(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-16
(45)【発行日】2023-02-27
(54)【発明の名称】部品供給方法および部品装着装置
(51)【国際特許分類】
H05K 13/02 20060101AFI20230217BHJP
H05K 13/04 20060101ALI20230217BHJP
【FI】
H05K13/02 C
H05K13/04 C
(21)【出願番号】P 2018234817
(22)【出願日】2018-12-14
【審査請求日】2021-11-02
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】長澤 陽介
(72)【発明者】
【氏名】横山 大
(72)【発明者】
【氏名】今福 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 英明
(72)【発明者】
【氏名】長江 和男
(72)【発明者】
【氏名】松岡 聡
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 啓之
(72)【発明者】
【氏名】黄 金涛
(72)【発明者】
【氏名】譚 兆▲チー▼
【審査官】吉川 直也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/198437(WO,A1)
【文献】実開昭61-021747(JP,U)
【文献】国際公開第2017/056181(WO,A1)
【文献】特開平06-291495(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リード型部品をテープ本体にて保持したテーピング部品を、搬送経路に沿って送るテープ送り装置と、搬送経路の途中に設けられた折り曲げ位置にて、部品のリードを折り曲げるリード折り曲げ装置と、搬送経路において折り曲げ位置よりも送り方向下流側にあるカット位置にて、部品のリードを切断するリードカッタ装置と、を備え
る部品供給装置と、
部品供給装置におけるテープ送り装置の動作を制御する制御装置と、を備え、
リード折り曲げ装置は、リードを折り曲げる第1機構と、第1機構を駆動する第1エアシリンダとを備え、
リードカッタ装置は、リードを切断する第2機構と、第2機構を駆動する第2エアシリンダとを備え、
第1エアシリンダおよび第2エアシリンダを駆動するためのエアの供給および供給停止を制御する共通の
第1制御弁
と、
共通の第1制御弁と第1エアシリンダとを連通する第1エア供給経路と、
共通の第1制御弁と第2エアシリンダとを連通する第2エア供給経路と、
第1エア供給経路のみを選択的に開閉する第2制御弁と、をさらに備え、
制御装置は、共通の第1制御弁の動作を制御するとともに、部品情報に基づいて第2制御弁の開閉を制御する、部品装着装置。
【請求項2】
第1エアシリンダはピストンの行きまたは戻り状態を検出する第1センサを備え、
第2エアシリンダはピストンの行きまたは戻り状態を検出する第2センサを備え、
制御装置は、第1センサからの検出信号と第2センサからの検出信号とに基づいて、第1エア供給経路における
第2制御弁の開閉状態を判断し、開閉状態を表示する、請求項
1に記載の部品装着装置。
【請求項3】
リード型部品をテープ本体にて保持したテーピング部品を、搬送経路に沿って送るテープ送り工程と、
テープ送り工程によるテーピング部品の送り動作により、搬送経路の途中に設けられた折り曲げ位置に位置された部品に対して、部品のリードを折り曲げるリード折り曲げ工程と、
テープ送り工程によるテーピング部品の送り動作により、搬送経路において折り曲げ位置よりも送り方向下流側にあるカット位置に位置された部品に対して、部品のリードを切断するリードカット工程と、を含み、
リード折り曲げ工程は、リードを折り曲げる第1機構が第1エアシリンダにより駆動されることにより実施され、
リードカット工程は、リードを切断する第2機構が第2エアシリンダにより駆動されることにより実施され、
第1エアシリンダおよび第2エアシリンダを駆動するためのエアの供給および供給停止が共通の
第1制御弁により制御されて、リード折り曲げ工程とリードカット工程とが同じタイミングにて実施され
、
共通の第1制御弁と第1エアシリンダとが第1エア供給経路により連通され、共通の第1制御弁と第2エアシリンダとが第2エア供給経路により連通され、部品情報に基づいて第1エア供給経路のみを第2制御弁により選択的に開閉することにより、リード折り曲げ工程の実施/不実施が制御される、部品供給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、リード型部品をテープ本体にて保持したテーピング部品から部品を供給する部品供給装置および方法に関し、また部品供給装置が装填された部品装着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、リード型部品として、例えば、複数のラジアルリード型部品をテープ本体にて保持したテーピング部品から部品を供給する部品供給装置が装填された部品装着装置として、様々な構成のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなラジアルリード型部品は、ボディ部から一方向、例えば下方にリードが延びており、このリードがテープ本体にて保持された状態として、部品供給装置内にて取り扱われる。部品供給装置ではリードカッタ装置が設けられており、部品供給位置にまで送られた部品のリードがリードカッタ装置により切断されることにより、テープ本体から部品が分離される。これにより、部品装着装置の装着ヘッドに部品を供給することが可能な状態となり、装着ヘッドにより基板上の所定位置に部品のリードが挿入されて部品が装着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、多数の部品が装着された部品装着済み基板において薄型化が求められている。また、電子機器等において、部品装着済み基板とその周囲の部品との干渉を防止しながら、電子機器の小型化、薄型化を行うことが求められている。そのため、部品供給装置に供給されるテーピング部品に対して、リード型部品のリードを手作業等にて折り曲げる折り曲げ処理を行い、ボディ部が横向きとなった状態の部品を基板へ装着している。これにより、装着された部品の高さを抑えて、部品実装済み基板の薄型化を実現している。このような部品に対するリードの折り曲げ処理を効率的に行うことが求められている。
【0006】
本開示の目的は、リード型部品をテープ本体にて保持したテーピング部品に対して、リードの折り曲げ処理を効率的に行うことができる部品供給装置および方法、ならびに部品装着装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本開示の部品供給装置および方法、ならびに部品装着装置は以下のように構成する。
【0008】
本開示の一の態様によれば、リード型部品をテープ本体にて保持したテーピング部品を、搬送経路に沿って送るテープ送り装置と、搬送経路の途中に設けられた折り曲げ位置にて、部品のリードを折り曲げるリード折り曲げ装置と、搬送経路において折り曲げ位置よりも送り方向下流側にあるカット位置にて、部品のリードを切断するリードカッタ装置と、を備え、リード折り曲げ装置は、リードを折り曲げる第1機構と、第1機構を駆動する第1エアシリンダとを備え、リードカッタ装置は、リードを切断する第2機構と、第2機構を駆動する第2エアシリンダとを備え、第1エアシリンダおよび第2エアシリンダを駆動するためのエアの供給および供給停止を制御する共通の制御弁が備えられている、部品供給装置を提供する。
【0009】
本開示の別の一の態様によれば、リード型部品をテープ本体にて保持したテーピング部品を、搬送経路に沿って送るテープ送り装置と、搬送経路の途中に設けられた折り曲げ位置にて、部品のリードを折り曲げるリード折り曲げ装置と、搬送経路において折り曲げ位置よりも送り方向下流側にあるカット位置にて、部品のリードを切断するリードカッタ装置と、を備え、リード折り曲げ装置は、リードを折り曲げる第1機構と、第1機構を駆動する第1エアシリンダとを備え、リードカッタ装置は、リードを切断する第2機構と、第2機構を駆動する第2エアシリンダとを備え、第1エアシリンダおよび第2エアシリンダを駆動するためのエアの供給および供給停止を制御する共通の制御弁が備えられている、部品供給装置と、基板を保持する基板保持装置と、部品供給装置より供給される部品を保持して基板上の部品装着位置に装着する装着ヘッドと、部品供給装置における共通の制御弁の動作およびテープ送り装置の動作を制御する制御装置と、を備える、部品装着装置を提供する。
【0010】
本開示のさらに別の一の態様によれば、リード型部品をテープ本体にて保持したテーピング部品を、搬送経路に沿って送るテープ送り工程と、テープ送り工程によるテーピング部品の送り動作により、搬送経路の途中に設けられた折り曲げ位置に位置された部品に対して、部品のリードを折り曲げるリード折り曲げ工程と、テープ送り工程によるテーピング部品の送り動作により、搬送経路において折り曲げ位置よりも送り方向下流側にあるカット位置に位置された部品に対して、部品のリードを切断するリードカット工程と、を含み、リード折り曲げ工程は、リードを折り曲げる第1機構が第1エアシリンダにより駆動されることにより実施され、リードカット工程は、リードを切断する第2機構が第2エアシリンダにより駆動されることにより実施され、第1エアシリンダおよび第2エアシリンダを駆動するためのエアの供給および供給停止が共通の制御弁により制御されて、リード折り曲げ工程とリードカット工程とが同じタイミングにて実施される、部品供給方法を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、リード型部品をテープ本体にて保持したテーピング部品に対して、リードの折り曲げ処理を効率的に行うことができる部品供給装置および方法、ならびに部品装着装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の実施の形態1にかかる部品供給装置が装填された部品装着装置の主要な構成を示す平面図
【
図2】実施の形態1の部品装着装置の主要な構成を示す側面図
【
図3】実施の形態1の部品供給装置にて取り扱われるテーピング部品の外観斜視図
【
図5】実施の形態1の部品供給装置におけるリードカッタ機構の拡大斜視図
【
図6】実施の形態1の部品供給装置におけるリード折り曲げ機構の拡大斜視図
【
図7】実施の形態1の部品供給装置におけるエア配管系統および制御系統図
【
図8】実施の形態1の部品供給装置における制御動作のフローチャート
【
図9】本開示の実施の形態2にかかる部品供給装置におけるエア配管系統および制御系統図
【
図10】実施の形態2の部品供給装置における制御動作のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示の第1態様の部品供給装置は、リード型部品をテープ本体にて保持したテーピング部品を、搬送経路に沿って送るテープ送り装置と、搬送経路の途中に設けられた折り曲げ位置にて、部品のリードを折り曲げるリード折り曲げ装置と、搬送経路において折り曲げ位置よりも送り方向下流側にあるカット位置にて、部品のリードを切断するリードカッタ装置と、を備え、リード折り曲げ装置は、リードを折り曲げる第1機構と、第1機構を駆動する第1エアシリンダとを備え、リードカッタ装置は、リードを切断する第2機構と、第2機構を駆動する第2エアシリンダとを備え、第1エアシリンダおよび第2エアシリンダを駆動するためのエアの供給および供給停止を制御する共通の制御弁が備えられている、ものである。
【0014】
本開示の第2態様の部品供給装置は、第1態様の部品供給装置において、共通の制御弁と第1エアシリンダとを連通する第1エア供給経路と、共通の制御弁と第2エアシリンダとを連通する第2エア供給経路と、第1エア供給経路のみを選択的に開閉する開閉弁と、をさらに備える、ようにしてもよい。
【0015】
本開示の第3態様の部品装着装置は、第1態様または第2態様の部品供給装置と、基板を保持する基板保持装置と、部品供給装置より供給される部品を保持して基板上の部品装着位置に装着する装着ヘッドと、部品供給装置における共通の制御弁の動作およびテープ送り装置の動作を制御する制御装置と、を備える、ようにしてもよい。
【0016】
本開示の第4態様の部品装着装置は、第3態様の部品装着装置において、第1エアシリンダはピストンの行きまたは戻り状態を検出する第1センサを備え、第2エアシリンダはピストンの行きまたは戻り状態を検出する第2センサを備え、制御装置は、第1センサからの検出信号と第2センサからの検出信号とに基づいて、第1エア供給経路における開閉弁の開閉状態を判断し、開閉状態を表示する、ようにしてもよい。
【0017】
本開示の第5態様の部品装着装置は、第3態様または第4態様の部品装着装置において、第1エア供給経路における開閉弁は制御弁であり、制御装置は、部品情報に基づいて制御弁の開閉を制御する、ようにしてもよい。
【0018】
本開示の第6態様の部品供給方法は、リード型部品をテープ本体にて保持したテーピング部品を、搬送経路に沿って送るテープ送り工程と、テープ送り工程によるテーピング部品の送り動作により、搬送経路の途中に設けられた折り曲げ位置に位置された部品に対して、部品のリードを折り曲げるリード折り曲げ工程と、テープ送り工程によるテーピング部品の送り動作により、搬送経路において折り曲げ位置よりも送り方向下流側にあるカット位置に位置された部品に対して、部品のリードを切断するリードカット工程と、を含み、リード折り曲げ工程は、リードを折り曲げる第1機構が第1エアシリンダにより駆動されることにより実施され、リードカット工程は、リードを切断する第2機構が第2エアシリンダにより駆動されることにより実施され、第1エアシリンダおよび第2エアシリンダを駆動するためのエアの供給および供給停止が共通の制御弁により制御されて、リード折り曲げ工程とリードカット工程とが同じタイミングにて実施される、ものである。
【0019】
本開示の第7態様の部品供給方法は、第6態様の部品供給方法において、共通の制御弁と第1エアシリンダとが第1エア供給経路により連通され、共通の制御弁と第2エアシリンダとが第2エア供給経路により連通され、第1エア供給経路のみを開閉弁により選択的に開閉することにより、リード折り曲げ工程の実施/不実施が制御される、ようにしてもよい。
【0020】
以下に、本開示にかかる実施の形態について、添付の図面を参照しながら説明する。本開示は、以下の実施の形態の具体的な構成に限定されるものではなく、同様の技術的思想に基づく構成が本開示に含まれる。
【0021】
(実施の形態1)
(部品装着装置)
本開示の実施の形態1にかかる部品供給装置が装填された部品装着装置1の主要な構成を平面図として
図1に示す。また、部品装着装置1の主要な構成を側面図として
図2に示す。
【0022】
図1において、基台1aの中央には、基板搬送装置2が設置されている。基板搬送装置2は、上流側から搬入された基板3をX方向へ搬送し、装着ヘッド10による装着作業位置に位置決めして保持する。また、基板搬送装置2は、部品装着作業が完了した基板3をX方向下流側に搬出する。基板搬送装置2は、基板3を搬送する搬送装置としての機能と、基板3を位置決めして保持する基板保持装置としての機能を有する。基板搬送装置2の両側方(Y方向)には、それぞれ部品供給部4が設置されている。
【0023】
ここで、X方向およびY方向は、水平面内で互いに直交する2軸方向である。X方向(
図1における左右方向)は、基板搬送方向を示し、Y方向は、部品供給部4の外側から基板搬送装置2に向かう方向(部品送り方向)を示す。Z方向は、X方向およびY方向に直交する方向であり、部品装着装置1が水平面上に設置された場合の上下方向である。
【0024】
部品供給部4には、複数の部品供給装置5がX方向に並列に装備されている。部品供給装置5は、リード型部品として、例えば複数のラジアルリード型部品のリードをテープ本体にて保持したテーピング部品を、部品供給部4の外側から基板搬送装置2に向かう方向(Y方向)にピッチ送りして、供給位置5aに部品を供給する装置である。ここで、供給位置5aとは、テーピング部品の搬送(送り)経路において、部品供給装置5から装着ヘッド10へ部品が供給される位置のことである。
【0025】
図1に示すように、基台1a上面のX方向の一端には、リニア駆動機構を備えたY軸ビーム8がY方向に沿って設置されている。Y軸ビーム8には、同様にリニア駆動機構を備えた2つのX軸ビーム9がそれぞれY方向に移動自在に結合されている。それぞれのX軸ビーム9には、装着ヘッド10がX方向に移動自在に装備されている。装着ヘッド10は、複数の部品保持ユニット11(ここでは3つ)を備えている。Y軸ビーム8およびX軸ビーム9は、装着ヘッド10を水平方向(X方向、Y方向)に移動させるヘッド移動機構12を構成する。
【0026】
図2に示すように、部品供給装置5は、部品供給装置5が備えるフィーダ側接続部5bと基台1aが備える装置側接続部1bを接続した状態で基台1aに装備される。フィーダ側接続部5bと装置側接続部1bを接続することにより、部品供給装置5が部品装着装置1と電気的に接続され、部品装着装置1のエア(圧縮空気)供給源よりエアが部品供給装置5に供給される。各部品保持ユニット11の下端には、部品供給装置5によって供給される部品を挟んで保持する部品保持部11aが設けられている。
【0027】
(部品装着動作)
部品装着動作では、装着ヘッド10は、ヘッド移動機構12により部品供給装置5の上方に移動し、部品供給装置5の供給位置5aに供給された部品31を部品保持部11aにより保持してピックアップする(矢印a)。部品31を保持した装着ヘッド10は、ヘッド移動機構12により基板搬送装置2の装着作業位置に保持された基板3の上方に移動し、基板3に形成された貫通孔3aに部品31のリードを挿入して部品31を装着する(矢印b)。
【0028】
図1に示すように、部品供給部4と基板搬送装置2との間には、部品認識カメラ13が設置されている。部品供給装置5から部品31を取り出した装着ヘッド10が部品認識カメラ13の上方を移動する際に、部品認識カメラ13は装着ヘッド10に保持された部品31を撮像して認識する。装着ヘッド10が取り付けられた結合プレート10aには、X軸ビーム9の下面側に位置して、装着ヘッド10と一体的に移動する基板認識カメラ14が設けられている。
【0029】
装着ヘッド10が移動することにより、基板認識カメラ14は基板搬送装置2に位置決めされた基板3の上方に移動して、基板3に設けられた基板マーク(図示せず)を撮像して基板3の位置を認識する。また、基板認識カメラ14は、基板3に形成された貫通孔3aを撮像して貫通孔3aの位置を認識する。装着ヘッド10による部品31の基板3への部品装着動作では、部品認識カメラ13による部品の認識結果と、基板認識カメラ14による基板3と貫通孔3aの認識結果とを加味して装着位置の補正が行われる。
【0030】
(テーピング部品)
部品供給装置5にて取り扱われるテーピング部品30の外観斜視図を
図3に示す。
【0031】
図3に示すように、テーピング部品30は、リード型部品として、例えば複数のラジアルリード型部品31をテープ本体34にて保持した部品連結体である。ラジアルリード型部品31(以降、単に「部品31」と称する場合もある)は、電子部品としての機能部分であるボディ部32と、ボディ部32から一方向、例えば下方に延びる接続端子部分である2本のリード33とを備える。複数の部品31は、リード33を下向きとした同じ姿勢、かつ均等な間隔に配列された状態にて、リード33の下端側がテープ本体34にて保持されている。テープ本体34は部品31の配列方向に沿って延びており、一定の間隔にて送り孔34aが設けられている。この送り孔34aは、部品供給装置5が備えるテープ送り装置の送り爪に係合されて、テーピング部品30の送り動作に用いられる。なお、リード型部品としてはボディ部から延びるリードを有する部品であればよく、本実施の形態1では、リード型部品がラジアルリード型部品である場合を例として説明している。また、テーピング部品には複数のリード型部品が保持されている場合を例として説明しているが、テーピング部品には少なくとも1つのリード型部品が保持されていればよい。
【0032】
(部品供給装置)
部品供給装置5の全体斜視図を
図4に示す。
図4では、部品供給装置5の内部構成が理解しやすいように、外装カバーなどの外装部材を取り外した状態で内部構造を示している。また、エア配管や電気配線などの詳細構造についてはその図示を省略している。
【0033】
図4に示すように、部品供給装置5は、Y方向前方側(+Y方向側)を部品装着装置1の装着作業位置側として、部品装着装置1の部品供給部4に脱着可能に装備される。部品供給装置1は、フィーダ本体部51とテーピング部品収容部52とを備える。
【0034】
テーピング部品収容部52は、つづら折りで箱に入った状態またはリール状態(巻き回状態)にあるテーピング部品30が収容される部分である。テーピング部品収容部52はフィーダ本体部51のY方向後方側(-Y方向側)に接続されており、収容されたつづら折りで箱に入った状態またはリール状態のテーピング部品30からフィーダ本体部51へテーピング部品30が供給可能とされている。なお、
図4においては、つづら折りで箱に入った状態またはリール状態にあるテーピング部品30の図示を省略している。
【0035】
フィーダ本体部51は、テーピング部品30をY方向前方側に向けて送り、テーピング部品30から部品31を分離させて、装着ヘッド10へ部品31を供給する機能を実現するための構成を有する。具体的には、フィーダ本体部51は、テープ送り装置60と、リードカッタ装置70と、リード折り曲げ装置80とを備える。また、フィーダ本体部51の下部には、フィーダ側接続部5bが設けられており、部品装着装置1の基台1a上に設けられた装置側接続部1bにフィーダ接続部5bが解除可能に接続される。これにより、部品供給装置5が部品装着装置1と動力的に接続(電気的接続およびエア供給源との接続)される。
【0036】
図4に示すように、フィーダ本体部51の上部には、テーピング部品30の搬送経路53がY方向に沿うように設けられており、搬送経路53のY方向前方側(送り方向下流側)端に部品31の供給位置5aが位置している。
【0037】
テープ送り装置60は、テープ送り機構61と、テープ送り機構61を駆動させるテープ送りシリンダ62とを備える。テープ送り機構61としては、公知の様々な機構を採用してもよい。本実施の形態1では、テープ送り機構61は、例えば、テーピング部品30のテープ本体34に設けられた複数の送り孔34aに係合する送り爪(図示せず)と、この送り爪を進退駆動させる駆動機構(図示せず)とを備える。なお、このような駆動機構は複数の部品にて構成されてもよく、例えばカム・カムフォロアの機構を採用してもよい。
【0038】
テープ送りシリンダ62はエアシリンダにて構成されており、テープ送り機構61の駆動機構と連結されている。エアシリンダが駆動されることにより、テープ送りシリンダ62が駆動機構を駆動して、送り爪が進退駆動されることにより、搬送経路53に沿ってテーピング部品30の送り動作が行われる。なお、搬送経路53に対して送り爪が進行方向に移動する際に送り爪と送り孔34aとが係合された状態にあり、送り爪が後退方向に移動する際に両者の係合が解除された状態となる。
【0039】
リードカッタ装置70は、リードカッタ機構71と、リードカッタシリンダ72とを備える。リードカッタ機構71としては、公知の様々な機構を採用してもよい。本実施の形態1のリードカッタ機構71の主要部の拡大図を
図5に示す。なお、本実施の形態1では、リードカッタシリンダ72が第2エアシリンダに相当し、リードカッタ機構71が第2機構に相当する。
【0040】
図5に示すように、リードカッタ機構71は、部品31の供給位置5aにおいて、搬送経路53を挟むように互いに対向して配置された固定側切断部材73と可動側切断部材74とを備える。さらにリードカッタ機構71は、可動側切断部材74と係合して、Y方向の進退移動をX方向の進退移動に変換して可動側切断部材74を固定側切断部材73に近接/離間するように駆動する駆動機構75を備える。なお、このような駆動機構75は複数の部品にて構成されてもよく、例えばカム・カムフォロアの機構を採用してもよい。本実施の形態1では、部品31の供給位置5aが部品31のリード33を切断するカット位置となっている。
【0041】
リードカッタシリンダ72はエアシリンダにて構成されており、リードカッタ機構71の駆動機構75と連結されている。エアシリンダが駆動されることにより、リードカッタシリンダ72が駆動機構75を駆動して、可動側切断部材74が固定側切断部材73に近づくように移動する。これにより、可動側切断部材74と固定側切断部材73との間に位置している部品31のリード33が、可動側切断部材74と固定側切断部材73とにより挟まれて切断され、テープ本体34から離間される。これにより供給位置(カット位置)5aにおいて、部品31が部品保持ユニット11へ供給可能な状態となる。
【0042】
リード折り曲げ装置80は、リード折り曲げ機構81と、リード折り曲げシリンダ82とを備える。本実施の形態1のリード折り曲げ機構81の主要部の拡大図を
図6に示す。なお、本実施の形態1では、リード折り曲げシリンダ82が第1エアシリンダに相当し、リード折り曲げ機構81が第1機構に相当する。
【0043】
図6に示すように、リード折り曲げ機構81は、搬送経路53の途中に設けられた折り曲げ位置において、搬送経路53に隣接して配置された折り曲げ部材83と、この折り曲げ部材83を搬送方向53に交差する方向に進退移動させる駆動機構84とを備える。折り曲げ部材83は、X方向前方側に移動することにより、その端部において部品31のリード33をX方向前方側に押しながら折り曲げて、ボディ部32をX方向前方側に押し倒す部材である。
図6に示すように、リード33が折り曲げられた状態では、折り曲げられる前と比して、ボディ部32の姿勢が例えば90度押し倒された状態となっている。なお、リード33のスプリングバックがあるため、押し倒される角度は一般的に例えば95度のように大きめになる。押し倒される角度を90度にするためには、例えば85度をねらい折り曲げることもできる。具体的には折り曲げ部材83がXY平面に対して、例えば5度傾いた方向に動作させる手段もある。なお、搬送経路53において、折り曲げ位置は供給位置(カット位置)よりも送り方向下流側に位置している。
【0044】
駆動機構84は、折り曲げ部材83を搬送方向53に交差する方向であるX方向に進退移動させる機構であり、複数の部品にて構成されてもよく、例えばカム・カムフォロアの機構を採用してもよい。本実施の形態1では、駆動機構84は、折り曲げ部材83の上部に固定された突起部であるカムフォロア84aと、このカムフォロア84aが挿入されるカム溝84bを有するカム84cとを備える。カム84cにおいてカム溝84bはY方向に対して傾斜する方向かつX方向に変位する方向に形成されている。カム84cがY方向に進退移動されることにより、カム溝84bと係合しているカムフォロア84aがX方向に進退移動される。これにより、折り曲げ部材83がX方向に進退移動されることになる。カム84cは、カム84cの進退移動方向をY方向に規制するリニアガイド85に取り付けられている。また、折り曲げ部材83は、折り曲げ部材83の進退移動方向をX方向に規制するリニアガイド86に取り付けられている。
【0045】
リード折り曲げシリンダ82はエアシリンダにて構成されており、リード折り曲げ機構81の駆動機構84におけるカム84cと連結されている。エアシリンダが駆動されることにより、リード折り曲げシリンダ82がカム84cをY方向に進退移動させて、折り曲げ部材83をX方向に進退移動させる。これにより、折り曲げ位置に位置している部品31に対してリード33の折り曲げ動作を行うことができる。なお、リード折り曲げ機構81としては、カム・カムフォロアの機構に限定されるものではなく、その他様々な機構を採用してもよい。
【0046】
(エア配管系統、制御系統)
次に、部品供給装置5における主要なエア配管の系統および制御系統について
図7に示す。
【0047】
部品供給装置5に供給されたエアは、複数のエア配管の系統に分岐されて、テープ送りシリンダ62、リードカッタシリンダ72、およびリード折り曲げシリンダ82に供給される。
図7に示すように、部品供給装置5は、制御弁88と、制御弁88からリード折り曲げシリンダ82までを連通する第1エア供給経路89と、制御弁88からリードカットシリンダ72までを連通する第2エア供給経路79とを備える。また、部品供給装置5は、制御弁68と、制御弁68からテープ送りシリンダ62までを連通する第3エア供給経路69とを備える。部品装着装置1のエア供給源から供給されたエアは、それぞれの制御弁68、88に供給される。また、第1から第3エア供給経路89、79、69は、それぞれ「行き」のエア経路と「戻り」のエア経路とが設けられている。例えば、行きのエア経路にエアを供給することでシリンダにおいてピストンを進退移動における行き状態とすることができ、戻りのエア経路にエアを供給することでシリンダにおいてピストンを戻り状態とすることができる。これらのエア経路は、例えばエア配管により構成されてもよい。
【0048】
テープ送りシリンダ62に対しては1つの制御弁68が設けられている一方、リード折り曲げシリンダ82およびリードカッタシリンダ72に対しては共通の1つの制御弁88が設けられている。より具体的には、共通の1つの制御弁88からのエア供給経路が分岐されて、第1エア供給経路89および第2エア供給経路79が構成されている。
【0049】
第1エア供給経路89には開閉弁87が設けられており、開閉弁87を開放することにより第1エア供給経路89を連通状態とし、開閉弁87を閉止することにより第1エア供給経路89を遮断状態とすることができる。本実施の形態1では、開閉弁87としては、例えばオペレータが手動操作にて開閉を行う手動弁が採用されている。また、第1エア供給経路89において、開閉弁87は、例えば、行きのエア経路に設けられている。
【0050】
制御弁68、88は、制御信号に応じて開閉動作が行われる自動弁である。制御弁68、88としては、例えば、電磁弁を採用してもよい。制御弁88を開放状態とすることにより、第1および第2エア供給経路89、79にエアが供給され、制御弁88を閉止状態とすることにより、第1および第2エア供給経路89、79へのエア供給を停止することができる。
【0051】
図7に示すように、部品装着装置1には、部品装着装置1が備えるそれぞれの装置の動作制御を行って部品装着動作を制御する部品装着制御装置9が備えられている。部品装着制御装置9は、記憶部等に記憶された部品実装プログラム、動作シーケンス、実装される部品情報、基板情報などに基づいてそれぞれの装置の動作を制御する機能を有する。また、部品供給装置5には、テープ送り装置60、リードカッタ装置70、およびリード折り曲げ装置80の動作を制御するフィーダ制御装置90が備えられている。部品装着制御装置9とフィーダ制御装置90とは電気的に接続されており、部品装着制御装置9からの制御信号等がフィーダ制御装置90に入力され、入力された制御信号に基づいてフィーダ制御装置90による制御が行われる。また、部品供給装置5のそれぞれの装置からの動作情報がフィーダ制御装置90に入力され、フィーダ制御装置90から部品装着制御装置9へ動作情報が出力される。
【0052】
制御弁68、88は、フィーダ制御装置90からの制御信号に基づいて開閉動作の制御が行われる。フィーダ制御装置90は部品装着制御装置9から入力される制御信号に基づいて、制御弁68、88に対して制御信号の出力を行う。
【0053】
リード折り曲げシリンダ82には、ピストンの行きまたは戻り状態を検出する第1センサ91が設けられている。リードカッタシリンダ72には、ピストンの行きまたは戻り状態を検出する第2センサ92が設けられている。テープ送りシリンダ62には、ピストンの行きまたは戻り状態を検出する第3センサ93が設けられている。本実施の形態1では、第1から第3センサ91、92、93は、ピストンの戻り状態を検出する機能を有している。第1から第3センサ91、92、93による検出信号は、フィーダ制御装置90に入力される。このようなセンサとしては、例えば、電磁気を用いてピストン位置を検出する電磁センサを用いてもよい。
【0054】
(部品供給方法)
このような構成を有する本実施の形態1の部品装着装置1において、部品供給装置5から部品31を供給する部品供給方法について、
図8に示すフローチャートを用いて説明する。
【0055】
まず、部品装着装置1において、基板搬送装置2の装着作業位置に基板3が搬入されると、基板3に対する部品31の装着動作に関連付けられたシーケンスまたは部品情報に基づいて、部品装着制御装置9からフィーダ制御装置90に対して部品供給信号が出力される。この部品供給信号は、複数の部品供給装置5の中で装着されるべき仕様の部品31を収容している部品供給装置5のフィーダ制御装置90に対して出力される。
【0056】
また、部品供給装置5では、基板3に装着されるべき部品31についてリード折り曲げ動作を行うかどうかが、オペレータにより予め判断され、リード折り曲げ動作を行うと判断した場合には、部品供給装置5における開閉弁87を予め開放状態に操作しておく。これにより、制御弁88とリード折り曲げシリンダ82とが第1エア供給経路89を通して連通状態となる。
【0057】
図8に示すように、フィーダ制御装置90では、部品供給動作を実施するかどうかが判断される(ステップS1)。部品装着制御装置9からの部品供給信号が入力されない場合には、部品供給動作を行わないものとして、処理を終了させるか、あるいは待機状態となる。一方、部品供給信号が入力された場合には、部品供給動作を行うものとして、テープ送り装置60によりテーピング部品30の送り動作を行う(ステップS2:テープ送り工程)。具体的には、フィーダ制御装置90からの制御信号により制御弁68が開放状態とされ、エア供給源からのエアが第3エア供給経路69を通してテープ送りシリンダ62に供給される。これによりテープ送り機構61が駆動されて、テーピング部品30が搬送経路53に沿って送られる。テーピング部品30の送り動作により、搬送経路53における供給位置5aに1個の部品31が位置されて、折り曲げ位置に別の1個の部品31が位置された状態となる。その後、制御弁68が閉止状態とされて、エア供給が停止され、テープ送り機構61の駆動が停止される。
【0058】
次に、リードカッタ装置70による部品31のリードカット動作(ステップS3:リードカット工程)と、リード折り曲げ装置80による部品31のリード折り曲げ動作(ステップS4:リード折り曲げ工程)とが、同じタイミングで実行される。
【0059】
フィーダ制御装置90からの制御信号により制御弁88が開放状態とされ、エア供給源からのエアが第2エア供給経路79を通してリードカッタシリンダ72に供給される。これにより、リードカッタ装置70が駆動されて、供給位置5aに位置されている部品31のリード33が切断される。
【0060】
それとともに、制御弁88が開放状態とされることにより、エア供給源からのエアが第1エア供給経路89を通してリード折り曲げシリンダ82に供給される。なお、開閉弁87は、オペレータにより予め開放状態とされている。これにより、リード折り曲げ装置80が駆動されて、折り曲げ位置に位置されている部品31に対してリード折り曲げ動作が行われる。
【0061】
その後、供給位置5aに位置しているリード33が切断された部品31が装着ヘッド10により保持されて、装着ヘッド10への部品供給が行われる(ステップS5)。
【0062】
その後、フィーダ制御装置90において、次の部品供給を行うかどうかが判断され(ステップS1)、部品供給を行う場合には、ステップS2からS5の動作が順次実行される。一方、部品供給を行わない場合には、処理を終了させるか、あるいは待機状態となる。
【0063】
部品供給装置5において、基板3に装着されるべき部品31に対するリード折り曲げ動作を行わない(すなわち、リード折り曲げ工程の不実施)とオペレータが予め判断するような場合には、開閉弁87を閉止状態に操作しておく。これにより、リード折り曲げシリンダ82を駆動するためのエアの供給が停止状態となり、ステップS4におけるリード折り曲げ動作が行われない状態とすることができる。
【0064】
また、部品供給装置5において、リード折り曲げシリンダ82におけるピストンの戻り状態を検出する第1センサ91と、リードカッタシリンダ72におけるピストンの戻り状態を検出する第2センサ92とが設けられている。リード折り曲げシリンダ82とリードカッタシリンダ72とは、共通の制御弁88を通じてエア供給が行われるため、ピストンの動作状態も同じ状態となる。一方、開閉弁87を閉止状態としてリード折り曲げシリンダ82へのエア供給を停止した場合には、リード折り曲げシリンダ82とリードカッタシリンダ72とのピストンの動作状態が異なることになる。例えば、開閉弁87の閉止状態では、リード折り曲げシリンダ82のピストンが戻り状態に保たれる。一方、リードカッタシリンダ72は、制御弁88の開閉により、ピストンの戻り状態と行き状態とか繰り返されることになる。したがって、第1センサ91と第2センサ92の検出信号に相違が生じている場合には、開閉弁87が閉止状態にあり、リード折り曲げ動作が行われない状態にあるものとフィーダ制御装置90にて判断することができる。また、この検出信号を部品装着制御装置9へと出力することにより、部品装着制御装置9にてリード折り曲げ動作が行われない状態にあるかどうかを判断することもできる。このような判断結果について表示装置等を用いて表示することにより、開閉弁87の開閉状態またはリード折り曲げ動作が行われる状態にあるのかどうかをオペレータに視認可能としてもよい。
【0065】
本実施の形態1の部品供給装置5によれば、リード折り曲げシリンダ82とリードカッタシリンダ72とを駆動するためのエアの供給および供給停止を制御する制御弁として共通の1個の制御弁88が設けられた構成が採用されている。そのため、リードカット動作に加えてリード折り曲げ動作を行うことを可能としながら、2つの動作制御を共通の制御にて行うことができ、制御構成を簡単なものとすることができる。
【0066】
また、リード折り曲げシリンダ82とリードカッタシリンダ72とへのエアの供給および供給停止を行う制御弁として共通の1個の制御弁88を設けている。したがって、制御弁の個数を増加させることなく、リード折り曲げ動作を実現することができる。
【0067】
また、第1エア供給経路89に開閉弁87を設けていることにより、リード折り曲げ動作が必要無い場合には、開閉弁87を閉止状態とすることができる。したがって、リード折り曲げ動作を実施する、実施しないについて、オペレータが選択することが可能となる。よって、同じ部品供給装置5により、リード折り曲げ動作を行う場合と、行わない場合の両方に対応することが可能となる。
【0068】
また、リード折り曲げシリンダ82およびリードカッタシリンダ72とのピストンの動作状態を第1センサ91および第2センサ92により検出することにより、開閉弁87の開閉状態についてオペレータが認識することができる。
【0069】
したがって、複数のラジアルリード型部品31をテープ本体34にて保持したテーピング部品30に対して、リード33の折り曲げ処理を効率的に行うことができる部品供給装置5および部品装着装置1を提供することができる。
【0070】
(実施の形態2)
次に、本開示の実施の形態2にかかる部品供給装置105のエア配管系統および制御系統を
図9に示す。実施の形態2の部品供給装置105において、実施の形態1の部品供給装置5と同じ構成については、同じ参照符号を付してその説明を省略する。以下、実施の形態1との相違点について説明する。
【0071】
図9に示すように、制御弁88からリード折り曲げシリンダ82へと連通する第1エア供給経路89には、手動で開閉する開閉弁ではなく、制御信号に基づいて開閉動作が行われる制御弁187が設けられている。この制御弁187としては、自動弁であればよく、例えば電磁弁を採用してもよい。
【0072】
制御弁187への制御信号としては、基板3に実装される部品31の部品情報に応じたリード折り曲げ動作の有無に基づく信号としてもよい。例えば、部品装着制御装置9にて、基板3に実装される部品31の部品情報に基づいてリード折り曲げ動作が必要と判断される場合には、フィーダ制御装置90へリード折り曲げ動作を実施する旨の制御信号を送信し、フィーダ制御装置90が制御弁187を開放状態に制御してもよい。リード折り曲げ動作の要否については、部品31の1個ずつに対して制御するようにしてもよい。また、部品装着制御装置9において、予め部品情報に基づいて設定されたシーケンスにしたがってリード折り曲げ動作の要否を制御信号として出力するようにしてもよい。
【0073】
ここで、リード折り曲げ動作の要否の制御を個々の部品ごとに行う処理のフローチャートを
図10に示す。
【0074】
図10に示すように、ステップS2にてテーピング部品30の送り動作が行われた後、部品装着制御装置9にて、リード折り曲げ動作を実施するかどうかが、部品情報に基づいて判断される(ステップS6)。リード折り曲げ動作を行わない場合には、開閉弁187を閉止状態とさせる制御信号がフィーダ制御装置90を通じて出力され、ステップS4のリード折り曲げ動作がスキップされる。一方、リード折り曲げ動作を行う場合には、開閉弁187を開放状態とさせる制御信号がフィーダ制御装置90を通じて出力され、ステップS4のリード折り曲げ動作が実行される。ステップS6における判断に代えて、予め部品情報に基づいて作成されたシーケンスにしたがって制御信号が出力されるようにしてもよい。なお、ステップS4のリード折り曲げ動作は、ステップS3のリードカット動作と同じタイミングにて実行される点については、実施の形態1と同様である。
【0075】
本実施の形態2の部品供給装置5によれば、基板3に実装される部品情報に基づいて、制御弁187の開閉動作を制御することができるため、個々の部品31に応じて、リード折り曲げ動作を実行するかどうかを選択することができる。したがって、求められる仕様に応じて、効率的にリード折り曲げ動作を実行することが可能となる。
【0076】
上述の実施の形態の説明では、部品供給装置5がフィーダ制御装置90を備える場合について説明したが、部品供給装置5がフィーダ制御装置90を備えない場合であってもよい。この場合、フィーダ制御装置90の機能を部品装着制御装置9が有してもよい。すなわち、上述した部品供給装置における制御は、フィーダ制御装置90または部品装着制御装置9のいずれかで行われてもよく、また、両者が協働して行うような場合であってもよい。
【0077】
部品供給装置5において、リーダ折り曲げシリンダ82へのエアの供給を停止する開閉弁87が設けられている場合を例として説明したが、開閉弁87が設けられていない場合であってもよい。ただし、開閉弁87を設けることにより、リード折り曲げ動作を選択的に実施することが可能となる。
【0078】
それぞれのシリンダ62、72、82におけるピストンの行きまたは戻り状態を検出するセンサ91、92、93が設けられている場合を例として説明したが、このようなセンサを設けないようにしてもよい。例えば、開閉弁87の開閉状態を直接検出するようなセンサを設けてもよく、また開閉弁87の開閉状態を目視で確認できるようにしてもよい。
【0079】
なお、上記様々な実施の形態のうちの任意の実施の形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
【符号の説明】
【0080】
1 部品装着装置
2 基板搬送装置
3 基板
4 部品供給部
5 部品供給装置
5a (部品)供給位置
9 部品装着制御装置
10 装着ヘッド
11 部品保持ユニット
12 ヘッド移動機構
30 テーピング部品
31 部品(ラジアルリード型部品)
32 ボディ部
33 リード
34 テープ本体
60 テープ送り装置
61 テープ送り機構
62 テープ送りシリンダ
70 リードカッタ装置
71 リードカッタ機構
72 リードカッタシリンダ
80 リード折り曲げ装置
81 リード折り曲げ機構
82 リード折り曲げシリンダ
68 制御弁
69 第3エア供給経路
79 第2エア供給経路
87 開閉弁
88 制御弁
89 第1エア供給経路
90 フィーダ制御装置
91 第1センサ
92 第2センサ
93 第3センサ
187 制御弁