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特許7229044非接触の調整可能な設定を有するHVACアクチュエータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-16
(45)【発行日】2023-02-27
(54)【発明の名称】非接触の調整可能な設定を有するHVACアクチュエータ
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/00 20180101AFI20230217BHJP
   H02P 6/16 20160101ALI20230217BHJP
   F24F 110/00 20180101ALN20230217BHJP
   F24F 120/00 20180101ALN20230217BHJP
   F24F 130/00 20180101ALN20230217BHJP
   F24F 140/00 20180101ALN20230217BHJP
【FI】
F24F11/00
H02P6/16
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019035087
(22)【出願日】2019-02-28
(65)【公開番号】P2019158330
(43)【公開日】2019-09-19
【審査請求日】2022-02-24
(31)【優先権主張番号】15/913,305
(32)【優先日】2018-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518010511
【氏名又は名称】ジョンソン コントロールズ テクノロジー カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Johnson Controls Technology Company
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】ジェンクス、 ラッセル ティー.
【審査官】奈須 リサ
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0049644(US,A1)
【文献】特開2016-213929(JP,A)
【文献】特開2011-163636(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0061480(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/00
H02P 6/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
HVACシステムにおけるアクチュエータであって、
内向面と外向面とを含むハウジングと、
前記ハウジング内に位置し、かつ前記ハウジングの前記内向面に隣接して配列される1つ以上の磁界センサと、
前記ハウジングの前記外向面に沿った複数の異なる位置に移動可能な1つ以上の磁石を保持するユーザ入力デバイスと、
アクチュエータ制御装置と
を含み、
前記アクチュエータ制御装置は、
前記1つ以上の磁界センサに対する前記1つ以上の磁石の位置を、前記磁界センサによって生成されるデータに基づいて決定する磁石ロケータと、
前記アクチュエータのための1つ以上の設定を、前記磁石ロケータを介して決定された前記1つ以上の磁石の前記位置に基づいて生成する設定生成器と
を含む、アクチュエータ。
【請求項2】
前記1つ以上の磁界センサは、ホール効果センサ又はリードスイッチの少なくとも一方を含む、請求項1のアクチュエータ。
【請求項3】
前記ユーザ入力デバイスは、
前記ハウジングを通して前記内向面及び前記外向面に実質的に垂直に延びる支柱であって、前記支柱を通して延びる軸まわりに回転可能な支柱と、
前記支柱の端部に隣接して位置するアームであって、前記軸まわりに回転可能なアームと
を含む、請求項1のアクチュエータ。
【請求項4】
前記アームは、前記アクチュエータの片側の前記外向面に形成された複数の戻り止めの1つと選択的に係合可能なタブを含み、
前記1つの戻り止めは、前記設定生成器を介して生成される前記設定に対応する、請求項3のアクチュエータ。
【請求項5】
前記アームは、前記1つ以上の磁石のうちの1つの磁石を保持する保持部分を含み、
前記磁石は、前記アームの回転によって前記軸まわりに回転可能である、請求項3のアクチュエータ。
【請求項6】
前記磁界センサは、前記軸から、前記磁石と前記軸との間の距離に対応する距離に半径方向に配列される、請求項5のアクチュエータ。
【請求項7】
前記支柱の前記端部はさらに、前記ユーザ入力デバイスを前記軸まわりに回転させるために使用可能なノッチを含む、請求項5のアクチュエータ。
【請求項8】
前記端部は、第一の端部であり、
前記支柱はさらに、前記第一の端部と反対の第二の端部を含み、
前記第二の端部は、前記ユーザ入力デバイスを前記軸まわりに回転させるために使用可能なノッチを含む、請求項7のアクチュエータ。
【請求項9】
前記端部はさらに、前記軸まわりの前記ユーザ入力デバイスの回転を通じて何れの設定が選択されているかを示すインディケータを含む、請求項7のアクチュエータ。
【請求項10】
前記ユーザ入力デバイスは、複数のスロットを含むキャリアを含み、
各スロットは、前記1つ以上の磁石のうちのそれぞれの磁石を保持する、請求項1のアクチュエータ。
【請求項11】
前記キャリアは、前記ハウジングの前記外向面に形成されたスロット内に解放可能に保持可能である、請求項10のアクチュエータ。
【請求項12】
前記1つ以上の磁界センサは、前記ハウジングの前記外向面に形成された前記スロットの少なくとも一部に沿って直線的に配列され、
前記1つ以上の磁界センサは各々が、前記1つ以上の磁石のうちのそれぞれの磁石に対応する、請求項11のアクチュエータ。
【請求項13】
HVACシステムのアクチュエータのための設定を変更する方法であって、
磁界センサに対するユーザ入力デバイスの磁石の位置を、前記磁界センサによって生成されるデータに基づいて決定することであって、前記磁石は、前記アクチュエータのハウジングの外向面に隣接して位置決めされ、及び前記磁界センサは、前記ハウジング内に位置決めされ、かつ前記ハウジングの内向面に隣接して配列されることと、
前記アクチュエータの設定を変更するためのユーザからの入力を決定することであって、前記入力は、前記磁石の前記決定された位置に基づいて決定されることと、
前記ユーザからの前記決定された入力に従って前記アクチュエータの前記設定を変更することと
を含む方法。
【請求項14】
前記設定は、
アドレス設定と、
正動作の選択と、
逆動作の選択と、
0-10直流電圧制御と、
2-10直流電圧制御と、
前記アクチュエータの自動較正サイクルのためのモードと
の少なくとも1つである、請求項13の方法。
【請求項15】
前記設定は、前記アクチュエータのための前記アドレス設定であり、
前記磁石は、複数の磁石の1つであり、
前記磁界センサは、複数の磁界センサの1つであり、
前記複数の磁石のうちの各磁石は、前記複数の磁界センサのうちのそれぞれの磁界センサに対応する、請求項14の方法。
【請求項16】
前記ユーザからの前記入力は、前記アクチュエータのための前記アドレス設定として設定するためのアドレスであり、
前記アドレスは、前記複数の磁界センサの各々によって生成される、前記それぞれの磁石の存在に対応するデータに基づいて決定される、請求項15の方法。
【請求項17】
前記磁界センサは、軸まわりに半径方向に配列される複数の磁界センサの1つであり、
前記磁石の前記位置を決定することは、前記磁石の存在に対応するデータを前記複数の磁界センサの何れが生成するかを決定することにより、前記磁石の前記位置を決定することを含む、請求項13の方法。
【請求項18】
前記アクチュエータは、前記設定を含む複数の設定を有する、請求項17の方法。
【請求項19】
磁界センサの数は、前記アクチュエータのための設定の数に対応する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記磁界センサの数は、前記アクチュエータのための前記設定の数より少ない、請求項19の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その内容が参照により本明細書に組み入れられる「非接触の調整可能な設定を有するHVACアクチュエータ」という名称の2018年3月6日出願の米国特許出願第15/913,305号の利益及びその優先権を主張する。
【0002】
本開示は、概して、暖房、換気又は空気調節(HVAC)システムにおけるアクチュエータに関し、より詳細にはHVACアクチュエータのための設定の調整に関する。
【背景技術】
【0003】
HVACアクチュエータは、様々なHVACの構成要素、例えば排気ダンパ、流体弁、エアハンドリングユニット、及びHVACシステムにおいて典型的に使用される他の構成要素を動作させるために使用される。例えば、アクチュエータは、HVACシステム内のダンパに連結されて当該ダンパを開位置と閉位置との間で駆動するために使用され得る。HVACアクチュエータは、典型的に、モータと、当該モータによって駆動されかつHVAC構成要素に連結される駆動デバイス(例えば、ハブ、ドライブトレイン等)とを含む。
【0004】
一部のHVACアクチュエータは、何らかの方法で再構成可能であり得る。例えば、一部のアクチュエータは、ユーザが変更可能な設定を有し得る。典型的に、ユーザは、アクチュエータをHVACシステム内のその現在の位置から取り外し、アクチュエータの設定を調整し、アクチュエータを再取り付けする必要がある。このプロセスは、面倒なものとなり得る。さらに、典型的なアクチュエータは、これらのアクチュエータが、完全に密閉できないスイッチ(例えば、ディップスイッチ、モード選択スイッチ又はダイヤル等)を含むゆえに密閉が困難となり得る。したがって、典型的なアクチュエータは、結果として電気機械的問題を引き起こし得る要因にさらされることになり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許出願公開第2015/0260425(A1)号明細書
【文献】米国特許出願公開第2016/0061480(A1)号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実装形態は、HVACシステムにおけるアクチュエータである。アクチュエータは、内向面と外向面とを含むハウジングを含む。アクチュエータは、ハウジング内に位置し、かつハウジングの内向面に隣接して配列される1つ以上の磁界センサを含む。アクチュエータは、ハウジングの外向面に沿った複数の異なる位置に移動可能な1つ以上の磁石を保持するユーザ入力デバイスを含む。アクチュエータは、アクチュエータ制御装置を含む。アクチュエータ制御装置は、1つ以上の磁界センサに対する1つ以上の磁石の位置を、磁界センサによって生成されるデータに基づいて決定する磁石ロケータを含む。アクチュエータ制御装置は、アクチュエータのための1つ以上の設定を、磁石ロケータを介して決定された1つ以上の磁石の位置に基づいて生成する設定生成器を含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、磁界センサは、ホール効果センサ又はリードスイッチの少なくとも一方であり得る。
【0008】
いくつかの実施形態では、ユーザ入力デバイスは、ハウジングを通して内向面及び外向面に実質的に垂直に延びる支柱を含む。支柱は、当該支柱を通って延びる軸まわりに回転可能となり得る。ユーザ入力デバイスは、支柱の端部に隣接するアームも含み得る。アームは、軸まわりに回転可能となり得る。
【0009】
いくつかの配列では、アームは、アクチュエータの片側の外向面に形成された複数の戻り止めのうちの1つの戻り止めと選択的に係合可能なタブを含み得る。この1つの戻り止めは、設定生成器を介して生成される設定に対応し得る。
【0010】
いくつかの配列では、アームは、1つ以上の磁石のうちの磁石を保持する保持部分を含み得る。磁石は、アームの回転によって軸まわりに回転可能となり得る。
【0011】
いくつかの配列では、磁界センサは、軸から、磁石と軸との間の距離に対応する距離において半径方向に配置され得る。
【0012】
いくつかの配列では、支柱の端部は、ユーザ入力デバイスを軸まわりに回転させるために使用可能なノッチをさらに含む。
【0013】
いくつかの配列では、支柱の端部は、第一の端部であり得る。支柱は、第一の端部と反対の第二の端部をさらに含み得、第二の端部は、ユーザ入力デバイスを軸まわりに回転させるために使用可能なノッチを含み得る。
【0014】
いくつかの配列では、支柱の端部は、軸まわりのユーザ入力デバイスの回転を通じて何れの設定が選択されているかを示すインディケータをさらに含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、ユーザ入力デバイスは、複数のスロットを含むキャリアであって、各スロットは、1つ以上の磁石のうちのそれぞれの磁石を保持する、キャリアを含む。
【0016】
いくつかの配列では、キャリアは、ハウジングの外向面に形成されたスロット内に解放可能に保持可能である。
【0017】
いくつかの配列では、1つ以上の磁界センサは、ハウジングの外向面に形成されたスロットの少なくとも一部に沿って直線的に配列され得る。1つ以上の磁界センサの各々は、1つ以上の磁石のうちのそれぞれの磁石に対応し得る。
【0018】
本開示の別の実装形態は、HVACシステムのアクチュエータのための設定を変更する方法である。方法は、磁界センサに対するユーザ入力デバイスの磁石の位置を、磁界センサによって生成されるデータに基づいて決定するステップを含み、磁石は、アクチュエータのハウジングの外向面に隣接して位置決めされ、及び磁界センサは、ハウジング内に位置決めされ、かつハウジングの内向面に隣接して配列される。方法は、アクチュエータの設定を変更するためのユーザからの入力を決定するステップを含み、入力は、磁石の決定された位置に基づいて決定される。方法は、ユーザからの決定された入力に従ってアクチュエータの設定を変更するステップを含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、設定は、アドレス設定、正動作の選択、逆動作の選択、0-10直流電圧制御、2-10直流電圧制御、アクチュエータの自動較正サイクルのためのモードの少なくとも1つである。
【0020】
設定がアクチュエータのためのアドレス設定であるものなどのいくつかの実施形態では、磁石は、複数の磁石の1つであり得、及び磁界センサは、複数の磁界センサの1つであり得、複数の磁石のうちの各磁石は、複数の磁界センサのうちのそれぞれの磁界センサに対応する。
【0021】
いくつかの実施形態では、ユーザからの入力は、アクチュエータのためのアドレス設定として設定するためのアドレスであり得、アドレスは、複数の磁界センサの各々によって生成される、それぞれの磁石の存在に対応するデータに基づいて決定される。
【0022】
いくつかの実施形態では、磁界センサは、軸まわりの半径方向に配列される複数の磁界センサの1つである。
【0023】
いくつかの実施形態では、磁石の位置を決定するステップは、磁石の存在に対応するデータを複数の磁界センサの何れが生成するかを決定することにより、磁石の位置を決定するステップを含み得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、アクチュエータは、その設定を含む複数の設定を有する。
【0025】
いくつかの実施形態では、磁界センサの数は、アクチュエータのための設定の数に対応し得る。
【0026】
いくつかの実施形態では、磁界センサの数は、アクチュエータのための設定の数より少なくすることができる。
【0027】
上記の概要は、単に例示にすぎず、何ら限定を意図するものではないことを当業者は理解するであろう。特許請求の範囲によってのみ定義される、本明細書で述べるデバイス及び/又はプロセスの他の態様、進歩性のある特徴、及び利点は、本明細書で述べる詳細な説明を添付図面と併せて読めば明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】例示的実施形態による暖房、換気又は空気調節(HVAC)システム及びビルディング管理システム(BMS)を備えるビルディングの図面である。
図2】例示的実施形態による、図1のHVACシステムを支援するために使用され得るウォーターサイドシステムの概略図である。
図3】例示的実施形態による、図1のHVACシステムの一部として使用され得るエアサイドシステムのブロック図である。
図4】例示的実施形態による、図1のビルディングに実装され得るBMSのブロック図である。
図5】例示的実施形態による、HVAC構成要素を制御するために図1のHVACシステム、図2のウォーターサイドシステム、図3のエアサイドシステム又は図4のBMSにおいて使用され得るアクチュエータの図である。
図6】例示的実施形態による、内部回路を含む図5のアクチュエータの別の図である。
図7】例示的実施形態による、内部回路を含む図5のアクチュエータの図である。
図8】例示的実施形態による、図5のアクチュエータ及び図7のユーザ入力デバイスの断面図である。
図9】例示的実施形態による、アクチュエータのための設定を生成するプロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
全体として図面を参照すると、例示的実施形態によるHVACアクチュエータが示されている。アクチュエータは、ダンパアクチュエータ、弁アクチュエータ、ファンアクチュエータ、ポンプアクチュエータ、又はHVACシステムで使用可能な他の任意の種類のアクチュエータであり得る。
【0030】
アクチュエータは、モータと、モータによって駆動される駆動装置とを含む。いくつかの実施形態では、モータは、ブラシレス直流(BLDC)モータである。駆動装置は、移動可能なHVAC構成要素に連結されて、移動可能HVAC構成要素を複数の位置間で駆動する。アクチュエータは、アクチュエータ制御装置を含み得る。アクチュエータ制御装置は、アクチュエータのための設定を生成し得る。例えば、アクチュエータ制御装置は、アクチュエータのためのアドレス設定を生成し得る。追加又は代替として、アクチュエータ制御装置は、自動較正設定、正動作/逆動作設定、及び/又は電圧制御設定を生成し得る。
【0031】
アクチュエータは、ユーザが調整可能な設定を有するように構成される。例えば、アクチュエータは、ユーザ入力デバイスを含み得る。ユーザ入力デバイスは、複数の異なる位置に移動可能な磁石を含み得る。ユーザは、磁石を移動させることよってユーザ入力デバイスを介してアクチュエータの設定を提供し得る。アクチュエータ制御装置は、磁石の位置を決定し得、かつ磁石の位置に基づいてアクチュエータのための設定を生成し得る。
【0032】
従来の技術と異なり、本明細書で述べる態様は、アクチュエータに対する環境関連の損傷のリスクを減らす。例えば、本明細書で述べる態様の結果として、アクチュエータは、十分に密閉することができ、そのため、環境要素は、アクチュエータのハウジングに入り込めない。本明細書で述べる態様により、ユーザは、アクチュエータのための設定を容易に調整し得る。ユーザは、例えば、ユーザ入力デバイスの1つを露出端部の1つから回転させることにより、設定をアクチュエータに提供し得る。ユーザ入力デバイスを回転させる間、アクチュエータは、1つ以上の設定が調整されるようにし得る。追加として、ユーザは、アクチュエータのための設定を、例えばユーザ入力デバイスの1つをハウジングのスロットから移動させ、ユーザ入力デバイス内に保持される磁石を移動させて設定を調整し、ユーザ入力デバイスをハウジングのスロット内へスライドさせることによって提供し得る。その結果、ユーザは、アクチュエータを取り外し、設定を調整し、アクチュエータを再取り付けすることなくアクチュエータの設定を調整し得る。本開示の様々な他の利点は、以下のように明らかとなるであろう。
【0033】
ビルディング管理システム及びHVACシステム
ここで図1~4を参照すると、例示的実施形態による、本発明のシステム及び方法が実装され得る例示的なビルディング管理システム(BMS)及びHVACシステムが示されている。特に図1を参照すると、ビルディング10の斜視図が示されている。ビルディング10は、BMSによってサービス提供される。BMSは、一般に、ビルディング又はビルディングエリアの内部又は周辺の機器を制御、監視、及び管理するように構成されたデバイスのシステムである。BMSは、例えば、HVACシステム、セキュリティシステム、照明システム、火災警報システム、ビルディングの機能若しくはデバイスを管理することが可能な任意の他のシステム、又はそれらの任意の組合せを含むことができる。
【0034】
ビルディング10にサービス提供するBMSは、HVACシステム100を含む。HVACシステム100は、ビルディング10のための暖房、冷房、換気、又は他のサービスを提供するように構成された複数のHVACデバイス(例えば、加熱器、冷却器、エアハンドリングユニット、ポンプ、ファン、熱エネルギー貯蔵装置など)を含み得る。例えば、HVACシステム100は、ウォーターサイドシステム120及びエアサイドシステム130を含むように示されている。ウォーターサイドシステム120は、加熱又は冷却された流体をエアサイドシステム130のエアハンドリングユニットに提供し得る。エアサイドシステム130は、加熱又は冷却された流体を使用して、ビルディング10に提供される気流を加熱又は冷却し得る。HVACシステム100で使用され得る例示的なウォーターサイドシステム及びエアサイドシステムについては、図2~3を参照してより詳細に述べる。
【0035】
HVACシステム100は、冷却器102、ボイラ104、及び屋上エアハンドリングユニット(AHU)106を含むように示されている。ウォーターサイドシステム120は、ボイラ104及び冷却器102を使用して、作動流体(例えば、水、グリコールなど)を加熱又は冷却することができ、作動流体をAHU106に循環させ得る。様々な実施形態において、ウォーターサイドシステム120のHVACデバイスは、(図1に示されるように)ビルディング10内若しくは周囲に位置していても、又は中央プラント(例えば、冷却器プラント、蒸気プラント、熱プラントなど)など場外の位置に位置し得る。作動流体は、ビルディング10に暖房が必要とされているか冷房が必要とされているかに応じて、ボイラ104で加熱されるか、又は冷却器102で冷却され得る。ボイラ104は、例えば、可燃性材料(例えば、天然ガス)を燃焼することにより、又は電気加熱要素を使用することにより、循環される流体に熱を加え得る。冷却器102は、循環される流体を、熱交換器(例えば、蒸発器)内の別の流体(例えば、冷媒)との熱交換関係にして、循環される流体から熱を吸収し得る。冷却器102及び/又はボイラ104からの作動流体は、配管108を通してAHU106に輸送され得る。
【0036】
AHU106は、(例えば、冷却コイル及び/又は加熱コイルの1つ以上のステージを通して)AHU106を通過する気流と作動流体を熱交換関係にすることができる。気流は、例えば外気、ビルディング10内からの還気、又はそれら両方の組合せであり得る。AHU106は、気流と作動流体との間で熱を伝達して、気流を加熱又は冷却し得る。例えば、AHU106は、1つ以上のファン又は送風機を含み得、ファン又は送風機は、作動流体を含む熱交換器の上に、又は熱交換器を通して空気を流すように構成される。次いで、作動流体は、配管110を通して冷却器102又はボイラ104に戻り得る。
【0037】
エアサイドシステム130は、AHU106によって供給される気流(すなわち給気流)を、給気ダクト112を通してビルディング10に送給し、還気を、ビルディング10から還気ダクト114を通してAHU106に提供し得る。いくつかの実施形態では、エアサイドシステム130は、複数の可変空気体積(VAV)ユニット116を含む。例えば、エアサイドシステム130は、ビルディング10の各フロア又は区域に別個のVAVユニット116を含むように示されている。VAVユニット116は、ビルディング10の個々の区域に提供される給気流の量を制御するように動作させることができるダンパ又は他の流量制御要素を含み得る。他の実施形態では、エアサイドシステム130は、中間VAVユニット116又は他の流量制御要素を使用せずに、(例えば、供給ダクト112を通して)ビルディング10の1つ以上の区域に給気流を送給する。AHU106は、給気流の属性を測定するように構成された様々なセンサ(例えば、温度センサ、圧力センサなど)を含み得る。AHU106は、AHU106内及び/又はビルディング区域内に位置するセンサからの入力を受信することができ、AHU106を通る給気流の流量、温度、又は他の属性を調節して、ビルディング区域に関する設定値条件を実現し得る。
【0038】
次に図2を参照すると、例示的実施形態によるウォーターサイドシステム200のブロック図が示されている。様々な実施形態において、ウォーターサイドシステム200は、HVACシステム100内のウォーターサイドシステム120を補助するか、若しくはそれに置き代わり得、又はHVACシステム100とは別個に実装され得る。HVACシステム100に実装されるとき、ウォーターサイドシステム200は、HVACシステム100内のHVACデバイスのサブセット(例えば、ボイラ104、冷却器102、ポンプ、弁など)を含み得、加熱又は冷却された流体をAHU106に供給するように動作し得る。ウォーターサイドシステム200のHVACデバイスは、ビルディング10内に(例えば、ウォーターサイドシステム120の構成要素として)位置しても、中央プラントなど場外の位置に位置し得る。
【0039】
図2では、ウォーターサイドシステム200は、複数のサブプラント202~212を有する中央プラントとして示されている。サブプラント202~212は、加熱器サブプラント202、熱回収冷却器サブプラント204、冷却器サブプラント206、冷却塔サブプラント208、高温熱エネルギー貯蔵(TES)サブプラント210、及び冷熱エネルギー貯蔵(TES)サブプラント212を含むように示されている。サブプラント202~212は、公益事業からの資源(例えば、水、天然ガス、電気など)を消費して、ビルディング又はキャンパスの熱エネルギー負荷(例えば、温水、冷水、暖房、冷房など)を提供する。例えば、加熱器サブプラント202は、加熱器サブプラント202とビルディング10との間で温水を循環させる温水ループ214内の水を加熱するように構成され得る。冷却器サブプラント206は、冷却器サブプラント206とビルディング10との間で冷水を循環させる冷水ループ216内の水を冷却するように構成され得る。熱回収冷却器サブプラント204は、冷水ループ216から温水ループ214に熱を伝達して、温水のための追加加熱及び冷水のための追加冷却を可能にするように構成され得る。凝縮器水ループ218が、冷却器サブプラント206内の冷水から熱を吸収し、吸収された熱を冷却塔サブプラント208内に排除するか、又は吸収された熱を温水ループ214に伝達し得る。高温TESサブプラント210及び低温TESサブプラント212は、その後の使用のために、それぞれ高熱及び低熱エネルギーを貯蔵し得る。
【0040】
温水ループ214及び冷水ループ216は、ビルディング10の屋上に位置するエアハンドラ(例えば、AHU106)に、又はビルディング10の個々のフロア若しくは区域(例えば、VAVユニット116)に、加熱及び/又は冷却された水を送給し得る。エアハンドラは、水が流れる熱交換器(例えば、加熱コイル又は冷却コイル)に空気を押し通して、空気を加熱又は冷却する。加熱又は冷却された空気は、ビルディング10の個々の区域に送給されて、ビルディング10の熱エネルギー負荷を提供し得る。次いで、水はサブプラント202~212に戻り、さらなる加熱又は冷却を受ける。
【0041】
サブプラント202~212は、ビルディングへの循環用の水を加熱及び冷却するものとして図示されて述べられているが、熱エネルギー負荷を供給するために水の代わりに、又は水に加えて、任意の他のタイプの作動流体(例えば、グリコール、CO2など)が使用され得ることを理解されたい。他の実施形態では、サブプラント202~212は、中間伝熱流体を必要とせずに、ビルディング又はキャンパスに加熱及び/又は冷却を直接提供し得る。ウォーターサイドシステム200に対するこれら及び他の変形形態も本発明の教示の範囲内にある。
【0042】
サブプラント202~212の各々は、サブプラントの機能を実現しやすくするように構成された様々な機器を含み得る。例えば、加熱器サブプラント202は、温水ループ214内の温水に熱を加えるように構成された複数の加熱要素220(例えば、ボイラ、電気加熱器など)を含むように示されている。また、加熱器サブプラント202は、いくつかのポンプ222及び224を含むように示されており、これらのポンプ222及び224は、温水ループ214内で温水を循環させ、個々の加熱要素220を通る温水の流量を制御するように構成される。冷却器サブプラント206は、冷水ループ216内の冷水から熱を除去するように構成された複数の冷却器232を含むように示されている。また、冷却器サブプラント206は、いくつかのポンプ234及び236を含むように示されており、ポンプ234及び236は、冷水ループ216内で冷水を循環させ、個々の冷却器232を通る冷水の流量を制御するように構成される。
【0043】
熱回収冷却器サブプラント204は、冷水ループ216から温水ループ214に熱を伝達するように構成された複数の熱回収熱交換器226(例えば、冷蔵回路)を含むように示されている。また、熱回収冷却器サブプラント204は、いくつかのポンプ228及び230を含むように示されており、ポンプ228及び230は、熱回収熱交換器226を通して温水及び/又は冷水を循環させ、個々の熱回収熱交換器226を通る水の流量を制御するように構成される。冷却塔サブプラント208は、凝縮器水ループ218内の凝縮器水から熱を除去するように構成された複数の冷却塔238を含むように示されている。また、冷却塔サブプラント208は、いくつかのポンプ240を含むように示されており、ポンプ240は、凝縮器水ループ218内で凝縮器水を循環させ、個々の冷却塔238を通る凝縮器水の流量を制御するように構成される。
【0044】
高温TESサブプラント210は、後の使用のために温水を貯蔵するように構成された高温TESタンク242を含むように示されている。また、高温TESサブプラント210は、1つ以上のポンプ又は弁を含み得、これらのポンプ又は弁は、高温TESタンク242の内外への温水の流量を制御するように構成される。低温TESサブプラント212は、後の使用のために冷水を貯蔵するように構成された低温TESタンク244を含むように示されている。また、低温TESサブプラント212は、1つ以上のポンプ又は弁を含むこともあり、これらのポンプ又は弁は、低温TESタンク244の内外への冷水の流量を制御するように構成される。
【0045】
いくつかの実施形態では、ウォーターサイドシステム200内のポンプ(例えば、ポンプ222、224、228、230、234、236、及び/又は240)又はウォーターサイドシステム200内のパイプラインの1つ以上が、それらに関連付けられた隔離弁を含む。隔離弁は、ウォーターサイドシステム200内の流体の流れを制御するために、ポンプと一体化されても、ポンプの上流又は下流に位置決めされ得る。様々な実施形態において、ウォーターサイドシステム200は、ウォーターサイドシステム200の特定の構成と、ウォーターサイドシステム200によって提供される負荷のタイプとに基づいて、より多数、より少数、又は異なるタイプのデバイス及び/又はサブプラントを含むこともある。
【0046】
次に図3を参照すると、例示的実施形態によるエアサイドシステム300のブロック図が示されている。様々な実施形態において、エアサイドシステム300は、HVACシステム100内のエアサイドシステム130を補助するか、若しくはそれに置き代わり得、又はHVACシステム100とは別個に実装され得る。HVACシステム100に実装されるとき、エアサイドシステム300は、HVACシステム100内のHVACデバイスのサブセット(例えば、AHU106、VAVユニット116、ダクト112~114、ファン、ダンパなど)を含み得、ビルディング10内又は周辺に位置し得る。エアサイドシステム300は、ウォーターサイドシステム200によって提供される加熱又は冷却された流体を使用して、ビルディング10に提供される気流を加熱又は冷却するように動作し得る。
【0047】
図3では、エアサイドシステム300が、エコノマイザ型エアハンドリングユニット(AHU)302を含むように示されている。エコノマイザ型AHUは、加熱又は冷却のためにエアハンドリングユニットによって使用される外気及び還気の量を変える。例えば、AHU302は、ビルディング区域306から還気ダクト308を通して還気304を受け取り得、給気ダクト312を通してビルディング区域306に給気310を送給し得る。いくつかの実施形態では、AHU302は、ビルディング10の屋根に位置する屋上ユニット(例えば、図1に示されるAHU106)、又は還気304と外気314との両方を受け取るように他の場所に位置決めされた屋上ユニットである。AHU302は、混ざり合って給気310を生成する外気314と還気304との量を制御するために、排気ダンパ316、混合ダンパ318、及び外気ダンパ320を動作させるように構成され得る。混合ダンパ318を通過しない還気304は、AHU302から排気ダンパ316を通して排気322として排出され得る。
【0048】
ダンパ316~320の各々は、アクチュエータによって動作することができる。例えば、排気ダンパ316はアクチュエータ324によって動作することができ、混合ダンパ318はアクチュエータ326によって動作することができ、外気ダンパ320はアクチュエータ328によって動作することができる。アクチュエータ324~328は、通信リンク332を介してAHU制御装置330と通信し得る。アクチュエータ324~328は、AHU制御装置330から制御信号を受信することができ、AHU制御装置330にフィードバック信号を提供し得る。フィードバック信号は、例えば、現在のアクチュエータ又はダンパ位置の標示、アクチュエータによって及ぼされるトルク又は力の量、診断情報(例えば、アクチュエータ324~328によって実施された診断テストの結果)、ステータス情報、試運転情報、構成設定、較正データ、及び/又はアクチュエータ324~328によって収集、記憶、若しくは使用され得る他のタイプの情報若しくはデータを含み得る。AHU制御装置330は、1つ以上の制御アルゴリズム(例えば、状態ベースアルゴリズム、極値探索制御(ESC)アルゴリズム、比例積分(PI)制御アルゴリズム、比例積分微分(PID)制御アルゴリズム、モデル予測制御(MPC)アルゴリズム、フィードバック制御アルゴリズムなど)を使用してアクチュエータ324~328を制御するように構成されたエコノマイザ制御装置であり得る。
【0049】
引き続き図3を参照すると、AHU302は、給気ダクト312内に位置決めされた冷却コイル334、加熱コイル336、及びファン338を含むように示されている。ファン338は、給気310を冷却コイル334及び/又は加熱コイル336に通し、さらに給気310をビルディング区域306に提供するように構成され得る。AHU制御装置330は、通信リンク340を介してファン338と通信して、給気310の流量を制御し得る。いくつかの実施形態では、AHU制御装置330は、ファン338の速度を調整することにより、給気310に加えられる加熱又は冷却の量を制御する。
【0050】
冷却コイル334は、冷却された流体を、配管342を通してウォーターサイドシステム200から(例えば、冷水ループ216から)受け取ることができ、また、冷却された流体を、配管344を通してウォーターサイドシステム200に戻すことができる。冷却コイル334を通る冷却流体の流量を制御するために、配管342又は配管344に沿って弁346が位置決めされ得る。いくつかの実施形態では、冷却コイル334は、給気310に加えられる冷却量を調整するために、(例えば、AHU制御装置330、BMS制御装置366などによって)独立して作動及び作動停止され得る複数ステージの冷却コイルを含む。
【0051】
加熱コイル336は、加熱された流体を、配管348を通してウォーターサイドシステム200から(例えば、温水ループ214から)受け取ることができ、また、加熱された流体を、配管350を通してウォーターサイドシステム200に戻すことができる。加熱コイル336を通る加熱流体の流量を制御するために、配管348又は配管350に沿って弁352が位置決めされ得る。いくつかの実施形態では、加熱コイル336は、給気310に加えられる加熱量を調整するために、(例えば、AHU制御装置330、BMS制御装置366などによって)独立して作動及び作動停止され得る複数ステージの加熱コイルを含む。
【0052】
弁346及び352の各々は、アクチュエータによって制御され得る。例えば、弁346はアクチュエータ354によって制御され得、弁352はアクチュエータ356によって制御され得る。アクチュエータ354~356は、通信リンク358~360を介してAHU制御装置330と通信し得る。アクチュエータ354~356は、AHU制御装置330から制御信号を受信することができ、制御装置330にフィードバック信号を提供し得る。いくつかの実施形態では、AHU制御装置330は、給気ダクト312内(例えば、冷却コイル334及び/又は加熱コイル336の下流)に位置決めされた温度センサ362から給気温度の測定値を受信する。また、AHU制御装置330は、ビルディング区域306内に位置する温度センサ364からビルディング区域306の温度の測定値を受信することもある。
【0053】
いくつかの実施形態では、AHU制御装置330は、アクチュエータ354~356によって弁346及び352を操作して、(例えば、給気310の設定値温度を実現するため、又は設定値温度範囲内で給気310の温度を維持するために)給気310に提供される加熱又は冷却の量を調整する。弁346及び352の位置は、冷却コイル334又は加熱コイル336によって給気310に提供される加熱又は冷却の量に影響を及ぼし、所望の給気温度を実現するために消費されるエネルギーの量と相関し得る。AHU制御装置330は、コイル334~336を作動若しくは作動停止させること、ファン338の速度を調節すること、又はそれら両方の組合せにより、給気310及び/又はビルディング区域306の温度を制御し得る。
【0054】
引き続き図3を参照すると、エアサイドシステム300は、ビルディング管理システム(BMS)制御装置366及びクライアントデバイス368を含むように示されている。BMS制御装置366は、システムレベル制御装置として働く1つ以上のコンピュータシステム(例えば、サーバ、監視制御装置、サブシステム制御装置など)、アプリケーション若しくはデータサーバ、ヘッドノード、又はエアサイドシステム300用のマスタ制御装置、ウォーターサイドシステム200、HVACシステム100、及び/又はビルディング10にサービス提供する他の制御可能なシステムを含み得る。BMS制御装置366は、複数の下流のビルディングシステム又はサブシステム(例えば、HVACシステム100、セキュリティシステム、照明システム、ウォーターサイドシステム200など)と、同様の又は異なるプロトコル(例えば、LON、BACnetなど)に従って通信リンク370を介して通信し得る。様々な実施形態において、AHU制御装置330とBMS制御装置366は、(図3に示されるように)別々であるか又は一体化され得る。一体化された実装では、AHU制御装置330は、BMS制御装置366のプロセッサによって実行されるように構成されたソフトウェアモジュールであり得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、AHU制御装置330は、BMS制御装置366から情報(例えば、コマンド、設定値、動作境界など)を受信し、BMS制御装置366に情報(例えば、温度測定値、弁又はアクチュエータ位置、動作ステータス、診断など)を提供する。例えば、AHU制御装置330は、温度センサ362~364からの温度測定値、機器のオン/オフ状態、機器の動作能力、及び/又は任意の他の情報をBMS制御装置366に提供することができ、これらの情報をBMS制御装置366が使用して、ビルディング区域306内の変動する状態又は条件を監視又は制御することができる。
【0056】
クライアントデバイス368は、HVACシステム100、そのサブシステム、及び/又はデバイスを制御、閲覧、又は他の形でそれらと対話するための1つ以上の人間-機械インターフェース又はクライアントインターフェース(例えば、グラフィカルユーザインターフェース、報告インターフェース、テキストベースのコンピュータインターフェース、クライアントフェーシングウェブサービス、ウェブクライアントにページを提供するウェブサーバなど)を含み得る。クライアントデバイス368は、コンピュータワークステーション、クライアント端末、遠隔若しくはローカルインターフェース、又は任意の他のタイプのユーザインターフェースデバイスであり得る。クライアントデバイス368は、固定端末でもモバイルデバイスであり得る。例えば、クライアントデバイス368は、デスクトップコンピュータ、ユーザインターフェースを備えるコンピュータサーバ、ラップトップコンピュータ、タブレット、スマートフォン、PDA、又は任意の他のタイプのモバイルデバイス若しくは非モバイルデバイスであり得る。クライアントデバイス368は、通信リンク372を介してBMS制御装置366及び/又はAHU制御装置330と通信し得る。
【0057】
次に図4を参照すると、例示的実施形態によるビルディング管理システム(BMS)400のブロック図が示されている。BMS400は、様々なビルディング機能を自動的に監視及び制御するためにビルディング10に実装され得る。BMS400は、BMS制御装置366及び複数のビルディングサブシステム428を含むように示されている。ビルディングサブシステム428は、ビルディング電気サブシステム434、情報通信技術(ICT)サブシステム436、セキュリティサブシステム438、HVACサブシステム440、照明サブシステム442、エレベータ/エスカレータサブシステム432、及び火災安全サブシステム430を含むように示されている。様々な実施形態において、ビルディングサブシステム428は、より少数の、追加の、又は代替のサブシステムを含むことができる。例えば、追加又は代替として、ビルディングサブシステム428は、冷蔵サブシステム、広告若しくは標識サブシステム、調理サブシステム、販売サブシステム、プリンタ若しくはコピーサービスサブシステム、又はビルディング10を監視若しくは制御するために制御可能な機器及び/又はセンサを使用する任意の他のタイプのビルディングサブシステムを含み得る。いくつかの実施形態では、ビルディングサブシステム428は、図2~3を参照して述べたように、ウォーターサイドシステム200及び/又はエアサイドシステム300を含む。
【0058】
ビルディングサブシステム428の各々は、その個々の機能及び制御活動を完遂するための多数のデバイス、制御装置、及び接続を含み得る。HVACサブシステム440は、図1~3を参照して述べたようなHVACシステム100と同じ構成要素の多くを含み得る。例えば、HVACサブシステム440は、複数の冷却器、加熱器、ハンドリングユニット、エコノマイザ、フィールド制御装置、監視制御装置、アクチュエータ、温度センサ及び/又はビルディング10内の温度、湿度、気流、又は他の可変条件を制御するための他のデバイスを含み得る。照明サブシステム442は、多数の照明器具、安定器、照明センサ、調光器、又はビルディング空間に提供される光の量を制御可能に調節するように構成された他のデバイスを含み得る。セキュリティサブシステム438は、人感センサ、ビデオ監視カメラ、デジタルビデオレコーダ、ビデオ処理サーバ、侵入検出デバイス、アクセス制御デバイス及びサーバ、又は他のセキュリティ関連デバイスを含み得る。
【0059】
引き続き図4を参照すると、BMS制御装置366は、通信インターフェース407及びBMSインターフェース409を含むように示されている。インターフェース407は、BMS制御装置366と外部アプリケーション(例えば、監視及び報告アプリケーション422、企業管理アプリケーション426、遠隔システム及びアプリケーション444、クライアントデバイス448に常駐するアプリケーションなど)との間の通信を容易にして、BMS制御装置366及び/又はサブシステム428に対するユーザ制御、監視、及び調節を可能にし得る。また、インターフェース407は、BMS制御装置366とクライアントデバイス448との間の通信を容易にし得る。BMSインターフェース409は、BMS制御装置366とビルディングサブシステム428(例えば、HVAC、照明セキュリティ、エレベータ、配電、ビジネスなど)との間の通信を容易にし得る。
【0060】
インターフェース407、409は、ビルディングサブシステム428又は他の外部システム若しくはデバイスとのデータ通信を行うための有線若しくは無線通信インターフェース(例えば、ジャック、アンテナ、送信機、受信機、送受信機、有線端末など)であり得るか又はそれを含み得る。様々な実施形態において、インターフェース407、409を介する通信は、直接的なもの(例えば、ローカル有線又は無線通信)でも、通信ネットワーク446(例えば、WAN、インターネット、セルラネットワークなど)を介するものであり得る。例えば、インターフェース407、409は、Ethernet(登録商標)ベースの通信リンク又はネットワークを介してデータを送受信するためのEthernetカード及びポートを含むことができる。別の例では、インターフェース407、409は、無線通信ネットワークを介して通信するためのWiFi送受信機を含むことができる。別の例では、インターフェース407、409の一方又は両方は、セルラ又は携帯電話通信送受信機を含み得る。一実施形態では、通信インターフェース407は電力線通信インターフェースであり、BMSインターフェース409はEthernetインターフェースである。他の実施形態では、通信インターフェース407及びBMSインターフェース409の両方は、Ethernetインターフェースであるか、又は同一のEthernetインターフェースである。
【0061】
引き続き図4を参照すると、BMS制御装置366は、プロセッサ406及びメモリ408を含む処理回路404を含むように示されている。処理回路404は、処理回路404及びその様々な構成要素がインターフェース407、409を介してデータを送受信できるように、BMSインターフェース409及び/又は通信インターフェース407に通信可能に接続され得る。プロセッサ406は、汎用プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、1つ若しくは複数のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、処理コンポーネントの群又は他の適切な電子処理コンポーネントとして実装することができる。
【0062】
メモリ408(例えば、メモリ、メモリユニット、記憶デバイスなど)は、本出願で述べる様々なプロセス、層、及びモジュールを完遂又は容易化するためのデータ及び/又はコンピュータコードを記憶するための1つ以上のデバイス(例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、ハードディスク記憶装置など)を含み得る。メモリ408は、揮発性メモリ若しくは不揮発性メモリであり得るか又はそれを含み得る。メモリ408は、データベースコンポーネント、オブジェクトコードコンポーネント、スクリプトコンポーネント、又は本出願で述べる様々な活動及び情報構造をサポートするための任意の他のタイプの情報構造を含み得る。例示的実施形態によれば、メモリ408は、処理回路404を介してプロセッサ406に通信可能に接続され、(例えば、処理回路404及び/又はプロセッサ406によって)本明細書で述べる1つ以上のプロセスを実行するためのコンピュータコードを含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、BMS制御装置366は、単一のコンピュータ(例えば、1つのサーバ、1つのハウジングなど)内に実装される。様々な他の実施形態では、BMS制御装置366は、(例えば、分散された場所に存在することができる)複数のサーバ又はコンピュータにわたって分散されることもある。さらに、図4は、BMS制御装置366の外部に存在するものとしてアプリケーション422及び426を示しているが、いくつかの実施形態では、アプリケーション422及び426は、BMS制御装置366内(例えば、メモリ408内)でホストされることもある。
【0064】
引き続き図4を参照すると、メモリ408は、企業統合層410、自動測定及び検証(AM&V)層412、要求応答(DR)層414、故障検出及び診断(FDD)層416、統合制御層418、並びにビルディングサブシステム統合層420を含むように示されている。層410~420は、ビルディングサブシステム428及び他のデータ源から入力を受信し、入力に基づいてビルディングサブシステム428のための最適な制御アクションを決定し、最適な制御アクションに基づいて制御信号を生成し、生成された制御信号をビルディングサブシステム428に提供するように構成され得る。以下の段落では、BMS400での各層410~420によって実施される全般的な機能のいくつかを述べる。
【0065】
企業統合層410は、様々な企業レベルのアプリケーションをサポートするための情報及びサービスをクライアント又はローカルアプリケーションに提供するように構成され得る。例えば、企業管理アプリケーション426は、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)又は多数の企業レベルのビジネスアプリケーション(例えば、会計システム、ユーザ識別システムなど)にサブシステムスパニング制御を提供するように構成され得る。企業管理アプリケーション426は、追加又は代替として、BMS制御装置366を構成するための構成GUIを提供するように構成されることもある。さらに他の実施形態では、企業管理アプリケーション426は、層410~420と協働して、インターフェース407及び/又はBMSインターフェース409で受信された入力に基づいてビルディングパフォーマンス(例えば、効率、エネルギー使用量、快適性、又は安全性)を最適化することができる。
【0066】
ビルディングサブシステム統合層420は、BMS制御装置366とビルディングサブシステム428との間の通信を管理するように構成され得る。例えば、ビルディングサブシステム統合層420は、ビルディングサブシステム428からセンサデータ及び入力信号を受信し、ビルディングサブシステム428に出力データ及び制御信号を提供し得る。ビルディングサブシステム統合層420は、ビルディングサブシステム428間の通信を管理するように構成されることもある。ビルディングサブシステム統合層420は、複数のマルチベンダ/マルチプロトコルシステムにわたって通信(例えば、センサデータ、入力信号、出力信号など)を変換する。
【0067】
要求応答層414は、ビルディング10の要求が満たされたことに応答して、資源使用量(例えば、電気使用量、天然ガス使用量、水使用量など)及び/又はそのような資源使用量の金銭的コストを最適化するように構成され得る。最適化は、時間帯別の価格、削減信号、エネルギー利用可能性、又は公益事業者、分散型エネルギー生成システム424、エネルギー貯蔵装置427(例えば、高温TES242、低温TES244など)、若しくは他の提供源から受信される他のデータに基づき得る。要求応答層414は、BMS制御装置366の他の層(例えば、ビルディングサブシステム統合層420、統合制御層418など)からの入力を受信することもある。他の層から受信される入力は、温度、二酸化炭素レベル、相対湿度レベル、空気質センサ出力、人感センサ出力、部屋スケジュールなどの環境入力又はセンサ入力を含み得る。また、入力は、公益事業からの電気使用量(例えば、単位kWhで表される)、熱負荷測定値、価格情報、予測価格、平滑化価格、削減信号などの入力を含むこともある。
【0068】
例示的実施形態によれば、要求応答層414は、受信したデータ及び信号に応答するための制御論理を含む。これらの応答は、統合制御層418内の制御アルゴリズムと通信すること、制御戦略を変更すること、設定値を変更すること、又は制御下でビルディング機器若しくはサブシステムを作動/作動停止することを含むことができる。また、要求応答層414は、貯蔵されているエネルギーを利用すべき時を決定するように構成された制御論理を含むこともある。例えば、要求応答層414は、ピーク使用時間の開始直前にエネルギー貯蔵装置427からのエネルギーの使用を開始することを決定し得る。
【0069】
いくつかの実施形態では、要求応答層414は、要求(例えば、価格、削減信号、要求レベルなど)を表す1つ以上の入力に基づいて、又は要求に基づいて、エネルギーコストを最小にする(例えば、自動的に設定値を変更する)制御アクションを能動的に開始するように構成された制御モジュールを含む。いくつかの実施形態では、要求応答層414は、機器モデルを使用して、最適な1組の制御アクションを決定する。機器モデルは、例えば、ビルディング機器の様々な組によって行われる入力、出力及び/又は機能を説明する熱力学モデルを含み得る。機器モデルは、ビルディング機器(例えば、サブプラント、冷却器アレイなど)又は個々のデバイス(例えば、個々の冷却器、加熱器、ポンプなど)の集合体を表し得る。
【0070】
要求応答層414は、1つ以上の要求応答ポリシー定義(例えば、データベース、XMLファイルなど)をさらに含むか又は利用し得る。ポリシー定義は、(例えば、グラフィカルユーザインターフェースを介して)ユーザによって編集又は調節することができ、それにより、要求入力に応答して開始される制御アクションは、ユーザの用途に合わせて、所望の快適性レベルに合わせて、特定のビルディング機器に合わせて、又は他の事項に基づいて調整され得る。例えば、要求応答ポリシー定義は、特定の要求入力に応答して何れの機器がオン又はオフにされ得るか、システム又は機器をどの程度長くオフにすべきか、何れの設定値を変更できるか、許容できる設定値調節範囲はどの程度か、通常通り予定された設定値に戻るまでに高い要求設定値をどの程度長く保つか、能力の限界にどの程度近付くか、何れの機器モードを利用するか、エネルギー貯蔵デバイス(例えば、熱貯蔵タンク、バッテリバンクなど)の内外へのエネルギー伝達速度(例えば、最高速度、アラーム速度、他の速度限度情報など)、及び(例えば、燃料電池、電動発電機セットなどを介して)現場でのエネルギー発生を送出する時を指定することができる。
【0071】
統合制御層418は、ビルディングサブシステム統合層420及び/又は要求応答層414のデータ入力又は出力を使用して制御決定を行うように構成され得る。ビルディングサブシステム統合層420によって実現されるサブシステムの統合により、統合制御層418は、サブシステム428の制御活動を統合することができ、それにより、サブシステム428が単一の統合型スーパーシステムとして挙動する。例示的実施形態では、統合制御層418は、複数のビルディングサブシステムからの入力及び出力を使用する制御論理を含み、個々のサブシステムが単独で提供することができる快適性及びエネルギー節約よりも大きな快適性及びエネルギー節約を提供する。例えば、統合制御層418は、第一のサブシステムからの入力を使用して、第二のサブシステムに関するエネルギー節約制御決定を行うように構成され得る。これらの決定の結果は、ビルディングサブシステム統合層420に通信し返すことができる。
【0072】
統合制御層418は、論理的に要求応答層414の下位にあるように示されている。統合制御層418は、ビルディングサブシステム428及びそれらそれぞれの制御ループを要求応答層414と共同で制御できるようにすることにより、要求応答層414の有効性を高めるように構成され得る。この構成は、有利には、従来のシステムに比べて、破壊的な要求応答挙動を減少し得る。例えば、統合制御層418は、冷却される水の温度の設定値(又は温度に直接若しくは間接的に影響を及ぼす別の成分)に対する要求応答に基づく上方修正が、ファンエネルギー(又は空間を冷却するために使用される他のエネルギー)の増加をもたらさないことを保証するように構成され得る。そのようなファンエネルギーの増加は、ビルディング総エネルギー使用量を、冷却器で保存されているエネルギーよりも大きくしてしまう。
【0073】
統合制御層418は、要求応答層414にフィードバックを提供するように構成され得、それにより、要求応答層414は、要求された部分的送電停止が行われている間であっても制約(例えば、温度、照明レベルなど)が適切に維持されていることをチェックする。制約には、安全性、機器動作限界及びパフォーマンス、快適性、火災コード、電気コード、エネルギーコードなどに関係する設定値又は検知境界が含まれることもある。また、統合制御層418は、論理的に、故障検出及び診断層416、並びに自動測定及び検証層412の下位にある。統合制御層418は、複数のビルディングサブシステムからの出力に基づいて、計算された入力(例えば、集約)をこれらのより高いレベルの層に提供するように構成され得る。
【0074】
自動測定及び検証(AM&V)層412は、(例えば、AM&V層412、統合制御層418、ビルディングサブシステム統合層420、FDD層416、又は他の層によって集約されたデータを使用して)統合制御層418又は要求応答層414によって指令された制御戦略が適切に機能していることを検証するように構成され得る。AM&V層412によって行われる計算は、個々のBMSデバイス又はサブシステムに関するビルディングシステムエネルギーモデル及び/又は機器モデルに基づき得る。例えば、AM&V層412は、モデルに基づいて予測された出力をビルディングサブシステム428からの実際の出力と比較して、モデルの精度を決定し得る。
【0075】
故障検出及び診断(FDD)層416は、ビルディングサブシステム428及びビルディングサブシステムデバイス(すなわちビルディング機器)に関する継続的な故障検出機能を提供し、要求応答層414及び統合制御層418によって使用されるアルゴリズムを制御するように構成され得る。FDD層416は、統合制御層418から、直接的に1つ若しくは複数のビルディングサブシステム若しくはデバイスから、又は別のデータ源から、データ入力を受信し得る。FDD層416は、検出された故障を自動的に診断して応答し得る。検出又は診断された故障に対する応答は、ユーザ、メンテナンススケジューリングシステム、又は故障を修理する若しくは故障に対処することを試みるように構成された制御アルゴリズムに警報メッセージを提供することを含み得る。
【0076】
FDD層416は、ビルディングサブシステム統合層420で利用可能な詳細なサブシステム入力を使用して、故障している構成要素又は故障の原因(例えば、緩いダンパ連係)の具体的な識別を出力するように構成され得る。他の例示的実施形態では、FDD層416は、「故障」イベントを統合制御層418に提供するように構成され、統合制御層418は、受信された故障イベントに応答して制御戦略及びポリシーを実行する。例示的実施形態によれば、FDD層416(又は統合制御エンジン若しくはビジネスルールエンジンによって実行されるポリシー)は、システムをシャットダウンして、又は故障しているデバイス若しくはシステムの周囲での制御活動を指示して、エネルギー浪費を減少させ、機器寿命を延ばし、又は適切な制御応答を保証し得る。
【0077】
FDD層416は、様々な異なるシステムデータストア(又はライブデータに関するデータポイント)を記憶する、又はそこにアクセスするように構成され得る。FDD層416は、データストアのうち、あるコンテンツを、機器レベル(例えば、特定の冷却器、特定のAHU、特定の端末ユニットなど)での故障を識別するために使用し、他のコンテンツを、構成要素又はサブシステムレベルでの故障を識別するために使用し得る。例えば、ビルディングサブシステム428は、BMS400及びその様々な構成要素のパフォーマンスを示す時間的(すなわち時系列)データを生成し得る。ビルディングサブシステム428によって生成されるデータは、測定値又は計算値を含むことがあり、それらの測定値又は計算値は、統計的特性を示し、対応するシステム又はプロセス(例えば、温度制御プロセス、流量制御プロセスなど)がその設定値からの誤差に対してどのように挙動しているかに関する情報を提供する。これらのプロセスは、FDD層416によって検査することができ、システムのパフォーマンスが低下し始めた時を明らかにし、より深刻になる前に故障を修理するようにユーザに警報する。
【0078】
HVACアクチュエータ
次に図5を参照すると、例示的実施形態によるHVACシステムで使用するためのアクチュエータ500が示されている。いくつかの実装形態では、アクチュエータ500は、図1~4に関して述べたように、HVACシステム100、ウォーターサイドシステム200、エアサイドシステム300又はBMS400で使用され得る。例えば、アクチュエータ500は、ダンパアクチュエータ、弁アクチュエータ、ファンアクチュエータ、ポンプアクチュエータ、又はHVACシステム若しくはBMSで使用され得る他の任意の種類のアクチュエータであり得る。各種の実施形態では、アクチュエータ500は、リニアアクチュエータ(例えば、線形比例アクチュエータ)、スプリングリターン型アクチュエータ、非線形アクチュエータ又は非スプリングリターン型アクチュエータであり得る。
【0079】
アクチュエータ500は、第一の側504(すなわちA側)と、第一の側504と反対の第二の側506(すなわちB側)と、底部508とを有するハウジング502を含むように示されている。ハウジング502は、アクチュエータ500の機械要素及び処理機能を有する構成要素を含み得る。いくつかの実施形態では、ハウジング502は、ブラシレス直流(BLDC)モータと、BLDCモータの速度を制御するためのパルス幅変調(PWM)DC出力を提供するように構成された処理回路とを含む。
【0080】
アクチュエータ500は、駆動装置510を含むように示されている。駆動装置510は、駆動機構、ハブ、又はHVACシステム100の構成要素を駆動するか若しくはその動きを生じさせるように構成された他の装置であり得る。例えば、駆動装置510は、ダンパのシャフト、弁又は他のHVACシステム100の可動構成要素を受けて、シャフトを駆動する(例えば、回転させる)ように構成され得る。いくつかの実施形態では、アクチュエータ500は、駆動装置510をHVACシステム100の可動構成要素に連結することを支援するように構成された連結装置を含む。例えば、連結装置は、駆動装置510を弁又はダンパシャフトに取り付けやすくし得る。
【0081】
アクチュエータ500は、入力コネクタ520と出力コネクタ522とを含むように示されている。いくつかの実施形態では、入力コネクタ520と出力コネクタ522とは、底部508に沿って位置する。別の実施形態では、入力コネクタ520と出力コネクタ522とは、ハウジング502の1つ以上の他の表面に沿って位置し得る。入力コネクタ520は、外部システム又は装置からの制御信号(例えば、電圧入力信号)を受信するように構成され得る。アクチュエータ500は、制御信号を用いてBLDCモータのための適当なPWM DC出力を決定することができる。いくつかの実施形態では、制御信号は、AHU制御装置(例えば、AHU制御装置330)、エコノマイザ制御装置、監視制御装置(例えば、BMS制御装置366)、区域制御装置、フィールド制御装置、企業レベル制御装置、モータ制御装置、設備レベル制御装置(例えば、アクチュエータ制御装置)、又はHVACシステム100若しくはBMSで使用され得る他の任意の種類の制御装置から受信される。
【0082】
いつくかの実施形態では、制御信号は、DC電圧信号である。アクチュエータ500は、入力コネクタ520で受信したDC電圧の値に応じて駆動装置510の位置を制御するように構成された線形比例アクチュエータであり得る。例えば、最小入力電圧(例えば、0.0VDC、2.0VDC)は、駆動装置510の最小回転位置(例えば、0度、-5度など)に対応し得、最大入力電圧(例えば、10.0VDC)は、駆動装置510の最大回転位置(例えば、90度、95度など)に対応し得る。最小及び最大入力電圧間の入力電圧は、アクチュエータ500に駆動装置510を最小回転位置と最大回転位置との間の中間位置に移動させ得る。別の実施形態では、アクチュエータ500は、非線形アクチュエータでもあり得、又は異なる入力電圧範囲若しくは異なる種類の入力信号(例えば、AC電圧若しくは電流)を用いて駆動装置510の位置及び/若しくは回転速度を制御し得る。
【0083】
いくつかの実施形態では、制御信号は、AC電圧信号である。入力コネクタ520は、標準的電源引き通し線電圧(例えば、50/60Hzで120VAC又は230VAC)を有するAC電圧信号を受信するように構成され得る。電圧信号の周波数は、駆動装置510の回転位置及び/又は速度を調整するように(例えば、アクチュエータ500のための制御装置により)変調され得る。いくつかの実施形態では、アクチュエータ500は、電圧信号を用いてアクチュエータ500の各種の構成要素に電源供給する。アクチュエータ500は、入力コネクタ520を介して受信されるAC電圧信号を制御信号、電力源又はその両方として使用され得る。いくつかの実施形態では、電圧信号は、アクチュエータ500に一定の又は実質的に一定の周波数を有するAC電圧(例えば、50Hz又は60Hzで120VAC又は230VAC)を提供する電源引き通し線から入力コネクタ520において受信される。入力コネクタ520は、1つ以上のデータコネクタ(電源引き通し線とは別)を含み得、それを通じて、アクチュエータ500は、制御装置又は他のアクチュエータからの制御信号(例えば、0~10VDCの制御信号)を受信する。
【0084】
いくつかの実施形態では、アクチュエータ500は、AC電圧制御とDC電圧制御とを切り換えるように構成され得る。後により詳細に述べるように、アクチュエータ500は、AC電圧制御とDC電圧制御とを切り換えるユーザ入力デバイス512、514を含み得る。さらに、いくつかの例では、アクチュエータ500は、異なる最小入力電圧間で切り換えるように構成され得る。例えば、アクチュエータ500は、0.0VDCの最小入力電圧と2.0VDCの最小入力電圧との間で切り換えるように構成され得る。
【0085】
いくつかの実施形態では、制御信号は、他のアクチュエータから入力コネクタ520において受信される。例えば、複数のアクチュエータが直列配列で相互に接続されている場合、入力コネクタ520は、(例えば、通信バスを介して)他のアクチュエータの出力データコネクタに接続され得る。アクチュエータの1つがマスタアクチュエータとして配列され、その入力コネクタ520が制御装置に接続され得、他のアクチュエータがスレーブアクチュエータとして配列され、それらのそれぞれの入力コネクタがマスタアクチュエータの出力コネクタ522に接続され得る。
【0086】
出力コネクタ522は、フィードバック信号を、その中にアクチュエータ500が実装されるHVACシステム100又はBMSの制御装置(例えば、AHU制御装置、エコノマイザ制御装置、監視制御装置、ゾーン制御装置、フィールド制御装置、企業レベル制御装置など)に提供するように構成され得る。フィードバック信号は、アクチュエータ500の回転位置及び/又は速度を示し得る。いくつかの実施形態では、出力コネクタ522は、アクチュエータ500と直列に配列された他のアクチュエータ(例えば、スレーブアクチュエータ)に制御信号を提供するように構成され得る。入力コネクタ520と出力コネクタ522とは、通信バスを介して制御装置又は他のアクチュエータに接続され得る。通信バスは、有線又は無線通信リンクであり得、様々な異種通信プロトコル(例えば、BACnet、LON、WiFi、Bluetooth(登録商標)、NFC、TCP/IPなど)の何れも使用し得る。
【0087】
引き続き図5~7を参照すると、アクチュエータ500は、第一の側504に沿って位置する第一のユーザ入力装置512と、同様に第一の側504に沿って位置する第二のユーザ入力デバイス514とを含むように示されている。いくつかの実施形態では、第一のユーザ入力デバイス512と第二のユーザ入力デバイス514とは、異なる側に沿って位置し得る(例えば、両方が第二の側506に沿って位置し得る、一方が第一の側504に沿って位置し、他方が第二の側506に沿って位置付するなど)。ユーザ入力デバイス512~514は、アクチュエータ500を特定の動作モードに設定するため、又はアクチュエータ500を特定の種類の入力を受け入れるように構成するために使用され得る。
【0088】
いくつかの実施形態では、ユーザ入力デバイス512は、異なる数のモード又は位置を有するモード選択ダイヤルであり得る。ユーザ入力デバイス512は、アクチュエータ500が、入力コネクタ520で受け取られるDC入力電圧に応じて駆動装置510の位置を制御する線形比例アクチュエータである実施形態のために提供され得る。いくつかの実施形態では、ユーザ入力デバイス512の機能は、その開示全体が参照により本出願に組み入れられる特許文献1に記載されているモード選択スイッチの機能と同じであるか又は異なる。例えば、ユーザ入力デバイス512の位置は、アクチュエータ500を正動作モード、逆動作モード又は較正モードで動作させるように設定するために調整され得る。
【0089】
ユーザ入力デバイス512は、0-10正動作(DA)モード、2-10DAモード、較正(CAL)モード、2-10逆動作(RA)モード、及び0-10RAモードを含むように示されている。別の例示的実施形態によれば、ユーザ入力デバイス512は、より多くの又はより少ないモードを有し得、及び/又は上述のものと異なるモードを有し得る。ユーザ入力デバイス512の位置は、駆動装置510の回転範囲に対応するDC入力電圧範囲を画定し得る。例えば、ユーザ入力デバイス512が0-10DAに設定されると、0.0VDCの入力電圧は、駆動装置510の0度の回転位置に対応し得る。この同じモードの場合、1.7VDCの入力電圧は、15度の回転位置に対応し得、3.3VDCは、30度の回転位置に対応し得、5.0VDCは、45度の回転位置に対応し得、6.7VCDは、60度の回転位置に対応し得、8.3VDCは、75度の回転位置に対応し得、10.0VDCは、90度の回転位置に対応し得る。入力デバイス512が「自動較正」位置にあるとき、アクチュエータ500は、入力コネクタ520において受信された入力電圧を自動的に特定するように構成され得、電圧降下係数を相応に調整し得る。これらの電圧とそれに対応する回転位置とは、単に例にすぎず、各種の実装形態において異なり得ると理解すべきである。
【0090】
追加又は代替として、ユーザ入力デバイス512は、アクチュエータ500が入力コネクタ520においてAC電圧を受けるように構成される実施形態にも提供され得る。いくつかの実施形態では、ユーザ入力デバイス512の機能は、その開示全体が参照により本出願に組み入れられる特許文献2に記載されているモード選択スイッチの機能と同じであるか又は異なる。例えば、ユーザ入力デバイス512の位置は、アクチュエータ500を、入力コネクタ520において各種の異なるAC電圧を受け入れるように設定するために調整され得る。
【0091】
図5には示されていないが、ユーザ入力デバイス512は、「24VAC」位置、「120VAC」位置、「230VAC」位置、「Auto」位置を含み得る。ユーザ入力デバイス512の各位置は、異なる動作モードに対応し得る。別の例示的実施形態によれば、ユーザ入力デバイス512は、より多い又はより少ない位置を有し得、及び/又は明確に上述したモード以外のモードを有し得る。ユーザ入力デバイス512によって示される異なる動作モードは、入力コネクタ520において受け入れられる入力電圧に適用される異なる電圧降下係数に対応し得る。例えば、ユーザ入力デバイス512が24VAC位置にあるとき、アクチュエータ500は、入力コネクタ520において約24VAC(例えば、20~30VAC)の入力電圧を受け入れるように構成され得、約1の電圧降下係数を入力電圧に適用し得る。ユーザ入力デバイス512が120VAC位置にあるとき、アクチュエータ500は、入力接続520において約120VAC(例えば、100~140VAC、110~130VACなど)の入力電圧を受け入れるように構成され得、約5(例えば、3~7、4~6、4.5~5.5など)の電圧降下係数を入力電圧に適用し得る。ユーザ入力デバイス512が230VAC位置にあるとき、アクチュエータ500は、入力コネクタ520において約230VAC(例えば、200~260VAC、220~240VACなど)の入力電圧を受け入れるように構成され得、約9.6(例えば、7~13、8~12、9~10など)の電圧降下係数を入力電圧に適用し得る。ユーザ入力デバイス512が「Auto」位置にあるとき、アクチュエータ500は、入力コネクタ520において受け取られる入力電圧を自動的に決定するように構成され得、電圧降下係数を相応に調整し得る。
【0092】
いくつかの実施形態では、ユーザ入力デバイス514は、アドレス設定キャリアであり得る。アドレス設定キャリアは、アクチュエータ500のためのアドレスを設定するために使用され得る。したがって、ユーザ入力デバイス514は、アクチュエータ500上にある物理スイッチ(例えば、ディップスイッチ)の代わりに使用され得る。アドレスは、アクチュエータ500に特定の制御信号を送信するために使用され得る。例えば、アクチュエータ500は、入力コネクタ520で例えば(図3の)AHU制御装置330からの入力信号を受信し得る。入力信号は、アクチュエータ500が入力信号のターゲットであることを示すアドレスを含み得る。いくつかの例では、HVACシステム100は、アクチュエータ500を含む複数のアクチュエータを含み得る。アクチュエータ500を含むアクチュエータの各々は、直列、並列などに配置され得る。各アクチュエータは、関連するアドレスを有し得、これは、ユーザによってユーザ入力デバイス514を介して設定され得る。各アクチュエータのためのそれぞれのアドレスは、AHU制御装置330に提供され得る。AHU制御装置330は、入力信号を特定のアクチュエータ(例えば、アクチュエータ500)のためのアドレスと共に(図3の)通信リンク358~360を介して送信し得る。アクチュエータ500は、入力コネクタ520を介して入力信号とアドレスとを受け取り得る。アクチュエータ500は、したがって、入力コネクタ520を介して受信されたアドレスがアクチュエータ500に関連付けられるアドレスと一致したときに入力信号に応じて制御され得る。
【0093】
図のように、第一の側504は、ユーザ入力デバイス514を受ける大きさのスロット516を含み得る。ユーザ入力デバイス514は、ユーザによって取り外され、及び/又はスロット516内に保持され得る。したがって、ユーザは、ユーザ入力デバイス514を取り外し、ユーザ入力デバイス514の1つ以上の調整を提供し、ユーザ入力デバイス514をスロット516内に再びスライドさせることができる。1つ以上の実装形態では、ユーザ入力デバイス514は、ロック機構(図示せず)を含み得、これは、ユーザ入力デバイス514をスロット516に固定する。例えば、ロック機構は、ユーザ入力デバイス514の側又は底部の対応するノッチと係合するばね式タブを含み得る。この例では、ユーザは、ユーザ入力デバイス514をスロット516に押し込み、ばね式タブを対応するノッチと係合させ、それによってユーザ入力デバイス514を適正に位置決めし得る。ユーザ入力デバイス514を取り外すために、ユーザは、ユーザ入力デバイス514を押し下げて、ばね式タブが外れるようにし、ユーザ入力デバイス514がスロット516から出るようにする。その後、ユーザは、ユーザ入力デバイス514をスロット516からスライドさせ得る。この例が提供されているが、ユーザ入力デバイス514を適正な位置に位置決めするために他の多くの構成要素/デバイスを使用し得る。
【0094】
特に図6を参照すると、アクチュエータ500がより詳細に示されている。アクチュエータ500は、回路基板600として示される制御回路を含むように示されている。回路基板600は、アクチュエータ500を制御するために使用される様々な回路(図示せず)を含み得る。図7に詳細に示されているように、回路基板600は、ハウジング502の第一の側504に隣接して位置決めされ得る。例えば、回路基板600は、ハウジング502内において、ハウジング502の第一の側504の内向面(例えば、第一の側504の、ハウジング502の内側部分に対向する表面)に隣接して位置決めされ得る。ハウジング502の第一の側504に隣接して位置決めされているように示されているが、いくつかの実装形態では、回路基板600は、第二の側506に隣接して位置決めされ得る。
【0095】
いくつかの実施形態では、回路基板600は、1つ以上の磁界センサ602を含む。磁界センサ602は、磁石604の存在を検出するように構成された任意のセンサ又はデバイスであるか又はそれを含み得る。いくつかの実装形態では、磁界センサ602は、ホール効果センサ又はリードスイッチであり得る。磁界センサ602は、ユーザ入力デバイス512~514内に保持される磁石604の存在を検出するように配列され得る。したがって、回路基板600の少なくとも一部(例えば、磁界センサ602を含む部分)は、アクチュエータ500の、ユーザ入力デバイス512~514がある同じ側の反対表面に沿って位置し得る。
【0096】
1つ以上の実施形態では、アクチュエータ500は、アクチュエータ制御装置606によって制御され得る。図6に示されるもののようないくつかの実施形態では、アクチュエータ制御装置606は、アクチュエータ500の回路基板600上に実装され得る。別の実装形態では、アクチュエータ制御装置606は、アクチュエータ500の外に位置し得る。例えば、アクチュエータ制御装置606は、BMS制御装置366の構成要素であり得る。これら及び他の実装形態では、アクチュエータ制御装置606は、プロセッサ及びメモリ(例えば、プロセッサ406及びメモリ408)を有する処理回路(例えば、処理回路404)として実装され得る。プロセッサは、汎用プロセッサ、特定用途集積回路(ASIC)、1つ若しくは複数のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、処理コンポーネントの群又は他の適切な電子処理コンポーネントとして実装され得る。追加的に、メモリ(例えば、メモリ、メモリユニット、記憶デバイスなど)は、本出願で述べる様々なプロセス、層及びモジュールを完了又は容易化するためのデータ及び/又はコンピュータコードを記憶するための1つ以上のデバイス(例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、ハードディスク記憶装置など)を含み得る。メモリ408は、揮発性メモリ又は不揮発性メモリであるか又はそれを含み得る。メモリは、データベースコンポーネント、オブジェクトコードコンポーネント、スクリプトコンポーネント、又は本出願で述べる様々な活動及び情報構造をサポートするための他のあらゆる種類の情報構造を含み得る。例示的実施形態によれば、メモリは、処理回路を介してプロセッサに通信可能に接続され、(例えば、処理回路及び/又はプロセッサによって)本明細書で述べる1つ以上のプロセスを実行するためのコンピュータコードを含む。
【0097】
1つ以上の実施形態では、アクチュエータ制御装置606は、磁石ロケータ608を含み得る。磁石ロケータ608は、アクチュエータ制御装置606により、磁界センサ602に対するユーザ入力デバイス512、514の磁石604の位置を決定するために使用することができ、これについては後に詳細に述べる。磁石ロケータ608は、各磁界センサ602に動作的に接続され得る。アクチュエータ制御装置606は、各磁界センサ602からの信号を受信し得る。アクチュエータ制御装置606は、各磁界センサ602から受信する信号に基づいて磁石の位置を決定することができる。例えば、ユーザ入力デバイス512、514の磁石(例えば、磁石604)が磁界センサ602の存在下にある場合、磁界センサ602は、磁石の存在を示す信号を生成し得る。代替的に、磁石が磁界センサ602の存在下にない場合、各磁界センサ602は、磁石の不在を示す信号を生成し得る。したがって、磁石(例えば、磁石604)の位置は、信号によって示される有無に基づいて決定され得る。
【0098】
1つ以上の実施形態では、アクチュエータ制御装置606は、設定生成器610を含み得る。設定生成器610は、アクチュエータ制御装置606により、アクチュエータ500のための1つ以上の設定を(磁石ロケータ608を介して決定された)磁石604の位置に基づいて生成するために使用され得る。前述のように、設定は、いくつかの可能な例を挙げれば、0-10正動作(DA)モード、2-10DAモード、較正(CAL)モード、2-10逆動作(RA)モード及び0-10RAモード、「24VAC」位置、「120VAC」位置、「230VAC」位置、「Auto」位置、アドレス設定であるか又はそれを含み得る。これらの設定の各々は、ユーザ入力デバイス512、514の磁石604の特定の位置に関連付けることができる。1つ以上の実施形態では、アクチュエータ制御装置606は、特定の磁石604の位置に基づいてユーザ入力を決定することができる。例えば、アクチュエータ制御装置606は、設定生成器610を介して、特定の設定に関連付けられる特定のユーザ入力を決定することができる。一例として、ユーザ入力は、ユーザ入力デバイス512の磁石604を(例えば、異なる設定を選択するために)異なる位置に回転させることであり得る。他の例として、ユーザ入力は、複数の磁石604を(例えば、アドレス設定を選択するために)ユーザ入力デバイス514内でスライドさせることであり得る。アクチュエータ制御装置606は、磁石604のそのような移動に関連付けられたユーザ入力を決定することができる。アクチュエータ制御装置606は、設定生成器610を介して、磁石ロケータ608を介して決定された磁石604の位置に基づいてアクチュエータ500のために設定を生成し得る。
【0099】
設定が0-10正動作(DA)モード、2-10DAモード、較正(CAL)モード、2-10逆動作(RA)モード及び0-10RAモード、「24VAC」位置、「120VAC」位置、「230VAC」位置、「Auto」位置の1つである例では、ユーザ入力デバイス512が、特定の設定に関連付けられる特定の位置まで回転されると、ユーザ入力デバイス512の磁石604は、特定の設定に対応する位置に位置する。したがって、ユーザ入力は、ユーザがユーザ入力デバイス512を特定の所望の設定に関連付けられる所望の位置まで移動させることであり得る。アクチュエータ制御装置606は、磁石ロケータ608を用いて磁石604の位置を決定することができる。さらに、アクチュエータ制御装置606は、設定生成器610を用いて、磁石604の位置に関連付けられる設定を決定することができる。アクチュエータ制御装置606は、したがって、設定生成器610を用いてアクチュエータ500のためのこれらの設定を生成し得る。
【0100】
設定がアドレス設定である例では、ユーザ入力デバイス512、514内に保持される磁石604が異なる位置に切り替えられると、磁石604は、上記の関連付けられる磁界センサ602のその有無に基づいてバイナリ数を生成し得る。したがって、ユーザ入力は、アクチュエータ500のためのアドレスに関連付けられるバイナリ数であり得る。アクチュエータ制御装置606は、磁石ロケータ608を介して対応する各磁界センサ602の上の磁石604の有無を決定することができる。アクチュエータ制御装置606は、設定生成器610を用いてバイナリ数に関連付けられる設定(例えば、アドレス)を決定することができる。アクチュエータ制御装置606は、設定生成器610を用いてアクチュエータ500のための設定(例えば、アドレス)を生成し得る。
【0101】
次に図6及び図7を参照すると、いくつかの実施形態では、磁界センサ602の第一の集合612がユーザ入力デバイス512に関連付けられ得る。このような実施形態では、第一の集合612における各磁界センサ602は、特定の設定に関連付けられ得る。したがって、ユーザは、ユーザ入力デバイス512を調整することによって特定の設定を提供し得、この場合、ユーザ入力デバイス512に保持される磁石604は、対応する磁界センサ602に隣接して位置し、それによって特定の設定を提供する。例えば、ユーザは、ユーザ入力デバイス512を軸614まわりに回転させて、磁石604を異なる位置に移動させ、それによって磁石604の位置に対応する設定を提供し得る。
【0102】
ユーザ入力デバイス512は、支柱700を含み得る。支柱700は、アクチュエータ500のハウジング502を通して延び得る。図のように、支柱700は、いくつかの実装形態では、第一の側504及び第二の側506に垂直に延び得る。支柱700は、ハウジング502を通して延びる軸614を画定し得る。支柱700は、軸614まわりに回転するように構成され得る。いくつかの実施形態では、支柱700は、ハウジング502の第一の側504に沿って位置する第一の端部702と、ハウジング502の第二の側506に沿って位置する第二の端部704とを有し得る。第一及び第二の端部702、704の両方が露出され得る(例えば、アクチュエータ500の外部から見えるか又はアクセス可能である)。いくつかの実装形態では、支柱700の第一及び第二の端部702、704の各々は、それぞれのノッチ706、708を含み得る。ノッチ706、708は、十字型ノッチ、扁平ノッチ等であり得る。各ノッチ706、708は、ツール(例えば、プラス/マイナスドライバなど)が係合可能であり得、これは、ユーザ入力デバイス512を軸614まわりに回転させるべく使用され得る。ノッチ706、708を支柱700の両端部702、704に提供するうえで、ユーザ入力デバイス512の少なくとも一部がユーザによってアクセス可能であり得る。例えば、アクチュエータ500が、第一の側504が壁又は天井に面する状態で取り付けられた場合、ユーザは、第二の端部704のノッチ708を介してユーザ入力デバイス512を回転させることができ得る。他の例として、アクチュエータ500が、第二の側506が壁又は天井に面する状態で取り付けられた場合、ユーザは、第一の端部702のノッチ706を介してユーザ入力デバイス512を回転させることができ得る。さらに別の例として、一方の側504、506が、HVACシステム内のアクチュエータの近くに概して位置するか又は取り付けられた付近の導管、ワイヤ又は他の材料のためにアクセスできない状態でアクチュエータ500が取り付けられた場合、ユーザは、他方の側506、504上にあるノッチ708、706を介してユーザ入力デバイス512を回転させ得る。
【0103】
図7に示されるように、ユーザ入力デバイス512は、端部702、704の一方に隣接して位置するアーム710を含み得る。例えば、図7に示される実施形態では、アーム710は、第一の端部702に位置する。しかしながら、本開示は、この特定の配列に限定されない。これに対して、アーム710は、支柱700に沿った何れの箇所にも位置し得る。アーム710は、支柱700から半径方向に延び得る。そのため、支柱700が軸614まわりに回転されると、アーム710は、相応に軸614まわりに回転する。
【0104】
いくつかの実施形態では、アーム710は、保持部分712を含み得る。保持部分712は、磁石604を保持するために使用され得る。例えば、保持部分712は、磁石604を受ける大きさの開口714を含み得る。さらに、保持部分712は、保持部分712の周囲に沿って位置する1つ以上のリップ716を含み得る。リップ716は、保持部分712の周囲から保持部分712の中心に向かって内側に延び得る。これらのような実施形態では、磁石604が保持部分712に挿入されると、磁石604が保持部分712から落下することがあり得ない。
【0105】
1つ以上の実装形態では、保持部分712(及びしたがってその中に保持される磁石604)は、軸614から一定距離718に位置し得る。同様に、磁界センサ602の第一の集合612は、軸614から対応する距離616において回路基板600上で軸614まわりの半径方向に配列され得る。いくつかの実施形態では、距離718、616は、同じであり得る。したがって、磁石604は、選択的に第一の集合612における磁界センサ602の何れの上方にも位置し得る。
【0106】
いくつかの実施形態では、ユーザ入力デバイス512のアーム710は、磁界センサ602に対して反対の表面に位置し得る。例えば、ユーザ入力デバイス512のアーム710は、ハウジング502の第一の側504の外向面に隣接して位置し得、磁界センサ602は、ハウジング502の内部の、ハウジング502の第一の側504の内向面に隣接し得る。これらのような実施形態では、ハウジング502の内部は、完全に密閉され得る一方、アクチュエータ500は依然としてユーザ入力デバイス512の調整を通じて再構成/調整可能であり得る。
【0107】
引き続き図6及び図7を参照すると、ユーザ入力デバイス512のアーム710は、タブ720をさらに含み得る。さらに、第一の側504の外向面は、それに形成された1つ以上の戻り止め618を含み得る。戻り止め618は、タブ720の少なくとも一部とフィットする大きさであり得る。戻り止め618は、軸614からある距離に位置し得、これは、実質的にタブ720と軸614との間の距離と同じである。したがって、ユーザ入力デバイス512は、軸614まわりに、タブ720が戻り止め618の1つと係合するまで回転され得る。したがって、ユーザ入力デバイス512は、タブ720が特定の戻り止め618と係合したときに特定の位置に位置決めされ得る。いくつかの実装形態では、タブ720は、アーム710柔軟部分722上に位置し得る。柔軟部分722は、タブ720が戻り止め618間に位置決めされると上方に撓み、タブ70が戻り止め618内に位置決めされると下方に挟むように構成され得、これによってユーザ入力デバイス512の回転がより容易となり得る。
【0108】
各戻り止め618は、磁界センサ602の第一の集合612における特定の磁界センサ602に対応し得る。例えば、各戻り止め618は、特定の磁界センサ602と整列し得る。したがって、タブ720が特定の戻り止め618と係合すると、保持部分712内に保持される磁石604は、対応する磁界センサ602の上方に位置決めされる。
【0109】
いくつかの実施形態では、戻り止め618の数は、第一の集合612における磁界センサ602の数と同じでなくてもよい。例えば、戻り止め618の数は、磁界センサ602の数より1つ少なくてよい。したがって、磁石604の存在が第一の集合612における磁界センサ602の何れかにおいて検出されない場合、磁石604は、磁界センサ602のない位置に位置決めされる。これらのような実施形態では、アクチュエータ500の製造コストは、(例えば、1つ少ない磁界センサ602を通じて)ハードウェアを減らすことによって削減され得る。
【0110】
次に図8を参照すると、ユーザ入力デバイス512の断面図が示されている。この例では、アーム710は、ハウジング502の第一の面504とカバー800との間に挟まれる。カバー800は、支柱700の第一の端部702にアクセスするための穴802を含み得る。カバー800は、アクチュエータ500の複数の設定を示す文字列(例えば、0-10DA、2-10DA、Auto-Cal、10-2RA及び10-0RA)を含み得る。これらの設定が示されているが、複数の異なる設定がカバー800に提供され得る。いくつかの実施形態では、第一の端部702は、支柱700の回転を通じて何れの設定が選択されているかを示すインディケータ804を含み得る。いくつかの実施形態では、カバー800は、ハウジング502の第二の側506も覆い得る。これらのような実施形態では、第二の端部704にアクセスするための他の穴802がカバー800に提供され得る。カバー800は、支柱700の第二の端部704に隣接して、設定を示すための文字列を含み得る。第二の端部704は、インディケータ804と同様のインディケータも含み得る。したがって、ユーザは、アクチュエータ500のために何れの設定が選択されているかをアクチュエータ500の両側(例えば、第一及び第二の側504-506)から見ることができ得る。
【0111】
これらの設定の各々は、第一の側504の外向面に形成されたそれぞれの戻り止め618に対応し得る。図のように、支柱700(及びそれに対応してアーム710)は、ツールをノッチ706、708の一方に係合させ、ツールを回転させることを通じて軸614まわりに回転し得る。支柱700が軸614まわりに回転すると、タブ720は、戻り止め618の1つと係合し得、磁石604は、その戻り止め618に対応する磁界センサ602の上方に位置決めされ得る。
【0112】
再び図6を参照すると、磁界センサ602の第二の集合620は、ユーザ入力デバイス514に関連付けられ得る。この実施形態では、第二の集合620は、回路基板600に沿って直線的に配列され得る。同様に、複数の磁石604は、ユーザ入力デバイス514に沿って直線的に配列され得る。各磁石604は、ユーザ入力デバイス514内で幅方向に延びるスロット部分622内に保持され得る。一例として、第一の磁石604aは、スロット部分622aに保持され得る。第一の磁石604aは、スロット部分622a内において、第一の位置(例えば、「ON」位置)又は第二の位置(例えば、「OFF」位置)に位置決めされ得る。同様の例は、残りの磁石604についても提供され得る。したがって、各磁石604は、第一又は第二の位置の何れかに位置決め可能であり得る。全ての磁石604がユーザによって選択的に位置決めされると、磁石604は、(例えば、それぞれ対応する磁界センサ602によって検出されるそれらの有無に基づいて)バイナリコードを生成するために使用され得る。
【0113】
1つ以上の実施形態では、各磁界センサ602は、複数の磁石604のそれぞれの磁石604に関連付けられ得る。ユーザ入力デバイス514がスロット516内に完全に保持されたとき(例えば、ユーザ入力デバイス514の端部がスロット516の端部に当接する)、各磁界センサ602は、磁石604を保持する対応するスロット部分622と整列され得る。いくつかの実装形態では、各磁界センサ602は、ユーザ入力デバイス514がスロット516内に位置決めされたとき、ユーザ入力デバイス514の第一の位置(例えば、「ON」位置)に沿って直線的に整列され得る。したがって、磁石604がそれぞれのスロット部分622内の第一の位置に位置決めされると、対応する磁界センサ602は、それらの存在を示す信号を生成し得る。いくつかの実施形態では、各磁界センサ602は、ユーザ入力デバイス514がスロット516内に位置決めされると、ユーザ入力デバイス514の第二の位置(例えば、「OFF」位置)に沿って直線的に整列され得る。したがって、磁石604がそれらのそれぞれのスロット部分622内の第一の位置に位置決めされると、対応する磁界センサ602は、それらの不在を示す信号を生成し得る(又は代替として何れの信号も生成しない)。これらの実装形態を説明したが、本開示は、これらの実装形態に限定されない。反対に、本開示の範囲から逸脱することなく、磁界センサ602の、ユーザ入力デバイス514のそれらの対応するスロット部分622に対する位置の様々な組合せを実装し得る。
【0114】
設定生成プロセス
次に図9を参照すると、例示的実施形態によるアクチュエータ500のための設定を生成するプロセス900のフローチャートが示されている。プロセス900は、アクチュエータ制御装置606によって実行され得る。図8に示されるように、BLDCモータ550は、アクチュエータ500内に実装され得る。アクチュエータ制御装置606などのマイクロコントローラは、特にプロセス900のステップが実行されるように構成され得る。しかしながら、プロセス900のステップを実行するために、マイクロコントローラの代わりにソリッドステート電子回路が提供され得ることを認識すべきである。
【0115】
プロセス900は、ユーザ入力デバイス512、514の磁石604の、磁界センサ602に対する位置を決定するステップ(ステップ902)を含むように示されている。磁界センサ602は、磁界センサ602に隣接する磁石604の存在に対応するデータを生成し得る。いくつかの実施形態では、ユーザ入力デバイス512、514は、複数の磁石604を含み得る。これらの実施形態のいくつかの実装形態では、複数の磁石604の各々は、特定の磁界センサ602に関連付けられ得る。別の実施形態では、ユーザ入力デバイス512、514は、1つの磁石604のみを含み得る。これらの実施形態の何れにおいても、磁界センサ602の各々は、アクチュエータ500のハウジング502内に位置し得る。いくつかの実装形態では、磁界センサ602は、回路基板600に沿って直線的に配列され得る。別の実装形態では、磁界センサ602は、軸614まわりに半径方向に配列され得る。磁石604は、ユーザ入力デバイス512、514内に保持され得る。さらに、磁石604は、ハウジング502の内部の外に位置し得る。例えば、磁石604と磁界センサ602とは、ハウジング502の片側の反対表面に沿って位置決めされ得、磁界センサ602は、ハウジング502の内部に位置する。したがって、磁石604は、ハウジング502の片側の外向面に隣接して位置し得、磁界センサ602は、ハウジング502の同じ側の内向面に隣接して位置し得る。磁界センサ602は、磁石604の存在(又は不在)に対応するデータを生成し得る。1つ以上の実施形態では、アクチュエータ制御装置606は、磁石ロケータ608を介して磁石604の位置を決定することができる。各磁界センサ602は、磁石604の有無に対応するデータを生成し得る。磁界センサ602によって生成されるデータに基づき、アクチュエータ制御装置606は、磁石604の位置を決定することができる。
【0116】
プロセス900は、アクチュエータ500の設定を変更するためのユーザからの入力を決定するステップ(ステップ904)を含むように示されている。いくつかの実施形態では、入力は、磁石604の決定された位置に基づいて決定することができる。例えば、ユーザは、磁石の1つ以上を別の位置に移動させ得る。これらの移動の各々は、所望の設定に関連付けられ得る。一例として、ユーザは、ユーザ入力デバイス512を所望の設定に関連付けられる位置まで回転させ得る。他の例として、ユーザは、1つ以上の磁石604を入力デバイス514のそれぞれのスロット部分622内でスライドさせ得る。これらの移動の各々は、異なるユーザ入力に対応し得る。
【0117】
1つ以上の実施形態では、設定は、アドレス設定、正動作設定、逆動作設定、0-10直流電圧制御、2-10直流電圧制御及びアクチュエータ500の自動較正サイクルのためのモードの少なくとも1つであり得る。いくつかの実装形態では、これらの設定の少なくともいくつかは、ユーザによってユーザ入力デバイス(例えば、ユーザ入力デバイス512)上で選択され得、これらの設定のいくつかは、ユーザによって他のユーザ入力デバイス(例えば、ユーザ入力デバイス514)上で選択され得る。いくつかの実装形態では、アクチュエータ500は追加/代替としてのユーザ入力デバイスを含み得る。
【0118】
いくつかの例、特に設定がアドレス設定である例では、磁石604は、複数の磁石604の1つであり得る。これらの例では、各磁石604は、(例えば、磁界センサ602の第二の集合620における)特定の磁界センサ602に対応し得る。これらの例では、ユーザ入力は、アクチュエータ500の集合のアドレスであり得る。アドレスは、アクチュエータ制御装置606によって複数の磁石604の各々のそれらに対応する磁界センサ602に関する有無を決定することができる。例えば、アクチュエータ制御装置606は、複数の磁石604の各々のそれらの対応する磁界センサ602に関する有無を決定することができる。各磁石604の有無に基づいて、アクチュエータ制御装置606は、バイナリ数(一例として、存在は、「1」を示し、不在は、「0」を示す)を決定することができる。バイナリ数は、ユーザによって提供されるアドレスを決定するために使用することができる。
【0119】
いくつかの例、特に設定が正動作の選択、逆動作の選択、0-10直流電圧制御、2-10直流電圧制御及び自動較正サイクルのためのモードである例では、磁界センサ602は、複数の磁界センサ602の1つであり得る。各磁界センサ602は、軸614まわりに半径方向に配列され得る。これらの例では、磁石604の位置は、磁石604の存在に対応するデータを磁界センサ602の何れが生成するかを決定することによって決定することができる。
【0120】
プロセス900は、ユーザからの決定された入力に応じてアクチュエータ500の設定を変更するステップ(ステップ906)を含むように示されている。アクチュエータ制御装置606は、アクチュエータ500のための1つ以上の設定を磁石604の位置に基づいて生成し得る。前述のように、設定は、いくつかの可能性を挙げれば、0-10正動作(DA)モード、2-10DAモード、較正(CAL)モード、2-10逆動作(RA)モード及び0-10RAモード、「24VAC」位置、「120VAC」位置、「230VAC」位置、「Auto」位置、アドレス設定であるか又はそれを含み得る。これらの設定の各々は、ユーザ入力デバイス512、514の磁石604の特定の位置に関連付けられ得る。アクチュエータ制御装置606は、磁石ロケータ608を介して決定された磁石604の位置に基づいて、設定生成器610を介してアクチュエータ500のための設定を生成することができる。
【0121】
ユーザ入力がアドレスのためのバイナリ数である例では、アクチュエータ制御装置606は、アクチュエータ500のアドレスをバイナリ数に設定し得る。ユーザ入力が所望の設定(例えば、正動作の選択、逆動作の選択、0-10直流電圧制御、2-10直流電圧制御及び自動較正サイクルのためのモードの1つ)である例では、アクチュエータ制御装置606は、アクチュエータ500を制御して所望の設定を有するようにし得る。
【0122】
例示的実施形態の構成
様々な例示的実施形態に示したようなシステム及び方法の構成及び配列は、例示的なものにすぎない。本開示では、いくつかの実施形態のみを詳細に述べているが、多くの変更形態が可能である(例えば、様々な要素のサイズ、寸法、構造、形状及び広さ、パラメータの値、取り付け配列、材料の使用、色、向きなど)。例えば、要素の位置が逆にされ得、又は他に変更され得、個々の要素の性質若しくは数又は位置が変化又は変更され得る。したがって、そのような変更形態は、全て本開示の範囲内に含まれることが意図される。任意のプロセス又は方法ステップの順序又は並びは、代替実施形態に従って変更されるか又は並べ替えられ得る。本開示の範囲から逸脱することなく、例示的実施形態の設計、動作条件、及び配列について他の置換形態、修正形態、変更形態及び省略形態がなされ得る。
【0123】
本開示は、様々な動作を達成するための方法、システム及び任意の機械可読媒体でのプログラム製品を企図する。本開示の実施形態は、既存のコンピュータプロセッサを使用して実装されても、この目的若しくは別の目的で組み込まれた適切なシステムのための専用コンピュータプロセッサによって実装されても、又は有線システムによって実装されてもよい。本開示の範囲内の実施形態は、機械実行可能命令又はデータ構造を担持又は記憶するための機械可読媒体を備えるプログラム製品を含む。そのような機械可読媒体は、汎用若しくは専用コンピュータ又はプロセッサを備える他の機械によってアクセスすることができる任意の利用可能な媒体であり得る。一例として、そのような機械可読媒体は、RAM、ROM、EPROM、EEPROM、CD-ROM若しくは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置若しくは他の磁気記憶デバイス又は任意の他の媒体を含むことができ、そのような媒体は、機械実行可能命令又はデータ構造の形態での所望のプログラムコードを担持又は記憶するために使用することができ、さらに汎用若しくは専用コンピュータ又はプロセッサを備える他の機械によってアクセスすることができる。上記の媒体の組合せも機械可読媒体の範囲に含まれる。機械実行可能命令は、例えば、汎用コンピュータ、専用コンピュータ又は専用処理機械に特定の機能又は機能群を実施させる命令及びデータを含む。
【0124】
図は、方法ステップの特定の順序を示しているが、ステップの順序は、図示されるものと異なり得る。また、2つ以上のステップが並行して又は一部並行して実施され得る。そのような変形形態は、選択されるソフトウェア及びハードウェアシステム、並びに設計者の選択に依存する。そのような変形形態は、全て本開示の範囲内にある。同様に、ソフトウェア実装は、様々な接続ステップ、処理ステップ、比較ステップ及び決定ステップを達成するために規則ベースの論理及び他の論理を備えた標準的なプログラミング技法によって達成することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9