(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-16
(45)【発行日】2023-02-27
(54)【発明の名称】シャッターの改修方法
(51)【国際特許分類】
E06B 9/82 20060101AFI20230217BHJP
A62C 2/06 20060101ALI20230217BHJP
E06B 9/74 20060101ALI20230217BHJP
E06B 9/84 20060101ALI20230217BHJP
【FI】
E06B9/82 B
A62C2/06 503
E06B9/74 A
E06B9/82 J
E06B9/84 C
(21)【出願番号】P 2019073142
(22)【出願日】2019-04-05
【審査請求日】2022-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】307038540
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103137
【氏名又は名称】稲葉 滋
(74)【代理人】
【識別番号】100145838
【氏名又は名称】畑添 隆人
(72)【発明者】
【氏名】浅見 優次
(72)【発明者】
【氏名】皆川 澄人
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】実開平2-123592(JP,U)
【文献】特開2018-35560(JP,A)
【文献】特開2017-96072(JP,A)
【文献】特開2008-31714(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00-9/92
A62C 2/00-2/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
躯体に設置した左右のガイドレールと、
左右のガイドレール間の開口部を開閉するシャッターカーテンと、
電動開閉機と、
操作部と、
手動閉鎖装置と、
火災検知信号の入力あるいは前記手動閉鎖装置からの操作によってシャッターカーテンを自重降下させる自動閉鎖装置と、
シャッターカーテン降下時に障害物を検知する障害物検知手段と、
障害物検知時に自重降下中のシャッターカーテンを電力を用いずに機械的に停止させる機械式停止手段と、
障害物検知時に電動降下中のシャッターカーテンを電気的に停止させる制御装置と、
商用電源の電力を前記電動開閉機に供給する第1´路と、
商用電源の電力を前記制御装置に供給する、第1´路と独立した第2´路と、
を備えたシャッターにおいて、
前記第1´路に代えて、商用電源からの電力を前記電動開閉機に供給する第1路を設けること、
前記第1路と電気的に接続可能であり、商用電源とは異なる臨時電源と電気的に接続可能な第3路を設けること、
前記商用電源と、前記第3路からの臨時電源と、を選択する電源切替部を設けること、
を含み、
商用電源選択時には商用電源からの電力を前記電動開閉機及び前記制御装置に供給し、臨時電源選択時には臨時電源からの電力を前記電動開閉機のみに供給する、
シャッターの改修方法。
【請求項2】
躯体に設置した左右のガイドレールと、
左右のガイドレール間の開口部を開閉するシャッターカーテンと、
電動開閉機と、
操作部と、
手動閉鎖装置と、
火災検知信号の入力あるいは前記手動閉鎖装置からの操作によってシャッターカーテンを自重降下させる自動閉鎖装置と、
シャッターカーテン降下時に障害物を検知して障害物検知信号を生成する障害物検知手段と、
障害物検知信号の入力に応じてブレーキ復帰信号を生成して降下中のシャッターカーテンを停止させる制御装置と、
商用電源の電力を前記電動開閉機に供給する第1´路と、
商用電源の電力を前記制御装置に供給する、第1´路と独立した第2´路と、
を備えたシャッターにおいて、
前記第1´路に代えて、商用電源からの電力を前記電動開閉機に供給する第1路を設けること、
前記第1路と電気的に接続可能であり、商用電源とは異なる臨時電源と電気的に接続可能な第3路を設けること、
前記商用電源と、前記第3路からの臨時電源と、を選択する電源切替部を設けること、
を含み、
商用電源選択時には商用電源からの電力を前記電動開閉機及び前記制御装置に供給し、臨時電源選択時には臨時電源からの電力を前記電動開閉機のみに供給する、
シャッターの改修方法。
【請求項3】
第1接続ポートと、
前記第1接続ポートからの入力を分岐する分岐部と、
一方の分岐路に位置する第2接続ポートと、
他方の分岐路に位置する第3接続ポートと、
第4接続ポートと、
前記分岐部と前記第3接続ポートとの間に設けた電源切替部と、
を備えた電源切替装置を用意し、
前記第1´路を取り外すこと、
商用電源と前記電源切替装置の前記第1接続ポートを接続すること、
前記第3路と前記電源切替装置の前記第4接続ポートを接続すること、
前記電動開閉機と前記電源切替装置の前記第3接続ポートを接続すること、
を含み、
前記電源切替部によって、第1接続ポートと第3接続ポートを接続することで前記商用電源からの電力が前記電動開閉機に供給され、第4接続ポートと第3接続ポートを接続することで前記臨時電源からの電力が前記電動開閉機のみに供給される、
請求項1、2いずれか1項に記載のシャッターの改修方法。
【請求項4】
前記第3路は、前記
臨時電源が接続される接続部と前記電源切替装置を接続する電線であり、前記電線は、前記躯体あるいは前記ガイドレールを介して、前記躯体の下方部位あるいは前記ガイドレールの下方部位まで延びており、前記電線は、前記下方部位において外部から接続可能な前記接続部を備えている、
請求項
3に記載のシャッターの改修方法。
【請求項5】
前記臨時電源を用いてシャッターカーテンの開操作を行う電動開放操作部を設けることを含む、
請求項1~4いずれか1項に記載のシャッターの改修方法。
【請求項6】
前記
臨時電源が接続される接続部と前記電動開放操作部を備えた電源接続装置を用意し、前記電源接続装置と、前記電源切替装置を、前記第3路によって電気的に接続する、
請求項5
(請求項3、4の従属項に限る)に記載のシャッターの改修方法。
【請求項7】
前記電源接続装置は、前記
臨時電源が接続される接続部及び前記電動開放操作部が設けられた筐体を備え、前記躯体の下方部位あるいは前記ガイドレールの下方部位に設けられる、
請求項6に記載のシャッターの改修方法。
【請求項8】
前記躯体の下方部位には、前記手動閉鎖装置が設けてあり、前記電源接続装置は、前記手動閉鎖装置に隣接して設けられる、
請求項6、7いずれか1項に記載のシャッターの改修方法。
【請求項9】
改修によって得られたシャッターにおいて、通常時には、前記電源切替装置に前記臨時電源は接続されておらず、停電時に開口部を開放する時に、前記
臨時電源が接続される接続部に前記臨時電源を接続し、前記電源切替部によって前記臨時電源が選択されることで、前記電動開放操作部から開操作によってシャッターカーテンを電動上昇させるように構成されている、
請求項5~8いずれか1項
(請求項3、4の従属項に限る)に記載のシャッターの改修方法。
【請求項10】
前記臨時電源は、発電機、電源コンセント、バッテリのいずれか1つである、
請求項1~9いずれか1項に記載のシャッターの改修方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャッターの改修方法に係り、詳しくは、いわゆる管理併用防火シャッターの改修方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
管理併用防火シャッターは、通常時には、シャッターを電動開閉することで開口部を開閉する一方、火災時には、防災盤からの信号で自動閉鎖装置が作動してブレ-キを解放し、シャッターカーテンが自重降下して開口部を閉鎖するようになっている。また、防火シャッターは火災検知信号によらず手動閉鎖装置からの操作でブレーキを解放して自重降下させることもできるようになっている。管理併用防火シャッターには、降下中のシャッターカーテンに避難者が挟まれるのを防止するために、いわゆる危害防止装置が設けられる。
【0003】
管理併用防火シャッターは、通常時には、シャッターが電動開閉されることから、電動降下中に障害物検知が行われた時には、障害物検知信号の入力によって電気的に電動開閉機のモータを停止して降下中のシャッターカーテンを停止し、あるいは、シャッターカーテンを所定時間反転上昇させた後停止させるようなことが行われる。自重降下中に障害物検知が行われた場合の危害防止装置のタイプとしては、例えば、2つのタイプが知られている。
【0004】
第1のタイプは、自重降下するシャッターカーテンを機械的に停止させる機械式危害防止装置である。このものは、自重降下中にシャッターカーテン下端の座板が人や障害物を検知することに応じて、ワイヤ等の伝動部材を介して自動閉鎖装置の作動部を機械的に移動させて開閉機のブレーキを復帰させて、シャッターを一時停止させる構造となっており、シャッター一時停止後に、障害物が取り除かれると、シャッターカーテンは自重で再降下して開口部を閉鎖する。第1のタイプの危害防止機構は、例えば、特許文献1に記載されている。
【0005】
第2のタイプは、制御装置(危害防止連動中継器)を用いたものである。危害防止連動中継器は、火災時に防災盤からの信号を受信すると、自動閉鎖装置(ブレーキ解放・復帰機構を備える)にブレーキ解放信号を送信して自動閉鎖装置を作動させてブレーキを解放してシャッターカーテンを自重降下させる一方、自重降下するシャッターカーテンが障害物(例えば避難者)に接触して生成される障害物検知信号を受信すると、自動閉鎖装置(ブレーキ解放・復帰機構を備える)にブレーキ復帰信号を送信して自動閉鎖装置を作動させて開閉機のブレーキを復帰させてシャッターカーテンの自重降下を停止させるように構成されている。危害防止連動中継器は、停電時であっても電源を出力して自動閉鎖装置を作動させるためにバッテリを搭載している。第2のタイプの危害防止機構は、例えば、特許文献2に記載されている。
【0006】
ここで、例えば、物流倉庫内のトラックバース部に設置された管理併用防火シャッターにおいて、停電時にシャッターを開閉させたいという要望がある。停電時に、火災時の消防用としての非常電源装置を用いて電源供給を行うことは可能であるが、一度の充電で巻き上げられるシャッターの台数が限られる上、非常電源装置は据置式で移動できないため、複数台の装置を設置する必要があり、また、非常電源装置自体が高額であることから、複数台の非常電源装置を設置することは現実的でない。
【0007】
特許文献3には、非常時の電源として発電機を用いることが記載されており、通常時の電源(第1電源)である商用電源と、非常時の電源(第2電源)としての発電機とを切り替える電源切替装置が開示されているが、制御装置と電源との関係については言及されていない。
【文献】特開2017-96072
【文献】特開2008-031714
【文献】特開2018-178403
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、既設の管理併用防火シャッターを改修することで、停電時等に、制御装置に影響を与えることなくシャッターの電動開放を可能とすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明が採用した第1の技術手段は、
躯体に設置した左右のガイドレールと、
左右のガイドレール間の開口部を開閉するシャッターカーテンと、
電動開閉機と、
操作部と、
手動閉鎖装置と、
火災検知信号の入力あるいは前記手動閉鎖装置からの操作によってシャッターカーテンを自重降下させる自動閉鎖装置と、
シャッターカーテン降下時に障害物を検知する障害物検知手段と、
障害物検知時に自重降下中のシャッターカーテンを電力を用いずに機械的に停止させる機械式停止手段と、
障害物検知時に電動降下中のシャッターカーテンを電気的に停止させる制御装置と、
商用電源の電力を前記電動開閉機に供給する第1´路と、
商用電源の電力を前記制御装置に供給する、第1´路と独立した第2´路と、
を備えたシャッターにおいて、
前記第1´路に代えて、商用電源からの電力を前記電動開閉機に供給する第1路を設けること、
前記第1路と電気的に接続可能であり、商用電源とは異なる臨時電源と電気的に接続可能な第3路を設けること、
前記商用電源と、前記第3路からの臨時電源と、を選択する電源切替部を設けること、
を含み、
商用電源選択時には商用電源からの電力を前記電動開閉機及び前記制御装置に供給し、臨時電源選択時には臨時電源からの電力を前記電動開閉機のみに供給する、
シャッターの改修方法、である。
【0010】
本発明が採用した第2の技術手段は、
躯体に設置した左右のガイドレールと、
左右のガイドレール間の開口部を開閉するシャッターカーテンと、
電動開閉機と、
操作部と、
手動閉鎖装置と、
火災検知信号の入力あるいは前記手動閉鎖装置からの操作によってシャッターカーテンを自重降下させる自動閉鎖装置と、
シャッターカーテン降下時に障害物を検知して障害物検知信号を生成する障害物検知手段と、
障害物検知信号の入力に応じてブレーキ復帰信号を生成して降下中のシャッターカーテンを停止させる制御装置と、
商用電源の電力を前記電動開閉機に供給する第1´路と、
商用電源の電力を前記制御装置に供給する、第1´路と独立した第2´路と、
を備えたシャッターにおいて、
前記第1´路に代えて、商用電源からの電力を前記電動開閉機に供給する第1路を設けること、
前記第1路と電気的に接続可能であり、商用電源とは異なる臨時電源と電気的に接続可能な第3路を設けること、
前記商用電源と、前記第3路からの臨時電源と、を選択する電源切替部を設けること、
を含み、
商用電源選択時には商用電源からの電力を前記電動開閉機及び前記制御装置に供給し、臨時電源選択時には臨時電源からの電力を前記電動開閉機のみに供給する、
シャッターの改修方法、である。
本発明において、シャッターカーテン降下時に障害物を検知して障害物検知信号を生成する障害物検知手段は有線式(例えば、コードリール方式)、無線式(例えば、赤外線や電波を用いる方式)のいずれのタイプでもよい。
1つの態様では、電動開閉操作部からの信号(開信号、閉信号、停止信号)は、前記制御装置に入力され、これらの信号を受信した制御装置は、電動開閉機(シャッター制御盤を備える)に所定の信号を送信して、電動開閉機を電動駆動する。
1つの態様では、火災検知信号、前記手動閉鎖装置からの手動閉鎖信号、障害物検知信号は、前記制御装置に入力され、これらの信号を受信した制御装置は、自動閉鎖装置(ブレーキ解放機構、ブレーキ復帰機構を備える)に所定の信号を送信する。
より具体的には、制御装置(危害防止連動中継器)は、火災時には、煙感知器の検知に基づく防災盤からの信号(例えばDC24V)に基づいて作動信号(ブレーキ解放信号)を自動閉鎖装置に出力することで、自動閉鎖装置(ブレーキ解放機構)を作動させて手動開閉機のブレーキを解放し、シャッターカーテンを自重降下させて火災の延焼を防止し、シャッターカーテンの降下中に障害物を検知した場合には、障害物検知手段からの信号に基づいて、ブレーキ復帰信号を自動閉鎖装置に出力することで、自動閉鎖装置(ブレーキ復帰機構)を作動させて手動開閉機のブレーキを復帰してシャッターカーテンの降下を停止させる。
1つの態様では、前記制御装置は、小容量のバッテリを備えており、停電時であっても、前記バッテリの電力を用いて、自動閉鎖装置に信号を出力可能となっている。
【0011】
1つの態様では、
第1接続ポートと、
前記第1接続ポートからの入力を分岐する分岐部と、
一方の分岐路に位置する第2接続ポートと、
他方の分岐路に位置する第3接続ポートと、
第4接続ポートと、
前記分岐部と前記第3接続ポートとの間に設けた電源切替部と、
を備えた電源切替装置を用意し、
前記第1´路を取り外すこと、
商用電源と前記電源切替装置の前記第1接続ポートを接続すること、
前記第3路と前記電源切替装置の前記第4接続ポートを接続すること、
前記電動開閉機と前記電源切替装置の前記第3接続ポートを接続すること、
を含み、
前記電源切替部によって、第1接続ポートと第3接続ポートを接続することで前記商用電源からの電力が前記電動開閉機に供給され、第4接続ポートと第3接続ポートを接続することで前記臨時電源からの電力が前記電動開閉機のみに供給される。
【0012】
1つの態様では、前記第3路は、前記接続部と前記電源切替装置を接続する電線であり、前記電線は、前記躯体あるいは前記ガイドレールを介して、前記躯体の下方部位あるいは前記ガイドレールの下方部位まで延びており、前記電線は、前記下方部位において外部から接続可能な前記接続部を備えている。
【0013】
1つの態様では、前記臨時電源を用いてシャッターカーテンの開操作を行う電動開放操作部を設けることを含む。
1つの態様では、前記接続部と前記電動開放操作部を備えた電源接続装置を用意し、前記電源接続装置と、前記電源切替装置を、前記第3路によって電気的に接続する。
1つの態様では、前記電源接続装置は、前記接続部及び前記電動開放操作部が設けられた筐体を備え、前記躯体の下方部位あるいは前記ガイドレールの下方部位に設けられる。
なお、電源接続装置に、前記電動開放操作部に加えて、電動閉鎖操作部を設けることで、シャッターカーテンの電動降下を可能としてもよい。
1つの態様では、前記躯体の下方部位には、前記手動閉鎖装置が設けてあり、前記電源接続装置は、前記手動閉鎖装置に隣接して設けられる。
また、改修方法に「前記臨時電源を用いてシャッターカーテンの開操作を行う電動開放操作部を設けること」を含まない態様としては、例えば、臨時電源を用いる時に電動開放操作部が用意される場合、より具体的には、接続部とコンセント(発電機等)の間のコードに電動開放操作部が設けてあり、臨時電源が接続される場合に電動開放操作部が用意される態様、あるいは、電源接続装置に前記接続部とは別のコネクタが設けてあり、臨時電源を用いる場合に電動開放操作部を前記コネクタに接続する態様等が挙げられる。
【0014】
改修によって得られたシャッターにおいて、通常時には、前記電源切替装置に前記臨時電源は接続されておらず、停電時等に開口部を開放する時に、前記接続部に前記臨時電源を接続し、前記電源切替部によって前記臨時電源が選択されることで、前記電動開放操作部から開操作によってシャッターカーテンを電動上昇させるように構成されている。
【0015】
1つの態様では、前記臨時電源は、発電機、電源コンセント、バッテリのいずれか1つである。
典型的には、前記臨時電源としての発電機は可搬式発電機である。
1つの態様では、前記臨時電源としてのバッテリは、シャッターを開閉可能な電力を供給可能なバッテリを備えた移動体、例えば電気自動車等であってもよい。
【0016】
本発明に係る改修工程についての上記記載は、各工程の順序を限定するものではなく、様々な異なる順序でシャッターの改修が実行され得ることが当業者に理解される。
【0017】
本明細書において、自動閉鎖装置には、ブレーキの解放・復帰手段としての作動部が含まれ得るものとし、前記作動部は、自動閉鎖装置本体に隣接又は一体化して設けても、あるいは、自動閉鎖装置本体と離間して設け、ワイヤ等の伝動手段で連結したものでもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、既設の管理併用防火シャッターを改修することで、停電時等に、制御装置に影響を与えることなくシャッターの電動開放を可能とする。
特に、臨時電源として発電機を用いる場合には、発電機からの電力は商用電源からの電力に比べて不安定であるため、発電機からの電力が制御装置に供給されると、制御装置のマイクロコンピュータにダメージを与えるおそれがあるが、本発明では、臨時電源の電力が制御装置に供給されることがないようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】第1実施形態に係る管理併用防火シャッター装置(改修前)の概略正面図である。図中、要素間を繋ぐ実線は電線である。
【
図2】第1実施形態に係る管理併用防火シャッター装置(改修前)における電動開閉機、制御装置(危害防止連動中継器)と電源の関係を示すブロック図である。
【
図3】第1実施形態に係る管理併用防火シャッター装置(改修後)の概略正面図である。図中、要素間を繋ぐ実線は電線である。
【
図4】第1実施形態に係る管理併用防火シャッター装置(改修後)における電動開閉機、制御装置(危害防止連動中継器)と電源の関係を示すブロック図である。
【
図5】第2実施形態に係る管理併用防火シャッター装置(改修前)の概略正面図である。図中、要素間を繋ぐ実線は電線である。
【
図6】第2実施形態に係る管理併用防火シャッター装置(改修前)における電動開閉機、制御装置(危害防止連動中継器)と電源の関係を示すブロック図である。
【
図7】第2実施形態に係る管理併用防火シャッター装置(改修後)の概略正面図である。図中、要素間を繋ぐ実線は電線である。
【
図8】第2実施形態に係る管理併用防火シャッター装置(改修後)における電動開閉機、制御装置(危害防止連動中継器)と電源の関係を示すブロック図である。
【
図9】第3実施形態に係る管理併用防火シャッター装置(改修前)の概略正面図である。図中、要素間を繋ぐ実線は電線である。
【
図10】第3実施形態に係る管理併用防火シャッター装置(改修前)における電動開閉機、制御装置(危害防止連動中継器)と電源の関係を示すブロック図である。
【
図11】第3実施形態に係る管理併用防火シャッター装置(改修後)の概略正面図である。図中、要素間を繋ぐ実線は電線である。
【
図12】第3実施形態に係る管理併用防火シャッター装置(改修後)における電動開閉機、制御装置(危害防止連動中継器)と電源の関係を示すブロック図である。
【
図13】第4実施形態に係る管理併用防火シャッター装置(改修前)の概略正面図である。図中、要素間を繋ぐ実線は電線であり、一点鎖線はワイヤである。
【
図14】第4実施形態に係る管理併用防火シャッター装置(改修後)の概略正面図である。図中、要素間を繋ぐ実線は電線であり、一点鎖線はワイヤである。
【
図15】電源切替装置(第1形態)を示す図である。
【
図16】電源切替装置(第2形態)を示す図である。
【
図17】管理併用防火シャッター装置(第1実施形態)の概略正面図であり、電源切替装置が第1形態にあり、商用電源が選択された状態を示している。
【
図18】管理併用防火シャッター装置(第1実施形態)の概略正面図であり、電源切替装置が第2形態にあり、臨時電源が選択された状態を示している。
【
図19】複数のシャッター装置が設置された倉庫の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[A]管理併用防火シャッターの改修(第1実施形態)
[A-1]管理併用防火シャッター(改修前)
図1を参照しつつ、既設の危害防止装置付き防火シャッターについて説明する。図中、要素間を繋ぐ実線は電線である。
図1に示すように、シャッター装置は、左右のガイドレール2の間に形成された開口部を開閉するシャッターカーテン1と、開口部の上方に設けられ、シャッターカーテン1が巻き取られる巻取シャフト(図示せず)と、開口部上方において、開口幅方向の一側に寄った部位に設けられ、巻取シャフトと伝動連結されている電動開閉機Mと、電動開閉操作部と手動閉鎖装置(非常作動スイッチ31)を備えた操作ボックス3と、制御装置(危害防止連動中継器)4と、自動閉鎖装置6と、煙感知器6aと、防災盤6bと、電動開閉機M及び制御装置4に電力を供給する商用電源と、を備えている。
【0021】
シャッターカーテン1は、複数枚の開口幅方向に延びる長尺状のスラットを上下に連結して構成されており、下端には座板1Aが設けてある。座板1Aは、開口部幅方向に延びる長尺状の上座板(図示せず)と、上座板の下方側に上座板に対して相対的に上下動自在に吊持された長尺状の下座板(図示せず)とからなり、座板1Aは、障害物検知手段の一構成要素である座板スイッチを備えている。シャッターカーテン1の最下端に設けた座板1Aは、座板スイッチを有しており、下降中のシャッターカーテン1の下方に障害物が存在する場合に、これを座板スイッチで検出し、障害物検知信号を信号線1Bによって制御装置(危害防止連動中継器)4に出力する。座板スイッチに接続される信号線1Bは、開口部上端に位置して取り付けられたコードリールC内に巻き取り方向への付勢力を保持して巻装される。
【0022】
管理併用防火シャッターは、通常時には、電動開閉機Mによって電動駆動される。具体的には、操作ボックス3の電動開閉操作部3Aから開スイッチが押されると、開信号が制御装置4を介してシャッター制御盤5に送信され、電動開閉機Mが駆動して、シャッターカーテン1を上昇させ、電動開閉操作部3Aから閉スイッチが押されると、閉信号が制御装置4を介してシャッター制御盤5に送信され、電動開閉機Mが駆動して、シャッターカーテン1を下降させ、電動開閉操作部3Aから停止スイッチが押されると、停止信号が制御装置4を介してシャッター制御盤5に送信され、電動開閉機Mが停止して、移動中のシャッターカーテン1を停止させる。
【0023】
管理併用防火シャッターにおいて、開口部全開状態で火災が発生すると、煙感知器6aによって火災が感知され、防災盤6bからの火災検知信号に基づく自動閉鎖装置6の作動によって、シャッターカーテン1が、その幅方向両端部がガイドレール2の溝部に案内されながら自重降下し、シャッターカーテン1の最下端の座板1Aが着床して開口部を全閉する。
【0024】
本実施形態に係る自動閉鎖装置6は、電動開閉機Mに隣接して設けられ、防災盤6bからの火災検知信号の入力あるいは非常作動スイッチ31(手動閉鎖装置)からの手動閉鎖信号の入力によってシャッターカーテン1を自重降下させる。本実施形態では、火災検知信号、手動閉鎖信号は制御装置(危害防止連動中継器)4に入力され、火災検知信号あるいは手動閉鎖信号の入力に応じて、制御装置(危害防止連動中継器)4からブレーキ解放信号が自動閉鎖装置6に出力され、自動閉鎖装置(ブレーキ解放機構)6の作動によって電動開閉機Mのブレーキを解放して、シャッターカーテン1を自重降下させる。
【0025】
図1に示すように、防災盤6b、自動閉鎖装置6、有線式の障害物検知手段は、例えば天井裏に配設された制御装置(危害防止連動中継器)4にケーブルを介してそれぞれ電気的に接続されている。制御装置(危害防止連動中継器)4は、火災時に煙感知器6aの検知に基づく防災盤6bからの信号を受信すると、自動閉鎖装置6にブレーキ解放信号を送信して自動閉鎖装置(ブレーキ解放機構)6を作動させて電動開閉機Mのブレーキを解放してシャッターカーテン1を自重降下させる。一方、制御装置(危害防止連動中継器)4は、自重降下するシャッターカーテン1が障害物(例えば避難者)に接触して生成される障害物検知信号を受信すると、有線式の障害物検知によって、自動閉鎖装置6にブレーキ復帰信号を送信して自動閉鎖装置(ブレーキ復帰機構)6を作動させて、電動開閉機Mのブレーキを復帰させてシャッターカーテン1の自重降下を停止させる。
【0026】
自動閉鎖装置6の作動について説明する。防災盤6bからの火災信号を制御装置(危害防止連動中継器)4が受信すると、制御装置4からの通電によって自動閉鎖装置(ブレーキ解放機構)6が作動して、電動開閉機Mのブレーキ部を解放させてシャッターカーテン1を自重降下させて防火区画を形成する。自重降下するシャッターカーテン1の下端の座板1Aに障害物が当接した時には、座板スイッチから障害物検知信号が制御装置4に送信され、障害物検知信号を受信した制御装置4からの指令で、電動開閉機Mのブレーキが復帰する。
【0027】
座板スイッチから検知信号が制御装置(危害防止連動中継器)4に送信されると、検知信号を受信した制御装置4から自動閉鎖装置6に所定時間、例えば、0.5秒から1秒程度、DC24Vが通電(ブレーキ復帰信号)されて、ブレーキ復帰機構が作動して、電動開閉機Mのブレーキが復帰する。障害物が除去されると、制御装置4は、障害物が除去されたことを、座板スイッチを介して検知する。障害物が除去されたことを検知した後、所定時間、例えば、10秒から20秒後に、制御装置4から自動閉鎖装置6に起動信号(DC24)が通電され、電動開閉機Mのブレーキが解放され、シャッターカーテン1は自重降下を再開する。
【0028】
制御装置(危害防止連動中継器)4は、電動降下するシャッターカーテン1が障害物(例えば避難者)に接触して生成される障害物検知信号を受信すると、有線式の障害物検知によって、シャッター制御盤5に信号を送信して電動開閉機Mの駆動を停止させてシャッターカーテン1の電動降下を停止させる。
【0029】
本実施形態に係る障害物検知手段は有線式であり、座板スイッチに接続される信号線1Bは、開口部上端に位置して取り付けられたコードリールC内に巻き取り方向への付勢力を保持して巻装されており、シャッターカーテン1の昇降駆動に伴って、信号線1BがコードリールCに巻き取られ、あるいは、繰り出されるようになっている。座板スイッチの具体的な構成としては、座板を上座板と下座板から構成して、上座板に対して下座板が上動することで上座板と下座板との間に設けたスイッチが入力されるもの、座板の下面にテープスイッチを設けたもの、座板を上座板と下座板から構成して、上座板に対して下座板が上動することで座板の端部に設けたリンク機構によってガイドレール内のテープスイッチが入力されるもの、等が例示される。また、障害物検知は無線方式(赤外線や電波)であってもよい。
【0030】
操作ボックス3は、シャッター装置の近傍の壁面において、操作し易い高さに設けてある。操作ボックス3は蓋を備えており、蓋を開けることで露出する前面部30には、電動開閉操作部、及び、手動閉鎖装置を構成する非常作動スイッチ31(蓋を開けずに押し操作可能)が設けてある。本実施形態に係る手動閉鎖装置は電気式手動閉鎖装置であって、例えば、非常作動スイッチ31を押すことで、無電圧接点信号が生成されて、制御装置4からブレーキ解放信号を出力する。非常作動スイッチ31は、例えば、火災信号入力による制御作動に先立ってシャッターカーテン1を直ちに自重降下させたいような場合に用いられる。操作ボックス3の前面部30には、復旧ボタン(図示せず)が設けてあり、復旧ボタンを押し操作することで、制御装置4が火災モードから通常モードに復旧する。
【0031】
本実施形態に係る管理併用防火シャッターの制御システムでは、制御装置(危害防止連動中継器)4を経由して制御が行われている。制御装置(危害防止連動中継器)4には、通常時の商用電源とは別に停電時の制御動作を確保するために小容量のバッテリ(図示せず)が内蔵されており、火災時に、停電で商用電源が遮断されるような緊急状態であっても、バッテリによって、火災検知信号に基づいて信号を出力して、自動閉鎖装置6を作動させて、シャッターカーテン1の自重降下を行えるようになっている。
【0032】
第1実施形態に係るシャッターの改修の対象となる既設の管理併用防火シャッターにおいて、商用電源からの電力は、第1´路A1を通って、電動開閉機Mのシャッター制御盤5に供給され、シャッター制御盤5に供給された電力は、さらに第2´路A2を通って、制御装置4に供給される(
図1、
図2参照)。
【0033】
[A-2]管理併用防火シャッターの改修
第1実施形態に係るシャッターの改修は、商用電源の電力を電動開閉機Mに供給する第1´路A1と、電動開閉機Mに供給された商用電源の電力を制御装置4に供給する第2´路A2とを備えている既設の管理併用防火シャッターに対して実行される。
【0034】
本実施形態に係るシャッターの改修方法は、第1´路A1、第2´路A2に代えて、商用電源からの電力供給路(電線EW3)を、電動開閉機Mに電力を供給する第1路と、制御装置4に電力を供給する第2路と、に分岐させること;第1路と電気的に接続可能であり、商用電源とは異なる臨時電源と電気的に接続可能な第3路(電線EW1)を設けること;電力供給路(電線EW3)からの商用電源と、第3路(電線EW1)からの臨時電源と、を選択する電源切替部Sを設けること;を含み、商用電源選択時には商用電源からの電力を電動開閉機M及び制御装置4に供給し、臨時電源選択時には臨時電源からの電力を電動開閉機Mのみに供給する。
【0035】
図15、
図16に示すように、電源切替装置8は、第1接続ポートP1と、第1接続ポートP1からの入力を第1路と第2路に分岐する分岐部Bと、第2路に位置する第2接続ポートP2と、第1路に位置する第3接続ポートP3と、第4接続ポートP4と、分岐部Bと第3接続ポートP3との間に設けた電源切替部Sと、を備えている。
【0036】
このような電源切替装置8を用いた改修方法は、第1´路A1(一端が商用電源側の回路遮断器Brに接続され、他端が電動開閉機Mのシャッター制御盤5に接続されている)を取り外すこと;第2´路A2(一端が電動開閉機Mのシャッター制御盤5に接続され、他端が制御装置4に接続されている)を取り外すこと;商用電源側の回路遮断器Brと電源切替装置8の第1接続ポートP1を電線EW3で接続すること;電線EW1(第3路)と電源切替装置8の第4接続ポートP4を接続すること;電動開閉機Mと電源切替装置8の第3接続ポートP3を電線EW1´´で接続すること;制御装置4と電源切替装置8の第2接続ポートP2を電線EW4で接続すること;、を含み、電源切替部Sによって、第1接続ポートP1と第3接続ポートP3を接続することで商用電源からの電力が、電線EW3、電源切替装置8、電線EW1´´を通って電動開閉機Mに供給され、第4接続ポートP4と第3接続ポートP3を接続することで臨時電源からの電力が電線EW1、電源切替装置8、電線EW1´´を通って電動開閉機Mのみに供給可能となっている。
【0037】
電線EW1(第3路)は、臨時電源が接続される接続部と電源切替装置8を接続する電線であり、電線EW1は、躯体あるいはガイドレール2を介して、躯体の下方部位あるいはガイドレール2の下方部位まで延びており、電線EW1は、下方部位において外部から臨時電源(発電機G)が接続可能な接続部(コネクタC1)を備えている。
【0038】
本実施形態では、接続部(コネクタC1)と電動開放操作部(開スイッチ9A)を備えた電源接続装置9を用意し、電源接続装置9と、電源切替装置8を、電線EW1によって電気的に接続する。電源接続装置9は、コネクタC1及び開スイッチ9Aが設けられた筐体を備え、躯体の下方部位あるいはガイドレール2の下方部位に設けられる。電源接続装置9は、典型的には、蓋を備えた操作ボックスであり、蓋を開けるとコネクタC1と開スイッチ9Aが設けられた前面部90が露出するようになっている。コネクタC1と開スイッチ9Aは、開スイッチ9Aが上側、コネクタC1が下側に位置して、上下に隣接して設けてある。
【0039】
既設のシャッターにおいて、躯体の下方部位には、手動閉鎖装置(非常作動スイッチ31)及び電動開閉操作部3Aを提供する操作ボックス3が設けてあり、電源接続装置9は、操作ボックス3に隣接して設けられる。なお、電源接続装置9において、接続部(コネクタC1)と電動開放操作部(開スイッチ9A)が、別個の筐体に設けられていてもよく、また、接続部(コネクタC1)と電動開放操作部(開スイッチ9A)は必ずしも近傍に設けなくてもよい。
【0040】
上記説明において、本実施形態のシャッターの改修によって設けられる電線EW3、電線EW1´´は、商用電源からの電力を電動開閉機Mに供給する電源線、電線EW3、電線EW4は、商用電源からの電力を制御装置4に供給する電源線であり、電線EW1、電線EW1´´は臨時電源からの電力を電動開閉機Mに供給する電源線である。
【0041】
本実施形態に係るシャッターの改修は、さらに、信号線を設けることを含む。具体的には、電源接続装置9と電動開閉機Mのシャッター制御盤5とを信号線である電線EW1´で接続することを含み、電線EW1´によって電源接続装置9の開スイッチ9Aからの信号をシャッター制御盤5に送信する。本実施形態では、電線EW1´の途中にスイッチS2が設けられる(スイッチS2については
図17、
図18を参照しつつ後述する)。
【0042】
既設のシャッターにおいて、電動開閉操作部3Aからの信号は、信号線(
図3に電線EW4´として示す)を通って制御装置4に送信され、さらに、制御装置4から信号線を通ってシャッター制御盤5に送信される。本実施形態では、制御装置4とシャッター制御盤5とを接続する信号線上にスイッチS1が設けられ、
図3に改修後の信号線を電線EW4´´として示し、電線EW4´´にはスイッチS1が設けられる(スイッチS1については
図17、
図18を参照しつつ後述する)。本実施形態では、スイッチS1、スイッチS2は電源切替装置8に設けられ、したがって、電線EW1´、電線EW4´´は電源切替装置8を経由している。
【0043】
1つの態様では、例えば、電線EW1は、ガイドレール2の側方の壁体内を通って、壁体の下方部位に埋設した電源接続装置9の操作ボックスまで延びており、電線EW1の第2端には電源接続装置9が電気的に接続されている。同様に、信号線である電線EW1´は、壁体内を通って延びている。電源接続装置9の操作ボックスには図示しない蓋が設けてあり、蓋を開けることで前面部90及び前面部90に設けた開スイッチ9A、コネクタC1が露出するようになっている。
【0044】
上記例では、電動開閉機Mへ電力を供給する電線EW1、信号を供給する電線EW1´は壁体内を通るように設けてあるが、電線EW1、EW1´を、壁体の外面に沿って設けてもよい。また、電線EW1、EW1´を、ガイドレール2を介して開口部下方まで案内してもよい。より具体的には、電線は、ガイドレール2内を通って、または、ガイドレール2外面に沿って、ガイドレール2の下方部位まで延びており、下方部位において電線EW1の端部にはコネクタC1を備えた電源接続装置9が電気的に設けられる。コネクタC1はガイドレール2の外面に露出可能に設けてもよく、あるいは、ガイドレール2に電源接続装置が設けてある場合には、当該電源接続装置の前面において外部に露出可能に設けてもよい。あるいは、電線EW1は、壁体内あるいはガイドレール2内を通って、または、壁体外面あるいはガイドレール2の外面に沿って、ガイドレール2の下方部位あるいは壁体の下方部位(床面ないし床内を含む)まで延びており、電源接続装置の操作ボックス及びガイドレール2とは独立した壁体上ないし床面上あるいは床面内の部位において、外部から接続可能な接続部としてのコネクタC1を設けてもよい。
【0045】
[A-3]管理併用防火シャッター(改修後)
改修後の管理併用防火シャッターは、躯体に設置した左右のガイドレール2と、左右のガイドレール間の開口部を開閉するシャッターカーテン1と、電動開閉機Mと、電動開閉操作部3Aと、電動開放操作部(開スイッチ9A)と、手動閉鎖装置(非常作動スイッチ31)と、火災検知信号の入力あるいは手動閉鎖装置からの操作によってシャッターカーテン1を自重降下させる自動閉鎖装置6と、シャッターカーテン降下時に障害物を検知して障害物検知信号を生成する障害物検知手段(座板1A、信号線1B、コードリールC、制御装置4)と、障害物検知信号の入力に応じてブレーキ復帰信号を生成して降下中のシャッターカーテンを停止させる制御装置4と、商用電源と臨時電源を切り替える電源切替部Sと、を備え、商用電源が選択された時には、商用電源からの電力が電動開閉機M及び制御装置4に供給され、臨時電源が選択された時には、臨時電源からの電力が電動開閉機Mのみに供給され、臨時電源からの電力は制御装置4には供給されないように構成されている。
【0046】
改修後の管理併用防火シャッターにおいて、通常時には、電動開閉機M及び制御装置4には商用電源からの電力が供給されるが、停電時等には、臨時電源を用いてシャッターの電動開放が可能となっている。
図3に示すように、躯体には、電動開閉操作部3A及び手動閉鎖装置(非常作動スイッチ31)を提供する操作ボックス3に隣接して、電動開放操作部(開スイッチ9A)と、臨時電源としての発電機Gと接続可能な接続部としてのコネクタC1と、を備えた筐体としての操作ボックスからなる電源接続装置9が設けられている。本実施形態では、電動開放操作部(開スイッチ9A)と接続部(コネクタC1)は、開スイッチ9Aが上側、コネクタC1が下側に位置して、上下に隣接して設けてある。
【0047】
コネクタC1には臨時電源としての発電機Gが接続可能となっている。より具体的には、コネクタC1には、外部から電線EW2の先端の接続部(コネクタC2)が接続可能となっており、電線EW2の基端には臨時電源としての発電機Gが接続可能あるいは予め接続されている。
【0048】
電動開閉機M及び制御装置4には、回路遮断器Brを介して商用電源が接続されており、通常時には、商用電源から供給される電力によって作動するようになっている。本実施形態に係る管理併用防火シャッターは、電源切替装置8を備えており、通常時には電動開閉機Mの電源として商用電源を選択し、停電時等には電動開閉機Mの電源として臨時電源を選択するように構成されている。
【0049】
図15、
図17に示すように、通常時には、電源切替装置8によって電動開閉機Mの電源として商用電源が選択されており、商用電源からの入力は第1路と第2路に分岐され、第1路を通って電動開閉機Mに電力が供給され、第2路を通って制御装置(危害防止連動中継器)4に電力が供給される。より具体的には、第1路に商用電源と臨時電源を切り替える電源切替部S(
図15、
図16参照)が設けてあり、第1路の電源として商用電源が選択されている時には、商用電源からの電力が電動開閉機Mに供給され、制御装置(危害防止連動中継器)4へは第2路を通って商用電源の電力が供給され、第1路の電源として臨時電源が選択されている時には、臨時電源からの電力は第3路を通って電動開閉機Mのみに供給され、制御装置(危害防止連動中継器)4には供給されないように構成されている。電源切替装置8の構成については後述する。
【0050】
臨時電源を使用する場合の電源線は、電源接続装置9と電源切替装置8を電気的に接続する電線EW1と、電源切替装置8と電動開閉機Mのシャッター制御盤5を電気的に接続する電線EW1´´と、からなる。臨時電源を使用する場合の信号線は、電源接続装置9と電動開閉機Mのシャッター制御盤5を電気的に接続する電線EW1´からなる。
【0051】
[B]管理併用防火シャッターの改修(第2実施形態)
[B-1]管理併用防火シャッター(改修前)
第2実施形態に係る管理併用防火シャッターの構成は、電源の供給の方式を除いて第1実施形態に係る管理併用防火シャッターの構成と同じであり、[A-1]の記載を援用することができる。
【0052】
第2実施形態に係るシャッターの改修の対象となる既設の管理併用防火シャッターにおいて、商用電源からの電力は、第2´路A2を通って、制御装置4に供給され、制御装置4に供給された電力は、さらに第1´路A1を通って、電動開閉機Mのシャッター制御盤5に供給される(
図5、
図6参照)。
【0053】
[B-2]管理併用防火シャッターの改修
第2実施形態に係るシャッターの改修は、既設の管理併用防火シャッターは、商用電源の電力を制御装置4に供給する第2´路A2と、制御装置4に供給された商用電源の電力を電動開閉機Mに供給する第1´路A1とを備えている既設の管理併用防火シャッターに対して実行される。
【0054】
本実施形態に係るシャッターの改修方法は、第1´路A1に代えて、商用電源からの電力を制御装置4を介して電動開閉機Mに供給する第1路(電線EW5)を設けること;、第1路(電線EW5)と電気的に接続可能であり、商用電源とは異なる臨時電源と電気的に接続可能な第3路(電線EW1)を設けること;第1路(電線EW5)からの商用電源と、第3路(電線EW1)からの臨時電源と、を選択する電源切替部Sを設けること;を含み、商用電源選択時には商用電源から制御装置4を介して供給された電力を電動開閉機Mに供給し、臨時電源選択時には臨時電源からの電力を電動開閉機Mのみに供給する。
【0055】
図15、
図16に示すように、電源切替装置8は、第1接続ポートP1と、第1接続ポートP1からの入力を分岐する分岐部Bと、一方の分岐路に位置する第2接続ポートP2と、他方の分岐路に位置する第3接続ポートP3と、第4接続ポートP4と、分岐部Bと第3接続ポートP3との間に設けた電源切替部Sと、を備えている。
【0056】
このような電源切替装置8を用いた改修方法は、第1´路A1(一端が制御装置4に接続されており、他端が電動開閉機Mのシャッター制御盤5に接続されている)を取り外すこと;制御装置4と電源切替装置8の第1接続ポートP1を電線EW5で接続すること(本実施形態では、電線EW5の途中に回路遮断器Brが設けてある);電線EW1(第3路)と電源切替装置8の第4接続ポートP4を接続すること;電動開閉機Mと電源切替装置8の第3接続ポートP3を電線EW1´´で接続すること;を含み、電源切替部Sによって、第1接続ポートP1と第3接続ポートP3を接続することで商用電源からの電力が制御装置4を介して、電線EW5、電源切替装置8、電線EW1´´を通って電動開閉機Mに供給され、第4接続ポートP4と第3接続ポートP3を接続することで臨時電源からの電力が電線EW1、電源切替装置8、電線EW1´´を通って電動開閉機Mのみに供給される。電源切替装置8は、異なる実施形態に共通のデバイスとして用意されているので、本実施形態では、第2接続ポートP2には電線は接続されていない。なお、第1接続ポートP1に代えて第2接続ポートP2に電線EW5を接続してもよい。なお、
図15~
図18は、第1実施形態に適用される態様で示してあるが、これらの図を電源切替装置8の説明として参照し得ることが当業者に理解される。
【0057】
電線EW1(第3路)は、臨時電源が接続される接続部と電源切替装置8を接続する電線であり、電線EW1は、躯体あるいはガイドレール2を介して、躯体の下方部位あるいはガイドレール2の下方部位まで延びており、電線EW1は、下方部位において外部から臨時電源(発電機G)が接続可能な接続部(コネクタC1)を備えている。
【0058】
本実施形態では、接続部(コネクタC1)と電動開放操作部(開スイッチ9A)を備えた電源接続装置9を用意し、電源接続装置9と、電源切替装置8を、電線EW1によって電気的に接続する。電源接続装置9は、コネクタC1及び開スイッチ9Aが設けられた筐体を備え、躯体の下方部位あるいはガイドレール2の下方部位に設けられる。電源接続装置9は、典型的には、蓋を備えた操作ボックスであり、蓋を開けるとコネクタC1と開スイッチ9Aが設けられた前面部90が露出するようになっている。コネクタC1と開スイッチ9Aは、開スイッチ9Aが上側、コネクタC1が下側に位置して、上下に隣接して設けてある。
【0059】
既設のシャッターにおいて、躯体の下方部位には、手動閉鎖装置(非常作動スイッチ31)及び電動開閉操作部3Aを提供する操作ボックス3が設けてあり、電源接続装置9は、操作ボックス3に隣接して設けられる。なお、電源接続装置9において、接続部(コネクタC1)と電動開放操作部(開スイッチ9A)が、別個の筐体に設けられていてもよく、また、接続部(コネクタC1)と電動開放操作部(開スイッチ9A)は必ずしも近傍に設けなくてもよい。
【0060】
上記説明において、本実施形態のシャッターの改修によって設けられる電線EW5、電線EW1´´は、商用電源からの電力を電動開閉機Mに供給する電源線、電線EW1、電線EW1´´は臨時電源からの電力を電動開閉機Mに供給する電源線である。
【0061】
本実施形態に係るシャッターの改修は、さらに、信号線を設けることを含む。具体的には、電源接続装置9と電動開閉機Mのシャッター制御盤5とを信号線である電線EW1´で接続することを含み、電線EW1´によって電源接続装置9の開スイッチ9Aからの信号をシャッター制御盤5に送信する。本実施形態では、電線EW1´の途中にスイッチS2が設けられる(スイッチS2については
図17、
図18を参照しつつ後述する)。
【0062】
既設のシャッターにおいて、電動開閉操作部3Aからの信号は、信号線(
図7に電線EW4´として示す)を通って制御装置4に送信され、さらに、制御装置4から信号線を通ってシャッター制御盤5に送信される。本実施形態では、制御装置4とシャッター制御盤5とを接続する信号線上にスイッチS1が設けられ、
図7に改修後の信号線を電線EW4´´として示し、電線EW4´´にはスイッチS1が設けられる(スイッチS1については
図17、
図18を参照しつつ後述する)。本実施形態では、スイッチS1、スイッチS2は電源切替装置8に設けられ、したがって、電線EW1´、電線EW4´´は電源切替装置8を経由している。
【0063】
1つの態様では、例えば、電線EW1は、ガイドレール2の側方の壁体内を通って、壁体の下方部位に埋設した電源接続装置9の操作ボックスまで延びており、電線EW1の第2端には電源接続装置9が電気的に接続されている。同様に、信号線である電線EW1´は、壁体内を通って延びている。電源接続装置9の操作ボックスには図示しない蓋が設けてあり、蓋を開けることで前面部90及び前面部90に設けた開スイッチ9A、コネクタC1が露出するようになっている。
【0064】
上記例では、電動開閉機Mへ電力を供給する電線EW1、信号を供給する電線EW1´は壁体内を通るように設けてあるが、電線EW1、EW1´を、壁体の外面に沿って設けてもよい。また、電線EW1、EW1´を、ガイドレール2を介して開口部下方まで案内してもよい。より具体的には、電線は、ガイドレール2内を通って、または、ガイドレール2外面に沿って、ガイドレール2の下方部位まで延びており、下方部位において電線EW1の端部にはコネクタC1を備えた電源接続装置9が電気的に設けられる。コネクタC1はガイドレール2の外面に露出可能に設けてもよく、あるいは、ガイドレール2に電源接続装置が設けてある場合には、当該電源接続装置の前面において外部に露出可能に設けてもよい。あるいは、電線EW1は、壁体内あるいはガイドレール2内を通って、または、壁体外面あるいはガイドレール2の外面に沿って、ガイドレール2の下方部位あるいは壁体の下方部位(床面ないし床内を含む)まで延びており、電源接続装置の操作ボックス及びガイドレール2とは独立した壁体上ないし床面上あるいは床面内の部位において、外部から接続可能な接続部としてのコネクタC1を設けてもよい。
【0065】
[B-3]管理併用防火シャッター(改修後)
第2実施形態に係る改修後の管理併用防火シャッターの構成は、電源の供給の方式(具体的には、商用電源から電力が供給される場合には、制御装置4を介して電動開閉機Mに供給される点)を除いて第1実施形態に係る改修後の管理併用防火シャッターの構成と同じであり、[A-3]の記載を援用することができる。
【0066】
[C]管理併用防火シャッターの改修(第3実施形態)
[C-1]管理併用防火シャッター(改修前)
第3実施形態に係る管理併用防火シャッターの構成は、電源の供給の方式を除いて第1実施形態に係る管理併用防火シャッターの構成と同じであり、[A-1]の記載を援用することができる。
【0067】
第3実施形態に係るシャッターの改修の対象となる既設の管理併用防火シャッターにおいて、商用電源からの電力は、第2´路A2を通って、制御装置4に供給され、商用電源からの電力は、第1´路A1を通って、電動開閉機Mのシャッター制御盤5に供給される(
図9、
図10参照)。第3実施形態に係るシャッターの改修の対象となる既設の管理併用防火シャッターにおいて、第1´路A1と第2´路A2は独立している。
【0068】
[C-2]管理併用防火シャッターの改修
第2実施形態に係るシャッターの改修は、商用電源の電力を電動開閉機Mに供給する第1´路A1と、商用電源の電力を制御装置4に供給する、第1´路1A1と独立した第2´路A2と、とを備えている既設の管理併用防火シャッターに対して実行される。
【0069】
本実施形態に係るシャッターの改修方法は、第1´路A1(一端が商用電源側の回路遮断器Brに接続され、他端が電動開閉機Mのシャッター制御盤5に接続されている)に代えて、商用電源からの電力を電動開閉機Mに供給する第1路(電線EW3、電源切替装置8、電線EW1´´)を設けること;第1路(電源切替装置8)と電気的に接続可能であり、商用電源とは異なる臨時電源と電気的に接続可能な第3路(電線EW1)を設けること;電線EW3からの商用電源と、第3路(電線EW1)からの臨時電源と、を選択する電源切替部Sを設けること;を含み、商用電源選択時には商用電源からの電力を電動開閉機Mに供給し、臨時電源選択時には臨時電源からの電力を電動開閉機Mのみに供給する。
【0070】
図15、
図16に示すように、電源切替装置8は、第1接続ポートP1と、第1接続ポートP1からの入力を分岐する分岐部Bと、一方の分岐路に位置する第2接続ポートP2と、他方の分岐路に位置する第3接続ポートP3と、第4接続ポートP4と、分岐部Bと第3接続ポートP3との間に設けた電源切替部Sと、を備えている。
【0071】
このような電源切替装置8を用いた改修方法は、第1´路A1(一端が商用電源側の回路遮断器Brに接続され、他端が電動開閉機Mのシャッター制御盤5に接続されている)を取り外すこと;商用電源と電源切替装置8の第1接続ポートP1を電線EW3で接続すること;電線EW1(第3路)と電源切替装置8の第4接続ポートP4を接続すること;電動開閉機Mと電源切替装置8の第3接続ポートP3を電線EW1´´で接続すること;を含み、電源切替部Sによって、第1接続ポートP1と第3接続ポートP3を接続することで商用電源からの電力が、電線EW3、電源切替装置8、電線EW1´´を通って電動開閉機Mに供給され、第4接続ポートP4と第3接続ポートP3を接続することで臨時電源からの電力が、電線EW1、電源切替装置8、電線EW1´´を通って電動開閉機Mのみに供給される。電源切替装置8は、異なる実施形態に共通のデバイスとして用意されているので、本実施形態では、第2接続ポートP2には電線は接続されていない。なお、第1接続ポートP1に代えて第2接続ポートP2に電線EW5を接続してもよい。なお、
図15~
図18は、第1実施形態に適用される態様で示してあるが、これらの図を電源切替装置8の説明として参照し得ることが当業者に理解される。
【0072】
電線EW1(第3路)は、臨時電源が接続される接続部と電源切替装置8を接続する電線であり、電線EW1は、躯体あるいはガイドレール2を介して、躯体の下方部位あるいはガイドレール2の下方部位まで延びており、電線EW1は、下方部位において外部から臨時電源(発電機G)が接続可能な接続部(コネクタC1)を備えている。
【0073】
本実施形態では、接続部(コネクタC1)と電動開放操作部(開スイッチ9A)を備えた電源接続装置9を用意し、電源接続装置9と、電源切替装置8を、電線EW1によって電気的に接続する。電源接続装置9は、コネクタC1及び開スイッチ9Aが設けられた筐体を備え、躯体の下方部位あるいはガイドレール2の下方部位に設けられる。電源接続装置9は、典型的には、蓋を備えた操作ボックスであり、蓋を開けるとコネクタC1と開スイッチ9Aが設けられた前面部90が露出するようになっている。コネクタC1と開スイッチ9Aは、開スイッチ9Aが上側、コネクタC1が下側に位置して、上下に隣接して設けてある。
【0074】
既設のシャッターにおいて、躯体の下方部位には、手動閉鎖装置(非常作動スイッチ31)及び電動開閉操作部3Aを提供する操作ボックス3が設けてあり、電源接続装置9は、操作ボックス3に隣接して設けられる。なお、電源接続装置において、接続部(コネクタC1)と電動開放操作部(開スイッチ9A)が、別個の筐体に設けられていてもよく、また、接続部(コネクタC1)と電動開放操作部(開スイッチ9A)は必ずしも近傍に設けなくてもよい。
【0075】
上記説明において、本実施形態のシャッターの改修によって設けられる電線EW3、電線EW1´´は、商用電源からの電力を電動開閉機Mに供給する電源線、電線EW1、電線EW1´´は臨時電源からの電力を電動開閉機Mに供給する電源線である。
【0076】
本実施形態に係るシャッターの改修は、さらに、信号線を設けることを含む。具体的には、電源接続装置9と電動開閉機Mのシャッター制御盤5とを信号線である電線EW1´で接続することを含み、電線EW1´によって電源接続装置9の開スイッチ9Aからの信号をシャッター制御盤5に送信する。本実施形態では、電線EW1´の途中にスイッチS2が設けられる(スイッチS2については
図17、
図18を参照しつつ後述する)。
【0077】
既設のシャッターにおいて、電動開放操作部3Aからの信号は、信号線(
図11に電線EW4´として示す)を通って制御装置4に送信され、さらに、制御装置4から信号線を通ってシャッター制御盤5に送信される。本実施形態では、制御装置4とシャッター制御盤5とを接続する信号線上にスイッチS1が設けられ、
図11に改修後の信号線を電線EW4´´として示し、電線EW4´´にはスイッチS1が設けられる(スイッチS1については
図17、
図18を参照しつつ後述する)。本実施形態では、スイッチS1、スイッチS2は電源切替装置8に設けられ、したがって、電線EW1´、電線EW4´´は電源切替装置8を経由している。
【0078】
1つの態様では、例えば、電線EW1は、ガイドレール2の側方の壁体内を通って、壁体の下方部位に埋設した電源接続装置9の操作ボックスまで延びており、電線EW1の第2端には電源接続装置9が電気的に接続されている。同様に、信号線である電線EW1´は、壁体内を通って延びている。電源接続装置9の操作ボックスには図示しない蓋が設けてあり、蓋を開けることで前面部90及び前面部90に設けた開スイッチ9A、コネクタC1が露出するようになっている。
【0079】
上記例では、電動開閉機Mへ電力を供給する電線EW1、信号を供給する電線EW1´は壁体内を通るように設けてあるが、電線EW1、EW1´を、壁体の外面に沿って設けてもよい。また、電線EW1、EW1´を、ガイドレール2を介して開口部下方まで案内してもよい。より具体的には、電線は、ガイドレール2内を通って、または、ガイドレール2外面に沿って、ガイドレール2の下方部位まで延びており、下方部位において電線EW1の端部にはコネクタC1を備えた電源接続装置9が電気的に設けられる。コネクタC1はガイドレール2の外面に露出可能に設けてもよく、あるいは、ガイドレール2に電源接続装置が設けてある場合には、当該電源接続装置の前面において外部に露出可能に設けてもよい。あるいは、電線EW1は、壁体内あるいはガイドレール2内を通って、または、壁体外面あるいはガイドレール2の外面に沿って、ガイドレール2の下方部位あるいは壁体の下方部位(床面ないし床内を含む)まで延びており、電源接続装置の操作ボックス及びガイドレール2とは独立した壁体上ないし床面上あるいは床面内の部位において、外部から接続可能な接続部としてのコネクタC1を設けてもよい。
【0080】
[C-3]管理併用防火シャッター(改修後)
第3実施形態に係る改修後の管理併用防火シャッターの構成は、電源の供給の方式(具体的には、商用電源から電力が供給される場合には、制御装置4、電動開閉機Mに独立して電力が供給される点)を除いて第1実施形態に係る改修後の管理併用防火シャッターの構成と同じであり、[A-3]の記載を援用することができる。
【0081】
[D]管理併用防火シャッターの改修(第4実施形態)
[D-1]管理併用防火シャッター(改修前)
図13を参照しつつ、機械式危害防止装置付き防火シャッターについて説明する。図中、要素間を繋ぐ実線は電線であり、一点鎖線はワイヤである。第4実施形態に係る管理併用防火シャッターは、機械式危害防止装置を備えている。
【0082】
図13に示すように、シャッター装置は、左右のガイドレール2の間に形成された開口部を開閉するシャッターカーテン1と、開口部の上方に設けられ、シャッターカーテン1が巻き取られる巻取シャフト(図示せず)と、開口部上方において、開口幅方向の一側に寄った部位に設けられ、巻取シャフトと伝動連結されている電動開閉機Mと、電動開閉操作部3Aと、手動閉鎖装置3Bと、電動開閉操作部3Aからの信号が入力される制御装置4と、電動開閉操作部3Aからの信号が制御装置4を介して入力されるシャッター制御盤5と、防災盤6bからの火災検知信号の入力あるいは手動閉鎖装置3Bからの操作によってシャッターカーテン1を自重降下させる自動閉鎖装置6と、自重下降するシャッターカーテン1が障害物に当たった時に障害物を検知する障害物検知手段と、この障害物検知手段を用いた機械式危害防止装置と、を備えている。
【0083】
管理併用防火シャッターは、通常時には、電動開閉機Mによって電動駆動される。具体的には、電動開閉操作部3Aから開スイッチが押されると、開信号が制御装置4を介してシャッター制御盤5に送信され、電動開閉機Mが駆動して、シャッターカーテン1を上昇させ、電動開閉操作部3Aから閉スイッチが押されると、閉信号が制御装置4を介してシャッター制御盤5に送信され、電動開閉機Mが駆動して、シャッターカーテン1を下降させ、電動開閉操作部3Aから停止スイッチが押されると、停止信号が制御装置4を介してシャッター制御盤5に送信され、電動開閉機Mが停止して、移動中のシャッターカーテン1を停止させる。
【0084】
シャッターカーテン1は、複数枚の開口幅方向に延びる長尺状のスラットを上下に連結して構成されており、下端には座板1Aが設けてある。座板1Aは、開口部幅方向に延びる長尺状の上座板(図示せず)と、上座板の下方側に上座板に対して相対的に上下動自在に吊持された長尺状の下座板(図示せず)とからなり、座板1Aは、障害物検知手段の一構成要素となっている。
【0085】
シャッター装置は、火災時にシャッターカーテン1を自重降下させる自動閉鎖装置6及び作動部7(ブレーキ解放・復帰装置)を備えている。本実施形態では、自動閉鎖装置6と作動部7は物理的に離間してワイヤW1で伝動連結されているが、自動閉鎖装置6に作動部7の機能を搭載してもよい。
【0086】
自動閉鎖装置6は、防災盤6bからの火災検知信号の入力によって作動して、ワイヤW1、作動部7を介してブレーキを解放させる。図示の態様では、自動閉鎖装置6と作動部7は離間しており、自動閉鎖装置6と作動部7がワイヤW1を介して機械的に接続されており、火災信号が入力されると自動閉鎖装置6が作動してワイヤW1を引っ張ることで、作動部7がブレーキ解放姿勢となって電動開閉機Mのブレーキが解放される。本実施形態では、自動閉鎖装置6には、復旧機構6´が一体化されている。このような自動閉鎖装置6、作動部7、復旧機構6´は当業者に知られており、これらの具体的な構成については、本発明の構成を限定するものではないが、例えば、例えば、特開2017-96073を参照することができる。
【0087】
開口部全開状態で火災が発生すると、煙感知器6aによって火災が感知され、防災盤6bからの火災検知信号によって自動閉鎖装置6が作動して、ワイヤW1を介して作動部7がブレーキ解放姿勢となって、電動開閉機Mのブレーキを解放する。ブレーキが解放されると、シャッターカーテン1は、幅方向両端部がガイドレール2の溝部に案内されながら自重で下降し、座板1Aが着床することで開口部を全閉する。
【0088】
シャッター装置は、いわゆる危害防止装置を備えており、降下中のシャッターカーテン1の下端の座板1Aが障害物に当たって当該障害物を検知すると、復帰ワイヤを介して電動開閉機Mのブレーキを復帰させて、シャッターカーテン1の降下を停止させるようになっている。復帰ワイヤは、第1ワイヤW2と第2ワイヤW3とから構成されている。開口部上方部位には、開口幅方向の電動開閉機Mが設置された側に寄って、中継装置10が設けてあり、座板1Aには、中継装置10の下方に位置するように開口幅方向の一側に寄って、ロック装置11が設けてある。
【0089】
第1ワイヤW2と第2ワイヤW3は中継装置10を介して接続されている。第1ワイヤW2の一端は作動部7のブレーキ解放体(図示せず)をブレーキ復帰方向に移動させるように作動部7(ブレーキ解放体)に連結されており、他端は中継装置10に連結されている。第2ワイヤW3の一端は中継装置10に連結されており、他端は座板1Aに設けたロック装置11に連結されている。第2ワイヤW3は、シャッターカーテン1の降下に伴ってシャッターカーテン1の面部に沿って延びるように引き出される。
【0090】
ロック装置11は、上座板に設けられ、降下中のシャッターカーテン1の下座板が障害物に当たって上座板に対して相対的に上動することで、復帰用ワイヤ(第2ワイヤW3)の引き出しを機械的に規制し、当該引き出しが規制された復帰ワイヤ(第2ワイヤW3+第1ワイヤW2)によりブレーキ解放体をブレーキ復帰方向に引っ張るようになっている。
【0091】
自重降下中のシャッターカーテン1の下座板が障害物に当たった場合には、復帰ワイヤ(第2ワイヤW3+第1ワイヤW2)によりブレーキ解放体をブレーキ復帰位置に移動させてシャッターカーテン1の自重降下を停止させる。
【0092】
電動降下中のシャッターカーテン1の下座板が障害物に当たった場合には、復帰ワイヤ(第2ワイヤW3+第1ワイヤW2)によるブレーキ解放体の移動に連動して、作動部7の障害物検知用のマイクロスイッチ(図示せず)がON状態からOFF状態となることで(OFF状態からON状態となることで障害物検知を行うように設計してもよい)、制御装置4に障害物検知信号が送信され、制御装置4からシャッター制御盤に信号が送信されて、電動降下中のシャッターカーテン1を停止させる。
【0093】
シャッター装置は、停止したシャッターカーテン1を再降下させる再降下手段(自重再降下手段)を備えている。自重降下中のシャッターカーテン1の下座板が障害物に当たってシャッターカーテン1を停止させた後に障害物が取り除かれると、復帰ワイヤの引き出しが可能となって、ブレーキ解放体がブレーキ解放方向に移動して、シャッターカーテン1が自重再降下する。また、障害物除去後において、シャッターカーテン1が自重で再降下するタイミングを遅延させるようにしてもよい。
【0094】
電動降下中のシャッターカーテン1の下座板が障害物に当たってシャッターカーテン1を停止させた後に障害物が取り除かれると、復帰ワイヤの引っ張り力が無くなり、作動体が定常位置に復帰して、作動部7のマイクロスイッチはOFFからONとなり、電動開閉操作部3Aからの操作によってシャッターカーテン1の電動開閉が可能となる。このような危害防止装置(例えば、障害物検知機構、中継装置10、ロック装置11等を含む)の具体的な構成については、本発明を限定するものではないものの、例えば、特開2017-96073を参照することができる。
【0095】
シャッター装置の近傍の壁面には、操作し易い高さに手動閉鎖装置3Bが設けてある。手動閉鎖装置3Bは、縦長直方体の箱体からなる操作ボックスであり、手動閉鎖用の操作部、及び、自動閉鎖装置6の復旧用の操作部が設けられる。手動閉鎖用の操作部は、操作ボックスの前面部に設けた非常時閉鎖スイッチ(蓋に隠れており、図示せず)である。
【0096】
手動閉鎖装置の操作部(非常時閉鎖スイッチ、回動レバー3a)は、作動部7のブレーキ解放操作、ブレーキ復帰操作を行えるように手動操作用のワイヤW4の一端に機械的に連結されている。ワイヤW4の他端は、作動部7に連結されている。手動閉鎖装置の操作部は、ブレーキ解放作動前の状態から第1の操作(非常時閉鎖スイッチの押し操作)によってブレーキを解放するように作動し、ブレーキ解放作動後の状態から第2の操作(非常閉鎖スイッチの押操作によって突出した回動レバー3aの操作)によってブレーキを復帰させるように作動する。操作ボックス内の前面部には自動閉鎖装置の復旧ワイヤW5を巻き掛けするプーリ(図示せず)が設けてあり、復旧用レバー(図示せず)は、自動閉鎖装置の復旧ワイヤW5によって復旧機構6´と接続されており、復旧機構6´と共に、自動閉鎖装置6の復旧装置を構成する。
【0097】
第4実施形態に係るシャッターの改修の対象となる既設の管理併用防火シャッターにおいて、商用電源からの電力は、第1´路A1を通って、電動開閉機Mのシャッター制御盤5に供給され、シャッター制御盤5に供給された電力は、さらに第2´路A2を通って、制御装置4に供給されるようになっており、第1実施形態に係るシャッターの改修の対象となる既設の管理併用防火シャッターと同じである(
図13、
図2参照)。
【0098】
[D-2]管理併用防火シャッターの改修
第4実施形態に係るシャッターの改修は、商用電源の電力を電動開閉機Mに供給する第1´路と、電動開閉機Mに供給された商用電源の電力を制御装置4に供給する第2´路A2とを備えている既設の管理併用防火シャッターに対して実行される。
【0099】
本実施形態に係るシャッターの改修方法は、第1´路A1、第2´路A2に代えて、商用電源からの電力供給路(電線EW3)を、電動開閉機Mに電力を供給する第1路と、制御装置4に電力を供給する第2路と、に分岐させること;第1路と電気的に接続可能であり、商用電源とは異なる臨時電源と電気的に接続可能な第3路(電線EW1)を設けること;電力供給路(電線EW3)からの商用電源と、第3路(電線EW1)からの臨時電源と、を選択する電源切替部Sを設けること;を含み、商用電源選択時には商用電源からの電力を電動開閉機M及び制御装置4に供給し、臨時電源選択時には臨時電源からの電力を電動開閉機Mのみに供給する。
【0100】
図15、
図16に示すように、電源切替装置8は、第1接続ポートP1と、第1接続ポートP1からの入力を第1路と第2路に分岐する分岐部Bと、第2路に位置する第2接続ポートP2と、第1路に位置する第3接続ポートP3と、第4接続ポートP4と、分岐部Bと第3接続ポートP3との間に設けた電源切替部Sと、を備えている。
【0101】
このような電源切替装置8を用いた改修方法は、第1´路A1(一端が商用電源側の回路遮断器Brに接続され、他端が電動開閉機Mのシャッター制御盤5に接続されている)を取り外すこと;第2´路A2(一端が電動開閉機Mのシャッター制御盤5に接続され、他端が制御装置4に接続されている)を取り外すこと;商用電源側の回路遮断器Brと電源切替装置8の第1接続ポートP1を電線EW3で接続すること;電線EW1(第3路)と電源切替装置8の第4接続ポートP4を接続すること;電動開閉機Mと電源切替装置8の第3接続ポートP3を電線EW1´´で接続すること;制御装置4と電源切替装置8の第2接続ポートP2を電線EW4で接続すること;、を含み、電源切替部Sによって、第1接続ポートP1と第3接続ポートP3を接続することで商用電源からの電力が電動開閉機Mに供給され、第4接続ポートP4と第3接続ポートP3を接続することで臨時電源からの電力が電線EW1を通って電動開閉機Mのみに供給可能となっている。
【0102】
電線EW1(第3路)は、臨時電源が接続される接続部と電源切替装置8を接続する電線であり、電線EW1は、躯体あるいはガイドレール2を介して、躯体の下方部位あるいはガイドレール2の下方部位まで延びており、電線EW1は、下方部位において外部から臨時電源(発電機G)が接続可能な接続部(コネクタC1)を備えている。
【0103】
本実施形態では、接続部(コネクタC1)と電動開放操作部(開スイッチ9A)を備えた電源接続装置9を用意し、電源接続装置9と、電源切替装置8を、電線EW1によって電気的に接続する。電源接続装置9は、コネクタC1及び開スイッチ9Aが設けられた筐体を備え、躯体の下方部位あるいはガイドレール2の下方部位に設けられる。電源接続装置9は、典型的には、蓋を備えた操作ボックスであり、蓋を開けるとコネクタC1と開スイッチ9Aが設けられた前面部90が露出するようになっている。コネクタC1と開スイッチ9Aは、開スイッチ9Aが上側、コネクタC1が下側に位置して、上下に隣接して設けてある。
【0104】
既設のシャッターにおいて、躯体の下方部位には、電動開閉操作部3A、手動閉鎖装置3Bを提供する操作ボックスが設けてあり、電源接続装置9は、これらの操作ボックスに隣接して設けられる。なお、電源接続装置において、接続部(コネクタC1)と電動開放操作部(開スイッチ9A)が、別個の筐体に設けられていてもよく、また、接続部(コネクタC1)と電動開放操作部(開スイッチ9A)は必ずしも近傍に設けなくてもよい。
【0105】
上記説明において、本実施形態のシャッターの改修によって設けられる電線EW3、電線EW1´´は、商用電源からの電力を電動開閉機Mに供給する電源線、電線EW3、電線EW4は、商用電源からの電力を制御装置4に供給する電源線であり、電線EW1、電線EW1´´は臨時電源からの電力を電動開閉機Mに供給する電源線である。
【0106】
本実施形態に係るシャッターの改修は、さらに、信号線を設けることを含む。具体的には、電源接続装置9と電動開閉機Mのシャッター制御盤5とを信号線である電線EW1´で接続することを含み、電線EW1´によって電源接続装置9の開スイッチ9Aからの信号をシャッター制御盤5に送信する。本実施形態では、電線EW1´の途中にスイッチS2が設けられる(スイッチS2については
図17、
図18を参照しつつ後述する)。
【0107】
既設のシャッターにおいて、電動開閉操作部3Aからの信号は、信号線(
図14に電線EW4´として示す)を通って制御装置4に送信され、さらに、制御装置4から信号線を通ってシャッター制御盤5に送信される。本実施形態では、制御装置4とシャッター制御盤5とを接続する信号線上にスイッチS1が設けられ、
図3に改修後の信号線を電線EW4´´として示し、電線EW4´´にはスイッチS1が設けられる(スイッチS1については
図17、
図18を参照しつつ後述する)。本実施形態では、スイッチS1、スイッチS2は電源切替装置8に設けられ、したがって、電線EW1´、電線EW4´´は電源切替装置8を経由している。
【0108】
1つの態様では、例えば、電線EW1は、ガイドレール2の側方の壁体内を通って、壁体の下方部位に埋設した電源接続装置9の操作ボックスまで延びており、電線EW1の第2端には電源接続装置9が電気的に接続されている。同様に、信号線である電線EW1´は、壁体内を通って延びている。電源接続装置9の操作ボックスには図示しない蓋が設けてあり、蓋を開けることで前面部90及び前面部90に設けた開スイッチ9A、コネクタC1が露出するようになっている。
【0109】
上記例では、電動開閉機Mへ電力を供給する電線EW1、信号を供給する電線EW1´は壁体内を通るように設けてあるが、電線EW1、EW1´を、壁体の外面に沿って設けてもよい。また、電線EW1、EW1´を、ガイドレール2を介して開口部下方まで案内してもよい。より具体的には、電線は、ガイドレール2内を通って、または、ガイドレール2外面に沿って、ガイドレール2の下方部位まで延びており、下方部位において電線EW1の端部にはコネクタC1を備えた電源接続装置9が電気的に設けられる。コネクタC1はガイドレール2の外面に露出可能に設けてもよく、あるいは、ガイドレール2に電源接続装置が設けてある場合には、当該電源接続装置の前面において外部に露出可能に設けてもよい。あるいは、電線EW1は、壁体内あるいはガイドレール2内を通って、または、壁体外面あるいはガイドレール2の外面に沿って、ガイドレール2の下方部位あるいは壁体の下方部位(床面ないし床内を含む)まで延びており、電源接続装置9の操作ボックス及びガイドレール2とは独立した壁体上ないし床面上あるいは床面内の部位において、外部から接続可能な接続部としてのコネクタC1を設けてもよい。
【0110】
[D-3]管理併用防火シャッター(改修後)
図14に示すように、改修後の管理併用防火シャッターは、躯体に設置した左右のガイドレール2と、左右のガイドレール間の開口部を開閉するシャッターカーテン1と、電動開閉機Mと、電動開閉操作部3Aと、電動開放操作部(開スイッチ9A)と、手動閉鎖装置3Bと、火災検知信号の入力あるいは手動閉鎖装置3Bからの操作によってシャッターカーテン1を自重降下させる自動閉鎖装置6と、シャッターカーテン降下時に障害物を検知する障害物検知手段(座板1A、ロック装置11、中継装置10、ワイヤW3、W2)と、障害物検知時に自重降下中のシャッターカーテンを電力を用いずに機械的に停止させる機械式停止手段(座板1A、ロック装置11、中継装置10、ワイヤW3、W2、作動部7)と、障害物検知時に電動降下中のシャッターカーテン1を電気的に停止させる制御装置4と、商用電源と臨時電源を切り替える電源切替部Sと、を備え、商用電源が選択された時には、商用電源からの電力が電動開閉機M及び制御装置4に供給され、臨時電源が選択された時には、臨時電源からの電力が電動開閉機Mのみに供給され、臨時電源からの電力は制御装置4には供給されないように構成されている。
【0111】
本実施形態に係る管理併用防火シャッターにおいて、通常時には、電動開閉機M及び制御装置4には商用電源からの電力が供給されるが、停電時等には、臨時電源を用いてシャッターの電動開放が可能となっている。
図14に示すように、躯体には、電動開閉操作部3Aの操作ボックスに隣接して、電動開放操作部(開スイッチ9A)と、臨時電源としての発電機Gと接続可能な接続部としてのコネクタC1と、を備えた筐体としての操作ボックスからなる電源接続装置9が設けられる。本実施形態では、電動開放操作部(開スイッチ9A)と接続部(コネクタC1)は、開スイッチ9Aが上側、コネクタC1が下側に位置して、上下に隣接して設けてある。
【0112】
コネクタC1には臨時電源としての発電機Gが接続可能となっている。より具体的には、コネクタC1には、外部から電線EW2の先端の接続部(コネクタC2)が接続可能となっており、電線EW2の基端には臨時電源としての発電機Gが接続可能あるいは予め接続されている。
【0113】
電動開閉機M及び制御装置4には、回路遮断器Brを介して商用電源が接続されており、通常時には、商用電源から供給される電力によって作動するようになっている。
図14に示すように、本実施形態に係る管理併用防火シャッターは、電源切替装置8を備えており、通常時には電動開閉機Mの電源として商用電源を選択し、停電時等には電動開閉機Mの電源として臨時電源を選択するように構成されている。
【0114】
通常時には、電源切替装置8によって電動開閉機Mの電源として商用電源が選択されており、商用電源からの入力は第1路と第2路に分岐され、第1路を通って電動開閉機Mに電力が供給され、第2路を通って制御装置4に電力が供給される。より具体的には、第1路に商用電源と臨時電源を切り替える電源切替部S(
図15、
図16参照)が設けてあり、第1路の電源として商用電源が選択されている時には、商用電源からの電力が電動開閉機Mに供給され、制御装置4へは第2路を通って商用電源の電力が供給され、第1路の電源として臨時電源が選択されている時には、臨時電源からの電力は第3路を通って電動開閉機Mのみに供給され、制御装置4には供給されないように構成されている。電源切替装置8の具体的な構成については後述する。
【0115】
臨時電源を使用する場合の電源線は、電源接続装置9と電源切替装置8を電気的に接続する電線EW1と、電源切替装置8と電動開閉機Mのシャッター制御盤5を電気的に接続する電線EW1´´と、からなる。臨時電源を使用する場合の信号線は、電源接続装置9と電動開閉機Mのシャッター制御盤5を電気的に接続する電線EW1´からなる。
【0116】
[E]管理併用防火シャッターの改修(他の実施形態)
[E-1]管理併用防火シャッター(改修前)
本発明に係る改修方法は、電源の供給の方式を除いて、第4実施形態に係る機械式危害防止装置付き管理併用防火シャッターの構成と同じ機械式管理併用防火シャッターについても適用できる。このような他の実施形態に係る既設の管理併用防火シャッターとしては、商用電源からの電力は、第2´路A2を通って、制御装置4に供給され、制御装置4に供給された電力は、さらに第1´路A1を通って、電動開閉機Mのシャッター制御盤5に供給されるもの(
図6参照)、商用電源からの電力は、第2´路A2を通って、制御装置4に供給され、商用電源からの電力は、第1´路A1を通って、電動開閉機Mのシャッター制御盤5に供給されるもの(
図10参照)がある。
【0117】
[E-2]管理併用防火シャッターの改修
既設の機械式危害防止装置付き管理併用防火シャッターであって、商用電源からの電力は、第2´路A2を通って、制御装置4に供給され、制御装置4に供給された電力は、さらに第1´路A1を通って、電動開閉機Mのシャッター制御盤5に供給されるもの(
図6参照)についての改修方法は、[B-2]の記載を援用することができる。
【0118】
既設の機械式危害防止装置付き管理併用防火シャッターであって、商用電源からの電力は、第2´路A2を通って、制御装置4に供給され、商用電源からの電力は、第1´路A1を通って、電動開閉機Mのシャッター制御盤5に供給されるもの(
図10参照)についての改修方法は、[C-2]の記載を援用することができる。
【0119】
[E-3]管理併用防火シャッター(改修後)
上記他の実施形態に係る改修後の管理併用防火シャッターの構成は、電源の供給の方式を除いて第4実施形態に係る改修後の管理併用防火シャッターの構成と同じであり、[D-3]の記載を援用することができる。
【0120】
[F]臨時電源
臨時電源は、電動開閉機Mへ電力を供給する電線EW1に設けた接続部(コネクタC1)に接続可能な電源であり、かつ、通常のシャッター装置の使用状態では、前記接続部(コネクタC1)に接続されておらず、停電時等において、シャッターの電動駆動が必要となった時にのみ一時的に前記接続部(コネクタC1)に接続される電源である。本実施形態では、臨時電源として可搬式の発電機Gを用意し、発電機Gの出力側にコネクタC1に接続できるコネクタC2を備えた電線EW2を設けて、電源接続装置9の操作ボックスの前面部90に露出するコネクタC1に発電機Gを接続可能となっている。発電機Gは、例えば、走行ローラを備えた可動式の発電機Gであり、通常時には、適所に格納されている。
【0121】
このように、電動開放操作部としての開スイッチ9Aを備えた操作ボックス内に外部から臨時電源としての発電機Gが接続可能なコネクタC1を設けることで、シャッターの開スイッチ9Aと同じ箇所で発電機Gの接続を行うことができ、発電機Gの接続、開スイッチ9Aからの操作をスムーズに行うことができる。
【0122】
発電機Gに代えて、壁体に露出した電源コンセント(図示せず)を臨時電源として、電線EW2を用いて、電源コンセントと電線EW1の端部のコネクタC1を接続してもよい。電源コンセントを臨時電源とする場合には、必要に応じて(例えば、開閉機が200Vで動作する場合)、適宜、変圧器を設けて電圧を変換する。
【0123】
本実施形態において、電動開閉機Mを駆動するための電力を供給する臨時電源は、コネクタC1に接続可能な可搬式発電機あるいは電源コンセント、バッテリであるが、これらの臨時電源は通常時には、コネクタC1に接続されておらず、すなわち、これらの臨時電源と電動開閉機Mとは接続されていない。
【0124】
シャッター装置は、通常時は、商用電源によって動作し、通常時の使用状態では、コネクタC1には、可搬式発電機あるいは電源コンセントは接続されていない。停電時等にシャッターを開閉させる必要が生じた場合には、発電機Gを用意して、発電機Gから延びる電線EW2のコネクタC2をコネクタC1に接続することで、発電機Gを臨時電源として電動開閉機Mに電気を供給することで、電動開閉機Mが駆動可能となり、例えば、開スイッチ9Aを押すことでシャッターカーテン1が上昇する。
【0125】
1つの態様では、開スイッチ9Aの押し切り動作(開スイッチ9Aの押し操作を継続している間だけシャッターカーテン1が上昇する)によってシャッターカーテン1を上昇させる。あるいは、押し切り動作ではなく自己保持回路を用いて、開スイッチ9Aの押圧パターンによって、停止操作を行ってもよく、例えば、開スイッチ9Aの1回目の押圧によって、シャッターカーテン1が上昇を開始し、2回目の押圧によって上昇中のシャッターカーテン1を停止させるようにしてもよい。あるいは、開スイッチ9Aに加えて、停止スイッチを設けてもよい。
【0126】
[G]電源切替装置
電源切替装置8は、商用電源からの電力が入力する第1接続ポートP1と、第1接続ポートP1からの入力を第1路と第2路に分岐する分岐部Bと、第2路から制御装置4へ出力する第2接続ポートP2と、第1路から電動開閉機Mへ出力する第3接続ポートP3と、臨時電源(発電機G)からの電力が第3路を通って入力する第4接続ポートP4を備えている。分岐部Bと第3接続ポートP3との間に電源切替部(電源選択スイッチ)Sがあり、第1接続ポートP1と第3接続ポートP3を接続することで商用電源からの電力が第1路を通って電動開閉機Mに供給され、第2路を通って制御装置4に供給される第1形態と、第4接続ポートP4と第3接続ポートP3を接続することで臨時電源からの電力が第1路を通って電動開閉機Mのみに供給され、制御装置4には供給されない第2形態を選択的にとるように構成されている。
【0127】
図15~
図18を参照しつつ、電源切替装置8の第1形態、第2形態について説明する。商用電源と電源切替装置8の第1接続ポートP1は電線EW3によって接続されており、電線EW3には回路遮断器Brが設けてある。本実施形態では、電源切替装置8において、第1接続ポートP1からの入力は分岐部Bにおいて、第1路と第2路に分岐されている。第1路は電動開閉機Mに電気的に接続可能となっており、第2路は制御装置4に電気的に接続されている。
【0128】
電源切替装置8の第2接続ポートP2と制御装置4は、電線EW4によって接続されており、第2路の出力側は第2接続ポートP2となっている。電源切替装置8の第3接続ポートP3と電動開閉機Mは、電線EW1´´によって接続されており、第1路の出力側は第3接続ポートP3となっている。電源切替装置8の第4接続ポートP4と電源接続装置9のコネクタC1は、電線EW1(第3路)によって接続されている。電源切替装置8において、分岐部Bと第3接続ポートP3との間に電源切替部(電源選択スイッチ)Sがある。
【0129】
図15、
図17では、電源切替部(電源選択スイッチ)Sは第1の位置にあり、第1接続ポートP1と第3接続ポートP3を接続しており、商用電源からの電力が第1路を通って電動開閉機Mに供給される。また、商用電源からの電力は第2路を通って制御装置4に供給される。
【0130】
図16、
図18では、電源切替部(電源選択スイッチ)Sは第2の位置にあり、第4接続ポートP4と第3接続ポートP3を接続しており、臨時電源(発電機G)からの電力が電線EW1(第3路)を通って電源切替装置8に入力され、第1路を通って電動開閉機Mに供給される。電源切替部Sが第2の位置にある時には、制御装置4の電源回路(第2路)は、電動開閉機Mの電源回路(第3路、第1路)から遮断されているので、臨時電源(発電機G)からの電力が制御装置4に供給されることがない。
【0131】
電源切替部(電源選択スイッチ)Sの切替については、幾つかの態様があり得る。1つの態様では、電源切替部Sは、停電時または臨時電源接続時に第2の位置となって臨時電源を選択し、前記臨時電源からの電力が電動開閉機Mのみに供給され、制御装置4には供給されない。1つの態様では、電源切替部Sは、停電の検出に応じて第2の位置となって臨時電源を自動的に選択する。1つの態様では、電源切替部Sは、前記臨時電源の接続の検出に応じて第2の位置となって臨時電源を自動的に選択する。1つの態様では、電源切替装置8は検出回路(
図15、
図16参照)を備え、前記検出回路によって前記第3路を通る電流を検出することで、電源切替部Sが第2の位置となって臨時電源を自動的に選択する。電源切替部Sは、手動によって第1の位置と第2の位置を切り替えるものでもよい。
【0132】
[H]電動開閉操作部からの操作の無効化
管理併用防火シャッターは、通常時には、電動開閉操作部3Aからの操作(開操作、閉操作、停止操作)によって、制御装置4を介して、シャッター制御盤5に所定の信号を送信し、電動開閉機Mが商用電源を用いて駆動することで、シャッターを電動開閉させる。したがって、臨時電源が用いられる場合は、典型的には停電時であるが、商用電源が有効な通常時において、臨時電源が接続される場合もあり得る。電源切替装置8は、商用電源と臨時電源のいずれかの電源を選択的に用いることを担保するものであり、両方の電源が有効な場合であっても、いずれかの電源のみから電動開閉機Mに電力を供給し、また、臨時電源からは制御装置4に電力が供給されないようにしている。
【0133】
ここで、商用電源が有効な場合であっても、臨時電源が電動開閉機Mに電気的に接続されて、臨時電源が電源として選択される場合もあり得る。この時、商用電源が有効な場合には、電動開閉操作部3Aは商用電源を用いて信号を出力することが可能であり、制御装置4も商用電源を用いて動作するので、電動開閉操作部3Aから受信した信号に基づいて、電動開閉機M(シャッター制御盤5)に所定の信号を出力することが可能である。したがって、電動開閉機Mには臨時電源から電力が供給される一方、電動開放操作部(開スイッチ9A)は臨時電源を用いて電動開閉機Mに開信号を出力可能な状態にあり、電動開閉操作部3Aは商用電源を用いて電動開閉機Mに開閉信号を出力可能な状態にあることが起こり得る。
【0134】
電動開放操作部(開スイッチ9A)からの開信号によってシャッターの電動開放させたい時に、誤って電動開閉操作部3Aから停止信号や閉信号が送信されると、指令系統の混線を招いて所望の開操作ができなかったり、場合によってはデバイス(例えば、制御装置4)にダメージを与えてしまうおそれもある。なお、停電時においても、電動開閉操作部3A、制御装置4がバッテリで動作可能な場合には、同様のことが起こり得る。
【0135】
本実施形態に係る管理併用防火シャッターは、少なくとも電動開放操作部(開スイッチ9A)からの開操作時に、電動開閉操作部3Aからの操作を無効化する無効化手段を備えている。無効化のタイミングは限定されないものの、例えば、電動開放操作部(開スイッチ9A)からの開操作が行われたことを検知して電動開閉操作部3Aからの操作を無効化する場合、電源接続装置9のコネクタC1に臨時電源(発電機G)が接続されたことを検知して電動開閉操作部3Aからの操作を無効化する場合等を例示することができる。また、この無効化手段は、臨時電源と商用電源が共に有効な場合に、電動開放操作部(開スイッチ9A)からの開操作を、電動開閉操作部3Aからの操作に優先させる手段であると言うこともできる。
【0136】
(0117)
無効化手段の実施形態について、
図17、
図18に基づいて説明する。管理併用防火シャッターおいて、
図17に示す態様では、電源切替装置8の電源切替部Sによって、電源として商用電源が選択されており、
図18に示す態様では、電源切替装置8の電源切替部Sによって、電源として発電機G(臨時電源)が選択されている。典型的には、通常時には電源切替装置8は
図17の状態にあり、停電時等には電源切替装置8は
図18の状態にあるが、電源切替の条件やタイミングは限定されない。
図17、
図18は第1実施形態に係る管理併用防火シャッターを示すものであるが、無効化手段は、第2実施形態、第3実施形態、第4実施形態に係る管理併用防火シャッターにも適用される。
【0137】
図17に示す態様では、電源切替部(電源選択スイッチ)Sによって、電源切替装置8の第1接続ポートP1と第3接続ポートP3が電気的に接続されており(
図15参照)、商用電源からの電力が電動開閉機Mのシャッター制御盤5に出力されるようになっている。また、商用電源からの電力は電線EW4を通って制御装置4に出力される。第4接続ポートP4と第3接続ポートP3との間は開放しており、電源切替装置8と電源接続装置9とは電気的に接続されていない。また、電源接続装置9のコネクタC1には発電機Gは接続されていない。
【0138】
電動開閉操作部3Aからの操作信号は、信号線EW4´によって制御装置4に送信され、制御装置4から信号線EW4´´によって電動開閉機Mのシャッター制御盤5に出力される。本実施形態では、信号線EW4´´上にスイッチS1が設けてあり、スイッチS1が閉状態にあることで、電動開閉操作部3Aからの操作信号は制御装置4を経由して信号線EW4´´を通ってシャッター制御盤5に送信される。電源接続装置9から電動開閉機Mのシャッター制御盤5に開信号を送信するための信号線EW1´上にはスイッチS2が設けてあり、スイッチS2は開状態にある。
【0139】
図18に示す態様では、電源切替部(電源選択スイッチ)Sによって、電源切替装置8の第4接続ポートP4と第3接続ポートP3が電気的に接続され(
図16参照)、電源切替装置8と電源接続装置9とは電気的に接続されている。電源接続装置9のコネクタC1には発電機GのコネクタC2が接続されており、発電機Gからの電力が電動開閉機Mのシャッター制御盤5に出力されるようになっている。第1接続ポートP1と第3接続ポートP3との間は開放しており、商用電源(有効な場合)からの電力は電線EW4を通って制御装置4には出力可能であるが、電動開閉機Mには出力されない。
【0140】
電源接続装置9から電動開閉機Mのシャッター制御盤5に開信号を送信するための信号線EW1´上のスイッチS2は閉状態にあり、電動開放操作部(開スイッチ9A)からの開信号は、信号線EW1´を通って電動開閉機Mのシャッター制御盤5に出力される。一方、信号線EW4´´上のスイッチS1は開状態にあり、電動開閉操作部3Aからの操作信号はシャッター制御盤5には送信されない。したがって、商用電源が有効であり、制御装置4、電動開閉操作部3Aが商用電源を用いて動作可能な状態であっても、電動開閉操作部3Aからの操作信号に基づいてシャッター制御盤5が電動開閉機Mを駆動させることはない。
【0141】
本実施形態では、電源切替部(電源選択スイッチ)S、スイッチS1、スイッチS2は、電源切替装置8に備わっており、電源切替装置8には、信号線EW1´、信号線EW4´´の接続ポート(図示せず)が設けてある。電源切替部(電源選択スイッチ)S、スイッチS1、スイッチS2は、同時に切り替わるように制御してもよく、この場合、電源切替部(電源選択スイッチ)Sが第1の位置をとる時、スイッチS1は閉状態、スイッチS2は開状態となり、電源切替部(電源選択スイッチ)Sが第2の位置をとる時、スイッチS1は開状態、スイッチS2は閉状態となる。本実施形態に係る電源切替装置8には、電線EW1の電流を検出する検知手段(検知回路)が設けてあり、発電機Gから電線EW1を通る電流の検出に応じて、スイッチS1、スイッチS2を切り替えて電動開閉操作部3Aからの操作を無効化する。電源切替部(電源選択スイッチ)S、スイッチS1、スイッチS2の切替のタイミングは、上記電線EW1を通る電流の検出時の他、例えば、停電時を検出することでスイッチを切り替えること、臨時電源が接続されたこと(例えば、発電機Gが電源接続装置9のコネクタC1に接続したこと)の検出時に実行することができる。
【0142】
図18に示した態様では、無効化手段は、制御装置4からの信号を電動開閉機Mへ送信する回路(信号線EW4´´)を遮断することで、電動開閉操作部3Aからの操作を無効化するものであるが、無効化手段はこれに限定されるものではない。例えば、無効化手段は、電動開閉操作部3Aからの信号を制御装置4へ送信する回路(信号線EW4´)を遮断することで、電動開閉操作部3Aからの操作を無効化するものでもよい。あるいは、無効化手段は、制御装置4に無効化信号を送信し、無効化信号を受信した制御装置4が電動開閉操作部3Aからの操作を無効とするものでもよい。
【0143】
[I]倉庫内に設置されたシャッター装置
図19は、複数のシャッター装置SD1~SD12が配置された倉庫の概略平面図である。倉庫は平面視方形状の外壁を備え、外壁の1つには3つの開口部(出入口)が形成されており、各開口を開閉するように、シャッター装置SD1、SD2、SD3が設置されている。シャッター装置SD1、SD2、SD3は管理併用の電動シャッターであり、図示の態様では、これらのシャッター装置SD1、SD2、SD3は全開状態にある。これらのシャッター装置SD1、SD2、SD3を改修することで、臨時電源を接続可能とすることができる。
【0144】
倉庫内には、開口部に離隔対向して、荷揚げ用の段差部Fが設けてあり、段差部F近傍まで搬送車が進入可能となっている。倉庫内には長手方向、短手方向に延びる壁体が設けてあり、これらの壁体には複数の開口が形成されており、各開口にはシャッター装置SD4~SD12が設置されている。図示の態様では、シャッター装置SD4、SD5、SD6、SD7、SD11、SD12が全閉状態にあり、シャッター装置SD8、SD9、SD10が全開状態にある。すなわち、シャッター装置SD4、SD5、SD6、SD7、SD11、SD12が仕切り壁を形成しており、倉庫内空間が、3つの区画に仕切られている。このように、必要に応じて、シャッター装置を選択して開放姿勢、閉鎖姿勢とすることで、倉庫内に所望の区画を形成することができる。
【0145】
管理併用の電動防火シャッターであるシャッター装置SD1、SD2、SD3の各シャッター装置の各電動開閉機Mから延びる電線EW1は、壁体あるいはガイドレール2を介して下方部位にまで延びており、電線EW1の端部にはコネクタC1が設けてある。コネクタC1は、外部から発電機Gの接続部C2が接続可能となっている。停電時等において、シャッター装置SD1、SD2、SD3を電動開放したい場合には、所望のシャッター装置のコネクタC1に発電機Gの接続部C2を接続し、電源切替装置8によって発電機Gを選択することで、発電機Gを臨時電源として電動開閉機Mに電力が供給され、電動開閉機Mが駆動可能となる。この時、発電機Gからの電力が制御装置4に供給されることがない。
【0146】
一方、シャッター装置SD4~SD12は、いかなる商用電源にも接続されておらず、また、バッテリも備えていない。シャッター装置SD4~SD12の各シャッター装置の各電動開閉機Mから延びる電線EW1は、壁体あるいはガイドレール2を介して下方部位にまで延びており、電線EW1の端部にはコネクタC1が設けてある。コネクタC1は、外部から発電機Gの接続部C2が接続可能となっている。
【0147】
メンテナンス等の理由から、シャッター装置SD4~SD12の開閉動作が必要となった場合には、所望のシャッター装置のコネクタC1に発電機Gの接続部C2を接続し、発電機Gを臨時電源として電動開閉機Mに電源を供給することで、電動開閉機Mが駆動可能となる。シャッター装置SD4、SD5、SD6、SD7、SD11、SD12については、開スイッチ9Aを押すことでシャッターカーテン1を上昇させる。シャッター装置SD8、SD9、SD10について、手動閉鎖装置3Bないし非常作動スイッチ(手動閉鎖装置)31からの操作や疑似火災信号の入力でシャッターカーテン1を自重下降させる。また、一旦開放したシャッターカーテン1を再度閉鎖姿勢とする場合には、手動閉鎖装置3Bないし非常作動スイッチ(手動閉鎖装置)31からの操作や疑似火災信号の入力でシャッターカーテン1を自重下降させ、一旦閉鎖したシャッターカーテン1を再度開放姿勢とする場合には、所望のシャッター装置のコネクタC1に発電機Gの接続部C2を接続し、開スイッチ9Aを押すことで、発電機Gを臨時電源としてシャッターカーテン1を電動開放する。なお、シャッター装置SD4~SD12を電動シャッターから構成し、本明細書に開示したような臨時電源を接続可能として、停電時等に臨時電源を用いて電動駆動させてもよい。
【符号の説明】
【0148】
1 シャッターカーテン
2 ガイドレール
3A 電動開閉操作部(第1操作部)
3B 手動閉鎖装置
31 非常作動スイッチ(手動閉鎖装置)
4 制御装置
6 自動閉鎖装置
8 電源切替装置
S 電源切替部
B 分岐部
P1~P4 電源切替装置の接続ポート
9 電源接続装置
9A 開スイッチ(電動開放操作部、第2操作部)
M 電動開閉機
G 発電機(臨時電源)
C1 接続部(コネクタ)
C2 接続部(コネクタ)
EW1 電線(電源線)
EW1´ 電線(信号線)
EW1´´ 電線(電源線)
EW2 電線(電源線)
EW3 電線(電源線)
EW4 電線(電源線)