管理システムにおける機器管理方法であって、
少なくとも1つの電気機器を接続する処理と、
前記管理部は、前記可動式接続装置の前記ダクトレールに沿った移動指示を示す制御情報を出力する処理と、
前記制御情報に基づいて、前記可動式接続装置を介して、前記電気機器を前記ダクトレールに沿って移動する処理と、を有し、
前記制御情報には、位置検出センサで検知された検知情報の条件が含まれており、
前記検知情報の条件は、ユーザの属性に基づいて設定される、
前記管理部は、前記位置検出センサで検知された検知情報が前記条件を満たしている場合、前記制御情報を出力する、
機器管理方法。
【請求項9】
前記ユーザの属性は、ユーザの年齢層及び性別で規定される、
請求項
8に記載の機器管理方法。
【請求項10】
施設に設けられたダクトレールに取り付け可能な可動式接続装置と、管理部を備える情報処理装置とを含む機器管理システムにおける機器管理方法であって、
少なくとも1つの電気機器を接続する処理と、
前記管理部は、前記可動式接続装置の前記ダクトレールに沿った移動指示を示す制御情報を出力する処理と、
前記制御情報に基づいて、前記可動式接続装置を介して、前記電気機器を前記ダクトレールに沿って移動する処理と、を有し、
前記制御情報には、位置検出センサで検知された検知情報の条件が含まれており、
前記管理部は、前記可動式接続装置が配置された所定の空間のカメラ画像を表示するタッチパネルを含む制御端末へのユーザの入力位置の情報を取得し、
前記管理部は、
前記位置検出センサで検知された検知情報が前記条件を満たしている場合、前記カメラ画像へのユーザの入力位置に対応する前記空間の位置に、前記可動式接続装置の移動指示を示す制御情報を出力する
、
機器管理方法。
【請求項11】
前記タッチパネルは、前記可動式接続装置が配置された所定の空間のカメラ画像と前記空間の地図画像と含む分割画面を表示し、
前記管理部は、前記タッチパネルにおいて前記カメラ画像にユーザの第1の入力位置
を取得し、前記空間の地図画像における前記第1の入力位置に対応する位置情報を前記制御端末に出力し、
前記タッチパネルにおいて、前記空間の地図画像に前記ユーザの第2の入力位置が検出されている場合、前記カメラ画像における前記第2の入力位置に対応する位置情報を前記制御端末に出力する、
請求項
10に記載の機器管理方法。
【請求項12】
施設に設けられたダクトレールに取り付け可能な可動式接続装置と、管理部を備える情報処理装置とを含む機器管理システムにおける機器管理方法であって、
少なくとも1つの電気機器を接続する処理と、
前記管理部は、前記可動式接続装置の前記ダクトレールに沿った移動指示を示す制御情報を出力する処理と、
前記制御情報に基づいて、前記可動式接続装置を介して、前記電気機器を前記ダクトレールに沿って移動する処理と、を有し、
前記制御情報には、位置検出センサで検知された検知情報の条件が含まれており、
前記少なくとも1つの電気機器は、第1の電気機器と、第2の電気機器と、第3の電気機器とを含み、
前記検知情報の条件は、第1の位置と、第2の位置と、第3の位置とを含み、
前記管理部は、
(a)前記第1の位置でユーザが検知された場合、前記第1の位置で、前記第1の電気機器と、前記第2の電気機器と、前記第3の電気機器とが機能する制御情報を出力し、
(b)前記第1の位置及び前記第2の位置でユーザが検知された場合、前記第1の位置及び第2の位置で、前記第1の電気機器と、前記第2の電気機器と、前記第3の電気機器とが機能する制御情報を出力し、
(c)前記第1の位置、前記第2の位置、及び前記第3の位置に、ユーザが検知された場合、前記第1の位置、第2の位置、及び第3の位置で、前記第1の電気機器と、前記第2の電気機器と、前記第3の電気機器とが機能する制御情報を出力する
、
機器管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気機器の移動を管理する機器管理システム及び機器管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、天井等のダクトレールに取り付けられるスポットライト等の照明装置が開示されている。この照明装置は、LED(Light Emitting Diode)素子を光源として有する灯体と、ダクトレールに取り付けられるプラグボックスと、LED素子に点灯電力を供給する電源回路と、灯体とプラグボックスを連結するアームと、を備える。
特許文献2には、電気機器に取り付けられた移動体のレール本体上の位置を把握するための給電レール及び給電レール装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】日本国特開2017-199596号公報
【文献】日本国特開2008-243579号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の構成では、スポットライト等の照明装置は、人が脚立に上って手作業でプラグボックスを移動させない限り、天井等に設置されたダクトレールの位置から変化すること無く固定されてしまう。このため、例えばダクトレールが設置された空間を模様替えする等、照明装置がダクトレールに対して設置される空間のレイアウトを変更するために、照明装置の位置を変更する場合、人が脚立に上って手作業で照明装置を移動させなければならず、レイアウト変更時のユーザに対する利便性が良くなかった。特に、複数の照明装置をダクトレールに取り付けることを想定した場合、レイアウト変更の度に個々の照明装置の移動を人が手作業で行うことは効率性に欠ける。
【0005】
本開示は、上述した従来の状況に鑑みて案出され、施設の天井に設けられたダクトレールに沿って少なくとも1つの電気機器を自在に移動可能に制御し、ユーザへの利便性を向上する機器管理システム及び機器管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、少なくとも1つの電気機器を接続可能な接続部と、施設に設けられたダクトレールに沿って前記電気機器を移動するための駆動部と、位置検出センサとを含み、前記ダクトレールに取り付け可能な可動式接続装置と、前記可動式接続装置の前記ダクトレールに沿った移動指示を示す制御情報を出力する管理部を含む情報処理装置と、を備え、前記制御情報には、前記位置検出センサで検知された検知情報の条件が含まれており、前記検知情報の条件は、時間帯ごとに異なり、前記管理部は、前記位置検出センサで検知された検知情報が前記条件を満たしている場合、前記制御情報を出力する、機器管理システムを提供する。
【0007】
本開示は、施設に設けられたダクトレールに取り付け可能な可動式接続装置と、管理部を備える情報処理装置とを含む機器管理システムにおける機器管理方法であって、少なくとも1つの電気機器を接続する処理と、前記管理部は、前記可動式接続装置の前記ダクトレールに沿った移動指示を示す制御情報を出力する処理と、前記制御情報に基づいて、前記可動式接続装置を介して、前記電気機器を前記ダクトレールに沿って移動する処理と、を有し、前記制御情報には、位置検出センサで検知された検知情報の条件が含まれており、前記検知情報の条件は、時間帯ごとに異なり、前記管理部は、前記位置検出センサで検知された検知情報が前記条件を満たしている場合、前記制御情報を出力する、機器管理方法を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、施設の天井に設けられたダクトレールに沿って少なくとも1つの電気機器を自在に移動可能に制御でき、ユーザへの利便性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1に係る機器管理システムの構成の概要例を示す図
【
図2】実施の形態1に係る機器管理システムのハードウェア構成例を示すブロック図
【
図3】コネクトユニットの駆動系及び制御系の構成例を模式的に示すブロック図
【
図4】可動連結部をダクトレールに連結する機構の一例、及び機器連結部に電気機器を連結する機構の一例を示す断面図
【
図5】使用状態のコネクトユニットの外観を示す斜視図
【
図6】斜め上方から見たコネクトユニットの外観を示す斜視図
【
図7】
図6の裏側から見たコネクトユニットの外観を示す斜視図
【
図8】斜め下方から見たコネクトユニットの外観を示す斜視図
【
図9】
図8の裏側から見たコネクトユニットの外観を示す斜視図
【
図10】レイアウト情報を作成するためのタブがタッチ操作で選択された場合に制御端末のタッチパネルに表示される画面例を示す図
【
図11】方向指定ボタンがZ方向のレイアウトに切り替えられた場合に制御端末のタッチパネルに表示される画面例を示す図
【
図12】レシピ情報を設定するためのタブがタッチ操作で選択された場合に制御端末のタッチパネルに表示される画面例を示す図
【
図13】SNS・Webサービスとしてトランスレーションを利用してレシピ情報を設定する場合に制御端末のタッチパネルに表示される画面例を示す図
【
図14】SNS・Webサービスとしてインスタグラムを利用してレシピ情報を設定する場合に制御端末のタッチパネルに表示される画面例を示す図
【
図15】レシピストアに登録されたレシピ情報の一覧が表示された、制御端末のタッチパネルの画面を示す図
【
図16】制御端末からコネクトユニットを直接に移動させる動作手順の一例を説明するシーケンス図
【
図17】外部サーバの制御情報を用いてコネクトユニットを移動させる動作手順の一例を説明するシーケンス図
【
図18】SNS・Webサービスを利用してコネクトユニットを移動させる動作手順の一例を説明するシーケンス図
【
図19】電気機器の検知情報を用いてコネクトユニットを移動させる動作手順の一例を説明するシーケンス図
【
図20A】ロボット座標系においてダクトレールを真上から見た座標を示す図
【
図20B】制御端末の座標系において、制御端末を矩形で示すとともに、黒丸で電子機器の位置を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、適宜図面を参照しながら、本開示に係る機器管理システム及び機器管理方法を具体的に開示した実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0011】
(機器管理システムの構成概要)
図1は、実施の形態1に係る機器管理システム5の構成の概要例を示す図である。機器管理システム5は、店舗の天井100に敷設されたダクトレール8に沿って移動自在な複数のコネクトユニット10と、それぞれのコネクトユニット10の移動及び動作を指示する管理サーバ50とを含む構成である。
図1では、図面を簡単にするために、コネクトユニット10は1つだけ図示されている。以下の実施の形態1では、ダクトレール8が敷設される施設の一例として店舗を例示する。但し、ダクトレール8は、天井が配備されている施設であれば店舗に限定して設けられるものではなく、他には、オフィス、工場、コンビニエンスストア、公共施設(例えば、市役所、図書館)、複数の店舗が配置されるショッピングモール等の商業施設でもよい。ダクトレール8は、天井に限らず、施設の側壁に敷設されても良い。すなわち、ダクトレール8は、施設の内部空間を規定する面に上面(天井)又は側面(側壁)に敷設され得る。
【0012】
ダクトレール8は、店舗の天井100の天井面に対して複数のコネクトユニット10のそれぞれが自在に図中矢印a1,b1の方向に移動可能となるように、例えば格子状に敷設される。ダクトレール8には、例えば照明装置が取り付け可能な汎用あるいは既設の配線ダクトを用いることができる。コネクトユニット10は、ダクトレール8に移動自在に取り付けられる。また、コネクトユニット10は、後述する各種の電気機器30を接続(連結)する。コネクトユニット10は、自機が図中矢印a1,b1方向に移動することにより、自機に接続された電気機器30をダクトレール8に沿って図中矢印a1,b1方向に移動させることが可能である。
図1ではダクトレール8は格子状に敷設されるが、複数のダクトレール8が交差しないように敷設されてもよい。また、それぞれのダクトレール8は直線、曲線、折れ線など、様々な形状をしてもよく、更に、円や楕円、正方形、長方形、多角形などループ状に様々な形状をしてもよい。
【0013】
コネクトユニット10に接続可能な各種の電気機器30は、コネクトユニット10に対して交換自在に接続される。各種の電気機器30として、例えば、電源311、スポットライト312、プロジェクタ313、カメラ314、マイクロフォン315、スピーカ316、人の動きを検知するためのセンサ317、空気清浄器318、ファン319等が挙げられる。なお、センサ317は、人の動きを検知するためのセンサに限定されない。また、各種の電気機器30も、上述にて限定列挙した機器に限定されない。
【0014】
電気機器30が接続されるコネクトユニット10は、ダクトレール8を介して接続された管理サーバ50との間で通信(例えば、有線もしくは無線を用いた通信)を行い、管理サーバ50から指示された位置に移動する。電気機器30は、コネクトユニット10の移動後の位置あるいは移動中において、管理サーバ50からの指示に従い、各種の動作(例えば、パン回転もしくはチルト回転、又はパン回転及びチルト回転の両方)を行う。
【0015】
(機器管理システムの構成詳細)
図2は、実施の形態1に係る機器管理システム5のハードウェア構成例を示すブロック図である。機器管理システム5は、コネクトユニット10と、各種の電気機器30と、制御端末40と、管理サーバ50と、クラウドサーバ60と、外部サーバ70とを含む構成である。
【0016】
コネクトユニット10は、制御部11、メモリ12、及び通信部13を含む。
【0017】
制御部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)もしくはFPGA(Field Programmable Gate Array)を用いて構成されたプロセッサである。制御部11は、コネクトユニット10の動作を司るコントローラとして機能し、コネクトユニット10の各部の動作を全体的に統括するための制御処理、コネクトユニット10の各部との間のデータの入出力処理、データの演算(計算)処理及びデータの記憶処理を行う。制御部11は、メモリ12に記憶されたプログラム及びデータに従って動作する。制御部11は、動作時にメモリ12を使用し、制御部11により生成されたデータをメモリ12に記録する。
【0018】
メモリ12は、例えばRAM(Random Access Memory)とROM(Read Only Memory)とを用いて構成され、コネクトユニット10の動作の実行に必要なプログラムやデータ、更には、動作中に生成された情報又はデータ等を一時的に保存する。RAMは、例えば制御部11の動作時に使用されるワークメモリである。ROMは、例えば制御部11を制御するためのプログラム及びデータを予め記憶する。メモリ12は、また管理サーバ50から送信される制御情報や自機の識別情報等を記憶する。
【0019】
通信部13は、例えば電力線通信(PLC:Power Line Communication)を用いてネットワーク網(図示略)に接続され、ネットワーク網に接続された管理サーバ50との間で通信可能である。なお、通信部13は、無線LAN(Local Area Network)機能を有してもよく、この場合には無線LANを用いて管理サーバ50との間で接続されてよい。コネクトユニット10は、管理サーバ50から制御情報を受信すると、受信した制御情報をメモリ12に保存するとともに、この制御情報を基に、ダクトレール8の所定の位置に移動する。これにより、管理サーバ50は、コネクトユニット10に接続された電気機器30を移動させることが可能となる。
【0020】
位置検出センサ18は、コネクトユニット10がダクトレール8のどこに位置するかを推定、検出するために使われる。位置検出センサ18は、例えば加速度センサ、磁気センサ、ジャイロセンサなどを組み合わせて、又はいずれかを単独で利用しても良い。また、位置検出センサ18は、代替として、コネクトユニット10にWiFi(登録商標)の通信機能を持たせ、WiFi(登録商標)のアクセスポイント(図示略)からのビーコン情報をもとに位置推定を行ったり、アクセスポイント(図示略)からの電波強度をもとに位置推定を行ったりすることができる。また、位置検出センサ18はRFIDタグで代替されてもよいし、例えばBluetooth(登録商標)ビーコンの送信機及び/または受信機で代替されてもよい。
【0021】
電気機器30は、制御部31、メモリ32、通信部33、センサ34、アクチュエータ35等を含む。
【0022】
制御部31は、例えばCPU、MPU、DSPもしくはFPGAを用いて構成されたプロセッサである。制御部31は、電気機器30の動作を司るコントローラとして機能し、電気機器30の各部の動作を全体的に統括するための制御処理、電気機器30の各部との間のデータの入出力処理、データの演算(計算)処理及びデータの記憶処理を行う。制御部31は、メモリ32に記憶されたプログラム及びデータに従って動作する。制御部31は、動作時にメモリ32を使用し、制御部31により生成されたデータをメモリ32に記録する。
【0023】
メモリ32は、例えばRAMとROMとを用いて構成され、電気機器30の動作の実行に必要なプログラムやデータ、更には、動作中に生成された情報又はデータ等を一時的に保存する。RAMは、例えば制御部31の動作時に使用されるワークメモリである。ROMは、例えば制御部31を制御するためのプログラム及びデータを予め記憶する。メモリ32は、また管理サーバ50から送信される制御情報や自機の識別情報等を記憶する。
【0024】
通信部33は、例えば有線によってコネクトユニット10との間で電気的及び物理的に接続され、コネクトユニット10との間でデータもしくは情報を送受信する。通信部33は、例えば電気機器30がIoT(Internet Of Things)機器である場合に、センサ34により検知された検知情報やユーザなどによって電気機器30が直接操作された場合の制御情報、イベント情報などを、コネクトユニット10を介して管理サーバ50に送信する。また、通信部33は、管理サーバ50から送信された制御情報(例えば、電気機器30を制御するための情報)を、コネクトユニット10を介して受信する。通信部33と管理サーバ50の通信部53との通信は、コネクトユニット10を介してもよいし、無線通信などによってコネクトユニット10を介さずに直接行われても良い。
【0025】
また、電気機器30は、制御端末40や管理サーバ50を介さずに、直接ユーザから操作、制御されてもよい。その操作情報や制御情報を通信部33は管理サーバへコネクトユニット10を介して、または介さずに送信してもよい。
【0026】
センサ34は、例えば、電気機器30がファン319である場合、室温の上昇を検知してファン319が作動するように、室温を検知する温度センサであってもよい。また、センサ34は、電気機器30がスポットライト312である場合、接近した人物を照明するように、人物を感知する赤外線センサであってもよい。センサ34は、電気機器30の役割や用途に応じて、構成として省略されてもよい。
【0027】
アクチュエータ35は、例えば、電気機器30がファン319である場合、ファンを回転させるモータであってもよい。また、アクチュエータ35は、電気機器30がスポットライト312である場合、LED(Light Emitting Diode)やハロゲンランプ等の光源を点灯させる電源部であってもよい。アクチュエータ35は、電気機器30の役割や用途に応じて、構成として省略されてもよい。
【0028】
制御端末40は、例えば機器管理システム5のユーザにより使用される、デスクトップ型のPC(Personal Computer)やノートPC等の固定型据置端末や、タブレット端末やスマートフォン等の携帯型端末である。実施の形態1では、説明を分かり易くするために、制御端末40としてタブレット端末を例示して説明する。制御端末40は、制御部41、メモリ42、通信部43、及びタッチパネル44を含む。
【0029】
制御部41は、例えばCPU、MPU、DSPもしくはFPGAを用いて構成されたプロセッサである。制御部41は、制御端末40の動作を司るコントローラとして機能し、制御端末40の各部の動作を全体的に統括するための制御処理、制御端末40の各部との間のデータの入出力処理、データの演算(計算)処理及びデータの記憶処理を行う。制御部41は、メモリ42に記憶されたプログラム及びデータに従って動作する。制御部41は、動作時にメモリ42を使用し、制御部41により生成されたデータをメモリ42に記録する。
【0030】
メモリ42は、例えばRAMとROMとを用いて構成され、制御端末40の動作の実行に必要なプログラムやデータ、更には、動作中に生成された情報又はデータ等を一時的に保存する。RAMは、例えば制御部41の動作時に使用されるワークメモリである。ROMは、例えば制御部41を制御するためのプログラム及びデータを予め記憶する。メモリ42は、また自機の識別情報等を記憶する。
【0031】
通信部43は、例えばモバイル通信網(図示略)を介して接続された管理サーバ50との間で無線通信が可能に接続される。なお、通信部43は、例えば無線LAN機能を有し、無線LANを用いて管理サーバ50との間で無線通信が可能に接続されてもよい。
【0032】
タッチパネル44は、ユーザインターフェース(UI:User Interface)として、後述する店舗内のレイアウト情報や各種の電気機器30に対する動作等を制御するためのレシピ情報を作成(つまり、設定)するためのUI画面を表示する。またタッチパネル44は、制御端末40のユーザによる各種のタッチやタップ等の入力操作を受け付ける。
【0033】
管理サーバ50は、制御部51、メモリ52、及び通信部53を含む。
【0034】
制御部51は、例えばCPU、MPU、DSPもしくはFPGAを用いて構成されたプロセッサである。制御部51は、管理サーバ50の動作を司るコントローラとして機能し、管理サーバ50の各部の動作を全体的に統括するための制御処理、管理サーバ50の各部との間のデータの入出力処理、データの演算(計算)処理及びデータの記憶処理を行う。制御部51は、メモリ52に記憶されたプログラム及びデータに従って動作する。制御部51は、動作時にメモリ52を使用し、制御部51により生成されたデータをメモリ52に記録する。制御部51は、例えば後述するレイアウト情報やレシピ情報を含む制御情報を受信したり、生成して管理したりする。
【0035】
メモリ52は、例えばRAMとROMとを用いて構成され、管理サーバ50の動作の実行に必要なプログラムやデータ、更には、動作中に生成された情報又はデータ等を一時的に保存する。RAMは、例えば制御部51の動作時に使用されるワークメモリである。ROMは、例えば制御部51を制御するためのプログラム及びデータを予め記憶する。メモリ52は、また電気機器30から送信された検知情報、電気機器30の動作を制御するための制御情報、コネクトユニット10に送信するための制御情報、自機の識別情報、災害時や緊急時用の制御情報、レイアウト情報やレシピ情報等を記憶する。
【0036】
通信部53は、モバイル通信網(図示略)並びに無線LANやインターネット網を用いたネットワーク網(図示略)にそれぞれ接続される。通信部53は、モバイル通信網(図示略)に接続された制御端末40、ネットワーク網(図示略)に接続されたクラウドサーバ60、外部サーバ70、SNS・Webサービス90との間で通信可能に接続される。また、通信部53は、PLC通信網又は無線LAN網を介して、コネクトユニット10と通信可能に接続される。
【0037】
管理サーバ50は、通信部53を介して、コネクトユニット10に接続された電気機器30から、電気機器30により検知された検知情報を受信する。管理サーバ50は、通信部53を介して、クラウドサーバ60に検知情報の分析の実行を要求し、その分析結果を受信する。また、管理サーバ50は、通信部53を介して、外部サーバ70において公開されているレイアウト情報やレシピ情報を外部サーバ70から受信する。また、管理サーバ50は、レイアウト情報又はレシピ情報を公開するために、外部サーバ70にレイアウト情報やレシピ情報を送信する。また、管理サーバ50は、SNS・Webサービス90との間で連携して動作可能である。SNS・Webサービス90は、例えば各種のSNS(social networking service)及び各種のWebサービスを含む。SNS・Webサービス90には、既知のサービスとして、例えばツイッター(登録商標)、フェイスブック(登録商標)、インスタグラム(登録商標)、IFTTT(イフト)、トランスレーション(Translation)等が挙げられる。
【0038】
クラウドサーバ60は、制御部61、メモリ62、及び通信部63を含む。
【0039】
制御部61は、例えばCPU、MPU、DSPもしくはFPGAを用いて構成されたプロセッサである。制御部61は、クラウドサーバ60の動作を司るコントローラとして機能し、クラウドサーバ60の各部の動作を全体的に統括するための制御処理、クラウドサーバ60の各部との間のデータの入出力処理、データの演算(計算)処理及びデータの記憶処理を行う。制御部61は、メモリ62に記憶されたプログラム及びデータに従って動作する。制御部61は、動作時にメモリ62を使用し、制御部61により生成されたデータをメモリ62に記録する。例えば、電気機器30のセンサ34が収集したデータの分析を行ったり、制御端末40に入力されたユーザの入力情報からユーザの嗜好分析を行ったり、本システム外からのデータ(例えばユーザのライフスタイルに関する情報や嗜好に関する情報、天気や季節や時間などの環境に関する情報など)と併合してユーザのビジネススタイルやライフスタイルを分析してもよい。
【0040】
メモリ62は、例えばRAMとROMとを用いて構成され、クラウドサーバ60の動作の実行に必要なプログラムやデータ、更には、動作中に生成された情報又はデータ等を一時的に保存する。RAMは、例えば制御部61の動作時に使用されるワークメモリである。ROMは、例えば制御部61を制御するためのプログラム及びデータを予め記憶する。メモリ62は、また管理サーバ50を含む多くのサーバから受信した検知情報を蓄積する。
【0041】
通信部63は、有線又は無線を用いてネットワーク網(図示略)に接続され、ネットワーク網に接続された管理サーバ50との間で通信する。クラウドサーバ60は、通信部63を介して、管理サーバ50から受信した検知情報を分析し、分析結果を管理サーバ50に返信する。
【0042】
外部サーバ70は、制御部71、メモリ72、及び通信部73を含む。
【0043】
制御部71は、例えばCPU、MPU、DSPもしくはFPGAを用いて構成されたプロセッサである。制御部71は、外部サーバ70の動作を司るコントローラとして機能し、外部サーバ70の各部の動作を全体的に統括するための制御処理、外部サーバ70の各部との間のデータの入出力処理、データの演算(計算)処理及びデータの記憶処理を行う。制御部71は、メモリ72に記憶されたプログラム及びデータに従って動作する。制御部71は、動作時にメモリ72を使用し、制御部71により生成されたデータをメモリ72に記録する。
【0044】
メモリ72は、例えばRAMとROMとを用いて構成され、外部サーバ70の動作の実行に必要なプログラムやデータ、更には、動作中に生成された情報又はデータ等を一時的に保存する。RAMは、例えば制御部71の動作時に使用されるワークメモリである。ROMは、例えば制御部71を制御するためのプログラム及びデータを予め記憶する。メモリ72は、また公開されているレイアウト情報やレシピ情報を登録する。
【0045】
通信部73は、有線又は無線を用いて、ネットワーク網(図示略)に接続される。通信部73は、ネットワーク網(図示略)に接続された管理サーバ50に対し、メモリ72に登録されたレイアウト情報やレシピ情報を管理サーバ50に送信する。また、通信部73は、管理サーバ50から送信される公開用のレイアウト情報やレシピ情報を受信する。なお、外部サーバ70は、制御端末40が行う機能を有し、制御端末40に代わってレイアウト情報やレシピ情報の作成等を行ってもよい。
【0046】
図3は、コネクトユニット10の駆動系及び制御系の構成例を模式的に示すブロック図である。コネクトユニット10は、可動連結部15、機器連結部16、モータ14及び電源部19を含む駆動系と、制御部11、メモリ12及び通信部13を含む制御系とから構成される。なお、制御系に含まれる制御部11、メモリ12及び通信部13の構成及び動作は、
図2を参照して説明したのでここでは説明を省略する。
【0047】
可動連結部15は、コネクトユニット10をダクトレール8に可動自在に取り付ける(つまり、ダクトレール8と連結する)。コネクトユニット10は、可動連結部15によって取り付けられたダクトレール8に沿って移動自在である。可動連結部15の機構の詳細については後述する。
【0048】
機器連結部16は、電気機器30をコネクトユニット10に接続する(つまり、電気機器30と連結する)。機器連結部16に接続された電気機器30は、コネクトユニット10とともに、ダクトレール8に沿って移動自在である。機器連結部16の機構の詳細については後述する。
【0049】
モータ14は、例えば移動用モータ14z、パン用モータ14y、及びチルト用モータ14xを含む。移動用モータ14zは、可動連結部15に設けられる(
図4参照)。移動用モータ14zは、ピニオンギヤ141が軸支された回転軸を有し、ダクトレール8の内側に敷設されたラック8yとピニオンギヤ141とを歯合させて可動連結部15を直進運動させる。移動用モータ14zの回転により、コネクトユニット10は、ダクトレール8に沿って移動する。
【0050】
パン用モータ14yは、機器連結部16に設けられる(
図4参照)。パン用モータ14yは、ギア142(
図4参照)を介して、コネクトユニット10を鉛直方向(言い換えると、
図3の紙面上下方向に相当する垂直方向)の軸を中心に回転させる回転軸を有し、機器連結部16に接続された電気機器30をパン方向に回転させる(つまり、パン回転させる)。
【0051】
チルト用モータ14xは、機器連結部16に設けられる(
図4参照)。チルト用モータ14xは、コネクトユニット10の鉛直方向(上述参照)の軸に対し、ギア144(
図4参照)を介して、電気機器30をチルト方向に傾斜させる(つまり、チルト回転させる)。
【0052】
電源部19は、ダクトレール8内の電極であるレール状の電極板8z(
図4参照)から商用交流を入力し、コネクトユニット10の各部に直流電圧を印加する。電源部19は、電極板8zに電源が供給されない非常時等においても、コネクトユニット10の各部に電力を供給可能なバッテリ19zを内蔵する。バッテリ19zは、電源部19によって充電される。
【0053】
図4は、可動連結部15をダクトレール8に連結する機構の一例、及び機器連結部16に電気機器30を連結する機構の一例を示す断面図である。なお、
図4に示す連結機構は、あくまで一例であり、様々な連結機構が用いられてもよい。
【0054】
ダクトレール8は、その断面が略コの字状に形成された長尺の筐体8aを有する。ダクトレール8の下側には、対向する一対の係止部8a1,8a2が、可動連結部15を内側に収容可能に形成される。また、筐体8aの両側の内壁面には、その長手方向に商用交流が通電する電極板8zがそれぞれ配置された突起8b1,8b2が形成される。また、筐体8aの内側の天井面には、その長手方向に、移動用モータ14zのピニオンギヤ141と歯合するラック8yが配置される。
【0055】
可動連結部15は、コネクトユニット10に上部に凸状に形成される。可動連結部15の外側の両側面には、ダクトレール8の下側に形成された係止部8a1,8a2とそれぞれダクトレール8の長手方向に摺動自在な突起151,152が形成される。また、可動連結部15の上面から突出した、移動用モータ14zのピニオンギヤ141は、ラック8yと歯合する。また、可動連結部15の外側の両側面には、先端に接点155a,156aを有する凸部155,156が形成される。接点155a,156aは、それぞれダクトレール8の両側の内壁面に配置された電極板8zと接触して導通し、電極板8zから電力の供給を受ける。
【0056】
機器連結部16は、コネクトユニット10の下部に設けられ、電気機器30をコネクトユニット10の下面に連結する。機器連結部16は、上方のパン部材121と下方のチルト部材123とに分割されている。パン部材121は、パン用モータ14y及びギア142を含む。チルト部材123は、チルト用モータ14x及びギア144を含む。また、チルト部材123は、チルト方向に傾斜自在な取付部123zを有する。
【0057】
また、取付部123zの下面には、電気機器30が装着される凹部123yが形成される。電気機器30の筐体30zは、取付部123zの凹部123yに嵌合される凸部30z2が形成された突起部30z1を有する。例えば、突起部30z1の凸部30z2を取付部123zの凹部123yに挿入し、凸部30z2を凹部123yに対し90°捻ることで、機械的なロック機構が掛かり、凹部123yから凸部30z2が外れなくなる。突起部30z1は、取付部123zに結合される。逆に、凸部30z2を凹部123yに対し-90°捻ることで、機械的なロック機構が解除され、凹部123yから凸部30z2が外れる。突起部30z1は、取付部123zから解放される。なお、取付部123zと突起部30z1の結合は、機械的なロック機構によることなく、永久磁石や電磁石による磁気力で行われてもよい。例えば、取付部123zの凹部123yに通電可能な電磁石を取り付け、突起部30z1の凸部30z2に磁石もしくは磁性体を取り付ける。取付部123zの凹部123yが取付部123zの凸部30z2に嵌合されると、電磁石を通電することで、取付部123zと突起部30z1が磁気力により強固に結合する。逆に、通電を止めることで、取付部123zから突起部30z1が解放される。
【0058】
パン用モータ14yが回転すると、チルト部材123、及びその取付部123zに取り付けられた電気機器30がパン方向d5に所定角度(例えば、360°)回転する。また、チルト用モータ14xが回転すると、チルト部材123の取付部123z及びこれに取り付けられた電気機器30がチルト方向d6に所定角度(例えば、鉛直方向の軸に対して30°)傾斜する。
【0059】
図5は、使用状態のコネクトユニット10の外観を示す斜視図である。
図6は、斜め上方から見たコネクトユニット10の外観を示す斜視図である。
図7は、
図6の裏側から見たコネクトユニット10の外観を示す斜視図である。
図8は、斜め下方から見たコネクトユニット10の外観を示す斜視図である。
図9は、
図8の裏側から見たコネクトユニット10の外観を示す斜視図である。
【0060】
コネクトユニット10は、ダクトレール8に沿う方向に延びた水平部材10z1と、ダクトレール8に対して垂直方向に延びた垂直部材10z2とを含む、略T字形の筐体10zを有する。コネクトユニット10は、可動連結部15がダクトレール8と連結することで、ダクトレール8に沿って移動自在である。また、コネクトユニット10は、機器連結部16が電気機器30と連結することで、電気機器30を保持する。
図5では、電気機器30として、例えばプロジェクタ313(
図1参照)がコネクトユニット10に連結されている。
【0061】
図10は、レイアウト情報を作成するためのタブtb1がタッチ操作で選択された場合に制御端末40のタッチパネル44に表示される画面例を示す図である。
図10に示す画面に対するユーザの操作により、制御端末40の制御部41は、その操作に応じた処理を実行し、その実行結果に関するデータもしくは情報をタッチパネル44に表示する。制御端末40のタッチパネル44の画面は、ユーザが上部に配置されたタブtb1,tb2のいずれかを選択することで、レイアウト情報を作成するためのレイアウト画面GM1と、レシピ情報を設定するためのレシピ画面GM2とに切替可能である。
【0062】
タブtb1がタッチ操作で選択されると、タッチパネル44は、レイアウト画面GM1を表示する。レイアウト画面GM1は、3つのカラムで構成される。レイアウト画面GM1において、図中、左側のカラムCM11には、電気機器リスト220が表示される。中央のカラムCM12には、レイアウト生成画面が表示される。右側のカラムCM13には、プロパティ240(PROPERTY)、ライブビュー245(LIVE VIEW)、調整ボックス250(ADJUST)が表示される。
【0063】
カラムCM11に表示される電気機器リスト220では、複数種類の電気機器30をそれぞれ表す複数のアイコンが縦に(つまり、
図10の紙面上下方向に)配列している。ここでは、複数のアイコンとして、例えばカメラのアイコンi1、マイクアイコンi2、スピーカアイコンi3、ビーコンアイコンi4、プロジェクタアイコンi5、センサアイコンi6の計6個のアイコンが登録されている。なお、ADDボタン221は、カラムCM11に表示される電気機器リスト220に、新規にアイコンを追加する場合に選択される。
【0064】
これらのアイコンは、ユーザによってタッチ操作され、ドラッグ操作によって中央のカラムCM12に移動し、リリース操作される。アイコンは、リリース操作された位置に近傍した格子LT上の位置あるいは格子点LTcに配置される。なお、格子LTはダクトレール8に相当し、格子点LTcはダクトレール8の交差点に相当する。したがって、アイコンで示される電気機器30は、ダクトレール8上の位置あるいは交差点に配置される。
【0065】
図10では、カメラのアイコンi11~i13が格子点LTcに配置される。また、カメラのアイコンi13で表されるカメラ314は、点線L1,L2で挟まれて示される範囲が撮像時の画角となるように、店舗内を撮像することが示される。その他、複数の(例えば、
図10では15個の)ビーコンアイコンi4、1個のスピーカアイコンi3、1個のプロジェクタアイコンi5、1個のセンサアイコンi6がそれぞれ配置される。なお、ダクトレール8の形状によっては、あるレイアウトから異なるレイアウトに変更することで移動が必要になる電気機器のうち、どうしても自動では移動できずユーザなどによるマニュアル移動が必要になる場合がある、その時、マニュアル移動が必要な電気機器のアイコンは、マニュアル移動が必要でない電気機器のアイコンを、色やサイズ、形状などを異ならせて表示すると良い。
【0066】
中央のカラムCM12に表示されるレイアウト生成画面は、格子LT及びアイコンの他、店舗内の空間を上方から見た画像を背景画像233として含む。背景画像233には、店舗内に設置された複数の商品棚231zが映っている。
【0067】
右側のカラムCM13に表示されるプロパティ(PROPERTY)240には、電気機器30の識別情報(DEVICE ID)241、及び動作中(BEHAVIOR)の電気機器30のレシピ情報242の一覧が示される。プロパティ240の下方には、削除ボタン(DELETE)240z及び追加ボタン(ADD)240yが表示される。電気機器30の識別情報241が表示されている状態で、ユーザが1つのレシピ情報242を選択し、削除ボタン240zをタッチすると、このレシピ情報242は消去される。また、追加ボタン240yをタッチすると、このレシピ情報242は追加される。
【0068】
ライブビュー245(LIVE VIEW)は、識別情報241で特定される電気機器30、ここでは、カメラのアイコンi13で表されるカメラ314が撮像している映像を表示する。
【0069】
調整ボックス250は、識別情報241で特定される電気機器30(ここでは、カメラ314)の動作を指示する複数の操作ボタン250zを含む。複数の操作ボタン250zは、上下左右に撮像方向を切り替える4つのボタン、撮像方向をパン方向(左回り・右回り)に回転させる2つのボタン、撮像方向をチルト方向に傾斜させる2つのボタンを含む。ユーザは、これらの操作ボタン250zの1つをタッチ操作すると、カメラ314の向き(撮像方向)が変更される。なお、カラムCM13には、プロパティ240、ライブビュー245、及び調整ボックス250の少なくとも一部が表示されても良い。例えば、カラムCM13には、プロパティ240のみ、ライブビュー245のみ、ライブビュー245、及び調整ボックス250のみが表示される。
【0070】
また、レイアウト画面GM1の下方には、登録されているレイアウト情報の一覧を表示させるレイアウト一覧ボタン(LAYOUT LIST)261が選択可能に表示される。また、レイアウトの対象となる電気機器30を特定するための対象特定ボタン(OBJECT)262が選択可能に表示される。また、中央のカラムCM12のレイアウト生成画面の拡大・縮小を操作するための倍率スライドバー263が表示される。また、レイアウトの方向を指定する方向指定ボタン264が表示される。方向指定ボタン264は、店舗内の水平方向の空間を表すX-Y方向のレイアウトと、店舗内の垂直方向の空間を表すZ方向のレイアウトとに切り替え可能である。
図10では、方向指定ボタン264は、X-Y方向のレイアウトを表示するように選択されている。また、上記操作によって作成・編集されたレイアウトを表すレイアウト情報を管理サーバ50のメモリ52に登録する保存ボタン265が表示される。なお、保存ボタン265のクリック操作によってレイアウト情報が保存される保存先は、管理サーバ50のメモリ52に限らず、制御端末40のメモリ42や、クラウド上のストレージであってもよい。
【0071】
また、レイアウトを変更操作には、AR(Augmented Reality)を利用しても良い。例えば、制御端末40にカメラが搭載されており、そのカメラで天井及びダクトレール8を撮像し、操作したい対象の電気機器30を、撮像画面を表示するタッチパネル44上で選択することで、ユーザは実空間を撮像しながら対象の電気機器30を選択することができる。更に、例えば、この対象の電気機器30を移動させたいのであれば、この対象の電気機器30の移動先を、撮像中画面を表示するタッチパネル44上で入力することによって、実空間を撮像しながら移動先までも指定することができる。
【0072】
タッチパネル44に入力された移動先の位置を、実空間の位置に変換する例を説明する。実空間の座標ダクトレール8上の電気機器30の位置情報をロボット座標系とする。また、制御端末40の位置情報を端末装置座標系とする。
【0073】
管理サーバ50の制御部51は、制御端末40からタッチパネル44で入力された位置情報を取得する。座標変換部511は、ロボット座標系から端末装置座標系に変換する。
図20Aは、ロボット座標系においてダクトレール8を真上から見た座標を示し、ダクトレール8が所定位置の位置情報(x,y,θ)を(0,0,0)とする。
図20Bは、制御端末40の座標系において、制御端末40を矩形で示すとともに、黒丸で電気機器30の位置301を示す。
【0074】
制御端末40で電気機器30を撮影し、制御端末40の位置を推定し、その座標を端末装置座標系の原点とする。このとき、制御端末40の位置は、例えば、以下の2つの方式のいずれかで求められる。
【0075】
方式1としては、電気機器30に付された識別マーク(図示略)を制御端末40のカメラで撮影する。制御部51は、撮影したカメラ画像の画像情報を識別マーク(図示略)の認識を行い、識別マーク(図示略)の大きさと傾きとを求める。制御部51は、求められた識別マーク(図示略)の大きさと傾きとから座標系のキャリブレーションを行うとともに、壁の位置をパターンマッチングの画像処理により抽出して制御端末40の端末座標系での制御端末40の撮影位置を算出する。これは、カメラで撮影した識別マーク(図示略)の見え方により座標変換を行うことに相当し、識別マーク(図示略)が傾斜していれば、その傾斜角度で座標系も傾斜させることを意味している。
【0076】
方式2としては、電気機器30から制御端末40までの距離を深度カメラで計測して、計測された距離に基づき、制御端末40の位置を算出する。
【0077】
深度カメラでの電気機器30から制御端末40までの距離の計測は公知の方法を用いられる。距離の計測方法の一例は、TOF(Time of Flight)方式である。TOF方式では、投射したレーザが対象まで往復するのにかかる時間に基づいて距離が計測される。
【0078】
マイクロソフト社のKinect(登録商標)は、単一の投影パターン(例えば、ランダムなドットが散りばめられた大きな四角形パターン)を常に対象表面に投影しておき、撮影した画像からパターン内の各場所の移動量を画像処理で捉えることにより、赤外線カメラで撮影した動画のすべてのフレームにおいて3次元計測を行うことを実現する。
【0079】
さらに、操作にカメラの画像認識技術を使ってもよい。例えば、制御端末40に搭載されたカメラや電気機器30としてのカメラなどでユーザを映し、例えばユーザが操作したい電気機器30を指さすと、その電気機器30が操作対象の電気機器30として管理サーバ50に認識されるようカメラから管理サーバ50に情報を送信してもよい。更に、この対象の電気機器30を移動させたいのであれば、この対象の電気機器30の移動先をカメラに映ったユーザが指をさすことで、実空間内で移動先までも指定することができる。
【0080】
さらに、制御部51が、タッチパネル44が表示するカメラ画像上のユーザの入力により移動先が特定できない場合又はユーザの指示に基づいて、タッチパネル44に、カメラ画像と、
図10に示すレイアウト生成画面CM12とが分割された分割画面を表示しても良い。ここでのレイアウト生成画面CM12とは、施設の上面図(施設の2次元の地図情報)を含む。ユーザの指示として、レイアウト画面GM1にアイコンを表示しても良いし、制御端末40がマイクを有し、制御部41でユーザの所定ワードの音声を認識することで、分割画面を表示しても良い。
【0081】
分割画面において、カメラ画像へのユーザの入力に対応するレイアウト生成画面CM12の位置に、ユーザの入力があることを表示する。このとき、制御部51は、タッチパネル44のカメラ画像の入力位置の情報を取得し、それに対応するレイアウト生成画面CM12の位置情報を制御端末40に出力する。または、分割画面において、レイアウト生成画面CM12へのユーザの入力に対応するカメラ画像の位置に、ユーザの入力があることを表示する。このとき、制御部51は、タッチパネル44のレイアウト生成画面CM12の入力位置の情報を取得し、それに対応するカメラ画像の位置情報を制御端末40に出力する。つまり、分割画面において、カメラ画像及びレイアウト生成画面CM12のいずれかにユーザが入力した場合、他方の画像のユーザの入力が表示される。
【0082】
さらに、操作情報は、ユーザの声によって指示されても良く、コネクトユニット10、電気機器30、または制御端末40に入力手段として音声認識機能を搭載することで実現される。
【0083】
図11は、方向指定ボタン264がZ方向のレイアウトに切り替えられた場合に制御端末40のタッチパネル44に表示される画面例を示す図である。
図11に示す画面に対するユーザの操作により、制御端末40の制御部41は、その操作に応じた処理を実行し、その実行結果に関するデータもしくは情報をタッチパネル44に表示する。方向指定ボタン264がZ方向のレイアウトに切り替えられた場合、中央のカラムCM12には、対象特定ボタン262によって特定され、識別情報241に表示される、カメラのアイコンi13に対応するカメラ314の垂直方向の配置が示される。また、カメラ314によって撮像される画角は、点線L3.L4で挟まれて示される範囲である。ここでは、被写体としてポスタが貼られた看板235が撮像される。カメラ314の移動や向きによって撮像される被写体の撮像範囲が変化する。ライブビュー245には、カメラ314によって撮像される撮像範囲内の被写体の映像が表示される。また、方向指定ボタン264がZ方向のレイアウトに切り替えられた場合、レイアウト画面GM1における、左側のカラムCM11と右側のカラムCM13の表示項目は変化しない。
【0084】
なお、カメラ314の位置を調整する際、人の動き検知のためのセンサ317によって実空間における人物の動きを検知し、制御端末40のタッチパネル44にVR(拡張現実)でカメラ314を表示し、カメラ314の位置を指で動かすことで、カメラ314の位置や向きを微調整できるようにしてもよい。
【0085】
図12は、レシピ情報を設定するためのタブtb2がタッチ操作で選択された場合に制御端末40のタッチパネル44に表示される画面例を示す図である。
図12に示す画面に対するユーザの操作により、制御端末40の制御部41は、その操作に応じた処理を実行し、その実行結果に関するデータもしくは情報をタッチパネル44に表示する。タブtb2がタッチ操作で選択されると、タッチパネル44は、レシピ画面GM2を表示する。レシピ画面GM2は、3つのカラムで構成される。レシピ画面GM2において、図中、左側のカラムCM21には、レイアウト画面GM1の左側のカラムCM11と同様、電気機器リスト220が表示される。右側のカラムCM23には、SNS・Webサービス90の一覧270が表示される。ここでは、SNS・Webサービス90として、例えばIFTTT271、ツイッター(Twitter)(登録商標)272、トランスレーション(Translation)273が挙げられる。なお、ADDボタン278は、カラムCM23に表示されるSNS・Webサービス90の一覧270に、新規にSNS・Webサービスを追加する場合に選択される。
【0086】
中央のカラムCM22には、レシピ設定画面GM22が表示される。レシピ設定画面GM22では、電気機器リスト220に登録されているアイコンをドラッグ操作することで、レシピ設定の対象とすることができる。つまり、アイコンi1~i6の1つが、ユーザによってタッチ操作され、ドラッグ操作によって中央のカラムCM22に移動し、リリース操作されると、レシピ設定画面GM22にアイコンが表示され、アイコンに対応する電気機器30がレシピ設定の対象となる。
図12では、電気機器リスト220からカメラのアイコンi1がドラッグ操作され、レシピ設定画面GM22には、カメラ314が設定対象であることを表すタイルte1が表示される。
【0087】
タイルte1の下には、カメラ314の動作条件を表すタイルte2,te3が登録される。動作条件は、ユーザがタッチパネル44に対し、タッチ入力することで設定可能である。例えば、タイルte2には、カメラ314が人物を検知したことが動作条件として登録される。また、タイルte2には、日時と場所が登録される。また、タイルte2には、電気機器リスト220からドラッグ操作されたプロジェクタアイコンi5のタイルte4、及び新たに電気機器リスト220からドラッグ操作されたカメラのアイコンi1のタイルte5が紐付けられている。また、タイルte3には、タイルte2に登録された動作条件が満たされた場合の動作内容が登録される。動作内容として、プロジェクタアイコンi5に対応するプロジェクタ313は、壁面に映像を投影する、また、カメラのアイコンi1に対応するカメラ314は、所定の場所を撮像し、撮像画像に含まれる人物の年令層を判別することが登録される。
【0088】
上述した動作条件及び上述した動作内容を基に、例えば、タイムセールの時間帯(予め定められた時間)に、衣料品コーナーで人物を見かけると、プロジェクタ313が作動し、壁面にさまざまなファッションの洋服を着た女性が映し出されるという演出効果を設定することができる。また、カメラ314が作動し、撮像される画像に複数の人物の顔画像から年令層を判別し、年令に見合った洋服を陳列するように設定可能である。
【0089】
上述した操作によって設定されたレシピ情報は、保存ボタン265を押下することによって、制御端末40から管理サーバ50に送信され、管理サーバ50の制御部51はその送信されたレシピ情報をメモリ52に登録する。なお、保存ボタン265のクリック操作によってレシピ情報が保存される保存先は、管理サーバ50のメモリ52に限らず、制御端末40のメモリ42や、クラウド上のストレージであってもよい。また、外部サーバ70のメモリ72に公開用に保存されてもよい。
【0090】
図13は、SNS・Webサービス90としてトランスレーション273を利用してレシピ情報を設定する場合に制御端末40のタッチパネル44に表示される画面例を示す図である。
図13に示す画面に対するユーザの操作により、制御端末40の制御部41は、その操作に応じた処理を実行し、その実行結果に関するデータもしくは情報をタッチパネル44に表示する。レシピ設定画面GM22では、電気機器リスト220に登録されている、マイクアイコンi2をドラッグ操作することで、マイクロフォン315を表すタイルte6が配置される。また、SNS・Webサービス90の一覧270に登録されている、トランスレーション273をドラッグ操作することで、トランスレーション273を表すタイルte7が配置される。また、電気機器リスト220に登録されている、スピーカアイコンi3をドラッグ操作することで、スピーカ316を表すタイルte8が配置される。タイルte6とタイルte7とを紐付け、タイルte7とタイルte8とを紐付けることで、レシピ情報が設定される。この設定で、レシピ情報は、マイクロフォン315で外国語の音声を入力すると、Webサービスであるトランスレーション273が入力された音声を日本語の音声に変換し、スピーカ316が日本語で発音するレシピ情報が設定される。また、日本語の音声を外国語の音声に変換する設定をレシピ情報に含めてもよい。
【0091】
これにより、例えば、店舗のレジに外国人が尋ねてきた場合、店員は、外国語で発音された内容をすぐさま日本語で理解することができる。したがって、接客マナーが向上し、売り上げアップに貢献できる。
【0092】
図14は、SNS・Webサービス90としてインスタグラム275を利用してレシピ情報を設定する場合に制御端末40のタッチパネル44に表示される画面例を示す図である。
図14に示す画面に対するユーザの操作により、制御端末40の制御部41は、その操作に応じた処理を実行し、その実行結果に関するデータもしくは情報をタッチパネル44に表示する。SNS・Webサービス90の一覧270に登録されている、インスタグラム275をドラッグ操作することで、インスタグラム275を表すタイルte9が配置される。また、レシピ設定画面GM22では、電気機器リスト220に登録されている、プロジェクタアイコンi5をドラッグ操作することで、プロジェクタ313を表すタイルte10が配置される。タイルte9とタイルte10とを紐付けることで、レシピ情報が設定される。この設定では、インスタグラム275に画像が投稿された場合、例えば投稿された画像が店舗内の画像である場合、プロジェクタ313がその場所に移動し、映像を投影することが可能となる。これにより、画像に興味のある人に対し、様々な映像を見せることができる。
【0093】
また、各種のレシピ情報は、クラウド上のレシピストアにおいて登録され、ネットワークを通じて、有償あるいは無償で公開されてもよい。
図15は、レシピストア310に登録されたレシピ情報の一覧が制御端末40のタッチパネル44に表示された画面例を示す図である。レシピストア310には、レシピ番号001~0012に示すように、多数のレシピ情報が登録されている。制御端末40の制御部41は、通信部43を介して、レシピストア310にアクセスし、登録されているレシピ情報をダウンロードし、メモリ42に記憶することが可能である。これにより、ユーザは、レシピ情報を設定する手間を省くことができ、また、新たに設定するレシピ情報に一部を取り込むことで、新たなレシピ情報を簡単に設定可能である。
【0094】
(機器管理システムの動作)
次に、実施の形態1に係る機器管理システム5の動作手順について説明する。
【0095】
先ず、コネクトユニット10をダクトレール8に沿って移動させる動作例を示す。
図16は、制御端末40からコネクトユニット10を直接に移動させる動作手順の一例を説明するシーケンス図である。
【0096】
図16において、ユーザは、制御端末40のタッチパネル44(つまり、ユーザインターフェースであるUI)に対し、コネクトユニット10を移動させるための制御情報を入力する。この制御情報は、前述したように、レイアウト情報、レシピ情報、電気機器移動情報等である。なお、電気機器移動情報は、レイアウト情報に含まれてもよい。入力される制御情報として、例えば、生鮮食品コーナーに配置されたプロジェクタ313を野菜コーナーに移動させる情報が挙げられる。制御端末40は、ユーザにより入力された制御情報を受け付ける(T1)。
【0097】
制御端末40は、入力された制御情報を管理サーバ50に送信する(T2)。管理サーバ50は、制御端末40から制御情報を受信すると、対象となる電気機器30が接続されたコネクトユニット10を特定する(T3)。なお、このとき、管理サーバ50は、対象となる電気機器30が接続されたコネクトユニット10に送信される制御情報に、その他の情報(例えば、制御情報が入力された制御端末40の識別情報等)を付加してもよい。
【0098】
管理サーバ50は、コネクトユニット10に制御情報を送信する(T4)。コネクトユニット10は、管理サーバ50から受信した制御情報を基に、移動先を決定して移動する(T5)。
【0099】
図17は、外部サーバ70の制御情報を用いてコネクトユニット10を移動させる動作手順の一例を説明するシーケンス図である。
【0100】
図17において、外部サーバ70は、レイアウト情報、レシピ情報等の制御情報をオプションリストとして登録している。外部サーバ70は、制御情報のオプションリストを読み出す(T11)。外部サーバ70は、読み出したオプションリストを制御端末40に送信する(T12)。オプションリストを送信するタイミングとして、定期的に、あるいは制御端末40から要求された時が挙げられる。
【0101】
制御端末40は、外部サーバ70からオプションリストを受信し、オプションリストの中から、ユーザの入力操作によって選択された所望の制御情報を受け付ける(T13)。制御端末40は、所望の制御情報を外部サーバ70に通知する(T14)。なお、制御端末40と外部サーバ70との通信は、管理サーバ50を介しても良いし、直接行われてもよい。
【0102】
外部サーバ70は、選択された制御情報の詳細情報を管理サーバ50に送信する(T15)。管理サーバ50は、受信した制御情報の詳細情報を基に、現在の制御情報を設定する(T16)。管理サーバ50は、対象となる電気機器30が接続されたコネクトユニット10に、設定した制御情報を送信する(T17)。コネクトユニット10は、管理サーバ50から受信した制御情報を基に、移動先を特定して移動する(T18)。なお、ここでは、外部サーバ70が管理サーバ50に制御情報の詳細情報を送信していたが、制御端末40が制御情報の詳細情報を外部サーバ70から受け取り、管理サーバ50に直接に送信してもよい。
【0103】
例えば、オプションリストには、制御情報に加えて、空間情報が含まれていても良い。外部サーバ70は、機器管理システム5が位置する施設の空間情報(空間の大きさ、空間の形状、空間の用途)に応じて、制御情報を取得しても良い(T11)。空間の大きさの例は、3次元の空間(x、y、z)の長さ、2次元の空間(x、y)である。ここで、zは高さを意味している。空間の形状の例は、2次元の空間の形状、3次元の空間の形状である。
【0104】
また、オプションリストには、制御情報に加えて、施設内部のユーザの位置の情報を含んでも良い。ユーザの位置は、高さ情報を除く2次元の位置でも良く、3次元の位置でも良い。制御端末40は、オプションリストを表示する際に、ユーザの位置の情報を表示する。例えば、電気機器30がスピーカ316である場合、スピーカ316の指向性と、スピーカ316の位置とに基づいて、スピーカ316の音が聞こえやすい位置(最適位置)が決まる。このとき、オプションリストの制御情報には、最適位置で、スピーカ316の音が聞こえやすいように、電気機器30を制御するための情報が含まれている。例えば、電気機器30の機能が働く領域とその働く強度とを施設の空間にマッピングすることで最適位置の情報を作成することができる。電気機器30がスポットライトの場合、電気機器30の機能が働く領域とは、スポットライトで照明される範囲を示し、電気機器30の機能が働く強度とは、スポットライドで照明される明るさを示す。明るさの一例は、照度(lux)である。例えば、機器管理システム5が複数のスピーカ316を有する場合、指向性の情報と、ボリュームの大きさ毎の音の減衰度の情報に基づいて、スピーカ316の音が聞こえやすい位置(最適位置)を得ることができる。これにより、ユーザは、制御端末40の表示を確認して、スピーカ316の音が聞かせたいユーザの位置に基づいて、所望の制御情報を選択できる。制御端末40は、スピーカ316の音が聞かせたいユーザの位置に対応するユーザの入力操作によって選択された制御情報を受け付ける(T13)。ここでのユーザの位置は、位置検出センサ18で検知するユーザの位置を意味するのではなく、電気機器30の機能を最も有効に働くユーザの位置を意味している。ユーザの位置は、1点ではなく、領域を意味しても良い。
【0105】
図18は、SNS・Webサービス90を利用してコネクトユニット10を移動させる動作手順の一例を説明するシーケンス図である。
【0106】
図18において、SNS・Webサービス90は、定期的な日時やイベントを検知する(T21)。SNS・Webサービス90が検知するイベントとして、例えば、特定の写真がインスタグラム(登録商標)に投稿されたり、ツイッター(登録商標)に特定の文言を含むメッセージがアップされたりすること等が挙げられる。SNS・Webサービス90は、定期的な日時あるいはイベントの検知時に、制御情報の詳細情報を管理サーバ50に送信する(T22)。この制御情報は、前述したレイアウト情報やレシピ情報を含む。なお、管理サーバ50がSNS・Webサービス90に対し詳細情報を要求し、SNS・Webサービス90は、この要求に応じて詳細情報を送信してもよい。
【0107】
管理サーバ50は、受信した制御情報の詳細情報を基に、現在の制御情報を設定し、対象となるコネクトユニット10を特定する(T23)。管理サーバ50は、対象となる電気機器30が接続されたコネクトユニット10に、設定した制御情報を送信する(T24)。コネクトユニット10は、管理サーバ50から受信した制御情報を基に、移動先を特定して移動する(T25)。
【0108】
図19は、電気機器30の検知情報を用いてコネクトユニット10を移動させる動作手順の一例を説明するシーケンス図である。
【0109】
図19において、電気機器30は、検知情報を生成する(T31)。検知情報は、例えば、電気機器30がファン319である場合、室温の上昇を検知してファン319が作動するように、温度センサが検知した室温であってもよい。また、検知情報は、電気機器30がカメラ314である場合、カメラ314が撮像した画像に含まれる人物の年令等を含む情報であってもよい。電気機器30は、生成した検知情報を管理サーバ50に送信する(T32)。
【0110】
管理サーバ50は、検知情報を受信すると、メモリ52に保存する(T33)。管理サーバ50は、検知情報を分析してもらうために、クラウドサーバ60に検知情報を送信する(T34)。
【0111】
クラウドサーバ60は、管理サーバ50を含む多くのサーバから検知情報を受信し(T35)、これらの検知情報を分析する(T36)。この分析として、例えば、カメラ314で撮像された画像を基に、人物が多く集まる場所を探してもよい。分析の結果、A店、B店、C店等のスーパーでは、夕方5:00頃から果物コーナーに沢山の人が集まっているという情報が得られる。
【0112】
クラウドサーバ60は、分析の結果を基に、制御情報を生成する(T37)。クラウドサーバ60が生成する制御情報は、例えば、夕方5:00頃になると、果物コーナーを照明するように、スポットライトを移動させて点灯する、果物コーナーにプロジェクタを移動させて映像を投影する等、販売促進に繋がるようなレシピ情報を含む。クラウドサーバ60は、生成した制御情報を管理サーバ50に送信する(T38)。時間情報に関わる分析だけでなく、例えば、天気情報や曜日、店内の混雑レベルに関わる分析の結果に応じて、電気機器を移動、制御させてもよい。
【0113】
また、管理サーバ50は、自装置においても、電気機器30から受信した店舗内の検知情報を分析して制御情報を生成する(T39)。この分析として、例えば、カメラ314で撮像された画像を基に、衣料品コーナーには、若い女性客が集まるという情報が得られる。管理サーバ50は、この分析の結果、衣料品コーナーにスピーカを移動させて、若者向けの音楽を流すレシピ情報を含む制御情報を生成する。言い換えると、施設内の所定場所のユーザ層の情報を分析結果に基づいて、ユーザ層に対応する電気機器30の機能を含む制御情報が生成される。また、予め設定された所定のターゲットユーザ層が集まる位置(場所)を分析結果として取得し、ターゲットユーザ層に対応する電気機器30の機能を含む制御情報が生成しても良い。言い換えると、制御情報は、所定のターゲットユーザ層に対応する検知情報のみで電気機器30を制御する情報を含んでも良い。ターゲットユーザ層はターゲットの属性に含まれる。また、予め複数のターゲットユーザ層が設定され、ターゲットユーザ層毎に異なる場所が設定されても良い。また、時間帯に応じて、ターゲットユーザ層を変更しても良い。つまり、検知情報の条件は、時間帯に応じて異なっていても良い。例えば、昼間の時間帯(10時~17時に含まれる時間)において、ターゲットユーザ層をファミリー層(子供連れのユーザ)に設定し、夜間の時間帯(17時~24時に含まれる時間)において、ターゲットユーザ層を20代~30代の女性層を設定しても良い。このとき、管理サーバ50は、ターゲットユーザ層の情報を取得し、検知情報に基づいて分析する。
【0114】
管理サーバ50は、自装置が生成した制御情報、及びクラウドサーバ60が生成した制御情報を選択し、対象となる電気機器30が接続されたコネクトユニット10に選択した制御情報を送信する(T40)。どちらを優先度の高い制御情報に設定するかは、任意に設定可能である。コネクトユニット10は、管理サーバ50から受信した制御情報を基に、移動先を特定して移動する(T41)。
【0115】
また、
図16に示す例において、オプションリストには、制御情報に加えて、検知情報の条件又は分析結果の条件を含んでも良い。検知情報が、ユーザにより選択された所望の制御情報に含まれる検知情報の条件又は分析結果の条件を満たす場合、制御情報に基づいて、電気機器30が制御される。言い換えると、管理サーバ50は、検知情報の条件を満たす検知情報を受信した場合、電気機器30に制御情報をコネクトユニット10に送信する(T40)。ここで、検知情報の条件の例は、ユーザの位置、時間帯、曜日、季節、施設外の天気情報、施設外の天気情報の変化などである。分析情報の条件の例は、ユーザの属性(性別、身長、服装など)、施設内のユーザ数などである。コネクトユニット10は、管理サーバ50から受信した制御情報を基に、移動先を特定して移動する(T41)。
【0116】
例えば、電気機器30が複数のセンサ317の場合、施設内の予め設定された位置にユーザが検知された場合、施設内の予め設定された位置を複数の角度から検知するための制御情報がオプションリストに登録されていても良い。設定位置は、1点ではなく、領域を意味しても良い。施設内の設定位置の例は、防犯を考慮して監視が必要な場所、ユーザの注目を集めたい場所、又は、ユーザの反応を取得したい場所である。複数の電気機器30を有効活用し、可能な場合には、複数の角度から検知することにより、取得するユーザの情報量を増やすことができる。例えば、電気機器30が複数のセンサ又は複数のカメラ314であり、検知情報の条件が複数の設定位置を含む場合、ユーザが検知された設定位置に複数のカメラ314を分散させて検知できるように、制御情報は作成される。例えば、制御情報は、複数の各設定位置において、他の設定位置にユーザが存在するか否かに基づいて、電気機器30の移動先の情報を有する。機器管理システム5が3個の電気機器30を有し、検知条件が3個の設定位置を有する場合で説明する。制御情報は、3個の設定位置毎に、他の2個の設定位置でユーザが検知されていない場合の3個の電気機器30で1個の設定位置で機能する情報と、他の1個の設定位置でユーザが検知されている場合の2個の電気機器30が1個の設定位置で機能する情報と、3個の全ての設定位置でユーザが検知されている場合の1個の電気機器30が1個の設定位置で機能する情報とが含まれる。
【0117】
以上により、実施の形態1に係る機器管理システム5では、コネクトユニット10(可動式接続装置の一例)は、電気機器30を接続可能な機器連結部16(接続部の一例)と、店舗(施設の一例)の天井100に設けられたダクトレール8に沿って電気機器30を移動するための可動連結部15(駆動部の一例)と、を含み、ダクトレール8に取り付け可能である。管理サーバ50(情報処理装置の一例)は、コネクトユニット10のダクトレール8に沿った移動を指示する制御部51(管理部の一例)を含む。
【0118】
これにより、機器管理システム5によれば、店舗の天井に設けられたダクトレールに沿って電気機器を自在に移動可能に制御でき、ユーザへの利便性を向上できる。
【0119】
以上、添付図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても本開示の技術的範囲に属すると了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各種の実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【0120】
また、ダクトレールは、店舗の天井に格子状に配置される場合を示したが、任意の形状に配置されてもよい。例えば、天井の面に配置されるダクトレールは、交差しない渦巻き状や、任意の点で交差する複数の曲線状に配置されてもよい。また、ダクトレールは、多角形、角丸多角形、円形を含む楕円形、デコボコした外形等の内側に敷設されるように、配置されてもよい。また、ダクトレールは、種々の形状において、行き止まりとならないエンドレスループに配置されてもよい。
【0121】
なお、本出願は、2018年1月26日出願の日本特許出願(特願2018-012049)に基づくものであり、その内容は本出願の中に参照として援用される。
【産業上の利用可能性】
【0122】
本開示は、施設の天井に設けられたダクトレールに沿って少なくとも1つの電気機器を自在に移動可能に制御し、ユーザへの利便性を向上する機器管理システム及び機器管理方法として有用である。
【符号の説明】
【0123】
5 機器管理システム
8 ダクトレール
10 コネクトユニット
11 制御部
12 メモリ
13 通信部
14 モータ
15 可動連結部
16 機器連結部
18 位置検出センサ
30 電気機器
40 制御端末
50 管理サーバ
60 クラウドサーバ