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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-16
(45)【発行日】2023-02-27
(54)【発明の名称】集積回路、携帯端末及びディスプレイ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/82 20060101AFI20230217BHJP
   H01L 21/822 20060101ALI20230217BHJP
   H01L 27/04 20060101ALI20230217BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20230217BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20230217BHJP
【FI】
H01L21/82 L
H01L27/04 D
G09G3/20 680G
G09G3/20 621M
G09G3/20 612A
G09G3/20 623V
G09G3/20 623X
G09G3/20 623R
G09G3/20 611J
G09F9/00 346D
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021091603
(22)【出願日】2021-05-31
(62)【分割の表示】P 2019524020の分割
【原出願日】2018-01-05
(65)【公開番号】P2021153188
(43)【公開日】2021-09-30
【審査請求日】2021-05-31
(31)【優先権主張番号】201710009707.2
(32)【優先日】2017-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515179314
【氏名又は名称】昆山工研院新型平板顕示技術中心有限公司
【氏名又は名称原語表記】KUNSHAN NEW FLAT PANEL DISPLAY TECHNOLOGY CENTER CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Building No.3,No.188 Chenfeng Road,Yushan Town,Kunshan,Jiangsu 215300,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】515176173
【氏名又は名称】クンシャン ゴー-ビジオノックス オプト-エレクトロニクスカンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100166729
【弁理士】
【氏名又は名称】武田 幸子
(72)【発明者】
【氏名】ジャング ティンティン
(72)【発明者】
【氏名】ソング ヤンキン
(72)【発明者】
【氏名】フー シミング
(72)【発明者】
【氏名】ズー フーイー
(72)【発明者】
【氏名】リン リー
【審査官】岩本 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-113548(JP,A)
【文献】特開2006-106676(JP,A)
【文献】特開2007-157374(JP,A)
【文献】国際公開第2013/157285(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/04
H01L 21/82
H01L 21/822
G09G 3/20
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板に分布された内部に電源線の配線隙間が設けられたデータ分配器およびデータドライバと、
前記データドライバおよびデータ分配器に接続された複数本の第1のデータ線と、
前記電源線の配線隙間を貫通する少なくとも1本の第1の電源線と、を含み、
前記データ分配器は、前記基板に分布されている、前記第1のデータ線に接続された複数の機能ユニットを含み、
隣接する2つの前記機能ユニットの間は、前記基板に分布された導線によって接続され、且つ、隣接する2つの前記機能ユニットの間に前記電源線の配線隙間が設けられることを特徴とする、集積回路。
【請求項2】
前記第1の電源線は、前記第1のデータ線と前記第1の電源線との交差長を減少するよう前記電源線の配線隙間を貫通することを特徴とする、請求項1に記載の集積回路。
【請求項3】
隣接する2つの前記機能ユニットの間に隙間が設けられ、前記隙間は、前記電源線の配線隙間と前記第1の電源線が設けられていない空き隙間とを含み、前記電源線の配線隙間の幅は前記空き隙間の幅よりも大きいことを特徴とする、請求項2に記載の集積回路。
【請求項4】
前記電源線の配線隙間に隣接する第1の空き隙間の幅は、前記電源線の配線隙間と少なくとも1つの前記第1の空き隙間を間隔した第2の空き隙間の幅よりも小さいことを特徴とする、請求項3に記載の集積回路。
【請求項5】
前記第1の空き隙間の幅が前記第2の空き隙間の幅よりも小さい場合、単一の前記電源線の配線隙間の幅と単一の前記第1の空き隙間の幅との和は、単一の前記第2の空き隙間の幅の2倍となることを特徴とする、請求項4に記載の集積回路。
【請求項6】
それぞれの前記空き隙間の幅は等しい、ことを特徴とする、請求項3に記載の集積回路。
【請求項7】
前記第1の電源線は、前記データドライバから引き出された後、直線状に延在し、前記データ分配器を貫通するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の集積回路。
【請求項8】
前記第1の電源線は、少なくとも2本設けられ、且つ、前記データ分配器を貫通した後、1本の第2の電源線に集積するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の集積回路。
【請求項9】
更に前記データ分配器に接続されて前記集積回路の走査線と交差する複数の第2のデータ線を含み、それぞれの前記第2のデータ線は、直線状に延在する第2のデータ線部分を含み、且つ隣接する2つの前記第2のデータ線部分の間の隙間は等しいことを特徴とする、請求項1に記載の集積回路。
【請求項10】
筐体と、前記筐体内に設けられた請求項1~9のいずれか1項に記載の集積回路とを含むことを特徴とする、携帯端末。
【請求項11】
筐体と、前記筐体内に設けられた請求項1~9のいずれか1項に記載の集積回路とを含むことを特徴とする、ディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2017年1月6日に出願された出願番号:201710009707.2で、名称:「集積回路、携帯端末及びディスプレイ」である中国特許に対して、優先権の利益を主張するものであり、本出願は上記出願の全ての内容を参照し援用する。
【0002】
本出願は電子回路技術分野に関わり、特に集積回路に関わり、更に、該集積回路が設けられた携帯端末およびディスプレイに関わる。
【背景技術】
【0003】
集積回路(integrated circuit)は、マイクロ回路、マイクロチップまたはチップとも呼ばれ、小型電子デバイスまたは部材である。集積回路は、一定のプロセスを採用し、1枚または複数枚の基板の回路に必要な素子と配線を互いに接続し、必要な回路機能を有する小型構造にするものである。
【0004】
集積回路は、軍事、通信、遠隔操作等の分野の設備に応用させ得る。携帯端末に適用される集積回路を例とし、図1に示すように、基板1には、データ分配器2(DEMUX、デマルチプレクサとも呼ばれる)、データドライバ3、データドライバ3に接続された電源線4およびデータ線5が集積される。そのうち、データ線5はデータ信号の伝送に用いられる。データ分配器2はデータ線5によって伝送される信号を多重信号に割り当てることに用いられ、データドライバ3に接続されたデータ線をあまり多く必要としないことを保証する。電源線4は電力を伝送し、データドライバ3に電力を供給するために用いられる。
【0005】
通常の場合、電源線4はデータドライバ3から引き出された後、データ分配器2を迂回する必要があって、それにより基板1の他の領域まで延在して他の領域のデバイスに電力を供給できる。但し、このようなことは、データ線5における寄生容量が大きくなり、データ信号の伝送が妨げられ、データ信号遅延の原因になってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本出願の実施例は、従来技術において、データ線上の寄生容量が大きく、データ信号が遅延してしまう問題を解決するための集積回路を提供する。
【0007】
本出願の実施例は、更に従来技術においてデータ線上の寄生容量が大きく、データ信号が遅延してしまう問題を解決するための携帯端末およびディスプレイを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本出願の実施例は、以下の発明を採用する。
【0009】
本出願の集積回路は、基板と、前記基板に分布されたその内部に電源線の配線隙間が設けられたデータ分配器およびデータドライバと、前記データドライバおよびデータ分配器に接続された第1のデータ線と、前記データドライバに接続されて前記電源線の配線隙間を貫通する第1の電源線とを含む。
【0010】
オプションとして、前記データ分配器は前記基板に分布されて前記第1のデータ線に接続された複数の機能ユニットを含み、そのうち、隣接する2つの前記機能ユニットの間は、前記基板に嵌設された導線によって接続され、且つ、隣接する2つの前記機能ユニットの間に前記電源線の配線隙間が設けられる。
【0011】
オプションとして、隣接する2つの前記機能ユニットの間に隙間が設けられ、前記隙間は
、前記電源線の配線隙間と前記第1の電源線が設けられていない空き隙間とを含み、そのうち、前記電源線の配線隙間の幅は前記空き隙間の幅より大きい。
【0012】
オプションとして、前記電源線の配線隙間に隣接する第1の空き隙間の幅は、前記電源線の配線隙間と少なくとも1つの前記第1の空隙を間隔した第2の空き隙間の幅より小さく、または、それぞれの前記空き隙間の幅が等しい。
【0013】
オプションとして、前記第1の空き隙間の幅が前記第2の空き隙間の幅より小さい場合、単一の前記電源線の配線隙間の幅と単一の前記第1の空き隙間の幅との和は、単一の前記第2の空き隙間の幅の2倍となる。
【0014】
オプションとして、前記第1の電源線は、前記データドライバから引き出された後、直線状に延在し、前記データ分配器を貫通するように構成される。
【0015】
オプションとして、前記第1の電源線は、少なくとも2本設けられ、且つ、前記データ分配器を貫通した後、1本の第2の電源線に集積するように構成される。
【0016】
オプションとして、更に前記データ分配器に接続されて前記集積回路の走査線と交差する複数の第2のデータ線を含み、そのうち、それぞれの前記第2のデータ線は、直線状に延在する第2のデータ線部分を含み、且つ隣接する2つの前記第2のデータ線部分の間の隙間は等しい。
【0017】
本出願の携帯端末は、筐体と、前記筐体内に設けられた集積回路とを含み、そのうち、前記集積回路は上記のいずれか1項に記載の集積回路である。
【0018】
本出願のディスプレイは、筐体と、前記筐体内に設けられた集積回路とを含み、そのうち、前記集積回路は上記のいずれか1項に記載の集積回路である。
【0019】
本出願の実施例が採用する上記少なくとも1つの発明は、以下の有益な効果を達することができる。
【0020】
本出願の実施例が採用する態様において、基板にデータ分配器、データドライバ、第1のデータ線、および第1の電源線が嵌設され、そのうち、第1の電源線はデータ分配器の内部の電源線の配線隙間を貫通する。このように、第1のデータ線と第1の電源線との交差長を減少することができる。第1のデータ線と第1の電源線との交差領域に寄生容量があるため、第1のデータ線と第1の電源線との交差領域が減少すると、第1のデータ線に蓄積される寄生容量もそれに応じて減少し、第1のデータ線の寄生容量がデータ信号に与える阻害を小さくすることができ、更に、データ信号の遅延を減少することができる。これにより、本出願は、データ線の寄生容量を小さくすることで、データ信号の遅延を減少することができる態様を提出する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
ここで説明する図面は、本出願に対する更なる理解を提供するために用いられ、本出願の一部と構成され、本出願の実施例は概要にすぎず、およびその説明は、本出願を解釈するためのものであり、本出願に対する不当な限定と構成されない。
【0022】
図1】従来技術における集積回路の構造概要図である。
図2】本出願の実施例に係る第1種の集積回路の構造概要図である。
図3】本出願の実施例に係るデータ分配器の構造概要図である。
図4】本出願の実施例に係る電源線を除去した集積回路の構造概要図である。
図5】本出願の実施例に係る第2種の集積回路の構造概要図である。
図6】本出願の実施例に係る集積回路が設けられた携帯端末の構造概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本出願の目的、発明および利点をより明確にするために、以下、本出願の具体的な実施例および対応する図面を結びつけながら、本出願の発明を明確かつ十分に説明する。勿論、説明する実施例は本出願の実施例の一部に過ぎず、あらゆる実施例ではない。本出願における実施例に基づき、当業者が創造的な活動を行わないことを前提とし、取得される全ての他の実施例も、本出願の保護範囲に含まれている。
【0024】
図2に示すように、本出願の集積回路は、基板1、基板1にそれぞれ分布されたデータ分配器2、データドライバ3、第1の電源線4、複数の第1のデータ線5および複数の第2のデータ線6を含む。そのうち、基板1が複数層設けられてもよく、第1のデータ線5および第2のデータ線6が同一層に位置し、第1のデータ線5および第1の電源線4が異なる層に位置し、第1のデータ線5が設けられた層と第1の電源線4が設けられた層との間は絶縁層によって仕切られ、データ分配器2およびデータドライバ3は、それぞれ第1のデータ線5が設けられた層と第1の電源線4が設けられた層を貫通する。
【0025】
それぞれの第1のデータ線5はデータドライバ3に接続され、データドライバ3は、第1のデータ線5を駆動してデータ信号を第1のデータ線5に転送し、また第1のデータ線5によって伝送するために用いられる。データ分配器2は、第1のデータ線5および第2のデータ線6に接続され、第1のデータ線5によって伝送されるデータ信号を分流し、分流されたデータ信号を第2のデータ線6に転送するために用いられる。そのうち、第2のデータ線6と集積回路の走査線(図示せず)とは交差して設けられる。
【0026】
図2および図3に示すように、データ分配器2の内部に電源線の配線隙間81が設けられる。第1の電源線4はデータドライバ3から引き出された後、電源線の配線隙間81を貫通する。第1の電源線4は少なくとも2本設けられてもよく、それぞれの第1の電源線4は異なる電源線の配線隙間81に位置し、すなわち、1つの電源線の配線隙間81に1本の第1の電源線4が設けられる。それぞれの第1の電源線4がデータ分配器2を貫通した後、1本の第2の電源線7に集積することができ、この場合、第2の電源線7の延在方向は、第2の電源線7に接続された他の電源線(第1の電源線4以外の他の電源線)を配置しやすくするように、データドライバ3の延在方向とほぼ平行であってもよい。
【0027】
第1の電源線4は電源線の配線隙間81を貫通し、データ分配器2を迂回する必要がない。これにより、第1の電源線4の設計にほぼ影響を与えず、第1の電源線4の電気抵抗による電圧降下にほぼ影響を与えず、第1のデータ線5と第1の電源線4との交差長を減少することができ、これにより第1のデータ線5の寄生容量を小さくすることができ、更に、データ信号の遅延を減少することができる。
【0028】
1つの具体的な実施例において、図4に示すように、データ分配器2は、基板1に分布された複数の機能ユニット21を含み、隣接する2つの機能ユニット21の間は基板1に嵌設された導線22によって接続される。複数の機能ユニット21は、1列に沿って設けられ、且つ配列方向はデータドライバ3の延在方向とほぼ平行である。それぞれの機能ユニット21には、一部の第1のデータ線5および一部の第2のデータ線6が接続される。それぞれの機能ユニット21の機能は、需要に応じて具体的に設定することができる。
【0029】
隣接する2つの機能ユニット21の間には一定の隙間8で開けておく。該隙間8は電源線の配線隙間81を含み、すなわち、電源線の配線隙間81を設けやすいように、隣接する2つの機能ユニット21の間には電源線の配線隙間81が設けられる。電源線の配線隙間
81を設ける際に、第1の電源線4の長さを更に減少し、第1のデータ線5と第1の電源線4との交差長を減少するように、第1の電源線4をデータドライバ3から引き出した後、直線的に延在させ、データ分配器2を貫通させてもよい。
【0030】
通常の場合、データドライバ3から引き出された第1の電源線4は、一般的に3本以下である一方、機能ユニット21の数は10個よりも多い。そのため、機能ユニット21の間の隙間8は、電源線の配線隙間81の他に、更に第1の電源線4の設置に使用されていない空き隙間82を含んでもよい。データ分配器2の長さを小さくし、更にデータ分配器2が基板1に分布させられるように、空き隙間82の幅を電源線の配線隙間81の幅より小さくさせてもよい。
【0031】
一例において、電源線の直径はほぼ100μm(マイクロメートル)であり、電源線の配線隙間81の幅は110μmであってもよく、空き隙間82の幅は100μmより小さくなってもよい。もちろん、該例は例示的な説明に過ぎない。実際において、具体的な需要に応じて具体的に設定することができる。
【0032】
また、第1の空き隙間821の幅Bは第2の空き隙間822の幅Cよりも小さくてもよい。そのうち、第1の空き隙間821は、電源線の配線隙間81に隣接する空き隙間82であり、第2の空き隙間822は、電源線の配線隙間81と少なくとも1つの前記第1の空隙を間隔した空き隙間82である。このように、第1の空き隙間の幅と第2の空き隙間の幅とが等しい場合と比べ、第1のデータ線5および第2のデータ線6の配線方式から言うと、第1の機能ユニット(電源線の配線隙間81と第1の空き隙間821との間に位置する機能ユニット21)に接続された第2のデータ線6の折り曲げ度合いが大きく、第2の機能ユニット(第1の機能ユニット以外の他の機能ユニット21)に接続された第2のデータ線6の折り曲げ度合いが小さく、更に直線に沿って延在することができる。第1の空き隙間821の幅Bは第2の空き隙間822の幅Cよりも小さく、特に集積回路の画素の解像度がやや低く、機能ユニット21の数がやや少ない場合に適用する。
【0033】
更に、単一の電源線の配線隙間81の幅Aと単一の第1の空き隙間821の幅Bとの和は、ほぼ単一の第2の空き隙間822の幅Cの2倍である。上記の例を引き続き使用すると、第1の空き隙間821の幅は50μmであってもよく、第2の空き隙間822の幅は80μmであってもよい。こうすると、第1の機能ユニットに接続された第2のデータ線6は、一段折り曲げられてから直線状に延在する一方、他の第2のデータ線6は直線状に延在することにより。配線の難易度を低減させ、配線効率を向上させる。
【0034】
図4に示すように、第2のデータ線6が設けられた後、第2のデータ線6は、直線状に延在する第2のデータ線部分61を含んでもよい。集積回路の各画素電極に階調信号電圧を効果的に供給できるために、隣接する2つの第2のデータ線部分61の間の隙間は等しくなってもよい。
【0035】
もちろん、データ分配器2のそれぞれの空き隙間の幅は、ほぼ同じ(第1の空き隙間の幅と第2の空き隙間の幅とはほぼ同じである)であってもよい。この場合、図5に示すように、第2のデータ線6は必要に応じて折り曲げて設けられてもよい。図5における他の構造(基板1、データドライバ3、第1の電源線4、第1のデータ線5、第2の電源線7等を含む)は、図2図4に示す他の構造とほぼ同じであってもよく、ここでは説明を省略する。それぞれの空き隙間の幅は同じであり、特に集積回路の画素の解像度がやや高く、機能ユニットの数がやや多い場合に適用する。
【0036】
もちろん、他の方式で第1の空き隙間821および第2の空き隙間822を設けてもよく、本文では説明を省略する。
【0037】
なお、表1から見られるように、第1の電源線4の電圧が異なると、第1のデータ線5の寄生容量も変化する。
【0038】
【表1】
【0039】
表1において、T1、T2およびT3は第1の電源線4の電圧を表し、T1の電圧はT3の電圧よりも大きく、T3の電圧はT2の電圧よりも大きく、T2の電圧はほぼゼロである。
【0040】
Rは第1のデータ線5の抵抗を表す。
【0041】
Cは第1のデータ線5の寄生容量を表す。
【0042】
RCは第1のデータ線5の抵抗容量を表す。
【0043】
表1から見られるように、本出願の態様を採用することで、第1のデータ線5の寄生容量は明らかに小さくなる。表1から更に見られるように、第1の電源線4の電圧が大きければ大きいほど、本出願の態様を採用することで、第1のデータ線5の寄生容量は多く小さくなる(従来技術に対して)。
【0044】
本出願は、更に筐体および集積回路が設けられた携帯端末100(図6に示すようで、そのうち、領域Dの拡大した後、図5に示す構造模式図である)と、筐体および集積回路が設けられたディスプレイとを提供する。携帯端末100およびディスプレイの集積回路は筐体内に設けられ、且つ、集積回路は上記集積回路である。
【0045】
該携帯端末およびディスプレイにおいて、第1の電源線はデータ分配器の内部の電源線の配線隙間を貫通する。こうすると、第1のデータ線と第1の電源線との交差長を減少することができる。第1のデータ線と第1の電源線との交差領域に寄生容量があるため、第1のデータ線と第1の電源線との交差領域が減少すると、第1のデータ線に蓄積される寄生容量もそれに応じて減少され、それにより第1のデータ線の寄生容量がデータ信号に与える障害を小さくすることができ、更に、データ信号の遅延を減少することができる。
【0046】
以上は本出願の実施例に過ぎず、本出願を限定するものではない。当業者にとって、本出願は様々な変更や変化が可能である。本出願の精神および原理内で行われるいかなる修正、均等な置換、改良等は、いずれも本出願の特許請求の範囲内に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6