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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-16
(45)【発行日】2023-02-27
(54)【発明の名称】マフラー付帽子
(51)【国際特許分類】
   A42B 1/0186 20210101AFI20230217BHJP
   A41D 23/00 20060101ALI20230217BHJP
   A42B 1/04 20210101ALI20230217BHJP
【FI】
A42B1/0186 E
A41D23/00 A
A41D23/00 D
A42B1/04 N
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021199691
(22)【出願日】2021-12-08
【審査請求日】2022-06-23
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519362538
【氏名又は名称】上野 勇介
(74)【代理人】
【識別番号】100145861
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 薫
(72)【発明者】
【氏名】上野 勇介
【審査官】須賀 仁美
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-059830(JP,A)
【文献】実公昭33-012123(JP,Y1)
【文献】実公昭33-011444(JP,Y1)
【文献】実公昭08-006321(JP,Y1)
【文献】登録実用新案第3090467(JP,U)
【文献】実公昭08-001536(JP,Y1)
【文献】特開2006-097209(JP,A)
【文献】実公昭11-006984(JP,Y1)
【文献】実開昭59-069920(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A42B1/00-1/248
A41D23/00
A42B5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも頭部を覆う帽子部と、首部に巻き付けるためのマフラー部と、を有するマフラー付帽子であって、
前記マフラー部は、前記帽子部の下部側に設けられ、前記帽子部の下部側の周縁長よりも長尺な長さ寸法とし、
前記マフラー部は、前記帽子部の側部の下部側から連続して下方に延びるように設けられ、
前記マフラー部は、環状の形状とし、
前記環状の形状は、一方の基端部側が、前記帽子部の右側部の下端部側と連続するように設けられるとともに、他方の基端部側が、前記帽子部の左側部の下端部側と連続するように設けられ、
前記帽子部は、該帽子部の後部の下端部側の中央部にスリットまたは上方に向かって窪む窪み部を有し、
更に前記マフラー部の後部側および前部側に窪み部を有し、前記マフラー部の前部側の窪み部は、前記マフラー部の後部側に形成される窪み部よりも上方側に位置していることを特徴とするマフラー付帽子。
【請求項2】
前記帽子部の前記スリットまたは前記窪み部の上端部から前記マフラー部の後部の基端部側にかけての縁部側が所定の曲線をもって形成されることを特徴とする請求項1に記載のマフラー付帽子。
【請求項3】
前記帽子部は、前部の上端部側が前方に突出するように形成されることを特徴とする請求項1に記載のマフラー付帽子。
【請求項4】
前記帽子部の前部側の下端部側と前記マフラー部の前部側の基端部側は、所定の曲線をもって連続することを特徴とする請求項に記載のマフラー付帽子。
【請求項5】
前記帽子部の右側部、前記マフラー部、および前記帽子部の左側部は、一枚の生地を用いて形成され、前記一枚の生地において、前記帽子部の右側部の下端部側と前記マフラー部の一方の基端部側が連続するとともに、前記マフラー部の他方の基端部側と前記帽子部の左側部の下端部側が連続し、前記帽子部の上部側を非連続とすることを特徴とする請求項に記載のマフラー付帽子。
【請求項6】
前記一枚の生地において前記帽子部の右側部の上部側と左側部の上部側を連結させることにより前記帽子部および前記マフラー部が装着可能な構成とすることを特徴とする請求項に記載のマフラー付帽子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マフラー付帽子に関し、特に、少なくとも頭部を覆う帽子部と、首部に巻き付けるためのマフラー部と、を有するマフラー付帽子に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば防寒用として各種の帽子が広く普及している。帽子はマフラーと併用されることがあり、例えば特許文献1には、帽子とマフラーを一体としたマフラー付帽子が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3101648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで上述した従来のマフラー付帽子は、マフラー部は、帽子部の下部の周縁長と略同等の長さであり、首部を一巻きとする程度である。このため、首部への巻き付け状態を調整することが難しく、首部とマフラー部との間に隙間が形成され、隙間風が入り易くなる等欠点を有していた。
【0005】
本願発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、帽子部よりも長尺なマフラー部を有するマフラー付帽子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係るマフラー付帽子は、少なくとも頭部を覆う帽子部と、首部に巻き付けるためのマフラー部と、を有するマフラー付帽子であって、マフラー部は、帽子部の下部側に設けられ、帽子部の下部側の周縁長よりも長尺な長さ寸法とすることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、マフラー部は、帽子部の下部側に設けられ、帽子部の下部側の周縁長よりも長尺な長さ寸法とすることにより、帽子部よりも長尺なマフラー部を有するマフラー付帽子を提供することができる。これにより、首部への巻き付け状態を調整することが可能となる。
【0008】
前記マフラー部は、前記帽子部の側部の下端部側から連続して下方に延びるように設けられる。
【0009】
前記マフラー部は、環状の形状とすることとすれば、環状の形状を交差させて八の字として首部に巻き付けることができる。
前記環状の形状は、U字状の形状とすることができる。
【0010】
前記マフラー部は、前記U字状の形状の一方の基端部側が、前記帽子部の右側部の下端部側と連続するように設けられるとともに、前記U字状の形状の他方の基端部側が、前記帽子部の左側部の下端部側と連続するように設けられることができる。
【0011】
前記帽子部は、該帽子部の後部の下端部側の中央部にスリットまたは上方に向かって窪む窪み部を有することにより、マフラー部を首部に巻き付けるために、帽子部の右側部および左側部から下方に延びるマフラー部の突出端部側の位置を下方側から前方側に移動させたときに、スリットまたは窪み部の間隔を離間するようにすることができ、マフラー部の突出端部側の位置の下方側から前方側への移動をスムーズに行うことができる。また、マフラー部の突出端部側の位置を下方側から前方側に移動させたときにスリットの間隔が離間するため、マフラー部の前方側への突出量を離間した分増加させることができ、マフラー部が無用に長くなることを抑制することができる。
【0012】
前記帽子部の前記スリットまたは前記窪み部の上端部から前記マフラー部の後部の基端部側にかけての縁部側が所定の曲線をもって形成されていることにより、縁部側が首部や肩部に無駄なくフィットし易することができる。また、縁部側が首部や肩部にフィットし易くなることにより、首部や肩部でマフラー付帽子を構成する生地がだぶつくように装着されることを抑制することができる。
【0013】
前記マフラー部に窪み部が形成されることにより、例えばマフラー部を八の字として首部に交差させながら巻き付けるときに、窪み部を介して交差させ易くすることができる。また、交差部分が細くなるためマフラー部の長さも短くすることができる。
【0014】
前記帽子部は、前部の上端部側が前方に突出するように形成されることにより、帽子部の前部の上端部側を手で摘まんで前方に引っ張りながら帽子部の装着状態を容易に調整することができる。
【0015】
前記帽子部の前部側の下端部側と前記マフラー部の前部側の基端部側は、所定の曲線をもって連続することにより、例えばマフラー部を八の字として首部に交差させながら巻き付けるときに、交差させ易くすることができる。また、交差部分が細くなるためマフラー部の長さも短くすることができる。
【0016】
前記帽子部の右側部、前記マフラー部、および前記帽子部の左側部は、一枚の生地を用いて形成され、前記一枚の生地において、前記帽子部の右側部の下端部側と前記マフラー部の一方の基端部側が連続するとともに、前記マフラー部の他方の基端部側と前記帽子部の左側部の下端部側が連続し、前記帽子部の上部側を非連続とすることができる。すなわち、本願発明においては、前記マフラー部は、前記帽子部の側部の下端部側から連続して下方に延びることにより、それぞれ一枚の生地を用いて形成することができる。そして、マフラー付帽子を一枚の生地を用いて形成することにより、角張った形状をとる必要が少なくなる等、マフラー部を、容易に滑らかな曲線をもって形成することができる。
【0017】
前記一枚の生地において前記帽子部の右側部の上部側と左側部の上部側を連結させることにより前記帽子部および前記マフラー部を装着可能な構成とすることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、帽子部よりも長尺なマフラー部を有するマフラー付帽子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態に係るマフラー付帽子の構成を示す右側面図である(前後の開口を閉じてマフラー付帽子1を平面的に畳んだ状態)。
図2】本発明の実施形態に係るマフラー付帽子の構成を示す左側面図である(前後の開口を閉じてマフラー付帽子1を平面的に畳んだ状態)。
図3】同マフラー付帽子を展開した状態を示す平面図である。
図4】同マフラー付帽子の前後の開口を開放した状態の正面側の構成を示す正面図である。
図5】同マフラー付帽子の前後の開口を開放した状態の背面側の構成を示す背面図である。
図6】同マフラー付帽子の前後の開口を開放した状態の背面側の一部(スリット部)の構成を拡大して示す拡大背面図である。
図7】同マフラー付帽子の着用方法を示す側面図である。
図8】同マフラー付帽子の着用方法を示す図7に続く側面図である。
図9】同マフラー付帽子の着用方法を示す図7に続く正面図である。
図10】同マフラー付帽子の着用方法を示す図7に続くスリット部を拡大する拡大背面図である。
図11】同マフラー付帽子の着用方法を示す図8乃至図10に続く側面図である。
図12】同マフラー付帽子の着用方法を示す図8乃至図10に続く正面図である。
図13】同マフラー付帽子の着用方法を示す図11および図12に続く正面図である。
図14】本発明の変形例を示す図である。
図15】本発明の別の変形例を示す図である。
図16】本発明の比較例1を示す図である。
図17】本発明の比較例1を示す別の図である。
図18】本発明の別の比較例を示す図である。
図19】本発明の更に別の比較例を示す図である。
図20】本発明のまた更に別の比較例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係るマフラー付帽子の構成を示す右側面図、図2は、本発明の実施形態に係るマフラー付帽子の構成を示す左側面図、図3は、同マフラー付帽子を展開した状態を示す平面図、図4は、同マフラー付帽子の前後の開口を開放した状態の正面側の構成を示す正面図、図5は、同マフラー付帽子の前後の開口を開放した状態の背面側の構成を示す背面図、図6は、同マフラー付帽子の前後の開口を開放した状態の背面側の一部(スリット部)の構成を拡大して示す拡大背面図である。なお、以下の説明においては、人体300を基準に各方向を定義するものとし、人体300の頭部301側を上方、首部302側を下方、顔部304側を前方(正面側)、後頭部301b側を後方(背面側)、右手側を右方(側方)、左手側が左方(側方)として、各図において各方向を明示するものとする。
【0021】
図1乃至図6を参照して本発明の実施形態に係るマフラー付帽子1の構成を説明すると、マフラー付帽子1は、人体300の少なくとも頭部301を覆う帽子部10と、人体300の首部302に巻き付けるためのマフラー部20とを有している。すなわち、帽子部10は、人体300の前頭部301aと後頭部301bを含む頭部301および人体300の耳部303を含む人体300の顔部304の両側部を覆い、マフラー部20は、人体300の首部302を覆うことができる(帽子部10は、前部10c1の開口10´から顔部304の前部側を露出させることができる)。
【0022】
マフラー部20は、帽子部10の側部10aの下端部10a´側に設けられ、マフラー部20の長さ寸法Xは、帽子部10の側部10aの下端部10a´側の周縁長Yよりも長尺な長さ寸法となっている(帽子部10の側部10aの下端部10a´側の周縁長Yは、図1乃至図3において、帽子部10の右側部10a1の下端部10a1´側の前後方向の幅寸法B1と帽子部10の左側部10a2の下端部10a2´側の前後方向の幅寸法B2を加えた寸法である)。
【0023】
より詳しくは、マフラー部20は、帽子部10の側部10aの下端部10a´側から縫い目がない状態で連続するように下方に延びている。また、マフラー部20は、帽子部10の側部10aの下端部10a´側から下方に長尺かつ帯状に突出して延びるように設けられている。更に、マフラー部20は、帽子部10の側部10aの下端部10a´側から下方に垂れ下がるように延びている。更にまた、マフラー部20は、環状の形状となっており、マフラー部20の環状の形状は、U字状の形状とすることができる(図4および図5に示すように、マフラー付帽子1は上部側に帽子部10を有するため上部側も連続する環状の形状となっている)。
【0024】
すなわち、マフラー部20は、U字状の形状の一方より詳しくは右方の基端部(上端部)20a1側が、帽子部10の右側部10a1の下端部10a1´側と縫い目がない状態で滑らかに連続するように設けられている。また、マフラー部20は、U字状の形状の他方より詳しくは左方の基端部(上端部)20a2側が、帽子部10の左側部10a2の下端部10a2´側と縫い目がない状態で滑らかに連続するように設けられている。更に、マフラー部20は、U字状の中間部をなす突出端部(下端部)20a3側が下方に垂れ下がるように構成されている。
【0025】
ここで、帽子部10は、該帽子部10の右側部10a1の後部10b1より詳しくは後端縁部10b1の下端部10b1´´側と左側部10a2の後部10b2より詳しくは後端縁部10b2の下端部10b2´´側との間つまり帽子部10の後部10b(後端縁部10b1)全体の下端部10b´´側の中央部10b´´´にスリット30を有している。スリット30は、下方から上方に向かって切り込まれるように形成されている。
【0026】
すなわち、帽子部10のスリット30の上端部31からマフラー部20の後部20bの基端部(上端部)20a1´,20a2´側にかけての後端縁部40側がS字状の滑らかな曲線をもって形成されている。また、マフラー部20の後部20bの基端部(上端部)20a1´,20a2´側には、後方から前方に向かって窪む窪み部50が形成されている。窪み部50は、後方から前方にかけて円弧状で凹状に食い込むように(後方から前方に向かって絞るように、または後方から前方に向かって縊れるように)形成することができる。窪み部50は、S字状の後端縁部40における下部側の円弧状の凹部41とすることができる。マフラー部20は、前後方向の幅寸法Aが上方(基端部(上端部)20a1,20a2側)から中間部にかけては漸次増加するように形成され、中間部から突出端部20a3にかけては略同一の寸法をもって形成されている。
【0027】
また、帽子部10は、中間部に至るまでは下方から上方に行くにしたがって前後方向の幅寸法Bが漸次増加するように形成されている。更に、帽子部10は、右側部10a1の後部10b1(後端縁部10b1)の上部10b1´側および左側部10a2の後部10b2(後端縁部10b2)の上部10b2´側が円弧状に外側に突出し丸みを帯びた形状に形成されている。
【0028】
更にまた、帽子部10は、右側部10a1の前部10c1より詳しくは前端縁部10c11の上端部10c1´側および左側部10a2の前部10c2より詳しくは前端縁部10c21の上端部10c2´側が前方に突出するように形成されている。
【0029】
すなわち、帽子部10の右側部10a1の前部10c1側より詳しくは前端縁部10c11側の下端部10c1´´側とマフラー部20の前部20c側より詳しくは前端縁部20c側の右方の基端部(上端部)20a1´´側および帽子部10の左側部10a2の前部10c2側より詳しくは前端縁部10c21側の下端部10c2´´側とマフラー部20の前部20c側より詳しくは前端縁部20c側の左方の基端部(上端部)20a2´´側は、滑らかな曲線をもって縫い目がない状態で弓状(円弧状)に連続するように形成されている。
【0030】
すなわち、凹状に僅かに窪む弓状の中間部60が、帽子部10の右側部10a1の前部10c1側(前端縁部10c11側)の下端部10c1´´側、帽子部10の左側部10a2の前部10c2側(前端縁部10c21側)の下端部10c2´´側、およびマフラー部20の前部20c側(前端縁部20c側)の基端部(上端部)20a1´´,20a2´´側に位置している(弓状の中間部60は、前方から後方に向かって僅かに縊れるように形成されている、また、中間部60は、マフラー部20の前部20c側の窪み部として機能する)。弓状の中間部60は、マフラー部20の後部20b側に形成される窪み部50よりも上方側に位置している。マフラー部20の基端部(上端部)20a1,20a2側は、窪み部50および弓状の中間部60により絞られるように形成されている。
【0031】
なお、帽子部10の右側部10a1、マフラー部20、および帽子部10の左側部10a2は、表地1a側および裏地1b側をそれぞれ一枚の生地を用いて形成することができる。
【0032】
すなわち、マフラー付帽子1を形成する前の一枚の生地においては、帽子部10の右側部10a1の下端部10a1´側とマフラー部20の一方(右方)の基端部(上端部)20a1側が連続するとともに、マフラー部20の他方(左方)の基端部(上端部)20a2側と帽子部10の左側部10a2の下端部10a2´側が連続し、帽子部10の上部10b1´,10c1´,10b2´,10c2´側つまり帽子部10の右側部10a1の後部10b1(後端縁部10b1)の上部10b1´側および前部10c1の上端縁部10c1´´´と左側部10a2の後部10b2(後端縁部10b2)の上部10b2´側および前部10c2の上端縁部10c2´´´側を非連続とすることができる。すなわち、マフラー部20は、帽子部10の側部10aの下端部10a´側から連続して下方に延びることにより、表地1a側および裏地1b側それぞれ一枚の生地を用いて形成することができる。そして、マフラー付帽子1を一枚の生地を用いて形成することにより、角張った形状をとる必要が少なくなる等、マフラー部20を、容易に滑らかな曲線をもって形成することができる。
【0033】
そして、一枚の生地において帽子部10の右側部10a1の後部10b1(後端縁部10b1)の上部10b1´側および前部10c1の上端縁部10c1´´´側と左側部10a2の後部10b2(後端縁部10b2)の上部10b2´側および前部10c2の上端縁部10c2´´´側を連結させることにより帽子部10およびマフラー部20が装着可能な構成とすることができる。
【0034】
帽子部10の右側部10a1の後部10b1(後端縁部10b1)の上部10b1´側および前部10c1の上端縁部10c1´´´側と左側部10a2の後部10b2(後端縁部10b2)の上部10b2´側および前部10c2の上端縁部10c2´´´側の連結は、右側部10a1の後部10b1(後端縁部10b1)の下端部10b1´´側と左側部10a2の後部10b2(後端縁部10b2)の下端部10b2´´側が非連結となるように行い、帽子部10の右側部10a1の後部10b1(後端縁部10b1)の上部10b1´側および前部10c1の上端縁部10c1´´´側と帽子部10の左側部10a2の後部10b2(後端縁部10b2)の上部10b2´側および前部10c2の上端縁部10c2´´´側を連結させたときに、非連結となる部分が帽子部10の右側部10a1の後部10b1(後端縁部10b1)の下端部10b1´´側と左側部10a2の後部10b2(後端縁部10b2)の下端部10b2´´側との間つまり帽子部10の後部10b(後端縁部10b)全体の下端部10b´´側の中央部10b´´´に形成されるスリット30とすることができる。
【0035】
このように構成された本実施形態のマフラー付帽子1の着用方法を図7乃至図13に基づいて説明する。
すなわち、まずマフラー部20の後部20b側の開口20b´から、頭部301を挿通する(マフラー部20は、帽子部10の側部10aの下端部10a´から下方に延びるように形成されるため、後部20b側に開口20b´を比較的大きく形成することができ、後部20b側の開口20b´から、頭部301を挿通し易い)。続いて、図7に示すように、頭部301に帽子部10を覆った状態としつつ、長尺なマフラー部20を人体300の前方側の下方に垂れ下がった状態とする。
【0036】
次いで、図8および図9に示すように、マフラー部20を首部302に巻き付けるために、マフラー部20の突出端部20a3側の位置を前方側において下方側から前方側に移動させる。この移動においては、帽子部10が、該帽子部10の後部10b全体の下端部10b´´側の中央部10b´´´にスリット30を有することにより、マフラー部20を首部302に巻き付けるために、帽子部10の右側部10a1および左側部10a2から下方に延びるマフラー部20の突出端部20a3側の位置を下方側から前方側に移動させたときに、図10に示すように、スリット30の間隔が離間し、マフラー部20の突出端部20a3側の位置の下方側から前方側への移動をスムーズに行うことができる。また、マフラー部20の突出端部20a3側の位置を下方側から前方側に移動させたときにスリット30の間隔が離間するため、マフラー部20の前方側への突出量を離間した分増加させることができ、結果的にマフラー部20が無用に長くなることを抑制することができる。
【0037】
続いて、図11および図12に示すように、マフラー部20を前方側において八の字状に交差させた状態とする。続いて、八の字状の交差部分21の前方側の環状部分21aを後方側に回してマフラー部20を首部202に巻き付けた状態とする。この場合にあっては、図13に示すように、マフラー部20は、交差部分21が前部側となるように巻き付けられる。
【0038】
以上説明したように、本発明によれば、マフラー部20は、帽子部10の下端部10a´側に設けられ、帽子部10の下端部10a´側の周縁長よりも長尺な長さ寸法とすることにより、帽子部10よりも長尺なマフラー部20を有するマフラー付帽子1を提供することができる。これにより、首部302への巻き付け状態を調整することが可能となる。
【0039】
また、帽子部10のスリット30の上端部31からマフラー部20の後部20bの基端部(上端部)20a1´,20a2´側にかけての後端縁部40側が所定の曲線をもって形成されていることにより、後端縁部40側が首部202や肩部205に無駄なくフィットし易することができる。また、後端縁部40側が首部302や肩部305にフィットし易くなることにより、首部202や肩部205でマフラー付帽子1を構成する生地がだぶつくように装着されることを抑制することができる。
【0040】
更に、マフラー部20に窪み部50が形成されることにより、例えばマフラー部20を八の字として首部302に交差させながら巻き付けるときに、窪み部50を介して交差させ易くすることができる。また、交差部分21が細くなるためマフラー部20の長さも短くすることができる。
【0041】
更にまた、帽子部10は、下方から上方に行くにしたがって前後方向の幅寸法Bが漸次増加するように形成されるとともに、後部10b1,10b2(後端縁部10b1,10b2)の上部10b1´,10b2´側が円弧状に外側に突出し丸みを帯びた形状に形成されることにより、帽子部10の後部10b1,10b2(後端縁部10b1,10b2)の上部10b1´,10b2´側を頭頂部の後部側にフィットし易くすることができる。更にまた、帽子部10は、前部10c1,10c2(前端縁部10c11,10c21)の上端部10c1´,10c2´側が前方に突出するように形成されることにより、帽子部10の前部10c1,10c2(前端縁部10c11,10c21)の上端部10c1´,10c2´側を手で摘まんで前方に引っ張りながら帽子部10の装着状態を容易に調整することができる。
【0042】
また更に、帽子部10の前部10c1,10c2(前端縁部10c11,10c21)側の下端部10c1´´,10c2´´側とマフラー部20の前部20c側の基端部(上端部)20a1´´,20a2´´側は、所定の曲線をもって連続することにより、例えばマフラー部20を八の字として首部202に交差させながら巻き付けるときに、交差させ易くすることができる。また、弓状の中間部60がマフラー部20の後部20b側に形成される窪み部50よりも上方側に位置することにより、マフラー部20を更に交差させ易くすることができる。更に、交差部分21が細くなるためマフラー部20の長さも短くすることができる。
【0043】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることなく種々の変形実施、応用実施が可能であることは勿論である。
例えば、上述した実施形態においては、帽子部10は、該帽子部10の後部10b(後端縁部10b1)の下端部10b´´側の中央部10b´´´にスリット30を有することとしているが、図14に示すマフラー付帽子2のようにスリット30に代えて上方に向かって所定に窪む窪み部35を有することとしてもよい。窪み部35は、帽子部10の後部10b(後端縁部10b1)の下端部10b´´側の中央部10b´´´が所定に欠損するように形成することができる。つまり、窪み部35は、下方から上方にかけて所定の空間が凹状に食い込むように滑らかな円弧状の曲線をもって形成することができる。また、図14の変形例においても帽子部10の窪み部35の上端部36からマフラー部20の後部20bの基端部(上端部)20a1´,20a2´側にかけての縁部40側が所定のS字状の滑らかな曲線をもって形成することができる。窪み部35は、曲線状、直線状、角形状等各種の形状を採用することができる。
また、マフラー部20の前後の窪み(窪み部50、弓状の中間部60)は滑らかな曲線をもって形成されることとしているが、直線状や角形状更にはスリット状等その他の様々な形態をもって窪むこととしても所要の効果を奏する。ただし、マフラー部20の前後の窪み(窪み部50、弓状の中間部60)は滑らかな曲線をもって形成されることとした方が、より交差させ易くより好ましい実施形態となる。
【0044】
また、上述した実施形態においては、マフラー部20の下方に延びる構成、スリット30または窪み部35、S字状の構成、窪み部50,弓状の構成のいずれも含むこととしているがいずれかのみとしても本発明の効果を所要に奏することができる。
更に、本発明のマフラー付帽子1は、表地1aと裏地1bを反転させて表地1aを裏地として、裏地1bを表地として使用することができる。つまり、マフラー付帽子1は、リバーシブルな使用をすることができるように構成されている。
更にまた、本発明のマフラー付帽子1においては、マフラー部20の長さを短くすることができるため、図15に示すように、帽子部10の後部10b(後端縁部10b1)の下端部10b´´を首部302に引っ掛けるように装着しストールとしても使用することができる。
【0045】
[比較例1]
図16および図17に本発明の比較例1を示す。本発明の比較例1に係るマフラー付帽子3は、帽子部100に対してマフラー部200が前方側に直交するように延びる構成を示している。マフラー付帽子3においては、帽子部100とマフラー部200とが直交するように延びる構成としているため、表生地および裏生地において一枚の生地で形成することが難しく、帽子部100においては、表生地および裏生地ともにそれぞれ右側部100a、左側部100bを形成するための4枚の生地を要し、マフラー部200においても、表地および裏地ともにそれぞれ右側部200a、左側部200bを形成するための4枚の生地を要している。これに対し、上述した実施形態においては、マフラー部20は、滑らかな曲線をもって帽子部10の側部10aの下端部10a´側から連続して下方に延びることとしており、表地1a側および裏地1b側をそれぞれ一枚の生地を用いて形成することができ、製造コストの削減を図ることができる。
【0046】
また、比較例1に係るマフラー付帽子3においては、首部302や肩部205でマフラー付帽子3を構成する生地がだぶつくように装着されてしまい、装着時に違和感を覚えることがあるが、上述した実施形態においては、帽子部10のスリット30の上端部31からマフラー部20の後部20bの基端部(上端部)20a1´,20a2´側にかけての後端縁部40側がS字状の滑らかな曲線をもって形成されていることにより、後端縁部40側が首部302や肩部305に無駄なくフィットし、首部302や肩部305でマフラー付帽子1を構成する生地がだぶつくように装着されることを抑制することができる。
【0047】
[比較例2]
図18に本発明の別の比較例を示す。本発明の別の比較例に係るマフラー付帽子4は、帽子部110の後部110b側のスリットを省略した構成を示している。マフラー付帽子4は、後部110bのスリットを省略する構成としているため、マフラー部210の突出端部210a3側の位置を下方側から前方側への移動をスムーズに行うことが難しい。これに対し上述した実施形態においては、マフラー部20の突出端部20a3側の位置を下方側から前方側に移動させたときに、スリット30の間隔を離間するようにすることができ、マフラー部20の突出端部20a3側の位置の下方側から前方側への移動をスムーズに行うことができる。
【0048】
また、マフラー付帽子4においては、後部110bのスリットを省略する構成としているため、マフラー部210の前方側への突出量を増加させることできず、結果的にマフラー部210の長さが長くなる。これに対して上述した実施形態においては、マフラー部20の突出端部20a3側の位置を下方側から前方側に移動させたときにスリット30の間隔が離間するため、マフラー部20の前方側への突出量を離間した分増加させることができ、マフラー部20が無用に長くなることを抑制することができる。
【0049】
[比較例3]
図19に本発明の更に別の比較例を示す。本発明の更に別の比較例に係るマフラー付帽子5は、マフラー部220の窪み部50を省略した構成を示している。マフラー付帽子5においては、窪み部50を省略する構成としているため、マフラー部220を八の字として首部302に交差させながら巻き付けるときに、交差させ辛い。また、窪み部50を省略することにより、交差部分が太くなり、結果的にマフラー部220の長さが長くなる。これに対し上述した実施形態においては、マフラー部20の後部20bの基端部(上端部)20a1´,20a2´側に前方に向かって窪む窪み部50が形成され、窪み部50は、S字状の後端縁部40における下部側の凹部41側とすることにより、マフラー部20を八の字として首部302に交差させながら巻き付けるときに、窪み部50を介して交差させ易くすることができる。また、交差部分21が細くなるためマフラー部20の長さも短くすることができる。
【0050】
[比較例4]
図20は本発明のまた更に別の比較例を示す。本発明のまた更に別の比較例に係るマフラー付帽子6は、帽子部130の前部130c1,130c2側の下端部130c1´´,130c2´´側とマフラー部230の前部230c側の基端部(上端部)230a1´´,230a2´´側は、直線状に連続する構成となっている。マフラー付帽子6においては、帽子部130の前部130c1,130c2側の下端部130c1´´,130c2´´側とマフラー部230の前部230c側の基端部(上端部)230a1´´,230a2´´側を直線状に連続する構成としているため、マフラー部230を八の字として首部302に交差させながら巻き付けるときに、交差させ辛い。また、交差部分が太くなるため、結果的にマフラー部230の長さが長くなる。これに対し上述した実施形態においては、帽子部10の前部10c1,10c2(前端縁部10c11,10c21)側の下端部10c1´´,10c2´´側とマフラー部20の前部20c側の基端部(上端部)20a1´´,20a2´´側は、滑らかな曲線をもって弓状に連続するとともに、弓状の中間部60が、帽子部10の前部10c1,10c2(前端縁部10c11,10c21)側の下端部10c1´´,10c2´´側およびマフラー部20の前部20c側の基端部(上端部)20a1´´,20a2´´側に位置することにより、マフラー部20を八の字として首部202に交差させながら巻き付けるときに、スリット30を介して交差させ易くすることができる。また、交差部分21が細くなるためマフラー部20の長さも短くすることができる。
【0051】
更に、マフラー付帽子6においては、帽子部130の前部130c1,130c2の上端部130c1´,130c2´側が前方に突出するように形成されておらず、帽子部130の前部130c1,130c2の上端部130c1´,130c2´側を手で摘まんで前方に引っ張りながら帽子部130の装着状態を容易に調整することが難しい。
【0052】
これに対し上述した実施形態においては、帽子部10の前部10c1,10c2(前端縁部10c11,10c21)の上端部10c1´,10c2´側が前方に突出するように形成されることにより、帽子部10の前部10c1,10c2(前端縁部10c11,10c21)の上端部10c1´,10c2´側を手で摘まんで前方に引っ張りながら帽子部10の装着状態を容易に調整することができる。
【符号の説明】
【0053】
A,B,B1,B2:幅寸法
X:長さ寸法
Y:周縁長
1:マフラー付帽子
2:マフラー付帽子
3:マフラー付帽子
4:マフラー付帽子
5:マフラー付帽子
6:マフラー付帽子
1a:表地
1b:裏地
10:帽子部
10´:開口
10a:側部
10a´:下端部
10a1:右側部
10a1´:下端部
10a2:左側部
10a2´:下端部
10b:後部
10b´´:下端部
10b´´´:中央部
10b1:後部(後端縁部)
10b1´:上部
10b1´´:下端部
10b2:後部(後端縁部)
10b2´:上部
10b2´´:下端部
10c1:前部
10c11:前端縁部
10c1´:上端部
10c1´´:下端部
10c1´´´:上端縁部
10c2:前部
10c21:前端縁部
10c2´:上端部
10c2´´:下端部
10c2´´´:上端縁部
20:マフラー部
20a1:基端部(上端部)
20a1´:基端部(上端部)
20a1´´:基端部(上端部)
20a2:基端部(上端部)
20a2´:基端部(上端部)
20a2´´:基端部(上端部)
20a3:突出端部(下端部)
20b:後部
20b´:開口
20c:前部(前端縁部)
21:交差部分
21a:交差部
30:スリット
31:上端部
35:窪み部
36:上端部
40:後端縁部
41:凹部
50:窪み部
60:中間部
100:帽子部
100a:右側部
100b:左側部
110:帽子部
110b:後部
130:帽子部
130c1:前部
130c1´:上端部
120c1´´:下端部
130c2:前部
130c2´:上端部
130c2´´:下端部
200:マフラー部
200a:右側部
200b:左側部
210:マフラー部
210a3:突出端部
220:マフラー部
221:交差部分
230:マフラー部
230a1´´,230a2´´:基端部
230c:前部
231:交差部分
300:人体
301:頭部
301a:前頭部
301b:後頭部
302:首部
303:耳部
304:顔部
【要約】
【課題】帽子部よりも長尺なマフラー部を有するマフラー付帽子を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係るマフラー付帽子1は、少なくとも頭部301を覆う帽子部10と、首部303に巻き付けるためのマフラー部20と、を有するマフラー付帽子1であって、マフラー部20は、環状をなしている。マフラー部20は、帽子部10の下部側に設けられ、帽子部10の下部側の周縁長よりも長尺な長さ寸法とし、帽子部10の側部10aの下部側から連続して下方に延びるように設けられる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20