(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-16
(45)【発行日】2023-02-27
(54)【発明の名称】変形可能なダイナミゼーションデバイス
(51)【国際特許分類】
A61B 17/62 20060101AFI20230217BHJP
【FI】
A61B17/62
(21)【出願番号】P 2020522075
(86)(22)【出願日】2018-10-17
(86)【国際出願番号】 US2018056321
(87)【国際公開番号】W WO2019079476
(87)【国際公開日】2019-04-25
【審査請求日】2021-09-21
(32)【優先日】2017-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510210597
【氏名又は名称】テキサス スコティッシュ ライト ホスピタル フォー チルドレン
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロス、ジョン ディー
(72)【発明者】
【氏名】サンチュコフ、ミハイル エル
(72)【発明者】
【氏名】チェルカシン、アレクサンダー エム
【審査官】鈴木 敏史
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-513609(JP,A)
【文献】特表2008-504070(JP,A)
【文献】国際公開第2016/193801(WO,A1)
【文献】米国特許第6176860(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/62
A61B 17/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向軸を有するダイナミゼーションデバイスであって、前記ダイナミゼーションデバイスが、第1の長手方向軸を有している第1のモジュールと、第2の長手方向軸を有している第2のモジュールとを備え、
前記第1のモジュールが、
外壁と、
前記外壁の第1の端部に配置され、中央開口を備えた第1のキャップと、
前記外壁の第2の端部に配置され、前記第2の端部にねじ付き凹部を備えた内部カラムと
を備え、
前記外壁、前記中央開口、前記ねじ付き凹部、および前記内部カラムが、前記第1の長手方向軸と略同軸上にあり、
前記第2のモジュールが、
外壁と、
前記第2のモジュールの第1の端部に配置され、中央開口を備えた第2のキャップと、
前記外壁の第1の端部に配置され、前記第1の端部に前記第2のキャップの前記中央開口と整列されているねじ付き凹部を備えた内部カラムと
を備え、
前記外壁、前記中央開口、前記ねじ付き凹部、および前記内部カラムが、前記第2の長手方向軸と略同軸上にあり、
前記第1および第2のモジュールは、前記第1のモジュールの前記内部カラムが前記第2のモジュールの前記外壁内に位置づけられ、第2のモジュールの前記内部カラムが前記第1のモジュールの前記外壁内に位置づけられて、前記第1および第2の長手方向軸が前記ダイナミゼーションデバイスの前記長手方向軸と同軸となるように、共に結
合され、
結合された第1および第2のモジュールが、前記第1のモジュールの前記内部カラムと前記第2のモジュールの前記内部カラムとの間に第1の変位ギャップを形成し、
前記ダイナミゼーションデバイスがさらに、
結合された第1および第2のモジュールの第1の端部に位置づけられた変形可能なリングの第1のセットであって、前記変形可能なリングの第1のセットの各々の一部が、前記第1および第2のモジュールに接続される、変形可能なリングの第1のセットと、
結合された第1および第2のモジュールの第2の端部に位置づけられた変形可能なリングの第2のセットであって、前記変形可能なリングの第2のセットの各々の一部が、前記第1および第2のモジュールに接続される、変形可能なリングの第2のセットと、を備える、ダイナミゼーションデバイス。
【請求項2】
前記変形可能なリングの第1のセットが、
変形可能な第1リングと、
変形可能な第2リングと、
変形可能な第3リングと
を備え、
前記変形可能な第1リングは、前記ダイナミゼーションデバイスの第1の端部に位置づけられ、互いに対向して半径方向に位置づけられている第1のリングコネクタによって、前記第1のモジュールの前記外壁の一部、および、前記第2のモジュールの前記外壁の一部に接続され、それによって、前記変形可能な第1リングを変形させることにより前記第1および第2のモジュールを互いに対して長手方向に変位させることができ、
前記変形可能な第2リングは、前記変形可能な第1リングから長手方向に変位され、互いに対向して半径方向に位置づけられている第2のリングコネクタによって、前記第1のモジュールの前記外壁の一部、および、前記第2のモジュールの前記外壁の一部に接続され、それによって、前記変形可能な第2リングを変形させることにより前記第1および第2のモジュールを互いに対して長手方向に変位させることができ、
前記変形可能な第3リングは、前記変形可能な第2リングから長手方向に変位され、互いに対向して半径方向に位置づけられている第3のリングコネクタによって、前記第1のモジュールの前記外壁の一部、および、前記第2のモジュールの前記外壁の一部に接続され、それによって、前記変形可能な第3リングを変形させることにより前記第1および第2のモジュールを互いに対して長手方向に変位させることができ、
前記第1、第2、および第3のリングコネクタが、それぞれ、第1、第2、および第3の半径方向位置に位置づけられ、
前記変形可能なリングの第2のセットが、
変形可能な第4リングと、
変形可能な第5リングと、
変形可能な第6リングと
を備え、
前記変形可能な第4リングは、前記ダイナミゼーションデバイスの第2の端部に位置づけられ、互いに対向して半径方向に位置づけられている第4のリングコネクタによって、前記第1のモジュールの前記外壁の一部、および、前記第2のモジュールの前記外壁の一部に接続され、それによって、前記変形可能な第4リングを変形させることにより前記第1および第2のモジュールを互いに対して長手方向に変位させることができ、
前記変形可能な第5リングは、前記変形可能な第4リングから長手方向に変位され、互いに対向して半径方向に位置づけられている第5のリングコネクタによって、前記第1のモジュールの前記外壁の一部、および、前記第2のモジュールの前記外壁の一部に接続され、それによって、前記変形可能な第5リングを変形させることにより前記第1および第2のモジュールを互いに対して長手方向に変位させることができ、
前記変形可能な第6リングは、前記変形可能な第5リングから長手方向に変位され、互いに対向して半径方向に位置づけられている第6のリングコネクタによって、前記第1のモジュールの前記外壁の一部、および、前記第2のモジュールの前記外壁の一部に接続され、それによって、前記変形可能な第6リングを変形させることにより前記第1および第2のモジュールを互いに対して長手方向に変位させることができ、
前記第4、第5、および第6のリングコネクタが、それぞれ、第4、第5、および第6の半径方向位置に位置づけられる、請求項1に記載のダイナミゼーションデバイス。
【請求項3】
前記第1および第2のモジュールの前記外壁が、略円筒形状であり、前記第1および第2のモジュールの前記内部カラムが、略円筒形状である、請求項1に記載のダイナミゼーションデバイス。
【請求項4】
前記第1および第2のキャップの各々が、略半円形状を有する、請求項1に記載のダイナミゼーションデバイス。
【請求項5】
前記第2のモジュールが、前記内部カラムの第2の端部から半径方向に突出する止め部材をさらに備える、請求項1に記載のダイナミゼーションデバイス。
【請求項6】
結合された第1および第2のモジュールが、前記第2のモジュールの第2の端部と前記第1のモジュールの前記止め部材との間に第2の変位ギャップを形成し、前記第1および第2の変位ギャップが実質的に類似した長手方向距離を有する、請求項5に記載のダイナミゼーションデバイス。
【請求項7】
前記第2の半径方向位置が前記第1の半径方向位置に対して実質的に45度にあり、前記第3の半径方向位置が前記第1の半径方向位置に対して実質的に90度にあり、前記第5の半径方向位置が前記第4の半径方向位置に対して実質的に45度にあり、および前記第6の半径方向位置が前記第4の半径方向位置に対して実質的に90度にある、請求項2に記載のダイナミゼーションデバイス。
【請求項8】
前記ダイナミゼーションデバイスの一部または前記変形可能なリングが、ABSプラスチック、PLA、ポリアミド、ガラス入りポリアミド、エポキシ樹脂、銀、チタン、鋼、ワックス、フォトポリマー、およびポリカーボネートからなる群から選択される材料で構成される、請求項1に記載のダイナミゼーションデバイス。
【請求項9】
前記ダイナミゼーションデバイスが、アディティブプリンティングプロセスによって製造される、請求項1に記載のダイナミゼーションデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、骨折の治療的処置に使用される固定器の分野に関する。より具体的には、本開示のデバイスは、対応する固定器の軸の不安定化の制御(ダイナミゼーション)を提供し得る。
【背景技術】
【0002】
本開示の範囲を限定するものではないが、この背景技術は、創外固定器、具体的には接続ストラットおよびロッドに関連して説明される。概して、創外固定器は、脚延長術、変形矯正、骨折整復、ならびに癒着不能、変形癒合、および骨欠損の処置を含む様々な外科処置で一般に使用される。このプロセスは、外部から脚の周りに配置されて、ワイヤおよびハーフピンを使用して骨セグメントに取り付けられる1つまたは複数のリングを備える剛性フレームワークを伴い、このワイヤおよびハーフピンは、骨セグメント内に挿入されて、外部の剛性フレームワークの関連セクションに接続される。剛性フレームワークの両側のリングは、直接または一平面もしくは多平面ヒンジを用いてねじ込みもしくは伸縮ロッドによって相互接続され、これによって、外科医は、一定期間にわたる骨セグメントの迅速(早急)なまたは段階的な処置の後に互いに平行ではない両側のリングを接続することができる。
【0003】
たとえば、骨折整復または癒着不能処置では、ワイヤおよびハーフピンが各骨セグメントに挿入され、剛性フレームワークのリングに取り付けられる。剛性フレームワークは、変位を早急に整復して、骨セグメント間の整合を回復させるために使用することができる。骨セグメントの再整合の間、両側のリングの向きは、平行でない場合が多い。剛性フレームワークのこれらの両側のリングは、ねじ込みもしくは伸縮ロッドによって直接、または一平面もしくは多平面ヒンジが取り付けられて、共に接続される。これによって、両側の骨セグメントを、骨折の治癒または骨の強化が完了するまで強固に固定することができる。
【0004】
様々な骨処置では、フレームの軸の不安定化の制御を導入することによって、骨の治癒を加速させて、骨折仮骨の強度を著しく改善することができるか、または伸延骨が再生する。負荷を徐々に増大させることは、骨治癒プロセスの重要な部分である。このような不安定化の制御を達成するために、創外固定器をダイナミゼーションすることができる。たとえば、片側固定器でのそのバーの除去、骨からさらに離れる方向へのバーの摺動、そのピンの除去、および/またはシステムからの張力もしくは圧縮の解放、ならびに円形フレームでのそのワイヤの除去、ワイヤからの張力の解放、リング間のその接続ロッドの除去、リングブロックからのリングの除去、および/またはシステムからの張力もしくは圧縮の解放を含む、ダイナミゼーションを達成する多数の方法が存在する。これらの技術は、多くの場合、結果的に不安定性のレベルが大きくばらつき、ダイナミゼーションを所望の運動方向または軸に効果的に限定することができないため、問題であり得る。
【発明の概要】
【0005】
本明細書にはダイナミゼーションデバイスが記載される。一実施形態によれば、ダイナミゼーションデバイスは、長手方向軸を有し、第1の長手方向軸を有している第1のモジュールを備え得る。第1のモジュールは、略円筒形状を有している外壁と、外壁の第1の端部に配置され、中央開口を備える半円形のキャップと、外壁の第2の端部に配置され、第2の端部にねじ付き凹部を備える内部カラムと、内部カラムの第2の端部から半径方向に突出する止め部材とを備え得、外壁、中央開口、ねじ付き凹部、および内部カラムは、第1の長手方向軸と略同軸上にある。ダイナミゼーションデバイスはまた、第2の長手方向軸を有し得る第2のモジュールを備え得、第2のモジュールは、略円筒形状を有している外壁と、外壁の第1の端部に配置され、中央開口を備える半円形のキャップと、外壁の第1の端部に配置され、半円形のキャップの中央開口と整列されている第1の端部にねじ付き凹部を備える内部カラムとを備え得、外壁、中央開口、ねじ付き凹部、および内部カラムは、第2の長手方向軸と略同軸上にある。第1および第2のモジュールは、第1のモジュールの内部カラムが第2のモジュールの外壁内に位置づけられ、第2のモジュールの内部カラムが第1のモジュールの外壁内に位置づけられるように、共に結合され得、それによって、第1および第2の長手方向軸が同軸となる。結合された第1および第2のモジュールは、第1のモジュールの内部カラムと第2のモジュールの内部カラムとの間に第1の変位ギャップを形成し、第2のモジュールの第2の端部と第1のモジュールの止め部材との間に第2の変位ギャップを形成し得、第1および第2の変位ギャップは、実質的に類似した長手方向距離を有している。
【0006】
ダイナミゼーションデバイスはまた、結合された第1および第2のモジュールの第1の端部に位置づけられた複数の変形可能な第1のリング群を備え得る。複数の変形可能な第1のリング群は、変形可能な第1リングを備え得、変形可能な第1リングは、第1および第2のモジュールの第1の端部に位置づけられ、互いに対向して半径方向に位置づけられている第1のリングコネクタによって、第1のモジュールの外壁の一部、および、第2のモジュールの外壁の一部に接続され、それによって、変形可能な第1リングを変形させることにより第1および第2のモジュールを互いに対して長手方向に変位させることができる。複数の変形可能な第1のリング群はさらに、変形可能な第2リングを備え得、変形可能な第2リングは、変形可能な第1リングから長手方向に変位され、互いに対向して半径方向に位置づけられている第2のリングコネクタによって、第1のモジュールの外壁の一部、および、第2のモジュールの外壁の一部に接続され、それによって、変形可能な第2リングを変形させることにより第1および第2のモジュールを互いに対して長手方向に変位させることができる。複数の変形可能な第1のリング群はさらに、変形可能な第3リングを備え得、変形可能な第3リングは、変形可能な第2リングから長手方向に変位され、互いに対向して半径方向に位置づけられている第3のリングコネクタによって、第1のモジュールの外壁の一部、および、第2のモジュールの外壁の一部に接続され、それによって、変形可能な第3リングを変形させることにより第1および第2のモジュールを互いに対して長手方向に変位させることができる。第1、第2、および第3のリングコネクタは、長手方向軸に対して、それぞれ、第1、第2、および第3の半径方向位置に位置づけられ得る。第2の半径方向位置は、第1の半径方向位置に対して実質的に45度にすることができ、第3の半径方向位置は、第1の半径方向位置に対して実質的に90度にすることができる。
【0007】
ダイナミゼーションデバイスはまた、結合された第1および第2のモジュールの第2の端部に位置づけられた複数の変形可能な第2のリング群を備え得る。複数の変形可能な第2のリング群は、変形可能な第4リングを備え得、変形可能な第4リングは、第1および第2のモジュールの第2の端部に位置づけられ、互いに対向して半径方向に位置づけられている第4のリングコネクタによって、第1のモジュールの外壁の一部、および、第2のモジュールの外壁の一部に接続され、それによって、変形可能な第4リングを変形させることにより第1および第2のモジュールを互いに対して長手方向に変位させることができる。複数の変形可能な第2のリング群はさらに、変形可能な第5リングを備え得、変形可能な第5リングは、変形可能な第4リングから長手方向に変位され、互いに対向して半径方向に位置づけられている第5のリングコネクタによって、第1のモジュールの外壁の一部、および、第2のモジュールの外壁の一部に接続され、それによって、変形可能な第5リングを変形させることにより第1および第2のモジュールを互いに対して長手方向に変位させることができる。複数の変形可能な第2のリング群はさらに、変形可能な第6リングを備え得、変形可能な第6リングは、変形可能な第5リングから長手方向に変位され、互いに対向して半径方向に位置づけられている第6のリングコネクタによって、第1のモジュールの外壁の一部、および、第2のモジュールの外壁の一部に接続され、それによって、変形可能な第6リングを変形させることにより第1および第2のモジュールを互いに対して長手方向に変位させることができる。第4、第5、および第6のリングコネクタは、長手方向軸に対して、それぞれ、第4、第5、および第6の半径方向位置に位置づけられ得る。第5の半径方向位置は、第4の半径方向位置に対して実質的に45度にすることができ、第6の半径方向位置は、第4の半径方向位置に対して実質的に90度にすることができる。上記のリングコネクタは各々、約90度の角度間隔によって第1および第2のモジュールの1つに接続することができる。
【0008】
一実施形態によれば、第1および第2のモジュールの外壁は、略円筒形状であり得るが、他の形状が利用されてもよい。第1および第2のモジュールの内部カラムも略円筒形状であり得るが、他の形状が利用されてもよい。
【0009】
別の実施形態によれば、ダイナミゼーションデバイスを固定器に取り付けるために、第1のねじ付きロッドが第1のモジュールにおける第1のねじ付き開口内に受け入れられ得、第2のねじ付きロッドが第2のねじ付き開口内に受け入れられ得る。第1および第2のモジュールが互いに対して長手方向に移動するのを防ぐように、ねじ付きロッドの1つに1つまたは複数のねじ付締結具をねじ込むことができる。ねじ付締結具をダイナミゼーションデバイスから離すことによって、ねじ付締結具は、ダイナミゼーションデバイスによって骨折に適用される治療上のダイナミゼーションの量を制御するために使用され得る。
【0010】
変形可能なリング、またはダイナミゼーションデバイス全体は、適切な弾性および形状記憶を有している材料で構成され得、そのような材料は、プラスチック、ポリマー、熱可塑性材料、金属、金属合金、複合材料、樹脂、超高分子重量ポリエチレン(UHMW)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ABSプラスチック、PLA、ポリアミド、ガラス入りポリアミド、エポキシ、ナイロン、レーヨン、ポリエステル、ポリアクリレート、木材、竹、青銅、チタン、鋼、ステンレス鋼、コバルトクロム合金、セラミック、ワックス、フォトポリマー、およびポリカーボネートから選択され得る。特定の非限定的な例では、ポリマーは、熱可塑性ポリマー、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリシリコーン、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、フルオロプラスチック、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン、エポキシ、ポリウレタン、ポリアミド、ポリアクリレート樹脂、ポリケトン、ポリイミド、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリ(ヒドロキシナフトエ酸)、導電性ポリマー、ポリ(3-ヘキシルチオフェン)、ポリフェニレンビニレン、ポリ(フェニレンビニレン)、ポリアニリン、またはそれらの組み合わせであり得る。他の適切な且つ生体適合性の材料も利用することができる。別の実施形態によれば、ダイナミゼーションデバイスは、アディティブプリンティングプロセス(additive printing process)(たとえば、3D印刷プロセス)によって製造することができる。
【0011】
別の実施形態によれば、長手方向軸を有するダイナミゼーションデバイスは、略円筒形状を有している外壁と、外壁の第1の端部に配置され、中央開口を備える、半円形状のキャップと、外壁の第2の端部に配置され、第2の端部にねじ付き凹部を備える内部カラムと、を有している第1のモジュールを備え得、外壁、中央開口、ねじ付き凹部、および内部カラムは、長手方向軸と略同軸上にある。ダイナミゼーションデバイスはまた、略円筒形状を有している外壁と、外壁の第1の端部に配置され、中央開口を備えるキャップと、外壁の第1の端部に配置され、半円形のキャップの中央開口と整列されている第1の端部にねじ付き凹部を有している内部カラムと、を有している第2のモジュールを備え得、外壁、中央開口、ねじ付き凹部、および内部カラムは、長手方向軸と略同軸上にある。第1および第2のモジュールは、第1のモジュールの内部カラムが第2のモジュールの外壁内に位置づけられ、第2のモジュールの内部カラムが第1のモジュールの外壁内に位置づけられるように、共に結合され得る。結合された第1および第2のモジュールは、第1のモジュールの内部カラムと第2のモジュールの内部カラムとの間に変位ギャップを形成することができる。ダイナミゼーションデバイスはまた、結合された第1および第2のモジュールの第1の端部に位置づけられた複数の変形可能な近位リング、および結合された第1および第2のモジュールの第2の端部に位置づけられた複数の変形可能な遠位リングを備え得る。
【0012】
複数の変形可能な近位リングは、変形可能な第1リングを備え得、変形可能な第1リングは、第1および第2のモジュールの第1の端部に位置づけられ、互いに対向して半径方向に位置づけられている第1のリングコネクタによって、第1のモジュールの半円形のキャップの一部、および、第2のモジュールの半円形のキャップの一部に接続され、それによって、第1のリングを変形させることにより第2のモジュールを第1のモジュールに対して長手方向に変位させることができる。複数の変形可能な近位リングはさらに、変形可能な第2リングを備え得、変形可能な第2リングは、変形可能な第1リングから長手方向に離して位置づけられ、互いに対向して半径方向に位置づけられている第2のリングコネクタによって、第1のモジュールの外壁の一部、および、第2のモジュールの外壁の一部に接続され、それによって、第2のリングを変形させることにより第2のモジュールを第1のモジュールに対して長手方向に変位させることができる。複数の変形可能な近位リングはさらに、変形可能な第3リングを備え得、変形可能な第3リングは、変形可能な第2リングから離して長手方向に位置づけられ、互いに対向して半径方向に位置づけられている第3のリングコネクタによって、第1のモジュールの外壁の一部、および、第2のモジュールの外壁の一部に接続され、それによって、第3のリングを変形させることにより第2のモジュールを第1のモジュールに対して長手方向に変位させることができる。複数の変形可能な近位リングはさらに、変形可能な第4リングを備え得、変形可能な第4リングは、変形可能な第3リングから長手方向に離して位置づけられ、互いに対向して半径方向に位置づけられている第4のリングコネクタによって、第1のモジュールの外壁の一部、および、第2のモジュールの外壁の一部に接続され、それによって、第4のリングを変形させることにより第2のモジュールを第1のモジュールに対して長手方向に変位させることができる。第1、第2、第3、および第4のリングコネクタは、長手方向軸に対して、それぞれ、第1、第2、第3、および第4の半径方向位置に位置づけられ得る。
【0013】
複数の変形可能な近位リングはさらに、第1の外リングを第2の外リングに接続する少なくとも2つの第1の外部カラムを備え得、第1の外部カラムの1つは第1のモジュールの外壁に接続され得、第1の外部カラムのもう1つは第2のモジュールの外壁に接続され得、第1の外部カラムは、ダイナミゼーションデバイスの半径方向に対向する両側に位置づけられる。
【0014】
複数の変形可能な近位リングはさらに、第2の外リングを第3の外リングに接続する少なくとも2つの第2の外部カラムを備え得、第2の外部カラムの1つは第1のモジュールの外壁に接続され得、第2の外部カラムのもう1つは第2のモジュールの外壁に接続され得、第2の外部カラムは、ダイナミゼーションデバイスの半径方向に対向する両側に位置づけられ得る。
【0015】
複数の変形可能な近位リングはさらに、第3の外リングを第4の外リングに接続する少なくとも2つの第3の外部カラムを備え得、第3の外部カラムの1つは第1のモジュールの外壁に接続され得、第3の外部カラムのもう1つは第2のモジュールの外壁に接続され得、第3の外部カラムは、ダイナミゼーションデバイスの半径方向に対向する両側に位置づけられ得る。
【0016】
複数の変形可能な遠位リングは、結合された第1および第2のモジュールの第2の端部に位置づけられ得る。複数の変形可能な遠位リングは、変形可能な第5リングを備え得、変形可能な第5リングは、第1および第2のモジュールの第2の端部に位置づけられ、互いに対向して半径方向に位置づけられ得る第5のリングコネクタによって、第2のモジュールの外壁の一部、および、第1のモジュールの外壁の一部に接続され、それによって、第5のリングを変形させることにより第1および第2のモジュールを互いに対して長手方向に変位させることができる。複数の変形可能な遠位リングはさらに、変形可能な第6リングを備え得、変形可能な第6リングは、変形可能な第5リングから長手方向に離して位置づけられ、互いに対向して半径方向に位置づけられ得る第5のリングコネクタによって、第1のモジュールの外壁の一部、および、第2のモジュールの外壁の一部に接続され、それによって、第6のリングを変形させることにより第1および第2のモジュールを互いに対して長手方向に変位させることができる。複数の変形可能な遠位リングはさらに、変形可能な第7リングを備え得、変形可能な第7リングは、変形可能な第6リングから長手方向に離して位置づけられ、互いに対向して半径方向に位置づけられ得る第7のリングコネクタによって、第1のモジュールの外壁の一部、および、第2のモジュールの外壁の一部に接続され、それによって、第7のリングを変形させることにより第1および第2のモジュールを互いに対して長手方向に変位させることができる。複数の変形可能な遠位リングはさらに、変形可能な第8リングを備え得、変形可能な第8リングは、変形可能な第7リングから長手方向に離して位置づけられ、互いに対向して半径方向に位置づけられ得る第8のリングコネクタによって、第1のモジュールの外壁の一部、および、第2のモジュールの外壁の一部に接続され、それによって、第1および第2のモジュールを互いに対して長手方向に変位させることができる。第5、第6、第7、および第8のリングコネクタは、長手方向軸に対して、それぞれ、第5、第6、第7、および第8の半径方向位置に位置づけられ得る。
【0017】
複数の変形可能な遠位リングはさらに、第5の外リングを第6の外リングに接続する少なくとも2つの第4の外部カラムを備え得、第4の外部カラムの1つは第1のモジュールの外壁に接続され得、第4の外部カラムのもう1つは第2のモジュールの外壁に接続され得、第4の外部カラムは、ダイナミゼーションデバイスの半径方向に対向する両側に位置づけられ得る。
【0018】
複数の遠位変形可能なリングはさらに、第6の外リングを第7の外リングに接続する少なくとも2つの第5の外部カラムを備え得、第5の外部カラムの1つは第1のモジュールの外壁に接続され得、第5の外部カラムのもう1つは第2のモジュールの外壁に接続され得、第5の外部カラムは、ダイナミゼーションデバイスの半径方向に対向する両側に位置づけられ得る。
【0019】
複数の変形可能な遠位リングはさらに、第7の外リングを第8の外リングに接続する少なくとも2つの第6の外部カラムを備え得、第6の外部カラムの1つは第1のモジュールの外壁に接続され得、第6の外部カラムのもう1つは第2のモジュールの外壁に接続され得、第6の外部カラムは、ダイナミゼーションデバイスの半径方向に対向する両側に位置づけられ得る。
【0020】
ダイナミゼーションデバイスはさらに、第1のモジュールの外壁の一部および変形可能な第4リングの一部に接続された近位副カラムを備え得、近位副カラムと変形可能な第8リングとの間の距離は、変位ギャップに実質的に等しくなり得る。ダイナミゼーションデバイスはさらに、第2のモジュールの外壁の一部および変形可能な第4リングの一部に接続された近位主カラムを備え得、近位主カラムは変形可能な第8リングに隣接することができ、近位主カラムは、近位副カラムからダイナミゼーションデバイスの半径方向に対向する側に位置づけられ得る。ダイナミゼーションデバイスはさらに、第2のモジュールの外壁の一部および変形可能な第8リングの一部に接続された遠位副カラムを備え得、遠位副カラムと変形可能な第4リングとの間の距離は、変位ギャップに実質的に等しくなり得る。ダイナミゼーションデバイスはさらに、第1のモジュールの外壁の一部および変形可能な第8リングの一部に接続された遠位主カラムを備え得、遠位主カラムは変形可能な第4リングに隣接することができ、遠位主カラムは、遠位副カラムからダイナミゼーションデバイスの半径方向に対向する側に位置づけられ得る。
【0021】
本開示のいくつかの実施形態は、部分的に、本開示および添付の図面を参照することによって理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1A】ダイナミゼーションデバイスの一実施形態の斜視図を例示する。
【
図1B】ダイナミゼーションデバイスの一実施形態の別の斜視図を例示する。
【
図1C】ダイナミゼーションデバイスの一実施形態の分解図を例示する。
【
図1D】ダイナミゼーションデバイスの一実施形態の側面図を例示する。
【
図1E】ダイナミゼーションデバイスの一実施形態の側面図を例示する。
【
図1F】ロック装置を備えたダイナミゼーションデバイスの一実施形態の斜視図を例示する。
【
図2A】ダイナミゼーションデバイスとの使用のための変形可能なリングの一実施形態の平面図を例示する。
【
図2B】ダイナミゼーションデバイスとの使用のための変形可能なリングの一実施形態の平面図を例示する。
【
図2C】ダイナミゼーションデバイスとの使用のための変形可能なリングの一実施形態の平面図を例示する。
【
図2D】ダイナミゼーションデバイスとの使用のための変形可能なリングの一実施形態の平面図を例示する。
【
図2E】ダイナミゼーションデバイスとの使用のための変形可能なリングの一実施形態の平面図を例示する。
【
図2F】ダイナミゼーションデバイスとの使用のための変形可能なリングの一実施形態の平面図を例示する。
【
図3】ダイナミゼーションデバイスとの使用に適したロック装置の一実施形態の斜視図を例示する。
【
図4A】ダイナミゼーションデバイスの一実施形態の斜視図を例示する。
【
図4B】ダイナミゼーションデバイスの一実施形態の別の角度の斜視図を例示する。
【
図4C】ダイナミゼーションデバイスの一実施形態の断面斜視図を例示する。
【
図4D】ダイナミゼーションデバイスの代替実施形態の断面斜視図を例示する。
【
図4E】ロック装置を備えたダイナミゼーションデバイスの代替実施形態の断面斜視図を例示する。
【
図5A】ダイナミゼーションデバイスの一実施形態の斜視図を例示する。
【
図5B】ダイナミゼーションデバイスの一実施形態の側面図を例示する。
【
図5C】ダイナミゼーションデバイスの一実施形態との使用に適したロック装置の一実施形態の斜視図を例示する。
【
図5D】ロック装置を備えたダイナミゼーションデバイスの代替実施形態の斜視図を例示する。
【
図5E】ダイナミゼーションデバイスの代替実施形態の斜視図を例示する。
【
図5F】ダイナミゼーションデバイスの代替実施形態の平面図を例示する
。
【
図5G】ダイナミゼーションデバイスの代替実施形態の斜視図を例示する。
【
図6A】ダイナミゼーションデバイスの一実施形態の斜視図を例示する。
【
図6B】ダイナミゼーションデバイスの一実施形態の別の斜視図を例示する。
【
図6C】ダイナミゼーションデバイスの一実施形態の断面斜視図を例示する。
【
図7A】ダイナミゼーションデバイスの一実施形態の斜視図を例示する。
【
図7B】ダイナミゼーションデバイスの一実施形態の側面図を例示する。
【
図7C】ダイナミゼーションデバイスの一実施形態の別の側面図を例示する。
【
図8A】ダイナミゼーションデバイスの一実施形態の斜視図を例示する。
【
図8B】ダイナミゼーションデバイスの一実施形態の別の斜視図を例示する。
【
図8C】ダイナミゼーションデバイスの一実施形態の斜視図を例示する。
【
図8D】ダイナミゼーションデバイスの一実施形態の別の斜視図を例示する。
【
図8E】ダイナミゼーションデバイスの一実施形態の分解図を例示する。
【
図9A】例示的なダイナミゼーションデバイスを備える創外固定器の斜視図を例示する。
【
図9C】骨折した人の骨を囲む例示的なダイナミゼーションデバイスを例示する。
【
図9D】骨折した人の骨を囲む例示的なダイナミゼーションデバイスの拡大図を例示する。
【
図9E】骨折した人の骨を囲む例示的なダイナミゼーションデバイスを例示する。
【
図9F】骨折した人の骨を囲む例示的なダイナミゼーションデバイスの拡大図を例示する。
【
図10】ダイナミゼーションデバイスから骨折に治療上のダイナミゼーションを適用するための典型的な方法を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示は、概して、外部固定ロッドおよびストラットの分野に関する。より具体的には、本開示のダイナミゼーションデバイスは、対応する創外固定器の軸の不安定化の制御(ダイナミゼーション(dynamization))を提供し得る。本開示の実施形態は、利点として、ダイナミゼーションデバイスの付勢部材の様々な程度の圧縮運動を提供し得る。そのような特徴は、利点として、対応する創外固定器において様々な程度または量のダイナミゼーションを提供し得、それにより骨セグメントの軸の微動を増加させる。ダイナミゼーションデバイスに適用されるダイナミゼーションの量を制御することによって、骨折治癒プロセスまたは骨リモデリング中に治療上適切な量のダイナミゼーションを定期的に適用することができる。骨セグメントの長手方向の解剖軸に平行な新たに形成された骨組織の機械的刺激は、骨化を加速し、それによって、結果として石灰化した骨梁も骨軸に平行に配向される。したがって、骨折の治癒プロセスおよび再構成された骨のリモデリングを促進および改善することができる。
【0024】
ダイナミゼーションデバイスの1つの代表的な実施形態が
図1Aに示されている。
図1Aでは、ダイナミゼーションデバイス100は、長手方向軸A-A’に沿って略円筒形状を有している。ダイナミゼーションデバイス100は、第1のモジュール105および第2のモジュール110で構成され、これらは、第1のモジュール105の長手方向軸が、第2のモジュール110の長手方向軸およびダイナミゼーションデバイス100の長手方向軸A-A’と同軸になるように共に結合される。ダイナミゼーションデバイス100の第1の端部102には、変形可能なリングの第1のセット115が位置づけられている。ダイナミゼーションデバイス100の第2の端部104には、変形可能なリングの第2のセット120が位置づけられている。
図1Aに示される実施形態では、変形可能なリングの第1のセット115は、変形可能な第1リング116、変形可能な第2リング117、および変形可能な第3リング118を備え得る。変形可能なリングの各セットに対して、わずか1つの変形可能なリングが使用され得、本発明の精神から逸脱することなく、変形可能なリングの各セットに対して、4つ以上の変形可能なリングが使用されてもよい。変形可能なリングの第2のセット120は、同様に、変形可能な第4リング121、変形可能な第5リング122、および変形可能な第6リング123を備え得る。各リングは、1つまたは複数のリングコネクタによって第1および第2のモジュール105、110の一部に接続される。第1および第2のモジュール105、110への変形可能な第1リング116の接続は、第1のリングコネクタ131および132を用いて
図1Aに示される。これらのリングコネクタ131、132は、径方向の位置を占めることができ、長手方向軸A-A’に関して互いに対向している。
図1Aにはまた、第6のリングコネクタ141および142による第1および第2のモジュール105、110への変形可能な第6リング123の接続が示されている。これらのリングコネクタ141、142は、径方向の位置を占めることができ、長手方向軸A-A’に関して互いに対向している。変形可能なリングを第1および第2のモジュール105、110に接続するために2つのリングコネクタが
図1Aに示されているが、本発明の精神から逸脱することなく複数のコネクタを使用することができる。
図1Aにはまた、第2のモジュール110の第1の端部102に配置されているねじ付き開口125が示されている。ねじ付き開口は、ねじ付きボルト、ロッド、または他のコネクタをダイナミゼーションデバイス100の第1の端部102に接続するために使用され得る。
図1Aには示されていないが、別のねじ付き開口127が、第1のモジュール105の第2の端部104に配置されている。この別のねじ付き開口127は、ねじ付きボルト、ロッド、または他のコネクタをダイナミゼーションデバイス100の第2の端部104に接続するために使用され得る。
【0025】
ダイナミゼーションデバイス100の代替的な図が
図1Bに示されており、ここで変形可能なリングは、第1および第2のモジュール105、110の構造がよくわかるように斜線で示されている。
図1Bに示すように、第1および第2のモジュール105、110は、ダイナミゼーションデバイス100の長手方向軸A-A’と同軸である略円筒形状を有している。第2のモジュール110に対する第1のモジュール105の長手方向の変位および第1のモジュール105に対する第2のモジュール110の長手方向の変位を可能にするために、モジュール105、110の外側長手方向表面が滑らかである限り、他の形状が利用されてもよい。第1のモジュール105の第2の端部104から径方向に突出するものとして、止め部材150が
図1Bに示されている。
図1Bに示すように、止め部材150は、第1のモジュール105の第2の端部から径方向に突出し得、それによって、その外縁151は、概して、第2のモジュール110の外壁と整列される。止め部材150は、第1のモジュール105の第2の端部104に平坦化された表面を形成する、1つまたは複数の弦状表面152をさらに備え得る。一実施形態によれば、弦状表面152は、互いに対向して半径方向に位置づけられた一対で示されており、ねじ付きボルト、ロッド、または他のコネクタが、ダイナミゼーションデバイスの第2の端部104でねじ付き開口127に取り付けられると、ダイナミゼーションデバイス100を適所に保持するために使用され得る。別の実施形態によれば、止め部材150は、第1のモジュール105の第2の端部104から排除されてもよい。
図1Bにはまた、ダイナミゼーションデバイス100の長さにわたって伸長する長手方向のギャップ155が示され、ここで第1のモジュール105および第2のモジュール110は共に結合される。
【0026】
図1Aの代表的な実施形態の分解図が
図1Cに示されている。
図1Cでは、第1のモジュール105は、第2のモジュール110から分離されて、これらのモジュールの内部コンポーネントを例示している。第1のモジュール105は、第1の端部102に配置された半円形のキャップ160を含む。半円形のキャップ160は、長手方向軸A-A’と同軸である中央開口162を備え得る。一実施形態によれば、中央開口162によって、ねじ付きボルト、ロッド、または他のコネクタは、半円形のキャップ160を通って、第2のモジュール110におけるねじ付き開口125に接続することが可能になる。第1のモジュール105は、好ましくは略円筒形の形状を有する外壁165をさらに備える。また、外壁165は、第1の端部102に滑らかな内側表面167を含む。
図1Cにはまた、第1のモジュール105の第2の端部104に配置された内部カラム170が示されている。内部カラム170は、略円筒形の形状を有することが好ましいが、滑らかな長手方向の表面を有する限り、他の表面が使用されてもよい。内部カラム170の外側表面は、好ましくは、内側表面167と実質的に同じ径方向距離にある。内部カラム170は、第2の端部104にねじ付き凹部127をさらに備え得る。ねじ付き凹部127によって、ねじ付きボルト、ロッド、または他のコネクタは、ダイナミゼーションデバイス100の第2の端部104に接続することが可能になる。
図1Cにはまた、第1のモジュール105の第2の端部104から径方向に突出する止め部材150が示されている。止め部材150は、第1のモジュール105の第2の端部104で平坦化された表面を形成する、1つまたは複数の弦状表面152をさらに備え得る。一実施形態によれば、弦状表面152は、互いに対向して半径方向に位置づけられた一対で示されており、ねじ付きボルト、ロッド、または他のコネクタが、ダイナミゼーションデバイスの第2の端部104でねじ付き開口127に取り付けられると、ダイナミゼーションデバイス100を適所に保持するために使用され得る。一実施形態によれば、外壁165、中央開口162、ねじ付き凹部127、および内部カラム170は、ダイナミゼーションデバイス100の長手方向軸A-A’と実質的に同軸である。
【0027】
図1Cに示すように、第2のモジュール110は、ダイナミゼーションデバイス100の第1の端部102に配置された半円形のキャップ175を含む。半円形のキャップ175は、長手方向軸A-A’と同軸である中央開口177を備え得る。
図1Cにはまた、ねじ付き凹部125が示されており、これによって、ねじ付きボルト、ロッド、または他のコネクタをダイナミゼーションデバイス100の第1の端部102に接続することができる。第2のモジュール110は、好ましくは略円筒形の形状を有する外壁180をさらに備える。また、外壁180は、第2の端部104に滑らかな内側表面182を含む。第2のモジュール110における外壁180の内側表面182は、好ましくは、第1のモジュール105の内部カラム170の外側表面と結合するように配される。
図1Cにはまた、第2のモジュール110の第1の端部102に配置された内部カラム185が示されている。内部カラム185は、略円筒形状を有することが好ましいが、滑らかな長手方向の表面を有する限り、他の表面が使用されてもよい。第2のモジュール110における内部カラム185の外側表面は、好ましくは、第1のモジュール105の外壁165の内側表面167と結合するように配される。内部カラム185の外側表面は、好ましくは、外壁180の内側表面182と実質的に同じ径方向距離にある。内部カラム185は、第2のモジュール110の第1の端部102に配置されたねじ付き凹部125をさらに備え得る。第2のモジュール110の第2の端部104は、止め部材または半円形のキャップを含まないことが好ましい。むしろ、第2のモジュール110の第2の端部104は開いたままであることが好ましい。変形可能なリングの第1および第2のセット115、120は、
図1Cに斜線で示されているが、以下に説明するように、第1および第2のモジュール105、110に接続されることが意図されている。
【0028】
図1Aの代表的なダイナミゼーションデバイス100の側面図が
図1Dに示されている。
図1Dでは、ダイナミゼーションデバイス100は側面視で示されている。第1のモジュール105および第2のモジュール110は、第1のモジュール105の内部カラム170が第2のモジュール110の外壁180の内側表面182と結合するように、共に結合される。同様に、第2のモジュール110の内部カラム185は、第1のモジュール105の外壁165の内側表面167と結合する。
図1Dはまた、第1のモジュールの内部カラム170と第2のモジュールの内部カラム185との間に変位距離Dが配置されていることを例示している。第2のモジュール110の第2の端部104と止め部材150の上面との間にも変位距離Dが見られる。これらの変位距離は、好ましくは実質的に同じであり、好ましくは約1~3mmの範囲であり、好ましくは最大で約3mmである。結果として、第1のモジュール105が第2のモジュール110に向かって長手方向に圧縮されると、内部カラム170、185および止め部材150は、同じ位置で変位を停止する。この長手方向の圧縮中に、リング116~123は変形され、それによって、長手方向の力が除去れると、ダイナミゼーションデバイス100をその元の位置に戻す機械的バイアスが生成される。ダイナミゼーションデバイス100は、好ましくは長手方向の伸延が許容されないように設計される。具体的には、第1のモジュール105の第1の端部102にある半円形のキャップ160によって、第2のモジュール110の内部カラム185が第1のモジュール105の内部カラム170から離れて長手方向に変位されるのが防がれる。これによって、ダイナミゼーションデバイス100は、長手方向の伸延ではなく、長手方向の圧縮を提供することに制限される。
【0029】
内部カラム170、185および/または止め部材150はいずれも、本発明の精神に一致してダイナミゼーションデバイスから排除され得る。変形可能なリング115、120および長手方向のギャップ155も
図1Dに示されている。
図1Dにはまた、第1のモジュール105の第2の端部104から径方向に突出する止め部材150が示されている。止め部材150は、第1のモジュール105の第2の端部104で平坦化された表面を形成する、1つまたは複数の弦状表面152をさらに備え得る。一実施形態によれば、弦状表面152は、互いに対向して半径方向に位置づけられている一対で示されており、ねじ付きボルト、ロッド、または他のコネクタが、ダイナミゼーションデバイスの第2の端部104でねじ付き開口127に取り付けられると、ダイナミゼーションデバイス100を適所に保持するために使用され得る。一実施形態によれば、外壁165、中央開口162、ねじ付き凹部127、および内部カラム170は、ダイナミゼーションデバイス100の長手方向軸A-A’と実質的に同軸である。
【0030】
止め部材150が第1のモジュール105の第2の端部104から排除される実施形態では、第2のモジュール110に対する第1のモジュール105の長手方向の変位は、第1のモジュール105の内部カラム170が第2の部材110の内部カラム185に押し付けられると停止される。
【0031】
ダイナミゼーションデバイス100の別の代表的な側面図が
図1Eに示されている。
図1Eでは、ダイナミゼーションデバイス100は再び側面視で示されているが、第2のモジュール110は、第1のモジュール105に対して第2の端部104に向かって長手方向に変位されている。結果として、変位距離Dははるかにより小さくなる。上述のように、変位距離Dは、長手方向の変位の必要性に応じて変えることができ、たとえば、脚の骨の伸延に使用される場合、距離は腕の骨の伸延よりも大きくなり得る。結果として、第1のモジュール105が第2のモジュール110に対して長手方向に変位されると、内部カラム170、185は横方向の変位を防ぎ、止め部材150は同じ位置で長手方向の変位を停止させる。第1のモジュール105が第2のモジュール110に対して長手方向に変位されると、変形可能なリングの第1のセット115は互いに対して変位される。
図1Eに(斜線で)示すように、変形可能なリングの第1のセット115は、第1のモジュール105および第2のモジュール110が互いに対して長手方向に変位されると、それぞれのリングコネクタによって第1のモジュール105および第2のモジュール110と接触して保持される。これによって、変形可能な第1リング115の形状が変形し、第1および第2のモジュール105、110間に長手方向の機械的バイアスが加えられて、変形可能な第1リングが元の位置に戻る。同様に、ダイナミゼーションデバイス100の第2の端部104では、第1のモジュール105が第2のモジュール110に対して長手方向に変位されると、変形可能なリングの第2のセット120が互いに対して変位される。
図1Eに(斜線で)示すように、変形可能なリングの第2のセット120は、第1のモジュール105および第2のモジュール110が互いに対して長手方向に変位されると、それぞれのリングコネクタによって第1のモジュール105および第2のモジュール110と接触して保持される。これによって、変形可能な第2リング120の形状が変形し、変形可能な第2リングが元の位置に戻すための、第1および第2のモジュール105、110間に長手方向の機械的バイアスが加えられる。長手方向の力がダイナミゼーションデバイス100から除去されると、これらの長手方向の機械的バイアスによって、ダイナミゼーションデバイスはその元の位置に戻る。
【0032】
ダイナミゼーションデバイス100との使用に適したねじ付締結具197が
図1Fに示されている。
図1Fでは、ねじ付締結具197は、ダイナミゼーションデバイス100の第1の端部102に配置されたねじ付きロッド195にねじ込まれ得る。好ましくは、ねじ付締結具197は、第1のモジュール105の半円形のキャップ160と接触するための表面領域を増大させるために締結具197よりも長い径を有するフランジ199を含む。
図1Cを参照して説明するように、ねじ付きロッド195は、第2のモジュール110の第2の内部カラム185内のねじ付き凹部125に取り付けられるが、第1のモジュール105の半円形のキャップ160には取り付けられない。
図1Eに示されるように、このようにして、長手方向の圧縮力をねじ付きロッド195に加えると、第2のモジュール110は、第1のモジュール105に対して長手方向に変位する。ねじ付締結具197がダイナミゼーションデバイス100の第1の端部102に隣接して配置されるとき、フランジ199は、半円形のキャップ160と接触したままであるため、第1のモジュール105が第2のモジュール110に対して長手方向に変位することを防ぐ。これによって、ダイナミゼーションデバイス100の長手方向の圧縮運動が実質的に防がれる。一実施形態によれば、追加のロックナット198をねじ付きロッド195にねじ込むことで、ダイナミゼーションデバイス100の第1の端部102に対するねじ付締結具197の配置をさらに固定することができる。ねじ付締結具197(および存在する場合には、ロックナット198)を第一の端部102から離すことによって、ダイナミゼーションデバイス100に制御された量のダイナミゼーションが付与され得る。たとえば、治療レジメンの開始時などの、限られた量のダイナミゼーションのみが望まれる場合、ねじ付締結具197は、制御された量(たとえば、4分の1回転、2分の1回転、1回転など)だけ、ダイナミゼーションデバイス100の第1の端部102から離され得る。このようにして、外科医または医療技術者は、治療レジメンと一致して、ダイナミゼーションデバイスおよび患者に漸増量のダイナミゼーションを徐々に適用することができる。追加のロックナット198をねじ付締結具197に締め付けて、ダイナミゼーションの量が固定され、治療プロセス中に変更されないことを保証することができる。この記述と一致して、ダイナミゼーションデバイス100によって提供されるダイナミゼーションの量を制御するために、様々な異なるねじ付締結具およびロックナット(たとえば、ナット、フランジ付きナット、プレート、ワッシャーなど)が使用され得ることが企図される。
【0033】
変形可能な第1リング115の代表的な実施形態が、
図2A~2Cに見られる。
図2Aでは、代表的な変形可能な第1リング116の平面図が示されている。前述したように、変形可能な第1リング116は、第1および第2のモジュール105、110の第1の端部102に位置づけられ、互いに対向して半径方向に位置づけられている第1のリングコネクタ131、132によって、第1のモジュール160の外壁の一部に接続され、第2のモジュール175の外壁の一部に接続され得る。いくつかの実施形態によれば、第1のリングコネクタ131、132は、約90°の角度間隔(α)によって第1および第2のモジュール105、110に接続する一方で、約90°の角度間隔(β)では未接続状態のままである。第1および第2のモジュール105、110が互いに対して長手方向に変位されるときに、変形可能な第1リング116の未接続の部分によって、変形可能な第1リング116は変形および屈曲することが可能になる。
【0034】
図2Bには、代表的な変形可能な第2リング117の平面図が示されている。前述のように、変形可能な第2リング117は、変形可能な第1リングから長手方向に変位され、互いに対向して半径方向に位置づけられている第2のリングコネクタ133、134によって、第1のモジュール105の外壁165の一部に接続され、第2のモジュール110の外壁180の一部に接続され得る。いくつかの実施形態によれば、第2のリングコネクタ133、134は、約90°の角度間隔(α)によって第1および第2のモジュール105、110に接続される一方で、約90°の角度間隔(β)では未接続状態のままである。第1および第2のモジュール105、110が互いに対して長手方向に変位されるときに、変形可能な第2リング117の未接続の部分は変形および屈曲し得る。また、変形可能なリングが第1および第2のモジュールに接続されている度合いが大きければ大きいほど(たとえば、120°、130°、60°、45°)、ダイナミゼーションデバイスの強度に影響を与え得るだけでなく、第1および第2のモジュールが変位されるときにダイナミゼーションデバイスによって提供される所望のばね係数にも影響を与え得る。さらに、様々なコンポーネントが形成される材料もまた、ダイナミゼーションデバイス100の長手方向および横方向の変位に影響を及ぼし得る。リングコネクタの好ましい実施形態は、約90°の角度間隔による接続を利用し、約90°の角度間隔は未接続状態のままである。第2のリングコネクタ133、134の径方向の位置は、第1のリングコネクタ131、132の径方向の位置と比較すると、45°だけ角度的にシフトされ得る(γ)。隣接するリングコネクタの径方向の位置のシフトの程度(γ)は、第1および第2のモジュールが長手方向に変位されるときの、ダイナミゼーションデバイス内のリングの数、ダイナミゼーションデバイスによって提供されるダイナミゼーションの量、およびダイナミゼーションデバイスによって提供される所望のばね係数に応じて変更され得る。
【0035】
ダイナミゼーションデバイスを形成することができる材料の非限定的な例としては、限定されないが、たとえば、適切な弾性および形状記憶を有している材料が挙げられるが、そのような材料は、プラスチック、ポリマー、熱可塑性材料、金属、金属合金、複合材料、樹脂、超高分子量ポリエチレン(UHMW)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ABSプラスチック、PLA、ポリアミド、ガラス入りポリアミド、エポキシ、ナイロン、レーヨン、ポリエステル、ポリアクリレート、木材、竹、青銅、チタン、鋼、ステンレス鋼、コバルトクロム合金、セラミック、ワックス、フォトポリマー、およびポリカーボネートから選択することができる。特定の非限定的な例では、ポリマーは、熱可塑性ポリマー、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリシリコーン、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、フルオロプラスチック、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン、エポキシ、ポリウレタン、ポリアミド、ポリアクリレート樹脂、ポリケトン、ポリイミド、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリ(ヒドロキシナフトエ酸)、導電性ポリマー、ポリ(3-ヘキシルチオフェン)、ポリフェニレンビニレン、ポリ(フェニレンビニレン)、ポリアニリン、またはそれらの組み合わせであり得る。他の適切な且つ生体適合性の材料を利用することもできる。別の実施形態によれば、ダイナミゼーションデバイスは、アディティブプリンティングプロセス(たとえば、3D印刷プロセス)によって製造することができる。
【0036】
図2Cには、代表的な変形可能な第3リング118の平面図が示されている。前述のように、変形可能な第3リング118は、変形可能な第2リングから長手方向に変位され、互いに対向して半径方向に位置づけられている第3のリングコネクタ135、136によって、第1のモジュール105の外壁165の一部に接続され、第2のモジュール110の外壁180の一部に接続され得る。いくつかの実施形態によれば、第3のリングコネクタ135、136は、約90°の角度間隔(α)によって第1および第2のモジュール105、110に接続される一方で、約90°の角度間隔(β)は未接続状態のままである。第1および第2のモジュール105、110が互いに対して長手方向に変位されるときに、変形可能な近位リング118の未接続の部分は変形および屈曲し得る。また、変形可能なリングが第1および第2のモジュールに接続されている度合いが大きければ大きいほど(たとえば、120°、130°、60°、45°)、ダイナミゼーションデバイスの強度に影響を与えるだけでなく、第1および第2のモジュールが変位されるときにダイナミゼーションデバイスによって提供される所望のばね係数にも影響を与え得る。リングコネクタの好ましい実施形態は、約90°の角度間隔(α)による接続を利用し、約90°の角度間隔(β)は未接続状態のままである。第3のリングコネクタ135、136の径方向の位置は、第2のリングコネクタ133、134の径方向の位置と比較すると、45°だけ角度的にシフトされ得る(γ)。隣接するリングコネクタの径方向の位置のシフトの程度(γ)は、第1および第2のモジュールが変位されるときの、ダイナミゼーションデバイスのリングの数、ダイナミゼーションデバイスによって提供されるダイナミゼーションの量、およびダイナミゼーションデバイスによって提供される所望のばね係数に応じて変更され得る。変形可能なリングの第1のセット115の径方向の位置のシフトの程度(γ)を等間隔にすることによって、リングの変形によってダイナミゼーションデバイス100に加えられる横方向およびねじりの荷重は、互いに大きく打ち消し合い、結果として、ほぼすべての機械的バイアスが長手方向に加えられる。
【0037】
変形可能な第2リング120の代表的な実施形態は、
図2D~2Fに見られる。
図2Dには、代表的な変形可能な第4リング121の平面図が示されている。変形可能な第4リング121は、第1および第2のモジュール105、110の第2の端部104に位置づけられ、第4のリングコネクタ141によって第1のモジュール105の外壁165の一部に接続され得る。変形可能な第4リング121はまた、第4のリングコネクタ142によって第2のモジュール110の外壁180の一部に接続され得る。第4のリングコネクタ141、142は、互いに対向して半径方向に位置づけられることが好ましい。いくつかの実施形態によれば、第4のリングコネクタ141、142は、約90°の角度間隔(α)によって第1および第2のモジュール105、110に接続される一方で、約90°の角度間隔(β)は未接続状態のままである。第1および第2のモジュール105、110が互いに対して長手方向に変位されるときに、変形可能な第4リング121の未接続の部分によって、変形可能な第4リング121は変形および屈曲することが可能になる。
【0038】
図2Eでは、代表的な変形可能な第5リング122の平面図が示されている。前述のように、変形可能な第5リング122は、変形可能な第4リング121から長手方向に変位され、互いに対向して半径方向に位置づけられている第5のリングコネクタ143、144によって、第1のモジュール105の外壁165の一部に接続され、第2のモジュール110の外壁180の一部に接続され得る。いくつかの実施形態によれば、第5のリングコネクタ143、144は、約90°の角度間隔(α)によって第1および第2のモジュール105、110の外壁に接続される一方で、約90°の角度間隔(β)は未接続状態のままである。第1および第2のモジュール105、110が互いに対して長手方向に変位されるときに、変形可能な第5リング122の未接続の部分は変形および屈曲し得る。さらに、変形可能なリングが第1および第2のモジュールに接続されている度合いが大きければ大きいほど(たとえば、120°、130°、60°、45°)、ダイナミゼーションデバイスの強度に影響を与え得るだけでなく、第1および第2のモジュールが長手方向に変位されたときにダイナミゼーションデバイスによって提供される所望のばね係数にも影響を与え得る。リングコネクタの好ましい実施形態は、約90°の角度間隔による接続を利用し、約90°の角度間隔は未接続状態のままである。第5のリングコネクタ143、144の径方向の位置は、第4のリングコネクタ141、142の径方向の位置と比較すると、45°だけ角度的にシフトされ得る(γ)。隣接するリングコネクタの径方向の位置のシフトの程度(γ)は、第1および第2のモジュールが長手方向に変位されるときの、ダイナミゼーションデバイス内のリングの数、ダイナミゼーションデバイスによって提供されるダイナミゼーションの量、およびダイナミゼーションデバイスによって提供される所望のばね係数に応じて変更され得る。
【0039】
図2Fには、代表的な変形可能な第6リング123の平面図が示されている。前述のように、変形可能な第6リング123は、変形可能な第5リング122から長手方向に変位され、互いに対向して半径方向に位置づけられている第6のリングコネクタ145、146によって、第1のモジュール105の外壁165の一部に接続され、第2のモジュール110の外壁180の一部に接続され得る。いくつかの実施形態によれば、第6のリングコネクタ145、146は、約90°の角度間隔(α)によって第1および第2のモジュール105、110に接続される一方で、約90°の角度間隔(β)は未接続状態のままである。第1および第2のモジュール105、110が互いに対して長手方向に変位されるときに、変形可能な第6リング123の未接続の部分は変形および屈曲し得る。さらに、変形可能なリングが第1および第2のモジュールに接続されている度合いが大きければ大きいほど(たとえば、120°、130°、60°、45°)、ダイナミゼーションデバイスの強度に影響を与え得るだけでなく、第1および第2のモジュールが変位されたときにダイナミゼーションデバイスによって提供される所望のばね係数にも影響を与え得る。リングコネクタの好ましい実施形態は、約90°の角度間隔(α)による接続を利用し、約90°の角度間隔(β)は未接続状態のままである。第6のリングコネクタ145、146の径方向の位置は、第5のリングコネクタ143、144の径方向の位置と比較すると、45°だけ角度的にシフトされ得る(γ)。隣接するリングコネクタの径方向の位置のシフトの程度(γ)は、第1および第2のモジュールが変位されるときの、ダイナミゼーションデバイスのリングの数、ダイナミゼーションデバイスによって提供されるダイナミゼーションの量、およびダイナミゼーションデバイスによって提供される所望のばね係数に応じて変更され得る。変形可能なリングの第2のセット120の径方向の位置のシフトの程度(γ)を等間隔にすることによって、リングの変形によりダイナミゼーションデバイス100に加えられる横方向およびねじりの荷重は、互いに大きく打ち消し合い、結果として、ほぼすべての機械的バイアスが長手方向に加えられる。
【0040】
代表的なロック装置300が
図3に示されている。
図3では、ロック装置300は、長手方向軸A-A’に沿って略円筒形状を有している。ロック装置は、好ましくは、ダイナミゼーションデバイス100の変形可能なリングの外縁よりも大きいサイズにされるべきであり、それによって、変形可能なリングの各々は、対応する受容部310に受容され得る。受容部310の各々は、隣接する壁315によって分離される。ロック装置300をダイナミゼーションデバイス上に配置することによって、第1および第2のモジュールは互いに対して長手方向に変位することが防がれ、それによって、変形可能な第1および第2リング115、120が存在する、
図1A~1Fおよび
図2A~2Fのダイナミゼーションデバイス100のダイナミゼーションの特徴が排除される。一実施形態によれば、ロック装置300をダイナミゼーションデバイス上に配置することによってダイナミゼーションデバイス100をロックするために、ロック装置300は1つだけ必要とされる。ロック装置300は、たとえば、ねじ、ラッチ、締付け具、または他の機械的ロックなどの、当技術分野で既知の任意の方法によって、ダイナミゼーションデバイス100に固定することができる。別の実施形態によれば、2つまたはそれ以上のロック装置300がダイナミゼーションデバイス100に接続され、ダイナミゼーションデバイス100を完全に封入し、それによって、第1および第2のモジュール105、110が互いに対して長手方向に変位するのを防ぐ。
【0041】
図3に示されるロック装置300の代替実施形態は、ダイナミゼーションデバイス100の端部近くのねじ付きボルト、ロッド、またはコネクタ上に配置され得る、ナットまたは他の同様のねじ付締結具であり得る。ねじ付締結具は、第1および第2のモジュール105、110の外壁をカバーするのに十分な幅を有するべきであり、それによって、ねじ付締結具がダイナミゼーションデバイス100の端部に隣接して配置されるときに、第1および第2のモジュール105、110は、互いに対して長手方向に変位することができない。ロック装置300としてよりねじ付締結具を使用することのさらなる利点は、ダイナミゼーションデバイス100に与えられるダイナミゼーションの量の制御が可能になるということである。たとえば、治療レジメンの開始時などの、限られた量のダイナミゼーションのみが望まれる場合、ねじ付締結具は、制御された量(たとえば、4分の1回転、2分の1回転、1回転など)だけ、ダイナミゼーションデバイス100の端部102から離され得る。当業者は、長手方向軸に沿った伸長の長さを調整するために、ねじのねじ山のリードおよびピッチを、ねじ山の回転量に関連して変更することができることを認識するであろう。このようにして、外科医または医療技術者は、治療レジメンと一致して、ダイナミゼーションデバイスに、およびそれ故患者に、漸増量のダイナミゼーションを徐々に適用することができる。この説明と一致して、ダイナミゼーションデバイス100によって提供されるダイナミゼーションの量を制御するために、様々な異なるデバイスを使用することができると考えられる。
【0042】
ダイナミゼーションデバイス400の別の代表的な実施形態が
図4Aに示されている。
図4Aでは、ダイナミゼーションデバイス400は、長手方向軸A-A’に沿って略円筒形状を有している。ダイナミゼーションデバイス400は、第1のモジュール405および第2のモジュール410で構成され、これらは、第1のモジュール405の長手方向軸が第2のモジュール410の長手方向軸およびダイナミゼーションデバイス400の長手方向軸A-A’と同軸になるように共に結合される。ダイナミゼーションデバイス400の第1の端部402には、変形可能なリングの第1のセット415が位置づけられている。ダイナミゼーションデバイス400の第2の端部404には、変形可能なリングの第2のセット420が位置づけられている。
図4Aに示す実施形態では、変形可能なリングの第1のセット115は、変形可能な第1リング416、変形可能な第2リング417、および変形可能な第3リング418を備え得る。変形可能なリングの各セットに対して、わずか1つの変形可能なリングが使用され得、本発明の精神から逸脱することなく、変形可能なリングの各セットに対して、4つ以上の変形可能なリングが使用されてもよい。変形可能なリングの第2のセット420は、同様に、変形可能な第4リング421、変形可能な第5リング422、および変形可能な第6リング423を備え得る。各リングは、1つまたは複数のリングコネクタによって第1および第2のモジュール405、410の一部に接続される。変形可能な第1リング416の第1および第2のモジュール405、410への接続は、第1のリングコネクタ431および432と共に
図4Aに示されている。これらのリングコネクタ431、432は、長手方向軸A-A’に対して互いに対向している径方向の位置を占めることができる。変形可能な第2リング417の第1および第2のモジュール405、410への接続は、第2のリングコネクタ433および434と共に
図4Aに示されている。これらのリングコネクタ433、434は、長手方向軸A-A’に対して互いに対向している径方向の位置を占めることができる。さらに、変形可能な第3リング418の第1および第2のモジュール405、410への接続は、第3のリングコネクタ435および436(例示せず)と共に
図4Aに示されている。これらのリングコネクタ435、436は、長手方向軸A-A’に対して互いに対向している径方向の位置を占めることができる。変形可能なリングを第1および第2のモジュールに接続するために2つのリングコネクタが
図4Aに示されているが、本発明の精神から逸脱することなく複数のコネクタを使用することができる。
図4Aにはまた、第2のモジュール510の第1の端部402に配置されているねじ付き開口425が示されている。ねじ付き開口425は、ねじ付きボルト、ロッド、または他のコネクタをダイナミゼーションデバイス400の第1の端部402に接続するために使用され得る。
図4Aには示されていないが、別のねじ付き開口427が第1のモジュール405の第2の端部404に配置されている。この別のねじ付き開口427は、ねじ付きボルト、ロッド、または他のコネクタをダイナミゼーションデバイス400の第2の端部404に接続するために使用され得る。
【0043】
いくつかの実施形態によれば、第1のリングコネクタ431、432は、約60°の角度間隔(α)によって第1および第2のモジュール405、410に接続される一方で、約120°の角度間隔(β)は未接続状態のままである。第1および第2のモジュール405、410が互いに対して長手方向に変位されるときに、遠位変形可能なリング416の未接続の部分によって変形可能な第1リング416が変形および屈曲することが可能になる。同様に、第2のリングコネクタ433、434は、約60°の角度間隔(α)によって第1および第2のモジュール405、410に接続される一方で、約120°の角度間隔(β)は未接続状態のままである。第1および第2のモジュール405、410が互いに対して長手方向に変位されるときに、変形可能な第2リング417の未接続の部分によって、リングは変形および屈曲することが可能になる。さらに、第3のリングコネクタ435、436は、約60°の角度間隔(α)によって第1および第2のモジュール405、410に接続される一方で、約120°の角度間隔(β)は未接続状態のままである。第1および第2のモジュール405、410が互いに対して長手方向に変位されるときに、変形可能な第3リング418の未接続の部分によって、リングは変形および屈曲することが可能になる。
【0044】
上述したように、変形可能なリングの第2のセット420は、変形可能な第4リング421、変形可能な第5リング422、および変形可能な第6リング423を備え得る。変形可能な第4リング421の第1および第2のモジュール405、410への接続は、第4のリングコネクタ441、442と共に
図4Aに示されている。これらのリングコネクタ441、442は、長手方向軸A-A’に対して互いに対向している径方向の位置を占めることができる。変形可能な第5リング422の第1および第2のモジュール405、410への接続は、第5のリングコネクタ443および444と共に
図4Aに示されている。これらのリングコネクタ443、444は、長手方向軸A-A’に対して互いに対向している径方向の位置を占めることができる。さらに、変形可能な第6リング423の第1および第2のモジュール405、410への接続は、第6のリングコネクタ445および446と共に
図4Aに示されている。これらのリングコネクタ445、446は、長手方向軸A-A’に対して互いに対向している径方向の位置を占めることができる。
【0045】
変形可能なリングの第1のセット415と同様に、変形可能なリングの第2のセット420は、様々な角度で第1および第2のモジュールに接続するリングコネクタを含み得る。変形可能な第2リング420の第4のリングコネクタ441、442は、約60°の角度間隔(α)によって第1および第2のモジュール405、410に接続される一方で、約120°の角度間隔(β)は未接続状態のままである。第1および第2のモジュール405、410が互いに対して長手方向に変位されるときに、変形可能な第4リング421の未接続の部分によって、リングは変形および屈曲することが可能になる。同様に、第5のリングコネクタ443、444は、約60°の角度間隔(α)によって第1および第2のモジュール405、410に接続される一方で、約120°の角度間隔(β)は未接続のままである。第1および第2のモジュール405、410が互いに対して長手方向に変位されるときに、変形可能な第5リング422の未接続の部分によって、リングは変形および屈曲することが可能になる。さらに、第6のリングコネクタ445、446は、約60°の角度間隔(α)によって第1および第2のモジュール405、410に接続される一方で、約120°の角度間隔(β)は未接続状態のままである。第1および第2のモジュール405、410が互いに対して長手方向に変位されるときに、変形可能な第6リング423の未接続の部分によって、リングは変形および屈曲することが可能になる。
【0046】
図4Aのダイナミゼーションデバイス400の別の図が
図4Bに示されている。
図4Bでは、ダイナミゼーションデバイス400は、ダイナミゼーションデバイス400の同じ構図であるが、別の側面を示すために90°だけ回転されている。変形可能な第1および第2リング415、420はすべて
図4Bで見られるが、第1のモジュール405は回転して見えており、この図では第2のモジュール410の外壁は見られない。変形可能なリング415、420の各々のためのリングコネクタ431、432、433、435および441、443、445、446は、それぞれ、この図にさらに示されている。変形可能な第1リング415を参照すると、変形可能な第1リング416は、第1のリングコネクタ431および432を介して、それぞれ、第1および第2のモジュール405、410に接続される。変形可能な第2リング417は、第2のリングコネクタ433および434(図示せず)を介して、それぞれ、第1および第2のモジュール405、410に接続される。変形可能な第3リング418は、第3のリングコネクタ435および436(図示せず)を介して、それぞれ、第1および第2のモジュール405、410に接続される。変形可能なリングの第2のセット420を参照すると、変形可能な第4リング421は、第4のリングコネクタ441および442(図示せず)を介して、それぞれ、第1および第2のモジュール405、410に接続される。変形可能な第5リング422は、第5のリングコネクタ443および444(図示せず)を介して、それぞれ、第1および第2のモジュール405、410に接続される。変形可能な第6リング423は、第6のリングコネクタ445および446を介して、それぞれ、第1および第2のモジュール405、410に接続される。
【0047】
図4Aの代表的な実施形態の断面図が
図4Cに示されている。
図4Cでは、ダイナミゼーションデバイス400は、右側に第1のモジュール405および左側に第2のモジュール410を有して示されている。第1のモジュール405は、外壁465および内部カラム470を有するものとして示されている。第2のモジュール410は、外壁480および内部カラム485を有するものとして示されている。第1および第2のモジュール405、410は、
図1A~1Eの実施形態と同じ方法で共に結合され得る。同様に、第1のモジュール405を第2のモジュール410に対して長手方向に変位させることによって、変形可能なリング415、420の未接続の部分は、ダイナミゼーションデバイス400に長手方向の機械的バイアスを加えて、ダイナミゼーションデバイス400をその元の位置に戻すように変形される。
図4Cにはまた、ダイナミゼーションデバイス400のそれぞれの端部でねじ付きボルト、ロッド、または他のコネクタを受けることができる、ねじ付き開口425および427が示されている。
【0048】
図4Aの代替実施形態の断面図が
図4Dに示されている。
図4Dでは、ダイナミゼーションデバイス400は、右側に第1のモジュール405および左側に第2のモジュール410を有して示されている。
図4Cと同様に、第1のモジュール405は、外壁465および内部カラム470を有するものとして示されている。第2のモジュール410は、外壁480および内部カラム485を有するものとして示されている。第1および第2のモジュールは、
図1A~1Eの実施形態と同じ方法で共に結合され得る。同様に、第1のモジュール405を第2のモジュール410に対して長手方向に変位させることによって、変形可能なリング415、420の未接続の部分は、ダイナミゼーションデバイス400に長手方向の機械的バイアスを加えて、ダイナミゼーションデバイス400を元の位置に戻すように変形される。ねじ付き開口425および427は、ダイナミゼーションデバイス400のそれぞれの端部でねじ付きボルト、ロッド、または他のコネクタを受けることができる。
図4Dにはまた、第1のモジュールの外壁465の端部から突出する止め部材450が示されている。止め部材450は、内側表面454を含む内向きに突出するリップ453として示されている。内側表面454は、ねじ付きボルト、ロッド、または他のコネクタがダイナミゼーションデバイス400の第1の端部でねじ付き開口425に取り付けられるのに十分なサイズでなければならない。内向きに突出するリップ453は、第2のモジュール410が第1のモジュール405から離れて長手方向に変位するのを防ぎ、それによって、所望の圧縮運動の代わりに、望ましくない伸延運動が与えられる。
図4Dには示されていないが、望ましくない伸延運動に対するさらなる保護を提供するために、ダイナミゼーションデバイス400の他端に第2の止め部材を配置することができる。
【0049】
ダイナミゼーションデバイス400との使用に適したねじ付締結具497が
図4Eに示されている。
図4Eでは、ねじ付締結具497は、ダイナミゼーションデバイス400の第1の端部402に配置されたねじ付きロッド495にねじ込まれ得る。
図4Cを参照して説明されるように、ねじ付きロッド495は、第2のモジュール410の第2の内部カラム485内のねじ付き凹部425に取り付けられる。このようにして、ねじ付きロッド495に長手方向の圧縮力を加えると、第2のモジュール410は、第1のモジュール105に対して長手方向に変位する。好ましくは、ねじ付締結具497は、
図4Eに示されるように、第2の内部カラム485の上面487および第1の外壁465の上面467の両方をカバーするのに十分な大きさの径を有するフランジ499を含む。ねじ付締結具497がダイナミゼーションデバイス400の第1の端部402に隣接して配置されると、フランジ499は、第1の外壁465の上面467との接触を維持するため、第1のモジュール405が第2のモジュール410に対して長手方向に変位するのを防ぐ。これによって、ダイナミゼーションデバイス400の長手方向の圧縮運動が実質的に防がれる。一実施形態によれば、ダイナミゼーションデバイス400の第1の端部402に対するねじ付締結具497の配置をさらに固定するために、ねじ付きロッド495に追加のロックナット498をねじ込むことができる。ねじ付締結具497(および存在する場合はロックナット498)を第1の端部402から離すことによって、制御された量のダイナミゼーションをダイナミゼーションデバイス400に与えることができる。治療レジメンの開始時などの、限られた量のダイナミゼーションのみが望まれる場合、ねじ付締結具497は、制御された量(たとえば、4分の1回転、2分の1回転、1回転など)だけ、ダイナミゼーションデバイス400の第1の端部102から離され得る。このようにして、外科医または医療技術者は、治療レジメンと一致して、ダイナミゼーションデバイスに、および患者に、漸増量のダイナミゼーションを徐々に適用することができる。追加のロックナット498をねじ付締結具497に対して締め付けて、ダイナミゼーションの量が固定され、治療プロセス中に変更されないことを保証することができる。この記述と一致して、ダイナミゼーションデバイス400によって提供されるダイナミゼーションの量を制御するために、様々な異なるねじ付締結具およびロックナット(たとえば、ナット、フランジ付きナット、プレート、ワッシャーなど)が使用され得ることが企図される。
【0050】
ダイナミゼーションデバイスの代替実施形態が
図5Aに示されている。
図5Aでは、ダイナミゼーションデバイス500は、長手方向軸A-A’に沿って略円筒形状を有している。ダイナミゼーションデバイス500は、ダイナミゼーションデバイス500の長手方向軸A-A’と同軸である一連の変形可能なリングで構成されている。本実施形態で利用することができる変形可能なリングの数は、ダイナミゼーションプロセス中に適用する機械的バイアスの所望の強度、サイズ、および程度に応じて、わずか2つ、6つ(
図5Aに示されるように)、またはそれ以上であり得る。
図5Aに示すように、6つの変形可能なリングが2つのセットで示されている:より具体的にはリング516、517、および518として示されている、変形可能なリングの第1のセット515、およびより具体的にはリング521、522、および523として示されている、変形可能なリングの第2のセット520。リングはすべて、第1の外部カラム505および第2の外部カラム510によって接続されるものとして
図5Aに示されている。本実施形態は、ダイナミゼーションデバイス500の第1の端部502に位置づけられている第1の内部カラム530およびダイナミゼーションデバイス500の第2の端部504に位置づけられている第2の内部カラム535をさらに含む。
図5Aにはまた、ダイナミゼーションデバイス500の第1の端部502から長手方向に伸長する第1の突出部540が示されている。第1の突出部540は、ねじ付き開口525を含み、そこには、ねじ付きボルト、ロッド、または他のコネクタが、ダイナミゼーションデバイス500の第1の端部502で第1の内部カラム530に取り付けられ得る。
図5Aにはまた、ダイナミゼーションデバイス500の第1の端部502で平坦化された平面を形成する、一対の弦状表面552が示されている。一実施形態によれば、弦状表面552は、互いに対向して半径方向に位置づけられている一対で示され、ねじ付きボルト、ロッド、または他のコネクタが、ダイナミゼーションデバイスの第1の端部502でねじ付き開口525に取り付けられると、ダイナミゼーションデバイス500を適所に保持するために使用され得る。
図5Aにはまた、変形可能なリングの第1のセット515および変形可能なリングの第2のセット520を、それぞれ、第1の内部カラム530および第2の内部カラム535に接続する、リングコネクタの2つのセットが示されている。
図5Aでは、変形可能なリングの第1のセット516、517、518は、それぞれ、第1、第2、および第3のリングコネクタ531、532、533によって第1の内部カラム530に接続される。第1、第2および第3のリングコネクタ531、532、533は、第1の内部カラム530と第1の外部カラム505との間の接続の機械的強度を強化するために、第1の外部カラム505に隣接している。いくつかの実施形態によれば、第1、第2、および第3のリングコネクタ531、532、533は、約60°の角度間隔(α)によって第1の内部カラム530と第1の外部カラム505を接続する。第1、第2、および第3のリングコネクタ531、532、533はまた、類似した量の角度間隔(α)(約60°)によって第2の外部カラム510に接続される。これらの量は、ダイナミゼーションデバイス500に加えられている機械的負荷のバランスをとるために、互いに類似していることが好ましい。第1、第2、および第3のリングコネクタ531、532、533は、約120°の角度間隔(β)でダイナミゼーションデバイスの対向する両側には接続されていない。第1の内部カラム530および第2の内部カラム535が互いに対して長手方向に変位されるときに、変形可能なリングの未接続の部分は変形および屈曲し得る。さらに、変形可能なリングが互いにおよび内部カラムに接続されている度合いが大きければ大きいほど(たとえば、120°、130°、60°、または45°)、ダイナミゼーションデバイス500の強度に影響を与え得るだけでなく、第1および第2の内部カラムが長手方向に変位されたときにダイナミゼーションデバイスによって提供される所望のばね係数にも影響を与え得る。
図5Aに開示される実施形態では、リングコネクタの好ましい実施形態は、約60°の角度間隔(α)による接続を利用する一方で、約120°の角度間隔(β)は未接続状態のままである。
【0051】
図5Aの実施形態の側面図が
図5Bに示されている。
図5Bでは、ダイナミゼーションデバイス500は、ダイナミゼーションデバイス500の長手方向軸A-A’と同軸である一連の変形可能なリング516、517、518、521、522、523を含む。変形可能なリングはすべて、第1の外部カラム505および第2の外部カラム510に接続される。また、ダイナミゼーションデバイス500の第1の端部502に位置づけられている第1の内部カラム530およびダイナミゼーションデバイス500の第2の端部504に位置づけられている第2の内部カラム535も示されている。
図5Bにはまた、ダイナミゼーションデバイス500の第1の端部502から長手方向に伸長する第1の突出部540が示されている。第1の突出部は弦状表面552を含み得る。さらに、
図5Bには、第1の内部カラム530と第2の内部カラム535との間に配置されている変位ギャップDが示されている。ダイナミゼーションデバイス500の第1の端部502が、第2の端部504に対して長手方向に変位されると、変形可能なリング516、517、518、521、522、523が、変位中に曲げられ、屈曲されるにつれ、変位ギャップDは増大または縮小し得る。サイズ、形状、接続、および接続の角度間隔の範囲(α、β)は、ダイナミゼーションデバイス500のばね係数に影響を与える可能性があり、それによって、一定範囲の運動および機械的バイアスがダイナミゼーションデバイスによって提供される。
【0052】
図3に示されているロック装置300と類似した適切なロック装置が、ダイナミゼーションの運動を排除または提供するために、
図5Aおよび5Bの実施形態と共に使用され得る。また、
図3に示されているロック装置300の代替として、ナットまたは他の類似したねじ付締結具が、ダイナミゼーションデバイス500の端部近傍でねじ付きボルト、ロッド、またはコネクタに配置され得る。
図5Aおよび5Bに示される実施形態では、ねじ付締結具は、ダイナミゼーションデバイス500の第2の端部504で第2の内部カラム535および変形可能なリング521の両方の部分をカバーするのに十分な幅を有するべきである。適切な実施形態は、第2の内部カラム535と変形可能なリング521の両方の部分をカバーするのに十分な長さLである、
図5Cに示されるダイナミゼーションデバイス、またはロック装置590と同じ外径を有するディスクを含む。ロック装置としてねじ付締結具を使用する追加の利点は、制御された量のダイナミゼーションをダイナミゼーションデバイス500に与えることができることである。たとえば、治療レジメンの開始時などの、限られた量のダイナミゼーションのみが望まれる場合、ねじ付締結具は、再び、ねじ山のリードおよびピッチに応じて、制御された量(たとえば、4分の1回転、2分の1回転、1回転など)だけ、ダイナミゼーションデバイス500の端部から離され得る。このようにして、外科医または医療技術者は、治療レジメンと一致して、ダイナミゼーションデバイス500に、および患者に、漸増量のダイナミゼーションを徐々に適用することができる。この記述と一致して、ダイナミゼーションデバイス500によって提供されるダイナミゼーションの量を制御するために、様々な異なるデバイスが使用され得ることが企図される。
【0053】
ダイナミゼーションデバイス500に隣接したロック装置590の斜視図が
図5Dに示されている。
図5Dでは、ロック装置590は、ダイナミゼーションデバイス500の第2の端部504に配置されたねじ付きロッド595にねじ込まれている。ロック装置590が、ダイナミゼーションデバイス500の第2の端部504に隣接するまでねじ込まれる場合、変形可能なリング521に対する第2の内部カラム535の長手方向の圧縮運動が防がれる。これによって、ダイナミゼーションデバイス500の圧縮運動が防がれる。上述のように、ロック装置590は、第2の内部カラム535および変形可能なリング521の両方の部分をカバーするのに十分な長さLを有さなければならない。一実施形態によれば、追加のロックナット597、598が、ねじ付きロッド595の端部にねじ込まれて、ダイナミゼーションデバイス500の第2の端部504に対するロック装置の配置をさらに固定することができる。好ましくは、これらの追加のロックナットは、互いに対してねじ込まれたときに、ロック装置590がダイナミゼーションデバイス500の第2の端部504から離れて配置される距離Dを制御することができるように、一対で提供される。このようにして、ダイナミゼーションデバイス500によって提供されるダイナミゼーションの量を、上記のように制御することができる。
図5Aのダイナミゼーションデバイス500の代替実施形態が
図5Eに示されている。
図5Eでは、ダイナミゼーションデバイス500は、第1の外部カラム505、第2の外部カラム510、第1の内部カラム530、および第2の内部カラム535間の接続を形成する変形可能なリング516、517、518、521、522、523の2つのセットを使用する。
図5Aの実施形態とは対照的に、第1および第2の外部カラム505、510のサイズははるかに大きく、
図5Aに示される略円筒形状よりもむしろ、楕円形状をダイナミゼーションデバイス500全体に提供している。さらに、
図5Eの変形可能なリングの厚さTは、
図5Aに示されるリングの厚さよりもはるかに大きい。これらの特徴は、ダイナミゼーションデバイス500に追加の強度を提供し、ダイナミゼーションデバイス500に加えられる横方向およびねじりの荷重の影響を受けにくくする。加えて、変形可能なリングTの厚さがより大きいため、ダイナミゼーションデバイスはより大きなばね係数を有し、これがダイナミゼーションプロセス中に大きな機械的バイアスを与えている。したがって、
図5Eのダイナミゼーションデバイスは、より大きな負荷応力の影響をより受けやすく、ダイナミゼーションプロセス中により大きな機械的バイアスを必要とする、より大きな骨での治療的使用により適切であり得る。
【0054】
図5Eの実施形態の平面図が
図5Fに示されている。
図5Fでは、ダイナミゼーションデバイス500は、第1および第2の外部カラム505、510および第1の内部カラム530を備えて示されている。
図5Fにはまた、変形可能な第1リング516、第1の突出部540、およびねじ付き開口525の平面図が示されている。第1の外部カラム505は、リングコネクタ531によって第1の内部カラム505に接続される。別のリングコネクタ543が示されているが、これは第2の内部カラム535(図示せず)を第2の外部カラム510に接続する。ダイナミゼーションデバイス500の略楕円形状は、この構造の平面図で明らかになっている。特定の機械的負荷、ダイナミゼーションの程度、解剖学的懸念、またはダイナミゼーションデバイス500の他の必要性に応じて、他の形状が外部カラムに提供され得ることが企図されている。
図1F、
図3、
図4E、
図5C、および
図5Dを参照して上記されたロック装置はいずれも、
図5Eおよび
図5Fに示されるダイナミゼーションデバイス500と共に使用され得る。
【0055】
ダイナミゼーションデバイスの別の代替実施形態は
図5Gに示されている。
図5Gでは、ダイナミゼーションデバイス500は、長手方向軸A-A’に沿って略円筒形状を有している。ダイナミゼーションデバイス500は、ダイナミゼーションデバイス500の長手方向軸A-A’と同軸である一連の変形可能なリングで構成されている。本実施形態で利用することができる変形可能なリングの数は、ダイナミゼーションプロセス中に適用する機械的バイアスの所望の強度、サイズ、および程度に応じて、わずか2つ、4つ(
図5Gに示されるように)、またはそれ以上であり得る。
図5Gに示すように、4つの変形可能なリングが示されている:変形可能な第1リング515、変形可能な第2リング516、変形可能な第3リング517、および変形可能な第4リング518。リングはすべて、第1の外部カラム505および第2の外部カラム510によって接続されるものとして
図5Gに示されている。本実施形態は、ダイナミゼーションデバイス500の第1の端部502に位置づけられている第1の内部カラム530およびダイナミゼーションデバイス500の第2の端部504に位置づけられている第2の内部カラム535をさらに含む。
図5Gにはまた、第1の端部502および第2の端部504から長手方向に伸長する、それぞれ、第1の突出部540および第2の突出部545が示されている。第1の突出部540は、ねじ付き開口525(図示せず)を含み、そこには、ねじ付きボルト、ロッド、または他のコネクタが、ダイナミゼーションデバイス500の第1の端部502で第1の内部カラム530に取り付けられ得る。第2の突出部545は、ねじ付き開口527を含み、そこには、ねじ付きボルト、ロッド、または他のコネクタが、ダイナミゼーションデバイス500の第2の端部504で第2の内部カラム535に取り付けられ得る。各突出部540、545は、ねじ付きボルト、ロッド、または他のコネクタがねじ付き開口525、527に取り付けられると、ダイナミゼーションデバイス500を適所に保持することができる、レンチ、ラチェット、または他のツールを収容することができる複数の平面を含む外側表面を有している。リングコネクタ531は、第1の外部カラムを第1の内部カラム530に接続するものとして
図5Gに示されている。
図5Aに示される実施形態とは異なり、
図5Gのリングコネクタ531は、第1の内部カラムの長手方向全長にわたって、第1の外部カラム505を第1の内部カラム530に接続する。これによって、第1の内部カラムと第1の外部カラムとの間の接続により大きな強度が提供され、接続のための角度間隔の範囲(α)が縮小される。同様に、リングコネクタ541は、第2の外部カラム541を第2の内部カラム535に接続するものとして
図5Fに示されている。リングコネクタ541は、第2の内部カラムの長手方向全長にわたって、第2の外部カラム510を第2の内部カラム535に接続する。これによって、第2の内部カラムと第2の外部カラムとの間の接続により大きな強度が提供され、接続のための角度間隔の範囲(α)が縮小される。第1および第2のリングコネクタ531、541のための角度間隔の範囲(α)は、ダイナミゼーションデバイス500に加えられている機械的負荷のバランスをとるために、互いに類似していることが好ましい。第1、第2、第3および変形可能な第4リング515、516、517、518は、約160°の角度間隔(β)でダイナミゼーションデバイスに対向する両側には接続されていない。第1の内部カラム530および第2の内部カラム535が互いに対して長手方向に変位されるときに、変形可能なリングの未接続の部分は変形および屈曲し得る。さらに、外部カラム505、510が内部カラム530、535に接続される度合いが大きければ大きいほど(たとえば、120°、130°、60°、または45°)、ダイナミゼーションデバイスの強度に影響を与えるだけでなく、第1および第2の内部カラム530、535が長手方向に変位されるときにダイナミゼーションデバイスによって提供される所望のばね係数にも影響を与え得る。
図5Gに開示される実施形態では、リングコネクタの好ましい実施形態は、約40°の角度間隔(α)による接続を利用する一方で、約140°の角度間隔(β)は未接続状態のままである。
【0056】
図5Gにはさらに、第1の内部カラム530と第2の内部カラム535との間に配置されている変位ギャップDが示されている。ダイナミゼーションデバイス500の第1の端部502が第2の端部504に対して長手方向に変位されると、変位中に変形可能なリング515、516、517、518が曲げられ、屈曲されるにつれ、変位ギャップDは増大または縮小し得る。サイズ、形状、接続、および接続のための角度間隔の範囲(α、β)は、ダイナミゼーションデバイス500のばね係数に影響を与える可能性があり、それによって、一定範囲の運動および機械的バイアスがダイナミゼーションデバイス500によって提供される。
【0057】
図3に示されているロック装置300に類似した適切なロック装置は、ダイナミゼーションの運動を排除または提供するために、
図5Gの実施形態と共に使用され得る。さらに、
図3に示されるロック装置300の代替として、ナットまたは他の類似したねじ付締結具が、ダイナミゼーションデバイス500の端部近傍でねじ付きボルト、ロッド、またはコネクタに配置され得る。ねじ付締結具は、ダイナミゼーションデバイス502、504の端部で内部カラム530、535および変形可能なリング515、518の両方の部分をカバーするのに十分な幅を有するべきである。適切な実施形態は、環状リップを備えるダイナミゼーションデバイスと同じ外径を有するディスクを含み、環状リップによって、ディスクは、突出部、たとえば、540、545の外側表面と変形可能なリング515、518と同時に接触することが可能になる。ロック装置としてねじ付締結具を使用する追加の利点は、制御された量のダイナミゼーションをダイナミゼーションデバイス500に与えることができることである。たとえば、治療レジメンの開始時などの、限られた量のダイナミゼーションのみが望まれる場合、ねじ付締結具は、再び、ねじ山のリードおよびピッチに応じて、制御された量(たとえば、4分の1回転、2分の1回転、1回転など)だけ、ダイナミゼーションデバイス500の端部から離され得る。このようにして、外科医または医療技術者は、治療レジメンと一致して、ダイナミゼーションデバイスに、および患者に、漸増量のダイナミゼーションを徐々に適用することができる。この記述と一致して、ダイナミゼーションデバイス500によって提供されるダイナミゼーションの量を制御するために、様々な異なるデバイスが使用され得ることが企図される。
【0058】
ダイナミゼーションデバイス600の別の代表的な実施形態が
図6Aに示されている。
図6Aでは、ダイナミゼーションデバイス600は、長手方向軸A-A’に沿って略円筒形状を有している。ダイナミゼーションデバイス600は、第1のモジュール605および第2のモジュール610で構成され、これらは、第1のモジュール605の長手方向軸が第2のモジュール610の長手方向軸およびダイナミゼーションデバイス600の長手方向軸A-A’と同軸になるように共に結合される。ダイナミゼーションデバイス600の長さに沿って、変形可能なリング615~621のセットが位置づけられている。これらのリングの各々は、1つまたは複数のリングコネクタによって第1および第2のモジュール605、610の一部に接続される。変形可能な第1リング615の第1および第2のモジュール605、610への接続は、第1のリングコネクタ631および632と共に
図6Aに示されている。これらの第1のリングコネクタ631、632は、長手方向軸A-A’に対して互いに対向している径方向の位置を占めることができる。変形可能な第1リング615および変形可能な第2リング616はまた、第1の外部カラム622によって互いに接続される。変形可能な第2リング616、変形可能な第3リング617、および変形可能な第4リング618もまた、第2の外部カラム623によって互いに接続される。変形可能な第4リング618、変形可能な第5リング619、および変形可能な第6リング620も、第3の外部カラム624によって互いに接続される。さらに、変形可能な第6リング620および変形可能な第7リング621は、第4の外部カラム622によって互いに接続される。外部カラムの類似したセット(図示せず)が、ダイナミゼーションデバイス600の対向する側に配置されている。
図6Aに示すように、変形可能な第2リング616は、第2のリングコネクタ633によって内モジュール610に接続される。変形可能な第4リング618はまた、第4のリングコネクタ634によって内モジュール610に接続される。さらに、変形可能な第6リング620は、第6のリングコネクタ635によって内モジュール610に接続される。リングコネクタの類似したセットが、ダイナミゼーションデバイス600の対向する側に配置されている。これらのリングコネクタ631~635に加えて、第1、第2、第3および第4の外部カラム622、623、624、625は、それぞれ、カラムコネクタ641、642、643、および644によって内モジュール610に直接接続される。
【0059】
いくつかの実施形態によれば、第1のリングコネクタ631、632は、約60°の角度間隔(α)によって第1および第2のモジュール605、610に接続される一方で、約120°の角度間隔(β)は未接続状態のままである。第1および第2のモジュール605、610が互いに対して長手方向に変位されるときに、遠位変形可能なリング615の未接続の部分によって、リングは変形および屈曲することが可能になる。変形可能な第2リング616は、第2のリングコネクタ633によって第2のモジュール610に接続される。第2のリングコネクタ633は、第1および第2の外部カラム622、623の両方と重なるのに十分な角度間隔(α)で通過する。
図6Aにはまた、第4のリングコネクタ634が示されている。第4のリングコネクタ634は、第2および第3の外部カラム623、624の両方と重なるのに十分な角度間隔(α)で通過する。さらに、変形可能な第6リング620は、第6のリングコネクタ635で第2の内モジュール610に接続する。第6のリングコネクタ635は、第3および第4の外部カラム624、625の両方と重なるのに十分な角度間隔(α)で通過する。
【0060】
図6Aにはまた、ダイナミゼーションデバイス600の第2の端部604から長手方向に伸長する第1の突出部640が示されている。第1の突出部640は、ねじ付きボルト、ロッド、または他のコネクタをダイナミゼーションデバイス600の第2の端部604に取り付けることができる、ねじ付き開口627(図示せず)を含む。
図6Aにはまた、ダイナミゼーションデバイス600の第1の端部602に配置されているねじ付き開口625も示されている。ねじ付き開口625は、ねじ付きボルト、ロッド、または他のコネクタをダイナミゼーションデバイス600の第1の端部602に接続するために使用され得る。
図6Aには示されていないが、別のねじ付き開口627がダイナミゼーションデバイスの第2の端部604に配置されている。この別のねじ付き開口627は、ねじ付きボルト、ロッド、または他のコネクタをダイナミゼーションデバイス600の第2の端部604に接続するために使用され得る。
【0061】
図6Aに示されるダイナミゼーションデバイス600の別の図が
図6Bに示されており、ダイナミゼーションデバイスはその長手方向軸A-A’を中心に時計回りに90度回転されている。
図6Aのように、変形可能なリング615~621のセットは、ダイナミゼーションデバイス600の長さに沿って位置づけられている。これらのリングの各々は、1つまたは複数のリングコネクタによって第1および第2のモジュール605、610の一部に接続される。変形可能な第1リング615の第1および第2のモジュール605、610への接続は、第1のリングコネクタ631および632と共に
図6Bに示されている。これらの第1のリングコネクタ631、632は、長手方向軸A-A’に対して互いに対向している径方向の位置を占めることができる。
図6Bでは、第5の外部カラム626が、変形可能な第1リング615と変形可能な第2リング616を接続するものとして示されている。第5の外部カラム626は、カラムコネクタ645によって第1のモジュール605に直接接続される。変形可能な第2リング616、変形可能な第3リング617、および変形可能な第4リング618もまた、カラムコネクタ642によって第2のモジュール610に直接接続される第2の外部カラム623によって互いに接続される。変形可能な第4リング618、変形可能な第5リング619、および変形可能な第6リング620もまた、第6の外部カラム627によって互いに接続される。第6の外部カラム627は、カラムコネクタ646によって第1のモジュール605に直接接続される。さらに、変形可能な第6リング620および変形可能な第7リング621は、第4の外部カラム625によって互いに接続される。
【0062】
図6Bでは、変形可能な第2リング616は、第2のリングコネクタ633によって内モジュール610に接続される。変形可能な第3リング617もまた、第3のリングコネクタ636によって内モジュール610に接続される。変形可能な第5リング619もまた、第5のリングコネクタ637によって内モジュール605に接続される。変形可能な第7リング621もまた、第7のリングコネクタ638によって内モジュール610に接続される。
【0063】
第1の突出部640は、
図6Bに示されており、ダイナミゼーションデバイス600の第2の端部604から長手方向に伸長している。第1の突出部640は、ねじ付きボルト、ロッド、または他のコネクタをダイナミゼーションデバイス600の第2の端部604に取り付けることができる、ねじ付き開口627(図示せず)を含む。
図6Bにはまた、ダイナミゼーションデバイス600の第2の端部604で平坦化された表面を形成する、弦状表面652が示されている。一実施形態によれば、第1の突出部640の他端には一致する弦状表面が見られ、したがって、互いに対向して半径方向に位置づけられている、およびねじ付きボルト、ロッド、または他のコネクタがダイナミゼーションデバイス600に取り付けられると、ダイナミゼーションデバイス600を適所に保持するために使用され得る一対が形成される。
【0064】
図6Bの代表的な実施形態の断面図が
図6Cに示されている。
図6Cでは、ダイナミゼーションデバイス600は、右側に第1のモジュール605および左側に第2のモジュール610を備えて示されている。第1のモジュール605は、外壁665および内部カラム670を有するものとして示されている。第2のモジュール610は、外壁680および内部カラム685を有するものとして示されている。第1および第2のモジュール605、610は、
図1A~1Eの実施形態と同じ方法で互いに結合することができる。同様に、第2のモジュール610に対して第1のモジュール605を長手方向に変位させることによって、変形可能なリング615~621の未接続の部分は変形し、それによりダイナミゼーションデバイス600に長手方向の機械的バイアスが加えられ、ダイナミゼーションデバイス600をその元の位置に戻す。
図6Cにはまた、ダイナミゼーションデバイス600のそれぞれの端部でねじ付きボルト、ロッド、または他のコネクタを受けることができる、ねじ付き開口625および627が示されている。
図6Dにはまた、第1のモジュール605の外壁665の端部から突出する止め部材650が示されている。止め部材650は、内側表面654を含む内向きに突出するリップとして示されている。内側表面654は、ねじ付きボルト、ロッド、または他のコネクタが、ダイナミゼーションデバイス600の第1の端部602でねじ付き開口625に接続することができるような十分なサイズを有さなければならない。内向きに突出するリップは、第2のモジュール610が第1のモジュール605から離れて長手方向に変位することを防ぎ、それによって、望ましい圧縮運動ではなくむしろ、望ましくない伸延運動が与えられる。
図6Cには示されていないが、第2の止め部材は、望ましくない伸延運動に対するさらなる保護を提供するために、ダイナミゼーションデバイス600の他端に配置され得る。
図6Cにはまた、ダイナミゼーションデバイス600の第2の端部604から長手方向に伸長する第1の突出部640が示されている。第1の突出部640は、ねじ付きボルト、ロッド、または他のコネクタが、ダイナミゼーションデバイス600の第2の端部604で第1の内部カラム670に取り付けることができる、ねじ付き開口627を含む。
図1F、3、4E、5C、および5Dを参照して上記されたロック装置はいずれも、
図6A、6B、および6Cに示されているダイナミゼーションデバイス600と共に使用され得る。
【0065】
ダイナミゼーションデバイス700の別の代表的な実施形態が
図7Aに示されている。
図7Aでは、ダイナミゼーションデバイス700は、長手方向軸A-A’に沿って略円筒形状を有している。ダイナミゼーションデバイス700は、第1のモジュール705および第2のモジュール710から構成され、これらは、第1のモジュール705の長手方向軸が、第2のモジュール710の長手方向軸およびダイナミゼーションデバイス700の長手方向軸A-A’と同軸になるように共に結合される。第1および第2のモジュール705、710は、それぞれ、ダイナミゼーションデバイス700の第1および第2の端部702、704に位置づけられた一対の変形可能なリング715、720に接続される。第1のリング715は、ダイナミゼーションデバイスの第1の端部702からダイナミゼーションデバイスの第2の端部704まで伸長する第1のカラム770によって第1のモジュール705に接続され、ここで第2のリング720に接続する。第2のリング720はまた、ダイナミゼーションデバイスの第2の端部704からダイナミゼーションデバイスの第1の端部702まで伸長する第2のカラム785によって第2のモジュール710に接続され、ここで第1のリング715に接続される。2つのリング715、720のみが
図7Aに示されているが、本発明の精神から逸脱することなく、より多くの変形可能なリングが本実施形態に追加され得る。
図7Aはまた、変位距離Dが第1のモジュール705と第2のモジュール710との間に配置されていることを例示している。この変位距離は、好ましくは約1~3mmの範囲にあり、最大で約3mmであることが好ましい。結果として、第1のモジュール705が第2のモジュール710に向かって長手方向に圧縮されるときに、ダイナミゼーションデバイスの圧縮変位は、第1のモジュール705が第2のモジュール710と接触すると停止する。この長手方向の圧縮中に、リング715、720は変形され、したがって、機械的バイアスが作り出され、それにより長手方向の圧縮力が取り除かれると、ダイナミゼーションデバイス700はその元の位置に戻る。
【0066】
図7Aにはまた、ダイナミゼーションデバイスの第1の端部702に配置されているねじ付き開口725が示されている。ねじ付き開口725は、ねじ付きボルト、ロッド、または他のコネクタをダイナミゼーションデバイス700の第1の端部702に接続するために使用され得る。
図7Aには示されていないが、別のねじ付き開口がダイナミゼーションデバイスの第2の端部704に配置されている。この別のねじ付き開口は、ねじ付きボルト、ロッド、または他のコネクタをダイナミゼーションデバイス700の第2の端部704に接続するために使用され得る。
【0067】
図7Aの代表的なダイナミゼーションデバイス700の側面図が
図7Bに示されている。
図7Bでは、ダイナミゼーションデバイス700は側面視で示されており、第1のモジュール705は第1のカラム770に接続され、第2のモジュール710は第2のカラム785に接続されている。第1のモジュール705と第2のモジュール710との間の変位距離Dが示されている。変形可能な第1および第2リング715、720の側面図も
図7Bに示されている。
【0068】
ダイナミゼーションデバイス700の別の代表的な側面図が
図7Cに示されている。
図7Cでは、ダイナミゼーションデバイス700が再び側面から示されているが、第1のモジュール705は第2のモジュール710に向かって長手方向に変位されている。結果として、変位距離Dは、第1のモジュール705が第2のモジュールに接触するまで縮小される。これが起こると、変形可能な第1および第2リング715、720は、互いに対して変位される。
図7Cに(斜線で)示されるように、モジュール705、710が互いに対して長手方向に変位されると、変形可能なリング715、720は、第1のカラム770および第2のカラム785と接触して保持される。これによって、リング715、720の形状は変形し、第1および第2のモジュール705、710間に長手方向の機械的バイアスが加えられて、変形可能なリングは元の位置に戻る。長手方向の力が取り除かれたときに、これらの長手方向の機械的バイアスによって、ダイナミゼーションデバイス700はその元の位置に戻る。
図1F、3、4E、5C、および5Dを参照して上記したロック装置はいずれも、
図7A-7Cに示されているダイナミゼーションデバイス700と共に使用され得る。第1のモジュール705と第2のモジュール710との間のギャップに別の例示的なロック装置が挿入され得、それによって、これらのモジュールが互いに向かって長手方向に変位することが防がれる。
【0069】
ダイナミゼーションデバイスの別の代表的な実施形態が
図8Aに示されている。
図8Aでは、ダイナミゼーションデバイス800は、長手方向軸A-A’に沿って略円筒形状を有している。ダイナミゼーションデバイス800は、第1のモジュール805および第2のモジュール810で構成され、これらは、第1のモジュール805の長手方向軸が、第2のモジュール810の長手方向軸およびダイナミゼーションデバイス800の長手方向軸A-A’と同軸になるように共に結合される。ダイナミゼーションデバイス800の第1の端部802には、変形可能なリングの第1のセット815が位置づけられている。ダイナミゼーションデバイス800の第2の端部804には、変形可能なリングの第2のセット820が位置づけられている。
図8Aに示される実施形態では、変形可能なリングの第1のセット815は、変形可能な第1リング816、変形可能な第2リング817、変形可能な第3リング818、および変形可能な第4リング819を備え得る。わずか1つの変形可能なリングが使用され得、概して変形可能なリングの2つから4つのセットが使用され得るが、本発明の精神から逸脱することなく、変形可能なリングの各セットに対して5つ以上の変形可能なリングが使用されてもよい。変形可能なリングの第2のセット820は、同様に、変形可能な第5リング821、変形可能な第6リング822、変形可能な第7リング823、および変形可能な第8リング824を備え得る。各リングは、1つまたは複数のリングコネクタによって第1および第2のモジュール805、810の一部に接続される。変形可能な第1リング816の第1および第2のモジュール805、810への接続は、第1のリングコネクタ831および832と共に
図8Aに示されている。これらのリングコネクタ831、832は、長手方向軸A-A’に対して互いに対向している径方向の位置を占めることができる。変形可能なリングを第1および第2のモジュール805、810に接続するために2つのリングコネクタ831、832が
図8Aに示されているが、本発明の精神から逸脱することなく複数のコネクタを使用することができる。
図8Aにはまた、第2のリングコネクタ833による変形可能な第2リング817の第2のモジュール810への接続も示されている。変形可能な第2リング817を第1のモジュール805に接続する同様のリングコネクタは、第2のリングコネクタ833に対向して半径方向に位置づけられているが、
図8Aには示されていない。変形可能な第4リング819は、第4リングコネクタ834によって第1のモジュール805に接続される。変形可能な第4リング819を第2のモジュール810に接続する同様のリングコネクタは、第4のリングコネクタ834に対向して半径方向に位置づけられているが、
図8Aには示されていない。変形可能な第5リング821は、第5のリングコネクタ835によって第1のモジュール805に接続される。変形可能な第5リング819を第2のモジュール810に接続する同様のリングコネクタは、第5のリングコネクタ835に対向して半径方向に位置づけられているが、
図8Aには示されていない。変形可能な第8リング824は、第8のリングコネクタ836を介して第2のモジュール810に接続される。変形可能な第8リング824を第1のモジュール805に接続する同様のリングコネクタは、第8のリングコネクタ836に対向して半径方向に位置づけられているが、
図8Aには示されていない。
【0070】
変形可能な第1リング816および変形可能な第2リング817はまた、一対の第1の外部カラム840、841によって互いに接続される。第1の外部カラム840は、第2のモジュール810の外壁に直接接続され、変形可能な第1および第2リング816、817を第2のモジュール810に接続するための剛性の支持構造が形成される。ダイナミゼーションデバイス800の径方向に対向する側には、第1の外部カラム841が第1のモジュール805の外壁に直接接続され、変形可能な第1および第2リング816、817を第1のモジュール805に接続するための剛性の支持構造が形成される。第1の外部カラム840、841は、ダイナミゼーションデバイス800の長手方向軸に対して約5~10度の径方向幅を有している。変形可能な第2リング817および変形可能な第3リング818はまた、一対の第2の外部カラム842、843によって互いに接続される。第2の外部カラム842は、第2のモジュール810の外壁に直接接続され、変形可能な第2および第3リング817、818を第2のモジュール810に接続するための剛性の支持構造が形成される。ダイナミゼーションデバイス800の径方向に対向する側には、第2の外部カラム843が第1のモジュール805の外壁に直接接続され、変形可能な第2および第3リング817、818を第1のモジュール805に接続するための剛性の支持構造が形成される。第2の外部カラム842、843は、ダイナミゼーションデバイスの長手方向軸に対して約5~10度の径方向幅を有している。第2の外部カラム842、843は、ダイナミゼーションデバイス800の長手方向軸A-A’に対して、第1の外部カラム840、841の配置から約30~60度(好ましくは45度)だけ径方向に変位される。好ましい実施形態では、第1の外部カラムと第2の外部カラムの径方向の縁部間に重なりはない。変形可能な第3リング818および変形可能な第4リング819もまた、一対の第3の外部カラム844、845によって互いに接続される。第3の外部カラム844は、第2のモジュール810の外壁に直接接続され、変形可能な第3および第4リング818、819を第2のモジュール810に接続するための剛性の支持構造が形成される。ダイナミゼーションデバイス800の径方向に対向する側には、第3の外部カラム845が第1のモジュール805の外壁に直接接続され、変形可能な第3および第4リング818、819を第1のモジュール805に接続するための剛性の支持構造が形成される。第3の外部カラム844、845は、ダイナミゼーションデバイスの長手方向軸に対して約5~10度の径方向幅を有している。第3の外部カラム844、845は、ダイナミゼーションデバイス800の長手方向軸A-A’に対して、第2の外部カラム842、843の配置から約30~60(好ましくは45度)だけ径方向に変位される。好ましい実施形態では、第2の外部カラムと第3の外部カラムの径方向の縁部間に重なりはない。変形可能なリングの第1のセット815の異なる径方向位置に沿った第1、第2、および第3の外部カラムの配置は、ダイナミゼーションデバイス800に対する追加の強度および安定性を作り出し、ダイナミゼーションデバイスの任意の変位および移動が、ダイナミゼーションデバイス800の長手方向軸A-A’に沿ってのみ生じることを保証する助けになる。
【0071】
変形可能な第5リング821および変形可能な第6リング822はまた、一対の第4の外部カラム846、847によって互いに接続される。第4の外部カラム846は、第2のモジュール810の外壁に直接接続され、変形可能な第5および第6リング821、822を第2のモジュール810に接続するための剛性の支持構造が形成される。ダイナミゼーションデバイス800の径方向に対向する側には、第4の外部カラム847が、第1のモジュール805の外壁に直接接続され、変形可能な第5および第6リング821、822を第1のモジュール805に接続するための剛性の支持構造が形成される。第4の外部カラム846、847は、ダイナミゼーションデバイスの長手方向軸に対して約5~10度の径方向幅を有している。変形可能な第6リング822および変形可能な第7リング823もまた、一対の第5の外部カラム848、849によって互いに接続される。第5の外部カラム848は、第2のモジュール810の外壁に直接接続され、変形可能な第6および第7リング822、823を第2のモジュール810に接続するための剛性の支持構造が形成される。ダイナミゼーションデバイス800の径方向に対向する側には、第5の外部カラム849が、第1のモジュール805の外壁に直接接続され、変形可能な第6および第7リング822、823を第1のモジュール805に接続するための剛性の支持構造が形成される。第5の外部カラム848、849は、ダイナミゼーションデバイス800の長手方向軸に対して約5~10度の径方向幅を有している。第5の外部カラム848、849は、ダイナミゼーションデバイス800の長手方向軸に対して、第4の外部カラム846、847の配置から約30~60度(好ましくは45度)だけ径方向に変位される。好ましい実施形態では、第4の外部カラムと第5の外部カラムの径方向の縁部間に重なりはない。変形可能な第7リング823および変形可能な第8リング834もまた、一対の第6の外部カラム856、857によって互いに接続される。第6の外部カラム856は、第2のモジュール810の外壁に直接接続され、変形可能な第7および第8リング823、834を第2のモジュール810に接続するための剛性の支持構造が形成される。ダイナミゼーションデバイス800の径方向に対向する側には、第6の外部カラム857が、第1のモジュール805の外壁に直接接続され、変形可能な第7および第8リング823、824を第1のモジュール805に接続するための剛性の支持構造が形成される。第6の外部カラム856、857は、ダイナミゼーションデバイスの長手方向軸に対して約5~10度の径方向幅を有している。第6の外部カラム856、857は、ダイナミゼーションデバイス800の長手方向軸A-A’に対して、第5の外部カラム848、849の配置から約30~60度(好ましくは45度)だけ径方向に変位される。好ましい実施形態では、第5の外部カラムと第6の外部カラムの径方向の縁部間に重なりはない。変形可能なリングの第2のセット820の異なる径方向位置に沿った第4、第5、および第6の外部カラムの配置は、ダイナミゼーションデバイス800に対する追加の強度および安定性を作り出し、ダイナミゼーションデバイスの任意の変位および移動が、ダイナミゼーションデバイス800の長手方向軸A-A’に沿ってのみ生じることを保証する助けになる。
【0072】
図8Aにはまた、変形可能な第8リング824および変形可能な第4リング819に取り付けられている、それぞれ、副カラム858および859が示されている。副カラム858は、変形可能な第8リング824と第2のモジュール810との間に剛性の接続を形成し、約60度の径方向距離を通過する。副カラム859は、変形可能な第4リング819と第1のモジュール805との間に剛性の接続を形成し、約60度の径方向距離を通過する。ダイナミゼーションデバイス800が変形または変位された配置にあるとき、副カラム858および859は、ダイナミゼーションデバイス800のさらなる圧縮および損傷を防ぐための止め機構として機能する。より具体的には、第1のモジュール805が、(
図8Cに示すように)第2のモジュール810に対して長手方向に変位されるとき、副カラム858、859は、過度な長手方向の変位を防ぐ。これは、副カラム858の上面が変形可能な第4リング819の下面に当接するとき、および副カラム859の下面が変形可能な第8リング824の上面に当接するときに生じる。
【0073】
図8Aにはさらに、第1のモジュール805の第1の端部802に配置されているねじ付き開口825が示されている。ねじ付き開口825は、ねじ付きボルト、ロッド、または他のコネクタをダイナミゼーションの第1の端部802に接続するために使用され得る。
図8Aには示されていないが、別のねじ付き開口827がダイナミゼーションデバイス800の第2の端部804に配置されている。この別のねじ付き開口827は、ねじ付きボルト、ロッド、または他のコネクタをダイナミゼーションデバイス800の第2の端部804に接続するために使用され得る。
【0074】
図8Aに示されるダイナミゼーションデバイス800の別の図が
図8Bに示されており、ダイナミゼーションデバイスはその長手方向軸A-A’を中心に180度回転されている。
図8Aのように、変形可能なリング816~824のセットが、ダイナミゼーションデバイス800の長さに沿って位置づけられている。これらのリングの各々は、1つまたは複数のリングコネクタによって第1および第2のモジュール805、810の一部に接続される。変形可能な第1リング816の第1および第2のモジュール805、810への接続は、リングコネクタ831および832と共に
図8Bに示されている。これらのリングコネクタ831、832は、長手方向軸A-A’に対して互いに対向している径方向の位置を占めることができる。
図8Bでは、第1の外部カラム840、841、第2の外部カラム842、843、第3の外部カラム844、845、第4の外部カラム846、847、第5の外部カラム848、849、および第6の外部カラム850、851は、180度回転されるように見られる。リングコネクタ837もまた、変形可能な第2リング817を第1のモジュール805に接続するように示されている。リングコネクタ838もまた、変形可能な第4リング819を第2のモジュール810に接続するように示されている。変形可能な第5リング821を第2のモジュール810に接続するリングコネクタ839も示されている。
【0075】
主カラム863および864は、それぞれ、変形可能な第8リング824および変形可能な第4リング819に取り付けられるように
図8Bに示されている。主カラム863は、変形可能な第8リング824と第1のモジュール805との間に剛性の接続を形成し、約60度の径方向距離を通過する。主カラム863は、変形可能な第8リング824と変形可能な第4リング819との間の長手方向距離Lのほぼ全体にわたって第1のモジュール805に接続され、したがって、ダイナミゼーションデバイス800の構造全体に追加の強度および支持が提供される。主カラム864は、変形可能な第4リング819と第2のモジュール810との間に剛性の接続を形成し、約60度の径方向距離を通過する。主カラム864は、変形可能な第4リング819と変形可能な第8リング824との間の長手方向距離Lのほぼ全体にわたって第2のモジュール810に接続され、したがって、ダイナミゼーションデバイス800の構造全体に追加の強度および支持が提供される。主カラム863、864は、治療レジメンとは一致せず、ダイナミゼーションデバイス800に損傷を与え得る、ダイナミゼーションデバイスの長手方向の伸延を防ぐための止め機構として機能する。より具体的には、第1のモジュール805が、(
図8Cに示される方向と反対の方向に)第2のモジュール810から離れて長手方向に伸延されるとき、主カラム863、864は、この伸延変位を防ぐ。これは、主カラム863の上面が変形可能な第4リング819の下面に当接するとき、および主カラム864の下面が変形可能な第8リング824の上面に当接するときに生じる。主カラム863、864は、変形可能な第4リング819と変形可能な第8リング824との間の距離にほぼ等しい長さLを有するため、ダイナミゼーションデバイス800の伸延変位が許容されるのは非常にわずかである。
【0076】
使用中、
図8Cおよび
図8Dに示される対向する図に示されるように、第1のモジュール805が第2のモジュール810に対して長手方向に変位されるとき、内部カラム865、880および止め部材(使用中の場合)は、ダイナミゼーションデバイス800の長手方向の変位を停止する。第1のモジュール805が第2のモジュール810に対して長手方向に変位されると、変形可能なリング816~824は互いに対して変位される。これによって、リング816、817、818、819、821、822、823、824の形状が変形し、第1および第2のモジュール805、810間に長手方向の機械的バイアスが加えられて、変形可能な第1リングを元の位置に戻す。
【0077】
第1のモジュール805が第2のモジュール810に対して変位されるときのリングの変形の代表的な図は、
図8Cに見られる。
図8Cは、
図8Aと同じダイナミゼーションデバイス800の図に相当するが、モジュールは長手方向に変位されている。
図8Cに見られ得るように、副カラム858、859は、それらの長手方向軸に沿って互いに通り過ぎるように並進させられる。第1および第2のモジュール805、810に取り付けられていない変形可能なリングの部分の変形も明らかである。
【0078】
第1のモジュール805が第2のモジュール810に対して変位されるときのリングの変形の代表的な図も
図8Dに見られる。
図8Dは、
図8Bと同じダイナミゼーションデバイス800の図に相当するが、モジュールは長手方向に変位されている。
図8Dに見られ得るように、主カラム864、863は、それらの長手方向軸に沿って互いから離れて並進させられ、したがって、主カラム865と変形可能な第8リング824との間および主カラム863と変形可能な第4リング819との間に、より多くの空間が作り出される。モジュールに取り付けられていない変形可能なリングの部分の変形も明らかである。ダイナミゼーションデバイス800の第2の端部804を通過する第1のモジュール805の変位は、
図8Dで明らかである。同様に、ダイナミゼーションデバイス800の第1の端部802を通過する第2のモジュールの変位も明らかである。
図1F、3、4E、5C、および5Dを参照して上記したロック装置はいずれも、
図8A~8Dに示されるダイナミゼーションデバイス800と共に使用され得る。
【0079】
図8A~8Dのダイナミゼーションデバイス800は、
図8Eに示されるものと同様の内部コンポーネントを備え得る。すなわち、第1のモジュール805は、第1の端部802に配置された半円形のキャップ860を含み得る。半円形のキャップ860は、長手方向軸A-A’と同軸である中央開口862を備え得る。一実施形態によれば、中央開口862によって、ねじ付きボルト、ロッド、または他のコネクタは、半円形のキャップ860を通過して、第1のモジュール805におけるねじ付き開口825に接続することが可能になる。第1のモジュール805は、好ましくは略円筒形状を有する外壁865をさらに備える。外壁865はまた、第2の端部804に滑らかな内側表面867を含む。第1のモジュールはまた、第1のモジュール805の第1の端部802に配置された内部カラム870を備え得る。内部カラム870は、好ましくは、略円筒形状を有しているが、滑らかな長手方向の表面を有する限り、他の表面が使用されてもよい。内部カラム870の外側表面は、好ましくは、内側表面867と実質的に同じ径方向距離である。
図8Eに示されるように、ダイナミゼーションデバイス800はまた、第1の端部802に配置された半円形のキャップ875を含む第2のモジュール810を備える。半円形のキャップ875は、長手方向軸A-A’と同軸である中央開口863を備え得る。一実施形態によれば、中央開口863によって、ねじ付きボルト、ロッド、または他のコネクタは、半円形のキャップ875を通過して、第1のモジュール805におけるねじ付き開口825に接続することが可能になる。第2のモジュール810は、好ましくは略円筒形状を有する外壁880をさらに備える。外壁880はまた、ダイナミゼーションデバイス802の第1の端部に滑らかな内側表面882を含む。第2のモジュール810はまた、第2のモジュール810の第2の端部804に配置された内部カラム885を備え得る。内部カラム885は、好ましくは、略円筒形状を有しているが、滑らかな長手方向の表面を有する限り、他の表面が使用されてもよい。内部カラム885の外側表面は、好ましくは、内側表面882と実質的に同じ径方向距離である。内部カラム885は、ダイナミゼーションデバイスの第2の端部804にねじ付き凹部827をさらに備え得る。ねじ付き凹部827によって、ねじ付きボルト、ロッド、または他のコネクタは、ダイナミゼーションデバイス800の第2の端部804に接続されることが可能になる。
【0080】
図9Aは、本開示の特定の例示的な実施形態による、外部固定ストラット905を備える例示的な創外固定器900の斜視図を例示している。外部固定ストラット905の各々は、ダイナミゼーションデバイス920の一端に接続され、それ自体が外部固定リング910に接続され得る。ダイナミゼーションデバイス920は、外部固定ストラットに限られた量の長手方向の運動を提供し、それによって、治療量のダイナミゼーションを患者に適用することが可能になる。前述のように、ダイナミゼーションの程度は、ダイナミゼーションデバイス920上でねじおよび他のデバイスを緩めたり締めたりするなどにより、ダイナミゼーションデバイス920によって制御され得る。
【0081】
外部固定ストラット905の使用は、第1の外部固定リング910と第2の外部固定リング915との間の距離の延長および調整、第1の外部固定リング910と第2の外部固定リング915との間の迅速または段階的な長さ調整、ならびに第1の外部固定リング910、第2の外部固定リング915、およびそれらに固定された様々な創外固定器の配向の他の操作などの、いくつかの利点を提供し得る。外部固定ストラット905は、一端で第1の外部固定リング910または第2の外部固定リング915の1つに固定され得る。図示のように、4つの外部固定ストラット905が使用され得るが、外部固定ストラット905の数は変更されてもよい。たとえば、いくつかの実施形態では、創外固定器900は、その開示全体が引用により組み込まれる、米国特許第8,574,232号、発明の名称「External Fixation Connection Rod for Rapid and Gradual Adjustment」に記載されるように、ヘキサポッド配置を有して8つの外部固定ストラット905を備え得る。本明細書に記載される外部固定接続ストラットの外部固定ストラット905としての使用は、利点として、第1の外部固定リング910と第2の外部固定リング915との間の距離をより長くし得る。さらに、本明細書に記載される外部固定接続ストラットの外部固定ストラット905としての使用は、患者上で創外固定器を組み立てること、または患者に固定されると創外固定器を調整することをより容易にし得る。
【0082】
外部固定ストラット905としての米国特許第8,574,232号の開示の使用は、例としてのみ提供されている。本開示の利益を有している当該技術の当業者は、外部固定ストラット905が、米国特許第8,574,232号に開示されている特徴よりも多いまたは少ない特徴を備え得ることを理解するであろう。たとえば、いくつかの実施形態では、外部固定ストラット905に様々な回転部材または関節運動可能なジョイントを提供することによって、利点として、創外固定器900およびその中のコンポーネントのさらなる操作および/または調整が可能になる。他の実施形態では、より少ない関節運動可能なジョイントまたは回転部材で外部固定ストラット905を利用することによって、利点として、第1の外部固定リング910および第2の外部固定リング915の平行配向が維持され得る。さらに、より少ない関節運動可能なジョイントまたは回転部材で外部固定ストラット905を利用することによって、利点として、ダイナミゼーションモジュールによって提供されるダイナミゼーションの方向または軸が安定化または維持され得る。
【0083】
図9Bは、骨折930を有する人の骨の断面を例示している。骨は、大腿骨、脛骨、または腓骨、もしくは固定器によって安定化されるのに十分な長さの任意の骨であり得る。一実施形態によれば、骨は1つまたは複数の骨折を有し得る。例示的な実施形態では、骨折は、治療および治癒を必要とするミッドシャフトの脛骨骨折であり得る。他の実施形態では、骨は人の身体の他の部分に属してもよい。
【0084】
図9Cは、骨折930を有する人の骨を囲む創外固定器900を例示している。本図に示すように、4つのダイナミゼーションデバイス920が外部固定リング910および920に取り付けられている。本実施形態では、外部固定ストラットは使用されない。ダイナミゼーションデバイス920によって、骨折治癒プロセス中に治療量のダイナミゼーションを創外固定器900に適用することが可能になる。
【0085】
図9Dは、骨折930を有する人の骨を囲む創外固定器900の拡大図を例示している。図示されるように、複数のダイナミゼーションデバイス920が、骨を囲む第1の外部固定リング910および第2の外部固定リング915に設置または固定され得る。
図9Cおよび9Dに示されるダイナミゼーションデバイス920は、上に開示および記載された実施形態のいずれか1つ、または
図1A、1B、1C、1D、IE、1F、4A、4B、4C、4D、4E、5A、5B、5D、5E、5F、5G、6A、6B、6C、7A、7B、7C、8A、8B、8Cおよび/または8Dに示される実施形態のいずれか1つと同じであり得る。示されている骨は、大腿骨、脛骨、または腓骨、もしくは治療的処置が施される他の長骨であり得る。他の実施形態では、骨は人の身体の他の部分に属してもよい。
図9Bおよび9Cに示す骨は、人の身体の様々な骨を表し得るため、特定の実施形態では、骨の寸法は、これらの例示的な図面を参照すると不均衡であり得る。一実施形態では、創外固定器900に取り付けられたピン(図示せず)は、治癒を必要とする骨折の近くの骨(たとえば、人の脛骨)に接続される。ピン(図示せず)は、創外固定器900の設置のために人の皮膚および骨にドリルで穴を開けられ得るかまたは突き刺され得る。(1つまたは複数の)骨への創外固定器900の接続は、ワイヤ、ピン、ねじ、および/またはロッドなどのコネクタを、とりわけ皮膚に通して、選択された骨の中に、それに通して、および/またはその周りに配置することを含み得る。
【0086】
いくつかの実施形態では、ダイナミゼーションデバイス900は、利点として、互いに平行に位置づけられ得る。いくつかの実施形態では、第1の外部固定リング910および第2の外部固定リング915は、互いに平行に位置づけられ得、ダイナミゼーションデバイス920は、利点として、第1の外部固定リング910および第2の外部固定の平面に直交して位置づけられ得る。そのような配置は、利点として、ダイナミゼーションデバイス920の方向の長手方向軸に沿ったダイナミゼーションの制御を提供し得る。
【0087】
図9Eは、骨折930を有する人の骨を囲む創外固定器900の別の例示的な実施形態を例示している。
図9Fは、骨折930を有する人の骨を囲む創外固定器900の拡大図を例示している。
図9Cおよび
図9Dに示されるコンポーネントに加えて、
図9Eおよび9Fの例示的な実施形態は、複数の外部固定ストラット905をさらに備え得、ここで、外部固定ストラット905の各々は、一端でダイナミゼーションデバイス920に固定され、他端で第1の外部固定リング910または第2の外部固定リング915の1つに固定される。上記のように、外部固定ストラット905は、その開示全体が引用により組み込まれる、米国特許第8,574,232号、発明の名称「External Fixation Connection Rod for Rapid and Gradual Adjustment」に記載された、外部固定接続ロッドのものであり得る。本明細書に記載される外部固定接続ストラットの外部固定ストラット905としての使用は、利点として、第1の外部固定リング910と第2の外部固定リング915との間の距離をより長くし得る。さらに、本明細書に記載される外部固定接続ストラットの外部固定ストラット905としての使用は、利点として、患者上で創外固定器を組み立てること、または患者に固定されると創外固定器を調整することをより容易にし得る。
【0088】
上記で説明したように、外部固定ストラット905としての米国特許第8,574,232号の開示の使用は、例としてのみ提供されている。本開示の利益を有している当該技術の当業者は、外部固定ストラット905が、米国特許第8,574,232号に開示されている特徴よりも多いまたは少ない特徴を備え得ることを理解するであろう。たとえば、いくつかの実施形態では、外部固定ストラット905に様々な回転部材または関節運動可能なジョイントを提供することによって、利点として、創外固定器900およびその中のコンポーネントのさらなる操作および/または調整が可能になる。他の実施形態では、より少ない関節運動可能なジョイントまたは回転部材で外部固定ストラット905を利用することによって、利点として、第1の外部固定リング910および第2の外部固定リング915の平行配向が維持され得る。さらに、より少ない関節運動可能なジョイントまたは回転部材で外部固定ストラット905を利用することによって、利点として、ダイナミゼーションデバイス920によって提供されるダイナミゼーションの方向または軸が安定化または維持され得る。
【0089】
ダイナミゼーションデバイスから骨折に治療上のダイナミゼーションを適用するための代表的なプロセス(1000)が
図10に見られる。
図10では、当該方法は、骨折した骨に固定器を取り付けることによって開始し、ここで、固定器の近位部分が骨折の近位側に取り付けられ、固定器の遠位部分が骨折の遠位側に取り付けられている(1005)。少なくとも1つのダイナミゼーションデバイスが、固定器の近位部分および遠位部分に取り付けられ、それによって、ダイナミゼーションデバイスの長手方向軸は、骨の長手方向軸と実質的に整列する(1010)。随意に、第1および第2のモジュールが互いに対して長手方向に移動するのを防ぐために、ロック装置がダイナミゼーションデバイスに隣接して配置され得る(1015)。これによって、固定器の任意のダイナミゼーションまたは長手方向の運動が防がれ、これは、骨折の治癒プロセスの初期に有用であり得る。骨折がダイナミゼーションを適用するのに十分治癒したと判断されると、ロック装置は、(随意に)漸増量のダイナミゼーションを骨折に適用する制御された工程でダイナミゼーションデバイスから離して移動させられ得る(1020)。最終的には、外科医またはその他の資格を持つ医師の指示によって、治療量の長手方向のダイナミゼーションが、骨折に適用されるべきであり、それにより骨化および治癒プロセスが改善される(1025)。
【0090】
上記の説明から分かるように、本開示は、ダイナミゼーションデバイスの様々な実施形態を提供する。本開示の実施形態は、ダイナミゼーションデバイス内に配置された付勢部材の圧縮を提供し得る。付勢部材の圧縮は、シャフトおよび/またはスリーブの位置または運動の対応する変化なしで生じ得る。結果的に、調整中にストラットの全長は変化しないかもしれない。むしろ、付勢力および動作変化の潜在的な範囲のみが調整され得る。外部固定ストラットによって与えられた動作範囲は、付勢力による影響を受け得るが、ブッシングまたは回転可能な特徴部の位置によって機械的に制限され得る。したがって、付勢部材は、ストラットの全長に対応する変化がなく圧縮され得る。むしろ、ストラットの長さの任意の変化が、それに作用する外部圧縮力の結果として生じ得る。
【0091】
開示されるダイナミゼーションデバイスは、プラスチック、ポリマー、熱可塑性プラスチック、金属、金属合金、複合材料、樹脂、超高分子量ポリエチレン(UHMW)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ABSプラスチック、PLA、ポリアミド、ガラス入りポリアミド、エポキシ、ナイロン、レーヨン、ポリエステル、ポリアクリレート、木材、竹、青銅、チタン、鋼、ステンレス鋼、コバルトクロム合金、セラミック、ワックス、フォトポリマー、およびポリカーボネートなどの材料を用いて、アディティブまたは3D印刷プロセスを含む様々な技術で製造され得る。ダイナミゼーションデバイスはまた、以下などの医療グレードまたは生体適合性の材料で製造され得る:
ポリ塩化ビニルもしくはPVC;
ポリエーテルスルホンもしくはPES;
ポリテトラフルオロエチレンもしくはPTFE;
ポリエチレン(PE-UHMWもしくはPE-LD&HD);
ポリウレタンもしくはPU;
ポリエーテルイミド、PEI;
ポリカーボネートもしくはPC;
ポリスルホンもしくはPS;
ポリエーテルエーテルケトンもしくはPEEK;または
ポリプロピレンもしくはPP。
ダイナミゼーションデバイスはまた、ダイナミゼーションデバイスおよびダイナミゼーションデバイスを構成する材料の特定の設計および意図された使用に基づいて、機械加工、鍛造または鋳造によって製造され得る。適切な材料は、上記の医療グレードおよび生体適合性のプラスチック、またはチタン、ステンレス鋼、316Lステンレス鋼、コバルトクロム、およびそれらの合金などの生体適合性金属を含む。いくつかの実施形態によれば、ダイナミゼーションデバイスは、プラスチックおよび金属コンポーネントと組み合わせた複合またはハイブリッドのデバイスとして製造され得る。選択された材料は、何度も変形された後に元の構成に戻るのに十分な可塑性および形状記憶を有していなければならない。
【0092】
本開示の利益を有している当該技術の当業者によって理解されるように、外部固定ストラットのための他の同等または代替の組成物、デバイス、方法、およびシステムが、本明細書に含まれる記載から逸脱することなく想定され得る。したがって、示されるおよび記載されるような本開示を実行する方法は、例示のみとして解釈されるべきである。
【0093】
当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく、部品の形状、サイズ、数、および/または配置に様々な変更を加えてもよい。さらに、デバイスおよび/またはシステムのサイズは、実施者のニーズおよび/または要望に適合するように拡大(たとえば、成人被験者に使用される)または縮小(たとえば、若年被験者に使用される)されてもよい。各々の開示される方法および方法の工程は、いくつかの実施形態に従って、任意の他の開示される方法または方法の工程と関連して、および任意の順序で実行されてもよい。助動詞「may」が現れる場合、随意および/または許容の条件を伝えることを意図されているが、その使用は、特に他に指示がない限り、操作性の欠如を示唆することを意図していない。当業者は、本開示のデバイスおよび/またはシステムを準備および使用する方法に様々な変更を加えてもよい。
【0094】
また、範囲が提供されている場合、開示されるエンドポイントは、特定の実施形態によって望まれるまたは要求される正確な値および/または近似値として処理され得る。エンドポイントが近似値である場合、可撓性の程度は、範囲の大きさに比例して変化し得る。たとえば、一方で、約5から約50の範囲に関連する約50の範囲のエンドポイントは、50.5を含み得るが、52.5または55を含まず、他方で、約0.5から約50の範囲に関連する約50の範囲のエンドポイントは、55を含み得るが、60または75を含まない。さらに、いくつかの実施形態では、範囲のエンドポイントを混合して一致させることが望ましい場合がある。
【0095】
治療上のダイナミゼーションのためのデバイスおよび/またはシステムのすべてまたは一部は、使い捨て可能、保守可能、交換可能、および/または代替可能であるように構成および配置され得る。明らかな変更および修正とともにこれらの同等物および代替物は、本開示の範囲内に含まれるように意図されている。したがって、前述の開示は、添付の特許請求の範囲によって例示されるような本開示の範囲を、限定することなく、例示するように意図されている。
【0096】
特許庁、および本出願で発行された特許の読者が、本明細書に添付の特許請求の範囲を解釈するのを助けるために、出願人は、添付の特許請求の範囲が、特定の請求項で「~ための手段」または「~ための工程」という用語が明示的に使用されていない限り、本出願の出願日に存在するため、35U.S.C.§112の第6節を援用することを意図していないことを留意することを望む。
【0097】
請求項の各々に関して、各従属請求項は、独立請求項、および前の請求項が請求の期間および要素に対する適切な先行する基礎を提供する限り、あらゆる請求項に対する前の従属請求項の各々の両方から従属することができる。
【0098】
発明の名称、要約、背景技術、および見出しは、規定に準拠して、および/または読者の便宜のために提供されている。それらは、先行技術の範囲および内容に関する承認を含まず、すべての開示される実施形態に制限は適用され得ない。