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特許7229152消費に適した量の飲料を調製するためのシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-16
(45)【発行日】2023-02-27
(54)【発明の名称】消費に適した量の飲料を調製するためのシステム
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/06 20060101AFI20230217BHJP
   A47J 31/36 20060101ALI20230217BHJP
【FI】
A47J31/06 220
A47J31/36 122
A47J31/36 124
A47J31/06 323
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2019505053
(86)(22)【出願日】2017-08-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-08-22
(86)【国際出願番号】 NL2017050521
(87)【国際公開番号】W WO2018026279
(87)【国際公開日】2018-02-08
【審査請求日】2020-07-28
(31)【優先権主張番号】2017277
(32)【優先日】2016-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(31)【優先権主張番号】2017278
(32)【優先日】2016-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(31)【優先権主張番号】2017280
(32)【優先日】2016-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(31)【優先権主張番号】2017281
(32)【優先日】2016-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(31)【優先権主張番号】2017282
(32)【優先日】2016-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(31)【優先権主張番号】2017283
(32)【優先日】2016-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(31)【優先権主張番号】2017284
(32)【優先日】2016-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(31)【優先権主張番号】2017285
(32)【優先日】2016-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(31)【優先権主張番号】2017286
(32)【優先日】2016-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(31)【優先権主張番号】2019216
(32)【優先日】2017-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(31)【優先権主張番号】2017279
(32)【優先日】2016-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(31)【優先権主張番号】2019218
(32)【優先日】2017-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】512164779
【氏名又は名称】コーニンクラケ ダウ エグバート ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100085545
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 光夫
(74)【代理人】
【識別番号】100118599
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 博司
(72)【発明者】
【氏名】リジスカンプ,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】オジンク,ジューディス マーグリート ハネケ
(72)【発明者】
【氏名】ビークマン,ジャーノ
(72)【発明者】
【氏名】デ グラーフ,ガーブランド クリスティアーン
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-501781(JP,A)
【文献】特表2002-535021(JP,A)
【文献】特表2006-528507(JP,A)
【文献】特開2002-028080(JP,A)
【文献】特表2015-533565(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0366397(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02250950(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/00-31/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
消費に適した量の飲料を調製するためのシステムであって、前記システムは
第1の交換可能なカプセルおよび第2の交換可能なカプセルを用いて使用されるように構成された装置と、ここで、前記第2の交換可能なカプセルは第2の蓋及び第2の本体を有し、前記第2の本体は、第2の側壁と、前記第2の側壁の第1の端部に取り付けられた第2の底部と、前記第2の側壁の第2の端部に取り付けられた、外方に延びる周方向の第2のリムとを備え、前記第2の側壁の前記第1の端部及び前記第2の端部は互いの反対側に位置し、前記第2の蓋は、前記第2の本体の第2の充填口を閉じるために前記第2のリムに取り付けられている、かつ、前記第1の交換可能なカプセルは第1の蓋及び第1の本体を有し、前記第1の本体は、第1の側壁と、前記第1の側壁の第1の端部に取り付けられた第1の底部と、前記第1の側壁の第2の端部に取り付けられた、外方に延びる周方向の第1のリムとを備え、前記第1の側壁の前記第1の端部及び前記第2の端部は互いの反対側に位置し、前記第1の蓋は、前記第1の本体の第1の充填口を閉じるために前記第1のリムに取り付けられている、
前記第2の交換可能なカプセルと
を備え、
前記装置は第1の調合チャンバ部のチャンバ内壁及びチャンバ底部によって境界を画された空洞を有する前記第1の調合チャンバ部を含み、前記空洞は、前記第1の交換可能なカプセル及び前記第2の交換可能なカプセルのうちの1つを選択的に収容するように構成され、前記第1の調合チャンバ部は、前記第1の交換可能なカプセル又は前記第2の交換可能なカプセルを前記第1の調合チャンバ部に選択的に装填するためのチャンバ充填口を更に含み、前記チャンバ底部及び前記チャンバ充填口は互いの反対側に位置し、前記第1の調合チャンバ部には、前記チャンバ底部から前記チャンバ充填口の方向に延びる少なくとも1つのナイフが更に設けられ、前記装置は、前記第1の調合チャンバ部の前記チャンバ充填口を閉じるための第2の調合チャンバ部を更に備え、前記第1の調合チャンバ部及び前記第2の交換可能なカプセルは、前記第2の交換可能なカプセルが前記第1の調合チャンバ部における前記第2の交換可能なカプセルの調合位置に装填されており、前記第1の調合チャンバ部が前記第2の調合チャンバ部によって閉じられている場合に、前記第2の交換可能なカプセルの前記第2の底部が、前記少なくとも1つのナイフによって穿孔されるように互いに対して適合されており、
前記第2の調合チャンバ部は、前記第1の交換可能なカプセル又は前記第2の交換可能なカプセルがそれぞれその調合位置にある場合に前記第1の蓋又は前記第2の蓋に当接するための抽出板を有し、前記抽出板は、中央部分及び周縁部分を有し、前記中央部分は、前記周縁部分に対して第1の位置から第2の位置へ及び第2の位置から第1の位置へ軸方向に移動可能であり、前記第1の調合チャンバ部が前記第2の調合チャンバ部によって閉じられている場合において、前記中央部分が前記第1の位置にあるとき、前記中央部分と前記チャンバ底部との間に、前記第1の調合チャンバ部の軸方向に第1の距離が存在し、前記中央部分が前記第2の位置にあるとき、前記中央部分と前記チャンバ底部との間に第2の距離が存在し、前記第1の距離は前記第2の距離よりも小さく、
前記システムは、前記空洞が前記第1の交換可能なカプセルをその調合位置に収容し、前記中央部分が、前記第1の蓋に当たって位置しているとき、前記中央部分を前記第1の位置にロックするための、かつ、前記第1の調合チャンバ部が前記第2の交換可能なカプセルをその調合位置に収容し、前記中央部分が、前記第2の蓋に当たって位置しているとき、前記中央部分を前記第2の交換可能なカプセルによってばねの力に抗して前記第2の位置に押すための機構を更に含み、前記第1の調合チャンバ部は、前記チャンバ底部から前記チャンバ充填口の方向に延びる第1の部分と、前記第1の部分から前記チャンバ充填口の方向に延びる第2の部分とを有し、前記第1の部分は、前記第2の部分の最も小さい内径よりも小さい最も大きい内径を有し、前記第2の交換可能なカプセルは、前記第2の交換可能なカプセルが前記第1の調合チャンバ部においてその調合位置に配置されている場合に、前記第2のリムが、前記第2の部分によって形成される前記第1の調合チャンバ部の前記チャンバ内壁の一部分から前記第1の調合チャンバ部の軸方向において距離を置かれるような寸法にされ、前記第1の調合チャンバ部には位置合わせキャップが更に設けられ、前記位置合わせキャップは、前記ナイフが前記位置合わせキャップの開口を通って延びる収縮位置から、前記位置合わせキャップが前記第1の調合チャンバ部の前記チャンバ充填口から見て、前記少なくとも1つのナイフを越えて突出する拡張位置へと、及び前記拡張位置から前記収縮位置へと、前記第1の調合チャンバ部の軸方向において移動可能であり、前記第1の調合チャンバ部には弾性要素が更に設けられ、前記弾性要素は、前記第1の位置から前記第2の位置の方向に前記位置合わせキャップに力を加え、前記第2の交換可能なカプセル及び前記第1の調合チャンバ部は、前記第2の交換可能なカプセルが前記第1の調合チャンバ部に装填されている場合に、前記第2の交換可能なカプセルの前記第2の底部が前記第1の調合チャンバ部内で中心合わせされるように互いに対して適合されている、システム。
【請求項2】
前記第1の交換可能なカプセルをさらに有する、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記第1の調合チャンバ部の軸方向は、前記第2の交換可能なカプセルが前記第1の調合チャンバ部内に装填されている場合に、前記チャンバ充填口が上方を向くように、水平方向に対し角度をなすことを特徴とする、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1の調合チャンバ部の軸方向は、前記第2の交換可能なカプセルが前記第1の調合チャンバ部内に位置決めされており、前記第1の調合チャンバ部が前記第2の調合チャンバ部によって閉じられて、前記第2の交換可能なカプセルが前記調合位置に運ばれている場合、水平方向にあることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記第2の交換可能なカプセル及び前記第1の調合チャンバ部は、前記第2の交換可能なカプセルが前記第1の調合チャンバ部に装填されている場合、前記第1の調合チャンバ部が前記第2の調合チャンバ部によって閉じられている間、前記第2の交換可能なカプセルの前記第2の底部が前記第1の調合チャンバ部内で更に中心合わせされるように互いに対して適合されていることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記第2の交換可能なカプセル及び前記第1の調合チャンバ部は、前記第2の交換可能なカプセルが前記第1の調合チャンバ部に装填されている場合に、第1の調合チャンバ部が前記第2の調合チャンバ部によって閉じられている間でかつ前記少なくとも1つのナイフが前記第2の交換可能なカプセルの前記第2の底部を穿孔し始める前に、前記第2の交換可能なカプセルの前記第2の底部が前記第1の調合チャンバ部内で更に中心合わせされるように互いに対して適合されていることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記システムは、前記位置合わせキャップが前記拡張位置から前記収縮位置の方向にA 1mm移動される場合にのみ、前記第2の交換可能なカプセルが前記少なくとも1つのナイフによって穿孔され始めるように設計され、A1は0.5~3mmの範囲にあることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記チャンバ充填口に面する前記位置合わせキャップの外面は、凹形状であり、前記第1の交換可能なカプセルの前記第1の底部又は前記第2の交換可能なカプセルの前記第2の底部の外面は凸形状であり、前記凹形状及び前記凸形状は、前記第1の交換可能なカプセルの前記第1の底部又は前記第2の交換可能なカプセルの前記第2の底部を少なくとも部分的に前記位置合わせキャップ内に受けることができるように対応した形状であることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記収縮位置において、前記第1の調合チャンバ部の前記チャンバ充填口に面する前記位置合わせキャップの前記外面の一部分と、前記チャンバ充填口に面し、前記位置合わせキャップに対し径方向に外方に延びる前記第1の調合チャンバ部の前記チャンバ底部の表面の一部分とは、同一面上にあり、組合せにより、凹状の第1の形状を有する結合面を形成し、前記第2の交換可能なカプセルの前記第2の底部の外面は、前記凹状の第1の形状と相補的な凸状の第2の形状を有し、それによって、前記調合位置において、前記第2の交換可能なカプセルの前記第2の底部は、前記第1の形状を有する前記結合面によって境界を画される空間にすっぽり嵌まることを特徴とする、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の調合チャンバ部は、前記第2の部分から前記チャンバ充填口の方向に延びる第3の部分を有し、前記第2の部分は、前記第3の部分の最も小さい直径よりも小さい最も大きい直径を有し、前記第2の交換可能なカプセルが前記調合位置にある場合、前記第2のリムは、前記第3の部分によって形成される前記第1の調合チャンバ部のチャンバ内壁に隣接していることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記第2の交換可能なカプセルは、前記位置合わせキャップが前記拡張位置にある間に、前記第2の交換可能なカプセルの前記第2の底部が、装填時に前記位置合わせキャップに接触する場合、前記第2のリムが、前記第1の調合チャンバ部の輪郭の少なくとも部分的に外側に位置決めされるような、前記第2の交換可能なカプセルの軸方向の長さを有することを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記第2の交換可能なカプセルは、前記位置合わせキャップが前記収縮位置にある間に、前記第2の交換可能なカプセルの前記第2の底部が前記位置合わせキャップに接触する場合、前記第2のリムが、前記第1の調合チャンバ部の輪郭の内側に位置決めされるような、前記第2の交換可能なカプセルの軸方向の長さを有することを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記第2の交換可能なカプセルは、前記第2の交換可能なカプセルが調合位置にある場合、前記第2の交換可能なカプセルの前記第2の側壁の外面の少なくとも一部分が、前記第1の部分によって形成される前記第1の調合チャンバ部の前記チャンバ内壁に隣接するような形状を有することを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記システムが前記第1の交換可能なカプセルを有し、前記第1の交換可能なカプセルが前記第1の調合チャンバ部内で前記調合位置に配置されている場合、前記第1のリムが、前記第1の調合チャンバ部の前記第2の部分によって形成される前記第1の調合チャンバ部の前記チャンバ内壁の一部分に隣接するような寸法にされていることを特徴とする、請求項2~13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1の調合チャンバ部の前記空洞は、前記第1の調合チャンバ部の前記第1の部分と前記第2の部分との間の移行領域において、その直径が急激に増大することを特徴とする、請求項1~14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記第2の交換可能なカプセルは、装填中、前記第1の調合チャンバ部の前記軸方向が水平方向に対し角度をなしている場合、前記第2の交換可能なカプセルが、まず、前記第1の部分によって形成される前記チャンバ内壁の下側部分によって前記空洞内に下方に誘導され、その後、前記第2の交換可能なカプセルの前記第2の底部は、前記第2の底部が前記少なくとも1つのナイフによって穿孔されていない間、前記第2の交換可能なカプセルが少なくとも部分的に前記空洞内で中心合わせされるように前記位置合わせキャップに嵌合するような形状を有することを特徴とし、前記第2の交換可能なカプセルは、装填中、前記空洞がその後、前記第1の調合チャンバの前記軸方向が水平に向けられるように傾けられる場合、前記第2の調合チャンバ部によって前記第1の調合チャンバ部を閉じる際に前記第2の交換可能なカプセルが前記第2の調合チャンバ部によって前記第1の調合チャンバ部内に更に押し込まれている間、前記第2の交換可能なカプセルが前記空洞内で少なくとも更に中心合わせされるような形状を有することを特徴とする、請求項3又は4に記載のシステム。
【請求項17】
前記機構は、前記空洞が前記第2の交換可能なカプセルを収容しているときに、前記中央部分が前記第1の位置にロックされることを阻止するように構成される、請求項1~16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
前記機構は、前記空洞が前記第2の交換可能なカプセルを収容しているとき、前記中央部分が前記第2の位置に移動されることを可能にするように構成される、請求項1~17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
前記システムは、前記第1の調合チャンバ部を前記第2の調合チャンバ部に対し閉じている間、前記空洞が前記第2の交換可能なカプセルを収容しているとき、前記中央部分が前記第2の交換可能なカプセルによって、前記第1の調合チャンバ部の前記軸方向において、前記第1の位置から前記第2の位置の方向に、前記少なくとも1つのナイフから見て、前記第1の位置を越えて押され、それによって前記第1の位置においてロックが行われないように構成される、請求項1~18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
前記システムは、前記第1の調合チャンバ部を前記第2の調合チャンバ部に対し閉じている間、前記空洞が前記第1の交換可能なカプセルを収容しているとき、前記中央部分が前記機構のロック部に当接するところの位置を越えて前記第1の交換可能なカプセルによって押される前に、前記機構が前記第1の調合チャンバ部によって作動されるように構成される、請求項1~19のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項21】
前記中央部分は、前記第2の交換可能なカプセルを収容するための調合チャンバを形成するときに、前記中央部分と前記周縁部分との間に流体封止嵌合をもたらすように構成された第1の封止部材を含み、前記周縁部分は、前記第2の交換可能なカプセルを収容するために前記調合チャンバを形成するときに、前記周縁部分と前記第1の調合チャンバ部との間に流体封止嵌合をもたらすように構成された第2の封止部材を含み、前記第1の封止部材は、前記第2の交換可能なカプセルを収容するために前記調合チャンバを形成するときに、前記中央部分と前記第2の交換可能なカプセルとの間に流体封止嵌合をもたらすように構成される、請求項1~20のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項22】
前記第2の封止部材は、前記第2の交換可能なカプセルを収容する前記第2の交換可能なカプセルのための前記調合チャンバを形成するときに、前記周縁部分と前記第2の交換可能なカプセルとの間に流体封止嵌合をもたらすように構成される、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記第2の交換可能なカプセルのカップ形状の本体から離れる方を向いた前記第2の交換可能なカプセルの前記第2のリムの第1の側面は、第1の調合チャンバ部の第2の当接面によって前記第2の封止部材に押し付けられる、請求項21又22に記載のシステム。
【請求項24】
前記第1の調合チャンバ部には、前記第1の調合チャンバ部と、前記第2の交換可能なカプセルのカップ形状の本体の方を向いた前記第2の交換可能なカプセルの前記第2のリムの第2の側面との間に流体封止嵌合をもたらすように構成された第3の封止部材が設けられている、請求項21~23のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項25】
前記第1の封止部材は、前記第1の交換可能なカプセルを収容するための調合チャンバを形成するときに、前記中央部分と前記第1の調合チャンバ部との間に流体封止嵌合をもたらすように構成される、請求項21~24のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包括的には、飲料を調製するためのシステムに関する。本発明はまた、飲料を調製するための装置に関する。より詳細には、本発明は、カプセルを用いて飲料を調製するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
カプセルを使用して飲料を調製するためのシステム及び装置が一般に知られている。装置は、単一の型のカプセルを受けるように構成することができるが、例えば、異なる種類の飲料、例えばコーヒー、茶、ホットチョコレート、又は異なる多種のコーヒーを調製するために、複数の型のカプセルを受けるように構成することもできる。異なるカプセルはすべて同じ形状及び/又はサイズを有するわけではない場合がある。このため、複数の異なるカプセル装置を取り扱うように構成された装置は、すぐに複雑になり、かつ構造が大きいため、その価格が上昇する。また、そのような装置は、取り扱い及び清掃がやや困難になる場合がある。
【0003】
本発明の目的は、上述の問題点のうちの1つ以上を軽減することである。特に、本発明の目標は、大きさの異なる複数のカプセルのうちの1つを取り扱うことが可能なカプセルを用いて飲料を調製するための、コンパクトなシステム及び装置を提供することである。本発明の更なる目的は、大きさの異なる複数のカプセルの各々と等しく良好に機能することが可能な、カプセルを用いて飲料を調製するためのシステム及び装置を提供することである。
【発明の概要】
【0004】
本発明の第1の態様によれば、請求項1の特徴によって特徴付けられたシステムが提供される。特に、消費に適した量の飲料を調製するためのシステムは、第2の蓋及び第2の本体を有する第2の交換可能なカプセルを有し、第2の本体は、第2の側壁と、第2の側壁の第1の端部に取り付けられた第2の底部と、第2の側壁の第2の端部に取り付けられた、外方に延びる周方向の第2のリムとを備え、第2の側壁の第1の端部及び第2の端部は互いの反対側に位置する。第2の蓋は、第2の本体の第2の充填口を閉じるために第2のリムに取り付けられる。システムは、任意選択で、第1の蓋及び第1の本体を有する第1の交換可能なカプセルを含むことができ、第1の本体は、第1の側壁と、第1の側壁の第1の端部に取り付けられた第1の底部と、第1の側壁の第2の端部に取り付けられた、外方に延びる周方向の第1のリムとを備え、第1の側壁の第1の端部及び第2の端部は互いの反対側に位置する。第1の蓋は、第1の本体の第1の充填口を閉じるために第1のリムに取り付けられる。システムは、第1の調合チャンバ部のチャンバ内壁及びチャンバ底部によって境界を画された空洞を有する第1の調合チャンバ部を含む装置も含む。空洞は、第1の交換可能なカプセル及び第2の交換可能なカプセルのうちの1つを選択的に収容するように構成される。第1の調合チャンバ部は、第1のカプセル又は第2のカプセルを第1の調合チャンバ部に選択的に装填するためのチャンバ充填口を更に含む。チャンバ底部及びチャンバ充填口は互いの反対側に位置する。第1の調合チャンバ部には、チャンバ底部からチャンバ充填口の方向に延びる少なくとも1つのナイフが更に設けられている。装置は、第1の調合チャンバ部のチャンバ充填口を閉じるための第2の調合チャンバ部を更に備え、これにより調合チャンバを形成する。第1の調合チャンバ部及び第2のカプセルは、第2のカプセルが第1の調合チャンバ部における第2の交換可能なカプセルの調合位置に装填されており、第1の調合チャンバ部が第2の調合チャンバ部によって閉じられている場合に、第2のカプセルの第2の底部が、少なくとも1つのナイフによって穿孔されるように互いに対して適合されている。第2の調合チャンバ部は、第1のカプセル又は第2のカプセルがそれぞれその調合位置にある場合に第1の蓋又は第2の蓋に当接するための抽出板を有する。抽出板は、中央部分及び周縁部分を有し、中央部分は、周縁部分に対して第1の位置から第2の位置へ軸方向に移動可能であり、逆もまた同様である。第1の調合チャンバ部が第2の調合チャンバ部によって閉じられている場合において、中央部分が第1の位置にあるとき、中央部分と調合チャンバ底部との間に、第1の調合チャンバ部の軸方向に第1の距離が存在する。第1の調合チャンバ部が第2の調合チャンバ部によって閉じられている場合において、中央部分が第2の位置にあるとき、中央部分と調合チャンバ底部との間に第2の距離が存在する。第1の距離は第2の距離よりも小さい。システムは、空洞が第1の交換可能なカプセルをその調合位置に収容し、中央部分が、第1の蓋に当たって位置しているとき、中央部分を第1の位置にロックし、第1の調合チャンバ部が第2の交換可能なカプセルをその調合可能な位置に収容し、中央部分が、第2の蓋に当たって位置しているとき、中央部分を第2のカプセルによってばねの力に抗して第2の位置に押すための機構を更に含む。第1の調合チャンバ部は、底部からチャンバ充填口の方向に延びる第1の部分と、第1の部分からチャンバ充填口の方向に延びる第2の部分とを有する。第1の部分は、第2の部分の最も小さい内径よりも小さい最も大きい内径を有する。第2のカプセルは、第2のカプセルが第1の調合チャンバ部においてその調合位置に配置されている場合に、第2のリムが、第2の部分によって形成される第1の調合チャンバ部のチャンバ内壁の一部分から第1の調合チャンバ部の軸方向において距離を置かれるような寸法にされる。第2のカプセルは、第2のカプセルが第1の調合チャンバ部においてその調合位置に配置されている場合に、第2のリムが第1の調合チャンバ部の第2の部分の外側に位置するような寸法にされてもよい。第2のカプセルは、第2のカプセルが第1の調合チャンバ部においてその調合位置に配置されている場合に、第2のリムと、第2の部分によって形成される第1の調合チャンバ部のチャンバ内壁の部分との間の第1の調合チャンバ部の軸方向の距離がゼロ以上となり得るような寸法にされてもよい。発明的な方式で、第1の調合チャンバ部には位置合わせキャップが更に設けられ、位置合わせキャップは、少なくとも1つのナイフが位置合わせキャップの開口を通って延びる収縮位置と、位置合わせキャップが第1の調合チャンバ部の底部から見て、少なくとも1つのナイフを越えて突出する拡張位置との間で第1の調合チャンバ部の軸方向において移動可能である。第1の調合チャンバ部には弾性要素が更に設けられ、弾性要素は、収縮位置から拡張位置の方向に位置合わせキャップに力を加える。第2のカプセル及び第1の調合チャンバ部は、第2のカプセルが第1の調合チャンバ部に装填されている場合に、第2のカプセルの底部が第1の調合チャンバ部内で中心合わせされるように互いに対して適合されている。第2のカプセルは、第1の調合チャンバ部内で第2のカプセルの効率的な中心合わせを可能にするような寸法にされる。第1の調合チャンバ部内での第2のカプセルの中心合わせは、複数のステップで達成することができる。第1の中心合わせステップは、第2のカプセルを第1の調合チャンバ部内に装填することであり得る。このとき、位置合わせキャップが、第2のカプセルの第2の底部を中心合わせするのに役立つ。この第2の底部は、位置合わせキャップによって拡張位置に嵌合される。第2の次工程では、第1の調合チャンバ部が抽出板に向かって移動される。第2のカプセルの第2の蓋は、抽出板の中央部分に嵌合し、ばねの付勢力に抗して中央部分を押す。押している間、第1の調合チャンバ部内の第2のカプセルの更なる中心合わせが行われる。抽出板の中央部分が抽出板の周縁部分に当接すると、第3のステップにおいて、第1の調合チャンバ部を抽出板に向かって更に押すことにより、位置合わせキャップが、第1の調合チャンバ部の弾性要素の力に抗して拡張位置から収縮位置に移動し、これにより、第1の調合チャンバ部内で第2のカプセルが更に中心合わせされる。第4のステップでは、第2のカプセルの第2の底部の穿孔は、第1の調合チャンバ部内で第2のカプセルを完全に位置合わせした後にのみ行われる。位置合わせキャップは、位置合わせキャップがない場合の弾性要素と第2のカプセルとの間の接触面よりも大きい第2のカプセルの第2の底部との接触面を提供することができるため、第1の調合チャンバ部内での第2のカプセルの誘導を改善することができる。調合位置にある第2のカプセルの良好な位置合わせにより、第2の調合チャンバ部が第1の調合チャンバ部を閉じているときの調合チャンバの封止を改善することができる。
【0005】
任意選択で、第1の調合チャンバ部の軸方向は、例えば第2のカプセルが第1の調合チャンバ部内に装填されている場合に、チャンバ充填口が第1のカプセル又は第2のカプセルを受ける準備ができた状態で上方を向くように、水平方向に対し角度をなすことができる。そのような位置は、第1のカプセル又は第2のカプセルが重力の力で適所に入ることができるので、第1のカプセル又は第2のカプセルの装填を容易にすることができる。位置合わせキャップは、第1のカプセル又は第2のカプセルの底部を位置合わせすることができる。
【0006】
第1の調合チャンバ部の軸方向は、第2のカプセルが第1の調合チャンバ部内に位置決めされており、第1の調合チャンバ部が第2の調合チャンバ部によって閉じられて、第2のカプセルが調合位置に運ばれている場合、水平方向にすることができる。実質的に水平な調合位置は、カプセルからの飲料の円滑な流れのために有利であり得る。代替的に、第1の調合チャンバ部の軸方向は、第1の調合チャンバ部のチャンバ充填口が下方を向いた状態等で、水平方向と僅かな角度をなすこともできる。
【0007】
任意選択で、第2のカプセル及び第1の調合チャンバ部は、第2のカプセルが第1の調合チャンバ部に装填されている場合、第1の調合チャンバ部が第2の調合チャンバ部によって閉じられている間、第2のカプセルの底部が第1の調合チャンバ部内で更に中心合わせされるように互いに対して適合させることができる。これは、上記で説明した第2の中心合わせステップに対応する。特に、第2のカプセルの第2の側壁、及び第1の調合チャンバ部のチャンバ内側壁の形状は、第1の調合チャンバ部内で第2のカプセルを中心合わせするように互いに対して適合させることができる。また、位置合わせキャップの形状及び第2のカプセルの底部の形状は、第1の調合チャンバ部内で第2のカプセルを更に中心合わせするように互いに対して適合させることができる。上記で述べたように、調合位置における第2のカプセルの良好な位置合わせにより、すなわち、カプセルの中心軸が第1の調合チャンバ部の軸方向において第1の調合チャンバ部の中心軸に対応するようになっていることにより、第2の調合チャンバ部が第1の調合チャンバ部を閉じて調合チャンバを形成するときの封止の効率を改善することができる。
【0008】
任意選択で、第2のカプセル及び第1の調合チャンバ部は、第2のカプセルが第1の調合チャンバ部に装填されている場合に、第1の調合チャンバ部が第2の調合チャンバ部によって閉じられている間でかつ少なくとも1つのナイフが第2のカプセルの底部を穿孔し始める前に、第2のカプセルの底部が第1の調合チャンバ部内で更に中心合わせされるように互いに対して適合させることができる。これは、上記で説明したような第3の中心合わせステップに対応することができ、第2のカプセルが、穿孔される前にまず中心合わせされることを確実にすることができる。
【0009】
任意選択で、システムは、位置合わせキャップが拡張位置から収縮位置の方向にA1 mm移動される場合にのみ、第2のカプセルが少なくとも1つのナイフによって穿孔され始めるように設計することができる。A1は、例えば0.5~3mm等の、約0.5~3mmの範囲にある。換言すれば、第1の調合チャンバ部の底部から見た位置合わせキャップの遠位側は、位置合わせキャップの拡張位置において約A1の距離にわたって少なくとも1つのナイフの上側を越えて突出することができる。結果として、第2のカプセルは、少なくとも1つのナイフにより穿孔される前にまず中心合わせすることができる。同時に、位置合わせキャップが少なくとも1つのナイフを越えて突出することができる距離により、少なくとも1つのナイフ、及びシステムのユーザの双方に追加の保護を提供することができる。
【0010】
任意選択で、充填口に面する位置合わせキャップの外面は、凹形状とすることができ、第1のカプセル又は第2のカプセルの底部の外面は凸形状とすることができ、凹形状及び凸形状は、それぞれの第1のカプセル又は第2のカプセルの底部を少なくとも部分的に位置合わせキャップ内に受けることができるように対応した形状である。それぞれの第1のカプセル又は第2のカプセルの底部の対応する形状及び位置合わせキャップの外面は、カプセルの底部と位置合わせキャップとの間の比較的大きい嵌合面を提供することができ、これにより、第1の調合チャンバ部内でカプセルを中心合わせさせるようなカプセルの誘導をもたらすことができる。
【0011】
位置合わせキャップの収縮位置において、第1の調合チャンバ部の充填口に面する位置合わせキャップの外面の一部分と、充填口に面し、位置合わせキャップに対し径方向に外方に延びる第1の調合チャンバ部の底部の表面の一部分とは、同一面上にあることができ、組合せにより、凹状の第1の形状を有する結合面を形成することができる。第2のカプセルの底部の外面は、凹状の第1の形状と相補的な凸状の第2の形状を有し、それによって、調合位置において、第2のカプセルの底部は、第1の形状を有する結合面によって境界を画される空間にすっぽり嵌まる。このため、第2のカプセルの底部の形状、及び結合面の形状により、合致した嵌め合いをもたらすことができ、これにより第2のカプセルの調合位置が安定する。
【0012】
任意選択で、第1の調合チャンバ部は、第2の部分からチャンバ充填口の方向に延びる第3の部分を有することができ、第2の部分は、第3の部分の最も小さい直径よりも小さい最も大きい直径を有する。第2のカプセルが調合位置にある場合、第2のリムは、第3の部分によって形成される第1の調合チャンバ部のチャンバ内側壁に隣接することができる。第1の調合チャンバ部の第3の部分は、中でも、第2のカプセルの調合位置における調合チャンバの封止のために有用とすることができる更なる空間を提供することができる。
【0013】
任意選択で、第2のカプセルは、位置合わせキャップが拡張位置にある間に、第2のカプセルの底部が、装填時に位置合わせキャップに接触する場合、第2のリムが、第1の調合チャンバ部の輪郭の少なくとも部分的に外側に位置決めされるような、第2のカプセルの軸方向の長さを有することができる。第2の蓋は、第1の調合チャンバ部の輪郭の少なくとも部分的に外側にあることも可能であり得る。
【0014】
任意選択で、第2のカプセルは、位置合わせキャップが収縮位置にある間に、第2のカプセルの底部が位置合わせキャップに接触する場合、第2のリムが、第1の調合チャンバ部の輪郭の内側に位置決めされるような、第2のカプセルの軸方向の長さを有し、第2の調合チャンバ部により第1の調合チャンバ部を閉じて、第2のカプセルの調合位置において調合チャンバを形成することを可能にすることができる。
【0015】
任意選択で、第2のカプセルは、第2のカプセルが調合位置にある場合、第2のカプセルの側壁の少なくとも一部分の外面が、第1の部分によって形成される第1の調合チャンバ部のチャンバ内側壁に隣接して位置するような形状を有することができる。好ましくは、第1の部分によって形成される第1の調合チャンバ部分の内径は、第2のカプセルの側壁の少なくとも一部分の外径と実質的に同様であり、それによって、第2のカプセルがその抽出位置にあるときに、第2のカプセルの側壁と、第1の部分によって形成される第1の調合チャンバ部の内側壁との間にほとんど空間が残らず、液体が実質的に第2のカプセルを通るように強制され、このため液体の浪費が最小限にされる。
【0016】
任意選択で、第1のカプセルは、第1のカプセルが第1の調合チャンバ部内で調合位置に配置されている場合、第1のリムが、第1の調合チャンバ部の第2の部分によって形成される第1の調合チャンバ部のチャンバ内側壁の一部分に隣接するような寸法にすることができる。
【0017】
任意選択で、第1の調合チャンバ部の空洞は、第1の調合チャンバ部の第1の部分と第2の部分との間の移行領域において、その直径が急激に増大することができる。そのような階段状の直径は、第1のカプセルがその調合位置にあるときに第1のカプセルの第1のリムが当接することができる当接面を形成することができる移行領域を提供することができる。同時に、第1の調合チャンバ部の第1の部分の形状は、第2のカプセルの形状と可能な限り密に合致することができるのに対し、第1の調合チャンバ部の第2の部分は、第1のカプセルがその調合位置にあるとき、抽出板の中央部分の外側部分を受けるための受容空間を提供することができる。
【0018】
任意選択で、第2のカプセルは、装填中、第1の調合チャンバの軸方向が水平方向に対し角度をなしている場合、第2のカプセルが、まず、第1の部分によって形成されるチャンバ側壁の下側部分によって空洞内に下方に誘導され、その後、カプセルの底部は、カプセル底部が少なくとも1つのナイフによって穿孔されていない間、カプセルが少なくとも部分的に空洞内で中心合わせされるように位置合わせキャップに嵌合するような形状を有することができ、第2のカプセルは、装填中、空洞がその後、第1の調合チャンバの軸方向が水平に向けられるように傾けられる場合、第2の調合チャンバ部によって第1の調合チャンバ部を閉じる際にカプセルが第2の調合チャンバ部によって第1の調合チャンバ部内に更に押し込まれている間、カプセルが空洞内で少なくとも更に中心合わせされるような形状を有する。したがって、第2のカプセル及び第1の調合チャンバ部の寸法及び形状は、任意選択で、第1のチャンバ部への第2のカプセルの装填から、少なくとも1つのナイフによる第2のカプセルの底部の穿孔の直前までの異なるステップで、第1の調合チャンバ部における第2のカプセルの中心合わせを最適化するように互いに適合される。
【0019】
任意選択で、機構は、空洞が第2の交換可能なカプセルを収容しているときに、中央部分が第1の位置にロックされることを防止するように構成されてもよい。任意選択で、機構は、空洞が第2の交換可能なカプセルを収容しているとき、中央部分が第2の位置に移動されることを可能にするように構成されてもよい。一般に、ロック機構は、サイズが異なる第1の交換可能なカプセル又は第2の交換可能なカプセルを用いる可能性を提供してもよく、機構は、抽出板が、好ましくはユーザの入力なしで、第1のカプセル又は第2のカプセルの第1の調合位置又は第2の調合位置のための正しい位置をとることができるように構成される。
【0020】
任意選択で、システムは、第1の調合チャンバ部を第2の調合チャンバ部に対し閉じている間、空洞が第2の交換可能なカプセルを収容しているとき、中央部分が第2の交換可能なカプセルによって、第1の調合チャンバ部の軸方向において、第1の位置から第2の位置の方向に、少なくとも1つのナイフから見て、第1の位置を越えて押され、それによって第1の位置においてロックが行われないように構成することができる。第2のカプセルの装填中に、抽出板の中央部分は準備完了位置にあることができ、この準備完了位置から、中央部分は、第2の位置に移動されている間ロックされることなく第1の位置を通過する。
【0021】
任意選択で、システムは、第1の調合チャンバ部を第2の調合チャンバ部に対し閉じている間、空洞が第1の交換可能なカプセルを収容しているとき、中央部分が第1の交換可能なカプセルによって機構を越えて、特に機構のロック部を越えて押される前に、機構が第1の調合チャンバ部によって作動されるように構成することができる。ロック機構は、ロック部、特に、中央部分を特に第1の位置にロックするための旋回可能な指部を含むことができ、ロック部は、好ましくは、第1の調合チャンバ部の移動中に作動器によって作動される。ロック部は、作動器によって直接又は間接的に作動することができ、片面ロック又は両面ロックを更に提供することができる。これは、ロック機構によって、第1の位置から第2の位置への移動に対する中央部分のロックをもたらすことができ、反対方向、例えば第1の位置及び/又は第2の位置から準備完了位置への移動が可能になることを意味する。
【0022】
任意選択で、中央部分は、第2の交換可能なカプセルを収容するための調合チャンバを形成するときに、中央部分と周縁部分との間に流体封止嵌合をもたらすように構成された第1の封止部材を含むことができ、周縁部分は、第2の交換可能なカプセルを収容するための調合チャンバを形成するときに、周縁部分と第1の調合チャンバ部との間に流体封止嵌合をもたらすように構成された第2の封止部材を含み、第1の封止部材は、第2の交換可能なカプセルを収容するための調合チャンバを形成するときに、中央部分と第2の交換可能なカプセルとの間に流体封止嵌合をもたらすように構成される。第1の封止部材は、出口領域を介してカプセルを出る調製された飲料に対する封止をもたらすことができる。第1の封止部材は、第2のカプセルを収容するための調合チャンバを形成するときに、第1の封止部材と第2の封止部材との間に突出する周縁部の一部に直接封止接触していてもよい。代替的に、第1の封止部材は、周縁部分に含まれる第2の封止部材と直接封止接触していてもよい。第2の封止部材は、カプセルの外側の空洞内に存在する水のための封止をもたらすことができる。このようにして、調合チャンバ内に注入される調合流体が、カプセルの外側の周りに迂回するのが防止される。第1の封止部材は、第2の交換可能なカプセルの出口領域を介してカプセルを出る飲料に対し、中央部分と第2の交換可能なカプセルとの間に封止嵌合を提供することもできる。これらの2つの封止部材の組合せにより、第1の交換可能なカプセル及び第2の交換可能なカプセルのうちの1つの選択と独立して、システムが良好に機能することが可能になる。
【0023】
任意選択で、第2の封止部材は、第2の交換可能なカプセルを収容する第2の交換可能なカプセルのための調合チャンバを形成するときに、周縁部分と第2の交換可能なカプセルとの間に流体封止嵌合をもたらすように構成することができる。これは、第2のカプセルの出口領域を介してカプセルを出る調合流体及び/又は飲料に対し、周縁部分とカプセルとの間に封止嵌合又は非封止嵌合を提供することができる。
【0024】
任意選択で、第2の交換可能なカプセルのカップ形状の本体から離れる方を向いた第2の交換可能なカプセルのリムの側面は、第1の調合チャンバ部の第2の当接面によって第2の封止部材に押し付けることができ、これにより、第2の調合チャンバ部の周縁部と第2のカプセルとの間に効率的で構築が容易な封止嵌合又は非封止嵌合がもたらされる。
【0025】
任意選択で、第1の調合チャンバ部には、第1の調合チャンバ部と、第2の交換可能なカプセルのカップ形状の本体の方を向いた第2の交換可能なカプセルのリムの側面との間に流体封止嵌合をもたらすように構成された第3の封止部材を設けることができ、これにより、第1の調合チャンバ部と第2の調合チャンバ部との間に代替的な封止嵌合がもたらされる。第2の封止部材と組み合わせて、第3の封止部材は、第2の封止部材による封止の手間を低減することができる。
【0026】
任意選択で、第1の封止部材は、第1の交換可能なカプセルのための調合チャンバを形成するときに、中央部分と第1の調合チャンバ部との間に流体封止嵌合をもたらすように構成することができる。有利には、第1の封止部材は、第1の交換可能なカプセルのための調合チャンバを形成するときに、調合チャンバにおける流体圧力の影響下で、中央部分と第1の調合チャンバ部との間の自己補強性の流体封止嵌合をもたらすように構成することができる。調合流体は、比較的高い圧力の下で調合チャンバ内に注入されてもよく、これによって、中央部分と第1の調合チャンバ部との間の流体封止嵌合が補強されるように第1の封止部材を変形することができる。第1の封止部材は、自己補強封止効果を達成するように様々な形状をとることができる。例えば、第1の封止部材は、第1の交換可能なカプセルのための調合チャンバを形成するときに、調合チャンバにおける流体圧力の影響下で、中央部分と第1の調合チャンバ部との間の自己補強性の封止嵌合をもたらすように構成された弾性リップを含むことができることが好ましい。リップの反発力は、例えば、封止部材の他の部分の反発力よりも高くすることができる。第1の封止部材の他の形状も当然ながら可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本発明は、図面に表された例示的な実施形態に基づいて更に明らかとなるであろう。例示的な実施形態は、非限定的例として与えられる。図は、非限定的な例として与えられる本発明の実施形態の概略表現にすぎないことに留意されたい。
図1A】システムの概略表現を示す。
図1B】システムの概略表現を示す。
図2A】半閉状態の装置の斜視側面図である。
図2B】全閉状態の装置の斜視側面図である。
図3A】空洞が第1のカプセルを収容しているときの、図1Aに示すようなシステムのロック機構の機能を示す。
図3B】空洞が第1のカプセルを収容しているときの、図1Aに示すようなシステムのロック機構の機能を示す。
図4A】空洞が第2のカプセルを収容しているときの、図1Bに示すようなシステムのロック機構の機能を示す。
図4B】空洞が第2のカプセルを収容しているときの、図1Bに示すようなシステムのロック機構の機能を示す。
図5A】空洞が第1のカプセルを収容しているときの、図1Aに示すようなシステムの拘束リングの機能を示す。
図5B】空洞が第1のカプセルを収容しているときの、図1Aに示すようなシステムの拘束リングの機能を示す。
図5C】空洞が第1のカプセルを収容しているときの、図1Aに示すようなシステムの拘束リングの機能を示す。
図6A】それぞれ、抽出中の調合チャンバ内の第1のカプセル、及び抽出中の調合チャンバ内の第2のカプセルを示す。
図6B】それぞれ、抽出中の調合チャンバ内の第1のカプセル、及び抽出中の調合チャンバ内の第2のカプセルを示す。
図7A】重力の影響下で空洞からそれぞれ使用済みの第1のカプセル及び第2のカプセルを出すために下方に回る第1の調合チャンバ部を示す。
図7B】重力の影響下で空洞からそれぞれ使用済みの第1のカプセル及び第2のカプセルを出すために下方に回る第1の調合チャンバ部を示す。
図8A】第1の調合チャンバ部及び第2の調合チャンバ部によって形成された調合チャンバにそれぞれ挿入された第1のカプセル及び第2のカプセルの例を示す。
図8B】第1の調合チャンバ部及び第2の調合チャンバ部によって形成された調合チャンバにそれぞれ挿入された第1のカプセル及び第2のカプセルの例を示す。
図9A】位置合わせキャップを設けられた、システムの第1の調合チャンバ部の、それぞれ断面図、上面図及び断面詳細図を示す。
図9B】位置合わせキャップを設けられた、システムの第1の調合チャンバ部の、それぞれ断面図、上面図及び断面詳細図を示す。
図9C】位置合わせキャップを設けられた、システムの第1の調合チャンバ部の、それぞれ断面図、上面図及び断面詳細図を示す。
図10A】拡張位置にある位置合わせキャップが設けられた第1の調合チャンバ部内にそれぞれ第1のカプセル、第2のカプセルが装填された、システムの第1の調合チャンバ部の断面図を示す。
図10B】拡張位置にある位置合わせキャップが設けられた第1の調合チャンバ部内にそれぞれ第1のカプセル、第2のカプセルが装填された、システムの第1の調合チャンバ部の断面図を示す。
図11A】収縮位置にある位置合わせキャップが設けられた第1の調合チャンバ部内に第2のカプセルが装填された、システムの第1の調合チャンバ部及びその底部の断面図を示す。
図11B】収縮位置にある位置合わせキャップが設けられた第1の調合チャンバ部内に第2のカプセルが装填された、システムの第1の調合チャンバ部及びその底部の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1A及び図1Bは、飲料を調製するためのシステム1の概略断面図を示す。このシステムは、装置2と、交換可能なカプセルとを含む。ここで、システム1は、第1のカプセル4A及び第2のカプセル4Bと協働するように構成される。図1A及び図1Bに示す装置2は同一装置である。この装置2は、第1のカプセル4A(図1Aを参照)又は第2のカプセル4B(図1Bを参照)のいずれかと選択的に協働するように構成される。システム1は、装置2、第1のカプセル4A及び第2のカプセル4Bを含むことができることが理解されよう。
【0029】
第1のカプセル4A及び第2のカプセル4Bは異なる型である。この例では、第2のカプセル4Bは第1のカプセル4Aよりも大きい。第2のカプセル4Bの軸長LBは、第1のカプセル4Aの軸長LAよりも大きい。第2のカプセル4Bの直径DBは、第1のカプセル4Aの直径DAよりも大きい。この差異にもかかわらず、この例では、第1のカプセル4A及び第2のカプセル4Bは、類似した視覚的印象を与えるように設計されている。第1のカプセル4A及び第2のカプセル4Bは、同系の外観及び雰囲気を有するように設計されている。ここで、第1のカプセル4Aの軸長及び直径の比LA/DAは、第2のカプセル4Bの軸長及び直径の比LB/DBと実質的に同じである。好ましくは、第1のカプセル及び第2のカプセルの長さ対直径比は、20%以内、好ましくは10%以内で同一であり、例えば同一である。
【0030】
類似性を考慮して、ここで、双方のカプセル4A、4Bが同時に説明される。この例では、カプセル4A、4Bは共に、カップ形状の本体6A、6Bを含む。ここで、カップ形状の本体6A、6Bは、底部8A、8B及び周方向の壁10A、10Bを含む。底部8A、8B及び周方向の壁10A、10Bは、一体の部品を形成することができる。カプセル4A、4Bは共に、蓋12A、12Bを含む。蓋12A、12Bは、カップ形状の本体6A、6Bの開放端を閉じる。蓋12A、12Bは、以下に説明するように、カプセルから飲料を排出することができる出口領域13A、13Bを含む。この例では、蓋12A、12Bは、カプセル4A、4Bのフランジ状のリム14A、14Bに接続される。ここで、リム14A、14Bは、外方に延びるリムである。底部8A、8B、周方向の壁10A、10B及びリム部14A、14Bは、一体の部品を形成することができる。ここで、出口領域13A、13Bは、飲料が潜在的にカプセル4A、4Bを出ることができる蓋12A、12Bの領域を画定する。このため、リム14A、14Bに対し封止された蓋12A、12Bの領域は、出口領域13A、13Bの一部を構成しない。この例では、カプセル4A、4Bは、底部8A、8Bから蓋部12A、12Bへ延びる軸の周りで実質的に回転対称となっている。カップ形状の本体6A、6B及び蓋12A、12Bは、カプセルの内部空間16A、16Bを囲む。内部空間16A、16Bは、抽出可能又は可溶性物質等の、ある量の飲料成分を含む。飲料成分は、例えば、焙煎され、挽かれたコーヒー、茶等とすることができる。飲料成分は、粉末コーヒーであってもよい。飲料成分は、液体であってもよい。カプセル4A、4Bの大きさの差異を考慮して、第2のカプセル4Bは、第1のカプセル4Aよりも多量の飲料成分を含むことができることが理解されよう。この例では、第2のカプセル4Bの内部空間16Bは、第1のカプセル4Aの内部空間16Aの約2倍である。例えば、第1のカプセル4Aは、4~8グラム、例えば約6グラムの挽いたコーヒーを含んでもよい。例えば、第2のカプセル4Bは、8~16グラム、例えば約12グラムの挽いたコーヒーを含んでもよい。
【0031】
カップ形状の本体6A、6Bは、アルミニウム箔等の金属箔、ポリプロピレン若しくはポリエチレン等のプラスチック材料、又はこれらの組合せから製造することができる。カップ形状の本体6A、6Bは、プレス、深絞り、真空成形、射出成形等により製造することができる。蓋は、アルミニウム箔等の金属箔、ポリプロピレン若しくはポリエチレン等のプラスチック材料、又はこれらの組合せから製造することができる。この例では、カプセル4A、4Bは、いわゆる閉じたカプセルである。これは、装置に挿入される前に密閉されたカプセルを示す。閉じたカプセルは、以下に説明するような装置によって開くことができる。代替的に、非封止又は再充填可能なカプセルも使用され得る。
【0032】
装置は、第1の調合チャンバ部18及び第2の調合チャンバ部20を含む。第1の調合チャンバ部18及び第2の調合チャンバ部20は、互いに対し閉じ、調合チャンバ22A、22B(図1A図1Bには図示せず)を形成することができる。
【0033】
第1の調合チャンバ部18は空洞24を含む。空洞24は、第1のカプセル4A又は第2のカプセル4Bを受けるように構成される。ここで、第1の調合チャンバ部18の空洞24は、第1のカプセル4A又は第2のカプセル4Bを収容するように構成された所定の空洞24である。ここで、空洞24は第1のカプセル4A又は第2のカプセル4Bを収容するための不変の形状を有する。ここで、第1の調合チャンバ部18は、第1の調合チャンバ部18の構成を変更することなく第1のカプセル4A又は第2のカプセル4Bを収容するように構成される。この例では、第1の調合チャンバ部18は一体の部品である。この例では、第1の調合チャンバ部18は第1の当接面26を含む。第1の当接面は空洞24の内部に位置決めされる。ここで、第1の当接面26は、第1の概ね環状の当接面である。第1の概ね環状の当接面26は、連続的に環状とすることができるか、又は環体に沿った複数のセグメントを含む等、断続的に環状であってもよい。第1の当接面26は、例えば、空洞24内に突出する1つ以上の、例えばアーチ型の隆起の形状をとってもよい。ここで、第1の当接面26は、空洞24に階段形状を与える。この例では、第1の調合チャンバ部18は、第2の当接面28を含む。第2の当接面は空洞24の開放端の近くに位置決めされる。ここで、第2の当接面28は、第2の概ね環状の当接面である。第2の概ね環状の当接面28は、連続的に環状とすることができるか、又は環体に沿った複数のセグメントを含む等、断続的に環状であってもよい。第2の当接面28は、例えば、1つ以上の、例えばアーチ型の隆起の形状をとってもよい。第1の当接面26及び第2の当接面28は、第1の調合チャンバ部18の軸方向において、ある相互間の距離を隔てられることが理解されよう。第1の当接面26及び第2の当接面は、固定間隔で位置決めされる。第1の当接面26及び第2の当接面は互いに対し不動である。ここで、第1の調合チャンバ部18はエジェクタ38を含む。エジェクタ38は、例えば、円錐状のリング、及び/又は弾性要素42、ここではコイルばねとして具現化された位置合わせキャップを含むことができる。第1の調合チャンバ部18は、カプセルの底部を穿孔する穿孔手段44を含む。ここで、穿孔手段は、3つのナイフ等の複数のナイフを含む。
【0034】
第2の調合チャンバ部20は、抽出板30を含む。この例では、抽出板30は、中央部分32と周縁部分34とを含む。中央部分32は、周縁部分34に対して移動可能である。ここで、中央部分32は、第2の調合チャンバ部20の軸方向において移動可能である。
【0035】
これまで説明したシステム1は、次のような飲料の調製に使用することができる。システム1の更なる特徴は、方法に沿って説明される。
【0036】
図1A及び図1Bの例では、装置2は、カプセルを受ける準備ができた状態にある。図1A及び図1Bにおいて、カプセル4A、4Bは、第1の調合チャンバ部18の空洞に挿入されたばかりである。第1の調合チャンバ部18は傾斜した位置にある。空洞24の開放端は上方に向いている。
【0037】
図1Aに示すように、第1のカプセル4Aは、重力の影響下で空洞24内に落下することができる。ここで、第1のカプセル4Aのリム14Aは、第1の調合チャンバ部18の内面36によって誘導される。第1のカプセル4Aの底部8Aは、エジェクタ38に当接するまで、又は位置合わせキャップ(図示せず)にぶつかるまで空洞24内に下降する。ここで、第1のカプセル4Aの底部8Aは、エジェクタ38、又は存在する場合、位置合わせキャップを中心とする。これは、第1のカプセル4Aの第1の位置合わせステップを構成することができる。第1のカプセル4Aのリム14Aは、第1の当接面26と第2の当接面28との間に位置決めされることが理解されよう。この状態では、第1のカプセル4Aの底部8Aはまだ穿孔されていない。
【0038】
図1Bに示すように、第2のカプセル4Bも重力の影響下で空洞24内に落下することができる。ここで、第2のカプセル4Bの周方向の壁10Bは、第1の調合チャンバ部18の内面46によって誘導される。第2のカプセル4Bの底部8Bは、エジェクタ38に当接するまで、又は位置合わせキャップ(図示せず)にぶつかるまで空洞24内に下降する。ここで、第2のカプセル4Bの底部8Bは、エジェクタ38、又は存在する場合、位置合わせキャップを中心とする。これは、第2のカプセル4Bの第1の位置合わせステップを構成することができる。第2のカプセル4Bのリム14Bは、穿孔手段44から見て第2の当接面28を越えて位置決めされていることが理解されよう。この状態では、第2のカプセル4Bの底部8Bはまだ穿孔されていない。
【0039】
図1A及び図1Bに示すように、カプセル4A、4Bが空洞24内に挿入されると、カプセル4A、4Bの周囲の調合チャンバを閉じるために、第1の調合チャンバ部18を、第2の調合チャンバ部20に向かって移動させることができる。第1の調合チャンバ部18は、装置のフレーム48内を誘導される。
【0040】
この例では、図2A及び図2Bに示すように、第1の調合チャンバ部18は、第1のボス50及び第2のボス52を含む。第1のボス50は、フレーム48の第1の溝54内を誘導される。第2のボス52は、フレーム48の第2の溝56内を誘導される。ボス50、52及び溝54、56は、第1の調合チャンバ部18によって辿られる経路を画定することが理解されよう。ここで、第1の溝54及び第2の溝56は、フレーム48の側壁57に設けられている。第1の溝54は、側壁57内に第1の深さまで延びる。第2の溝56は、側壁内に第2の深さまで延びる。第2の深さは第1の深さよりも大きい。第1のボス50は、第2のボス52よりも大きい直径を有する。第1の溝54は、第2の溝56よりも大きい幅を有する。第1の溝54の幅は、第1のボス50の直径に対応する。第2の溝56の幅は、第2のボス52の幅に対応する。第1の溝54は、第2の溝56と異なる軌道に沿って延びていることが理解されよう。溝の異なる幅及び深さは、第1のボス50及び第2のボス52が異なる軌道を辿ることを可能にする。この構造は、第1のボス50及び第2のボス52を誘導するための非常にコンパクトな構造を可能にする。
【0041】
装置2はレバー58を含む。レバーはユーザによって手動で作動することができる。レバーはレバー軸60を中心にしてフレーム48に旋回可能に接続されている。第1の調合チャンバ部18は、膝関節62を介してフレーム48に接続されている。膝関節62は、プッシュロッド64及びクランク66を含む。プッシュロッド64は、膝軸68においてクランク66に旋回可能に接続されている。クランク66は、クランク軸70でフレーム48に旋回可能に接続されている。レバー58は、運転中に第1の調合チャンバ部18を作動させるために膝関節62に接続されている。ここで、レバー58は、レバーリンク74を通じて膝関節62に接続されている。レバーリンク74は、レバーリンク軸76でレバー58に旋回可能に接続されている。レバーリンク74は、膝リンク軸78でプッシュロッド74に旋回可能に接続されている。
【0042】
拘束リング80が、第1の調合チャンバ部18を囲むように構成されている。拘束リング80は、第1の調合チャンバ部18に対して軸方向に移動可能である。ここで、拘束リング80は、第1の調合チャンバ部18の外面によって誘導される。拘束リングは、1つ以上の弾性要素82、ここではコイルばねを介して第1の調合チャンバ部に接続されている。プッシュロッドは、プッシュロッド軸72で、拘束リング80に旋回可能に接続されている。これにより、ここで、膝関節62は、第1の調合チャンバ部18に間接的に、すなわち、拘束リング80及び1つ以上の弾性要素82を介して接続されている。拘束リングの機能が以下に述べられる。
【0043】
レバー58が下方向に動かされると、膝関節62が第1の調合チャンバ部18を第2の調合チャンバ部20に向けて押す。同時に、第1の溝54及び第2の溝56の形状に起因して、第1の調合チャンバ部18は、上方に傾斜した向きから、位置合わせされた向きに回転され、この向きにおいて、第1の調合チャンバ部18の軸方向は、第2の調合チャンバ部20の軸方向と位置合わせされている。
【0044】
上記で述べたように、装置2は、第1のカプセル4A又は第2のカプセル4Bのいずれかと選択的に協働するように構成される。ここで、システム1は、第1のカプセルが挿入されたか又は第2のカプセルが挿入されたかに応じて、調合チャンバを自動的に調節するように構成される。これは、第1のカプセル及び第2のカプセルの適切な取り扱いを選択するためにユーザ入力が必要とされないという利点をもたらす。このため、エラーの危険性が大幅に低減される。
【0045】
述べたように、第2の調合チャンバ部20は、中央部分32及び周縁部分34を有する抽出板30を含む。ここで、中央部分32は、第2の調合チャンバ部20の軸方向において移動可能である。この例では、中央部分32は、フレーム48に対して軸方向に摺動可能に移動可能なシャフト32’を含む。中央部32は、弾性部材84、ここではコイルばねを介してフレーム48に接続されている。図1A及び図1Bにおいて、弾性部材84は、中央部分を準備完了位置に付勢する。この例では、準備完了位置は拡張位置である。中央部分32は、第1のカプセル4Aと協働するために第1の調合位置に位置決めすることができる。中央部分は、第2のカプセル4Bと協働するために第2の調合位置に位置決めすることができる。この例では、システム1は、空洞24が第1のカプセル4Aを収容しているときに、第1の調合位置又はその近くに中央部分32をロックするように構成されたロック機構86を含む。
【0046】
ロック機構86は、ロック部88を含む。ここで、ロック部88は、旋回軸90の周りを旋回可能な旋回可能指部として設計される。ロック部88は、シャフト32’から離れて旋回した位置に付勢される。ロック部は、任意の他の適切な位置に付勢されることもできる。ロック機構86は、プッシャー92を更に含む。プッシャーは、第2の調合部20の本体94内に摺動可能に誘導される。プッシャー92は、弾性部材96、ここではコイルばねを介して本体94に接続されている。弾性部材96は、プッシャーを拡張位置に付勢する。第1の調合チャンバ部18は、アクチュエータ98を含む。ここで、アクチュエータは、第1の調合チャンバ部18の前面により形成される。
【0047】
図3A及び図3Bは、空洞24が第1のカプセル4Aを収容しているときのロック機構86の機能を示す。この例では、ここでは、蓋12A、出口領域13A及び/又はリム14Aによって形成される、第1のカプセル4Aの最も外側の部分は、アクチュエータ98に対し後方に、すなわち、より穿孔手段44の方に位置決めされる。結果として、第2の調合チャンバ部20に向けて第1のカプセル4Aを前進させるとき、アクチュエータ98は、第1のカプセル4Aの最も外側の部分が中央部分32に接触する前に、プッシャー92に接触することになる。プッシャーは、弾性部材96の付勢力に抗して押される。プッシャー92のリップ100は、ロック部88の傾斜面102に沿って摺動し、ロック部88をシャフト32’に向けて旋回させる。結果として、ロック部88の親指部104が中央部分32の部品106の移動経路内に配置される(図3Bを参照)。第1のカプセル4Aが更に第2の調合チャンバ部20に向かって前進するとき、第1のカプセル4Aは中央部分32に当接する。これにより、弾性部材84の付勢力に抗して中央部分が押されるようにすることができる。旋回したロック部88は、部品106が親指部104に当接する位置を越えて中央部分が進むことを阻止する。これは、ここでは第1の調合位置として定義される。このため、第1のカプセル4Aは、中央部分32を準備完了位置から第1の調合位置に移動させるように構成される。第1のカプセル4Aは、調合中、第1の調合チャンバ部18と第2の調合チャンバ部20との間に収容され、中央部分32は第1の調合位置にある。
【0048】
図4A及び図4Bは、空洞24が第2のカプセル4Bを収容しているときのロック機構86の機能を示す。この例では、ここでは、蓋12B、出口領域13B及び/又はリム14Bによって形成される、第2のカプセル4Bの最も外側の部分は、アクチュエータ98に対し前方に、すなわち、より調合チャンバ部20に向かって位置決めされる。結果として、第2の調合チャンバ部20に向けて第2のカプセル4Bを前進させたとき、第2のカプセル4Bの最も外側の部分は、アクチュエータ98がプッシャー92に接触する前に、中央部分32に接触することになる。中央部分32は、ロック部88が依然としてシャフト32’から離れるように旋回している間、弾性部材84の付勢力に抗して押される。結果として、部品106が親指部104の下を通過した。部品106が親指部104を通過した後にのみ、アクチュエータ98によって、弾性部材96の付勢力に抗してプッシャーが押される。プッシャー92のリップ100は依然としてロック部88の傾斜面102に沿って摺動し、これによりロック部88はシャフト32’に向かって旋回する。しかし、部品106は、その時点で既に親指部104を通過している。この例では、第2のカプセル4Bは、本体94に当接して中央部分32を押す。これは、ここでは第2の調合位置として定義される。ここで、第2のカプセル4Bは、中央部分32を準備完了位置から第2の調合位置に移動させるように構成される。第2のカプセル4Bは、調合中、第1の調合チャンバ部18と第2の調合チャンバ部20との間に収容され、中央部分32は第2の調合位置にある。
【0049】
このため、ロック機構86は、空洞24が第1のカプセル4Aを収容しているとき、中央部分32を第1の調合位置にロックするように構成される。ロックは片側のみとすることができ、すなわち、ロック機構は、空洞24が第1のカプセル4Aを収容しているとき、中央部分32が第1の調合位置を越えて動かされることを阻止することができることに留意されたい。しかし、第1の調合位置から準備完了位置への中央部分32の移動は阻止しないことができる。ロックユニット86は、第2のカプセル4Bが調合チャンバに含まれているときに、中央部分32が第1の調合位置に、又はその近くにロックされることを選択的に阻止するように構成される。ロックユニット86は、第2のカプセルが調合チャンバに含まれているときに、中央部分32が第2の調合位置に移動されることを選択的に可能にするように構成される。
【0050】
図3A及び図4Aを比較すると、第1の調合チャンバ部18を第2の調合チャンバ部20に向けて前進させる間、第1のカプセル4Aは、第2のカプセル4Bよりも更に第1の調合チャンバ部内に引き込まれていることが理解されよう。そして、第1の蓋12A、出口領域13A及び/又はリム14Aは、第2の蓋12B、出口領域13B及び/又はリム14Bよりも更に第1の調合チャンバ部18内に引き込まれている。
【0051】
図3B及び図4Bを比較すると、調合チャンバが第1のカプセル4Aを収容しているとき、中央部分32は空洞24内に延びることが理解されよう。中央部32は、第2のカプセルが第1の調合チャンバ部18内に含まれている場合に第2のカプセル4Bの蓋12B、出口領域13B及び/又はリム14Bがある位置を越えて第1の調合チャンバ部18内に延びる。
【0052】
上記で述べたように、膝関節62は、第1の調合チャンバ部18に間接的に、すなわち、拘束リング80及び1つ以上の弾性要素82を介して接続されている。図5A図5Cは拘束リング80の機能を実証する。
【0053】
図5Aにおいて、第1のカプセル4Aは、中央部分が第1の調合位置にある状態で中央部分32に当接する。拘束リング80は依然として後方の位置にある。レバー58は、まだその端部位置に達していないことが理解されよう。第1のチャンバ部18は突起108を含む。ここで、突起108は、実質的に環状の突起である。突起108は、外方に向かって延びている。ここで、突起部108は、第1の調合チャンバ部18の最も外側の縁を形成する。第2の調合チャンバ部20は保持器110を含む。ここで、保持器110は、保持器リップの円周状のリングとして設計される。保持器110は、本体94に旋回可能に接続されている。ここで、保持器110は、本体94に弾性的に旋回可能に接続されている。保持器110は歯112を含む。ここで、歯は第1の傾斜面114及び第2の傾斜面116を含む。
【0054】
レバー58を下降させるとき、拘束リング80は、第2の調合チャンバ部20に向けて前進する。1つ以上の弾性要素82は、第1の調合チャンバ部が、例えば、カプセル4A、4Bが間に締め付けられた状態で、第2の調合チャンバ部20と当接するまで、第1の調合チャンバ部18を拘束リング80の前に押す。この移動中、突起108は第1の傾斜面114に対し前進する。これにより、保持器110が外方向に旋回する(図5Aを参照)。更に前進することにより、突起108が第2の傾斜面116を越えて通過し、これによって保持器110が内方に旋回する(図5Bを参照)。第1の調合チャンバ部が第2の調合チャンバ部20に当接している間、レバー58を更に移動させ、特に下降させることにより、1つ以上の弾性要素82が圧縮される。結果として、拘束リング80が第2の調合チャンバ部20に向かって前進する。レバー58を更に下降させることにより、拘束リング80が、保持器110とロックリング118との間に介在することになる(図5Cを参照)。保持器110を取り囲む拘束リング80は、保持器110が外方に旋回することを阻止する。このため、第1の調合チャンバ部は、第2の調合チャンバ部20に対してロックされる。第1の調合チャンバ部は、第2の調合チャンバ部20上にロックされる。
【0055】
装置は、流体、例えば、湯等の液体を、圧力下で第1の調合チャンバ部18に供給するための流体供給システムを含むことができる。調合チャンバが飲料を調合するために流体で加圧されると、第1の調合チャンバ部18及び第2の調合チャンバ部20は、流体圧によって押され、互いから離される。保持器110及び拘束リング80、並びに任意選択でロックリング118は、流体圧力によって及ぼされる力のすべて又は一部を受ける。保持器110とロックリング118との間に介在する拘束リング80は、機械的安定性を高める。拘束リング80は、ロックリング118に当接し、その力の少なくとも一部をロックリング118に伝達することができるので、保持器110によってその上に加えられるすべての力を受ける必要はない。ロックリング118を不動にすることができ、このため容易に補強することができる。第1の調合チャンバ部は第2の調合チャンバ部20上にロックされているので、フレーム48及び作動機構、例えば膝関節は、この力を受ける必要がないか、又は少なくともより僅かな部分しか受ける必要がない。このため、フレーム及び/又は作動機構は、より弱くかつ/又は安価に設計することができる。
【0056】
拘束リング80の機能は、第1のカプセル4Aに関して図5A図5Cに示されてきたが、拘束リング80は、第2のカプセル4Bに関して同一に機能することができることが理解されよう。図6Aは、抽出中の調合チャンバ内の第1のカプセル4Aを示す。図6Bは、抽出中の調合チャンバ内の第2のカプセル4Bを示す。
【0057】
穿孔部材44は、カプセル4A、4Bの底部8A、8Bを穿孔するように構成される。図5A図5Cにも見て取ることができるように、この例では、穿孔部材44は、カプセル4A、4Bの蓋12A、12Bが第1の調合位置又は第2の調合位置において中央部分32に当接するまで底部8A、8Bを穿孔しない。これに加えて、弾性要素42及び弾性部材84の剛性を選択することができる。この例では、弾性要素42の剛性は、弾性部材84の剛性よりも大きくなるように選択されている。しかし、弾性要素42の剛性が弾性部材84の剛性に等しいこと、又は弾性要素42の剛性が弾性部材84の剛性よりも小さいこともあり得ることが理解されよう。
【0058】
カプセル4A、4Bが調合チャンバに含まれ、底部8A、8Bが穿孔されると、流体、この例では湯を加圧下で調合チャンバに供給することができる。したがって、調合チャンバは漏れないことが望ましい。これに加えて、中央部分32には、第1の封止部材120が設けられている。周縁部分34には、第2の封止部材122が設けられている。飲料調製装置2は、第1のカプセル4A又は第2のカプセル4Bのいずれかを用いて消費するのに適した量の飲料を調整するように構成される。量は所定量にすることができる。量は、ユーザ選択可能、ユーザ設定可能、又はユーザプログラム可能な量とすることもできる。
【0059】
図3Bを参照して、第1のカプセル4Aの観点の封止が説明される。第1の封止部材120は、第1のカプセル4Aを収容するための調合チャンバを形成するときに、中央部分32と第1の調合チャンバ18部との間に流体封止嵌合をもたらすように構成される。第1の封止部材120は、例えば50~70ショアAの範囲の硬度を有する任意の弾性プラスチック又はゴム、例えばシリコンから作製することができる。この例では、第1の封止部材120は、第1のカプセル4Aが調合チャンバに含まれているときに第1の調合チャンバ部18に当接する。これにより、カプセル4Aの外側の空洞24に存在する水のための封止がもたらされる。このようにして、調合チャンバ22A内に注入された調合流体が、カプセル4Aの外側の周りを迂回することが阻止される。図3Bの例では、第1の封止部材120は弾性リップ121を含む。弾性リップ121は、例えば5~20バールの高さであり得る調合チャンバにおける流体圧力の影響下で、中央部分32と第1の調合チャンバ部18との間で自己補強性の封止嵌合を提供するように構成される。したがって、弾性リップ121の剛性は、第1の封止部材120の残りの部分の剛性よりも高いか、又は低いか、又はこの部分と同じとすることができる。この例では、第1の封止部材120は、第1のカプセル4Aのリム14Aに当接する。リム14Aは、第1の当接面26によって第1の封止部材120に押し付けられる。これにより、出口領域13Aを介してカプセル4Aから出る飲料に対し、中央部分32とカプセル4Aとの間の封止嵌合がもたらされる。ここで、リム14Aの、カップ形状の本体6Aから離れる方を向いた側面は、第2の調合チャンバ部20に対して封止されていることが理解されよう。封止嵌合を補強するために、第1の封止部材120は、リム14A上に、第1のカプセル4Aのカップ形状の本体6Aから離れる方を向いた対応する溝において受けられるように構成された小さい突出した隆起を含むことができる。小さい突出した隆起は、リム14A上の、第1のカプセル4のカップ形状の本体6Aから離れる方を向いた平坦な部分に対し封止するように構成することもできる。代替的に、又は付加的に、リム14Aの、カップ形状の本体6Aの方を向いた側面は、第1の調合チャンバ部18に対し封止することができる。これに加えて、第1の調合チャンバ部18上、例えば、第1の当接面26上、及び/又はカプセル4A上、例えばリム14A若しくはカップ形状の本体6A上に追加の封止をもたらすことができる。カプセル上の封止が、第1の調合チャンバ部18と第2の調合チャンバ部20との間の封止に追加されてもよいことが明らかであろう。これにより、第1の封止部材120により封止する労力を低減することができる。
【0060】
図4Bを参照して、第2のカプセル4Bの観点の封止が説明される。第2の封止部材122は、第2のカプセル4Bを収容するための調合チャンバを形成するときに、周縁部分34と第1の調合チャンバ18部との間に流体封止嵌合を提供するように構成される。第2の封止部材122は、例えば50~70ショアAの範囲の硬度を有する任意の弾性プラスチック又はゴム、例えばシリコンから作製することができる。当業者には、第2の封止の特徴、例えば、大きさ、厚み、剛性等が、第1の封止部材120と同じであってもよいがその必要はないことが明らかであろう。この例において、第2の封止部材122は、第2のカプセル4Bが調合チャンバに含まれているときに第1の調合チャンバ部18に当接する。これにより、カプセル4Bの外側の空洞24に存在する水のための封止がもたらされる。図4Bの例では、第2の封止部材122は弾性リップ123を含む。弾性リップ123は、例えば5~20バールの高さであり得る調合チャンバにおける流体圧力の影響下で、周縁部分34と第1の調合チャンバ部18との間で自己補強性の封止嵌合を提供するように構成される。したがって、弾性リップ123の剛性は、第2の封止部材122の残りの部分の剛性よりも高いか、又は低いか、又はこの部分と同じとすることができる。また、弾性リップ123の特徴、例えば長さは、第1の封止部材120の弾性リップ121と同じであってもよいが、その必要はない。この例では、第2の封止部材122は、第2のカプセル4Bのリム14Bに当接する。リム14Bは、第2の当接面28によって、第2の封止部材122に押し付けられる。これにより、出口領域13Bを介してカプセル4Bから出る飲料に対し、周縁部分34とカプセル4Bとの間の封止嵌合をもたらすことができる。図4Bにおいて、第1の封止部材120は、第2のカプセル4Bを収容するための調合チャンバを形成するとき、中央部分32と周縁部分34との間の封止嵌合をもたらす。中央部分32と周縁部分34との間のこの封止嵌合は、自己補強することができる。それに加えて、周縁部分34と第2のカプセル4Bとの間の嵌合により、調合流体が第1の封止部材120に通過することを可能にすることができる。このため、第1の封止部材120は、出口領域13Bを介してカプセル4Bから出る飲料に対し、中央部分32とカプセル4Bとの間の封止嵌合をもたらす。一実施形態では、第1の封止部材120は、第2のカプセル4Bを収容するための調合チャンバを形成するとき、第1の封止部材120と第2の封止部材122との間に突出する周縁部分34の一部と直接封止接触していてもよい。代替的な実施形態では、第1の封止部材120は、周縁部分34に含まれる第2の封止部材122と直接封止接触していてもよい。ここで、リム14Bの、カップ形状の本体6Bから離れる方を向いた側面は、第2の調合チャンバ部20に対し封止され、このリムは、蓋、例えば箔によって覆われていても覆われていなくてもよいことが理解されよう。代替的に又は付加的に、リム14Bの、カップ形状の本体6Bの方を向いた側面は、第1の調合チャンバ部18に対し封止することができる。それに加えて、第1の調合チャンバ部18上、例えば、第2の当接面28上、及び/又はカプセル4B上、例えばリム14B上若しくはカップ形状の本体6B上に追加の封止をもたらすことができる。カプセル上の封止が、第1の調合チャンバ部18と第2の調合チャンバ部20との間の封止に追加されてもよいことが明らかであろう。これにより、第2の封止部材122により封止する労力を低減することができる。
【0061】
流体が圧力下で調合チャンバ内のカプセル4A、4Bに供給されるとき、出口領域13A、13Bは、抽出板30に対し開放することができる。抽出板30は、この例では複数の浮彫要素124を含む。ここで、浮彫要素124は角錐台である。カプセル4A、4Bの内部の圧力上昇により、出口領域13A、13Bが浮彫要素に対し裂け、飲料がカプセル4A、4Bを出ることを可能にすることができる。
【0062】
飲料は、抽出板内の開口を介して抽出板30を通過することができる。次に飲料は出口126へ流れることができる。出口126から、飲料は、カップ等の容器内に流れることができる。
【0063】
飲料が調合されると、レバー58を上方に移動させることができる。これにより、拘束リング80は保持器110から離れるように移動される。次に、第1の調合チャンバ部18が後方に移動される。保持器110の第2の傾斜面116は、保持器が突起108を通過させることを可能にすることができる。第1の調合チャンバ18部は、第2の調合チャンバ部20から離れるように移動する。中央部分32は、準備完了位置に戻る。ボス50、52及び溝54、56は、第1の調合チャンバ部18によって辿られる経路を画定する。図7A及び図7Bに示されるように、第1の調合チャンバ部は下方に回る。これにより、重力の影響下で空洞24から使用済みカプセル4A、4Bを出すことが促進される。エジェクタ38は、カプセル4A、4Bを穿孔部材44から押し退け、空洞24外に押し出すのを支援することができる。使用済みカプセル4A、4Bは、装置2のくずかご内に落下することができる。
【0064】
この例では、第1のカプセル4A及び第2のカプセル4Bは、同様の視覚的印象を与えるように設計されている。図8Aは、第1の調合チャンバ部18及び第2の調合チャンバ部20によって形成された調合チャンバ22Aに挿入された第1のカプセル4Aの例を示す。周方向の壁10Aは、その場所で空洞24よりも狭いことが理解されよう。結果として、空洞24の内部に第1のカプセル4Aを取り囲む第1の容積126が存在する。図8Bは、第1の調合チャンバ部18及び第2の調合チャンバ部20によって形成された調合チャンバ22Bに挿入された第2のカプセル4Bの例を示す。周方向の壁10Bの一部128は、その場所で空洞24よりも狭いことが理解されよう。この部分128は、周方向の壁10Bのうち、第1の当接面26を越えて延びる部分によって形成されている。結果として、空洞24の内部に第2のカプセル4Bを取り囲む第2の容積130が存在する。
【0065】
第1の容積126は、調合チャンバが第1のカプセル4Aを収容しているときに、第1のカプセル4Aによって占有されないことに留意されたい。しかし、この第1の容積126は、調合チャンバが第2のカプセル4Bを収容しているときに、第2のカプセル4Bの一部によって占有される。第2の容積130は、調合チャンバが第2のカプセル4Bを収容しているときに、第2のカプセル4Bによって占有されない。この第2の容積130は、調合チャンバが第1のカプセル4Aを収容しているときに、抽出板30の中央部分32を受けることができる。
【0066】
第1のカプセル4Aを用いて飲料を調合するとき、第1の容積126は、水等の流体で満たされ、この流体は、飲料の調合に使用されない。この流体は、調合後にくずかごに排出することができる。第2のカプセル4Bを用いて飲料を調合するとき、第2の容積130は、水等の流体で満たされ、この流体は、飲料の調合に使用されない。この流体は、調合後に容器、例えばくずかごに排出することができる。この例では、第1の容積126は、第2の容積130と実質的に等しい。このため、くずかごに向けられる流体の容積は、第1のカプセル4Aを用いて飲料を調合するときと、第2のカプセル4Bを用いて飲料を調合するときとで実質的に等しい。
【0067】
図9A図9Cは、位置合わせキャップ140を設けられた、システムの第1の調合チャンバ部18の、それぞれ断面図、上面図、及び断面詳細図を示す。第1の調合チャンバ部18は、チャンバ内壁によって境界を画され、第1のカプセル4A又は第2のカプセル4Bを収容するように構成された空洞24を含む。第1の調合チャンバ部18は、底部145からチャンバ充填口160の方向に延びる第1の部分24Aと、第1の部分24Aからチャンバ充填口160の方向に延びる第2の部分24Bとを有する。第1の調合チャンバ部18の空洞24は、第1の調合チャンバ部18の第1の部分24Aと第2の部分24Bとの間の移行領域でその直径の急激な増大を含む。この例では、第1の調合チャンバ部18は、第2の部分24Bからチャンバ充填口160の方向に延びる第3の部分24Cを有する。第2の部分24Bと第3の部分24Cとの間にも、第1の調合チャンバ部18の直径の急激な増大がある。ここで、第1の調合チャンバ部18の外壁側面は、外方に延びるリム150を含む。第1の調合チャンバ部18には、収縮位置(図11Aを参照)と拡張位置(中でも図9Aを参照)との間で第1の調合チャンバ部18の軸方向に移動可能な位置合わせキャップ140が更に設けられている。収縮位置では、位置合わせキャップ140の開口139を通ってナイフ44が延びている。収縮位置では、位置合わせキャップは、充填口160から見てナイフ44の先端を越えて遠位に位置決めされている。拡張位置では、位置合わせキャップ140は、第1の調合チャンバ部18の充填口160から見て、少なくとも1つのナイフ44を越えて近位に突出する。この例では、位置合わせキャップ140は、穿孔手段が通って延びることができる中央開口139を含む円錐リングとして具現化される。別の実施形態では、位置合わせキャップ140は異なる形状を有してもよく、それによって、穿孔手段44は、位置合わせキャップの拡張された位置で、かつチャンバ充填口から見て覆われてもよい。その場合、穿孔手段は、例えば位置合わせキャップ140の収縮位置におけるスリットとして具現化された開口を通って延びてもよい。第1の調合チャンバ部18には、弾性要素38が更に設けられ、この弾性要素38は、抽出板30の中央部分32の第1の位置から第2の位置の方向に位置合わせキャップ140に力を加える。本例では、弾性要素38は、コイルばねである。位置合わせキャップ140は、チャンバ充填口160から見て弾性要素38を覆うような、例えば、弾性要素38を越えて近位に延びるような形状になっている。この例では、位置合わせキャップ140は、外壁141と内壁142とを含み、これらの壁はカプセル当接面143によって接続されている。位置合わせキャップ140は、チャンバ充填口160から見てリング状の構造を有する。外壁141、内壁142及びカプセル当接面143は、図9A及び図9Cに見ることができるようなU字型の断面を形成する。外壁141と内壁142との間の空間は、弾性要素38を少なくとも部分的に受けるように構成されている。位置合わせキャップ140のU字型の断面の開放端は、第1の調合チャンバ部18の底部に向けられている。
【0068】
第1の調合チャンバ部18には、チャンバ底部からチャンバ充填口160の方向に延びる、少なくとも1つのナイフ44、又は複数のナイフ、例えば3つのナイフ等の穿孔手段44が更に設けられている。この例では、穿孔手段44は、取付板に取り付けられた3つのナイフを含む。3つのナイフは、取付板の円周上に等間隔で取り付けられている。ナイフ同士の間には保持手段170が設けられており、保持手段170は、例えば、圧力が例えば調合中に位置合わせキャップ140に加えられているとき、位置合わせキャップ140がその拡張位置より更にチャンバ充填口160に向かって移動され得ないように位置合わせキャップを維持するように構成される。保持手段170は、例えば、位置合わせキャップ140上の1つ以上の対応する保持器144と協働するように構成された複数の外方に延びる舌部として具現化することができる。この例では、位置合わせキャップは、舌部を誘導するための溝148を含む。ここで、保持器は溝148の端部に位置決めされている。この例では、ナイフ及び保持手段は、取付板上に、特に取付板の円周に沿って、交互に取り付けられている。穿孔手段、保持手段及び取付板は、好ましくは単片にすることができる。
【0069】
図10A図10Bは、拡張位置にある位置合わせキャップ140が設けられた第1のチャンバ部18にそれぞれ第1のカプセル4A、第2のカプセル4Bが装填された、システムの第1の調合チャンバ部18の断面図を示す。
【0070】
第1のカプセル4Aの装填中、第1のカプセル4Aのリム14Aは、第1の調合チャンバ部18の第2の部分24Bの内面36によって誘導される。第1のカプセル4Aの底部8Aは、位置合わせキャップ140に当接するまで空洞24内に下降する。ここで、第1のカプセル4Aの底部8Aは、位置合わせキャップ140を中心とする。第1のカプセル4Aのリム14Aは、第1の当接面26と第2の当接面28との間で軸方向に位置決めされていることが理解されよう。この状態では、第1のカプセル4Aの底部8Aはまだ穿孔されていない。
【0071】
第2のカプセル4Bの装填中、第2のカプセル4Bの周方向の壁10Bが第1の調合チャンバ部18の内面46によって誘導される。第2のカプセル4Bの底部8Bは、位置合わせキャップ140に当接するまで空洞24内に下降する。ここで、第2のカプセル4Bの底部8Bは、位置合わせキャップ140を中心とする。第2のカプセル4Bのリム14Bは、穿孔手段44から見て第2の当接面28を越えて位置決めされていることが理解されよう。この状態では、第2のカプセル4Bの底部8Bはまだ穿孔されていない。
【0072】
第1のカプセル4A及び第2のカプセル4Bの各々の底部8A、8Bは、面取りされた部分を含み、この例では、その傾斜が位置合わせキャップ140のカプセル当接面143に対応し、第1のカプセル4A又は第2のカプセル4Bが、第1の調合チャンバ部18が閉じる前に既に、又は第2の調合チャンバ部20によって第1の調合チャンバ部18が閉じる間に、及び/又は少なくとも1つのナイフ44が第1のカプセル4Aの底部8A若しくは第2のカプセル4Bの底部8Bの穿孔を開始する前に、第1の調合チャンバ部18の空洞24内で中心合わせされるようになっている。
【0073】
図10A及び図10B図9Cと比較するとき、ここで、システムは、位置合わせキャップ140がA1 mm移動される場合にのみ、第2のカプセル4Bが、少なくとも1つのナイフ44によって穿孔され始めるように設計されることを見て取ることができる。この例において、A1は、図9Cに示されているような拡張位置から、収縮位置の方向に約0.5~3mmの範囲にある。図9Cに示すような完全に拡張された位置では、カプセルの底部は少なくとも1つのナイフ44に接触していない。充填口に面する位置合わせキャップ140の外面143は凹形状であり、第1のカプセル又は第2のカプセルの底部の外面は凸形状である。位置合わせキャップの凹形状とカプセル底部の凸形状は、それぞれ第1のカプセル4A又は第2のカプセル4Bの底部を位置合わせキャップ140内で少なくとも部分的に受けることができるような相補的形状である。図10Bは、第2のカプセル4Bが、位置合わせキャップが拡張位置にある間に第2のカプセル4Bの底部8Bが装填時に位置合わせキャップ140に接触する場合、第2のリム14Bが第1の調合チャンバ部18の輪郭190の少なくとも部分的に外側に位置決めされるような第2のカプセルの軸方向の長さを有することも示す。また、位置合わせキャップが拡張位置にある間に第2のカプセル4Bの底部8Bが位置合わせキャップ140に接触する場合、ナイフが底部を穿孔しないことも見て取ることができる。
【0074】
図11A図11Bは、収縮位置にある位置合わせキャップ140が設けられた第1の調合チャンバ部18内に第2のカプセルが装填された、システムの第1の調合チャンバ部18及びその底部の断面図を示す。ここでは、圧力下で流体、例えば、湯等の液体を、第1の調合チャンバ部18、特に第1のチャンバ部18の底部に供給するための流体供給システム180が示されている。充填口160に面する第1の調合チャンバ部18の底部145の表面の一部分146は、位置合わせキャップ140に対し径方向に外方に延びる。図11A及び図11Bに示すような位置合わせキャップの収縮位置では、第1の調合チャンバ部18の充填口160に面する位置合わせキャップ140の外面の一部分、特にカプセル当接面143と、充填口160に面し、位置合わせキャップ140に対し径方向に外方に延びる第1の調合チャンバ部18の底部の表面の一部分146とは、同一面上にあり、組合せにより、凹状の第1の形状を有する結合面を形成する。第2のカプセル4Bの底部8Bの外面は、第1の凹状の第1の形状と相補的な凸状の第2の形状を有する。このため、調合位置において、第2のカプセル4Bの底部8Bは、第1の形状を有する結合面によって境界を画される空間にすっぽり嵌まる。第1の調合チャンバ部18の軸方向における位置合わせキャップ140の長さ、特に、外面141及び/又は内面142の長さは、結合面が位置合わせキャップ140の収縮位置において形成されるとき、外面141及び/又は内面142の自由端が、第1の調合チャンバ部18の底部に当接するように選択することができる。第2のカプセル4Bは、第2のカプセルが、位置合わせキャップ140の収縮位置に対応して調合位置にある場合に、第2のカプセルの側壁の外面の少なくとも一部分が、第1の部分24Aによって形成される第1の調合チャンバ部18のチャンバ内側壁に隣接して位置するような形状を有する。第2のカプセル4Bが調合位置にある場合、第2のリム14Bは、第3の部分24Cによって形成される第1の調合チャンバ部18のチャンバ内側壁に隣接する。第2のカプセル4Bは、位置合わせキャップ140が収縮位置にある間に、第2のカプセル4Bの底部8Bが位置合わせキャップ140と接触する場合、このため、底部8Bが少なくとも1つのナイフ44によって穿孔されるとき、第2のリム14Bが、図10Bに示されるような位置合わせキャップ140のより拡張した位置における第2のリム14Bの位置とは対照的に、第1の調合チャンバ部18の輪郭の内側に位置決めされるような、第2のカプセルの軸方向の長さを有する。
【0075】
本明細書では、本発明は、本発明の実施形態の具体例を参照して説明されている。しかし、本発明の本質から外れることなく、これに様々な修正及び変更を行うことができることが明らかであろう。明確性及び簡潔な説明のために、特徴は、本明細書において、同じ又は別個の実施形態の一部として説明されるが、これらの別個の実施形態において説明される特徴のすべて又は一部の組合せを有する代替的な実施形態も想定される。
【0076】
この例では、抽出板の中央部分は、複数の浮彫要素を含む。周縁部分は浮彫要素を含まない。しかし、周縁部分は浮彫要素を含むこともできることが理解されよう。抽出板及び第2の出口領域は、第2の出口領域の開放時の流れ抵抗が、第1の出口領域の開放時の流れ抵抗未満になるように互いに対して適合させることができる。抽出板及び第2の出口領域は、第2の出口領域が第1の出口領域よりも大きい表面領域にわたって抽出板上で裂けるように互いに対して適合させることができる。抽出板及び第2の出口領域は、第2の出口領域が、抽出板上で第1の出口領域よりも多くの場所で裂けるように互いに対して適合させることができる。外側の浮彫要素は、第1の出口領域及び第2の出口領域の双方を裂くように設計されてもよく、第2の出口領域は、第1の出口領域よりも大きい表面にわたって外側の浮彫要素上で裂ける。抽出板は、第1のタイプの浮彫要素と、第2のタイプの少なくとも1つの浮彫要素とを含むことができ、第1のタイプの浮彫要素は、第1の出口領域に対応する領域内に配置され、第2のタイプの少なくとも1つの浮彫要素は、第2の出口領域に対応する領域内、かつ第1の出口領域に対応する領域外に配置される。第2のタイプの浮彫要素は、第1のタイプ浮彫要素よりも鋭い縁を有することができる。第2の出口領域は、弱体化ゾーンを含むことができる。弱体化ゾーンは、第2の出口領域の周辺領域内に配置されてもよい。
【0077】
この例では、第1のカプセル及び第2のカプセルは、実質的に同じ形状を有する。異なる形状を有する第3のカプセルを提供することも可能である。第3のカプセルは、例えば、中央部分が第1の抽出位置にあるときに、調合チャンバを実質的に充填するような形状にすることができる。異なる形状を有する第4のカプセルを提供することも可能である。第4のカプセルは、例えば、中央部分が第2の抽出位置にあるときに調合チャンバを実質的に充填するような形状にすることができる。
【0078】
この例では、第1のカプセルは、外方に延びるフランジ状のリムを有する。第1のカプセルは、外方に延びるリムを含まないことが可能であることが理解されよう。この例では、第2のカプセルは、外方に延びるフランジ状のリムを有する。第2のカプセルは、外方に延びるリムを含まないことが可能であることが理解されよう。
【0079】
この例では、カプセル本体及び蓋は、蓋を本体に容易に溶接できるようにするために、アルミニウム箔、好ましくは高分子被覆アルミニウム箔から作製される。カプセル本体及び/又は蓋は、当業者によって適切であるとみなされ、押出、同時押出、射出成形、吹込み成形、真空成形等の、当該技術分野において従来から既知の技法を用いて、シート、膜又は箔に加工されることが可能な、多岐にわたる材料から作製することができることが理解されよう。カプセル本体及び/又は蓋に適した材料には、限定ではないが、プラスチック材料、特に熱可塑性材料、例えばポリオレフィン重合体、例えばポリエチレン若しくはポリプロピレン、PVC、ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、アルミニウム、ステンレス、金属合金等の金属箔、又は織若しくは不織若しくは他の形で加工された、紙、ポリエステル等のような繊維質材料のシート、又はそれらの組合せ、例えば多層が含まれる。カプセルの材料は、生分解性ポリマー又は別の生分解性材料とすることができる。当業者は、食材との想定される使用、及びカプセルの使用中の任意の他の関連状況を考慮に入れて、適切な材料を選択することが可能であろう。シート又は箔の厚さは、形状が安定したカプセルがもたらされるように選択することができる。シート又は箔の厚さは、材料の性質に応じて変化してもよい。
【0080】
この例では、カプセルは閉じたカプセルである。システムに開いたカプセルを提供することも可能である。開いたカプセルは、装置に挿入する前に開いている。開いたカプセルは予め穿孔されていてもよい。開いたカプセルは、気密封止パッケージに梱包することができる。このパッケージは、開いたカプセルを装置に挿入する前に除去されなくてはならない。この例では、カプセルは穿孔手段により穿孔される。システムに、穿孔手段によって穿孔されていないカプセルを提供することも可能である。そのようなカプセルは、例えば、入口フィルタを含むことができる。この例では、カプセルは抽出板に対して開いている。システムに、抽出板に対して開いていないカプセルを提供することも可能である。このようなカプセルは、例えば出口フィルタを含むことができる。
【0081】
この例では、カプセル自体は封止部材を含まない。カプセルに、封止部材、例えば弾性封止部材を設けることが可能であることが理解されよう。封止部材は、例えば、リム上、例えば、カップ形状の本体の方を向いた側面上、又はカップ形状の本体から離れる方を向いた側面上に配置することができる。代替的に、又は付加的に、封止部材は、周方向の壁及び/又は底部に設けることができる。
【0082】
この例では、拘束リング及び保持器は、第1の調合チャンバ部及び第2の調合チャンバ部の実質的に全周に沿って延びる。これにより、2つの調合チャンバ部が、互いに対し特に良好にロックされる。しかし、拘束リング及び保持器は、円周に沿った1つ以上の離散的な位置、例えば、2つ、3つ、4つ、6つ又は8つの位置に拘束手段及び保持手段を含むことも可能であることが理解されよう。
【0083】
第1のカプセルを用いて飲料を調合するが、第2のカプセルを用いて飲料を調合することができないように構成された第1の装置を提供することも可能であることが理解されよう。そのような第1の装置は、図面に関連して説明した装置、及び第1のカプセル、及び任意選択で第2のカプセルを有するシステムに含めることができる。
【0084】
第2のカプセルを用いて飲料を調合するが、第1のカプセルを用いて飲料を調合することができないように構成された第2の装置を提供することも可能であることが理解されよう。そのような第2の装置は、図面に関連して説明した装置、及び第2のカプセル、及び任意選択で第1のカプセルを有するシステムに含めることができる。
【0085】
しかし、他の変更、変形、及び代替形態も可能である。したがって、明細書、図面及び実施例は、限定的な意味ではなく、例示的な意味とみなされる。
【0086】
明確性及び簡潔な説明のために、特徴は、本明細書において、同じ又は別個の実施形態の一部として説明されるが、本発明の範囲は、記載された特徴のすべて又は一部の組合せを有する実施形態を含み得ることが理解されよう。
【0087】
請求項において、括弧間に配置されたいかなる参照符号も、特許請求の範囲の限定とみなされるものではない。「含む、備える」という語は、特許請求の範囲に挙げた以外の特徴又はステップの存在を除外しない。更に、「1つの」(「a」及び「an」)は、「1つのみ」への限定として解釈されるものではなく、「少なくとも1つ」を意味するように用いられ、複数を除外しない。いくつかの手段が互いに異なる従属請求項で列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組合せが有利に使用され得ないことを示すものではない。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図11A
図11B