(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-16
(45)【発行日】2023-02-27
(54)【発明の名称】電力計測システム、情報変更方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G01R 21/133 20060101AFI20230217BHJP
G01R 21/06 20060101ALI20230217BHJP
G01R 22/06 20060101ALI20230217BHJP
【FI】
G01R21/133 Z
G01R21/06 Z
G01R22/06 130D
(21)【出願番号】P 2018243201
(22)【出願日】2018-12-26
【審査請求日】2021-08-10
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】永利 英昭
(72)【発明者】
【氏名】榎本 大地
【審査官】島▲崎▼ 純一
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-164506(JP,A)
【文献】特開2013-181813(JP,A)
【文献】特開2005-055404(JP,A)
【文献】特開2011-242225(JP,A)
【文献】国際公開第2017/002194(WO,A1)
【文献】特開2018-007013(JP,A)
【文献】特開昭62-280655(JP,A)
【文献】特開2017-090468(JP,A)
【文献】特開2018-044908(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 21/133
G01R 21/06
G01R 22/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路に流れる電流を検出する電流センサの検出結果に基づいて、前記回路の電力を動作プログラムに従って求める処理部と、
前記検出結果に関する情報を出力する又は前記情報の入力を受け付ける通信部と、
前記電流センサを電気的に接続可能な増設ユニットと、を備え、
前記通信部に特定の情報が入力されることをトリガとして、前記動作プログラムが変更され
、
前記通信部は、前記増設ユニットを接続可能な増設用接続部を含み、
前記増設ユニットは、変更情報が入力される入力部を備え、
前記増設ユニットの前記入力部に前記変更情報が入力されることをトリガとして、前記増設ユニットを動作させるためのプログラムが変更され、
前記特定の情報は、前記増設ユニットの前記入力部を介して前記通信部に入力される、
電力計測システム。
【請求項2】
前記通信部は、記憶メディアが接続される記憶メディア接続部を含む、
請求項1に記載の電力計測システム。
【請求項3】
前記通信部は、外部装置と通信する外部通信部を含む、
請求項1又は2に記載の電力計測システム。
【請求項4】
前記処理部は、動作モードとして、前記動作プログラムを実行する第1のモードと、前記動作プログラムの変更を行う第2のモードと、を有し、
前記通信部に前記特定の情報が入力されると、前記動作モードが前記第2のモードになる、
請求項1~3のいずれか一項に記載の電力計測システム。
【請求項5】
前記動作プログラムの変更が完了すると、前記通信部は、前記動作プログラムの変更の完了を通知する通知信号を出力する、
請求項1~4のいずれか一項に記載の電力計測システム。
【請求項6】
前記通信部に前記特定の情報及び前記動作プログラムに関する情報を出力する出力装置を更に備え、
前記出力装置は、前記動作プログラムの変更に係る処理の進捗状況を提示する提示部を備える、
請求項1~5のいずれか一項に記載の電力計測システム。
【請求項7】
回路に流れる電流を検出する電流センサの検出結果に基づいて、前記回路の電力を動作プログラムに従って求める処理部と、
情報を記憶する記憶部と、
前記電流センサを電気的に接続可能な増設ユニットと、
前記増設ユニットを接続可能な増設用接続部と、を備え、
前記増設用接続部に特定の情報が入力されることをトリガとして、前記記憶部に記憶された前記情報が変更され、
前記増設ユニットは、変更情報が入力される入力部を備え、
前記増設ユニットの前記入力部に前記変更情報が入力されることをトリガとして、前記増設ユニットを動作させるためのプログラムが変更され、
前記特定の情報は、前記増設ユニットの前記入力部を介して前記増設用接続部に入力される、
電力計測システム。
【請求項8】
電力計測システムにおける情報変更方法であって、
前記電力計測システムは、
回路に流れる電流を検出する電流センサの検出結果に基づいて、前記回路の電力を動作プログラムに従って求める処理部と、
変更情報が入力される入力部を備え、前記電流センサを電気的に接続可能な増設ユニットと、
前記増設ユニットを接続可能な増設用接続部を含み、前記検出結果に関する情報を出力する又は前記情報の入力を受け付ける通信部と、を備え、
前記情報変更方法は、
前記通信部に特定の情報が入力されることをトリガとして、前記動作プログラムを変更するステップと、
前記増設ユニットの前記入力部に前記変更情報が入力されることをトリガとして、前記増設ユニットを動作させるためのプログラムを変更するステップと、を有し、
前記特定の情報は、前記増設ユニットの前記入力部を介して前記通信部に入力される、
情報変更方法。
【請求項9】
電力計測システムにおける情報変更方法であって、
前記電力計測システムは、
回路に流れる電流を検出する電流センサの検出結果に基づいて、前記回路の電力を動作プログラムに従って求める処理部と、
情報を記憶する記憶部と、
変更情報が入力される入力部を備え、前記電流センサを電気的に接続可能な増設ユニットと、
前記増設ユニットを接続可能な増設用接続部と、を備え、
前記情報変更方法は、
前記増設用接続部に特定の情報が入力されることをトリガとして、前記記憶部に記憶された前記情報を変更するステップと、
前記増設ユニットの前記入力部に前記変更情報が入力されることをトリガとして、前記増設ユニットを動作させるためのプログラムを変更するステップと、を有し、
前記特定の情報は、前記増設ユニットの前記入力部を介して前記増設用接続部に入力される、
情報変更方法。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の情報変更方法を、コンピュータシステムに実行させるための、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は電力計測システム、情報変更方法及びプログラムに関し、より詳細には、回路の電力を求める電力計測システム、情報変更方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1記載の電力計測器は、信号線を介して互いに電気的に接続する基本ユニットと増設ユニットとを備える。基本ユニットは、測定対象の回路電圧を降圧した電圧検出信号を生成し、この生成した電圧検出信号を信号線に出力する電圧検出部と、電圧検出信号を補正し、この補正した電圧検出信号を用いて電力を求める第1の演算部とを備える。増設ユニットは、信号線を介して入力された電圧検出信号を補正し、この補正した電圧検出信号を用いて電力を求める第2の演算部を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載の電力計測器では、基本ユニットの第1の演算部を動作させるためのプログラムを更新するためには、設置済みの基本ユニット自体を交換する作業が必要となる。また、設置済みの基本ユニットを交換する作業の負担を低減するために、基本ユニットに、書換え用のプログラムを入力するための端子を設けることも考えられる。しかしながら、このような端子を設けることで、基本ユニットの部材点数が増加し、基本ユニットのコストの上昇につながる可能性がある。
【0005】
本開示は、機器の交換の手間を減らしつつ、部材点数が増加する可能性を低減できる電力計測システム、情報変更方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る電力計測システムは、処理部と、通信部と、増設ユニットと、を備える。前記処理部は、回路に流れる電流を検出する電流センサの検出結果に基づいて、前記回路の電力を動作プログラムに従って求める。前記通信部は、前記検出結果に関する情報を出力する又は前記情報の入力を受け付ける。前記増設ユニットは、前記電流センサを電気的に接続可能である。前記通信部に特定の情報が入力されることをトリガとして、前記動作プログラムが変更される。前記通信部は、前記増設ユニットを接続可能な増設用接続部を含む。前記増設ユニットは、変更情報が入力される入力部を備える。前記増設ユニットの前記入力部に前記変更情報が入力されることをトリガとして、前記増設ユニットを動作させるためのプログラムが変更される。前記特定の情報は、前記増設ユニットの前記入力部を介して前記通信部に入力される。
【0007】
本開示の別の一態様に係る電力計測システムは、処理部と、記憶部と、増設ユニットと、増設用接続部と、を備える。前記処理部は、回路に流れる電流を検出する電流センサの検出結果に基づいて、前記回路の電力を動作プログラムに従って求める。前記記憶部は、情報を記憶する。前記増設用接続部は、前記増設ユニットを接続可能である。前記増設ユニットは、前記電流センサを電気的に接続可能である。前記増設用接続部に特定の情報が入力されることをトリガとして、前記記憶部に記憶された前記情報が変更される。前記増設ユニットは、変更情報が入力される入力部を備える。前記増設ユニットの前記入力部に前記変更情報が入力されることをトリガとして、前記増設ユニットを動作させるためのプログラムが変更される。前記特定の情報は、前記増設ユニットの前記入力部を介して前記増設用接続部に入力される。
【0008】
本開示の一態様に係る情報変更方法は、電力計測システムにおける情報変更方法である。前記電力計測システムは、回路に流れる電流を検出する電流センサの検出結果に基づいて、前記回路の電力を動作プログラムに従って求める処理部と、変更情報が入力される入力部を備え、前記電流センサを電気的に接続可能な増設ユニットと、前記増設ユニットを接続可能な増設用接続部を含み、前記検出結果に関する情報を出力する又は前記情報の入力を受け付ける通信部と、を備える。前記情報変更方法は、前記通信部に特定の情報が入力されることをトリガとして、前記動作プログラムを変更するステップと、前記増設ユニットの前記入力部に前記変更情報が入力されることをトリガとして、前記増設ユニットを動作させるためのプログラムを変更するステップと、を有する。前記特定の情報は、前記増設ユニットの前記入力部を介して前記通信部に入力される。
【0009】
本開示の別の一態様に係る情報変更方法は、電力計測システムにおける情報変更方法である。前記電力計測システムは、回路に流れる電流を検出する電流センサの検出結果に基づいて、前記回路の電力を動作プログラムに従って求める処理部と、情報を記憶する記憶部と、変更情報が入力される入力部を備え、前記電流センサを電気的に接続可能な増設ユニットと、前記増設ユニットを接続可能な増設用接続部と、を備える。前記情報変更方法は、前記増設用接続部に特定の情報が入力されることをトリガとして、前記記憶部に記憶された前記情報を変更するステップと、前記増設ユニットの前記入力部に前記変更情報が入力されることをトリガとして、前記増設ユニットを動作させるためのプログラムを変更するステップと、を有する。前記特定の情報は、前記増設ユニットの前記入力部を介して前記増設用接続部に入力される。
【0010】
本開示の一態様に係るプログラムは、上述のいずれかの情報変更方法を、コンピュータシステムに実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本開示は、機器の交換の手間を減らしつつ、部材点数が増加する可能性を低減できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る電力計測システムの概略図である。
【
図2】
図2は、同上の電力計測システムのブロック図である。
【
図3】
図3は、同上の電力計測システムの動作例を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施形態に係る電力計測システム、情報変更方法及びプログラムについて、図面を用いて説明する。ただし、下記の実施形態は、本開示の様々な実施形態の1つに過ぎない。下記の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0014】
(1)構成
本実施形態の電力計測システム10は、
図1に示すように、基本ユニット1と、1以上(
図1では2つ)の増設ユニット2とを備えている。基本ユニット1には、1以上の増設ユニット2を連結可能である。電力計測システム10は、例えば、工場又は事務所等の需要家において、分電盤のキャビネット内に配置されて用いられる。電力計測システム10は、3相4線式の回路EC1(
図2参照)を測定対象とし、3相(R、S、T)の電圧及び3相(R、S、T)の電流を検出して、回路EC1の電力を求める。ここで、「回路EC1の電力」とは、回路EC1のある計測点において供給される電力の瞬時値、及び、回路EC1のある計測点において所定の期間に供給される電力量のうち少なくとも一方を意味する。また、本実施形態では、電力計測システム10で求められる「電力」は有効電力であるが、皮相電力又は無効電力であってもよい。
【0015】
基本ユニット1は、処理部141と、電圧入力部18と、信号変換部13とを備えている。電圧入力部18は、例えば、回路EC1の電圧線が接続される端子である。信号変換部13は、複数(
図1では4つ)の電流センサ17に接続されている。処理部141には、電圧入力部18を介して回路EC1の電圧の情報が入力され、信号変換部13を介して回路EC1の電流の情報が入力される。
【0016】
複数の増設ユニット2の一端には、出力装置3を接続可能である。基本ユニット1の増設用接続部CN4(通信部)には、出力装置3から複数の増設ユニット2を介して、特定の情報を含む信号(第1の信号Sig1)が入力される。
【0017】
処理部141は、各電流センサ17の検出結果に基づいて、回路EC1の電力をプログラム(動作プログラム)に従って求める。そして、処理部141は、増設用接続部CN4に特定の情報が入力されることをトリガとして、動作プログラムを変更する。
【0018】
以下、
図2を参照して、電力計測システム10の構成についてより詳細に説明する。
【0019】
基本ユニット1は、制御部14と、増設用接続部CN4とを備えている。基本ユニット1は、電圧検出部11r、11s、11tと、信号線12r、12s、12tと、信号変換部13とを更に備えている。
【0020】
電圧検出部11r、11s、11tは、回路EC1の各相に接続されて、回路電圧Vr、Vs、Vtを検出する。
【0021】
電圧検出部11r、11s、11tの各々は、回路EC1の各両端間に直列接続された抵抗111、112と、抵抗111、112の間の電圧(抵抗111、112の分圧)が入力される増幅部113とを備えている。増幅部113は、分圧にバイアスをかけることによって、出力電圧波形を、所定範囲(例えば0~5V)に収める。そして、電圧検出部11r、11s、11tの各増幅部113の出力端は、信号線12r、12s、12tに接続されている。すなわち、電圧検出部11r、11s、11tの出力は、回路電圧Vr、Vs、Vtを降圧した信号(以下、電圧検出信号と称す)であり、この電圧検出信号が信号線12r、12s、12tに出力される。
【0022】
また、信号変換部13は、複数(
図2では4つ)の電流センサ17に接続されている。各電流センサ17は、電力計測システム10の外部に配置された機器である。各電流センサ17は、例えば、変流器(CT:Current Transformer)である。各電流センサ17は、回路EC1に流れる電流を検出し、検出結果を電流信号として信号変換部13へ出力する。信号変換部13は、各電流センサ17からの電流信号を電圧に変換し、制御部14へ出力する。以下では、信号変換部13から制御部14へ出力される信号(電圧)を、電流検出信号と称す。
【0023】
制御部14は、処理部141と、記憶部142と、モード切替部143と、を有している。記憶部142は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等である。
【0024】
制御部14は、プロセッサ及びメモリを主構成とするマイクロコントローラにより構成されている。制御部14のプロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、制御部14における処理部141及びモード切替部143としての機能が実現される。プロセッサが実行するプログラムは、ここではマイクロコントローラのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよいし、電気通信回線を通じて提供されてもよい。また、本実施形態では、記憶部142が制御部14のメモリとして機能する。つまり、記憶部142は、制御部14を動作させるためのプログラム(動作プログラム)を記憶している。
【0025】
また、記憶部142は、基本ユニット1の識別情報を記憶している。識別情報は、例えば、基本ユニット1の品番である。
【0026】
各電流センサ17からの電流信号は、信号変換部13を経由して電流検出信号として制御部14に入力される。また、電圧検出部11r、11s、11tからの電圧検出信号は、信号線12r、12s、12tを介して制御部14に入力される。制御部14は、電圧検出信号及び電流検出信号をA/D変換する。処理部141は、回路EC1の電力を求める。処理部141は、例えば、電圧検出信号の誤差と電流検出信号の誤差とをそれぞれ補正する。具体例として、処理部141は、記憶部142に記憶された補正係数を電圧検出信号に乗じることにより、電圧検出信号の誤差を補正する。処理部141は、記憶部142に記憶された別の補正係数を電流検出信号に乗じることにより、電流検出信号の誤差を補正する。各補正係数は、電力計測システム10の製造時に、理論値と測定値とを比較することで決定される。処理部141は、補正後の電圧検出信号と補正後の電流検出信号とを乗算することで、回路EC1の電力を求める。本実施形態では、基本ユニット1には4つの電流センサ17が接続可能なので、処理部141は、最大4つの計測点における電力を求める。また、処理部141は、電圧検出信号及び電流検出信号と、分電盤に設置された無効電力計の測定値とに基づいて、回路EC1の力率を求める。
【0027】
また、処理部141は、プログラムを実行することにより、基本ユニット1全体の制御をも行う。すなわち、処理部141は、基本ユニット1に含まれる回路(例えば、電圧検出部11r、11s、11t及び信号変換部13)の動作を制御する。
【0028】
制御部14は、信号線を介して、増設用接続部CN4に接続されている。増設用接続部CN4は、例えば、コネクタである。
【0029】
モード切替部143は、処理部141の動作モードを、第1のモードと第2のモードとの間で切り替える。処理部141は、第1のモードでは、記憶部142に記憶されたプログラムを実行することで回路EC1の電力を求める。処理部141は、第2のモードでは、記憶部142に記憶されたプログラムの変更を行う。第2のモードについて、詳しくは後述する。ここで、プログラムの変更とは、プログラムの一部又は全部の書換えを含む。また、プログラムの変更とは、例えば、記憶部142が複数のプログラムを記憶しており、記憶部142に記憶された指定情報により、複数のプログラムのうち処理部141で実行されるプログラムが指定されている場合に、指定情報を変更することを含む。また、プログラムの変更とは、基本ユニット1と通信する装置が複数のプログラムを記憶しており、記憶部142に記憶された指定情報により、複数のプログラムのうち処理部141で実行されるプログラムが指定されている場合に、指定情報を変更することを含む。複数のプログラムを記憶した装置は、例えば、ネットワークを介して電力計測システム10と通信するサーバであってもよい。本実施形態では、一例として、第2のモードでは処理部141は、記憶部142に記憶されたプログラムの少なくとも一部の書換えを行う。
【0030】
基本ユニット1は、外部通信部15と、記憶メディア接続部(以下、接続部16と称す)と、出力コネクタCN1と、コネクタCN8とを更に備えている。
【0031】
外部通信部15は、外部装置との間で通信する機能を有している。外部装置は、増設ユニット2以外の装置である。本実施形態では一例として、外部装置は、HEMS(Home Energy Management System)に対応する機器(以下、HEMS対応機器という)の制御又は監視を行うように構成されたコントローラである。コントローラは、電力計測システム10の外部に配置された機器である。HEMS対応機器は、例えばスマートメータ、太陽光発電装置、蓄電装置、燃料電池、電気自動車、エアコン、照明器具、給湯装置、冷蔵庫、又はテレビ受像機等を含む。
【0032】
外部通信部15とコントローラとの間の通信方式は、例えば、920MHz帯の特定小電力無線局(免許を要しない無線局)、Wi-Fi(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の通信規格に準拠した、電波を媒体とした無線通信である。外部通信部15とコントローラとの間の通信方式は、有線LAN(Local Area Network)等の通信規格に準拠した有線通信であってもよい。また、外部通信部15とコントローラとの間の通信における通信プロトコルは、例えば、RS-485、Ethernet(登録商標)、ECHONET Lite(登録商標)等である。
【0033】
接続部16には、記憶メディアが接続される。本実施形態では一例として、記憶メディアは、SDカードである。すなわち、接続部16は、SDカード用のスロットである。SDカードは、接続部16に接続されると、制御部14との間で通信可能となる。
【0034】
出力コネクタCN1は、信号線12r、12s、12tに接続されている。出力コネクタCN1は、増設用接続部CN4と一体に形成されている。コネクタCN8は、制御部14に接続されている。
【0035】
電力計測システム10は、表示装置4を更に備えている。表示装置4は、コネクタCN9と、表示部41と、操作部42とを備えている。
【0036】
コネクタCN9は、基本ユニット1のコネクタCN8に接続されている。表示装置4は、コネクタCN9を介して、基本ユニット1と通信可能である。
【0037】
表示部41は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ等のディスプレイである。表示部41は、情報を表示する。表示部41が表示する情報は、例えば、処理部141で求められた、回路EC1の電力の値である。それ以外に、表示部41が表示する情報は、例えば、電圧検出信号に基づく電圧実効値、電流検出信号に基づく電流実効値、及び、回路EC1の力率等である。
【0038】
操作部42は、例えば、複数の釦を含む。操作部42は、電力計測システム10に関する設定操作を受け付ける。作業者が操作部42に設定操作を行うことにより、例えば、表示部41に表示される内容が変更される。
【0039】
複数の増設ユニット2は互いに同じ構成を有している。増設ユニット2は、信号線21r、21s、21tと、信号変換部23と、制御部24と、入力コネクタCN2と、出力コネクタCN3と、通信コネクタCN5と、入力部CN6(コネクタ)とを備えている。
【0040】
入力コネクタCN2及び出力コネクタCN3は、信号線21r、21s、21tにより互いに接続されている。各増設ユニット2の出力コネクタCN3は、別の増設ユニット2の入力コネクタCN2に接続可能である。つまり、複数の増設ユニット2は、入力コネクタCN2及び出力コネクタCN3をそれぞれ接続することにより、直列に接続可能である。また、基本ユニット1は、直列に接続された複数の増設ユニット2の一端に接続される。より詳細には、基本ユニット1の出力コネクタCN1は、増設ユニット2の入力コネクタCN2に接続される。これにより、基本ユニット1の信号線12r、12s、12tが、各増設ユニット2の信号線21r、21s、21tに電気的に接続され、信号線12r、12s、12tから各増設ユニット2の信号線21r、21s、21tに電圧検出信号が出力される。
【0041】
また、信号変換部23は、複数(
図2では4つ)の電流センサ27に接続されている。各電流センサ27は、電力計測システム10の外部に配置された機器である。各電流センサ27は、例えば、変流器(CT:Current Transformer)である。各電流センサ27は、回路EC1に流れる電流を検出し、検出結果を電流信号として信号変換部23へ出力する。信号変換部23は、各電流センサ27からの電流信号を電圧に変換し、制御部24へ出力する。信号変換部23から制御部24へ出力される信号(電圧)は、基本ユニット1における電流検出信号とは別の、増設ユニット2における電流検出信号である。すなわち、基本ユニット1に接続された電流センサ17と、増設ユニット2に接続された電流センサ27とは、測定対象となる3相4線式の回路EC1において、互いに異なる箇所の電流を検出する。例えば、電流センサ17は主幹電流を検出し、電流センサ27は分岐電流を検出する。さらに、増設ユニット2ごとに、電流の検出箇所は異なる。なお、電力計測システム10は、3相4線式の回路EC1において、3相4線の系統、単相2線の系統のそれぞれの電力を検出する構成でもよい。
【0042】
制御部24は、処理部241と、記憶部242と、モード切替部243と、を有している。記憶部242は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等である。
【0043】
制御部24は、プロセッサ及びメモリを主構成とするマイクロコントローラにより構成されている。制御部24のプロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、制御部24における処理部241及びモード切替部243としての機能が実現される。プロセッサが実行するプログラムは、ここではマイクロコントローラのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよいし、電気通信回線を通じて提供されてもよい。また、本実施形態では、記憶部242が制御部24のメモリとして機能する。つまり、記憶部242は、制御部24を動作させるためのプログラムを記憶している。
【0044】
また、記憶部242は、増設ユニット2の識別情報を記憶している。識別情報は、例えば、増設ユニット2の品番である。
【0045】
各電流センサ27からの電流信号は、信号変換部23を経由して電流検出信号として制御部24に入力される。また、電圧検出部11r、11s、11tからの電圧検出信号は、信号線21r、21s、21tを介して制御部24に入力される。制御部24は、電圧検出信号及び電流検出信号をA/D変換する。処理部241は、回路EC1の電力を求める。処理部241は、例えば、電圧検出信号の誤差と電流検出信号の誤差とをそれぞれ補正する。補正は、基本ユニット1の処理部141と同様に、記憶部242に記憶された補正係数を用いて行う。処理部241は、補正後の電圧検出信号と補正後の電流検出信号とを乗算することで、回路EC1の電力を求める。本実施形態では、1つの増設ユニット2につき4つの電流センサ27を接続可能なので、各増設ユニット2の処理部241は、最大4つの計測点における電力を求める。また、処理部241は、電圧検出信号及び電流検出信号と、分電盤に設置された無効電力計の測定値とに基づいて、回路EC1の力率を求める。
【0046】
また、処理部241は、プログラムを実行することにより、増設ユニット2全体の制御をも行う。すなわち、処理部241は、増設ユニット2に含まれる回路(例えば、信号変換部23)の動作を制御する。
【0047】
制御部24は、信号線を介して、通信コネクタCN5及び入力部CN6に接続されている。また、増設ユニット2の本体部(筐体)からは、信号線としてのケーブルが延びており、通信コネクタCN5は、ケーブルの先端に取り付けられている。
【0048】
モード切替部243は、処理部241の動作モードを、第1のモードと第2のモードとの間で切り替える。処理部241は、第1のモードでは、記憶部242に記憶されたプログラムを実行することで回路EC1の電力を求める。処理部241は、第2のモードでは、記憶部242に記憶されたプログラムの変更を行う。本実施形態では、一例として、処理部241は、第2のモードでは記憶部242に記憶されたプログラムの少なくとも一部の書換えを行う。第2のモードについて、詳しくは後述する。
【0049】
基本ユニット1では、複数の電流センサ17で検出された電流に基づいて、回路EC1のうち複数の電流センサ17の計測点の電力を処理部141が求める。処理部141で求められた電力の値の情報は、コネクタCN8を介して表示装置4に入力される。また、増設ユニット2では、複数の電流センサ27で検出された電流に基づいて、回路EC1のうち複数の電流センサ27の計測点の電力を処理部241が求める。処理部241で求められた電力の値の情報は、基本ユニット1の制御部14に入力される。より詳細には、基本ユニット1の制御部14は、増設ユニット2に対して要求信号を送信し、これに応じて増設ユニット2の制御部14は、処理部241で求められた電力の値の情報を基本ユニット1に送信する。ここで、処理部241で求められた電力の値の情報は、増設ユニット2の通信コネクタCN5と基本ユニット1の増設用接続部CN4とを介して、制御部14に入力される。このように、増設用接続部CN4は、電流センサ27の検出結果に関する情報を受信(入力)するために用いられる。
【0050】
処理部241で求められた電力の値の情報は、さらに、コネクタCN8を介して表示装置4に入力される。このように、コネクタCN8は、電流センサ17、27の検出結果に関する情報を送信(出力)するために用いられる。
【0051】
表示装置4の表示部41は、回路EC1のうち各電流センサ17、27の計測点の電力の値を表示する。また、表示部41は、電圧検出信号に基づく電圧実効値、電流検出信号に基づく電流実効値、及び、回路EC1の力率等を表示する。
【0052】
また、外部通信部15は、回路EC1の電力の値の情報をコントローラに送信することができる。また、回路EC1の電力の値の情報は、接続部16に接続された記憶メディア(SDカード)に記憶させることができる。すなわち、外部通信部15及び接続部16は、電流センサ17、27の検出結果に関する情報を送信(出力)するために用いられる。
【0053】
電力計測システム10は、出力装置3を接続可能に構成されている。出力装置3は、基本ユニット1の記憶部142に記憶されたプログラムに関する情報及び、各増設ユニット2の記憶部242に記憶されたプログラムを変更するための信号を出力する装置である。そのため、出力装置3は、プログラムを変更する際にのみ、電力計測システム10に接続して用いられる。プログラムに関する情報とは、例えば、書換え用のプログラムそのもの、又は、書換え前のプログラムと書換え後のプログラムとの差分情報である。本実施形態の出力装置3は、プログラムに関する情報として、書換え用のプログラムそのものを含む信号を出力する。書換え用のプログラムとは、処理部141の機能を実現するためのプログラムであって、記憶部142に既に記憶されているプログラムと置き換えられるプログラムを意味する。
【0054】
本実施形態では、出力装置3は、電力計測システム10の構成要素に含まれないが、出力装置3は、電力計測システム10の構成要素に含まれていてもよい。
【0055】
出力装置3は、処理部31と、記憶部32と、提示部33と、入力部34と、操作部35と、出力端子CN7とを備えている。
【0056】
記憶部32は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)又はEEPROM(ElectricallyErasable Programmable Read Only Memory)等である。
【0057】
出力装置3は、プロセッサ及びメモリを主構成とするマイクロコントローラを含む。出力装置3のプロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、出力装置3における処理部31としての機能が実現される。プロセッサが実行するプログラムは、ここではマイクロコントローラのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよいし、電気通信回線を通じて提供されてもよい。また、本実施形態では、記憶部32が出力装置3のメモリとして機能する。
【0058】
入力部34には、記憶メディアが接続される。本実施形態では一例として、記憶メディアは、SDカードである。すなわち、入力部34は、SDカード用のスロットである。SDカードは、入力部34に接続されると、処理部31との間で通信可能となる。
【0059】
操作部35は、例えば、複数の釦を含む。操作部35は、処理部31の動作を決定するための作業者の操作を受け付ける。
【0060】
出力端子CN7は、増設ユニット2の入力部CN6(コネクタ)に接続可能なコネクタである。処理部31は、出力端子CN7を介して増設ユニット2と通信する。処理部31から増設ユニット2へ出力される信号は、例えば、増設ユニット2の記憶部242に記憶されたプログラムを書き換えるための情報、基本ユニット1の記憶部142に記憶されたプログラムを書き換えるための情報、特定の情報及び変更情報のうち、少なくとも1つを含む。特定の情報は、基本ユニット1の処理部141でプログラムの書換えが開始されるトリガとなる情報である。変更情報は、増設ユニット2の処理部241でプログラムの書換えが開始されるトリガとなる情報である。
【0061】
また、基本ユニット1の増設用接続部CN4は、増設ユニット2の入力部CN6と同じ形状であって、出力装置3の出力端子CN7を接続可能である。そのため、処理部31は、基本ユニット1とも通信可能である。また、出力装置3の出力端子CN7が増設ユニット2の入力部CN6に接続された状態で、処理部31は、増設ユニット2を介して基本ユニット1と通信することも可能である。
【0062】
処理部31と、基本ユニット1及び増設ユニット2との通信は、出力装置3の操作部35に対する作業者の操作に応じて開始されてもよいし、出力端子CN7が入力部CN6又は増設用接続部CN4に接続されることをトリガとして開始されてもよい。
【0063】
提示部33は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等のディスプレイを含む。提示部33は、基本ユニット1の記憶部142に記憶されたプログラムの変更に係る処理の進捗状況を提示する。また、提示部33は、増設ユニット2の記憶部242に記憶されたプログラムの変更に係る処理の進捗状況を提示する。ここで、「提示」とは、ディスプレイに文字及び画像等を表示すること等による視覚的な提示、音声等による聴覚的な提示、及び、これらの組み合わせを含む。
【0064】
(2)プログラムの書換えの手順
次に、
図2、3を参照して、基本ユニット1の記憶部142に記憶されたプログラムの書換えの手順の一例について説明する。最初に、
図2のように、基本ユニット1には、1つの増設ユニット2が接続され、基本ユニット1に接続された増設ユニット2に別の1つの増設ユニット2が接続されているとする。また、初期状態では、基本ユニット1の処理部141の動作モードは、第1のモードであるとする。
【0065】
作業者は、まず、プログラムを書き換えるための情報が記憶されたSDカードを、出力装置3の入力部34に接続する。プログラムを書き換えるための情報は、例えば、基本ユニット1の識別情報と、書換え用のプログラムとを含む。SDカードが入力部34に接続されると、提示部33は、SDカードに記憶された内容に応じた表示をする。例えば、基本ユニット1の識別情報と書換え用のプログラムとがSDカードに記憶されている場合は、提示部33には、基本ユニット1の記憶部142に記憶されたプログラムを書き換える処理を開始可能である旨が表示される。
【0066】
さらに、作業者は、出力装置3の出力端子CN7を、増設ユニット2の入力部CN6に接続する。
【0067】
その後、作業者が操作部35に所定の操作をすると、処理部31は、特定の情報を含む信号(以下、第1の信号Sig1と称す)を出力する(ステップS1)。第1の信号Sig1は、基本ユニット1の識別情報をも含む。第1の信号Sig1は、出力端子CN7を介して、出力装置3に接続された増設ユニット2に入力される。第1の信号Sig1は、通信コネクタCN5を介して、この増設ユニット2に接続された別の増設ユニット2に転送され、さらに、基本ユニット1に転送される。つまり、基本ユニット1において、第1の信号Sig1の入力は、増設用接続部CN4からなされる。
【0068】
特定の情報を含む第1の信号Sig1が基本ユニット1のモード切替部143に入力されると(
図1参照)、モード切替部143は、処理部141の動作モードを第1のモードから第2のモードに切り替える(ステップS2)。すなわち、処理部141の動作モードは、記憶部142に記憶されたプログラムの変更を行う第2モードとなる。
【0069】
さらに、出力装置3の処理部31は、書換え用のプログラムを含む信号(以下、第2の信号Sig2と称す)を出力する(ステップS3)。第2の信号Sig2は、基本ユニット1の識別情報をも含む。第2の信号Sig2は、第1の信号Sig1と同様に、2つの増設ユニット2を経由して基本ユニット1の増設用接続部CN4に入力される。基本ユニット1の処理部141は、入力された書換え用のプログラムを、記憶部142に記憶させる(ステップS4)。
【0070】
書換え用のプログラムは、複数に分割されて基本ユニット1に送信される。出力装置3の提示部33は、プログラムの変更に係る処理の進捗状況を表示する(ステップS5)。提示部33は、例えば、書換え用のプログラムを全部送信した場合を100%として、送信済みのプログラムの容量をパーセント表示により表示する。
【0071】
また、基本ユニット1が受信した第2の信号Sig2に含まれるデータにビットエラーが生じている場合は、処理部141は、データの再送を指示する信号を出力装置3に送信する。これに応じて、出力装置3の処理部31は、データを再送する。
【0072】
書換え用のプログラムが全て基本ユニット1に送信され、処理部141がプログラムの書換えを完了すると(ステップS6)、処理部141は、書換えの完了を通知する通知信号(以下、第3の信号Sig3と称す)を出力する(ステップS7)。第3の信号Sig3は、増設用接続部CN4を介して、基本ユニット1に接続された増設ユニット2に入力される。第3の信号Sig3は、入力部CN6を介して、この増設ユニット2に接続された別の増設ユニット2に転送され、さらに、出力装置3に転送される。
【0073】
出力装置3の処理部31は、第3の信号Sig3が入力されると、電力の計測の再開を指示する信号(以下、第4の信号Sig4と称す)を出力する(ステップS8)。第4の信号Sig4は、基本ユニット1の識別情報をも含む。第4の信号Sig4は、第1の信号Sig1と同様に、2つの増設ユニット2を経由して基本ユニット1の増設用接続部CN4に入力される。基本ユニット1のモード切替部143は、第4の信号Sig4が入力されると、処理部141の動作モードを第2のモードから第1のモードに切り替える(ステップS9)。すなわち、処理部141の動作モードは、記憶部142に記憶されたプログラムを実行することで回路EC1の電力を求める第1モードとなる。
【0074】
また、出力装置3に第3の信号Sig3が入力されると、提示部33は、プログラムの書換えが完了した旨を提示する。すなわち、提示部33は、プログラムの書換えが完了した旨を文字又は画像等によりディスプレイに表示する(ステップS10)。
【0075】
なお、基本ユニット1の処理部141は、書換え用のプログラムを記憶部142に記憶させた場合に、書換え前のプログラムを記憶部142から消去させてもよい。
【0076】
また、プログラムを書き換えるための情報は、SDカード等のメモリカードに記録されて出力装置3に提供されることに限定されず、有線通信又は無線通信の適宜の方式により出力装置3に提供されてもよい。
【0077】
また、基本ユニット1に増設ユニット2が接続されていない場合は、出力装置3の出力端子CN7を基本ユニット1の増設用接続部CN4に接続して、増設ユニット2を経由せずに、出力装置3と基本ユニット1とが直接通信してもよい。あるいは、基本ユニット1から増設ユニット2を取り外して、出力装置3の出力端子CN7を基本ユニット1の増設用接続部CN4に接続してもよい。
【0078】
以上では、基本ユニット1の記憶部142に記憶されたプログラムの書換えの手順を説明したが、増設ユニット2の記憶部242に記憶されたプログラムの書換えの手順も同様である。以下では、複数の増設ユニット2のうち、出力装置3に直接接続された増設ユニット2の記憶部242に記憶されたプログラムの書換えの手順の一例を説明する。
【0079】
作業者は、まず、プログラムを書き換えるための情報が記憶されたSDカードを、出力装置3の入力部34に接続する。プログラムを書き換えるための情報は、例えば、増設ユニット2の識別情報と、書換え用のプログラムとを含む。
【0080】
さらに、作業者は、出力装置3の出力端子CN7を、増設ユニット2の入力部CN6に接続する。
【0081】
その後、作業者が操作部35に所定の操作をすると、処理部31は、変更情報を含む信号(以下、第5の信号と称す)を出力する。第5の信号は、増設ユニット2の識別情報をも含む。
【0082】
変更情報を含む第5の信号が増設ユニット2のモード切替部243に入力されると、モード切替部243は、処理部241の動作モードを第1のモードから第2のモードに切り替える。すなわち、処理部241の動作モードは、記憶部242に記憶されたプログラムの変更を行う第2モードとなる。
【0083】
さらに、出力装置3の処理部31は、書換え用のプログラムを含む信号(以下、第6の信号と称す)を出力する。第6の信号は、増設ユニット2の識別情報をも含む。増設ユニット2の処理部241は、入力された書換え用のプログラムを、記憶部242に記憶させる。
【0084】
書換え用のプログラムは、複数に分割されて増設ユニット2に送信される。出力装置3の提示部33は、プログラムの変更に係る処理の進捗状況を表示する。提示部33は、例えば、書換え用のプログラムを全部送信した場合を100%として、送信済みのプログラムの容量をパーセント表示により表示する。
【0085】
また、増設ユニット2が受信した第6の信号に含まれるデータにビットエラーが生じている場合は、処理部241は、データの再送を指示する信号を出力装置3に送信する。これに応じて、出力装置3の処理部31は、データを再送する。
【0086】
書換え用のプログラムが全て増設ユニット2に送信され、処理部241がプログラムの書換えを完了すると、処理部241は、書換えの完了を通知する通知信号(以下、第7の信号と称す)を出力する。
【0087】
出力装置3の処理部31は、第7の信号が入力されると、電力の計測の再開を指示する信号(以下、第8の信号と称す)を出力する。第8の信号は、増設ユニット2の識別情報をも含む。増設ユニット2のモード切替部243は、第8の信号が入力されると、処理部241の動作モードを第2のモードから第1のモードに切り替える。すなわち、処理部241の動作モードは、記憶部242に記憶されたプログラムを実行することで回路EC1の電力を求める第1モードとなる。
【0088】
また、出力装置3に第7の信号が入力されると、提示部33は、プログラムの書換えが完了した旨を提示する。すなわち、提示部33は、プログラムの書換えが完了した旨を文字又は画像等によりディスプレイに表示する。
【0089】
なお、複数の増設ユニット2のうち、プログラムの書換え対象となる増設ユニット2が、別の1つ以上の増設ユニット2を介して出力装置3に接続されている場合は、増設ユニット2と出力装置3との通信が1つ以上の増設ユニット2を介して行われる。その他の点では、以上の説明と同様である。
【0090】
複数の増設ユニット2が互いに接続されている場合は、第5~第8の信号を複数の増設ユニット2間で通信することで、複数の増設ユニット2の各々の記憶部242に記憶されたプログラムが一括して書き換えられてもよい。また、基本ユニット1の記憶部142に記憶されたプログラムと、1つ以上の増設ユニット2の記憶部242に記憶されたプログラムとが一括して書き換えられてもよい。
【0091】
ところで、基本ユニット1は、外部通信部15を備えている。基本ユニット1は、プログラムを書き換えるための情報(特定の情報及び書換え用のプログラム)を、外部通信部15を介して取得してもよい。すなわち、外部通信部15は、例えば、HEMS対応機器の制御又は監視を行うコントローラと通信して、コントローラから特定の情報の入力を受け付ける。外部通信部15を介してモード切替部143に特定の情報が入力されると、モード切替部143の動作モードが第2のモードに切り替わる。さらに、コントローラから外部通信部15を介して記憶部142に書換え用のプログラムを入力することができる。
【0092】
また、基本ユニット1は、接続部16を備えている。基本ユニット1は、プログラムを書き換えるための情報(特定の情報及び書換え用のプログラム)を、接続部16に接続された記憶メディア(本実施形態では、SDカード)から取得してもよい。例えば、接続部16にSDカードが接続され、作業者が表示装置4の操作部42に所定の操作をすると、モード切替部143の動作モードが第2のモードに切り替わる。さらに、SDカードから記憶部142に書換え用のプログラムを入力することができる。
【0093】
また、基本ユニット1は、コネクタCN8を備えている。コネクタCN8は、出力装置3の出力端子CN7に接続可能に構成されていてもよい。すなわち、コネクタCN8を介して、基本ユニット1と出力装置3とが接続されてもよい。記憶部142に記憶されたプログラムを変更する場合には、作業者は、コネクタCN8から表示装置4を取り外して、コネクタCN8に出力装置3の出力端子CN7を接続し、出力装置3と基本ユニット1とを通信可能な状態にすることができる。その後、プログラムを書き換えるための情報(特定の情報及び書換え用のプログラム)を、出力装置3からコネクタCN8を介して基本ユニットに入力することができる。
【0094】
本実施形態によれば、増設用接続部CN4、外部通信部15、接続部16及びコネクタCN8のうち少なくとも1つに特定の情報が入力されることをトリガとして、基本ユニット1の記憶部142に記憶されたプログラムが変更される。そのため、プログラムを変更する際に、基本ユニット1を交換しなくてもよい。よって、基本ユニット1を交換する手間を減らせる。
【0095】
さらに、プログラムを変更するとき以外のときには、増設用接続部CN4(通信部)、外部通信部15(通信部)、接続部16(通信部)及びコネクタCN8(通信部)を、電流センサ17(又は27)の検出結果に関する情報の送信(出力)又は受信(入力)のために用いることが可能である。すなわち、複数の通信部の各々を、検出結果に関する情報を送信(出力)又は受信(入力)することと、プログラムを変更することとに兼用できる。そのため、プログラムを変更するための端子等を通信部とは別に設ける場合と比較して、電力計測システム10の部材点数が増加する可能性を低減できる。
【0096】
なお、基本ユニット1のいずれかの通信部に入力された情報が、増設ユニット2に転送されてもよい。この場合、例えば、基本ユニット1のいずれかの通信部に入力した情報により、増設ユニット2の記憶部242に記憶されたプログラムを書き換えることが可能である。
【0097】
(実施形態の変形例)
電力計測システム10と同様の機能は、情報変更方法、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
【0098】
一態様に係る情報変更方法は、回路EC1に流れる電流を検出する電流センサ17、27の検出結果に基づいて、回路EC1の電力を動作プログラムに従って求める処理部141と、電流センサ17、27の検出結果に関する情報を出力する又は当該情報の入力を受け付ける通信部(増設用接続部CN4、外部通信部15、接続部16及びコネクタCN8)と、を備える電力計測システム10において、通信部に特定の情報が入力されることをトリガとして、動作プログラムを変更する。
【0099】
別の一態様に係る情報変更方法は、回路EC1に流れる電流を検出する電流センサ17、27の検出結果に基づいて、回路EC1の電力を動作プログラムに従って求める処理部141と、情報を記憶する記憶部142と、電流センサ17、27を電気的に接続可能な増設ユニット2を接続可能な増設用接続部CN4と、を備える電力計測システム10において、増設用接続部CN4に特定の情報が入力されることをトリガとして、記憶部142に記憶された情報を変更する。
【0100】
一態様に係るプログラムは、コンピュータに、上記のいずれかの情報変更方法を実行させるためのプログラムである。
【0101】
本開示における電力計測システム10は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における電力計測システム10としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(UltraLarge Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0102】
また、電力計測システム10における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは電力計測システム10に必須の構成ではなく、電力計測システム10の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、電力計測システム10の少なくとも一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0103】
反対に、実施形態1において、複数の装置に分散されている電力計測システム10の少なくとも一部の機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。例えば、基本ユニット1と増設ユニット2とに分散されている電力計測システム10の一部の機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。また、基本ユニット1と表示装置4とに分散されている電力計測システム10の一部の機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。
【0104】
以下、実施形態の変形例を列挙する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。
【0105】
制御部14には、書換え用のプログラムそのものを含む信号が入力されてもよいし、書換え前のプログラムと書換え後のプログラムとの差分情報を含む信号が入力されてもよい。また、制御部14には、プログラムを変更するための信号ではなく、記憶部142に記憶された所定の情報を変更するための信号が入力されてもよい。所定の情報は、例えば、処理部141において回路EC1の電力を求めるために用いられるパラメータである。所定の情報の別の一例は、電力計測システム10に含まれる回路(例えば、電圧検出部11r、11s、11t及び信号変換部13)の動作に関わるプログラム又はパラメータである。
【0106】
また、増設用接続部CN4は、電流センサ27を取付け可能な増設ユニット2を接続可能な構成に限定されない。増設用接続部CN4は、例えば、パルス発信機を接続可能な構成であってもよい。パルス発信機は、パルス信号を、水道の使用量又はガスの使用量に応じた回数だけ発信する。基本ユニット1の制御部14は、パルス発信機の発信回数に基づいて水道の使用量又はガスの使用量を求める。また、増設用接続部CN4は、例えば、温度センサ、湿度センサ、風速計又は日射計を接続可能な構成であってもよい。つまり、出力装置3を接続可能な通信部(増設用接続部CN4)が、増設ユニット2を接続するための構成を兼ねていることは、必須ではなく、増設ユニット2以外の機器を接続するための構成を兼ねていてもよい。
【0107】
また、電力計測システム10は、通信部として増設用接続部CN4、外部通信部15、接続部16及びコネクタCN8のうち少なくとも1つを備えていればよい。
【0108】
また、電力計測システム10の計測対象は、3相4線式の回路以外の、例えば3相3線式、単相3線式、単相2線式の回路であってもよい。
【0109】
また、基本ユニット1の処理部141でプログラムの書換えが開始されるトリガとなる特定の情報と、増設ユニット2の処理部241でプログラムの書換えが開始されるトリガとなる変更情報とは、同じ情報であってもよいし、異なる情報であってもよい。
【0110】
また、特定の情報と書換え用のプログラムとが、通信部に入力される1つの信号に含まれていてもよい。
【0111】
また、書換え用のプログラムそのものが、特定の情報であってもよい。つまり、処理部141は、書換え用のプログラムが入力されることをトリガとしてプログラムの書換えを開始してもよい。
【0112】
また、実施形態では、基本ユニット1のモード切替部143は、第4の信号Sig4が入力されると、処理部141の動作モードを第2のモードから第1のモードに切り替える。このように、モード切替部143は、特定の情報を含む信号以外の信号の入力に応じて処理部141の動作モードを第1のモードにしてもよい。あるいは、モード切替部143は、特定の情報が入力される度に、処理部141の動作モードを第1のモードと第2のモードとに交互に切り替えてもよい。
【0113】
また、基本ユニット1に係る構成は、増設ユニット2にも適宜適用されてもよい。反対に、増設ユニット2に係る構成は、基本ユニット1にも適宜適用されてもよい。
【0114】
また、基本ユニット1には、1つ以上の増設ユニット2を接続可能であるが、基本ユニット1は、増設ユニット2を接続することなく使用されてもよい。
【0115】
また、増設ユニット2の個数は、2つに限定されず、1つ又は3つ以上であってもよい。
【0116】
また、複数の電流センサ17、27は、電力計測システム10の構成に含まれていてもよい。
【0117】
また、各電流センサ17、27は、変流器に限定されず、例えば、シャント抵抗器を用いた電流センサ、又は、ホール素子を用いた電流センサであってもよい。
【0118】
また、基本ユニット1及び複数の増設ユニット2の各々に接続される電流センサ17(又は27)の個数は、特に限定されず、1~3つであってもよいし、5つ以上であってもよい。
【0119】
また、処理部141は、プログラムの書換えを完了すると、出力装置3から第4の信号Sig4が入力されることを待たずに、直ちに動作モードを第1モードに切り替えてもよい。
【0120】
(まとめ)
以上説明した実施形態等から、以下の態様が開示されている。
【0121】
第1の態様に係る電力計測システム10は、処理部141と、通信部(増設用接続部CN4、外部通信部15、接続部16及びコネクタCN8)と、を備える。処理部141は、回路EC1に流れる電流を検出する電流センサ17(又は27)の検出結果に基づいて、回路EC1の電力を動作プログラムに従って求める。通信部は、検出結果に関する情報を出力する又は当該情報の入力を受け付ける。通信部に特定の情報が入力されることをトリガとして、動作プログラムが変更される。
【0122】
上記の構成によれば、通信部(増設用接続部CN4、外部通信部15、接続部16又はコネクタCN8)に特定の情報が入力されることをトリガとして、動作プログラムが変更される。そのため、動作プログラムを変更する際に、電力計測システム10のうち動作プログラムを記憶した機器(基本ユニット1)を交換する手間を減らせる。さらに、通信部を、検出結果に関する情報を出力する又は当該情報の入力を受け付けることと、動作プログラムを変更することとに兼用できる。そのため、動作プログラムを変更するための端子等を通信部とは別に設ける場合と比較して、電力計測システム10の部材点数が増加する可能性を低減できる。
【0123】
また、第2の態様に係る電力計測システム10では、第1の態様において、通信部は、増設用接続部CN4を含む。増設用接続部CN4は、増設ユニット2を接続可能である。増設ユニット2は、電流センサ27を電気的に接続可能である。
【0124】
上記の構成によれば、増設用接続部CN4を、増設ユニット2の接続と動作プログラムの変更とに兼用できる。そのため、動作プログラムを変更するための端子等を増設用接続部CN4とは別に設ける場合と比較して、電力計測システム10の部材点数が増加する可能性を低減できる。
【0125】
また、第3の態様に係る電力計測システム10は、第2の態様において、増設ユニット2を更に備える。増設ユニット2は、入力部CN6を備える。入力部CN6には、変更情報が入力される。増設ユニット2の入力部CN6に変更情報が入力されることをトリガとして、増設ユニット2を動作させるためのプログラムが変更される。
【0126】
上記の構成によれば、増設ユニット2を動作させるためのプログラムを変更可能である。
【0127】
また、第4の態様に係る電力計測システム10では、第3の態様において、特定の情報は、増設ユニット2の入力部CN6を介して通信部(増設用接続部CN4)に入力される。
【0128】
上記の構成によれば、増設用接続部CN4に増設ユニット2を接続したままの状態で、動作プログラムを変更できる。
【0129】
また、第5の態様に係る電力計測システム10では、第1~4の態様のいずれか1つにおいて、通信部は、記憶メディア接続部(接続部16)を含む。記憶メディア接続部には、記憶メディアが接続される。
【0130】
上記の構成によれば、記憶メディアに記録された動作プログラム等を通信部へ入力できる。
【0131】
また、第6の態様に係る電力計測システム10では、第1~5の態様のいずれか1つにおいて、通信部は、外部通信部15を含む。外部通信部15は、外部装置と通信する。
【0132】
上記の構成によれば、外部通信部15を介して外部装置(例えば、コントローラ)と通信することにより、動作プログラムを変更できる。
【0133】
また、第7の態様に係る電力計測システム10では、第1~6の態様のいずれか1つにおいて、処理部141は、動作モードとして、動作プログラムを実行する第1のモードと、動作プログラムの変更を行う第2のモードと、を有する。通信部(増設用接続部CN4、外部通信部15、接続部16及びコネクタCN8)に特定の情報が入力されると、動作モードが第2のモードになる。
【0134】
上記の構成によれば、動作プログラムを変更する作業を行う作業者は、処理部141の動作モードを第1のモードと第2のモードとで切り替えて作業できる。
【0135】
また、第8の態様に係る電力計測システム10では、第1~7の態様のいずれか1つにおいて、動作プログラムの変更が完了すると、通信部は、動作プログラムの変更の完了を通知する通知信号を出力する。
【0136】
上記の構成によれば、動作プログラムを変更する作業を行う作業者は、作業の完了を知ることができる。
【0137】
また、第9の態様に係る電力計測システム10は、第1~8の態様のいずれか1つにおいて、出力装置3を更に備える。出力装置3は、通信部に特定の信号及び動作プログラムに関する情報を出力する。出力装置3は、提示部33を備える。提示部33は、動作プログラムの変更に係る処理の進捗状況を提示する。
【0138】
上記の構成によれば、動作プログラムを変更する作業を行う作業者は、動作プログラムの変更に係る処理の進捗状況を知ることができる。
【0139】
第1の態様以外の構成については、電力計測システム10に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【0140】
また、第10の態様に係る電力計測システム10は、処理部141と、記憶部142と、増設用接続部CN4と、を備える。処理部141は、回路EC1に流れる電流を検出する電流センサ17(又は27)の検出結果に基づいて、回路EC1の電力を動作プログラムに従って求める。記憶部142は、情報を記憶する。増設用接続部CN4は、増設ユニット2を接続可能である。増設ユニット2は、電流センサ27を電気的に接続可能である。増設用接続部CN4に特定の情報が入力されることをトリガとして、記憶部142に記憶された情報が変更される。
【0141】
上記の構成によれば、増設用接続部CN4に特定の情報が入力されることをトリガとして、記憶部142に記憶された情報が変更されるので、情報を変更する際に、電力計測システム10のうち記憶部142を含む機器(基本ユニット1)を交換する手間を減らせる。さらに、増設用接続部CN4を、増設ユニット2の接続と、情報を変更することとに兼用できる。そのため、情報を変更するための端子等を増設用接続部CN4とは別に設ける場合と比較して、電力計測システム10の部材点数が増加する可能性を低減できる。
【0142】
第1~9の態様に係る構成は、第10の態様にも適宜適用可能である。
【0143】
また、第11の態様に係る情報変更方法は、回路EC1に流れる電流を検出する電流センサ17(又は27)の検出結果に基づいて、回路EC1の電力を動作プログラムに従って求める処理部141と、検出結果に関する情報を出力する又は当該情報の入力を受け付ける通信部(増設用接続部CN4、外部通信部15、接続部16及びコネクタCN8)と、を備える電力計測システム10において、通信部に特定の情報が入力されることをトリガとして、動作プログラムを変更する。
【0144】
上記の構成によれば、通信部(増設用接続部CN4、外部通信部15、接続部16又はコネクタCN8)に特定の情報が入力されることをトリガとして、動作プログラムが変更される。そのため、動作プログラムを変更する際に、電力計測システム10のうち動作プログラムを記憶した機器(基本ユニット1)を交換する手間を減らせる。さらに、通信部を、検出結果に関する情報を出力する又は当該情報の入力を受け付けることと、動作プログラムを変更することとに兼用できる。そのため、動作プログラムを変更するための端子等を通信部とは別に設ける場合と比較して、電力計測システム10の部材点数が増加する可能性を低減できる。
【0145】
また、第12の態様に係る情報変更方法は、回路EC1に流れる電流を検出する電流センサ17(又は27)の検出結果に基づいて、回路EC1の電力を動作プログラムに従って求める処理部141と、情報を記憶する記憶部142と、電流センサ27を電気的に接続可能な増設ユニット2を接続可能な増設用接続部CN4と、を備える電力計測システム10において、増設用接続部CN4に特定の情報が入力されることをトリガとして、記憶部142に記憶された情報を変更する。
【0146】
上記の構成によれば、増設用接続部CN4に特定の情報が入力されることをトリガとして、記憶部142に記憶された情報が変更されるので、情報を変更する際に、電力計測システム10のうち記憶部142を含む機器(基本ユニット1)を交換する手間を減らせる。さらに、増設用接続部CN4を、増設ユニット2の接続と、情報を変更することとに兼用できる。そのため、情報を変更するための端子等を増設用接続部CN4とは別に設ける場合と比較して、電力計測システム10の部材点数が増加する可能性を低減できる。
【0147】
また、第13の態様に係るプログラムは、第11又は12の態様に係る情報変更方法を、コンピュータシステムに実行させる。
【0148】
上記の構成によれば、電力計測システム10の機器の交換の手間を減らしつつ、部材点数が増加する可能性を低減できる。
【0149】
上記態様に限らず、実施形態に係る電力計測システム10の種々の構成(変形例を含む)は、情報変更方法及びプログラムにて具現化可能である。
【符号の説明】
【0150】
10 電力計測システム
141 処理部
142 記憶部
15 外部通信部
16 接続部(記憶メディア接続部)
17 電流センサ
2 増設ユニット
27 電流センサ
3 出力装置
33 提示部
CN4 増設用接続部
CN6 入力部
EC1 回路