(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-16
(45)【発行日】2023-02-27
(54)【発明の名称】正極材料、および、電池
(51)【国際特許分類】
H01M 4/62 20060101AFI20230217BHJP
H01M 4/13 20100101ALI20230217BHJP
H01M 4/505 20100101ALI20230217BHJP
H01M 4/525 20100101ALI20230217BHJP
H01M 10/0562 20100101ALI20230217BHJP
H01B 1/06 20060101ALI20230217BHJP
【FI】
H01M4/62 Z
H01M4/13
H01M4/505
H01M4/525
H01M10/0562
H01B1/06 A
(21)【出願番号】P 2019563956
(86)(22)【出願日】2018-12-17
(86)【国際出願番号】 JP2018046262
(87)【国際公開番号】W WO2019135346
(87)【国際公開日】2019-07-11
【審査請求日】2021-11-17
(31)【優先権主張番号】P 2018000433
(32)【優先日】2018-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101683
【氏名又は名称】奥田 誠司
(74)【代理人】
【識別番号】100155000
【氏名又は名称】喜多 修市
(74)【代理人】
【識別番号】100180529
【氏名又は名称】梶谷 美道
(74)【代理人】
【識別番号】100125922
【氏名又は名称】三宅 章子
(74)【代理人】
【識別番号】100188813
【氏名又は名称】川喜田 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100184985
【氏名又は名称】田中 悠
(74)【代理人】
【識別番号】100202197
【氏名又は名称】村瀬 成康
(74)【代理人】
【識別番号】100218981
【氏名又は名称】武田 寛之
(72)【発明者】
【氏名】浅野 哲也
(72)【発明者】
【氏名】酒井 章裕
【審査官】増山 淳子
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-059342(JP,A)
【文献】特開2001-052733(JP,A)
【文献】BOHNSACK, Andreas et al.,Ternary Halides of the A3MX6 Type. VI. Ternary Chlorides of the Rare-Earth Elements with Lithium, Li,Zeitschrift fur anorganische und allgemeine Chemie,ドイツ,1997年,Vol.623,pp.1067-1073,ISSN:1521-3749
【文献】BOHNSACK, Andreas et al.,Ternary Halides of the A3MX6Type. VII. The Bromides Li3MBr6(M=Sm-Lu, Y): Synthesis, Crystal Structur,Journal of inorganic and General Chemistry,1997年,Vol.623,pp.1352-1356,特にp.1354右欄-p.1355左欄
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 4/00
H01M 10/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極活物質と第1固体電解質材料とを含み、
前記第1固体電解質材料は、Li、M、およびXを含み、
Mは、イットリウムを少なくとも含み、
Xは、Cl、
およびB
rからなる群より選ばれる少なくとも1種であ
り、
前記正極活物質は、コバルト酸リチウム、ニッケルコバルトマンガン酸リチウム、または、ニッケルコバルトアルミニウム酸リチウムである、
正極材料。
【請求項2】
前記第1固体電解質材料は硫黄を含まない、
請求項1に記載の正極材料。
【請求項3】
前記第1固体電解質材料は、下記の組成式(1)により表され、
Li
αM
βX
γ ・・・式(1)
ここで、α、β、およびγは、いずれも0より大きい値である、
請求項1または2に記載の正極材料。
【請求項4】
前記第1固体電解質材料は、前記正極活物質と接触する、
請求項1から3のいずれかに記載の正極材料。
【請求項5】
前記第1固体電解質材料は、Li
3YCl
6、または、Li
3YBr
6、である、
請求項1に記載の正極材料。
【請求項6】
前記Mは、Ca、Sr、Ba、及びZnからなる群より選ばれる元素と、イットリウムと、を含む、
請求項1に記載の正極材料。
【請求項7】
前記第1固体電解質材料は、
Li
3.1Y
0.9Ca
0.1Cl
6、
Li
3.1Y
0.9Sr
0.1Cl
6、
Li
3.1Y
0.9Ba
0.1Cl
6、または、
Li
3.1Y
0.9Zn
0.1Cl
6、である、
請求項6に記載の正極材料。
【請求項8】
前記正極活物質の平均充放電電位は、金属リチウムの酸化還元電位に対して、3.7V以上高い、
請求項1から
7いずれかに記載の正極材料。
【請求項9】
請求項1から
8のいずれかに記載の正極材料を含む正極と、
負極と、
前記正極と前記負極との間に設けられる電解質層と、
を備える、
電池。
【請求項10】
前記正極と接して配置される正極集電体をさらに備え、
前記第1固体電解質材料は、前記正極集電体と接触する、
請求項
9に記載の電池。
【請求項11】
前記電解質層は、第2固体電解質材料を含み、
前記第2固体電解質材料は、前記第1固体電解質材料と同じ組成を有する、
請求項
9または
10に記載の電池。
【請求項12】
前記電解質層は、前記第1固体電解質材料とは異なるハロゲン化物固体電解質材料を含む、
請求項
9から
11のいずれかに記載の電池。
【請求項13】
前記電解質層は、硫化物固体電解質を含む、
請求項
9から
12のいずれかに記載の電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電池用の正極材料、および、電池に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、硫化物固体電解質を用いた全固体電池が開示されている。
【0003】
特許文献2には、インジウムを含むハロゲン化物を固体電解質として用いた全固体電池が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-129312号公報
【文献】特開2006-244734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術においては、電池の充放電効率のさらなる向上が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一様態における正極材料は、正極活物質と第1固体電解質材料とを含む。前記第1固体電解質材料は、Li、M、およびXを含む。Mは、Li以外の金属元素、または半金属元素のいずれかを少なくとも含む。Xは、Cl、Br、およびIからなる群より選ばれる少なくとも1種である。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、電池の充放電効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施の形態1における正極材料の概略構成を示す断面図である。
【
図2】
図2は、実施の形態2における電池の概略構成を示す断面図である。
【
図3A】
図3Aは、実施例1および比較例1の交流インピーダンス測定により得られたCole-Cole線図を示す図である。
【
図3B】
図3Bは、実施例1および比較例1の交流インピーダンス測定により得られた、Bode線図を示す図である。
【
図4】
図4は、実施例1、実施例10、実施例11、および比較例1の充放電試験の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態が、図面を参照しながら説明される。
【0010】
(実施の形態1)
実施の形態1における正極材料は、正極活物質と第1固体電解質材料とを含む。第1固体電解質材料は、Li、M、およびXを含む。Mは、Li以外の金属元素、または半金属元素のいずれかを少なくとも含む。Xは、Cl、Br、およびIからなる群より選ばれる少なくとも1種である。
【0011】
前記第1固体電解質材料は、硫黄を含んでいなくてもよい。
【0012】
第1固体電解質材料は、下記の組成式(1)により表される材料であってもよい。
LiαMβXγ ・・・式(1)
ここで、α、β、及びγは、いずれも0より大きい値である。
【0013】
以上の構成によれば、電池の充放電効率を向上させることができる。
【0014】
特許文献1では、硫化物固体電解質を用いた全固体電池を開示している。正極活物質にイオン伝導経路を確保するために、硫化物固体電解質と正極活物質との混合材料から構成される層を正極層としている。本発明者らが検討した結果、特許文献1と同様の構成(すなわち、硫化物固体電解質を含む電池構成)においては、充放電効率が不足することが分かった。
【0015】
特許文献2では、全固体二次電池において、正極層として正極活物質から構成される層、もしくは、正極活物質と導電化剤から構成される層を用い、かつ、固体電解質層として、インジウムを含む化合物から構成される層を用いる全固体二次電池を開示している。本発明者らが検討した結果、特許文献2と同様の構成(すなわち、正極活物質から構成される正極層と、インジウムを含むハロゲン化物から構成される固体電解質層を含む電池構成)においては、充放電効率が不足することが分かった。特に、正極活物質の平均放電電位がLi金属の酸化還元電位に対して3.7V以上高い場合において、充放電効率が低下することが分かった。
【0016】
一方、本発明者らは、第1固体電解質材料であるハロゲン化物固体電解質と正極活物質との混合材料から構成される正極層を含む固体電池においては、正極層を混合材料とすることで活物質の利用率が向上するのみならず、充放電効率が向上することを見出した。特に、正極活物質の平均放電電位がLi金属の酸化還元電位に対して3.7V以上高い場合において、充放電効率が向上することを見出した。そのような正極活物質の例として、LiCoO2またはLi(NiCoMn)O2またはLi(NiCoAl)O2など、コバルト、ニッケル、マンガン、及びアルミニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種と、リチウムと、酸素と、を含む正極活物質が挙げられる。
【0017】
この要因は明確ではないが、本実施の形態1の構成においては、ハロゲン化物固体電解質と正極活物質との界面において、電気化学的に安定で、かつ、良好な界面が形成されるためであると考えられる。安定で良好な界面の形成により、界面抵抗が低減すると考えられる。
【0018】
なお、「半金属元素」とは、B、Si、Ge、As、Sb、及びTeである。
【0019】
また、「金属元素」とは、水素を除く周期表1族から12族中に含まれるすべての元素、及び、前記の半金属元素と、Cと、Nと、Pと、Oと、Sと、Seとを除く全ての13族から16族中に含まれる元素である。すなわち、ハロゲン化合物と無機化合物を形成した際に、カチオンとなりうる元素群である。
【0020】
なお、組成式(1)においては、Mは、Y(イットリウム)を含んでもよい。
【0021】
すなわち、第1固体電解質材料は、金属元素としてYを含んでもよい。
【0022】
以上の構成によれば、第1固体電解質材料のイオン導電率を、より向上することができる。これにより、電池の充放電効率を、より向上させることができる。
【0023】
Yを含む第1固体電解質材料として、例えば、LiaMebYcX6(a+mb+3c=6、かつ、c>0を満たす)(Me:Li、Y以外の金属元素と半金属元素の少なくとも1つ)(m:Meの価数)の組成式で表される化合物であってもよい。
【0024】
Meとして、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Sc、Al、Ga、Bi、Zr、Hf、Ti、Sn、Ta、Nbのいずれか、もしくはこれらの混合物を用いてもよい。
【0025】
以上の構成によれば、第1固体電解質材料のイオン導電率をより向上することができる。
【0026】
なお、第1固体電解質材料は、Li3YCl6、または、Li3YBr6、であってもよい。
【0027】
以上の構成によれば、第1固体電解質材料のイオン導電率を、より向上することができる。これにより、電池の充放電効率を、より向上させることができる。
【0028】
なお、組成式(1)においては、Mは、Ca、Sr、Ba、及びZnからなる群より選ばれる元素と、イットリウムと、を含んでもよい。
【0029】
以上の構成によれば、第1固体電解質材料のイオン導電率を、より向上することができる。これにより、電池の充放電効率を、より向上させることができる。
【0030】
なお、第1固体電解質材料は、Li3.1Y0.9Ca0.1Cl6、Li3.1Y0
.9Sr0.1Cl6、Li3.1Y0.9Ba0.1Cl6、または、Li3.1Y0
.9Zn0.1Cl6、であってもよい。
【0031】
以上の構成によれば、第1固体電解質材料のイオン導電率を、より向上することができる。これにより、電池の充放電効率を、より向上させることができる。
【0032】
なお、第1固体電解質材料は、下記の組成式(A1)により表される材料であってもよい。
Li6-3dYdX6・・・式(A1)
ここで、組成式(A1)においては、Xは、Cl、Br、及びI、からなる群より選択される二種以上の元素である。
【0033】
また、組成式(A1)においては、0<d<2、を満たす。
【0034】
以上の構成によれば、第1固体電解質材料のイオン導電率を、より向上することができる。これにより、電池の充放電効率を、より向上させることができる。
【0035】
なお、第1固体電解質材料は、下記の組成式(A2)により表される材料であってもよい。
Li3YX6・・・式(A2)
ここで、組成式(A2)においては、Xは、Cl、Br、及びI、からなる群より選択される二種以上の元素である。
【0036】
以上の構成によれば、第1固体電解質材料のイオン導電率を、より向上することができる。これにより、電池の充放電効率を、より向上させることができる。
【0037】
なお、第1固体電解質材料は、下記の組成式(A3)により表される材料であってもよい。
Li3-3δY1+δCl6・・・式(A3)
ここで、組成式(A3)においては、0<δ≦0.15、が満たされる。
【0038】
以上の構成によれば、第1固体電解質材料のイオン導電率を、より向上することができる。これにより、電池の充放電効率を、より向上させることができる。
【0039】
なお、第1固体電解質材料は、下記の組成式(A4)により表される材料であってもよい。
Li3-3δY1+δBr6・・・式(A4)
ここで、組成式(A4)においては、0<δ≦0.25、が満たされる。
【0040】
以上の構成によれば、第1固体電解質材料のイオン導電率を、より向上することができる。これにより、電池の充放電効率を、より向上させることができる。
【0041】
なお、第1固体電解質材料は、下記の組成式(A5)により表される材料であってもよい。
Li3-3δ+aY1+δ-aMeaCl6-x-yBrxIy ・・・式(A5)
ここで、組成式(A5)においては、Meは、Mg、Ca、Sr、Ba、及びZnからなる群より選択される少なくとも1種である。
【0042】
また、組成式(A5)においては、
-1<δ<2、
0<a<3、
0<(3-3δ+a)、
0<(1+δ-a)、
0≦x≦6、
0≦y≦6、及び
(x+y)≦6、
が満たされる。
【0043】
以上の構成によれば、第1固体電解質材料のイオン導電率を、より向上することができる。これにより、電池の充放電効率を、より向上させることができる。
【0044】
なお、第1固体電解質材料は、下記の組成式(A6)により表される材料であってもよい。
Li3-3δY1+δ-aMeaCl6-x-yBrxIy ・・・式(A6)
ここで、組成式(A6)においては、Meは、Al、Sc、Ga、及びBiからなる群より選択される少なくとも1種である。
【0045】
また、組成式(A6)においては、
-1<δ<1、
0<a<2、
0<(1+δ-a)、
0≦x≦6、
0≦y≦6、及び
(x+y)≦6、
が満たされる。
【0046】
以上の構成によれば、第1固体電解質材料のイオン導電率を、より向上することができる。これにより、電池の充放電効率を、より向上させることができる。
【0047】
なお、第1固体電解質材料は、下記の組成式(A7)により表される材料であってもよい。
Li3-3δ-aY1+δ-aMeaCl6-x-yBrxIy ・・・式(A7)
ここで、組成式(A7)においては、Meは、Zr、Hf、及びTiからなる群より選択される少なくとも1種である。
【0048】
また、組成式(A7)においては、
-1<δ<1、
0<a<1.5、
0<(3-3δ-a)、
0<(1+δ-a)、
0≦x≦6、
0≦y≦6、及び
(x+y)≦6、
が満たされる。
【0049】
以上の構成によれば、第1固体電解質材料のイオン導電率を、より向上することができる。これにより、電池の充放電効率を、より向上させることができる。
【0050】
なお、第1固体電解質材料は、下記の組成式(A8)により表される材料であってもよい。
Li3-3δ-2aY1+δ-aMeaCl6-x-yBrxIy ・・・式(A8)
ここで、組成式(A8)においては、Meは、Ta、及びNbからなる群より選択される少なくとも1種である。
【0051】
また、組成式(A8)においては、
-1<δ<1、
0<a<1.2、
0<(3-3δ-2a)、
0<(1+δ-a)、
0≦x≦6、
0≦y≦6、及び
(x+y)≦6、
が満たされる。
【0052】
以上の構成によれば、第1固体電解質材料のイオン導電率を、より向上することができる。これにより、電池の充放電効率を、より向上させることができる。
【0053】
なお、第1固体電解質材料として、例えば、Li3YX6、Li2MgX4、Li2FeX4、Li(Al、Ga、In)X4、Li3(Al、Ga、In)X6、など、が用いられうる。
【0054】
正極活物質は、金属イオン(例えば、リチウムイオン)を吸蔵・放出する特性を有する材料を含む。正極活物質は、例えば、コバルト、ニッケル、マンガン、及びアルミニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種と、リチウムと、酸素と、を含む材料であってもよい。正極活物質として、例えば、リチウム含有遷移金属酸化物(例えば、Li(NiCoAl)O2、Li(NiCoMn)O2、LiCoO2、など)、遷移金属フッ化物、ポリアニオンおよびフッ素化ポリアニオン材料、および、遷移金属硫化物、遷移金属オキシ硫化物、遷移金属オキシ窒化物、など、が用いられうる。特に、正極活物質として、リチウム含有遷移金属酸化物を用いた場合には、製造コストを安くでき、平均放電電圧を高めることができる。
【0055】
特に、正極活物質の平均充放電電位は、Li金属の酸化還元電位に対して、3.7V vs Li/Li+以上高くてもよい。正極活物質の平均充放電電位は、例えばLi金属を対極として正極活物質のLi脱挿入を行った際の充放電を行った際の平均の電圧より求めることができる。Li金属以外の材料を対極とした場合は、対極に用いた材料の対金属リチウムの電位を充放電曲線に足し合わせることで平均電位を求めてもよい。その際、オーム損を考慮して比較的低い電流値で充放電を行ってもよい。
【0056】
以上の構成によれば、電池のエネルギー密度を、より高めることができる。
【0057】
なお、実施の形態1においては、正極活物質は、コバルト酸リチウム、ニッケルコバルトマンガン酸リチウム、または、ニッケルコバルトアルミニウム酸リチウム、であってもよい。例えば、正極活物質は、LiCoO2、または、Li(NiCoMn)O2、または、Li(NiCoAl)O2、であってもよい。
【0058】
以上の構成によれば、電池の充放電効率を、より向上させることができる。
【0059】
図1は、実施の形態1における正極材料1000の概略構成を示す断面図である。
【0060】
実施の形態1における正極材料1000は、第1固体電解質粒子100と正極活物質粒子110との混合材料を含む。
【0061】
第1固体電解質粒子100は、実施の形態1における第1固体電解質材料からなる粒子、または、実施の形態1における第1固体電解質材料を、主たる成分として(例えば、第1固体電解質粒子100の全体に対する重量割合で50%以上(50重量%以上))、含む粒子である。
【0062】
また、実施の形態1における、第1固体電解質粒子100の形状は、特に限定されるものではなく、例えば、針状、球状、楕円球状、など、であってもよい。例えば、第1固体電解質粒子100の形状は、粒子であってもよい。
【0063】
例えば、実施の形態1における第1固体電解質粒子100の形状が粒子状(例えば、球状)の場合、メジアン径は、100μm以下であってもよい。メジアン径が100μmより大きいと、正極活物質粒子110と第1固体電解質粒子100とが、正極材料において良好な分散状態を形成できない可能性が生じる。このため、充放電特性が低下する。また、実施の形態1においては、メジアン径は10μm以下であってもよい。
【0064】
以上の構成によれば、正極材料において、正極活物質粒子110と第1固体電解質粒子100とが、良好な分散状態を形成できる。
【0065】
また、実施の形態1においては、第1固体電解質粒子100は、正極活物質粒子110のメジアン径より小さくてもよい。
【0066】
以上の構成によれば、電極において第1固体電解質粒子100と正極活物質粒子110とが、より良好な分散状態を形成できる。
【0067】
正極活物質粒子110のメジアン径は、0.1μm以上かつ100μm以下であってもよい。
【0068】
正極活物質粒子110のメジアン径が0.1μmより小さいと、正極材料において、正極活物質粒子110と第1固体電解質粒子100とが、正極材料において良好な分散状態を形成できない可能性が生じる。この結果、電池の充放電特性が低下する。また、正極活物質粒子110のメジアン径が100μmより大きいと、正極活物質粒子110内のリチウム拡散が遅くなる。このため、電池の高出力での動作が困難となる場合がある。
【0069】
正極活物質粒子110のメジアン径は、第1固体電解質粒子100のメジアン径よりも、大きくてもよい。これにより、正極活物質粒子110と第1固体電解質粒子100とが、良好な分散状態を形成できる。
【0070】
また、実施の形態1における正極材料1000は、複数の第1固体電解質粒子100と、複数の正極活物質粒子110と、を含んでもよい。
【0071】
また、実施の形態1における正極材料1000における、第1固体電解質粒子100の含有量と正極活物質粒子110の含有量とは、互いに、同じであってもよいし、異なってもよい。
【0072】
なお、実施の形態1においては、第1固体電解質材料は、正極活物質と接触してもよい。
【0073】
すなわち、第1固体電解質粒子100と正極活物質粒子110との間に、人為的に形成される界面層が存在せず、第1固体電解質粒子100と正極活物質粒子110とが直接接して界面を形成してもよい。すなわち、第1固体電解質粒子100と正極活物質粒子110との間に、いずれの構成要素にも含まれない異種元素は存在しなくてもよい。
【0074】
以上の構成によれば、正極活物質粒子110と第1固体電解質粒子100との間のイオン抵抗を低減できる。さらに、正極層内の電子抵抗を低減することができる。
【0075】
<第1固体電解質材料の製造方法>
実施の形態1における第1固体電解質材料は、例えば、下記の方法により、製造されうる。
【0076】
目的とする組成の配合比となるような二元系ハロゲン化物の原料粉を用意する。例えば、Li3YCl6を作製する場合には、LiClとYCl3を、3:1のモル比で用意する。
【0077】
このとき、原料粉の種類を選択することで、上述の組成式における「M」と「Me」と「X」とを決定することができる。また、原料と配合比と合成プロセスを調整することで、上述の値「α」と「β」と「γ」と「d」と「δ」と「a」と「x」と「y」とを調整できる。
【0078】
原料粉をよく混合した後、メカノケミカルミリングの方法を用いて原料粉同士を混合・粉砕・反応させる。もしくは、原料粉をよく混合した後、真空中で焼結してもよい。
【0079】
これにより、前述したような結晶相を含む固体電解質材料が得られる。
【0080】
なお、固体電解質材料における結晶相の構成、及び結晶構造は、原料粉どうしの反応方法および反応条件の調整により、決定することができる。
【0081】
(実施の形態2)
以下、実施の形態2が説明される。上述の実施の形態1と重複する説明は、適宜、省略される。
【0082】
図2は、実施の形態2における電池2000の概略構成を示す断面図である。
【0083】
実施の形態2における電池2000は、正極201と、電解質層202と、負極203と、を備える。
【0084】
正極201は、上述の実施の形態1における正極材料(例えば、正極材料1000)を含む。
【0085】
電解質層202は、正極201と負極203との間に配置される。
【0086】
以上の構成によれば、電池の充放電効率を向上することができる。
【0087】
正極201に含まれる、正極活物質粒子110と第1固体電解質粒子100の体積比率「v:100-v」について、30≦v≦95が満たされてもよい。v<30では、十分な電池のエネルギー密度確保が困難となる可能性がある。また、v>95では、高出力での動作が困難となる可能性がある。
【0088】
正極201の厚みは、10μm以上かつ500μm以下であってもよい。なお、正極201の厚みが10μmより薄い場合には、十分な電池のエネルギー密度の確保が困難となる可能性がある。なお、正極201の厚みが500μmより厚い場合には、高出力での動作が困難となる可能性がある。
【0089】
なお、実施の形態2における電池2000は、正極集電体210をさらに備えてもよい。
【0090】
正極集電体210は、正極と接して配置される集電体である。
【0091】
このとき、第1固体電解質材料(例えば、第1固体電解質粒子100)は、正極集電体210と接触してもよい。
【0092】
以上の構成によれば、電池の充放電効率を、より向上することができる。
【0093】
なお、正極層中の混合材料に含まれる第1固体電解質粒子100と正極活物質粒子110とが、正極集電体210と接してもよい。これにより、良好で低抵抗な界面を形成でき、充放電効率を向上させることができる。
【0094】
電解質層202は、電解質材料を含む層である。当該電解質材料は、例えば、固体電解質材料(すなわち、第2固体電解質材料)である。すなわち、電解質層202は、固体電解質層であってもよい。
【0095】
電解質層202に含まれる第2固体電解質材料としては、上述の実施の形態1における第1固体電解質材料が挙げられる。すなわち、電解質層202は、上述の実施の形態1における第1固体電解質材料を含んでもよい。
【0096】
以上の構成によれば、電池の充放電効率を、より向上することができる。
【0097】
もしくは、電解質層202に含まれる第2固体電解質材料としては、上述の実施の形態1における第1固体電解質材料とは異なるハロゲン化物固体電解質材料であってもよい。すなわち、電解質層202は、上述の実施の形態1における第1固体電解質材料とは異なるハロゲン化物固体電解質材料を含んでもよい。
【0098】
以上の構成によれば、電池の出力密度および充放電効率を、向上することができる。
【0099】
電解質層202に含まれるハロゲン化物固体電解質材料は、金属元素としてYを含んでもよい。
【0100】
以上の構成によれば、電池の出力密度および充放電効率を、より向上することができる。
【0101】
電解質層202に含まれるハロゲン化物固体電解質材料としては、上述の実施の形態1における第1固体電解質材料として示された材料が、用いられうる。
【0102】
電解質層202に含まれる第2固体電解質材料として、硫化物固体電解質を用いてもよい。すなわち、電解質層202は、硫化物固体電解質を含んでもよい。
【0103】
以上の構成によれば、還元安定性に優れる硫化物固体電解質を含むため、黒鉛または金属リチウムなどの低電位負極材料を用いることができ、電池のエネルギー密度を向上することができる。
【0104】
硫化物固体電解質としては、Li2S-P2S5、Li2S-SiS2、Li2S-B
2S3、Li2S-GeS2、Li3.25Ge0.25P0.75S4、Li10GeP2S12、など、が用いられうる。また、これらに、LiX(X:F、Cl、Br、I)、Li2O、MOq、LipMOq(M:P、Si、Ge、B、Al、Ga、In、Fe、Znのいずれか)(p、q:自然数)などが、添加されてもよい。
【0105】
電解質層202に含まれる第2固体電解質材料として、酸化物固体電解質、高分子固体電解質、錯体水素化物固体電解質を用いてもよい。
【0106】
酸化物固体電解質としては、例えば、LiTi2(PO4)3およびその元素置換体を代表とするNASICON型固体電解質、(LaLi)TiO3系のペロブスカイト型固体電解質、Li14ZnGe4O16、Li4SiO4、LiGeO4およびその元素置換体を代表とするLISICON型固体電解質、Li7La3Zr2O12およびその元素置換体を代表とするガーネット型固体電解質、Li3NおよびそのH置換体、Li3PO4およびそのN置換体、LiBO2、Li3BO3などのLi-B-O化合物をベースとして、Li2SO4、Li2CO3などが添加されたガラス、ガラスセラミックスなど、が用いられうる。
【0107】
高分子固体電解質としては、例えば、高分子化合物と、リチウム塩との化合物が用いられうる。高分子化合物はエチレンオキシド構造を有していてもよい。エチレンオキシド構造を有することで、リチウム塩を多く含有することができ、イオン導電率をより高めることができる。リチウム塩としては、LiPF6、LiBF4、LiSbF6、LiAsF
6、LiSO3CF3、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2、LiN(SO2CF3)(SO2C4F9)、LiC(SO2CF3)3、など、が使用されうる。リチウム塩として、これらから選択される1種のリチウム塩が、単独で、使用されうる。もしくは、リチウム塩として、これらから選択される2種以上のリチウム塩の混合物が、使用されうる。
【0108】
錯体水素化物固体電解質としては、例えば、LiBH4-LiI、LiBH4-P2S
5など、が用いられうる。
【0109】
なお、固体電解質層は、第2固体電解質材料を、主成分として、含んでもよい。すなわち、固体電解質層は、第2固体電解質材料を、例えば、固体電解質層の全体に対する重量割合で50%以上(50重量%以上)、含んでもよい。
【0110】
以上の構成によれば、電池の充放電特性を、より向上させることができる。
【0111】
また、固体電解質層は、第2固体電解質材料を、例えば、固体電解質層の全体に対する重量割合で70%以上(70重量%以上)、含んでもよい。
【0112】
以上の構成によれば、電池の充放電特性を、より向上させることができる。
【0113】
なお、固体電解質層は、第2固体電解質材料を主成分として含みながら、さらに、不可避的な不純物、または、第2固体電解質材料を合成する際に用いられる出発原料、並びに副生成物および分解生成物など、を含んでいてもよい。
【0114】
また、固体電解質層は、第2固体電解質材料を、例えば、混入が不可避的な不純物を除いて、固体電解質層の全体に対する重量割合で100%(100重量%)、含んでもよい。
【0115】
以上の構成によれば、電池の充放電特性を、より向上させることができる。
【0116】
以上のように、固体電解質層は、第2固体電解質材料のみから構成されていてもよい。
【0117】
なお、固体電解質層は、第2固体電解質材料として挙げられた材料のうちの2種以上を含んでもよい。例えば、固体電解質層は、ハロゲン化物固体電解質材料と硫化物固体電解質材料とを含んでもよい。
【0118】
電解質層202の厚みは、1μm以上かつ300μm以下であってもよい。電解質層202の厚みが1μmより薄い場合には、正極201と負極203とが短絡する可能性が高まる。また、電解質層202の厚みが300μmより厚い場合には、高出力での動作が困難となる可能性がある。
【0119】
負極203は、金属イオン(例えば、リチウムイオン)を吸蔵・放出する特性を有する材料を含む。負極203は、例えば、負極活物質を含む。
【0120】
負極活物質には、金属材料、炭素材料、酸化物、窒化物、錫化合物、珪素化合物、など、が使用されうる。金属材料は、単体の金属であってもよい。もしくは、金属材料は、合金であってもよい。金属材料の例として、リチウム金属、リチウム合金、など、が挙げられる。炭素材料の例として、天然黒鉛、コークス、黒鉛化途上炭素、炭素繊維、球状炭素、人造黒鉛、非晶質炭素、など、が挙げられる。容量密度の観点から、珪素(Si)、錫(Sn)、珪素化合物、錫化合物、を使用してもよい。
【0121】
負極203は、固体電解質材料を含んでもよい。以上の構成によれば、負極203内部のリチウムイオン伝導性を高め、高出力での動作が可能となる。固体電解質材料としては、電解質層202の例示としてあげる材料を用いてもよい。
【0122】
負極活物質粒子のメジアン径は、0.1μm以上かつ100μm以下であってもよい。負極活物質粒子のメジアン径が0.1μmより小さいと、負極において、負極活物質粒子と固体電解質材料とが、良好な分散状態を形成できない可能性が生じる。これにより、電池の充放電特性が低下する。また、負極活物質粒子のメジアン径が100μmより大きいと、負極活物質粒子内のリチウム拡散が遅くなる。このため、電池の高出力での動作が困難となる場合がある。
【0123】
負極活物質粒子のメジアン径は、固体電解質材料のメジアン径よりも、大きくてもよい。これにより、負極活物質粒子と固体電解質材料との良好な分散状態を形成できる。
【0124】
負極203に含まれる、負極活物質粒子と固体電解質材料の体積比率「v:100-v」について、30≦v≦95が満たされてもよい。v<30では、十分な電池のエネルギー密度確保が困難となる可能性がある。また、v>95では、高出力での動作が困難となる可能性がある。
【0125】
負極203の厚みは、10μm以上かつ500μm以下であってもよい。負極の厚みが10μmより薄い場合には、十分な電池のエネルギー密度の確保が困難となる可能性がある。また、負極の厚みが500μmより厚い場合には、高出力での動作が困難となる可能性がある。
【0126】
正極201と電解質層202と負極203とのうちの少なくとも1つには、粒子同士の密着性を向上する目的で、結着剤が含まれてもよい。結着剤は、電極を構成する材料の結着性を向上するために、用いられる。結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アラミド樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアクリルニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸メチルエステル、ポリアクリル酸エチルエステル、ポリアクリル酸ヘキシルエステル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチルエステル、ポリメタクリル酸エチルエステル、ポリメタクリル酸ヘキシルエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリエーテル、ポリエーテルサルフォン、ヘキサフルオロポリプロピレン、スチレンブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロース、など、が挙げられる。また、結着剤としては、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、エチレン、プロピレン、ペンタフルオロプロピレン、フルオロメチルビニルエーテル、アクリル酸、ヘキサジエンより選択された2種以上の材料の共重合体が用いられうる。また、これらのうちから選択された2種以上が混合されて、結着剤として用いられてもよい。
【0127】
正極201と負極203との少なくとも1つは、電子導電性を高める目的で、導電助剤を含んでもよい。導電助剤としては、例えば、天然黒鉛または人造黒鉛のグラファイト類、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどのカーボンブラック類、炭素繊維または金属繊維などの導電性繊維類、フッ化カーボン、アルミニウムなどの金属粉末類、酸化亜鉛またはチタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー類、酸化チタンなどの導電性金属酸化物、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性高分子化合物、など、が用いられうる。炭素導電助剤を用いた場合、低コスト化を図ることができる。
【0128】
なお、実施の形態2における電池は、コイン型、円筒型、角型、シート型、ボタン型、扁平型、積層型、など、種々の形状の電池として、構成されうる。
【実施例】
【0129】
以下、実施例および比較例を用いて、本開示の詳細が説明される。
【0130】
≪実施例1≫
[第1固体電解質材料の作製]
露点-60℃以下のアルゴングローブボックス内で、原料粉LiClとYCl3とを、モル比でLiCl:YCl3=3:1となるように、秤量した。その後、遊星型ボールミル(フリッチュ社製、P-7型)を用い、25時間、600rpmでミリング処理することで、第1固体電解質材料Li3YCl6の粉末を得た。
【0131】
[正極材料の作製]
アルゴングローブボックス内で、実施例1の第1固体電解質材料と、正極活物質であるLiCoO2を、固体電解質材料量:正極活物質量=30:70の体積比率となるように秤量した。これらをメノウ乳鉢で混合することで、混合材料からなる実施例1の正極材料を作製した。
【0132】
[二次電池の作製]
上述の正極材料と第1固体電解質材料Li3YCl6をそれぞれ用いて、下記の工程を実施した。
【0133】
まず、絶縁性外筒の中で、Li3YCl6を120mg、上述の正極材料を8.5mg(正極活物質重量7.0mg)の順に積層した。これを360MPaの圧力で加圧成型することで、上述の混合材料からなる正極層と、Li3YCl6からなる固体電解質層を得た。
【0134】
次に、正極側に、アルミニウム粉末を20mg積層した。これを360MPaの圧力で加圧成型することで、正極側に集電体を形成した。
【0135】
次に、固体電解質層の正極と接する側とは反対側に、金属In(厚さ200μm)-金属Li(厚さ300μm)―金属In(厚さ200μm)を積層した。これを40MPaの圧力で加圧成型することで、正極、固体電解質層、負極からなる積層体を作製した。
【0136】
次に、積層体の上下にステンレス鋼集電体を配置し、集電体に集電リードを付設した。
【0137】
最後に、絶縁性フェルールを用いて、絶縁性外筒内部を外気雰囲気から遮断・密閉することで、電池を作製した。
【0138】
以上により、上述の実施例1における全固体二次電池を作製した。
【0139】
[充放電試験、および、インピーダンス試験]
上述の実施例1における全固体二次電池を用いて、以下の条件で、充放電試験が実施された。
【0140】
電池を25℃の恒温槽に配置した。
【0141】
電池の理論容量に対して0.05Cレート(20時間率)となる電流値48μAで、定電流充電し、電圧3.6Vで充電を終了した。
【0142】
充電終了後の電池について、以下の条件「基準電圧:開回路電圧」「電圧振幅:10mV」「周波数:1MHz-0.01Hz」で、交流インピーダンス試験を実施した。
【0143】
次に、同じく0.05Cレートとなる電流値48μAで、放電し、電圧1.9Vで放電を終了した。
【0144】
図3A及び
図3Bは、実施例1および比較例1の交流インピーダンス測定の結果を示す図である。
【0145】
交流インピーダンス試験より得られたCole-Cole線図を
図3Aに、Bode線図を
図3Bに示す。
【0146】
Cole-Cole線図より、3つのインピーダンス成分を構成する抵抗成分R1、R
2、R3が観測された。Bode線図より、それぞれの抵抗成分の周波数は、R1については70kHz以上、R2については、500Hz-70kHz、R3については、40mHz-500Hzであった。これらの周波数の値は、インピーダンスの位相の絶対値の極小値を、それぞれのインピーダンス成分の境界として認識できる。インピーダンス成分の分離が困難な際は等価回路を構成してフィッティングにより、各インピーダンス成分の抵抗値を導出することができる。以上の周波数の値より、R1は固体電解質層におけるバルク抵抗、R2は正極活物質と固体電解質との界面抵抗、R3は、負極活物質と固体電解質との界面抵抗と割り当てられる。従って、固体電解質のバルク抵抗は288Ω、正極活物質と固体電解質との界面抵抗は13Ωであり、正極界面抵抗/固体電解質バルク抵抗比(R2/R1)は、4.5%であった。
【0147】
図4は、実施例1、実施例10、実施例11、および比較例1の充放電試験の結果を示す図である。
【0148】
上述の充放電試験により得られた充放電カーブを
図4に示す。
【0149】
初回放電容量は0.837mAhであった。
【0150】
初回充放電効率(=初回放電容量/初回充電容量)は、94.2%であった。
【0151】
図4の充放電カーブより、平均電位を算出すると、実施例1における二次電池の充電過程における平均充電電位は3.38V、放電過程における平均放電電位は3.30V、平均充電電位と平均放電電位との平均値である平均充放電電位は3.34Vであった。実施例1で用いたIn負極材料の対金属リチウム電位(0.62V)の値を用いると、実施例1における正極材料の対金属リチウムの平均充電電位、平均放電電位、平均充放電電位は、4.00VvsLi/Li
+、3.92VvsLi/Li
+、3.96VvsLi/Li
+であった。
【0152】
≪実施例2≫
第1固体電解質材料の作製に、露点-60℃以下のアルゴングローブボックス内で、原料粉LiBrとYBr3とを、モル比でLiBr:YBr3=3:1となるように、秤量した。その後、遊星型ボールミル(フリッチュ社製、P-7型)を用い、25時間、600rpmでミリング処理することで、第1固体電解質材料Li3YBr6の粉末を得た。
【0153】
混合材料から成る正極材料の作製、及び、二次電池の作製に、固体電解質材料としてLi3YBr6を用いた。
【0154】
それ以外は、実施例1と同様に正極材料の作製、二次電池の作製、充放電試験、および、インピーダンス試験を行った。
【0155】
初回放電容量は0.599mAhであり、初回充放電効率は、91.1%であった。
【0156】
実施例2における二次電池の充電過程における平均充電電位は3.44V、放電過程における平均放電電位は3.08V、平均充電電位と平均放電電位との平均値である平均充放電電位は3.26Vであった。実施例2における正極材料の対金属リチウムの平均充電電位、平均放電電位、平均充放電電位は、4.06VvsLi/Li+、3.70VvsLi/Li+、3.88VvsLi/Li+であった。
【0157】
≪実施例3≫
第1固体電解質材料の作製に、露点-60℃以下のアルゴングローブボックス内で、原料粉LiClと、MgCl2とを、モル比でLiCl:MgCl2=2:1となるように、秤量した。その後、遊星型ボールミル(フリッチュ社製、P-7型)を用い、25時間、600rpmでミリング処理することで、第1固体電解質材料Li2MgCl4の粉末を得た。
【0158】
正極材料の作製は、実施例1と同様に、アルゴングローブボックス内で、実施例3の第1固体電解質材料と、正極活物質であるLiCoO2を、固体電解質材料量:正極活物質量=30:70の体積比率となるように秤量した。これらをメノウ乳鉢で混合することで、混合材料からなる実施例3の正極材料を作製した。
【0159】
二次電池の作製に、上述の実施例3の正極材料と実施例1で作製したハロゲン化物固体電解質Li3YCl6をそれぞれ用いて、下記の工程を実施した。
【0160】
まず、絶縁性外筒の中で、Li3YCl6を120mg、正極材料を8.3mg(活物質重量7mg)の順に積層した。これを360MPaの圧力で加圧成型することで、上述の混合材料からなる正極層と、Li3YCl6からなる固体電解質層を得た。
【0161】
次に、正極側に、アルミニウム粉末を20mg積層した。これを360MPaの圧力で加圧成型することで、正極側に集電体を形成した。
【0162】
次に、固体電解質層の正極と接する側とは反対側に、金属In(厚さ200μm)、金属Li(厚さ300μm)、金属In(厚さ200μm)の順に積層した。これを40MPaの圧力で加圧成型することで、正極、固体電解質層、負極からなる積層体を作製した。
【0163】
次に、積層体の上下にステンレス鋼集電体を配置し、集電体に集電リードを付設した。
【0164】
最後に、絶縁性フェルールを用いて、絶縁性外筒内部を外気雰囲気から遮断・密閉することで、電池を作製した。
【0165】
以上により、上述の実施例3における全固体二次電池を作製した。
【0166】
充放電試験、および、インピーダンス試験は、80℃の恒温槽に入れて行った以外は、実施例1と同様に行った。
【0167】
初回放電容量は0.256mAhであり、初回充放電効率は、81.8%であった。
【0168】
実施例3における二次電池の充電過程における平均充電電位は3.39V、放電過程における平均放電電位は3.18V、平均充電電位と平均放電電位との平均値である平均充放電電位は3.28Vであった。実施例3における正極材料の対金属リチウムの平均充電電位、平均放電電位、平均充放電電位は、4.00VvsLi/Li+、3.80VvsLi/Li+、3.90VvsLi/Li+であった。
【0169】
≪実施例4≫
第1固体電解質材料の作製に、露点-60℃以下のアルゴングローブボックス内で、原料粉LiClとYCl3とCaCl2とを、モル比でLiCl:YCl3:CaCl2=3.1:0.9:0.1となるように、秤量した。その後、遊星型ボールミル(フリッチュ社製、P-7型)を用い、25時間、600rpmでミリング処理することで、第1固体電解質材料Li3.1Y0.9Ca0.1Cl6の粉末を得た。
【0170】
それ以外は、実施例3と同様に正極材料と二次電池の作製を行った。
【0171】
充放電試験とインピーダンス試験は、実施例1と同様に行った。
【0172】
初回放電容量は0.584mAhであり、初回充放電効率は、87.8%であった。
【0173】
≪実施例5≫
第1固体電解質材料の作製に、露点-60℃以下のアルゴングローブボックス内で、原料粉LiClとYCl3とSrCl2とを、モル比でLiCl:YCl3:SrCl2=3.1:0.9:0.1となるように、秤量した。その後、遊星型ボールミル(フリッチュ社製、P-7型)を用い、25時間、600rpmでミリング処理することで、第1固体電解質材料Li3.1Y0.9Sr0.1Cl6の粉末を得た。
【0174】
それ以外は、実施例4と同様に、正極材料と二次電池の作製、および、充放電試験とインピーダンス試験を行った。
【0175】
初回放電容量は0.596mAhであり、初回充放電効率は、87.2%であった。
【0176】
≪実施例6≫
第1固体電解質材料の作製に、露点-60℃以下のアルゴングローブボックス内で、原料粉LiClとYCl3とBaCl2とを、モル比でLiCl:YCl3:BaCl2=3.1:0.9:0.1となるように、秤量した。その後、遊星型ボールミル(フリッチュ社製、P-7型)を用い、25時間、600rpmでミリング処理することで、第1固体電解質材料Li3.1Y0.9Ba0.1Cl6の粉末を得た。
【0177】
それ以外は、実施例4と同様に、正極材料と二次電池の作製、および、充放電試験とインピーダンス試験を行った。
【0178】
初回放電容量は0.619mAhであり、初回充放電効率は、85.8%であった。
【0179】
≪実施例7≫
第1固体電解質材料の作製に、露点-60℃以下のアルゴングローブボックス内で、原料粉LiClとYCl3とZnCl2とを、モル比でLiCl:YCl3:ZnCl2=3.1:0.9:0.1となるように、秤量した。その後、遊星型ボールミル(フリッチュ社製、P-7型)を用い、25時間、600rpmでミリング処理することで、第1固体電解質材料Li3.1Y0.9Zn0.1Cl6の粉末を得た。
【0180】
それ以外は、実施例4と同様に、正極材料と二次電池の作製、および、充放電試験とインピーダンス試験を行った。
【0181】
初回放電容量は0.614mAhであり、初回充放電効率は、88.1%であった。
【0182】
≪実施例8≫
実施例1と同様に第1固体電解質材料の作製、及び、混合材料からなる正極材料の作製を行った。
【0183】
[硫化物固体電解質材料の作製]
露点-60℃以下のアルゴングローブボックス内で、原料粉Li2SとP2S5とを、モル比でLi2S:P2S5=3:1となるように、秤量した。その後、遊星型ボールミル(フリッチュ社製、P-7型)を用い、10時間、510rpmでミリング処理することで、硫化物固体電解質Li2S-P2S5の粉末を得た。
【0184】
[二次電池の作製]
二次電池の作製に、上述の実施例8の正極材料、第1固体電解質材料Li3YCl6、および、上述の硫化物固体電解質Li2S-P2S5をそれぞれ用いて、下記の工程を実施した。
【0185】
まず、絶縁性外筒の中で、Li2S-P2S5を40mg、Li3YCl6を60mg、正極材料を8.5mg(活物質重量7mg)の順に積層した。これを360MPaの圧力で加圧成型することで、上述の混合材料からなる正極層と、Li3YCl6とLi2S-P2S5の積層構造からなる固体電解質層を得た。
【0186】
次に、正極側に、アルミニウム粉末を20mg積層した。これを360MPaの圧力で加圧成型することで、正極側に集電体を形成した。
【0187】
次に、固体電解質層の正極と接する側とは反対側に、金属Li(厚さ300μm)を積層した。これを40MPaの圧力で加圧成型することで、正極、固体電解質層、負極からなる積層体を作製した。
【0188】
次に、積層体の上下にステンレス鋼集電体を配置し、集電体に集電リードを付設した。
【0189】
最後に、絶縁性フェルールを用いて、絶縁性外筒内部を外気雰囲気から遮断・密閉することで、電池を作製した。
【0190】
以上により、上述の実施例8における全固体二次電池を作製した。
【0191】
充放電試験、および、インピーダンス試験は、充電終了電圧を4.2Vとし、放電終了電圧を2.5Vとした以外は、実施例1と同様に行った。
【0192】
初回放電容量は0.338mAhであり、初回充放電効率は85.4%であった。
【0193】
≪実施例9≫
実施例1と同様に第1固体電解質材料の作製、及び、混合材料からなる正極材料の作製を行った。
【0194】
実施例8と同様に硫化物固体電解質材料の作製を行った。
【0195】
二次電池の作製に、上述の実施例9の正極材料および上述の硫化物固体電解質Li2S-P2S5をそれぞれ用いて、絶縁性外筒の中で、Li2S-P2S5を80mg、上述の実施例9の正極材料を8.5mg(活物質重量7mg)の順に積層した。これを360MPaの圧力で加圧成型することで、上述の混合材料からなる正極層と、Li2S-P2S5からなる固体電解質層を得た。それ以外は、実施例1と同様に二次電池の作製を行った。
【0196】
充放電試験、および、インピーダンス試験は、実施例1と同様に行った。
【0197】
初回放電容量は0.575mAhであり、初回充放電効率は、90.3%であった。
【0198】
≪実施例10≫
実施例1と同様に第1固体電解質材料の作製を行った。
【0199】
混合材料から成る正極材料の作製、及び、二次電池の作製に、正極材料としてLi(NiCoAl)O2を用いた。
【0200】
それ以外は、実施例1と同様に正極材料の作製、二次電池の作製、充放電試験、および、インピーダンス試験を行った。
【0201】
初回放電容量は0.997mAhであり、初回充放電効率は、81.1%であった。
【0202】
実施例10における二次電池の充電過程における平均充電電位は3.22V、放電過程における平均放電電位は3.16V、平均充電電位と平均放電電位との平均値である平均充放電電位は3.19Vであった。実施例10における正極材料の対金属リチウムの平均充電電位、平均放電電位、平均充放電電位は、3.84VvsLi/Li+、3.78VvsLi/Li+、3.81VvsLi/Li+であった。
【0203】
≪実施例11≫
実施例1と同様に第1固体電解質材料の作製を行った。
【0204】
混合材料から成る正極材料の作製、及び、二次電池の作製に、正極材料としてLi(NiCoMn)O2を用いた。
【0205】
それ以外は、実施例1と同様に正極材料の作製、二次電池の作製、充放電試験、および、インピーダンス試験を行った。
【0206】
初回放電容量は0.931mAhであり、初回充放電効率は、86.3%であった。
【0207】
実施例11における二次電池の充電過程における平均充電電位は3.22V、放電過程における平均放電電位は3.13V、平均充電電位と平均放電電位との平均値である平均充放電電位は3.18Vであった。実施例11における正極材料の対金属リチウムの平均充電電位、平均放電電位、平均充放電電位は、3.84VvsLi/Li+、3.75VvsLi/Li+、3.80VvsLi/Li+であった。
【0208】
≪比較例1≫
実施例8と同様に硫化物固体電解質材料の作製を行った。
【0209】
正極材料の作製に、正極活物質であるLiCoO2を、硫化物固体電解質材料量:正極活物質量=50:50の体積比率となるように秤量し、これらをメノウ乳鉢で混合することで、混合材料からなる比較例1の正極材料を作製した。
【0210】
二次電池の作製に、上述の正極材料および硫化物固体電解質材料Li2S-P2S5をそれぞれ用いて、下記の工程を実施した。
【0211】
まず、絶縁性外筒の中で、Li2S-P2S5を80mg、正極材料を10mg(活物質重量7mg)の順に積層した。これを360MPaの圧力で加圧成型することで、上述の正極材料からなる正極層と、Li2S-P2S5からなる固体電解質層を得た。
【0212】
それ以外は、実施例1と同様に、二次電池の作製、および、充放電試験とインピーダンス試験を行った。
【0213】
初回放電容量は0.389mAhであり、初回充放電効率は、76.5%であった。
【0214】
比較例1における二次電池の充電過程における平均充電電位は3.44V、放電過程における平均放電電位は2.94V、平均充電電位と平均放電電位との平均値である平均充放電電位は3.19Vであった。実施例2における正極材料の対金属リチウムの平均充電電位、平均放電電位、平均充放電電位は、4.06VvsLi/Li+、3.56VvsLi/Li+、3.81VvsLi/Li+であった。
【0215】
≪比較例2≫
比較例1と同様に硫化物固体電解質材料の作製を行った。
【0216】
二次電池の作製に、正極活物質であるLiCoO2および硫化物固体電解質材料Li2S-P2S5をそれぞれ用いて、下記の工程を実施した。
【0217】
まず、絶縁性外筒の中で、Li2S-P2S5を80mg、正極活物質であるLiCoO2を7mgの順に積層した。これを360MPaの圧力で加圧成型することで、LiCoO2からなる正極層と、Li2S-P2S5からなる固体電解質層を得た。
【0218】
それ以外は、比較例1と同様に、二次電池の作製、および、充放電試験とインピーダンス試験を行った。
【0219】
初回放電容量は0.100mAhであり、初回充放電効率は、71.3%であった。
【0220】
≪比較例3≫
実施例3と同様に第1固体電解質材料の作製を行った。
【0221】
二次電池の作製に、正極活物質であるLiCoO2および第1固体電解質材料Li3YCl6をそれぞれ用いて、下記の工程を実施した。
【0222】
まず、絶縁性外筒の中で、Li3YCl6を120mg、正極活物質であるLiCoO
2を7mgの順に積層した。これを360MPaの圧力で加圧成型することで、LiCoO2からなる正極層と、Li3YCl6からなる固体電解質層を得た。
【0223】
それ以外は、実施例3と同様に、二次電池の作製、および、充放電試験とインピーダンス試験を行った。
【0224】
初回放電容量は0.214mAhであり、初回充放電効率は、71.5%であった。
【0225】
なお、実施例1から11は、正極活物質と第1固体電解質材料が直接接触する構成であった。
【0226】
なお、実施例1から11は、第1固体電解質材料が正極集電体と直接接触する構成であった。
【0227】
以上の実施例1から11および比較例1から3における電池構成と、評価結果を表1に示す。
【0228】
【0229】
≪考察≫
実施例1から11と比較例1から3とを比べると、正極層に正極活物質と第1固体電解質材料との混合材料を含む全固体二次電池において、充放電効率が向上し、80%以上の初期充放電効率を得られることがわかる。特に、正極活物質の平均充放電電位は、金属リチウムの酸化還元電位に対して、いずれも、3.7V vs Li/Li+であった。
【0230】
また、実施例1から11においては、正極界面抵抗に相当する抵抗成分の値が、本電池の構成において、250Ω以下と低い。
【0231】
一方で、比較例1から3においては、界面抵抗の値が400Ω以上と高かった。界面抵抗が300Ω以上であると、例えば1mAの電流を流した際に、過電圧が0.3V以上と大きくなり、充放電特性が大きく劣化する。
【0232】
特に、実施例1から11と比較例1とを比べると、同様の電池構成において、第1固体電解質材料を正極層に含む電池構成において、充放電効率が向上することがわかる。
【0233】
また、実施例1と比較例3とを比べると、同じ第1固体電解質材料を用いた電池において、正極層を第1固体電解質材料と正極活物質材料との混合材料とすることで、充放電効率が大きく向上することがわかる。
【0234】
一方で、比較例1と比較例2とを比べると、全固体電池に広く用いられる硫化物固体電解質においては、正極層を硫化物固体電解質材料と正極活物質材料との混合材料とした場合、活物質利用率の向上により放電容量は向上するものの、充放電効率は大きく変化しない。
【0235】
したがって、第1固体電解質材料を正極層に含むことで、高い充放電効率を得られることは、ハロゲン化物に特有の効果であることが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0236】
本開示の電池は、例えば、全固体リチウム二次電池などとして、利用されうる。
【符号の説明】
【0237】
1000 正極材料
100 第1固体電解質粒子
110 正極活物質粒子
2000 電池
201 正極
202 電解質層
203 負極
210 正極集電体