(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-16
(45)【発行日】2023-02-27
(54)【発明の名称】アスファルトプラントおよびアスファルト合材の生産方法
(51)【国際特許分類】
E01C 19/10 20060101AFI20230217BHJP
【FI】
E01C19/10 A
(21)【出願番号】P 2019056783
(22)【出願日】2019-03-25
【審査請求日】2022-03-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000232508
【氏名又は名称】日本道路株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000217309
【氏名又は名称】田中鉄工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】浅井 友章
(72)【発明者】
【氏名】原田 和正
【審査官】石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-214879(JP,A)
【文献】特開2013-234285(JP,A)
【文献】特開2011-117270(JP,A)
【文献】特開2010-100996(JP,A)
【文献】米国特許第04802139(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01C 19/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アスファルト舗装に使用されていたアスファルト混合物を加熱し乾燥する再生ドライヤと、
アスファルト合材を生産するために、新材供給部から供給される新材と、前記再生ドライヤで加熱され乾燥した再生アスファルト混合物とを混合するミキサーと、
前記再生ドライヤで得られた再生アスファルト混合物、もしくは、前記ミキサーで得られたアスファルト合材を格納する格納容器と、
を有し、前記格納容器内に格納されている再生アスファルト混合物、もしくは、
前記ミキサーで得られ前記格納容器内に格納されているアスファルト合材が、前記ミキサーに供給されるように構成されていることを特徴とするアスファルトプラント。
【請求項2】
請求項1に記載のアスファルトプラントであって、
前記新材供給部は、新たなアスフファルトと新たなフィラーと新たな骨材とを前記ミキサーに供給するように構成されており、
前記格納容器内で余った余剰再生アスファルト混合物の温度が所定の温度よりも下がった場合には、この温度の下がった余剰再生アスファルト混合物と、温度の高い新たな骨材とを前記ミキサーに供給して、アスファルト合材を生産するように構成されているか、
もしくは、前記格納容器内で余った余剰アスファルト合材の温度が所定の温度よりも下がった場合には、前記温度の下がった余剰アスファルト合材と、温度の高い新たな骨材とを前記ミキサーに供給して、アスファルト合材を生産するように構成されていることを特徴とするアスファルトプラント。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のアスファルトプラントであって、
前記格納容器は複数設けられており、
複数の前記格納容器のうちの一部の格納容器が第1群の格納容器になっており、複数の前記格納容器のうちの他一部の格納容器が第2群の格納容器になっており、
内部が空になっている前記第1群の格納容器に、前記再生ドライヤで得られた再生アスファルト混合物を格納し、
内部が空になっている前記第2群の格納容器に、前記第1群の格納容器に格納されている再生アスファルト混合物を用いて前記ミキサーで生産されたアスファルト合材を格納するように構成されていることを特徴とするアスファルトプラント。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載のアスファルトプラントであって、
前記格納容器は複数設けられており、
複数の前記格納容器のうちの一部の格納容器が第1群の格納容器になっており、複数の前記格納容器のうちの他の一部の格納容器が第2群の格納容器になっており、複数の前記格納容器のうちのさらなる他の一部の格納容器が第3群の格納容器になっており、
内部が空になっている前記第1群の格納容器と前記第2群の格納容器とに、前記再生ドライヤで得られた再生アスファルト混合物を格納し、
内部が空になっている前記第3群の格納容器に、前記第2群の格納容器に格納されている再生アスファルト混合物を用いて前記ミキサーで生産されたアスファルト合材を格納し前記第2群の格納容器を空にし、
内部が空になっている前記第2群の格納容器に、前記第1群の格納容器に格納されている再生アスファルト混合物を用いて前記ミキサーで生産されたアスファルト合材を格納し前記第1群の格納容器を空にするように構成されていることを特徴とするアスファルトプラント。
【請求項5】
アスファルト舗装に使用されていたアスファルト混合物を
再生ドライヤで加熱し乾燥する加熱乾燥工程と、
アスファルト合材を生産するために、新材と、前記加熱乾燥工程で加熱され乾燥した再生アスファルト混合物とを
ミキサーで混合する混合工程と、
前記加熱乾燥工程で加熱され乾燥した再生アスファルト混合物、もしくは、前記混合工程で生産されたアスファルト合材を、格納容器に格納する格納工程と、
を有し、前記格納容器内に格納されている再生アスファルト混合物、もしくは、
前記混合工程で生産され前記格納容器内に格納されているアスファルト合材が、前記混合工程で使用されることを特徴とするアスファルト合材の生産方法。
【請求項6】
請求項5に記載のアスファルト合材の生産方法であって、
前記混合工程は、前記新材として、新たなアスフファルトと新たなフィラーと新たな骨材とを供給する工程であり、
前記格納工程で前記格納容器に格納された再生アスファルト混合物が余り、この余った余剰再生アスファルト混合物の温度が所定の温度よりも下がった場合に、前記混合工程が、前記温度の下がった余剰再生アスファルト混合物と、温度の高い新たな骨材とを混合してアスファルト合材を生産する工程になるか、
もしくは、前記格納工程で前記格納容器に格納されたアスファルト合材が余り、この余った余剰アスファルト合材の温度が所定の温度よりも下がった場合に、前記混合工程が、前記温度の下がった余剰アスファルト合材と、温度の高い新たな骨材とを混合してアスファルト合材を生産する工程になることを特徴とするアスファルト合材の生産方法。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載のアスファルト合材の生産方法であって、
前記格納容器は複数設けられており、
複数の前記格納容器のうちの一部の格納容器が第1群の格納容器になっており、複数の前記格納容器のうちの他一部の格納容器が第2群の格納容器になっており、
内部が空になっている前記第1群の格納容器に、前記再生ドライヤで得られた再生アスファルト混合物を格納し、
内部が空になっている前記第2群の格納容器に、前記第1群の格納容器に格納されている再生アスファルト混合物を用いて前記ミキサーで生産されたアスファルト合材を格納することを特徴とするアスファルト合材の生産方法。
【請求項8】
請求項5または請求項6に記載のアスファルト合材の生産方法であって、
前記格納容器は複数設けられており、
複数の前記格納容器のうちの一部の格納容器が第1群の格納容器になっており、複数の前記格納容器のうちの他の一部の格納容器が第2群の格納容器になっており、複数の前記格納容器のうちのさらなる他の一部の格納容器が第3群の格納容器になっており、
内部が空になっている前記第1群の格納容器と前記第2群の格納容器とに、前記再生ドライヤで得られた再生アスファルト混合物を格納し、
内部が空になっている前記第3群の格納容器に、前記第2群の格納容器に格納されている再生アスファルト混合物を用いて前記ミキサーで生産されたアスファルト合材を格納し前記第2群の格納容器を空にし、
内部が空になっている前記第2群の格納容器に、前記第1群の格納容器に格納されている再生アスファルト混合物を用いて前記ミキサーで生産されたアスファルト合材を格納し前記第1群の格納容器を空にすることを特徴とするアスファルト合材の生産方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アスファルトプラントおよびアスファルト合材の生産方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、
図6で示すようなアスファルトプラント301が知られている。
【0003】
従来のアスファルトプラント301は、再生ドライヤ303とサージビン305と新材供給部307とミキサー309と合材サイロ311とを備えている。
【0004】
再生ドライヤ303は、アスファルト舗装に使用されていたアスファルト混合物(アスファルト廃材)を加熱し乾燥するものであり、サージビン305は、再生ドライヤ303で加熱し乾燥されたアスファルト混合物を格納するものである。
【0005】
ミキサー309は、サージビン305から出てきたアスファルト混合物と、新材供給部307から供給される新材(新たなフィラー、新たなアスファルト、新たな骨材)とを混合してアスファルト合材を生産するものである。
【0006】
ミキサー309で生産されたアスファルト合材は、ただちにトラック313で搬送されて道路等の舗装に使用されるか、もしくは、合材サイロ311に一旦格納されてから、トラック313で搬送されて道路等の舗装に使用されるようになっている。
【0007】
ここで、従来の技術に関連する特許文献として、特許文献1を掲げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、従来のアスファルトプラント301において、合材サイロ311に格納されているアスファルト合材が余ってしまい、この状態で長い時間が経過すると、合材サイロ311内で余っているアスファルト合材が酸化等して劣化し、余っているアスファルト合材を廃棄することになる。この余っているアスファルト合材を廃棄することなく再利用することは容易ではない。
【0010】
また、従来のアスファルトプラント301において、サージビン305に格納されている再生アスファルト混合物が余ってしまい、この状態で長い時間が経過すると、サージビン305内で余っている再生アスファルト混合物の温度が低下等する。この余っている再生アスファルト混合物を利用することは可能である。
【0011】
本発明は、再生アスファルト混合物を用いてアスファルト合材を生産するアスファルトプラントおよびアスファルト合材の生産方法において、再生アスファルト混合物やアスファルト合材が余った場合であっても、この余った再生アスファルト混合物やアスファルト合材を用いてアスファルト合材を効率よく容易に生産することができるものを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載の発明は、アスファルト舗装に使用されていたアスファルト混合物を加熱し乾燥する再生ドライヤと、アスファルト合材を生産するために、新材供給部から供給される新材と、前記再生ドライヤで加熱され乾燥した再生アスファルト混合物とを混合するミキサーと、前記再生ドライヤで得られた再生アスファルト混合物、もしくは、前記ミキサーで得られたアスファルト合材を格納する格納容器とを有し、前記格納容器内に格納されている再生アスファルト混合物、もしくは、前記ミキサーで得られ前記格納容器内に格納されているアスファルト合材が、前記ミキサーに供給されるように構成されているアスファルトプラントである。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のアスファルトプラントであって、前記新材供給部は、新たなアスフファルトと新たなフィラーと新たな骨材とを前記ミキサーに供給するように構成されており、前記格納容器内で余った余剰再生アスファルト混合物の温度が所定の温度よりも下がった場合には、この温度の下がった余剰再生アスファルト混合物と、温度の高い新たな骨材とを前記ミキサーに供給して、アスファルト合材を生産するように構成されているか、もしくは、前記格納容器内で余った余剰アスファルト合材の温度が所定の温度よりも下がった場合には、前記温度の下がった余剰アスファルト合材と、温度の高い新たな骨材とを前記ミキサーに供給して、アスファルト合材を生産するように構成されているアスファルトプラントである。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のアスファルトプラントであって、前記格納容器は複数設けられており、複数の前記格納容器のうちの一部の格納容器が第1群の格納容器になっており、複数の前記格納容器のうちの他一部の格納容器が第2群の格納容器になっており、内部が空になっている前記第1群の格納容器に、前記再生ドライヤで得られた再生アスファルト混合物を格納し、内部が空になっている前記第2群の格納容器に、前記第1群の格納容器に格納されている再生アスファルト混合物を用いて前記ミキサーで生産されたアスファルト合材を格納するように構成されているアスファルトプラントである。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のアスファルトプラントであって、前記格納容器は複数設けられており、複数の前記格納容器のうちの一部の格納容器が第1群の格納容器になっており、複数の前記格納容器のうちの他の一部の格納容器が第2群の格納容器になっており、複数の前記格納容器のうちのさらなる他の一部の格納容器が第3群の格納容器になっており、内部が空になっている前記第1群の格納容器と前記第2群の格納容器とに、前記再生ドライヤで得られた再生アスファルト混合物を格納し、内部が空になっている前記第3群の格納容器に、前記第2群の格納容器に格納されている再生アスファルト混合物を用いて前記ミキサーで生産されたアスファルト合材を格納し前記第2群の格納容器を空にし、内部が空になっている前記第2群の格納容器に、前記第1群の格納容器に格納されている再生アスファルト混合物を用いて前記ミキサーで生産されたアスファルト合材を格納し前記第1群の格納容器を空にするように構成されているアスファルトプラントである。
【0016】
請求項5に記載の発明は、アスファルト舗装に使用されていたアスファルト混合物を再生ドライヤで加熱し乾燥する加熱乾燥工程と、アスファルト合材を生産するために、新材と、前記加熱乾燥工程で加熱され乾燥した再生アスファルト混合物とをミキサーで混合する混合工程と、前記加熱乾燥工程で加熱され乾燥した再生アスファルト混合物、もしくは、前記混合工程で生産されたアスファルト合材を、格納容器に格納する格納工程とを有し、前記格納容器内に格納されている再生アスファルト混合物、もしくは、前記混合工程で生産され前記格納容器内に格納されているアスファルト合材が、前記混合工程で使用されるアスファルト合材の生産方法である。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のアスファルト合材の生産方法であって、前記混合工程は、前記新材として、新たなアスフファルトと新たなフィラーと新たな骨材とを供給する工程であり、前記格納工程で前記格納容器に格納された再生アスファルト混合物が余り、この余った余剰再生アスファルト混合物の温度が所定の温度よりも下がった場合に、前記混合工程が、前記温度の下がった余剰再生アスファルト混合物と、温度の高い新たな骨材とを混合してアスファルト合材を生産する工程になるか、もしくは、前記格納工程で前記格納容器に格納されたアスファルト合材が余り、この余った余剰アスファルト合材の温度が所定の温度よりも下がった場合に、前記混合工程が、前記温度の下がった余剰アスファルト合材と、温度の高い新たな骨材とを混合してアスファルト合材を生産する工程になるアスファルト合材の生産方法である。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項5または請求項6に記載のアスファルト合材の生産方法であって、前記格納容器は複数設けられており、複数の前記格納容器のうちの一部の格納容器が第1群の格納容器になっており、複数の前記格納容器のうちの他一部の格納容器が第2群の格納容器になっており、内部が空になっている前記第1群の格納容器に、前記再生ドライヤで得られた再生アスファルト混合物を格納し、内部が空になっている前記第2群の格納容器に、前記第1群の格納容器に格納されている再生アスファルト混合物を用いて前記ミキサーで生産されたアスファルト合材を格納するアスファルト合材の生産方法である。
【0019】
請求項8に記載の発明は、請求項5または請求項6に記載のアスファルト合材の生産方法であって、前記格納容器は複数設けられており、複数の前記格納容器のうちの一部の格納容器が第1群の格納容器になっており、複数の前記格納容器のうちの他の一部の格納容器が第2群の格納容器になっており、複数の前記格納容器のうちのさらなる他の一部の格納容器が第3群の格納容器になっており、内部が空になっている前記第1群の格納容器と前記第2群の格納容器とに、前記再生ドライヤで得られた再生アスファルト混合物を格納し、内部が空になっている前記第3群の格納容器に、前記第2群の格納容器に格納されている再生アスファルト混合物を用いて前記ミキサーで生産されたアスファルト合材を格納し前記第2群の格納容器を空にし、内部が空になっている前記第2群の格納容器に、前記第1群の格納容器に格納されている再生アスファルト混合物を用いて前記ミキサーで生産されたアスファルト合材を格納し前記第1群の格納容器を空にするアスファルト合材の生産方法である。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、再生アスファルト混合物を用いてアスファルト合材を生産するアスファルトプラントおよびアスファルト合材の生産方法において、再生アスファルト混合物やアスファルト合材が余った場合であっても、この余った再生アスファルト混合物やアスファルト合材を用いてアスファルト合材を効率よく容易に生産することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施形態に係るアスファルトプラントの構成を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るアスファルトプラントのより詳しい構成を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るアスファルトプラントの動作を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態に係るアスファルトプラントの動作の変形例を示す図である。
【
図5】変形例に係るアスファルトプラントの動作を示す図である。
【
図6】従来のアスファルトプラントを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施形態に係るアスファルトプラント1は、道路等のアスファルト舗装の表層や基層に使用されていたアスファルト混合物(アスファルト廃材)を用いて、アスファルト合材を生産(製造)するものであり、
図1や
図2で示すように、再生ドライヤ3とミキサー5と格納容器(合材サイロ・サージビン)7とを備えて構成されている。
【0023】
再生ドライヤ3は、道路等のアスファルト舗装の表層や基層に使用されていたアスファルト混合物(アスファルト廃材)を加熱し乾燥するものである。
【0024】
ミキサー5は、新材供給部9から供給される新材と、再生ドライヤ3で加熱され乾燥したアスファルト混合物である再生アスファルト混合物とを混合するようになっている。この混合により、道路等のアスファルト舗装の表層や基層に使用するアスファルト合材が生産される。
【0025】
格納容器7は、再生ドライヤ3で得られた再生アスファルト混合物、もしくは、ミキサー5で得られたアスファルト合材を格納するようになっている。また、格納容器7は、複数(たとえば3つ)設けられている。
【0026】
そして、格納容器内7に格納されている再生アスファルト混合物、もしくは、格納容器7内に格納されているアスファルト合材が、ミキサー5に供給されるように構成されている。
【0027】
すなわち、格納容器7は、再生アスファルト混合物もしくはアスファルト合材を内部に入れることができる容器として兼用されており、アスファルトプラント1が稼働すると、格納容器7には、たとえば、再生アスファルト混合物とアスファルト合材とが交互に入るようになっている。
【0028】
さらに説明すると、空の格納容器7に再生アスファルト混合物が入り、この入った再生アスファルト混合物が格納容器7から排出されて格納容器7が空になり、空の格納容器7にアスファルト合材が入り、この入ったアスファルト合材が格納容器7から排出されて格納容器7が空になるという4つの状態をこの順に繰り返すようになっている。
【0029】
なお、格納容器7内に入っている再生アスファルト混合物は、この総てがミキサー5に供給されるが、格納容器7内に入っているアスファルト合材は、必ずしもこの総てがミキサー5に供給されることはなく、トラック11で搬送されて道路等の舗装に使用される。
【0030】
新材供給部9は、新たなアスフファルト(新アスファルト)と新たなフィラー(新フィラー)と新たな骨材(新骨材)とをミキサー5に供給するように構成されている。なお、新材供給部9が、新アスファルト、新フィラー、新骨材のうちの少なくともいずれかをミキサー5に供給するように構成されていてもよい。
【0031】
また、アスファルトプラント1は、格納容器7内で余った余剰再生アスファルト混合物の温度が所定の温度よりも下がった場合には、この温度の下がった余剰再生アスファルト混合物と、温度の高い新たな骨材とをミキサー5に供給して、アスファルト合材を生産するように構成されている。
【0032】
すなわち、格納容器7内で余った余剰再生アスファルト混合物が一定時間以上格納容器7内に留まることで余剰再生アスファルト混合物の温度が所定の温度よりも下がった場合、この温度の下がった余剰再生アスファルト混合物を用いて適温のアスファルト合材を生産できるようにするために、新材供給部9からミキサー5に供給される新たな骨材の温度を、格納容器7からミキサー5に供給される余剰再生アスファルト混合物の温度よりも高くするように構成されている。
【0033】
このとき、新材供給部9からミキサー5に新たなフィラー、新たなアスファルトも必要に応じて供給される。なお、新材供給部9からミキサー5に供給される骨材の温度は、新材供給部9からミキサー5に供給される新たなフィラーや新たなアスファルトの温度よりも高くなっている。
【0034】
温度の下がった余剰再生アスファルト混合物を用いて生産された適温のアスファルト合材は、余った余剰再生アスファルト混合物が入っている格納容器7とは別の格納容器(たとえば空の格納容器;内部に空気しか入っていないカラの格納容器)内に格納されるか、もしくは、トラック11等の搬送装置に積まれて搬送され舗装現場で使用されるようになっている。
【0035】
また、アスファルトプラント1は、格納容器7内で余った余剰アスファルト合材の温度が所定の温度よりも下がった場合には、格納容器7内に再生アスファルト混合物が余った場合と同様にして、温度の下がった余剰アスファルト合材と、温度の高い新たな骨材とをミキサー5に供給して、アスファルト合材を生産するように構成されている。
【0036】
すなわち、格納容器7内で余った余剰アスファルト合材が一定時間以上格納容器7内に留まることで余剰アスファルト合材の温度が所定の温度よりも下がった場合、温度の下がった余剰アスファルト合材を用いて適温のアスファルト合材を生産できるようにするために、新材供給部9からミキサー5に供給される新たな骨材の温度を、格納容器7からミキサー5に供給される余剰アスファルト合材の温度よりも高くするように構成されている。
【0037】
このときにも、新材供給部9からミキサー5に新たなフィラー、新たなアスファルトも必要に応じて供給される。
【0038】
温度の下がった余剰アスファルト合材を用いて生産された適温のアスファルト合材も、余剰再生アスファルト混合物が入っている格納容器7とは別の格納容器7(たとえば空の格納容器)内に格納されるか、もしくは、トラック11に積まれて搬送され舗装現場で使用されるようになっている。
【0039】
ここで、格納容器7が複数設けられていることについてさらに説明する。
【0040】
複数の格納容器7のうちの一部の1つもしくは複数の格納容器7Aが第1群の格納容器になっており、複数の格納容器7のうちの他の一部の1つもしくは複数の格納容器7Bが第2群の格納容器になっており、複数の格納容器7のうちのさらなる他の一部の1つもしくは複数の格納容器(たとえば残りの総ての格納容器)7Cが第3群の格納容器になっている。
【0041】
アスファルトプラント1では、内部が空になっている第1群の格納容器7Aと内部が空になっている第2群の格納容器7Bとに、再生ドライヤ3で得られた再生アスファルト混合物を格納するようになっている。
【0042】
続いて、内部が空になっている第3群の格納容器7Cに、第2群の格納容器7Bに格納されている再生アスファルト混合物を用いてミキサー5で生産されたアスファルト合材を格納し第2群の格納容器7Bを空にするようになっている。
【0043】
続いて、内部が空になっている第2群の格納容器7Bに、第1群の格納容器7Aに格納されている再生アスファルト混合物を用いてミキサー5で生産されたアスファルト合材を格納し第1群の格納容器7Aを空にするようになっている。
【0044】
ここで、アスファルトプラントについて、
図2を参照しつつさらに詳しく説明する。
【0045】
新材供給部9は、新材ドライヤ13とホットビン15と新骨材計量器17とを備えて構成されている。ホットビン15は、新材ドライヤ13で加熱乾燥され新材ドライヤ13から供給された新骨材を格納するようになっている。新骨材計量器17は、ホットビン15から出てきた新骨材を計量し、この計量した新骨材をミキサー5に供給するようになっている。
【0046】
また、新材供給部9は、新フィラー計量器19と新アスファルト計量器21とが設けられている。新フィラー計量器19は、新フィラー供給装置(図示せず)から供給される新フィラーを計量し、この計量した新フィラーをミキサー5に供給するようになっている。新アスファルト計量器21は、新アスファルト供給装置(図示せず)から供給される新アスファルトを計量し、この計量した新アスファルトをミキサー5に供給するようになっている。
【0047】
ミキサー5と格納容器7(7A、7B、7C)との間には、アスファルト合材搬送装置23が設けられている。アスファルト合材搬送装置23は、ミキサー5で生産されたアスファルト合材を複数の格納容器7(7A、7B、7C)のうちの選択された格納容器7に搬送するようになっている。このようにして搬送されてきたアスファルト合材は、上記選択された格納容器7に格納されるようになっている。
【0048】
また、再生ドライヤ3と格納容器7(7A、7B、7C)との間には、再生アスファルト混合物搬送装置25が設けられている。再生アスファルト混合物搬送装置25は、再生ドライヤで加熱され乾燥した再生アスファルト混合物を複数の格納容器7(7A、7B、7C)のうちの選択された格納容器7に搬送するようになっている。このようにして搬送されてきた再生アスファルト混合物は、上記選択された格納容器7に格納されるようになっている。
【0049】
格納容器7Aとミキサー5との間には、移動式計量器27が設けられている。移動式計量器27は、格納容器7Aから出てきた再生アスファルト混合物を計量して、この計量した新アスファルトをミキサー5に供給するようになっている。なお、格納容器7B、7Cとミキサー5との間にも、同様にして、移動式計量器27が設けられている。
【0050】
移動式計量器27、新骨材計量器17、新フィラー計量器19、新アスファルト計量器21が設けられていることで、ミキサー5には、適宜の量の再生アスファルト混合物、適宜の量の新骨材、適宜の量の新フィラー、適宜の量の新アスファルトが供給されるようになっている。
【0051】
次に、アスファルトプラント1の動作を、
図3を参照しつつ説明する。なお、アスファルトプラント1では、たとえば、第1群の格納容器として1つの第1の格納容器7Aが設けられており、第2群の格納容器として1つの第2の格納容器7Bが設けられており、第3群の格納容器として1つの第3の格納容器7Cが設けられているものとする。また、
図3~
図5で示す「混合物」は、「再生アスファルト混合物」を示しており、「合材」は「アスファルト合材」を示している。
【0052】
初期状態では、第1の格納容器7Aと第2の格納容器7Bと第3の格納容器7Cとが空になっている(S1)。
【0053】
上記初期状態で、第1の格納容器7A内と第2の格納容器7B内に再生ドライヤ3で得られた再生アスファルト混合物で入れて(S2)、第1の格納容器7A内と第2の格納容器7B内とを再生アスファルト混合物で満たす(S3)。ステップS1~S3では、第3の格納容器7Cは空になっている。
【0054】
続いて、第2の格納容器7B内の再生アスファルト混合物を用いてミキサー5でアスファルト合材を生産し、この生産されたアスファルト合材を第3の格納容器7Cに入れて(S4)、第2の格納容器7B内を空にして第3の格納容器7C内をアスファルト合材で満たす。
【0055】
続いて、第1の格納容器7A内の再生アスファルト混合物を用いてミキサー5でアスファルト合材を生産し、この生産されたアスファルト合材を第2の格納容器7Bに入れて(S5)、第1の格納容器7A内を空にして第2の格納容器7B内をアスファルト合材で満たす(S6)。
【0056】
第3の格納容器7Cと第2の格納容器7Bに格納されているアスファルト合材は、第3の格納容器7Cや第2の格納容器7Bから排出され、トラック11等の搬送装置で搬送されて道路等のアスファルト舗装に使用される。
【0057】
そして、第3の格納容器7Cと第2の格納容器7Bとを空にすることで、上述した初期状態に戻る。
【0058】
なお、総ての格納容器7を、内部に再生アスファルト混合物を格納するサージビンとして使用することも可能である。総ての格納容器7をサージビンとして使用することで、格納容器7が大きなバッファとして働き、予め加熱され乾燥している再生アスファルト混合物の貯蔵量を多くすることができ、再生ドライヤ3の処理能力が小さい場合であっても、一時的ではあるが、ミキサー5によって多くのアスファルト合材を再生ドライヤ3の処理能力を超えて生産することができる。
【0059】
また、総ての格納容器7を、内部にアスファルト合材を格納する合材サイロとして使用することも可能である。総ての格納容器7を合材サイロとして使用することで、格納容器7が大きなバッファとして働き、一時的ではあるが、ミキサー5等の処理能力を超えて、多くのアスファルト合材を道路等のアスファルト舗装のために供給することができる。
【0060】
アスファルトプラント1によれば、再生ドライヤ3で得られた再生アスファルト混合物、もしくは、ミキサー5で得られたアスファルト合材を格納する格納容器7を備えているので、再生アスファルト混合物やアスファルト合材が余った場合であっても、この余った再生アスファルト混合物やアスファルト合材を用いてアスファルト合材を効率よく容易に生産することができる。
【0061】
すなわち、格納容器7内で再生アスファルト混合物が余った場合であっても、この余った再生アスファルト混合物を廃棄することなく新材供給部9から供給される新材(新骨材、新フィラー、新アスファルト)とともにミキサー5にいれて混合するので、新たなアスファルト合材を効率よく容易に生産することができる。
【0062】
また、アスファルトプラント1によれば、格納容器7が、再生アスファルト混合物もしくはアスファルト合材を内部に入れることができる容器として兼用されているので、アスファルト合材を内部に入れる専用の合材サイロと再生アスファルト混合物を内部に入れる専用のサージビンとをそれぞれ別個に設ける必要が無く、アスファルトプラント1の構成を簡素化することができるとともに、アスファルトプラント1の規模を小さくしても効率良くアスファルト合材を生産することができる。
【0063】
また、アスファルトプラント1によれば、余剰再生アスファルト混合物の温度が下がった場合であっても、余剰再生アスファルト混合物と温度の高い新たな骨材とをミキサー5に供給してアスファルト合材を生産することができるので、温度の下がった余剰再生アスファルト混合物を廃棄することなく、温度の下がった余剰再生アスファルト混合物の有効利用をはかることができる。
【0064】
また、アスファルトプラント1によれば、余剰アスファルト合材の温度が下がった場合であっても、余剰アスファルト合材と温度の高い新たな骨材とをミキサー5に供給してアスファルト合材を生産することができるので、温度の下がった余剰アスファルト合材を廃棄することなく、温度の下がった余剰アスファルト合材の有効利用をはかることができる。
【0065】
また、アスファルトプラント1によれば、第1の格納容器7Aと第2の格納容器7Bとに再生ドライヤ3で得られた再生アスファルト混合物を格納し、続いて、第3の格納容器7Cに第2群の格納容器7Bに格納されている再生アスファルト混合物を用いてミキサー5で生産されたアスファルト合材を格納し、続いて、第2の格納容器7Bに第1の格納容器7Aに格納されている再生アスファルト混合物を用いてミキサー5で生産されたアスファルト合材を格納するように構成されているので、ミキサー5でアスファルト合材の生産を開始すれば、多くの熱量を必要とする再生ドライヤ3の処理能力が小さい場合であっても、各格納容器7を効率良く使用して、アスファルト合材を効率よく生産することができる。
【0066】
ところで、アスファルトプラント1を
図4で示すように動作させてもよい。
【0067】
図4で示す動作では、アスファルトプラント1が稼働しているときに、第1群の格納容器7A内は、再生アスファルト混合物が入っている状態、空の状態、アスファルト合材が入っている状態、空の状態がこの順に循環して繰り返えされる。
【0068】
また、アスファルトプラントが稼働しているときに、第2群の格納容器7B内では、第1群の格納容器7A内の状態に対応して(第1群の格納容器7A内の状態に同期させて)、アスファルト合材が入っている状態、空の状態、再生アスファルト混合物が入っている状態、空の状態がこの順に循環して繰り返えされる。
【0069】
また、アスファルトプラントが稼働しているときに、第3群の格納容器7C内では、第1群の格納容器7A内の状態と第2の格納容器7B内の状態とに対応して(第1群の格納容器7A内の状態、第2群の格納容器7B内の状態に同期させて)、再生アスファルト混合物が入っている状態、空の状態、アスファルト合材が入っている状態、空の状態がこの順に循環して繰り返えされる。
【0070】
さらに詳しく説明すると、初期状態では、第1の格納容器7Aが再生ドライヤ3で得られた再生アスファルト混合物で満たされており、第2の格納容器7Bと第3の格納容器7Cとは空になっている。
【0071】
上記初期状態で、第1の格納容器7A内の再生アスファルト混合物を用いてミキサー5でアスファルト合材を生産し、この生産されたアスファルト合材を第2の格納容器7Bに入れ(S11)、第1の格納容器7A内を空にして第2の格納容器7B内をアスファルト合材で満たす。
【0072】
このときに、第3の格納容器7C内に再生ドライヤ3で得られた再生アスファルト混合物で入れて第3の格納容器7C内を再生アスファルト混合物で満たす。また、第2の格納容器7B内のアスファルト合材は、第2の格納容器7Bが空になるまで第2の格納容器7Bから排出され、トラック11に積まれて搬送され舗装現場で使用される(S12)。
【0073】
続いて、第3の格納容器7C内の再生アスファルト混合物を用いてミキサー5でアスファルト合材を生産し、この生産されたアスファルト合材を第1の格納容器7Aに入れ(S13)、第3の格納容器7C内を空にして第1の格納容器7A内をアスファルト合材で満たす。
【0074】
このときに、第2の格納容器7B内に再生ドライヤ3で得られた再生アスファルト混合物で入れて第2の格納容器7B内を再生アスファルト混合物で満たす。また、第1の格納容器7A内のアスファルト合材は、第1の格納容器7Aが空になるまで第1の格納容器7Aから排出され、トラック11に積まれて搬送され舗装現場で使用される(S14)。
【0075】
続いて、第2の格納容器7B内の再生アスファルト混合物を用いてミキサー5でアスファルト合材を生産し、この生産されたアスファルト合材を第3の格納容器7Cに入れ(S15)、第2の格納容器7B内を空にして第3の格納容器7C内をアスファルト合材で満たす。
【0076】
このときに、第1の格納容器7A内に再生ドライヤ3で得られた再生アスファルト混合物で入れて第1の格納容器7A内を再生アスファルト混合物で満たす。また、第2の格納容器7B内のアスファルト合材は、第2の格納容器7Bが空になるまで第2の格納容器7Bから排出され、トラック11に積まれて搬送され舗装現場で使用され(S16)、上記初期状態に戻る。
【0077】
なお、
図4で示す動作では、アスファルトプラント1が連続運転している限り、各格納容器7の総てで、再生アスファルト混合物やアスファルト合材の出入りがほぼ継続してなされる。すなわち、各格納容器7の総てがアイドル状態になることが回避されている。
【0078】
図4で示すような動作をするアスファルトプラント1によれば、第1の格納容器7A内では、再生アスファルト混合物が入っている状態、空の状態、アスファルト合材が入っている状態、空の状態がこの順に循環して繰り返えされ、第2の格納容器7B内では、第1の格納容器7A内の状態に対応して、アスファルト合材が入っている状態、空の状態、再生アスファルト混合物が入っている状態、空の状態がこの順に循環して繰り返えされ、また、第3の格納容器7C内では、第1の格納容器7A内の状態と第2の格納容器7B内の状態とに対応して、再生アスファルト混合物が入っている状態、空の状態、アスファルト合材が入っている状態、空の状態がこの順に循環して繰り返えされるように構成されているので、格納容器7内が空になっている状態を極力回避しつつ、アスファルト合材を一層効率よく生産することができる。
【0079】
なお、アスファルトプラント1において、新材ドライヤ13で加熱乾燥された新しい骨材を、ミキサー5を通して格納容器7に一時的に格納し、この格納した新しい骨材を、新しいフィラーやアスファルトとともに(必要に応じて再生アスファルト混合物も加えて)再びミキサー5に供給し、アスファルト合材(再生アスファルト混合物を使用しない新しいアスファルト合材)を生産するようにしてもよい。
【0080】
これにより、格納容器7が新しい骨材のバッファとして働き、予め加熱され乾燥している骨材を貯蔵することができ、新材ドライヤ13の処理能力が小さい場合であっても、多くのアスファルト合材を新材ドライヤ13の処理能力を超えて生産することができる。
【0081】
なお、各格納容器7のうちの一部の格納容器に、新材ドライヤ13で加熱乾燥された新しい骨材を格納するようにしてもよい。また、再生アスファルト混合物を用いて生産されたアスファルト合材を再生アスファルト合材と呼称してもよい。ただし、新材ドライヤ13で加熱乾燥された新しい骨材と再生ドライヤ3で加熱乾燥された再生アスファルト混合物との両方を用いて生産されたアスファルト合材は、新しい骨材と再生アスファルト混合物との重量比に応じて、呼称を変えることが望ましい。たとえば、再生アスファルト混合物の重量が30%を超えた場合に、再生アスファルト合材と呼称することとする。
【0082】
次に変形例に係るアスファルトプラント1aについて
図5を参照しつつ説明する。
【0083】
変形例に係るアスファルトプラント1aは、格納容器7として第3群のものが設けられていない点が、
図1、
図2で示すアスファルトプラント1と異なり、その他の点は、アスファルトプラント1と同様に構成されている。
【0084】
すなわち、
図5で示すアスファルトプラント1aは、複数の格納容器7のうちの一部の1つもしくは複数の格納容器が第1群の格納容器7Aになっており、複数の格納容器7のうちの他一部の1つもしくは複数の格納容器(残りの総ての格納容器)が第2群の格納容器7Bになっている。
【0085】
そして、内部が空になっている第1群の格納容器7Aに、再生ドライヤ3で得られた再生アスファルト混合物を格納するようになっている。
【0086】
続いて、内部が空になっている第2群の格納容器7Bに、第1群の格納容器7Aに格納されている再生アスファルト混合物を用いてミキサー5で生産されたアスファルト合材を格納するようになっている。
【0087】
格納容器7に格納されているアスファルト合材は、格納容器7から排出され、トラック11等の搬送装置で搬送されて道路等のアスファルト舗装に使用される。
【0088】
また、変形例に係るアスファルトプラント1aでは、アスファルトプラント1aが稼働しているときに、第1群の格納容器7A内では、再生アスファルト混合物が入っている状態、空の状態、アスファルト合材が入っている状態、空の状態がこの順に循環して繰り返えされるようになっている。
【0089】
また、アスファルトプラント1aが稼働しているときに、第2群の格納容器7B内では、第1群の格納容器7A内の状態に対応して(第1群の格納容器7A内の状態に同期して)、空の状態、アスファルト合材が入っている状態、空の状態、再生アスファルト混合物が入っている状態がこの順に循環して繰り返えされるように構成されている。
【0090】
詳しく説明すると、初期状態では、第1の格納容器7Aと第2の格納容器7Bとが空になっている(S21)。
【0091】
初期状態で、第1の格納容器7A内に再生ドライヤ3で得られた再生アスファルト混合物で入れて(S22)、第1の格納容器7A内を再生アスファルト混合物で満たす(S23)。なお、ステップS21~S23では、第2の格納容器7Bは空になっている。
【0092】
続いて、第1の格納容器7A内の再生アスファルト混合物を用いてミキサー5でアスファルト合材を生産し、この生産されたアスファルト合材を第2の格納容器7Bに入れて(S24)、第1の格納容器7A内を空にして第2の格納容器7B内をアスファルト合材で満たす(S25)。
【0093】
続いて、第2の格納容器7B内のアスファルト合材が排出されて第2の格納容器7B内が空になると(S26)、第2の格納容器7B内に再生ドライヤ3で得られた再生アスファルト混合物で入れて(S27)、第2の格納容器7B内を再生アスファルト混合物で満たす(S28)。なお、ステップS25~S28では、第1の格納容器7Aは空になっている。
【0094】
続いて、第2の格納容器7B内の再生アスファルト混合物を用いてミキサー5でアスファルト合材を生産し、この生産されたアスファルト合材を第1の格納容器7Aに入れて(S29)、第2の格納容器7B内を空にして第1の格納容器7A内をアスファルト合材で満たす(S30)。
【0095】
第1の格納容器7A内のアスファルト合材が排出されて第1の格納容器7A内が空になると、上記初期状態に戻る(ステップS21で示す状態に戻る)。
【0096】
ところで、上記記載内容を方法の発明として把握してもよい。
【0097】
すなわち、道路等のアスファルト舗装の表層や基層に使用されていたアスファルト混合物を再生ドライヤを用いて加熱し乾燥する加熱乾燥工程と、道路等のアスファルト舗装の表層や基層に使用する)アスファルト合材を生産するために、新材供給部から供給される新材と、前記加熱乾燥工程で加熱され乾燥したアスファルト混合物である再生アスファルト混合物とをミキサーを用いて混合する混合工程と、前記加熱乾燥工程で加熱され乾燥した再生アスファルト混合物、もしくは、前記混合工程で生産されたアスファルト合材を、格納容器に格納する格納工程とを有し、前記格納容器内に格納されている再生アスファルト混合物、もしくは、前記格納容器内に格納されているアスファルト合材が、前記混合工程で使用される(また、前記格納容器は、空の状態、前記再生アスファルト混合物が格納された状態、空の状態、前記アスファルト合材が格納された状態が、この順で繰り返される)アスファルト合材の生産方法として把握してもよい。
【0098】
そして、前記混合工程を、前記新材として、新たなアスフファルトと新たなフィラーと新たな骨材とを供給する工程としてもよい。
【0099】
また、前記格納工程で前記格納容器に格納された再生アスファルト混合物が余り、この余った余剰再生アスファルト混合物の温度が所定の温度よりも下がった場合に、前記混合工程を、前記温度の下がった余剰再生アスファルト混合物と、温度の高い新たな骨材とを混合してアスファルト合材を生産する工程としてもよい。
【0100】
もしくは、前記格納工程で前記格納容器に格納されたアスファルト合材が余り、この余った余剰アスファルト合材の温度が所定の温度よりも下がった場合に、前記混合工程を、前記温度の下がった余剰アスファルト合材と、温度の高い新たな骨材とを混合してアスファルト合材を生産する工程としてもよい。
【0101】
また、複数の前記格納容器のうちの一部の1つもしくは複数の格納容器が第1群の格納容器になっており、複数の前記格納容器のうちの他の一部の1つもしくは複数の格納容器が第2群の格納容器になっており、複数の前記格納容器のうちのさらなる他の一部の1つもしくは複数の格納容器が第3群の格納容器になっていてもよい。
【0102】
そして、内部が空になっている前記第1群の格納容器と前記第2群の格納容器とに、前記再生ドライヤで得られた再生アスファルト混合物を格納し、続いて、内部が空になっている前記第3群の格納容器に、前記第2群の格納容器に格納されている再生アスファルト混合物を用いて前記ミキサーで生産されたアスファルト合材を格納し前記第2群の格納容器を空にし、続いて、内部が空になっている前記第2群の格納容器に、前記第1群の格納容器に格納されている再生アスファルト混合物を用いて前記ミキサーで生産されたアスファルト合材を格納し前記第1群の格納容器を空にするようにしてもよい。
【0103】
また、複数の前記格納容器のうちの一部の1つもしくは複数の格納容器が第1群の格納容器になっており、複数の前記格納容器のうちの他一部の1つもしくは複数の格納容器が第2群の格納容器になっていてもよい。
【0104】
そして、内部が空になっている前記第1群の格納容器に、前記再生ドライヤで得られた再生アスファルト混合物を格納し、続いて、内部が空になっている前記第2群の格納容器に、前記第1群の格納容器に格納されている再生アスファルト混合物を用いて前記ミキサーで生産されたアスファルト合材を格納するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0105】
1 アスファルトプラント
3 再生ドライヤ
5 ミキサー
7 格納容器
9 新材供給部