(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-16
(45)【発行日】2023-02-27
(54)【発明の名称】ブームスプレーヤ
(51)【国際特許分類】
B05B 17/00 20060101AFI20230217BHJP
A01M 7/00 20060101ALI20230217BHJP
【FI】
B05B17/00 101
A01M7/00 D
(21)【出願番号】P 2019076207
(22)【出願日】2019-04-12
【審査請求日】2021-10-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000141174
【氏名又は名称】株式会社丸山製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100176245
【氏名又は名称】安田 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100140682
【氏名又は名称】妙摩 貞茂
(72)【発明者】
【氏名】小林 堅二
(72)【発明者】
【氏名】栗原 翔太
【審査官】松浦 裕介
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-334477(JP,A)
【文献】特開2013-027357(JP,A)
【文献】特開2010-158218(JP,A)
【文献】特開2016-131502(JP,A)
【文献】特開2014-042484(JP,A)
【文献】特開2003-009750(JP,A)
【文献】特開2001-321704(JP,A)
【文献】特開2018-157775(JP,A)
【文献】実開昭60-053368(JP,U)
【文献】韓国公開特許第10-2004-0065832(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0175869(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC A01M 1/00 - 99/00
B05B 17/00 - 17/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機体(3)の前部に設けられ、前記走行機体(3)の左右方向に延びるセンターブーム(5)、
前記センターブーム(5)の少なくとも一方の端部に基端が接続されたサイドブーム(6)、
前記走行機体に対する前記センターブーム(5)の高さ位置を移動させる昇降装置(30)、
前記センターブーム(5)と直線上に前記左右方向に並ぶ開位置と前記走行機体(3)の側方に折り畳まれる閉位置との間で前記サイドブーム(6)を旋回させる開閉装置(47)、
前記サイドブーム(6)の先端が前記センターブーム(5)の高さよりも高い高位置と前記高位置の状態よりも前記サイドブーム(6)の先端が低い低位置との間で前記サイドブーム(6)を傾動させる傾動装置(57)、
前記センターブーム(5)の高さ位置が所定の高さ以上であり、且つ、前記サイドブーム(6)の旋回位置が前記閉位置であり、且つ、前記サイドブーム(6)の傾動位置が前記低位置よりも高い位置である格納状態と、少なくとも前記サイドブーム(6)の旋回位置が前記開位置であり、且つ、前記サイドブーム(6)の傾動位置が前記低位置である展開状態と、に切り替わるように前記昇降装置(30)と、前記開閉装置(47)と、前記傾動装置(57)とを制御する制御装置(180)
、
前記格納状態と前記展開状態との切り替えの指示を前記制御装置(180)に入力するための入力装置(185)
、
前記昇降装置(30)によって移動した前記センターブーム(5)の前記高さ位置を検出する第1検出手段(130)、
前記傾動装置によって傾動した前記サイドブーム(6)の前記傾動位置を検出する第2検出手段(150)、及び、
前記開閉装置(47)によって旋回した前記サイドブーム(6)の前記旋回位置を検出する第3検出手段(140)、を備え、
前記入力装置(185)は、前記格納状態に切り換えることを指示するための信号と展開状態に切り換えることを指示するための信号とを選択的に前記制御装置(180)に入力
し、
前記制御装置(180)は、
前記第1検出手段(130)、前記第2検出手段(150)及び前記第3検出手段(140)の検出結果に基づいて、前記昇降装置(30)、前記開閉装置(47)及び前記傾動装置(57)を制御するように構成されており、
前記入力装置(185)によって前記展開状態から前記格納状態への切り替えの指示が入力された場合に、前記第1検出手段(130)によって前記センターブーム(5)の高さ位置が所定の高さ以上であることが検出された状態で、又は、前記第1検出手段(130)によって前記センターブーム(5)の高さ位置が所定の高さ範囲内であることが検出された状態且つ前記第2検出手段(150)によって前記サイドブーム(6)の前記傾動位置が前記高位置であることが検出された状態で、前記サイドブーム(6)が前記閉位置に折り畳まれるように、前記昇降装置(30)、前記開閉装置(47)及び前記傾動装置(57)を制御する、ブームスプレーヤ(1)。
【請求項2】
走行機体(3)の前部に設けられ、前記走行機体(3)の左右方向に延びるセンターブーム(5)、
前記センターブーム(5)の少なくとも一方の端部に基端が接続されたサイドブーム(6)、
前記走行機体に対する前記センターブーム(5)の高さ位置を移動させる昇降装置(30)、
前記センターブーム(5)と直線上に前記左右方向に並ぶ開位置と前記走行機体(3)の側方に折り畳まれる閉位置との間で前記サイドブーム(6)を旋回させる開閉装置(47)、
前記サイドブーム(6)の先端が前記センターブーム(5)の高さよりも高い高位置と前記高位置の状態よりも前記サイドブーム(6)の先端が低い低位置との間で前記サイドブーム(6)を傾動させる傾動装置(57)、
前記センターブーム(5)の高さ位置が所定の高さ以上であり、且つ、前記サイドブーム(6)の旋回位置が前記閉位置であり、且つ、前記サイドブーム(6)の傾動位置が前記低位置よりも高い位置である格納状態と、少なくとも前記サイドブーム(6)の旋回位置が前記開位置であり、且つ、前記サイドブーム(6)の傾動位置が前記低位置である展開状態と、に切り替わるように前記昇降装置(30)と、前記開閉装置(47)と、前記傾動装置(57)とを制御する制御装置(180)、及び、
前記格納状態と前記展開状態との切り替えの指示を前記制御装置(180)に入力するための入力装置(185)
、
前記昇降装置(30)によって移動した前記センターブーム(5)の前記高さ位置を検出する第1検出手段(130)、
前記傾動装置によって傾動した前記サイドブーム(6)の前記傾動位置を検出する第2検出手段(150)、及び、
前記開閉装置(47)によって旋回した前記サイドブーム(6)の前記旋回位置を検出する第3検出手段(140)、を備え、
前記入力装置(185)は、前記切り替えの指示として、前記格納状態と前記展開状態との切り替えを自動制御するための信号を前記制御装置(180)に入力
し、
前記制御装置(180)は、
前記第1検出手段(130)、前記第2検出手段(150)及び前記第3検出手段(140)の検出結果に基づいて、前記昇降装置(30)、前記開閉装置(47)及び前記傾動装置(57)を制御するように構成されており、
前記入力装置(185)によって前記展開状態から前記格納状態への切り替えの指示が入力された場合に、前記第1検出手段(130)によって前記センターブーム(5)の高さ位置が所定の高さ以上であることが検出された状態で、又は、前記第1検出手段(130)によって前記センターブーム(5)の高さ位置が所定の高さ範囲内であることが検出された状態且つ前記第2検出手段(150)によって前記サイドブーム(6)の前記傾動位置が前記高位置であることが検出された状態で、前記サイドブーム(6)が前記閉位置に折り畳まれるように、前記昇降装置(30)、前記開閉装置(47)及び前記傾動装置(57)を制御する、ブームスプレーヤ(1)。
【請求項3】
前記入力装置(185)は、前記格納状態に自動制御で切り換える指示と前記展開状態に自動制御で切り換える指示とを選択するためのスイッチを有する、請求項2に記載のブームスプレーヤ(1)。
【請求項4】
前記第1検出手段(130)は、前記センターブーム(5)の前記高さ位置が前記所定の高さ範囲の上限よりも低いことを検出する第1リミットスイッチ(131)と、前記センターブーム(5)の前記高さ位置が前記所定の高さ範囲の下限よりも高いことを検出する第2リミットスイッチ(133)と、を含む、請求項
1~3のいずれか一項に記載のブームスプレーヤ(1)。
【請求項5】
前記制御装置(180)は、前記入力装置(185)によって前記格納状態から前記展開状態への切り替えの指示が入力された場合、前記第1検出手段(130)によって前記センターブーム(5)の高さ位置が所定の高さ以上であることが検出された状態、又は、前記第2検出手段(150)によって前記サイドブーム(6)の前記傾動位置が前記高位置であることが検出された状態で、前記サイドブーム(6)の旋回位置が前記開位置に旋回するように、前記昇降装置(30)、前記開閉装置(47)及び前記傾動装置(57)を制御する、請求項
1~4のいずれか一項に記載のブームスプレーヤ(1)。
【請求項6】
前記制御装置(180)は、前記入力装置(185)によって前記格納状態から前記展開状態への切り替えの指示が入力された場合、前記第3検出手段(140)によって前記サイドブーム(6)の前記旋回位置が前記開位置であることが検出された状態で、前記サイドブーム(6)の傾動位置を前記低位置に傾動するように、前記昇降装置(30)、前記開閉装置(47)及び前記傾動装置(57)を制御する、請求項
5に記載のブームスプレーヤ(1)。
【請求項7】
前記サイドブーム(6)は、前記センターブーム(5)に接続された基端ブーム(61)と、スライド装置(67)によって前記基端ブーム(61)に沿ってスライド移動する先端ブーム(65)とを含む伸縮ブームであり、
前記制御装置(180)は、前記入力装置(185)によって前記展開状態から前記格納状態への切り替えの指示が入力された場合、前記第2検出手段(150)による前記高位置の検出以前に、前記サイドブーム(6)が縮小を開始するように前記スライド装置(67)を制御する、請求項
1~6のいずれか一項に記載のブームスプレーヤ(1)。
【請求項8】
前記サイドブーム(6)は、前記センターブーム(5)に接続された基端ブーム(61)と、スライド装置(67)によって前記基端ブーム(61)に沿ってスライド移動する先端ブーム(65)とを含む伸縮ブームであり、
前記制御装置(180)は、前記入力装置(185)によって前記格納状態から前記展開状態への切り替えの指示が入力された場合、前記第2検出手段(150)による前記低位置の検出以前に、前記サイドブーム(6)が伸長を開始するように前記スライド装置(67)を制御する、請求項
1~6のいずれか一項に記載のブームスプレーヤ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブームスプレーヤに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ブームスプレーヤが開示されている。このブームスプレーヤは、センターブーム5と伸縮ブームとを備える。センターブーム5は、ブームスプレーヤの左右方向に延びている。伸縮ブームは、センターブーム5の端部に設けられており、ブームスプレーヤの側部に沿う閉位置と左右方向に延びる開位置とに変更可能となっている。また、ブームスプレーヤは、開センサ装置と縮センサ装置とを有する。開センサ装置は、伸縮ブームが閉位置から開位置になったことを検出し、伸縮ブームを伸長状態にするように油圧モータを作動させる。縮センサ装置は、伸縮ブームが縮小状態になったことを検出し、伸縮ブームを閉位置にするように油圧シリンダを作動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなブームスプレーヤでは、伸縮ブームを閉位置から開位置に回動して、伸縮ブームを縮小状態から伸長状態に伸長する際に、伸縮ブームの伸長動作を開始させるための操作を省略することができる。そのため、作業性を向上させることができる。また、伸縮ブームを伸長状態から縮小状態に縮小して、伸縮ブームを開位置から閉位置に回動する際に、伸縮ブームの回動動作を開始させるための操作を省略することができる。そのため、作業性を向上させることができる。このように、使用者がブームスプレーヤを簡便に操作できるようにすることで、作業性を向上させることが求められている。
【0005】
本発明の一形態は、作業性を向上させることができるブームスプレーヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面のブームスプレーヤ(1)は、走行機体(3)の前部に設けられ、走行機体(3)の左右方向に延びるセンターブーム(5)、センターブーム(5)の少なくとも一方の端部に基端が接続されたサイドブーム(6)、走行機体に対するセンターブーム(5)の高さ位置を移動させる昇降装置(30)、センターブーム(5)と直線上に左右方向に並ぶ開位置と走行機体(3)の側方に折り畳まれる閉位置との間でサイドブーム(6)を旋回させる開閉装置(47)、サイドブーム(6)の先端がセンターブーム(5)の高さよりも高い高位置と高位置の状態よりもサイドブーム(6)の先端が低い低位置との間でサイドブーム(6)を傾動させる傾動装置(57)、センターブーム(5)の高さ位置が所定の高さ以上であり、且つ、サイドブーム(6)の旋回位置が閉位置であり、且つ、サイドブーム(6)の傾動位置が低位置よりも高い位置である格納状態と、少なくともサイドブーム(6)の旋回位置が開位置であり、且つ、サイドブーム(6)の傾動位置が低位置である展開状態と、に切り替わるように昇降装置(30)と、開閉装置(47)と、傾動装置(57)とを制御する制御装置(180)、及び、格納状態と展開状態との切り替えの指示を制御装置(180)に入力するための入力装置(185)、を備える。
【0007】
上記のブームスプレーヤでは、作業が開始される際に、センターブーム5及びサイドブーム6が格納状態から展開状態に切り替えられる。また、作業の終了後には、センターブーム5及びサイドブーム6が展開状態から格納状態に切り替えられる。入力装置から格納状態と展開状態との切り替えの指示が制御装置に入力されることで、制御装置は昇降装置30と、開閉装置(47)と、傾動装置とを制御し、格納状態と展開状態との切り替えを実行する。そのため、使用者は、入力装置によって格納状態と展開状態との切り替えの指示を入力すればよいので、作業性を向上させることができる。
【0008】
また、昇降装置(30)によって移動したセンターブーム(5)の高さ位置を検出する第1検出手段(130)と、傾動装置によって傾動したサイドブーム(6)の傾動位置を検出する第2検出手段(150)と、開閉装置(47)によって旋回したサイドブーム(6)の旋回位置を検出する第3検出手段(140)、をさらに備え、制御装置(180)は、第1検出手段(130)、第2検出手段(150)及び第3検出手段(140)の検出結果に基づいて、昇降装置(30)、開閉装置(47)及び傾動装置(57)を制御してもよい。この構成では、センターブーム5及びサイドブーム6の状態を的確に把握することができる。
【0009】
また、制御装置(180)は、入力装置(185)によって展開状態から格納状態への切り替えの指示が入力された場合、第1検出手段(130)によってセンターブーム(5)の高さ位置が所定の高さ以上であることが検出された状態、又は、第2検出手段(150)によってサイドブーム(6)の傾動位置が高位置であることが検出された状態で、サイドブーム(6)が閉位置に折り畳まれるように、昇降装置(30)、開閉装置(47)及び傾動装置(57)を制御してもよい。この構成では、サイドブーム6が開位置から閉位置に旋回される際には、昇降装置30又は傾動装置によってサイドブーム6の位置が高くなっている。そのため、走行機体とサイドブーム6とが接触することが抑制され得る。
【0010】
また、制御装置(180)は、入力装置(185)によって展開状態から格納状態への切り替えの指示が入力された場合、第1検出手段(130)によってセンターブーム(5)の高さ位置が所定の高さ範囲内であることが検出された状態、且つ、第2検出手段(150)によってサイドブーム(6)の傾動位置が高位置であることが検出された状態で、サイドブーム(6)が閉位置に折り畳まれるように、昇降装置(30)、開閉装置(47)及び傾動装置を制御してもよい。この構成では、サイドブーム6が開位置から閉位置に旋回される際には、昇降装置30及び傾動装置によってサイドブーム6の位置が高くなっている。そのため、走行機体とサイドブーム6とが接触することが抑制され得る。
【0011】
また、第1検出手段(130)は、センターブーム(5)の高さ位置が所定の高さ範囲の上限よりも低いことを検出する第1リミットスイッチ(131)と、センターブーム(5)の高さ位置が所定の高さ範囲の下限よりも高いことを検出する第2リミットスイッチ(133)と、を含んでもよい。この構成では、センターブーム5の高さ位置が所定の高さ範囲外にあるときに、センターブーム5の高さ位置が上下のいずれにずれているかが容易に検出される。
【0012】
また、制御装置(180)は、入力装置(185)によって格納状態から展開状態への切り替えの指示が入力された場合、第1検出手段(130)によってセンターブーム(5)の高さ位置が所定の高さ以上であることが検出された状態、又は、第2検出手段(150)によってサイドブーム(6)の傾動位置が高位置であることが検出された状態で、サイドブーム(6)の旋回位置が開位置に旋回するように、昇降装置(30)、開閉装置(47)及び傾動装置(57)を制御してもよい。この構成では、サイドブーム6が閉位置から開位置に旋回される際には、昇降装置30又は傾動装置によってサイドブーム6の位置が高くなっている。そのため、走行機体とサイドブーム6とが接触することが抑制され得る。
【0013】
また、制御装置(180)は、入力装置(185)によって格納状態から展開状態への切り替えの指示が入力された場合、第3検出手段(140)によってサイドブーム(6)の旋回位置が開位置であることが検出された状態で、サイドブーム(6)の傾動位置を低位置に傾動するように、昇降装置(30)、開閉装置(47)及び傾動装置(57)を制御してもよい。この構成では、サイドブーム6が閉位置から開位置に旋回される際には、傾動装置によってサイドブーム6の位置が高くなっている。そのため、走行機体とサイドブーム6とが接触することが抑制され得る。
【0014】
また、サイドブーム(6)は、センターブーム(5)に接続された基端ブーム(61)と、スライド装置(67)によって基端ブーム(61)に沿ってスライド移動する先端ブーム(65)とを含む伸縮ブームであり、制御装置(180)は、入力装置(185)によって展開状態から格納状態への切り替えの指示が入力された場合、第2検出手段(150)による高位置の検出以前に、サイドブーム(6)が縮小を開始するようにスライド装置(67)を制御してもよい。この構成では、傾動動作と縮小動作とが少なくとも一時的に同時に実行されるので、展開状態から格納状態への切り替え時間を短縮できる。また、伸長した状態のままでサイドブーム6が傾動動作する場合に比べて、傾動装置に加わる負荷が抑制され得る。
【0015】
また、サイドブーム(6)は、センターブーム(5)に接続された基端ブーム(61)と、スライド装置(67)によって基端ブーム(61)に沿ってスライド移動する先端ブーム(65)とを含む伸縮ブームであり、制御装置(180)は、入力装置(185)によって格納状態から展開状態への切り替えの指示が入力された場合、第2検出手段(150)による低位置の検出以前に、サイドブーム(6)が伸長を開始するようにスライド装置(67)を制御してもよい。この構成では、傾動動作と伸長動作とが少なくとも一時的に同時に実行されるので、格納状態から展開状態への切り替え時間を短縮できる。また、伸長した状態のままでサイドブーム6が傾動動作する場合に比べて、傾動装置に加わる負荷が抑制され得る。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一側面によれば、作業性を向上させることができるブームスプレーヤが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】一例のブームスプレーヤを斜め前方から見た斜視図である。
【
図2】ブーム装置を斜め後方から見た斜視図である。
【
図5】
図2の部分拡大図であり、昇降センサを説明するための図である。
【
図10】制御系統の構成を説明するブロック図である。
【
図11】ブーム装置が展開されるときの動作を示すフロー図である。
【
図12】ブーム装置が格納されるときの動作を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。便宜上、実質的に同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。説明に際しては、図面に示されたXYZ直交座標系を参照する場合がある。なお、X方向を前後方向とし、Y方向を左右方向又は幅方向とし、Z方向を上下方向として説明する場合がある。
【0019】
図1は、一形態のブームスプレーヤを斜め前方から見た斜視図である。ブームスプレーヤは、圃場において農地または作物に薬液散布を行う、自走式の乗用管理機である。ブームスプレーヤ1は、機体フレームを有する走行機体3と、走行機体3の前部に取り付けられたブーム装置4とを備える。ブーム装置4は、走行機体3に支持された昇降装置30と、昇降装置30に支持されたセンターブーム5と、センターブーム5の両端に連結された一対のサイドブーム6とを含んでいる。センターブーム5及びサイドブーム6は、複数のノズルが設けられた薬液散布用の送液管を有する。薬液散布を行う場合、サイドブーム6は、センターブーム5に対して一直線状となるように広げられる。サイドブーム6は、薬液散布を行わないときには折り畳まれた状態で格納されている。
【0020】
本実施形態のサイドブーム6は、センターブーム5に接続された基端ブーム61と、スライド機構によって基端ブーム61に沿ってスライド移動する先端ブーム65とを含む伸縮ブームである。一例として、先端ブーム65は、基端ブーム61に設けられたスライド用モータ(伸縮装置)67(
図9参照)の動作によって、基端ブーム61に沿ってスライド移動する。サイドブーム6は、スライド用モータ67が動作することによって、先端ブーム65が最も基端側に位置する縮小状態と、先端ブーム65が最も先端側に位置する伸長状態との間を移行することができる。
【0021】
走行機体3の前部には、作業者が着座する空間を形成するキャビン7が設けられている。走行機体3の後部には、エンジンを収容するエンジンルーム8が設けられている。キャビン7とエンジンルーム8との間には、センターブーム5及びサイドブーム6から散布される薬液を収容する薬液タンク9が設けられている。走行機体3は、一対の前輪11と、一対の後輪12とを含んでいる。
【0022】
ブームスプレーヤ1は、乗降性を向上させるために、サイドフロア20を更に備えている。サイドフロア20は、走行機体3の左右両側縁部から側方に張り出した部分であり、キャビン7の側方から走行機体3の後端まで延びている。
【0023】
サイドフロア20の上方には、格納されたサイドブーム6を支持するための一対のブーム受け2が設けられている。ブーム受け2は、走行機体3に固定されており、サイドブーム6が格納されるときに、サイドブーム6の先端部を下側から支持する。
【0024】
続いて、ブーム装置4について、さらに説明する。
図2は、ブーム装置4を斜め後方から見た斜視図である。
図3は、ブーム装置4の平面図である。
図4は、ブーム装置4の正面図である。
図2~
図4に示すブーム装置4では、いずれもサイドブーム6が開状態、すなわち、センターブーム5と直線上に左右方向に並んだ状態が示されている。なお、いずれの図面においても、縮小状態のサイドブーム6が示されている。
【0025】
上述の通り、ブーム装置4は、昇降装置30、センターブーム5及びサイドブーム6を含む。昇降装置30は、走行機体3に対するセンターブーム5の高さ位置を移動させ得る。
図2に示すように、昇降装置30は、左右一対の平行リンク部31と、平行リンク部31同士を接続する接続片32A,32B,32Cと、油圧シリンダとを有している。平行リンク部31は、上下方向に延びる縦部材33と、縦部材33の上部に軸止された横部材34と、縦部材33の下部に軸止された横部材35と、横部材34,35の先端に軸止された縦部材36とを含む。縦部材33は、走行機体3に固定されている。接続片32Aは、左右一対の横部材34同士を接続している。接続片32Bは、左右一対の横部材35同士を接続している。接続片32Cは、左右一対の縦部材36同士を上下方向の中央で接続している。油圧シリンダ37は、接続片32Bと接続片32Cとを互いに接続している。このような昇降装置30では、油圧シリンダ37が伸縮することによって、縦部材36の高さ位置を変動させることができる。
【0026】
センターブーム5は、昇降装置30を介して走行機体3の前部に設けられており、走行機体3の左右方向に沿って延びている。一形態においては、昇降装置30の前部に水平制御装置38が設けられており、この水平制御装置38にセンターブーム5が支持されている。水平制御装置38は、例えば左右一対のバンパーの作用によって、センターブーム5が水平な状態となるように昇降装置30に対してセンターブーム5を揺動させ得る。
【0027】
サイドブーム6は、左右方向において走行機体3よりも外側に張り出すことができるブームである。一形態では、サイドブーム6の基端がセンターブーム5の両端部に接続されている。また、センターブーム5の両端部にブラケット62が設けられている(
図8参照)。ブラケット62には、ブラケット63がさらに設けられており、サイドブーム6の基端ブーム61は、このブラケット63に接続されている。
【0028】
ブラケット62は、上下方向に延在する第1板状部62aと、第1板状部62aから突出し、センターブーム5の端部を上下方向から挟む一対の第2板状部62bと、上下方向に沿って第1板状部62aの両端から第2板状部62bとは逆側に突出する一対の第3板状部62cとを含む。一対の第2板状部62bは、センターブーム5の端部に対して軸体62dによって回動可能に支持されている。軸体62dは、上下方向に沿った軸心を有している。
【0029】
ブラケット63は、上下方向に延在して基端ブーム61の基端に固定される第1板状部63aと、上下方向に沿って第1板状部63aの両端から突出する一対の第2板状部63bとを含む。ブラケット63の一対の第2板状部63bは、ブラケット62における一対の第3板状部62c間に位置している。ブラケット63の第2板状部63bは、ブラケット62の第3板状部62cとは、それぞれの上部において軸体63cによって互いに軸止されている。軸体63cは、水平方向に沿った軸心を有している。このような構成により、サイドブーム6は、センターブーム5に対して旋回可能、且つ、傾動可能に接続される。
【0030】
一例のブーム装置4は、センターブーム5と直線上に左右方向に並ぶ開位置と走行機体3の側方に折り畳まれる閉位置との間でサイドブーム6を旋回させる油圧シリンダ(開閉装置)47を有する(
図8参照)。図示例では、一方の第2板状部62b(例えば上側の第2板状部62b)に固定された連結部材に油圧シリンダ47の一端が軸止されている。なお、油圧シリンダ47の他端は、例えば水平制御装置38に軸止されていてよい。このような構成では、油圧シリンダ47が伸縮することによって、センターブーム5に支持されたブラケット62、ブラケット63及びサイドブーム6の旋回位置を変動させることができる。
【0031】
また、ブーム装置4は、サイドブーム6の先端がセンターブーム5の高さよりも高い高位置と、高位置の状態よりもサイドブーム6の先端が低い低位置と、の間でサイドブーム6を傾動させる油圧シリンダ(傾動装置)57を有する(
図8,9参照)。図示例では、一方の第3板状部62c(例えば後側の第3板状部62c)の下端に油圧シリンダ57の一端が軸止されている。また、油圧シリンダ57の他端は、基端ブーム61の下部の設けられたブラケット61aに軸止されている。このような構成では、油圧シリンダ57が伸縮することによって、ブラケット62に支持されたブラケット63及びサイドブーム6の傾動位置を変動させることができる。
【0032】
続いて、ブーム装置4に設けられた、昇降センサ(第1検出手段)130、開閉センサ(第3検出手段)140、傾動センサ(第2検出手段)150及び伸縮センサ160について説明する。
【0033】
図5は、
図2の部分拡大図であり、昇降センサ130を説明するための図である。
図6は、昇降センサ130を説明するための図である。昇降センサ130は、昇降装置30によって移動したセンターブーム5の高さ位置を検出するためのセンサである。一例の昇降センサ130は、第1リミットスイッチ131、第1カム132、第2リミットスイッチ133及び第2カム134を有する。
図5に示すように、第1リミットスイッチ131及び第1カム132は、走行機体3の前方に向かって左側に位置する平行リンク部31に設けられている。第1リミットスイッチ131は、スイッチ本体131aと、スイッチ本体131aから前側に突出した可動板131bとを有しており、可動板131bがスイッチ本体131a側に押圧されることで信号を出力する。なお、図示例の可動板131bの先端には、対象物に当接し得るローラが設けられている。
【0034】
第1カム132は、略矩形板状をなしている。第1カム132の一端は、平行リンク部31の縦部材33の下部に軸止されている。第1カム132の他端側には、カムの延在方向に沿った長孔132aが形成されている。長孔132aには、平行リンク部31の横部材35に固定されたロッド35aが挿通されている。また、第1カム132の一端側には、軸心132bよりも後方に突出する板状の延在部132cが形成されている。第1カム132は、昇降装置30の駆動によって横部材35が縦部材33に対して回動した際に、ロッド35aの上下動に伴って回動する。この場合、第1カム132の回動位置が所定の範囲内にあるときに、第1カム132の延在部132cがローラを介して可動板131bを押圧する。
【0035】
図6に示すように、第2リミットスイッチ133及び第2カム134は、走行機体3の前方に向かって右側に位置する平行リンク部31に設けられている。第2リミットスイッチ133は、スイッチ本体133aと、スイッチ本体133aから前側に突出した可動板133bと、可動板133bの先端に設けられたローラとを有している。第2リミットスイッチ133は、可動板133bがローラを介してスイッチ本体133a側に押圧されることで信号を出力する。
【0036】
第2カム134は、略矩形板状をなしている。第2カム134の一端は、平行リンク部31の縦部材33の下部に軸止されている。第2カム134の他端側には、カムの延在方向に沿った長孔134aが形成されている。長孔134aには、平行リンク部31の横部材35に固定されたロッド35aが挿通されている。また、第2カム134の一端側には、軸心134bよりも後方に突出する板状の延在部134cが形成されている。第2カム134は、昇降装置30の駆動によって横部材35が縦部材33に対して回動した際に、ロッド35aの上下動に伴って回動する。この場合、第2カム134の回動位置が所定の範囲内にあるときに、第2カム134の延在部134cがローラを介して可動板133bを押圧する。
【0037】
図示例では、第1カム132の延在部132cが後方の斜め上側に向かって延在しているのに対して、第2カム134の延在部134cは後方の斜め下側に向かって延在している。左右方向から見たとき、第1カム132の延在部132cと第2カム134の延在部134cとは互いに部分的に重複する。これにより、第1リミットスイッチ131によって信号が出力される際のセンターブーム5の高さ位置の範囲と、第2リミットスイッチ133によって信号が出力される際のセンターブーム5の高さ位置の範囲とに一部ずれが生じる。
【0038】
一例では、第1リミットスイッチ131は、センターブーム5の高さ位置が所定の高さ範囲の下限よりも高いことを検出する。すなわち、第1リミットスイッチ131は、センターブーム5の高さ位置が所定の高さ範囲の下限よりも高いときに信号を出力し、センターブーム5の高さ位置が所定の高さ範囲の下限よりも低くなると信号を停止する。また、第2リミットスイッチ133は、センターブーム5の高さ位置が所定の高さ範囲の上限よりも低いことを検出する。すなわち、第2リミットスイッチ133は、センターブーム5の高さ位置が所定の高さ範囲の上限よりも低いときに信号を出力し、センターブーム5の高さ位置が所定の高さ範囲の上限よりも高くなると信号を停止する。なお、一例として、所定の高さ範囲の上限は、ブーム受け2の高さ位置よりも低い位置であってよい。また、一例として、所定の高さ範囲の下限は、左右方向から見て、ブーム受け2とセンターブーム5とを結ぶ直線(すなわち、ブーム受け2に支持されたのサイドブーム6)が前輪11よりも上になる位置であってよい。
【0039】
例えば、
図5及び
図6の例では、センターブーム5の高さ位置が所定の高さ範囲に入っており、第1リミットスイッチ131及び第2リミットスイッチ133の両方において信号が出力された状態となっている。この状態からセンターブーム5が下側に移動する場合、第1カム132の前端が下側に移動し、第1カム132の延在部132cが上側に移動する。この場合、第1カム132の延在部132cは可動板131bから離間する。すなわち、第1リミットスイッチ131からの出力が停止される。なお、第2カム134も第1カム132と同様に動作するが、第2カム134の延在部134cは後方の斜め下側に向かって延在しているため、延在部134cが直ちに可動板133bから離間することはない。
【0040】
一方、
図5及び
図6の状態からセンターブーム5が上側に移動する場合、第2カム134の前端が上側に移動し、第2カム134の延在部134cが下側に移動する。この場合、第2カム134の延在部134cは可動板133bから離間する。すなわち、第2リミットスイッチ133からの出力が停止される。なお、第1カム132も第2カム134と同様に動作するが、第1カム132の延在部132cは後方の斜め上側に向かって延在しているため、延在部132cは直ちに可動板131bから離間することがない。
【0041】
図7は、開閉センサ140を説明するための図である。
図7では、ブーム装置4の一部を下側から見ている。開閉センサ140は、油圧シリンダ47によって旋回したサイドブーム6の旋回位置を検出するためのセンサである。一例の開閉センサ140は、リミットスイッチ141、開位置用カム142及び閉位置用カム143を有する。リミットスイッチ141は、スイッチ本体141aと、スイッチ本体141aから突出した可動板141bと、可動板141bの先端に設けられたローラとを有している。リミットスイッチ141は、可動板141bがローラを介してスイッチ本体141a側に押圧されることで信号を出力する。
図7に示すように、リミットスイッチ141はセンターブーム5の端部に固定されている。
【0042】
開位置用カム142は、略矩形板状をなしている。開位置用カム142は、ブラケット62における下側の第2板状部62bに固定されている。これにより、開位置用カム142は、油圧シリンダ47の駆動によってサイドブーム6が開閉する際に、ブラケット62の回動に伴って回動する。一例の開位置用カム142は、平面視において、第2板状部62bから外方に突出しており、サイドブーム6が開状態となっているときに、可動板141bを押圧する位置に固定されている。これにより、サイドブーム6が開状態となっている場合には、開位置用カム142が可動板141bを押圧することによって、リミットスイッチ141から信号が出力される。
【0043】
閉位置用カム143は、略矩形板状をなしている。閉位置用カム143は、ブラケット62における下側の第2板状部62bに固定されている。これにより、閉位置用カム143は、油圧シリンダ47の駆動によってサイドブーム6が開閉する際に、ブラケット62の回動に伴って回動する。一例の閉位置用カム143は、平面視において、第2板状部62bから外方に突出しており、サイドブーム6が閉状態となっているときに、可動板141bを押圧する位置に固定されている。これにより、サイドブーム6が閉状態となっている場合には、閉位置用カム143が可動板141bを押圧することによって、リミットスイッチから信号が出力される。図示例において、開位置用カム142が第2板状部62bから突出している位置と、閉位置用カム143が第2板状部62bから突出している位置とは、軸体62dの軸心を中心として互いに90度ずれている。
【0044】
図8は、傾動センサ150を説明するための図である。傾動センサ150は、油圧シリンダ57によって傾動したサイドブーム6の傾動位置を検出するためのセンサである。
一例の傾動センサ150は、リミットスイッチ151、高位置用カム152及び低位置用カム153を有する。リミットスイッチ151は、スイッチ本体151aと、スイッチ本体151aから突出した可動板151bと、可動板151bの先端に設けられたローラとを有している。リミットスイッチ151は、可動板151bがスイッチ本体151a側にローラを介して押圧されることで信号を出力する。
図7に示すように、リミットスイッチ151はブラケット62の上端に固定されている。
【0045】
高位置用カム152は、略矩形板状をなしている。高位置用カム152は、ブラケット62とブラケット63とを互いに軸止する軸体63cに設けられたフランジ63dに固定されている。これにより、高位置用カム152は、油圧シリンダ57の駆動によってサイドブーム6が傾動する際に、軸体63cの回動に伴って回動する。一例の高位置用カム152は、フランジ63dから径方向に突出しており、サイドブーム6が高位置にあるときに、可動板151bを押圧する位置に固定されている。これにより、サイドブーム6が高位置に制御されている場合には、高位置用カム152が可動板151bを押圧することによって、リミットスイッチ151から信号が出力される。一例では、サイドブーム6とセンターブーム5とのなす角度が約135度の状態、すなわち、サイドブーム6が水平な状態から45度傾斜したときに、リミットスイッチ151から信号が出力される。
【0046】
低位置用カム153は、略矩形板状をなしている。低位置用カム153は、フランジ63dに固定されている。これにより、低位置用カム153は、油圧シリンダ57の駆動によってサイドブーム6が傾動する際に、軸体63cの回動に伴って回動する。一例の低位置用カム153は、フランジ63dから径方向に突出しており、サイドブーム6が低位置にあるときに、可動板151bを押圧する位置に固定されている。これにより、サイドブーム6が低位置に制御されている場合には、低位置用カム153が可動板151bを押圧することによって、リミットスイッチ151から信号が出力される。一例では、サイドブーム6とセンターブーム5とのなす角度が約180度の状態、すなわち、サイドブーム6が水平な状態のときに、リミットスイッチ151から信号が出力される。
【0047】
図9は、伸縮センサ160を説明するための図である。
図9では、ブーム装置4の一部を後側から見ている。伸縮センサ160は、スライド用モータ67によってスライドするサイドブーム6の状態を検出するためのセンサである。
【0048】
一例の伸縮センサ160は、リミットスイッチ161、押圧片69、及びレバー68を有する。リミットスイッチ161は、スイッチ本体161aと、スイッチ本体161aから突出した可動板161bと、可動板161bの先端に設けられたローラとを有している。リミットスイッチ161は、可動板161bがスイッチ本体161a側にローラを介して押圧されることで信号を出力する。
図9に示すように、リミットスイッチ161はサイドブーム6を構成する基端ブーム61の基端側に固定されている。
【0049】
押圧片69は、サイドブーム6を構成する先端ブーム65の基端に固定されている。これにより、押圧片69は、スライド用モータ67の駆動によってサイドブーム6がスライドする際に、先端ブーム65のスライドに伴って移動する。一例の押圧片69は、先端ブーム65の基端からサイドブーム6の延在方向に沿って突出している。
【0050】
レバー68は、基端ブーム61の基端において、リミットスイッチ161と隣り合う位置に軸体68aによって軸止されている。レバー68は、サイドブーム6が縮小した際に、押圧片69によって押圧される板状の当接片68bを有している。図示例では、当接片68bは、押圧片69を受けるための受け部68cを含んでいる。また、レバー68の当接片68bには、軸体68aを中心とした略扇形状に延在した板状の延在部68dが形成されている。レバー68は、サイドブーム6が縮小した状態となっている場合に、押圧片69によって当接片68bが押圧されることで、軸体68aを中心として回動する。延在部68dは、当接片68bが押圧片69に押圧されたときに、可動板161bを押圧するように設計されている。これにより、サイドブーム6が縮小されている場合には、レバー68が可動板161bを押圧することによって、リミットスイッチ161から信号が出力される。一方、レバー68は、押圧片69による当接片68bの押圧が解除されると、例えばねじりコイルバネのような付勢部材によって、当接片68bがストッパ68eに当接する位置まで回動する。延在部68dは、当接片68bがストッパ68eに当接された状態において、可動板161bを押圧しないように設計されている。
【0051】
続いて、ブーム装置4の制御機構について説明する。
図10は、制御系統の構成を説明するブロック図である。
図10に示すように、本実施形態では、油圧シリンダ37、油圧シリンダ47、油圧シリンダ57、スライド用モータ67、昇降センサ130、開閉センサ140、傾動センサ150及び伸縮センサ160が制御装置180と接続されている。また、制御装置180は、入力装置としてのスイッチ185と接続されている。スイッチ185は、ブーム装置4における格納状態と展開状態との切り替えの指示を制御装置180に入力するための装置である。
【0052】
一例のスイッチ185は、格納状態を指示するための信号と展開状態を指示するための信号とを選択的(択一的)に出力し得る。例えばスイッチ185は、いわゆるトグルスイッチであり、一方向に押圧されると格納状態を指示するための信号を出力し、他方向に押圧されると展開状態を指示するための信号を出力する。なお、スイッチ185は、押圧されない状態では、いずれの信号も出力しない。スイッチ185は、例えば、キャビン7の内側に設けられた運転席の周辺に配置されていてよい。一例においては、走行機体3の前方に向かって右側のサイドブーム6に対応したスイッチ185と、左側に対応したスイッチ185とを別々に備えていてもよい。以下の説明では、左右のサイドブーム6が同時に制御されることを前提としている。すなわち、ブーム装置4の全体が一つのスイッチ185によって制御される例、又は、左右のサイドブーム6に対応する2つのスイッチが同時に制御される例について説明する。
【0053】
制御装置180は、展開状態を指示する信号がスイッチ185から入力されると、ブーム装置4が展開状態となるように油圧シリンダ37、油圧シリンダ47、油圧シリンダ57及びスライド用モータ67を自動で制御する。また、制御装置180は、格納状態を指示する信号がスイッチ185から入力されると、ブーム装置4が格納状態となるように油圧シリンダ37、油圧シリンダ47、油圧シリンダ57及びスライド用モータ67を自動で制御する。ここで、格納状態とは、センターブーム5の高さ位置が所定の高さ以上であり、且つ、サイドブーム6の旋回位置が閉位置であり、且つ、サイドブーム6の傾動位置が低位置よりも高くなっている状態である。なお、格納状態においては、サイドブーム6は前輪11及び後輪12の上方に位置し、例えばブーム受け2に指示されていてよい。また、展開状態とは、少なくともサイドブーム6の旋回位置が開位置であり、且つ、サイドブーム6の傾動位置が低位置(水平)となっている状態である。
【0054】
一形態においては、制御装置180は、スイッチ185から入力される信号、並びに、昇降センサ130、開閉センサ140、傾動センサ150及び伸縮センサ160から入力される信号(検出結果)、に基づいて油圧シリンダ37、油圧シリンダ47、油圧シリンダ57及びスライド用モータ67の動作を制御する。
【0055】
以下、制御装置180によって制御されるブーム装置4の動作について説明する。
図11は、ブーム装置4が格納状態から展開状態に移行するときの動作を示すフロー図である。すなわち、
図11は、ブーム装置4が格納状態のときに、展開状態を指示するための信号が出力されるように、使用者によってスイッチ185が操作されたときの動作フローを示す。
【0056】
使用者によってスイッチ185が操作されると、まず、サイドブーム6の上昇が開始される(ステップS01)。すなわち、スイッチ185から信号が入力された制御装置180は、油圧シリンダ57を動作させてサイドブーム6の傾動位置を変動させ、サイドブーム6の先端側を上昇させる。そして、制御装置180は、サイドブーム6の先端が所定位置まで上昇したか否かを判定する(ステップS02)。本実施形態では、サイドブーム6の傾動位置が高位置になると、傾動センサ150を構成するリミットスイッチ151から制御装置180に信号が出力される。そのため、制御装置180は、リミットスイッチ151からの信号が入力されるまで油圧シリンダ57の動作状態を継続する。
【0057】
リミットスイッチ151から制御装置180に信号が入力されると、制御装置180はサイドブーム6の傾動位置が高位置になったと判定し、サイドブーム6の傾動を停止する(ステップS03)。すなわち、油圧シリンダ57の動作が停止される。次に、制御装置180はサイドブーム6の展開を開始する(ステップS04)。すなわち、制御装置180は、油圧シリンダ47を動作させてサイドブーム6の旋回位置を変動させ、サイドブーム6を閉状態から開状態に移行させる。そして、制御装置180は、サイドブーム6が所定位置まで展開したか否かを判定する(ステップS05)。本実施形態では、サイドブーム6の旋回位置が開位置になると、開閉センサ140を構成するリミットスイッチ141から制御装置180に信号が出力される。そのため、制御装置180は、リミットスイッチ141からの信号が入力されるまで油圧シリンダ47の動作状態を継続する。
【0058】
リミットスイッチ141から制御装置180に信号が入力されると、制御装置180はサイドブーム6の旋回位置が開位置になったと判定し、サイドブーム6の旋回を停止する(ステップS06)。すなわち、油圧シリンダ47の動作が停止される。ステップS06が終了した段階では、開閉センサ140によってサイドブーム6の旋回位置が開位置であることが検出された状態となっている。
【0059】
次に、制御装置180はサイドブーム6の下降及び伸長を開始する(ステップS07)。すなわち、制御装置180は、油圧シリンダ57を動作させてサイドブーム6の傾動位置を変動させ、サイドブーム6を高位置から低位置に移行させる。また、制御装置180は、スライド用モータ67を動作させてサイドブーム6の伸長させ、サイドブーム6を縮小状態から伸長状態に移行させる。制御装置180は、傾動センサ150による低位置の検出以前に、サイドブーム6が伸長を開始するようにスライド用モータ67を制御する。一例において、サイドブーム6の下降及び伸長は同時に開始されてよい。
【0060】
そして、制御装置180は、サイドブーム6が所定位置まで下降したか否かを判定する(ステップS08)。本実施形態では、サイドブーム6の傾動位置が低位置になると、傾動センサ150を構成するリミットスイッチ151から制御装置180に信号が出力される。そのため、制御装置180は、リミットスイッチ151からの信号が入力されるまで油圧シリンダ57の動作状態を継続する。リミットスイッチ151から制御装置180に信号が入力されると、制御装置180はサイドブーム6の傾動位置が低位置になったと判定し、サイドブーム6の傾動を停止する(ステップS09)。すなわち、油圧シリンダ47の動作が停止される。次に、サイドブーム6の伸長動作が停止される(ステップS10)。一例では、使用者がスイッチ185の押圧を停止することによって、制御装置180への信号の入力が停止され、サイドブーム6の伸長動作が停止される。一例においては、以上のように、制御装置180によってブーム装置4が格納状態から展開状態に制御される。
【0061】
図12は、ブーム装置4が展開状態から格納状態に移行するときの動作を示すフロー図である。すなわち、
図12は、ブーム装置4が展開状態の場合に、格納状態を指示するための信号が出力されるように、使用者によってスイッチ185が操作されたときの動作フローを示す。
【0062】
使用者によってスイッチ185が操作されると、まず、サイドブーム6の上昇及び縮小が開始される(ステップS21)。すなわち、スイッチ185から信号が入力された制御装置180は、油圧シリンダ57を動作させてサイドブーム6の傾動位置を変動させ、サイドブーム6を低位置から高位置に移行させる。また、制御装置180は、スライド用モータ67を動作させてサイドブーム6を縮小させ、サイドブーム6を伸長状態から縮小状態に移行させる。制御装置180は、傾動センサ150による高位置の検出以前に、サイドブーム6が縮小を開始するようにスライド用モータ67を制御する。一例において、サイドブーム6の上昇及び縮小は同時に開始されてよい。そして、制御装置180は、サイドブーム6の先端が所定位置まで上昇したか否か、及び、サイドブーム6の縮小動作が終了したか否かを判定する(ステップS22)。本実施形態では、サイドブーム6の傾動位置が高位置になると、傾動センサ150を構成するリミットスイッチ151から制御装置180に信号が出力される。そのため、制御装置180は、リミットスイッチ151からの信号が入力されるまで油圧シリンダ47の動作状態を継続する。また、サイドブーム6が縮小状態になると、伸縮センサ160を構成するリミットスイッチ161から制御装置180に信号が出力される。そのため、制御装置180は、リミットスイッチ161からの信号が入力されるまでスライド用モータ67の動作状態を継続する。
【0063】
リミットスイッチ151及びリミットスイッチ161から制御装置180に信号が入力されると、制御装置180はサイドブーム6の傾動位置が高位置になり、且つ、サイドブーム6が縮小されたと判定し、サイドブーム6の傾動及び縮小を停止する(ステップS23)。すなわち、油圧シリンダ57及びスライド用モータ67が停止される。次に、制御装置180は昇降装置30の調整を開始する(ステップS24)。すなわち、制御装置180は、油圧シリンダ37を動作させて昇降装置30を変動させ、センターブーム5の高さ位置を変化させる。例えば、上限を検知する第2リミットスイッチ133からの信号が入力され、下限を検知する第1リミットスイッチ131からの信号が入力されていない場合には、制御装置180は昇降装置30を上昇させるように油圧シリンダ37を動作させる。一方、上限を検知する第2リミットスイッチ133からの信号が入力されておらず、下限を検知する第1リミットスイッチ131からの信号が入力されている場合には、制御装置180は昇降装置30を下降させるように油圧シリンダ37を動作させる。そして、制御装置180は、センターブーム5の昇降位置が所定の高さ範囲に入っているか否かを判定する(ステップS25)。本実施形態では、センターブーム5の位置が所定の高さ範囲になると、左右のリミットスイッチ131,133から制御装置180に信号が出力される。そのため、制御装置180は、リミットスイッチ131,133からの信号が入力されるまで油圧シリンダ37の動作状態を継続する。
【0064】
リミットスイッチ131,133から制御装置180に信号が入力されると、制御装置180はセンターブーム5の昇降位置が所定の高さ範囲に入ったと判定し、昇降装置30の動作を停止する(ステップS26)。すなわち、油圧シリンダ37の動作が停止される。ステップS26が終了した段階では、昇降センサ130によってセンターブーム5の高さ位置が所定の高さ範囲内であることが検出された状態、且つ、傾動センサ150によってサイドブーム6の傾動位置が高位置であることが検出された状態となっている。
【0065】
次に、制御装置180はサイドブーム6の格納を開始する(ステップS27)。すなわち、制御装置180は、油圧シリンダ47を動作させてサイドブーム6の旋回位置を変動させ、サイドブーム6を開状態から閉状態に移行させる。そして、制御装置180は、サイドブーム6が所定位置まで格納されたか否かを判定する(ステップS28)。本実施形態では、サイドブーム6の旋回位置が閉位置になると、開閉センサ140を構成するリミットスイッチ141から制御装置180に信号が出力される。そのため、制御装置180は、リミットスイッチ141からの信号が入力されるまで油圧シリンダ47の動作状態を継続する。
【0066】
リミットスイッチ151から制御装置180に信号が入力されると、制御装置180はサイドブーム6の旋回位置が閉位置になったと判定し、サイドブーム6の旋回を停止する(ステップS29)。すなわち、油圧シリンダ47の動作が停止される。次に、制御装置180はサイドブーム6の下降を開始する(ステップS30)。すなわち、制御装置180は、油圧シリンダ57を動作させてサイドブーム6の傾動位置を変動させ、サイドブーム6を高位置よりも低い位置に移行させる。この状態では、サイドブーム6は、閉状態となっており、ブーム受け2の上方に位置している。一例の格納状態では、サイドブーム6がブーム受け2に支持された状態である。そのため、使用者によって、サイドブーム6が所定位置、すなわちブーム受け2の位置まで下降されたか否かが確認される(ステップS31)。ブーム受け2にサイドブーム6が支持されるとサイドブーム6の下降(傾動)が停止される(ステップS32)。一例では、使用者がスイッチ185の押圧を停止することによって、制御装置180への信号の入力が停止され、サイドブーム6の下降が停止される。一例においては、以上のように、制御装置180によってブーム装置4が展開状態から格納状態に制御される。
【0067】
以上説明したように、ブームスプレーヤ1では、薬液の噴霧作業が開始される際に、センターブーム5及びサイドブーム6が格納状態から展開状態に切り替えられる。また、作業の終了後には、センターブーム5及びサイドブーム6が展開状態から格納状態に切り替えられる。スイッチ185から格納状態と展開状態との切り替えの指示が制御装置180に入力されることで、制御装置180は昇降装置30と、油圧シリンダ47と、油圧シリンダ57とを制御し、格納状態と展開状態との切り替えを自動制御する。そのため、使用者は、スイッチ185によって格納状態と展開状態との切り替えの指示を入力すればよいので、作業性を向上させることができる。
【0068】
また、制御装置180は、昇降センサ130、傾動センサ150及び開閉センサ140の検出結果に基づいて、昇降装置30、油圧シリンダ47及び油圧シリンダ57を制御している。そのため、センターブーム5及びサイドブーム6の状態を的確に把握することができ、予め想定された動作状態を実現することができる。
【0069】
また、制御装置180は、スイッチ185によって展開状態から格納状態への切り替えの指示が入力された場合、センターブーム5が所定の高さ範囲内であり、且つ、サイドブーム6が高位置である状態で、サイドブーム6が閉状態となるように制御される。この構成では、サイドブーム6が旋回される際には、昇降装置30及び油圧シリンダ57によってサイドブーム6の位置が高くなっている。そのため、走行機体3とサイドブーム6とが接触することが抑制され得る。なお、サイドブーム6の先端側の高さ位置がセンターブーム5の高さ位置よりも低くならない設計となっている場合、センターブーム5がブーム受け2よりも高い位置にあると、サイドブーム6を低位置に制御したとしてもサイドブーム6がブーム受け2に支持されない。上記実施形態では、センターブーム5が所定の高さ範囲内にあり、この高さ範囲がブーム受け2の高さ位置以下であるため、サイドブーム6をブーム受け2に支持させることができる。
【0070】
なお、制御装置180は、スイッチ185によって展開状態から格納状態への切り替えの指示が入力された場合、センターブーム5が所定の高さ(例えば第1リミットスイッチ131の検知範囲内の高さ)以上にある状態、又は、サイドブーム6が高位置である状態で、サイドブーム6が閉状態となるように制御されてもよい。この構成においても、サイドブーム6が旋回される際には、昇降装置30及び油圧シリンダ57によってサイドブーム6の位置が高くなっている。そのため、走行機体3とサイドブーム6とが接触することが抑制され得る。
【0071】
同様に、制御装置180は、スイッチ185によって格納状態から展開状態への切り替えの指示が入力された場合、センターブーム5が所定の高さ以上にある状態、又は、サイドブーム6が高位置である状態で、サイドブーム6が開状態となるように制御されてもよい。この構成においても、サイドブーム6が旋回される際には、昇降装置30及び油圧シリンダ57によってサイドブーム6の位置が高くなっている。そのため、走行機体3とサイドブーム6とが接触することが抑制され得る。上記実施形態では、格納状態においてサイドブーム6がブーム受け2に支持されているため、サイドブーム6の高さを上げることでブーム受け2からサイドブーム6を離間させることができる。
【0072】
また、昇降センサ130は、第1リミットスイッチ131と、第2リミットスイッチ133と、を含んでいる。この構成では、センターブーム5の高さ位置が所定の高さ範囲外にあるときに、センターブーム5の高さ位置が上下のいずれにずれているかが容易に検出される。
【0073】
また、制御装置180は、格納状態から展開状態に切り替える場合、開閉センサ140によってサイドブーム6が開位置であることが検出された状態で、サイドブーム6の傾動位置を低位置に傾動するように制御する。この構成では、サイドブーム6が高位置から低位置に下降される際には、サイドブーム6が走行機体3から離れた位置にある。そのため、走行機体3とサイドブーム6とが接触することが抑制され得る。
【0074】
また、制御装置180は、展開状態から格納状態に切り替える場合、傾動センサ150による高位置の検出以前に、サイドブーム6が縮小を開始するように制御する。また、制御装置180は、格納状態から展開状態へ切り替える場合、傾動センサ150による低位置の検出以前に、サイドブーム6が伸長を開始するように制御する。この構成では、傾動動作と伸縮動作とが少なくとも一時的に同時に実行されるので、格納状態と展開状態との切り替え時間を短縮できる。また、伸長した状態のままでサイドブーム6が傾動動作する場合に比べて、油圧シリンダ57及びその周辺に加わる負荷が抑制され得る。
【0075】
以上、一実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られない。
【0076】
例えば、ステップS02では、リミットスイッチ151から制御装置180に信号が出力されることによって、サイドブーム6の傾動を検出しているが、これに限定されない。サイドブーム6の傾動位置は他の検出手段によって検出されてもよい。一例として、傾動動作を一定の速度で行い、傾動開始からの時間を計測することによって、現在の傾動位置を検出してもよい。この場合、傾動開始からの時間が所定時間経過した場合に、傾動動作が停止される。
【0077】
また、スイッチ185(入力装置)としてトグルスイッチを例示したが、これに限定されない。入力装置は、少なくとも、格納状態を展開状態に変更する指示と、展開状態を格納状態にする指示とを使用者が選択できればよく、例えば押しボタンスイッチのような他のスイッチでもよい。また、入力装置は、タッチ操作パネル等の装置であってもよい。
【符号の説明】
【0078】
1…ブームスプレーヤ、3…走行機体、5…センターブーム、6…サイドブーム、30…昇降装置、47…油圧シリンダ(開閉装置)、57…油圧シリンダ(傾動装置)、180…制御装置、185…スイッチ(入力装置)。