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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-16
(45)【発行日】2023-02-27
(54)【発明の名称】電気刺激装置
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/36 20060101AFI20230217BHJP
【FI】
A61N1/36
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019559417
(86)(22)【出願日】2018-01-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-02-20
(86)【国際出願番号】 IB2018050299
(87)【国際公開番号】W WO2018134753
(87)【国際公開日】2018-07-26
【審査請求日】2020-10-19
(31)【優先権主張番号】102017000005161
(32)【優先日】2017-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】519253465
【氏名又は名称】ビクトル エス.アール.エル.
【氏名又は名称原語表記】VIKTOR S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】テレホフ,ビクトル
【審査官】菊地 康彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/013067(WO,A1)
【文献】国際公開第2006/045397(WO,A1)
【文献】特表2006-503658(JP,A)
【文献】特開2011-110117(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0148873(US,A1)
【文献】特開平04-224772(JP,A)
【文献】特開2006-020947(JP,A)
【文献】国際公開第2016/125312(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの電極(30)をそれぞれ具備した複数の電気刺激チャネル、及び、前記電気刺激チャネルに電気的に接続されると共にユーザによって設定され得る電気刺激プログラムに従って動作する装置(50)を用いた、運動選手の運動能力を改善するための、少なくとも1つの筋肉群の電気刺激方法であって、
前記少なくとも1つの筋肉群は複合動作の実行を担い得るものであり、
当該方法は、以下のステップ、即ち、
前記少なくとも1つの筋肉群の筋肉の各々に対し、少なくとも1つの電極をそれぞれ具備した電気刺激チャネルをユーザが手動で関連付けるステップであって、各電気刺激チャネルは、それぞれの筋肉に両極性電気パルスを送るのに適している、ステップと、
ユーザにより電気刺激プログラムのパラメータを設定する設定ステップであって、当該設定ステップは、前記電気刺激チャネルのすべてに対し、繰り返し可能な刺激期間(P)を定義する同じサイクル時間(ΔTSEQ)を決定することを含み、前記刺激期間(P)内では、各チャネルがそれ独自の刺激シーケンスを実行する、設定ステップと、
ユーザによってパラメータが設定された電気刺激プログラムに従って、前記装置(50)により前記電気刺激チャンネルを介して前記少なくとも1つの筋肉群に対する電気刺激を実行するステップと、
を備えてなり、
前記設定ステップでは、各刺激期間(P)は、等しい持続時間の2つの半期(T,T)に細分されると共に、各半期が、同じ持続時間の複数のサブ間隔(SI)に細分され、
前記サブ間隔(SI)のうちの少なくとも1つは、1つ以上のパルスパケット(12,12’)を含むパルスの基本シーケンスが行われる刺激サブ間隔であり、各パルスパケットが、個々の両極性電気パルスの所定のシーケンスによって与えられるものであり、
各チャネルの各刺激期間(P)は、基本パルスシーケンスのない半期を有すると共に、少なくとも1つの刺激サブ間隔を持った他の半期を有するものであり
当該方法は更に、
少なくとも1つの四肢又は四肢部に適用されたセンサベースの監視システムを通じて、運動選手によって行われる動作のサイクルの持続時間を検出するステップと、
前記電気刺激プログラムのサイクル時間を、前記監視システムによって検出される動作サイクルの持続時間と比較するステップと、それらが不一致の場合に、
前記電気刺激プログラムのサイクル時間を、前記監視システムによって検出された動作サイクルの持続時間に適合させるように調節するステップと、
を備えてなる、ことを特徴とする電気刺激方法。
【請求項2】
各刺激サブ間隔内でのパルスパケットの数および各パルスパケットのパルスの数は、すべてのチャネルに対して同じである、請求項1に記載の電気刺激方法。
【請求項3】
1つのチャネルの刺激期間の刺激サブ間隔の数および/または時間的分布は、少なくとも1つの他のチャネルの刺激サブ間隔の数および/または時間的分布とは異なる、請求項1又は2に記載の電気刺激方法。
【請求項4】
刺激期間が2つ以上の刺激サブ間隔を有する場合、前記刺激サブ間隔は連続的である、請求項1~3のいずれか一項に記載の電気刺激方法。
【請求項5】
1つのチャネルのパルスの振幅は、少なくとも1つの他のチャネルのパルスの振幅とは異なる、請求項1~4のいずれか一項に記載の電気刺激方法。
【請求項6】
チャネルの刺激シーケンスの最初のパルスまたは最後のパルスの振幅は、残りのパルスの振幅よりも著しく大きい、請求項1~5のいずれか一項に記載の電気刺激方法。
【請求項7】
前記電気刺激チャンネルのうちの一つが、前記電気刺激プログラムの開始後、最初に、対応する筋肉群に電気刺激を送る「リーダーチャネル」であり、
前記リーダーチャネルが活性化されると、当該方法の被検者に対し音響信号および/または視覚信号が送られる、請求項1~6のいずれか一項に記載の電気刺激方法。
【請求項8】
前記電気刺激プログラムのサイクル時間の調節は、各サブ間隔の持続時間を再計算および再設定することによって行われる、請求項1~7のいずれか一項に記載の電気刺激方法。
【請求項9】
少なくとも1つの筋肉群を刺激するための電気刺激装置であって、
前記少なくとも1つの筋肉群は複合動作の実行を担い得るものであり、
当該装置は、
少なくとも1つの電極(30)をそれぞれ具備した複数の電気刺激チャネルであって、各電気刺激チャネルがそれぞれの筋肉に両極性電気パルスを送るのに適している、複数の電気刺激チャネルと、
電気パルスのシーケンスを生成するのに適した少なくとも1つの動力盤(102)と、
少なくとも1つの電気刺激プログラムが記憶される記憶手段と、
前記記憶手段内に記憶された電気刺激プログラムに従って前記動力盤を制御するのに適した電子制御ユニット(106)と、
を備えており、
前記電気刺激プログラムは、電気刺激チャネルごとに、同じサイクル時間(ΔTSEQ)を有する刺激期間(P)の繰り返しを命ずるものであり、各刺激期間(P)内では、チャネルごとにそれ独自の刺激シーケンスが定義され、
各刺激期間(P)は、等しい持続時間の2つの半期(T,T)に分けられており、
各半期は、等しい持続時間の複数のサブ間隔(SI)に分けられており、
このようなサブ間隔(SI)の少なくとも1つは、1つ以上のパルスパケット(12,12’)を含むパルスの基本シーケンスが行われる刺激サブ間隔であり、
各パルスパケットは、個々の両極性電気パルスの所定のシーケンスによって与えられるものであり、
当該装置は更に、
少なくとも1つの四肢又は四肢部に適用可能であり、且つ、少なくとも1つの筋肉群による複合動作の実際の持続時間を検出すると共にその持続時間を示す信号を生成するのに適した少なくとも1つのセンサを備えており、
前記電子制御ユニットは、前記少なくとも1つのセンサによって生成された前記信号を受信するのに適していると共に、
・ 前記電気刺激プログラムのサイクル時間を、前記少なくとも1つのセンサによって検出された前記複合動作の実際の持続時間と比較し、それらが不一致の場合に、
・ 前記電気刺激プログラムのサイクル時間を、前記少なくとも1つのセンサによって検出された前記複合運動の実際の持続時間に適合させるように自動的に調節する、
ように構成されている、ことを特徴とする電気刺激装置。
【請求項10】
各動力盤は、両極性電気パルスの対称で且つ矩形のシーケンスを生成するのに適しており、矩形波からなる各両極性パルスは、等しい持続時間の2つの半期に分けられたパルス周期を有し、一方が正の振幅であり、他方が負の振幅である、請求項9に記載の電気刺激装置。
【請求項11】
各刺激サブ間隔内でのパルスパケットの数および各パルスパケットのパルスの数は、すべてのチャネルに対して同じである、請求項9又は10に記載の電気刺激装置。
【請求項12】
一つのチャネルの刺激期間の刺激サブ間隔の数および/または時間的分布は、少なくとも1つの他のチャネルの刺激サブ間隔の数および/または時間的分布とは異なる、請求項9~11のいずれか一項に記載の電気刺激装置。
【請求項13】
前記電気刺激チャネルのうちの1つに選択的に作動接続可能な音響信号および/または視覚信号を生成するための生成手段を備えており、
前記電気刺激チャンネルのうちの一つが、前記電気刺激プログラムの開始後、最初に、対応する筋肉群に電気刺激を送る「リーダーチャネル」であり、
前記リーダーチャネルが活性化されると、前記生成手段により、電気刺激処置を受ける被検者に知覚可能な音響信号および/または視覚信号が生成される、
請求項9~12のいずれか一項に記載の電気刺激装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合動作の実行を担い得る少なくとも1つの筋群(筋肉群、muscle group)の電気刺激の方法および装置に関する。
【0002】
提案する電気刺激方法および装置は、神経筋系、高齢者の健康維持、および高いレベルの運動トレーニング向けの電気生理学的トレーニングに関連する問題を取り扱うことを目的とする。
【0003】
具体的には、電気刺激方法および装置は、以下の用途(に使用される):
【0004】
脳卒中後を含む機能喪失からの回復段階での神経筋疾患、脊髄損傷、ならびに抹消および中枢神経系の処置、
【0005】
すべての術後の矯正整形外科変異の処置、
【0006】
運動系および老齢に関連した問題の機能的修復、
【0007】
速さおよび耐久力のために訓練する特殊化した高レベルのスポーツトレーニング、
【0008】
特定のトレーニングによる神経筋外傷の予防、
【0009】
運動中の機能的監視、に使用される。
【背景技術】
【0010】
人体、およびより具体的には神経筋系は、非常に複雑であり、関節結合されているが、機能および刺激の両方は、電気的伝達の法則を受ける。実際には、神経インパルスが移動し、主要な伝達媒体として電位差を利用する。
【0011】
神経系、脳または脊髄が、事故の結果として、または脳卒中により機械的に外傷を受けると、損傷した局部構造を保護するために、脊髄ショックタイプの防御機構が自動的に働き始め、損傷部位を縮小する傾向があるが、同時に影響を受けた構造をあらゆる中枢制御から分離する。
【0012】
あらゆる生物がより少ないエネルギー消費に向かう傾向がある自然の原理に従うことによって、損傷部位は、言うなれば分離され、それ故にその人から事故前にその人によって自発的に正常に制御された身体の器官および部位の制御を奪う。
【0013】
自然治癒が強力な方法で現れる症例はまれであり、外傷後に状態が変化せず、最良の場合、安定した状態を保つという状態が数多くある。
【0014】
この改善の欠落は、明らかに、一部は外傷の重症度によるものであり、一部は現在実施されているリハビリテーション治療の有効性の不足および欠如によるものである。
【0015】
特にスポーツトレーニングに関して、最大の成果を達成することに集中した近代スポーツがますます高いレベルでの運動トレーニングに対する要求を示していることは周知である。運動選手は、少なくとも2時間を技術および強さの向上に費やすことを含め、1日に少なくとも6~8時間を集中トレーニングに費やさなければならない。このような運動は、運動選手にすべての精神的かつ肉体的潜在力を発揮することを求める。確かに、多くの運動選手がこのような要求を満たすことができず、プロスポーツに専念することを望む運動選手の大多数は、彼らの運動トレーニングが必要な要件を満たさないため、所望の結果を達成しない。
【0016】
ほとんどの場合、スポーツ能力を評価するための主要なパラメータは、強さ、速さ、持久力、および運動動作の反復確実性である。
【0017】
上記の特質は様々なスポーツに対して、運動選手のトレーニング中に成長させられる。
【0018】
このような準備は通常、集学的手法を通じて、時間をかけて繰り返された運動、様々な筋群によって絶えず行われた運動に基づいている。
【0019】
強さを高めることを目的としたトレーニングのこの種の単調さは主に、重量挙げの備品の使用を特徴とする。しかし、この手法は、すぐに疲労を引き起こし、回復を遅らせ、運動選手の競争心を維持するのに必要なやる気を減少させる。
【0020】
実際には、FES(機能的電気刺激)として知られた機能的電気刺激器具は既知であり、使用されている。しかし、この器具の使用は、電気刺激の実質的に受動的適用に基づいており、末梢神経系を標的とする作用を可能にしない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【文献】(特になし)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
しかし、出願人によれば、動作を作り出すために我々の身体によって通常使用される信号と同様に神経系によって認識できる電気刺激を提供することが必要である。
具体的には、受動的電気刺激、すなわち動作のないことは、筋収縮を制御する感覚系の間の情報不一致を引き起こすことにより、生理学的ではない。
【0023】
このような受動的電気刺激時に、筋肉受容体によって提供される情報と、固有受容性関節センサによって提供される情報との間に不一致が生じる。
【0024】
更に、神経筋系の働きのパラメータを考慮しない不十分な電気刺激により、アセチルコリンの生化学的蓄えが使い果たされ、終板のレベルでの筋線維の活性化過程が侵害される。
【0025】
本発明の目的は、従来技術による電気刺激方法の上記の限界を克服することができ、具体的には動作を作り出すために我々の身体によって通常使用される信号と同様に神経系によって認識できる電気刺激信号を生成することができる電気刺激方法および電気刺激装置を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0026】
上記目的は、請求項1に記載の電気刺激方法および請求項9に記載の電気刺激装置によって実現される。従属請求項は、本発明の好ましい実施形態を説明している。
【0027】
しかし、本発明による電気刺激方法および装置の特性および利点は、添付の図面を参照しながら、暗示的かつ非限定的な例として提供される好ましい実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】電気刺激に使用される両極性パルスの一例を示す図である。
図2】パルスパケットの2つの例を示す図である。
図3】電気刺激プログラムのサイクルに対して、使用される16個の電気刺激チャネルのパルスパケットシーケンスを示す図である。
図4】人体において16対の電極を同数の筋群に適用することを示す図である。
図5】16個の電気刺激チャネルごとに、歩行に関連した運動プログラムの刺激シーケンスを表す表を示す図である。
図5a】16個の電気刺激チャネルごとに、走行に関連した運動プログラムの刺激シーケンスを表す表を示す図である。
図5b】16個の電気刺激チャネルごとに、スクワット運動に関連した運動プログラムの刺激シーケンスを表す表を示す図である。
図6】運動作用の2段階において「歩行」運動プログラムに関わる筋群に適用された電極の対を示す図である。
図7】本発明に従う電気刺激装置の正面図である。
図8】バックプレーンに接続された動力盤(power board)を示す図である。
図9】ユーザインタフェースを示す図である。
図10】マイクロプロセッサ制御ユニットのブロック図である。
【0029】
(なし)
【0030】
(なし)
【0031】
(なし)
【0032】
(なし)
【0033】
(なし)
【0034】
(なし)
【0035】
(なし)
【0036】
(なし)
【0037】
(なし)
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明の基礎は、動作の繰り返しにより、(自動化された)分節レベルまでの連続制御機構の最適化に達するという仮説である。この動作制御システムにより、最小エネルギーコストでの最高効率を最高の速度且つ精度で運動タスクに取り組むことを可能にする。
【0039】
好ましい実施形態では、本発明による電気刺激方法を用いて行われる動作プログラムは、同期した筋肉の電気刺激を提供し、その間、プログラムされた周期的動作を行う。このプログラムは、動作の多筋運動記録の設計で作成され、各筋肉が瞬間に活性化される。
【0040】
具体的には、本発明による方法を実施する電気刺激プログラムを作成する基礎として、特定の運動を行うことにおいて高い運動能力を有する健康な運動選手の生体力学的かつ多筋運動記録的な特徴を考慮した。各運動の筋運動記録は、記録したデータのその後の総合解析処理を有する最新の16個のチャネルの筋運動記録システムを用いて行った。
【0041】
したがって、複合動作を行うのに必要な筋群の同期した動作のために作成されたすべての電気刺激プログラムは、同じ運動の生理学的かつ生体学的モデルに対応する。
【0042】
提案する電気刺激方法により、特定の刺激プログラムによって、歩行、走行、跳躍、屈曲など、既知の最も重要な周期的動作を再現させることが有利である。
【0043】
この動作は、任意のリズム、例えば0.2~10秒の周波数で行うことができる。
【0044】
提案する方法により、プログラムした機能を行う筋肉に特有の収縮時に電気刺激を行うことができる。このように、電気刺激方法は、「生理学的」、すなわち我々の身体によって動作を作り出すために通常使用される信号と同様に神経系によって認識可能と考えることができる。
【0045】
運動中に、筋肉の収縮が増加するだけでなく、同時に関連の感覚系が活性化される。これは非常に重要であり、その理由は、運動ニューロンの電気的露出とニューロンのプログラミングとの間で協調不一致の場合、大脳皮質までの求心性情報を含む、運動ニューロン系の正常機能が遮断され得るためである。換言すれば、作成された介在ニューロン連結は、新しい動作を身につけることによっても壊れ得る。この否定的事例は、基礎的な生物学的規則に配慮しない既存の電気刺激装置に特有である。
【0046】
これに関して、ヒトの脳の記憶の中には、動作の定型はないが、むしろ動作の制御アルゴリズムは、階層的に従属した神経筋系の合理的使用により所望の結果を得るようにリアルタイムで適合されることに留意するべきである。
【0047】
本発明は、動作の周期的反復が分節レベルで動作制御機構を最適化かつ自動化する概念に基づいている。これは次に、最高効率および最小エネルギー消費を最高の速度かつ精度で運動タスクを解決することを可能にする。
【0048】
体内の各筋群が神経支配され、収縮の機能を担う運動ニューロンが脊髄に見られる。身体の右半分は、左半分と同様に、対応する運動ニューロンによって神経支配され、感覚系は、関連の筋群の働きを刺激し、皮質レベルで脳によって、かつ筋収縮の機能を担う分節および実行レベルで脊髄によって行われる解析との関連で従属(階層)に従ってリアルタイムで情報を伝達する。
【0049】
換言すれば、提案する電気刺激方法は、電気刺激が動作を作り出すのではなく、動作自体の間に行われる。
【0050】
この種の電気刺激を周期的に繰り返される全種類の運動および身体的動作と組み合わせることによって、機能の回復を促進するのに適切な刺激を神経系に提供する適切な融合を獲得する。
【0051】
特に能力の向上のために運動選手の筋肉を刺激する場合、運動選手が所与のプログラムの運動中に、電気刺激プログラムの電気刺激のリズムで自身のリズムまたは筋肉活動に一致させるか、または一致させ続けることができない場合があることを考慮すると、本発明の態様によれば、刺激処置を受ける被検体のリズムに従うように電気刺激リズムを自動的に、すなわち刺激運動を中断することなく修正する可能性を提供する。
【0052】
この目的のために、実質筋収縮モードで電気刺激サイクルを自動的に調整し、同期させる、感覚追跡システムを提供する。
【0053】
機能的電気刺激のこのような適応モードの使用は、共振結合が介在ニューロンと運動ニューロンとの間のシナプス結合を再現するのに役立ち、失われた機能を回復するための条件を作り出すため、神経筋系の長期のトレーニング中だけでなく、リハビリテーションにおいても特に有利である。
【0054】
現在の知見によれば、動作の5つの構造レベルがヒトにおいて識別することができる。すなわち:
【0055】
A 緊張および姿勢レベル
【0056】
B 共同作用レベル(協調的筋収縮)
【0057】
C 感覚レベル
【0058】
D 精神的論理レベル(意味的回路)
【0059】
E 皮質レベルの記号的協調(執筆、言語など)
【0060】
このようなレベルおよびこの感覚的修正、すなわち視覚、聴覚、触覚および固有受容感覚からの感覚入力を通じて空間における自身の位置を確認する能力は、「基礎(basic)」と呼ばれる。
【0061】
より高いレベルの運動制御およびその必須の調節は、「より高いレベル」と呼ばれる。より高いレベルの調節は、計画された調節と比較することによって動作の結果を評価し、過去の経験の論理モデルに基づいて幾つかの修正を行い、動作の感覚制御の解剖学的に組織化されたシステムが見出される有用性において分節レベルまでより低いレベルの実際の容量も提供する。
【0062】
各レベルは、予め設定された機能に対する必要な修正のために特定の組(セット)の器具を有する。
【0063】
より正確には、前述のレベルの各々は、本来の目的を実現し、かつ生物の生存を自動化するために特定の機能を行う独自の解剖学的に組織化された構造を有する。
【0064】
調節の各レベルは解剖学的に組織化された構造に対応し、幅広いプログラムされた機能を行うことを可能にし、また必要に応じて結合した神経構造へのアクセスを保証する。
【0065】
これらのレベルの各々は、中枢神経系において、その感覚運動修正器具によっても特定の解剖学的形成に寄与する。
【0066】
感覚運動自己修正に特有の計器は、特にレベルA、B、Cで解剖学的に存在しており、介在ニューロンレベルでバイオフィードバックの原理に従って、かつシナプス活性化機構、および相互的状況で特殊化した運動ニューロンの抑制によってその機能を果たす。
【0067】
所与のレベルで行われる修正に関する情報は、より高いレベルに属する部分を通じて届き、このレベルでは情報が処理され、新しい運動指令の形態でより低いレベルに向けてリダイレクトされる。
【0068】
ヒト運動活動の多様性は、管理システムによって確保され、特殊化した解剖学的実体を感覚系と結び付ける。
【0069】
人体の運動調節系は、多層の階層制御の原理に従ってヒト中枢神経系の組成に不可欠なループとして進化的適応の過程で生成されており、この運動調節系では、局部レベルおよびより高いレベルで活発な成長を監視することで、各レベルがその機能的タスクによって決定される。
【0070】
提案する電気刺激方法は、このような運動器系の解剖学かつ生理学的法則の機能に従って、ヒト運動器系の機能的電気刺激を提供するように設計される。
【0071】
提案する電気刺激装置により、動作中に神経筋系で、または運動において、かつ動かずに、等尺もしくは等張モードで、作用するように、出力、持続時間、周波数、極性およびプログラムされた繰り返しにおいて調整可能である電気パルスを使用することができる。
【0072】
提案する電気刺激装置は、プログラムごとかつ患者ごとに刺激パラメータを記憶する可能性があるヒト神経筋系を正しく機能させるのに生理学的に適した電気パルスの幅広いパラメータを備えている。
【0073】
これが様々なトレーニングセッションに関するデータを蓄積し、ひいては病理ごとかつ特殊化したトレーニングごとに特定のデータベースを作成する可能性を導くことにより、運動方法を将来のセッションのために標準化することを可能にする。
【0074】
これらの動作図により、様々な場合のリハビリテーション統計も反映する機能的電気刺激プログラムのソフトウェアライブラリを、例えば16個の独立したチャネルに作成することが可能である。
【0075】
プログラムのライブラリにより、使用される電気刺激チャネルでの同時作業の解剖学的かつ生理学的法則を考慮して、主要筋群のコヒーレント機能的電気刺激が可能となる。
【0076】
電気刺激プログラムは、フィットネスおよび重量挙げの道具に適用できる動作を含む幅広い周期的動作に基づいており、このプログラムは、高いレベルの運動選手、健康な子供、青年および高齢者に行われる多筋運動記録、角度測定および動力測定の検査に基づいて進展される。
【0077】
これらのプログラムは、モデルまたはプロトコルの規則を形成し、この規則は、運動機能を回復させたい場合、同様に運動選手に速さ、強さおよび体力に関して専門性を与えたい場合、特殊なトレーニングを受ける人(宇宙飛行士、特別部隊など)を指導したい場合など、あらゆる場合において神経系の幅広い疾患のリハビリテーションを試みることを可能にする。
【0078】
様々なプログラムは、特定の病理学および既存の禁忌に関して選択される。
【0079】
すべてのプログラムは、下肢および上肢の関節動作の生理学的モデルの刺激を考慮して準備した。
【0080】
具体的には、提案する電気刺激方法は、上肢および下肢の動作の生理学的モデルに従って上肢および下肢に影響をもたらし、病理学的共同作用(脈拍)の神経学的リハビリテーションにおいても極めて重要である。
【0081】
本発明の一般的な実施形態による複合動作の実行を担い得る少なくとも1つの筋群の電気刺激の方法を以下に説明する。
【0082】
本方法は、各筋群の各筋肉を刺激し、このような筋肉に後述する電気刺激装置のそれぞれの電気刺激チャネルを関連付けることを提供する。
【0083】
各電気刺激チャネルは、電極または好ましくは一対の電極によって順に両極性(およびある特定のプログラムでは単極性)電気パルスをそれぞれの筋肉に送るのに適している。
【0084】
一実施形態では、各チャネルは、ケーブルによって、例えば導電性ゴム製の2つの電極に接続される。接着導電性ゲルは、各電極の表面に塗布することができ、皮膚との確実な接触を提供する。電極の各対は、個々のチャネルの刺激を作動させるように筋群に配置される。
【0085】
各チャネルは特別な場合を除いて、常に同じ筋群に使用される。更に、身体の半分ずつに対称に位置付けられたチャネルは、機能的アンタゴニスト(拮抗筋)を活発にさせ、周期的動作に対して逆位相で筋肉の収縮を引き起こす。
【0086】
例えば、16個のチャネルの場合、8個は屈筋群専用のチャネルであり、残りの8個のチャネルは伸筋群専用である。それ故に、周期的動作中に、8個未満のチャネルは同様に、機能的な群ごとに同時に働き、プログラムによって指定された動作の全行程を行う。
【0087】
動作プログラム(または運動)は、人間の動作を可能にする主要筋群の筋運動記録基準と関連がある。特殊化したスポーツ動作についても同様である。
【0088】
具体的には、筋群の電気刺激は、筋運動記録装置によって識別された動作図から生じる。
【0089】
この手法は、運動を行うときに筋肉の筋運動記録の規則性を保証し、同じ規則性は動作プログラムの基礎を形成する。
【0090】
このようにして得られた動作プログラムは、神経筋系の機能的電気刺激装置のメモリ内の電気刺激プログラムのカタログ内に収集される。
【0091】
様々なチャネルは、指定されたプログラムに従って働き、刺激を開始する瞬間はチャネルごとに、電極下の筋肉を収縮させる。
【0092】
健康な人では、指定されたリズムで選択されたプログラムに従って動作を行う(それにより効果的な筋収縮が電力刺激の持続時間に対応する)ことは、様々な運動単位の活性化に採用される運動ニューロンの数を増加させ、かつその結果として運動ニューロンの活性化した割合も増加させることにつながる。
【0093】
すべての相互的な周期的動作は、身体の半分ずつの筋肉を包含するという独自の特質も有する。これは運動の能力にも依存し、それ故に様々な動作を再構築するために、筋群の収縮モデルの特徴は、人間の動作に関わる主要筋群の多筋運動記録のパラメータを用いて選択した。
【0094】
図1に示す実施形態では、それぞれの両極性電気パルス10は対称かつ矩形である。したがって、各両極性パルス10は、等しい持続時間の2つの半期10’に分けられたパルス周期ΔTimpを有する矩形波からなり、一方が正の振幅であり、他方が負の振幅である。
【0095】
更に、所与の筋肉に対して行われる処置の種類によれば、第1の半期が正であってもよく、第2の半期が負であってもよく、あるいはその逆であってもよい。
【0096】
したがって、本発明による電気刺激装置により、電気信号の形状を選択することを可能にし、上行性神経(求心性、感覚性)に対する作用、または運動神経(遠心性)に対する作用を選択的に増強させ、それ故に特殊化したスポーツトレーニングと同様にあらゆる運動機能障害の処置の更なる機会を提供する。
【0097】
より具体的には、求心性電気刺激の選択によるプログラムが所望されると、第1の半期が負の振幅を有する両極性電気パルスが生成される。このように、励起波の伝播は脳に向かう。
【0098】
遠心性電気刺激の選択によるプログラムが所望されると、第1の半期が正の振幅を有する両極性電気パルスが生成される。このように、第1の刺激によって生成された励起波は、下行(遠心性)方向で筋肉に方向付けられる。
【0099】
すべての電気刺激チャネル「C」に対して、同じサイクル時間ΔTseqが確立され(図3)、繰り返し可能な刺激期間「P」を定義する。各刺激期間P内では、各チャネルCは、独自の刺激シーケンスを行う。したがって、電気刺激処置は、事前に確立した運動時間に対して、N回の刺激期間ひいてはN個の等しい刺激シーケンスの繰り返しによって付与される。
【0100】
各刺激期間Pは、等しい持続時間の2つの半期T1、T2に分けられる。
【0101】
更に、各半期は、等しい持続時間の複数のサブ間隔「SI」に分けられる。
【0102】
このようなサブ間隔SIのうちの少なくとも1つは、1つ以上のパルスパケット12を含むパルスの基本シーケンスが実行される刺激サブ間隔である。
【0103】
同様に、各パルスパケット12は、個々の両極性電気パルス10の所定のシーケンスによって付与される。
【0104】
例えば、図2は、2つのパルスパケット12、12’を示しており、上部には4個の両極性パルス10を集めるパルスパケット12、下部には16個の両極性パルス10を集めるパルスパケット12’を示している。
【0105】
したがって、筋群に対して行われる処置の種類に応じて、および/または筋群の種類に応じて、以下が定義される。
【0106】
各サブ間隔の持続時間
【0107】
各パルスパケット内のパルスの数
【0108】
パルスパケットの周波数Fpacc、即ち一つのパルスパケットと次のパルスパケットとの間に経過しなければならない時間
【0109】
各パルスの振幅および持続時間
【0110】
互いに等しく、かつすべてのチャネルに等しい、刺激期間ΔTseqを持続時間ΔTnの複数のサブ間隔SIに細分することにより、すべてのチャネルを同期させる。
【0111】
更に、上述したように、各チャネルの持続時間ΔTseqの各刺激期間Pは、基本パルスシーケンスがない半期Toffを有すると共に、少なくとも1つの刺激サブ間隔がある他の半期Tonを有する。
【0112】
各半期に同じ量の電荷を有する両極性パルス形状は、ケーブルおよび電極の電気破壊を避けるために使用されることに留意すべきである。更に、このように、イオンは人体組織に再配分されない。単極形状の場合、酸およびアルカリの蓄積が分極電極の下で生じ得る。
【0113】
したがって、各刺激期間内の刺激シーケンスは、1回の繰り返しによって、またはいくつかの基本パルスシーケンスの1回の繰り返しによって付与され、各基本シーケンスは1回の繰り返しによって、またはいくつかのパルスパケットの1回の繰り返しによって付与される。
【0114】
一実施形態では、パルスパケットの数および各刺激サブ間隔内の各パルスパケットのパルスの数はすべてのチャネルに対して同じである。
【0115】
16個のチャネルに対する図3に示す一実施形態では、1つのチャネルの刺激期間の刺激サブ間隔の数および/または時間分布は、少なくとも1つの他のチャネルの刺激サブ間隔の数および/または時間的分布とは異なる。
【0116】
上記予測のように、得られた周期的動作は、プログラムされたシーケンスで働く多くの筋肉の関わりで行われる。主要筋群を選択し、人間の動作のすべての基本的な種類に対する周期的運動モードの臨床的筋電図検査を確認した。
【0117】
これらの動作図により、機能的電気刺激プログラムのソフトウェアライブラリを16個の独立したチャネルに作成した。
【0118】
動作に関わる各筋群は、その機能、期間および運動の種類に応じてサイクル時間中に適切な瞬間に刺激される。
【0119】
各筋肉に対する電気刺激の持続時間は、筋運動記録の筋肉活動期間に対応し、電気刺激が行われる動作およびリズムの種類に依存する。
【0120】
各プログラムごとに、各筋群の関与度合いが異なり得ることにより、一実施形態では、各チャネルでの電気刺激の持続時間は厳密に個別である。電気信号の振幅は、筋収縮が痛みを伴わずに受容されるまで設定されるとき、チャネルごとに個々に選択される。
【0121】
全く筋活動がない場合を含む病理学では、機能的電気刺激の特定のプログラムが使用されており、症例の特質に適している。しかし、基本参照モデルは常に、生理学的モデルのままである。
【0122】
この方法論的解法により、病理学的システムを正しい生理学的方向に呼び戻す力学を作動および構築することができる。
【0123】
刺激期間が2つ以上の刺激サブ間隔を有する場合、刺激間隔は連続的であることが好ましい。
【0124】
一実施形態では、1つのチャネルのパルスの振幅は、少なくとも1つの他のチャネルのパルスの振幅とは異なる。
【0125】
実際には、身体の様々な部分は、様々なレベルの感度、および様々な量の良好に分布した感受性神経終末(センサ)を有する。
【0126】
各センサは、神経中枢に処理過程のすべての修正を知らせるという独自の特定の目的を厳密に有する。感覚系の大部分は、分節の脊髄レベルに関する情報を伝達する脊髄神経節の感受性ニューロンに位置しており、そこで情報が運動系を含む適切な中枢に送られる。脊髄の求心路を介したこの脊髄レベルの統合された最適化および修正の結果は、運動中枢および脳に送られる。
【0127】
十分な神経筋機能を確保するために、信号の振幅が刺激された筋肉感度に関して異なることを考慮しなければならない。具体的には、上半身の筋肉組織では、活性化のための信号の振幅は、下肢に必要な振幅より小さい。
【0128】
このことから、様々な刺激強度モードを構成するとき、信号振幅は各チャネルにおいて、患者に痛みがない筋収縮を確保にするように提供される。
【0129】
病理学が神経筋系の感度を低下させるとき、このような感度は、身体の左半分と右半分とでは大きく異なり得る(例えば、片麻痺の場合)。
【0130】
一実施形態では、チャネルの刺激シーケンスの最初のパルスまたは最後のパルスの振幅は、残りのパルスの振幅より著しく大きい。このように、このチャネルによって刺激された筋肉は、それに続く刺激に備えられる。
【0131】
一実施形態では、感覚刺激は、例えば光信号および/または音響信号の形で筋肉の電気刺激と関連している。
【0132】
上述したように、電気刺激は、指定されたリズムで行われる既知の周期運動を伴う予め設定されたプログラムに従って行われる。あらゆる動作は常に、ある特定の筋群の収縮から始め、最初に動き始めなければならない筋群は、「リーダー」チャネルと呼ばれるチャネルによって刺激される。
【0133】
各機能的電気刺激プログラムでは、電気刺激装置のメモリ内に記憶され、その結果としてリーダーチャネルが割り当てられ、最初に電気刺激を主要な筋群に送る。この筋肉の収縮により、筋群の動きが始まる。
【0134】
一実施形態では、リーダーチャネルは、筋群のサイクルの始まりと同時に作動する音声信号および/または視覚信号と結び付いている。
【0135】
患者は、音響信号および/または視覚信号と同時にプログラムに向かい始める。実際には、運動における被検体の脳は、プログラムに従って主要筋群の運動を行うようにリーダーチャネルの音響信号および/または視覚信号と相互作用し、それ故に各反復性サイクルの同期を保証する。
【0136】
このような配置により、大脳皮質の動作制御中枢の活性化とともに、電気刺激プログラムによる動作作用の協調的実行が可能となり、動作制御の神経仲介および集中型最適化の必要な生化学的過程の活性化を提供する。
【0137】
これは、神経線維に沿った励起速度の上昇、分節レベルでの介在ニューロン系の組織化、中枢神経系全体に関わるプログラムに従う運動動作の繰り返しに伴う効果の総和および自動化によるすべてのこれらの結合の成長維持で表現される。
【0138】
一実施形態では、音響信号および/または視覚信号の発信が関連付けられるリーダーチャネルは、複合動作の実行において、または刺激をより必要として、より重要であると見なされる筋群の電気刺激チャネルであり、電気刺激の各サイクルを開始するチャネルと必ずしも重ならない。
【0139】
したがって、好ましい実施形態では、動作の種類に関するプログラムごとにリーダーチャネルが識別され、これは動作サイクル中に最初に活性化される筋群(または、上述したように、最も重要な筋群)の刺激を表す。リーダーチャネルの活性化後、全動作サイクルを終えるために、運動行為を行うように採用された残りの筋肉チャネル/筋群が活性化される。次のサイクルは、同じチャネル活性化シーケンスから再び始まる。
【0140】
電気刺激チャネルの各々には、ある特定かつ所定の筋群が割り当てられる。したがって、例えば、動作プログラムAが右大腿二頭筋の活性化から始まる場合、このような筋群に結合されたこのようなチャネル番号1はリーダーチャネルになる。動作のプログラム/サイクルが変化するにつれ、これに伴いリーダーチャネルの番号も変化する。各プログラムの様々な筋群をそれぞれの電気刺激チャネルと組み合わせるこの配置により、特に電気刺激装置の管理ソフトウェアの数学アルゴリズムを組織化かつ簡略化することができる。これは、動作リズムを変化するときに運動サイクルで採用される筋群の電気刺激の自動同期化に特に重要である。
【0141】
好ましい実施形態によれば、運動時での実際の筋肉活動と電気刺激の同期化を保証するために、センサベースの監視システムが提供され、このシステムは患者または運動選手が行う動作サイクルの有効な持続時間を検出する。
【0142】
例えば、四肢または四肢の一部の位置の変化を示す「ON-OFF」信号を出すセンサが使用される。このようなセンサは次に、位置変化を読み取るのに適した場所、例えば踵の下、肘の上、膝の上に位置決めされる。
【0143】
例えば、踵の下に配置されたセンサの場合、サイクル持続時間は、同じ踵が初めて地面に触れるとき、サイクルの終了を示す、次にその踵が触れるまで記録され始める。
【0144】
いくつかの実施形態では、サイクル時間の平均値を提供する二重測定が行われる。
【0145】
曲げ角度の変動を測定する、肘に位置決めされた尺骨センサ、または膝に位置決めされたセンサは繰り返し変化する。
【0146】
手動で設定された電気刺激プログラムの所定のサイクル時間と、1つまたは複数のセンサによる測定によって提供された実際のサイクル時間との間の不一致の場合、電気刺激方法は、この不一致を測定されたサイクル時間に適合させるためにすべてのチャネルでのサイクル時間の調整を提供する。
【0147】
例えば、測定されたサイクル時間に応じて、各サブ間隔Siの持続時間は上記で定義したように、再計算かつ再設定される。
【0148】
図4図6を参照しながら電気刺激プログラムの例を説明する。
【0149】
図4は、患者の身体での16個のチャネルの位置決めを示しており、各々が一対の電極30を含む。上述したように、筋群、例えば屈筋群を刺激する各チャネルは、機能的拮抗筋群、例えば伸筋群を刺激する対称チャネルに対応し、周期的動作に対して逆位相で筋肉の収縮を引き起こす。
【0150】
図5に示す機能的電気刺激の運動プログラムは、歩行動作に関連している。
【0151】
歩行、走行およびスクワット運動の場合において、機能的電気刺激サイクルの全期間を図5図5aおよび図5bのグラフにそれぞれ示す。図の左側に16個のそれぞれのチャネルによって刺激された16本の筋群を示す。中央の2列は、全動作サイクル中の各チャネルの動作図を示す。右側の最終列は、新しいサイクルの最初の10回のサブ間隔を表す。
【0152】
全サイクル期間は32回の段階に分けられる。サイクルの段階の各々がこの期間の1/32である。
【0153】
この期間は、0.2秒から10秒まで様々であってもよい。各繰り返しサイクルは常に、同じ筋群から始まる。動作サイクル全体が2つの部分に分けられる。
【0154】
例えば、歩行(図5)の場合、音響信号または視覚信号が関連付けられるリーダーチャネルは、右脚の動作の始まりを特定するものである。連続的に、左脚の動作によって特定されたサイクルの後半は、段階32に達するまで始まる。
【0155】
より具体的には、各動作サイクルは、分かりやすくするために一定数のサブ間隔(例えば、32回)に分けられる。プログラムごとに、16個の電気チャネルのうちの1つ(その種のプログラムに対する基本群内)と上述の音響信号を組み合わせることが可能である。
【0156】
腕は、適切な相互的動作により歩行の力学に従う。
【0157】
図7図10を参照しながら、上述した電気刺激方法を行うことができる装置50の実施例を説明する。
【0158】
本装置は、フレーム100を含んでおり、このフレームは8つの2チャネル動力盤102、動力盤102を連結するためのバックプレーン104、電子処理ユニット106、およびユーザインタフェース108を支持する。
【0159】
例えば、装置50は、医療用電気部門(IT&Medical Safety Approvals(Class I&II))に承認されたユニバーサル電源(85~264Vac input)によって作動する。
【0160】
一実施形態では、各チャネルの電流は制御され、1kOhmの公称負荷で150mAの最大電流を送ることができる(したがってチャネルごとに最大電圧は150Vである)。
【0161】
一実施形態では、図9に示すユーザインタフェース108は、8色TFTディスプレイ110と、複数のシグナル伝達LED112と、複数のボタン114とを含んでなる。なお、これらの機能を後述する。
【0162】
ユーザインタフェースの管理は、完全に電子処理ユニット106が担うものである。
【0163】
ユーザインタフェース108により、ユーザは第1のプログラミング段階および第2の実行段階を行うことができる。第1のプログラミング段階では、プログラムが実行されるシーケンスの一部(第2段階)、およびプログラムごとに関連のパラメータであるかを選択することが可能である。第2段階(実行段階)では、第1段階に選択されたプログラムが1つずつ実行される。
【0164】
ボタンは、以下の機能を実行する。
【0165】
START/STOPボタン:現在のプログラムシーケンスを開始または停止することができる。
【0166】
ENTERボタン:このボタンは様々な機能を実行する。
【0167】
・プログラミング段階で2秒未満押すことにより、現在のプログラムを順に保存することができる(それ故に実行のためにこのボタンを選択する)。
【0168】
・プログラミング段階でこのボタンを2秒以上押すことにより、パルスの初期方向(正または負)、すなわち求心性または遠心性をすべてのチャネルに対して選択することができる。
【0169】
・プログラムが動作中にこのボタンを押すことにより、次のプログラムに即時移動させる(あるいは現在のプログラムが最後であったならば、終了する)。
【0170】
PROGRAM+/-ボタン:プログラムをライブラリ内のプログラムから選択することができるこれらのボタンは、プログラミング段階でのみ機能する。
【0171】
CYCLE TIME+/-ボタン:サイクル時間を200ms時間ステップで200msから10sまでの間で変更することができるこれらのボタンは、プログラミング段階でのみ機能する。
【0172】
WORK TIME+/-ボタン:作業時間(プログラムの持続時間)を変更することができる時間ステップは1分である。これらのボタンは、プログラミング段階でのみ機能する。
【0173】
CH.LEADER+/-ボタン:リーダーチャネルを選択することができるこれらのボタンは、プログラミング段階でのみ機能する。
【0174】
SOUNDボタン:リーダーチャネル(選択した場合)に関する音声を有効/無効にすることができる。
【0175】
SENSORボタン:外界センサを使用することができる。
【0176】
INTENSITY+/-ボタン:パルスの強度(振幅)を変化することができるこれらのボタンは、実行段階でのみ機能する。
【0177】
PULSE TIMEボタン:基本パルス持続時間を選択することができるこのボタンは、プログラミング段階でのみ機能する。
【0178】
FREQUENCYボタン:パルスパケットの繰り返し周波数を選択することができるこのボタンは、プログラミング段階でのみ機能する。
【0179】
MONOボタン:リーダーチャネルのみに、単極性パルスまたは両極性パルスを使用することができるこのボタンは、プログラミング段階でのみ機能する。
【0180】
+/-ボタン:リーダーチャネルに対して単極性パルスの場合、パルスが正または負であるかを指定することができるこのボタンは、プログラミング段階でのみ機能する。
【0181】
少なくとも1つの外界センサ123の使用に関しては、上述したように、すべての周期的動作が所定の周波数で繰り返される。サイクル時間は数秒で測定される。当然のことながら、サイクルが短ければ短いほど、動作が速くなり、逆もまた然りである。
【0182】
動作のサイクル時間を測定するために、動作と関連付けられたセンサを使用することが便利であり得る。例えば、踵センサは、患者の履き物の中敷内に位置付けられて使用されてもよい。このようなセンサは、ステップ(踏み)の実行を検出する。
【0183】
別の実施形態では、関節のピーク角の変化を測定する角度測定センサが使用されてもよく、あるいは位置センサが使用されてもよい。
【0184】
リズムの変化(疲労からの減速または加速)の場合、すなわち患者の動作リズムが所定の電気刺激周波数に対して変化するとき、このセンサまたは複数のセンサによって提供された実際のデータに基づいた刺激のサイクル時間の自動修正が動き始める。
【0185】
各外界センサは、適切な電子調整システムを介して、電子処理ユニットによって電気刺激プログラムのサイクル時間を再計算および再設定するために使用される電気信号、例えばデジタルON/OFFを電子処理ユニット106に供給する。
【0186】
図10は、電子処理ユニット106のブロック図を示す。この電子処理ユニットは、マイクロコントローラ120を実装しており、このマイクロコントローラは(以下の事項を管理する)、即ち、
【0187】
外界センサ122(123)に対する入力、
【0188】
遠隔プログラムのSTART/STOPについての赤外線遠隔制御入力124(デジタル入力)、
【0189】
リーダーチャネルに対する音声を管理するためのブザー126(デジタル出力PWM)、
【0190】
リアルタイムクロック128(SPIインタフェース経由)、
【0191】
プログラムなどを記憶するための外部フラッシュメモリ130(SPIインタフェース経由)、
【0192】
温度プローブ132(アナログ入力)、
【0193】
冷却ファン134(デジタル出力)、
【0194】
2つのデジタル出力136(動力盤に至る)、
【0195】
LCDディスプレイ138(UART経由)、
【0196】
パーソナルコンピュータへの接続用のUSBインタフェース140(UART経由)、
【0197】
ボタン用のデジタル入出力142(キーマトリクス)、
【0198】
LED用のデジタル出力144、
を管理する。
【0199】
各2チャネル動力盤102は、2つの出力チャネルを取り扱うことが可能である。チャネルごとに、可変周波数および/または強度でのパルスシーケンスが、例えば後述するように生成される。
【0200】
提案する電気刺激方法が相互的筋群の採用に基づいていることにより、各動力盤は連続的に働く2つのチャネルを制御する。
【0201】
この設計的事項は、起こり得るオペレータエラーを防ぎ、具体的には分節レベルで介在ニューロン単位(レンショウ細胞)の神経回路作業での侵害を引き起こし得る拮抗筋の同時作用および刺激を避けることにも有用であることが強調されるべきである。
【0202】
一実施形態では、単一パルスは、図1に示すように両極性、対称、かつ矩形である。
【0203】
一実施形態では、最大パルス幅Aimpは150V(それ故、ピーク対ピークで300V)であり、その持続時間DTimpは、次の値:100μs、200μs(デフォルト値)、500μs、1000μsから選択することができる。
【0204】
1つの動作モード(モード1)では、パルスは4つの連続パルスのパケットにグループ化され、別の動作モード(モード2)では、パルスは16個の連続パルスのパケットにグループ化される。
【0205】
各パルスが200μs(デフォルト値)持続するとの仮定において、それ故にモード1では各パッケージが約0.8ms持続するが、モード2では各パッケージが約3.2ms持続する。
【0206】
パケットは、次の値:50Hz、100Hz、150Hz、200Hzの間の選択可能な周波数Fpaccで繰り返される(パルスパケット間には、次の値:5ms、6.67ms、10ms、20msの間で選択可能な時間DTpaccがある)。
【0207】
当然のことながら、パケットは、異なる数のパルス、例えば5または10パルスからなってもよい。
【0208】
パルスパケットのシーケンスは、間隔DTseqで全く同様に繰り返され、サイクル時間DTseqは200msステップで200ms~10sの間で可変である。各間隔DTseqは次に、図3に例示するように等しい持続時間のN=20サブ間隔DTnに分けられる。
【0209】
更に、各間隔DTseqは、等しい持続時間の2つの間隔(TONおよびTOFF)に分けられ、TON間隔ではパルスパケットがあるが、TOFF間隔ではパケットがない。例えば、図3では、チャネル番号1に関して、TON時間はサブ間隔1~10を含むが、TOFF時間はサブ間隔11~20を含む。一方、チャネル番号2に関して、TON時間はサブ間隔11~20を含むが、TOFF時間はサブ間隔1~10を含む。
【0210】
各サブ間隔DTn内では、次に(シーケンスのプログラムされた特徴に応じて)、
【0211】
パルスパケットを有しなくてもよく、あるいは、
【0212】
上述した特徴を伴ったパルスパケット(「完全な」正方形として図3に表す)の列を有してもよい。
【0213】
一実施形態では、パケットの特徴(パケット当たりのパルス数、パケット間の時間間隔)および間隔DTseqはすべてのチャネルに対して同じであるが、振幅はチャネルによって異なり得る。
【0214】
例えば、DTseq=1s⇒DTn=1000ms/20=50ms。各パルスが200μs(デフォルト値)持続すること、モード2が(番号16パルス⇒3.2ms)使用されること、かつDTpacc=10msと仮定すれば、パルスが存在する各サブ間隔DTnは4つのパケットを含む。
【0215】
サブ間隔DTk+1がパケットを含まない2つの連続サブ間隔DTkおよびDTk+1をパケットがまたがっているという場合では、パケット自体はDTkの最後で切り捨てられる。一方、サブ間隔DTk+1もパケットを含む場合、パケットはこの第2のサブ間隔で続ける。
【0216】
したがって、各プログラムは、次のパラメータ(によって完全に定義される)、即ち、
【0217】
サブ間隔が存在する各チャネルに対する、パルスパケット、
【0218】
サイクル時間、
【0219】
運動時間、
【0220】
基本パルスの持続時間、
【0221】
パケット当たりのパルス数、
【0222】
リーダーチャネル(存在する場合)、およびこのようなチャネルのパルスの特徴(単極性または両極性)、
【0223】
パルスの方向(求心性または遠心性)、
【0224】
パルスパケットの周波数
によって完全に定義される。
【0225】
プログラムが動作中であるとき、サイクル時間およびパルス振幅は変わり得ることに留意すべきである。
【0226】
操作上、電気刺激手順は次のように行われる。
【0227】
1.PROGRAM+/-ボタンを用いてプログラムを選択する。
【0228】
2.選択したプログラムに対してパラメータを選択する。
【0229】
3.ENTERボタンを押して確認し、選択したプログラムを実行するプログラムシーケンスに追加(キューイング)する。
【0230】
4.ステップ1~3を、シーケンスに追加したいプログラムごとに繰り返す。
【0231】
5.プログラムのシーケンスを選択し、STARTボタンまたは遠隔制御で開始する。
【0232】
6.シーケンス全体を通常より早く終了したい場合、STOPボタンを押し、その代わりにシーケンスの実行中に現在のプログラムの実行を中断して次のプログラムに進みたい場合、ENTERボタンを押す。
【0233】
まとめると、提案する電気刺激方法および装置は、実行される人間の動作の生理学的モデルに関して、周期的動作中、すなわち繰り返された動作中に身体の主要筋群の同期性電気刺激に基づいている。
【0234】
換言すれば、指定した周波数で筋群に送られた電気刺激の活性化の瞬間は、患者がその瞬間に行う自発的身体活動と一致する。
【0235】
それ故に、筋線維は活性化され、脊髄レベルで感覚系の機能を支持および強化し、各動作サイクルの実施を監視し、かつ必要な運動ニューロンを活性化するのに役立つ。
【0236】
筋肉の電気刺激が動作と同期していない場合、現在の電気刺激装置に生じるとき、脊髄レベルでの感覚系がその機能性に対応していない運転モードを強制的に設定し得るため、むしろ悪影響が生じることがあり得る。
【0237】
このことを、感覚を失った様々な形態の病状および外傷のリハビリテーションのセッション中に考慮に入れることが特に重要である。
【0238】
それ故に、動作の修正において、かつ分節レベルまでの往来の合理的な制御において、より正確かつ迅速である協調的かつ同期した筋収縮の機能を担う分節脊髄系の運動を獲得する。
【0239】
提案する電気刺激方法および装置は、従来技術の刺激方法で実現することができないレベルおよび応答速度を得るように神経筋系を訓練することができる。具体的には、筋損傷の兆候の減少に伴って、速さ、耐久力および運動能力の向上が得られ、これにより一層予測可能かつ制御可能になる。
【0240】
ヒト神経筋系の生理学的モデルに基づいた提案する電気刺激方法により、筋収縮過程を最適化することが可能となり、より正確には、
【0241】
・ 高閾値運動単位の電気的活性化による筋収縮の爆発的強度の向上が可能となる。ヒトの筋肉の最大筋収縮時に、筋肉の筋線維の70%以下が本発明による電気刺激と組み合わせることによって活性化される場合、同時に活性化された筋線維の数は100%に近づくこともある。このような活性化は筋力を大幅に高め、
【0242】
・ 脊髄レベルで感覚系の同期を向上させ、筋収縮の制御を管理する。機能の実行と同期した更にリズミカルな電気活性化(心臓のペースメーカーの場合のように)の作用に伴い、筋肉の感覚系は、同時情報が利用可能な神経経路を介して重なる神経中枢に送られる共振現象の進展により、動作のリズムに調節される。電気活性化モードが細胞レベルでの生理学的特徴を考慮することにより、このような種類の神経筋連結の周期的機能は、筋収縮の生化学的過程の最適化および神経に沿った励起の伝達につながり、運動ニューロンの増大にもつながる。それ故に、細胞メモリのレベルで最適化された動作モードの刷り込みにより、シナプス伝達の確実性の増加を結果として生じてシナプスの数が増加し、
【0243】
・ 実施された運動に関する情報が理論および生理学的モデルに適合することにより、脊髄保護を塞ぐことなく上行方向に皮質中枢に達する情報の速度を上昇させる。
【0244】
運動選手の持久力特質を訓練するために、生理学的最大限のレベルに近づく速さで任意のプログラムに電気刺激を行うことが可能である。これは、1秒以内に四肢の1つに対して動作の5回の全サイクルを行うことが可能である(遮断時に100ms、および弛緩時に100ms)。当然のことながら、相互的状況の第2の分岐は、第1の分岐の弛緩時に同じ動作を始める。
【0245】
提案する電気刺激方法を通じて、良い姿勢に不可欠な筋コルセットの正しい動作を確保することによって「背部痛」の過酷で衰弱させる状態を阻止および改善することも可能である。
【0246】
更に、患者の生体機能の連続的な監視を通じてスポーツトレーニングの様々な段階を観察することが可能であり、これは刺激時に、観察するトレーニングの種類および求められる強度を定義することに非常に重要である。
【0247】
本発明による電気刺激方法および装置の実施形態に対して、当業者であれば、以下の特許請求の範囲から逸脱することなく、偶発的要求を満たし、機能的に等価の他の要素といくつかの要素の改良、適応、および置き換えを行うことができる。考え得る実施形態に属するとされる特性の各々は、他の記載した実施形態から独立して実施することができる。
【符号の説明】
【0248】
30 電極(電気刺激チャネル)
50 電気刺激方法を行う装置
102 動力盤
106 電子処理ユニット
108 ユーザインタフェース
130 プログラムなどを記憶するための外部フラッシュメモリ
図1
図2
図3
図4
図5
図5a
図5b
図6
図7
図8
図9
図10