(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-16
(45)【発行日】2023-02-27
(54)【発明の名称】ORCを統合した駆動装置
(51)【国際特許分類】
F01K 25/10 20060101AFI20230217BHJP
【FI】
F01K25/10 C
F01K25/10 L
(21)【出願番号】P 2020568023
(86)(22)【出願日】2019-01-07
(86)【国際出願番号】 EP2019050211
(87)【国際公開番号】W WO2019166137
(87)【国際公開日】2019-09-06
【審査請求日】2021-10-01
(32)【優先日】2018-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】520062247
【氏名又は名称】オルカン エネルギー アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】シュスター アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ランガー ロイ
(72)【発明者】
【氏名】シュプリンガー イェンス-パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルター ダニエラ
(72)【発明者】
【氏名】アウマン リヒャルト
【審査官】高吉 統久
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-511209(JP,A)
【文献】特開2014-148910(JP,A)
【文献】特開2008-255923(JP,A)
【文献】特開2008-128254(JP,A)
【文献】特開2019-007380(JP,A)
【文献】実開昭61-033902(JP,U)
【文献】特開昭61-152916(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01K 25/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱プロセス装置(50)
の廃熱を利用するための装置(100)であって、
熱プロセス装置(50)
の熱流から伝熱媒体へ熱を伝達するための第1の熱交換器(11)と、
前記熱流から前記伝熱媒体へ熱を伝達するための第2の熱交換器(12)であって、前記熱流を基準として前記第1の熱交換器より下流に配置されている第2の熱交換器(12)と、
熱力学的サイクル装置(60)
であって、前記伝熱媒体から当該熱力学的サイクル装置の作動媒体へ熱を伝達するための第3の熱交換器(13)と、前記伝熱媒体から前記作動媒体へ熱を伝達するための第4の熱交換器(14)と、を備えている熱力学的サイクル装置(60)と、
を備えており、
前記第4の熱交換器は、前記作動媒体の流れを基準として前記第3の熱交換器より上流に配置されており、
前記第3の熱交換器において冷却された伝熱媒体の少なくとも一部は、加熱のために前記第1の熱交換器へ供給することができ、
前記第4の熱交換器において冷却された伝熱媒体の少なくとも一部は、加熱のために前記第2の熱交換器へ供給することができ、
前記装置はさらに、
前記第2又は第4の熱交換器内を流れる前記伝熱媒体の質量流量を制御するための手段(31,41,22,24,45)、
を備えて
おり、
第1のポンプ(21)を備えた伝熱媒体回路に、前記第1、第2、第3及び第4の熱交換器が配置されている
ことを特徴とする装置(100)。
【請求項2】
前記熱力学的サイクル装置はオーガニックランキンサイクル装置である、
請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記第4の熱交換器を流れる伝熱媒体の質量流量は、
前記第4の熱交換器を少なくとも部分的にブリッジ接続するためのバイパス路(35)と、前記質量流量のブリッジング割合を調整するためのバルブ(45)と、を用いて、制御されることができる、
請求項1
又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記第2の熱交換器の流出口と前記第1の熱交換器の流入口との間に接続部が設けられており、
前記第2の熱交換器の前記流出口から流出した伝熱媒体の全部を前記第1の熱交換器の前記流入口へ供給することができる、
請求項
1から3
までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記第1及び第2の熱交換器は共通のハウジング(80)内に配置されており、
前記第2の熱交換器の前記流出口と前記第1の熱交換器の前記流入口との前記接続部は前記ハウジング内に形成されており、
前記ハウジングは、伝熱媒体を前記第1の熱交換器へ供給するための第1の流入口と、伝熱媒体を前記第2の熱交換器へ供給するための第2の流入口と、前記第1の熱交換器から伝熱媒体を放出するための流出口と、を備えている、
請求項4記載の装置。
【請求項6】
前記第1のポンプは前記第3の熱交換器の伝熱媒体の流出口と前記第1の熱交換器の伝熱媒体の流入口との間に配置されており、
前記第1のポンプの下流に、前記第4の熱交換器への伝熱媒体の分流部が設けられている、
請求項
1から5までのいずれか1項記載の装置。
【請求項7】
前記分流部の下流に、前記第1の熱交換器の前記流入口へ流れ抵抗を生じさせるために絞り部(85)が設けられており、又は、
前記分流部と前記第4の熱交換器の流入口との間に他のポンプ(24)が設けられている、
請求項6記載の装置。
【請求項8】
前記熱力学的サイクル装置はさらに、前記第3及び第4の熱交換器で前記作動媒体に伝達された熱エネルギーから機械的エネルギーを生成するための膨張機(61)と、前記膨張機にて膨張された作動媒体を凝縮するための凝縮器(62)と、前記作動媒体をポンピングするためのフィードポンプ(63)と、を備えて
いる、請求項1から7までのいずれか1項記載の装置。
【請求項9】
前記熱力学的サイクル装置はさらに、前記凝縮器のための伝熱媒体を有する冷却回路と、前記伝熱媒体から熱を取り出すための冷却器(71)と、前記伝熱媒体をポンピングするための第2のポンプ(72)と、を備えており、
前記熱力学的サイクル装置は、前記伝熱媒体回路から前記冷却器を介して熱を取り出すためにブリッジ接続可能に設けられている、
請求項8記載の装置。
【請求項10】
前記伝熱媒体回路において前記熱力学的サイクル装置をブリッジ接続するために、冷却対象の伝熱媒体を前記冷却器へ放出するための第2のバルブ(75)を備えた分流部と、前記冷却器にて冷却された伝熱媒体を前記伝熱媒体回路へ供給するための供給部と、が設けられており、
前記冷却回路を遮断するための第3のバルブ(76)が前記冷却回路に設けられている、
請求項
請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記第3のバルブは前記冷却回路において、前記伝熱媒体回路の伝熱媒体の供給位置と放出位置との間に配置されており、
好適にはさらに、前記第3のバルブが開弁しているときに前記供給位置から前記冷却器を迂回して前記放出位置へ流れるのを防止するため、前記供給位置と前記放出位置との間に逆止弁(77)が設けられている、
請求項10記載の装置。
【請求項12】
前記装置は、前記熱プロセス装置の冷却液から前記熱力学的サイクル装置の前記作動媒体へ熱を伝達するための第5の熱交換器(15)をさらに備えており、
前記第5の熱交換器は、前記作動媒体の流れを基準として前記第4の熱交換器より上流又は下流に配置されている、
請求項1から11までのいずれか1項記載の装置。
【請求項13】
熱プロセス装置
の廃熱を利用するための方法であって、
第1の熱交換器を用いて、前記熱プロセス装置
の熱流から伝熱媒体へ熱を伝達するステップと、
前記熱流を基準として前記第1の熱交換器より下流に配置された第2の熱交換器を用いて、前記熱流から前記伝熱媒体へ熱を伝達するステップと、
第3の熱交換器を用いて、熱力学的サイクル装置
の作動媒体へ、前記伝熱媒体から熱を伝達し、前記作動媒体の流れを基準として前記第3の熱交換器より上流に配置された前記熱力学的サイクル装置の第4の熱交換器を用いて、前記伝熱媒体から前記作動媒体へ熱を伝達するステップと、
を有し、
前記第3の熱交換器において冷却された伝熱媒体の少なくとも一部を、加熱のために前記第1の熱交換器へ供給し、前記第4の熱交換器において冷却された伝熱媒体の少なくとも一部を、加熱のために前記第2の熱交換器へ供給し、
前記方法はさらに、
前記第2又は第4の熱交換器内を流れる前記伝熱媒体の質量流量を制御すること
を含
み、
第1のポンプを備えた伝熱媒体回路に前記第1、第2、第3及び第4の熱交換器が配置されている
ことを特徴とする方法。
【請求項14】
前記熱力学的サイクル装置はオーガニックランキンサイクル装置である、
請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記第4の熱交換器を流れる前記伝熱媒体の質量流量は、
バイパス路を用いて前記第4の熱交換器を少なくとも部分的にブリッジ接続し、バルブを用いて前記質量流量のブリッジング割合を調整することにより、制御される、
請求項13
又は14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱プロセス装置、とりわけ内燃機関の廃熱を利用するための装置に関するものであり、本装置は、熱プロセス装置、とりわけ内燃機関の熱流から伝熱媒体へ熱を伝達するための第1の熱交換器と、前記熱流から前記伝熱媒体へ熱を伝達するための第2の熱交換器であって、熱流を基準として第1の熱交換器より下流に配置されている第2の熱交換器と、熱力学的サイクル装置、とりわけオーガニックランキンサイクル装置(ORC装置)であって、前記伝熱媒体から当該熱力学的サイクル装置の作動媒体へ熱を伝達するための第3の熱交換器と、前記伝熱媒体から前記作動媒体へ熱を伝達するための第4の熱交換器と、を備えている熱力学的サイクル装置と、を備えており、第4の熱交換器は、作動媒体の流れを基準として第3の熱交換器より上流に配置されており、第3の熱交換器において冷却された伝熱媒体の少なくとも一部は、加熱のために第1の熱交換器へ供給することができ、第4の熱交換器において冷却された伝熱媒体の少なくとも一部は、加熱のために第2の熱交換器へ供給することができる。本発明はさらに、対応する方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
熱プロセス装置における熱プロセスでは、例えば熱プロセス装置の特定の要素の摩耗を防止したり、良好に動作することを保証するため、熱プロセス装置の特定の領域における温度に関して要求が課されている場合がある。熱的サイクルプロセス装置(例えばORC装置等)を動作させて電気的又は機械的エネルギーを生成するため、熱交換器を介して熱プロセス装置からの廃熱を利用する場合、特定の領域は常に指定の最小温度を有しなければならないという要求が課されることがある。一方、熱交換器は可能な限り多くの廃熱を利用するようにしなければならない。これについては、以下にて排ガス熱交換器を例にとって詳細に説明する。
【0003】
例示ではあるが一般的に行われていることとして、排ガスから電気的エネルギーを生成するため、内燃機関(例えばディーゼルエンジン等)の排ガスからORCシステムへの入熱を設計する際には、基本的に排ガス熱交換器(EGHE)との関係において以下の2つの限界範囲が存在する。システムが公称動作で最大冷却を達成するように設計されている場合、低負荷時には排ガスの温度は最小温度を下回り、これによって排ガス成分が凝縮し、その結果、(例えばEGHEに煤が形成されることによって)EGHEの腐食や汚れが生じることとなる。これは特に、例えばバイオガス又は重油等の高硫黄濃度の燃料や不完全燃焼の場合に問題となる。逆に、システムが最小温度を下回らないように設計されている場合、システムは公称動作では許容限界まで冷却されず、これにより、動作時間の大半の間、排ガスのポテンシャルがフル活用されことなく、これによりシステム効率が低下してしまう。これは特に、EGHEが例えば船舶の内燃機関等の非定置プロセスに結合されている場合に重要となる。しかし、本発明はこの適用例に限定されることはなく、定置プロセスや内燃機関以外の熱源にも有効に適用することができる。
【0004】
EGHEの面積は構造上不変で固まっているため、EGHEは通常、個別具体的な用途に合わせて設計しなければならない。異なる機関ごとに、異なるEGHEを使用しなければならない。これによって高度な標準化と共通部品の利用が阻害されてしまうが、これを解決することが目的である。
【0005】
同時に、ORCシステムに不具合が生じた場合でも、EGHEによって導入された熱を放出できることを保証する必要がある。特に駆動目的又は連続発電の目的のために内燃機関を使用する場合、構成要素の緊急時動作能力に対して厳しい要求が課されるからである。それゆえ、ORCシステム又はその構成要素に不具合が生じた場合に駆動装置の動作が阻害されないようにORCシステムを構成しなければならない。例えばポンプ等の回転機械は、特に摩耗や故障を生じやすい構成要素であるため、従来は常に冗長的又は二重に設計されていた。これは全体コストの増大の原因となる。
【発明の概要】
【0006】
本発明の課題は、上記の欠点の少なくとも一部を解消することである。
【0007】
上記課題は、請求項1記載の装置によって解決される。
【0008】
熱プロセス装置、とりわけ内燃機関の廃熱を利用するための本発明の装置は、熱プロセス装置、とりわけ内燃機関の熱流から伝熱媒体へ熱を伝達するための第1の熱交換器と、前記熱流から前記伝熱媒体へ熱を伝達するための第2の熱交換器であって、熱流を基準として第1の熱交換器より下流に配置されている第2の熱交換器と、熱力学的サイクル装置、とりわけオーガニックランキンサイクル装置であって、前記伝熱媒体から当該熱力学的サイクル装置の作動媒体へ熱を伝達するための第3の熱交換器と、前記伝熱媒体から前記作動媒体へ熱を伝達するための第4の熱交換器と、を備えている熱力学的サイクル装置と、を備えており、第4の熱交換器は、作動媒体の流れを基準として第3の熱交換器より上流に配置されており、第3の熱交換器において冷却された伝熱媒体の少なくとも一部は、加熱のために第1の熱交換器へ供給することができ、第4の熱交換器において冷却された伝熱媒体の少なくとも一部は、加熱のために第2の熱交換器へ供給することができる。本発明の装置はさらに、第2又は第4の熱交換器内を流れる伝熱媒体の質量流量を制御するための手段を備えている。
【0009】
本発明の装置は、第2又は第4の熱交換器内を流れる伝熱媒体の質量流量を制御するための手段によって、熱プロセス装置(例えば内燃機関等)の動作条件の変化に合わせて可変に調整を行えるという利点を奏する。とりわけ、熱流(排気ガス流)中に存在する熱を可能な限り良好に利用することができると同時に、例えば、第1又は第2の熱交換器における最小温度を下回ること(例えば、排ガスの凝縮の原因となる排ガス温度を下回ること)を回避することができる。第1の熱交換器は、第2の熱交換器より比較的高い温度レベルの熱を排ガスから取り出す。よって第3の熱交換器は、第4の熱交換器より比較的高い温度レベルで熱力学的サイクル装置の作動媒体へ熱を伝達する。
【0010】
本発明の装置は、第1のポンプを備えた第1の伝熱媒体回路に第1及び第3の熱交換器を配置できると共に、第2のポンプを備えた第2の伝熱媒体回路に第2及び第4の熱交換器を配置できるように改良することができ、その際には、第2の伝熱媒体回路の第2の熱交換器を流れる伝熱媒体の質量流量は、とりわけ質量流量のブリッジング(bridging)割合を調整するためのバルブと第2の熱交換器とを少なくとも部分的にブリッジ接続するためのバイパス路を用いて、制御可能とすることができる。かかる構成により、伝熱媒体が流れる2つの別個の回路、すなわち、第1及び第3の熱交換器を備えた高温の回路と、第2及び第4の熱交換器を備えた低温の回路とが設けられることとなる。これら2つの回路内の伝熱媒体は、同一又は異なることができる。とりわけ、両回路内の伝熱媒体は水を含むことができる。例えば伝熱媒体の少なくとも一部をバイパス路にバイパスすることによって、第2の熱交換器を流れる質量流量を制御することにより、第2の熱交換器により排ガスから取り出される熱及び/又は第4の熱交換器により作動媒体へ供給される熱を制御することができる。
【0011】
本発明の装置の他の一改良形態は、第1のポンプを備えた伝熱媒体回路に第1、第2、第3及び第4の熱交換器を配置できるというものであり、その際には、第4の熱交換器を流れる伝熱媒体の質量流量は、とりわけ第4の熱交換器を少なくとも部分的にブリッジ接続するためのバイパス路と、質量流量のブリッジング割合を調整するためのバルブと、を用いて、制御可能とすることができる。伝熱媒体回路内の伝熱媒体は水を含むことができる。例えば伝熱媒体の質量流の少なくとも一部をバイパス路にバイパスすることによって、第4の熱交換器を流れる質量流量を制御することにより、第4の熱交換器によって作動媒体へ供給される熱及び/又は排ガスから取り出される熱を制御することができる。
【0012】
他の一改良形態では、第2の熱交換器の流出口と第1の熱交換器の流入口との間に接続部を設けることができ、その際には、第2の熱交換器の流出口から流出した伝熱媒体の全部を第1の熱交換器の流入口へ供給可能とすることができる。かかる構成により、第1の熱交換器と第2の熱交換器との結合が達成される。
【0013】
上記構成は、第1及び第2の熱交換器を共通のハウジング内に配置することができ、第2の熱交換器の流出口と第1の熱交換器の流入口との接続部をハウジング内に形成することができ、ハウジングが、伝熱媒体を第1の熱交換器へ供給するための第1の流入口と、伝熱媒体を第2の熱交換器へ供給するための第2の流入口と、第1の熱交換器から伝熱媒体を放出するための流出口と、を備えることができるように改良することができる。かかる構成により、個別の構成要素としての第1及び第2の熱交換器の構成がコンパクトになる。伝熱媒体(好適には水、又は水を含む伝熱媒体)に対する接続部は3つのみとなるため、配管量が削減される。
【0014】
他の一改良形態では、第1のポンプは第3の熱交換器の伝熱媒体の流出口と第1の熱交換器の伝熱媒体の流入口との間に配置することができ、第1のポンプの下流には、第4の熱交換器への伝熱媒体の分流部を設けることができる。この(1つの)ポンプで、伝熱媒体の循環を維持することができる。また、伝熱媒体は分流部を介して第4の熱交換器へポンピングされる。
【0015】
上記の構成は、分流部の下流に第1の熱交換器の流入口へ流れ抵抗を生じさせるために絞り部を設けることができ、又は、分流部と第4の熱交換器の流入口との間に他のポンプを設けることができるように改良することができる。かかる構成により、第4の熱交換器への伝熱媒体の移送を改善し、ひいては第2の熱交換器への伝熱媒体の移送を改善することが保証される。
【0016】
本発明の装置の他の一改良形態、又は上記のいずれかの一改良形態をさらに改良した一形態は、熱力学的サイクル装置がさらに、第3及び第4の熱交換器で作動媒体に伝達された熱エネルギーから機械的エネルギーを生成するための膨張機と、膨張機にて膨張された作動媒体を凝縮するための凝縮器と、作動媒体をポンピングするためのフィードポンプと、を備えることができるものであり、とりわけ、電気的エネルギーを生成するために当該膨張機に発電機が結合されている。
【0017】
上記構成はさらに、熱力学的サイクル装置がさらに、凝縮器のための伝熱媒体を有する冷却回路と、前記伝熱媒体から熱を取り出すための冷却器と、前記伝熱媒体をポンピングするための第2のポンプと、を備えることができるように改良することができ、その際には熱力学的サイクル装置は、伝熱媒体回路から冷却器を介して熱を取り出すためにブリッジ接続可能に設けることができる。かかる構成の利点は、熱力学的サイクル装置の誤動作の場合(例えば熱力学的サイクル装置の構成要素のうち1つに不具合が生じた場合)でも、内燃機関の排ガスから冷却器を介して熱を放出できることである。
【0018】
上記構成はさらに、伝熱媒体回路において熱力学的サイクル装置をブリッジ接続するために、冷却対象の伝熱媒体を冷却器へ放出するための第2のバルブを備えた分流部と、冷却器にて冷却された伝熱媒体を前記伝熱媒体回路へ供給するための供給部と、を設けることができるように改良することができ、その際には、冷却回路を遮断するための第3のバルブを冷却回路に設けることができる。この第3のバルブにより、熱力学的サイクル装置のための冷却回路を阻止することができ、伝熱媒体回路から冷却器を経由する伝熱媒体の循環を行うことができる。
【0019】
上記構成はさらに、第3のバルブを冷却回路において、伝熱媒体回路の伝熱媒体の供給位置と放出位置との間に配置できるように改良することができ、その際には、第3のバルブが開弁しているときに供給位置から冷却器を迂回して放出位置へ流れるのを防止するため、供給位置と放出位置との間に逆止弁をさらに設けることが好適である。
【0020】
本発明の装置の他の一改良形態、又は上記のいずれかの一改良形態をさらに改良した一形態は、熱プロセス装置、とりわけ内燃機関の冷却液及び/又は他の低温の熱源から、熱力学的サイクル装置の作動媒体へ熱を伝達するための第5の熱交換器をさらに設けることができるものであり、その際には第5の熱交換器は、作動媒体の流れを基準として第4の熱交換器より上流又は下流に配置することができる。
【0021】
本発明の課題はさらに、請求項13に記載の方法によっても解決される。
【0022】
熱プロセス装置、とりわけ内燃機関の廃熱を利用するための本発明の方法は、第1の熱交換器を用いて、熱プロセス装置の熱流、とりわけ内燃機関の排ガス流から伝熱媒体へ熱を伝達するステップと、前記熱流を基準として第1の熱交換器より下流に配置された第2の熱交換器を用いて、前記熱流から前記伝熱媒体へ熱を伝達するステップと、第3の熱交換器を用いて、熱力学的サイクル装置、とりわけオーガニックランキンサイクル装置の作動媒体へ、前記伝熱媒体から熱を伝達し、作動媒体の流れを基準として第3の熱交換器より上流に配置された熱力学的サイクル装置の第4の熱交換器を用いて、前記伝熱媒体から前記作動媒体へ熱を伝達するステップと、を有し、第3の熱交換器において冷却された伝熱媒体の少なくとも一部を、加熱のために第1の熱交換器へ供給し、第4の熱交換器において冷却された伝熱媒体の少なくとも一部を、加熱のために第2の熱交換器へ供給し、本方法はさらに、第2又は第4の熱交換器内を流れる伝熱媒体の質量流量を制御することを含む。
【0023】
本発明の方法及びその改良形態の利点は、-別段の記載が無い限り-本発明の装置の利点に相当する。
【0024】
本発明の方法の他の一改良形態では、第1のポンプを備えた第1の伝熱媒体回路に第1及び第3の熱交換器を配置できると共に、第2のポンプを備えた第2の伝熱媒体回路に第2及び第4の熱交換器を配置できるように改良することができ、その際には、バイパス路を用いて第2の熱交換器を少なくとも部分的にブリッジ接続し、バルブを用いて質量流量のブリッジング割合を調整することにより、第2の伝熱媒体回路の第2の熱交換器を流れる伝熱媒体の質量流量を制御することができる。
【0025】
他の一改良形態は、第1のポンプを備えた伝熱媒体回路に第1、第2、第3及び第4の熱交換器を配置できるというものであり、その際には、バイパス路を用いて第4の熱交換器を少なくとも部分的にブリッジ接続し、バルブを用いて質量流量のブリッジング割合を調整することにより、第4の熱交換器を流れる伝熱媒体の質量流量を制御することができる。
【0026】
上記の各改良形態は単独で、又は必要に応じて互いに組み合わせて実施することができる。
【0027】
以下、図面に基づいて本発明の他の構成及び実施形態例並びに利点を詳細に説明する。これらの実施形態は本発明の範囲の全てではないと解すべきである。また、下記の構成の一部又は全部を他の態様で組み合わせることも可能であるとも解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の装置の第1の実施形態を示す図である。
【
図2】本発明の装置の第2の実施形態を示す図である。
【
図4】本発明の装置の第3の実施形態を示す図である。
【
図5】本発明の装置の第4の実施形態を示す図である。
【
図6】本発明の装置の第5の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の重要な特徴は、設計以外でも動作中(公称動作中)にも質量流の熱(例えば排ガス流の廃熱等)を最大限に利用することを保証することである。それと同時に、質量流が過度に冷却されるのを防止するために、最小温度(例えば排ガス温度)を下回ることが回避される。さらに、本発明の一部の実施形態の相互接続により、機関又は他の熱源(例えば冷却回路等)の放熱を冗長設計することができ、ORCの不具合時又は不使用時/部分負荷時でも放熱を保証することができる。
【0030】
その上、この相互接続により、以下で挙げる更なる利点が得られ、この更なる利点については実施形態を参照して詳細に説明する。利点としては、熱ポテンシャル(例えば排ガスポテンシャル)が完全に利用されてシステム効率が向上すること、排ガス熱交換器(EGHE(第1の熱交換器))における排ガス凝縮及び腐食が回避されること、2つのポンプのうち1つに不具合が生じても、排ガス及び機関冷却水から熱を放出することができ、これによりポンプを冗長設計する必要が無くなること、エコノマイザ(Eco、第2の熱交換器)を流れる可変の流れにより、例えばEGHEを各異なる機関に適したものにすることによって、動作条件の変化に合わせて調整することが可能になること、さらに、汚れの増加による熱伝達の低下を補償できること、が挙げられる。
【0031】
図1は、本発明の装置の第1の実施形態を示す図である。
【0032】
第1の実施形態100は、内燃機関の排ガス流から伝熱媒体へ熱を伝達するための第1の熱交換器11(EGHE)と、前記排ガス流から伝熱媒体へ熱を伝達するための第2の熱交換器12(エコノマイザ、Eco)であって、排ガス流を基準として第1の熱交換器11より下流に配置されている第2の熱交換器12と、オーガニックランキンサイクル(ORC)装置60であって、前記伝熱媒体から当該熱力学的サイクル装置の作動媒体へ熱を伝達するための第3の熱交換器13(蒸発器)と、前記伝熱媒体から前記作動媒体へ熱を伝達するための第4の熱交換器14(予熱器)と、を備えているオーガニックランキンサイクル装置60と、を備えており、第4の熱交換器14は、作動媒体の流れを基準として第3の熱交換器13より上流に配置されており、第3の熱交換器13において冷却された伝熱媒体の少なくとも一部は、加熱のために第1の熱交換器11へ供給することができ、第4の熱交換器14において冷却された伝熱媒体の少なくとも一部は、加熱のために第2の熱交換器12へ供給することができる。本発明の装置はさらに、第2の熱交換器12又は第4の熱交換器14内を流れる伝熱媒体の質量流量を制御するための手段31,41を備えている。
【0033】
本発明の第1の実施形態100の装置では、第1の熱交換器11及び第3の熱交換器13は、第1のポンプ21を備えた第1の伝熱媒体回路に配置されており、第2の熱交換器12及び第4の熱交換器14は、第2のポンプ22を備えた第2の伝熱媒体回路に配置されており、第2の伝熱媒体回路の第2の熱交換器12を流れる伝熱媒体の質量流量は、第2の熱交換器12を少なくとも部分的にブリッジ接続するためのバイパス路31と、質量流量のブリッジング割合を調整するためのバルブ41と、を用いて制御することができる。
【0034】
ORC装置60はさらに、膨張機61と、凝縮器62と、フィードポンプ63とを備えている。凝縮器62は、冷却器71(例えば空気冷却器等)及び冷媒ポンプ72を備えた冷却回路の一部でもある。これに代えて、凝縮器62は空気へ直接放熱することもできる(不図示)。
【0035】
図2は、本発明の装置の第2の実施形態を示す図である。
【0036】
第2の実施形態200はさらに、内燃機関50の冷却液から熱力学的サイクル装置の作動媒体へ熱を伝達するための第5の熱交換器15を備えており、第5の熱交換器15は、作動媒体の流れを基準として第4の熱交換器14より上流に配置されている。同図ではさらに、内燃機関50に結合された冷却回路は機関冷却器51を備えており、この冷却回路から冷媒は第5の熱交換器15及びポンプ23を介して分流する。他の構成要素は、
図1の第1の実施形態100の構成要素に相当する。
【0037】
<可変流のエコノマイザによる排ガスの最大限利用>
第1の実施形態100及び第2の実施形態200にて提示した相互接続の特徴は、排ガスエコノマイザ(Eco)12の流れが可変であることである。廃熱の大部分は、高温回路(HT)の排ガス熱交換器(EGHE)11によってORCプロセスで利用可能にされる。伝熱媒体へ伝達された熱は、蒸発器13において作動媒体を蒸発するために使用される。低温回路(NT)では、伝熱媒体はEco12内を流れて排ガスを目標温度まで冷却し、その熱は予熱器(VW)14へ供給される。排ガスのEco出口温度が最小温度に近くなると、三方向弁41が開弁される。流体はEco12を迂回するので、排ガスからは熱が取り出されなくなる。排ガスの更なる冷却が止まるので、上記相互接続は排ガス成分の凝縮防止の点で非常に高信頼性である。Eco12内の水が沸騰し始めないことを保証するため、最小流量を保証することができる。
【0038】
この関係を詳述するため、
図3のT-Qグラフを参照する。
【0039】
排ガス出口温度が低下して最小温度を下回るおそれがある場合、Eco12を流れる水質量流量を低減する。これによって水出口温度又は温度上昇の勾配が増大する。排ガスと高温水との間の温度差は有限の熱交換器表面積によって制限されるので、排ガス出口温度は高温水の温度によって制限される。このことを達成するためには、三方向弁41が開弁される。
【0040】
<自動汚れ補償>
時間の経過と共に、EGHE11で伝達される
は減少していく。というのも、排ガス側における煤又は汚れの堆積物の増加により、排ガスから水への熱伝達Uが阻害されるからである。熱流量は以下のように計算される:
【数1】
【0041】
ここで、
Uは熱伝達係数であり、Aは表面積であり、ΔT
logは対数温度差である。
【0042】
この作用は、上述の相互接続によって補償することができる。新品の汚れの無い状態では、EGHEを流れる水の最大流量は制限される。上記関係より、
【数2】
ここで、
c
pは定圧比熱であり、ΔTは往き戻り温度差(Temperaturspreizung)であり、質量流量が少ないほど、伝達される熱は少なくなる。汚れの増加に応じて最大流量を適宜調整すること、すなわち増加することができ、これにより熱移動の悪化が補償される。
【0043】
図4は、本発明の装置の第3の実施形態を示す図である。
【0044】
本発明の装置の第3の実施形態400では、第1、第2、第3及び第4の熱交換器11,12,13,14は、第1のポンプ21を備えた伝熱媒体回路に配置されており、第4の熱交換器14を流れる伝熱媒体の質量流量は、第4の熱交換器14を少なくとも部分的にブリッジ接続するためのバイパス路35と、質量流量のブリッジング割合を調整するためのバルブ45と、を用いて制御可能となっている。例えばバルブ45を用いて伝熱媒体の質量流の少なくとも一部をバイパス路35にバイパスすることによって、第4の熱交換器14を流れる質量流量を制御することにより、第4の熱交換器14によって作動媒体へ供給される熱及び/又は排ガスから取り出される熱を制御することができる。
【0045】
本実施形態では、上記の両高温水回路は互いに接続されている。その利点は、必要とされる高温水循環ポンプ21が1つだけとなることである。Eco12ではなく予熱器(VW)14を迂回できるように、三方向弁45の位置を変えることもできる。三方向弁45の位置の上述の変更は、
図1及び
図2の相互接続態様でも、また
図4の相互接続態様でも可能である。
【0046】
本態様でも、機関動作点の如何にかかわらず排ガスポテンシャルがフル活用される。EGHEによる冷却だけでは排ガスの最小温度に未だ達しない場合には、バルブが開弁され(完全又は部分的)、これによりVW14に流すことができる。絞り部85は、水が三方向弁45へ流れるように、EGHE11への直接流路において流れ抵抗を生じさせるものである。
【0047】
代替的に、三方向弁に代えて、質量流をVW14の方向に送るための他の制御可能なポンプを設けることができる。中間回路からの水はVW14によってさらに冷却され、その後、Eco12において再加熱される。
図5の第4の実施形態を参照されたい。
【0048】
本発明ではEco入口温度は、煙道ガスが目標温度まで冷却されるように調整される。Eco12からの排ガス出口温度がこの目標温度を下回ると、直ちにバルブ45が開弁し、これによりVW14を迂回する量が増加する。Eco12に流入する水の温度が高い間、ORC60に流入する熱は少なくなり、この水の温度は有利には排ガスの露点付近である。このことにより、排ガスの凝縮が防止される。三方向弁45をこの位置に配する利点は、常にEGHE11を通る流れが存在することである。これによって、水の蒸発の原因となる局所的なホットスポットが形成されなくなる。
【0049】
<動作のフレキシビリティ>
相互接続は更なる利点を有する。Ecoにおける流れの温度及び質量流量が可変であることにより、Ecoにおける排ガスの冷却を制御することができる。これによって、実際の熱源の実際の排ガスパラメータ(温度、質量流量)に合わせてプロセスを適宜調整することができる。排ガスの熱量がEcoの動作に十分でなくなった場合には、水入口温度を上昇すると同時にORCから吸収される熱を少なくすることにより、排ガス冷却を制限することができる。これによって高度な標準化が達成される。というのも、より少ない種類のEGHEで、同程度又はより幅広い種類の熱源(例えばディーゼルエンジンやガスエンジン等)をカバーできるからである。また、熱源が定点で動作する場合、EGHEにおける流れを固定することもできる。その際にも、固定的な分割(しかしこれは、ケースバイケースで変わり得る)によって種々の出力の大きさをカバーすることができる。極端なケースでは、標準化された1つのEGHEが全ての関連用途(定置、非定置、及び種々の種類の熱源)に適合する。これによって、より多くの共通部品を利用することができ、これによって物流及び経済性において大きな利点が奏される。
【0050】
エコノマイザにおいて水質量流量に相当する高温水の温度の散逸がエコノマイザにおいて生じることにより、排ガス温度と水温度との間の間隔すなわち温度差をさらに大きくすることができる。これによって、EGHEにおいて伝熱のために必要とされる面積が縮小する。その代わり、水から作動媒体への伝熱に必要とされる面積は拡大する。しかし、蒸発器及び予熱器の表面積は特にEGHEの表面積よりお手頃であるため、水から作動媒体への伝熱面積が拡大してもなお経済面の利点は奏される。
【0051】
他の一改良形態では、Eco及びEGHEの熱交換器表面積をまとめて1つの排ガス熱交換器に統合することができる(
図4の破線を参照のこと)。高温水回路は、EGHEにおいて必要とされる高温水接続部が3つのみとなるように、ハウジング80内で相互接続することができる。これによってEGHEの設計は格段にコンパクトになり、配管量が削減される。
【0052】
図5は、本発明の装置の第4の実施形態を示す図である。
【0053】
図5では、
図4の第3の実施形態の変形態様が第4の実施形態500として示されている。
【0054】
三方向弁(及び絞り部)に代えて、他の制御可能なポンプ24が、伝熱方向14(予熱器VW14の方向)の質量流を送り、その流量を調整するために設けられている。中間回路からの水はVW14によってさらに冷却され、その後、Eco12において再加熱される。
【0055】
<構成要素が非冗長であるにもかかわらずの冗長性/過熱防止>
駆動目的又は連続発電目的のために内燃機関を用いる場合の上記相互接続の機能性をより良好に保証できるようにするため、相互接続をさらに改善することができる。ORCシステムの個々の構成要素に不具合が生じた場合、この不具合によって例えば、水回路又はエンジン冷却水の過熱等により、内燃機関から動力を受ける船舶が操縦不能に陥ってはならない。従来技術では、例えばORC冷却回路又は水中間回路の循環ポンプは2つのポンプとして冗長設計しなければならなかったが、これは追加コストになるだけでなく、設備及び保守作業の追加にもなる。
【0056】
図6の第5の実施形態600の相互接続により、この必要な緊急時動作能力が提供される。それと同時に、標準的な構成要素(すなわち非冗長的なポンプ)を使用することができる。同図では、高温水回路及び冷却回路は図示のように相互接続されている。水回路では、沸点から十分な間隔を保つことを保証しなければならない。流体の沸点は圧力レベルに依存するので、従来技術の高温水管路及びその構成要素は低温水管路より高い圧力レベルを有し、このことは、コスト上昇と材料に係る要求の増大に繋がる。しかし、本相互接続により、その接続流路によって、両方の水回路を比較的高い同じ動作圧力に対応するよう設計すれば良くなり、このことは容易に想到可能なことではない。
【0057】
かかる構成により、ORCシステムに不具合が生じた場合、バルブ75を開弁することにより熱がORC60を迂回するようにして、冷却システムにより冷却することができる。例えば高温水回路のポンプ21等に不具合が生じた場合、冷却水回路のポンプ72がその役割を引き継ぐ。遮断弁76と開弁した三方向弁75とにより、水が再循環せずに熱交換器(EGHE11及びEco12)に通されて熱が確実に放出されることが保証される。さらに、図示のように逆止弁77も設けられる。
【0058】
ポンプ72に不具合が生じた場合にも同様である。というのも、ORC60の動作は機関動作から完全に切り離されているからである。
【0059】
ここで開示した実施形態は単なる例示であり、本発明の全範囲は請求の範囲によって定まる。